JPH0911462A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置

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JPH0911462A
JPH0911462A JP16099695A JP16099695A JPH0911462A JP H0911462 A JPH0911462 A JP H0911462A JP 16099695 A JP16099695 A JP 16099695A JP 16099695 A JP16099695 A JP 16099695A JP H0911462 A JPH0911462 A JP H0911462A
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JP
Japan
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ink
recording head
jet recording
heat
protective layer
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JP16099695A
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Hirokazu Komuro
博和 小室
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱抵抗体の耐久性が高いインクジェット記
録ヘッド。 【構成】 インクジェット記録ヘッドの液路内のインク
を加熱発泡させオリフィスからインクを吐出させる熱作
用部101に備えた電気熱変換体は、電極102に接す
る端部等は保護層で覆われており端部以外の上面には保
護層は無く直接インクに接する熱作用面を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気信号の入力により
記録媒体に向けてインクを吐出するインクジェット記録
ヘッド、及びこのインクジェット記録ヘッドを装着し記
録媒体に文字やイメージ画像等の記録を行うインクジェ
ット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】計算機、ワードプロセッサ、ファクシミ
リ装置、複写装置、プリンター等、各種機器において、
用紙等の記録媒体に記録を行う手段として、騒音発生す
ることがなく高速な記録が可能、しかもカラー画像の記
録も容易なことからインクジェット記録装置が広く利用
されつつある。
【0003】インクジェット記録装置に備えたインクジ
ェット記録ヘッドは、インクジェット記録装置からの信
号電流の入力により記録媒体に対向した位置からインク
を吐出して記録媒体に文字やイメージ画像等の記録を行
う部材であり、インクジェット記録装置からの信号電流
により発生させた熱エネルギーによりインクを吐出させ
る構成となっている。
【0004】この種のインクジェット記録ヘッドに関
し、例えば特開昭54−51837号公報に記載されて
いるインクジェット記録法は、熱エネルギーを液体に作
用させて、液滴吐出の原動力を得るという点において、
他のインクジェット記録方法とは異なる特徴を有してい
る。
【0005】即ち、上記の公報に開示されている記録法
は、熱エネルギーの作用を受けた液体が加熱されて気泡
を発生し、この気泡発生に基づく作用力によって、記録
ヘッド部先端のオリフィスから液滴が吐出され、この液
滴が被記録部材に付着して情報の記録が行われるという
ことを特徴としている。
【0006】この記録法に適用される記録ヘッドは、一
般に液体を吐出するために設けられたオリフィスと、こ
のオリフィスに連通して液滴を吐出するための熱エネル
ギーが液体に作用する部分である熱作用部を構成の一部
とする液流路とを有する液吐出部、及び熱エネルギーを
発生する手段である熱変換体としての発熱抵抗層と、こ
れをインクから保護する上部保護層と蓄熱するための下
部層を具備している。
【0007】しかし、ヘッド設計の立場及び吐出設計の
立場から熱をインクに効率良く伝えることが望ましく上
部保護層がない膜構成が特開昭55−126462号公
報に提案されている。この膜構成に使用される発熱抵抗
層は耐インク性に優れなければならない。即ち高温状態
での電気化学性に優れ、且つ泡の消泡時に発生するキャ
ビテーションに強くなければいけない。このような特性
を持つ発熱抵抗層が特願平1−46769号の公報に提
案されているAl−Ta−Ir、特願平2−55131
号の公報に提案されているTa−Irのような材料があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したよ
うな電気熱変換体が熱作用部として直接インクに接する
膜構成の記録ヘッドは消費電力が低いことから従来より
低い電流で駆動できる。したがって、従来より低価格の
駆動素子を用いることができる。さらに駆動素子の低価
格化のため、また低電流にするため、発熱抵抗層の膜厚
を薄くし、シート抵抗値を大きくする(例えば従来の2
0Ωから100Ωにする)ことによって、低電流駆動を
達成しようとしたが、従来に比較して、吐出耐久性が低
下した。
【0009】吐出耐久性低下の原因を検討した結果、耐
久性低下の原因は、電気化学反応が従来より早く発生し
たことによることがわかった。
【0010】ここで上記したような電気熱変換体が熱作
用部として直接インクに接する膜構成の発熱抵抗体の電
気化学反応による破壊について考察する。
【0011】発熱抵抗体の電気化学反応による破壊は下
記の原因によると考えられる。
【0012】1.アルカリ金属イオンの陰極部へのアタ
ック 発熱抵抗体、特に発熱抵抗体パターン端部に関しては電
気化学反応が発生し易い蓄熱層、特に発熱抵抗体パター
ン端部近傍の蓄熱層が電気化学反応によって溶解し易
い。
【0013】2.発熱抵抗体陽極部の溶解 以上の電気化学反応は下記の要因によって促進される 1.電圧 発熱抵抗体駆動電圧が大きければ、ヒータ内での電位差
が大きくなり電気化学反応が進むことになる、 2.温度 電気化学反応は化学反応であるから温度が高くなると当
然電気化学反応が進むことになる。これは駆動電圧が発
泡電圧の何倍かで決まり、また駆動パルス幅にも関係す
る、 3.加熱時間 1パルス中の加熱時間で電気化学反応の進み方が異な
る。即ち、駆動パルス幅で決まることになる、 4.インク種類 当然インクのイオン種によって決まる、 5.発熱抵抗体材料と膜厚 当然発熱抵抗体材料によって電気化学反応は異なるが、
さらに膜厚によって破断までに至る時間が変わる、当然
膜厚が厚い方が有利である。
【0014】以上のような要因によって電気化学反応の
状況が変わるので、前記した、シート抵抗アップによる
吐出耐久性の低下は以下のように考察できる。
【0015】シート抵抗アップによって、発熱抵抗体内
の電位差が大きくなる。そして、電位差が大きいことに
よって電気化学反応が促進された。また、シート抵抗値
アップのため発熱抵抗体の膜厚を薄くすることによっ
て、発熱抵抗体の耐電気化学反応が弱くなった。したが
って、以上の2点によって、シート抵抗アップにより吐
出耐久性が低下したと考えられる。
【0016】このように、従来の発熱抵抗体材料をその
ままパターニングして、発熱抵抗体として用いても吐出
耐久性の低下する場合があった。
【0017】以上説明したシート抵抗アップによる吐出
耐久性の低下の場合以外でも、発熱抵抗体のパターン設
計によっては駆動電圧が高くなったり、コストダウンの
ため駆動電圧一本化した時にヘッドのバラツキで発熱抵
抗体の到達温度が高くなったり、用紙選択性向上のた
め、種々のインクが採用されるなど電気化学反応に対し
て促進する要因が増加している。したがって、従来より
電気化学的に安定な膜材料、構成が求められている。
【0018】また、電気化学反応以外でも従来の電気熱
変換体が熱作用部として直接インクに接する膜構成で発
熱抵抗体の上部に何もないため、発熱抵抗体が上部に対
して自由であるため構造的に熱ストレスに弱い。ところ
で、熱を用いてインク吐出する方式ではインクを発泡す
るため瞬間的に温度を上昇させる。したがって、発熱抵
抗体に大きな熱ストレスを生じる。この熱ストレスは発
熱対抗体の到達温度と関連があり、上記説明したコスト
ダウンのため駆動電圧一本化の場合、発熱抵抗体の到達
温度が高くなり熱ストレス耐久性が不十分なことがあっ
た。とくに、熱ストレスは発熱抵抗体の端部にストレス
がかかり易く、発熱抵抗体端部がはがれ、破断すること
があった。
【0019】本発明は、上記従来の問題点を解消するた
めに成されたもので、記録用のインクに接して加熱し発
泡させる発熱抵抗体の耐久性が高いインクジェット記録
ヘッド及びインクジェット記録装置の提供を目的とする
ものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】このため、本発明に係る
インクジェット記録ヘッドは、記録用の液体を吐出する
オリフィスに連通した前記液体に熱エネルギーを供給し
て該液体中に気泡を発生させる熱作用部と、前記熱エネ
ルギーを発生する電気熱変換体と、該電気熱変換体を保
持する下部層とを有するインクジェット記録ヘッドであ
って、前記電気熱変換体は、前記熱作用部に位置し端部
は保護層で覆われ端部以外の上面には前記保護層は無く
直接前記液体に接する熱作用面を形成していることを特
徴とする構成、或は、前記電気熱変換体は、熱作用面と
して前記液体に接し発泡させる表面部以外は前記保護層
で覆われていることを特徴とする構成によって、前記の
目的を達成しようとするものである。
【0021】また、本発明に係るインクジェット記録装
置は、前記構成のインクジェット記録ヘッドを備え、前
記オリフィスから記録用の液体を記録媒体に向けて吐出
し記録を行うことを特徴とする構成によって、前記の目
的を達成しようとするものである。
【0022】
【作用】上記の構成により、具体的には、発熱抵抗体上
に保護層を設け、発泡必要な部分の保護層をエッチング
により窓開けにして、少なくとも、発熱抵抗体の端部に
保護層が覆っているようになっており、発熱抵抗体端部
を保護層で覆うことにより、熱作用部が直接インクと接
していても、発熱部の電気化学反応、特に蓄熱層の電気
化学反応を抑えることができ、電気化学反応に対して耐
久性が高いインクジェット記録ヘッドを提供することが
できる。さらに、熱ストレスに対しても耐久性が高い記
録ヘッドを提供することができる。
【0023】さらに、保護層の領域が熱作用面としてイ
ンクを発泡させる領域以外の発熱抵抗体面を覆っている
ことにより、発熱抵抗体の熱作用面以外の領域は到達温
度が低い。その低い場所を電位差が大きい部分にするこ
とによって、その電位差が大きい部分の電気化学反応の
進行を抑えることができる。したがって、電気化学反応
に対して耐久性が高い記録ヘッドを提供することができ
る。
【0024】したがって、発泡安定性が良く、省電力に
よる印字中の温度上昇が少ない、吐出耐久性の良いイン
クジェット記録ヘッドが提供できる。即ち、印字品位が
良く安定性が高い記録ヘッドが提供できる。また駆動電
流を低くできることから、低価格の駆動素子を使用で
き、記録ヘッドの低価格化が計れる。また駆動電圧の一
本化を行なっても、ヘッドのバラツキによって発熱抵抗
体到達温度がある程度上昇しても耐久性が低下しない記
録ヘッドを得ることができ、インクジェット記録装置の
低価格化が計れる。さらに、どのようなインクでも耐久
性が良好でインク自由度が高い記録ヘッドを得ることが
できる。したがって、用紙選択性が広いインクジェット
記録装置を得ることができる。
【0025】
【実施例】本発明に係るインクジェット記録ヘッド及び
インクジェット記録装置を実施例により説明する。
【0026】本発明の実施例は、前記従来のインクジェ
ット記録ヘッドと同様に、インクジェット記録装置の電
流供給手段からインクジェット記録ヘッドに供給される
電気信号により電気熱変換素子は発熱し、インク流路内
のインクを加熱発泡させ、この発泡によりインク流路内
のインクを記録媒体に対向した位置にあるオリフィス
(インク吐出口)から記録媒体に向けて吐出し、文字や
イメージ画像等の記録を行う構成となっている。
【0027】以下、本発明に係るインクジェット記録ヘ
ッドの実施例1〜実施例4を図面を参照して説明する。
なお本発明に係るインクジェット記録装置の実施例は、
本実施例のインクジェット記録ヘッドを備えたインクジ
ェット記録装置である。
【0028】図1は、本発明の実施例1の記録ヘッドの
ヒータボードの要部平面図、図2は、図1のXY断面図
である。図3,図4は本発明の実施例2の記録ヘッドの
ヒータボードの要部平面図および同断面図、図5,図6
は本発明の実施例3の記録ヘッドのヒータボードの要部
平面図および断面図、図7,図8は本発明の実施例4の
記録ヘッドのヒータボードの要部平面図および断面図で
ある。図9は本発明の実施例1および実施例2の記録ヘ
ッドの斜視図、図10は本発明の実施例3および実施例
4の記録ヘッドの斜視図である。
【0029】まず、基板としてシリコン基板上に、下部
層として蓄熱層として膜厚2.0μmのSiO2 を熱酸
化によって形成する。次に、発熱抵抗層としてTa−I
rをスパッタ法で膜厚0.02μm成膜する。シート抵
抗値は100Ωであった。次に電極層としてTiを膜厚
0.005μm、Auを膜厚0.6μm蒸着で成膜す
る。そして、フォトリソ技術により図1に示すような回
路パターンを形成し、表1に示す寸法の発熱部分101
および電極102を形成する。
【0030】次に、上部保護層103として、Si3
4 をスパッタ法によって、膜厚1.0μm形成する。さ
らに、上部保護層103をフォトリソ技術によって、図
1に示すような発熱部分101上の部分をエッチングに
よって窓開けをする。窓開けした部分が発泡に寄与する
熱作用部となる。表1に各実施例の寸法を示す。
【0031】このようにして、図9に示すようにヒータ
ボード111が完成する。
【0032】尚、比較例1〜4として、表1に示す寸法
で発熱部、発熱部近傍の電極を形成したヒータボードを
用いた。但し、発熱抵抗体上部保護層は形成されていな
い。
【0033】次に、実施例1,2、比較例1,2のノズ
ル形成法について図9を参照して説明する。
【0034】まず、ヒータボード111上にネガDFを
用いフォトリソ技術によりノズル壁を形成する。そし
て、ノズル壁を覆うインク供給口112が形成されてい
るガラス製の天板110を接合し、最後にヒータボード
111、ノズル壁、天板113を同時に切断しノズル、
吐出口105を形成する。尚、各実施例および比較例に
おける吐出口105の寸法を表1に示してある。そして
最後に実装を行ない記録ヘッドが完成する。
【0035】実施例3,4、比較例3,4のノズル形成
法について図10を参照して説明する。
【0036】まず、ヒータボード111にインク供給口
112となるようにレーザ加工で穴を開ける。
【0037】次に、ヒータボード111上にネガDFを
用いフォトリソ技術によりノズル壁を形成する。さら
に、エレクトロフォーミング技術を用いて、吐出口10
5が開いている厚み50μmのNi製のオリフィスプレ
ート113を形成し、前記したノズル壁上に貼り合わせ
る。各実施例および比較例における吐出口105の寸法
を表1に示してある。そして、最後にインク供給管を取
付け、実装を行ない記録ヘッドが完成する。
【0038】
【表1】
【0039】このようにしてできた記録ヘッドの耐久性
を測定した。なお耐久性は次の2つの方法で評価した。
【0040】1.CST(コンスタントステップストレ
ステスト) 熱ストレスに対する耐久性を評価する方法であり、断線
するまでの時間で評価、断線するまで時間が長ければ長
いほど良い。
【0041】駆動条件について 駆動波形:非駆動時には駆動電圧に電位が上がっており
駆動時には電位が下がるような矩形波の駆動方法であ
る。但し、矩形で無くても良い 駆動周波数:3kHz 駆動パルス幅:3μsec 駆動電圧:発泡電圧の1.4倍 実施例、比較例とも発泡電圧は23V前後を示した。従
来のシート抵抗20Ωに比較して約2倍の発泡電圧であ
った。実施例と比較例の発泡電圧がほぼ同じであること
から、実施例も熱作用部が直接インクに接する比較例と
同等であると考えられる。
【0042】以上の条件で駆動してCSTの結果を表2
に示す。尚、断線にまでいたる時間は比較例1に対する
相対値で示してある。
【0043】2.吐出耐久試験 記録ヘッドにインクを充填し、実際に吐出させ断線まで
の時間を測定する。
【0044】駆動条件について 駆動波形:非駆動時には駆動電圧に電位が上がっており
駆動時には電位が下がるような矩形波の駆動方法であ
る。但し、矩形で無くても良い 駆動周波数:3kHz 駆動パルス幅:3μmsec 駆動電圧:発泡電圧の1.2倍 以上の条件で駆動して吐出耐久の結果を表2に示す。
尚、断線にまでいたる時間は比較例1に対する相対値で
示してある。
【0045】
【表2】
【0046】以上測定結果の表2から、比較例に比べて
実施例は断線にいたるまでの時間でCSTで1桁アッ
プ、吐出耐久試験で2桁アップの効果があった。さら
に、保護層の窓開け部を熱作用部以外まで開けた実施例
2,実施例4は開けた部分が熱作用部だけである実施例
1,実施例3に比較して、5倍以上の吐出耐久において
断線にいたるまでの時間を延ばす効果があった。
【0047】以上、表2に示した結果より、従来の発熱
抵抗体が直接インクに接する構成より、発熱抵抗体の端
部が保護層で覆われている構成の方が耐熱ストレス性、
吐出耐久性が良かった。この事実は実施例より記録ヘッ
ドがどんな形態のものであっても有効であることがわか
った。
【0048】さらに、保護層の窓開け部を熱作用部以外
まで開けることによって、吐出耐久性を上げることがで
きることがわかった。
【0049】さらに、従来ヘッドがシート抵抗が20Ω
であることと比較して、本発明の実施例は100Ωであ
り、約1/2の電流値での低電流駆動が可能になった。
したがって、低価格の駆動素子を用いることができ、ヘ
ッドの低価格化を計ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電気熱変換体が熱作用部として直接インクに接するイン
クジェット記録ヘッドにおいて、電気熱変換体の端部が
保護層で覆われていて、電気熱変換体上で端部以外の保
護層は除去されていることによって、吐出性能が良く、
消費電力が少なく、さらに吐出耐久性が良い低価格の記
録ヘッドを提供できる。
【0051】具体的に説明すると、発熱抵抗体上に保護
層を設け、発泡必要な部分の保護層をエッチングにより
窓開けにして、少なくとも、発熱抵抗体の端部は保護層
が覆っているようになっている。
【0052】発熱抵抗体端部を保護層で覆うことによ
り、熱作用部が直接インクと接していても、発熱部の電
気化学反応、特に蓄熱層の電気化学反応を抑えることが
でき、電気化学反応に対して耐久性が高い記録ヘッドを
提供することができる。
【0053】さらに、上記説明の除去される保護層の領
域が熱作用面として発泡する領域以外の発熱抵抗体面を
含んでいることによって、吐出耐久性を向上させること
ができる。
【0054】具体的に説明すると、発熱抵抗体の熱作用
面以外の領域は到達温度が低い。その低い場所を電位差
が大きい部分にすることによって、その電位差が大きい
部分の電気化学反応の進行を抑えることができる。した
がって、電気化学反応に対して耐久性が高い記録ヘッド
を提供することができる。
【0055】このように本発明によれば、発泡安定性が
良く、省電力による印字中の温度上昇が少なく、吐出耐
久性の良いインクジェット記録ヘッドが提供できる。す
なわち、印字品位が良く安定性が高いインクジェット記
録ヘッドが提供できる。また駆動電流を低くできること
から、低価格の駆動素子を使用でき、記録ヘッドの低価
格化が計れる。また駆動電圧の一本化を行なっても、記
録ヘッドのバラツキによって発熱抵抗体到達温度がある
程度上昇しても耐久性が低下しないインクジェット記録
ヘッドを得ることができ、インクジェット記録装置の低
価格化が計れる。さらに、どのようなインクでも耐久性
が良好でインク自由度が高い記録ヘッドを得ることがで
きる。したがって、用紙の選択性が広いインクジェット
記録装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のヒータボードの要部平面
図である。
【図2】 本発明の実施例1のヒータボードの要部断面
図である。
【図3】 本発明の実施例2のヒータボードの要部平面
図である。
【図4】 本発明の実施例2のヒータボードの要部断面
図である。
【図5】 本発明の実施例3のヒータボードの要部平面
図である。
【図6】 本発明の実施例3のヒータボードの要部断面
図である。
【図7】 本発明の実施例4のヒータボードの要部平面
図である。
【図8】 本発明の実施例4のヒータボードの要部断面
図である。
【図9】 本発明の実施例1,実施例2の記録ヘッドの
斜視図である。
【図10】 本発明の実施例3,実施例4の記録ヘッド
の斜視図である。
【符号の説明】
101 熱作用部 102 電極 103 上部保護層 104 ノズル 105 吐出口 110 天板 111 ヒータボード 112 インク供給口 113 オリフィスプレート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録用の液体を吐出するオリフィスに連
    通した前記液体に熱エネルギーを供給して該液体中に気
    泡を発生させる熱作用部と、前記熱エネルギーを発生す
    る電気熱変換体と、該電気熱変換体を保持する下部層と
    を有するインクジェット記録ヘッドであって、 前記電気熱変換体は、前記熱作用部に位置し端部は保護
    層で覆われ端部以外の上面には前記保護層は無く直接前
    記液体に接する熱作用面を形成していることを特徴とす
    るインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記電気熱変換体は、熱作用面として前
    記液体に接し発泡させる表面部以外は前記保護層で覆わ
    れていることを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッドを備え、前記オリフィスから記録用の液体
    を記録媒体に向けて吐出し記録を行うことを特徴とする
    インクジェット記録装置。
JP16099695A 1995-06-27 1995-06-27 インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 Withdrawn JPH0911462A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001038904A (ja) * 1999-08-02 2001-02-13 Casio Comput Co Ltd インクジェットプリンタヘッド
JP2016016537A (ja) * 2014-07-04 2016-02-01 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッドのクリーニング方法

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JP2001038904A (ja) * 1999-08-02 2001-02-13 Casio Comput Co Ltd インクジェットプリンタヘッド
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