JP2828525B2 - 液体噴射記録ヘッドの製造方法、該方法により製造された液体噴射記録ヘッドおよび該液体噴射記録ヘッドを装着した液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法、該方法により製造された液体噴射記録ヘッドおよび該液体噴射記録ヘッドを装着した液体噴射記録装置

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JP2828525B2
JP2828525B2 JP3154962A JP15496291A JP2828525B2 JP 2828525 B2 JP2828525 B2 JP 2828525B2 JP 3154962 A JP3154962 A JP 3154962A JP 15496291 A JP15496291 A JP 15496291A JP 2828525 B2 JP2828525 B2 JP 2828525B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体噴射記録ヘッドの
製造方法,該方法により製造された液体噴射記録ヘッド
および該液体噴射記録ヘッドを装着した液体噴射記録装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録方法は、インク等の記録液
により飛翔的液滴を形成し、これを紙等の被記録材に付
着させて記録が行なわれるもので、かかる記録方法を採
用した液体噴射記録装置は、低騒音で高速印字、高密度
記録ができ、しかも普通紙に対して、現像,定着などの
処理が不要であることから、装置自体を小型化すること
が可能であり、かつ、大量生産時の生産性が良く、製造
費用も廉価にできるものとして特に注目されている。
【0003】特にオンデマンド型液体噴射記録装置は、
コンティニアス型液体噴射記録装置で必要とされる高電
圧発生装置および不要インクの回収装置を必要とせず、
装置を小型化できることからその応用が有望視されてい
る。その中でも、特公昭61−59914号公報に記載
のものは、液体が充填された液路中の一部を熱して前記
液体に急激に発泡による体積増加に伴う圧力変位を与え
ることにより、前記液路中に連通する吐出口から液体を
吐出させて飛翔用液滴を形成し、このような液滴を被記
録材に付着させて記録する液体噴射記録ヘッドを使用す
ることで液体噴射記録装置として特に注目されている。
しかも、上述の液体噴射記録ヘッドは、ノズルを高密度
化、マルチ化し易い特徴を持つので、ヘッドを長尺化す
ることにより印字速度を向上させ、かつ、高品位の画像
を得ることができるという特色がある。
【0004】この飛翔的液滴を形成するために熱エネル
ギーを利用する液体噴射記録ヘッドにおいて、記録液を
加熱する手段は、電気信号を印加することにより発熱し
て記録液を加熱することのできる発熱抵抗体(以後、ヒ
ーターと称する。)と、かかる発熱抵抗体に電気信号を
印加するための一対の電極とを有する電気熱変換体を具
えている。また、ここで使用される記録液は、一般に顔
料や染料などの記録成分と、これを溶解または分散させ
るための水、あるいは水と水溶性有機溶剤とからなる溶
媒成分とによって形成されている。
【0005】ところで、このような水系記録液において
急激な気化を行なうための加熱限界温度、すなわち、ヒ
ーターの面と液体との間で極めて薄く、かつ、安定した
蒸気膜を介して、その熱伝導で伝えられる熱量により蒸
気が生ずる温度は250℃〜350℃である。したがっ
て、この様な温度特性の記録液を用いて、ヒーターに電
気信号を与えることにより記録液を発泡させ、飛翔的液
滴を形成させて被記録材に記録するためには、ヒーター
は電気信号が与えられる毎に、雰囲気温度から300℃
〜800℃までの温度で繰り返して加熱されることにな
る。
【0006】なおヒーターおよび電極等は半導体プロセ
スによって形成されるもので、例えば、基板上(例え
ば、Si,硝子,セラミックス等)に設けられた発熱抵
抗体(例えば、HfB2 ,ZrB2 ,TaN2,TaS
i等の耐熱抵抗材)上に、中間層(例えば、Ti,Cr
等)を介して、電気良導体である金属からなる配線部
(電極、例えば、Al,Au,Ag,Cu等)を上記中
間層が露出するように積層して形成され、その露出した
部分がヒーターとなる。また、記録液からの電食,酸化
を防ぐための、耐熱性,記録液遮断性に優れた保護膜等
が必要に応じてヒーターおよび電極上に形成される。
【0007】以上の様に、ヒーターを記録信号に応じた
電気信号により繰り返し高温に発熱させて記録液を加熱
し、液滴吐出を行なう構成の記録ヘッド、およびかかる
記録ヘッドを装着した記録装置においては、記録時の記
録特性(特に記録液の特性、例えば粘度,表面張力,密
度等)を改善する目的で、従来、液体噴射記録ヘッドを
記録装置に装着した状態で、例えば米国特許(USP)
第47122172号に示される予備吐出処理、あるい
はUSP第4463359号,USP第4296421
号,USP第4719472号、およびUSP第471
2172号に示される予備加熱処理が含まれる記録モー
ドによって行なわれていた。
【0008】ところで、このような処理を行なうと、記
録時における記録液の方の特性は改善されるが、初期の
段階から最良の記録状態が得られるようにするには十分
なものとは言えず、前述の予備吐出処理や予備加熱処理
を含む記録モードでのヒーターの度重なる高温発熱によ
り、ヒーター材の相変化,応力変化,酸化,および組成
変化を引き起こすことにより、ヒーター材の抵抗値変化
を生じる。また、ヒーター材と配線部(電極)との境界
領域での界面抵抗、さらにその両者間における拡散現象
等によるヒーター材の抵抗配分変化を生じる。
【0009】そこで、これらの問題点を改善するため
に、従来から例えば特開平2−78554に示される液
体噴射記録ヘッドの製造方法、つまりヒーターを発熱さ
せて、その発熱による加熱作用で、ヒーター材の抵抗値
が安定するのに十分なだけ電気信号を電極から印加し、
ヒーター材を加熱処理するエージング過程を含んだ製造
方法が行われてきた。そして、このような製造方法を採
用することで、ヒーター抵抗値変化による記録画像の品
位の劣化やヒーター材の耐久劣化が生じないようにする
ことができるようになり、長時間に渡る記録においても
常に良好で安定した液滴吐出状態が得られる液体噴射記
録ヘッドが提供されるようになった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、前記液体噴射記録ヘッドの製造にあたって、
半導体プロセスによりまずウエハー上にチップ状に複数
の基板が形成されるためウエハーが大きくなる程、また
はそのチップが小さくなり個数が増えれば増える程、成
膜によるウエハー上の膜分布のばらつき、またはウエハ
ー間の膜厚のばらつきによって、製造されてくる個々の
液体噴射記録ヘッド間でそのヒーター材等に膜厚のばら
つきが生じる。また、従来の製造過程におけるエージン
グ処理では、各々の液体噴射記録ヘッドにおけるヒータ
ー材等の膜厚の違いによるエージングの最適条件の違い
は無視されているため、個々の液体噴射記録ヘッドに対
して十分なエージングがなされたことにならず、印字品
位の低化やヒーター材耐久性の劣化に対する十分な解決
策とはならなかった。
【0011】本発明の目的は、これらの問題に鑑みて、
記録を行うにあたり記録の初期の段階から常に良好な液
滴吐出状態が得られるように、好適な範囲内にヒーター
抵抗変化が抑えられ、特に長時間に渡る記録においても
常に良好で安定した液滴吐出状態が得られ、かつ、各々
の液体噴射記録ヘッド間の特性バラツキの少ない液体噴
射記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0012】本発明の第2の目的は、ヒーターにおける
長期に渡る繰り返し加熱に対して、高度の耐久性が得ら
れる液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供することにあ
る。
【0013】本発明の第3の目的は、製造上のばらつき
を抑え、良好で安定した液滴吐出が得られ、廉価でかつ
容易に製造できる液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供
することにある。
【0014】本発明の第4の目的は、常に良好な液滴吐
出状態が得られるように好適な範囲内にヒーター抵抗値
変化が抑えられ、特に長時間に渡る記録においても、常
に良好で安定した液滴吐出状態が得られるようにした液
体噴射記録ヘッドを提供することにある。
【0015】本発明の第5の目的は、ヒーターにおける
長期に渡る繰り返し加熱に対して、高耐久性のある液体
噴射記録ヘッドを高い歩留りでしかも廉価で提供するこ
とにある。
【0016】本発明の第6の目的は、製造上のばらつき
を抑え、良好で安定した液滴吐出が得られる廉価な液体
噴射記録ヘッドを提供することにある。
【0017】さらにまた、本発明の第7の目的は、前述
のように優れた特性を有する液体噴射記録ヘッドを装着
した液体噴射記録装置を廉価で提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明による液体噴射記録ヘッドの製造方法は、
記録液を吐出させるために利用される熱エネルギーを発
生する発熱抵抗体と、該発熱抵抗体に電気信号を印加す
るための電極とを含む電気熱変換体を基板上に有する液
体噴射記録ヘッドの製造にあたり、前記発熱抵抗体の抵
抗値が安定化するのに十分な電気信号を前記電極を介し
て前記発熱抵抗体に印加し、その発熱による加熱処理に
よって行われる前記発熱抵抗体のエージング処理過程に
おいて、該エージング処理条件を最適化するために、該
エージング条件を最適化するための制御手段を集積回路
化して前記液体噴射記録ヘッドの基板上に設け、該集積
回路を介して前記エージング処理過程を行うことを特徴
とするものである。
【0019】また、この製造方法により先に述べたよう
な目的を達成し得る液体噴射記録ヘッドおよび該液体噴
射記録ヘッドを装着した液体噴射記録装置を得ることが
できる。
【0020】なお、本発明による製造方法で、エージン
グ処理に使用される最適電気信号は、前記発熱抵抗体を
発熱させて、その発熱による加熱過程で該発熱抵抗体の
抵抗を安定させるに十分なものであれば、画像記録時,
予備吐出処理時あるいは予備加熱処理時に印加される信
号とは異なるものであっても上記目的を達成することが
できる。
【0021】また、本発明の液体噴射記録装置は、記録
ヘッドからのインクの吐出を適正化するための手段を有
することができる。
【0022】
【作用】本発明によれば、発熱抵抗体に電気信号を供給
して発熱させ、その加熱処理過程で行われるエージング
処理を実施するのに、まず発熱抵抗体の抵抗値の変化に
基づいて設定した最適の電気信号を使用すると共に、か
かる電気信号を用いて基板を最適の設定温度に保つよう
に制御するもので、以上の手順に従ってエージング処理
を行うことにより記録ヘッドの発熱抵抗体に安定かつ耐
久性のある吐出機能を維持させることができる。
【0023】
【実施例】以下に、図面を用いて本発明の実施例を詳細
かつ具体的に説明する。
【0024】図1は、本発明の方法により製造された液
体噴射記録ヘッドを搭載する液体噴射記録装置の一例
を、また図2は図1に示す液体噴射記録ヘッドの主要部
の構成を、更にまた図3は図2に示す液体噴射記録ヘッ
ドのヘッド基板を、図4は図3に示すようなヘッド基板
のウエハー上での配置の一例を示す。
【0025】図1において、1は液体噴射記録ヘッド、
2は記録ヘッド1およびサブインクタンク3を搭載し、
案内軸4に沿って往復移動するキャリッジ、5は記録ヘ
ッド1の対向位置に被記録材(記録シート)6を保持す
るプラテンである。なお、サブタンク3には記録液貯蔵
用のメインタンク7から供給チューブ8によって記録液
が供給され、更にここから供給管ユニット9を介して記
録ヘッド1の液室10(図2参照)に導かれる。なお、
上述構成は前記記録ヘッド1,前記サブインクタンク
3,前記メインタンク7,前記供給チューブ8,前記供
給管ユニット9を1つにまとめて、ユニット化したも
の、または、上述の機能をすべてもつ記録ヘッドにした
ものであってもかまわない。11はフレキシブルプリン
ト配線基板(以下でFPCという)であり、このFPC
11により記録装置の吐出信号発生手段12,予備吐出
処理制御手段13および予備加熱処理制御手段14等か
らの吐出信号を始めとする各種制御信号が記録ヘッド1
に供給される。15は供給管ユニット9やFPC11の
端部、更に記録ヘッド1等をベースプレート16との間
に保持する押え部材である。
【0026】一方、記録を行う記録ヘッド1に対し、そ
の記録領域外のホームポジション近傍で記録ヘッド1に
当接して吐出回復動作およびキャッピング処理を行うた
めに回復ポンプ17,キャップ部材18およびその間を
連絡する吸引チューブ19が設けられていて、回復処理
制御手段20によって制御される。かくして、予備吐出
処理制御手段13,予備加熱処理制御手段14による記
録ヘッド1側の制御と相俟って、高品位の記録を得るた
めに、互いに独立または一連のモードによって対応した
動作が行われる。
【0027】ついで、図2に従って記録ヘッド1の構成
について説明しておく。ここで、1Aはヘッド基板であ
り、ヘッド基板1A上には共通液室10と、これに連通
する液路21,記録液(以下でインクという)を吐出さ
せる吐出口22,各液路21に設けられるヒーター23
がそれぞれ設けられ、更にその上部に天板24を重ね合
わせた形で記録ヘッド1が構成される。図3は上述のヘ
ッド基板1A上に半導体プロセスによって形成される液
体加熱手段としての電気熱変換体、すなわち、ヒーター
23とヒーター23を加熱するための電気信号を供給す
る選択電極23Aおよび共通電極23Bとの形成状態を
示す。
【0028】またここで、25は後述するエージング処
理過程において必要な、ヒーター23の抵抗値の変化を
知るために用いられる発熱抵抗体、25A,25Bはそ
の電極であり、かつ、発熱抵抗体25の形状および大き
さ,材質,膜厚等はヒーター23と全く同一である。さ
らにまた、26はヘッド基板1Aの基板温度制御手段、
そして26A,26Bはその電極、27は基板1Aの基
板温度を検出するための基板温度検出手段である。しか
して、上記の発熱抵抗体25の電極25A,25Bと、
基板温度制御手段26の電極26A,26B、および基
板温度検出手段27とはいずれも基板1A上の集積回路
28に接続されていて、エージング処理時に集積回路2
8を介して外部とこれらとの間に信号の授受が行われ
る。また29は、集積回路28への接続端子であり、こ
の接続端子29から図1に示したFPC8等を介して不
図示のヒーター23に印加するための加熱用信号発生手
段へのつながる。
【0029】以下に、上述した個々の機能の働きについ
て述べる。
【0030】エージング処理の指示信号が不図示の加熱
用信号発生手段に入ると、該加熱用信号発生手段から発
した信号により、発熱抵抗体25の抵抗値を変化させる
(この時、ヒーター23には加熱用信号発生手段からの
信号は印加されない)。この抵抗値変化は集積回路28
によって値として検出された後、該値を基にエージング
処理用の加熱用信号を決定して加熱用信号発生手段に送
り返される(または、該抵抗変化検出値を加熱用信号発
生手段にそのまま送り返して、加熱用信号発生手段で該
抵抗変化検出値を基にエージング処理用の加熱用信号を
決定してもよい)。決定した該エージング処理用信号
は、加熱用信号発生手段内に記憶しておいて、再びエー
ジング処理が発生したときに用いる。基板温度制御手段
26と基板温度検出手段27は、上述のエージング処理
用信号が決定した後、予め設定されていたエージング処
理時の基板1Aの温度値に、集積回路28によって制御
される。基板1Aの温度値が、エージング処理時の温度
に達した時、決定されたエージング処理用信号を予め設
定されていた時間だけヒーター23に印加する。
【0031】上述のエージング処理過程が終了すると、
ヒーター23に印加される加熱用信号は、エージング処
理用信号から通常使用する加熱用信号へ切り替わる。ま
た、基板温度制御手段26と基板温度検出手段27は、
エージング処理過程が終了しても必要に応じて使用され
る。
【0032】なお、図4は、ウエハー30上に上述した
ように形成される基板1Aがその切出し前の状態にある
様子を示す概略図である。
【0033】このように構成した記録装置を用いて記録
を行なうには、まずメインタンク7から、供給チューブ
8および供給管ユニット9を介して、サブタンク2,液
室10および液路21内にインクを充填する。次に、F
PC11により記録ヘッド1のヒーター23に電気信
号、即ち吐出信号発生手段12からの電気信号を印加す
る。これによってヒーター23を発熱させることによ
り、熱エネルギーがヒーター23近傍の液路21内に存
在するインクに付与される。かくしてインクに対してヒ
ーター23から熱エネルギーが付与されることでその部
分において瞬間的にインクの体積増大を伴う気泡が発生
し、ヒーター23より下流側(吐出口22側)に存在す
るインクが吐出口22から吐出されて、飛翔的インク滴
が形成される。そこでこのインク滴を、対向位置の紙等
の被記録材に付着させ所望の画像記録が行なわれる。な
お、その記録時には、記録ヘッド1からのインクの吐出
を適正化させ、高品位の画像を形成する目的で、予備吐
出処理,予備加熱処理,記録ヘッドの回復処理が行なわ
れる。これらの処理は、予備吐出処理制御手段13,予
備加熱処理手段14等によって制御される。
【0034】なお前記予備吐出処理や予備加熱処理は、
主としてインクの粘度等を調整するものである。また回
復処理は、記録ヘッド1をキャップ部材18と当接させ
た状態で記録ヘッド1内のインクを加圧もしくは吸引す
ることで吐出口22の目詰まりなどを回復させるもので
ある。
【0035】本発明液体噴射記録ヘッドの製造方法にお
いては、上記のような構成の装置に装着される液体噴射
記録ヘッドを製造する際のいずれかの段階で、ヒーター
23に対して電気信号を与え、ヒーター23の近傍だけ
を加熱処理することによって、ヒーター23の抵抗値を
再適値に安定化させるエージング処理過程が組み込まれ
ることを特徴とするものである。
【0036】すなわち、かかる加熱処理にかかわるエー
ジング処理過程は、液体噴射記録ヘッドを構成する工程
にあって、ヒーター23およびヒーター23に対して電
気信号を印加する電極23A,23Bを含む電気熱エネ
ルギー変換体が形成された後での一連の液体噴射記録ヘ
ッドの製造工程中に組み込むことができる。あるいは、
かかる噴射記録ヘッドの完成後、記録装置にこれを装着
する前の記録ヘッド1に対する加熱処理において行なう
ことも可能であり、また記録装置に装着して、通常の記
録が行なわれる状態となる前(例えば記録装置が販売さ
れる前)に前述のエージングを含めた加熱処理を行なう
ことも可能である。
【0037】しかし、加熱処理が容易である点を考慮す
ると、記録ヘッドを完成させた後に行なうことが好まし
い。特に複数の記録ヘッドに対して一度に電気信号を印
加できる点では完成した記録ヘッド1に対し、これを記
録装置に装着する前に行なうことが好ましく、この場合
は、複数の記録ヘッドの個々に対して電気信号が与えら
れるようにするために別途の加熱処理用の装置を用意す
る必要がある。
【0038】また、これに対して記録ヘッドを記録装置
に装着した状態で加熱処理を行なう場合には、別途の加
熱処理用の装置は不要となる。なお、記録ヘッド1を記
録装置に装着した状態では、記録ヘッド1にインクを充
填した状態とすることが可能であり、インクを充填して
加熱する方がインクと発熱抵抗体23との間あるいはイ
ンクと液路21との間でのぬれ性が向上し、より一層安
定したインクの吐出を行なうことができるので、記録装
置の組立完了後に、記録ヘッド1にインクを充填して、
吐出可能な状態とした上で、上記のエージングを含む加
熱処理を行なうことも好ましいことである。
【0039】更にまた、以上に述べた加熱処理の例にお
いて、前者のように記録装置に記録ヘッド1を装着する
前に行なう場合であっても、記録ヘッド1に対してイン
クを充填することで後者に示した加熱処理と同様の効果
を得ることができる。これに対し、後者の加熱処理にお
いて記録ヘッド1に対してインクを充填した状態とする
ことは必ずしも必要なものではない。なお、本発明の液
体噴射記録ヘッドの製造方法における上記基板上に設け
られる加熱処理用回路の形成と、上述のヒーターの加熱
処理以外の工程は、従来の液体噴射記録ヘッドおよびそ
れを搭載した液体噴射記録装置の製造方法と同じであ
り、その詳細の説明は省略する。
【0040】さて、本発明の製造方法において印加され
るヒーター加熱処理用信号としては、例えば、吐出のた
めに印加される電気信号より、印加されたときにヒータ
ー23で発生する熱エネルギーが大きい信号で、かつ、
その印加電気信号によりヒーター23の熱履歴による抵
抗変化が、安定した吐出を持続できる範囲におさまるよ
うな温度にまで、ヒーター23を発熱できる電気信号を
適用することが好適である。なお、このようなヒーター
加熱処理用信号は、外部に設けた不図示の加熱用信号発
生手段からFPC11を介して印加することができる。
【0041】また、このようなヒーター加熱処理用信号
として高周波信号や直流電流を使用することが可能であ
り、高周波信号の場合には、印加電圧,印加パルス幅,
印加パルス数あるいは周波数等を個々に、あるいは組み
合わせて変化させることで所望の加熱処理を行うことが
できる。また、直流電流を印加する場合にはその電流値
および印加時間を制御することで所望の加熱処理が得ら
れる。
【0042】なお、加熱用電気信号を印加することによ
り、ヒーター23を上述のように発熱させる加熱処理時
間は、前記効果が得られる範囲内で、できるだけ短時間
となるような条件で印加されることが好ましい。これは
短い加熱時間で処理を施すことによって、ヒーター23
およびヒーター周辺を構成する部材への、劣化などの原
因となる熱による影響を極力少なくし、これら構成部品
の寿命を伸ばすことができると共に、ヒーター周辺への
熱の拡散を押さえることができ、液体噴射記録ヘッドお
よび液体噴射記録装置への品質信頼性が高められるから
である。
【0043】以下に、本発明にかかる加熱処理、すなわ
ち、印加する高周波信号の印加電圧,印加パルス幅,印
加パルス数、あるいは直流電流を変化させることにより
エージング条件の最適化が得られる値を求め、その最適
のエージング条件で加熱処理を行なうもので、以下にこ
のような液体噴射記録ヘッドの製造方法を具体的に求め
るために行った実験について説明する。
【0044】なお、以下に示す具体的な実験例では、図
2で示されるようなインクの吐出方向と、ヒーター23
が設けられた液路21へのインクの供給方向とが略平行
に行なわれる形態の液体噴射記録ヘッドに適用した場合
について説明するが、本発明はこれに限られず、前記2
つの方向が異なる方向、例えば直交するような形態の液
体噴射記録ヘッドに対しても適用することができるもの
である。
【0045】図5は、本発明にかかるエージング条件を
最適化するための制御手段の構成を示す。なおエージン
グ条件最適化手段100は図3について説明したよう
に、ヘッド基板1A上に集積回路28として設けられる
もので発熱抵抗体(ヒーター)23の抵抗値変化を検出
する検出機能200(図3で25,25A,25B,2
8がこれに対応する)を有する。また、ヒーター抵抗値
検出機能200からの検出信号に基づいて最適エージン
グ条件を設定するための最適エージング条件設定機能3
00を有する。なお最適エージング条件設定機能300
は、ヒーター23に供給するエージング処理用の加熱用
信号設定機能400とヘッド基板1Aの温度を制御する
基板温度制御機能500とで構成される。なおここで、
基板温度制御機能500は図示しないが基板を加熱およ
び冷却する手段と、基板温度を連続的に検出する手段と
を具えているものである。
【0046】そこで、本発明による液体噴射記録ヘッド
1の製造にあたっては、このようなエージング条件最適
化手段100によって得られたエージング処理条件に従
ってヒーター23およびその周辺部の加熱処理を行うこ
とにより長時間安定したインク吐出機能の維持が可能な
ヘッドを実現することができる。
【0047】以下に、本発明者が上述のエージング条件
最適化手段によって求めた条件で、加熱処理を行うにあ
たり使用したヘッド構成要素の設計値とその評価方法に
ついて述べることとする。
【0048】記録ヘッド構成要素にかかわる設計値: 基板Si(SiO2 熱酸化膜付き) 1.0mm±10% 発熱抵抗体HfB2 (スパッタ膜) 0.1μm±10% 電極Al 0.5μm±10% 保護膜SiO2 1.5μm±10% 評価条件:印字数による印字品位の変化を5段階で評価
した。
【0049】すなわち、印字物中のたてよこラインそれ
ぞれの最小二乗線からのずれ量を、全飛翔的液滴着弾ド
ットの顕微鏡観察によって測定する着弾点誤差測定方法
により5段階で印字品位の評価《1(悪い)→5(良
い)》を行った。
【0050】以下に図面を参照してその実験にかかわる
測定結果を詳細に説明する。
【0051】実験例1:図2に示した様な構成の液体噴
射記録ヘッドを多数個試作して、一定時間(本実施例で
は1分間)そのヒーター23に電圧およびパルス幅を印
加した時のヒーター23の抵抗値変化を測定した。その
結果を図6および図8に示す。いま、ヒーター23に印
加パルス幅3μsecの高周波信号を印加し、発泡が開
始される時の電圧をV0として、これに対し本実験で印
加する印加電圧をVとしてその比をkv値(=V/V
0)とする。または、ヒーター23近傍のインクに印加
パルス幅3μsec(その初期印加パルス幅をP0(μ
sec)とする)を印加し、発泡が開始される時の電圧
値を固定した時、上記の初期パルス幅P0(μsec)
に対して実際に印加されるパルス幅をP(μsec)と
して、その比をkp値(=P/P0)とする。また△R
はヒーター23の初期抵抗値R0(Ω)に対し一定時間
ヒーター23に電圧およびパルス幅を印加した時のヒー
ター23の抵抗値R(Ω)の変化率(R/R0)を示
す。
【0052】なおここで、図6と図8との結果の違い
は、ヒーター23の材質が異なることによるものであ
る。また、図6および図8において、k1はヒーター2
3の抵抗値Rが変化する直前のkv値およびkp値の
値、k2はヒーター23の抵抗値Rが±1%変化した時
のkv値およびkp値の値、k3はヒーター23の抵抗
値Rが±5%変化した時のkv値およびkp値の値、k
4はヒーター23の抵抗値Rが±10%変化した時のk
v値およびkp値の値である。このように電圧およびパ
ルス幅にかかわるkv値およびkp値の値は抵抗値Rの
変化に応じて変化するが、これらの値とヒーター23の
抵抗値変化率との関係は、略々図6および図8に示すよ
うになる。
【0053】上述の値を用いて以下に示す2つの条件の
もとでヒーター加熱処理を行なった。
【0054】ヒーター加熱処理用電気信号印加条件: 上述の2つのヒーター加熱処理用電気信号印加条件
で、そのkv,kp,k1,k2,k3,k4それぞれ
の値を用いて液体噴射記録ヘッドをヒーター加熱処理
(以後、エージング加熱処理という。)を行なった後、
印字数による印字品位を評価した。図7および図9は、
kvおよびkpをk1,k2,k3,k4のそれぞれの
値別に10ヘッドの平均値として表わしたものである。
なおここで、k1,k2,k3,k4それぞれの値はk
v値(条件1)とkp値(条件2)とによって異なる
が、これらの値における印字数による印字品位評価は、
それぞれ略々図7および図9に示す通りの結果となっ
た。
【0055】図10は、上述のヘッドの印字品位が5段
階評価のうち1(悪い)になった時点をそのヘッドの寿
命として、k1,k2,k3,k4ごとにその寿命を1
0ヘッドの平均値で表わした結果である。この場合も実
際は、k1,k2,k3,k4の値ごとにkv値とkp
値とによって若干は異なるが、ヘッドの寿命として見た
場合、大方、図10のようになる。
【0056】図6〜図10から明らかなように、ヒータ
ーの抵抗値変化が±5%以内変化した時のエージング加
熱処理電気信号のパルス幅、およびまたは電圧値を用い
ると、ヒーターの抵抗値変化が±5%以上変化した時、
もしくは全く変化しない時のエージング加熱処理電気信
号のパルス幅、および、または電圧値を用いる時に比べ
て、ヒーターの抵抗値Rの劣化が少なく、安定かつ良好
な印字品位が得られ、しかも、寿命の長い液体噴射記録
ヘッドを得ることができた。さらにヒーターの抵抗値変
化が±1%以内変化した時のエージング加熱処理電気信
号のパルス幅、および、または電圧値を用いるとヒータ
ーの抵抗値の劣化の少ない、より安定かつより良好な印
字品位が得られ、しかも、寿命がより長い液体噴射記録
ヘッドを得ることができた。
【0057】実験例2:本実験2では、図2に示した様
な構成の液体噴射記録ヘッド1を多数個試作し、液体噴
射記録装置に装着する前に、インクを充填した状態で全
吐出口22からインクを吐出させてヘッド基板1Aの温
度を変化させた時のエージング加熱処理効果を調べた。
【0058】エージング加熱処理は以下の条件の元で行
った。
【0059】エージング加熱処理条件: 印加パルス幅:3(μsec) 印加電圧:kv×V0=9〜10(V) (ここでkv値は、ヒーター抵抗値変化率が±5%の時
の値) 印加周波数:4(kHz) 印加パルス数:106 パルス ヘッド基板温度:10℃,40℃,60℃ 上述のエージング加熱処理条件で、10個のヘッドごと
にそれぞれが上述のヘッド基板温度に保たれるようにし
てそれぞれのヘッドについて最適な印加電圧値を用いて
エージングを行った後、印字数による印字品位評価を行
った。
【0060】図11は、ヘッド基板温度を10℃,40
℃,60℃のそれぞれの値としたときの10ヘッドの平
均値で表わした品位評価の結果である。なお前述の基板
温度60℃は、本実験例で用いたそれぞれの液体噴射記
録ヘッド1において、安定した液体の繰り返し吐出を維
持することのできる条件内での最高基板温度である。
【0061】図12は、上述のヘッド1の印字品位が5
段階評価のうち1(悪い)になった時点をそのヘッドの
寿命として、各基板温度毎に10ヘッドの平均寿命値を
表わした結果である。
【0062】これら図11および図12から明らかなよ
うに、個々の液体噴射記録ヘッドに対し、それぞれに合
った最適なエージング条件で加熱処理を行うのに、液体
噴射記録ヘッドの基板温度を記録ヘッド1が安定した繰
り返し吐出を維持することのできる条件内での温度にす
ることで、ヒーター23の抵抗値Rの劣化が少なく、し
かも安定かつ良好な印字品位が得られ、また、ウエハー
によりヘッドの寿命が左右されることのない液体噴射記
録ヘッドを得ることができる。
【0063】なお、上述のエージング条件では、印加パ
ルス幅を一定としたが、印加電圧を一定とした場合でも
同様にヒーターの抵抗値の劣化の少なく安定かつ良好な
印字品位が得られ、また、ウエハーによりヘッドの寿命
が左右されることのない液体噴射記録ヘッドを得ること
が確認された。
【0064】実験例3:本例においても図2に示した様
な構成の液体噴射記録ヘッド1を多数個試作し、液体噴
射記録装置に装着する前に、インクを充填した状態で次
の条件の元で全吐出口22からインクを吐出させてエー
ジング加熱処理の効果を調べた。
【0065】本例ではまず比較のために従来の製造方法
によるエージング処理条件でエージングを行った。
【0066】従来のエージング加熱処理条件: 印加パルス幅:3(μsec) 印加電圧:kv×V0=9〜10(V) (ここでkv値は、従来のエージング処理方法の条件値
であるkv=1.15を用いた。) 印加周波数:4(kHz) 印加パルス数:106 パルス 図13は、異なるヘッドA,B,Cを、すべて上述のエ
ージング加熱処理条件でエージングを行った後、印字数
による印字品位評価を各々液体噴射記録ヘッド毎に表わ
した結果である。この図に示すように、各々エージング
加熱処理したにもかかわらず、成膜によるウエハー面内
の膜分布のばらつきおよびウエハー間の膜厚のばらつき
により、ヒーターへのエージング加熱処理が十分でなか
ったり、逆に処理が強すぎたりしてヒーターの抵抗劣化
等を起こしたりするために、安定かつ良好な印字品位が
得られていない。
【0067】図14は、上述のように従来のエージング
加熱処理によるヘッドにおいて、その印字品位が5段階
評価の1(悪い)になった時点をそのヘッドの寿命とし
て、各々ウエハーから得られた10個のヘッドごとの平
均値で寿命を表わした結果である。これを見ても成膜に
よるウエハー面内の膜分布のばらつきおよびウエハー間
の膜厚のばらつきはヘッドの寿命に現われていることが
分かる。
【0068】次に、上述の参考例に対し、本発明の製造
方法によるエージング加熱処理条件でエージングを行っ
た。
【0069】そのエージンッグ加熱処理条件は以下の通
りである。
【0070】エージング処理条件: 印加パルス幅:3(μsec) 印加電圧:kv×V0=9〜10(V) (ここでkv値は、各ウエハーデノサンプルヒーターの
ヒーター抵抗値変化率が±5%の時の値) 印加周波数:4(kHz) 印加パルス数:106 パルス ヘッド基板温度:60℃ 図15は、本発明の製造方法に従ってまずヘッド基板1
A上に図3に示すようにヒーター23,発熱抵抗体2
5,基板保温用ヒーター26,温度センサ用回路27お
よびこれらに接続される集積回路28を形成した液体噴
射記録ヘッドを多数個作製し、この中から異なる3つの
液体噴射記録ヘッドA,B,Cを任意に選び、これらに
対して本発明による最適エージング処理を行ったものの
印字品位評価を示す。この図からも明らかなように、そ
れぞれの記録ヘッドA,B,Cに対していずれも最適エ
ージング処理がなされた結果として、成膜技術によるウ
エハー面内の膜分布のばらつきやウエハー自体の膜厚の
ばらつき等によって多少の差はあるものの、ヒーターの
抵抗値として劣化が少なく、安定かつ良好な印字品位が
得られた。
【0071】図16は、上述のヘッドにおいて印字品位
が5段階評価の1(悪い)状態となった時点をそのヘッ
ドの寿命として、各記録ヘッドA,B,C別に寿命を表
わした結果である。これを見ると成膜によるウエハー上
の膜分布のばらつきおよびウエハー間の膜厚のばらつき
があってもヘッドの寿命に差のないことが分かる。
【0072】以上に示した図13〜図16から明らかな
ように、異なる液体噴射記録ヘッドに対し、それぞれに
合った最適なエージング加熱条件で処理を行うことによ
り、ヒーターの抵抗値Rの劣化が少なく、安定かつ良好
な印字品位が得られ、しかも、ウエハーによってヘッド
の寿命が左右されることのない液体噴射記録ヘッドを得
ることができた。
【0073】実験例4: 本例では、図2に示した様な構成の液体噴射記録ヘッド
1を多数個試作し、液体噴射記録装置に装着する前に、
パルス電流の代わりに直流電流による加熱を行い、以下
のようにしてエージング加熱処理を行った。
【0074】なお、本例の場合はヘッド1の共通電極
(23B)−各選択電極(23A)間に直流電流により
60秒間電流を与える。そして電流値を1mA〜100
mAの間で変化させ、印字数による印字品位評価を10
個のヘッドの平均値として求めた。
【0075】その結果、図17に示すように1ヒーター
あたりに供給する電流を30mA以上とすることでエー
ジングの効果が顕著に現われた。本例の場合には、ヘッ
ド1内にインクを充填した場合であってもインクの発
泡,吐出は行われないが、ヒーターの表面処理として得
られた効果としては実験例1,2および3の場合と同様
であった。
【0076】ただし、本例の場合は、基板1A上に発熱
抵抗体25を格別に設けなくとも集積回路28を介して
基板温度を制御するようにするだけで良い。
【0077】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0078】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0079】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0080】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0081】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0082】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0083】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0084】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0085】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0086】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、発
熱抵抗体の抵抗値が安定化するのに十分な電気信号を前
記電極を介して前記発熱抵抗体に印加し、その発熱によ
る加熱処理で行われる前記発熱抵抗体のエージング処理
過程において、該エージング処理条件を最適化するため
に、該エージング条件を最適化するための制御手段を集
積回路化して前記液体噴射記録ヘッドの基板上に設け、
該集積回路を介して前記エージング処理過程を行うこと
により、記録の初期の段階から常に良好な液滴吐出状態
を得るのに、好適な範囲内に発熱抵抗体の抵抗値変化を
抑えることができ、特に長時間にわたる記録において
も、常に良好で安定した液滴吐出状態が維持できる液体
噴射記録ヘッドが歩留まり高く廉価でかつ容易に得られ
る液体噴射記録ヘッドの製造方法を提案することができ
る。
【0087】また、記録ヘッドの発熱抵抗体における長
期にわたる繰り返し発熱に対して、高寿命の液体噴射記
録ヘッドが歩留まり高く廉価でかつ容易に得られる液体
噴射記録ヘッドの製造方法を提案することができる。
【0088】さらにまた製造上のバラツキを抑え、記録
液と発熱抵抗体との間、あるいは記録液と液路との間の
ぬれ性を向上させ、良好で安定した液滴吐出状態が得ら
れる液体噴射記録ヘッドを歩留まり高く廉価でかつ容易
に製造できる液体噴射記録ヘッドの製造方法を提案する
ことができる。
【0089】さらにまた、常に良好で安定した液滴吐出
状態が維持できるために好適な範囲内に発熱抵抗体の抵
抗値変化が抑えられ、特に長期に渡る記録においても常
に良好で安定した液滴吐出状態が得られる液体噴射記録
ヘッドを高い歩留まりで廉価かつ容易に提供することが
できる。
【0090】また、記録装置の発熱抵抗体における長期
に渡る繰り返し発熱に対して、高寿命の液体噴射記録ヘ
ッドを歩留まり高く廉価でかつ容易に提供することがで
きる。
【0091】さらにまた製造上のバラツキを抑え、記録
液と発熱抵抗体との間、あるいは記録液と液路との間の
ぬれ性を向上させ、良好で安定した液滴吐出状態が得ら
れる液体噴射記録ヘッドを高歩留まりで廉価かつ容易に
提供することができる。
【0092】さらにまた、前述のように優れた特性を有
する液体噴射記録ヘッドを装着した液体噴射記録装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体噴射記録装置の構成図であ
る。
【図2】図1の装置に装着される本発明に係る液体噴射
記録ヘッドの構成の一例を示す斜視図である。
【図3】図2に示す液体噴射記録ヘッドのヘッド基板上
の回路の構成図である。
【図4】本発明に係るヘッド基板のウエハー上での配置
の一例を示す平面図である。
【図5】本発明に係るエージング処理条件を最適化する
ための手段の説明図である。
【図6】kv値およびまたはkp値をヒーター抵抗値変
化率△Rから決定するための説明図である。
【図7】kv値およびまたはkp値をパラメータとした
印字品位と印字数との関係を示す特性曲線図である。
【図8】kv値およびまたはkp値をヒーター抵抗値変
化率△Rから決定するための説明図である。
【図9】kv値およびまたはkp値をパラメータとした
印字品位と印字数との関係を示す特性曲線図である。
【図10】kv値および/またはkp値と液体噴射記録
ヘッドの寿命との関係を示すグラフである。
【図11】ヘッド基板温度をパラメータとした印字品位
と印字数との関係を示す特性曲線図である。
【図12】ヘッド基板温度と液体噴射記録ヘッドの寿命
との関係を示すグラフである。
【図13】本発明の製造方法でエージング処理された異
なる3つの液体噴射記録ヘッドについての印字品位と印
字数との関係を示す特性曲線図である。
【図14】図13および図15に示す3つの液体噴射記
録ヘッドでの寿命を比較して示すグラフである。
【図15】本発明の製造方法でエージング処理された異
なる3つの液体噴射記録ヘッドについての印字品位と印
字数との関係を示す特性曲線図である。
【図16】図13および図15に示す3つの液体噴射記
録ヘッドでの寿命を比較して示すグラフである。
【図17】印字品位と加熱エージング処理に使用する直
流電流値との関係を示す特性曲線図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 1A 基板 2 キャリッジ 3 サブタンク 11 フレキシブルプリント配線基板 12 吐出信号発生手段 13 予備吐出処理制御手段 14 予備加熱処理制御手段 21 液路 22 吐出口 23 ヒーター 23A,23B 電極 25 発熱抵抗体 26 基板温度制御手段 27 基板温度検出手段 28 集積回路 30 ウエハー 100 エージング条件最適化手段 200 発熱抵抗体抵抗値検出機能 300 最適エージング条件設定機能 400 エージング処理加熱用信号設定機能 500 基板温度制御機能
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−78554(JP,A) 特開 平4−37548(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/16 B41J 2/05

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録液を吐出させるために利用される熱
    エネルギーを発生する発熱抵抗体と、該発熱抵抗体に電
    気信号を印加するための電極とを含む電気熱変換体をヘ
    ッド基板上に有する液体噴射記録ヘッド製造方法にあた
    り、前記発熱抵抗体の抵抗値が安定化するのに十分な電
    気信号を前記電極を介して前記発熱抵抗体に印加し、そ
    の発熱による加熱処理によって行われる前記発熱抵抗体
    のエージング処理過程において、該エージング条件を最
    適化するために、該エージング条件を最適化するための
    制御手段を集積回路化して前記液体噴射記録ヘッドの基
    板上に設け、該集積回路を介して前記エージング処理過
    程を行うことを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記集積回路は、前記発熱抵抗体の抵抗
    変化値を検出する機能と、該検出値を基に最適電気信号
    を設定する機能と、設定された前記最適電気信号を印加
    しつつ前記基板温度を所定の温度に保つように制御する
    機能のうち少なくとも2つ以上の組み合せを集積回路化
    して前記基板上に設け、該集積回路を介して前記エージ
    ング処理過程を行うことを特徴とする請求項1に記載の
    液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記エージング処理のために前記発熱抵
    抗体に印加される前記最適電気信号は、高周波信号であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射記録ヘッ
    ドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記エージング処理のために前記発熱抵
    抗体に印加される前記最適電気信号は、前記記録液を吐
    出させるために利用される熱エネルギーを発生させる電
    気信号より大きいパルス幅、および/または電圧値を有
    することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射記録ヘ
    ッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記電気信号設定機能は、前記発熱抵抗
    体の抵抗値の変化値を検出する機能から得た前記発熱抵
    抗体の抵抗値変化情報に基づいて、前記電気信号を設定
    することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射記録ヘ
    ッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記抵抗値検出機能は、一定時間、前記
    電気信号のパルス幅、および/または電圧値を出力する
    回路と、該パルス幅、および/または電圧値の出力の終
    了後に前記発熱抵抗体抵抗値を測定するための回路とを
    具備することを特徴とする請求項5に記載の液体噴射記
    録ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記最適電気信号は、少なくとも前記抵
    抗値検出機能により、前記発熱抵抗体抵抗値が±5%以
    内変化した時のパルス幅、および/または電圧値が使用
    されることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射記録
    ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記最適電気信号は、少なくとも前記抵
    抗値検出機能により、前記発熱抵抗体抵抗値が±1%以
    内変化した時のパルス幅、および/または電圧値が使用
    されることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射記録
    ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記基板を設定された所定温度に保つよ
    うに制御する機能は、該基板の温度を検出する回路と少
    なくとも該基板を加熱冷却する回路とを具備することを
    特徴とする請求項1に記載の液体噴射記録ヘッドの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記基板を設定された所定温度に保つ
    ように制御する機能は、前記基板の温度を上げても液体
    の繰り返し吐出を維持することのできる条件内での温度
    近傍に前記基板温度を制御することを特徴とする請求項
    1に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記基板を設定された所定温度に保つ
    ように制御する機能は、前記基板の温度を上げても液体
    の繰り返し吐出を維持することのできる条件内での最高
    温度近傍に前記基板温度を制御することを特徴とする請
    求項1に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記電気熱変換体を構成する発熱抵抗
    体と同一材質および同一形状に形成され、かつ前記抵抗
    値変化検出機能に用いられる発熱抵抗体と、前記基板を
    所定の温度に保つために用いられる基板用温度検出手段
    および基板温度制御手段とを前記集積回路に接続させて
    前記基板上に配設することを特徴とする請求項1ないし
    10のいずれかの項に記載の液体噴射記録ヘッドの製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記エージング処理条件を最適化する
    ために、前記発熱抵抗体の加熱処理でのエージング処理
    過程の前に前記最適電気信号および前記基板温度の設定
    を行うことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射記録
    ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記最適電気信号は、直流の電気信号
    であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射記録
    ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記最適電気信号は、前記発熱抵抗体
    当たり30mA以上の直流値として印加されることを特
    徴とする請求項11に記載の液体噴射記録ヘッドの製造
    方法。
  16. 【請求項16】 前記エージング処理は、前記液体噴射
    記録ヘッドの完成後、液体噴射記録装置に装着する前に
    行われることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射記
    録ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記エージング処理は、前記液体噴射
    記録ヘッドの製造途中であって、前記電気熱変換体形成
    後に行われることを特徴とする請求項1に記載の液体噴
    射記録ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記エージング処理は、完成した前記
    液体噴射記録ヘッドを液体噴射記録装置に装着した後に
    行われることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射記
    録ヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記エージング処理は、前記液体噴射
    記録ヘッドにインクを充填した状態で行われることを特
    徴とする請求項17に記載の液体噴射記録ヘッドの製造
    方法。
  20. 【請求項20】 前記エージング処理は、前記液体噴射
    記録ヘッドにインクを充填しない状態で行われることを
    特徴とする請求項17に記載の液体噴射記録ヘッドの製
    造方法。
  21. 【請求項21】 請求項1に記載の液体噴射記録ヘッド
    の製造方法により製造されたことを特徴とする液体噴射
    記録ヘッド。
  22. 【請求項22】 記録液を吐出させるために利用される
    熱エネルギーを発生する発熱抵抗体と、該発熱抵抗体に
    電気信号を印加するための電極とを含む電気熱変換体を
    基板上に有する液体噴射記録ヘッドであって、前記発熱
    抵抗体の抵抗値が安定化するのに十分な電気信号を前記
    電極を介して印加し、その発熱による加熱処理で行われ
    る前記発熱抵抗体のエージング処理過程において、該エ
    ージング処理条件を最適化するために、該エージング条
    件を最適化するための制御手段集積回路がヘッド製造時
    に前記基板上に配設された前記液体噴射記録ヘッドと、
    該液体噴射記録ヘッドからの液体の吐出を適正化させる
    ための手段とを具備したことを特徴とする液体噴射記録
    装置。
  23. 【請求項23】 前記記録液の吐出を適正化させるため
    の手段は、予備吐出処理制御手段、予備加熱処理制御手
    段、回復処理制御手段のうち少なくともいずれか1つ、
    若しくは2つ以上の組み合わせを含むものであることを
    特徴とする請求項21に記載の液体噴射記録装置。
  24. 【請求項24】 記録液を吐出させるために利用される
    熱エネルギーを発生する発熱抵抗体と、該発熱抵抗体に
    電気信号を印加するための電極とを含む電気熱変換体を
    基板上に有する液体噴射記録ヘッドの製造にあたり前記
    発熱抵抗体の抵抗値が安定化するのに十分であり、かつ
    画像記録時、予備吐出処理時あるいは予備加熱処理時に
    印加される信号とは異なる電気信号を前記電極から印加
    し、その発熱による加熱処理で行われる前記発熱抵抗体
    のエージング処理過程において、該エージング処理条件
    を最適化するために、電気信号設定手段により設定され
    た最適電気信号を印加しつつ前記基板温度を所定の温度
    に保つように制御する前記基板上の制御回路を介して前
    記エージング処理を制御することを特徴とする液体噴射
    記録ヘッドの製造方法。
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