JP2001036374A - 電子部品の封止方法並びにこれを利用した圧電振動子及び圧電発振器 - Google Patents

電子部品の封止方法並びにこれを利用した圧電振動子及び圧電発振器

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JP2001036374A
JP2001036374A JP11201900A JP20190099A JP2001036374A JP 2001036374 A JP2001036374 A JP 2001036374A JP 11201900 A JP11201900 A JP 11201900A JP 20190099 A JP20190099 A JP 20190099A JP 2001036374 A JP2001036374 A JP 2001036374A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品の性能を劣化を生じることなく、こ
の電子部品を容器内に封止する電子部品の封止方法とこ
れを利用した圧電振動子及び圧電発振器を提供するこ
と。 【解決手段】 電子部品11を所定の容器12に収容
し、この容器12に対して蓋体13を配置し、上記蓋体
に対して超音波を与えることにより、上記容器と蓋体と
を接合することにより封止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器内に圧電振動
素子等の電子部品を収容して密封するための電子部品の
封止方法の改良と、その封止方法により封止された圧電
振動子及び圧電発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、電子部品の封止構造の一例とし
て、一般的な圧電振動子の一例を示す一部切断斜視図で
ある。
【0003】この圧電振動子1は、板状の圧電振動素子
2を収納する空間部3aが形成された箱状の収容容器3
と、空間部3aを密封するように収容容器3に接合され
た板状の蓋体4を備えている。
【0004】収容容器3には、電極5が設けられてお
り、圧電振動素子2は、一端部2aが空間部3a内に配
設されている電極5上に導電性接着剤5a,5aを介し
て接続固定されていて、他端部2bは自由端とされてい
る。圧電振動素子2の表面には励振電極等(図示せず)
が設けられて、前記電極5と接続されている。
【0005】これにより、電極5から印加される駆動電
圧によって、所定の振動数で振動できるようになってい
る。
【0006】図9の右側に拡大して示すように、収容容
器3には、蓋体4が載置され、この収容容器3と蓋体4
とは封止材であるロウ材6を介して封止されている。こ
の場合、封止材としては低融点ガラスや、銀ロウ、半田
等が用いられる。
【0007】ここで、収容容器3の上端面である接合面
上には、封止材との接合を良好とするために、金属被覆
層7が設けられている。この金属被覆層7は複数種類の
金属を層状に積層して形成されている。
【0008】このような構成において、従来は、次のよ
うにして蓋体4と収容容器3とを封止している。
【0009】蓋体4と収容容器3との接合面に上記封
止材6として半田をクラッドまたはメッキし、収容容器
3を加熱することにより、封止材6を溶融させて、封止
固定する。
【0010】あるいは、蓋体4と収容容器3との間に
上記封止材6をはさみこみ、シーム溶接により封止材6
を溶融して封止固定する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した封
止方法によると、いずれの方法においても、封止材6の
融点を越える温度にて加熱しないと、封止することがで
きない。
【0012】例えば封止材6として高温半田を用いた場
合には、その融点は270℃程度である。そして、蓋体
4と収容容器3との接合面にて、このような温度に達す
るように雰囲気加熱するには、圧電振動子1の周囲を2
70℃位まで昇温する必要がある。ここで、このような
高温半田を用いているのは、圧電振動子1の完成品を各
種機器や基板等へ実装する際のリフロー工程において、
リフロー炉の熱で蓋体4と収容容器3との接合面がはが
れないようにする必要があるためである。
【0013】しかしながら、このような高温で加熱する
と、封止材6からガスが発生し、このガスの成分が収容
容器3内で圧電振動素子2に付着してしまって、振動特
性等を劣化させてしまうという問題がある。
【0014】また、このような封止時の高温により導電
性接着剤5a,5aから特性上有害なガスが発生し、圧
電振動素子2に付着してしまって、振動特性等を劣化さ
せてしまったり、封止温度によっては、さらに圧電振動
素子2に対して、直接悪影響を及ぼす場合があった。
【0015】本発明は、上記課題を解消して、電子部品
の性能を劣化を生じることなく、この電子部品を容器内
に封止する電子部品の封止方法とこれを利用した圧電振
動子及び圧電発振器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1の
発明によれば、電子部品を所定の容器に収容し、この容
器に対して蓋体を配置し、超音波を与えることにより、
上記容器と蓋体とを接合して封止する、電子部品の封止
方法により、達成される。
【0017】請求項1の構成によれば、上記容器または
蓋体に対して超音波を作用させることにより、超音波が
作用した箇所が振動し、容器との接合面で熱を発生す
る。これにより、この接合面だけに熱を発生させ、蓋体
もしくは容器の接合面の一部またはそこに介在させた封
止材を溶融させて、固定することができる。
【0018】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記容器または蓋体に対して、横方向の振動を与え
ることを特徴とする。
【0019】請求項2の構成によれば、蓋体に対して
「横方法」すなわち、蓋体の下面に沿った方向に振動さ
せることで、効率的に接合面に摩擦を生じさせ、熱を発
生させることができる。
【0020】請求項3の発明は、請求項1または2の構
成において、前記超音波による封止は、真空雰囲気中で
行われることを特徴とする。
【0021】請求項3の構成によれば、従来の加熱の場
合と異なり、真空中にて作業を行うことが可能であり、
このことは、電子部品を封止したパッケージの真空封止
品質を向上させる。
【0022】請求項4の発明は、請求項1または2の構
成において、前記超音波による封止は、不活性ガス雰囲
気中で行われることを特徴とする。
【0023】請求項4の構成によれば、従来の加熱の場
合と異なり、不活性ガス,例えば窒素ガス雰囲気にて作
業を行うことが可能であり、このことは、電子部品を封
止したパッケージの不活性ガスによる封止品質を向上さ
せる。さらに、これに加えて、真空雰囲気の場合と比較
して、ガスの発生を著しく抑制できる。
【0024】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれかの構成において、前記容器と蓋体との間にロウ材
を介在させて封止することを特徴とする。
【0025】請求項5の構成によれば、発熱は前記蓋体
と前記容器との接合部にほぼ限定されるので、ロウ材の
選択の幅が広くなる。
【0026】請求項6の発明は、請求項1ないし5のい
ずれかの構成において前記容器に対して蓋体を載置し、
この蓋体または容器に対して軟質金属を介してホーンを
当接させることにより封止することを特徴とする。
【0027】請求項6の構成によれば、ホーンは、蓋体
または容器に直接当接しないで済むから、振動するホー
ンにより、蓋体表面を傷つけることがない。
【0028】また、上記目的は、請求項7の発明によれ
ば、電子部品を所定の容器に収容し、この容器に対して
蓋体を配置し、超音波を与えつつ加熱することにより、
上記容器と蓋体とを接合して封止する、電子部品の封止
方法により、達成される。
【0029】請求項7の構成によれば、超音波を作用さ
せながら、加熱することにより、蓋体または容器が振動
し、容器との接合面で熱を発生するだけでなく、周囲か
ら熱が伝えられる。これにより、この接合面だけに熱を
発生させ、蓋体もしくは容器の接合面の一部またはそこ
に介在させた封止材を溶融させて、効率よく固定するこ
とができる。
【0030】請求項8の発明は、請求項7の構成におい
て、前記容器と蓋体との間にロウ材を介在させて封止す
ることを特徴とする。
【0031】請求項9の発明は、請求項8の構成におい
て、前記加熱温度は、前記ロウ材の融点以下の温度に設
定されることを特徴とする。
【0032】請求項10の発明は、請求項7ないし9の
いずれかの構成において、前記容器に対して蓋体を載置
し、この蓋体または容器に対して軟質金属を介してホー
ンを当接させることにより封止することを特徴とする。
【0033】また、上記目的は、請求項11の発明によ
れば、圧電振動素子をセラミック製の容器に収容し、こ
の容器に対して金属製の蓋体を配置し、上記蓋体または
容器に対して超音波を与えることにより、上記容器と蓋
体とを接合して封止した、圧電振動子により、達成され
る。
【0034】さらに、上記目的は、請求項12の発明に
よれば、圧電振動素子と集積回路とをセラミック製の容
器に収容し、この容器に対して金属製の蓋体を配置し、
超音波を与えることにより、上記容器と蓋体とを接合し
て封止した、圧電発振器により、達成される。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面を参照して説明する。
【0036】先ず、本実施形態の封止方法が適用される
電子部品の一例として、圧電振動素子の封止構造を説明
する。
【0037】図1は、このような圧電振動子の一例を示
す概略斜視図であり、図2はその概略断面図である。
【0038】これらの図において、圧電振動子10は、
電子部品としての板状の圧電振動素子11を収納する容
器として、空間部12aが形成された箱状の収容容器1
2と、空間部12aを密封するように、収容容器12に
接合される板状の蓋体13を備えている。
【0039】この圧電振動素子11は、一端部11aが
空間部12a内に一体に設けた段部に配設されている電
極14上に、導電性の接着剤14a,14aを介して接
続固定され、他端部11bが自由端とされている。収容
容器12と蓋体13は、好ましくは、封止材(ロウ材)
15を介して接合されている。
【0040】ここで、圧電振動素子11の材料として
は、例えば人工水晶が用いられており、その表面に圧電
振動素子11の駆動に必要とされる励振電極等の図示し
ない電極が形成されている。
【0041】収容容器12の材料としては、例えば、ア
ルミナ等のセラミックが用いられており、例えば、収容
容器12は、グリーンシート等を用いて、下ベース12
bの上に上ベース12cを内部に空間12aを形成する
ように積層して、図示のように箱状に成形された後、焼
成することにより形成される。
【0042】蓋体13は、収容容器12の線膨張係数と
近い材料が適しており、金属あるいはアルミナ等のセラ
ミックにより、例えば、平板な板状に形成されている。
金属の場合には、例えば、コバール,42アロイ,ステ
ンレス(SUS)等が好適である。本例では、例えば
0.1mm程度のコバール板により形成されている。
【0043】封止材15は、例えば、高温半田(溶融温
度270℃程度),銀ロウ,金ロウ,低融点ガラス等が
用いられる。
【0044】そして、封止材15と適切に融着を行うた
めに、セラミック製の収容容器12の上端12dには、
図1の右側に拡大して示すように、例えば金属被覆部1
6を形成している。この金属被覆部16は、例えば、順
次下からタングステンメタライズ、ニッケルメッキ、金
メッキ等を積層するように被覆してなっている。
【0045】また、このような金属被覆部16を形成し
ない場合には、セラミック製の収容容器12の上端12
dには、例えばコバールリングもしくは42アロイがが
予めロウ付けされることにより、同等の機能を果たすよ
うにされている。
【0046】図3の断面図は、電子部品の封止構造の他
の例を示しており、この場合圧電発振器20の封止構造
を示している。
【0047】図において、図1及び図2で説明した圧電
振動子10と共通する構成には同一の符号を付して、重
複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0048】図において、圧電発振器20の収容容器2
1では、第1のセラミックベース21aの上に内側に空
間を有する第2のセラミックベース21bを重ね、さら
にその上に内側に空間を有する第3のセラミックベース
21cを重ねて形成している。これにより、図2と比べ
ると内部空間12aの下にさらに段部を設けて、一段低
いもうひとつの内部空間22aを形成している。
【0049】そして、第1のセラミックベース21aの
上面に形成した導電パターン上に集積回路23を実装
し、上記内部空間22aに収容して、電極部24と接続
している。これにより、圧電振動素子11に所定の駆動
電圧を与えて、振動させ、その出力を上記集積回路23
に入力することにより、所定の周波数の信号を取り出す
ようになっている。
【0050】この圧電発振器20においても、収容容器
21と蓋体13との接合には、後述する封止方法を適用
することができる。
【0051】次に、本実施形態の封止方法を説明する。
【0052】この封止方法は、上述した圧電振動子10
及び圧電発振器20について共通に適用することがで
き、さらには、容器内に電子部品を収容した封止構造に
広く適用することができるが、以下では、これらを代表
して圧電振動子10について適用した場合につき説明す
る。
【0053】図4は、本実施形態に係る封止装置の概略
構成を示している。
【0054】図において、封止装置30は、所定の内部
空間を有する真空チャンバー31と、この真空チャンバ
ー31に接続され、内部空間の空気を真空引きするため
の真空排気手段としての真空ポンプ35と、真空チャン
バー31内で封止対象に対して超音波を作用させるため
のホーン33を有する発振体32と、封止対象を載置し
て支持する支持手段としての支持台34と、装置全体を
制御し、これを操作するための制御部38を備えてい
る。
【0055】上記支持台34は、真空チャンバー31内
に配置されており、その平らな上面に封止対象としての
例えば圧電振動子10を載置して支持することができる
ようになっている。そして、好ましくは、この支持台3
4内には、好ましくは、ヒータ37が内蔵されており、
圧電振動子10を下面から加熱できるようになってい
る。
【0056】発振体32は、圧電材料による圧電体によ
って構成されている。
【0057】ホーン33は、発振体32に接続されてお
り、その先端が圧電振動子10の蓋体13の上面に当接
するように配置されている。また、このホーン33に
は、好ましくは、ヒータ36が設けられていて、このヒ
ータ36の熱は、ホーン33を介して蓋体13に伝える
ことができるようになっている。さらに、ホーン33
は、発振体32を上下方向に加圧するシリンダ等の加圧
手段42により、下方に加重をかけることができように
なっている。
【0058】図5は、封止装置30を制御する電気的構
成を示す概略ブロック図である。
【0059】図において、制御部38は、封止装置30
の外側もしくはこれとは離れて配置されており、例えば
所定のCPU等でなる処理回路を中心としたコンピュー
タや、これと同等の機能を果たす制御回路等で構成され
ている。
【0060】この制御部38には、封止装置30の運転
に必要な各種のスイッチング手段等を配置した運転パネ
ル39が接続されており、使用者は、封止装置30を動
作させるための指示を与えることができるようになって
いる。
【0061】また、制御部38には、この制御部38が
必要とする作業領域を備え、また、必要により封止のた
めのプログラムを格納したメモリ等でなる記憶手段41
が接続されており、さらに、発振体32が接続されてい
る。
【0062】さらに、制御部38には、真空ポンプ35
と、加圧手段42と、ヒータ36及びヒータ37がそれ
ぞれ接続されている。
【0063】図4に示すように、制御部38は、真空ポ
ンプ35に指示を出し、真空チャンバー31内を真空排
気し、所定の真空度とする。この場合、圧電振動子10
の真空封止に必要な真空度としているが、また、真空に
しなくても、別に設ける手段からチャンバー31内に窒
素等の不活性ガスを充填して、封止するようにしてもよ
い。
【0064】そして、圧電振動子10の蓋体13の上面
には、ホーン33の先端が当接される。このとき制御部
38の指示により、加圧手段42は、ホーン33の先端
を蓋体13に対して100〜1000グラムの加重をあ
たえながら当接させる。また、制御部38は、発振体3
2を駆動して、ホーン33を振動させる。このとき、発
振体32は、それぞれ図4の垂直なA方向(縦振動すな
わち上下方向の振動)と水平なB方向(横振動)を生じ
させる。そして、本実施形態では、蓋体13の上面に沿
った方向であるBの方向への振動が好ましい。
【0065】この時の発振体32による超音波の周波数
は、例えば40Kヘルツ程度で、振幅は、1ミクロンな
いし5ミクロン,より好ましくは1.5ミクロンないし
2.5ミクロン程度である。また、超音波を作用させる
時間は、0.5秒程度である。
【0066】これにより、蓋体13は、所定の方向に振
動し、この振動によって、蓋体13と収容容器12の上
面12dの上に設けられた金属被覆部等との間に摩擦を
生じて、熱が発生する。この熱が、図6に示す封止材1
5を溶融させることにより、蓋体13と収容容器12と
を接合することができる。
【0067】この場合、熱が発生するのは、蓋体13と
収容容器12との接合面だけであり、圧電振動素子11
や導電性接着剤14a等(図1参照)等にはほとんど熱
が伝えられることがないので、これらの部分からのアウ
トガスの発生を有効に防止でき、圧電振動素子11の振
動特性に悪影響を与えることはない。また、このため
に、圧電振動子10を構成する各種部品に関しては、耐
熱性を考慮するこなく作成できる利点がある。
【0068】さらに、従来のように圧電振動子10を周
囲から雰囲気を介して加熱することなく封止作業ができ
るので、真空雰囲気中や不活性ガス中での封止が可能と
なり、内部と外界とでリークが発生しにくく、このため
圧電振動子10の劣化が防止され、パッケージの封止品
質が向上する。
【0069】ここで、封止作業中に上述した超音波を作
用させながら、さらに加熱してもよい。
【0070】つまり、制御部38は、ヒータ36及び3
7に指示を出して、各ヒータを駆動することにより、こ
の熱は、圧電振動子10の周囲の雰囲気でなく、ホーン
33と支持台34とから、それぞれ蓋体13と収容容器
12とに伝えられる。これにより、真空チャンバー31
内を真空にしたまま、蓋体13と収容容器12との接合
面に熱を加えることができる。
【0071】ここで、例えば半田を使用した封止の場合
には、加熱時間は1分から5分が好ましく、加熱温度は
半田の融点以下とするのが好ましい。この場合、作業効
率を高めるためには、予備室を設け、この予備室内で蓋
体13と収容容器12とを予備加熱し、図示しない移動
機を用いて、蓋体13と収容容器12とを、支持台34
上に載置するようにしてもよい。また、融点が摂氏27
0度の高温半田である場合には、加熱温度は摂氏200
度程度が好ましい。
【0072】そして、このような加熱を行う場合にも、
従来のように、封止材15や導電性接着材14aの熱分
解温度よりも低い温度による加熱ですむことから、これ
らの部分からのアウトガスの発生を有効に防止でき、圧
電振動素子11の振動特性に悪影響を与えることはな
い。また、このために、圧電振動子10を構成する各種
部品に関しては、加熱温度が低いことから、その分耐熱
性を考慮するこなく作成できる利点がある。
【0073】さらに、従来のように圧電振動子10を周
囲から雰囲気を介して加熱することなく封止作業ができ
るので、真空雰囲気中や不活性ガス中での封止が可能と
なり、内部と外界とでリークが発生しにくく、このため
圧電振動子10の劣化が防止され、パッケージの封止品
質が向上する。
【0074】図7は、本発明の封止方法の第2の実施形
態を示している。
【0075】図において、図6と異なるのは、ホーン3
3と蓋体13との間に、軟質金属の板状部材43を介在
させた点だけである。
【0076】すなわち、この場合には、ホーン33の振
動により、軟質金属の板状部材43が介在しても蓋体1
3と容器12との間で摩擦熱が発生する。この熱により
封止材15が溶融されて、接合される。
【0077】したがって、この方法によると、第1の実
施形態の作用効果に加えて、ホーン33は蓋体13に対
して直接接触しないことから、蓋体13の上面に振動に
よる傷等を与える心配がなく、その分品質が向上する。
【0078】この場合、板状部材43の材料としては、
銅やアルミニウム,ベリリウム銅等が好ましく、その厚
みは、0.05mmないし1mm程度が好ましい。
【0079】図8は、本発明の封止方法の第3の実施形
態を示している。
【0080】図において、図6と異なるのは、ホーン3
3を蓋体13ではなく、収容容器12に当接させている
点である。
【0081】つまり、圧電振動子10の構成は図6の場
合と同じであり、収容容器12内に圧電振動素子11を
収容し、蓋体13を配置した後、この蓋体13ではな
く、図示の場合、収容容器12の底部にホーン33を当
接させて、超音波を与えるようにしている。そして、こ
の場合の封止条件は、ホーン33を蓋体13ではなく収
容容器12側としている点を除き、図6の場合と同じで
ある。
【0082】この場合、収容容器12が所定の方向に振
動し、この振動によって、蓋体13と収容容器12の上
面12dの上に設けた金属被覆部等との間に摩擦を生じ
て、熱が発生する。この熱が、図8に示す封止材15を
溶融させることにより、蓋体13と収容容器12とを接
合することができる。したがって、この実施形態におい
ても、第1の実施形態と同じ作用効果を発揮する。
【0083】そして、上述の実施形態による封止方法に
よって、製造された製品は、従来の封止方法による製品
と比較すると、以下のような点で区別し得る場合があ
る。
【0084】従来の封止方法のうち、雰囲気加熱により
容器と蓋体とを封止すると、全体が加熱されることか
ら、蓋体の裏に封止材に溶けた痕跡が残る場合がある。
つまり、全体が加熱されることによって、封止材が溶融
して流れた痕跡が残る場合がある。
【0085】また、電子ビームもしくは、レーザビーム
により、封止している場合には、蓋体の表面にビームが
照射された痕跡が残ることがある。
【0086】これに対して、上述の実施形態による封止
が行われた場合には、封止の際に、加圧手段42を使用
していると、加圧対象となった蓋体13もしくは収容容
器12に加圧痕が残る場合がある。また、上述の実施形
態による封止では、接合面のみを加熱できるので、封止
材15の流れ出しが少ない。また、全体加熱をしないこ
とから、圧電振動素子11のマウントに必要な導電性接
着材14a等の接合面に適用されないマウント材等に耐
熱性を備えないものを使用することが可能である。さら
に、超音波を利用して接合面だけ高温加熱できることか
ら、封止品質等の点で必要があれば、融点の高い封止材
15を用いることができる。
【0087】本発明は上述の実施形態に限定されない。
蓋体13に対して、ホーンは、上から超音波を作用させ
る必要はなく、電子部品の向きを限定する必要はない。
また、上述の各実施形態の各要素は、適宜任意に組み合
わせることができる。
【0088】また、本発明の封止方法は、上述の圧電振
動素子だけでなく、例えば、発振器,SAW共振子,S
AWフィルター等種々の電子部品の封止に適用すること
ができる。
【0089】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、電
子部品の性能を劣化を生じることなく、この電子部品を
容器内に封止する電子部品の封止方法とこれを利用した
圧電振動子及び圧電発振器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る封止方法が適用される
圧電振動子の一例を示す概略斜視図。
【図2】図1の圧電振動子の概略断面図。
【図3】本発明の実施形態に係る封止方法が適用される
圧電発振器の一例を示す概略断面図。
【図4】本発明の実施形態に係る封止方法の封止装置の
一例を示す概略構成図。
【図5】図4の封止装置を制御する電気的構成を示す概
略ブロック図。
【図6】図4の封止装置による封止方法の例を示す概略
説明図。
【図7】図4の封止装置による封止方法の例を示す概略
説明図。
【図8】図4の封止装置による封止方法の例を示す概略
説明図。
【図9】従来の電子部品の封止構造の一例を示す概略斜
視図。
【符号の説明】
10 圧電振動子 11 圧電振動素子 12 収容容器 13 蓋体 15 封止材 20 圧電発振器 30 封止装置 31 真空チャンバー 32 発振体 33 ホーン 34 支持台 36,37 ヒータ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品を所定の容器に収容し、 この容器に対して蓋体を配置し、 超音波を与えることにより、上記容器と蓋体とを接合し
    て封止することを特徴とする、電子部品の封止方法。
  2. 【請求項2】 前記容器または蓋体に対して、横方向の
    振動を与えることを特徴とする、請求項1に記載の電子
    部品の封止方法。
  3. 【請求項3】 前記超音波による封止は、真空雰囲気中
    で行われることを特徴とする、請求項1または2に記載
    の電子部品の封止方法。
  4. 【請求項4】 前記超音波による封止は、不活性ガス雰
    囲気中で行われることを特徴とする、請求項1または2
    のいずれかに記載の電子部品の封止方法。
  5. 【請求項5】 前記容器と蓋体との間にロウ材を介在さ
    せて封止することを特徴とする、請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の電子部品の封止方法。
  6. 【請求項6】 前記容器に対して蓋体を載置し、この蓋
    体または容器に対して軟質金属を介してホーンを当接さ
    せることにより封止することを特徴とする、請求項1な
    いし5のいずれかに記載の電子部品の封止方法。
  7. 【請求項7】 電子部品を所定の容器に収容し、 この容器に対して蓋体を配置し、 超音波を与えつつ加熱することにより、上記容器と蓋体
    とを接合して封止することを特徴とする、電子部品の封
    止方法。
  8. 【請求項8】 前記容器と蓋体との間にロウ材を介在さ
    せて封止することを特徴とする、請求項7に記載の電子
    部品の封止方法。
  9. 【請求項9】 前記加熱温度は、前記ロウ材の融点以下
    の温度に設定されることを特徴とする、請求項8に記載
    の電子部品の封止方法。
  10. 【請求項10】 前記容器に対して蓋体を載置し、この
    蓋体に対して軟質金属を介してホーンを当接させること
    により封止することを特徴とする、請求項7ないし9の
    いずれかに記載の電子部品の封止方法。
  11. 【請求項11】 圧電振動素子をセラミック製の容器に
    収容し、 この容器に対して金属製の蓋体を配置し、 超音波を与えることにより、上記容器と蓋体とを接合し
    て封止したことを特徴とする、圧電振動子。
  12. 【請求項12】 圧電振動素子と集積回路とをセラミッ
    ク製の容器に収容し、 この容器に対して金属製の蓋体を配置し、 超音波を与えることにより、上記容器と蓋体とを接合し
    て封止したことを特徴とする、圧電発振器。
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