JP3731391B2 - 電子部品の封止方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器内に圧電振動素子等の電子部品を収容して密封するための電子部品の封止方法の改良と、その封止方法により封止された圧電振動子及び圧電発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、電子部品の封止構造の一例として、一般的な圧電振動子の一例を示す一部切断斜視図である。
【0003】
この圧電振動子1は、板状の圧電振動素子2を収納する空間部3aが形成された箱状の収容容器3と、空間部3aを密封するように収容容器3に接合された板状の蓋体4を備えている。
【0004】
収容容器3には、電極5が設けられており、圧電振動素子2は、一端部2aが空間部3a内に配設されている電極5上に導電性接着剤5a,5aを介して接続固定されていて、他端部2bは自由端とされている。圧電振動素子2の表面には励振電極等(図示せず)が設けられて、前記電極5と接続されている。
【0005】
これにより、電極5から印加される駆動電圧によって、所定の振動数で振動できるようになっている。
【0006】
図9の右側に拡大して示すように、収容容器3には、蓋体4が載置され、この収容容器3と蓋体4とは封止材であるロウ材6を介して封止されている。この場合、封止材としては低融点ガラスや、銀ロウ、半田等が用いられる。
【0007】
ここで、収容容器3の上端面である接合面上には、封止材との接合を良好とするために、金属被覆層7が設けられている。この金属被覆層7は複数種類の金属を層状に積層して形成されている。
【0008】
このような構成において、従来は、次のようにして蓋体4と収容容器3とを封止している。
【0009】
▲1▼蓋体4と収容容器3との接合面に上記封止材6として半田をクラッドまたはメッキし、収容容器3を加熱することにより、封止材6を溶融させて、封止固定する。
【0010】
▲2▼あるいは、蓋体4と収容容器3との間に上記封止材6をはさみこみ、シーム溶接により封止材6を溶融して封止固定する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した封止方法によると、いずれの方法においても、封止材6の融点を越える温度にて加熱しないと、封止することができない。
【0012】
例えば封止材6として高温半田を用いた場合には、その融点は270℃程度である。そして、蓋体4と収容容器3との接合面にて、このような温度に達するように雰囲気加熱するには、圧電振動子1の周囲を270℃位まで昇温する必要がある。ここで、このような高温半田を用いているのは、圧電振動子1の完成品を各種機器や基板等へ実装する際のリフロー工程において、リフロー炉の熱で蓋体4と収容容器3との接合面がはがれないようにする必要があるためである。
【0013】
しかしながら、このような高温で加熱すると、封止材6からガスが発生し、このガスの成分が収容容器3内で圧電振動素子2に付着してしまって、振動特性等を劣化させてしまうという問題がある。
【0014】
また、このような封止時の高温により導電性接着剤5a,5aから特性上有害なガスが発生し、圧電振動素子2に付着してしまって、振動特性等を劣化させてしまったり、封止温度によっては、さらに圧電振動素子2に対して、直接悪影響を及ぼす場合があった。
【0015】
本発明は、上記課題を解消して、電子部品の性能を劣化を生じることなく、この電子部品を容器内に封止する電子部品の封止方法とこれを利用した圧電振動子及び圧電発振器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明によれば、電子部品を所定の容器に収容し、この容器に対して蓋体を配置し、前記蓋体または前記容器に対して軟質金属を介してホーンを当接させて超音波を与えることにより、前記容器と前記蓋体とを接合して封止することを特徴とする、電子部品の封止方法により、達成される。
【0017】
請求項1の構成によれば、前記容器または前記蓋体に対して超音波を作用させることにより、超音波が作用した箇所が振動し、容器との接合面で熱を発生する。これにより、この接合面だけに熱を発生させ、蓋体もしくは容器の接合面の一部またはそこに介在させた封止材を溶融させて、固定することができる。
また、ホーンは、蓋体または容器に直接当接しないで済むから、振動するホーンにより、蓋体表面を傷つけることがない。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記容器または蓋体に対して、横方向の振動を与えることを特徴とする。
【0019】
請求項2の構成によれば、蓋体に対して「横方法」すなわち、蓋体の下面に沿った方向に振動させることで、効率的に接合面に摩擦を生じさせ、熱を発生させることができる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成において、前記超音波による封止は、真空雰囲気中で行われることを特徴とする。
【0021】
請求項3の構成によれば、従来の加熱の場合と異なり、真空中にて作業を行うことが可能であり、このことは、電子部品を封止したパッケージの真空封止品質を向上させる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項1または2の構成において、前記超音波による封止は、不活性ガス雰囲気中で行われることを特徴とする。
【0023】
請求項4の構成によれば、従来の加熱の場合と異なり、不活性ガス,例えば窒素ガス雰囲気にて作業を行うことが可能であり、このことは、電子部品を封止したパッケージの不活性ガスによる封止品質を向上させる。さらに、これに加えて、真空雰囲気の場合と比較して、ガスの発生を著しく抑制できる。
【0024】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの構成において、前記容器と蓋体との間にロウ材を介在させて封止することを特徴とする。
【0025】
請求項5の構成によれば、発熱は前記蓋体と前記容器との接合部にほぼ限定されるので、ロウ材の選択の幅が広くなる。
【0028】
また、上記目的は、請求項6の発明によれば、電子部品を所定の容器に収容し、この容器に対して蓋体を配置し、前記蓋体に対して軟質金属を介してホーンを当接させて超音波を与えつつ加熱することにより、前記容器と前記蓋体とを接合して封止することを特徴とする、電子部品の封止方法により、達成される。
【0029】
請求項6の構成によれば、超音波を作用させながら、加熱することにより、蓋体または容器が振動し、容器との接合面で熱を発生するだけでなく、周囲から熱が伝えられる。これにより、この接合面だけに熱を発生させ、蓋体もしくは容器の接合面の一部またはそこに介在させた封止材を溶融させて、効率よく固定することができる。
また、ホーンは、蓋体または容器に直接当接しないで済むから、振動するホーンにより、蓋体表面を傷つけることがない。
【0030】
請求項7の発明は、請求項6の構成において、前記容器と蓋体との間にロウ材を介在させて封止することを特徴とする。
【0031】
請求項8の発明は、請求項7の構成において、前記加熱温度は、前記ロウ材の融点以下の温度に設定されることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
【0036】
先ず、本実施形態の封止方法が適用される電子部品の一例として、圧電振動素子の封止構造を説明する。
【0037】
図1は、このような圧電振動子の一例を示す概略斜視図であり、図2はその概略断面図である。
【0038】
これらの図において、圧電振動子10は、電子部品としての板状の圧電振動素子11を収納する容器として、空間部12aが形成された箱状の収容容器12と、空間部12aを密封するように、収容容器12に接合される板状の蓋体13を備えている。
【0039】
この圧電振動素子11は、一端部11aが空間部12a内に一体に設けた段部に配設されている電極14上に、導電性の接着剤14a,14aを介して接続固定され、他端部11bが自由端とされている。収容容器12と蓋体13は、好ましくは、封止材(ロウ材)15を介して接合されている。
【0040】
ここで、圧電振動素子11の材料としては、例えば人工水晶が用いられており、その表面に圧電振動素子11の駆動に必要とされる励振電極等の図示しない電極が形成されている。
【0041】
収容容器12の材料としては、例えば、アルミナ等のセラミックが用いられており、例えば、収容容器12は、グリーンシート等を用いて、下ベース12bの上に上ベース12cを内部に空間12aを形成するように積層して、図示のように箱状に成形された後、焼成することにより形成される。
【0042】
蓋体13は、収容容器12の線膨張係数と近い材料が適しており、金属あるいはアルミナ等のセラミックにより、例えば、平板な板状に形成されている。金属の場合には、例えば、コバール,42アロイ,ステンレス(SUS)等が好適である。本例では、例えば0.1mm程度のコバール板により形成されている。
【0043】
封止材15は、例えば、高温半田(溶融温度270℃程度),銀ロウ,金ロウ,低融点ガラス等が用いられる。
【0044】
そして、封止材15と適切に融着を行うために、セラミック製の収容容器12の上端12dには、図1の右側に拡大して示すように、例えば金属被覆部16を形成している。この金属被覆部16は、例えば、順次下からタングステンメタライズ、ニッケルメッキ、金メッキ等を積層するように被覆してなっている。
【0045】
また、このような金属被覆部16を形成しない場合には、セラミック製の収容容器12の上端12dには、例えばコバールリングもしくは42アロイがが予めロウ付けされることにより、同等の機能を果たすようにされている。
【0046】
図3の断面図は、電子部品の封止構造の他の例を示しており、この場合圧電発振器20の封止構造を示している。
【0047】
図において、図1及び図2で説明した圧電振動子10と共通する構成には同一の符号を付して、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0048】
図において、圧電発振器20の収容容器21では、第1のセラミックベース21aの上に内側に空間を有する第2のセラミックベース21bを重ね、さらにその上に内側に空間を有する第3のセラミックベース21cを重ねて形成している。これにより、図2と比べると内部空間12aの下にさらに段部を設けて、一段低いもうひとつの内部空間22aを形成している。
【0049】
そして、第1のセラミックベース21aの上面に形成した導電パターン上に集積回路23を実装し、上記内部空間22aに収容して、電極部24と接続している。これにより、圧電振動素子11に所定の駆動電圧を与えて、振動させ、その出力を上記集積回路23に入力することにより、所定の周波数の信号を取り出すようになっている。
【0050】
この圧電発振器20においても、収容容器21と蓋体13との接合には、後述する封止方法を適用することができる。
【0051】
次に、本実施形態の封止方法を説明する。
【0052】
この封止方法は、上述した圧電振動子10及び圧電発振器20について共通に適用することができ、さらには、容器内に電子部品を収容した封止構造に広く適用することができるが、以下では、これらを代表して圧電振動子10について適用した場合につき説明する。
【0053】
図4は、本実施形態に係る封止装置の概略構成を示している。
【0054】
図において、封止装置30は、所定の内部空間を有する真空チャンバー31と、この真空チャンバー31に接続され、内部空間の空気を真空引きするための真空排気手段としての真空ポンプ35と、真空チャンバー31内で封止対象に対して超音波を作用させるためのホーン33を有する発振体32と、封止対象を載置して支持する支持手段としての支持台34と、装置全体を制御し、これを操作するための制御部38を備えている。
【0055】
上記支持台34は、真空チャンバー31内に配置されており、その平らな上面に封止対象としての例えば圧電振動子10を載置して支持することができるようになっている。そして、好ましくは、この支持台34内には、好ましくは、ヒータ37が内蔵されており、圧電振動子10を下面から加熱できるようになっている。
【0056】
発振体32は、圧電材料による圧電体によって構成されている。
【0057】
ホーン33は、発振体32に接続されており、その先端が圧電振動子10の蓋体13の上面に当接するように配置されている。また、このホーン33には、好ましくは、ヒータ36が設けられていて、このヒータ36の熱は、ホーン33を介して蓋体13に伝えることができるようになっている。さらに、ホーン33は、発振体32を上下方向に加圧するシリンダ等の加圧手段42により、下方に加重をかけることができようになっている。
【0058】
図5は、封止装置30を制御する電気的構成を示す概略ブロック図である。
【0059】
図において、制御部38は、封止装置30の外側もしくはこれとは離れて配置されており、例えば所定のCPU等でなる処理回路を中心としたコンピュータや、これと同等の機能を果たす制御回路等で構成されている。
【0060】
この制御部38には、封止装置30の運転に必要な各種のスイッチング手段等を配置した運転パネル39が接続されており、使用者は、封止装置30を動作させるための指示を与えることができるようになっている。
【0061】
また、制御部38には、この制御部38が必要とする作業領域を備え、また、必要により封止のためのプログラムを格納したメモリ等でなる記憶手段41が接続されており、さらに、発振体32が接続されている。
【0062】
さらに、制御部38には、真空ポンプ35と、加圧手段42と、ヒータ36及びヒータ37がそれぞれ接続されている。
【0063】
図4に示すように、制御部38は、真空ポンプ35に指示を出し、真空チャンバー31内を真空排気し、所定の真空度とする。この場合、圧電振動子10の真空封止に必要な真空度としているが、また、真空にしなくても、別に設ける手段からチャンバー31内に窒素等の不活性ガスを充填して、封止するようにしてもよい。
【0064】
そして、圧電振動子10の蓋体13の上面には、ホーン33の先端が当接される。このとき制御部38の指示により、加圧手段42は、ホーン33の先端を蓋体13に対して100〜1000グラムの加重をあたえながら当接させる。また、制御部38は、発振体32を駆動して、ホーン33を振動させる。このとき、発振体32は、それぞれ図4の垂直なA方向(縦振動すなわち上下方向の振動)と水平なB方向(横振動)を生じさせる。そして、本実施形態では、蓋体13の上面に沿った方向であるBの方向への振動が好ましい。
【0065】
この時の発振体32による超音波の周波数は、例えば40Kヘルツ程度で、振幅は、1ミクロンないし5ミクロン,より好ましくは1.5ミクロンないし2.5ミクロン程度である。また、超音波を作用させる時間は、0.5秒程度である。
【0066】
これにより、蓋体13は、所定の方向に振動し、この振動によって、蓋体13と収容容器12の上面12dの上に設けられた金属被覆部等との間に摩擦を生じて、熱が発生する。この熱が、図6に示す封止材15を溶融させることにより、蓋体13と収容容器12とを接合することができる。
【0067】
この場合、熱が発生するのは、蓋体13と収容容器12との接合面だけであり、圧電振動素子11や導電性接着剤14a等(図1参照)等にはほとんど熱が伝えられることがないので、これらの部分からのアウトガスの発生を有効に防止でき、圧電振動素子11の振動特性に悪影響を与えることはない。また、このために、圧電振動子10を構成する各種部品に関しては、耐熱性を考慮するこなく作成できる利点がある。
【0068】
さらに、従来のように圧電振動子10を周囲から雰囲気を介して加熱することなく封止作業ができるので、真空雰囲気中や不活性ガス中での封止が可能となり、内部と外界とでリークが発生しにくく、このため圧電振動子10の劣化が防止され、パッケージの封止品質が向上する。
【0069】
ここで、封止作業中に上述した超音波を作用させながら、さらに加熱してもよい。
【0070】
つまり、制御部38は、ヒータ36及び37に指示を出して、各ヒータを駆動することにより、この熱は、圧電振動子10の周囲の雰囲気でなく、ホーン33と支持台34とから、それぞれ蓋体13と収容容器12とに伝えられる。これにより、真空チャンバー31内を真空にしたまま、蓋体13と収容容器12との接合面に熱を加えることができる。
【0071】
ここで、例えば半田を使用した封止の場合には、加熱時間は1分から5分が好ましく、加熱温度は半田の融点以下とするのが好ましい。この場合、作業効率を高めるためには、予備室を設け、この予備室内で蓋体13と収容容器12とを予備加熱し、図示しない移動機を用いて、蓋体13と収容容器12とを、支持台34上に載置するようにしてもよい。また、融点が摂氏270度の高温半田である場合には、加熱温度は摂氏200度程度が好ましい。
【0072】
そして、このような加熱を行う場合にも、従来のように、封止材15や導電性接着材14aの熱分解温度よりも低い温度による加熱ですむことから、これらの部分からのアウトガスの発生を有効に防止でき、圧電振動素子11の振動特性に悪影響を与えることはない。また、このために、圧電振動子10を構成する各種部品に関しては、加熱温度が低いことから、その分耐熱性を考慮するこなく作成できる利点がある。
【0073】
さらに、従来のように圧電振動子10を周囲から雰囲気を介して加熱することなく封止作業ができるので、真空雰囲気中や不活性ガス中での封止が可能となり、内部と外界とでリークが発生しにくく、このため圧電振動子10の劣化が防止され、パッケージの封止品質が向上する。
【0074】
図7は、本発明の封止方法の第2の実施形態を示している。
【0075】
図において、図6と異なるのは、ホーン33と蓋体13との間に、軟質金属の板状部材43を介在させた点だけである。
【0076】
すなわち、この場合には、ホーン33の振動により、軟質金属の板状部材43が介在しても蓋体13と容器12との間で摩擦熱が発生する。この熱により封止材15が溶融されて、接合される。
【0077】
したがって、この方法によると、第1の実施形態の作用効果に加えて、ホーン33は蓋体13に対して直接接触しないことから、蓋体13の上面に振動による傷等を与える心配がなく、その分品質が向上する。
【0078】
この場合、板状部材43の材料としては、銅やアルミニウム,ベリリウム銅等が好ましく、その厚みは、0.05mmないし1mm程度が好ましい。
【0079】
図8は、本発明の封止方法の第3の実施形態を示している。
【0080】
図において、図6と異なるのは、ホーン33を蓋体13ではなく、収容容器12に当接させている点である。
【0081】
つまり、圧電振動子10の構成は図6の場合と同じであり、収容容器12内に圧電振動素子11を収容し、蓋体13を配置した後、この蓋体13ではなく、図示の場合、収容容器12の底部にホーン33を当接させて、超音波を与えるようにしている。そして、この場合の封止条件は、ホーン33を蓋体13ではなく収容容器12側としている点を除き、図6の場合と同じである。
【0082】
この場合、収容容器12が所定の方向に振動し、この振動によって、蓋体13と収容容器12の上面12dの上に設けた金属被覆部等との間に摩擦を生じて、熱が発生する。この熱が、図8に示す封止材15を溶融させることにより、蓋体13と収容容器12とを接合することができる。したがって、この実施形態においても、第1の実施形態と同じ作用効果を発揮する。
【0083】
そして、上述の実施形態による封止方法によって、製造された製品は、従来の封止方法による製品と比較すると、以下のような点で区別し得る場合がある。
【0084】
従来の封止方法のうち、雰囲気加熱により容器と蓋体とを封止すると、全体が加熱されることから、蓋体の裏に封止材に溶けた痕跡が残る場合がある。つまり、全体が加熱されることによって、封止材が溶融して流れた痕跡が残る場合がある。
【0085】
また、電子ビームもしくは、レーザビームにより、封止している場合には、蓋体の表面にビームが照射された痕跡が残ることがある。
【0086】
これに対して、上述の実施形態による封止が行われた場合には、封止の際に、加圧手段42を使用していると、加圧対象となった蓋体13もしくは収容容器12に加圧痕が残る場合がある。また、上述の実施形態による封止では、接合面のみを加熱できるので、封止材15の流れ出しが少ない。また、全体加熱をしないことから、圧電振動素子11のマウントに必要な導電性接着材14a等の接合面に適用されないマウント材等に耐熱性を備えないものを使用することが可能である。さらに、超音波を利用して接合面だけ高温加熱できることから、封止品質等の点で必要があれば、融点の高い封止材15を用いることができる。
【0087】
本発明は上述の実施形態に限定されない。蓋体13に対して、ホーンは、上から超音波を作用させる必要はなく、電子部品の向きを限定する必要はない。また、上述の各実施形態の各要素は、適宜任意に組み合わせることができる。
【0088】
また、本発明の封止方法は、上述の圧電振動素子だけでなく、例えば、発振器,SAW共振子,SAWフィルター等種々の電子部品の封止に適用することができる。
【0089】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、電子部品の性能を劣化を生じることなく、この電子部品を容器内に封止する電子部品の封止方法とこれを利用した圧電振動子及び圧電発振器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る封止方法が適用される圧電振動子の一例を示す概略斜視図。
【図2】図1の圧電振動子の概略断面図。
【図3】本発明の実施形態に係る封止方法が適用される圧電発振器の一例を示す概略断面図。
【図4】本発明の実施形態に係る封止方法の封止装置の一例を示す概略構成図。
【図5】図4の封止装置を制御する電気的構成を示す概略ブロック図。
【図6】図4の封止装置による封止方法の例を示す概略説明図。
【図7】図4の封止装置による封止方法の例を示す概略説明図。
【図8】図4の封止装置による封止方法の例を示す概略説明図。
【図9】従来の電子部品の封止構造の一例を示す概略斜視図。
【符号の説明】
10 圧電振動子
11 圧電振動素子
12 収容容器
13 蓋体
15 封止材
20 圧電発振器
30 封止装置
31 真空チャンバー
32 発振体
33 ホーン
34 支持台
36,37 ヒータ
Claims (8)
- 電子部品を所定の容器に収容し、
この容器に対して蓋体を配置し、
前記蓋体または前記容器に対して軟質金属を介してホーンを当接させて超音波を与えることにより、前記容器と前記蓋体とを接合して封止する
ことを特徴とする、電子部品の封止方法。 - 前記容器または蓋体に対して、横方向の振動を与えることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品の封止方法。
- 前記超音波による封止は、真空雰囲気中で行われることを特徴とする、請求項1または2に記載の電子部品の封止方法。
- 前記超音波による封止は、不活性ガス雰囲気中で行われることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の電子部品の封止方法。
- 前記容器と蓋体との間にロウ材を介在させて封止することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子部品の封止方法。
- 電子部品を所定の容器に収容し、
この容器に対して蓋体を配置し、
前記蓋体に対して軟質金属を介してホーンを当接させて超音波を与えつつ加熱することにより、前記容器と前記蓋体とを接合して封止することを特徴とする、電子部品の封止方法。 - 前記容器と蓋体との間にロウ材を介在させて封止することを
特徴とする、請求項6に記載の電子部品の封止方法。 - 前記加熱温度は、前記ロウ材の融点以下の温度に設定される
ことを特徴とする、請求項7に記載の電子部品の封止方法。
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