JP3684875B2 - 圧電振動子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動素子を収納するためのベース及びこのベースを密封するための蓋体とを接合して圧電振動素子を封止した圧電振動子と圧電振動素子の封止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図18は、一般的な圧電振動子の一例を示す一部切断斜視図であり、図19は、その側面図である。
【0003】
この圧電振動子10は、板状の圧電振動素子11を収納する空間部12aが形成された箱状のベース12と、空間部12aを密封するようにベース12に接合された板状の蓋体13を備えている。圧電振動素子11は、一端部11aが空間部12a内に一体に設けた段部に配設されている電極14上に図示しない導電性接着剤を介して接続固定され、他端部11bが自由端とされている。ベース12と蓋体13は、封止材15を介して接合されている。
【0004】
ここで、圧電振動素子11の材料としては、例えば水晶が用いられ、ベース12の材料としては、アルミナ等のセラミックが用いられ、蓋体13の材料としては、コバール等の金属あるいはアルミナ等のセラミックが用いられる。また、封止材15の材料としては、低融点ガラスまたは銀ロウや半田等が用いられる。
【0005】
このような構成の圧電振動子10内に圧電振動素子素子11を封止する封止工程は、例えば以下のように行われている。
【0006】
先ず、所定の形状に形成した蓋体13の接合面側に封止材15を配置する。そして、図20に示すように、治具16内にベース12を保持して、このベース12上に、封止材15が配置された蓋体13の接合面を、圧電振動素子11がセットされたベース12の空間部12a側に向けて載置する。
【0007】
さらに、この蓋体13の上面を押さえ板17により加圧しながら押さえる。
【0008】
この状態で、蓋体13は、ベース12に対して位置決めされて保持されており、上方よりレーザビームや電子ビームBが照射されて封止材15が加熱され、溶融されて、ベース12と蓋体13が接合される。
【0009】
具体的には、レーザビームB等を蓋体13の上面に対して、押さえ板17のある領域を避けて照射し、熱がビーム照射位置の直下のベース12の上端面18と蓋体13との間の封止材15に伝えられ、この領域を中心として蓋体13の下面とベース12の上端面18との間で溶融されて固定される。
【0010】
以上により、圧電振動素子11が気密封止された圧電振動子10を得ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようにレーザビームや電子ビームを用いて、圧電振動素子11を封止する場合には、蓋体13の上方から押さえ板17のある領域を避けて、これより内側の領域,すなわち、押さえ板17の内側で、かつベース12の内壁12bより外側の領域を、封止代として封止しなければならない。
【0012】
一方、近年の電子,電気製品の小型化や高集積化にともない、圧電振動子も非常に小型に形成する必要がある。したがって、従来と同じ構造であっても、圧電振動子を構成するベース12等の部品を小さく構成する必要がある。ところが、封止工程で使用する封止治具16や蓋体13の押さえ板17を小型化するには限界があるので、極端な場合には、図21の平面図に示すように、蓋体13とその下のベース12とを封止するための封止代が、斜線領域S1で示すように極端に狭くなってしまう。
【0013】
したがって、従来の封止方法では、製品の小型化に適合して、適切な封止代を設けることができるように封止治具を小型精密に形成することが困難である。
【0014】
そして、封止代が不足することにより、気密封止の信頼性が低下するという問題もあった。
【0015】
また、封止代が不足すると、接合される領域S1の幅が図21に示すように極端に狭くなってしまい接合強度が不足する。また図20における押さえ板17の直下の領域に隙間が生じて、この隙間から腐食が進む可能性もある。
【0016】
本発明の目的は、上記課題を解消して、製品の小型化に対応して、十分な封止品質を得ることができる圧電振動素子の封止方法とこの封止方法により封止した圧電振動子を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧電振動子の製造方法は、圧電振動素子を収納するベースと、前記ベースを密封するための蓋体とを封止材を用いて固定する圧電振動子の製造方法において、
前記蓋体と前記ベースとを封止治具を用いて位置決めする工程と、
前記蓋体と前記ベースとの間に介在させた封止材に対して第1の加熱により封止材を溶融させて仮固定を行う工程と、
前記蓋体と前記ベースとが位置決めされた状態を仮固定によって維持しつつ、第2の加熱を行って前記蓋体と前記ベースとを本固定する工程とを含み、
前記仮固定を行う工程においては、前記蓋体の上面の外周付近を封止治具の押さえ板により保持し、レーザビームあるいは電子ビームを、前記押さえ板の内側の仮固定領域に対して照射して封止材を溶融することにより仮固定し、
前記本固定を行う工程においては、前記押さえ板を除去して、レーザビームあるいは電子ビームを前記仮固定領域よりも外側の領域に照射して封止材を溶融することにより本固定を行うことを特徴とする。
また、前記封止治具は、前記ベースを前記蓋体に対して付勢する付勢手段により押圧するようにしたものである。
また、前記仮固定と本固定とで、異なる封止材が用いられ、仮固定の際の封止材は、本固定の際の封止材よりも融点または硬化温度が低いものを用いることができる。
また、本発明の圧電振動子の製造方法は、圧電振動素子を収納するベースと、前記ベースを密封するための蓋体とを封止材を用いて固定する圧電振動子の製造方法において、
前記蓋体と前記ベースとを封止治具を用いて位置決めする工程と、
前記蓋体と前記ベースとの間に介在させた接着剤を加熱して該接着剤を硬化させ仮固定を行う工程と、
前記蓋体と前記ベースとが位置決めされた状態を仮固定によって維持しつつ、レーザビームあるいは電子ビームを照射して前記封止材を溶融させ、前記蓋体と前記ベースとを本固定する工程とを含み、
前記仮固定を行う工程においては、前記蓋体を封止治具の押さえ板により保持し、
前記本固定を行う工程においては、前記押さえ板を除去してレーザビームあるいは電子ビームを照射することを特徴とする。
また、本発明の振動子の製造方法は、圧電振動素子を収納するベースと、前記ベースを密封するための蓋体とを封止材を用いて固定する圧電振動子の製造方法において、
前記蓋体と前記ベースとを封止治具を用いて位置決めする工程と、
前記蓋体を封止治具の押さえ板により保持し、前記蓋体に設けられた貫通孔を通じてレーザビームあるいは電子ビームを前記封止材に対して照射して、該封止材を溶融することにより仮固定を行う工程と、
前記蓋体と前記ベースとが位置決めされた状態を仮固定によって維持しつつ、前記押さえ板を除去してレーザビームあるいは電子ビームを照射して、前記蓋体と前記ベースとを本固定する工程とを含むことを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、本発明の圧電振動子の実施形態を示す斜視図である。
【0035】
この圧電振動子20は、板状の圧電振動素子21を収納する空間部22aが形成された箱状のベース(収納部)22と、空間部22aを密封するようにベース22に接合された板状の蓋体(蓋体)23を備えている。圧電振動素子21は、一端部21aが空間部22a内に配設されている電極24上に図示しない導電性接着剤を介して接続固定されいて、他端部21bは自由端となっている。これにより、電極24から印加される駆動電圧によって、所定の振動数で振動できるようになっている。
【0036】
ベース22と蓋体23は、後述する封止方法により、封止材25を介して接合されている。ここで、圧電振動素子21の材料としては、例えば水晶が用いられ、ベース22の材料としては、アルミナ等のセラミックが用いられ、蓋体23の材料としては、アルミナ等のセラミックの線膨張係数に近いコバール等の金属あるいはアルミナ等のセラミックが用いられる。
【0037】
ベース22の上端面である接合面上には、図1の一部に拡大して示すように、タングステンメタライズが施され、その上にニッケルメッキが施され、さらにその上に金メッキが施されている。蓋体23の接合面上には、金メッキが施されている。
【0038】
(封止方法の第1の実施形態)
図2ないし図7は、本発明の圧電振動素子の封止方法の第1の実施形態を示す図であり、各図を参照して図1に示す圧電振動子20の圧電振動素子21の封止方法について説明する。
【0039】
先ず図2及び図3は、図1に示す圧電振動子20の封止用治具を示す分解斜視図である。図2に示す治具はベース22を保持するための治具30であり、図3に示す治具は蓋体23を保持するための治具40である。
【0040】
図2において、ベース保持治具30は、ベース22を押圧するための加圧手段を備えた加圧治具31と、この加圧治具31と略同一の矩形状でなり、ベース22を位置決めするためのベース保持板35を備えている。
【0041】
加圧治具31は、セットされた複数のベース22を、個々に蓋体側に対してそれぞれ付勢するように押圧する付勢手段としての複数のスプリング32を、この例では5個×4個のマトリクス状に均等に有している。これにより、後述する仮固定の工程において、加圧治具31の面に沿って、均一の付勢力を発揮することができ、位置ズレを起こしにくい。そして、加圧治具31には、ベース保持板35をガイドするためのベース側ガイドピン34が、この例では他の対向する側面近傍に各1個ずつ設けられている。
【0042】
ベース保持板35には、ベース22を収容して位置決めするための矩形状のベース位置決め用の有底の角穴36が、加圧治具31の各スプリング32と対応するように設けられており、この角穴36の各底部には、それぞれ上記スプリング32が通される貫通穴33が設けられている。角穴36はベース22の外形に会う形状となっている。また、ベース保持板35には、後述する蓋体保持治具40に設けられているガイドピン42を通すための円形状の蓋体側ガイドピン用貫通穴37が、各蓋体側ガイドピン42と対応するように設けられている。さらにベース側ガイドピン34を通すための円形状のベース側ガイドピン用貫通穴38が、加圧治具31のガイドピン34と対応するように設けられている。
【0043】
図3に示すように、蓋体保持治具40は、矩形板状の治具本体41と、蓋体23を位置決めするための治具本体41と略同一の矩形状の蓋体位置決め板45と、この治具本体41と蓋体位置決め板45との間に配置される押さえ板43とを備えている。
【0044】
治具本体41は、ベース保持治具30をガイドするためのガイドピン42が、この例では対向する側面近傍に、ベース保持治具30に設けられている各蓋体側ガイドピン用貫通穴37と対応するように設けられている。さらに、治具本体41には、後述するようにベース22がセットされた場合にこれに対応する位置に貫通穴47が、セットされるベース22の数に対応してマトリクス状に設けられている。この貫通穴47は、後述する仮固定の工程において、仮固定用のビームが通過するためのものである。
【0045】
蓋体位置決め板45は、蓋体23を収容して位置決めするための矩形状の蓋体位置決め用貫通穴46が、ベース保持板35に設けられている各ベース位置決め用の有底の角穴36と対応するように設けられていると共に、ガイドピン42を通すための円形状の蓋体側ガイドピン用貫通穴49が、ベース保持治具30に設けられている各蓋体側ガイドピン用貫通穴37と対応するように設けられている。
【0046】
押さえ板43は、治具本体41と略同一の矩形状であって、板厚が薄く形成されている。押さえ板43には、蓋体位置決め板45の貫通穴46と、治具本体41の貫通穴47とに対応する位置に、それぞれ小さな貫通穴44を有している。この貫通穴44は、少なくとも上記各貫通穴46と47よりも小さく形成されている。また、押さえ板43には、ガイドピン42を通すための円形状の蓋体側ガイドピン用貫通穴48が、ベース保持治具30に設けられている各蓋体側ガイドピン用貫通穴37と対応するように設けられている。
【0047】
次に、以上のような封止用治具を用いて圧電振動子20を封止する工程を詳細に説明する。
【0048】
図4に示すように、先ず上述の封止用治具を用いる場合には、図3に示す順序で蓋体保持治具40の治具本体41と押さえ板43と蓋体位置決め板45を、治具本体41をガイドピン42を各部材のガイド用貫通穴48,49に通すことによって位置合わせして重ねる。そして、圧電振動素子21が取付けられ、蓋体23とベース22との間に封止材25を適用した状態で、蓋体23を下にしてその上にベース22が重なるようにし、蓋体位置決め板45の貫通穴46に収容してセットする。ここで、封止材25としては、例えば後述する仮固定の封止材25aと本固定の封止材25bとを別のものとし、好ましくは、仮固定用の封止材25aは、本固定用の封止材25bよりも融点または硬化温度が低いものを用いる。
【0049】
仮固定の封止材25aとしては、例えばSi系やAl系等の有機金属系接着剤等が適しており、本固定の封止材25bとしては、例えば銀ロウや半田ロウ等が適している。
【0050】
次に、図5に示すように、ベース保持治具30を上に重ねるようにセットする。この場合、ベース保持治具30は、図2に示した順序で重ねるようにして全体を逆さにするように重ねた状態である。
【0051】
具体的には、図4において、蓋体位置決め板45から上方に露出するガイドピン42を、ベース保持板35のガイド用貫通穴37に通し、さらに加圧治具31を上から載せる。このとき、加圧治具31のスプリング32は、先端(図5では下端)がベース22の上方に突出した端面(ベース22の底面)に当接して、これを下方に押すように付勢する。すなわち、スプリング32は、ベース22の底部を蓋体23側に押しつけるように付勢している。また、ベース22の上方に露出した箇所(ベース22の底部)は、ベース保持板35の角穴36内に受容されている。これにより、スプリング32の付勢力により、ベース22は図示の下方に押されつつ、ベース保持板35内に正しく位置決めされ、このベース22に対して、蓋体23は、押さえ板43により下から支持されて挟まれるようにして、位置決めされている。
【0052】
次いで、図6は、図5の上下を反転させて示しており、蓋体23が上を向くように示されている。この蓋体23の上の押さえ板43の内端面より内側の箇所P1に対して、治具本体41の貫通穴47を介してレーザビームや電子ビーム等のビームBを照射して、仮固定する。この仮固定とは、ベース22と蓋23とを上述のように位置決めした状態で離れないように仮接合することを目的としている。この場合、ビームBを形成するときに、周囲温度の上昇が本固定用の封止材25bの溶融温度を越えないようにビームの照射時間やビームパワーを管理する。これにより、ベース22の内部空間内の圧電振動素子を固定している接着剤が溶けたりしてアウトガスが出たりすることが防止され、製品の性能が低下することが防止される。また、仮固定箇所P1は、蓋体23の上面で、押さえ板43の内端面より内側の領域において、何箇所かのポイントを選んで、間欠的にビーム照射することにより、部分的に封止材25aを溶かして固定してもよく、連続的にビーム照射することにより、ビームの照射箇所に沿って封止材25aを周状に溶かして接合してもよい。
【0053】
また、この仮固定の工程においては、後述する本固定の場合と比べるとビームの照射パワーは低く設定される。
【0054】
次に、図7に示すように、蓋体保持具40を全て取り去り、加圧治具31も除去する。この状態であっても、図6の仮固定により、蓋体23とベース22とは仮に接合されているから、位置合わせされた両者の関係はずれることがない。
【0055】
そして、蓋体23の上記仮固定箇所P1より外側の蓋体23の上面の外周に対応する箇所P2に対してレーザビームや電子ビーム等のビームBを照射して、本固定する。この場合のビーム照射は、本固定用封止材25bを溶融させることができる程度の温度を必要とする。そして、本固定箇所P2から仮固定箇所P1にかけての領域に対応して、蓋体23とベース22の間の封止材25を溶融させることにより、この領域を封止代として本固定が行われる。
【0056】
したがって、従来と異なり、ベース22の上端面22aに対応した広い領域をすべて封止代として封止することができるので、封止品質が向上する。
【0057】
すなわち、この実施形態によれば、仮固定の工程において、蓋体23とベース22とを位置決めした状態にて、仮固定箇所P1を仮接合することができ、精密な位置合わせをすることができる。この場合も、極端に小さな押さえ板を用いることなく、この押さえ板の内側を仮止めするので、治具の構成上も困難性がない。さらに、この仮固定の後、蓋体23とベース22とが精密に位置合わせして仮接合された状態にて、大きな封止代をとって本固定を行うので、小型の製品であっても、十分な接合強度をもって精密な気密封止を行うことができる。
【0058】
尚、上記実施形態においては、図5に示すように、仮固定用の封止材25aと本固定用の封止材25bとを異なる種類のものを用いて封止しているが、仮固定と本固定で同じひとつの種類の封止材を用いてもよい。
【0059】
この場合には、図6の治具本体41の貫通穴41を介して電子ビーム等のビームBを照射し、封止材25の一部をスポット的に加熱して仮固定を行う。この仮固定のビームパワーは、本固定のビームパワーよりも低く設定される。
【0060】
次いで、図7で説明したと同様に本固定を行う。
【0061】
(封止方法の第2の実施形態)
図8ないし図15は、本発明の封止方法の第2の実施形態を説明するための説明図である。
【0062】
図8に示すのはベース保持治具のベース保持板35である。この実施形態では、ベース保持治具は図2で説明したものと同一であり、重複する説明は省略する。図8では後述する封止工程で、ベース保持板35にベース22が位置決めされセットされている状態を示している。
【0063】
図9は、蓋体保持治具50を示している。この蓋体保持治具50は、図3の蓋体保持治具30と共通の構成には同一の符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0064】
図9の蓋体保持治具50は、図3の蓋体保持治具30と異なり押さえ板を有していない。また、治具本体51には貫通穴を備えていないものである。
【0065】
次に、以上のような封止用治具を用いて圧電振動子20を封止する工程を詳細に説明する。
【0066】
図10に示すように、先ず上述の封止用治具を用いる場合には、蓋体保持治具50を用いて蓋体23をセットする。つまり、治具本体51のガイドピン42を蓋体位置決め板45の貫通穴49に通して両者を位置合わせして重ねる。そして、蓋体位置決め板45の各貫通穴46内に蓋体23を収容し、この蓋体23の図10にて上面には封止材25が適用されている。この封止材25は、本実施形態の場合、例えば銀ロウが使用される。
【0067】
また、図11に示すように、ベース保持板35の各角穴36には、ベース22が位置決めされてセットされている。そして、ベース保持板35の貫通穴33は、図示しない真空ポンプ等の真空引き手段に接続されて、真空吸引することにより、ベース22が吸着保持されている。この状態は図8に示されており、図において、ベース22の上端面には接着剤61が適用されている。
【0068】
この接着剤61は、仮固定用の接着剤であり、好ましくは、例えば有機金属系の接着剤が利用される。有機金属系の接着剤を利用する理由は、金属製の蓋体23とベース22のメタライズ部分との親和性が良好で安定した接着が可能だからである。また、分子量が比較的小さくかつ均一であるから、薄く均一な塗布が可能だからである。さらに、金属原子を含むことから熱分解しにくく、耐熱性が良好である。そして、有機金属系の接着剤としては、具体的には、例えばSi系の接着剤が適しており、有機金属系以外では、セラミック系の接着剤を用いてもよい。
【0069】
次に、図12に示すように、治具本体51のガイドピン42をベース位置決め板35のガイド用貫通穴37に通して、蓋体保持治具50とベース位置決め板35とを重ね合わせる。このとき、ベース22は、真空引きされていることにより、角穴36内に受容されており、蓋体に当接していない場合もある。
【0070】
次いで図13に示すように、加圧治具31をベース保持板35に重ねて、ベース保持板35の各貫通穴33内に加圧治具31のスプリング32を挿通する。これにより加圧治具31のスプリング32は、先端(図13では下端)がベース22の上方に突出した端面(ベース22の底面)に当接して、これを下方に押すように付勢する。すなわち、スプリング32は、ベース22の底部を蓋体23側に押しつけるように付勢している。また、ベース22の上方に露出した箇所(ベース22の底部)は、ベース保持板35の角穴36内に受容されることにより位置決めされている。これにより、スプリング32の付勢力により、ベース22及び蓋体23は図示の下方に押されつつ、ベース保持板35内に正しく位置決めされる。
【0071】
そして、図14に示すように、図13の状態から上下を反転させて、雰囲気温度を接着剤61の硬化温度に上昇させて、硬化させる。この時の雰囲気温度は例えば摂氏250度ないし300度程度である。これにより、本実施形態の仮固定が行われる。
【0072】
次いで図15に示すように、蓋体保持具50を全て取り去り、加圧治具31も除去する。この状態であっても、図14の仮固定により、蓋体23とベース22とは仮に接合されているから、位置合わせされた両者の関係はずれることがない。
【0073】
そして、蓋体23の上面の外周に対応する箇所P2に対してレーザビームや電子ビーム等のビームBを照射して、本固定する。この場合のビーム照射は、本固定用封止材25を溶融させることができる程度の温度を必要とする。そして、本固定箇所P2より内側の全ての領域に対応して、蓋体23とベース22の間の封止材25を溶融させることにより、この領域を封止代として本固定が行われる。つまり、第1の実施形態と同様にベース22の上端面22aの全ての領域を封止代として気密封止が行われるので、第1の実施形態とほぼ同様な作用効果を得ることができる。
【0074】
(封止方法の第3の実施形態)
図16及び図17は本発明の封止方法の第3の実施形態を説明するための図である。この封止方法は第1の実施形態と同様にレーザビームまたは電子ビームを用いて仮固定を行うものである。
【0075】
この実施形態に適用される蓋体は73は、図16に示すように、封止工程において、封止治具にセットされたときに、この蓋体73の上面の押さえ板43の内端面より内側に複数の貫通穴74を備えている。貫通穴は仮固定用の貫通穴74であり、例えば直径0.1mm程度のものである。
【0076】
これにより、図17に示すように、封止治具にセットされた状態において、図16にて説明した仮固定の際、貫通穴74に対して、仮固定用の光ビームまたは電子ビームBを照射する。
【0077】
これにより、ビームBは、直接、封止材25に照射されるので、蓋体23を介して封止材を加熱溶融する場合と比較すると、少ないビームパワーで仮固定を行うことができる。このため、第3の実施形態は、第1の実施形態と同じ作用効果を発揮できるだけでなく、必要以上に周囲温度を上昇させないことから、製品の構成部品に熱的な悪影響を与えることがきわめて少ないものである。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、仮固定により、封止治具等の位置決め手段により蓋体とベースとを位置決めして仮に固定することができ、この位置決め固定された状態で本固定が行われていることから、製品の小型化に対応して、十分な封止品質を得ることができる。特に、本発明では、仮固定を経て本固定を行うので、本固定の際に蓋体を押さえる必要がない。このため、押さえ治具等により邪魔されることなく、封止部全域に渡り、広い封止代を確保し、封止加工を行うことができる。このため、蓋体とベースとの封止部の最外周部において、隙間が発生することがなく、したがって、気密不良を招来する腐食等が発生しない。
【0079】
また、本発明によれば、仮固定を行う際に、必要以上の加熱温度を高くしなくて済むので、製品の構成部品に熱的悪影響を与えることがない。
【0081】
また、本発明によれば、蓋体とベースの位置決めを確実に行うことができる。
【0082】
また、本発明によれば、仮固定において、蓋体の上面から加熱するためのビームを照射しない場合においては、ビームの通過箇所を開けた状態で蓋体を位置決め保持する複雑な治具を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電振動子の実施形態を示す斜視図。
【図2】 図1の圧電振動子の封止用治具を示す第1の分解斜視図。
【図3】 図1の圧電振動子の封止用治具を示す第2の分解斜視図。
【図4】 図1の圧電振動子の封止工程の一部を示す説明図。
【図5】 図1の圧電振動子の封止工程の一部を示す説明図。
【図6】 図1の圧電振動子の封止工程の仮固定の工程を示す説明図。
【図7】 図1の圧電振動子の封止工程の本固定の工程を示す説明図。
【図8】 図1の圧電振動子の第2実施形態の封止方法に用いる封止用治具の一部を示す斜視図。
【図9】 図1の圧電振動子の第2実施形態の封止方法に用いる封止用治具の他の一部を示す斜視図。
【図10】 図1の圧電振動子の封止方法の第2の実施形態における封止工程の一部を示す説明図。
【図11】 図1の圧電振動子の封止方法の第2の実施形態における封止工程の一部を示す説明図。
【図12】 図1の圧電振動子の封止方法の第2の実施形態における封止工程の一部を示す説明図。
【図13】 図1の圧電振動子の封止方法の第2の実施形態における封止工程の一部を示す説明図。
【図14】 図1の圧電振動子の封止方法の第2の実施形態における封止工程の仮固定の工程を示す説明図。
【図15】 図1の圧電振動子の封止方法の第2の実施形態における封止工程の本固定の工程を示す説明図。
【図16】 図1の圧電振動子の封止方法の第3の実施形態における蓋体の構造を示す斜視図。
【図17】 図1の圧電振動子の封止方法の第3の実施形態の封止工程における仮固定の工程を示す説明図。
【図18】 一般的な圧電振動子の一例を示す一部切断斜視図。
【図19】 図18の圧電振動子の側面図。
【図20】 図18の圧電振動子における圧電振動素子の封止工程の一部を示す説明図。
【図21】 図20の封止工程における封止方法により封止される封止代を示す概略平面図。
【符号の説明】
20 圧電振動子
21 圧電振動素子
22 ベース(収納部)
22a 空間部
23 蓋体(蓋体)
24 電極
25 封止材
30 ベース保持治具
40 蓋体保持治具

Claims (5)

  1. 圧電振動素子を収納するベースと、前記ベースを密封するための蓋体とを封止材を用いて固定する圧電振動子の製造方法において、
    前記蓋体と前記ベースとを封止治具を用いて位置決めする工程と、
    前記蓋体と前記ベースとの間に介在させた封止材に対して第1の加熱により封止材を溶融させて仮固定を行う工程と、
    前記蓋体と前記ベースとが位置決めされた状態を仮固定によって維持しつつ、第2の加熱を行って前記蓋体と前記ベースとを本固定する工程とを含み、
    前記仮固定を行う工程においては、前記蓋体の上面の外周付近を封止治具の押さえ板により保持し、レーザビームあるいは電子ビームを、前記押さえ板の内側の仮固定領域に対して照射して封止材を溶融することにより仮固定し、
    前記本固定を行う工程においては、前記押さえ板を除去して、レーザビームあるいは電子ビームを前記仮固定領域よりも外側の領域に照射して封止材を溶融することにより本固定を行うことを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  2. 前記封止治具は、前記ベースを前記蓋体に対して付勢する付勢手段により押圧するようにした請求項1に記載の圧電振動子の製造方法。
  3. 前記仮固定と本固定とで、異なる封止材が用いられ、仮固定の際の封止材は、本固定の際の封止材よりも融点または硬化温度が低いものが用いられる請求項1又は2のいずれかに記載の圧電振動子の製造方法。
  4. 圧電振動素子を収納するベースと、前記ベースを密封するための蓋体とを封止材を用いて固定する圧電振動子の製造方法において、
    前記蓋体と前記ベースとを封止治具を用いて位置決めする工程と、
    前記蓋体と前記ベースとの間に介在させた接着剤を加熱して該接着剤を硬化させ仮固定を行う工程と、
    前記蓋体と前記ベースとが位置決めされた状態を仮固定によって維持しつつ、レーザビームあるいは電子ビームを照射して前記封止材を溶融させ、前記蓋体と前記ベースとを本固定する工程とを含み、
    前記仮固定を行う工程においては、前記蓋体を封止治具の押さえ板により保持し、
    前記本固定を行う工程においては、前記押さえ板を除去してレーザビームあるいは電子ビームを照射することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  5. 圧電振動素子を収納するベースと、前記ベースを密封するための蓋体とを封止材を用いて固定する圧電振動子の製造方法において、
    前記蓋体と前記ベースとを封止治具を用いて位置決めする工程と、
    前記蓋体を封止治具の押さえ板により保持し、前記蓋体に設けられた貫通孔を通じてレーザビームあるいは電子ビームを前記封止材に対して照射して、該封止材を溶融することにより仮固定を行う工程と、
    前記蓋体と前記ベースとが位置決めされた状態を仮固定によって維持しつつ、前記押さえ板を除去してレーザビームあるいは電子ビームを照射して、前記蓋体と前記ベースとを本固定する工程とを含むことを特徴とする圧電振動子の製造方法。
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