JP3413522B2 - 電子部品用パッケージ - Google Patents
電子部品用パッケージInfo
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/15—Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
- H01L2924/161—Cap
- H01L2924/1615—Shape
- H01L2924/16195—Flat cap [not enclosing an internal cavity]
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- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品用パッケー
ジに関するものであり、特に気密封止を必要とする電子
部品用パッケージに適用されるものである。 【0002】 【従来の技術】気密封止を必要とする電子部品の例とし
て、水晶振動子、水晶フィルタ、水晶発振器等の水晶応
用製品があげられる。これらはいずれも水晶振動板の表
面に金属薄膜電極を形成し、この金属薄膜電極を外気か
ら保護するため、気密封止されている。 【0003】気密封止方法は、シーム溶接、電子ビーム
溶接、はんだ接合等がある。以下それぞれの構成並びに
問題点を順次記載する。なお、以下の説明において、シ
ールパスとは、封止時にフタ側とパッケージ側の重なる
領域を示し、通常は帯状のシールパスが周状に形成され
ている。また有効シールパスとは、シールパスのうち実
質的に接合に寄与している領域を示している。 【0004】シーム溶接により気密封止を行う方法とし
て、特開平7−326678号の従来例(特に図3)を
あげる。特開平7−326678号の図3において、セ
ラミックベースの開口部上面にはコバールリング4が形
成されており、このシールリング上にリッド(金属フ
タ)5が搭載されている。コバールリング4の外側の陵
をシーム溶接電極ローラ10にて、トレースしながら通
電して溶接が行われる。当図3からも明らかなとおり、
金属フタの外周はシールリングの外周より若干小さく形
成され、段差部が形成されており、両者の接合を確実に
している。 【0005】しかしながら、シーム溶接における接合領
域を得るために段差部等の形成は小型化の防げになる。
特に超小型化された電子部品の場合、電子部品素子収納
領域が確保できなくなり、電子部品の超小型化には適し
ていない。また、シールパス(リッドとコバールリング
の重なる部分)のうち一部のみの溶融となるので、有効
シールパスが小さくなる。 【0006】さらに、接合時にシーム溶接電極ローラを
被接合部材に接触させる必要があるが、各構成部品が微
小になるにつれて当該ローラが相互に干渉し、小型化に
対応させることが困難であるという問題点も有してい
た。 【0007】被接合部材に非接触で接合する手段とし
て、特開平8−46075号に示すように、電子ビーム
溶接あるいはレーザービーム溶接により気密封止を行う
方法も考えられている。 【0008】ところが、このような各種ビーム溶接にお
いても、溶接時にはケース上にフタを位置決め固定する
治具が必要となる。このような治具も各構成部品の微小
化に対応させることが困難になっていた。 【0009】上記ビーム溶接はビーム照射部分のみが有
効シールパスとなり、また、ビーム照射誤差を考慮する
と、シールパスはある程度の幅を予め確保しておく必要
がある。このような側面からも前記ビーム溶接ではパッ
ケージの超小型化を困難にしていた。 【0010】はんだ接合は古くから電子部品用パッケー
ジの気密封止方法として用いられてきた。当該接合はシ
ールパス全体にはんだを形成することにより、シールパ
スと有効シールパスをほぼ等しくすることができ、パッ
ケージの小型化、気密性の向上に有効である。 【0011】ところではんだの溶融を高周波加熱により
実施する技術も公知である。例えば、特公昭58−55
688号には蓋の封止面に半田ワッシャーを挟み込み、
赤外線加熱あるいは高周波加熱で溶融させる構成につい
て開示されている。高周波加熱装置は比較的安価であ
り、よって安価に半田接合を行うことができる。しかし
ながら、半田接合は接合時にフラックスガス等のガスが
排出され、電子部品素子を汚染し、例えば、電子部品素
子上に形成された電極を酸化させる等の悪影響の生じる
ことがあった。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】上述のとおり、近年に
おいてはより微小な電子部品が要求されており、従来小
型化が困難とされていた圧電振動子の分野においても、
例えば外形サイズが縦3mm以下、横2mm以下、高さ0.
8mm以下程度の表面実装型の水晶振動子が要求されてい
る。このような水晶振動子は、水晶振動板を超小型化す
る対応が必要とされているとともに、これを収納するパ
ッケージにも工夫が必要となり、超小型化に対応させる
ことが必要となっていた。しかしながら、パッケージを
超小型化すると、気密封止に必要な有効シールパスを確
保することが困難になっていた。 【0013】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、超小型化された電子部品においても、セラ
ミックパッケージのシールパスを、有効シールパスを確
保できる範囲で可能な限り小さくし、パッケージの小型
化を図るとともに、封止材料から排出されるガス排出を
極力抑制することにより、経時変化等の電子部品素子へ
の悪影響を抑制する電子部品用パッケージを提供するこ
とを目的とするものである。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明は、フタに形成さ
れたろう材をクラッド化することにより、ろう接時の作
業性を向上させ、またろう接の際の排出ガスをきわめて
少なくできることに着目するとともに、クラッド化され
たろう材部分のみを高周波加熱の局所加熱機能により溶
融させ、電子部品用パッケージの接合領域以外の領域へ
の高温加熱を回避できることに着目してなされたもので
ある。 【0015】請求項1による電子部品用パッケージは、
セラミック基体と、当該セラミック基体の主面周囲に形
成された帯状のメタライズ層と、当該メタライズ層の上
面に形成された少なくとも1層のメッキ層と、からなる
セラミックパッケージと、前記メッキ層に対応し、当該
メッキ層と接合される接合部を有するフタとからなる電
子部品用パッケージであって、前記メッキ層と前記接合
部が重なることにより形成されるシールパスの幅が0.
1〜0.4mmであるとともに、前記接合部は、クラッド
化された銀ろう材により形成され、当該接合部を局所的
に加熱する局部高周波加熱法により加熱溶融させ、前記
メッキ層と接合し、気密封止を行うことを特徴としてい
る。 【0016】請求項1によれば、ろう接によりセラミッ
クパッケージとフタを接合するので、メッキ層と接合部
が重なることにより形成されるシールパス幅が狭くて済
み、また溶接ローラーが相互に干渉する等の問題がな
く、製造面においてパッケージ小型化に対する障害がな
いので、全体としてパッケージを小型化することができ
る。また、クラッド化されたろう材はバインダー等を用
いずに形成するので、溶融時のガスの放出を抑制でき
る。 【0017】また、シールパスの幅は、気密封止の側面
からはある程度の幅を必要とする。幅を広くすること
は、パッケージの小型化に相反するとともに、接合部
(ろう材)の溶融ムラが発生する可能性があるので、必
要以上に広くすることは好ましくない。また、シールパ
ス幅を狭くすることは、パッケージの小型化に対応でき
るが、狭くしすぎると当然気密信頼性の低下をまねく。
発明者は上記点を考慮して、シールパス幅について検討
を行った結果、0.1mm〜0.4mmの範囲において、セ
ラミックパッケージの小型化と気密性の確保が可能であ
ることを見いだした。0.1mm以下のシールパス幅であ
ると一部気密リークの問題が生じる等気密性における信
頼性が低下した。0.4mm以上であるとパッケージの小
型化に対応できないとともに、一部溶融ムラの発生が認
められる。特に短時間で加熱を行う高周波加熱におい
て、溶融ムラが多くなる傾向になり、またより急峻な温
度立ち上がりを必要とする銀ろう等の高融点ろうを用い
た場合、より短時間の加熱となるため、上記傾向はより
強くなっていた。 【0018】さらに、接合部(ろう材)部分のみを高周
波加熱により局所的に加熱するので、パッケージの他の
領域を高温下にさらすことなく、ろう接を遂行できる。 【0019】なお、銀ろうは溶融時のガスの放出がきわ
めて少なく、ガスによる電子部品素子への悪影響を排除
できる。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を表面実装型
の水晶振動子を例にとり図1,図2,図3、図4ととも
に説明する。図1は本実施の形態を示す分解斜視図であ
り、図2は高周波加熱方法を説明する斜視図、図3は高
周波加熱方法を説明する側面図、図4は閉蓋後の表面実
装型水晶振動子を示す斜視図である。表面実装型の水晶
振動子の基本構成は図1で示すような構成であり、上部
が開口した凹形のセラミックパッケージ1と、当該パッ
ケージの中に収納される電子部品素子である水晶振動板
3と、パッケージの開口部に接合される金属製のフタ2
とからなる。この実施例では縦3mm、横2mm、高さ0.
8mmの外形サイズのものを用いた。 【0021】内部断面が凹形のセラミックパッケージ1
は、セラミック基体10と、凹形周囲の開口部に形成さ
れる周状の金属層11とからなる。金属層11は、タン
グステン等からなるメタライズ層と、メタライズ層の上
部に形成されるニッケル等からなる下部メッキ層と、下
部メッキ層の上部に形成される金等からなる上部メッキ
層とからなる。各層の厚さは、この実施例では、メタラ
イズ層が18〜20μm、下部メッキが6μm、上部メ
ッキ層が1μmである。 【0022】また、セラミックパッケージ1の内部底面
には電極パッド12、13が形成されており、これら電
極パッドはセラミックパッケージ内部に配線された連結
電極(図示せず)を介して、パッケージ外部の底面に引
出電極14,15として電気的に引き出されている。前
記電極パッド12,13間には電子部品素子である矩形
の水晶振動板3が搭載されている。水晶振動板3の表裏
面には一対の励振電極31(裏面電極は図示せず)が形
成されており、各々電極パッド12,13に対応する位
置に引き出されており、導電性接合材(図示せず)によ
り導電接合されている。 【0023】気密封止するフタ2はコバール等の金属母
材20の下面に前記周状の金属層11に対応した周状の
接合部21を形成している。接合部21はこの実施例で
は銀ろうにより形成されている。またフタ2は金属材料
に代えてセラミック板等の絶縁材料を用いてもよい。こ
の接合部(銀ろう層)21の形成は圧延の手法を用いて
形成され、いわゆるクラッド化されている。このクラッ
ド化された接合部は例えば20μm程度の厚さでかつ金
属層11の幅(0.3mm)に対応した幅寸法を有してい
る。これにより幅0.3mmのシールパスを形成し、接合
によりほぼ同じ幅の有効シールパスを得る。 【0024】気密封止を行う場合は、フタ2と前記セラ
ミックパッケージ1の金属層とを重ね合わせ、周囲温度
を銀ろう溶融温度にして溶融させる。銀ろうは構成成分
にも依存するが、溶融温度が600〜700゜Cと高
く、例えば水晶のキュリー温度(573゜C)を越えて
いる。また、水晶振動板をセラミックパッケージに接合
する導電性接合材についても接合を維持する保証温度を
越えていることが多い。従って銀ろうを電子部品のパッ
ケージ封止用ろう材として用いる場合は、局所的でかつ
短時間で加熱を完了させることが必要となる。 【0025】この実施例では、局所加熱法として高周波
加熱法(高周波誘導加熱法)を用いている。具体的には
図2に示すように、セラミックパッケージ1にフタ2を
搭載し、一体化したものを周状のコイルC内に収納す
る。当該コイルの設置は前述の金属層11、接合部(銀
ろう層)21に対応する位置のみに近接して設置し、セ
ラミックパッケージの他の部分には及ばないようにす
る。この状態で高周波コイルに数kWの電力を印加する
ことにより、金属層11と接合部21部分のみ短時間で
局部加熱を行うことができ、接合時に有害なガスの放出
の少ない気密封止を行うことができる。なお、必要に応
じてフタ2を加圧しながら加熱を実行する。 【0026】なお、印加時間と発熱温度には正の相関関
係があり、また印加電圧が高いほど急速加熱が行えるこ
とが知られている。従って、使用するろう材の融点等に
より印加電圧等のパラメーターを適宜選択して、高周波
加熱を実施すればよい。 【0027】上述の実施例においては、接合部に材料と
して銀ろうを例示したが、クラッド化した半田ろう等の
他のろう材を用いてもよい。半田ろうのように融点の低
い材料を用いた場合は、局部加熱ではなく全体加熱方法
を用いることも可能である。 【0028】また、シールパスの幅も0.3mmのみなら
ず、0.1〜0.4mmの範囲であれば前述したように、
パッケージの小型化と気密信頼性を確保できる。 【0029】なお、本発明は表面実装型の水晶振動子を
例示したが、圧電フィルタや圧電発振器用のパッケージ
に適用してもよく、また、他の気密封止を必要とされる
電子部品に適用してもよい。 【0030】 【発明の効果】本発明によれば、ろう接によりセラミッ
クパッケージとフタを接合するので、メッキ層(金属
層)と接合部が重なることにより形成されるシールパス
幅が狭くて済み、また溶接ローラーが相互に干渉する等
の問題がなく、製造面においてパッケージ小型化に対す
る障害がないので、全体としてパッケージを小型化する
ことができる。また、クラッド化されたろう材はろう接
時の作業性を向上させるとともに、バインダー等を用い
ずに形成するので溶融時のガスの放出を抑制できる。ま
た、シールパスの幅を0.1〜0.4mmとしているの
で、セラミックパッケージの小型化と気密性の確保が可
能となり、さらに接合部(ろう材)部分のみを高周波加
熱により局所的に加熱するので、パッケージの他の領域
を高温下にさらすことなく、ろう接を遂行できる。従っ
て、経時変化等の電子部品素子への悪影響を抑制する電
子部品用パッケージを得ることができる。 【0031】また、クラッド化された銀ろうは溶融時の
ガスの放出がきわめて少なく、ガスによる電子部品素子
への悪影響をより排除でき、電子部品の信頼性を向上さ
せる。
ジに関するものであり、特に気密封止を必要とする電子
部品用パッケージに適用されるものである。 【0002】 【従来の技術】気密封止を必要とする電子部品の例とし
て、水晶振動子、水晶フィルタ、水晶発振器等の水晶応
用製品があげられる。これらはいずれも水晶振動板の表
面に金属薄膜電極を形成し、この金属薄膜電極を外気か
ら保護するため、気密封止されている。 【0003】気密封止方法は、シーム溶接、電子ビーム
溶接、はんだ接合等がある。以下それぞれの構成並びに
問題点を順次記載する。なお、以下の説明において、シ
ールパスとは、封止時にフタ側とパッケージ側の重なる
領域を示し、通常は帯状のシールパスが周状に形成され
ている。また有効シールパスとは、シールパスのうち実
質的に接合に寄与している領域を示している。 【0004】シーム溶接により気密封止を行う方法とし
て、特開平7−326678号の従来例(特に図3)を
あげる。特開平7−326678号の図3において、セ
ラミックベースの開口部上面にはコバールリング4が形
成されており、このシールリング上にリッド(金属フ
タ)5が搭載されている。コバールリング4の外側の陵
をシーム溶接電極ローラ10にて、トレースしながら通
電して溶接が行われる。当図3からも明らかなとおり、
金属フタの外周はシールリングの外周より若干小さく形
成され、段差部が形成されており、両者の接合を確実に
している。 【0005】しかしながら、シーム溶接における接合領
域を得るために段差部等の形成は小型化の防げになる。
特に超小型化された電子部品の場合、電子部品素子収納
領域が確保できなくなり、電子部品の超小型化には適し
ていない。また、シールパス(リッドとコバールリング
の重なる部分)のうち一部のみの溶融となるので、有効
シールパスが小さくなる。 【0006】さらに、接合時にシーム溶接電極ローラを
被接合部材に接触させる必要があるが、各構成部品が微
小になるにつれて当該ローラが相互に干渉し、小型化に
対応させることが困難であるという問題点も有してい
た。 【0007】被接合部材に非接触で接合する手段とし
て、特開平8−46075号に示すように、電子ビーム
溶接あるいはレーザービーム溶接により気密封止を行う
方法も考えられている。 【0008】ところが、このような各種ビーム溶接にお
いても、溶接時にはケース上にフタを位置決め固定する
治具が必要となる。このような治具も各構成部品の微小
化に対応させることが困難になっていた。 【0009】上記ビーム溶接はビーム照射部分のみが有
効シールパスとなり、また、ビーム照射誤差を考慮する
と、シールパスはある程度の幅を予め確保しておく必要
がある。このような側面からも前記ビーム溶接ではパッ
ケージの超小型化を困難にしていた。 【0010】はんだ接合は古くから電子部品用パッケー
ジの気密封止方法として用いられてきた。当該接合はシ
ールパス全体にはんだを形成することにより、シールパ
スと有効シールパスをほぼ等しくすることができ、パッ
ケージの小型化、気密性の向上に有効である。 【0011】ところではんだの溶融を高周波加熱により
実施する技術も公知である。例えば、特公昭58−55
688号には蓋の封止面に半田ワッシャーを挟み込み、
赤外線加熱あるいは高周波加熱で溶融させる構成につい
て開示されている。高周波加熱装置は比較的安価であ
り、よって安価に半田接合を行うことができる。しかし
ながら、半田接合は接合時にフラックスガス等のガスが
排出され、電子部品素子を汚染し、例えば、電子部品素
子上に形成された電極を酸化させる等の悪影響の生じる
ことがあった。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】上述のとおり、近年に
おいてはより微小な電子部品が要求されており、従来小
型化が困難とされていた圧電振動子の分野においても、
例えば外形サイズが縦3mm以下、横2mm以下、高さ0.
8mm以下程度の表面実装型の水晶振動子が要求されてい
る。このような水晶振動子は、水晶振動板を超小型化す
る対応が必要とされているとともに、これを収納するパ
ッケージにも工夫が必要となり、超小型化に対応させる
ことが必要となっていた。しかしながら、パッケージを
超小型化すると、気密封止に必要な有効シールパスを確
保することが困難になっていた。 【0013】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、超小型化された電子部品においても、セラ
ミックパッケージのシールパスを、有効シールパスを確
保できる範囲で可能な限り小さくし、パッケージの小型
化を図るとともに、封止材料から排出されるガス排出を
極力抑制することにより、経時変化等の電子部品素子へ
の悪影響を抑制する電子部品用パッケージを提供するこ
とを目的とするものである。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明は、フタに形成さ
れたろう材をクラッド化することにより、ろう接時の作
業性を向上させ、またろう接の際の排出ガスをきわめて
少なくできることに着目するとともに、クラッド化され
たろう材部分のみを高周波加熱の局所加熱機能により溶
融させ、電子部品用パッケージの接合領域以外の領域へ
の高温加熱を回避できることに着目してなされたもので
ある。 【0015】請求項1による電子部品用パッケージは、
セラミック基体と、当該セラミック基体の主面周囲に形
成された帯状のメタライズ層と、当該メタライズ層の上
面に形成された少なくとも1層のメッキ層と、からなる
セラミックパッケージと、前記メッキ層に対応し、当該
メッキ層と接合される接合部を有するフタとからなる電
子部品用パッケージであって、前記メッキ層と前記接合
部が重なることにより形成されるシールパスの幅が0.
1〜0.4mmであるとともに、前記接合部は、クラッド
化された銀ろう材により形成され、当該接合部を局所的
に加熱する局部高周波加熱法により加熱溶融させ、前記
メッキ層と接合し、気密封止を行うことを特徴としてい
る。 【0016】請求項1によれば、ろう接によりセラミッ
クパッケージとフタを接合するので、メッキ層と接合部
が重なることにより形成されるシールパス幅が狭くて済
み、また溶接ローラーが相互に干渉する等の問題がな
く、製造面においてパッケージ小型化に対する障害がな
いので、全体としてパッケージを小型化することができ
る。また、クラッド化されたろう材はバインダー等を用
いずに形成するので、溶融時のガスの放出を抑制でき
る。 【0017】また、シールパスの幅は、気密封止の側面
からはある程度の幅を必要とする。幅を広くすること
は、パッケージの小型化に相反するとともに、接合部
(ろう材)の溶融ムラが発生する可能性があるので、必
要以上に広くすることは好ましくない。また、シールパ
ス幅を狭くすることは、パッケージの小型化に対応でき
るが、狭くしすぎると当然気密信頼性の低下をまねく。
発明者は上記点を考慮して、シールパス幅について検討
を行った結果、0.1mm〜0.4mmの範囲において、セ
ラミックパッケージの小型化と気密性の確保が可能であ
ることを見いだした。0.1mm以下のシールパス幅であ
ると一部気密リークの問題が生じる等気密性における信
頼性が低下した。0.4mm以上であるとパッケージの小
型化に対応できないとともに、一部溶融ムラの発生が認
められる。特に短時間で加熱を行う高周波加熱におい
て、溶融ムラが多くなる傾向になり、またより急峻な温
度立ち上がりを必要とする銀ろう等の高融点ろうを用い
た場合、より短時間の加熱となるため、上記傾向はより
強くなっていた。 【0018】さらに、接合部(ろう材)部分のみを高周
波加熱により局所的に加熱するので、パッケージの他の
領域を高温下にさらすことなく、ろう接を遂行できる。 【0019】なお、銀ろうは溶融時のガスの放出がきわ
めて少なく、ガスによる電子部品素子への悪影響を排除
できる。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を表面実装型
の水晶振動子を例にとり図1,図2,図3、図4ととも
に説明する。図1は本実施の形態を示す分解斜視図であ
り、図2は高周波加熱方法を説明する斜視図、図3は高
周波加熱方法を説明する側面図、図4は閉蓋後の表面実
装型水晶振動子を示す斜視図である。表面実装型の水晶
振動子の基本構成は図1で示すような構成であり、上部
が開口した凹形のセラミックパッケージ1と、当該パッ
ケージの中に収納される電子部品素子である水晶振動板
3と、パッケージの開口部に接合される金属製のフタ2
とからなる。この実施例では縦3mm、横2mm、高さ0.
8mmの外形サイズのものを用いた。 【0021】内部断面が凹形のセラミックパッケージ1
は、セラミック基体10と、凹形周囲の開口部に形成さ
れる周状の金属層11とからなる。金属層11は、タン
グステン等からなるメタライズ層と、メタライズ層の上
部に形成されるニッケル等からなる下部メッキ層と、下
部メッキ層の上部に形成される金等からなる上部メッキ
層とからなる。各層の厚さは、この実施例では、メタラ
イズ層が18〜20μm、下部メッキが6μm、上部メ
ッキ層が1μmである。 【0022】また、セラミックパッケージ1の内部底面
には電極パッド12、13が形成されており、これら電
極パッドはセラミックパッケージ内部に配線された連結
電極(図示せず)を介して、パッケージ外部の底面に引
出電極14,15として電気的に引き出されている。前
記電極パッド12,13間には電子部品素子である矩形
の水晶振動板3が搭載されている。水晶振動板3の表裏
面には一対の励振電極31(裏面電極は図示せず)が形
成されており、各々電極パッド12,13に対応する位
置に引き出されており、導電性接合材(図示せず)によ
り導電接合されている。 【0023】気密封止するフタ2はコバール等の金属母
材20の下面に前記周状の金属層11に対応した周状の
接合部21を形成している。接合部21はこの実施例で
は銀ろうにより形成されている。またフタ2は金属材料
に代えてセラミック板等の絶縁材料を用いてもよい。こ
の接合部(銀ろう層)21の形成は圧延の手法を用いて
形成され、いわゆるクラッド化されている。このクラッ
ド化された接合部は例えば20μm程度の厚さでかつ金
属層11の幅(0.3mm)に対応した幅寸法を有してい
る。これにより幅0.3mmのシールパスを形成し、接合
によりほぼ同じ幅の有効シールパスを得る。 【0024】気密封止を行う場合は、フタ2と前記セラ
ミックパッケージ1の金属層とを重ね合わせ、周囲温度
を銀ろう溶融温度にして溶融させる。銀ろうは構成成分
にも依存するが、溶融温度が600〜700゜Cと高
く、例えば水晶のキュリー温度(573゜C)を越えて
いる。また、水晶振動板をセラミックパッケージに接合
する導電性接合材についても接合を維持する保証温度を
越えていることが多い。従って銀ろうを電子部品のパッ
ケージ封止用ろう材として用いる場合は、局所的でかつ
短時間で加熱を完了させることが必要となる。 【0025】この実施例では、局所加熱法として高周波
加熱法(高周波誘導加熱法)を用いている。具体的には
図2に示すように、セラミックパッケージ1にフタ2を
搭載し、一体化したものを周状のコイルC内に収納す
る。当該コイルの設置は前述の金属層11、接合部(銀
ろう層)21に対応する位置のみに近接して設置し、セ
ラミックパッケージの他の部分には及ばないようにす
る。この状態で高周波コイルに数kWの電力を印加する
ことにより、金属層11と接合部21部分のみ短時間で
局部加熱を行うことができ、接合時に有害なガスの放出
の少ない気密封止を行うことができる。なお、必要に応
じてフタ2を加圧しながら加熱を実行する。 【0026】なお、印加時間と発熱温度には正の相関関
係があり、また印加電圧が高いほど急速加熱が行えるこ
とが知られている。従って、使用するろう材の融点等に
より印加電圧等のパラメーターを適宜選択して、高周波
加熱を実施すればよい。 【0027】上述の実施例においては、接合部に材料と
して銀ろうを例示したが、クラッド化した半田ろう等の
他のろう材を用いてもよい。半田ろうのように融点の低
い材料を用いた場合は、局部加熱ではなく全体加熱方法
を用いることも可能である。 【0028】また、シールパスの幅も0.3mmのみなら
ず、0.1〜0.4mmの範囲であれば前述したように、
パッケージの小型化と気密信頼性を確保できる。 【0029】なお、本発明は表面実装型の水晶振動子を
例示したが、圧電フィルタや圧電発振器用のパッケージ
に適用してもよく、また、他の気密封止を必要とされる
電子部品に適用してもよい。 【0030】 【発明の効果】本発明によれば、ろう接によりセラミッ
クパッケージとフタを接合するので、メッキ層(金属
層)と接合部が重なることにより形成されるシールパス
幅が狭くて済み、また溶接ローラーが相互に干渉する等
の問題がなく、製造面においてパッケージ小型化に対す
る障害がないので、全体としてパッケージを小型化する
ことができる。また、クラッド化されたろう材はろう接
時の作業性を向上させるとともに、バインダー等を用い
ずに形成するので溶融時のガスの放出を抑制できる。ま
た、シールパスの幅を0.1〜0.4mmとしているの
で、セラミックパッケージの小型化と気密性の確保が可
能となり、さらに接合部(ろう材)部分のみを高周波加
熱により局所的に加熱するので、パッケージの他の領域
を高温下にさらすことなく、ろう接を遂行できる。従っ
て、経時変化等の電子部品素子への悪影響を抑制する電
子部品用パッケージを得ることができる。 【0031】また、クラッド化された銀ろうは溶融時の
ガスの放出がきわめて少なく、ガスによる電子部品素子
への悪影響をより排除でき、電子部品の信頼性を向上さ
せる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本実施の形態を示す分解斜視図
【図2】図2は高周波加熱方法を説明する斜視図
【図3】図3は高周波加熱方法を説明する側面図
【図4】図4は閉蓋後の表面実装型水晶振動子を示す斜
視図 【符号の説明】 1 セラミックパッケージ 10 セラミック基体 11 金属層 2 フタ 20 金属母材 21 接合部 3 水晶振動板(電子部品素子)
視図 【符号の説明】 1 セラミックパッケージ 10 セラミック基体 11 金属層 2 フタ 20 金属母材 21 接合部 3 水晶振動板(電子部品素子)
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(56)参考文献 特開 平9−246415(JP,A)
特開 平11−40690(JP,A)
特開 平11−126838(JP,A)
特開 平11−126839(JP,A)
特開 平3−154364(JP,A)
特開 平2−77141(JP,A)
特公 昭58−55688(JP,B1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01L 23/00 - 23/10
H01L 23/16 - 23/26
H03H 9/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 セラミック基体と、当該セラミック基体
の主面周囲に形成された帯状のメタライズ層と、当該メ
タライズ層の上面に形成された少なくとも1層のメッキ
層と、からなるセラミックパッケージと、 前記メッキ層に対応し、当該メッキ層と接合される接合
部を有するフタとからなる電子部品用パッケージであっ
て、 前記メッキ層と前記接合部が重なることにより形成され
るシールパスの幅が0.1〜0.4mmであるとともに、 前記接合部は、クラッド化された銀ろう材により形成さ
れ、当該接合部を局所的に加熱する局部高周波加熱法に
より加熱溶融させ、前記メッキ層と接合し、気密封止を
行うことを特徴とする電子部品用パッケージ。
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---|---|---|---|
JP23640098A JP3413522B2 (ja) | 1998-08-07 | 1998-08-07 | 電子部品用パッケージ |
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Family Applications (1)
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JP23640098A Expired - Fee Related JP3413522B2 (ja) | 1998-08-07 | 1998-08-07 | 電子部品用パッケージ |
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-
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- 1998-08-07 JP JP23640098A patent/JP3413522B2/ja not_active Expired - Fee Related
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