JP3661441B2 - 圧電振動子及び圧電発振器とこれらの封止方法 - Google Patents

圧電振動子及び圧電発振器とこれらの封止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動素子を収納するためのベース部及びこのベース部を密封するための蓋部とを接合して圧電振動素子を封止した圧電振動子または圧電発振器の封止方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16は、一般的な圧電振動子の一例を示す一部切断斜視図である。
【0003】
この圧電振動子10は、板状の圧電振動素子11を収納する空間部12aが形成された箱状のベース部12と、空間部12aを密封するようにベース部12に接合された板状の蓋部13を備えている。圧電振動素子11は、一端部11aが空間部12a内に一体に設けた段部に配設されている電極14上に図示しない接着剤を介して接続固定され、他端部11bが自由端とされている。ベース部12と蓋部13は、封止材(ロウ材)15を介して接合されている。
【0004】
ここで、圧電振動素子11の材料としては、例えば水晶が用いられ、ベース部12の材料としては、アルミナ等のセラミックが用いられ、蓋部13の材料としては、コバール等の金属あるいはアルミナ等のセラミックが用いられる。また、封止材15の材料としては、低融点ガラスまたは銀ロウや半田等が用いられる。低融点ガラスを除くこのような構成の圧電振動子10内に圧電振動素子11を収容して封止する封止工程は、例えば図17に示すような加熱手段である電子ビーム照射装置16が用いられる。
【0005】
電子ビーム照射装置16は、電子ビームEを照射するための電子銃17と、電子銃17から発射された電子ビームEを収束させる収束レンズ18と、収束させた電子ビームEに所定の磁界を加えてその照射方向を制御する偏向器19とを備えている。
【0006】
これにより、電子ビーム照射装置16は、偏向器19の機能に基づいて、試料に対して適切に電子ビームEを照射することができるようになっている。
【0007】
このような電子ビーム照射装置16を用いて、上記封止工程は、図18に示すように行われている。
【0008】
先ず、所定の形状に形成した蓋部13の接合面側に封止材15を配置する。この封止材15は例えば銀ロウである。そして、電子ビーム照射装置16内に治具を用いてベース12を保持して、このベース12上に、封止材15が配置された蓋部13の接合面を向けて載置する。
【0009】
ここで、ベース12の上記蓋部13に対する接合面には、複数の種類の金属を積層することにより形成した金属被覆層12eが設けられている。この金属被覆層12eは、上からニッケル(Ni)及び金(Au)による被覆層12bと、タングステン(W)によるタングステン被覆層12cとでなっている。
【0010】
そして、図18では、この蓋部13の上面を図示しない押さえ板により加圧しながら押さえる。
【0011】
この状態で、蓋部13は、ベース12に対して位置決めされて保持されており、上方より電子ビームEが照射されて封止材15とニッケル(Ni)及び金(Au)による被覆層12bとが加熱溶融されて、ベース部12と蓋部13が接合される。
【0012】
具体的には、電子ビームEを蓋部13の上面に対して照射し、加熱された熱がビーム照射位置の直下の封止材15とニッケル(Ni)及び金(Au)による被覆層12bとに伝えられ、この電子ビームEが照射された領域Pを中心として蓋部13の下面とベース12の上端面との間で溶融されて固定される。
【0013】
以上により、圧電振動素子11が気密封止された圧電振動子10を得ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように電子ビームを用いて、圧電振動素子11を封止する場合には、上述したように蓋部13の上方から電子ビームEを照射することにより加熱封止している。
【0015】
すなわち、ベース12の上端面12fに対応する蓋部13の上面の封止領域を数回周回するように電子ビームEを照射して加熱している。
【0016】
この場合、図示したように、ベース12の上端と蓋部13の接合面である下面が密着状態にある。そして、上記電子ビームEによる加熱時間が約0.1秒程度と短い時間で行われる。ところが、この加熱封止工程では、電子ビームEが照射された領域Pで発生する熱が封止材15や金属被覆層12eの一部を溶融した際にこれらの一部を揮発蒸発させて、ガスが発生する。このガスは、加熱時間が短いこと等を理由として、空間S内に閉じ込められた状態で封止されてしまうことがあった。
【0017】
このため、圧電振動素子11を真空状態で収容すべき空間S内に上述したような熱により発生するガスが閉じ込められるため、真空度が低下してしまう場合がある。
【0018】
また、上記ガスが圧電振動素子11の表面に付着すると、その重さが増加してしまう場合がある。
【0019】
ここで、圧電振動素子11が所謂音叉型のものである場合には、上記真空度の低下を起因として周波数変動が起こるだけでなく、圧電振動素子にガスの粒子が付着すると重くなって周波数が低下する場合がある。
【0020】
一方、圧電振動素子11が所謂AT振動子である場合には、窒素等の不活性気体による封止の場合と、真空封止の場合とがあるが、後者の場合には、封止後の真空度の低下及び圧電振動素子に対するガス粒子の付着により、上記と同様に周波数変動を生じる場合がある。
【0021】
本発明の目的は、上記課題を解消して、容器内での熱に起因する発生ガスによる真空度の低下や、ガス粒子の圧電振動素子への付着を起因とする周波数変化を防止して、製品内部の真空度を適切に確保し、安定した周波数特性を得られるようにした圧電振動子及び圧電発振器の封止方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明によれば、圧電振動素子と、前記圧電振動素子を収納するためのベースと、前記圧電振動素子がベースに収納された状態で前記ベースを密封するための蓋部とを備え、前記蓋部と前記ベースとを密封封止する方法であって、
密封前においては、前記ベースに対して前記蓋部を載置した状態では、これらの間に空隙を設けるようにし、封止工程にて、少なくとも前記蓋部と前記ベースとを固定すべき箇所の近傍を電子ビームにより加熱することにより、溶融金属によって前記空隙を塞ぐようにする方法であって、前記空隙が、前記蓋体及び/または前記ベースの封止面に設けられた封止材もしくは金属被覆層に凹凸を設けることにより形成され、かつ該凹凸の最大高さRmaxを、10μm以上で40μm以下とする圧電振動子の封止方法により、達成される。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記凹凸の最大高さRmaxを、20μm以上で40μm以下とすることを特徴とする
【0024】
請求項3の発明は、請求項1または2のいずれかの発明の構成において、前記金属被覆層はニッケル層を含む複数種類の金属層でなり、このニッケル層に金属フィラーを混入させて、金属被覆層の表面に凹凸を設けることにより、前記空隙が形成されるようにしたことを特徴とする。
【0025】
また、上記目的は、請求項4の発明にあっては、圧電振動素子と、表面に形成した導電パターンに集積回路を実装するとともに前記圧電振動素子を収納するためのベースと、前記圧電振動素子がベースに収納された状態で前記ベースを密封するための蓋部とを備え、前記蓋部と前記ベースとを密封封止する方法であって、密封前においては、前記ベースに対して前記蓋部を載置した状態では、これらの間に空隙を設けるようにし、封止工程にて、少なくとも前記蓋部と前記ベースとを固定すべき箇所の近傍を電子ビームにより加熱することにより、溶融金属によって前記空隙を塞ぐようにする方法であって、前記空隙が、前記蓋体及び/または前記ベースの封止面に設けられた封止材もしくは金属被覆層に、凹凸を設けることにより形成され、かつ該凹凸の最大高さRmaxを、10μm以上で40μm以下とする、圧電発振器の封止方法により、達成される。
【0026】
請求項5の発明は、請求項4の構成において、前記凹凸の最大高さRmaxを、20μm以上で40μm以下とすることを特徴とする。
【0027】
請求項6の発明は、請求項5または6のいずれかの発明の構成において、前記金属被覆層はニッケル層を含む複数種類の金属層でなり、このニッケル層に金属フィラーを混入させて、金属被覆層の表面に凹凸を設けることにより、前記空隙が形成されるようにしたことを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
図1は、本発明の圧電振動子(本例では水晶振動子)の実施形態を示す斜視図である。
【0038】
この圧電振動子20は、板状の圧電振動素子21を収納する空間部22aが形成された箱状のベース22と、空間部22aを密封するようにベース22に接合された板状の蓋部23を備えている。
【0039】
ベース22には、図2に示すように電極24が設けられており、圧電振動素子21は、一端部21aが空間部22a内に配設されている電極24の上部24aに導電性接着剤32を介して接続固定されていて、他端部21bは自由端となっている。これにより、電極24から印加される駆動電圧によって、所定の振動数で振動できるようになっている。
【0040】
ベース22と蓋部23は、後述する封止方法により、封止材25を介して接合されている。ここで、圧電振動素子21の材料としては、例えば水晶が用いられ、ベース22の材料としては、アルミナ等のセラミックが用いられ、蓋部23の材料としては、アルミナ等のセラミックの線膨張係数に近いコバール等の金属あるいはアルミナ等のセラミックが用いられる。
【0041】
ベース22の上端面である接合面上には、金属被覆層31が設けられている。この金属被覆層31は複数種類の金属を積層して形成されており、例えば、図1の一部に拡大して示すように、順次下からタングステンメタライズ22b、ニッケルメッキ22c、金メッキ22dでなっている。
【0042】
図3は、本発明の圧電発振器の構造を示す概略断面図である。
【0043】
図3において、図2と同一の符号を付した箇所は同じ構成である。
【0044】
図において、圧電発振器40のベース22では、図1と比べると空間部22aの下にさらに段部を設けて、もうひとつの一段低い空間部42を形成している。そして、ベース22の上面に形成した導電パターン上に集積回路41を上記空間部42に収容し、電極部43と接続している。これにより、圧電振動素子21に所定の駆動電圧を与えて、振動させ、その出力を上記集積回路41に入力することにより、所定の周波数の信号を取り出すようになっている。
【0045】
この圧電発振器40においても、ベース22の上端面には、図1と同じ金属被覆層が形成されており、蓋部23の下面には、銀ロウ等のロウ材が設けられており、後述するように圧電振動子20と共通の封止方法が適用されるようになっている。
【0046】
図4は、圧電振動子20及び圧電発振器40の製造方法を概略的に示したフローチャートである。
【0047】
先ず、圧電振動片の表裏面に励振電極およびベース22の電極24の上部24aに接続される接続電極とを、例えば蒸着により形成して圧電振動素子21を完成する(ST1)。
【0048】
次にベース22の電極24の上部24aに圧電振動素子21を図2及び図3に示すように導電性接着剤32を介してマウントする(ST2)。次に、圧電振動素子21の励振電極表面に蒸着等により銀を付加したり、スパッタ等によりこの励振電極の表面を薄く削る等の処理によって重さを調整することにより、周波数調整を行う(ST3)。
【0049】
次いで、上記ベース22上に図1ないし図3に示すように蓋部23を載せて、例えば蓋部23の上方から電子ビームを照射することにより、封止を行う。この封止工程については、後述する(ST4)。
【0050】
封止完了後には、蓋部23の表面等に印刷等の手段により必要な文字等を記入するマーキングを行い(ST5)、検査工程へ送られる(ST6)。そして、必要な検査により合格判定されることで、圧電振動子または圧電発振器が完成する。
【0051】
図5は、図4におけるST4にて封止される蓋部23の製造工程を示している。
【0052】
蓋部23は、先ずコバール等の板材を用意し(ST11)、その表面を研磨し、封止材としてのロウ材25を圧接できるように表面処理を行う(ST12)。次に、表面研磨を行った蓋部23の処理面に銀ロウ等のロウ材を重ねて、冷間圧接により接合する(ST13)。この場合、図6に示すように、例えばローラ45によりロウ材25に凹凸処理を行う。
【0053】
次いで、蓋部23にロウ材を接合したものを熱処理して、ST13における圧接作業による応力を緩和して、残留応力を除去する(ST14)。そして、熱処理した板材に関して幅方向の切断を行い(ST15)、そして、ST13にて凹凸処理を行わなかった場合には、プレスを用いて凹凸処理し、板材が所定の製品単位の長さになるように切断する(ST16)。これにより、蓋部23が完成する(ST17)。この凹凸処理については、後で詳しく説明する。
【0054】
図7及び図8は、図4の工程で説明したST2で用意するベース22の製造工程を示している。
【0055】
図7に示すように、例えばアルミナ等のセラミック材料を一方向に長いテープ状に成形し(図7(a)),これを作業単位毎の長さに対応するようにカットして板状にする(図7(b))。
【0056】
次に、上記板状のベース材料に、導電パターンのスルーホールを形成するための貫通孔を必要な数だけ形成し(図7(c))、各貫通孔に導体を充填する(図7(d))。
【0057】
(図7(e))では、上記板状の部材を複数用意する場合を示している。すなわち、例えばベース22を構成する部材が複数の板材でなる場合には、必要な枚数の板材を用意する。例えば図3に示す圧電発振器40では、ベース部22は、集積回路41を載置する下層としての板材の上に、集積回路41を収容する空間部42を有する中層としての板材を重ね、さらに、圧電振動素子21を収容する空間部22aを備えた最上層としての板材を重ねるために、複数のセラミック板材を用意し、これを下の層から上の層へと重ねて固定するようにしている。このような場合には、図示するように複数の板材を用意し、これらには、後の工程でそれぞれ必要な導電パターンや電極を形成するようにしている。
【0058】
次いで、図8(a)に示すように、板材(最上層のもの)の上面にメッシュ状の溝を形成することによって凹凸を形成する。この凹凸が形成される面は、上述の蓋部23との接合面であり、この凹凸が後述する空隙を形成する。
【0059】
そして、板材を複数使用する製品の場合には、ここで、順次板材を積層して固定する(図8(b))。
【0060】
次に、複数の層からなる板材を重ねて固定したベース材料の厚み方向に、製品単位の大きさにハーフカットして切り込みをいれた後に、後で適当な作業単位となるように縦横に切断し(図8(c))、さらに、セラミック材料であるこれら板材を焼成して(図8(d))、電気メッキにより金属被覆層を形成する。この金属被覆層は、図1にて説明した符号31のものに対応している。最後に上記切り込みを利用して製品単位に切断してベース22を完成する(図8(e))。
【0061】
図9は、図5のST13またはST16で説明した凹凸処理の例を示しており、本発明の第1の実施形態を説明する図である。
【0062】
尚、図9(a)では、内部構造としての圧電振動素子等を省略してベース22と蓋部23だけの要部を示しており、図1ないし図3と同一の符号を付した箇所は同一の構成であるから、重複する説明は省略する。図9(b)は、その接合部付近の拡大図である。
【0063】
図において、封止材である銀ロウ25の下面(接合面側)25aに図示するような凹凸が設けられることにより細かい空隙Gが設けられている。このような凹凸は、図5のST13またはST16にて説明したように蓋部23を形成する際に、ローラで挟んだり、プレスを用いたりすることにより形成される。この凹凸の高さdは、好ましくは、10ないし40μm程度である。
【0064】
このような凹凸は、図5のST13で説明したローラまたはST16で説明したプレス等を用いて形成される。この場合、例えばローラ面またはプレス面の一面(封止材25側)の面粗度を基準長さ0.8mmに対してRmax30μm程度としておくことによって、銀ロウ25の下面に対してその表面粗さを転写することにより、図示のような凹凸が形成される。
【0065】
これにより、例えば図18にて説明した手法により電子ビームを照射して、加熱すると、ベース22の内部空間に収容された圧電振動素子21を固定している導電性接着剤32(図2参照)等の成分が熱により揮発してガスを発生しても、このガスが空隙Gから外部に排出される。そして、銀ロウ25が熱により溶融されて蓋部23とベース22とが封止されるときには、この溶融した銀ロウ25及び/または金属被覆層31の被覆金属の一部が上記空隙Gを塞ぐことになる。
【0066】
これにより、圧電振動子20または圧電発振器40の内部に、上記のようなアウトガスがたまったまま封止されることがないので、このようなガスにより、製品内部の真空状態が阻害されることがない。このため、圧電振動子20または圧電発振器40の周波数特性が悪影響を受けずに、初期の周波数が変化することなく動作することができる。
【0067】
図10は、蓋部23とベース22との間に空隙を形成する凹凸を設ける別の手法を示しており、本発明の第2の実施形態を説明する図である。図10において図1ないし図3と同一の符号を付した箇所は同一の構成であるから、重複する説明は省略する。
【0068】
尚、図10(a)では、内部構造としての圧電振動素子等を省略してベース22と蓋部23だけの要部を示しており、図10(b)は、その接合部付近の拡大図である。
【0069】
この実施形態は、図8にて説明したベース22の製造工程において、凹凸を形成する方法を示している。
【0070】
図8で説明したベース22の製造工程において、図8(a)に示すように、最上層の板材(ベース用セラミック材)の表面にタングステンメタライズを行う際には、通常スクリーン印刷の手法により行う。この時に、このスクリーン印刷で用いるメッシュの目を粗くしておくと、このメッシュに対応してタングステン被覆部22bの表面には、縦横のメッシュ状の溝が形成される。そして、その上にニッケル層22cと、金層22dを被覆すると、図10(b)に示すように各層の上面は凹凸となり、この結果、蓋部23の封止材25の下面との間には、空隙Gが形成されることになる。
【0071】
これにより、第1の実施形態と同じ方法で加熱封止を行うことにより、製品内部にガスが閉じ込められないで封止することができる。したがって、この第2の実施形態では、第1の実施形態と同じ作用効果を発揮することができる。
【0072】
図11は、蓋部23とベース22との間に空隙を形成する凹凸を設ける別の手法を示しており、本発明の第3の実施形態を説明する図である。図11において図1ないし図3と同一の符号を付した箇所は同一の構成であるから、重複する説明は省略する。
【0073】
尚、図11(a)では、内部構造としての圧電振動素子等を省略してベース22と蓋部23だけの要部を示しており、図11(b)は、その接合部付近の拡大図である。
【0074】
この実施形態は、図8にて説明したベース22の製造工程において、凹凸を形成する別の方法を示している。つまり、この方法では、ベース22の金属被覆部31側に凹凸を形成する点では、図10の場合と同じだが、この方法では、ニッケル層22c内に粒状物として、フィラー51(例えば銀フィラー)を添加する。これにより、ニッケル層22cの上面に凹凸を形成し、さらに、その上に形成される金層22dの上面に凹凸を形成することで、蓋部23との間に空隙Gを設けるようにしている。
【0075】
図12は、このようなフィラー51を利用する方法の一例を説明するための工程図である。
【0076】
上述した図8の工程図の図8(e)において、ベース22の上面(接合面側)には図12(a)に示すように、タングステン(W)がこれより前の工程(図8(a)の工程)にてスクリーン印刷により被覆されている。次に、図12(b)に示すように、水平な基準面GD上に銀フィラー51を並べて、その上に、図12(a)のベース22を逆さにしてタングステン被覆部22b側を下にして、図12(c)に示すように、フィラー51に対して押しつける。
【0077】
次いで、図12(d)に示すように、タングステン被覆部22b上にフィラー51が載った状態で、その上にニッケルメッキを施してニッケル被覆部22cを形成し、その後、その上に金をメッキするようにしている。
【0078】
この場合、図12(e)に示すように、フィラー51の直径L1を10μm程度とすると、凹凸の高さdが10μm程度となる。そして、凹凸間のピッチPを20μm程度とすると好ましい。
【0079】
かくして、上述の方法によりフィラー51を利用して、図11に示すように、凹凸が形成され、金属被覆部31と蓋部23との間に空隙Gを形成することができる。
【0080】
したがって、封止工程においては、この空隙Gからアウトガスを排出することができ、溶融した金属により、この空隙Gを塞ぐことにより、第3の実施形態の場合も、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0081】
図13は、蓋部23とベース22との間に空隙を形成する凹凸を設ける別の手法を示しており、本発明の第4の実施形態を説明する図である。図13において図1ないし図3と同一の符号を付した箇所は同一の構成であるから、重複する説明は省略する。
【0082】
尚、図13(a)では、内部構造としての圧電振動素子等を省略してベース22と蓋部23だけの要部を示しており、図13(b)は、その接合部付近の拡大図である。
【0083】
この場合、蓋部23と、ベース22側の金属被覆部31の両方に凹凸を形成している。すなわち、図9で説明した手法により、蓋部23側に凹凸を形成し、図10で説明した手法を用いてベース22側に凹凸を形成する。これにより、蓋部23とベース22との間に空隙Gを形成することができる。
【0084】
したがって、封止工程においては、この空隙Gからアウトガスを排出することができ、溶融した金属により、この空隙Gを塞ぐことにより、第4の実施形態の場合も、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0085】
図14は、上述した各実施形態における空隙Gを形成するための凹凸の大きさdと封止不良率を実験により確認したものである。また、図15は、凹凸の大きさdと高温放置1000時間後の場合の周波数変化量Δfを実験により確認したものである。
【0086】
図15より、Rmaxが10μm以上であると、高温放置試験を1000時間行った後の周波数変化量Δfが1ppm以内となり、封止で発生したアウトガスが、内部に残留せず、圧電振動子や圧電発振器の周波数特性に悪影響を及ぼしていないことがわかる。
【0087】
また、図14より、Rmaxが40μm以下であると、封止不良率が0となり、圧電振動子や圧電発振器の性能が発揮できないという不具合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電振動子の実施形態を示す斜視図。
【図2】 図1の圧電振動子の概略断面図。
【図3】 本発明の圧電発振器の実施形態を示す概略断面図。
【図4】 図1の圧電振動子の製造方法の概略を示すフローチャート。
【図5】 図1の圧電振動子または図3の圧電発振器の蓋部を製造方法の概略を示すフローチャート。
【図6】 図5のローラ工程を示す説明図。
【図7】 図1の圧電振動子または図3の圧電発振器のベースを製造する前半工程を示す工程図。
【図8】 図1の圧電振動子または図3の圧電発振器のベースを製造する後半工程を示す工程図。
【図9】 本発明の封止方法の第1の実施形態の要部を説明するための概略図。
【図10】 本発明の封止方法の第2の実施形態の要部を説明するための概略図。
【図11】 本発明の封止方法の第3の実施形態の要部を説明するための概略図。
【図12】 図11の封止方法における凹凸を形成する工程を説明するための工程図。
【図13】 本発明の封止方法の第4の実施形態の要部を説明するための概略図。
【図14】 本発明の各実施形態における空隙Gを形成するための面粗度Rmaxと封止不良率の関係を示すグラフ。
【図15】 本発明の各実施形態における空隙Gを形成するための凹凸の大きさdと1000時間後の高温放置した場合の周波数変化量Δfを示すグラフ。
【図16】 一般的な圧電振動子の一例を示す一部切断斜視図。
【図17】 図16の圧電振動子の封止工程で利用する電子ビーム装置の構成を示す概略図。
【図18】 図16の圧電振動子の封止工程の要部を示す拡大図。
【符号の説明】
20 圧電振動子
21 圧電振動素子
22 ベース(収納部)
22a 空間部
22b タングステン被覆部
22c ニッケル被覆部
22d 金被覆部
23 蓋部
24 電極
25 封止材
31 金属被覆部
32 導電性接着剤
S 空隙

Claims (6)

  1. 圧電振動素子と、
    前記圧電振動素子を収納するためのベースと、
    前記圧電振動素子がベースに収納された状態で前記ベースを密封するための蓋部とを備え、
    前記蓋部と前記ベースとを密封封止する方法であって、
    密封前においては、前記ベースに対して前記蓋部を載置した状態では、これらの間に空隙を設けるようにし、
    封止工程にて、少なくとも前記蓋部と前記ベースとを固定すべき箇所の近傍を電子ビームにより加熱することにより、溶融金属によって前記空隙を塞ぐようにする方法であって、
    前記空隙が、前記蓋体及び/または前記ベースの封止面に設けられた封止材もしくは金属被覆層に、凹凸を設けることにより形成され、
    かつ該凹凸の最大高さRmaxを、10μm以上で40μm以下とすることを特徴とする、圧電振動子の封止方法。
  2. 前記凹凸の最大高さRmaxを、20μm以上で40μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子の封止方法。
  3. 前記金属被覆層はニッケル層を含む複数種類の金属層でなり、このニッケル層に金属フィラーを混入させて、金属被覆層の表面に凹凸を設けることにより、前記空隙が形成されるようにしたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の圧電振動子の封止方法。
  4. 圧電振動素子と、
    表面に形成した導電パターンに集積回路を実装するとともに前記圧電振動素子を収納するためのベースと、
    前記圧電振動素子がベースに収納された状態で前記ベースを密封するための蓋部とを備え、
    前記蓋部と前記ベースとを密封封止する方法であって、
    密封前においては、前記ベースに対して前記蓋部を載置した状態では、これらの間に空隙を設けるようにし、
    封止工程にて、少なくとも前記蓋部と前記ベースとを固定すべき箇所の近傍を電子ビームにより加熱することにより、溶融金属によって前記空隙を塞ぐようにする方法であって、
    前記空隙が、前記蓋体及び/または前記ベースの封止面に設けられた封止材もしくは金属被覆層に、凹凸を設けることにより形成され、
    かつ該凹凸の最大高さRmaxを、10μm以上で40μm以下とすることを特徴とする、圧電発振器の封止方法。
  5. 前記凹凸の最大高さRmaxを、20μm以上で40μm以下とすることを特徴とする請求項4に記載の圧電発振器の封止方法。
  6. 前記金属被覆層はニッケル層を含む複数種類の金属層でなり、このニッケル層に金属フィラーを混入させて、金属被覆層の表面に凹凸を設けることにより、前記空隙が形成されるようにしたことを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の圧電発振器の封止方法。
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