JPWO2008018222A1 - 圧電振動デバイス - Google Patents

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Abstract

圧電振動デバイスには、圧電振動片を保持するベースと、ベースに保持した圧電振動片を気密封止するためにベースと接合するキャップとが設けられている。また、ベースのキャップとの接合領域は、少なくとも、ニッケルとコバルトとからなるニッケルコバルト層と、ニッケルコバルト層に積層した金属層とから構成され、ベースとキャップとは金属ろう材を用いて加熱溶融接合されている。

Description

本発明は、圧電振動デバイスに関する。
気密封止を必要とする電子部品の例として、水晶振動子、水晶フィルタ、水晶発振器等の圧電振動デバイスが挙げられる。これら各製品では、いずれも水晶振動片の主面に励振電極が形成され、この励振電極を外気から保護するために励振電極は圧電振動デバイスの本体筐体により気密封止されている。
圧電振動デバイスは、ベースとキャップとからその本体筐体が構成されてなる。この圧電振動デバイスでは、ベースとキャップとをシーム溶接用の金属リングにより直接的シーム接合することで本体筐体の内部空間を形成するとともに内部空間を気密封止し、内部空間に圧電振動片を保持するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に開示の圧電振動デバイスの本体筐体は、水晶振動片(本明細書でいう圧電振動片)を収容する断面が凹形のセラミックパッケージ(本明細書でいうベース)と、このベースの開口部に接合する金属製のリッド(本明細書でいうキャップ)とからなる。そして、シーム溶接用の金属リングを銀ろう材によって接合してベース側の接合部とし、この金属リングにシーム溶接(抵抗溶接の1種)によってベースにキャップを接合して、水晶振動片を気密封止した本体筐体を形成している。
また、特許文献1とは異なる技術として、金属リングを用いずにベースに金属膜(例えばタングステン−ニッケル−金の多層構成)を形成し、キャップに例えば銀ろう(銅銀合金)を形成して、ベースの金属膜部分とキャップの銀ろうとをシーム溶接法により接合を行う方法がある(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、金属リングを用いずに金属膜を用いて直接的シーム溶接(接合)を行なっているので、特許文献2によれば本体筐体(ベース)の低背化をはかることができる。
特開2004−64217号公報 特開2000−236035号公報
ところが直接的シーム溶接では、その溶接条件が厳しく、ある程度最適な条件でないとシーム溶接時の歪応力がベースの損傷を引き起こすという問題がある。
具体的に、特許文献2では、ベースとキャップとの接合に連続した局所的接合である直接的シーム接合を用いているため、ベースとキャップとの接合時にベースの接合箇所に局所的に圧力がかかり、ベースクラックなどのベースの破損が生じる場合がある。この破損は、電子部品の小型化に伴ってベースの接合部位の寸法が小さくなればなるほど生じ易くなる。
また、直接的シーム溶接の場合、キャップの直接的シーム接合を行う箇所にシーム溶接装置の部材(溶接に直接係わる1対のシームローラ部)を直接接触させる必要がある。そのため、現在の圧電振動デバイスの小型化にともなって、直接的シーム溶接に用いるシーム溶接装置の部材(シームローラ部)が相互に干渉(短絡)したり、所望の領域外に接触してしまい、このことが原因となりシーム溶接を効率よく行うことができなくなり、その結果、効率的な製造の阻害となる。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、圧電振動デバイスの製造時における圧電振動デバイスの本体筐体の損傷を防止するとともに、本体筐体の小型化に対応させた圧電振動デバイスを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる圧電振動デバイスは、圧電振動片を保持するベースと、前記ベースに保持した前記圧電振動片を気密封止するためにベースと接合するキャップとが設けられた圧電振動デバイスにおいて、前記ベースの前記キャップとの接合領域は、少なくとも、ニッケルとコバルトとからなるニッケルコバルト層と、前記ニッケルコバルト層に積層した金属材料からなる金属層とから構成され、前記ベースと前記キャップとは、金属ろう材を用いて加熱溶融接合されたことを特徴とする。
本発明によれば、前記ベースの前記キャップとの接合領域は、少なくとも前記ニッケルコバルト層と前記金属層とから構成され、前記ベースと前記キャップとは、金属ろう材(例えば、金錫、錫銀銅、ビスマス銀等)を用いて加熱溶融接合されるので、当該圧電振動デバイスの製造時における当該圧電振動デバイスの本体筐体の損傷を防止するとともに、前記本体筐体の小型化に対応させることが可能となる。すなわち、本発明では、前記ベースと前記キャップとの接合に加熱溶融接合が用いられるので、前記ベースと前記キャップとの接合に連続した局所的接合である直接的シーム接合を用いることによる不具合が生じない。具体的に、本発明では、直接的シーム接合と異なり、前記ベースと前記キャップとの接合は全面同時接合であり、その結果、前記ベースと前記キャップとの接合時に前記ベースの接合箇所に局所的に圧力がかかるのを避けることが可能となる。また、加熱溶融接合では、前記ベースと前記キャップとの接合の際に装置部材が直接前記ベースと前記キャップとに接触することがなく、接触によって生じる前記本体筐体の小型化への弊害を避けることが可能となる。また、本発明では、前記ニッケルコバルト層を構成としているので、加熱溶融接合を用いた前記ベースと前記キャップとの接合の際に前記ニッケルコバルト層のニッケルが拡散するが、コバルトによりニッケルの拡散を抑制することが可能となる。このように、本発明によれば、前記金属層へのニッケルの拡散を適度に抑制することが可能であるので、前記金属ろう材の濡れ性を低下させることなく前記ベースと前記キャップとの接合性を向上させることが可能となる。
前記構成において、前記加熱溶融接合には、360℃以下の加熱温度で行なわれてもよい。
この場合、加熱温度が360℃以下であるので、前記ニッケルコバルト層におけるニッケルの拡散を抑制することが可能となる。具体的に、加熱温度が500℃の場合、前記ニッケルコバルト層のニッケルが前記金属層の表面にまで拡散して前記ベースと前記キャップとの接合に悪影響を与える。ここでいう悪影響は、前記本体筐体の気密性不良が発生する原因となり、具体的に、前記ベース表面上でニッケルが前記金属ろう材の錫と化合物を生成し、この生成により前記金属ろう材の組成が変化してその結果、金属ろう材の濡れ性を低下させて前記本体筐体の気密性不良が発生する。ところで、加熱温度が400℃の場合、金属ろう材の濡れ性が悪くなる。詳しくは、加熱温度が400℃と高温になると、前記ニッケルコバルト層において、ニッケルの拡散が促進されて接合面にあらわれて、その接合面(前記ベースの表面の前記接合領域)における金属ろう材の濡れ性(流れ性)が悪くなる。その結果、前記本体筐体の気密性不良が発生する。
前記構成において、前記ニッケルコバルト層におけるニッケルとコバルトの比率は、1:1〜3:1であってもよい。
この場合、前記ニッケルコバルト層におけるニッケルとコバルトの比率は、1:1〜3:1であるので、金属ろう材の濡れ性が良くなり、その結果、前記本体筐体の気密不良を防止する。
前記構成において、前記金属層の厚さは、0.3〜1.0μmであってもよい。
この場合、前記金属層の厚さが0.3〜1.0μmであるので、前記ニッケルコバルト層において拡散したニッケルが金属層の表面に出てきて前記ベースと前記キャップとの接合に悪影響を与えるのを抑制するとともに、前記本体筐体の小型化を図ることが可能となる。ここでいう悪影響は、前記本体筐体の気密性不良が発生する原因となり、具体的に、前記ベース表面上でニッケルが前記金属ろう材の錫と化合物を生成し、この生成により前記金属ろう材の組成が変化してその結果、金属ろう材の濡れ性を低下させて前記本体筐体の気密性不良が発生する。
前記構成において、前記金属ろう材は、非共晶組成部と、第1の金属間化合物とから構成されてもよい。
この場合、前記金属ろう材は前記非共晶組成部と前記第1の金属間化合物とから構成されるので、溶融温度を変化させてリワーク時の温度条件を満足させることが可能となる。具体的に、加熱溶融温度やその近傍温度によるリワークを行う際、前記ベースに前記キャップを接合した状態の金属ろう材が共晶組成の場合、金属ろう材が再溶融する可能性があり、リワークの妨げとなるが、本発明によれば金属ろう材の融点が上昇し再溶融するのを防止することが可能となる。
前記構成において、前記非共晶組成部は、金と錫とから構成され金の組成比率が大きい第2の金属間化合物と、金と錫とから構成され金と錫とが略同等程度の組成比率で組成された第3の金属間化合物との非共晶状態の構成であってもよい。
この場合、前記非共晶組成部は前記第2の金属間化合物と前記第3の金属間化合物との非共晶状態の構成であるので、前記金属ろう材の溶融温度が金側に移り、金錫の合金からなる前記金属ろう材の溶融温度を高くすることが可能となる。
前記構成において、前記金属ろう材と前記接合領域とは、少なくとも、非共晶組成部と、第1の金属間化合物と、ニッケルとコバルトとからなるニッケルコバルト層とから構成されてもよい。
この場合、前記金属ろう材と前記接合領域とは、少なくとも前記非共晶組成部と前記第1の金属間化合物と前記ニッケルコバルト層とから構成されるので、溶融温度を変化させてリワーク時の温度条件を満足させることが可能となる。具体的に、加熱溶融温度やその近傍温度によるリワークを行う際、前記ベースに前記キャップを接合した状態の金属ろう材が共晶組成の場合、金属ろう材が再溶融する可能性があり、リワークの妨げとなるが、本発明によれば金属ろう材が再溶融するのを防止することが可能となる。
前記構成において、前記非共晶組成部は、金と錫とから構成され金の組成比率が大きい第2の金属間化合物と、金と錫とから構成され金と錫とが略同等程度の化合物を含む第3の金属間化合物との非共晶状態の構成であり、前記第1の金属間化合物は、ニッケルと錫とから構成されてもよい。
この場合、前記非共晶組成部は前記第2の金属間化合物と前記第3の金属間化合物との非共晶状態の構成であり、前記第1の金属間化合物はニッケルと錫とから構成されるので、前記金属ろう材の溶融温度が金側に移り、金錫の合金からなる前記金属ろう材の溶融温度を高くすることが可能となる。
本発明にかかる圧電振動デバイスによれば、圧電振動デバイスの製造時における圧電振動デバイスの本体筐体の損傷を防止するとともに、本体筐体の小型化に対応させることが可能となる。
図1は、本実施例1,2にかかる水晶振動片を片保持したベースの概略平面図である。 図2は、本実施例1,2にかかる水晶振動子の概略構成図であり、図1のA−A線概略断面図である。 図3は、ニッケルとコバルトの比率が3:1の時の本実施例1にかかる水晶振動子と、6:1の時の水晶振動子の歩留まりのデータの図である。 図4は、本実施例1の他の例にかかる水晶振動子の概略側面図である。 図5は、本実施例2にかかるキャップの、ベースとの接合面に金属ろう材を形成した概略平面図と、B−B線概略断面図である。 図6は、本実験例にかかる水晶振動子の、図2に示す金属ろう材とベースの接合領域との接合関係を示した接合部分の概略拡大断面図である。 図7は、図6に示す拡大断面図を更に拡大した概略拡大断面図である。 図8は、比較例にかかる水晶振動子の、金属ろう材とベースの接合領域との接合関係を示した接合部分の概略拡大断面図である。 図9は、本実施例2にかかるキャップによるベースの接合封止前後における周波数変動を示したグラフ図である。
符号の説明
1 水晶振動子(圧電振動デバイス)
2 水晶振動片(圧電振動片)
3 ベース
33 接合領域
332 メタライズ層
333 ニッケルコバルト層
334 金属層
4 キャップ
5 本体筐体
7 金属ろう材
91 非共晶組成部
92 第1の金属間化合物
93 ニッケルコバルト層
94 第2の金属間化合物
95 第3の金属間化合物
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施例では、圧電振動デバイスとしてATカット水晶振動子に本発明を適用した場合を示す。
本実施例にかかるATカット水晶振動子1(以下、水晶振動子という)は、図1,2に示すように、平面視矩形に成形されたATカット水晶振動片2(本発明でいう圧電振動片であり、以下、水晶振動片という)と、この水晶振動片2を保持するベース3と、ベース3に保持した水晶振動片2を気密封止するためのキャップ4とからなる。
この水晶振動子1では、図2に示すように、ベース3とキャップ4とが下記する金属ろう材7を用いて加熱溶融接合されて本体筐体5が構成され、この本体筐体5内に内部空間6が形成される。この内部空間6のベース3上に、水晶振動片2が保持されるとともに、本体筐体5の内部空間6が気密封止されている。なお、内部空間6において、ベース3と水晶振動片2とは下記する導電性バンプ8を用いてFCB法により接合されている。
次に、この水晶振動子1の各構成について説明する。
ベース3は、図1,2に示すように、セラミック材料からなる平面視矩形状の一枚板の底部31と、この底部31上に積層したセラミック材料の堤部32とから構成される箱状体に形成され、これら底部31と堤部32とが断面凹状に一体的に焼成されている。また、堤部32は、底部31の上面外周に沿って成形されている。この堤部32の上面(端面)は、キャップ4との接合領域33である。この接合領域33は、タングステンあるいはモリブデン等のメタライズ材料からなるメタライズ層332と、このメタライズ層332に積層されたニッケルとコバルトとからなるニッケルコバルト層333と、このニッケルコバルト層333に積層された金からなる金属層334(本実施例では金メッキである)とから構成される。そして、これらメタライズ層332は箱状体のベース3と一体的に焼成して形成され、メタライズ層322上にニッケルコバルト層333、金属層(金層)334の順でメッキ形成される。また、このベース3の平面視外周の四隅にキャスタレーション34が形成されている。そして、このベース3の表面35には、水晶振動片2の励振電極23,24(下記参照)と電気的に接続する電極パッド361,362が形成されている。これら電極パッド361,362は、それぞれに対応した接続電極(図示省略)及びキャスタレーション34を介して、ベース3の裏面37に形成される端子電極(図示省略)に電気的に接続されている。これら端子電極から外部部品や外部機器と接続される。なお、これらの電極パッド361,362、端子電極、及び接続電極は、タングステン、モリブデン等のメタライズ材料を印刷した後にベースと一体的に焼成して形成される。そして、これら電極パッド361,362、端子電極、及び接続電極のうち一部のもの(例えばベース3上に露出して形成されている部分)については、メタライズ上部にニッケルコバルトメッキが形成され、その上部に金メッキが形成されて構成される。
また、図2に示すように、ベース3の接合領域33とキャップ4の接合には、金属ろう材7が用いられている。本実施例では、金属ろう材7に金と錫とからなる合金材料が用いられる。また、ベース3の接合領域33すべてに対してほぼ均一の量の金属ろう材7が形成されている(濡れている)。また、この金属ろう材7の一部71は、図2に示すように、インナーメニスカス形成され、ベース3とキャップ4とにより形成された内部空間6内に配されている。ここでいう金属ろう材7の一部71を内部空間6内に配するとは、内部空間6内に金属ろう材7の一部71を面するだけでなく、内部空間6内に金属ろう材7の一部71を突出させた状態のことをいい、金属ろう材7の一部71がベース3の堤部32に対して内部空間6側にオーバーハングされた状態なっている。具体的に、図2に示すように、ベース3の堤部32全域から金属ろう材7の一部71が、内部空間6側にオーバーハングされている。
キャップ4は、図2に示すように、セラミック材料からなり、平面視矩形状の一枚板に成形されている。また、このキャップの平面視の外形寸法は、同一方向視のベース3の外形寸法よりも若干小さく(ひとまわり小さく)なるように設計されている。
水晶振動片2は、図1,2に示すように、ATカット水晶板(図示省略)からなり、平面視矩形上の一枚板の直方体に成形されている。この水晶振動片2の両主面21,22には、それぞれ励振電極23,24と、これらの励振電極23,24を外部電極(本実施例では、ベース3の電極パッド361,362)と電気的に接続するために励振電極23,24から引き出された引出電極25,26とが形成されている。これらの励振電極23,24及び引出電極25,26は、例えば、水晶振動板側からクロム、金の順に、あるいはクロム、金、クロムの順に、あるいはクロム、銀、クロムの順に積層して形成されている。そして、水晶振動片2の引出電極25,26とベース3の電極パッド361,362とが、圧電振動片用接合材(下記する導電性バンプ8参照)により接合され、図1,2に示すように、水晶振動片2はベース3に片保持されている。
水晶振動片2をベース3に接合して搭載保持するための圧電振動片用接合材として導電性バンプ8が用いられている。
上記したように、本実施例にかかる水晶振動子1によれば、ベース3のキャップ4との接合領域33は、少なくともニッケルコバルト層333と金属層334とから構成され、ベース3とキャップ4とは金属ろう材7を用いて加熱溶融接合されるので、水晶振動子1の製造時における水晶振動子1の本体筐体5の損傷を防止するとともに、本体筐体5の小型化に対応させることができる。すなわち、本実施例では、ベース3とキャップ4との接合に加熱溶融接合が用いられるので、ベース3とキャップ4との接合に連続した局所的接合である直接的シーム接合を用いることによる不具合が生じない。具体的に、本実施例では、直接的シーム接合と異なり、ベース3とキャップ4との接合は全面同時接合であり、その結果、ベース3とキャップ4との接合時にベース3の接合箇所に局所的に圧力がかかるのを避けることができる。また、加熱溶融接合では、ベース3とキャップ4との接合の際に装置部材が直接ベース3とキャップ4とに接触することがなく、接触によって生じる本体筐体5の小型化への弊害(ベース3やキャップ4のクラックなど)を避けることができる。また、本実施例では、ニッケルコバルト層333を構成としているので、加熱溶融接合を用いたベース3とキャップ4との接合の際にニッケルコバルト層333のニッケルが拡散するがコバルトによりニッケルの拡散を抑制することができる。このように、本実施例によれば、金属層334へのニッケルの拡散を適度に抑制することができるので、金属ろう材7の濡れ性を低下させることなくベース3とキャップ4との接合性を向上させることができる。
なお、本実施例に示すように金錫等の金属ろう材7による加熱溶融接合では、従来の技術として挙げた直接的シーム溶接による不具合(溶接部の干渉等の問題)は生じない。
ところで、本実施例に示すような加熱溶融接合によれば、直接的シーム溶接のように接合にベース3とキャップ4との間に圧力を加えない(加えたとしてもシーム溶接時ほど強い圧力ではない)ので、ベース3とキャップ4との両接合面の状態によってその接合強度が異なる。このことは、ベース3とキャップ4との両接合面の状態により金属ろう材7の濡れ性が変化し、この濡れ性の変化が接合強度に影響を与える。しかしながら、本実施例によれば、ベース3のキャップ4との接合領域33は、少なくともニッケルコバルト層333と金属層334とから構成され、ベース3とキャップ4とは金属ろう材7を用いて加熱溶融接合されるので、接合強度に関する悪影響を抑えることができる。
また、上記した水晶振動子1では、水晶振動子1の製造のうちベース3とキャップ4との接合に加熱溶融接合が用いられ、加熱溶融接合は360℃以下の加熱温度で行なわれる。更に詳説すると、加熱温度が、共晶合金である金錫の金属ろう材7の溶融温度である280℃〜360℃に設定されることが好ましく、300℃付近であることが望ましい。
この場合、加熱温度が360℃以下であるので、ニッケルコバルト層333におけるニッケルの拡散を抑制することができる。具体的に、加熱温度が500℃の場合、ニッケルコバルト層333のニッケルが金属層334の表面にまで拡散してベース3とキャップ4との接合に悪影響を与える。ここでいう悪影響は、本体筐体5の気密性不良が発生する原因となり、具体的に、ベース3の表面上でニッケルが金属ろう材7の錫と化合物を生成し、この生成により金属ろう材7の組成が変化してその結果、金属ろう材7の濡れ性を低下させて本体筐体5の気密性不良が発生する。ところで、加熱温度が400℃の場合、金属ろう材7の濡れ性が悪くなる。詳しくは、加熱温度が400℃と高温になると、ニッケルコバルト層333において、ニッケルの拡散が促進されて接合面にあらわれて、その接合面(ベース3の表面の接合領域33)における金属ろう材7の濡れ性(流れ性)が悪くなる。その結果、本体筐体5の気密性不良が発生する。このことは、連続した局所的接合である直接的シーム接合では生じない、加熱溶融接合である本実施例の特有の問題点である。
また、上記した水晶振動子1では、ニッケルコバルト層333におけるニッケルとコバルトの比率が、1:1〜3:1に設定されている。この比率にすることで、金属ろう材7の濡れ性が良くなり、その結果、前記本体筐体の気密不良を防止する。特に、ニッケルコバルト層333におけるニッケルとコバルトの比率が5:1〜6:1に設定された場合と比較して、金属ろう材7の濡れ性が原因となる本体筐体5の気密性に関して好適である。具体的に、ニッケルとコバルトの比率が3:1の時の水晶振動子1と、6:1の時の水晶振動子の歩留まりのデータを図3に示す。
また、上記した水晶振動子1では、金属層334の厚さが0.3μm〜1.0μmに設定されている。特に、金属層334の厚さが例えば0.43μmなど0.3μm付近に設定されていることが好ましい。この場合、ニッケルコバルト層333において拡散したニッケルが金属層334の表面に出てきてベース3とキャップ4との接合に悪影響(上記参照)を与えるのを抑制するとともに、本体筐体5の小型化を図ることができる。具体的に、金属層334の厚さは例えば0.43μmに設定された場合、従来例で示したシーム接合に対して、本実施例によれば耐環境試験(本体筐体5の気密性など)で好適である。また、金属層334の厚さが0.3μm未満であると、加熱等により金属層334の表面に現れるニッケルの割合が多くなり、気密封止時に金属ろう材7の濡れ性低下により気密封止性能が低下する。また、金属層334が1.0μmを越える厚さになると電極パッド361,362部分におけるニッケルの析出が極端に抑制され、その結果、樹脂系導電接合材による導電接合性能が低下するので実用上好ましくない。なお、ベース3には電極パッド361,362が形成され、当該電極パッド361,362もメタライズ層332、ニッケルコバルト層333、金等の金属層334からなる多層金属層構成を用いることがあるが、このような電極パッド361,362に水晶振動片2を例えばシリコーンやウレタン等の樹脂系導電接合材により接合する場合、金属層334の表面にニッケルが適度に現れる状態が好ましい。このニッケルにより樹脂系導電接合材との接合性を向上させることができる。
なお、本実施例では、圧電振動片としてATカット水晶振動片2を用いているが、これに限定されるものではなく、音叉型水晶振動片であってもよい。
また、本実施例では、金属層334に金メッキを用いているがこれは好適な例であり、これに限定されるものではなく、金属ろう材との接合に適していれば他の金属材料や他の形態であってもよい。
また、本実施例では、導電性バンプ8を圧電振動片用接合材として用いているが、これは本体筐体5の小型化に好適な例であり、これに限定されるものではなく、シリコーン系樹脂などの導電性接着剤を用いてもよい。
さらに、本発明は水晶振動片やIC等を一体的に収納した水晶発振器にも適用することができる。
また、本実施例では、ベース3の堤部32が面一である例をしているが、これに限定されるものではなく、製造工程の様々な条件によってベース3の形状が微少に変形する場合がある。例えば、図4に示すように、ベース3の長手方向の辺に対応した堤部32が底面方向に湾曲して成形される場合もある。この場合であっても、上記した実施例によれば、ベース3の堤部32上に形成した接合領域33の全面に金属ろう材7を形成することができる(金属ろう材7が濡れる)。これはニッケルコバルト層333のニッケルの拡散の有無と金属ろう材7の濡れ性とに関係する。すなわち、本実施例では、ニッケルが金属層334の表面まで拡散するのを適度に抑えているので金属ろう材7の濡れ性が良く、ベース3の接合領域33上全てに金属ろう材7を形成することができる。
また、本実施例では、金属ろう材7に金と錫とからなる共晶合金の金属ろう材が用いられているが、これに限定されるものではなく、金属ろう材であればよく、共晶合金のろう材であっても、錫銀銅やビスマス系(ビスマス銀など)などであっても、錫の割合が多い金錫からなる合金のろう材であってもよい。次に、非共晶合金であって金錫共晶合金に対して錫の割合が少し多い金錫からなる合金のろう材を用いた実施例を示す。
本実施例2にかかる水晶振動子1を図面を用いて説明する。なお、本実施例2にかかる水晶振動子1は、上記した実施例1に対して、キャップ4、接合領域33及び金属ろう材7の構成が異なる。そこで、本実施例2では、上記した実施例1と異なる構成について説明し、同一の構成についての説明を省略する。そのため、同一構成による作用効果及び変形例は、上記した実施例1と同様の作用効果及び変形例を有する。なお、この実施例2で示す図1は、水晶振動片2を片保持したベース3の概略構成図である。また、図2は、水晶振動子1の概略構成図である。図5は、ベース3との接合面に金属ろう材7を形成したキャップ4の概略構成図である。
本実施例にかかる水晶振動子1は、図1,2,5に示すように、水晶振動片2と、この水晶振動片2を保持するベース3と、ベース3に保持した水晶振動片2を気密封止するためのキャップ4とからなり、図2,5に示すように、ベース3の接合領域33とキャップ4の接合には、金属ろう材7が用いられている。
キャップ4は、金属材料であるコバール(鉄とニッケルとコバルトとからなる合金)からなり、平面視矩形状の一枚板に成形されている。また、図5に示すように、一枚板に成形されたコバールの両主面(ベース3との接合面も含む)にニッケルメッキ41が形成され、これらコバールおよびニッケルメッキ41を覆うようにコバールおよびニッケルメッキ41上に金メッキ42が積層されている。そして、キャップ4のベース3への接合前に、図5に示すように、キャップ4のベース3と接合する接合面であってキャップ4の平面視外周に沿って金属ろう材7が形成される。なお、キャップ4の平面視の外形寸法は、同一方向視のベース3の外形寸法よりも若干小さく(ひとまわり小さく)なるように設計されている。
ベース3への接合前にキャップ4に形成された金属ろう材7は、金と錫とから構成された共晶合金(もしくは略共晶合金)である。ここでいう略共晶合金とは、金と錫との重量%の比率が、共晶合金の比率である80:20ではなくその近傍の比率から組成された合金のことをいい、例えば、金と錫との重量%の比率が78.5:21.5からなる合金のことをいう。また、ここでいう近傍の比率とは、80:20(共晶)〜78:22の比率のことをいう。具体的に、本実施例では、金と錫との重量%の比率が約78.5:21.5となり、図5に示すようにキャップ4のベース3への接合面上に幅0.3mm以下(本実施例では0.3mm)の寸法で形成されている。そして、ベース3への接合前にキャップ4に形成された金属ろう材7は、図5に示すように、キャップ4上に断面半円形状に成形され、その高さは例えば約50μm以下(本実施例では約40μm)に設定されている。
そして、図示しない真空加熱炉にて(真空雰囲気中において)図5に示すキャップ4を、図1に示すベース3の接合領域33に金属ろう材7を介して加熱溶融接合することで本体筐体5が構成され、図2に示す水晶振動子1が製造される。この時の金属ろう材7は以下に示すような構成となる。なお、本実施例における接合条件は以下のようになっている。
ベース3とキャップ4との接合温度(封止温度)は300〜360℃(望ましくは310〜340℃)の範囲内で設定され、本実施例では310℃に設定されている。また、接合を行う加熱時間は5分以内に設定されている。加熱時間が5分を超えると金属ろう材7に熱がかかりすぎて脆くなる。なお、本実施例における接合時では接合温度(封止温度)を310℃に設定しているが、接合作業の効率を良くするために、事前に接合温度(封止温度)未満の所定温度まで温度を加熱してもよい。また、真空雰囲気中においてキャップ4とベース3との接合を行うので、接合環境を安定させることができる。
ベース3へキャップ4が加熱溶融接合されることで、金属ろう材7とベース3上の接合領域33とが結合され、その結果、ベース3へキャップ4が加熱溶融接合された後に、ベース3の接合領域33すべてに対してほぼ均一の量の金属ろう材7が形成される。また、ベース3へキャップ4が加熱溶融接合された後の金属ろう材7の一部71は、図2に示すように、インナーメニスカス形成され、ベース3とキャップ4とにより形成された内部空間6内に配されている。具体的に、図2に示すように、ベース3の堤部32全域から金属ろう材7の一部71が、内部空間6側にオーバーハングされている。
また、上記した金属ろう材7と接合領域33(メタライズ層332、ニッケルコバルト層333、金属層334)との結合(ベース3とキャップ4との接合)により、金属ろう材7は、図6,7に示すように非共晶組成部91と第1の金属間化合物92とから構成された非共晶合金となる。また、接合領域33は、第1の金属間化合物92と、ニッケルとコバルトとからなるニッケルコバルト層93(条件によってはニッケル層93)と、メタライズ層332とから構成される。すなわち、これら金属ろう材7と接合領域33とは、非共晶組成部91と第1の金属間化合物92とニッケルコバルト層93とメタライズ層332とから構成され、第1の金属間化合物92が金属ろう材7と金属層334との共有構成となる。
非共晶組成部91は、金と錫とから構成され金の組成比率が大きい非共晶組成の第2の金属間化合物94と、金と錫とから構成され金と錫とが略同等程度の組成比率で組成された非共晶組成の第3の金属間化合物95とから構成される。例えば、本実施例では、第2の金属間化合物94はAu6Sn等の金リッチ構成からなり、第3の金属間化合物95は金と錫との比率が略1:1(略同等程度)となる組成等(AuSnやAuSn2等)の化合物を含む構成からなる。また、第1の金属間化合物92は、ニッケルと錫とから構成される。なお、このように、第3の金属間化合物95の金と錫との比率の略同等程度とは、厳密に1:1だけに限定されるものではない。
上記した金属ろう材7に関して、キャップ4に形成された金属ろう材7の共晶組成が、ベース3とキャップ4との接合により、第2の金属間化合物94と第3の金属間化合物95とからなる非共晶状態の非共晶組成部91が生成され、この状態で本体筐体5内の内部空間6が気密封止される。
なお、上記した図6,7は、金属ろう材7と接合領域33との結合の実験例を示す。また、本実験例の比較例として、金属ろう材が接合領域と結合した後であっても金属ろう材が共晶合金であるときの例を図8に示す。図6は、図2に示す金属ろう材7とベース3の接合領域33との接合関係を示した接合部分の概略拡大断面図であり、図7は、図6に示す拡大断面図を更に拡大した概略拡大断面図である。また、図8は、比較例の金属ろう材とベースの金属層との接合関係を示した接合部分の概略拡大断面図である。なお、図8に示す無数の層状形状で結合された部分が共晶組成部である。
図6,7に示すように、本実施例によれば、接合領域33の金からなる金属層334を金属ろう材7が取り込んだ構成となり、またニッケルと錫とからなる第1の金属間化合物92が形成されることにより、金属ろう材7の溶融温度が金側に移り高くなる。実際に上記した実験例に対してリワークを行なった(リワークの加熱条件:加熱温度350℃で加熱時間10秒を3回行なった。)が、金属ろう材7が溶けることは無かった。なお、備考として、実験例に対して加熱温度450℃で加熱時間10秒を3回行なったが、この場合であっても金属ろう材7が溶けることはなかった。
上記したように、本実施例にかかる水晶振動子1によれば、キャップ4、接合領域33及び金属ろう材7の構成が異なる以外、他の構成は同一構成であるため、同一構成による作用効果及び変形例は、上記した実施例1と同様の作用効果及び変形例を有する。
また、上記したように、本実施例では、金属ろう材7が非共晶組成部91と第1の金属間化合物92とから構成されている。また、金属ろう材7と接合領域33とは、少なくとも非共晶組成部91と第1の金属間化合物92とニッケルコバルト層93とから構成されている。そのため、溶融温度を変化させてリワーク時の温度条件を満足させることができる。具体的に、加熱溶融温度付近(例えば350℃)を加熱条件とするリワークを行う際、ベース3にキャップ4を接合した状態の金属ろう材が共晶組成の場合(比較例参照)、金属ろう材の融点が上昇し再溶融する可能性があり、その結果リワークの妨げとなるが、本実施例(実験例参照)によれば金属ろう材7が再溶融するのを防止することができる。
また、非共晶組成部91は第2の金属間化合物94と第3の金属間化合物95との非共晶状態の構成である。また、具体的に第1の金属間化合物92はニッケルと錫とから構成されている。そのため、金属ろう材7の溶融温度を金側に移して金属ろう材7の溶融温度を高くすることができる。
また、ベース3への接合前にキャップ4に形成された金属ろう材7の幅が0.3mm以下の設定で、その突出部72の幅を0.03μm以下に設定することで、キャップ4への金属ろう材7の形成状態(濡れ状態)を最適なものとし、図5に示すようなキャップ4の平面視外周すべてに対してほぼ均一の量の金属ろう材7を形成することができる。
また、キャップ4によるベース3の接合封止前後において周波数変化が生じる場合がある。この周波数変化の原因として、キャップ4への金属ろう材7の形成領域が異なる(濡れ性が異なる)ことが挙げられるが、本実施例によれば、ベース3への接合前にキャップ4に形成された金属ろう材7の金と錫との重量%の比率を約78.5:21.5とし、ベース3への接合前にキャップ4に形成された金属ろう材7の幅が0.3mm以下の設定で、その突出部72の幅を0.03μm以下に設定するので、キャップ4上の金属ろう材7の形状を図2に示すような形状とすることができ、キャップ4によるベース3の接合封止前後における周波数変化を抑えることができる。実際にこの設定でキャップ4に金属ろう材7を形成した時の接合封止前後における周波数変化を測定した。その測定結果を図9に示す。この図9に示すデータは、上記した設定に基づいて製造した10個の水晶振動子1に対して測定を行なった結果である。
また、上記したように図5に示すようなキャップ4に金属ろう材7を形成することで、ベース3にキャップ4を接合する前にキャップ4の良否判定を行うことができ、良品と判断したキャップ4のみをベース3に接合することができる。
また、本実施例では、ニッケルコバルト層333を接合領域33の構成としているので、ベース3へのキャップ4の接合時に、コバルトによってニッケルが接合領域33表面に拡散しすぎるのを抑制して、ニッケルが金属ろう材7の錫と結合するのを抑えることができる。その結果、ニッケルと錫との結合によって金属ろう材7の溶融がし難くなる(濡れ性が悪くなる)のを抑制することができる。
なお、本実施例では、キャップ4にコバールを用いているが、これは好適な例でありこれに限定されるものではなく42アロイなどの他の金属材料であってもよい。
また、本実施例では、ベース3への接合前にキャップ4に形成された金属ろう材7として、金と錫とからなる共晶合金を挙げているが、これは好適な例であってこれに限定されるものではなく、例えば他に銀と錫とからなる共晶合金や、銅と錫とからなる共晶合金であってもよい。
また、本実施例ではキャップ4に金属材料を用いているが、これは好適な例でありこれに限定されるものではなく、上記した実施例1のセラミック材料をキャップ4に用いてもよい。なお、キャップ4に上記した実施例1のセラミック材料を用いた場合、セラミック上に直接金属ろう材7を形成するか、もしくはメタライズ処理を行なってからニッケルメッキ41と金メッキ42とを形成することになる。
なお、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
また、この出願は、2006年8月10日に日本で出願された特願2006−218118号に基づく優先権を請求する。これに言及することにより、その全ての内容は本出願に組み込まれるものである。
本発明は、圧電振動デバイスに適用でき、特に水晶振動子などに好適である。

Claims (8)

  1. 圧電振動片を保持するベースと、前記ベースに保持した前記圧電振動片を気密封止するためにベースと接合するキャップとが設けられた圧電振動デバイスにおいて、
    前記ベースの前記キャップとの接合領域は、少なくとも、ニッケルとコバルトとからなるニッケルコバルト層と、前記ニッケルコバルト層に積層した金属材料からなる金属層とから構成され、
    前記ベースと前記キャップとは、金属ろう材を用いて加熱溶融接合されたことを特徴とする圧電振動デバイス。
  2. 前記加熱溶融接合は、360℃以下の加熱温度で行なわれたことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動デバイス。
  3. 前記ニッケルコバルト層におけるニッケルとコバルトの比率は、1:1〜3:1であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電振動デバイス。
  4. 前記金属層の厚さは、0.3〜1.0μmであることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載の圧電振動デバイス。
  5. 前記金属ろう材は、非共晶組成部と、第1の金属間化合物とから構成されることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1つに記載の圧電振動デバイス。
  6. 前記非共晶組成部は、金と錫とから構成され金の組成比率が大きい第2の金属間化合物と、金と錫とから構成され金と錫とが略同等程度の組成比率で組成された第3の金属間化合物との非共晶状態の構成であることを特徴とする請求項5に記載の圧電振動デバイス。
  7. 前記金属ろう材と前記接合領域とは、少なくとも、非共晶組成部と、第1の金属間化合物と、ニッケルとコバルトとからなるニッケルコバルト層とから構成されることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1つに記載の圧電振動デバイス。
  8. 前記非共晶組成部は、金と錫とから構成され金の組成比率が大きい第2の金属間化合物と、金と錫とから構成され金と錫とが略同等程度の化合物を含む第3の金属間化合物との非共晶状態の構成であり、
    前記第1の金属間化合物は、ニッケルと錫とから構成されることを特徴とする請求項7に記載の圧電振動デバイス。
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