JP4397738B2 - 電子部品用パッケージおよびその製造方法並びに電子部品用パッケージの蓋材 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品を収納する電子部品用パッケージに関する。
半導体素子、水晶振動子、圧電振動子などの種々の電子部品は、外部環境から電子部品を保護するために電子部品用パッケージに収納される場合がある。電子部品用パッケージは、例えば、電子部品を収納する凹部が上面に開口するように形成されたケースと、前記凹部を密閉するように前記ケースの開口面の外周部にろう材によって溶着された蓋体とを備える。前記凹部は蓋体の溶着により、外界から遮断された電子部品の収納空間部を形成する。
前記蓋体は、通常、コバール(商品名)のような低膨張率の金属で形成された基材層の両面にNiによって積層形成されたNi層を有している。前記ろう材としては、種々の軟ろう材、例えばSn−Ag合金、Bi−Ag合金、In−Sn合金が使用される。
電子部品が収納された電子部品用パッケージは、他の電子部品と共に配線基板上の所定位置にろう付けにより固定される。前記ろう付けは、通常、量産性などのために、配線基板上に前記電子部品用パッケージなどの電子部品を配置し、その基板全体を加熱炉内に通すことにより、各電子部品を同時に基板にろう付けする方法が採られる。
このように、電子部品用パッケージは、一旦、電子部品を収納したケースと蓋体とをろう材によって溶着一体化する際に加熱され、再度、配線基板上へのろう付けの際に加熱される。このため、前記ろう材は高融点の材料が好ましいが、高温でろう付けすると電子部品が劣化したり、耐久性が低下する。
このような問題に対し、国際公開WO02/078085号(特許文献1)に開示されているように、ろう材としてSn基合金の軟ろう材を使用しつつ、ろう付けの際にろう材のSnとケース及び蓋体に設けたNi層のNiとを拡散反応させて、ろう材層をNiSn系の金属間化合物層で挟んだ溶着層を形成することで、低温でのろう付けを可能にしつつ、ケースと蓋体とを接合する溶着層の耐熱性を向上させることが可能になった。
国際公開WO02/078085号
上記特許文献1の技術によって溶着層の耐熱性を向上させることができたが、ろう付けの際に前記NiSn系の金属間化合物層を成長させるのに時間がかかり、生産性が劣るという問題がある。また、ろう付け温度での保持時間が長くなると、パッケージ中に収納された電子部品の性能が低下するという問題もある。
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、ろう材の融点近傍の比較的低温で蓋体をろう付けしても、ケースと蓋体との間に耐熱性に優れた溶着層を速やかに形成することができ、生産性に優れ、またパッケージに収納される電子部品に特性劣化が生じ難い電子部品用パッケージおよびその製造方法、並びに電子部品用パッケージの蓋体として好適な蓋材を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題について鋭意研究したところ、Ni層のNiとろう材のSnとの拡散、反応によってNi層の界面に生成するNi及びSnからなる金属間化合物(主としてNi3Sn4)はNi原子の拡散を抑制する作用が大きいため、金属間化合物を十分に形成するには長時間の加熱が必要であるが、ろう材のSnとNi−Co合金のNi及びCoとの拡散反応によって生成する金属間化合物(主として(Ni,Co)3Sn4)はNiの拡散を妨げ難いため、ごく短時間で金属間化合物が成長することを知見した。本発明はかかる知見を基に完成されたものである。
すなわち、本発明による電子部品用パッケージは、電子部品を収納する凹部を有するケースと、前記凹部を密閉するように前記ケースの凹部開口面の外周部に溶着層を介して溶着された蓋体とを備えた電子部品用パッケージであって、前記ケースは前記凹部開口面の外周部に積層され、Coを3.0〜20mass%含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなるNi−Co合金によって形成された第1Ni−Co合金層を有し、前記蓋体は基材層と、この基材層のケース側表面に積層され、前記Ni−Co合金によって形成された第2Ni−Co合金層を有し、前記溶着層はSnを主成分とするSn基ろう材によって形成されたろう材層と、このろう材層の両側に前記第1Ni−Co合金層及び第2Ni−Co合金層から拡散したNi及びCoが前記ろう材のSnと反応して形成された第1金属間化合物層および第2金属間化合物層とを有するものである。
この電子部品用パッケージによると、第1Ni−Co合金層および第2Ni−Co合金層は、Coを3.0〜20mass%含み、残部Ni及び不可避的不純物からなるNi−Co合金で形成されるので、第1,第2金属間化合物層はNiの拡散性を妨げ難いCoを含むNiSn系の金属間化合物で形成されるため、蓋体のろう付けの際に金属間化合物層が速やかに形成されるため生産性に優れ、またパッケージに収納される電子部品の特性劣化を防止することができる。また、第1金属間化合物層および第2金属間化合物層は第1Ni−Co合金層および第2Ni−Co合金層のNi、Coがろう材側に拡散し、Snと反応して形成されたものであるから、ろう材層が凹凸状の第1、第2金属間化合物層の間に入り組んだ形態に形成されるため、良好な接合性を備え、またろう材の融点超の高温状態に曝されても溶融したろう材層にピンホールやミクロクラックが生じ難く、気密性に優れる。
前記Sn基ろう材としては、環境汚染や人体への悪影響のおそれがあるPbを含まないSn基合金を使用することが好ましい。また、前記溶着層の平均厚さは10〜50μm とすることが好ましい。
また、本発明の電子部品用パッケージの製造方法は、電子部品を収納する凹部が形成されたケース本体の凹部開口面の外周部に、Coを3.0〜20mass%含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなるNi−Co合金によって形成された第1Ni−Co合金層が設けられ、その上に積層された溶着促進のための表面金属層とを有するケース、および基材層の一方の表面に、前記Ni−Co合金によって形成された第2Ni−Co合金層が積層形成された蓋体とを準備し、前記ケースの表面金属層の上にSnを主成分とするSn基ろう材によって形成されたろう材を介して第2Ni−Co合金層が当接するように蓋体を重ね合わせて加熱し、前記第1Ni−Co合金層及び第2Ni−Co合金層から前記ろう材側に拡散したNi及びCoと前記ろう材のSnとを反応させ、前記ろう材によって形成されたろう材層の両側に第1金属間化合物層および第2金属間化合物層を形成させつつ前記蓋体を前記ケースに溶着する。
この製造方法によると、第1、第2Ni−Co合金層が3.0〜20mass%のCoを含有したNi−Co合金で形成されるため、ろう材の融点より10〜30℃程度高い、比較的低温でろう付けしても、ろう付け温度に加熱後、速やかに冷却するだけで、凹凸状の第1金属間化合物層と第2金属間化合物層との間にろう材層が挟持された溶着層を速やかに形成することができ、生産性に優れる。
この製造方法において、前記表面金属層をAuで形成することにより、第1、第2金属間化合物層の生成がより促進され、生産性をより向上させることができる。
また、本発明の電子部品用パッケージの蓋材は、基材層と、Ni−Co合金層と、ろう材層とが同順序で接合され、前記ろう材層がSnを主成分とするSn基ろう材によって形成され、前記Ni−Co合金層がCoを3.0〜20mass%含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなるNi−Co合金によって形成されたものであるから、製造が容易で、また当該蓋材から製作した蓋体を用いることにより、ろう材を別途準備することなく、前記電子部品用パッケージを容易に製造することができ、電子部品用パッケージの蓋体の素材として好適である。

本発明の電子部品用パッケージによれば、第1、第2Ni−Co合金層は、Coを3.0〜20mass%含むNi−Co合金で形成されているので、ろう材のSnと反応して界面に生成する金属間化合物はCoを含むNiSn系の金属間化合物となるため、これによってNi、Coの拡散が妨げられないため、ろう材層の両側に第1、第2金属間化合物層を速やかに形成することができ、生産性に優れ、またろう材の融点超の温度に曝されても、再溶融したろう材層にピンホールやクラックが生じ難いため、優れた気密性を備える。
以下、本発明による電子部品用パッケージの実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、実施形態にかかる電子部品用パッケージを示しており、電子部品Pをその凹部3に収納するケース1と、前記凹部3を密閉するように前記ケース1の凹部開口面の外周部に溶着層20を介して溶着された蓋体8とを有する。
前記ケース1は、前記凹部3が設けられ、セラミック材によって形成されたケース本体2と、前記ケース本体2の側壁の外周上部に一体的に積層形成されたメタライズ層4と、その上に一体的に積層形成された第1Ni−Co合金層5とを有する。前記メタライズ層4は、通常、W(タングステン)やMo(モリブデン)などの高融点金属によって形成される。前記第1Ni−Co合金層5は、Coを3.0〜20mass%、好ましくは5.0〜16mass%含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなるNi−Co合金によって形成されている。
一方、前記蓋体8は、基材層9の下面(ケース側表面)に第2Ni−Co合金層10が、上面に表面保護金属層11を有している。前記基材層9は、ケース1の主要材であるセラミックスの熱膨張率に近似するようなコバール(商品名)等の低膨張率のFe、Ni、Coを主成分とするFeNi基合金、FeNiCo基合金によって形成される。具体的には、Fe−36〜50wt%Ni合金、Fe−20〜30wt%Ni−1〜20wt%Co合金を例示することができる。前記第2Ni−Co合金層10も前記第1Ni−Co合金層5と同様、Coを3.0〜20mass%、好ましくは5.0〜16mass%含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなるNi−Co合金によって形成されている。前記表面保護金属層11は耐食性を向上させるために積層形成されたもので、純NiやNiを主成分とする耐食性Ni合金で形成される。なお、この表面保護金属層11は必要に応じて形成すればよく、必ずしも必要としない。
前記ケース1と蓋体8との間に介在する溶着層20は、図2に示すように、前記第1Ni−Co合金層5および第2Ni−Co合金層10に一体的に形成された第1金属間化合物層5Aおよび第2金属間化合物層10Aと、その間に挟持状に形成されたろう材層12Aとで構成される。
前記ろう材層12Aは、純SnあるいはSnを主成分とするSn基ろう材で形成されている。Sn基ろう材は、好ましくはSnが85wt%以上のものがよく、他成分としてSnと共晶、包晶を生成するAg、Au、Cu、Zn、Pb、Bi、Sb等を適宜含有することができる。これらの合金の内、特に共晶組成のもの、例えばSn−3.5wt%Ag、Sn−10wt%Au、Sn−0.7wt%Cuは低い融点でろう材全体が速やかに溶融するので、低温で溶着する場合は好適である。環境汚染や人体への悪影響を考慮すると、Pbフリーのろう合金が好ましい。
前記第1,第2金属間化合物層5A,10Aは、蓋体8をケース1にろう付け(溶着)する際に前記第1,第2Ni−Co合金層5,10を形成するNi−Co合金のNi、Coが溶融したろう材側に拡散し、ろう材の主成分であるSnと反応して形成されたものであり、図2に示すように、不定形の凹凸状を成しており、その間にろう材層12Aが入り組んだ形態で一体的に形成されている。この際、溶着層20の縦断面における前記第1,第2金属間化合物層5A,10Aは溶着層20の全面積に対して面積割合で25〜98%、好ましくは40〜90%を占めるようにすることが望ましい。前記第1,第2金属間化合物層が25%未満では凹凸状の金属間化合物が少ないため、第1,第2金属間化合物層の間の広い領域でろう材層が再溶融するようになり、ピンホール等の欠陥が生じやすくなる。一方、98%を超えると、第1,第2金属間化合物層の間に挟持されるろう材の量が少なくなるので、溶着層全体として脆くなり、接合性が低下するようになる。前記溶着層20の縦断面における各層の面積は、EPMAによって断面の組成像写真を得て、色のコントラストから各層の面積を求めることができる。面積の算出には、画像解析ソフトを利用することができる。
図3は、蓋体溶着前のパッケージ組立体であり、ケース1の開口上面に蓋体8が載置されている。なお、溶着の前後でケースの構成は後述するように異なる点があるが、説明の便宜上、同部材あるいは対応する部材には同符号が付されている。
前記ケース1は蓋体溶着後の構成とほぼ同様であるが、溶着前には第1Ni−Co合金層5の上に溶着を促進すると共に前記第1Ni−Co合金層5からNi、Coがろう材側へ拡散するのを促進するため、Auにより形成された表面金属層6が形成されている。溶着前の第1Ni−Co合金層5の厚さは10〜20μm 程度でよく、また前記表面金属層6の厚さは1〜3μm 程度のごく薄い層でよい。前記表面金属層6はこのように極薄いため、溶着時に、溶融したろう材中へ拡散し、消失する。このため、図1では図示されていない。前記ケース1の第1Ni−Co合金層5、表面金属層6は、通常、めっきによって形成される。なお、前記表面金属層6は必要により形成すればよく、必ずしも必要としない。
一方、前記蓋体8は、基材層9の片面に表面保護金属層11が、他面に第2Ni−Co合金層10およびその上にろう材層12が積層形成されている。前記ろう材層12は、溶着時に第1Ni−Co合金層5、第2Ni−Co合金層10から拡散したNi、CoとSn基ろう材のSnとが反応して前記第1金属間化合物層5A、第2金属間化合物層10Aを形成する。ケース1の開口部では、第1Ni−Co合金層5がないので、当然のことながら第2金属間化合物層(図1では図示省略)しか形成されない。溶着前の前記第2Ni−Co合金層10の厚さは10〜20μm 程度とされ、またろう材層12の厚さは30〜50μm 程度とされる。
前記蓋体8は、蓋体と同じ層構成の蓋材を用いて、例えば打ち抜き加工することによって製作されたものである。前記蓋材は、通常、表面保護金属層用素材、基材層用素材、第2Ni−Co合金層用素材を同順序で重ね合わせてロール圧接し、拡散焼鈍(軟化焼鈍)した後、第2Ni−Co合金層の上にろう材層用素材を重ね合わせ、冷間にてロール圧接することにより製作される。なお、この実施形態のように、ろう材層12を第2Ni−Co合金層10に一体的に接合した蓋体8を用いることで溶着作業性が向上するが、必ずしも一体的に設ける必要はなく、ろう材を別途準備し、ケース1にろう材を介して、表面保護金属層11、基材層9および第2Ni−Co合金層10からなる3層構造の蓋体を載置すればよい。別途設けるろう材としては、薄板状のものに限らず、ろう合金粉末をフラックスに含有させたペースト状のものを使用することもできる。
前記第1、第2Ni−Co合金層5,10は、Coを3.0〜20mass%含有し、残部Ni及び不可避的不純物で形成されているため、蓋体をろう付け(溶着)する際に、ろう材の融点より10〜30℃程度高い温度に加熱し、ろう材を溶融させた後、速やかに冷却凝固させるだけで、Coを含むNiSn系の金属間化合物層が十分な厚さに反応形成された溶着層が得られる。ろう付け温度に加熱後、必ずしもその温度に保持する必要はないが、10秒程度以下あるいは5秒程度以下の時間を保持することで、金属間化合物を十分に成長させることができる。前記Co量が3.0%未満では、Ni−Co合金層の界面に形成される金属間化合物中のCo量が不足し、Niの拡散を抑制するようになる。このため、本発明ではCo量の下限を3.0mass%とする。好ましくは5.0mass%以上とするのがよい。一方、Co量が過多になると、冷間加工性が劣化し、ロール圧接などによる接合が困難になるので、その上限を20mass%とする。好ましくは16mass%以下とするのがよい。なお、Sn基ろう材のような軟ろうでは、融点とは固液開始温度すなわち共晶温度を意味する。
また、溶着に際して、蓋体8を下側に、ケース1が上側になるように載置して加熱するだけでもよいが、ケース1と蓋体8とが互いに押圧されるように加圧することが望ましい。これによって溶着の際に金属間化合物中のボイドの生成を抑制することができ、溶着の安定性を向上させることができる。加圧方法としては、パッケージ組立体の表面と反応しない材料、例えばセラミックスで形成された押さえ板を介して重りを載せるようにしてもよく、また押さえ板をスプリングによって付勢して加圧してもよい。加圧力は、通常、2×10-4〜1×10-2N/mm2 程度でよい。
溶着の際の加熱雰囲気は、真空あるいは窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。このような雰囲気中で溶着を行うことにより、加熱による電子部品の酸化を防止するとともに、溶着後の電子部品の収納空間を真空あるいは不活性ガス雰囲気とすることができ、電子部品の経時変化を防止することができる。特に、水晶振動子等の振動子を収納する場合は、共振特性向上の観点から真空下で溶着することが望ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は上記実施形態や以下の実施例により限定的に解釈されるものでない。
セラミック製のケース本体の凹部開口面の外周部にWメタライズ層(層厚30μm )、NiあるいはNi−Co合金で形成された第1金属層(層厚15μm )をこの順序で一体的に積層形成したケースを準備した。一部のケースについては、前記第1金属層の上にさらにAu層(層厚1μm )を一体的に積層した。前記第1金属層、Au層はめっきにより形成した。ケースの平面サイズは、図4に示すように、長さA=4.1mm、全幅B=2.6mmであり、凹部を囲う、長さ方向側壁14の幅C=0.35mmとした。
一方、FeNiCo合金(商品名コバール)の片面に表面保護用のNi層が接合形成され、他面にNiあるいはNi−Co合金で形成された第2金属層と、その上にSn−Ag合金からなるろう材層とがこの順序で接合形成された蓋体を準備した。蓋体の平面サイズはケースとほぼ同等のサイズとした。
前記蓋体は、以下の要領で製作した蓋材から所定の平面サイズに打ち抜き加工して製作された。蓋材は、FeNiCo合金板(基材層用素材)の片面にNi薄板を、他面に第2金属層の素材薄板を重ね合わせ、冷間でロール圧接(圧下率60%)した後、1000℃で数分間保持する拡散焼鈍を行い、圧接によって形成されたNi層、基材層、第2金属層を互いに拡散接合すると共に各層を軟化した。この接合体の第2金属層の上に10wt%Ag−残部Sn(共晶点:220℃)からなるろう材を重ね合わせて冷間でロール圧接(圧下率60%)してろう材層を接合した。得られた蓋体(蓋材)は、80μm の基材層の片面に5μm 程度のNi層、他面に30μm 程度の第2金属層、30μm 程度のろう材層が互いに接合形成されていた。
前記蓋体のろう材層が前記ケースの第1金属層側あるいはAuめっき層側になるように蓋体をケースに重ね合わせてパッケージ組立体を得た。このパッケージ組立体を蓋体が下になるように載置板に載せ、窒素ガス雰囲気中で240℃で加熱後、同温度に保持することなく、あるいは600秒保持後に冷却した。第1金属層、第2金属層の材質、Au層の有無、ろう材層の厚さ、溶着時の保持時間を表1に併せて示す。
溶着後のパッケージを用いて、長さ方向の中央部においてパッケージを幅方向に切断し、溶着層の縦断面(図4中、X−X位置での断面)をEPMAにより観察し、その組成像写真を用いて第1,第2金属間化合物層、ろう材層の面積を画像解析ソフトにより測定し、これらの合計面積(溶着層の全面積)に対する第1,第2金属間化合物層(両者を合わせて金属間化合物層)の面積の比率を求めた。なお、画像解析ソフトは、商品名Image-Pro(製造メーカ:MEDIA CYVERNETICS)を使用した。
また、溶着後のパッケージを、260℃にて30sec 保持するリフロー(再加熱)を行い、冷却して気密試験用試料とした。そして各試料について、下記の要領にて気密性を調べた。まず、試料を密閉容器へ入れ、0.1kPaに減圧後、Heガス0.5MPaにて2hr程度加圧して評価試料を得た後、Heディテクタにて試料から排出されるHeの測定を行った。測定結果が1×10-9Pa・m3/sec 以下ではパッケージ中にHeガスの侵入は無いと考えられるので、この値以下を合格とした。さらに、Heガス検出試験で合格とされた試料について、フロロカーボンに浸漬し、連続気泡の発生の有無を調べ、連続気泡が生じないものを最終的に合格(○)、連続気泡が生じたものを不合格(×)とした。これらの測定、観察結果を表1に併せて示す。
表1より、第1金属層、第2金属層をNiで形成した試料No. 1,2,7,8については、加熱後直ちに冷却(保持時間0秒)したNo. 1、7では金属間化合物層の面積比が低く、ろう材層が占める割合が高いため、リフロー後の気密性が劣化した。一方、第1金属層、第2金属層をNiで形成した場合でも、十分な保持時間を確保したものでは、金属間化合物が十分に形成されたため、良好な気密性が得られた。
これに対して、第1金属層、第2金属層をNi−10〜20mass%Co合金で形成した試料No. 3〜6,9〜12については、加熱温度で保持した場合は勿論、加熱後直ちに冷却したNo. 3,5,9,11でも金属間化合物層の面積比が高く、リフロー後の気密性も良好であった。この場合、ケースにAu層を形成したものでは、金属間化合物の生成がより促進されていることも確かめられた。
Figure 0004397738
実施形態にかかる電子部品用パッケージの断面模式図である。 電子部品用パッケージの溶着層の断面拡大図である。 蓋体を溶着する前のパッケージ組立体の断面模式図である。 電子部品用パッケージに用いるケースの平面図である。
符号の説明
1 ケース
5 第1Ni−Co合金層
8 蓋体
10 第2Ni−Co合金層
20 溶着層
5A 第1金属間化合物層
10A 第2金属間化合物層
12A ろう材層

Claims (7)

  1. 電子部品を収納する凹部を有するケースと、前記凹部を密閉するように前記ケースの凹部開口面の外周部に溶着層を介して溶着された蓋体とを備えた電子部品用パッケージであって、
    前記ケースは前記凹部開口面の外周部に積層され、Coを3.0〜20mass%含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなるNi−Co合金によって形成された第1Ni−Co合金層を有し、
    前記蓋体は基材層と、この基材層のケース側表面に積層され、前記Ni−Co合金によって形成された第2Ni−Co合金層を有し、
    前記溶着層はSnを主成分とするSn基ろう材によって形成されたろう材層と、このろう材層の両側に前記第1Ni−Co合金層及び第2Ni−Co合金層から拡散したNi及びCoが前記ろう材のSnと反応して形成された第1金属間化合物層および第2金属間化合物層とを有する、電子部品用パッケージ。
  2. 前記Sn基ろう材はPbを含有しない請求項1に記載した電子部品用パッケージ。
  3. 前記溶着層は平均厚さが10〜50μm である請求項1又は2に記載した電子部品用パッケージ。
  4. 電子部品を収納する凹部が形成されたケース本体の凹部開口面の外周部に、Coを3.0〜20mass%含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなるNi−Co合金によって形成された第1Ni−Co合金層が設けられ、その上に積層された溶着促進のための表面金属層とを有するケース、および基材層の一方の表面に、前記Ni−Co合金によって形成された第2Ni−Co合金層が積層形成された蓋体とを準備し、
    前記ケースの表面金属層の上にSnを主成分とするSn基ろう材によって形成されたろう材を介して第2Ni−Co合金層が当接するように蓋体を重ね合わせて加熱し、前記第1Ni−Co合金層及び第2Ni−Co合金層から前記ろう材側に拡散したNi及びCoと前記ろう材のSnとを反応させ、前記ろう材によって形成されたろう材層の両側に第1金属間化合物層および第2金属間化合物層を形成させつつ前記蓋体を前記ケースに溶着する、電子部品用パッケージの製造方法。
  5. 前記表面金属層がAuである請求項4に記載した製造方法。
  6. ろう材の融点より10〜30高い温度に加熱した後、冷却する請求項4又は5に記載した製造方法。
  7. 基材層と、Ni−Co合金層と、ろう材層とが同順序で接合され、前記ろう材層がSnを主成分とするSn基ろう材によって形成され、前記Ni−Co合金層がCoを3.0〜20mass%含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなるNi−Co合金によって形成された、電子部品用パッケージの蓋材。
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