JP2009190080A - 銅銀系ろう材および電子部品用パッケージの蓋用クラッド材 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子部品用パッケージのセラミックス製ケースを封止する蓋などに使用されるFe−Ni系金属材や銅系金属材に対して良好な接合性を備えた銅銀系ろう材および電子部品用パッケージの蓋用クラッド材を提供する。
【解決手段】本発明のろう材は、Cu−P合金で形成されたCu−P合金層3の片面又は両面にCu−Ag合金で形成されたCu−Ag層3が積層された積層構造を備える。前記Cu−P合金はP:2.0〜3.2%、残部Cuおよび不純物からなり、前記Cu−Ag合金はAg:40〜90%、残部Cuおよび不純物からなり、積層方向における平均組成がP:1.5〜3.0%、Ag:15.0〜35%、残部Cuおよび不純物からなる。ろう材は、積層構造に限らず、前記平均組成の単一材としてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、純銅や銅合金、さらにはFe−Ni系金属材をろう付けするのに適したろう材に関する。
半導体素子、圧電振動子などの種々の電子部品を収納するパッケージは、特開2000−3973号公報(特許文献1)や特開2000−164746号公報(特許文献2)に記載されているように、電子部品を収納するための凹部が上面に開口するように形成されたセラミックス製のケースと、前記凹部を密閉すべく前記ケースの開口部を封止するようにケースの開口部の外周壁端面にろう付けされた蓋とを備えている。
前記ケースは、アルミナや窒化アルミニウムなどのセラミックスを主材として形成され、一方、前記蓋は、セラミックスとできるだけ熱膨張差が生じないように熱膨張率の低いFe−Ni系金属材によって形成されている。前記ケースの開口部の外周端面に前記蓋をろう付けする際のろう材としては、特許文献2に記載されているように400℃程度以下の軟ろう(はんだ材)が使用される場合もあるが、軟ろう材によるろう付けでは接合強度が低いため、信頼性、耐久性に難がある。このため、自動車や航空機などに搭載される、高信頼性、高耐久性が求められる電子機器に使用される電子部品用パッケージでは、特許文献1に記載されているように、ろう付けに使用するろう材としては、融点の高い硬ろうとして主に銀ろうが用いられる。
一方、特開平7−88683号公報(特許文献3)や特開平10−193168号公報(特許文献4)には、銀ろうに比してAgの使用量を押さえた、純銅や銅合金などの銅系金属材を接合するための硬ろうとして、Cu−5〜8%P−1.5〜20%Ag合金、Cu−5〜7%P−6〜15%Ag合金(「%」は「質量%」を意味する。)が記載されている。また、特許文献4には前記Cu−P−Ag合金ろう材を銅系金属で形成された芯材に被覆したブレージングシートも記載されている。また、特開2003−136278号公報(特許文献5)には、加工性の良好なCu−2.0〜3.2%P合金が銅系金属材用ろう材として記載されている。
特開2000−3973号公報 特開2000−164746号公報 特開平7−88683号公報 特開平10−193168号公報 特開2003−136278号公報
近年、貴金属が高騰しており、またより一層のコストの低減が求められている。このため、発明者は、銅系金属材のみならず、電子部品用パッケージのケースとその蓋とのろう付けにおいても、高価で、ろう付けによる接合強度も過剰な銀ろうに代えて比較的安価な前記Cu−P−Ag合金ろう材を適用することができないかを検討した。
その結果、前記Cu−P−Ag合金ろう材を前記電子部品用パッケージの蓋のろう付けに用いると、接合性が劣化し、十分な接合強度が得られないことがわかった。本発明者がその原因を追及したところ、ろう材中のPと蓋を形成するFe−Ni系合金のFeやNiが反応して脆い金属間化合物が形成され、これが接合性を低下させることがわかった。同様に、P量を低減した前記特許文献5に記載のCu−P合金ろう材についても良好な接合性が得られなかった。
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、銅系金属材のみならず、電子部品用パッケージのセラミックス製ケースを封止する蓋などに使用されるFe−Ni系金属材に対しても良好な接合性を備えた銅銀系ろう材および電子部品用パッケージの蓋用クラッド材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記のCu−P−Ag合金ろう材が接合性を劣化させる原因に基づいて、接合性を劣化させない合金成分範囲を調査したところ、15.0%以上のAgの存在下で、P含有量を所定範囲内に押さえることにより接合性が向上し、実用レベルの接合強度が得られることを知見した。また、そのような組成のろう材は冷間加工性に劣るものの、特定組成のCu−P合金層とCu−Ag合金層とを積層させることにより、加工性を損なうことなく、ろう付けにより良好な接合性が得られることを知見した。本発明はかかる知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明のろう材は、質量%(以下、単に「%」と表記する。)でP:1.5〜3.0%、Ag:15.0〜35%、残部Cuおよび不純物からなる組成を有する銅銀系ろう材である。
前記銅銀系ろう材によると、P、Agが所定量に調整されているので、ろう付け対象が銅系金属材は勿論のこと、Fe−Ni系金属材の場合でも、Fe−P系、Ni−P系あるいはFe−Ni−P系の金属間化合物が生成し難く、生成してもごく微量に止まり、優れた接合強度を得ることができる。勿論、Agの使用量が銀ろうに比して少ないので、材料コストを低減することができ、経済的である。このため、本発明の銅銀系ろう材を用いて、電子部品用パッケージの封止用蓋をそのケースにろう付けすることにより、低コストで、優れた信頼性および耐久性を備えた電子部品用パッケージを提供することができる。
本発明の銅銀系ろう材としては、前記組成の単一材としてもよいが、Cu−P合金で形成されたCu−P合金層の片面又は両面にCu−Ag合金で形成されたCu−Ag層が積層された積層構造のろう材とすることが好ましい。この場合、前記Cu−P合金はP:2.0〜3.2%、残部Cuおよび不純物からなる組成とし、前記Cu−Ag合金はAg:40〜90%、残部Cuおよび不純物からなり、クラッドろう材の積層方向における平均組成がP:1.5〜3.0%、Ag:15.0〜35%、残部Cuおよび不純物からなる組成とするのがよい。
前記銅銀系ろう材(単一材)の組成の銅銀系合金は脆い材質であり、加工性に劣るため、ろう材の形態を使用要求の高い薄板状に加工することは困難であるが、上記積層構造のろう材とすることにより、各層を形成する合金の冷間加工性を活かすことができ、製造が容易になる。また、ろう材としても加工性に優れたものとなるため、種々の形態に容易に加工することができる。このため、生産性に優れた易加工性のろう材を提供することができる。
前記積層構造の銅銀系ろう材において、前記Cu−P合金はP:2.5〜3.2%、残部Cuおよび不純物から組成のものを用い、また前記Cu−Ag合金は質量%でAg:60〜80%、残部Cuおよび不純物からなる組成のものを用いることが好ましい。また、その全体の厚さは20〜150μm とすることが好ましい。
また、本発明の電子部品用パッケージの蓋用クラッド材は、芯材の片面にろう材層が接合されたクラッド材であって、前記芯材は30〜300℃における熱膨張率が4.0×10-6/℃から5.5×10-6/℃のFe−Ni系合金で形成され、前記ろう材層は、Cu−P合金で形成されたCu−P合金層の片面又は両面にCu−Ag合金で形成されたCu−Ag層が積層され、前記Cu−Ag層が前記芯材に接合された積層構造を備える。前記Cu−P合金がP:2.0〜3.2%、残部Cuおよび不純物からなり、前記Cu−Ag合金が質量%でAg:40〜90%、残部Cuおよび不純物からなり、積層方向における平均組成が質量%でP:1.5〜3.0%、Ag:15.0〜35%、残部Cuおよび不純物とされる。前記ろう材層の全体厚さは20〜150μm とすることが好ましい。
本発明の銅銀系ろう材によると、所定量に抑えたAgの下でPを1.5〜3.0%に調整するので、FeおよびNiとPとが反応し難くなり、脆い金属間化合物が形成され難くなる。このため、材料コストを低減しながら、銅系金属材やFe−Ni系金属材に対して優れたろう付け接合性が得られる。また、前記ろう材組成を所定のCu−P合金で形成されたCu−P合金層の片面又は両面に所定のCu−Ag合金で形成されたCu−Ag層を積層した積層構造とすることにより、銅系金属材やFe−Ni系金属材に対して優れた接合性を有しながら、加工性に優れ、しかも製造が容易で、生産性に優れたものとすることができる。
本発明の実施形態にかかる積層構造の銅銀系ろう材を図1を参照して説明する。このろう材1は、中間層を形成するCu−P合金層2の両面に、表層を形成するCu−Ag合金層3,3が接合された3層構造をなしている。前記Cu−Ag合金層3、3は前記Cu−P層2にそれぞれ圧接され、拡散接合されて、強固に接合されている。
前記Cu−P合金層2を形成するCu−P合金は、P:2.0〜3.2%、残部Cuおよび不純物からなる組成を有する。P量が2.0%未満では、融点が高くなり、ろう付けの際に、表層のCu−Ag合金層と共に相互に拡散溶融して一様な組成のろう材が生成し難くなり、接合性が低下する。一方3.2%を超えると冷間加工性が低下して、圧接による積層化が困難になる。このため、P量の下限を2.0%、上限を3.2%とする。好ましくは、下限を2.5%、上限を3.0%とするのがよい。
前記Cu−Ag合金層3を形成するCu−Ag合金は、Ag:40〜90%、残部Cuおよび不純物からなる組成を有する。Ag量が40%未満、90%超となると融点が高くなり過ぎ、ろう付けの際に前記Cu−P合金層との合金化が困難になり、接合性が低下する。このため、Ag量の上限を90%、下限を40%とする。好ましくは、下限を50%、上限を85%とするのがよい。冷間加工性については上記範囲で十分良好である。
さらに、ろう材1の積層方向における平均組成は、P:1.5〜3.0%、Ag:15.0〜35%、残部Cuおよび不純物とされる。この平均組成は、ろう付けの際に前記Cu−Ag合金層とCu−P合金層とが反応して一体的に溶融して形成されるろう材の組成であり、ろう付け部の組成となるものである。
平均組成におけるAgが15.0%未満では、融点が上昇してCu−P層との合金化が困難になり、ろう付け部の接合強度が低下する。一方、Agが35%を超えると融点は低下するものの、Ag使用量の増大により材料コストが増大し、経済性が低下する。このため、Ag量の下限を15.0%、上限を35%する。好ましくは、上限を30%、下限を16.0%とするのがよい。
また、Pが1.5%未満では、融点が高くなり過ぎ、ろう付けが困難になり、接合性が低下する。一方、Pが3.0%を超えると、所定量のAgが存在していてもろう材(ろう付け部)中に金属間化合物が生成するようになり、やはり接合性が低下するようになる。
前記ろう材1の全体の厚さは、通常、30〜150μm 程度に設定される。30μm 未満ではろう材が不足し、接合性が低下する。一方、150μm を超えると、ろう材が過多となるため、溶融したろう材がろう付け部の外側へ流れ出るようになり、ろう材が無駄であるだけでなく、ろう付け部が汚損される。前記クラッドろう材における各層の厚さは、厚さ方向の平均組成が、上記のとおり、P:1.5〜3.0%、Ag:15.0〜35%、残部Cuからなるように適宜設定すればよい。通常、芯になる中間のCu−P合金層を全厚さの60〜90%程度に設定すればよい。
上記実施形態のろう材1では、Cu−P合金層2の両面にCu−Ag合金層3,3を積層した3層構造のろう材としたが、図2に示すように、Cu−P合金層2の片面のみにCu−Ag合金層3を被覆した2層構造のろう材1Aとしてもよい。この2層ろう材1Aにおいても、全体の厚さは、3層構造のものと同様、30〜150μm 程度に設定するのがよい。
前記積層構造のろう材1,1Aは、典型的には以下の工程により製造される。先ず、前記Cu−P合金層2の素材となるCu−P合金シート材の両面(3層構造の場合)あるいは片面(2層構造の場合)に前記Cu−Ag合金層3の素材となるCu−Ag合金シート材を重ね合わせ、この重ね合わせた重合体を一対のロールに通して圧下率60〜70%程度で冷間圧延する。これによって各々のシートが相互に圧接された圧接積層体を得て、500〜600℃程度の温度で拡散焼鈍を行う。焼鈍後、必要に応じてさらに仕上圧延を施し、所望の板厚に調整する。仕上圧延後の各層の層厚は、圧延の圧下率をR(%)としたとき、ほぼ元の層厚の(1−R/100)倍に減厚される。
前記3層構造のクラッドろう材1を用いて電子部品用パッケージのセラミックス製ケースの開口部を封止するように蓋をろう付けするには、まず、前記ろう材1をプレスによる打ち抜き加工等により、前記セラミックス製ケースの開口部およびその外周壁端面を覆う平面形状のろう材片を製作する。このろう材片をケース開口部の外周壁端面と蓋との間に配置して組み立て、これを加熱炉や、抵抗加熱装置、レーザ加熱装置などの局部加熱装置によって前記ろう材片を真空あるいは不活性雰囲気中で加熱溶融し、ケースと蓋とをろう付けする。
2層構造のろう材1Aの場合、ろう付けの際に、ろう付け対象がFe−Ni系金属材の場合、Cu−P合金層2がFe−Ni系金属材に接触すると接触部にFe、NiとPが反応して金属間化合物が生成し、接合性が劣化するので、ろう付け対象側にCu−Ag合金層3が来るようにろう材を配置する。この点、3層構造のろう材1では、ろう材の表裏いずれも配置することができ、配置に制限がないので有利である。
ろう付けを加熱炉で行う場合、ろう材の固相線(650℃程度)より高い温度、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上の温度で数分ないし十数分程度保持するようにすればよい。ろう付け温度の上限は、液相線より低い温度であればよいが、加熱炉として通常の工業炉を用いる場合、許容加熱温度から950℃程度が上限となるであろう。
上記実施形態のクラッドろう材では、蓋のろう付けに際して、前記ろう材片をケース開口部の外周壁端面と蓋との間に配置する必要があるが、予め、低熱膨張率のFe−Ni系金属材の芯材(蓋本体)に前記クラッドろう材1,1Aと同様の積層構造のろう材層を備えたクラッド蓋を用いて電子部品用パッケージのケースにろう付けすることにより、ろう材片の配置作業が不要になり、ろう付け作業性が向上する。前記クラッド蓋は、その素材となる蓋用クラッド材からプレス等により所望平面形状に打ち抜き加工等により容易に製作することができる。また、前記蓋の材料としては、30〜300℃における熱膨張率が4.0×10-6/℃から5.5×10-6/℃程度のFe−20〜50%Ni系合金が好適であり、このようなFe−Ni系合金として、例えば、Fe−36〜50%Ni合金、Fe−20〜30%Ni−1〜20%Co合金を挙げることができる。また、蓋の厚さは0.1〜0.5mm程度でよい。
前記蓋用クラッド材は、図3に示すように、芯材4の片面にCu−Ag合金層3、Cu−P合金層2が同順で接合され、あるいは前記Cu−P合金層2にさらにCu−Ag合金層3が接合されたものである。このような蓋用クラッド材は、芯材4となる芯材シートに積層構造のろう材1あるいは1Aを圧接し、拡散接合した後、適宜、冷間圧延を施すことにより容易に製作することができる。前記積層構造のろう材を用いることなく、芯材シートにCu−Ag合金シート、Cu−P合金シートあるいはさらにCu−Ag合金シートを重ね合わせて圧接し、拡散焼鈍した後、冷間圧延を施して製造してもよい。いずれの場合も、積層構造のろう材と同様、蓋用クラッド材におけるろう材層の厚さが30〜150μm 程度となるように素材のシート厚さや圧接時の圧下率を調整する。
また、上記実施形態のろう材1,1Aは、単一材ではなく、積層材としたものであるが、ろう付け後のろう材組成であるP:1.5〜3.0%、Ag:15.0〜35%、残部Cuおよび不純物からなる組成を有する単一材としてもよい。もっとも、かかる組成のろう材は難加工性であるため、薄板状に圧延加工するには、固相線直下の温度で圧延と焼鈍を繰り返しながら減厚する必要がある。この点、上記積層構造のろう材では、冷間圧延によって容易に薄板状に加工することができるので、製造容易であり、生産性に優れる。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明の範囲は上記実施形態や以下の実施例により限定的に解釈されるものではない。
厚さが600μm のCu−2.7%P合金シートの片面あるいは両面に100μm以下の種々の厚さのCu−85%Ag合金シートを重ね合わせて、60%程度の圧下率で冷間圧延して各シートを圧接した。得られた圧接材を水素雰囲気下で550℃、1分間保持して拡散焼鈍した。その後、圧下率70%程度で仕上げ冷間圧延を行い、最終厚さが100μm の各種試料のろう材を製作した。このろう材の各層の厚さ比率、厚さ方向の平均組成を表1に示す。また、比較のため、従来のCu−4.8%P−14.9%Ag合金を溶製し、均熱処理、熱間圧延を行い、さらに焼鈍後、10%以下の冷間圧延と550℃での軟化焼鈍とを5〜6回繰り返して行い、厚さ100μm の単一組成のろう材を製作した。
次に、各試料のろう材から採取した約20mgの分析試料を用いて、10℃/min の昇温速度で示差熱分析(DTA)を行い固相線(融け始め温度)、液相線(融け終わり温度)を測定した。測定結果を表1に併せて示す。なお、各試料のろう材は、いずれも650℃付近で1分ないし1分半程度の間に基準物質(Al23)との温度差が急速に降下した後、速やかにほぼ元の温度差に復帰する現象が観察された。この現象から積層構造のろう材でもほぼ同時に全層が合金化することが確認され、温度差の降下発生時点の温度から固相線が決定された。
次に、Fe−42%Ni合金板(板厚1mm)および銅板(板厚1mm)から長さ40mm、幅12.5mmのろう付け試験片11,12を採取し、これらの試験片を用いてろう付け試験を以下の要領で行った。図4に示すように、試験片11,12の端部が長さ方向に10mm重なり合うようにして配置し、その間に前記各試料から切り取ったろう材片10が挟持されるようにして、Ar雰囲気中で850℃で10分間保持し、冷却凝固させた。この場合、2層構造の積層ろう材(試料No. 4)については、Cu−Ag層がFe−Ni合金板側となるように配置した。その後、試験片の両端を反対方向に1mm/min の速度で引っ張り、破断した際の最大点荷重を測定した。破断は全てろう付け部に生じた。そして測定荷重を接合面積(125mm2 )で除して単位面積当たりの接合力を求めた。計算結果を表1に併せて示す。
表1より、発明例の試料No. 1、2および4は、ろう付けの接合強度が実用上合格レベル(少なくとも1mm2 当たり、15N以上)にあり、実用上問題のない接合強度が得られている。一方、比較例のNo. 3では、平均組成におけるAg量が13.3%と過少であるため、1mm2 当たりの接合強度が8.5Nに止まり、接合強度の劣化が著しい。また、従来例の試料No. 5は製造が面倒な上、1mm2 当たりの接合強度も9.8Nに止まった。
Figure 2009190080
本発明の実施形態に係るクラッドろう材の断面模式図である。 本発明の実施形態に係るクラッドろう材の断面模式図である。 本発明に係る電子部品用パッケージの蓋用クラッド材の断面模式図である。 実施例におけるろう付け接合強度の測定要領図である。
符号の説明
1、1A 実施形態に係る積層構造の銅銀系ろう材
2 Cu−P合金層
3 Cu−Ag合金層
4 芯材

Claims (6)

  1. 組成が質量%でP:1.5〜3.0%、Ag:15.0〜35%、残部Cuおよび不純物からなる、銅銀系ろう材。
  2. Cu−P合金で形成されたCu−P合金層の片面又は両面にCu−Ag合金で形成されたCu−Ag層が積層されたろう材であって、
    前記Cu−P合金が質量%でP:2.0〜3.2%、残部Cuおよび不純物からなり、前記Cu−Ag合金が質量%でAg:40〜90%、残部Cuおよび不純物からなり、積層方向における平均組成が質量%でP:1.5〜3.0%、Ag:15.0〜35%、残部Cuおよび不純物とされた、銅銀系ろう材。
  3. 前記Cu−P合金が質量%でP:2.5〜3.2%、残部Cuおよび不純物からなり、前記Cu−Ag合金が質量%でAg:60〜80%、残部Cuおよび不純物からなる、請求項2に記載した銅銀系ろう材。
  4. 全体厚さが20〜150μm である、請求項2または3に記載した銅銀系ろう材。
  5. 芯材の片面にろう材層が接合されたクラッド材であって、
    前記芯材は30〜300℃における熱膨張率が4.0×10-6/℃から5.5×10-6/℃のFe−Ni系合金で形成され、
    前記ろう材層は、Cu−P合金で形成されたCu−P合金層の片面又は両面にCu−Ag合金で形成されたCu−Ag層が積層され、前記Cu−Ag層が前記芯材に接合された積層構造を備え、
    前記Cu−P合金が質量%でP:2.0〜3.2%、残部Cuおよび不純物からなり、前記Cu−Ag合金が質量%でAg:40〜90%、残部Cuおよび不純物からなり、積層方向における平均組成が質量%でP:1.5〜3.0%、Ag:15.0〜35%、残部Cuおよび不純物とされた、電子部品用パッケージの蓋用クラッド材。
  6. 前記ろう材層の全体厚さが20〜150μm である、請求項5に記載された電子部品用パッケージの蓋用クラッド材。
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