JP2001033705A - 心だし機構、心だしレボルバ及び顕微鏡 - Google Patents
心だし機構、心だしレボルバ及び顕微鏡Info
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Abstract
し機構、心だしレボルバ及び顕微鏡を提供する。 【解決手段】光学素子を含む又は取り付け可能な可動部
を、前記可動部を収納するスペースを有する固定部に対
して光軸とほぼ垂直な摺動面に沿って心だしする心だし
機構において、前記可動部の少なくとも1か所を付勢す
る付勢手段と、前記可動部の少なくとも2か所を前記摺
動面に沿って移動させる心だし調整部を有し、前記心だ
し調整部は、前記固定部に第1のピッチで係合する第1
のネジと、前記第1のネジに前記第1のピッチと異なる
第2のピッチで係合し、前記可動部を支える第2のネジ
と、前記固定部に取り付けられ、前記第2のネジの回転
を防止する回転防止手段とを有する。
Description
し機構に関し、特に、精度の高い心だし調整が可能な心
だし機構に関する。
の側面図である。偏光顕微鏡1は、アーム11が設けら
れた支柱10と、アーム11の上部に取り付けられた鏡
筒20と、鏡筒20の側面に取り付けられた接眼レンズ
30と、アーム11の下面に取り付けられ、心だし機構
を内蔵する心だしレボルバ40と、心だしレボルバ40
にネジ止めされる対物レンズ50と、支柱10に沿って
上下に移動可能なサブステージ61と、サブステージ6
1の上に設けられ、観察物を観察しながら回転可能な回
転ステージ60と、観察物等に対する照明光源を収納す
るランプハウス70とを有する。
が積置された回転ステージ60を回転しながら細胞組織
等の観察物を観察するので、回転ステージ60の回転中
心と対物レンズ50の光軸を一致させる必要がある。こ
れは、回転ステージ60の回転中心が対物レンズ50の
光軸と一致していないと、回転ステージ60の回転によ
り観察物が顕微鏡の視野の中心から移動してしまい、観
察しにくいからである。
ンズ50の光軸を調整する心だし機構が内蔵されてお
り、心だしレボルバ40の側面に設けられた心だしネジ
を調整し、対物レンズ50の光軸を回転ステージ60の
回転中心に合わせてから観察が行われる。
工業用顕微鏡においては、回転ステージ60は使用され
ず、心だしレボルバ40に倍率の異なる複数の対物レン
ズ50が装着される。そして、低倍率の対物レンズ50
で観察対象を特定し、次に高倍率の対物レンズ50に切
り替えて詳細な観察が行われる。従って、低倍率から高
倍率に切り替えたときに観察対象が顕微鏡の視野のほぼ
中央で拡大されるように、低倍率の対物レンズ50の光
軸と高倍率の対物レンズ50の光軸を一致させる必要が
ある。
あり、図9は、図8のC−C部分の断面図である。図8
に示すように、従来の心だし機構は、心だし機構を支え
る固定部210と、対物レンズ等の光学素子を取付可能
なネジ220aが形成された可動部220と、内部に圧
縮バネ231を収納し、可動部220の1カ所を弾性的
に支持する鉄砲玉230と、2つの心だしネジ240、
250とを有する。
と、可動部220は、図9に示す固定部210の摺動面
210aに沿って光軸Lに垂直な方向に移動し、ネジ2
20aに装着された対物レンズ等の光軸Lを移動させる
ことができる。
用される生物系の分野では、観察対象である標本の微細
化が進み、より高倍率の対物レンズで標本を観察する傾
向にある。偏光顕微鏡においては、回転ステージを回転
させながら標本の色の変化を観察するが、高倍率の対物
レンズの光軸と回転ステージの回転中心とが一致してい
ないと、回転ステージの回転により標本が偏光顕微鏡の
視野の外に出てしまい、円滑な観察ができなくなってし
まう。
倍の低倍率の対物レンズから150倍又は200倍の高
倍率の対物レンズに切り替えて観察を行う場合に、それ
ぞれの対物レンズの光軸が一致していないと、低倍率か
ら高倍率に切り替えたときに、観察対象が顕微鏡の視野
の外に出てしまい、観察対象を見失ってしまう。
て標本を撮影し、標本をビデオモニタの画面上で観察す
る場合も多くなってきた。この場合は、対物レンズの倍
率にビデオモニタの倍率をかけた総合倍率は更に高くな
り、より精度の高い心だし調整が要求される。例えば、
対物レンズの倍率が100倍で、ビデオモニタの倍率が
24倍とすると総合倍率は2400倍になり、ビデオモ
ニタの画面上の5mmの長さは、実際の標本の約0.0
02mmの長さに相当する。
持する心だし機構の場合、可動部は心だしネジの移動方
向である軸方向から、すこしずれた方向に移動するた
め、心だしネジの移動量と可動部の移動量は厳密には同
じ値にはならないが、ほぼ近い値になる。従って、従来
の心だし機構では、心だしネジの回転量に対する可動部
の移動量は、心だしネジのピッチによってほとんど決ま
る。
しネジの1回転(360°)は、移動量0.5mmに対
応する。従って、実際の標本をビデオモニタの画面上の
5mmに対応する0.002mm移動させるには、心だ
しネジを、 360°×0.002/0.5=1.4° 回転させなければならない。これは極めて小さな角度で
あるため、従来の心だし機構における心だし調整は非常
に難しい操作であった。
が、心だしネジを回転した瞬間に、心だしネジの軸方向
(光軸にほぼ垂直な摺動面方向)とは全く異なる方向に
動いてしまう点について説明する。図10は、図9の点
線部270の拡大図である。従来の心だし機構では、心
だしネジ250の先端にかしめられた鋼球251が、心
だしネジ250と共に回転しながら可動部220に接触
する。鋼球251と可動部220の切り欠き220eと
の接触点Pは、心だしネジ250の軸hからずれた位置
にあるため、接触点Pでは心だしネジ250の回転によ
る摩擦力が生じる。
と、摩擦力は、接触点Pにおいて可動部220を紙面の
裏方向に押すように働く。このため可動部220は、図
8に示すように、鉄砲玉230で支えられるV溝220
cを支点として、矢印260の方向に回転し、もう一方
の心だしネジ240のネジガタに相当する分だけ傾いて
しまう。
は、心だしネジ250の回転を開始する瞬間に、可動部
220が心だしネジ250の軸方向と全く異なる方向に
動いてしまい、観察物を高倍率で観察しながら微細な心
だしを行うことが極めて困難であった。
し調整を行うことができる心だし機構、心だしレボルバ
及び顕微鏡を提供することにある。
めに、本発明の一つの側面は、心だし機構にいわゆる差
動ネジを設けたことを特徴とする。従って、本発明によ
れば、心だしネジの回転量に対する可動部の移動量が、
差動ネジ機構により極めて小さく設定できるので、精度
の高い心だし調整を行うことができる。
の側面は、光学素子を含む又は取り付け可能な可動部
を、前記可動部を収納するスペースを有する固定部に対
して光軸とほぼ垂直な摺動面に沿って心だしする心だし
機構において、前記可動部の少なくとも1か所を付勢す
る付勢手段と、前記可動部の少なくとも2か所を前記摺
動面に沿って移動させる心だし調整部を有し、前記心だ
し調整部は、前記固定部に第1のピッチで係合する第1
のネジと、前記第1のネジに前記第1のピッチと異なる
第2のピッチで係合し、前記可動部を支える第2のネジ
と、前記固定部に取り付けられ、前記第2のネジの回転
を防止する回転防止手段とを有することを特徴とする。
定部に第1のピッチで係合する第1のネジと、第1のネ
ジに第1のピッチと異なる第2のピッチで係合し、可動
部を支える第2のネジとから構成されるいわゆる差動ネ
ジ機構を有するので、第1のネジの回転量に対する第2
のネジの移動量を大幅に小さくすることができる。
止手段が設けられているので、第2のネジと可動部との
接触部で回転による摩擦力が発生せず、可動部を第2の
ネジの移動方向(光軸にほぼ垂直な摺動面方向)とほぼ
同じ方向に移動させることができる。従って、高倍率の
顕微鏡において、心だし調整を精度よくかつ容易に行う
ことができる。
態様は、複数の対物レンズを装着可能な回転部と、前記
複数の対物レンズの少なくとも1つの対物レンズの光軸
を調整する心だし機構とを有する心だしレボルバ又は顕
微鏡において、前記心だし機構は、請求項1又は2に記
載の心だし機構であることを特徴とする。
装着可能な心だしレボルバ又は顕微鏡において、複数の
対物レンズの心だし調整を精度よくかつ容易に行うこと
ができる。
施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形
態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
の正面図であり、図2は、図1のA−A部分の断面図で
ある。また、図3は、本発明の実施の形態の心だし機構
の部分拡大図であり、図4は、図3のB−B部分の断面
図である。
ように、心だし機構を支える固定部110と、対物レン
ズ等の光学素子を取付可能な可動部120と、内部に圧
縮バネ131等の弾性体を収納し、可動部120の1カ
所を弾性的に支持する鉄砲玉130と、支持部材140
と筒状ネジ142等で構成される左側の心だし調整部
と、支持部材150と筒状ネジ152等で構成される右
側の心だし調整部とを有する。
軸を光軸Lに一致させた光路110aと、可動部120
を収容する中空スペース110bと、可動部120と接
触する摺動部110cと、鉄砲玉130を移動可能に保
持する穴110dと、図1に示すように、筒状ネジ14
2、152と螺合する雌ネジ110e、110fとを有
する。
レンズ等の光学素子を取り付けるためのネジ120a
と、固定部110と接触する摺動面120bと、鉄砲玉
130と係合するV溝120cと、図1に示すように、
支持部材140、150と接触する切り欠き120d、
120eとを有する。
0、150が可動部120に圧力を加えるとき、可動部
120の摺動面120bが、固定部110の摺動面11
0cに押しつけられるように、V溝120c及び切り欠
き120d、120eは、光軸Lに対して傾いて形成さ
れる。このため可動部120は、心だし調整時に固定部
110の摺動面110cに沿って移動し、スムーズな心
だし調整を行うことができる。
0の穴110dに嵌合し、光軸Lと垂直に移動可能に保
持される。また、鉄砲玉130には、圧縮バネ131等
の弾性体が内蔵され、その先端部130aが可動部12
0のV溝120cに圧力を加えている。
心だし調整部について説明する。本実施の形態の心だし
調整部は、図3に示すように、六角穴付きボルト153
がねじ止め固定された第1のネジである筒状ネジ152
と、筒状ネジ152の内径部の雌ネジに螺合し、先端に
鋼球151が固定された第2のネジである支持部材15
0と、固定部110にビス155a、155bで固定さ
れ、支持部材150の回転を防止する曲げ板154とを
有する。
部に第1のピッチの雄ネジを有すると共に、内径部に第
1のピッチより小さい第2のピッチの雌ネジを有し、外
径部の雄ネジは固定部110に形成された雌ネジ110
fと螺合している。ここでは、例えば、外径部の第1の
ピッチを0.5mmとし、内径部の第2のピッチを0.
4mmとする。
152の内径部の雌ネジは、可動部120側において第
2のネジである支持部材150と螺合し、その反対側に
おいて六角穴付ボルト153と螺合している。六角穴付
ボルト153は、筒状ネジ152にネジ止め後、接着等
により筒状ネジ152に固定されるので、六角穴付ボル
ト153をドライバ等で回転すると、筒状ネジ152も
共に回転する。支持部材150の先端には、鋼球151
がかしめられており、図1に示したように、可動部12
0の切り欠き120eに接触し、可動部120を支持し
ている。
図である図4に示すように、第2のネジである支持部材
150の先端部には、円筒状の支持部材150の両側面
を互いに平行に切り欠いた切り欠き150a、150b
が形成されている。また、固定部110には、曲げ板1
54がビス155a、155bによりねじ止めされ、そ
の曲げ部分154a、154bが支持部材150の切り
欠き150a、150bに係合される。従って、支持部
材150は、筒状ネジ152の回転により支持部材15
0の軸方向には移動できるが、支持部材150自体が軸
回りに回転することはない。この切り欠き150a、1
50b及び曲げ部分154a、154bにより回転防止
手段が構成される。なお、もう一方の心だし調整部であ
る筒状ネジ142、支持部材140等の構造も同様であ
る。
ついて説明する。六角穴付ボルト153をドライバ等に
より右回転させると、第1のネジである筒状ネジ152
は六角穴付ボルト153と一体になって回転し、固定部
110と螺同する外径部の第1のピッチに従って光軸L
に近づく方向に進む。第1のピッチは0.5であるの
で、第1のネジである筒状ネジ152は、ドライバ1回
転で0.5mm、光軸Lの方向に近づく。
曲げ板154によって係止されているため回転しない
が、第1のネジである筒状ネジ152が右回転すると、
いわゆる差動ネジ機構により、第1のネジである筒状ネ
ジ152を基準とすると、上記と逆方向、即ち光軸Lと
反対の方向に進む。
の第2のピッチは0.4であるので、ドライバ1回転で
光軸Lと反対の方向に0.4mm進む。従って、第2の
ネジである支持部材150は、ドライバ1回転で両者の
差の距離、即ち0.5−0.4=0.1mmだけ光軸L
に近づくことになる。もう一方の心だし調整部の動作も
同様である。
により弾性的に支持されると共に、支持部材140、1
50により支持されるので、支持部材140、150を
移動させて可動部120を光軸Lと垂直方向に移動さ
せ、可動部120に取り付けられた対物レンズ等の心だ
しを行うことができる。
ば、いわゆる差動ネジ機構により、第1のネジである筒
状ネジ142、152の回転量に対して、第2のネジで
ある支持部材140、150の移動量を極めて小さくで
きるため、対物レンズ等の心だしを容易にかつ精度よく
行うことができる。
150は、回転防止手段により回転しないため、第2の
ネジである支持部材140、150の先端の鋼球14
1、151と可動部120の間に摩擦力は生じない。従
って、本実施の形態の心だし調整において、ドライバ等
を回した瞬間に可動部120が支持部材140、150
の軸方向から大きくずれた方向に動くことはなく、対物
レンズ等の心だしを容易にかつ精度よく行うことができ
る。
レボルバの断面図であり、図6は、一部に断面図を含む
図5のD矢視図である。図5に示すように、本実施の形
態の心だしレボルバ300は、顕微鏡のアームに固定さ
れる固定部310と、この固定部310に対して回転可
能であると共に、複数の対物レンズ50を装着可能な回
転部320とを有する。
330により固定部310に取り付けられ、固定軸33
0の円周及び回転部320の円周に設けられたベアリン
グボール321、322により、固定部310に回転可
能に保持される。また、回転部320には、図1乃至図
4で説明した心だし機構を収めるための複数のスペース
320aと、位置決め溝320bが形成される。
に鋼球312がスポット溶接された板バネ311が取り
付けられる。この鋼球312が上記の位置決め溝320
bに落ち込むことにより、回転部320の位置決めが行
われる。これにより、回転部320に取り付けられた対
物レンズ50を光軸L上に位置決めすることができる。
は、手動又は電動により回転部320を回転させること
により、対物レンズ50を順次切り換えることができ
る。また、回転部320に設けられる心だし機構によ
り、それぞれの対物レンズ50の光軸Lを回転ステージ
の回転中心に精度良く合わせることができると共に、そ
れぞれの対物レンズ50相互の心だし調整を容易に行う
ことができる。
形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明と
その均等物に及ぶものである。
は、固定部に第1のピッチで係合する第1のネジと、第
1のネジに第1のピッチと異なる第2のピッチで係合
し、可動部を支える第2のネジとから構成されるいわゆ
る差動ネジ機構を有するので、第1のネジの回転量に対
する第2のネジの移動量を大幅に小さくすることができ
る。
止手段が設けられているので、第2のネジと可動部との
接触部で回転による摩擦力が発生せず、可動部を第2の
ネジの移動方向とほぼ同じ方向に移動させることができ
る。従って、高倍率の顕微鏡において、心だし調整を精
度よくかつ容易に行うことができる。
る。
図である。
る。
図である。
である。
図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】光学素子を含む又は取り付け可能な可動部
を、前記可動部を収納するスペースを有する固定部に対
して光軸とほぼ垂直な摺動面に沿って心だしする心だし
機構において、 前記可動部の少なくとも1か所を付勢する付勢手段と、 前記可動部の少なくとも2か所を前記摺動面に沿って移
動させる心だし調整部を有し、 前記心だし調整部は、前記固定部に第1のピッチで係合
する第1のネジと、 前記第1のネジに前記第1のピッチと異なる第2のピッ
チで係合し、前記可動部を支える第2のネジと、前記固
定部に取り付けられ、前記第2のネジの回転を防止する
回転防止手段とを有することを特徴とする心だし機構。 - 【請求項2】請求項1において、 前記第1のネジは、外径部に前記固定部の雌ネジに係合
する雄ネジを備え、内径部に前記第2のネジに係合する
雌ネジを備えた筒状のネジであることを特徴とする心だ
し機構。 - 【請求項3】複数の対物レンズを装着可能な回転部と、
前記複数の対物レンズの少なくとも1つの対物レンズの
光軸を調整する心だし機構とを有する心だしレボルバに
おいて、 前記心だし機構は、請求項1又は2に記載の心だし機構
であることを特徴とする心だしレボルバ。 - 【請求項4】請求項1又は2に記載の心だし機構、又は
請求項3に記載の心だしレボルバを備えたことを特徴と
する顕微鏡。
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