JP2001031887A - 高熱伝導性粉末およびその製造方法 - Google Patents

高熱伝導性粉末およびその製造方法

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JP2001031887A
JP2001031887A JP11206711A JP20671199A JP2001031887A JP 2001031887 A JP2001031887 A JP 2001031887A JP 11206711 A JP11206711 A JP 11206711A JP 20671199 A JP20671199 A JP 20671199A JP 2001031887 A JP2001031887 A JP 2001031887A
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oxide
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JP11206711A
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Takenobu Sakai
酒井  武信
Takashi Kamo
尚 加茂
Atsushi Shirasawa
淳 白沢
Katsumi Kondo
克巳 近藤
San Abe
賛 安部
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Toyota Motor Corp
Admatechs Co Ltd
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Toyota Motor Corp
Admatechs Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高充填率と高熱伝導性を兼備した充填材用の
高熱伝導性粉末およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 金属の酸化物の球状微粒子の表面に該金
属の酸化物よりも熱伝導率が高い皮膜を設けた構造の粉
末粒子から成る高熱伝導性粉末。金属の酸化物から成る
球状微粒子を窒化することにより、該球状微粒子の表面
に該金属の窒化物から成る皮膜を形成する高熱伝導性粉
末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体封止用樹脂
等の充填材に適した高熱伝導性粉末およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】高速LSI、CPU、パワートランジス
タ、パワーIC等の半導体デバイスは、高集積化、高速
化に伴い発熱量が増大しており、パッケージとしての高
い放熱性を確保するためにセラミックスパッケージまた
は高熱伝導性樹脂パッケージを用いて封止されている。
【0003】セラミックスパッケージは材質本来の特性
として熱伝導性、耐熱性、封止性、強度が高いが、材料
自体が比較的高価であり、量産性も低いという欠点があ
る。一方、樹脂パッケージは特性的にはセラミックスに
及ばないものの、安価で量産性が高いため、特に発熱量
が数W程度と比較的低い半導体デバイスの封止用として
注目されている。
【0004】高熱伝導性樹脂としては、これまで主とし
てエポキシ樹脂が用いられてきたが、パッケージの小型
化の進行に伴い、更に高い熱伝導性が求められている。
これに応えるため、高熱伝導性および低熱膨張率のアル
ミナ(Al2 3 )粉末を充填材として樹脂に添加する
ことが提案されている。その際、十分な熱伝導性を得る
にはアルミナの充填率をかなり高くする必要があるが、
アルミナ粉末は流動性が低いため高充填化に限界があっ
た。これに対して、アルミナよりも高い熱伝導率を有す
る窒化アルミニウム(AlN)が充填材として検討され
ているが、窒化アルミニウムは耐湿性が低く劣化し易い
ため粒子表面を耐湿皮膜で被覆することが提案されてい
る。例えば、特開平7−315813号公報には、窒化
アルミニウムの表面を酸化珪素と有機珪素化合物で二重
に被覆することが提案されている。しかし、窒化アルミ
ニウムの製造は、アルミナ還元窒化法や金属アルミニウ
ムの直接窒化法等により行う必要があり、製造プロセス
が複雑であり高価である。更に、高熱伝導性セラミック
スとしては、窒化アルミニウム(AlN)の他にも、窒
化珪素(Si3 4 )、炭化珪素(SiC)等が検討さ
れているが、いずれも粒径が小さ過ぎて粉末の凝集が起
き易く、粒子形状が一般に角張っているために、充填率
が低く、成形金型の摩耗が生じ易い、等の問題があっ
た。
【0005】一方、近年、アルミナ(Al2 3 )、酸
化珪素(SiO2 )等の球状酸化物粒子が開発されてお
り、球状であることにより充填率は約10%向上するも
のの、材質自体の熱伝導率が低いためパッケージとして
の熱伝導率の向上に限界があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高充填率と
高熱伝導性を兼備した充填材用の高熱伝導性粉末および
その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の高熱伝導性粉末は、金属の酸化物の球状
微粒子の表面に該金属の酸化物よりも熱伝導率が高い皮
膜を設けた構造の粉末粒子から成ることを特徴とする。
本発明の高熱伝導性粉末の典型的な態様においては、上
記皮膜は金属窒化物からなる。この態様の高熱伝導性粉
末の製造方法は、金属の酸化物から成る球状微粒子を窒
化することにより、該球状微粒子の表面に該金属の窒化
物から成る皮膜を形成することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の高熱伝導性粉末は、金属
の酸化物から成る球状微粒子の表面に該酸化物よりも熱
伝導率が高い皮膜を設けた構造の粉末粒子から成ること
により、粉末粒子が酸化物の球状微粒子の外形を受け継
いだ球状であるため充填性が高く、かつ高い熱伝導率の
皮膜により粉末としての熱伝導率が高い。
【0009】すなわち本発明の粉末は、図1に模式的に
示すように、球状の粉末粒子同士が密着して高密度で充
填されるので高い充填率が得られ、同時に、粉末粒子表
面の皮膜が密着して連続した熱伝導経路が形成されるの
で高い熱伝導性が得られる。本発明の典型的な態様にお
いては、上記皮膜が上記金属の窒化物から成る。典型的
には、上記金属の酸化物が、B2 3 、Al2 3 、S
iO2 、MgOおよびTiO2 から成る群から選択され
た1種以上から成る。
【0010】望ましい一態様においては、上記金属の酸
化物がAl2 3 であり、上記皮膜がAlNから成る。
望ましい他の態様においては、上記金属の酸化物がSi
2 であり、上記皮膜がSi3 4 から成る。上記複合
粒子の半径rに対する上記皮膜の厚さtの比(膜厚/粒
径比t/r)が0.05〜0.6であることが望まし
い。膜厚/粒径比t/rを0.05以上とすることによ
り皮膜の高熱伝導性による粉末の熱伝導率(粉末熱伝導
率)あるいは充填材として粉末を添加した樹脂の熱伝導
率(樹脂熱伝導率)の向上が顕著になる。膜厚/粒径比
t/rが0.6を超えると、粉末熱伝導率あるいは樹脂
熱伝導性率更に向上することはなく、厚い皮膜形成のた
めの処理に長時間を要したり、後述する還元剤あるいは
還元性ガスによる特別な処理を要したりするだけであ
る。
【0011】上記望ましい範囲の膜厚/粒径比t/rと
することにより、粉末熱伝導率あるいは樹脂熱伝導率を
上記皮膜の熱伝導率と実質的に等しくすることができ
る。上記球状微粒子の粒径が0.1〜50μmであるこ
とが、充填率を確保するために望ましい。粒径がこの範
囲より小さいと粉末粒子同士が凝集して充填率が低下
し、逆にこの範囲より大きいと粒子間の空隙率が高くな
り充填率が低下する。
【0012】本発明の高熱伝導性粉末の製造方法の望ま
しい態様においては、Al2 3 またはSiO2 から成
る球状微粒子を窒化することにより、該球状微粒子の表
面にAlNまたはSi3 4 から成る皮膜を形成する。
このように金属酸化物粒子の表面を窒化する本発明の方
法は、粒子の体積全体を100%窒化する方法に比べ
て、極めて簡便に行える。この表面窒化処理は例えば下
記の方法により行うことができる。
【0013】1)窒化物粒子の焼結温度(絶対温度K)
の約80%の温度において、数時間の窒素雰囲気処理を
行う。その際、窒素雰囲気は常圧でもよいが、加圧雰囲
気の方が処理時間を短縮できて有利である。 2)上記1)の窒化処理に先立ち500〜900℃で真
空処理することにより、窒化の進行が促進される。
【0014】3)窒化を促進するために、還元剤粉末や
還元性ガスを用いることもできる。ただし、還元剤粉末
(C粉末等)を添加する場合には、最終的な窒化処理粒
子中に残留すると導電性を発現するので好ましくないた
め、添加した還元剤粉末を完全に除去する処理が必要に
なる。また、還元性ガス(H2 ガス等)を用いる場合に
は、着火による火災や爆発を防止するように設備、操業
および保守の上で細心の注意を払う必要がある。
【0015】
【実施例】〔実施例1〕球状アルミナ(Al2 3 )粒
子として(株)アドマテックス製の球状アルミナアドマ
ファインAO−509(商品名。平均粒径10μm)を
用い、下記手順により窒化処理を行い粒子表面に種々の
厚さの窒化物(AlN)皮膜を形成した。
【0016】すなわち、上記アルミナ(Al2 3 )粉
末500gをAl2 3 製坩堝に入れ、窒素雰囲気での
加圧ができる焼成炉内で窒化処理を行った。昇温および
雰囲気は以下のようにした。まず、焼成炉内を真空(1
-6Torr)に維持した状態で、昇温速度10℃/分にて
室温から700℃まで昇温し、700℃で10時間保持
した。その後、窒素ガスを流量20L/分にて炉内に導
入し、大気圧に到達した後、排気弁を開放して一定の窒
素ガスフローに維持し、この状態で昇温速度10℃/分
にて1500℃まで昇温し、1500℃で10時間保持
した後、10℃/分にて室温まで降温した。
【0017】上記窒化処理済の粉末をX線回折した結
果、図2に示すようにAl2 3 と少量のAlNが検出
された。また、粒子半径rに対する窒化皮膜厚さtの比
t/r(窒化率)を測定したところ0.2であった。具
体的には、同じ粉末からの酸素と窒素の離脱量をON計
により測定し、得られた酸素と窒素の重量比からAl2
3 とAlNとの体積比を求め、これを粒子半径rに対
する窒化皮膜厚さtの比t/rに換算した値を窒化率と
した。
【0018】上記の処理において1500℃での保持時
間(窒化処理時間)を変えることにより、窒化率t/r
を種々に変えた。これにより得られた窒化処理時間と窒
化率との関係を、図3に「Al2 3 、N2 フロー」と
付記した曲線で示す。このように窒化処理時間を変える
ことにより、窒化率0(窒化処理なし)から窒化率0.
6までのサンプルが得られた。
【0019】ここで、上記の処理において、焼成炉の排
気弁を閉じて、窒素雰囲気での加圧を行うことにより、
窒化率を高めることができる。また、Al2 3 粉末に
少量の炭素粉末を添加した混合粉末を用いることによっ
ても、窒化率を高めることができる。図3において、
「Al2 3 、N2 −9気圧」と付記した曲線は9気圧
に加圧した窒素雰囲気中で処理した場合、「Al2 3
+C、N2 −9気圧」を付記した曲線はAl2 3 粉末
に還元剤として5重量%の炭素粉末を添加し且つ9気圧
に加圧した窒素雰囲気中で処理した場合について、それ
ぞれ窒化処理時間と窒化率との関係を示したものであ
る。本実施例においては、比較のために、Al2 3
末に炭素粉末を5重量%添加した粉末を用い、かつ焼成
炉の排気弁を閉じて9気圧に加圧した窒素雰囲気中で加
圧処理することにより、窒化率0.8および1のサンプ
ルを得た。これら高窒化率のサンプルは、熱伝導率に及
ぼす窒化率の影響を示すために作成した比較サンプルで
あり、本発明においてはこのような高窒化率は必要とし
ない。
【0020】上記の各処理により得られた各窒化率の窒
化処理粉末80重量%とエポキシ樹脂20重量%とを遊
星型の混練器により温度80℃で混練した。得られた混
合粉末を金型プレス内で加圧成形し、直径25mm、厚
さ2mmのペレットを作成した。このようにして種々の
窒化率のAlN被覆Al2 3 粒子を充填率80重量%
で充填したエポキシ樹脂ペレットが得られた。各ペレッ
トについて、レーザーフラッシュ法により熱伝導率を測
定した。
【0021】図4に、粒子の窒化率と樹脂ペレットの熱
伝導率との関係を示す。図示したように、窒化率(=窒
化皮膜厚さtと粒子半径rとの比=t/r比)が0.0
5以上になると、粒子充填樹脂の熱伝導率(樹脂熱伝導
率)が顕著に向上することが分かる。これは、窒化率を
0.05以上とすると、Al2 3 より高熱伝導率のA
lN皮膜の存在によりAlN被覆Al2 3 粉末として
の熱伝導率が顕著に向上し、それによりこの粉末を充填
材として添加した樹脂の熱伝導率(樹脂熱伝導率)が顕
著に向上したものである。特に窒化率を0.1以上とす
ることにより、個々の粉末粒子の体積全体を皮膜と同一
の組成(AlN)とした場合と同等の樹脂熱伝導率が得
られる。更に、窒化率を0.2まで高めると、皮膜組成
と同等の樹脂熱伝導率が安定して得られる。しかし、窒
化率を0.2を超えて更に高めても樹脂熱伝導率の実質
的な向上はない。特に窒化率が0.6を超えると、表面
皮膜形成のための処理時間(本実施例では窒化処理時
間)が長時間になる上、還元剤の使用に伴い前述のよう
な不利が生ずるだけで、に熱伝導率向上には寄与しな
い。したがって、窒化率(=窒化皮膜厚さtと粒子半径
rとの比=t/r)は0.05〜0.6の範囲内とする
ことが適当である。
【0022】ここで、図4に示したように窒化率が比較
的低い値0.05以上で樹脂熱伝導率の上昇が飽和し、
それ以降は窒化率に依存せず一定値を示すことは、熱伝
導が粉末粒子の表面近傍の特性(皮膜の特性)に強く依
存していることを表している。すなわち、前出の図1に
示したように、球状の粉末粒子同士が密着して高密度
(80重量%)で充填されているので、粉末粒子表面の
高熱伝導率AlN皮膜同士が密着して連続した熱伝導経
路が形成されるため、樹脂熱伝導率として高い値が得ら
れる。
【0023】〔実施例2〕球状シリカ(SiO2 )粒子
として(株)アドマテックス製の球状シリカアドマファ
インSO−C5(商品名。平均粒径10μm)を用い、
窒化処理温度を1300℃とした以外は実施例1と同様
の手順で窒化処理、粒子表面に種々の厚さの窒化物(S
3 4 )皮膜を形成した。実施例1と同じく、大気圧
下で窒素ガスフロー中で窒化処理を行って窒化率0〜
0.6のサンプルを作成し、上記球状シリカ粉末に5重
量%の炭素粉末を添加した混合粉末を用い且つ9気圧に
加圧した窒素雰囲気中で窒化処理を行って窒化率0.8
および1のサンプルを得た。
【0024】各窒化処理により得られたSi3 4 被覆
SiO2 粉末を用いて、実施例1と同様の条件および手
順で同樹脂を充填(充填率80重量%)および成形した
エポキシ樹脂ペレットを作成し、実施例1と同様に熱伝
導率を測定した。図5に、粒子の窒化率と樹脂ペレット
の熱伝導率との関係を示す。図示したように、窒化率と
樹脂熱伝導率との関係は実施例1の場合とほぼ同様であ
り、窒化率(=窒化皮膜厚さtと粒子半径rとの比=t
/r比)が0.05以上になると、粒子充填樹脂の熱伝
導率(樹脂熱伝導率)が顕著に向上する。これは、窒化
率を0.05以上とすると、SiO2 より高熱伝導率の
Si3 4 皮膜の存在によりSi3 4 被覆SiO2
末としての熱伝導率が顕著に向上し、それによりこの粉
末を充填材として添加した樹脂の熱伝導率(樹脂熱伝導
率)が顕著に向上したものである。特に窒化率を0.1
以上とすることにより、個々の粉末粒子の体積全体を皮
膜と同一の組成(Si3 4 )とした場合と同等の樹脂
熱伝導率が得られる。更に、窒化率を0.2まで高める
と、皮膜組成と同等の樹脂熱伝導率が安定して得られ
る。しかし、窒化率を0.2を超えて更に高めても樹脂
熱伝導率の実質的な向上はない。特に窒化率が0.6を
超えると、表面皮膜形成のための処理時間(本実施例で
は窒化処理時間)が長時間になる上、還元剤の使用に伴
い前述のような不利が生ずるだけで、に熱伝導率向上に
は寄与しない。したがって、窒化率(=窒化皮膜厚さt
と粒子半径rとの比=t/r)は0.05〜0.6の範
囲内とすることが適当である。
【0025】ここで、図5の場合についても、窒化率が
比較的低い値0.05以上で樹脂熱伝導率の上昇が飽和
し、それ以降は窒化率に依存せず一定値を示すことは、
熱伝導が粉末粒子の表面近傍の特性(皮膜の特性)に強
く依存していることを表している。すなわち、前出の図
1に示したように、球状の粉末粒子同士が密着して高密
度(80重量%)で充填されているので、粉末粒子表面
の高熱伝導率Si3 4 皮膜同士が密着して連続した熱
伝導経路が形成されるため、樹脂熱伝導率として高い値
が得られる。
【0026】本発明の窒化処理は、常圧の窒素雰囲気中
で行うことができるし、加圧窒素雰囲気中で行うことも
できる。常圧での処理は、加圧のための設備を必要とし
ないので、簡便な処理が可能になる。加圧下での窒化処
理は、粉末還元剤や還元性ガスを用いずに窒化の進行を
促進できるので、還元剤の残留や還元性ガスの危険性の
問題が生ずることがないことが利点である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高充填率と高熱伝導性を兼備した充填材用の高熱伝導性
粉末およびその製造方法が提供される。また、本発明に
おいては、粉末粒子の表層のみが窒化物のような高熱伝
導性で形成されていればよいので、従来の酸化物粒子の
還元窒化のために用いられていた還元剤の添加や還元性
ガスによる処理を必要としないため、製造設備の簡略
化、処理条件の単純化、処理時間の短縮が可能であり、
かつ不純物としての還元剤の残留が無いので封止材料と
して優れた絶縁性および防湿性が確保できる。
【0028】更に、本発明の高熱伝導性粉末は、球状微
粒子としての酸化物の表面を窒化して形成されるので、
粉末粒子が実質的に球状であるため、高い充填率が得ら
れると同時に、成形用の金型の摩耗も大幅に低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の高熱伝導性粉末の粒子表面に
ある高熱伝導率の皮膜により連続した熱伝導経路が形成
される状況を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、本発明により球状アルミナ(Al2
3 )粉末を窒化したサンプルのX線回折結果を示すチャ
ートである。
【図3】図3は、球状アルミナ(Al2 3 )粉末を種
々の条件で窒化処理した際の窒化処理時間と窒化率との
関係を示すグラフである。
【図4】図4は、球状アルミナ(Al2 3 )粉末の窒
化率と、この粉末を80重量%の充填率で充填して成形
したエポキシ樹脂ペレットの熱伝導率との関係を示すグ
ラフである。
【図5】図5は、球状シリカ(SiO2 )粉末の窒化率
と、この粉末を80重量%の充填率で充填して生成した
エポキシ樹脂ペレットの熱伝導率との関係を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01F 5/02 C01F 5/02 4J037 7/02 7/02 D 4M109 C08K 9/02 C08K 9/02 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 加茂 尚 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 白沢 淳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 近藤 克巳 東京都新宿区西新宿1丁目22番2号 株式 会社アドマテックス内 (72)発明者 安部 賛 東京都新宿区西新宿1丁目22番2号 株式 会社アドマテックス内 Fターム(参考) 4G042 DA01 DC03 DD02 4G072 AA41 BB05 BB09 DD03 DD04 DD05 FF04 GG01 GG03 HH14 MM01 QQ06 TT01 UU30 4G075 AA27 AA30 AA62 BA02 BA06 BD14 CA02 CA57 FC11 FC20 4G076 AA02 AB02 AC08 BF01 BF02 BF05 CA02 DA20 4J002 AA001 DE076 DE136 DE146 DJ016 DK006 FB146 FD016 GQ05 4J037 AA08 AA09 AA18 AA22 AA25 CA18 CA23 DD05 EE03 EE11 FF13 4M109 AA01 BA01 CA21 EB12 EB16 EB17 EC06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の酸化物から成る球状微粒子の表面
    に該酸化物よりも熱伝導率が高い皮膜を設けた構造の粉
    末粒子から成ることを特徴とする高熱伝導性粉末。
  2. 【請求項2】 上記皮膜が上記金属の窒化物から成るこ
    とを特徴とする請求項1記載の高熱伝導性粉末。
  3. 【請求項3】 上記金属の酸化物が、B2 3 、Al2
    3 、SiO2 、MgOおよびTiO2 から成る群から
    選択された1種以上から成ることを特徴とする請求項1
    または2記載の高熱伝導性粉末。
  4. 【請求項4】 上記金属の酸化物がAl2 3 であり、
    上記皮膜がAlNから成ることを特徴とする請求項1か
    ら3までのいずれか1項記載の高熱伝導性粉末。
  5. 【請求項5】 上記金属の酸化物がSiO2 であり、上
    記皮膜がSi3 4から成ることを特徴とする請求項1
    から3までのいずれか1項記載の高熱伝導性粉末。
  6. 【請求項6】 上記粉末粒子の半径に対する上記皮膜の
    厚さの比が0.05〜0.6であることを特徴とする請
    求項1から5までのいずれか1項記載の高熱伝導性粉
    末。
  7. 【請求項7】 熱伝導率が上記皮膜の熱伝導率と実質的
    に等しいことを特徴とする請求項1から6までのいずれ
    か1項記載の高熱伝導性粉末。
  8. 【請求項8】 上記球状微粒子の粒径が0.1〜50μ
    mであることを特徴とする請求項1から7までのいずれ
    か1項記載の高熱伝導性粉末。
  9. 【請求項9】 金属の酸化物から成る球状微粒子を窒化
    することにより、該球状微粒子の表面に該金属の窒化物
    から成る皮膜を形成することを特徴とする高熱伝導性粉
    末の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記金属がAlであり、上記皮膜がA
    lNから成ることを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 上記金属がSiであり、上記皮膜がS
    3 4 から成ることを特徴とする請求項9記載の方
    法。
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