JP2020125228A - シリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラー - Google Patents

シリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラー Download PDF

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Abstract

【課題】 窒化アルミニウム焼結顆粒を構成する粒子の有する高い熱伝導性を維持しつつ、シリコーン樹脂に高充填しても白金触媒の硬化阻害を効果的に防止することを可能としたシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを提供する。
【解決手段】 X線光電子分光−X線励起オージェ電子分光法により測定して得られるスペクトルについて、粒子表面のAl−O結合のピーク(PAl−O)と粒子内部のAl−N結合のピーク(PAl−N)との強度比((PAl−O)/(PAl−N))が0.3〜1.2の値を示す窒化アルミニウム焼結顆粒により構成されるシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーであり、平均粒子径(D50)が5〜100μm、50質量倍の水に30℃で4時間浸漬後のpHの変化幅が0.5以下であるものが特に好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、窒化アルミニウム焼結顆粒よりなる新規なシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーに関する。詳しくは、上記窒化アルミニウム焼結顆粒を構成する粒子の有する高い熱伝導性を維持しつつ、シリコーン樹脂に高充填しても白金触媒の硬化阻害を効果的に防止することを可能としたシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを提供するものである。
近年、半導体デバイスのパワー密度上昇に伴い、上記デバイスに使用される材料には、より高度な放熱特性が求められている。このような材料として、サーマルインターフェースマテリアルと呼ばれる一連の材料があり、その使用量は急速に拡大している。サーマルインターフェースマテリアルとは、半導体素子から発生する熱をヒートシンクまたは筐体等に逃がす経路の熱抵抗を緩和するための材料であり、シート、ゲル、グリースなど多様な形態が用いられる。一般に、サーマルインターフェースマテリアルは、熱伝導性フィラーをエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの樹脂に充填した複合材料である。中でも樹脂としてシリコーン樹脂を使用したシート成形体は、取扱性、密着性が良好でありその需要が高い。
一方、前記樹脂に充填するフィラーとしては、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などのフィラーが使用されるが、中でも窒化アルミニウムは、異方性の無い高い熱伝導性を有すると共に、高い絶縁耐性を有しており、前記放熱を目的としたフィラーとしての需要も高まりつつある。
シリコーン樹脂に窒化アルミニウムフィラーを充填するに際し、単位粒子あたりの熱伝導距離が長い大粒径の窒化アルミニウム粒子が求められるようになってきた。かかる大粒径の窒化アルミニウムとして、窒化アルミニウム微粉を球状に成形し、これを焼結して得られる窒化アルミニウム焼結顆粒が好適に使用される。
上記窒化アルミニウム焼結顆粒は市販もされており、熱伝導性フィラーとして使用されている。また、上記フィラーを添加する樹脂としては、エポキシ樹脂が主流ではあるが、シリコーン樹脂に添加した例も知られている(特許文献1、2参照)。
ところが、上記窒化アルミニウム焼結顆粒をフィラーとしてシリコーン樹脂に高充填した場合、シリコーン樹脂の硬化不足が発生し、たとえシート化できたとしても、部分的な硬化不良が起きやすく、界面抵抗のムラが増加するため、充填量に応じてシートの熱伝導率が向上しなかったり、シート間、或いはシート内において性能のバラツキが発生したりするという問題が生じることが本発明者らの検討により明らかとなった。
特開平4−174910号公報 特開2017−210518号公報
従って、本発明の目的は、窒化アルミニウム焼結粒子を使用するシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーにおいて、シリコーン樹脂に高充填しても硬化不良や硬化体の物性のバラツキが発生せず、高い熱伝導性を発揮することが可能なシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、窒化アルミニウム焼結顆粒は、大粒径であるために比表面積が小さく、従来の1〜数μmの粉末と比較して耐水性も高く安定であると言われているが、意外にもその表面には多量のアミノ基あるいはイミノ基が存在しており、かかる粒子の表面に存在するアミノ基がシリコーン樹脂の硬化触媒である白金系触媒を被毒するため硬化阻害が発生するという知見を得た。そして、上記アミノ基等の問題となる基の除去とその後の発生を抑制する手段について検討を重ねた結果、前記窒化アルミニウム焼結顆粒を構成する粒子の表面にAl−O結合を存在させることが極めて有効であること、更に、窒化アルミニウム焼結粒子において、Al−O結合のピークと粒子内部のAl−N結合のピーク強度比を特定の範囲に制御することにより、白金触媒系のシリコーン樹脂に所定量以上充填しても硬化不良や硬化不良によると起因される熱伝導率低下が発生せず、また、窒化アルミニウム粉末自体の熱伝導率も充分高く維持でき、シリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーとして高い性能を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、窒化アルミニウム焼結顆粒よりなり、X線光電子分光−X線励起オージェ電子分光法により測定して得られるスペクトルについて、粒子表面のAl−O結合のピーク(PAl−O)と粒子内部のAl−N結合のピーク(PAl−N)との強度比((PAl−O)/(PAl−N))が0.3〜1.2の値を示すことを特徴とするシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーが提供される。
上記本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、平均粒子径(D50)が5〜100μmであることが好ましい。
また、本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、50質量倍の水に30℃で4時間浸漬後の変化幅が0.5以下であることが好ましい。
尚、上記浸漬後のpHの値は7以下であることが特に好ましい。
本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、シリコーン樹脂の硬化阻害を効果的に防止することが可能となるため、後述の実施例に示すように、単独で、或いは、他のフィラーと併用して白金触媒系のシリコーン樹脂に全フィラーの充填量が60容量%以上、特に80容量%以上の割合で高充填する系においても樹脂の硬化不良が無く、更には、シリコーン樹脂硬化体における品質のバラツキも少なく、安定してシリコーン樹脂成形体を製造することが可能となる。
また、本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、前記範囲で窒化アルミニウム焼結粒子の表面に特定量のAl−O結合を有することで、表面が緻密化され、耐水性も一層向上し、また、必要に応じて使用される表面処理剤、例えば、シランカップリング剤との相性も良くなるといった副次的効果も発揮するものである。
本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、窒化アルミニウム焼結顆粒により構成される。上記窒化アルミニウム焼結顆粒は、平均粒子径が0.1〜2μm程度の窒化アルミニウム結晶粒が焼結して形成される粒子(焼結粒子)の集合体が一般的である。また、その平均粒子径(D50)が、5〜100μm、特に、20〜80μmのものが好適に使用される。
上記窒化アルミニウム焼結顆粒により構成される本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーの最大の特徴は、X線光電子分光−X線励起オージェ電子分光法により粒子表面を測定して得られるスペクトルについて、粒子表面のAl−O結合のピーク(PAl−O)と粒子内部のAl−N結合のピーク(PAl−N)との強度比((PAl−O)/(PAl−N))が0.3〜1.2、好ましくは、0.3〜1.0の値を示すことにある。
即ち、窒化アルミニウム焼結顆粒の前記強度比((PAl−O)/(PAl−N))が0.3未満の場合は、シリコーン樹脂の硬化阻害を防止することが困難となり、硬化不良が発生し易くなり、また、硬化したとしても得られる成形体間での性能のバラツキが生じる。一方、前記強度比((PAl−O)/(PAl−N))が1.2を超える場合は、窒化アルミニウム粒子の熱伝導特性が低下し、シリコーン樹脂に高充填できたとしても得られる成形体に高い熱伝導率を付与することが困難となる。
本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、それを構成する窒化アルミニウム焼結顆粒の粒子表面のAl−O結合量を調整して強度比((PAl−O)/(PAl−N))を前記範囲とすることにより、シリコーン樹脂に高充填した場合においても、シリコーン樹脂の硬化阻害を効果的に防止し、性能にバラツキのない成形体を安定して得ることができると共に、該成形体に高い熱伝導性をも付与することを可能としたものである。
因みに、市販されている窒化アルミニウム焼結顆粒の強度比((PAl−O)/(PAl−N))の値は、0.1〜0.2程度であり、これをフィラーとしてシリコーン樹脂に大量に充填した場合、前記硬化不良の発生や、硬化したとしても得られる成形体の性能にバラツキが生じることが懸念される。
尚、本発明において、前記強度比(PAl−O)/(PAl−N)は、実施例において詳述するが、X線励起オージェ電子分光(X−ray Auger Electron Spectroscopy:以下、「XAES」ともいう)で得られるスペクトルのピーク強度を用いて求めた値である。この方法を用いることにより、X線高電子分光(X−ray Photoelectron Spectroscopy:以下、「XPS」ともいう)では測定が困難であった、種々の粒径や形状の異なるフィラーであっても、同条件で粒子表面のAl−O結合のピーク(PAl−O)を確実に測定することが可能である。
上記XAESによる粒子表面のAl−O結合のピーク(PAl−O)と粒子内部のAl−N結合のピーク(PAl−N)の測定は、後述する実施例の測定方法に記載の通り、個々の窒化アルミニウム粒子の測定値ではなく、一定のエリア内に存在する複数の窒化アルミニウム粒子に対して行われるものであり、シリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを構成する窒化アルミニウム焼結顆粒の平均値である。
前記本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、50質量倍の水に30℃で4時間浸漬後の変化幅が0.5以下、特に、0.3以下という極めて優れた耐水性を発揮するほど表面が緻密化されていることがより好まく、かかる特性も特徴の一つであるといえる。
尚、上記浸漬後のpHの値は7以下であることが特に好ましい。
また、本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを構成する窒化アルミニウム焼結顆粒の形状は特に制限されないが、流動性を考慮した場合、可及的に球状であることが好ましい。具体的には、円形度が0.8以上、特に0.9以上のものが好ましい。
本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、白金系の硬化触媒を使用するシリコーン樹脂に対して、その効果が顕著である。かかるシリコーン樹脂は市販されているものも含め、公知のものが特に制限なく使用される。
また、本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、単独でシリコーン樹脂に充填することができるが、他のフィラーを併用した混合フィラーとしてシリコーン樹脂に配合することも可能である。特に、大粒径のフィラーとして使用する本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、小粒径のフィラーを併用することにより、その充填率を向上させることができ好ましい。
上記小粒径のフィラーとして好適なものを例示すれば、平均粒子径が5μm未満、好ましくは、1〜3μmの微粉状のフィラーが好適である。さらには更なる高充填を実現する為、サブミクロンのフィラーを併用しても良い。また、フィラーの材質は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化ケイ素等特に制限されないが、窒化アルミニウムを使用することが好ましい。窒化アルミニウムのうち、特に、還元窒化法によって得られた還元窒化窒化アルミニウムは、その製造工程に還元剤として使用したカーボンを除去する脱炭工程を必須としており、かかる酸化処理により、強度比((PAl−O)/(PAl−N))の値が本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーの範囲を満足するものが多く、好適に使用される。勿論、微粉末状のフィラーがその他の方法、例えば直接窒化法により得られた窒化アルミニウムであっても、後述の熱処理により強度比((PAl−O)/(PAl−N))の値を調整したものは、好適に使用することができる。
前記混合フィラーにおいて、本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、全フィラーに対して60容量%以上、特に70容量%以上の割合で使用することが好ましい。
また、本発明において、シリコーン樹脂へのフィラーの充填率は、75容量%以上、特に80〜85容量%程度とすることが好ましい。
本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーの製造方法は特に制限されないが、代表的な製造方法を例示すれば、窒化アルミニウム微粉末を造粒した成形体を窒素ガス或いは不活性ガス雰囲気下で1700〜1800℃で焼成して得られる窒化アルミニウム焼結顆粒、又は、市販の窒化アルミニウム焼結顆粒を、酸素を含有する雰囲気中での熱処理を行い、強度比((PAl−O)/(PAl−N))の値を前記範囲に調整することによって製造することができる。
尚、窒化アルミニウム焼結顆粒は、上記熱処理を行わず、通常の保管(常温保管)により自然酸化させただけでは前記強度比(PAl−O)/(PAl−N)には到達しない。
前記焼結顆粒の製造条件、即ち、造粒、焼結の詳細な条件は公知の方法が特に制限なく採用される。代表的な方法を例示すれば、窒化アルミニウム微粉末は、平均粒子径が0.5〜2μm程度ものを使用することが好ましく、造粒は、上記窒化アルミニウム微粉末100質量部に対して、酸化イットリウム、酸化カルシウム等の焼結助剤を1〜5質量部の割合で配合し、これに必要に応じてバインダー樹脂を加え、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等の溶媒と混合して得られるスラリーをスプレードライ法により粒状に成形し、得られた粒状の成形体を必要に応じて乾燥後、窒素ガス或いは不活性ガス雰囲気下、1700〜1800℃の温度で1〜8時間焼成する方法が挙げられる。
上記スプレードライ法において、スラリーの濃度、スラリー粘度、スプレーノズルの径等の他、乾燥用のガス量、スラリーの供給量などの条件を適宜調整することにより、焼成後の焼結顆粒の平均粒子径(D50)を、5〜100μm、特に、10〜80μmとすることが好ましい。
また、窒化アルミニウム焼結顆粒の熱処理条件は、粒径によって最適条件が多少異なるが、露点−20℃以下、好ましくは、−30℃以下、−50℃以上の空気雰囲気下、400℃〜1000℃、好ましくは、800〜900℃の温度条件で、熱処理後の窒化アルミニウム焼結顆粒の強度比((PAl−O)/(PAl−N))が前記範囲となる時間、具体的には、1〜10時間、好ましくは2〜8時間処理することが好ましい。上記露点の調整は重要であり、露点が−20℃より高い状態で酸化すると急激に酸化が進んでしまい、強度比((PAl−O)/(PAl−N))の調整が困難となる。
また、上記熱処理に用いる装置や治具の材質は吸湿性が低い金属あるいは緻密なセラミックスであることが望ましい。熱処理に用いる装置の材質がレンガのような吸湿性の高いものである場合、吸着した水分が酸化源となり、強度比((PAl−O)/(PAl−N))の制御が困難となる。
上記加熱処理において、より好適な態様を例示すれば、窒化アルミニウム焼結顆粒を加熱処理する前に20Pa以下、好ましくは10Pa以下に予め真空引きする態様が挙げられる。上記態様により、焼結顆粒の粒子間に存在する水分等を排除することができ、続く酸化処理により粒子表面に緻密なAl−O結合層を形成できる。また、加熱処理後、窒化アルミニウム焼結顆粒の温度が100℃以下となった時点で加熱炉から回収する態様は、Al−O結合層が大気中の水分の作用により変質するのを防止でき好ましい。
本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを微粉状の窒化アルミニウムと併用する場合、微粉状の窒化アルミニウムも強度比((PAl−O)/(PAl−N))が本発明の範囲内にあることが好ましいが、その調整は、窒化アルミニウム焼結顆粒の前記熱処理による調整とは別に行うことが、微粉状の窒化アルミニウムも強度比((PAl−O)/(PAl−N))が高くなりすぎるのを防止し、確実にかかる強度比を調整することができるため好ましい。
本発明のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーは、樹脂との相溶性の向上を図るため、窒化アルミニウム粉末を表面処理剤により処理することもできる。また、表面処理剤の使用により、窒化アルミニウム焼結粒子の表面のアミノ基の影響をより一層抑制することができるが、その配合は必須ではなく、表面処理剤を使用しなくとも、シリコーン樹脂の硬化は十分行うことができる。
上記表面処理剤としては、公知のものが特に制限なく使用されるが、代表的なものを例示すれば、アルキルシラン類(メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン)、シラザン類(テトラメチルシラザン、ヘキサメチルジシラザン)、環状シロキサン類(テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン)等が挙げられる。上記表面処理剤の配合量は、窒化アルミニウム粉末100質量部に対して0.01〜2質量部程度の使用に抑えることが好ましい。処理方法は公知の方法が特に制限なく使用でき、湿式で行っても乾式で行っても良い。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において、各測定方法は、以下に示す方法により実施した。
1)平均粒径
日機装製MICROTRACK−HRAを用いて、レーザー回折法により求めた。水90mlに対し、5%ピロリン酸ソーダ水溶液を加えた溶液の中に窒化アルミニウムフィラーを加え、これをホモジナイザーにて出力200mA,3分間分散させたものを測定した。前記方法のD50から平均粒径を求めた。なお、ここでいうD50は体積分布値である。
2)円形度
マルバーン製Morphologi G3を用いて20,000粒子を測定して求めた。
尚、円形度は、画像解析により求めた画像から測定された粒子の面積Sと周囲長Lを用いて円形度=4πS/L2で算出され、真円の場合が1となる。
3)強度比(PAl−O)/(PAl−N
強度比(PAl−O)/(PAl−N)は以下に示す装置、条件で測定し、オージェ電子エネルギーが1386.7eVのピーク強度(PAl−O)と1388.5eVのピーク強度(PAl−N)の比を求めた。
・装置:アルバック・ファイ(株)製X線光電子分光装置 ESCA5701ci/MC
・X線源:Mg−Kα線14.0kV−25.7mA
・真空度:5.0×10−7Pa
・アパーチャー径(分析領域):Φ800μm
・光電子取り出し角:45deg.
・中和銃:試料帯電によるXPS−XAESスペクトル形状への影響を緩和する目的で中和銃を使用した。
・帯電補正:計測スペクトルの炭素C1sピークを284.6eVに合わせることで、帯電によるピークシフトを補正した。
・測定パラメータ:エネルギー高分解能用(Multiplex Scan)
Pass Energy/eV:11.75、ΔV/V Interval:0.05,Interval Time/ms:50
4)成形体の熱伝導率
シリコーン樹脂成形体の熱伝導率は京都電子工業株式会社製、TPS2500Sを用いて、ホットディスク法により測定した。サンプルをN=20で作製し、バラツキの調査を行った。
5)成形体の硬化状態
テクロック製デュロメーター TYPE-E(GS−721G)を用いてt6mmのシリコーン樹脂成形体を2枚重ねて測定開始直後と開始から15秒後の変化率を(測定直後強度―15秒後硬度)×100/測定直後強度 から求めた。
6)窒化アルミニウム粉末
・焼結粒子−1
内容積が20Lのナイロン製ボールミルに、直径15mmのアルミナボールを入れ、次いで、AlN粉末(トクヤマ製Hグレード)100重量部に対して、焼結助剤として酸化イットリウム3重量部(日本イットリウム製)と分散剤及び溶媒を添加し14時間混合し、スラリーを得た。混合したスラリーをスプレードライにてアトマイザー回転数を調整する事で、異なる大きさの顆粒を調整した。この顆粒を窒素雰囲気中、1750℃で5hr焼成することによって窒化アルミニウム焼結顆粒を製造した(焼結顆粒−1、焼結顆粒−2)。
また、市販されている2種類の焼結顆粒を入手した(焼結顆粒−3、焼結顆粒−4)。
上記窒化アルミニウム焼結顆粒について、平均粒子径、円形度、強度比((PAl−O)/(PAl−N)比)を以下に示す。
・焼結顆粒−1 D50:28μm、円形度:0.94、強度比:0.24
・焼結顆粒−2 D50:81μm、円形度:0.94、強度比:0.22
・焼結顆粒−3 D50:30μm、円形度:0.92、強度比:0.15
・焼結顆粒−4 D50:33μm、円形度:0.95、強度比:0.21
7)シリコーン樹脂
シリコーン樹脂は以下のPt触媒を介する2液付加反応型のシリコーン樹脂を用いた。
・シリコーン樹脂−1:東レダウコーニング製 CY52−276A,B
・シリコーン樹脂−2:信越化学工業株式会社製 KE−1013A,B
実施例1
焼結顆粒−1を マッフルがSUS310製の炉に厚み20mmとなるように仕込み、炉内圧力を20Paにした後、露点−20℃の空気を導入して常圧に戻し、かかる雰囲気下で700℃×3時間の条件で熱処理し、(PAl−O)/(PAl−N)が0.34に調整された窒化アルミニウム焼結顆粒よりなるシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを得た。
上記シリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーについて、50質量倍の水に30℃で4時間浸漬後の初期pHは6.5 、pHの変化幅は0.5であった。
このシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーとD50が0.8μmの還元窒化法により得られた窒化アルミニウム粉末(前記強度比:0.56)を8:2の容量比で混合して混合フィラーを調整し、この混合フィラーを充填率が83容量%になるようにシリコーン樹脂1に配合した。シリコーン樹脂への配合は、東洋精機製作所製ラボプラストミルを使用して15分間混錬することにより行い、得られた樹脂組成物を、金型に充填し、剥離し易くするためナフロン(商品名:ニチアス株式会社製)シートとSUS板で挟んで80℃×1時間、1tonの熱プレスを行ってt6mmのシート体を得た。
得られたシート体はナフロン(商品名:ニチアス株式会社製)シートへ樹脂分の転写等なく、良好な硬化体であった。また、ホットディスク法で測定した熱伝導率は10.6W/m・K、N=20のバラツキは0.1W/m・Kであった。また、デュロメーターでの15秒間の強度変化は6%であった。
実施例2
焼結顆粒−3を使用し、実施例1の加熱処理温度、時間を800℃×5時間に変えた以外は同様にして、(PAl−O)/(PAl−N)比が0.57に調整された窒化アルミニウム焼結顆粒よりなるシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを得た。
上記シリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーについて、50質量倍の水に30℃で4時間浸漬後の初期pHは6.4、pHの変化幅は0.1であった。
得られたシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを実施例1と同様にして、t6mmのシート体を得た。
得られたシート体はナフロン(商品名:ニチアス株式会社製)シートへ樹脂分の転写等なく、良好な硬化体であった。また、ホットディスク法で測定した熱伝導率は7.3W/m・K、N=20のバラツキは0.1W/m・Kであった。デュロメーターでの15秒間の硬度変化は7%であった。
実施例3
焼結顆粒−4を使用し、実施例1の加熱処理温度、時間を900℃×7時間に変えた以外は同様にして、(PAl−O)/(PAl−N)比が0.78に調整された窒化アルミニウム焼結顆粒よりなるシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを得た。
上記シリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーについて、50質量倍の水に30℃で4時間浸漬後の初期pHは6.5、pHの変化幅は0.3であった。
得られたシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを実施例1と同様にして、t6mmのシート体を得た。
得られたシート体はナフロン(商品名:ニチアス株式会社製)シートへ樹脂分の転写等なく、良好な硬化体であった。また、ホットディスク法で測定した熱伝導率は10.4W/m・K、N=20のバラツキは0.1W/m・Kであった。デュロメーターでの15秒間の硬度変化は5%であった。
実施例4
焼結顆粒−2を使用し、実施例1の加熱処理温度、時間を1000℃×5時間に変えた以外は同様にして、(PAl−O)/(PAl−N)比が1.2に調整された窒化アルミニウム焼結顆粒よりなるシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを得た。
上記シリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーについて、50質量倍の水に30℃で4時間浸漬後の初期pHは6.4、pHの変化幅は0.5であった。
得られたシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーと、実施例1で得られたシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラー及び実施例1で使用したD50が0.8μmの還元窒化法により得られた窒化アルミニウム粉末(前記強度比:0.56)を1:1:1の容量比で混合して混合フィラーを調整し、この混合フィラーを充填率が85容量%になるようにシリコーン樹脂1に配合した以外は、実施例1と同様にして、t6mmのシート体を得た。
得られたシート体はナフロン(商品名:ニチアス株式会社製)シートへ樹脂分の転写等なく、良好な硬化体であった。また、ホットディスク法で測定した熱伝導率は12.4W/m・K、N=20のバラツキは0.2W/m・Kであった。デュロメーターでの15秒間の硬度変化は3%であった。
比較例1
焼結顆粒−1を熱処理しない(前記強度比:0.24)以外は実施例1と同様に混錬し、熱プレスを実施したが、シリコーン樹脂は未硬化部分が存在しておりシート化できなかった。
比較例2
焼結顆粒−3を熱処理しない(前記強度比:0.15)以外は実施例2と同様に混錬し、熱プレスを実施したが、シリコーン樹脂は未硬化部分が存在しておりシート化できなかった。
比較例3
実施例1において、焼結顆粒−1の熱処理条件を変えることにより、(PAl−O)/(PAl−N)比が1.6に調整された窒化アルミニウム焼結顆粒よりなるシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを得た。
得られたシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラーを実施例1と同様にして、t6mmのシート体を得た。
得られたシート体の熱伝導率をホットディスク法で測定した所、9.7W/m・Kであり、実施例1と比較して、10%近く低下していた。Al−O層が厚くなった事により、熱抵抗となったと推測される。

Claims (3)

  1. 窒化アルミニウム焼結顆粒よりなり、X線光電子分光−X線励起オージェ電子分光法により測定して得られるスペクトルについて、粒子表面のAl−O結合のピーク(PAl−O)と粒子内部のAl−N結合のピーク(PAl−N)との強度比((PAl−O)/(PAl−N))が0.3〜1.2の値を示すことを特徴とするシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラー。
  2. 平均粒子径(D50)が5〜100μmである請求項1記載のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラー。
  3. 50質量倍の水に30℃で4時間浸漬後のpHの変化幅が0.5以下である請求項1又は2に記載のシリコーン樹脂用窒化アルミニウムフィラー。
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