JP2001031830A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2001031830A
JP2001031830A JP11209765A JP20976599A JP2001031830A JP 2001031830 A JP2001031830 A JP 2001031830A JP 11209765 A JP11209765 A JP 11209765A JP 20976599 A JP20976599 A JP 20976599A JP 2001031830 A JP2001031830 A JP 2001031830A
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育宏 三島
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美貴 永松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性に優れ、発色性、耐候性、剛性、耐
熱性、加工性にも優れる熱可塑性樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 MEK不溶分が特定のアクリル系ゴム重
合体(A)およびシリコーン系ゴム重合体(B)の1種
以上および要すれば使用される特定のジエン系ゴム重合
体(C)からなるゴム重合体(R)ならびにシアン化ビ
ニル化合物残基、芳香族ビニル化合物残基、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル残基、マレイミド化合物残基
などからえらばれる2種以上からなる単量体残基(M)
からなり、グラフト率が15〜150重量%であるグラ
フト共重合体(G)からなり、MEK可溶分が、シアン
化ビニル化合物残基、芳香族ビニル化合物残基、(メ
タ)アクリル酸エステル残基、マレイミド化合物残基な
どからえらばれる2種以上からなり、かつ特定の還元粘
度を有する重合体(F)からなり、ゴム重合体(R)含
有量が5〜40重量%である樹脂組成物(H)100重
量部および有機系シリコーンオイル(I)0.005〜
5重量部からなる熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性、とくに
面衝撃強度に優れ、発色性(着色性)、耐候性、剛性、
耐熱性、加工性にも優れた熱可塑性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂、とくにABS樹脂は、
その優れた耐衝撃性、耐熱性、剛性、加工性などを有す
るため、各種雑貨、自動車の内外装材、ジャー炊飯器、
電子レンジ、掃除機などの家電製品のハウジング、部
品、電話機、ファクシミリなどのOA機器のハウジン
グ、部品などに広く使用されている。
【0003】近年、ABS樹脂の欠点である耐候性を改
良するために、ABS樹脂のゴム成分を、光、熱に対し
不安定な二重結合を有するブタジエン系ゴムから二重結
合をほとんど有さないアクリル系ゴムに変えたAAS樹
脂が開発されている。
【0004】しかし、アクリル系ゴムは、ブタジエン系
ゴムに比べて耐衝撃性が発現しにくい、顔料を添加した
際に色が鮮やかでない(発色性に劣る)という問題があ
る。
【0005】前記発色性を改善するためにアクリル系ゴ
ムの粒子径分布を制御する方法(特開昭58−2221
39号公報)が提案されているが、発色性、耐衝撃性が
充分でない。
【0006】さらに、実用性の観点からアクリル系ゴム
とブタジエン系ゴム、シリコーン系ゴムとの併用が検討
されている。たとえば、ブタジエン系ゴムの存在下にア
クリル系モノマーを重合させてアクリル系ゴムとブタジ
エン系ゴムとの複合ゴムを製造する方法などが提案され
ている(特開昭57−167308号公報、特開平2−
29452号公報、特開平8−41143号公報)。
【0007】しかし、これらアクリル系ゴムとブタジエ
ン系ゴム、シリコーン系ゴムとを併用する従来の方法で
は、ブタジエン系ゴムやシリコーン系ゴムを併用してい
るにもかかわらず、耐衝撃性、発色性が充分に発現しな
いなどの問題がある。
【0008】また、ABS樹脂の耐衝撃性を改良する方
法として、シリコーン系オイルを添加する方法が提案さ
れている(特公昭49−29947号公報、特開昭53
−124561号公報、特開昭55−3494号公報、
特開昭55−31896号公報、特開昭57−1873
46号公報)。さらに、アクリル系ゴムとブタジエン系
ゴムを併用したAAS樹脂にシリコーン系オイルを添加
した樹脂組成物が、特開平4−339850号公報で提
案されている。
【0009】しかし、これらシリコーン系オイルを添加
する従来の方法では、たとえばAAS樹脂にシリコーン
系オイルを添加する場合、表面外観性(光沢度)に優れ
るが、耐衝撃性はほとんど改善されない、と報告されて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のごと
き問題を解消し、耐衝撃性、発色性、耐候性、剛性、耐
熱性、加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定のアクリル
系ゴムおよび(または)シリコーン系ゴムを用いた組成
物に有機系シリコーンオイルを添加すると、耐衝撃性、
とくに面衝撃強度に優れ、発色性、耐候性、剛性、耐熱
性、加工性にも優れた樹脂組成物が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、メチルエチルケトン
不溶分が、体積平均粒径10〜1000nmのアクリル
系ゴム重合体(A)およびシリコーン系ゴム重合体
(B)の1種以上15〜100重量%(以下、%とい
う)、および体積平均粒径50〜1500nmのジエン
系ゴム重合体(C)0〜85%からなるゴム重合体
(R)ならびにシアン化ビニル化合物残基、芳香族ビニ
ル化合物残基、(メタ)アクリル酸アルキルエステル残
基、マレイミド化合物残基およびこれらと共重合可能な
単量体残基からえらばれる2種以上(ただし、2種のと
きはシアン化ビニル化合物残基、芳香族ビニル化合物残
基、(メタ)アクリル酸アルキルエステル残基、マレイ
ミド化合物残基からえらばれる)からなる単量体残基
(M)からなり、グラフト率が15〜150%のグラフ
ト共重合体(G)からなり、メチルエチルケトン可溶分
が、シアン化ビニル化合物残基、芳香族ビニル化合物残
基、(メタ)アクリル酸エステル残基、マレイミド化合
物残基およびこれらと共重合可能な単量体残基からえら
ばれる2種以上(ただし、2種のときはシアン化ビニル
化合物残基、芳香族ビニル化合物残基、(メタ)アクリ
ル酸エステル残基、マレイミド化合物残基からえらばれ
る)からなり、還元粘度(30℃、0.3g/dlの
N,N−ジメチルホルムアミド溶液)が0.3〜2dl
/gである重合体(F)からなり、かつ、ゴム重合体
(R)含有量が5〜40%である樹脂組成物(H)10
0重量部(以下、部という)および有機系シリコーンオ
イル(I)0.005〜5部からなる熱可塑性樹脂組成
物(請求項1)、アクリル系ゴム重合体(A)が、多官
能性ビニル単量体0.01〜8部を有する原料単量体1
00部に対して開始剤0.001〜0.15部を用いて
乳化重合して得られる請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
物(請求項2)、開始剤が有機系過酸化物である請求項
2記載の熱可塑性樹脂組成物(請求項3)、アクリル系
ゴム重合体(A)が、アルキル基の炭素数が1〜12の
アルキルアクリレートからえらばれる1種以上70〜9
9.99%、多官能性ビニル単量体(Ka)0.01〜
2%およびこれらと共重合可能な単量体0〜28%から
なる単量体混合物(Da)60〜95部を重合したの
ち、さらにアルキル基の炭素数が1〜12のアルキルア
クリレートからえらばれる1種以上70〜99%、多官
能性ビニル単量体(Kb)1〜8%およびこれらと共重
合可能な単量体0〜22%からなる単量体混合物(D
b)5〜40部を合計量が100部になるように重合し
てなり、多官能性ビニル単量体(Ka)/単量体混合物
(Da)の重量比率aと多官能性ビニル単量体(Kb)
/単量体混合物(Db)の重量比率bとの比率a/b
が、0.7以下である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
物(請求項4)、ジエン系ゴム重合体(C)が、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸からえら
ばれる1種以上の不飽和酸(c)5〜50%、アルキル
基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレート
からえらばれる1種以上(d)50〜95%および
(c)、(d)と共重合可能な単量体0〜40%を重合
させて得られる酸基含有ラテックス(S)で凝集肥大さ
せて得られる請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物(請求
項5)およびゴム重合体(R)、グラフト共重合体
(G)および重合体(F)からえらばれる1種以上の重
合体の重合時に脂肪酸金属塩を使用するならびに(また
は)ゴム重合体(R)、グラフト共重合体(G)および
重合体(F)からえらばれる1種以上の重合体ラテック
スに脂肪酸金属塩を添加する請求項1記載の熱可塑性樹
脂組成物(請求項6)に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性樹脂組成物
(J)は、樹脂組成物(H)100部に対し、有機系シ
リコーンオイル(I)0.005〜5部、好ましくは
0.01〜4部、さらに好ましくは0.05〜3部を配
合してなる熱可塑性樹脂組成物である。有機系シリコー
ンオイル(I)の配合量が0.005部未満になると耐
衝撃性が低下し、5部をこえると加工性が低下する。
【0014】有機系シリコーンオイル(I)の例として
は、一般式: −(R12SiO)− (式中、R1、R2は、それぞれアルキル基、フェニル
基、アルキルフェニル基などの炭化水素基からえらばれ
る基)で表わされるモノマー単位からなる重合体、該重
合体中に一般式: −(R12SiO)− (式中、R1、R2は前記と同じ、mは正の整数)で表わ
される単位が含まれる側鎖を有する重合体、これらの有
機ポリシロキサンの分子中にエポキシ基、アミノ基、カ
ルボキシル基、水酸基、フッ素原子、アルコキシ基、ビ
ニル基を導入した重合体などがあげられる。これらは単
独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0015】有機系シリコーンオイル(I)の分子量に
はとくに限定はないが、1000〜50万程度が好まし
い。有機系シリコーンオイルの粘度にもとくに限定はな
いが、25℃で0.1〜100万cST(センチストロ
ーク)が好ましく、耐衝撃性の点から、さらには1〜2
0万cST、ことには10〜10万cSTが好ましい。
【0016】有機系シリコーンオイル(I)の具体例と
しては、たとえばポリジメチルシロキサン、ポリメチル
フェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどが
あげられる。これらのうちではポリジメチルシロキサ
ン、ポリメチルフェニルシロキサンが好ましい。
【0017】本発明に使用される樹脂組成物(H)は、
メチルエチルケトン不溶のグラフト共重合体(G)およ
びメチルケトン可溶の重合体(F)からなる。
【0018】グラフト共重合体(G)を構成するゴム重
合体(R)は有機系シリコーンオイル(I)と併用して
耐衝撃性向上のために使用される成分である。
【0019】ゴム重合体(R)は、アクリル系ゴム重合
体(A)およびシリコーン系ゴム重合体(B)の1種以
上15〜100%、好ましくは15〜95%、さらに好
ましくは30〜90%、ことに好ましくは35〜85%
およびジエン系ゴム重合体(C)0〜85%、好ましく
は5〜85%、さらに好ましくは10〜70%、ことに
好ましくは15〜65%からなる。アクリル系ゴム重合
体(A)およびシリコーン系ゴム重合体(B)の1種以
上が15%未満になり、ジエン系ゴム重合体(C)が8
5%をこえると耐候性が低下する。
【0020】アクリル系ゴム重合体(A)およびシリコ
ーン系ゴム重合体(B)の1種以上の体積平均粒径は、
耐衝撃性、発色性の点から10〜1000nm、好まし
くは20〜500nm、さらに好ましくは25〜350
nm、ことに好ましくは30〜200nm、とくに好ま
しくは35〜150nmである。体積平均粒径が10n
m未満になると製造が困難となり、1000nmをこえ
ると耐衝撃性が低下する。なお、アクリル系ゴム重合体
(A)とシリコーン系ゴム重合体(B)との使用割合と
しては、アクリル系ゴム重合体(A)/シリコーン系ゴ
ム重合体(B)が、重量比で100/0〜5/95、さ
らには100/0〜15/85であるのが好ましい。
【0021】ジエン系ゴム重合体(C)の体積平均粒径
は50〜1500nm、好ましくは150〜1000n
m、さらに好ましくは200〜800nm、ことに好ま
しくは250〜700nmである。体積平均粒径が50
nm未満になると耐衝撃性が低下し、1500nmをこ
えると加工性、耐衝撃性が低下する。
【0022】アクリル系ゴム重合体(A)としては、一
般にアクリル系ゴムとして用いられているものであれば
とくに限定なく使用することができる。その具体例とし
ては、たとえばアクリル酸ブチルゴム、ブタジエン−ア
クリル酸ブチルゴム、アクリル酸2−エチルヘキシル−
アクリル酸ブチルゴム、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル−アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸ステアリル−ア
クリル酸ブチルゴム、ジメチルシロキサン−アクリル酸
ブチルゴム、シリコーンゴム/アクリル酸ブチル複合ゴ
ムなどがあげられる。これらのうちではアクリル酸ブチ
ルゴム、ブタジエン−アクリル酸ブチルゴムが好まし
い。
【0023】シリコーン系ゴム重合体(B)としては、
一般にシリコーン系ゴムとして用いられているものであ
ればとくに限定なく使用することができる。その具体例
としては、たとえばポリジメチルシロキサンゴム、シリ
コーンゴム/アクリル酸ブチル複合ゴムなどがあげられ
る。これらのうちではシリコーンゴム/アクリル酸ブチ
ル複合ゴムが好ましい。
【0024】ジエン系ゴム重合体(C)としては、一般
的にジエン系ゴムとして用いられているものであればと
くに限定なく使用することができる。その具体例として
は、たとえばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルアクリ
レート−ブタジエンゴムなどがあげられる。これらのう
ちではブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好
ましい。
【0025】なお、アクリル系ゴム重合体(A)として
は、耐衝撃性、加工性、製造安定性の点から、アルキル
基の炭素数が1〜12のアルキルアクリレートからえら
ばれる1種以上50〜99.99%、さらには60〜9
9.99%、ことには70〜99.99%、多官能性ビ
ニル単量体(分子中に2つ以上の重合性のビニル系官能
基を有する単量体をいう)0.01〜10%、さらには
0.01〜9%、ことには0.01〜8%、およびこれ
らと共重合可能な単量体0〜40%、さらには0〜31
%、ことには0〜22%からなる単量体混合物(D)
(合計100%)を乳化重合して得られるものが好まし
い。
【0026】前記アルキル基の炭素数が1〜12のアル
キルアクリレートからえらばれる1種以上が50%未満
になる、多官能性ビニル単量体が10%をこえるまたは
これらと共重合可能な単量体が40%をこえると、いず
れの場合にも、耐衝撃性が低下する傾向が生じる。一
方、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキルアクリレ
ートからえらばれる1種以上が99.99%をこえる、
または多官能性ビニル単量体が0.01%未満になる
と、耐衝撃性、発色性が低下する傾向が生じる。
【0027】さらに、耐衝撃性、発色性の点から好まし
いアクリル系ゴム重合体(A)として、アルキル基の炭
素数が1〜12のアルキルアクリレートからえらばれる
1種以上70〜99.99%、さらには85〜99.9
8%、ことには90〜99.97%、多官能性ビニル系
単量体(Ka)0.01〜2%、さらには0.02〜
1.5%、ことには0.03〜1.2%およびこれらと
共重合可能な単量体0〜28%、さらには0〜13.5
%、とくには0〜8.8%からなる単量体混合物(D
a)(合計100%)60〜95部、さらには65〜9
0部、ことには67〜88部を重合したのち、さらにア
ルキル基の炭素数が1〜12のアルキルアクリレートか
らえらばれる1種以上70〜99%、さらには78〜9
8.7%、ことには84〜98.5%、多官能性ビニル
系単量体(Kb)1〜8%、さらには1.3〜7%、こ
とには1.5〜6%およびこれらと共重合可能な単量体
0〜22%、さらには0〜15%、ことには0〜10%
からなる単量体混合物(Db)5〜40部、さらには1
0〜35部、ことには12〜33部を合計量が100部
になるように重合させたもの(以下、アクリル系ゴム重
合体(A−イ)ともいう)が好ましい。
【0028】アクリル系ゴム重合体(A−イ)は、耐衝
撃性、発色性の点から、さらに多官能性ビニル系単量体
(Ka)/単量体混合物(Da)の重量比率aと多官能
性ビニル系単量体(Kb)/単量体混合物(Db)の重
量比率bとの比率a/bが、0.7以下、さらには0.
6以下、ことには0.5以下であるのが好ましい。
【0029】単量体混合物(D)におけるアルキル基の
炭素数が1〜12のアルキルアクリレートとしては、た
とえばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなど
があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を
組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、製造安
定性、経済性などの工業的見地から、炭素数1〜8のア
ルキル基を有するアルキルアクリレートが好ましく、と
くにブチルアクリレートが好ましい。
【0030】単量体混合物(D)における多官能性ビニ
ル単量体としては、たとえばメタクリル酸アリル、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、トリアリルシア
ヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメリット
酸トリアリル、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレー
ト、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、1,
3,5―トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジ
ンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種
以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、
耐衝撃性の点から、メタクリル酸アリル、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレートが好ましい。
【0031】単量体混合物(D)におけるこれらと共重
合可能な単量体としては、とくに限定はないが、たとえ
ばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート
などの炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルメ
タクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
などのシアン化ビニル化合物、スチレン、α―メチルス
チレン、p−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレ
ン、クロルスチレン、ブロムスチレンなどの芳香族ビニ
ル化合物、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トなどのアルキル(メタ)アクリレート以外の(メタ)
アクリル酸誘導体、マレイミド、N−フェニルマレイミ
ドなどのマレイミド化合物などがあげられる。これらは
単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらのうちでは、耐衝撃性、加工性、経済性の点
から、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、
アクリロニトリル、スチレン、グリシジルメタクリレー
トが好ましい。
【0032】前記アクリル系ゴム重合体(A)、シリコ
ーン系ゴム重合体(B)およびジエン系ゴム重合体
(C)は、耐衝撃性、耐候性、加工性、製造安定性、経
済性などの点から、酸基含有ラテックス(S)を使用し
て凝集肥大させてゴム重合体(R)に用いてもよい。
【0033】酸基含有ラテックス(S)としては、耐衝
撃性、製造安定性の点から、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸からえらばれる1種以上の
不飽和酸(c)5〜50%、アルキル基の炭素数が1〜
12のアルキル(メタ)アクリレートからえらばれる1
種以上(d)50〜95%、および(c)、(d)と共
重合可能な単量体0〜40%を重合させて得られるもの
が好ましい。
【0034】不飽和酸(c)が5%未満になる、前記ア
ルキル(メタ)アクリレート(d)が50%未満にな
る、または(c)、(d)と共重合可能な単量体が40
%をこえると、いずれの場合も、凝集肥大がおこりにく
くなる傾向が生じる。逆に、不飽和酸(c)が50%を
こえると、製造安定性がわるくなりやすく、前記アルキ
ル(メタ)アクリレートが95%をこえると、凝集肥大
がおこりにくくなる傾向が生じる。
【0035】なお、不飽和酸(c)を構成するアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸のうちで
は、とくに製造安定性の点から、アクリル酸、メタクリ
ル酸が好ましい。
【0036】(d)成分のうちアルキル基の炭素数が1
〜12のアルキルアクリレート(d−1)としては、ア
クリル酸と炭素数1〜12の直鎖あるいは側鎖を有する
アルコールのエステルがあげられるが、とくに製造安定
性の点から、アルキル基の炭素数が1〜8のものが好ま
しい。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシルなどがあげられる。これらは単独
で用いてもよく2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0037】前記(d)成分のうちアルキル基の炭素数
が1〜12のアルキルメタクリレート(d−2)として
は、メタクリル酸と炭素数1〜12の直鎖あるいは側鎖
を有するアルコールのエステルがあげられるが、とくに
製造安定性の点から、アルキル基の炭素数が1〜8のも
のが好ましい。具体的には、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどがあげら
れる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組合わせ
て用いてもよい。
【0038】前記(c)、(d)と共重合可能な単量体
としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体や、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル
化合物、メタクリル酸アリル、ポリエチレングリコール
ジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリ
ルイソシアヌレート、トリメリット酸トリアリルなどの
分子中に2つ以上の重合性ビニル系官能基を有する多官
能性ビニル単量体などがあげられる。これらは単独で用
いてもよく2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0039】とくに耐衝撃性、製造安定性の点から好ま
しい酸基含有ラテックス(S)としては、たとえばアク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸からえ
らばれる1種以上の不飽和酸(c)5〜25%、アルキ
ル基の炭素数が1〜12のアルキルアクリレートからえ
らばれる1種以上(d−1)5〜30%、アルキル基の
炭素数が1〜12のアルキルメタクリレートからえらば
れる1種以上(d−2)20〜80%、(c)、(d−
1)、(d−2)と共重合可能な芳香族ビニル化合物、
シアン化ビニル化合物および多官能性ビニル単量体から
えらばれる1種以上0〜40%を重合させて得られる酸
基含有ラテックス(S−イ)があげられる。
【0040】とくにジエン系ゴム重合体(C)は、耐衝
撃性、製造安定性の点から、不飽和酸(c)として(メ
タ)アクリル酸を用いる酸基含有ラテックス(S)、さ
らには酸基含有ラテックス(S−イ)により凝集肥大さ
せたものが好ましい。
【0041】酸基含有ラテックス(S)の使用量は、耐
衝撃性、製造安定性の点から、もとのゴム重合体100
部(固形分)に対して0.1〜15部(固形分)、さら
には0.3〜10部、とくには0.5〜8部を添加して
凝集肥大させる方法が好ましい。また、肥大時のゴム重
合体のラテックスの固形分濃度は肥大特性制御の点か
ら、10〜50%、さらには15〜45%が好ましい。
【0042】なお、肥大を充分に行わせるために、攪拌
下で酸基含有ラテックス(S)を添加したのち、10分
から3時間、さらには20分から2時間、所定の温度で
均一に攪拌するのが好ましい。肥大時の温度は室温でも
よいが、肥大特性制御の点から、35〜85℃、さらに
は40〜80℃が好ましい。
【0043】また、酸基含有ラテックス(S)を添加す
る前のゴム重合体のラテックスは、pHを7以上に調整
するのが肥大制御の点から好ましい。pHを調整するた
めに水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ
を添加してもよい。また、肥大特性制御の点から、脂肪
酸塩、ロジン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジ
オクチルスルホコハク酸塩などの界面活性剤、塩酸、硫
酸、酢酸などの無機酸、有機酸、炭酸ナトリウム、硫酸
ナトリウムなどの電解質などを必要に応じて添加しても
よい。
【0044】本発明に使用するグラフト共重合体(G)
は、ゴム重合体(R)ならびにシアン化ビニル化合物残
基、芳香族ビニル化合物残基、(メタ)アクリル酸アル
キルエステル残基、マレイミド化合物残基およびこれら
と共重合可能な単量体残基からえらばれる2種以上(た
だし、2種のときはシアン化ビニル化合物残基、芳香族
ビニル化合物残基、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル残基、マレイミド化合物残基からえらばれる)からな
る単量体残基(M)からなり、グラフト率が15〜15
0%であり、MEKに不溶のものである。
【0045】グラフト共重合体(G)のグラフト率は、
15〜150%、好ましくは20〜85%、さらに好ま
しくは25〜80%であり、グラフト率が15%未満の
場合、耐衝撃性が低下し、150%をこえると、加工性
が低下する。
【0046】グラフト共重合体(G)における単量体残
基(M)を構成するシアン化ビニル化合物残基、芳香族
ビニル化合物残基、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル残基、マレイミド化合物残基およびこれらと共重合可
能な単量体残基は、耐衝撃性、加工性の点から、シアン
化ビニル化合物残基10〜45%、さらには15〜40
%、ことには20〜35%、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル残基0〜35%、さらには0〜25%、こと
には0〜15%、マレイミド化合物残基0〜35%、さ
らには0〜25%、ことには0〜15%、芳香族ビニル
化合物残基55〜90%、さらには60〜85%、こと
には65〜80%およびこれらと共重合可能な単量体残
基0〜30%、さらには0〜20%、ことには0〜10
%(合計100%)の割合であるのが好ましい。シアン
化ビニル化合物残基が10%未満になる、芳香族ビニル
化合物残基が90%をこえるまたは共重合可能な単量体
残基が30%をこえると、いずれの場合も、耐衝撃性が
低下する傾向が生じる。シアン化ビニル化合物残基が4
5%をこえる、(メタ)アクリル酸アルキルエステル残
基が35%をこえる、マレイミド化合物残基が35%を
こえるまたは芳香族ビニル化合物残基が55%未満にな
ると、加工性が低下する傾向が生じる。
【0047】単量体残基(M)を構成する前記シアン化
ビニル化合物残基としては、たとえばアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどがの残基があげられる。こ
れらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0048】単量体残基(M)を構成する前記(メタ)
アクリル酸エステル残基としては、(メタ)アクリル酸
と炭素数1〜12の直鎖あるいは側鎖を有するアルコー
ルとのエステル、たとえばメタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸などの残基があげられる。これらは単独で用いてもよ
く2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0049】単量体単位(M)を構成する前記マレイミ
ド化合物残基としては、たとえばたとえばマレイミド、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プ
ロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニ
ルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド
などの残基があげられる。これらは単独で用いてもよく
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0050】単量体残基(M)を構成する前記芳香族ビ
ニル化合物残基としては、たとえばスチレン、α―メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−イソプロピルス
チレン、クロルスチレン、ブロムスチレンなどの残基が
あげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0051】単量体残基(M)を構成する前記共重合可
能な単量体としては、たとえば(メタ)アクリル酸、グ
リシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチ
ル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アル
キルエステル以外の(メタ)アクリル酸誘導体などの残
基があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0052】工業的見地から、前記シアン化ビニル化合
物残基としてはアクリロニトリル残基、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル残基としてはメタクリル酸メチル
残基、アクリル酸ブチル残基、芳香族ビニル化合物残基
としてはスチレン残基、マレイミド化合物残基としては
N−フェニルマレイミド残基が、好ましい。
【0053】本発明に使用される樹脂組成物(H)の成
分である重合体(F)は、シアン化ビニル化合物残基、
芳香族ビニル化合物残基、(メタ)アクリル酸エステル
残基、マレイミド化合物残基およびこれらと共重合可能
な単量体残基からえらばれる2種以上(ただし、2種の
ときはシアン化ビニル化合物残基、芳香族ビニル化合物
残基、(メタ)アクリル酸エステル残基、マレイミド化
合物残基からえらばれる)からなり、かつ還元粘度(3
0℃、0.3g/dl、N,N−ジメチルホルムアミド
溶液)が0.3〜2dl/g、好ましくは0.4〜1.
5dl/g、さらに好ましくは0.5〜1dl/gであ
る。還元粘度が0.3dl/g未満になると、耐衝撃性
が低下し、2dl/gをこえると加工性が低下する。
【0054】重合体(F)は、耐衝撃性、発色性の点か
ら、シアン化ビニル化合物残基10〜45%、さらには
15〜40%、ことには20〜35%、芳香族ビニル化
合物残基55〜90%、さらには60〜85%、ことに
は65〜80%、(メタ)アクリル酸エステル残基0〜
35%、さらには0〜25%、ことには0〜15%、マ
レイミド化合物残基0〜35%、さらには0〜25%、
ことには0〜15%およびこれらと共重合可能な単量体
残基0〜30%、さらには0〜20%、ことには0〜1
0%(合計100%)からなる共重合体であるのがさら
に好ましい。
【0055】重合体(F)を構成する前記シアン化ビニ
ル化合物残基としては、たとえばアクリロニトリル、メ
タクリロニトリルなどの残基が、前記芳香族ビニル化合
物残基としては、たとえばスチレン、α―メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、
クロルスチレン、ブロムスチレン、ビニルナフタレンな
どの残基が、(メタ)アクリル酸エステル残基として
は、たとえば(メタ)アクリル酸およびそのメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、2−ヒドロキシルエチル、2
−エチルヘキシル、グリシジルなどの(メタ)アクリル
酸エステル系単量体などの残基が、前記マレイミド化合
物残基としては、たとえばマレイミド、N−メチルマレ
イミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミ
ド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、
N−(p−メチルフェニル)マレイミドなどの残基があ
げられる。これらのうちでは、工業的見地から、シアン
化ビニル化合物残基としてはアクリロニトリル残基、芳
香族ビニル化合物残基としてはスチレン残基、α―メチ
ルスチレン残基、(メタ)アクリル酸エステル残基とし
てはメチルメタクリレート残基、ブチルメタクリレート
残基、ブチルアクリレート残基、マレイミド化合物残基
としてはN−フェニルマレイミド残基が好ましい。
【0056】重合体(F)の具体例としては、たとえば
スチレン−アクリロニトリル共重合体、α−メチルスチ
レン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−α−メチ
ルスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マ
レイミド共重合体、スチレン−マレイミド−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−マレ
イミド−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、α−メチ
ルスチレン−アクリロニトリル−メチルメタクリレート
共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリロニ
トリル−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−マ
レイミド−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−
α−メチルスチレン−マレイミド−アクリロニトリル−
メチルメタクリレート共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル−ブチルアクリレート共重合体などがあげられ
る。
【0057】本発明に使用される樹脂組成物(H)は、
グラフト共重合体(G)および重合体(F)を有し、ゴ
ム重合体(R)の含有量が5〜40%、好ましくは8〜
35%、さらに好ましくは10〜33%のものである。
ゴム重合体(R)の含有量が5%未満の場合には耐衝撃
性が低下し、40%をこえる場合には加工性が低下す
る。
【0058】なお、樹脂組成物(H)に含まれるグラフ
ト共重合体(G)および重合体(F)の割合は、ゴム重
合体(R)の含有量が5〜40%になるように使用され
るが、通常、合計量が100部になるように、グラフト
共重合体(G)が好ましくは2〜90部、さらに好まし
くは5〜80部、ことに好ましくは8〜70部、および
重量体(F)が好ましくは10〜98部、さらに好まし
くは20〜95部、ことに好ましくは30〜92部から
なる。グラフト共重合体(G)が2部未満になり、重合
体(F)が98部をこえると、耐衝撃性が低下する傾向
が生じ、グラフト共重合体(G)が90部をこえ、重合
体(F)が10部未満になると加工性が低下する傾向が
生じる。
【0059】本発明の熱可塑性樹脂組成物(J)には、
一般に知られている酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、顔料、帯電防止剤、滑剤を必要に応じて使用しても
よい。とくに、スチレン系樹脂などに用いられるフェノ
ール系、イオウ系、リン系、ヒンダードアミン系の安定
剤、抗酸化剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系の紫外線吸収剤および脂肪族炭化水素、高級脂肪酸と
高級アルコールとのエステル、脂肪酸金属塩、高級脂肪
酸のアミドまたはビスアミド、それらの変性体、オリゴ
アミドなどの内部滑剤、外部滑剤などは、本発明の組成
物を成形用樹脂組成物として、より高性能なものとする
ために用いることができる。これらの安定剤、滑剤は、
単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0060】前記脂肪酸金属塩を使用する場合、本発明
の熱可塑性樹脂組成物(J)100部に対し、脂肪酸金
属塩を0〜5部、さらには0.01〜4部、ことには
0.05〜3部使用するのが、耐衝撃性、発色性の点か
ら好ましい。脂肪酸金属塩が5部をこえると加工性が低
下する傾向が生じる。
【0061】前記脂肪酸金属塩としては、炭素数8〜3
2の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のK、Ca、Mg、A
l、Zn、Na、Pb塩などがあげられ、具体例として
は、たとえばオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナト
リウム、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウ
ム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、ス
テアリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、オレ
イン酸カルシウム、ラウリル酸カルシウム、ステアリン
酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸鉛などがあげられる。
【0062】なお、前記脂肪酸金属塩を添加する具体的
な方法としては、樹脂組成物のパウダー、ペレットなど
固形物と混合する方法、樹脂組成物重合時に乳化剤とし
て使用する方法、ラテックス、スラリーなど水分散系の
樹脂組成物に添加する方法などがある。耐衝撃性の点か
ら、樹脂組成物重合時に乳化剤として使用する方法、樹
脂組成物のラテックス、スラリーなど水分散系の樹脂組
成物に添加する方法が好ましい。さらに、耐衝撃性、発
色性の点から、ゴム重合体(R)、グラフト共重合体
(G)および重合体(F)からえらばれる1種以上の重
合体の重合時に前記脂肪酸金属塩を使用するならびに
(または)ゴム重合体(R)、グラフト共重合体(G)
および重合体(F)からえらばれる1種以上の重合体の
ラテックスに前記脂肪酸金属塩を添加するのが好まし
い。
【0063】つぎに、本発明の熱可塑性樹脂組成物
(J)の製法について説明する。
【0064】アクリル系ゴム重合体(A)、シリコーン
系ゴム重合体(B)、ジエン系ゴム重合体(C)、グラ
フト共重合体(G)、重合体(F)は、本発明の範囲の
ものが得られる限り、いかなる重合法を用いて製造した
ものでもかまわない。たとえば、公知の塊状重合法、溶
液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化−懸濁重合
法、乳化−塊状重合法など、本発明の範囲内の組成に制
御できればどの重合法よって製造したものでもよい。な
お、アクリル系ゴム重合体(A)、シリコーン系ゴム重
合体(B)、ジエン系ゴム重合体(C)、グラフト共重
合体(G)の製造は、ゴムの粒径分布、グラフト率を制
御しやすいなどの点から、乳化重合法で行うのが好まし
い。
【0065】また、本発明の範囲のものが得られる限
り、いかなる開始剤、連鎖移動剤、乳化剤を用いて製造
したものでもかまわない。
【0066】前記開始剤としては、有機系過酸化物、無
機系過酸化物、アゾ化合物などの公知の開始剤を使用す
ることができる。過酸化物は還元剤と組み合わせたレド
ックス系開始剤としても使用することができる。これら
のうちでは、耐衝撃性、発色性の点から、有機系過酸化
物を使用するのが好ましい。
【0067】前記有機系過酸化物は、重合系にそのまま
添加する方法、単量体に混合して添加する方法、乳化剤
水溶液に分散させて添加する方法など、公知の添加法で
添加することができるが、耐衝撃性、発色性の点から、
単量体に混合して添加する方法、乳化剤水溶液に分散さ
せて添加する方法が好ましい。
【0068】また、前記有機系過酸化物は、重合安定
性、粒径制御の点から、2価の鉄塩などの無機系還元剤
および(または)ホルムアルデヒドスルホキシル酸ソー
ダ、還元糖、アスコルビン酸などの有機系還元剤と組み
合わせたレドックス系開始剤として使用するのが好まし
い。
【0069】前記有機系過酸化物の具体例としては、た
とえばt−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、1,
1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイ
ドなどのハイドロパーオキサイド類、クミルパーオキシ
オクテート、t−ブチルイソプロピルカーボネートなど
のパーオキシエステル類、シクロヘキサノンパーオキサ
イドなどのケトンパーオキサイド類、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどのパーオキシ
ケタール類、t−ブチルクミルパーオキサイドなどのジ
アルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド
などのジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート
類などがあげられる。
【0070】前記無機系過酸化物の具体例としては、過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどがあげられる。
【0071】なお、アクリル系ゴム重合体(A)の重合
は、該ゴム重合体の原料単量体(混合物)100部に対
し、開始剤、とくには有機過酸化物を0.001〜0.
15部、さらには0.02〜0.10部を使用するのが
好ましい。開始剤が0.001部未満になると、重合転
化率が低くなる傾向が生じ、0.15部をこえると耐衝
撃性、発色性が低下する傾向が生じる。また、開始剤と
して無機系過酸化物を使用する場合には、耐衝撃性、発
色性の点から、該ゴム重合体の原料単量体(混合物)1
00部に対し、0.001〜0.08部、さらには0.
005〜0.06部、ことには0.01〜0.05部を
使用するのが好ましい。無機系過酸化物が0.001部
未満になると、重合転化率が低くなる傾向が生じ、0.
08部をこえると、耐衝撃性、発色性が低下する傾向が
生じる。
【0072】前記連鎖移動剤としては、たとえばt−ド
デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、α−
メチルスチレンダイマー、テルピノレンなど公知の連鎖
移動剤を使用することができる。
【0073】前記乳化剤としては、たとえばオレイン酸
ソーダ、パルミチン酸ソーダ、ロジン酸ソーダ、ロジン
酸カリウムなどの脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダ、炭素数12〜20のアルキルスルホン酸
ソーダ、ジオクチルスルホコハク酸ソーダ、α−スルホ
脂肪酸エステルソーダ、アルキルエーテルスルホン酸ソ
ーダなどのスルホン酸金属塩、ラウロイルザルコシン酸
ソーダ、オレオイルザルコシン酸ソーダなどのザルコシ
ン酸金属塩などの公知の乳化剤を使用することができ
る。
【0074】アクリル系ゴム重合体(A)の重合温度
は、耐衝撃性、発色性の点から、20〜80℃、さらに
は30〜70℃、とくには35〜65℃であるのが好ま
しい。重合温度が20℃未満になると、重合速度が低く
なり製造生産性に劣る傾向が生じ、80℃をこえると、
耐衝撃性、発色性が低下する傾向が生じる。
【0075】重合時の単量体や分子中に2つ以上の重合
性の官能基を有する多官能性ビニル系単量体の添加方法
としては、反応容器に連続的に滴下してもよく、一括で
添加してもよく、初期に一部を連続的にまたは一括で添
加し、そののち残りを連続的に滴下するなど分割添加し
てもよい。これらのうちでは、粒径制御の点から、単量
体は連続的に滴下する方法または初期に一部を一括添加
し、そののち残りを連続滴下する方法が好ましい。
【0076】グラフト共重合体(G)の製造は、一般に
ゴム重合体(R)ラテックスの存在下、シアン化ビニル
化合物、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル、マレイミド化合物およびこれらと共重合可
能な単量体からえらばれる2種以上(ただし、2種のと
きはシアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル、マレイミド化合物か
らえらばれる)からなる単量体を、グラフト率が15〜
150%になるようにグラフト共重合させることにより
行なわれる。この際、製造されたグラフト共重合体(G
P)中に含まれるメチルエチルケトン不溶分のグラフト
共重合体(G)の割合は6〜100%、好ましくは40
〜100%、さらに好ましくは70〜100%であり、
0〜94%、好ましくは0〜60%、さらに好ましくは
0〜30%含まれるメチルエチルケトン可溶分は、シア
ン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物、(メタ)アク
リル酸エステル、マレイミド化合物およびこれらと共重
合可能な単量体からえらばれる2種以上(ただし、2種
のときはシアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物、
(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド化合物からえ
らばれる)からなる共重合体(GPF)であるため、重
合体(F)または別々に合成した重合体(f)と混合し
たものが重合体(F)として使用される。
【0077】なお、グラフト共重合体(GP)中のメチ
ルエチルケトン可溶分(共重合体(GPF))が重合体
(F)として使用される場合には該可溶分が、また、別
に合成した重合体(f)と混合したものが重合体(F)
として使用される場合には該混合物が還元粘度(30
℃、0.3g/dlのN,N−ジメチルホルムアミド溶
液)0.3〜2dl/g、好ましくは0.4〜1.5d
l/g、さらに好ましくは0.5〜1dl/gであるこ
とが必要である。
【0078】本発明の熱可塑性樹脂組成物(J)は、そ
の製造方法によって異なるが、グラフト共重合体
(G)、重合体(F)(グラフト共重合体(GP)およ
び重合体(f)を用いる場合はグラフト共重合体(G
P)および重合体(f)、以下同様)を、たとえばラテ
ックス、スラリー、溶液、粉末、ペレットなどの状態あ
るいはこれらの組み合わせで混合して製造することがで
きる。たとえば、グラフト共重合体(G)、重合体
(F)がラテックスから得られる場合、ポリマー粉末を
回収するときは通常の方法、たとえばラテックスに塩化
カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムのよ
うなアルカリ土類金属の塩、塩化ナトリウム、硫酸ナト
リウムのようなアルカリ金属の塩、塩酸、硫酸、リン
酸、酢酸のような無機酸および有機酸を添加することで
ラテックスを凝固させたのち、脱水乾燥する方法で実施
することができる。また、スプレー乾燥法を使用するこ
ともできる。この際、安定剤などの使用する量の一部を
分散液の状態でこれら樹脂のラテックスあるいはスラリ
ーに添加することもできる。
【0079】本発明の熱可塑性樹脂組成物(J)は、グ
ラフト共重合体(G)および重合体(F)の粉末、ペレ
ットなどに対し、必要に応じて前記の安定剤、滑剤、顔
料などを配合し、バンバリミキサー、ロールミル、1軸
押出機、2軸押出機など公知の溶融混練機で混練し、射
出成形、押出成形、ブロー成形など公知の成形法で、目
的の成形品に賦形することができる。
【0080】なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物(J)
は、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アミ
ド系樹脂からえらばれる1種以上の熱可塑性樹脂とのポ
リマーアロイとして使用してもよい。
【0081】
【実施例】以下、本発明の組成物を具体的な実施例に基
づいて説明するが、これら実施例は本発明を限定するも
のではない。
【0082】なお、実施例および比較例で用いた原料の
略号と原料との関係および評価方法を、以下にまとめて
説明する。 BA:ブチルアクリレート TAC:トリアリルシアヌレート AN:アクリロニトリル St:スチレン tDM:t−ドデシルメルカプタン CHP:クメンハイドロパーオキサイド PMI:N−フェニルマレイミド αMSt:α−メチルスチレン MMA:メチルメタクリレート 有機系シリコーンオイル(I−1):SH−200(ジ
メチルシリコーンオイル、10000cST)、東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株)製 有機系シリコーンオイル(I−2):SH−510(メ
チルフェニルシリコーンオイル、500cST)、東レ
・ダウコーニング・シリコーン(株)製 有機系シリコーンオイル(I−3):SF8411(エ
ポキシ変性シリコーンオイル、8000cST)、東レ
・ダウコーニング・シリコーン(株)製
【0083】(還元粘度)MEK可溶重合体(共重合体
(GPF)、重合体(f)など)を、濃度0.3g/d
lのN,N−ジメチルホルムアミド溶液として、30℃
で、ウベロード型粘度計で溶液粘度を測定して算出し
た。
【0084】(グラフト率)グラフト共重合体(GP)
のパウダーをメチルエチルケトンに溶解させて、遠心分
離し、メチルエチルケトン可溶分と不溶分を得た。この
可溶分と不溶分との重量比率から、グラフト共重合体
(G)のグラフト率を算出した。
【0085】(ゴム重合体の体積平均粒径)各ラテック
スについて、日機装(株)(製)のマイクロトラックU
PA粒径分布計を用いて測定した。
【0086】(重合転化率)ガスクロマトグラフィーの
結果から算出した。
【0087】[樹脂組成物の特性] (発色性)グラフト共重合体(G)と重合体(F)から
なる樹脂組成物(H)100部に、エチレンビスステア
リルアミド1部、カーボン0.4部を配合した黒色サン
プル(ASTM規格1/4インチ厚みバー、127mm
長さ)を目視(5点法)にて下記基準で評価した。 5点:黒色でムラがない 4点:黒色でムラが若干ある 3点:やや青みがある黒色でややムラがある 2点:青みがある黒色でムラがある 1点:青みがある黒色でムラが激しい
【0088】(耐候性)グラフト共重合体(G)と重合
体(F)からなる樹脂組成物(H)100部に、エチレ
ンビスステアリルアミド1部、酸化チタン3部、ヒンダ
ードアミン(旭電化工業(株)製 LA−63)0.3
部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバガイギー
(社)製チヌビン234)0.3部を添加した白色サン
プルのサンシャインウエザオメーター63℃(雨あ
り)、1000時間照射後の変色(ΔE値)で評価し
た。
【0089】(耐衝撃性)IZOD衝撃強度で評価し
た。IZOD衝撃強度は、ASTM D−256規格
(1/4インチ厚み)にしたがって23℃で測定した
(単位:J/m)。
【0090】(落錘強度)23℃で100mm×150
mm、厚さ2mmの平板の半数破壊高さ×荷重で評価し
た(単位:J)。
【0091】(引張強度、引張伸び)ASTM D63
8規格にしたがって、1号ダンベルを使用し、23℃で
評価した。引張強度の単位:MPa、引張伸びの単位:
%。
【0092】(耐熱性(HDT))ASTM D648
の1.82MPa荷重の熱変形温度で評価した(単位:
℃)。
【0093】(流動性)(株)ファナック製FAS−1
00B射出成形機を使用し、シリンダー温度250℃、
射出圧力132MPaで、3mm厚さのスパイラル形状
の金型内における樹脂の流動長(単位:mm)で評価し
た。
【0094】製造例1(酸基含有ラテックス(S)の製
造) すでに本発明者らが提案している特開平8−13431
6号公報に記載の乳化重合法により、組成がブチルメタ
クリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸=70
/14/16の酸基含有共重合体のラテックスを合成
し、体積平均粒径が98nmの酸基含有ラテックス(S
−1)(固形分32%)および体積平均粒径が130n
mの酸基含有ラテックス(S−2)(固形分32%)を
得た。
【0095】製造例2(アクリル系ゴム重合体(A)の
製造)アクリル系ゴム重合体(A−1) 重合機に純水200部を仕込み、重合機内を脱気し、チ
ッ素置換したのち、パルミチン酸ナトリウム0.7部を
仕込んだ。45℃まで昇温し、エチレンジアミン四酢酸
二ナトリウム0.01部、硫酸第一鉄(七水塩)0.0
025部、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム
0.3部を加えた。1段目の単量体としてBA75部、
TAC0.3部、CHP0.037部の混合物を6時間
連続滴下し、滴下終了後、45℃で1時間攪拌した。滴
下1.5時間目と3時間目に各々パルミチン酸ナトリウ
ム0.25部を添加した。つづいて、2段目の単量体と
してBA25部、TAC0.4部、CHP0.013部
の混合物を3時間連続滴下し、滴下終了後、45℃で1
時間攪拌し、重合を終了した。転化率は99%であっ
た。得られたアクリル系ゴム重合体(A)のラテックス
の体積平均粒径は92nmであった。
【0096】アクリル系ゴム重合体(A−2) 表1に記載の原料を表1に記載の組成で用いた以外は、
アクリル系ゴム重合体(A−1)と同様にして重合し
た。ただし、乳化剤は初期(純水仕込み時)にパルミチ
ン酸ナトリウム1部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム2部を使用した。
【0097】アクリル系ゴム重合体(A−3) 表1に記載の原料を表1に記載の組成で用いた以外は、
アクリル系ゴム重合体(A−1)と同様にして重合し
た。ただし、パルミチン酸ナトリウムは初期に0.30
部、滴下1.5時間目、3時間目に各々0.25部、
0.5部を添加した。
【0098】アクリル系ゴム重合体(A−4) 表1に記載の原料を表1に記載の組成で用いた以外は、
アクリル系ゴム重合体(A−1)と同様にして重合し
た。ただし、単量体は、1段階でBA100部、TAC
1.5部、CHP0.3部の混合物を9時間連続滴下
し、滴下終了後、45℃で1時間攪拌した。パルミチン
酸ナトリウムは初期0.006部、滴下1時間目、3時
間目、6時間目に各々0.15部、0.25部、0.5
部を添加した。
【0099】アクリル系ゴム重合体(A−1)〜(A−
4)の原料の組成、比率a/b、重合転化率、体積平均
粒径を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】アクリル系ゴム重合体(A−5) アクリル系ゴム重合体(A−1)100部を固形分31
%、pH11のラテックスに調整し、60℃で酸基含有
ラテックス(S−1)3.2部を添加し、60℃で1時
間攪拌して肥大化させ、体積平均粒径が330nmのア
クリル系ゴム重合体(A−5)のラテックスを得た。
【0102】製造例3(シリコーン系ゴム重合体(B)
の製造)シリコーン系ゴム重合体(B−1) 純水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
3部、オクタメチルシクロテトラシロキサン100部、
テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルジメトキシメチルシラン0.5部をホモジナイ
ザーで乳化分散させ、オルガノシロキサンのラテックス
を得た。重合機内を脱気し、チッ素置換したのち、前記
のオルガノシロキサンのラテックスを重合機に仕込み、
80℃に昇温し、ドデシルベンゼンスルホン酸0.2部
を加え、5時間攪拌したのち、23℃で24時間放置
し、そののち水酸化ナトリウムで中和し重合を終了し
た。重合転化率は92%、得られたゴムラテックス(B
−1)の体積平均粒径は80nmであった。
【0103】製造例4(ジエン系ゴム重合体(C)の製
造)ジエン系ゴム重合体(C−1) 耐圧重合機(100L)に水200部を仕込み、重合機
内を脱気し、チッ素置換したのち、ブタジエン100
部、オレイン酸ナトリウム1部、ロジン酸ナトリウム2
部、炭酸ナトリウム0.05部、過硫酸カリウム0.2
部、tDM0.2部を仕込んだ。60℃まで昇温し、重
合を開始し、重合を16時間で終了させ、ジエン系ゴム
重合体(C−1)のラテックスを得た。得られたラテッ
クスの重合転化率は95%、体積平均粒径は98nmで
あった。
【0104】ジエン系ゴム重合体(C−2) ジエン系ゴム重合体(C−1)100部を固形分31
%、pH11のラテックスに調整し、60℃で酸基含有
ラテックス(S−1)3.2部を添加し、60℃で1時
間攪拌して肥大化させ、体積平均粒径が415nmのジ
エン系ゴム重合体(C−2)のラテックスを得た。
【0105】ジエン系ゴム重合体(C−3)および(C
−4) 表2に記載の原料を表2に記載の組成で用いた以外は、
ジエン系ゴム重合体(C−2)と同様にしてジエン系ゴ
ム重合体(C−3)、(C−4)を製造した。ジエン系
ゴム重合体(C−2)〜(C−4)の原料の組成、体積
平均粒径を表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】製造例5(グラフト共重合体(G)の製
造)グラフト共重合体(G−1) アクリル系ゴム重合体(A−1)のラテックス45部
(固形分)、ジエン系ゴム重合体(C−2)のラテック
ス10部(固形分)、水250部を重合機に入れチッ素
置換し、65℃に昇温したのち、パルミチン酸ナトリウ
ム0.3部(固形分)、エチレンジアミン四酢酸二ナト
リウム0.004部、硫酸第一鉄(七水塩)0.001
部、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2
部を加え、AN12部、St33部およびCHP0.3
部の混合液を5時間かけて連続添加した。さらに2時間
の後重合を行い、グラフト共重合体(G−1)のラテッ
クスを得た。重合転化率は99%であった。重合転化率
およびMEK可溶量、MEK不溶量からグラフト率、グ
ラフト共重合体(G)の比率を求めた。グラフト共重合
体(GP−1)は、MEK可溶のAN−St共重合体1
4%とMEK不溶のグラフト共重合体(G−1)86%
からなる重合体であった。結果を表3に示す。
【0108】グラフト共重合体(G−2)〜(G−7) 表3に記載の原料を表3に記載の組成で用いた以外は、
グラフト共重合体(GP−1)と同様にしてグラフト共
重合体(GP−2)〜(GP−7)のラテックスを得、
重合転化率およびMEK可溶量、MEK不溶量からグラ
フト率、グラフト共重合体(G)の比率を求めた。結果
を表3に示す。
【0109】
【表3】
【0110】製造例6(重合体(f)の製造)重合体(f−1) 重合機に水250部、パルミチン酸ナトリウム0.5部
(固形分)を投入し、60℃に昇温したのち、チッ素置
換した。つづいてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
0.01部、硫酸第一鉄(七水塩)0.0025部、ホ
ルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.4部を加
えたのち、AN28部、St72部、t−DM0.30
部およびCHP0.2部の混合液を8時間かけて連続添
加した。連続添加1.5時間目に、パルミチン酸ナトリ
ウム0.5部(固形分)、3時間目にパルミチン酸ナト
リウム0.5部(固形分)を追加した。さらに12時間
の後重合を行い、メチルエチルケトン可溶の重合体(f
−1)のラテックスを得た。重合転化率は99%、還元
粘度は0.67dl/gであった。
【0111】重合体(f−2)〜(f−3) 表4に記載の原料を表4に記載の割合で用いた以外は、
重合体(f−1)と同様にして、メチルエチルケトン可
溶の重合体を製造した。
【0112】重合体(f−2)〜(f−3)の原料の組
成、重合転化率、還元粘度を表4に示す。
【0113】
【表4】
【0114】実施例1 グラフト共重合体(GP−1)のラテックス、重合体
(f−1)のラテックスを表5に示す割合で混合し、フ
ェノール系抗酸化剤(旭電化工業(株)製AO−50)
を加えたのち、塩化カルシウムを加えて凝固させた。凝
固スラリーを熱処理、脱水乾燥して、グラフト共重合体
(GP−1)、重合体(f−1)の混合樹脂粉末を得
た。ついで得られた混合樹脂粉末に、有機系シリコーン
オイル(I−1)0.4部、エチレンビスステアリルア
ミド1部を配合し、(株)タバタ製20Lヘンシェルミ
キサーで均一にブレンドした。さらに(株)タバタ製4
0m/mの1軸押出機で、240℃で溶融混練して、熱
可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。このペレット
から、(株)ファナック製射出成形機FAS−100B
を用いて250℃で必要なテストピースを成形し、試験
に供した。また、その他の評価も行なった。結果を表5
に示す。
【0115】実施例2〜11および比較例1〜5 表5、表6に記載の原料を表5、表6に記載の割合で用
い、さらにエチレンビスステアリルアミド1部を配合し
た以外は、実施例1と同様にしてペレットを製造し、テ
ストピースを成形して試験に供した。ただし、1軸押出
機の温度は、実施例3、実施例4、比較例4は260℃
に設定した。また、その他の評価も行なった。結果を表
5、表6に示す。
【0116】
【表5】
【0117】
【表6】
【0118】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は加工性に
優れ、とくに耐衝撃性に優れ、発色性、耐候性、剛性、
耐熱性に優れた成形品を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/20 C08L 33/20 35/00 35/00 //(C08L 51/04 83:04) Fターム(参考) 4J002 BC06X BC07X BC09X BH01X BN12W BN17W BN22W CP03Y EG026 EG036 EG046 FD206

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルエチルケトン不溶分が、体積平均
    粒径10〜1000nmのアクリル系ゴム重合体(A)
    およびシリコーン系ゴム重合体(B)の1種以上15〜
    100重量%、および体積平均粒径50〜1500nm
    のジエン系ゴム重合体(C)0〜85重量%からなるゴ
    ム重合体(R)ならびにシアン化ビニル化合物残基、芳
    香族ビニル化合物残基、(メタ)アクリル酸アルキルエ
    ステル残基、マレイミド化合物残基およびこれらと共重
    合可能な単量体残基からえらばれる2種以上(ただし、
    2種のときはシアン化ビニル化合物残基、芳香族ビニル
    化合物残基、(メタ)アクリル酸アルキルエステル残
    基、マレイミド化合物残基からえらばれる)からなる単
    量体残基(M)からなり、グラフト率が15〜150重
    量%であるグラフト共重合体(G)からなり、メチルエ
    チルケトン可溶分が、シアン化ビニル化合物残基、芳香
    族ビニル化合物残基、(メタ)アクリル酸エステル残
    基、マレイミド化合物残基およびこれらと共重合可能な
    単量体残基からえらばれる2種以上(ただし、2種のと
    きはシアン化ビニル化合物残基、芳香族ビニル化合物残
    基、(メタ)アクリル酸エステル残基、マレイミド化合
    物残基からえらばれる)からなり、還元粘度(30℃、
    0.3g/dlのN,N−ジメチルホルムアミド溶液)
    が0.3〜2dl/gである重合体(F)からなり、か
    つゴム重合体(R)含有量が5〜40重量%である樹脂
    組成物(H)100重量部および有機系シリコーンオイ
    ル(I)0.005〜5重量部からなる熱可塑性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 アクリル系ゴム重合体(A)が、多官能
    性ビニル単量体0.01〜8重量部を有する原料単量体
    100重量部に対して開始剤0.001〜0.15重量
    部を用いて乳化重合して得られる請求項1記載の熱可塑
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 開始剤が有機系過酸化物である請求項2
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 アクリル系ゴム重合体(A)が、アルキ
    ル基の炭素数が1〜12のアルキルアクリレートからえ
    らばれる1種以上70〜99.99重量%、多官能性ビ
    ニル単量体(Ka)0.01〜2重量%およびこれらと
    共重合可能な単量体0〜28重量%からなる単量体混合
    物(Da)60〜95重量部を重合させたのち、さらに
    アルキル基の炭素数が1〜12のアルキルアクリレート
    からえらばれる1種以上70〜99重量%、多官能性ビ
    ニル単量体(Kb)1〜8重量%およびこれらと共重合
    可能な単量体0〜22重量%からなる単量体混合物(D
    b)5〜40重量部を合計量が100重量部になるよう
    に重合してなり、多官能性ビニル単量体(Ka)/単量
    体混合物(Da)の重量比率aと多官能性ビニル単量体
    (Kb)/単量体混合物(Db)の重量比率bとの比率
    a/bが、0.7以下である請求項1記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 ジエン系ゴム重合体(C)が、アクリル
    酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸からえらば
    れる1種以上の不飽和酸(c)5〜50重量%、アルキ
    ル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレー
    トからえらばれる1種以上(d)50〜95重量%およ
    び(c)、(d)と共重合可能な単量体0〜40重量%
    を重合させて得られる酸基含有ラテックス(S)で凝集
    肥大させて得られる請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 ゴム重合体(R)、グラフト共重合体
    (G)および重合体(F)からえらばれる1種以上の重
    合体の重合時に脂肪酸金属塩を使用するならびに(また
    は)ゴム重合体(R)、グラフト共重合体(G)および
    重合体(F)からえらばれる1種以上の重合体ラテック
    スに脂肪酸金属塩を添加する請求項1記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
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