JP4671531B2 - 成型加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形加工時の高温滞留によるガス発生や得られる成型体の外観性(シルバーの発生)、光沢低下を改善した共重合体またはそれを含む耐熱性、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂、とくにABS樹脂は、その優れた耐衝撃性、耐熱性、剛性、加工性などを有するため、各種雑貨、自動車の内外装材(インパネ、クラスター、センターパネル、ベンチレーター、コンソール、ピラー、フィニッシャー、ガーニッシュ、スポイラー、ラジエターグリル、ランプハウジング、エアロパーツ、バンパー、ミラーハウジング、ルーフラックモールなど)、ジャー炊飯器、電子レンジ、掃除機などの家電製品のハウジングや部品、電話機、ファクシミリなどのOA機器のハウジングや部品などに広く使用されている。
【0003】
近年、ABS樹脂は耐熱性を向上させるために、ABS樹脂のマトリックス成分に、Tgの高いα−アルキル置換芳香族ビニル化合物を共重合した耐熱ABS樹脂が開発されている。しかし、α−アルキル置換芳香族ビニル化合物を共重合することにより流動性が低下するために、高温での成形が要求され、成形加工時のガス発生やそのような高温成型で得られる成型体の外観性(シルバーの発生)、光沢の低下等の問題がある。
【0004】
前記流動性を改善するために滑剤を添加する方法、高分子加工助剤を添加する方法(特開昭62−053367号公報、特開平03−006252号公報)が提案されているが、耐熱性の低下、高温成形加工時の成形性が充分ではない。
【0005】
また、耐熱性と流動性を両立させるために、マトリックス成分にマレイミド化合物を共重合する方法(特開昭61−236810号公報、特開昭61−246217号公報)が提案されているが、高温成形加工時の成形性が充分ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のごとき問題を解消した、成形加工時の高温滞留によるガス発生や得られる成型体の外観性(シルバーの発生)、光沢低下を改善した共重合体またはそれを含む耐熱性、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、マトリックス成分となる共重合体の乳化重合を特定の乳化剤を用い、特定のpHに調整して行うことによって、成形加工時の高温滞留によるガスの発生や得られる成型体の外観性の低下(シルバーの発生)、光沢の低下が改善できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、マレイミド化合物及び、シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物又は(メタ)アクリル酸エステルを重合して得られる共重合体10〜90重量部、及び
ジエン系ゴム重合体10〜90重量%の存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、又は(メタ)アクリル酸エステルからなる単量体混合物90〜10重量%を重合して得られるグラフト共重合体90〜10重量部(合わせて100重量部)からなる熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
該共重合体、該グラフト共重合体、及び該ジエン系ゴム重合体を、各々、TGA(50℃から350℃に毎分5℃で昇温する昇温試験)による重量減少量が25%以下、かつ、ロス・マイルス法(25℃、濃度0.01%水溶液を起泡後、1分静置する起泡試験)による泡高さが10mm以下であり、かつ、アルキルスルホン酸金属塩である乳化剤を用い、かつ、pH5.0〜9.0の乳化重合系で重合してラテックスとして得る工程、
得られた、該共重合体ラテックス、及び該グラフト共重合体ラテックスを混合する工程、及び
該混合工程で得られたラテックスを凝固する工程を含む
熱可塑性樹脂組成物の製造方法(請求項1)、さらに、前記混合工程の際、安定剤を添加する、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法(請求項2)に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の共重合体は、 TGAを用い50℃から350℃に毎分5℃で昇温する昇温試験による重量減少量が25%以下、かつ、ロス・マイルス法の25℃、濃度0.01%水溶液を起泡後、1分静置する起泡試験による泡高さが10mm以下である乳化剤を用い、pH5.0〜9.0の乳化重合系で重合して得られる共重合体であって、マレイミド化合物とシアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物又は(メタ)アクリル酸エステル(マレイミド化合物は必須)を共重合して得られる。該共重合体はさらに、これら用いられる単量体と共重合可能な単量体を併用して重合することもできる。
【0010】
前記共重合体は、耐衝撃性、成形性の点から、マレイミド化合物を好ましくは1〜35%、より好ましくは1〜30%、更に好ましくは1〜25%、シアン化ビニル化合物を好ましくは10〜45%、より好ましくは15〜40%、更に好ましくは20〜35%、芳香族ビニル化合物を好ましくは20〜89%、より好ましくは30〜84%、更に好ましくは40〜79%、(メタ)アクリル酸エステルを好ましくは0〜35%、より好ましくは0〜25%、更に好ましくは0〜15%、およびこれらと共重合可能な単量体を好ましくは0〜30%、より好ましくは0〜20%、更に好ましくは0〜10%(合計100%)を重合して得られる共重合体である。
【0011】
前記共重合体を構成する前記マレイミド化合物としては、例えばマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミドなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
前記共重合体を構成する前記シアン化ビニル化合物としては、たとえばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどががあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
前記共重合体を構成する前記芳香族ビニル化合物としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチルクロルスチレン、p−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、クロルスチレン、ブロムスチレン、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
前記共重合体を構成する前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜12の直鎖あるいは側鎖を有するアルコールとのエステル、たとえばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシルエチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシルエチルなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
前記共重合体を構成する前記その他共重合可能な単量体としては、たとえば(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸などの酸無水物などがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
これらのうちでは、工業的見地から、マレイミド化合物としてはN−フェニルマレイミド、シアン化ビニル化合物としてはアクリロニトリル、芳香族ビニル化合物としてはスチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸エステルとしてはメチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレートが好ましい。
【0017】
前記共重合体の具体例としては、たとえば前記共重合体の重合条件で重合したスチレン−マレイミド共重合体、スチレン−マレイミド−アクリロニトリル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−マレイミド−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイミド−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−マレイミド−アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−マレイミド−アクリロニトリル−ブチルアクリレート共重合体などがあげられる。
【0018】
本発明の共重合体の粘度は、特に限定されないが、メチルエチルケトン可溶分の還元粘度(30℃、0.3g/dl、N,N−ジメチルホルムアミド溶液)が0.2〜2dl/gが好ましく、0.3〜1.5dl/gがさらに好ましく、最も好ましくは0.3〜1dl/gである。還元粘度が0.2dl/g未満になると、耐衝撃性が低下する傾向があり、2dl/gをこえると加工性が低下する傾向がある。
【0019】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成分であるグラフト共重合体を構成するジエン系ゴム重合体は耐衝撃性向上のために使用される成分である。
【0020】
ジエン系ゴム重合体は、耐衝撃性の点からゲル分が好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上である。
【0021】
ジエン系ゴム重合体の体積平均粒径は特に制限はないが、光沢、耐衝撃性の点から好ましくは50〜1000nmである。体積平均粒径が50nm未満になると耐衝撃性が低下する傾向が生じ、1000nmをこえると光沢、耐衝撃性が低下する傾向が生じる。
【0022】
ジエン系ゴム重合体は、シリコーン系ゴム重合体またはアクリル系ゴム重合体と併用することも可能で、その場合、ジエン系重合体の比率は、特に制限はない。耐衝撃性の点から、ジエン系ゴム重合体が50〜100%、好ましくは60〜100%、更に好ましくは70〜100%である。
【0023】
ジエン系ゴム重合体としては、一般にジエン系ゴムとして用いられているものであればとくに限定なく使用することができる。その具体例としては、たとえばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルアクリレート−ブタジエンゴムなどがあげられる。これらのうちではブタジエンゴムあるいはスチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
【0024】
アクリル系ゴム重合体としては、一般にアクリル系ゴムとして用いられているものであればとくに限定なく使用することができる。その具体例としては、たとえばアクリル酸ブチルゴム、ブタジエン−アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブチルゴム、メタクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸ステアリル−アクリル酸ブチルゴム、ジメチルシロキサン−アクリル酸ブチルゴム、シリコーンゴム/アクリル酸ブチル複合ゴムなどがあげられる。これらのうちではアクリル酸ブチルゴム、ブタジエン−アクリル酸ブチルゴムが好ましい。
【0025】
シリコーン系ゴム重合体としては、一般にシリコーン系ゴムとして用いられているものであればとくに限定なく使用することができる。その具体例としては、たとえばポリジメチルシロキサンゴム、シリコーンゴム/アクリル酸ブチル複合ゴムなどがあげられる。これらのうちではシリコーンゴム/アクリル酸ブチル複合ゴムが好ましい。
【0026】
本発明のグラフト共重合体は、ジエン系ゴム重合体10〜90%の存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステルからなる単量体混合物90〜10%を重合して得られたグラフト共重合体である。更に、これらと共重合可能な単量体を併用しても構わない。
【0027】
グラフト共重合体はMEKに不溶成分を含むもので、グラフト率が好ましくは15〜150%、より好ましくは25〜120%、さらに好ましくは30〜100%である。グラフト率が15%未満の場合、耐衝撃性および成形加工時の高温滞留により光沢・成形性(フローマーク)が低下する傾向があり、150%をこえると加工性が低下する傾向がある。
【0028】
グラフト共重合体に用いる単量体は、耐衝撃性、加工性の点から、シアン化ビニル化合物好ましくは10〜45%、より好ましくは15〜40%、更に好ましくは20〜35%、芳香族ビニル化合物好ましくは55〜90%、より好ましくは60〜85%、更に好ましくは65〜80%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル好ましくは0〜35%、より好ましくは0〜25%、更に好ましくは0〜15%、その他共重合可能な単量体好ましくは0〜30%、より好ましくは0〜20%、更に好ましくは0〜10%(合計100%)の割合である。シアン化ビニル化合物が10%未満になる、芳香族ビニル化合物が90%をこえると、または共重合可能な単量体が35%をこえると、いずれの場合も、耐衝撃性が低下する傾向が生じる。シアン化ビニル化合物が45%をこえる、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが35%をこえると、または芳香族ビニル化合物が55%未満になると、いずれも加工性が低下する傾向がある。
【0029】
単量体を構成する前記シアン化ビニル化合物としては、たとえばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが、前記芳香族ビニル化合物としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、クロルスチレン、ブロムスチレン、ビニルナフタレンなどが、(メタ)アクリル酸エステルとしては、たとえば(メタ)アクリル酸およびそのメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ヒドロキシルエチル、2−エチルヘキシル、グリシジルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体などがあげられる。
【0030】
工業的見地から、前記シアン化ビニル化合物としてはアクリロニトリル、芳香族ビニル化合物としてはスチレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてはメタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルが好ましい。
【0031】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記共重合体10〜90部(重量部、以下同様)および前記グラフト共重合体90〜10部(合計量が100部)からなり、該組成物中の前記ジエン系ゴム重合体の含有量が好ましくは5〜40%、より好ましくは5〜35%、さらに好ましくは10〜35%である。前記ジエン系ゴム重合体の含有量が5%未満の場合には耐衝撃性が低下する傾向があり、40%をこえる場合には加工性が低下する傾向がある。
【0032】
なお、熱可塑性樹脂組成物に含まれる前記共重合体および前記グラフト共重合体の割合は、前記ジエン系ゴム重合体の含有量が5〜40%になるように配合されることが好ましいが、通常、前記共重合体が好ましくは10〜90部、より好ましくは10〜80部、更に好ましくは10〜70部、および前記グラフト重量体が好ましくは10〜90部、より好ましくは20〜90部、更に好ましくは30〜90部からなる。前記共重合体が10部未満になり、前記グラフト共重合体が90部をこえると、加工性が低下する傾向があり、前記共重合体が90部をこえ、前記グラフト共重合体が10部未満になると耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0033】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、一般に知られている酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、滑剤を必要に応じて使用してもよい。とくに、スチレン系樹脂などに用いられるフェノール系、イオウ系、リン系、ヒンダードアミン系の安定剤、抗酸化剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤および脂肪族炭化水素、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、脂肪酸金属塩、高級脂肪酸のアミドまたはビスアミド、それらの変性体、オリゴアミド、有機系シリコーンオイルなどの内部滑剤、外部滑剤などは、本発明の組成物を成形用樹脂組成物として、より高性能なものとするために用いることができる。ことに有機系シリコーンオイルは、光沢、耐衝撃性、摺動性、離型性の点から使用するのが好ましい。有機系シリコーンオイルの具体例としては、たとえばポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどである。これらのうちではポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンが好ましい。有機系シリコーンオイルの分子量にはとくに限定はないが、1000(千)〜50万程度が好ましい。有機系シリコーンオイルの動粘度にもとくに限定はないが、25℃で0.1〜100万cSt(センチストークス)が好ましく、耐衝撃性の点から、より好ましくは1〜20万cSt、更に好ましくは10〜10万cStが好ましい。
【0034】
これらの安定剤、滑剤は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
つぎに、本発明の共重合体および熱可塑性樹脂組成物の製法について説明する。共重合体の製造は、分子量、組成分布を制御しやすいなどの点から、乳化重合法により製造を行う。
【0036】
乳化重合を行う乳化剤は、 TGA(50℃から350℃に毎分5℃で昇温し、強制的な送風はしない昇温試験)による重量減少量が25%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは15%以下、かつ、ロス・マイルス法(25℃、濃度0.01%水溶液を起泡後、1分静置する起泡試験)による泡高さが10mm以下、好ましくは5mm以下、更に好ましくは0mmである乳化剤を用い、pH5.0〜9.0の乳化重合系で製造を行う。重量減少量が25%をこえる、pH5.0未満、pH9.0をこえると、共重合体および熱可塑性樹脂組成物の成形加工時に樹脂が高温で滞留した場合の成形品の外観性低下(シルバーの発生)、光沢低下、ガス発生量が増加する。重合設備等の腐食(錆)を防止する観点からも、pH5.0以上であるのが好ましい。泡高さが10mmをこえると、重合、処理で発生する排水が発砲し、生産性が低下する。
【0037】
TGAによる重量減少量が25%以下、、ロス・マイルス法による泡高さが10mm以下、かつpH5.0〜9.0の範囲内で乳化重合を行える乳化剤として、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸カリウムなどの公知のスルホン酸金属塩を使用することができる。この具体例としては、炭素数12〜20のアルキルスルホン酸ナトリウム、炭素数12〜20のアルキルスルホン酸カリウムが挙げられる。さらに、工業的観点から、アルキルスルホン酸ナトリウムを使用するのが好ましい。
【0038】
また、上記範囲内のpHで乳化重合が行える限り、pH調整剤を併用してもかまわない。pH調整剤としては、例えば炭酸ソーダ、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウムなどの公知のpH調整剤を使用することができる。
【0039】
共重合体の製造は、重合中のpH制御が容易なことおよびラテックス安定性という観点から、製造中に乳化剤を二回以上に分けて(重合開始前と重合開始後に1回以上)追加するのが好ましい。
【0040】
また、開始剤は各種開始剤が使用できる。更に、重合時には連鎖移動剤を用いて製造してもかまわない。
【0041】
前記開始剤としては、有機系過酸化物、無機系過酸化物、アゾ化合物などの公知の開始剤を使用することができる。過酸化物は還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤としても使用することができる。これらのうちでは、耐衝撃性、発色性の点から、有機系過酸化物を使用するのが好ましい。
【0042】
前記有機系過酸化物は、重合系にそのまま添加する方法、単量体に混合して添加する方法、乳化剤水溶液に分散させて添加する方法など、公知の添加法で添加することができるが、耐衝撃性、発色性の点から、単量体に混合して添加する方法あるいは乳化剤水溶液に分散させて添加する方法が好ましい。
【0043】
また、前記有機系過酸化物は、重合安定性、粒径制御の点から、2価の鉄塩などの無機系還元剤および(または)ホルムアルデヒドスルホキシル酸ソーダ、還元糖、アスコルビン酸などの有機系還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤として使用するのが好ましい。
【0044】
前記有機系過酸化物の具体例としては、たとえばt−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、クミルパーオキシオクテート、t−ブチルイソプロピルカーボネートなどのパーオキシエステル類、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどのパーオキシケタール類、t−ブチルクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類などがあげられる。前記無機系過酸化物の具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどがあげられる。
【0045】
前記連鎖移動剤としては、たとえばt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー、テルピノレンなど公知の連鎖移動剤を使用することができる。
【0046】
重合時の単量体の添加方法としては、反応容器に連続的に滴下してもよく、一括で添加してもよく、初期に一部を連続的にまたは一括で添加し、その後残りを連続的に滴下するなど分割添加してもよい。これらのうちでは、分子量、組成分布制御の点から、単量体は連続的に滴下する方法または初期に一部を一括添加し、その後残りを連続滴下する方法が好ましい。
【0047】
グラフト共重合体の製造は、グラフト率、組成分布を制御しやすいなどの点から、乳化重合法により製造を行うことが好ましい。さらに、ジエン系ゴム重合体(R)の製造は、ゴムの粒径分布を制御しやすいなどの点から、乳化重合法により製造を行うことがより好ましい。
【0048】
乳化重合を行う乳化剤は、TGAの前記条件による重量減少量が25%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは15%以下、かつ、ロス・マイルス法の前記条件による泡高さが10mm以下、好ましくは5mm以下、更に好ましくは0mmである乳化剤を用い、pH5.0〜9.0の乳化重合系で製造を行う。重量減少量が25%をこえる、pH5.0未満、pH9.0をこえると、共重合体および熱可塑性樹脂組成物の成形加工時に樹脂が高温で滞留した場合の成形品の外観性低下(シルバーの発生)、光沢低下、ガス発生量が増加する。重合設備等の腐食(錆)を防止する観点からも、pH5.0以上であるのが好ましい。泡高さが10mmをこえると、重合、処理で発生する排水が発砲し、生産性が低下する。
【0049】
TGAの前記条件による重量減少量が25%以下、ロス・マイルス法の前記条件による泡高さが10mm以下、かつpH5.0〜9.0の範囲内で乳化重合を行える乳化剤として、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸カリウムなどの公知のスルホン酸金属塩を使用することができる。この具体例としては、炭素数12〜20のアルキルスルホン酸ナトリウム、炭素数12〜20のアルキルスルホン酸カリウムが挙げられる。さらに、工業的観点から、アルキルスルホン酸ナトリウムを使用するのが好ましい。
【0050】
グラフト共重合体、ジエン系ゴム重合体の製造は、重合中のpH制御が容易なことおよびラテックス安定性という観点から、製造中に乳化剤を二回以上に分けて(重合開始前と重合開始後に1回以上)追加するのが好ましい。
【0051】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、その製造方法によって異なるが、共重合体、グラフト共重合体を、たとえばラテックス、スラリー、溶液、粉末、ペレットなどの状態あるいはこれらの組み合わせで混合して製造することができる。たとえば、共重合体、グラフト共重合体がラテックスから得られる場合、ポリマー粉末を回収するときは通常の方法、たとえばラテックスに塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムのようなアルカリ土類金属の塩、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムのようなアルカリ金属の塩、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸のような無機酸および有機酸を添加することでラテックスを凝固させたのち、脱水乾燥する方法で実施することができる。また、スプレー乾燥法を使用することもできる。この際、安定剤などの使用する量の一部を分散液の状態でこれら樹脂のラテックスあるいはスラリーに添加することもできる。
【0052】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、共重合体およびグラフト共重合体の粉末、ペレットなどに対し、必要に応じて前記の安定剤、滑剤、顔料などを配合し、バンバリミキサー、ロールミル、1軸押出機、2軸押出機などの溶融混練機で混練し、射出成形、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形など公知の成形法で、目的の成形品に賦形することができる。
【0053】
なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリカーボネート系樹脂、アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、メタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の他の熱可塑性樹脂とブレンドしポリマーアロイとして使用してもよい。
【0054】
【実施例】
以下、本発明の組成物を具体的な実施例に基づいて説明するが、これら実施例は本発明を限定するものではない。なお、実施例および比較例で用いた原料およびその略号は次の通り。
PMI:N−フェニルマレイミド
αMSt:α−メチルスチレン
AN:アクリロニトリル
St:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
BA:ブチルアクリレート
TAC:トリアリルシアヌレート
tDM:t−ドデシルメルカプタン
CHP:クメンハイドロパーオキサイド
乳化剤:
アルキルスルホン酸金属塩(アルキルスルホン酸ナトリウム、炭素数平均14:花王株式会社製ラテムルPS)
アルキルベンゼンスルホン酸金属塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:花王株式会社製ネオペレックス25)
ジアルキルスルホコハク酸金属塩(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム: 日本油脂株式会社製ラピゾールB−80)
脂肪酸金属塩(パルミチン酸ナトリウム: 日本油脂株式会社製PN−1)
脂肪酸金属塩(オレイン酸カリウム: 花王株式会社製OSソープ)
また、評価方法は次の通り。
(泡高さ)
各乳化剤について、ロス・マイルス法を用いて、25℃、濃度0.01%の水溶液を起泡後、1分静置後の泡高さを測定した。結果を表1に示す。
(重量減少量)
各乳化剤について、リガク株式会社のシステムTGA(TAS−100)を用いて、50℃から350℃へ、特に送風は行わず毎分5℃で昇温したときの重量減少量を測定した。
結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
(還元粘度)
共重合体を、濃度0.3g/dlのN,N−ジメチルホルムアミド溶液として、30℃で、ウベロード型粘度計で溶液粘度を測定して算出した。
【0056】
(グラフト率)
グラフト共重合体のパウダーをメチルエチルケトンに溶解させて、遠心分離し、メチルエチルケトン可溶分と不溶分を得た。この可溶分と不溶分との重量比率から、グラフト共重合体のグラフト率を算出した。
【0057】
(ゴム重合体の体積平均粒径)
各ラテックスについて、日機装株式会社製のマイクロトラックUPA粒径分布計を用いて測定した。
【0058】
(重合転化率)
ガスクロマトグラフィーの結果から算出した。
【0059】
(pH)
乳化重合開始から終了時までのpHを堀場製作所株式会社製 pHメーター M−8を用いて測定し、pHの変化の最大値と最小値を求めた。
【0060】
[樹脂組成物の特性]
(成形性:シルバーの発生)
共重合体とグラフト共重合体からなる樹脂組成物100部に、エチレンビスステアリルアミド1部、AO−20 0.2部を配合して作製したペレットを、株式会社ファナック製FAS−100B射出成形機を使用し、シリンダー温度300℃、1時間滞留前後の、サンプル(バターケースふた:150×80×10mm)を成形した。滞留前(高温滞留による劣化を受けていない)および滞留後1ショット目(十分に高温滞留を受けている)を目視(5点法)にて下記の基準で評価した。
5点:シルバーが全くない
4点:シルバーがぼんやりと認められる。
3点:シルバーがはっきりと認められる。
2点:シルバーがバターケースの半面に存在する。
1点:シルバーがバターケースの全面に存在する。
【0061】
(ガス発生状態)
上記滞留後のバターケースふたサンプリング後、シリンダーからフリーショットした溶融樹脂をダンゴ(塊)にし、3分後、ダンゴを割って内部を目視(5点法)にて下記の基準で評価した。
5点:発砲が全くない
4点:発砲がぼんやりと認められる。
3点:発砲がはっきりと認められる。
2点:発砲がダンゴの半面に存在する。
1点:発砲がダンゴの全面に存在する。
【0062】
(光沢)
株式会社ファナック製FAS−100B射出成形機を使用し、シリンダー温度280℃、成形サイクル3分間で、サンプル(バターケースふた:150×80×10mm)を成形した。1ショット目(高温滞留による劣化を受けていない)および8ショット目(十分に高温滞留を受け、光沢低下の変動が一定している)を日本電色工業株式会社製VG−1D を使用し、60°×60°反射率で評価した。単位:%。
【0063】
(耐熱性:HDT)
ASTM D−648規格(1/4インチ厚み)にしたがって1.82MPa荷重の熱変形温度で評価した。(単位:℃)。
【0064】
(耐衝撃性:IZOD)
アイゾット衝撃強度で評価した。ASTM D−256規格(1/4インチ厚み)にしたがって23℃で測定した(単位:J/m)。
【0065】
(流動性:SF)
株式会社ファナック製FAS−100B射出成形機を使用し、シリンダー温度250℃、射出圧力132MPaで、3mm厚さのスパイラル形状の金型内における樹脂の流動長(単位:mm)で評価した。
共重合体の製造例
共重合体(1)
重合機に水250部、アルキルスルホン酸ナトリウム0.5部(固形分)を投入し、60℃に昇温したのち、チッ素置換した。つづいてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.01部、硫酸第一鉄(七水塩)0.0025部、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.4部を加えたのち、AN25部、 St5部、αMSt50部、PMI20部、t−DM0.20部およびCHP0.3部の混合液を8時間かけて連続添加した。連続添加2時間目に、アルキルスルホン酸ナトリウム0.5部(固形分)、4時間目にアルキルスルホン酸ナトリウム0.5部(固形分)を追加した。さらに1時間の後重合を行い、共重合体(1)のラテックスを得た。重合転化率は97%、還元粘度は0.60dl/gであった。重合中のpHは7.2〜8.0であった。
【0066】
共重合体(2)〜(5)
表2に記載の原料および乳化剤を同じく表2に記載の割合で用いた以外は、共重合体(1)と同様にして、共重合体(2)〜(5)を製造した。
【0067】
重合体(2)〜(5)の原料の組成、乳化剤、乳化剤のTGAによる重量減少量、重合中のpH、重合転化率、還元粘度を表2に示す。
【0068】
【表2】
ジエン系ゴム重合体の製造例
ジエン系ゴム重合体(1)
耐圧重合機(100L)に水200部を仕込み、重合機内を脱気し、チッ素置換したのち、ブタジエン100部、オレイン酸カリウム1.0部、炭酸ナトリウム0.05部、過硫酸カリウム0.2部、tDM0.15部を仕込んだ。60℃まで昇温し、重合を開始し、重合を16時間で終了させ、ジエン系ゴム重合体(1)のラテックスを得た。得られたラテックスの重合転化率は95%、体積平均粒径は200nmであった。重合中のpHは9.6〜10.5であった。
【0069】
ジエン系ゴム重合体(2)
耐圧重合機(100L)に水200部を仕込み、重合機内を脱気し、チッ素置換したのち、ブタジエン100部、アルキルスルホン酸ナトリウム0.6部、炭酸ナトリウム0.05部、過硫酸カリウム0.2部、tDM0.15部を仕込んだ。60℃まで昇温し、重合を開始し、5時間目、10時間目にアルキルスルホン酸ナトリウムを0.5部、0.4部添加し、重合を16時間で終了させ、ジエン系ゴム重合体(2)のラテックスを得た。得られたラテックスの重合転化率は96%、体積平均粒径は230nmであった。重合中のpHは7.8〜8.5であった。
【0070】
アクリル系ゴム重合体の製造例
アクリル系ゴム重合体(A)
重合機に純水200部を仕込み、重合機内を脱気し、チッ素置換したのち、
アルキルスルホン酸ナトリウム1.0部を仕込んだ。45℃まで昇温し、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.01部、硫酸第一鉄(七水塩)0.0025部、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.3部を加えた。1段目の単量体としてBA70部、TAC0.3部、CHP0.03部の混合物を6時間連続滴下し、滴下終了後、45℃で1時間攪拌した。滴下1.5時間目、3時間目にアルキルスルホン酸ナトリウムを各々0.5部、0.4部を添加した。つづいて、2段目の単量体としてBA30部、TAC0.5部、CHP0.01部の混合物を3時間連続滴下し、滴下終了後、45℃で1時間攪拌し、重合を終了した。転化率は99%であった。得られたアクリル系ゴム重合体(A)のラテックスの体積平均粒径は100nmであった。重合中のpHは7.8〜8.3であった。
【0071】
グラフト共重合体の製造例
グラフト共重合体(1)
ジエン系ゴム重合体(1)のラテックス60部(固形分)、水250部を重合機に入れチッ素置換し、65℃に昇温したのち、アルキルスルホン酸ナトリウム0.2部(固形分)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.004部、硫酸第一鉄(七水塩)0.001部、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2部を加え、AN10部、St30部およびCHP0.2部の混合液を5時間かけて連続添加した。さらに2時間の後重合を行い、グラフト共重合体(1)のラテックスを得た。重合転化率は96%であった。重合中のpHは9.2〜11.1であった。重合転化率およびMEK可溶量、MEK不溶量からグラフト率を求めた。結果を表2に示す。
【0072】
グラフト共重合体(2)〜(5)
表3に記載の原料、乳化剤を同じく表3に記載の組成で用いた以外は、グラフト共重合体(1)と同様にしてグラフト共重合体(2)〜(5)のラテックスを得た。
【0073】
グラフト共重合体(2)〜(5)の原料の組成、乳化剤、重合中のpH、重合転化率、グラフト率を表3に示す。
【0074】
【表3】
(参考例1)
共重合体(1)のラテックス、グラフト共重合体(1)のラテックスを表3に示す割合で混合し、フェノール系抗酸化剤(旭電化工業株式会社製AO−50)を加えたのち、塩化カルシウムを加えて凝固させた。凝固スラリーを熱処理、脱水乾燥して、共重合体(1)およびグラフト共重合体(1)の混合樹脂粉末を得た。ついで得られた混合樹脂粉末に、エチレンビスステアリルアミド1部、フェノール系抗酸化剤(旭電化工業株式会社製AO−20)0.2部を配合し株式会社タバタ製20Lヘンシェルミキサーで均一にブレンドした。さらに株式会社タバタ製40mmの1軸押出機で、250℃で溶融混練して、熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。このペレットから、株式会社ファナック製射出成形機FAS−100Bを用いて250℃で必要なテストピースを成形し、試験に供した。また、その他の評価も行なった。結果を表3に示す。
【0075】
(実施例2〜4、6、7、参考例5、8、および比較例1〜5)
表4に記載の原料を同じく表4に記載の割合で用い、参考例1と同様にしてペレットを製造し、テストピースを成形して試験に供した。また、その他の評価も行なった。結果を表4に示す。
【0076】
【表4】
【0077】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性に優れ、成形加工時の高温滞留による外観性(シルバー)、光沢低下、ガス発生を改善した成形品を得られた。
Claims (2)
- マレイミド化合物及び、シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物又は(メタ)アクリル酸エステルを重合して得られる共重合体10〜90重量部、及び
ジエン系ゴム重合体10〜90重量%の存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、又は(メタ)アクリル酸エステルからなる単量体混合物90〜10重量%を重合して得られるグラフト共重合体90〜10重量部(合わせて100重量部)からなる熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
該共重合体、該グラフト共重合体、及び該ジエン系ゴム重合体を、各々、TGA(50℃から350℃に毎分5℃で昇温する昇温試験)による重量減少量が25%以下、かつ、ロス・マイルス法(25℃、濃度0.01%水溶液を起泡後、1分静置する起泡試験)による泡高さが10mm以下であり、かつ、アルキルスルホン酸金属塩である乳化剤を用い、かつ、pH5.0〜9.0の乳化重合系で重合してラテックスとして得る工程、
得られた、該共重合体ラテックス、及び該グラフト共重合体ラテックスを混合する工程、及び
該混合工程で得られたラテックスを凝固する工程を含む熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 - さらに、前記混合工程の際、安定剤を添加する、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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