JP2001031277A - シート搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート類を高速で搬送する装置において、シ
ートが強く摺動されるガイドに静電気が溜まらないよう
に構成して、搬送作用を安定して行い得るようにする。 【解決手段】 小型に構成する自動原稿搬送装置におい
て、原稿トレイから排出トレイに至る搬送路６〜９に対
して、シートが強く摺動する側のガイド３０、３２、３
４、３５を導電性を有する材料で構成し、前記ガイドを
装置のアースしたフレームに接続する。また、前記ガイ
ドに対向するガイドは、プラスチック材料を用いて構成
するが、シート類が強く摺動された際に発生する静電気
は、フレームを介して流されるので、シート類に静電気
の影響は発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、用紙や原稿を搬送
する用紙搬送路を湾曲させて設けたシート搬送装置にお
いて、用紙が強く摺動する側のガイド板から静電気を容
易に逃がし得るようにするシート搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】画像形成装置等の装置に設けられている
用紙搬送装置では、所定の間隔を介して配置するガイド
板の間に用紙搬送路を区画して設けており、前記用紙搬
送路に沿って配置する搬送ローラ装置により用紙搬送作
用を行わせるようにしている。前記用紙搬送路とは別
に、画像読取装置等に用いられる原稿搬送路において
も、ガイド板等により区画された原稿搬送路を用いて、
搬送ローラ装置により原稿を搬送する機構が設けられて
いる。そして、前記画像形成装置の用紙搬送装置や画像
読取装置の原稿搬送路では、シート搬送路に沿って原稿
や用紙のようなシート類を所定の速度で搬送しながら、
記録紙に印字することや、原稿の画像を読取る動作等が
行われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記シート
搬送路では、ガイド板等の案内部材に対してシート類が
摺動する状態で搬送されるものであるために、シートと
ガイド板との摩擦により静電気が発生しやすい。特に、
最近の画像形成装置においては、搬送路のガイド板をプ
ラスチック材料を用いて構成することが多く、搬送路内
でのシートの搬送速度が高速になっており、ガイド板に
対してシートが高速で摺動することによって、静電気の
発生量が増加するという傾向がある。また、用紙や原稿
等のシートを搬送する装置は小型化される傾向にあり、
用紙搬送路に円弧状の曲り部を設けた場合には、その搬
送路の曲率半径が小さくなって、シートがガイド板に強
く摺動する度合いが増大している。

【０００４】そして、前述したように、シート類がガイ
ド板に高速で強く摺動することによって、プラスチック
製のガイド板には静電気が多く発生し、その静電気の除
去が十分に行われないために、用紙が帯電したままの状
態で搬送されことが多くなっている。前記シートが帯電
した場合に、特に、原稿搬送装置を用いてプラテンの上
に原稿を摺動させながら読取る方式の装置では、原稿が
静電気によりプラテンに密着されて移動速度が一定にな
らず、読取り位置での原稿の速度が安定しないという問
題が発生する。また、画像形成装置において、用紙を記
録部に向けて搬送する場合にも、用紙に静電気が帯電さ
れた状態では感光体からのトナー画像の転写の作用にも
障害が発生する恐れがあり、画質に問題が発生すること
がある。

【０００５】前述したような静電気の問題を解決するた
めには、シート搬送路を構成するガイド部材を導電性の
プラスチック材料を用いて構成することも行われるが、
そのような材料は装置の製造コストを上昇させる原因と
なる。また、前記シート搬送路の所定の位置に、除電ブ
ラシ等を配置することや、搬送ローラ装置を導電体で構
成し、アースに接続する等の手段を用いることが提案さ
れている。しかしながら、前記各手段を設ける場合に
は、用紙搬送装置に対して余分な機構を追加して設ける
必要があり、装置を小型化して製造コストを低減させる
という目的には適合せず、他の簡単な機構の部材で構成
して、静電気による悪影響を回避することが模索されて
いるのが現状である。

【０００６】本発明は、前記シートの高速搬送による帯
電の問題を解消するもので、シートが強く摺動される用
紙ガイドを導電性の部材で構成し、静電気を容易にアー
スに逃がし得る装置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、湾曲させて配
置するガイドの間で、用紙や原稿を搬送するシート搬送
ローラ装置により搬送する用紙搬送路に関する。本発明
の請求項１の発明は、前記湾曲させて配置するガイドの
うち、少なくとも外側のガイド板を導電性の部材により
構成することを特徴とする。そして、シートが強く摺動
する側のガイドに対して、摺動により静電気が発生して
も、その静電気が溜まることを防止できる。

【０００８】請求項２の発明は、前記導電性ガイド板が
板金であることを特徴とする。したがって、ガイドの整
形加工を容易に行うことができる。

【０００９】請求項３の発明は、前記導電性ガイド板が
接地されるように、装置本体に組み付けられていること
を特徴とする。そして、シートが強く摺動するガイドに
静電気が発生しても、それを速やかにアースに逃がすこ
とができ、シート類が帯電したままで搬送されることを
防止できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】図示する例にしたがって、本発明
のシート搬送装置の構成を説明する。図１に示す例は、
ファクシミリ装置や画像形成装置と組み合わせて使用
し、原稿の画像の読取りに用いられる自動原稿搬送装置
１を例にして説明している。前記自動原稿搬送装置１に
おいては、横向きの略Ｕ字状に構成した搬送路を通して
原稿の搬送を行い、搬送路の下部に配置しているプラテ
ン１８の位置で、読取り装置により原稿の画像の読取り
を行うように構成している。前記自動原稿搬送装置１に
おいては、画像形成装置の上部に配置可能なベースフレ
ーム４に対して、中間フレーム３と上部フレーム２とを
それぞれ組み合わせて設けており、前記上部フレーム２
と中間フレーム３とを、図示を省略した支軸を介してベ
ースフレーム４に対して揺動可能に設けている。また、
前記自動原稿搬送装置１に設ける横向きの略Ｕ字状に形
成されたシート搬送路は、図２に示すように、原稿トレ
イに接続されるシート挿入口５に続く搬送路６と、湾曲
路７と、読取った原稿を排出トレイに向けて排出するた
めの排出路８とを設けている。

【００１１】前記図１に示す例において、前記上部フレ
ーム２には、トレイから用紙を取り込むためのピックア
ップローラ１０と、用紙さばき装置１１のフィードロー
ラ１１ａ、搬送ローラ装置１２のプレスローラ１４と、
大径駆動ローラ１５に対するプレスローラ１６を設けて
いる。また、前記上部フレーム２には、ステイ２１を用
紙搬送方向に対して直角な方向に配置し、フレームの補
強を行うように構成している。そして、搬送ローラ装置
１２のプレスローラ１４をユニット化して取付け、シー
ト搬送路を小さい径で湾曲させた場合に、搬送ローラ装
置１２でのシートに対するニップ圧力を大きく設定して
も、搬送路のガイドには影響が生じにくいようにしてい
る。

【００１２】前記中間フレーム３には、トレイに接続さ
れるシート挿入口の下ガイド部材と、用紙さばき装置１
１のリタードローラ１１ｂ、搬送ローラ装置１２の駆動
ローラ１３および、排出ローラ装置１９の駆動ローラ１
９ａとを設けている。また、前記ベースフレーム４に
は、シート搬送路の湾曲部で搬送作用を行うための大径
駆動ローラ１５と排出側のプレスローラ１７、および排
出ローラ装置１９の駆動ローラ１９ｂを配置し、前記フ
レーム４には読取部と排出側の搬送路のガイド板部材を
配置している。そして、前記各フレームは、シート搬送
路内でのシートのジャム処理や搬送ローラ装置１２のニ
ップ部の調整、その他のメンテナンスに際して、上のフ
レームから順次開放してシート搬送路を開放したり、フ
レームに装着する部材を露出させて行うことができるよ
うにする。

【００１３】前述したようなフレーム部材を組み合わせ
て構成する自動原稿搬送装置１では、シート搬送路に沿
ってシートの搬送を行うために、シート挿入口５に対応
させて配置するピックアップローラ１０によりシートを
取り込んで、シート搬送路に向けて送り込む。そして、
用紙さばき装置１１のフィードローラ１１ａとリタード
ローラ１１ｂとの間でシートに対するさばき作用を付与
し、１枚のシートのみを挿入路６を介して搬送ローラ装
置１２に向けて送り込む。前記搬送ローラ装置１２によ
り送られるシートは、シート搬送路の湾曲路７でガイド
部材の間を案内され、大径駆動ローラ１５とプレスロー
ラ１６の間でニップされてプラテン１８の読取部を通過
し、プレスローラ１７のニップ部を通って、排出路８か
ら駆動ローラ１９ａとプレスローラ１９ｂとを組み合わ
せた排出ローラ装置１９により、排出トレイに向けて送
り出される。

【００１４】前記上部フレーム２には、巾方向の補強部
材として配置するステイ２１を用いて、２つのプレスロ
ーラ１４、１６を配置するプレスローラ支持ユニット２
０を設けており、挿入路６の搬送ガイド７に影響を与え
ない状態で、プレスローラに対する押圧手段を設けてい
る。前記プレスローラ支持ユニット２０は、図１に示し
たように構成されているもので、上部フレームの巾方向
の両側のフレーム部材の間に、両フレームを接続するよ
うに配置されるステイ２１に対して、任意の固着手段を
用いてベースブラケット２２を取付ける。

【００１５】前述したような搬送作用を行う装置におい
て、搬送路内でのシート搬送速度が高速に設定されてい
るために、シートがガイド板に強く摺動されるので、特
に、樹脂製のガイド板を用いる場合には、静電気が発生
する度合いが大きくなるという問題がある。そこで、本
実施例では、用紙が強く押圧されるガイド板を金属の板
部材等の導電性を有する材料を用いて構成し、本体フレ
ームの金属部材に接続して、シートがガイドに強く摺動
されることにより発生した静電気を、フレームの金属部
材を介してアースするように構成している。

【００１６】図２に示される例において、中間フレーム
３に設ける上面のガイド３１を樹脂製のものとし、挿入
路６に対向して配置する上ガイド板３０を板金製のもの
として設けている。また、湾曲路７においては、内面で
シートの案内を行う大径ローラ１５に沿うガイド３３を
樹脂で構成するが、その湾曲路の外周部に配置するガイ
ド部材３２、３２ａを板金で構成する。さらに、排出路
８においても、排出ローラ装置１９により搬送されるシ
ートが排出路のガイドに摺動するので、前記排出路に設
けるガイド板３４、３５を板金で構成している。前記ガ
イド板３５は、挿入路９の部分にまで延長された状態で
配置されており、その端部は前記樹脂製のガイド３１と
接続される。

【００１７】前述したようにして、搬送路を構成するガ
イドにおいて、シートが強く摺動される部分に対応させ
て、板金製のガイドを配置し、その金属製のガイドを装
置のフレームに電気的に接続することによって、静電気
を逃がす経路を構成することができる。また、本実施例
では、前記図１に示しているように、フレームにはステ
イ等のような金属製の部材が配置されており、樹脂製の
部材を本体フレームの金属部材に取付けることも行われ
ている。そこで、前記樹脂と金属とを組み合わせてシー
ト搬送装置を構成する場合でも、板金製のガイドを金属
フレームに電気的に接続することは容易に行うことがで
き、画像形成装置の記録紙の搬送速度が高速に設定され
ている装置に対して、画像読取装置として組み合わせら
れる前記自動原稿搬送装置１の搬送路では、前記導電性
を有するガイド板を設けることが有効である。なお、前
記導電性を有するガイドとしては、加工性とコストなど
の条件を考慮すると、鉄板を加工して作成することが良
いが、その他に、導電性を付与したプラスチック材料を
用いることも可能である。

【００１８】前記図１に示される自動原稿搬送装置１
は、例えば、図３に示されるように、複写機やファクシ
ミリ装置のような画像形成装置と一体に設けた読取装置
４０として組み合わせて用いることができる。前記画像
読取装置において、走査装置４３は、従来より一般に知
られている複写機の走査装置に用いられている装置と同
様に、ランプ４４ａと１つのミラーｍ１を設けたフルレ
ートキャリッジ４４と、２つの対向するミラーｍ２、ｍ
３を配置するハーフレートキャリッジ４５とを組み合わ
せて設けている。そして、原稿の読取り情報をレンズ装
置４８を介してＣＣＤ４９に伝達し、光信号を電気信号
に変換して画像形成装置の画像情報処理部に伝達するよ
うに構成している。前記走査装置においては、フルレー
トキャリッジ４４とハーフレートキャリッジ４５とを駆
動するために、径が２：１に設定された駆動プーリ４
６、４６ａを同軸に配置し、各々の駆動プーリに巻き掛
けたワイヤ４７、４７ａを介して、２つのキャリッジを
各々連動させて移動させる機構を設けている。

【００１９】前記フレーム４１の上部には、ブックもの
の原稿を載置し、ＦＢＳ（フラットベッドスキャナー）
としての動作に対応させるプラテン４２と、ＡＤＦ（自
動原稿搬送装置）に対応させて、原稿搬送部１の下部に
配置するプラテン１８とを設けている。前記プラテン４
２に対しては、上部開閉フレーム５０を開いて原稿をセ
ットし、上部開閉フレームを閉じることにより、プラテ
ンカバー５３がプラテンの上面に原稿の画像面を押圧し
てセットした原稿の走査を行う。そして、前記プラテン
４２にセットした原稿に対しては、図示を省略したセン
サの検知情報に応じて、走査装置４３のフルレートキャ
リッジ４４が原稿の走査方向の長さだけ往復移動し、ハ
ーフレートキャリッジ４５が前記フルレートキャリッジ
４４の半分の速度で移動しながら画像情報の読取りを行
い、ＣＣＤ４８を介して画像信号を出力する。また、原
稿トレイ５１を用いてシートものの原稿の走査を行う際
には、ＡＤＦとしての原稿搬送部に設けたＵ型原稿搬送
路（図１に示した挿入路６、湾曲路７、排出路８を含む
通路）を通して原稿を搬送し、プラテン１８の部分に走
査装置を固定する状態で画像の読取りの動作を行う。

【００２０】前記原稿搬送部４０を用いて、原稿トレイ
５１にセットした原稿の走査を行う際には、原稿を原稿
トレイにセットしたことを図示を省略した検知手段を用
いて検知し、その検知信号により制御装置を作動させる
ことや、コントロールパネルに原稿搬送部を用いた走査
を行う指令を入力することにより行う。そして、前記画
像形成装置に設定した原稿の読取り指令の信号に応じ
て、走査装置４３のフルレートキャリッジ４４をプラテ
ン１８に対応する位置に停止させ、ハーフレートキャリ
ッジ４５を走査部フレーム４３の左側の端部にまで移動
させ、原稿トレイ５１から原稿を１枚ずつ前記Ｕ型搬送
路内で搬送し、プラテン１８の部分で原稿の画像の読取
りを行う。したがって、前記走査部フレーム４１に配置
する走査装置においては、２つのプラテン４２、１８に
対応させて走査装置をセットし、任意の原稿に対する読
取りの動作を行うことができ、ファクシミリ装置の送信
機能を利用して画像情報を送信すること、または、複写
機の機能を利用して記録紙に印字することができる。

【００２１】なお、前記実施例に示される自動原稿搬送
装置を単独で用いる場合、および、前記自動原稿搬送装
置とＦＢＳとを一体化して構成する読取装置は、それを
単独で読取装置として構成することができる。前記画像
形成装置に組み合わせて用いる装置では、自動原稿搬送
装置の構造が小型化されるとともに、原稿の読取り速度
を高速に設定することが求められることから、搬送路内
での原稿の速度が高速となるので、原稿がガイドに高速
で強く摺動される。したがって、搬送路のガイドに発生
する静電気が多くなり、導電性を有しないガイドを用い
ると、静電気による障害が大きく発生し易い。また、前
記静電気の蓄積を防止する手段を設けたシート搬送装置
は、画像形成装置に一体に組み合わせて設ける原稿読取
り手段として、または、ファクシミリ装置の読取り装置
として用いることができる他に、画像形成装置の用紙搬
送路にも適用が可能であり、特に、シート類を高速で搬
送する用紙搬送路のガイド板等を静電気が溜まらないよ
うにすることで、搬送作用を安定した状態で行わせるこ
とが可能になる。

【００２２】

【発明の効果】本発明の装置は、前述したように構成し
たものであるから、搬送路の湾曲させて配置するガイド
のうち、少なくとも外側のガイド板を導電性の部材によ
り構成することにより、用紙が強く摺動する側のガイド
に対して、摺動により静電気が発生しても、その静電気
が溜まることを防止できる。また、前記導電性ガイド板
を板金で構成することにより、用紙ガイドの整形加工を
容易に行うことができる。さらに、前記導電性ガイド板
が接地されるように、装置本体に組み付けられているこ
とにより、用紙が強く摺動するガイドに静電気が発生し
ても、それを速やかにクランドに逃がすことができ、シ
ート類が帯電したままで搬送されることを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の構成を適用可能な自動原稿搬送装置
の構造の説明図である。

【図２】 図１の装置の要部の説明図である。

【図３】 図１の装置を画像読取装置に組み合わせる例
の説明図である。

【符号の説明】

１ 自動原稿搬送装置、 ２ 上部フレーム、 ３
中間フレーム、４ ベースフレーム、 ６ 挿
入路、 ７ 湾曲路、 ８ 排出路、１０ ピッ
クアップローラ、 １１ 用紙さばき装置、１２
搬送ローラ装置、 １５ 大径駆動ローラ、１４、１
６、１７ プレスローラ、 １８ プラテン、２０
プレスローラ支持ユニット、３０・３２・３４・３
５ 導電性ガイド、３１・３３ プラスチック製の
ガイド、 ４０ 読取装置、４２ プラテン、 ４
３ 走査装置、４４ フルレートキャリッジ、 ４
５ ハーフレートキャリッジ、４８ レンズ、 ４
９ ＣＣＤ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 湾曲させて配置するガイドの間で、シー
   トを搬送ローラ装置により搬送するシート搬送装置にお
   いて、 前記湾曲させて配置するガイドのうち、少なくとも外側
   のガイド板を導電性の部材により構成することを特徴と
   するシート搬送装置。
2. 【請求項２】 前記導電性ガイド板が板金であることを
   特徴とする請求項１に記載のシート搬送装置。
3. 【請求項３】 前記導電性ガイド板が接地されるよう
   に、装置本体に組み付けられていることを特徴とする請
   求項１または２に記載のシート搬送装置。