JP2001026724A - 熱可塑性樹脂複合材料及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂複合材料及びその製造方法

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JP2001026724A
JP2001026724A JP11203109A JP20310999A JP2001026724A JP 2001026724 A JP2001026724 A JP 2001026724A JP 11203109 A JP11203109 A JP 11203109A JP 20310999 A JP20310999 A JP 20310999A JP 2001026724 A JP2001026724 A JP 2001026724A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂に層状珪酸塩を微細に分散させ
た、強度と柔軟性のバランスのとれた熱可塑性樹脂複合
材料を提供する。更に、溶剤の除去等の工程を必要とし
ない、熱可塑性樹脂に層状珪酸塩を微細に分散させた熱
可塑性樹脂複合材料の容易な製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂、層状珪酸塩、可塑剤を含
有しており、層状珪酸塩が微細に分散されている熱可塑
性樹脂複合材料。層状珪酸塩と可塑剤とを混合した後
に、熱可塑性樹脂と混合する熱可塑性樹脂複合材料の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,熱可塑性樹脂複合
材料に関し、詳しくは、機械的強度及び柔軟性のバラン
スのとれた熱可塑性樹脂複合材料に関する。更に、本発
明は、熱可塑性樹脂複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックは、揮発性の低い可
塑剤を添加して、成形加工性を改善したり、物理的性質
を改良することが広く行われている。しかし、可塑剤を
添加することで、一般的に力学的強度が著しく低下し、
強度と柔軟性を両立させた軟質系材料を得ることは困難
であった。
【0003】一方、層状珪酸塩は、厚さが約1nmの微
細な薄片状結晶がイオン結合により凝集してなる無機鉱
物であり、この凝集構造を化学的または物理的な手段に
より離砕し、有機ポリマー中に薄片を微細に分散させる
ことで、ポリマー材料の機械的性質、熱的特性、ガスバ
リヤー性等の性質を改善できることが、従来より知られ
ている。
【0004】一般に、層状珪酸塩を有機ポリマー中に均
一分散させる為には、薄片間のイオン相互作用を出来る
だけ小さくせしめ、ポリマー中に容易に分散させる為の
手段を講じる必要がある。例えば、特公平8─2294
6号公報においては,アミノカルボン酸を層状珪酸塩に
インターカレート(intercalate )することで層間の間
隔を予め拡げておき、次いでポリアミドのモノマーであ
るε‐カプロラクタムを層間に挿入させると同時に重縮
合させることによりポリアミド樹脂中に層状珪酸塩の薄
片を均一に分散させた構造を形成する方法が開示されて
いる。しかし、この方法はポリアミド樹脂には有効であ
るが、この方法で他の多くの熱可塑性樹脂に層状珪酸塩
を均一に分散させることは一般に極めて困難である。
【0005】この問題を解決するために、種々の方法が
提示されている。例えば、特開平8‐302025号公
報には、層状化合物に有機カチオンを接触させる工程
と、その接触させた層状化合物を有機溶媒(特に、芳香
族系溶媒)で膨潤化する工程と、その膨潤化した層状化
合物をエラストマーと混練する工程とからなる無機質フ
ィラー含有エラストマーの製造方法が開示されている。
特開平9‐48856号公報には、有機化層状珪酸塩を
溶媒で膨潤分散させた有機分散液とビニル系高分子化合
物を融解状態で混合することにより層状珪酸塩をポリマ
ー中に分散させる方法が開示されている。特開平10‐
182892には、有機化層状珪酸塩と、0. 001m
mol/g 以上、かつ、0. 45mmol/g 以下の水
素結合性官能基を含有するポリオレフィンオリゴマー、
およびポリオレフィンポリマーを溶融混練することによ
り、層状珪酸塩がポリマー中で無限膨潤したポリオレフ
ィン系樹脂−層状珪酸塩複合材料を調製することが出来
ることが開示されている。
【0006】しかしながら,特開平8‐302025号
公報、特開平9‐48856号公報、に記載の方法で
は、最終製品には不必要な溶媒を使用するため、溶媒除
去工程が必須となる。有機化層状珪酸塩の層間に取り込
まれた溶媒を完全除去するのは、非常に困難で、工業的
側面からは必ずしも実際的でない。また、溶媒の除去が
不十分で溶媒が残存した場合には、力学的強度の向上も
期待通りには得られず、更に、長期間に渡る臭気の問題
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】更に、本出願の発明者
らによれば、特開平10‐182892号公報に記載の
方法では、層状珪酸塩の結晶薄片をポリマー中に均一に
分散させた材料を工業材料として使用することは極めて
困難であることがわかった。すなわち、オリゴマー中の
官能基と層状珪酸塩表面の水酸基とを溶融混練中に反応
させる為、必ずしも層状珪酸塩の水酸基がオリゴマー中
の官能基により効率的に処理されず、実際に層状珪酸塩
の均一分散を達成する為には多量のオリゴマーが必要と
なってしまう。このようなオリゴマー成分がポリマー中
に多量に含有されることは、物性およびコストの点から
も好ましくない。又、層状珪酸塩を微分散化して得られ
る、所謂ナノコンポジットは、ポリアミド、ポリオレフ
ィン等の基本的に可塑剤を含まない硬質系の材料には適
応されているが、可塑剤を含有する軟質系組成物のナノ
コンポジットは知られていなかった。
【0008】本発明は上記従来技術の課題を解決し、熱
可塑性樹脂に層状珪酸塩を微細に分散させた、強度と柔
軟性のバランスのとれた熱可塑性樹脂複合材料を提供し
ようとするものである。更に、本発明は、溶剤の除去等
の工程を必要としない、熱可塑性樹脂に層状珪酸塩を微
細に分散させた熱可塑性樹脂複合材料の容易な製造方法
を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、熱可塑性樹脂、層状珪酸塩及び可塑剤を含有し、層
状珪酸塩が微細に分散されている熱可塑性樹脂複合材料
である。
【0010】請求項2記載の本発明は、熱可塑性樹脂1
00重量部、層状珪酸塩0.1〜100重量部及び可塑
剤2〜300重量部を含有している請求項1記載の熱可
塑性樹脂複合材料である。
【0011】請求項3記載の本発明は、熱可塑性樹脂1
00重量部、有機化層状珪酸塩0.1〜100重量部及
び可塑剤2〜300重量部を含有してなる請求項1又は
2記載の熱可塑性樹脂複合材料である。
【0012】請求項4記載の本発明は、熱可塑性樹脂が
ポリビニルブチラール樹脂である請求項1〜3いずれか
に記載の熱可塑性樹脂複合材料である。
【0013】請求項5記載の本発明は、層状珪酸塩と可
塑剤とを混合し、その後に、熱可塑性樹脂とを混合する
ことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の熱可塑
性樹脂複合材料の製造方法である。
【0014】本発明で用いられる熱可塑性樹脂について
は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタ
ール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレ
ン、ポリオレフィン、ポリメタクリル酸エステル、ポリ
アクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、セルロー
スエステル、ニトロセルロース等の樹脂、NBR、SB
R、クロロプレン、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、
ブチルゴム、ウレタンゴム、ノルボルネンゴムに代表さ
れるような各種ゴム等を用いることが出来る。
【0015】上記ポリオレフィンとしては、プロピレン
の単独重合体、プロピレンとエチレンのランダム及びブ
ロック共重合体、エチレンの単独重合体、エチレンとα
−オレフィンの共重合体、ポリブテンの単独重合体、ポ
リイソプレンの単独重合体等が挙げられる。α−オレフ
ィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペプテ
ン、1−オクテン等が挙げられる。
【0016】特に透明性、接着性が要求される場合に
は、例えば、上記熱可塑性樹脂の内炭素数が1〜10の
アルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセ
タール樹脂が好適に用いられ、特に、請求項4記載の如
く、炭素数が4のブチルアルデヒドでアセタール化して
得られるポリビニルブチラールが好ましい。またこれら
の樹脂は必要な物性を考慮した上で、適当な組み合わせ
にてブレンドされていても良い。
【0017】また、本発明に用いる熱可塑性樹脂の分子
量及び分子量分布は特に制限されるものではないが、成
形性、物性等から重量平均分子量が5, 000〜5, 0
00, 000、好ましくは20, 000〜1, 000,
000であり、分子量分布が2〜80、好ましくは 3
〜40とすることが望ましい。尚、分子量分布は重量平
均分子量/数平均分子量で表される。
【0018】本発明に用いる層状珪酸塩とは、層間に交
換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を指す。層状珪酸塩の
種類は特に限定されるものではないが、モンモリロナイ
ト,サポナイト,ヘクトライト,バイデライト,スティ
ブンサイト,ノントロナイトなどのスメクタイト系粘土
鉱物のほか,バーミキュライト,ハロイサイト,又は膨
潤性マイカなどがあり,天然のものでも合成されたもの
でも好ましく用いることが出来る。
【0019】本発明に用いられる層状珪酸塩の形状とし
ては、平均長さが0. 01〜3μm、厚さが0. 001
〜1μm、アスペクト比が20〜500の物が好ましく
用いられ、より好適には平均長さが0. 05〜2μm、
厚さが0. 01〜0. 5μm、アスペクト比が50〜2
00の物が用いられる。
【0020】層状珪酸塩はそのまま使用しても良いし、
前もって処理された有機化層状珪酸塩を使用しても良い
が、請求項4記載の如く有機化層状珪酸塩を使用するの
がより好ましい。
【0021】本発明で用いられる「有機化層状珪酸塩」
とは、層状珪酸塩の層間がカチオン系界面活性剤にて有
機化処理されてなる層状珪酸塩であり、有機化されてい
ない層状珪酸塩よりも樹脂中に細分散されやすいのでよ
り好適に用いられる。カチオン系界面活性剤としては、
4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げら
れ、好ましくは炭素数8以上のアルキル鎖を有する4級
アンモニウム塩が用いられる。炭素数が8以上のアルキ
ル鎖を含有しない場合には,アルキルアンモニウムイオ
ンの親水性が強く、層状珪酸塩の層間を十分に非極性化
することが出来ない。炭素数8以上のアルキル鎖を有す
る4級アンモニウム塩としては、例えば、ラウリルトリ
メチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニ
ム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメ
チルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム
塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩等が挙げら
れる。
【0022】本発明に用いる層状珪酸塩又は有機化層状
珪酸塩の陽イオン交換容量は特に限定されるものではな
いが、50〜200mmol/100gであることが好
ましい。50mmol/100g未満の場合には、結晶
層間にイオン交換によりインターカレートされる可塑
剤、カチオン系界面活性剤の量が少なくなりやすく、結
果的に層状珪酸塩又は層状珪酸塩が微細に分散されない
場合がある。一方,200mmol/100gを越える
場合には,層状珪酸塩の層間の結合力が強固となり,可
塑剤及びカチオン系界面活性剤によるインターカレーと
が不十分になり、層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩を微
細に分散することが困難な場合がある。
【0023】請求項2及び3記載の如く、層状珪酸塩又
は有機化層状珪酸塩の添加量は熱可塑性樹脂100重量
部に対して0.1から100重量部であることが好まし
い。0.1重量部未満では、添加量が少なく、所望の物
性を十分に発揮するには至らない。100重量部を越え
て添加すると、複合材料中に占める樹脂分が少なくな
り、耐衝撃性などの物性が低下することがあり好ましく
ない。より好ましい層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩の
添加量は1〜20重量部である。
【0024】層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩は、請求
項1及び2記載の如く微細に分散されていることが必要
である。目視や、走査型電子顕微鏡(SEM)レベルで
確認出来る1μm以上の大きさの層状珪酸塩又は有機化
層状珪酸塩が多く存在することは、機械強度、特に透明
性の上で好ましくない。1μm以上の層状珪酸塩又は有
機化層状珪酸塩の量は100μm×100μmあたり1
00個以下が好ましく、更に好ましくは50個以下であ
る。
【0025】本発明で用いられる可塑剤とは、特に限定
されるものではないが、リン酸エステル系、フタル酸エ
ステル系、脂肪酸エステル系、グリコールエステル系、
エポキシ系等が挙げられ、好ましく用いられる具体例と
しては、トリクレジルフォスフェート、トリオクチルフ
ォスフェート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート、ジオクチルアジペート、ジオクチルアゼレート、
ジオクチルセバケート、トリエチレングリコール- ジ-
エチルブチラート、トリエチレングリコール-ジ- エチ
ルヘキソエート、トリエチレングリコール- ジ- ブチル
セバケート、エポキシ化大豆油等が挙げられる。これら
可塑剤は樹脂との相溶性等を考慮して、熱可塑性樹脂の
種類に応じて使い分けられる。
【0026】可塑剤の添加量は請求項2及び3記載の如
く熱可塑性樹脂100重量部に対して、2〜300重量
部が好ましい。2重量部未満では、層状珪酸塩又は有機
化層状珪酸塩を十分に分散するのには不十分である。ま
た、300重量部を越えて可塑剤を添加すると、可塑剤
のブリードアウトが生じるため、好ましくない。より好
ましい可塑剤の添加量は、5〜100重量部である。
また、可塑剤の量は層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩1
部に対して、可塑剤の量が0.5部から100部である
ことが好ましい。透明性、接着性が要求される際に好適
に用いられるポリビニルブチラールの場合の可塑剤量
は、好ましくは5〜100重量部、更に好ましくは30
〜70重量部である。
【0027】本発明の熱可塑性樹脂複合材料を得る方法
としては特に限定されるものではないが、請求項5記載
の如く層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩と可塑剤を予め
混合して、層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩の層間隔を
十分に膨潤させたものを、樹脂に添加して混練すること
が特に好ましい。この場合、可塑剤の一部と層状珪酸塩
又は有機化層状珪酸塩の全量を一旦混合し、その後更に
可塑剤の残量を加えて混合しても良い
【0028】本発明に用いる熱可塑性樹脂複合材料に
は、必要に応じて、酸化防止剤、耐光剤、紫外線吸収
剤、滑剤等、難燃剤、帯電防止剤、等の添加剤を添加し
ても良い。
【0029】可塑剤と層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩
を混合する装置は、特に限定されないが、遊星式攪拌装
置、湿式メカノケミカル装置、ヘンシェルミキサー、ホ
モジナイザー、超音波照射機などが一般的に用いられ
る。樹脂、可塑剤、層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩の
混練に用いられる装置も限定されるものではないが、押
出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサ
ー、カレンダーロール、などを用いることが出来る。特
に、連続的に生産するという観点から、押出機を用いる
ことが好ましい。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂複合材料は、各種樹
脂によりいろいろな用途に供する事が出来る。例えば、
ポリビニルブチラール、層状珪酸塩又は有機化層状珪酸
塩、及び可塑剤との組み合わせからなる複合材料は、合
わせガラス用中間膜、特に多層系中間膜に好適に用いら
れ、多層系遮音性中間膜の中間層として、建築用・自動
車用などの合わせガラス用中間膜として用いることが出
来る。また、ポリ塩化ビニル、層状珪酸塩又は有機化層
状珪酸塩、及び可塑剤との組み合わせからなる複合材料
は、軟質塩化ビニル、ゴムとして、農業用ビニルシー
ト、食品用包装材、レザー、フィルム、制振シート、壁
紙、チューブ類、塗料、接着剤等の多彩な用途に用いる
ことが出来る。
【0031】(作用)一般に層状珪酸塩が微細に樹脂中
に微細に分散すればする程、熱可塑性樹脂−層状珪酸塩
複合物の機械的強度やガスバリヤー性、透明性は著しく
向上する。層状珪酸塩と樹脂との界面積が、層状珪酸塩
の分散の向上に伴い増大することにより説明することが
できる。即ち、樹脂と無機結晶との界面においてポリマ
ーの分子運動が拘束されることにより、ポリマーの弾性
率等の力学強度が増大する為、層状珪酸塩の分散度合い
が向上する程、効率的にポリマー強度を増大させること
ができる。また、無機物に比較して樹脂層はガス分子が
はるかに拡散しやすいため、複合材料中をガス分子が拡
散する際には、無機物を迂回しながら拡散する。従っ
て、層状珪酸塩の分散度合いが向上する程、効率的にガ
スバリヤーを向上させることができる。更に、透明性の
樹脂に層状珪酸塩を添加した場合、分散している層状珪
酸塩の大きさが、大きいと光が散乱されて不透明となっ
てしまうが、微細に分散されるほど光の散乱が少なくな
って、光が透過しやすくなり透明性が良くなる。
【0032】以上の如く、本発明において最も注目すべ
きことは,層状珪酸塩を樹脂中に分散させる際に、可塑
剤が層間に侵入することにより、層状珪酸塩を効率的に
微細に分散させることが可能であり、かつ、可塑剤を除
去する必要がないため、優れた物性の複合材料が簡易に
得られることである。更に注目すべき点は、層状珪酸塩
を微細に分散させることにより強度と柔軟性を両立させ
た軟質系複合材料が得られることである。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき本発明の内
容を説明する。実施例1 〔評価用サンプル作成方法〕可塑剤(トリエチレングリ
コール‐ジ‐エチレンブチレート)50重量部と有機化
メスクタイト(商品名SAN、コープケミカル社製)
7. 5重量部を遊星式攪拌装置で1分間混合して、ペー
スト状の混合物を得た。得られたペースト状混合物5
7. 5重量とポリビニルブチラール(ブチラール化度6
5モル%)100重量部をプラストグラフで、設定温度
140℃にて5分間溶融混練した。出来上がったサンプ
ルを200℃に温調した熱プレスにより厚さ0. 5mm
のシート状物を得た。
【0034】〔サンプル評価法〕 (引張強度と破断点伸び)上記0. 5mm厚のシート状
物から試験片を切り出し、JIS K 7113に規定
の方法にて、テンシロン試験機を用いて測定した。 (分散性)SEMにより任意の位置で、100μm×1
00μmの範囲を観察した。結果を表1に示す。 ◎印:1μm以上の粒子数≦50 ○印:50<1μm以上の粒子数≦100 ×印:100<1μm以上の粒子数
【0035】実施例2〜12 表1に示した材料、配合割合で、実施例1と同様にして
試料を作成し評価を行った。結果を表1に示す。
【0036】比較例1 〔評価用サンプル作成方法〕ポリビニルブチラール(ブ
チラール化度70モル%、残存アセチル基12モル%)
100重量部と可塑剤(トリエチレングリコール‐ジ‐
エチレンブチレート)50重量部をプラストグラフで、
設定温度140℃にて5分間溶融混練した。出来上がっ
たサンプルを200℃に温調した熱プレスにより厚さ
0. 5mmのシート状物を成形した。得られたシートを
用いて実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示
す。
【0037】比較例2 表1に示した材料、配合割合で、実施例1と同様にして
試料を作成し評価を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】尚、表1中で用いた略号は、各々、以下に
示す内容である。 樹脂 A:ポリビニルブチラール(ブチラール化度65モル
%、重合度1700、残存アセチル基量0. 5モル%) B:ポリビニルブチラール(ブチラール化度70モル
%、重合度1700、残存アセチル基量12モル%) 層状珪酸塩 a:モンモリロナイト:サザンクレイ社製(商品名;ク
ロイサイト20A)有機化処理品 b:膨潤性マイカ:コープケミカル(商品名;ME−10
0)有機化処理品 c:スメクタイト:コープケミカル社製(商品名;SA
N)有機化処理品 d:精製モンモリロナイト:クニミネ社製(商品名:ク
ニピアG) e:微細タルク:白石カルシウム社製(商品名:ハイフ
ィラー#5000) 可塑剤 3GH:トリエチレングリコール- ジ- エチルブチレー
ト 3GO:トリエチレングリコール- ジ- エチルヘキソエ
ート
【0040】
【発明の効果】本発明の請求項1は熱可塑性樹脂、層状
珪酸塩及び可塑剤からなり、層状珪酸塩が微細に分散さ
れている熱可塑性樹脂組成物であるので、力学的強度、
高弾性率化、可塑剤のブリードアウト性の低減、などを
著しく向上することが可能である。特に、従来困難であ
った、柔軟性と強度のバランスを確保することが可能で
ある。
【0041】本発明の請求項2は熱可塑性樹脂100重
量部、層状珪酸塩0.1〜100重量部及び可塑剤2〜
300重量部からなり、層状珪酸塩が微細に分散されて
いるので、上記請求項1記載の効果をより確実に奏する
ことができる。
【0042】本発明の請求項3は熱可塑性樹脂100重
量部及び、有機化層状珪酸塩0.1〜100重量部及び
可塑剤2〜300重量部からなっているので、上記請求
項1及び2の効果をより確実に奏することができる。
【0043】本発明の請求項4は熱可塑性樹脂がポリビ
ニルブチラール樹脂であるので、上記請求項1〜3記載
の効果に加えて透明性、接着性等の性能を向上させるこ
とができる。
【0044】本発明の請求項5は、層状珪酸塩と可塑剤
とを混合し、前記混合物と熱可塑性樹脂と混合する熱可
塑性樹脂複合材料の製造方法であり、層状珪酸塩の微細
に分散でき溶剤を除去する必要がないので、請求項1〜
4記載の熱可塑性樹脂複合材料を容易に提供することが
出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA011 AB021 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 BB001 BB031 BB051 BB121 BB151 BB181 BC031 BD041 BE021 BE061 BF021 BG041 BG051 BP021 CD162 CK021 DJ006 EH097 EH147 EH157 EW047 FB086 FD022 FD027 GA01 GG02 GH01 GJ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂、層状珪酸塩及び可塑剤を
    含有し、層状珪酸塩が微細に分散されていることを特徴
    とする熱可塑性樹脂複合材料。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂100重量部、層状珪酸塩
    0.1〜100重量部及び可塑剤2〜300重量部を含
    有していることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹
    脂複合材料。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂100重量部、有機化層状
    珪酸塩0.1〜100重量部及び可塑剤2〜300重量
    部を含有していることを特徴とする請求項1または2記
    載の熱可塑性樹脂複合材料。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂がポリビニルブチラール樹
    脂であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載
    の熱可塑性樹脂複合材料。
  5. 【請求項5】 層状珪酸塩と可塑剤とを混合し、前記混
    合物と熱可塑性樹脂とを混合することを特徴とする請求
    項1〜4いずれかに記載の熱可塑性樹脂複合材料の製造
    方法。
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