JP2001019713A - 末端に加水分解性シリル基を有する炭化水素系重合体 - Google Patents

末端に加水分解性シリル基を有する炭化水素系重合体

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JP2001019713A
JP2001019713A JP11191861A JP19186199A JP2001019713A JP 2001019713 A JP2001019713 A JP 2001019713A JP 11191861 A JP11191861 A JP 11191861A JP 19186199 A JP19186199 A JP 19186199A JP 2001019713 A JP2001019713 A JP 2001019713A
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carbon
hydrocarbon
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JP11191861A
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Shigeki Ono
重樹 大野
Takeshi Chiba
健 千葉
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】末端に水酸基を有する炭化水素系重合体(イ)
と、加水分解性シリル基を有するイソシアネート化合物
(ロ)とを反応させることにより末端に加水分解性シリ
ル基を有する重合体を提供することである。 【解決手段】末端に水酸基を有する炭化水素系重合体
(イ)と、加水分解性シリル基を有するイソシアネート
化合物(ロ)とを反応させることにより末端に加水分解
性シリル基を有する炭化水素系重合体を容易に合成する
ことが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、末端に水酸基を有
する重合体主鎖が炭素−炭素単結合を形成するカチオン
重合によって得られる飽和な炭化水素系重合体(イ)
と、加水分解性シリル基を有するイソシアネート化合物
(ロ)とを反応させることにより得られる、末端に加水
分解性シリル基を有する炭化水素系重合体、およびこれ
を含有する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】高耐候性が期待される飽和炭化水素系高
分子重合体として、カチオン重合により得られるポリイ
ソブチレンが知られている。特にリビングカチオン重合
により、定量的にポリイソブチレンの末端に官能基を導
入する反応は知られている。リビングカチオン重合によ
って合成される塩素基を末端に有するポリイソブチレン
をまず合成し、次いで四塩化チタン存在下でアリルトリ
メチルシランを反応させることでアリル基末端のポリイ
ソブチレンを合成した後に、Karstedt触媒とい
った白金錯体存在下ヒドロシランを反応させるヒドロシ
リル化反応を用いることによって末端にシリル基を導入
する方法が開示されている(例えば特開平11−801
67など)。この手法では、末端に定量的にシリル基を
導入できない場合があり、そのためこの手法によって得
られた末端に加水分解性シリル基を有するポリイソブチ
レンを含有する硬化物は充分な機械強度を発現しないこ
とがあるという問題点がある。
【0003】一方で末端に水酸基を有するポリエーテル
に加水分解性シリル基を有するイソシアネート化合物
(ロ)を反応させて、ポリエーテルの末端に加水分解性
シリル基を高効率で導入する方法が開示されている(例
えば特開平5−194678など)。しかしこの手法に
より得られる重合体主鎖はポリエーテルであり、耐候性
などに問題があるため、重合体主鎖が高耐候性を期待で
きる飽和炭化水素系高分子であり、且つ高効率で末端に
加水分解性シリル基が導入された重合体が望まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、末端
に水酸基を有する重合体主鎖が炭素−炭素単結合を形成
するカチオン重合によって得られる飽和な炭化水素系重
合体(イ)と、加水分解性シリル基を有するイソシアネ
ート化合物(ロ)とを反応させることにより、末端に高
効率で加水分解性シリル基を導入する方法を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、末端に水酸基
を有する重合体主鎖が炭素−炭素単結合を形成するカチ
オン重合によって得られる飽和な炭化水素系重合体
(イ)と、加水分解性シリル基を有するイソシアネート
化合物(ロ)とを反応させることにより得られる、末端
に加水分解性シリル基を有する炭化水素系重合体に関す
る。
【0006】
【発明の実施形態】本発明における重合体主鎖が飽和な
炭化水素系重合体とは、炭素−炭素単結合を形成するカ
チオン重合によって得られた主鎖中にはC−C二重結合
を有さない(すなわち飽和な)炭化水素系重合体を意味
するが、主鎖にぶら下がったグラフト基にはC−C二重
結合を有していてもよい。また、カチオン重合の際に用
いる重合開始剤中にはC−C二重結合を有していても構
わない。
【0007】本発明にかかる水酸基を末端に有する重合
体主鎖が炭素−炭素単結合を形成するカチオン重合によ
って得られる飽和な炭化水素系重合体(イ)の製法は、
例えば以下のようにして行われる。まず、リビングカチ
オン重合によって合成される塩素基を末端に有するポリ
イソブチレンをまず合成し、次いでtBuOKを用い
て末端の脱塩酸反応をおこなうことによりイソプロペニ
ル基末端基に誘導したり、あるいは四塩化チタン存在
下でアリルトリメチルシランを反応させることでアリル
基末端のポリイソブチレンを合成した後に、BH3また
は9−BBNといったヒドリド−ボラン試薬と過酸化水
素を用いることによって定量的に末端に水酸基を導入す
る方法が、J.P.Kennedyらより報告されてい
る(例えばB. Ivan, J.P. Kennedy, and V. S. C. Chan
g, J. Polym. Sci., Polym. Chem, Ed., 1980, 18, 317
7およびB. Ivan, and J. P. Kennedy, Polym. Mater. S
ci. Eng., 1988, 58, 866など)。
【0008】末端に水酸基を有する重合体主鎖が炭素−
炭素単結合を形成するカチオン重合によって得られる飽
和な炭化水素系重合体(イ)は、炭素−炭素単結合を形
成するカチオン重合によって得られるハロゲン末端炭化
水素系重合体(ハ)と、保護された水酸基および炭素−
炭素二重結合を有する化合物(ニ)との反応により得ら
れる保護された水酸基を末端に有する炭化水素系重合体
を脱保護することにより得られる。ここで保護された水
酸基を末端に有する飽和炭化水素系重合体の構造は、カ
チオン重合によって得られるハロゲン末端炭化水素系重
合体(ハ)が式(1): R1(A−X)a (1) (式中、R1は単環または複数の芳香環を含む1価から
4価までの炭化水素基、Xは塩素基または臭素基、aは
1から4の整数。Aは一種又は二種以上のカチオン重合
性単量体の重合体で、aが2以上の時は同じでも異なっ
ていてもよい。)で表され、保護された水酸基および炭
素−炭素二重結合を有する化合物(ニ)が式(2): CH2=C(R2)−B−OG (2) (式中、R2は水素または炭素数1から18の飽和炭化
水素基を、Bは炭素数1から30の2価の炭化水素基
を、Gは水酸基の保護基を表す。)で表されるものであ
ることが好ましい。
【0009】なお式(2)中のBは、炭素数1から30
の2価の炭化水素基であって、0〜5個の炭素−炭素二
重結合〔ただしCH2=C(R2)−基(R2は上記と同
じ)を有するものを除く〕及び/又は0〜3個の芳香環
を有することが好ましい。また、式(2)中のBは、0
〜3個の−CH=CH−で表される2価の基を有するこ
とがさらに好ましい。
【0010】また前記式(2)の化合物としては、式
(4): CH2=C(R2)−(CH2b―{−CH=CH−(C
2cn−OG (4) (式中、R2は水素または炭素数1から18の飽和また
は不飽和の1価の炭化水素基を表し、b及びcは1から
30の整数であって同一であっても異なっていても良
く、nは0から5の整数を、Gは水酸基の保護基を表
す。)で表されるものであることがより好ましい。
【0011】この方法によって得られる、保護した水酸
基を末端に有する重合体主鎖が飽和な炭化水素系重合体
は、脱保護によって容易に、水酸基を末端に有する重合
体主鎖が飽和な炭化水素系重合体に変換することが可能
である。
【0012】前記式(1)におけるカチオン重合性のモ
ノマーには特に制限はないが、好ましいモノマーとして
は、例えばイソブチレン、インデン、ピネン、スチレ
ン、メトキシスチレン、クロルスチレン等を挙げること
ができる。
【0013】また本発明の重合体を硬化性組成物の原料
とする場合には、架橋前には液状であり、架橋後にはゴ
ム状の硬化物を与え得るイソブチレン系重合体を製造す
るのが好ましい。
【0014】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。
【0015】このような単量体成分としては、たとえ
ば、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳
香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類な
どがあげられる。このような共重合体成分としては、た
とえば1ーブテン、2ーブテン、2ーメチルー1ーブテ
ン、3ーメチルー1ーブテン、ペンテン、4ーメチルー
1ーペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、スチレン、αーメチルスチレン、ジメ
チルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、βーピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、
ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシ
ラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチ
ルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキ
シシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル
ー1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビ
ニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリク
ロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメ
チルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、ア
リルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジア
リルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γー
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ
ーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどがあげられる。
【0016】さらに、架橋反応によって架橋性高分子化
合物を得る際に充分な強度、耐候性、ゲル分率等を達成
するためには、前記式(1)の重合体のaが2または3
の塩素基末端ポリイソブチレンである飽和炭化水素系重
合体が好ましい。
【0017】保護された水酸基および炭素−炭素二重結
合を含む化合物(ニ)の保護基は脱保護によって水酸基
を与えるものであれば特に限定されるものではないが、
通常、炭素数0〜54の無機基又は有機基である。ま
た、温和な条件下で脱保護が行える好ましい保護基とし
て、下記のものを挙げることができる。
【0018】
【化3】 (式中、R3、R4、R5は水素、または炭素数1から1
8の飽和または不飽和の炭化水素基を表し、Rを複数含
む基においては同一であっても異なっていてもよい。X
はCl、Br、Iから選ばれる官能基である。M1はL
i、Na、Kから選ばれる1価の金属、M2はMg、C
a、Sr、Baから選ばれる2価の金属、M3はB、A
l、Gaから選ばれる3価の金属、M4はTi、Zr、
Hf、Si、Ge、Sn、Pbから選ばれる4価の金属
である。) 保護基としては、入手性や、脱保護後の重合体と保護基
成分の分離のしやすさなどから、アルキル基、アシル
基、RC(O)−基(ただしRは炭素数1〜10の飽和
炭化水素基)、シリル基、金属アルコキシドが好まし
く、メチル基、エチル基、n-及びi-プロピル基、n
-、i-およびt-ブチル基、ホルミル基、アセチル基、
プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、トリメチ
ルシリル基、トリフェニルシリル基がさらに好ましく、
これらの保護基が0〜54個の炭素原子を有するもので
あることが特に好ましい。
【0019】ハロゲン末端炭化水素系重合体(ハ)に反
応させる基質である、前記式(2)で表される化合物
(ニ)としては、1置換あるいは1,1’−2置換の末
端に保護した水酸基を有するオレフィンであれば特に制
限されるものではないが、反応性の高さから、前記式
(2)においてGを水素としたときに、アリルアルコー
ル、メタリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3
−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1
−オール、5−ヘキセン−1−オール、6−ヘプテン−
1−オール、7−オクテン−1−オール、8−ノネン−
1−オール、9−デセン−1−オールおよび10−ウン
デセン−1−オール、2,5−ヘキサジエノール、2,6
−ヘプタジエノール、3,6−ヘプタジエノール、2,7
-オクタジエノール、3,7-オクタジエノール、4,7-
オクタジエノール、2,8-ノナジエノール、3,8-ノナ
ジエノール、4,8-ノナジエノール、5,8-ノナジエノ
ール、2,9-デカジエノール、3,9-デカジエノール、
4,9-デカジエノール、5,9-デカジエノールまたは
6,9-デカジエノールから選ばれる化合物が好ましい。
【0020】前記式(1)のカチオン重合によって得ら
れるハロゲン末端炭化水素系重合体(ハ)に前記式
(2)で表される保護した水酸基および炭素−炭素二重
結合を含む化合物(ニ)を反応させる際に、触媒として
ルイス酸を用いることが可能である。この場合ルイス酸
であれば特に限定されるものではないが、TiCl4
AlCl3、BCl3、SnCl4の反応活性が高く、選
択性が良好である点から好ましい。
【0021】本発明において、反応溶剤としてハロゲン
化炭化水素、芳香族炭化水素、及び脂肪族炭化水素から
任意に選ばれる単独又は混合溶剤を用いることが可能で
あるが、ポリマーの重合条件下での溶解性や反応性から
ハロゲン化炭化水素として塩化メチレン、クロロホル
ム、1,1−ジクロルエタン、1,2−ジクロルエタ
ン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライドの
なかから選ばれる1種以上の成分であることが好まし
い。同様の理由で、芳香族炭化水素はトルエンが好まし
く、脂肪族炭化水素としてはペンタン、n−ヘキサン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロ
ヘキサンのなかから選ばれる1種以上の成分が好まし
い。
【0022】環境への悪影響が心配されるハロゲン化炭
化水素を用いない反応溶剤として、例えばトルエン、エ
チルシクロヘキサン、あるいはこれらの混合溶剤を用い
ることで、保護された水酸基を末端に有する飽和炭化水
素系重合体の製造が容易に達成できる。
【0023】脱保護反応は、保護基を水酸基に誘導する
反応であれば特に制限されるものではないが、好ましい
反応としては加水分解反応、熱分解反応などがあげられ
る。
【0024】加水分解反応は溶剤系、無溶剤系のどちら
でも行うことが可能である。溶剤系の反応に用いる溶剤
は特に限定されるものではないが、保護された水酸基を
末端に有する飽和炭化水素系重合体を製造する溶剤を用
いることが好ましい。加水分解を行う条件としては酸
性、塩基性条件のどちらでも可能であるが、加水分解反
応の効率から塩基性水溶液を用いて加水分解反応を行う
ことが好ましい。
【0025】塩基条件下での加水分解に用いる試薬とし
ては、通常の加水分解反応に用いる有機または無機の塩
基化合物であれば特に制限されるものではないが、取り
扱いの容易さなどから水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、酢
酸マグネシウム、t-ブトキシカリウム、t-ブトキシナ
トリウム、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド
などが特に好ましい。
【0026】加水分解反応では、触媒の添加を行うこと
によって、効率的に反応を進行させることが可能であ
る。このような触媒としては有機および無機の触媒のい
ずれでも反応が可能であるが、反応の容易さから有機塩
が好ましく、特に4級アンモニウム塩が好ましい。代表
的なアンモニウム塩としては、塩化トリエチルベンジル
アンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化ト
リエチルベンジルアンモニウム、塩化トリオクチルメチ
ルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウ
ム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化N−ラ
ウリルピリジニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリ
メチルベンジルアンモニウム、臭化トリメチルフェニル
アンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テ
トラエチルアンモニウム。臭化テトラ−n−ブチルアン
モニウム、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサル
フェート、N−ベンジルピコリニウムクロライド、ヨウ
化テトラメチルアンモニウム、ヨウかテトラ-n-ブチル
アンモニウム、N−ラウリル−4−ピコリニウムクロラ
イド、N−ラウリルピコリニウムクロライドなどが挙げ
られる。
【0027】末端に水酸基を有する重合体主鎖が炭素−
炭素単結合を形成するカチオン重合によって得られる飽
和な炭化水素系重合体(イ)は、例えば以下の製法によ
り得られる。式(1)で示されるハロゲン基を末端に有
する重合体(ハ)に1〜4当量の式(2)で表される保
護した水酸基を末端に有するオレフィン化合物(ニ)を
反応溶剤としてクロロホルム、塩化メチレン、1,1−
ジクロルエタン、1,2−ジクロルエタン、n−プロピ
ルクロライド、n−ブチルクロライド、トルエン、ペン
タン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサン、エチルシクロヘキサンのなかから選ばれる1種
以上の成分からなる溶剤に溶解する。これに、ピリジ
ン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メ
チルピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等のエ
レクトロンドナー共存下、−100℃〜−30℃の温度
範囲でTiCl4、AlCl3、BCl3、SnCl4等の
ルイス酸触媒を添加し、例えば30分〜5時間反応させ
ることで、保護された水酸基を末端に有する炭化水素系
重合体が得られる。これを脱保護することで末端に水酸
基を有する炭化水素系重合体(イ)が得られる。本発明
における加水分解性シリル基を有するイソシアネート化
合物(ロ)は、式(3)で表される。式中、R6は2価
の有機基を示す。R6としては、単結合又は炭素数1〜
20の2価の有機基が好ましく、2価の炭化水素基が特
に好ましい。さらにR6はウレタン結合、ウレア結合、
その他のイソシアネート基と活性水素含有基との反応で
生じる結合を含む有機基であってもよい。R7は炭素数
1〜5の1価の有機基を示し、R7が2個以上となる場
合は、同じであっても異なっていてもよい。aは0〜2
の整数である。Yは加水分解性基である。加水分解性基
Yとしては、たとえば、水素原子、アルコキシ基、アシ
ルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、
アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基な
どの一般に使用されている基があげられる。これらのう
ちでは、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基が好
ましいが、加水分解性がマイルドで取り扱い易いという
点から、アルコキシ基がとくに好ましい。加水分解性基
Yは、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合するこ
とができ、ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。
【0028】式(3)で表される加水分解性シリル基を
有するイソシアネート化合物(ロ)としては、例えば下
記化合物を示しうるが特に制限されるものではない。
(CH3)(CH3O)2Si―(CH23―NCO、
(CH3O)3Si―(CH23―NCO、(CH3
(C25O)2Si―(CH23―NCO、(C2
5O)3Si―(CH23―NCO、(CH3O)3Si―
NCO、(CH3O)2Si(NCO)2、本発明にかか
る加水分解性シリル基を末端に有する炭化水素系重合体
は、以上に示した末端に水酸基を有する重合体主鎖が炭
素−炭素単結合を形成するカチオン重合によって得られ
る飽和な炭化水素系重合体(イ)に、加水分解性シリル
基を有するイソシアネート化合物(ロ)を溶剤系又は無
溶剤系で反応させることにより得られるが、脱溶剤が不
要の無溶剤系での反応の方が好ましい。例えば、0℃〜
180℃の温度範囲で30分〜6時間反応させることで
加水分解性シリル基を末端に有する炭化水素系重合体が
得られるが、反応を促進するために触媒を用いてもよ
い。用いる触媒としては、例えばジメトキシジブチルス
ズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテ
ート、ジブチルスズジアセチルアセトナート、オクチル
酸錫などが挙げられる。本発明にかかる加水分解性シリ
ル基を末端に有する炭化水素系重合体は水分と接触する
と架橋反応により3次元化して硬化する。この水分は大
気中の水分でもよく、また水を加えてもよい。好ましく
は、水を炭化水素系重合体に対し、0.01〜10重量
%配合する。
【0029】本発明にかかる加水分解性シリル基を末端
に有する炭化水素系重合体を硬化させるために、硬化促
進触媒を使用してもしなくてもよい。硬化促進触媒とし
ては、例えばテトラブチルチタネート、テトラプロピル
チタネートなどチタン酸エステル類、ジブチルスズジラ
ウレート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸錫な
どのスズカルボン酸塩類、ジブチルスズジアセチルアセ
トナート、ジメトキシジブチルスズ、アルミニウムトリ
スアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルア
セトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類、ジル
コニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラア
セチルアセトナートなどのキレート化合物類、ブチエル
アミン、モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミ
ンなどのアミン化合物あるいはそれらのカルボン酸など
の塩、および他の酸性触媒、塩基性触媒など公知の触媒
が挙げられる。好ましくは、この触媒を炭化水素系重合
体に対し、0.01〜5重量%配合する。
【0030】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をより一層明ら
かにするが、実施例により本発明は何ら限定されるもの
ではない。 (実施例1)5000mlのセパラブルフラスコに三方
コック、熱電対、および真空用シール付き撹拌機をつけ
て窒素置換を行った。これにモレキュラーシーブス3A
によって脱水したトルエン592ml、エチルシクロヘ
キサン73.6mlを加え、さらに1,4−ビス(1−
クロル−1−メチルエチル)ベンゼン(5.56g,2
4.0mmol)、2−メチルピリジン(264mg,
2.83mmol)を加えて−70℃に冷却した。冷却
後、イソブチレンモノマー(120ml,1.44mo
l)を導入し、さらに、この温度で四塩化チタン(2.
52ml、23.0mmol)を添加し重合を開始し
た。この際に約15℃昇温した。約60分で重合は終了
した(これに伴い反応系の発熱は観察されなくなっ
た)。重合終了後に酢酸オクタジエニル(32.4g,
193mmol)および四塩化チタン(39.8ml、
386mmol)を添加した。5時間反応の後に、80
℃に加熱したイオン交換水1.5Lに反応混合物を導入
し、20分間攪拌を行った。静置の後に水層を除去し、
1Lの2N水酸化ナトリウム水溶液及び臭化テトラブチ
ルアンモニウム10.0gを添加し、100℃にて12
時間攪拌を行った。反応終了後、アルカリ水溶液を除去
し、1Lのイオン交換水で3回水洗した後に、有機層を
単離した。これに10Lのアセトンを加えてポリマーを
再沈殿させ、低分子化合物を除去した。沈殿物をさらに
アセトン1Lで2回洗浄し、さらにヘキサン500ml
に溶解した。溶液を1Lのなす型フラスコに移液し、オ
イルバスによる加熱条件下(180℃)、減圧(最終1
Torr以下)によって溶媒留去を行い、目的とする水
酸基を末端に有するポリイソブチレンを得た。得られた
ポリイソブチレンの官能化率の分析はNMRを用いて行
った。 (NMR)Valian社製 Gemini−300、
測定溶剤;四塩化炭素/重アセトン=4/1混合溶剤、
定量方法;開始剤残基のシグナル(7.2ppm)を基
準に末端の水酸基に隣接するメチレンのシグナル(4.
00ppm)を比較して定量化した。Fn(CH2
H)は重合体末端への官能基導入量であり、定量的に導
入した時には今回用いた開始剤では2.0となる。実施
例1で得られたポリマーの水酸基導入量は以下の通り;
Fn(CH2OH)=1.90。
【0031】このようにして得られた水酸基を末端に有
するポリイソブチレン100部(重量部:以下同様)に
イソシアネートプロピルトリメトキシシランOCNCH
2CH2CH2Si(OCH33 8部、オクチル酸スズ/
ラウリルアミン(3/0.75)0.5部を加え、窒素気
流下、70℃で2時間反応した。NMRにおいて反応が
完結していなかったので、オクチル酸スズ/ラウリルア
ミン(3/0.75)3部を追加し70℃でさらに2時間
反応させたところ、NMRにおいて反応が完結している
のを確認した。このようにして得られた加水分解性シリ
ル基を末端に有するポリイソブチレン100部に水5
部、硬化触媒オクチル酸スズ/ラウリルアミン(3/
0.75)1.6部を加え120℃で1時間プレス機に
かけたところ硬化物が得られた。
【0032】
【発明の効果】本発明によって得られる重合体は末端に
加水分解性シリル基を有する重合体であり、従来は白金
錯体のような特殊で高価な試薬を用いる必要があった
が、本法では末端に水酸基を有する炭化水素系重合体か
ら容易に合成することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AA04Q AA05Q AA06P AA07Q AA08Q AA09Q AA15P AA15Q AA16Q AA17Q AA20Q AB02P AB02Q AB03Q AB04Q AB07P AB08P AB08Q AE02Q AE03Q AE04Q AP16Q AP17Q AR09P AR10P AR10Q BA03H BA05P BA71Q BA72Q BA75H BA75Q BA77Q BA81Q BB01Q CA01 CA04 CA27 CA31 HA35 HA61 HC11 HC77

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】末端に水酸基を有する重合体主鎖が炭素−
    炭素単結合を形成するカチオン重合によって得られる飽
    和な炭化水素系重合体(イ)と、加水分解性シリル基を
    有するイソシアネート化合物(ロ)とを反応させること
    により得られる、末端に加水分解性シリル基を有する炭
    化水素系重合体。
  2. 【請求項2】末端に水酸基を有する重合体主鎖が炭素−
    炭素単結合を形成するカチオン重合によって得られる飽
    和な炭化水素系重合体(イ)が炭素−炭素単結合を形成
    するカチオン重合によって得られるハロゲン末端炭化水
    素系重合体(ハ)と、保護された水酸基および炭素−炭
    素二重結合を有する化合物(ニ)との反応により得られ
    る、保護された水酸基を末端に有する炭化水素系重合体
    を脱保護することにより得られるものである請求項1記
    載の重合体。
  3. 【請求項3】カチオン重合によって得られるハロゲン末
    端炭化水素系重合体(イ)が式(1): R1(A−X)a (1) (式中、R1は単環または複数の芳香環を含む1価から
    4価までの炭化水素基、Xは塩素基または臭素基、aは
    1から4の整数。Aは一種又は二種以上の、カチオン重
    合性単量体より得られる重合体で、aが2以上の時は同
    じでも異なっていてもよい。)で表され、保護された水
    酸基および炭素−炭素二重結合を有する化合物(ニ)が
    式(2): CH2=C(R2)−B−OG (2) (式中、R2は水素または炭素数1から18の飽和炭化
    水素基を、Bは炭素数1から30の2価の炭化水素基
    を、Gは1価の置換基を表す。)で表される請求項2記
    載の重合体。
  4. 【請求項4】前記式(1)のカチオン重合によって得ら
    れる炭化水素系重合体がイソブチレン系重合体である請
    求項3記載の重合体。
  5. 【請求項5】前記式(1)のaが2または3で、Aがポ
    リイソブチレンで、Xが塩素である請求項3または4記
    載の重合体。
  6. 【請求項6】前記式(2)のGが 【化1】 (式中、R3、R4、R5は水素、または炭素数1から1
    8の飽和または不飽和の炭化水素基を表し、Rを複数含
    む基においては同一であっても異なっていてもよい。X
    はCl、Br、Iから選ばれる官能基である。M1はL
    i、Na、Kから選ばれる1価の金属、M2はMg、C
    a、Sr、Baから選ばれる2価の金属、M3はB、A
    l、Gaから選ばれる3価の金属、M4はTi、Zr、
    Hf、Si、Ge、Sn、Pbのなかから選ばれる4価
    の金属である。)で表される請求項3、4又は5記載の
    重合体。
  7. 【請求項7】前記式(2)で表される化合物が、アリル
    アルコール、メタリルアルコール、3−ブテン−1−オ
    ール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペン
    テン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、6−ヘ
    プテン−1−オール、7−オクテン−1−オール、8−
    ノネン−1−オール、9−デセン−1−オール、10−
    ウンデセン−1−オール、2、5−ヘキサジエノール、
    2、6−ヘプタジエノール、3、6−ヘプタジエノー
    ル、2、7-オクタジエノール、3、7-オクタジエノー
    ル、4、7-オクタジエノール、2、8-ノナジエノー
    ル、3、8-ノナジエノール、4、8-ノナジエノール、
    5、8-ノナジエノール、2、9-デカジエノール、3、
    9-デカジエノール、4、9-デカジエノール、5、9-
    デカジエノールおよび6、9-デカジエノールのなかか
    ら選ばれる化合物の水酸基(OH基)をOG基とした化
    合物群から選ばれる請求項3、4、5又は6記載の重合
    体。
  8. 【請求項8】加水分解性シリル基を有するイソシアネー
    ト化合物(ロ)が一般式(3): 【化2】 〔式中、R6は2価の有機基を示す。R6は、直接結合又
    は炭素数1〜20の2価の有機基であるが、2価の炭化
    水素基であることが好ましい。またR6は、ウレタン結
    合、ウレア結合、その他のイソシアネート基と活性水素
    含有基との反応で生じる結合を含む有機基であってもよ
    い。R7は炭素数1〜5の1価の有機基を示し、R7が2
    個以上となる場合は、同じであっても異なっていてもよ
    い。aは0〜2の整数である。Yは加水分解性基であ
    り、Yが2個以上となる場合は同じであっても異なって
    いてもよい。またYは、水素、ハロゲン原子、アルコキ
    シ基、オルガノシロキシ基、ケトキシメート基、アミノ
    基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基及びアル
    ケニルオキシ基からなる群より選ばれることが好まし
    い。〕で表される請求項1から7記載の重合体。
  9. 【請求項9】前記式(3)のR6が炭素数1〜4の2価
    の有機基で、aが0あるいは1で、Yがメトキシ基で表
    される請求項10記載の重合体。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の重合体
    を含有する硬化性組成物。
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EP1403291A1 (en) * 2001-05-31 2004-03-31 Kaneka Corporation Process for producing polymer having crosslinkable silyl group and curable composition
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