JP2001131879A - 人工皮革 - Google Patents

人工皮革

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JP2001131879A
JP2001131879A JP30219599A JP30219599A JP2001131879A JP 2001131879 A JP2001131879 A JP 2001131879A JP 30219599 A JP30219599 A JP 30219599A JP 30219599 A JP30219599 A JP 30219599A JP 2001131879 A JP2001131879 A JP 2001131879A
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JP
Japan
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polymer
artificial leather
isobutylene
hydroxyl group
group
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JP30219599A
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Takeshi Chiba
健 千葉
Shigeki Ono
重樹 大野
Takanao Iwahara
孝尚 岩原
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来、人工皮革は、極細繊維とポリウレタン樹
脂とからなるため、後加工で撥水性や抗菌性などの多機
能性を付与すると、湿潤時の耐摩擦性や耐洗濯性など湿
潤堅牢度の低下を招きやすい。そのため、加工温度に制
約があり、実用に耐え得る多機能性を備えた人工皮革製
品の提供が困難だった。 【解決手段】ウレタン樹脂原料として水酸基末端イソブ
チレン系重合体を用いることで目的とする特性を発現し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水性、耐水性、
耐熱性および耐候性に優れた人工皮革に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人工皮革は、極細繊維とポリウレ
タン樹脂とからなるため、後加工で撥水性や抗菌性など
の多機能性を付与すると、湿潤時の耐摩擦性や耐洗濯性
など湿潤堅牢度の低下を招きやすい傾向があった。その
ため、加工温度に制約があり、実用に耐え得る多機能性
を備えた人工皮革製品の提供が困難だった。例えば、撥
水性について、特開昭56−159350号公報では、
弾性重合体を塗布した立毛布帛に撥水性樹脂を付与した
スエード調立毛布帛の製造方法が開示されている。ま
た、特開昭60−75683号公報には、繊維交絡点間
距離が200ミクロン以下の超交絡層の表面にフッ素系
化合物などを付着してなる撥水・撥油性人工皮革が開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭56−
159350号公報に記載のスエード調立毛布帛は、撥
水加工において60〜190℃で熱処理されるため、染
色堅牢度や湿潤堅牢度の低下を促し、風合が粗硬になり
がちであった。特開昭60−75683号公報に記載の
撥水・撥油性人工皮革は、極細繊維の交絡によりある程
度の撥水性は有するものの、さらに高い撥水性を求める
要望に十分に応えることができなかった。
【0004】人工皮革材料に十分な耐久力をもたせるた
めには140℃以上の高温での熱処理が必要となること
が多い。しかし、高温での熱処理は、風合の粗硬化を引
き起こし、製品の品質上好ましくない。結局、優れた多
機能性を長く維持でき、良好な風合を有する人工皮革は
未だ提供されていない。本発明は、耐久力のある撥水性
を有する人工皮革とその製造方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、ウレタン樹脂の原料として水酸基末端
イソブチレン系重合体を用いることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、水酸基末端イソブチレ
ン系重合体を原料として生産される人工皮革に関するも
のである。また、本発明は、水酸基末端イソブチレン系
重合体を原料とするポリウレタン樹脂を用いて生産され
る人工皮革に関するものである。また、本発明は、
(a)単繊維繊度0.001〜2デニールの合成繊維、
および(b)水酸基末端イソブチレン系重合体を原料と
するポリウレタン樹脂、を原料として生産される人工皮
革に関するものである。
【0007】本発明に係る人工皮革とその製造方法につ
いて詳しく説明する。本発明の人工皮革の生機は、単繊
維繊度0.001〜2デニールの極細合成繊維およびポ
リウレタン樹脂を主成分として構成される。極細合成繊
維の種類は特に制限されないが、ポリエチレンテレフタ
ートなどのポリエステル系繊維や、ポリエチレンテレフ
タレートを基本骨格とし他成分を共重合させた改質ポリ
エステル系繊維や、ナイロン6やナイロン66に代表さ
れるポリアミド系繊維が多く用いられる。使用する合成
繊維の単繊維繊度は、風合など製品の品位面から0.0
01〜2デニールの範囲であり、好ましくは0.005
〜1デニールの範囲、さらに好ましくは0.01〜0.
5デニールの範囲である。本発明に用いられる水酸基末
端イソブチレン系重合体を原料とするウレタン樹脂は本
発明の特徴となる成分であり、強い耐水性、耐熱性、耐
候性等に優れる成分として機能する。すなわち、本発明
の人工皮革に、強い耐水性、耐熱性、耐候性を付与する
成分である。
【0008】イソブチレン系重合体は主鎖骨格が飽和炭
化水素からなり、水素添加型ポリブタジエンに比較して
も高い安定性を有していることが知られている(例えば
特開平11−131325など)。本発明においてはウ
レタン材料としてイソブチレン系重合体を成分を用いる
ことで、従来品に比べ耐水性、耐熱性、耐候性等に優れ
る皮革材料を提供する。
【0009】本発明のイソブチレン系重合体1分子中の
水酸基は1個以上であり、1.1〜5個であることが好
ましい。分子中に含まれる水酸基の数が1個未満になる
と、硬化性が不充分になり、良好な硬化物が得られなく
なることがある。イソブチレン系重合体の分子鎖の末端
に水酸基があるときは、最終的に形成される硬化物にお
けるイソブチレン系重合体成分の有効網目鎖量が多くな
るため、高強度の硬化物が得られやすくなるなどの点か
ら好ましい。
【0010】本発明にかかる水酸基を末端に有するイソ
ブチレン系重合体は、通常、炭素−炭素単結合を形成す
るカチオン重合によって得られるハロゲン末端イソブチ
レン系重合体と、保護された水酸基および炭素−炭素二
重結合を有する化合物との反応により得られる保護され
た水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体を脱保護
することにより得ることができる。
【0011】ここで保護された水酸基を末端に有するイ
ソブチレン系重合体は、式(1)で表されるカチオン重
合によって得られるハロゲン末端イソブチレン系重合体 R6(A−W)a (1) (式中、R6は単環または複数の芳香環を含む1価から
4価までの炭化水素基、Wは塩素または臭素、aは1か
ら4の整数。Aは一種又は二種以上のカチオン重合性単
量体の重合体で、単量体としてはイソブチレンを必須成
分とする。aが2以上の時Aはそれぞれ同じでも異なっ
ていてもよい。)に対して、式(2)であらわされる保
護された水酸基および炭素−炭素二重結合を有する化合
物 CH2=C(R7)−B−OG (2) (式中、R7は水素または炭素数1から18の飽和炭化
水素基を、Bは炭素数1から30の2価の炭化水素基
を、Gは水酸基の保護基を表す。)を反応させることで
得ることができる。
【0012】なお式(2)中のBは、炭素数1から30
の2価の炭化水素基であって、0〜5個の炭素−炭素二
重結合〔ただしCH2=C(R7)−基(R7は上記と同
じ)を有するものを除く〕及び/又は0〜3個の芳香環
を有することが好ましい。また、式(2)中のBは、0
〜3個の−CH=CH−で表される2価の基を有するこ
とがさらに好ましい。
【0013】また前記式(2)の化合物としては、式
(3): CH2=C(R7)−(CH2b―{−CH=CH−(
CH2cn−OG (3) (式中、R7は水素または炭素数1から18の飽和また
は不飽和の1価の炭化水素基を表し、b及びcは1から
30の整数であって同一であっても異なっていても良
く、nは0又は1から5の整数を、Gは水酸基の保護基
を表す。)で表されるものであることがより好ましい。
【0014】この方法によって得られる保護した水酸基
を末端に有するイソブチレン系重合体は脱保護によって
容易に水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体に変
換することが可能である。
【0015】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合体を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。このような単量
体成分としては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィ
ン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラ
ン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共
重合体成分としては、たとえば1ーブテン、2ーブテ
ン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテ
ン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、
ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレ
ン、αーメチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロ
ロスチレン、ジクロロスチレン、βーピネン、インデ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシ
ラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジク
ロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメ
チルシラン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テト
ラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチ
ルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリ
ルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、
ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、
ジアリルジメチルシラン、γーメタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0016】保護された水酸基および炭素−炭素二重結
合を含む化合物の保護基は脱保護によって水酸基を与え
るものであれば特に限定されるものではないが、通常、
炭素数0〜54の無機基又は有機基である。また、温和
な条件下で脱保護が行える好ましい保護基として、下記
のものを挙げることができる。
【0017】
【化1】 (式中、R3、R4、R5は水素、または炭素数1から1
8の飽和または不飽和の炭化水素基を表し、Rを複数含
む基においては同一であっても異なっていてもよい。W
はCl、Br、Iから選ばれる官能基である。M1はL
i、Na、Kから選ばれる1価の金属、M2はMg、C
a、Sr、Baから選ばれる2価の金属、M3はB、A
l、Gaから選ばれる3価の金属、M4はTi、Zr、
Hf、Si、Ge、Sn、Pbから選ばれる4価の金属
である。) 保護基としては、入手性や、脱保護後の重合体と保護基
成分の分離のしやすさなどから、アルキル基、アシル
基、RC(O)−基(ただしRは炭素数1〜10の飽和
炭化水素基)、シリル基、金属アルコキシドが好まし
く、メチル基、エチル基、n-及びi-プロピル基、 n
-、i-およびt-ブチル基、ホルミル基、アセチル基、
プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、トリメチ
ルシリル基、トリフェニルシリル基がさらに好ましい。
これらの保護基は0〜54個の炭素原子を有するもので
あることが特に好ましい。
【0018】前記式(1)であらわされるハロゲン末端
イソブチレン系重合体に反応させる基質である、前記式
(2)で表される保護された水酸基および炭素−炭素二
重結合を有する化合物としては、末端に保護した水酸基
を有するオレフィンであれば特に制限されるものではな
いが、反応性の高さから、前記式(2)においてGを水
素としたときに、アリルアルコール、メタリルアルコー
ル、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン
−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセ
ン−1−オール、6−ヘプテン−1−オール、7−オク
テン−1−オール、8−ノネン−1−オール、9−デセ
ン−1−オールおよび10−ウンデセン−1−オール、
2,5−ヘキサジエノール、2,6−ヘプタジエノール、
3,6−ヘプタジエノール、2,7-オクタジエノール、
3,7-オクタジエノール、4,7-オクタジエノール、
2,8-ノナジエノール、3,8-ノナジエノール、4,8-
ノナジエノール、5,8-ノナジエノール、2,9-デカジ
エノール、3,9-デカジエノール、4,9-デカジエノー
ル、5,9-デカジエノールまたは6,9-デカジエノール
から選ばれる化合物が好ましい。
【0019】前記式(1)のカチオン重合によって得ら
れるハロゲン末端イソブチレン系重合体に前記式(2)
で表される保護した水酸基および炭素−炭素二重結合を
含む化合物を反応させる際に、触媒としてルイス酸を用
いることが可能である。この場合ルイス酸であれば特に
限定されるものではないが、TiCl4、AlCl3、B
Cl3、SnCl4の反応活性が高く、選択性が良好であ
る点から好ましい。
【0020】本発明において、反応溶剤としてハロゲン
化炭化水素、芳香族炭化水素、及び脂肪族炭化水素から
任意に選ばれる単独又は混合溶剤を用いることが可能で
あるが、ポリマーの反応条件下での溶解性や反応性から
ハロゲン化炭化水素として塩化メチレン、クロロホル
ム、1,1−ジクロルエタン、1,2−ジクロルエタ
ン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライドの
なかから選ばれる1種以上の成分であることが好まし
い。同様の理由で、芳香族炭化水素はトルエンが好まし
く、脂肪族炭化水素としてはペンタン、n−ヘキサン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロ
ヘキサンのなかから選ばれる1種以上の成分が好まし
い。
【0021】環境への悪影響が心配されるハロゲン化炭
化水素を用いない反応溶剤として、例えばトルエン、エ
チルシクロヘキサン、あるいはこれらの混合溶剤を用い
ることで、保護された水酸基を末端に有するイソブチレ
ン系重合体の製造が容易に達成できる。
【0022】脱保護反応は、保護基を水酸基に誘導する
反応であれば特に制限されるものではないが、好ましい
反応としては加水分解反応、熱分解反応などがあげられ
る。
【0023】加水分解反応は溶剤系、無溶剤系のどちら
でも行うことが可能である。溶剤系の反応に用いる溶剤
は特に限定されるものではないが、保護された水酸基を
末端に有するイソブチレン系重合体を製造する溶剤を用
いることが好ましい。加水分解を行う条件としては酸
性、塩基性条件のどちらでも可能であるが、加水分解反
応の効率から塩基性水溶液を用いて加水分解反応を行う
ことが好ましい。
【0024】塩基条件下での加水分解に用いる試薬とし
ては、通常の加水分解反応に用いる有機または無機の塩
基化合物であれば特に制限されるものではないが、取り
扱いの容易さなどから水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、酢
酸マグネシウム、t-ブトキシカリウム、t-ブトキシナ
トリウム、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド
などが特に好ましい。
【0025】加水分解反応では、触媒の添加を行うこと
によって、効率的に反応を進行させることが可能であ
る。このような触媒としては有機および無機の触媒のい
ずれでも反応が可能であるが、反応の容易さから有機塩
が好ましく、特に4級アンモニウム塩が好ましい。代表
的なアンモニウム塩としては、塩化トリエチルベンジル
アンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化ト
リエチルベンジルアンモニウム、塩化トリオクチルメチ
ルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウ
ム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化N−ラ
ウリルピリジニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリ
メチルベンジルアンモニウム、臭化トリメチルフェニル
アンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テ
トラエチルアンモニウム。臭化テトラ−n−ブチルアン
モニウム、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサル
フェート、N−ベンジルピコリニウムクロライド、ヨウ
化テトラメチルアンモニウム、ヨウかテトラ-n-ブチル
アンモニウム、N−ラウリル−4−ピコリニウムクロラ
イド、N−ラウリルピコリニウムクロライドなどが挙げ
られる。末端に水酸基を有する重合体主鎖が炭素−炭素
単結合を形成するカチオン重合によって得られるイソブ
チレン系重合体は、具体的には、例えば以下の製法によ
り得られる。式(1)で示されるハロゲン基末端イソブ
チレン系重合体に1〜4当量の式(2)で表される保護
した水酸基を末端に有するオレフィン化合物を反応溶剤
としてクロロホルム、塩化メチレン、1,1−ジクロル
エタン、1,2−ジクロルエタン、n−プロピルクロラ
イド、n−ブチルクロライド、トルエン、ペンタン、n
−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
エチルシクロヘキサンのなかから選ばれる1種以上の成
分からなる溶剤に溶解する。これに、ピリジン、2−メ
チルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジ
ン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等のエレクトロン
ドナー共存下、−100℃〜−30℃の温度範囲でTi
Cl4、AlCl3、BCl3、SnCl4等のルイス酸触
媒を添加し、30分〜5時間反応させることで、保護さ
れた水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体が得ら
れる。これを脱保護することで末端に水酸基を有するイ
ソブチレン系重合体が得られる。水酸基末端イソブチレ
ン系重合体はポリイソシアネート化合物と反応させ、必
要に応じてポリオールあるいはポリアミンなどの鎖延長
剤と反応させることでウレタン樹脂を得ることが出来
る。ウレタン樹脂を調製する際に他の高分子ポリオー
ル、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリ
オール化合物を混合して用いることも有効である。用い
ることが可能なポリイソシアネート化合物は特に制限さ
れるものではないが、主なポリイソシアネート化合物と
してはメチレンジフェニルジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフ
チレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水
添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ダイマー酸ジイソシアネート、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、ノルボルネン・ジイソシアネ
ートなどが挙げられる。
【0026】ポリオールとしてトリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、エ
チレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ト
リメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、
ジメチロールシクロヘキサン、ジペンタエリスリトー
ル、テトラヒドロキシジトリメチロールプロパン、グリ
セリン、ソルビトール、ビスフェノールAが挙げられ
る。
【0027】ポリアミンとしては例えばテトラメチルエ
チレンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−ジアミノ
トルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエ
ン、3,3−ジエチル−4,4−ジアミノジフェニルメ
タン、4,4−ジ(N−ブチルアミノ)ジフェニルメタ
ン、3,3−ジクロロ−4,4−ジアミノジフェニルメ
タンが挙げられる。
【0028】本発明の人工皮革の表面の感触や風合は、
用いる合成繊維の単繊維繊度とポリウレタン樹脂の重量
比とによって左右される。合成繊維とポリウレタン樹脂
との重量比は、90/10〜50/50とするのが好ま
しい。この範囲では、柔らかな風合を得やすく、染色堅
牢度が低下しにくいし、ポリウレタン樹脂の露出度も適
度であって好ましい品位を備えやすい。
【0029】本発明の人工皮革には、抗菌剤や消臭剤等
の各種添加剤の添加により、抗菌性や消臭性、形態安定
性などの多機能性を高めることが出来る。
【0030】
【実施例】つぎに実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。 製造例1 5000mlのセパラブルフラスコに三方コック、熱電
対、および真空用シール付き撹拌機をつけて窒素置換を
行った。これにモレキュラーシーブス3Aによって脱水
したトルエン592ml、エチルシクロヘキサン73.
6mlを加え、さらに1,4−ビス(1−クロル−1−
メチルエチル)ベンゼン(5.56g,24.0mmo
l)、2−メチルピリジン(264mg,2.83mm
ol)を加えて−70℃に冷却した。冷却後、イソブチ
レンモノマー(120ml,1.44mol)を導入
し、さらに、この温度で四塩化チタン(2.52ml、
23.0mmol)を添加し重合を開始した。この際に
約15℃昇温した。約60分で重合は終了した(これに
伴い反応系の発熱は観察されなくなった)。重合終了後
に酢酸2,7−オクタジエニル(32.4g,193m
mol)および四塩化チタン(39.8ml、386m
mol)を添加した。5時間反応の後に、80℃に加熱
したイオン交換水1.5Lに反応混合物を導入し、20
分間攪拌を行った。静置の後に水層を除去し、1Lの2
N水酸化ナトリウム水溶液及び臭化テトラブチルアンモ
ニウム10.0gを添加し、100℃にて12時間攪拌
を行った。反応終了後、アルカリ水溶液を除去し、1L
のイオン交換水で3回水洗した後に、有機層を単離し
た。これに10Lのアセトンを加えてポリマーを再沈殿
させ、低分子化合物を除去した。沈殿物をさらにアセト
ン1Lで2回洗浄し、さらにヘキサン500mlに溶解
した。溶液を1Lのなす型フラスコに移液し、オイルバ
スによる加熱条件下(180℃)、減圧(最終1Tor
r以下)によって溶媒留去を行い、目的とする水酸基を
末端に有するポリイソブチレンを得た。得られたポリイ
ソブチレンの分析はゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC;標準ポリスチレン換算法)及びNMR
を用いて行った。 (GPC)Waters社製 LC Module1、G
PCカラム;ポリスチレン架橋ゲル(shodex G
PC K−804;昭和電工(株)製)、展開溶剤;ク
ロロホルム。 (NMR)Valian社製 Gemini−300、
測定溶剤;四塩化炭素/重アセトン=4/1混合溶剤、
定量方法;開始剤残基のシグナル(7.2ppm)を基
準に末端の水酸基に隣接するメチレンのシグナル(4.
00ppm)を比較して定量化した。Fn(CH2
H)は重合体末端への官能基導入量であり、定量的に導
入した時には今回用いた開始剤では2.0となる。得ら
れたポリマーの分析結果は以下の通り。 数平均分子量=5600、分子量分布=1.2。 水酸基導入量は以下の通り;Fn(CH2OH)=1.
90。 製造例2 実施例1で得られた水酸基末端ポリイソブチレン44.
4g(7.9ミリモル)に対してメチレンジフェニルジ
イソシアネート5.90g(22.5ミリモル)を添加
し、窒素下100℃で1時間攪拌混合を行なった。この
後に1,4−ブタンジオールを0.71g(7.9ミリ
モル)添加し180℃にて1時間攪拌混合を行ないウレ
タン組成物を得た。 実施例1 極細アクリル繊維からなる不織布絡合体シートを製造例
2で得られたウレタン樹脂のTHF溶液(15wt%)
に浸した後に水中に浸漬することで凝固し、温水でTH
Fを除去し、乾燥を行なった。次いで繊維層面をバフ装
置を用いて起毛し、皮革生地を得た。
【0031】
【発明の効果】本発明の人工皮革は、既存の人工皮革に
比較して高い撥水性、耐水性、耐熱性および耐候性を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩原 孝尚 神戸市兵庫区吉田町1−2−80 鐘淵化学 工業(株)機能性材料RDセンター 神戸 研究所内 Fターム(参考) 4F055 AA01 CA16 EA11 FA15 FA16 4J100 AA04Q AA05Q AA06P AA07Q AA09Q AA16Q AA17Q AA20Q AB02Q AB03Q AB04Q AB08Q AE03Q AE04Q AE06Q AL08Q AP16Q AP17Q AR10Q AR11Q BA71Q BA72Q BA75Q BA77Q BA81Q BB01Q CA01 CA04 FA12 HA55 HB39 HC08 HC34 HC43 JA57

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸基末端イソブチレン系重合体を原料と
    して生産される人工皮革。
  2. 【請求項2】水酸基末端イソブチレン系重合体を原料と
    するポリウレタン樹脂を用いて生産される請求項1記載
    の人工皮革。
  3. 【請求項3】(a)単繊維繊度0.001〜2デニール
    の合成繊維、および(b)水酸基末端イソブチレン系重
    合体を原料とするポリウレタン樹脂、を原料として生産
    される請求項1または2記載の人工皮革。
  4. 【請求項4】水酸基末端イソブチレン系重合体が、式
    (1): R6(A−W)a (1) (式中、R6は単環または複数の芳香環を含む1価から
    4価までの炭化水素基、Wは塩素または臭素、aは1か
    ら4の整数。Aは一種又は二種以上のカチオン重合性単
    量体の重合体で、単量体としてはイソブチレンを必須成
    分とする。aが2以上の時Aはそれぞれ同じでも異なっ
    ていてもよい。)で表される、カチオン重合によって得
    られるハロゲン末端炭化水素系重合体(イ)と、式
    (2): CH2=C(R7)−B−OG (2) (式中、R7は水素または炭素数1から18の飽和炭化
    水素基を、Bは炭素数1から30の2価の炭化水素基
    を、Gは水酸基の保護基を表す。)で表される、保護さ
    れた水酸基および炭素−炭素二重結合を有する化合物
    (ロ)との反応により得られる、保護された水酸基を末
    端に有する重合体主鎖が飽和な炭化水素系重合体(ハ)
    を、さらに脱保護して得られる、水酸基を末端に有する
    重合体主鎖が飽和な炭化水素系重合体(ニ)であること
    を特徴とする請求項1、2、3記載の人工皮革。
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