JP2001011079A - クマリン系化合物、有機電界発光素子用色素及びこれを用いた有機電界発光素子 - Google Patents
クマリン系化合物、有機電界発光素子用色素及びこれを用いた有機電界発光素子Info
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- JP2001011079A JP2001011079A JP2000125537A JP2000125537A JP2001011079A JP 2001011079 A JP2001011079 A JP 2001011079A JP 2000125537 A JP2000125537 A JP 2000125537A JP 2000125537 A JP2000125537 A JP 2000125537A JP 2001011079 A JP2001011079 A JP 2001011079A
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- MYUHPIMZENABEQ-UHFFFAOYSA-N CC(C)(CCN1c2c3C(C)(C)CC1)c2cc(CC1C2Nc(cc(cccc4)c4c4)c4N2)c3OC1=O Chemical compound CC(C)(CCN1c2c3C(C)(C)CC1)c2cc(CC1C2Nc(cc(cccc4)c4c4)c4N2)c3OC1=O MYUHPIMZENABEQ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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- Electroluminescent Light Sources (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 発光輝度が高く、堅牢で、溶解性が良好であ
り、有機電界発光素子に好適な赤色系蛍光色素を提供す
る。 【解決手段】 下記一般式(1)で示されるクマリン系
化合物及びこれを有機層に含有させて有機電界発光素子
を調製する 【化1】 (式中、R1 〜R4 は各々独立に、任意の置換基を表
し、隣接する二つの基で環を形成してもよい。R5 、R
6 、R7 及びR8 は各々独立にアルキル基を示す。Xは
酸素原子、イオウ原子、−NH−あるいは−NR9 −で
あり、Yは酸素原子、NHあるいはNR10であり、R9
及びR10はアルキル基またはシクロアルキル基を表
す。)。
り、有機電界発光素子に好適な赤色系蛍光色素を提供す
る。 【解決手段】 下記一般式(1)で示されるクマリン系
化合物及びこれを有機層に含有させて有機電界発光素子
を調製する 【化1】 (式中、R1 〜R4 は各々独立に、任意の置換基を表
し、隣接する二つの基で環を形成してもよい。R5 、R
6 、R7 及びR8 は各々独立にアルキル基を示す。Xは
酸素原子、イオウ原子、−NH−あるいは−NR9 −で
あり、Yは酸素原子、NHあるいはNR10であり、R9
及びR10はアルキル基またはシクロアルキル基を表
す。)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なクマリン系化
合物に関する。本発明の化合物は機能性色素、特に赤色
系蛍光性色素として有用である。
合物に関する。本発明の化合物は機能性色素、特に赤色
系蛍光性色素として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、蛍光性色素について種々の構造お
よび発光色の色素が知られているが、赤色に高輝度で発
光し、更に堅牢性、溶解性などの優れた化合物は少な
い。例えば、Dyes and Pigment 1(1980),3-15 には、下
記の構造を有する2つのクマリン系化合物が報告されて
いる。
よび発光色の色素が知られているが、赤色に高輝度で発
光し、更に堅牢性、溶解性などの優れた化合物は少な
い。例えば、Dyes and Pigment 1(1980),3-15 には、下
記の構造を有する2つのクマリン系化合物が報告されて
いる。
【0003】
【化5】
【0004】上記構造の化合物のポリエステル中での蛍
光スペクトルのλmax は、化合物(5a)は520n
m、シアノ基を導入した化合物(5b)は635nmで
ある。しかして、より長波長の蛍光を有する化合物(5
b)は、溶媒への溶解性がよくないという欠点を有す
る。
光スペクトルのλmax は、化合物(5a)は520n
m、シアノ基を導入した化合物(5b)は635nmで
ある。しかして、より長波長の蛍光を有する化合物(5
b)は、溶媒への溶解性がよくないという欠点を有す
る。
【0005】一方、蛍光を有するクマリン系化合物が種
々知られている。例えば特開平6−9952、特開平7
−166160には、下記構造式のクマリン系化合物が
記載されている。
々知られている。例えば特開平6−9952、特開平7
−166160には、下記構造式のクマリン系化合物が
記載されている。
【0006】
【化6】
【0007】上記構造式(6)の化合物は強い蛍光を有
しているが、蛍光は緑色である。
しているが、蛍光は緑色である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】蛍光性色素化合物につ
いては物質の着色という色素本来の用途に加え、最近
は、電子分野等において種々の機能的用途が開発され、
その多様性、機能性などのより一層の拡大を求めて、常
に新しい化合物の開発が求められている。本発明はかか
る事情に鑑みなされたものであって、発光輝度が高く、
堅牢で、且つ、溶解性の良好な赤色系蛍光性色素であ
り、また、良好な昇華性、高い耐熱性が求められる有機
EL用色素としても有用な新規化合物を提供することを
目的とするものである。
いては物質の着色という色素本来の用途に加え、最近
は、電子分野等において種々の機能的用途が開発され、
その多様性、機能性などのより一層の拡大を求めて、常
に新しい化合物の開発が求められている。本発明はかか
る事情に鑑みなされたものであって、発光輝度が高く、
堅牢で、且つ、溶解性の良好な赤色系蛍光性色素であ
り、また、良好な昇華性、高い耐熱性が求められる有機
EL用色素としても有用な新規化合物を提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は種々検討の
結果、下記一般式(1)で示されるシアノ基を有するク
マリン系化合物が赤色に高輝度で発光し、更に堅牢性、
溶解性、昇華性などの優れた化合物であることを知り、
本発明を達成した。即ち本発明の要旨は、下記一般式
(1)で示されるクマリン系化合物及びその製造方法に
存する。また、本発明は、下記一般式(1)で示される
クマリン系化合物からなる色素、有機電界発光素子用色
素、さらにはこれを有機層に含有した有機電界発光素子
にも関する。
結果、下記一般式(1)で示されるシアノ基を有するク
マリン系化合物が赤色に高輝度で発光し、更に堅牢性、
溶解性、昇華性などの優れた化合物であることを知り、
本発明を達成した。即ち本発明の要旨は、下記一般式
(1)で示されるクマリン系化合物及びその製造方法に
存する。また、本発明は、下記一般式(1)で示される
クマリン系化合物からなる色素、有機電界発光素子用色
素、さらにはこれを有機層に含有した有機電界発光素子
にも関する。
【0010】
【化7】
【0011】(式中、R1 〜R4 は各々独立に、任意の
置換基を表し、隣接する二つの基で環を形成してもよ
い。R5 、R6 、R7 及びR8 は各々独立にアルキル基
を示す。Xは酸素原子、イオウ原子、−NH−あるいは
−NR9 −であり、Yは酸素原子、NHあるいはNR10
であり、R9 及びR10はアルキル基またはシクロアルキ
ル基を表す。)
置換基を表し、隣接する二つの基で環を形成してもよ
い。R5 、R6 、R7 及びR8 は各々独立にアルキル基
を示す。Xは酸素原子、イオウ原子、−NH−あるいは
−NR9 −であり、Yは酸素原子、NHあるいはNR10
であり、R9 及びR10はアルキル基またはシクロアルキ
ル基を表す。)
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
前記一般式(1)において、R1 〜R4 は任意の置換基
を表し、隣接する二つの基で環を形成してもよい。任意
の置換基としては、例えば水素原子、ハロゲン原子、シ
アノ基、ニトロ基、置換してもよいアミノ基、水酸基、
置換しても良いアルコキシ基、置換しても良いアリール
オキシ基、置換してもよいチオール基、置換してもよい
シリル基、置換してもよいシロキシ基、置換してもよい
アルキル基、置換しても良いアリール基または置換して
よいカルボニル基等が挙げられる。
前記一般式(1)において、R1 〜R4 は任意の置換基
を表し、隣接する二つの基で環を形成してもよい。任意
の置換基としては、例えば水素原子、ハロゲン原子、シ
アノ基、ニトロ基、置換してもよいアミノ基、水酸基、
置換しても良いアルコキシ基、置換しても良いアリール
オキシ基、置換してもよいチオール基、置換してもよい
シリル基、置換してもよいシロキシ基、置換してもよい
アルキル基、置換しても良いアリール基または置換して
よいカルボニル基等が挙げられる。
【0013】具体的には、ハロゲン原子としては、フッ
素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。置換し
ても良いアミノ基としては、アミノ基の他に、ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基
等のジ低級アルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ
ナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基等が挙げられ
る。置換してもよいアルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブチルオキシ
基等の直鎖もしくは分岐鎖を有するアルコキシ基の他
に、クロロメトキシ基等のハロゲン化アルコキシ基、メ
トキシメトキシ基等のアルコキシ置換アルコキシ基、ベ
ンジロキシ基等のアリール置換アルコキシ基、ヒドロキ
シメトキシ基等の水酸基置換アルコキシ基等が挙げられ
る。置換してもよいアリールオキシ基としては、フェノ
キシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基の他
に、クロロフェニルオキシ基等のハロゲン化アリールオ
キシ基、メトキシフェニルオキシ基等のアルコキシ置換
アリールオキシ基、メチルフェニルオキシ基等のアルキ
ル置換アリールオキシ基等が挙げられる。置換してもよ
いチオール基としては、チオール基の他に、メチルチオ
基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基、t−ブチルチ
オ基等のアルキルチオ基、フェニルチオ基、ナフチルチ
オ基等のアリールチオ基等が挙げられる。置換してもよ
いシリル基としては、トリメチルシリル基、トリメトキ
シシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチル
ジフェニルシリル基等の低級アルキル基、アルコキシ基
又はアリール基で置換されたシリル基が挙げられる。置
換しても良いシロキシ基としては、トリメチルシリルオ
キシ基、トリメトキシシリルオキシ基、t−ブチルジメ
チルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキ
シ等の低級アルキル基又はアリール基で置換されたシロ
キシ基が挙げられる。置換してもよいアルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基
等の炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基の他に、
トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基、アミ
ノアルキル基、ベンジル基等のアリール置換アルキル
基、メトキシメチル基等のアルコキシアルキル基等が挙
げられる。置換しても良いカルボニル基としては、カル
ボン酸基のように水酸基置換のカルボニル基、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシ置
換カルボニル基、ベンゾイル基等のアリール置換カルボ
ニル基等が挙げられる。
素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。置換し
ても良いアミノ基としては、アミノ基の他に、ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基
等のジ低級アルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ
ナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基等が挙げられ
る。置換してもよいアルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブチルオキシ
基等の直鎖もしくは分岐鎖を有するアルコキシ基の他
に、クロロメトキシ基等のハロゲン化アルコキシ基、メ
トキシメトキシ基等のアルコキシ置換アルコキシ基、ベ
ンジロキシ基等のアリール置換アルコキシ基、ヒドロキ
シメトキシ基等の水酸基置換アルコキシ基等が挙げられ
る。置換してもよいアリールオキシ基としては、フェノ
キシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基の他
に、クロロフェニルオキシ基等のハロゲン化アリールオ
キシ基、メトキシフェニルオキシ基等のアルコキシ置換
アリールオキシ基、メチルフェニルオキシ基等のアルキ
ル置換アリールオキシ基等が挙げられる。置換してもよ
いチオール基としては、チオール基の他に、メチルチオ
基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基、t−ブチルチ
オ基等のアルキルチオ基、フェニルチオ基、ナフチルチ
オ基等のアリールチオ基等が挙げられる。置換してもよ
いシリル基としては、トリメチルシリル基、トリメトキ
シシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチル
ジフェニルシリル基等の低級アルキル基、アルコキシ基
又はアリール基で置換されたシリル基が挙げられる。置
換しても良いシロキシ基としては、トリメチルシリルオ
キシ基、トリメトキシシリルオキシ基、t−ブチルジメ
チルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキ
シ等の低級アルキル基又はアリール基で置換されたシロ
キシ基が挙げられる。置換してもよいアルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基
等の炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基の他に、
トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基、アミ
ノアルキル基、ベンジル基等のアリール置換アルキル
基、メトキシメチル基等のアルコキシアルキル基等が挙
げられる。置換しても良いカルボニル基としては、カル
ボン酸基のように水酸基置換のカルボニル基、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシ置
換カルボニル基、ベンゾイル基等のアリール置換カルボ
ニル基等が挙げられる。
【0014】中でも、R1 〜R4 が水素原子、置換され
ていてもよいアルキル基または置換されていてもよいア
ルコキシ基であるのが好ましく、特にはR1 〜R4 が水
素原子または置換されていてもよいアルキル基であるの
が好ましく、最も好ましくは水素原子またはアルキル基
である場合である。またR1 〜R4 のうち少なくとも3
個が水素原子である場合が好ましく、最も好ましくはR
1 〜R4 が全て水素原子である場合である。又、R1 〜
R4 のうちいずれか隣接する二つの基で環を形成する場
合の例としては、ベンゼン環に縮合して置換基を有して
もよいナフタリン環、ベンゾジオキソラン環、ジュロリ
ジン環を形成する場合等が挙げられる。
ていてもよいアルキル基または置換されていてもよいア
ルコキシ基であるのが好ましく、特にはR1 〜R4 が水
素原子または置換されていてもよいアルキル基であるの
が好ましく、最も好ましくは水素原子またはアルキル基
である場合である。またR1 〜R4 のうち少なくとも3
個が水素原子である場合が好ましく、最も好ましくはR
1 〜R4 が全て水素原子である場合である。又、R1 〜
R4 のうちいずれか隣接する二つの基で環を形成する場
合の例としては、ベンゼン環に縮合して置換基を有して
もよいナフタリン環、ベンゾジオキソラン環、ジュロリ
ジン環を形成する場合等が挙げられる。
【0015】R5 、R6 、R7 及びR8 は、各々独立し
て、アルキル基を表し、具体的には例えば、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチ
ル基等の直鎖もしくは分岐の炭素数1〜4のアルキル基
が挙げられる。R5 、R6 、R7 、R8 として好ましく
はメチル基である。Xは、酸素原子、イオウ原子、−N
H−あるいは−NR9 −であり、R9 はアルキル基また
はシクロアルキル基を示し、具体的には、例えば、メチ
ル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−
アミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素
数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基が挙
げられる。Xとして好ましくは、酸素原子、イオウ原
子、−NH−基である。
て、アルキル基を表し、具体的には例えば、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチ
ル基等の直鎖もしくは分岐の炭素数1〜4のアルキル基
が挙げられる。R5 、R6 、R7 、R8 として好ましく
はメチル基である。Xは、酸素原子、イオウ原子、−N
H−あるいは−NR9 −であり、R9 はアルキル基また
はシクロアルキル基を示し、具体的には、例えば、メチ
ル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−
アミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素
数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基が挙
げられる。Xとして好ましくは、酸素原子、イオウ原
子、−NH−基である。
【0016】Yは=O、=NHあるいは=NR10であ
り、R10はアルキル基またはシクロアルキル基を、具体
的には例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、
t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基等の炭
素数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基が
挙げられる。Yとして好ましくは=Oである。一般式
(1)で示される化合物の具体例を表−1および表−2
に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
り、R10はアルキル基またはシクロアルキル基を、具体
的には例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、
t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基等の炭
素数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基が
挙げられる。Yとして好ましくは=Oである。一般式
(1)で示される化合物の具体例を表−1および表−2
に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】一般式(1)で示される本発明のクマリン
系化合物は、本発明方法に従って、下記一般式(3)
系化合物は、本発明方法に従って、下記一般式(3)
【0022】
【化8】
【0023】(式中、R1 〜R4 は各々独立に、任意の
置換基を表し、隣接する二つの基で環を形成してもよ
い。R5 、R6 、R7 及びR8 は各々独立にアルキル基
を示す。Xは酸素原子、イオウ原子、−NH−あるいは
−NR9 −であり、Yは酸素原子、NHあるいはNR10
であり、R9 及びR10はアルキル基またはシクロアルキ
ル基を表す。)で示されるクマリン系化合物を、不活性
溶媒中で、下記一般式(4)
置換基を表し、隣接する二つの基で環を形成してもよ
い。R5 、R6 、R7 及びR8 は各々独立にアルキル基
を示す。Xは酸素原子、イオウ原子、−NH−あるいは
−NR9 −であり、Yは酸素原子、NHあるいはNR10
であり、R9 及びR10はアルキル基またはシクロアルキ
ル基を表す。)で示されるクマリン系化合物を、不活性
溶媒中で、下記一般式(4)
【0024】
【化9】MCN (4)
【0025】(式中、Mは水素原子、ナトリウム原子、
カリウム原子あるいは銅原子を表す。)で示されるシア
ン化合物と反応させ、さらに酸化剤で処理することによ
り製造することができる。
カリウム原子あるいは銅原子を表す。)で示されるシア
ン化合物と反応させ、さらに酸化剤で処理することによ
り製造することができる。
【0026】使用される不活性溶媒としては、N,N−
ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルスルホキシド、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、
トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシ
レン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブまたは酢酸
エチルなどが挙げられるが、これらのうち、N,N−ジ
メチルホルムアミド(DMF)が好適である。溶媒の使
用量は、一般式(3)のクマリン系化合物に対して2〜
100重量倍、好ましくは5〜50重量倍程度である。
ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルスルホキシド、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、
トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシ
レン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブまたは酢酸
エチルなどが挙げられるが、これらのうち、N,N−ジ
メチルホルムアミド(DMF)が好適である。溶媒の使
用量は、一般式(3)のクマリン系化合物に対して2〜
100重量倍、好ましくは5〜50重量倍程度である。
【0027】一般式(4)のシアン化合物としては、具
体的にはシアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シア
ン化銅、シアン化水素が挙げられるが、これらのうち、
シアン化ナトリウム、シアン化カリウムが好適である。
これらシアン化合物の使用量は、一般式(3)の化合物
に対して1〜10倍モルの範囲、好ましくは1〜4倍モ
ル程度である。
体的にはシアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シア
ン化銅、シアン化水素が挙げられるが、これらのうち、
シアン化ナトリウム、シアン化カリウムが好適である。
これらシアン化合物の使用量は、一般式(3)の化合物
に対して1〜10倍モルの範囲、好ましくは1〜4倍モ
ル程度である。
【0028】反応温度は−78〜300℃の範囲から選
ばれ、0〜50℃の範囲が適当である。反応時間は5分
から10時間程度である。シアン化合物との反応後、処
理に用いられる酸化剤としては、塩素、臭素、ヨウ素等
のハロゲン単体、四酢酸鉛、アルカリ−ペルオキソ二硫
酸塩等の過酸化物が挙げられるが、これらのうち、臭素
が好適である。これら酸化剤の使用量は一般式(3)の
クマリン系化合物に対して0.9〜10倍モル、好まし
くは0.95〜1.2倍モル程度である。
ばれ、0〜50℃の範囲が適当である。反応時間は5分
から10時間程度である。シアン化合物との反応後、処
理に用いられる酸化剤としては、塩素、臭素、ヨウ素等
のハロゲン単体、四酢酸鉛、アルカリ−ペルオキソ二硫
酸塩等の過酸化物が挙げられるが、これらのうち、臭素
が好適である。これら酸化剤の使用量は一般式(3)の
クマリン系化合物に対して0.9〜10倍モル、好まし
くは0.95〜1.2倍モル程度である。
【0029】酸化剤処理の温度は−78〜300℃の範
囲から選ばれ、0〜50℃の範囲が適当である。処理時
間は5分から10時間程度である。反応終了後、反応液
を飽和重曹水で希釈後、結晶が析出する場合は濾別して
乾燥する。結晶が析出しない場合には、有機溶媒で抽出
し、溶媒除去後乾燥する。生成物は必要に応じて再結
晶、昇華精製またはカラムクロマトグラフィー等の一般
的手段により精製することができる。
囲から選ばれ、0〜50℃の範囲が適当である。処理時
間は5分から10時間程度である。反応終了後、反応液
を飽和重曹水で希釈後、結晶が析出する場合は濾別して
乾燥する。結晶が析出しない場合には、有機溶媒で抽出
し、溶媒除去後乾燥する。生成物は必要に応じて再結
晶、昇華精製またはカラムクロマトグラフィー等の一般
的手段により精製することができる。
【0030】再結晶溶媒としては、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、水、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、トルエン、酢酸エチル、クロロ
ホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどが
好適である。カラムクロマトグラフィー展開溶媒として
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、
酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、クロロ
ホルム、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノー
ル、水、アセトニトリル、酢酸などが好適である。カラ
ムクロマトグラフィー担体としてはシリカ、アルミナ、
フロリジール、セルロースなどが好適である。
ルムアミド、N−メチルピロリドン、水、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、トルエン、酢酸エチル、クロロ
ホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどが
好適である。カラムクロマトグラフィー展開溶媒として
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、
酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、クロロ
ホルム、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノー
ル、水、アセトニトリル、酢酸などが好適である。カラ
ムクロマトグラフィー担体としてはシリカ、アルミナ、
フロリジール、セルロースなどが好適である。
【0031】一般式(1)で示される本発明のクマリン
系化合物は、有機溶媒に溶解すると赤色で高輝度の蛍光
を有する。従って、水不溶性の色素として用いるのが好
ましく、各種樹脂、塗料、インクなどの着色、繊維の染
色、その他レーザ、有機EL素子、蛍光標識試薬、蛍光
コレクタ、蛍光センサ、シンチレータ、光ファイバ用増
幅器など、機能性赤色系蛍光性色素として工業的な種々
の用途が期待される。特に一般式(1)で示される化合
物の中、良好な昇華性と高い耐熱性を示す化合物は有機
EL素子の色素として期待される。
系化合物は、有機溶媒に溶解すると赤色で高輝度の蛍光
を有する。従って、水不溶性の色素として用いるのが好
ましく、各種樹脂、塗料、インクなどの着色、繊維の染
色、その他レーザ、有機EL素子、蛍光標識試薬、蛍光
コレクタ、蛍光センサ、シンチレータ、光ファイバ用増
幅器など、機能性赤色系蛍光性色素として工業的な種々
の用途が期待される。特に一般式(1)で示される化合
物の中、良好な昇華性と高い耐熱性を示す化合物は有機
EL素子の色素として期待される。
【0032】以下に、一般式(1)で示される化合物か
らなる色素を用いた有機電界発光素子について、図面を
参照しつつ説明する。本発明の有機電界発光素子は、対
向する陽極と陰極の間に有機層を有し、該有機層が一般
式(1)の化合物からなる色素を含むことを特徴とす
る。図1は本発明の有機電界発光素子の、基本的な実施
の形態を示す模式的な断面図であり、1は基板、2は陽
極、3は正孔輸送層、5は電子輸送層、6は陰極を各々
表わす。なお本発明における「有機層」とは、陽極と陰
極の間に位置する、実質的に有機物からなる層を意味
し、これらの層は本発明の性能を損なわない範囲で無機
物を含んでいてもよい。具体的には、例えば図1で表さ
れる構造の素子における正孔輸送層3や電子輸送層5な
どが「有機層」に相当する。
らなる色素を用いた有機電界発光素子について、図面を
参照しつつ説明する。本発明の有機電界発光素子は、対
向する陽極と陰極の間に有機層を有し、該有機層が一般
式(1)の化合物からなる色素を含むことを特徴とす
る。図1は本発明の有機電界発光素子の、基本的な実施
の形態を示す模式的な断面図であり、1は基板、2は陽
極、3は正孔輸送層、5は電子輸送層、6は陰極を各々
表わす。なお本発明における「有機層」とは、陽極と陰
極の間に位置する、実質的に有機物からなる層を意味
し、これらの層は本発明の性能を損なわない範囲で無機
物を含んでいてもよい。具体的には、例えば図1で表さ
れる構造の素子における正孔輸送層3や電子輸送層5な
どが「有機層」に相当する。
【0033】基板1は有機電界発光素子の支持体となる
ものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラ
スチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラ
ス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカー
ボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好
ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性
に留意する必要がある。基板のガスバリヤ性が低すぎる
と、基板を通過する外気により有機電界発光素子が劣化
することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂
基板のどちらか片側もしくは両側に緻密なシリコン酸化
膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方
法の一つである。
ものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラ
スチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラ
ス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカー
ボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好
ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性
に留意する必要がある。基板のガスバリヤ性が低すぎる
と、基板を通過する外気により有機電界発光素子が劣化
することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂
基板のどちらか片側もしくは両側に緻密なシリコン酸化
膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方
法の一つである。
【0034】基板1上には陽極2が設けられるが、陽極
2は正孔輸送層3への正孔注入の役割を果たすものであ
る。この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケ
ル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又は
スズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲ
ン化金属、カーボンブラック、或は、ポリ(3-メチルチ
オフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高
分子などにより構成される。
2は正孔輸送層3への正孔注入の役割を果たすものであ
る。この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケ
ル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又は
スズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲ
ン化金属、カーボンブラック、或は、ポリ(3-メチルチ
オフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高
分子などにより構成される。
【0035】陽極2の形成は通常、スパッタリング法、
真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀な
どの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラ
ック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末
などの場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、
基板1上に塗布することにより陽極2を形成することも
できる。さらに、導電性高分子の場合は電解重合により
直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高
分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.
Phys. Lett., 60巻, 2711頁, 1992年 )。陽極2は異な
る2種以上の物質を積層して形成することも可能であ
る。陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。
透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通
常、60%以上、好ましくは80%以上とすることが望まし
く、この場合、厚みは、通常、5〜1000nm、好ましくは1
0〜500nm程度である。不透明でよい場合は陽極2は基板
1の厚みと同程度でもよい。また、さらには上記の陽極
2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀な
どの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラ
ック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末
などの場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、
基板1上に塗布することにより陽極2を形成することも
できる。さらに、導電性高分子の場合は電解重合により
直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高
分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.
Phys. Lett., 60巻, 2711頁, 1992年 )。陽極2は異な
る2種以上の物質を積層して形成することも可能であ
る。陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。
透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通
常、60%以上、好ましくは80%以上とすることが望まし
く、この場合、厚みは、通常、5〜1000nm、好ましくは1
0〜500nm程度である。不透明でよい場合は陽極2は基板
1の厚みと同程度でもよい。また、さらには上記の陽極
2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
【0036】陽極2の上には正孔輸送層3が設けられ
る。正孔輸送層3に用いられる正孔輸送材料としては、
陽極からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔
を効率よく輸送することができることが必要である。そ
のためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の
光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、
さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や
使用時に発生しにくいことが要求される。上記の一般的
要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子には
さらに耐熱性が要求される。従って、Tgとして70℃以上
の値を有する材料が望ましい。
る。正孔輸送層3に用いられる正孔輸送材料としては、
陽極からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔
を効率よく輸送することができることが必要である。そ
のためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の
光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、
さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や
使用時に発生しにくいことが要求される。上記の一般的
要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子には
さらに耐熱性が要求される。従って、Tgとして70℃以上
の値を有する材料が望ましい。
【0037】このような正孔輸送材料としては、例え
ば、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロ
ヘキサン等の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香
族ジアミン化合物(特開昭59−194393号公報)、4,4'-
ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニ
ルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の
縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン(特開
平5−234681号公報)、トリフェニルベンゼンの誘導体
でスターバースト構造を有する芳香族トリアミン(米国
特許第4,923,774号)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-
メチルフェニル)ビフェニル-4,4'-ジアミン等の芳香族
ジアミン(米国特許第4,764,625号)、α,α,α',α'-
テトラメチル-α,α'-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェ
ニル)-p-キシレン(特開平3−269084号公報)、分子
全体として立体的に非対称なトリフェニルアミン誘導体
(特開平4−129271号公報)、ピレニル基に芳香族ジア
ミノ基が複数個置換した化合物(特開平4−175395号公
報)、エチレン基で3級芳香族アミンユニットを連結し
た芳香族ジアミン(特開平4−264189号公報)、スチリ
ル構造を有する芳香族ジアミン(特開平4−290851号公
報)、チオフェン基で芳香族3級アミンユニットを連結
したもの(特開平4−304466号公報)、スターバースト
型芳香族トリアミン(特開平4−308688号公報)、ベン
ジルフェニル化合物(特開平4−364153号公報)、フル
オレン基で3級アミンを連結したもの(特開平5−2547
3号公報)、トリアミン化合物(特開平5−239455号公
報)、ビスジピリジルアミノビフェニル(特開平5−32
0634号公報)、N,N,N-トリフェニルアミン誘導体(特開
平6−1972号公報)、フェノキサジン構造を有する芳香
族ジアミン(特開平7−138562号公報)、ジアミノフェ
ニルフェナントリジン誘導体(特開平7−252474号公
報)、ヒドラゾン化合物(特開平2−311591号公報)、
シラザン化合物(米国特許第4,950,950号公報)、シラ
ナミン誘導体(特開平6−49079号公報)、ホスファミ
ン誘導体(特開平6−25659号公報)、キナクリドン化
合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いて
もよいし、必要に応じて、各々、混合して用いてもよ
い。
ば、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロ
ヘキサン等の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香
族ジアミン化合物(特開昭59−194393号公報)、4,4'-
ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニ
ルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の
縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン(特開
平5−234681号公報)、トリフェニルベンゼンの誘導体
でスターバースト構造を有する芳香族トリアミン(米国
特許第4,923,774号)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-
メチルフェニル)ビフェニル-4,4'-ジアミン等の芳香族
ジアミン(米国特許第4,764,625号)、α,α,α',α'-
テトラメチル-α,α'-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェ
ニル)-p-キシレン(特開平3−269084号公報)、分子
全体として立体的に非対称なトリフェニルアミン誘導体
(特開平4−129271号公報)、ピレニル基に芳香族ジア
ミノ基が複数個置換した化合物(特開平4−175395号公
報)、エチレン基で3級芳香族アミンユニットを連結し
た芳香族ジアミン(特開平4−264189号公報)、スチリ
ル構造を有する芳香族ジアミン(特開平4−290851号公
報)、チオフェン基で芳香族3級アミンユニットを連結
したもの(特開平4−304466号公報)、スターバースト
型芳香族トリアミン(特開平4−308688号公報)、ベン
ジルフェニル化合物(特開平4−364153号公報)、フル
オレン基で3級アミンを連結したもの(特開平5−2547
3号公報)、トリアミン化合物(特開平5−239455号公
報)、ビスジピリジルアミノビフェニル(特開平5−32
0634号公報)、N,N,N-トリフェニルアミン誘導体(特開
平6−1972号公報)、フェノキサジン構造を有する芳香
族ジアミン(特開平7−138562号公報)、ジアミノフェ
ニルフェナントリジン誘導体(特開平7−252474号公
報)、ヒドラゾン化合物(特開平2−311591号公報)、
シラザン化合物(米国特許第4,950,950号公報)、シラ
ナミン誘導体(特開平6−49079号公報)、ホスファミ
ン誘導体(特開平6−25659号公報)、キナクリドン化
合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いて
もよいし、必要に応じて、各々、混合して用いてもよ
い。
【0038】上記の化合物以外に、正孔輸送層3の材料
として、ポリビニルカルバゾールやポリシラン(Appl.
Phys. Lett.,59巻,2760頁,1991年)、ポリフォスフ
ァゼン(特開平5−310949号公報)、ポリアミド(特開
平5−310949号公報)、ポリビニルトリフェニルアミン
(特開平7−53953号公報)、トリフェニルアミン骨格
を有する高分子(特開平4−133065号公報)、トリフェ
ニルアミン単位をメチレン基等で連結した高分子(Synt
hetic Metals,55-57巻,4163頁,1993年)、芳香族ア
ミンを含有するポリメタクリレート(J. Polym. Sci.,
Polym. Chem.Ed.,21巻,969頁,1983年)等の高分子材
料が挙げられる。
として、ポリビニルカルバゾールやポリシラン(Appl.
Phys. Lett.,59巻,2760頁,1991年)、ポリフォスフ
ァゼン(特開平5−310949号公報)、ポリアミド(特開
平5−310949号公報)、ポリビニルトリフェニルアミン
(特開平7−53953号公報)、トリフェニルアミン骨格
を有する高分子(特開平4−133065号公報)、トリフェ
ニルアミン単位をメチレン基等で連結した高分子(Synt
hetic Metals,55-57巻,4163頁,1993年)、芳香族ア
ミンを含有するポリメタクリレート(J. Polym. Sci.,
Polym. Chem.Ed.,21巻,969頁,1983年)等の高分子材
料が挙げられる。
【0039】上記の正孔輸送材料を塗布法或は真空蒸着
法により前記陽極2上に積層することにより正孔輸送層
3を形成する。塗布法の場合は、正孔輸送材料を1種又
は2種以上と、必要により正孔のトラップにならないバ
インダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤とを添加し、
溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法
により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層3を形成
する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダ
ー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、
少ない方が望ましく、通常、50重量%以下が好まし
い。
法により前記陽極2上に積層することにより正孔輸送層
3を形成する。塗布法の場合は、正孔輸送材料を1種又
は2種以上と、必要により正孔のトラップにならないバ
インダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤とを添加し、
溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法
により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層3を形成
する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダ
ー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、
少ない方が望ましく、通常、50重量%以下が好まし
い。
【0040】真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真
空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当
な真空ポンプで10-4Pa程度にまで排気した後、ルツボを
加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き合っ
て置かれた基板1上の陽極2上に正孔輸送層3を形成さ
せる。正孔輸送層3の膜厚は、通常、10〜300nm、好ま
しくは30〜100nmである。この様に薄い膜を一様に形成
するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当
な真空ポンプで10-4Pa程度にまで排気した後、ルツボを
加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き合っ
て置かれた基板1上の陽極2上に正孔輸送層3を形成さ
せる。正孔輸送層3の膜厚は、通常、10〜300nm、好ま
しくは30〜100nmである。この様に薄い膜を一様に形成
するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
【0041】正孔輸送層3の上には電子輸送層5が設け
られる。電子輸送層5に用いられる電子輸送材料として
は、陰極6からの電子注入効率が高く、かつ、注入され
た電子を効率よく正孔輸送層3の方向へ輸送することが
できることが必要である。そのためには、電子親和力が
大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優
れトラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにく
い材料であることが要求される。
られる。電子輸送層5に用いられる電子輸送材料として
は、陰極6からの電子注入効率が高く、かつ、注入され
た電子を効率よく正孔輸送層3の方向へ輸送することが
できることが必要である。そのためには、電子親和力が
大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優
れトラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにく
い材料であることが要求される。
【0042】このような条件を満たす材料としては、テ
トラフェニルブタジエンなどの芳香族化合物(特開昭57
− 51781号公報)、8−ヒドロキシキノリンのアルミニ
ウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、
10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体(特開平6
−322362号公報)、混合配位子アルミニウムキレート錯
体(特開平5−198377号公報、特開平5−198378号公
報、特開平5−214332号公報、特開平6−172751号公報
シクロペンタジエン誘導体(特開平2−289675号公
報)、ペリノン誘導体(特開平2−289676号公報)、オ
キサジアゾール誘導体(特開平2−216791号公報)、ビ
ススチリルベンゼン誘導体(特開平1−245087号公報、
同2−222484号公報)、ペリレン誘導体(特開平2−18
9890号公報、同3− 791号公報)、クマリン化合物(特
開平2−191694号公報、同3− 792号公報)、希土類錯
体(特開平1−256584号公報)、ジスチリルピラジン誘
導体(特開平2−252793号公報)、p−フェニレン化合
物(特開平3− 33183号公報)、チアジアゾロピリジン
誘導体(特開平3− 37292号公報)、ピロロピリジン誘
導体(特開平3− 37293号公報)、ナフチリジン誘導体
(特開平3−203982号公報)、シロール誘導体(日本化
学会第70春季年会,2D1 02及び2D1 03,1996年)などが
挙げられる。
トラフェニルブタジエンなどの芳香族化合物(特開昭57
− 51781号公報)、8−ヒドロキシキノリンのアルミニ
ウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、
10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体(特開平6
−322362号公報)、混合配位子アルミニウムキレート錯
体(特開平5−198377号公報、特開平5−198378号公
報、特開平5−214332号公報、特開平6−172751号公報
シクロペンタジエン誘導体(特開平2−289675号公
報)、ペリノン誘導体(特開平2−289676号公報)、オ
キサジアゾール誘導体(特開平2−216791号公報)、ビ
ススチリルベンゼン誘導体(特開平1−245087号公報、
同2−222484号公報)、ペリレン誘導体(特開平2−18
9890号公報、同3− 791号公報)、クマリン化合物(特
開平2−191694号公報、同3− 792号公報)、希土類錯
体(特開平1−256584号公報)、ジスチリルピラジン誘
導体(特開平2−252793号公報)、p−フェニレン化合
物(特開平3− 33183号公報)、チアジアゾロピリジン
誘導体(特開平3− 37292号公報)、ピロロピリジン誘
導体(特開平3− 37293号公報)、ナフチリジン誘導体
(特開平3−203982号公報)、シロール誘導体(日本化
学会第70春季年会,2D1 02及び2D1 03,1996年)などが
挙げられる。
【0043】電子輸送層5の膜厚は、通常、10〜200 n
m、好ましくは30〜100 nmである。電子輸送層も正孔輸
送層と同様の方法で形成することができるが、通常は真
空蒸着法が用いられる。前記一般式(I)で表される化
合物は、正孔輸送層3および/または電子輸送層5にド
ープされ発光する。例えば、電子輸送層5にドープされ
た場合、前述の電子輸送材料がホスト材料の役割を果た
し、正孔輸送層3にドープされた場合には、前述の芳香
族アミン化合物やヒドラゾン化合物などの正孔輸送材料
がホスト材料として働く。以下、本発明のクマリン系化
合物がドープされた層を「発光層」と称す。
m、好ましくは30〜100 nmである。電子輸送層も正孔輸
送層と同様の方法で形成することができるが、通常は真
空蒸着法が用いられる。前記一般式(I)で表される化
合物は、正孔輸送層3および/または電子輸送層5にド
ープされ発光する。例えば、電子輸送層5にドープされ
た場合、前述の電子輸送材料がホスト材料の役割を果た
し、正孔輸送層3にドープされた場合には、前述の芳香
族アミン化合物やヒドラゾン化合物などの正孔輸送材料
がホスト材料として働く。以下、本発明のクマリン系化
合物がドープされた層を「発光層」と称す。
【0044】なお、例えば上述した「正孔輸送層」に本
発明のクマリン系化合物をドープして「発光層」とする
場合、該「発光層」とは別に、更に「正孔輸送層」を設
けても良く、また上述した「電子輸送層」に本発明のク
マリン系化合物をドープして「発光層」とする場合に、
図2に示すように、該「発光層」とは別に更に「電子輸
送層」を設けてもよい。
発明のクマリン系化合物をドープして「発光層」とする
場合、該「発光層」とは別に、更に「正孔輸送層」を設
けても良く、また上述した「電子輸送層」に本発明のク
マリン系化合物をドープして「発光層」とする場合に、
図2に示すように、該「発光層」とは別に更に「電子輸
送層」を設けてもよい。
【0045】前記一般式(I)で表されるクマリン系化
合物がドープされる領域は、発光層全体であってもその
一部分であってもよく、また発光層の膜厚方向において
均一にドープされても、膜厚方向において濃度分布があ
っても構わない。なお、前記一般式(I)で表される化
合物のドープされる量は、ホスト材料に対して10-3〜10
重量%が好ましい。
合物がドープされる領域は、発光層全体であってもその
一部分であってもよく、また発光層の膜厚方向において
均一にドープされても、膜厚方向において濃度分布があ
っても構わない。なお、前記一般式(I)で表される化
合物のドープされる量は、ホスト材料に対して10-3〜10
重量%が好ましい。
【0046】前記一般式(I)で表されるクマリン系化
合物は、溶液状態で強い蛍光を示し、ホスト材料にドー
プされた場合素子の発光効率が向上する。特に、このク
マリン系化合物はホスト材料にドープされた場合、600n
mより長波長の可視光を効率よく得ることができるため
好ましい。前記一般式(I)で表されるクマリン系化合
物のドープは、ホストとなる層の形成方法に準じ、塗布
法或は真空蒸着法による該層形成時に行われる。
合物は、溶液状態で強い蛍光を示し、ホスト材料にドー
プされた場合素子の発光効率が向上する。特に、このク
マリン系化合物はホスト材料にドープされた場合、600n
mより長波長の可視光を効率よく得ることができるため
好ましい。前記一般式(I)で表されるクマリン系化合
物のドープは、ホストとなる層の形成方法に準じ、塗布
法或は真空蒸着法による該層形成時に行われる。
【0047】塗布法の場合は、例えば電子輸送材料と、
前記一般式(I)で表されるクマリン系化合物、さらに
必要により、電子のトラップや発光の消光剤とならない
バインダー樹脂や、レベリング剤等の塗布性改良剤など
の添加剤を添加し溶解した塗布溶液を調整し、スピンコ
ート法などの方法により正孔輸送層3上に塗布し、乾燥
して発光層を形成する。バインダー樹脂としては、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げ
られる。バインダー樹脂は添加量が多いと電子移動度を
低下させるので、少ない方が望ましく、50重量%以下が
好ましい。
前記一般式(I)で表されるクマリン系化合物、さらに
必要により、電子のトラップや発光の消光剤とならない
バインダー樹脂や、レベリング剤等の塗布性改良剤など
の添加剤を添加し溶解した塗布溶液を調整し、スピンコ
ート法などの方法により正孔輸送層3上に塗布し、乾燥
して発光層を形成する。バインダー樹脂としては、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げ
られる。バインダー樹脂は添加量が多いと電子移動度を
低下させるので、少ない方が望ましく、50重量%以下が
好ましい。
【0048】真空蒸着法の場合には、例えば、電子輸送
材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、前記一般
式(I)で表されるクマリン系化合物を別のルツボに入
れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-6Torr程度にま
で排気した後、各々のルツボを同時に加熱して蒸発さ
せ、ルツボと向き合って置かれた基板上に層を形成す
る。また、他の方法として、上記の材料を予め所定比で
混合したものを同一のルツボを用いて蒸発させてもよ
い。
材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、前記一般
式(I)で表されるクマリン系化合物を別のルツボに入
れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-6Torr程度にま
で排気した後、各々のルツボを同時に加熱して蒸発さ
せ、ルツボと向き合って置かれた基板上に層を形成す
る。また、他の方法として、上記の材料を予め所定比で
混合したものを同一のルツボを用いて蒸発させてもよ
い。
【0049】正孔輸送材料にドープする場合も、同様に
行う。陰極6は、電子輸送層5(ここに本発明のクマリ
ン系化合物がドープされている場合には、「発光層」)
に電子を注入する役割を果たす。陰極6として用いられ
る材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが
可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関
数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジ
ウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又
はそれらの合金が用いられる。陰極6の膜厚は通常、陽
極2と同様である。
行う。陰極6は、電子輸送層5(ここに本発明のクマリ
ン系化合物がドープされている場合には、「発光層」)
に電子を注入する役割を果たす。陰極6として用いられ
る材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが
可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関
数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジ
ウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又
はそれらの合金が用いられる。陰極6の膜厚は通常、陽
極2と同様である。
【0050】なお、低仕事関数金属から成る陰極を保護
する目的で、この上にさらに、アルミニウム、銀、ニッ
ケル、クロム、金、白金等の、仕事関数が高く大気に対
して安定な金属層を積層すると、素子の安定性を増すた
め好ましい。また、陰極6と、隣接する有機層(例えば
電子輸送層5や、後述する電子注入層6)とのコンタク
トを向上させるために、両者の間に界陰極面層を設けて
もよい。この陰極界面層に用いられる化合物としては、
芳香族ジアミン化合物(特開平6−267658号公報)、キ
ナクリドン化合物(特開平6−330031号公報)、ナフタ
セン誘導体(特開平6−330032号公報)、有機シリコン
化合物(特開平6−325871号公報)、有機リン化合物
(特開平5−325872号公報)、N−フェニルカルバゾー
ル骨格を有する化合物(特開平8− 60144号公報)、N
−ビニルカルバゾール重合体(特開平8− 60145号公
報)等で構成された層が例示できる。界面層の膜厚は、
通常、2〜100nm、好ましくは 5〜30nmである。界面層を
設ける代わりに、陰極に接する有機層の陰極界面近傍に
上記界面層の材料を50重量%以上含む領域を設けてもよ
い。
する目的で、この上にさらに、アルミニウム、銀、ニッ
ケル、クロム、金、白金等の、仕事関数が高く大気に対
して安定な金属層を積層すると、素子の安定性を増すた
め好ましい。また、陰極6と、隣接する有機層(例えば
電子輸送層5や、後述する電子注入層6)とのコンタク
トを向上させるために、両者の間に界陰極面層を設けて
もよい。この陰極界面層に用いられる化合物としては、
芳香族ジアミン化合物(特開平6−267658号公報)、キ
ナクリドン化合物(特開平6−330031号公報)、ナフタ
セン誘導体(特開平6−330032号公報)、有機シリコン
化合物(特開平6−325871号公報)、有機リン化合物
(特開平5−325872号公報)、N−フェニルカルバゾー
ル骨格を有する化合物(特開平8− 60144号公報)、N
−ビニルカルバゾール重合体(特開平8− 60145号公
報)等で構成された層が例示できる。界面層の膜厚は、
通常、2〜100nm、好ましくは 5〜30nmである。界面層を
設ける代わりに、陰極に接する有機層の陰極界面近傍に
上記界面層の材料を50重量%以上含む領域を設けてもよ
い。
【0051】図1の構成の素子では、正孔輸送層3は陽
極2から正孔を受けとる(正孔注入)機能と、受けとっ
た正孔を電子輸送層5へ運ぶ(正孔輸送)機能を果たし
ており、電子輸送層5は、陰極6から受け取った電子を
正孔輸送層3へ運ぶ(電子輸送)機能をも果たしてい
る。しかし本発明の素子の、更なる発光特性や駆動安定
性の向上のために、例えば電子輸送層5と陰極6の間に
電子注入層を設けたり、陽極2と正孔輸送層3の間に陽
極バッファ層を設けるなど、機能毎に層を分ける構造、
すなわち機能分離型の素子にすることも可能である。
極2から正孔を受けとる(正孔注入)機能と、受けとっ
た正孔を電子輸送層5へ運ぶ(正孔輸送)機能を果たし
ており、電子輸送層5は、陰極6から受け取った電子を
正孔輸送層3へ運ぶ(電子輸送)機能をも果たしてい
る。しかし本発明の素子の、更なる発光特性や駆動安定
性の向上のために、例えば電子輸送層5と陰極6の間に
電子注入層を設けたり、陽極2と正孔輸送層3の間に陽
極バッファ層を設けるなど、機能毎に層を分ける構造、
すなわち機能分離型の素子にすることも可能である。
【0052】電子輸送層5と陰極6の間に電子注入層を
設けることにより、素子の発光効率をさらに向上させる
ことが可能である。この電子注入層に用いられる材料に
は、陰極からの電子注入が容易で、電子の輸送能力がさ
らに大きいことが要求される。この様な電子輸送材料と
しては、既に電子輸送層材料として挙げた8−ヒドロキ
シキノリンのアルミ錯体、オキサジアゾール誘導体(Ap
pl. Phys. Lett., 55巻, 1489頁, 1989年他) やそれら
をポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の樹脂に分散
した系(Appl. Phys. Lett.,61巻,2793頁, 1992
年)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公
報)、2-t-ブチル-9,10-N,N'-ジシアノアントラキノン
ジイミン(Phys. Stat. Sol. (a),142巻, 489頁, 1994
年)、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、
n型セレン化亜鉛等が挙げられる。電子注入層の膜厚
は、通常、5〜200nm、好ましくは10〜100 nmである。
設けることにより、素子の発光効率をさらに向上させる
ことが可能である。この電子注入層に用いられる材料に
は、陰極からの電子注入が容易で、電子の輸送能力がさ
らに大きいことが要求される。この様な電子輸送材料と
しては、既に電子輸送層材料として挙げた8−ヒドロキ
シキノリンのアルミ錯体、オキサジアゾール誘導体(Ap
pl. Phys. Lett., 55巻, 1489頁, 1989年他) やそれら
をポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の樹脂に分散
した系(Appl. Phys. Lett.,61巻,2793頁, 1992
年)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公
報)、2-t-ブチル-9,10-N,N'-ジシアノアントラキノン
ジイミン(Phys. Stat. Sol. (a),142巻, 489頁, 1994
年)、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、
n型セレン化亜鉛等が挙げられる。電子注入層の膜厚
は、通常、5〜200nm、好ましくは10〜100 nmである。
【0053】さらに、陽極2と正孔輸送層3のコンタク
トを向上させるために、陽極バッファ層を設けることが
考えられる。陽極バッファ層に用いられる材料に要求さ
れる条件としては、陽極とのコンタクトがよく均一な薄
膜が形成でき、熱的に安定、すなわち、融点及びガラス
転移温度が高く、融点としては 300℃以上、ガラス転移
温度としては 100℃以上が要求される。さらに、イオン
化ポテンシャルが低く陽極からの正孔注入が容易なこ
と、正孔移動度が大きいことが挙げられる。この目的の
ために、これまでにポルフィリン誘導体やフタロシアニ
ン化合物(特開昭63−295695号公報)、スターバスト型
芳香族トリアミン(特開平4−308688号公報)、ヒドラ
ゾン化合物(特開平4−320483号公報)、アルコキシ置
換の芳香族ジアミン誘導体(特開平4−220995号公
報)、p-(9-アントリル)-N,N-ジ-p-トリルアニリン
(特開平3−111485号公報)、ポリチエニレンビニレン
やポリ−p−フェニレンビニレン(特開平4−145192号
公報)、ポリアニリン(Appl. Phys. Lett., 64巻,1245
頁, 1994年参照)等の有機化合物や、スパッタ・カーボ
ン膜(特開平8− 31573号公報)や、バナジウム酸化
物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化
物(第43回応用物理学関係連合講演会,27a-SY-9,1996
年)が報告されている。
トを向上させるために、陽極バッファ層を設けることが
考えられる。陽極バッファ層に用いられる材料に要求さ
れる条件としては、陽極とのコンタクトがよく均一な薄
膜が形成でき、熱的に安定、すなわち、融点及びガラス
転移温度が高く、融点としては 300℃以上、ガラス転移
温度としては 100℃以上が要求される。さらに、イオン
化ポテンシャルが低く陽極からの正孔注入が容易なこ
と、正孔移動度が大きいことが挙げられる。この目的の
ために、これまでにポルフィリン誘導体やフタロシアニ
ン化合物(特開昭63−295695号公報)、スターバスト型
芳香族トリアミン(特開平4−308688号公報)、ヒドラ
ゾン化合物(特開平4−320483号公報)、アルコキシ置
換の芳香族ジアミン誘導体(特開平4−220995号公
報)、p-(9-アントリル)-N,N-ジ-p-トリルアニリン
(特開平3−111485号公報)、ポリチエニレンビニレン
やポリ−p−フェニレンビニレン(特開平4−145192号
公報)、ポリアニリン(Appl. Phys. Lett., 64巻,1245
頁, 1994年参照)等の有機化合物や、スパッタ・カーボ
ン膜(特開平8− 31573号公報)や、バナジウム酸化
物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化
物(第43回応用物理学関係連合講演会,27a-SY-9,1996
年)が報告されている。
【0054】上記陽極バッファ層材料としてよく使用さ
れる化合物としては、ポルフィリン化合物又はフタロシ
アニン化合物が挙げられる。これらの化合物は中心金属
を有していてもよいし、無金属のものでもよい。好まし
いこれらの化合物の具体例としては、以下の化合物が挙
げられる: ポルフィン 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンコバル
ト(II) 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン銅(I
I) 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン亜鉛
(II) 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンバナジ
ウム(IV)オキシド5,10,15,20-テトラ(4-ピリジル)-
21H,23H-ポルフィン 29H,31H-フタロシアニン 銅(II)フタロシアニン 亜鉛(II)フタロシアニン チタンフタロシアニンオキシド マグネシウムフタロシアニン 鉛フタロシアニン 銅(II)4,4',4'',4'''-テトラアザ-29H,31H-フタロシ
アニン
れる化合物としては、ポルフィリン化合物又はフタロシ
アニン化合物が挙げられる。これらの化合物は中心金属
を有していてもよいし、無金属のものでもよい。好まし
いこれらの化合物の具体例としては、以下の化合物が挙
げられる: ポルフィン 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンコバル
ト(II) 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン銅(I
I) 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン亜鉛
(II) 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンバナジ
ウム(IV)オキシド5,10,15,20-テトラ(4-ピリジル)-
21H,23H-ポルフィン 29H,31H-フタロシアニン 銅(II)フタロシアニン 亜鉛(II)フタロシアニン チタンフタロシアニンオキシド マグネシウムフタロシアニン 鉛フタロシアニン 銅(II)4,4',4'',4'''-テトラアザ-29H,31H-フタロシ
アニン
【0055】陽極バッファ層の場合も、正孔輸送層と同
様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、さ
らに、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD
法が用いられる。以上の様にして形成される陽極バッフ
ァ層の膜厚は、通常、3〜100nm、好ましくは10〜50nmで
ある。
様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、さ
らに、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD
法が用いられる。以上の様にして形成される陽極バッフ
ァ層の膜厚は、通常、3〜100nm、好ましくは10〜50nmで
ある。
【0056】図1および図2は、本発明で採用される素
子構造の一例を示すものであって、本発明は何ら図示の
ものに限定されるものではない。例えば、図1とは逆の
構造、すなわち、基板上に陰極6、電子輸送層5、正孔
輸送層3、陽極2の順に積層することも可能であり、既
述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板
の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能で
ある。同様に、図2に示した前記各層構成とは逆の構造
に積層することも可能である。本発明は、有機電界発光
素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からな
る素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置され
た構造のいずれにおいても適用することができる。
子構造の一例を示すものであって、本発明は何ら図示の
ものに限定されるものではない。例えば、図1とは逆の
構造、すなわち、基板上に陰極6、電子輸送層5、正孔
輸送層3、陽極2の順に積層することも可能であり、既
述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板
の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能で
ある。同様に、図2に示した前記各層構成とは逆の構造
に積層することも可能である。本発明は、有機電界発光
素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からな
る素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置され
た構造のいずれにおいても適用することができる。
【0057】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に制約されるものではない。なお、以下の実施例にお
ける化合物No.は表−1および表−2に記載のNo.
に対応する。 実施例1 化合物No.1の合成
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に制約されるものではない。なお、以下の実施例にお
ける化合物No.は表−1および表−2に記載のNo.
に対応する。 実施例1 化合物No.1の合成
【0058】
【化10】
【0059】上記式で示す構造の化合物0.5gを、D
MF10mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.12g
を加え、室温で30分撹拌した。さらに、臭素0.07
mlを室温で滴下し、0℃に冷却して30分撹拌した。
反応液を飽和重曹水中に注いで反応停止した。析出した
固体を濾過し、固体から酢酸エチルで抽出し、溶媒除去
して0.59gの粗生成物を得た。カラムクロマトグラ
フィー(富士シリシア社製塩基性シリカゲルゲル、展開
液;塩化メチレン)で精製し、紫色の固体0.27gを
得た。分析結果は次の通りであり、化合物No.1であ
ることが確認された。
MF10mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.12g
を加え、室温で30分撹拌した。さらに、臭素0.07
mlを室温で滴下し、0℃に冷却して30分撹拌した。
反応液を飽和重曹水中に注いで反応停止した。析出した
固体を濾過し、固体から酢酸エチルで抽出し、溶媒除去
して0.59gの粗生成物を得た。カラムクロマトグラ
フィー(富士シリシア社製塩基性シリカゲルゲル、展開
液;塩化メチレン)で精製し、紫色の固体0.27gを
得た。分析結果は次の通りであり、化合物No.1であ
ることが確認された。
【0060】1HNMR スペクトル:(300MHz CDCl3δ(pp
m) ):1.37(s,6H),1.59(s,6H),1.77-1.86(m,4H),3.34-
3.46(m,4H),7.26-7.32(m,2H),7.51-7.54(m,1H),7.72(s,
1H),7.89-7.92(m,1H),11.35(brs,1H) マススペクトル(m/z) :438(M+) 吸収スペクトル:λmax =560nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =611nm (塩化メチレン) 実施例2 化合物No.51の合成
m) ):1.37(s,6H),1.59(s,6H),1.77-1.86(m,4H),3.34-
3.46(m,4H),7.26-7.32(m,2H),7.51-7.54(m,1H),7.72(s,
1H),7.89-7.92(m,1H),11.35(brs,1H) マススペクトル(m/z) :438(M+) 吸収スペクトル:λmax =560nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =611nm (塩化メチレン) 実施例2 化合物No.51の合成
【0061】
【化11】
【0062】上記式で示す構造の化合物0.123gを
DMF10mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.12
gを加え、室温で30分撹拌した。さらに、臭素0.0
5gを室温で滴下し、0℃に冷却して30分撹拌した。
反応液を飽和重曹水中に注いで反応を停止した。酢酸エ
チルで抽出し、溶媒除去して0.156gの粗生成物を
得た。カラムクロマトグラフィー(Merck 社製シリカゲ
ルゲル、展開液 塩化メチレン)で精製し、紫色の固体
0.09gを得た。分析結果は次の通りであり、化合物
No.39であることが確認された。
DMF10mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.12
gを加え、室温で30分撹拌した。さらに、臭素0.0
5gを室温で滴下し、0℃に冷却して30分撹拌した。
反応液を飽和重曹水中に注いで反応を停止した。酢酸エ
チルで抽出し、溶媒除去して0.156gの粗生成物を
得た。カラムクロマトグラフィー(Merck 社製シリカゲ
ルゲル、展開液 塩化メチレン)で精製し、紫色の固体
0.09gを得た。分析結果は次の通りであり、化合物
No.39であることが確認された。
【0063】1HNMR スペクトル:(300MHz CDCl3δ(pp
m) ):1.38(s,6H),1.59(s,6H),1.77-1.87(m,4H),3.35-
3.47(m,4H),7.36-7.39(m,2H),7.73(s,1H),7.80-8.05(m,
3H),8.35-8.42(m,1H),11.30(brs,1H) マススペクトル(m/z) :488(M+) 吸収スペクトル:λmax =575nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =620nm (塩化メチレン)
m) ):1.38(s,6H),1.59(s,6H),1.77-1.87(m,4H),3.35-
3.47(m,4H),7.36-7.39(m,2H),7.73(s,1H),7.80-8.05(m,
3H),8.35-8.42(m,1H),11.30(brs,1H) マススペクトル(m/z) :488(M+) 吸収スペクトル:λmax =575nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =620nm (塩化メチレン)
【0064】実施例3 化合物No.1による樹脂の着
色 実施例1で製造された化合物0.05gをポリメチルメ
タクリレート(「アクリペットMD」三菱レーヨン株式会
社製品)100gに混合し、押し出し機を用いて200
℃で処理し、着色ペレットを作製した。このペレットを
射出成形機で200℃×5分で成形し、着色成形板を作
成した。得られた着色板は非常に強い蛍光性の赤色を示
し、耐光性、耐移行性が優れていた。 実施例4 化合物No.30の合成
色 実施例1で製造された化合物0.05gをポリメチルメ
タクリレート(「アクリペットMD」三菱レーヨン株式会
社製品)100gに混合し、押し出し機を用いて200
℃で処理し、着色ペレットを作製した。このペレットを
射出成形機で200℃×5分で成形し、着色成形板を作
成した。得られた着色板は非常に強い蛍光性の赤色を示
し、耐光性、耐移行性が優れていた。 実施例4 化合物No.30の合成
【0065】
【化12】
【0066】上記式で示す構造の化合物0.2gをDM
F4mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.04gを加
え、室温で30分撹拌した。さらに、0℃に冷却して臭
素0.08gのDMF溶液を滴下し、1時間撹拌した。
反応液を水に加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を水
洗し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、粗生成物0.
29gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製し、紫
色の固体0.06gを得た。分析結果は次の通りであ
り、化合物No.30であることが確認された。
F4mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.04gを加
え、室温で30分撹拌した。さらに、0℃に冷却して臭
素0.08gのDMF溶液を滴下し、1時間撹拌した。
反応液を水に加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を水
洗し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、粗生成物0.
29gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製し、紫
色の固体0.06gを得た。分析結果は次の通りであ
り、化合物No.30であることが確認された。
【0067】1H-NMR(CDCl3δ(ppm) ):1.37(s,6H),1.
58(s,6H),1.83(dt,4H),3.40(dt,4H),3.89(s,3H),6.97
(d,1H),6.99(s,1H),7.71(s,1H),7.80(d,1H),11.25(bs,1
H) マススペクトル(m/z) :468 吸収スペクトル:λmax =569nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =624nm (塩化メチレン) 実施例5 化合物No.48の合成
58(s,6H),1.83(dt,4H),3.40(dt,4H),3.89(s,3H),6.97
(d,1H),6.99(s,1H),7.71(s,1H),7.80(d,1H),11.25(bs,1
H) マススペクトル(m/z) :468 吸収スペクトル:λmax =569nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =624nm (塩化メチレン) 実施例5 化合物No.48の合成
【0068】
【化13】
【0069】上記式で示す構造の化合物0.1gをDM
F2mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.02gを加
え、室温で30分撹拌した。さらに、0℃に冷却して臭
素0.04gのDMF溶液を滴下し、1時間撹拌した。
反応液を水に加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を水
洗し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、粗生成物0.
28gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製し、紫
色の固体0.06gを得た。分析結果は次の通りであ
り、化合物No.48であることが確認された。
F2mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.02gを加
え、室温で30分撹拌した。さらに、0℃に冷却して臭
素0.04gのDMF溶液を滴下し、1時間撹拌した。
反応液を水に加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を水
洗し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、粗生成物0.
28gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製し、紫
色の固体0.06gを得た。分析結果は次の通りであ
り、化合物No.48であることが確認された。
【0070】1H-NMR(CDCl3δ(ppm) ):1.37(s,6H),1.
58(s,6H),1.83(dt,4H),3.40(dt,4H),7.54(d,1H),7.60
(d,1H),7.73(s,1H),7.81(s,1H),11.60(d,1H) マススペクトル(m/z) :506 吸収スペクトル:λmax =562nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =609nm (塩化メチレン) 実施例6 化合物No.49の合成
58(s,6H),1.83(dt,4H),3.40(dt,4H),7.54(d,1H),7.60
(d,1H),7.73(s,1H),7.81(s,1H),11.60(d,1H) マススペクトル(m/z) :506 吸収スペクトル:λmax =562nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =609nm (塩化メチレン) 実施例6 化合物No.49の合成
【0071】
【化14】
【0072】上記式で示す構造の化合物0.2gをDM
F4mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.05gを加
え、室温で30分撹拌した。さらに、0℃に冷却して臭
素0.08gのDMF溶液を滴下し、1時間撹拌した。
反応液を水に加え、析出した固体を濾過し、水洗した
後、乾燥すると、0.22gの粗生成物を得た。カラム
クロマトグラフィーで精製し、紫色の固体0.05gを
得た。分析結果は次の通りであり、化合物No.49で
あることが確認された。
F4mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.05gを加
え、室温で30分撹拌した。さらに、0℃に冷却して臭
素0.08gのDMF溶液を滴下し、1時間撹拌した。
反応液を水に加え、析出した固体を濾過し、水洗した
後、乾燥すると、0.22gの粗生成物を得た。カラム
クロマトグラフィーで精製し、紫色の固体0.05gを
得た。分析結果は次の通りであり、化合物No.49で
あることが確認された。
【0073】1H-NMR(CDCl3δ(ppm) ):1.37(s,6H),1.
58(s,6H),1.83(dt,4H),3.40(dt,4H),7.41(t,1H),7.52
(t,1H),7.72(s,1H),7.96(d,1H),8.19(d,1H) マススペクトル(m/z) :455 吸収スペクトル:λmax =566nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =614nm (塩化メチレン)
58(s,6H),1.83(dt,4H),3.40(dt,4H),7.41(t,1H),7.52
(t,1H),7.72(s,1H),7.96(d,1H),8.19(d,1H) マススペクトル(m/z) :455 吸収スペクトル:λmax =566nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =614nm (塩化メチレン)
【0074】実施例7 化合物No.49による樹脂の
着色 実施例6で製造された化合物0.05gをポリメチルメ
タクリレート(「アクリペットMD」三菱レーヨン株式
会社製品)100gに混合し、押し出し機を用いて20
0℃で処理し、着色ペレットを作製した。このペレット
を射出成形機で200℃×5分で成形し、着色成形板を
作製した。得られた着色板は非常に強い蛍光性の赤色を
示し、耐光性、耐移行性が優れていた。 実施例8 化合物No.2の合成
着色 実施例6で製造された化合物0.05gをポリメチルメ
タクリレート(「アクリペットMD」三菱レーヨン株式
会社製品)100gに混合し、押し出し機を用いて20
0℃で処理し、着色ペレットを作製した。このペレット
を射出成形機で200℃×5分で成形し、着色成形板を
作製した。得られた着色板は非常に強い蛍光性の赤色を
示し、耐光性、耐移行性が優れていた。 実施例8 化合物No.2の合成
【0075】
【化15】
【0076】上記式で示す構造の化合物0.22gをD
MF4.3mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.05
gを加え、室温で30分撹拌した。さらに、0℃に冷却
して臭素0.09gのDMF溶液を滴下し、1時間撹拌
した。反応液を水に加え、析出した固体を濾過し、水洗
した後、乾燥し、粗生成物を得た。カラムクロマトグラ
フィーで精製し、紫色の固体0.03gを得た。分析結
果は次の通りであり、化合物No.2であることが確認
された。
MF4.3mlに溶解し、シアン化ナトリウム0.05
gを加え、室温で30分撹拌した。さらに、0℃に冷却
して臭素0.09gのDMF溶液を滴下し、1時間撹拌
した。反応液を水に加え、析出した固体を濾過し、水洗
した後、乾燥し、粗生成物を得た。カラムクロマトグラ
フィーで精製し、紫色の固体0.03gを得た。分析結
果は次の通りであり、化合物No.2であることが確認
された。
【0077】1H-NMR(CDCl3δ(ppm) ):1.36(s,6H),1.
57(s,6H),1.81(dt,4H),3.40(dt,4H),7.38(t,1H),7.40
(t,1H),7.58(s,1H),7.63(d,1H),7.86(d,1H) マススペクトル(m/z) :439 吸収スペクトル:λmax =535nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =606nm (塩化メチレン)
57(s,6H),1.81(dt,4H),3.40(dt,4H),7.38(t,1H),7.40
(t,1H),7.58(s,1H),7.63(d,1H),7.86(d,1H) マススペクトル(m/z) :439 吸収スペクトル:λmax =535nm (塩化メチレン) 蛍光スペクトル:λmax =606nm (塩化メチレン)
【0078】比較例1 前記式(6)のクマリン系化合物を使用し、実施例3と
同様にしてポリメチルメタクリレートの着色成形板を作
製した。得られた着色板は非常に強い蛍光性の緑色を示
し、その蛍光スペクトルのλmax は497nmであっ
た。
同様にしてポリメチルメタクリレートの着色成形板を作
製した。得られた着色板は非常に強い蛍光性の緑色を示
し、その蛍光スペクトルのλmax は497nmであっ
た。
【0079】実施例9 化合物No.1による有機EL
素子の作製 図2に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法
で作製した。ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物
(ITO)透明導電膜を120nm堆積したもの(ジオ
マテック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)
を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用
いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を
形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンに
よる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコ
ールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥
させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置
内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより
行った後、装置内の真空度が2×10-6Torr(約2.7 ×
10-4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡
散ポンプを用いて排気した。上記装置内に配置されたセ
ラミックるつぼに入れた、下記構造式(7)で表される
芳香族アミン化合物を、
素子の作製 図2に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法
で作製した。ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物
(ITO)透明導電膜を120nm堆積したもの(ジオ
マテック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)
を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用
いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を
形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンに
よる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコ
ールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥
させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置
内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより
行った後、装置内の真空度が2×10-6Torr(約2.7 ×
10-4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡
散ポンプを用いて排気した。上記装置内に配置されたセ
ラミックるつぼに入れた、下記構造式(7)で表される
芳香族アミン化合物を、
【0080】
【化16】
【0081】周囲のTa線ヒーターで加熱して真空容器
内で蒸発させた。るつぼの温度は270〜273℃の範
囲で、蒸発時の真空度は1.5×10-6Torr(約2.0 ×
10-4Pa)であった。このようにして、膜厚60nmの正
孔輸送層3を蒸着した。蒸着速度は0.1〜0.5nm
/秒、蒸着時間は3分2秒であった。次いで、発光層4
の材料として、下記構造式(8)に示すアルミニウムの
8−ヒドロキシキノリン錯体
内で蒸発させた。るつぼの温度は270〜273℃の範
囲で、蒸発時の真空度は1.5×10-6Torr(約2.0 ×
10-4Pa)であった。このようにして、膜厚60nmの正
孔輸送層3を蒸着した。蒸着速度は0.1〜0.5nm
/秒、蒸着時間は3分2秒であった。次いで、発光層4
の材料として、下記構造式(8)に示すアルミニウムの
8−ヒドロキシキノリン錯体
【0082】
【化17】
【0083】及びドープする化合物として表−1記載の
化合物No.1を各々、別々のるつぼを用いて、同時に
加熱して蒸着を行った。この時の各るつぼの温度は、上
記構造式(8)の錯体に対しては302〜321℃の範
囲、化合物No.1に対しては236〜242℃の範囲
で制御した。蒸着時の真空度は2.6×10ー6Torr(約
2.7 ×10-4Pa)、蒸着速度は0.1〜0.2nm/秒
で、蒸着時間は2分15秒であった。結果として、膜厚
30.3nmで化合物No.1が上記構造式(8)の錯
体に対して0.8重量%ドープされた発光層が得られ
た。
化合物No.1を各々、別々のるつぼを用いて、同時に
加熱して蒸着を行った。この時の各るつぼの温度は、上
記構造式(8)の錯体に対しては302〜321℃の範
囲、化合物No.1に対しては236〜242℃の範囲
で制御した。蒸着時の真空度は2.6×10ー6Torr(約
2.7 ×10-4Pa)、蒸着速度は0.1〜0.2nm/秒
で、蒸着時間は2分15秒であった。結果として、膜厚
30.3nmで化合物No.1が上記構造式(8)の錯
体に対して0.8重量%ドープされた発光層が得られ
た。
【0084】引続き、電子輸送層5の材料として、上記
構造式(8)の錯体を45nm蒸着した。このときのる
つぼの温度は315〜346℃の範囲で制御した。蒸着
時の真空度は1.0×10-6Torr(約1.3 ×10-4Pa)、
蒸着速度は0.1〜0.5nm/秒で、蒸着時間は2分
18秒であった。上記の正孔輸送層、発光層及び電子輸
送層を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
構造式(8)の錯体を45nm蒸着した。このときのる
つぼの温度は315〜346℃の範囲で制御した。蒸着
時の真空度は1.0×10-6Torr(約1.3 ×10-4Pa)、
蒸着速度は0.1〜0.5nm/秒で、蒸着時間は2分
18秒であった。上記の正孔輸送層、発光層及び電子輸
送層を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
【0085】ここで、電子輸送層5までの蒸着を行った
素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出し
て、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状
シャドーマスクを、陽極のITOストライプと直交する
ように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置し
て有機層と同様にして装置内の真空度が2×10-6Torr
(約2.7 ×10-4Pa)以下になるまで排気した。続いて、
フッ化マグネシウムをモリブデンボートを用いて膜厚
1.5nmとなるようにして蒸着した。蒸着時の真空度
は4×10-6Torr(約5.3 ×10-4Pa)であった。
素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出し
て、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状
シャドーマスクを、陽極のITOストライプと直交する
ように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置し
て有機層と同様にして装置内の真空度が2×10-6Torr
(約2.7 ×10-4Pa)以下になるまで排気した。続いて、
フッ化マグネシウムをモリブデンボートを用いて膜厚
1.5nmとなるようにして蒸着した。蒸着時の真空度
は4×10-6Torr(約5.3 ×10-4Pa)であった。
【0086】さらに、この上部に、アルミニウムをモリ
ブデンボートを用いて40nm蒸着した。蒸着時の真空
度は1.5×10-5Torr(約2.0 ×10-3Pa)、蒸着時間
は50秒であった。次いで、銅をモリブデンボートを用
いて40nm蒸着した。蒸着時の真空度は1.0×10
-5Torr(約1.3 ×10-3Pa)であった。このようにして、
フッ化マグネシウムの上部にアルミニウム及び銅が積層
された、膜厚81.5nmの陰極6を蒸着した。 陰極
蒸着時の基板温度は室温に保持した。以上の様にして、
2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電
界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表−3に
示した。
ブデンボートを用いて40nm蒸着した。蒸着時の真空
度は1.5×10-5Torr(約2.0 ×10-3Pa)、蒸着時間
は50秒であった。次いで、銅をモリブデンボートを用
いて40nm蒸着した。蒸着時の真空度は1.0×10
-5Torr(約1.3 ×10-3Pa)であった。このようにして、
フッ化マグネシウムの上部にアルミニウム及び銅が積層
された、膜厚81.5nmの陰極6を蒸着した。 陰極
蒸着時の基板温度は室温に保持した。以上の様にして、
2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電
界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表−3に
示した。
【0087】表−3において、発光開始電圧は輝度が1
cd/m2となる電圧、発光輝度は250mA/cm2 の電流密
度での値、発光効率は100cd/m2での値、輝度/電流
は輝度−電流密度特性の傾きを、駆動電圧は100cd/
m2での値を各々示す。素子の発光のピーク波長は610
nm、CIE色度座標値(JIS Z8701)はx=
0.5、y=0.42であった。
cd/m2となる電圧、発光輝度は250mA/cm2 の電流密
度での値、発光効率は100cd/m2での値、輝度/電流
は輝度−電流密度特性の傾きを、駆動電圧は100cd/
m2での値を各々示す。素子の発光のピーク波長は610
nm、CIE色度座標値(JIS Z8701)はx=
0.5、y=0.42であった。
【0088】実施例10〜12 化合物No.30、4
8、49による有機EL素子の作製 実施例9と同様の方法にて、化合物No.1の代わりに
化合物No.30、48、49を用いて有機電界発光素
子を作製した。これらの発光特性も表−3に示す。
8、49による有機EL素子の作製 実施例9と同様の方法にて、化合物No.1の代わりに
化合物No.30、48、49を用いて有機電界発光素
子を作製した。これらの発光特性も表−3に示す。
【0089】
【表5】
【0090】
【発明の効果】本発明に係わる新規なクマリン系化合物
は、赤色で高輝度の蛍光を有し、各種材料の着色剤とし
て、又有機EL素子の色素としても優れた性能を有する
機能性色素として有用である。また本発明にて得られる
有機電界発光素子は、特定の(本発明の)クマリン系化
合物からなる色素を含有することにより、発光開始電
圧、発光輝度、発光効率など、いずれの点についても従
来公知のクマリン系化合物を含む素子より優れた性能を
有する。
は、赤色で高輝度の蛍光を有し、各種材料の着色剤とし
て、又有機EL素子の色素としても優れた性能を有する
機能性色素として有用である。また本発明にて得られる
有機電界発光素子は、特定の(本発明の)クマリン系化
合物からなる色素を含有することにより、発光開始電
圧、発光輝度、発光効率など、いずれの点についても従
来公知のクマリン系化合物を含む素子より優れた性能を
有する。
【図1】有機電界発光素子の実施の形態の一例を示した
模式断面図である。
模式断面図である。
【図2】実施例9で作成した有機電界発光素子の構造を
示した模式断面図である。
示した模式断面図である。
1 基板 2 陽極 3 陽極バッファ層 4 正孔輸送層 5 電子輸送層 6 電子注入層 7 陰極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 B (72)発明者 遠藤 恭子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 佐藤 秀樹 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 佐藤 佳晴 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるクマリン系
化合物 【化1】 (式中、R1 〜R4 は各々独立に、任意の置換基を表
し、隣接する二つの基で環を形成してもよい。R5 、R
6 、R7 及びR8 は各々独立にアルキル基を示す。Xは
酸素原子、イオウ原子、−NH−あるいは−NR9 −で
あり、Yは酸素原子、NHあるいはNR10であり、R9
及びR10はアルキル基またはシクロアルキル基を表
す。)。 - 【請求項2】 上記一般式(1)においてR1 、R2 、
R3 及びR4 は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、
シアノ基、ニトロ基、置換してもよいアミノ基、水酸
基、置換してもよいアルコキシ基、置換しても良いアリ
ールオキシ基、置換してもよいチオール基、置換しても
よいシリル基、置換してもよいシロキシ基、置換しても
よいアルキル基、置換しても良いアリール基、または置
換してもよいカルボニル基を表すことを特徴とする請求
項1に記載のクマリン系化合物。 - 【請求項3】 上記一般式(1)において、R1 〜R4
が各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキ
ル基および置換されていてもよいアルコキシ基から選ば
れる基であることを特徴とする請求項2に記載のクマリ
ン系化合物。 - 【請求項4】 上記一般式(1)においてR1 〜R4の
うち少なくとも3個が水素原子であることを特徴とする
請求項3に記載のクマリン系化合物。 - 【請求項5】 上記一般式(1)においてR1 、R2 、
R3 及びR4 がともに水素原子である請求項2に記載の
クマリン系化合物。 - 【請求項6】 下記式(2)で示されるクマリン系化合
物。 【化2】 (式中、R5 、R6 、R7 及びR8 は各々独立にアルキ
ル基を示す。) - 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のクマ
リン系化合物からなる色素。 - 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれかに記載のクマ
リン系化合物からなることを特徴とする有機電界発光素
子用色素。 - 【請求項9】 下記一般式(3) 【化3】 (式中、R1 〜R4 は各々独立に、任意の置換基を表
し、隣接する二つの基で環を形成してもよい。R5 、R
6 、R7 及びR8 は各々独立にアルキル基を示す。Xは
酸素原子、イオウ原子、−NH−あるいは−NR9 −で
あり、Yは酸素原子、NHあるいはNR10であり、R9
及びR10はアルキル基またはシクロアルキル基を表
す。)で示されるクマリン系化合物を、不活性溶媒中
で、下記一般式(4) 【化4】 MCN (4) (式中、Mは水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子
あるいは銅原子を表す。)で示されるシアン化合物と反
応させ、更に酸化剤で処理することを特徴とする請求項
1乃至6の何れかに記載のクマリン系化合物の製造方
法。 - 【請求項10】 対向する陽極と陰極の間に有機層を有
する有機電界発光素子において、該有機層に請求項1乃
至6のいずれかに記載のクマリン系化合物を含有するこ
とを特徴とする有機電界発光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000125537A JP2001011079A (ja) | 1999-04-27 | 2000-04-26 | クマリン系化合物、有機電界発光素子用色素及びこれを用いた有機電界発光素子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11997299 | 1999-04-27 | ||
JP11-119972 | 1999-04-27 | ||
JP2000125537A JP2001011079A (ja) | 1999-04-27 | 2000-04-26 | クマリン系化合物、有機電界発光素子用色素及びこれを用いた有機電界発光素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001011079A true JP2001011079A (ja) | 2001-01-16 |
Family
ID=26457618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000125537A Pending JP2001011079A (ja) | 1999-04-27 | 2000-04-26 | クマリン系化合物、有機電界発光素子用色素及びこれを用いた有機電界発光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001011079A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002226484A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-08-14 | Hayashibara Biochem Lab Inc | クマリン誘導体およびその製造方法、それを利用した発光剤、発光素子 |
JP2006188515A (ja) * | 2004-12-30 | 2006-07-20 | Lg Electron Inc | 新規赤色発光化合物及びそれを用いた有機電界発光素子 |
WO2012070226A1 (ja) * | 2010-11-22 | 2012-05-31 | 出光興産株式会社 | 含酸素縮合環誘導体及びそれを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子 |
KR20130079234A (ko) * | 2011-12-26 | 2013-07-10 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 염료용 화합물 |
JP2013227552A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-11-07 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 化合物 |
-
2000
- 2000-04-26 JP JP2000125537A patent/JP2001011079A/ja active Pending
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