JP2001010872A - セラミック接合体とその製造方法 - Google Patents

セラミック接合体とその製造方法

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JP2001010872A JP17458599A JP17458599A JP2001010872A JP 2001010872 A JP2001010872 A JP 2001010872A JP 17458599 A JP17458599 A JP 17458599A JP 17458599 A JP17458599 A JP 17458599A JP 2001010872 A JP2001010872 A JP 2001010872A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板に対して接合される管又は棒の位置精度や
垂直度が高いと共に、接合部の耐食性、耐熱性に優れる
セラミック接合体を提供する。 【解決手段】 片面に周面を外方へ拡開したテーパー面
3とする凹部4が形成され、粒界成分が酸化イットリウ
ムアルミニウム相のAlN焼結体からなる板1と、その
凹部のテーパー面と係合可能なテーパー面5が一端部の
外周に形成され、上記板と同様のAlN焼結体からなる
管2又棒とが、両テーパー面間にAlNと酸化イットリ
ウムアルミニウムを主成分とする接合剤層を介在して接
合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック接合体
とその製造方法に関し、特に、粒界成分が酸化イットリ
ウムアルミニウム相のAlN(窒化アルミニウム)焼結
体からなる板と管又は棒とを板の片面に管又は棒を垂直
に接合したセラミック接合体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のセラミック接合体として
は、複数の穿設孔を有するセラミック板状体とを該穿設
孔に装入したセラミック管状体とからなり、該板状体の
穿設孔がテーパー状であり、かつ該管状体の穿設孔装入
部が該穿設孔に対応したテーパー状に形成されているも
のが知られている(特許第2771306号公報参
照)。上記セラミック接合体は、板状体の穿設孔と管状
体の穿設孔装入部とを両者のテーパー面間にガラス接着
材、例えばPb O−B23 (一酸化鉛−三酸化二ホウ
素)ガラスを介在して係合し、接着固定して製造されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のセラミ
ック接合体とその製造方法では、板と管とをテーパー状
の穿設孔と穿設孔装入部で係合して接着固定しているの
で、板に対する管の位置精度や垂直度を高めることがで
きるものの、板と管とをガラス接着材による接着固定に
よって接合しているので、セラミック接合体を半導体製
造プロセスにおいて使用する場合、接合剤としてのガラ
ス接着材がクリーニングガスであるフッ素プラズマによ
って腐食されたり、あるいは雰囲気温度(600〜15
00℃)によって融解したりする不具合がある。そこ
で、本発明は、板に対して垂直に接合される管又は棒の
位置精度や垂直度が高いと共に、接合部の耐食性、耐熱
性に優れるセラミック接合体とその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1のセラミック接合体は、片面に周面を
外方へ拡開したテーパー面とする凹部が形成され、粒界
成分が酸化イットリウムアルミニウム相のAlN焼結体
からなる板と、その凹部のテーパー面と係合可能なテー
パー面が一端部の外周に形成され、上記板と同様のAl
N焼結体からなる管又は棒とが、両テーパー面間にAl
Nと酸化イットリウムアルミニウムを主成分とする接合
剤層を介在して接合されていることを特徴とする。第2
のセラミック接合体は、第1のものにおいて、前記板に
電極が埋設されていることを特徴とする。又、第3のセ
ラミック接合体は、第1又は第2のものにおいて、前記
板に発熱回路が埋設されていることを特徴とする。
【0005】一方、第1のセラミック接合体の製造方法
は、粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム相のAl
N焼結体からなる板の片面に周面を外方へ拡開したテー
パー面とする凹部を形成する一方、上記板と同様のAl
N焼結体からなる管又は棒の一端部の外周に上記凹部の
テーパー面と係合可能なテーパー面を形成し、凹部と一
端部とを両者のテーパー面間にAlN粉末及びY(イッ
トリウム)化合物粉末からなる接合剤を介在させて係合
し、1800℃を超え1900℃以下の温度で熱処理す
ることを特徴とする。第2のセラミック接合体の製造方
法は、粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム相のA
lN焼結体からなる板の片面に周面を外方へ拡開したテ
ーパー面とする凹部を形成する一方、上記板と同様のA
lN焼結体からなる管又は棒の一端部の外周に上記凹部
のテーパー面と係合可能なテーパー面を形成し、凹部と
一端部とを両者のテーパー面間にAlN粉末、Y化合物
粉末及びLi(リチウム)化合物粉末からなる接合剤を
介在させて接合し、1550℃以上1850℃未満の温
度で熱処理することを特徴とする。第3のセラミック接
合体の製造方法は、第1又は第2の方法において、前記
板に予め電極を埋設しておくことを特徴とする。又、第
4のセラミック接合体の製造方法は、第1、第2又は第
3の方法において、前記板に予め発熱回路を埋設してお
くことを特徴とする。
【0006】板の凹部と管又は棒の一端部のテーパー面
は、板の片面に対する垂線又は管若しくは棒の軸線とな
すテーパー角度θが3〜40°の範囲が好ましい。テー
パー角度が、3°未満であると、係合時に嵌め合いがき
つくなり、テーパーとする意味がない、一方、40°を
超えると、係合時に嵌め合いが緩いため横方向にずれた
り、管又は棒の傾きが発生し易くなる。より好ましい角
度は、5〜30°である。テーパー面には、研削加工を
施し、表面粗さをRa=0.2〜1.0μm、Rmax
=2〜8μmとしておくことが好ましい。上記範囲とす
ることにより、接合剤とAlN焼結体の密着性が向上す
る。
【0007】粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム
相のAlN焼結体からなる板は、例えば、AlN粉末に
Y化合物粉末、適量の有機バインダー(PVB:ポリビ
ニルブチラール)及び有機溶媒(メタノール)を添加し
てボールミル中で混合し、得られたスラリーをスプレー
ドライヤーを用いて造粒した後、造粒粉を成形して成形
体を得(例えば、一軸金型成形し、更に冷間静水圧プレ
スで加圧して成形体を得ることができる)、しかる後
に、成形体を空気中又は非酸化性雰囲気(不活性ガス又
は真空雰囲気)において脱脂し、(例えば、400℃以
上の温度で行うことができる)、非酸化性雰囲気におい
て1800〜2000℃の温度(好ましくは1850〜
1900℃)で焼成して得られるものである。Y化合物
粉末は、AlN粉末100重量部に対し、Y23 換算
で0.5〜20重量部添加することが好ましい。Y化合
物粉末の添加量がAlN粉末100重量部に対し、Y2
3 換算で0.5重量部未満であると、液相成分が不足
し緻密な焼結体を得難い。一方、20重量部を越える
と、未反応の焼結助剤が残存するおそれがある。Y化合
物としては、後述する接合剤に用いられるものと同様の
ものを用いることができる。
【0008】粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム
相のAlN焼結体からなる管又は棒は、例えば、AlN
粉末にY化合物粉末、適量の有機バインダー(PVB)
及び有機溶媒(メタノール)を添加してボールミル中で
混合し、得られたスラリーをスプレードライヤーを用い
て造粒した後、造粒粉を成形して成形体を得(例えば、
冷間静水圧プレスで加圧して成形体を得ることができ
る)、しかる後に、成形体を空気中又は非酸化性雰囲気
において詰め粉(アルミナ粉末)に下端を埋没させて垂
直に立てて(横に寝かすと自重により変形するため)脱
脂し、非酸化性雰囲気において、吊り下げた状態で18
00〜2000℃の温度(好ましくは1850〜190
0℃)で焼成して得られるものである。Y化合物粉末の
量、その種類は、板の場合と同様である。
【0009】AlN粉末及びY化合物粉末からなる接合
剤は、AlN粉末100重量部及びY23 換算でY化
合物粉末0.5〜30重量部の混合粉末に、適量の有機
溶剤(BDG(ブチルカルビトール)、アクリル樹脂、
DBP(フタル酸ジブチル)の混合物)を添加し、20
0〜500ポイズの粘度のペースト状として用いられ
る。
【0010】AlN粉末は、0.1〜10μmの粒径で
あることが好ましく、この粒径であると、Y化合物粉末
の粒径のいかんにかかわらず、低温での接合強度が向上
する。
【0011】Y化合物としては、Y23 、フッ化イッ
トリウム(YF)、YAG(Y3 Al512)又はY2
3 とアルミナ(Al23 )をYAGとなる配合比で
混合した混合物が用いられる。Y23 換算でY化合物
粉末の添加量が、0.5重量部未満であると、液相成分
が不足して接合できない。一方、30重量部を超える
と、接合できない。好ましい添加量は、1〜10重量部
である。Y化合物粉末の粒径は、0.1〜50μmとす
ることによって、分散性が向上する。又、粒径が0.1
μm未満であると、ペーストの粘性が上がり易く、ペー
スト化が困難となる。一方、50μmを超えると、ペー
スト中で粉末が沈降し易くなり分散性が低下する。より
好ましい粒径は、0.1〜10μmである。
【0012】接合剤の厚みは、100μm以下とするこ
とが好ましい。厚みが、100μmを超えると、板に対
する管又は棒の位置精度や垂直度が低下する。
【0013】AlN粉末及びY化合物粉末からなる接合
剤を用いる場合の熱処理温度が、1800℃以下である
と、接合が不可能となる、一方、1900℃を超える
と、板や管又は棒の変形が大きくなる。好ましい熱処理
温度は、1850〜1880℃である。
【0014】AlN粉末、Y化合物粉末及びLi化合物
粉末からなる接合剤は、AlN粉末100重量部、Y2
3 換算でY化合物粉末0.5〜30重量部及びLi2
O(酸化リチウム)換算でLi化合物粉末が上記Y2
3 換算量に対して外率で0.1〜100wt%の混合粉末
に、適量の有機溶剤(BDG、アクリル樹脂、DBPの
混合物)を添加し、200〜500ポイズの粘度のペー
スト状として用いられる。
【0015】AlN粉末の粒径、Y化合物の種類、Y化
合物粉末の添加量と粒径、接合剤の厚み等は、AlN粉
末及びY化合物粉末からなる接合剤の場合と同様である
ので説明を省略する。
【0016】Li化合物は、先ず、Y又はアルミニウム
(Al)と複合酸化物を作り、その複合酸化物から酸化
イットリウムアルミニウム相(ほとんどYAGだが、Y
AM(2Y23 ・Al23 又はY4 Al23 )、
YAP(Y23 ・Al2 3 又はYAlO3 )等を含
む。)を生成し、その融点を低下させる。又、Li化合
物は、高温で高い蒸気圧を有するため、酸化イットリウ
ムアルミニウム相生成後、接合部分から蒸発し、接合体
中に残留しない。このため、AlN焼結体からなる板と
管又は棒が1850℃未満の温度で従来と同等の純度と
接合強度で接合され、又、板と管又は棒に変形を生じな
い。
【0017】Li化合物としては、Li2 O、炭酸リチ
ウム(Li2 CO3 )、フッ化リチウム(LiF)、硝
酸リチウム(LiNO3 )、水酸化リチウム(LiO
H)、塩化リチウム(LiCl)、酢酸リチウム(Li
CH3 COO)、Yとの複合酸化合物及びAlとの複合
酸化物の1種以上が用いられる。Li2 O換算でLi化
合物粉末の添加量が、前述したY23 換算量の0.1
wt%未満であると、1850℃未満の温度での接合がで
きない。一方、100wt%を超えると、接合できない。
好ましい添加量は、5〜50wt%である。Li化合物粉
末の粒径は、0.1〜50μmとすることによって、分
散性が向上する。又、粒径が0.1μm未満であると、
ペーストの粘性が上がり易く、ペースト化が困難とす
る。一方、50μmを超えると、ペースト中で粉末が沈
降し易くなり分散性が低下する。より好ましい粒径は、
0.1〜10μmである。なお、LiClやLiNO
3 、LiOH、LiCH3 COO等は、エタノールやア
セトン等の有機溶媒に溶解するので、それらの有機溶剤
可溶性Li化合物が有機溶媒に溶解した溶液と、Y化合
物粉末及びAlN粉末とを混合し、溶媒を除去後、不活
性ガス又は真空雰囲気において400〜800℃の温度
(800℃を超えるとLiが揮発し、低温接合が困難と
なるおそれがある。)で仮焼すると、それらが均一に混
合した仮焼粉が得られ、接合剤となる。仮焼粉は、通
常、粉砕して使用される(好ましくは400メッシュ以
下に粉砕する)。LiCl、LiNO3 は有機溶媒に対
する溶解度が高くこの方法に適しており、特にLiCl
は潮解性を有し粉末の取り扱いが困難であるためこの方
法が有効である。
【0018】AlN粉末、Y化合物粉末及びLi化合物
粉末からなる接合剤を用いる場合の熱処理温度が、15
50℃未満であると、接合が行なわれない。一方、18
50℃であると、板と管又は棒を形成するAlN焼結体
の変形が大きくなり、特に真空雰囲気の場合、AlN焼
結体の粒界成分の移動、蒸発を生じて所定形状の保持が
困難となる。AlN焼結体の変形量は、その大きさや厚
みによって異なるため一概にいえないが、例えば直径1
50mm、厚み5mm、平面度10μmのAlN焼結体を1
850℃以上の熱処理温度で接合した場合、接合後の平
面度が30倍の300μmになってしまう。これに対
し、熱処理温度を1600℃とし他を同一条件で接合し
た後の平面度は30μm以下である。よって、熱処理温
度は、1550℃以上1850℃未満とし、好ましく
は、1650〜1750℃とする。この熱処理により、
接合剤は焼結し、接合部間にAlNと酸化イットリウム
アルミニウムを主成分とする接合剤層を形成して板と管
又は棒を形成するAlN焼結体と接合する。その結果、
板と管又は棒が強固に接合される。
【0019】なお、接合剤とAlN焼結体からなる板及
び管又は棒との密着性を高めるため、板と管又は棒に荷
重をかけることが望ましい。ホットプレスによる加熱加
圧でもよいが、6g/cm2 以上の荷重をかけられれば、ホ
ットプレスに限定するものではない。又、接合に要する
熱処理時間は、接合剤とAlN焼結体からなる板及び管
又は棒が十分接合し、かつ、Li化合物を十分除去し得
ればよく、通常、1〜10時間でよく、好ましくは1〜
5時間である。
【0020】板に電極や発熱回路が埋設されていないも
のは、支持等のための管又は棒を有するサセプターとし
て、板に電極が埋設されているものは、支持等のための
管又は棒を有する静電チャックとして、板に発熱回路が
埋設されているものは、支持等のための管又は棒を有す
るプレートヒーターとして、又、板に電極と発熱回路が
埋設されているものは、支持等のための管又は棒を有す
るヒーター付き静電チャックとしてそれぞれ半導体を製
造する際に用いられるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て具体的な実施例を参照して説明する。支持と冷却用ガ
スを流すための管を有するサセプターを製造するため、
先ず、AlN粉末100重量部にY23 粉末1重量
部、PVB3重量部及び適量のメタノールを添加してボ
ールミルで17時間混合し、得られたスラリーをスプレ
ードライヤーを用いて造粒した後、造粒粉を30MPa
の圧力で一軸金型成形し、更に100MPaの圧力で冷
間静水圧プレスして成形体を得、しかる後に、成形体を
空気中において600℃の温度で加熱して脱脂し、脱脂
体を窒素ガス雰囲気中において1900℃の温度で焼成
して直径200mm、厚み10mmのAlN焼結体からなる
円板1(図1参照)を得た。
【0022】一方、AlN粉末100重量部にY23
粉末1重量部、PVB3重量部及び適量のメタノールを
添加してボールミルで17時間混合し、得られたスラリ
ーをスプレードライヤーを用いて造粒した後、造粒粉を
100MPaの圧力で冷間静水圧プレスして成形体を
得、しかる後に、成形体を詰め粉(アルミナ粉末)に下
端に埋没させて垂直に立てて空気中に600℃の温度で
加熱して脱脂し、脱脂体を窒素ガス雰囲気の炉内に吊り
下げて1900℃の温度で焼成して外径50mm、内径4
0mm、長さ200mmのAlN焼結体からなる円管2(図
1参照)を得た。
【0023】他方、AlN粉末100重量部、Y23
粉末3重量部及びY23 粉末量の35wt%のL2 O粉
末からなる混合粉末に、適量の有機溶剤(BDG、アク
リル樹脂、DBPの混合物)を添加して、300ポイズ
の粘度の接合剤を調製した。
【0024】次に、円板1の片面(図1においては上
面)の中央部に、周面を外方へ拡開したテーパー面3と
する円形の凹部4を形成すると共に、テーパー面3と円
板1の片面に対する垂線とのなすテーパー角度θが、表
1に示すように異なる種々の試料を得た。
【0025】
【表1】
【0026】又、円管2の一端部(図1においては下端
部)の外周に、円板1の凹部4のテーパー面3と係合可
能なテーパー面5を形成すると共に、各種の円板1に対
応させるため、テーパー面5と円管2の軸線とのなすテ
ーパー角度θが異なる種々の試料を得た。なお、円板1
と円管2の各試料のテーパー面3,5には研削加工を施
し、テーパー面3,5をRa=0.65μm、Rmax
=5.25μm、平面度10μmとした。
【0027】次いで、円板1と円管2の各試料のテーパ
ー面3,5に前述した接合剤を刷毛で60μmの厚みで
塗布し、110℃の温度で加熱して乾燥させた後、窒素
ガス雰囲気において450℃の温度で加熱して接合剤の
脱脂を行った。脱脂後、接合面(テーパー面)の密着性
を良くするため、BDGを接合部分に噴霧し、図1に示
すように、各円板1を凹部4が上になるように水平に設
置した後、各円管2を一端部が下になるように垂直に支
持し、静かに円板1の上方から下降して係合可能なテー
パー面同士を密着させ、しかる後に、110℃の温度で
1時間保持して乾燥させた。なお、接合剤の脱脂工程
は、円板1と円管2を密着させた後に行ってもよく、
又、その工程を無くしてもよい。
【0028】次に、円板1と円管2が組み合わされた各
試料をカーボンケース内に、水平な円板1上に円管2が
垂直になるようにして納置し、窒素ガス雰囲気において
1700℃の温度で3時間かけて焼成し、円板1と管2
とが接合剤層(図示せず)を介在して接合されたそれぞ
れの試料のセラミック接合体を得た。
【0029】得られた各試料としてのセラミック接合体
について、三次元測定器を使用して円板1に対する円管
2の直角度、及び円板1の中心線と円管2の軸線のずれ
(同軸度)を測定したところ、表1に示すようになっ
た。表1から分るように、凹部4のテーパー面3と一端
部のテーパー面5のテーパー面θを3〜40°とするこ
とが好ましく、より好ましくは5〜30°である。
【0030】又、得られた試料としてのセラミック接合
体の耐熱性をみるために、先ず、各セラミック接合体を
窒素ガス(N2 )雰囲気のカーボン発熱体炉内に、円管
2を上にした円板1が水平になるように納置し、炉内を
室温から1700℃まで400℃/hrの速度で昇温
し、1700℃の温度に30分間保持した後、加熱電源
を切って放冷した。この時の放冷速度は、600℃/h
rであった。次に、炉内が室温になった後、各セラミッ
ク接合体をカーボン発熱体炉から取り出し、接合後と同
様に、三次元測定器を使用して円板1に対する円管2の
直角度、及び円板1の中心線と円管2の軸線のずれを測
定したところ、全てのセラミック接合体が接合後と同じ
値を示した。したがって、各セラミック接合体の接合部
は、耐熱性に優れていることが分かる。
【0031】更に、得られた試料としてのセラミック接
合体の耐食性をみるために、先ず、上述した加熱試験後
の各セラミック接合体における円管2を接合部から10
mmの位置で切断し、後述するフッ素プラズマが接合部に
直接照射されるようにした。次に、上記各セラミック接
合体を半導体製造装置のチャンバー内に、円管2を上に
した円板1が水平になるように納置し、チャンバー内に
CF4 とO2 ガスを導入すると共に、チャンバー内を4
00℃の温度に保持し、かつ、平行平板の電極間に1
3.56MHzの電圧を印加してフッ素プラズマを10
分間発生させる処理を300回繰り返した。処理後、各
セラミック接合体をチャンバーから取り出し、接合部分
の状態を電子顕微鏡で観察したところ、接合部分には、
フッ素プラズマによって侵食された痕跡は認められなか
った。したがって、各セラミック接合体の接合部は、耐
食性に優れていることが分かる。
【0032】なお、上述した実施の形態においては、接
合剤としてAlN粉末、Y化合物粉末及びLi化合物粉
末からなるものを用いる場合について述べたが、これに
限定されるものではなく、AlN粉末及びY化合物粉末
からなる接合剤を用いてもよい。又、サセプターとして
用いられるセラミック接合体は、支持等のための管に代
わる棒を有するものであってもよい。更に、セラミック
接合体は、支持等のための管又は棒を有する円板に電極
及び/又は発熱回路を埋設したものであってもよく、円
板に電極を埋設したものは静電チャックとして、発熱回
路を埋設したものはプレートヒーターとして、又、電極
と発熱回路を埋設したものはヒーター付き静電チャック
として用いられる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1のセ
ラミック接合体とその製造方法によれば、板と管又は棒
がテーパー面を介して係合されるので、板に対して接合
される管又は棒の位置精度や垂直度を高めることができ
ると共に、両者が両者と同じセラックスによって接合さ
れるので、接合部の耐食性と耐熱性に極めて優れたセラ
ミック接合体を得ることができる。第2のセラミック接
合体とその製造方法によれば、第1のものとその製法に
よる作用効果の他、静電チャックとして用いられるセラ
ミック接合体を得ることができる。又、第3のセラミッ
ク接合体とその製造方法によれば、第1のものとその製
法による作用効果の他、プレートヒーター、ヒーター付
き静電チャックとして用いられるセラミック接合体を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミック接合体の製造方法の実
施の形態の一例を示す工程の説明である。
【符号の説明】
1 円板 2 円管 3 テーパー面 4 凹部 5 テーパー面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 光広 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 (72)発明者 小林 慶朗 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 4G026 BA16 BB16 BC01 BD12 BF04 BF06 BF44 BG04 BG25 BH13 5F031 DA13 EA01 HA02 HA03 HA10 HA17 HA37

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面に周面を外方へ拡開したテーパー面
    とする凹部が形成され、粒界成分が酸化イットリウムア
    ルミニウム相のAlN焼結体からなる板と、その凹部の
    テーパー面と係合可能なテーパー面が一端部の外周に形
    成され、上記板と同様のAlN焼結体からなる管又は棒
    とが、両テーパー面間にAlNと酸化イットリウムアル
    ミニウムを主成分とする接合剤層を介在して接合されて
    いることを特徴とするセラミック接合体。
  2. 【請求項2】 前記板に電極が埋設されていることを特
    徴とする請求項1記載のセラミック接合体。
  3. 【請求項3】 前記板に発熱回路が埋設されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載のセラミック接合体。
  4. 【請求項4】 粒界成分が酸化イットリウムアルミニウ
    ム相のAlN焼結体からなる板の片面に周面を外方へ拡
    開したテーパー面とする凹部を形成する一方、上記板と
    同様のAlN焼結体からなる管又は棒の一端部の外周に
    上記凹部のテーパー面と係合可能なテーパー面を形成
    し、凹部と一端部とを両者のテーパー面間にAlN粉末
    及びY化合物粉末からなる接合剤を介在させて係合し、
    1800℃を超え1900℃以下の温度で熱処理するこ
    とを特徴とするセラミック接合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 粒界成分が酸化イットリウムアルミニウ
    ム相のAlN焼結体からなる板の片面に周面を外方へ拡
    開したテーパー面とする凹部を形成する一方、上記板と
    同様のAlN焼結体からなる管又は棒の一端部の外周に
    上記凹部のテーパー面と係合可能なテーパー面を形成
    し、凹部と一端部とを両者のテーパー面間にAlN粉
    末、Y化合物粉末及びLi化合物粉末からなる接合剤を
    介在させて係合し、1550℃以上1850℃未満の温
    度で熱処理することを特徴とするセラミック接合体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記板に予め電極を埋設しておくことを
    特徴とする請求項4又は5記載のセラミック接合体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記板に予め発熱回路を埋設しておくこ
    とを特徴とする請求項4、5又は6記載のセラミック接
    合体の製造方法。
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