JP3688156B2 - セラミック接合体とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック接合体とその製造方法に関し、特に、粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム相のAlN(窒化アルミニウム)焼結体からなる板と管又は棒とを板の片面に管又は棒を垂直に接合したセラミック接合体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のセラミック接合体としては、複数の穿設孔を有するセラミック板状体とを該穿設孔に装入したセラミック管状体とからなり、該板状体の穿設孔がテーパー状であり、かつ該管状体の穿設孔装入部が該穿設孔に対応したテーパー状に形成されているものが知られている(特許第2771306号公報参照)。
上記セラミック接合体は、板状体の穿設孔と管状体の穿設孔装入部とを両者のテーパー面間にガラス接着材、例えばPb O−B23 (一酸化鉛−三酸化二ホウ素)ガラスを介在して係合し、接着固定して製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のセラミック接合体とその製造方法では、板と管とをテーパー状の穿設孔と穿設孔装入部で係合して接着固定しているので、板に対する管の位置精度や垂直度を高めることができるものの、板と管とをガラス接着材による接着固定によって接合しているので、セラミック接合体を半導体製造プロセスにおいて使用する場合、接合剤としてのガラス接着材がクリーニングガスであるフッ素プラズマによって腐食されたり、あるいは雰囲気温度(600〜1500℃)によって融解したりする不具合がある。
そこで、本発明は、板に対して垂直に接合される管又は棒の位置精度や垂直度が高いと共に、接合部の耐食性、耐熱性に優れるセラミック接合体とその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1のセラミック接合体は、片面に周面を外方へ拡開した表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面とする凹部が形成され、粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム相のAlN焼結体からなる板と、その凹部のテーパー面と係合可能な表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面が一端部の外周に形成され、上記板と同様のAlN焼結体からなる管又は棒とが、両テーパー面間に、AlN粉末100重量部に対し、Y 2 3 換算でY化合物粉末の添加量が0.5〜30重量部であり、AlNと酸化イットリウムアルミニウムを主成分とする接合剤層を介在して接合されていることを特徴とする。
第2のセラミック接合体は、第1のものにおいて、前記板に電極が埋設されていることを特徴とする。
又、第3のセラミック接合体は、第1又は第2のものにおいて、前記板に発熱回路が埋設されていることを特徴とする。
【0005】
一方、第1のセラミック接合体の製造方法は、粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム相のAlN焼結体からなる板の片面に周面を外方へ拡開した表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面とする凹部を形成する一方、上記板と同様のAlN焼結体からなる管又は棒の一端部の外周に上記凹部のテーパー面と係合可能な表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面を形成し、凹部と一端部とを両者のテーパー面間にAlN粉末100重量部及び 2 3 換算でY(イットリウム)化合物粉末0.5〜30重量部からなる接合剤を介在させて係合し、1800℃を超え1900℃以下の温度で熱処理することを特徴とする。
第2のセラミック接合体の製造方法は、粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム相のAlN焼結体からなる板の片面に周面を外方へ拡開した表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面とする凹部を形成する一方、上記板と同様のAlN焼結体からなる管又は棒の一端部の外周に上記凹部のテーパー面と係合可能な表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面を形成し、凹部と一端部とを両者のテーパー面間にAlN粉末100重量部 2 3 換算でY化合物粉末0.5〜30重量部及びLi(リチウム)化合物粉末からなる接合剤を介在させて係合し、1550℃以上1850℃未満の温度で熱処理することを特徴とする。
第3のセラミック接合体の製造方法は、第1又は第2の方法において、前記板に予め電極を埋設しておくことを特徴とする。
又、第4のセラミック接合体の製造方法は、第1、第2又は第3の方法において、前記板に予め発熱回路を埋設しておくことを特徴とする。
【0006】
板の凹部と管又は棒の一端部のテーパー面は、板の片面に対する垂線又は管若しくは棒の軸線となすテーパー角度θが3〜40°の範囲が好ましい。
テーパー角度が、3°未満であると、係合時に嵌め合いがきつくなり、テーパーとする意味がない、一方、40°を超えると、係合時に嵌め合いが緩いため横方向にずれたり、管又は棒の傾きが発生し易くなる。
より好ましい角度は、5〜30°である。
テーパー面には、研削加工を施し、表面粗さをRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmとしておくことが好ましい。上記範囲とすることにより、接合剤とAlN焼結体の密着性が向上する。
【0007】
粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム相のAlN焼結体からなる板は、例えば、AlN粉末にY化合物粉末、適量の有機バインダー(PVB:ポリビニルブチラール)及び有機溶媒(メタノール)を添加してボールミル中で混合し、得られたスラリーをスプレードライヤーを用いて造粒した後、造粒粉を成形して成形体を得(例えば、一軸金型成形し、更に冷間静水圧プレスで加圧して成形体を得ることができる)、しかる後に、成形体を空気中又は非酸化性雰囲気(不活性ガス又は真空雰囲気)において脱脂し、(例えば、400℃以上の温度で行うことができる)、非酸化性雰囲気において1800〜2000℃の温度(好ましくは1850〜1900℃)で焼成して得られるものである。
Y化合物粉末は、AlN粉末100重量部に対し、Y23 換算で0.5〜20重量部添加することが好ましい。Y化合物粉末の添加量がAlN粉末100重量部に対し、Y23 換算で0.5重量部未満であると、液相成分が不足し緻密な焼結体を得難い。一方、20重量部を越えると、未反応の焼結助剤が残存するおそれがある。
Y化合物としては、後述する接合剤に用いられるものと同様のものを用いることができる。
【0008】
粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム相のAlN焼結体からなる管又は棒は、例えば、AlN粉末にY化合物粉末、適量の有機バインダー(PVB)及び有機溶媒(メタノール)を添加してボールミル中で混合し、得られたスラリーをスプレードライヤーを用いて造粒した後、造粒粉を成形して成形体を得(例えば、冷間静水圧プレスで加圧して成形体を得ることができる)、しかる後に、成形体を空気中又は非酸化性雰囲気において詰め粉(アルミナ粉末)に下端を埋没させて垂直に立てて(横に寝かすと自重により変形するため)脱脂し、非酸化性雰囲気において、吊り下げた状態で1800〜2000℃の温度(好ましくは1850〜1900℃)で焼成して得られるものである。
Y化合物粉末の量、その種類は、板の場合と同様である。
【0009】
AlN粉末及びY化合物粉末からなる接合剤は、AlN粉末100重量部及びY23 換算でY化合物粉末0.5〜30重量部の混合粉末に、適量の有機溶剤(BDG(ブチルカルビトール)、アクリル樹脂、DBP(フタル酸ジブチル)の混合物)を添加し、200〜500ポイズの粘度のペースト状として用いられる。
【0010】
AlN粉末は、0.1〜10μmの粒径であることが好ましく、この粒径であると、Y化合物粉末の粒径のいかんにかかわらず、低温での接合強度が向上する。
【0011】
Y化合物としては、Y23 、フッ化イットリウム(YF)、YAG(Y3 Al512)又はY23 とアルミナ(Al23 )をYAGとなる配合比で混合した混合物が用いられる。
23 換算でY化合物粉末の添加量が、0.5重量部未満であると、液相成分が不足して接合できない。一方、30重量部を超えると、接合できない。
好ましい添加量は、1〜10重量部である。
Y化合物粉末の粒径は、0.1〜50μmとすることによって、分散性が向上する。
又、粒径が0.1μm未満であると、ペーストの粘性が上がり易く、ペースト化が困難となる。一方、50μmを超えると、ペースト中で粉末が沈降し易くなり分散性が低下する。
より好ましい粒径は、0.1〜10μmである。
【0012】
接合剤の厚みは、100μm以下とすることが好ましい。厚みが、100μmを超えると、板に対する管又は棒の位置精度や垂直度が低下する。
【0013】
AlN粉末及びY化合物粉末からなる接合剤を用いる場合の熱処理温度が、1800℃以下であると、接合が不可能となる、一方、1900℃を超えると、板や管又は棒の変形が大きくなる。
好ましい熱処理温度は、1850〜1880℃である。
【0014】
AlN粉末、Y化合物粉末及びLi化合物粉末からなる接合剤は、AlN粉末100重量部、Y23 換算でY化合物粉末0.5〜30重量部及びLi2 O(酸化リチウム)換算でLi化合物粉末が上記Y23 換算量に対して外率で0.1〜100wt%の混合粉末に、適量の有機溶剤(BDG、アクリル樹脂、DBPの混合物)を添加し、200〜500ポイズの粘度のペースト状として用いられる。
【0015】
AlN粉末の粒径、Y化合物の種類、Y化合物粉末の添加量と粒径、接合剤の厚み等は、AlN粉末及びY化合物粉末からなる接合剤の場合と同様であるので説明を省略する。
【0016】
Li化合物は、先ず、Y又はアルミニウム(Al)と複合酸化物を作り、その複合酸化物から酸化イットリウムアルミニウム相(ほとんどYAGだが、YAM(2Y23 ・Al23 又はY4 Al23 )、YAP(Y23 ・Al23 又はYAlO3 )等を含む。)を生成し、その融点を低下させる。
又、Li化合物は、高温で高い蒸気圧を有するため、酸化イットリウムアルミニウム相生成後、接合部分から蒸発し、接合体中に残留しない。
このため、AlN焼結体からなる板と管又は棒が1850℃未満の温度で従来と同等の純度と接合強度で接合され、又、板と管又は棒に変形を生じない。
【0017】
Li化合物としては、Li2 O、炭酸リチウム(Li2 CO3 )、フッ化リチウム(LiF)、硝酸リチウム(LiNO3 )、水酸化リチウム(LiOH)、塩化リチウム(LiCl)、酢酸リチウム(LiCH3 COO)、Yとの複合酸化合物及びAlとの複合酸化物の1種以上が用いられる。
Li2 O換算でLi化合物粉末の添加量が、前述したY23 換算量の0.1wt%未満であると、1850℃未満の温度での接合ができない。一方、100wt%を超えると、接合できない。
好ましい添加量は、5〜50wt%である。
Li化合物粉末の粒径は、0.1〜50μmとすることによって、分散性が向上する。
又、粒径が0.1μm未満であると、ペーストの粘性が上がり易く、ペースト化が困難とする。一方、50μmを超えると、ペースト中で粉末が沈降し易くなり分散性が低下する。
より好ましい粒径は、0.1〜10μmである。
なお、LiClやLiNO3 、LiOH、LiCH3 COO等は、エタノールやアセトン等の有機溶媒に溶解するので、それらの有機溶剤可溶性Li化合物が有機溶媒に溶解した溶液と、Y化合物粉末及びAlN粉末とを混合し、溶媒を除去後、不活性ガス又は真空雰囲気において400〜800℃の温度(800℃を超えるとLiが揮発し、低温接合が困難となるおそれがある。)で仮焼すると、それらが均一に混合した仮焼粉が得られ、接合剤となる。仮焼粉は、通常、粉砕して使用される(好ましくは400メッシュ以下に粉砕する)。
LiCl、LiNO3 は有機溶媒に対する溶解度が高くこの方法に適しており、特にLiClは潮解性を有し粉末の取り扱いが困難であるためこの方法が有効である。
【0018】
AlN粉末、Y化合物粉末及びLi化合物粉末からなる接合剤を用いる場合の熱処理温度が、1550℃未満であると、接合が行なわれない。一方、1850℃であると、板と管又は棒を形成するAlN焼結体の変形が大きくなり、特に真空雰囲気の場合、AlN焼結体の粒界成分の移動、蒸発を生じて所定形状の保持が困難となる。
AlN焼結体の変形量は、その大きさや厚みによって異なるため一概にいえないが、例えば直径150mm、厚み5mm、平面度10μmのAlN焼結体を1850℃以上の熱処理温度で接合した場合、接合後の平面度が30倍の300μmになってしまう。これに対し、熱処理温度を1600℃とし他を同一条件で接合した後の平面度は30μm以下である。
よって、熱処理温度は、1550℃以上1850℃未満とし、好ましくは、1650〜1750℃とする。
この熱処理により、接合剤は焼結し、接合部間にAlNと酸化イットリウムアルミニウムを主成分とする接合剤層を形成して板と管又は棒を形成するAlN焼結体と接合する。その結果、板と管又は棒が強固に接合される。
【0019】
なお、接合剤とAlN焼結体からなる板及び管又は棒との密着性を高めるため、板と管又は棒に荷重をかけることが望ましい。
ホットプレスによる加熱加圧でもよいが、6g/cm2 以上の荷重をかけられれば、ホットプレスに限定するものではない。
又、接合に要する熱処理時間は、接合剤とAlN焼結体からなる板及び管又は棒が十分接合し、かつ、Li化合物を十分除去し得ればよく、通常、1〜10時間でよく、好ましくは1〜5時間である。
【0020】
板に電極や発熱回路が埋設されていないものは、支持等のための管又は棒を有するサセプターとして、板に電極が埋設されているものは、支持等のための管又は棒を有する静電チャックとして、板に発熱回路が埋設されているものは、支持等のための管又は棒を有するプレートヒーターとして、又、板に電極と発熱回路が埋設されているものは、支持等のための管又は棒を有するヒーター付き静電チャックとしてそれぞれ半導体を製造する際に用いられるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的な実施例を参照して説明する。
支持と冷却用ガスを流すための管を有するサセプターを製造するため、先ず、AlN粉末100重量部にY23 粉末1重量部、PVB3重量部及び適量のメタノールを添加してボールミルで17時間混合し、得られたスラリーをスプレードライヤーを用いて造粒した後、造粒粉を30MPaの圧力で一軸金型成形し、更に100MPaの圧力で冷間静水圧プレスして成形体を得、しかる後に、成形体を空気中において600℃の温度で加熱して脱脂し、脱脂体を窒素ガス雰囲気中において1900℃の温度で焼成して直径200mm、厚み10mmのAlN焼結体からなる円板1(図1参照)を得た。
【0022】
一方、AlN粉末100重量部にY23 粉末1重量部、PVB3重量部及び適量のメタノールを添加してボールミルで17時間混合し、得られたスラリーをスプレードライヤーを用いて造粒した後、造粒粉を100MPaの圧力で冷間静水圧プレスして成形体を得、しかる後に、成形体を詰め粉(アルミナ粉末)に下端に埋没させて垂直に立てて空気中に600℃の温度で加熱して脱脂し、脱脂体を窒素ガス雰囲気の炉内に吊り下げて1900℃の温度で焼成して外径50mm、内径40mm、長さ200mmのAlN焼結体からなる円管2(図1参照)を得た。
【0023】
他方、AlN粉末100重量部、Y23 粉末3重量部及びY23 粉末量の35wt%のL2 O粉末からなる混合粉末に、適量の有機溶剤(BDG、アクリル樹脂、DBPの混合物)を添加して、300ポイズの粘度の接合剤を調製した。
【0024】
次に、円板1の片面(図1においては上面)の中央部に、周面を外方へ拡開したテーパー面3とする円形の凹部4を形成すると共に、テーパー面3と円板1の片面に対する垂線とのなすテーパー角度θが、表1に示すように異なる種々の試料を得た。
【0025】
【表1】
Figure 0003688156
【0026】
又、円管2の一端部(図1においては下端部)の外周に、円板1の凹部4のテーパー面3と係合可能なテーパー面5を形成すると共に、各種の円板1に対応させるため、テーパー面5と円管2の軸線とのなすテーパー角度θが異なる種々の試料を得た。
なお、円板1と円管2の各試料のテーパー面3,5には研削加工を施し、テーパー面3,5をRa=0.65μm、Rmax=5.25μm、平面度10μmとした。
【0027】
次いで、円板1と円管2の各試料のテーパー面3,5に前述した接合剤を刷毛で60μmの厚みで塗布し、110℃の温度で加熱して乾燥させた後、窒素ガス雰囲気において450℃の温度で加熱して接合剤の脱脂を行った。
脱脂後、接合面(テーパー面)の密着性を良くするため、BDGを接合部分に噴霧し、図1に示すように、各円板1を凹部4が上になるように水平に設置した後、各円管2を一端部が下になるように垂直に支持し、静かに円板1の上方から下降して係合可能なテーパー面同士を密着させ、しかる後に、110℃の温度で1時間保持して乾燥させた。
なお、接合剤の脱脂工程は、円板1と円管2を密着させた後に行ってもよく、又、その工程を無くしてもよい。
【0028】
次に、円板1と円管2が組み合わされた各試料をカーボンケース内に、水平な円板1上に円管2が垂直になるようにして納置し、窒素ガス雰囲気において1700℃の温度で3時間かけて焼成し、円板1と管2とが接合剤層(図示せず)を介在して接合されたそれぞれの試料のセラミック接合体を得た。
【0029】
得られた各試料としてのセラミック接合体について、三次元測定器を使用して円板1に対する円管2の直角度、及び円板1の中心線と円管2の軸線のずれ(同軸度)を測定したところ、表1に示すようになった。
表1から分るように、凹部4のテーパー面3と一端部のテーパー面5のテーパー面θを3〜40°とすることが好ましく、より好ましくは5〜30°である。
【0030】
又、得られた試料としてのセラミック接合体の耐熱性をみるために、先ず、各セラミック接合体を窒素ガス(N2 )雰囲気のカーボン発熱体炉内に、円管2を上にした円板1が水平になるように納置し、炉内を室温から1700℃まで400℃/hrの速度で昇温し、1700℃の温度に30分間保持した後、加熱電源を切って放冷した。この時の放冷速度は、600℃/hrであった。
次に、炉内が室温になった後、各セラミック接合体をカーボン発熱体炉から取り出し、接合後と同様に、三次元測定器を使用して円板1に対する円管2の直角度、及び円板1の中心線と円管2の軸線のずれを測定したところ、全てのセラミック接合体が接合後と同じ値を示した。
したがって、各セラミック接合体の接合部は、耐熱性に優れていることが分かる。
【0031】
更に、得られた試料としてのセラミック接合体の耐食性をみるために、先ず、上述した加熱試験後の各セラミック接合体における円管2を接合部から10mmの位置で切断し、後述するフッ素プラズマが接合部に直接照射されるようにした。
次に、上記各セラミック接合体を半導体製造装置のチャンバー内に、円管2を上にした円板1が水平になるように納置し、チャンバー内にCF4 とO2 ガスを導入すると共に、チャンバー内を400℃の温度に保持し、かつ、平行平板の電極間に13.56MHzの電圧を印加してフッ素プラズマを10分間発生させる処理を300回繰り返した。
処理後、各セラミック接合体をチャンバーから取り出し、接合部分の状態を電子顕微鏡で観察したところ、接合部分には、フッ素プラズマによって侵食された痕跡は認められなかった。
したがって、各セラミック接合体の接合部は、耐食性に優れていることが分かる。
【0032】
なお、上述した実施の形態においては、接合剤としてAlN粉末、Y化合物粉末及びLi化合物粉末からなるものを用いる場合について述べたが、これに限定されるものではなく、AlN粉末及びY化合物粉末からなる接合剤を用いてもよい。
又、サセプターとして用いられるセラミック接合体は、支持等のための管に代わる棒を有するものであってもよい。
更に、セラミック接合体は、支持等のための管又は棒を有する円板に電極及び/又は発熱回路を埋設したものであってもよく、円板に電極を埋設したものは静電チャックとして、発熱回路を埋設したものはプレートヒーターとして、又、電極と発熱回路を埋設したものはヒーター付き静電チャックとして用いられる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1のセラミック接合体とその製造方法によれば、板と管又は棒がテーパー面を介して係合されるので、板に対して接合される管又は棒の位置精度や垂直度を高めることができると共に、両者が両者と同じセラックスによって接合されるので、接合部の耐食性と耐熱性に極めて優れたセラミック接合体を得ることができる。
第2のセラミック接合体とその製造方法によれば、第1のものとその製法による作用効果の他、静電チャックとして用いられるセラミック接合体を得ることができる。
又、第3のセラミック接合体とその製造方法によれば、第1のものとその製法による作用効果の他、プレートヒーター、ヒーター付き静電チャックとして用いられるセラミック接合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミック接合体の製造方法の実施の形態の一例を示す工程の説明である。
【符号の説明】
1 円板
2 円管
3 テーパー面
4 凹部
5 テーパー面

Claims (7)

  1. 片面に周面を外方へ拡開した表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面とする凹部が形成され、粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム相のAlN焼結体からなる板と、その凹部のテーパー面と係合可能な表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面が一端部の外周に形成され、上記板と同様のAlN焼結体からなる管又は棒とが、両テーパー面間に、AlN粉末100重量部に対し、Y 2 3 換算でY化合物粉末の添加量が0.5〜30重量部であり、AlNと酸化イットリウムアルミニウムを主成分とする接合剤層を介在して接合されていることを特徴とするセラミック接合体。
  2. 前記板に電極が埋設されていることを特徴とする請求項1記載のセラミック接合体。
  3. 前記板に発熱回路が埋設されていることを特徴とする請求項1又は2記載のセラミック接合体。
  4. 粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム相のAlN焼結体からなる板の片面に周面を外方へ拡開した表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面とする凹部を形成する一方、上記板と同様のAlN焼結体からなる管又は棒の一端部の外周に上記凹部のテーパー面と係合可能な表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面を形成し、凹部と一端部とを両者のテーパー面間にAlN粉末100重量部及び 2 3 換算でY化合物粉末0.5〜30重量部からなる接合剤を介在させて係合し、1800℃を超え1900℃以下の温度で熱処理することを特徴とするセラミック接合体の製造方法。
  5. 粒界成分が酸化イットリウムアルミニウム相のAlN焼結体からなる板の片面に周面を外方へ拡開した表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面とする凹部を形成する一方、上記板と同様のAlN焼結体からなる管又は棒の一端部の外周に上記凹部のテーパー面と係合可能な表面粗さRa=0.2〜1.0μm、Rmax=2〜8μmのテーパー面を形成し、凹部と一端部とを両者のテーパー面間にAlN粉末100重量部 2 3 換算でY化合物粉末0.5〜30重量部及びLi化合物粉末からなる接合剤を介在させて係合し、1550℃以上1850℃未満の温度で熱処理することを特徴とするセラミック接合体の製造方法。
  6. 前記板に予め電極を埋設しておくことを特徴とする請求項4又は5記載のセラミック接合体の製造方法。
  7. 前記板に予め発熱回路を埋設しておくことを特徴とする請求項4、5又は6記載のセラミック接合体の製造方法。
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