JP2001261458A - 炭化珪素接合体および炭化珪素接合体の製造方法 - Google Patents

炭化珪素接合体および炭化珪素接合体の製造方法

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JP2001261458A JP2000074249A JP2000074249A JP2001261458A JP 2001261458 A JP2001261458 A JP 2001261458A JP 2000074249 A JP2000074249 A JP 2000074249A JP 2000074249 A JP2000074249 A JP 2000074249A JP 2001261458 A JP2001261458 A JP 2001261458A
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silicon oxide
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Toyokazu Matsuyama
豊和 松山
Jun Hikita
順 疋田
Hiroaki Shidara
広明 設楽
Masahiko Ichijima
雅彦 市島
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体製造プロセスで使用するのに適し
た炭化珪素接合体を製造するにあたり、純度を低下させ
ることなく接合強度を改善することを目的としている。 【解決手段】 炭化珪素基材の接合に当たって、炭化珪
素基材の表面に酸化珪素を形成し、アルミニウムまたは
その合金薄膜を介在させて加熱反応させることにより、
接合を行うもので、炭化珪素とアルミニウムとの反応を
阻止して、炭化珪素接合界面にアルミナとアルミニウム
またはその合金の複合相を形成させた状態にすることに
より、アルミニウム炭化物の形成による強度劣化を防止
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、半導体製造プロ
セスで使用するのに適した高純度炭化珪素接合体および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化珪素セラミック材料は、その
耐熱性、耐久性から構造材料として広く用いられてお
り、半導体製造プロセスにおいても、半導体熱処理炉の
耐熱材あるいはシリコンウェハ保持治具などに用いられ
ている。しかしながら、一般にセラミック材料は、その
焼成時に体積収縮があり、焼成後の機械加工を行わずに
所定の寸法を有する部材を製造することが極めて困難な
こと、また、セラミックは材料の破壊靱性が小さいため
機械加工が困難なことから、複雑形状の部材に成型する
ために、各種の手法が開発されている。そして、このよ
うな複雑形状に成型する手法として接合による成型方法
がある。
【0003】従来知られているセラミックの接合方法と
しては、メタライズ法、高分子接着剤法、ホットプレス
法、ガラスペースト法、酸化接合法等がある。
【0004】メタライズ法とは、種々の金属を含むろう
材を中間相形成成分として接合面の間に介在させて接合
する方法であるが、半導体製造プロセスで不純物となる
成分を使用しているため、汚染の原因となるので、半導
体製造プロセスで使用する部材には不適当である。
【0005】高分子系接着剤法とは、高分子系接着剤に
より接着・接合を行う方法であり、接着剤の耐熱温度が
数百℃と低いので、高温での使用を前提としている半導
体製造プロセスへの応用は困難である。
【0006】ホットプレス法とは、基材と同種または異
種のセラミックス系接着剤を接合面に介在させ、高温下
で加圧して接合する方法であるが、セラミックスの加圧
焼結を利用しているので、高温の加熱と加圧が必要であ
り、生産性や形状に制約がある。
【0007】ガラスペースト法とは、微粉ガラスを有機
ビヒクルに分散させたガラスペーストを接合面に介在さ
せて接合する方法であるが、ガラスの粘性を下げるため
に添加物(アルカリ、アルカリ土類、および金属等)を
加えているので、これらが不純物となって特に半導体製
造プロセスへの応用にとっては有害である。また、ペー
ストを塗布するため、接着後のガラス層の厚さが数十μ
m以上となり、接合強度が低いという問題がある。さら
に、接合温度が低いと、基材とガラス層の密着性が悪
く、接合強度が低くなる。
【0008】酸化接合法とは、表面に酸化物を形成さ
せ、その酸化物間で接合させる方法である。特に添加物
を用いずに接合できるので高純度の接合体が得られる。
しかし、接合面の密着性が不十分な場合は接合界面に未
接合部が残存してしまう。そのため、接合面の全面に渡
って密着させる必要があるが、このような表面の加工精
度を確保するのが困難で、大面積の接合には不適当であ
る。酸化接合法のこの点を改善する方法として、表面酸
化物間に金属薄膜を挟み込んで接合する方法が知られて
いる(特開昭63−85063号公報参照)。この方法
で得られる接合体を半導体製造工程で使用可能なものと
するためには不純物汚染を生じないように高純度材料の
みで接合が行えること、また使用時にパーティクルを発
生しないように、金属と酸化物さらに基材との接合時の
反応生成物の種類とその生成物相からなる組織が接合体
の強度を劣化させないこと等の点について、十分要求を
満たす必要があるが、これまでの接合体においては、こ
れらの点で十分満足できるものではなかった。また、こ
の公知技術においては、セラミックス表面の酸化層は、
セラミックス自体を酸化させて得ているもので、その厚
さは高々1μm以下であるものと考えられ、このような
薄い酸化膜では所期の効果を発揮し得ないという欠点が
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、半導
体製造プロセスで使用するのに適した炭化珪素接合体を
製造するにあたり、純度を低下させることなく接合強度
を改善することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、アルミニウムまたはアル
ミニウム合金と炭化珪素基材の間に酸化珪素膜を介在さ
せ、接合反応後はアルミナとアルミニウムまたはその合
金の複合相を形成させた状態にすることにより、アルミ
ニウムと炭化珪素が直接接触する確率を小さくしてアル
ミニウム炭化物の形成による強度劣化を抑制できること
に着目してなされたものである。
【0011】すなわち、第1の本発明は、炭化珪素基材
の接合界面にアルミナとアルミニウムまたはその合金か
らなる複合相を形成することによって炭化珪素基材を接
合した接合体である。また、かかる接合体において、複
合相の厚さが5〜35μmの範囲であることを特徴とす
る接合体である。
【0012】また、第2の本発明は、炭化珪素基材表面
に酸化珪素膜を形成した後、2つの被接合炭化珪素基材
間にアルミニウムまたはアルミニウム合金薄膜を挟持さ
せ、該アルミニウムまたはアルミニウム合金薄膜と該炭
化珪素基材表面に形成された酸化珪素膜とを反応させて
接合することを特徴とする炭化珪素接合体の製造方法で
ある。また、本発明の炭化珪素接合体の製造方法は、上
記炭化珪素基材表面に形成される上記酸化珪素膜の膜厚
が2〜5μmであることを特徴とするものである。ま
た、本発明の炭化珪素接合体の製造方法は、上記酸化珪
素膜の形成が、上記炭化珪素基材表面に熱処理によって
酸化珪素に転換できる物質からなる膜を形成した後、熱
処理によって酸化珪素膜とすることを特徴とするもので
ある。また、本発明の炭化珪素接合体の製造方法は、上
記接合が、真空または不活性雰囲気で、700〜100
0℃の温度範囲に加熱して行うことを特徴とするもので
ある。また、本発明の炭化珪素接合体の製造方法は、上
記アルミニウムまたはアルミニウム合金薄膜の膜厚が、
10〜25μmであることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の炭化珪素接合体について
説明する。本発明は、2つの炭化珪素基材の接合界面
に、アルミナとアルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなる複合相が形成されて接合されているものである。
本発明の炭化珪素基材としては、従来知られている反応
焼結炭化珪素焼結体、シリコン含浸炭化珪素焼結体、自
焼結炭化珪素焼結体など公知の炭化珪素セラミックを用
いることができる。2つの炭化珪素基材の接合界面の複
合相は、厚さをおよそ5〜35μmの範囲とすることが
好ましい。該複合相は、アルミナとアルミニウムまたは
その合金が入り組んだ海−島構造で存在している。
【0014】次に、本発明の炭化珪素接合体の製造方法
について説明する。まず、被接合体である炭化珪素基材
を準備する。この基材の表面粗さは、0.2〜2μmの
範囲が望ましい。表面粗さがこの範囲を上回ると、接合
強度が低下して実用的ではない。またこの範囲を下回る
と、被接合面が鏡面となり、酸化珪素膜形成時に炭化珪
素と酸化珪素との接合の強さに寄与するアンカー効果が
期待できないため、その表面に形成した酸化珪素膜と、
被接合面との接合強度が低下し剥離しやすくなる。
【0015】この炭化珪素基材を、まず接合に先立っ
て、有機溶剤中に浸漬して油脂等を除去した後、純水洗
浄・加熱乾燥する等の方法により、表面を清浄化するこ
とが望ましい。
【0016】次いで、炭化珪素基材の表面に、酸化珪素
膜を形成する。本発明で採用できる酸化珪素膜の形成方
法としては、溶射法、塗布焼付法、熱処理転換法等があ
る。溶射法は、炭化珪素基材の表面に2酸化珪素粉末を
燃焼炎、アーク、プラズマあるいはレーザーなどを用い
て高温で溶融しながら噴射して成膜する方法である。こ
の方法によれば、短時間に厚膜を成膜できるため効率的
である。塗布焼付法は、ゾル状のシリカを炭化珪素基材
に塗布し500〜900℃で焼き付ける方法である。こ
の方法によれば、比較的簡単な方法で成膜できる特徴が
ある。熱処理転換法は、炭化珪素基体表面に、熱処理に
よって酸化珪素膜に転換できる物質からなる膜を形成
し、300〜700℃で0.5〜3.0時間の熱処理に
よって酸化珪素膜とする方法である。この方法で用いる
出発物質としては、ポリシラザン、ポリシラノール 等
の高分子材料がある。この方法は、高純度であること
と、特にポリシラザンの場合、塗布膜の膜厚が熱処理に
よって収縮する比率が小さいので、厚膜を作成するのが
容易であるという特徴がある。
【0017】本発明で炭化珪素基材表面に形成する酸化
珪素膜の膜厚は、2〜5μmの範囲とすることが必要で
ある。酸化珪素膜の膜厚が、この範囲を下回った場合、
接合に用いるアルミニウム薄膜あるいはアルミニウム合
金薄膜と炭素との反応が生じやすく、生成物であるアル
ミニウムと炭素との反応物が水分と反応して劣化を起こ
しやすいため、使用環境によっては接合強度低下を生じ
やすい。一方、酸化珪素の膜厚が上記範囲を上回った場
合、接合強度が低下し、また接合強度においてばらつき
が大きくなり再現性に乏しくなる欠点がある。
【0018】次いで、上記方法により酸化珪素膜を形成
した炭化珪素基材の間に、厚さが10〜25μmのアル
ミニウムあるいはその合金の薄膜を挟持させる。この厚
さが、上記範囲を下回った場合、接合むらの問題が生
じ、またこの範囲を上回った場合、接合処理後の使用環
境による接合強度の劣化の問題が生じる。また、炭化珪
素基材の表面に酸化珪素皮膜を形成した状態で、アルミ
ニウムを挟み込まずに接合することも可能ではある。し
かしながら、その場合は、接合面間の隙間が4μm以下
になるような高い加工精度を実現しないと接合後の接合
界面に部分的に未接合部が残るため、十分な接合強度が
得られない。また、十分な接合強度を実現するために、
1000℃以上の高温で接合処理をする必要がある。従
って、酸化珪素膜を形成して接合する場合と比較して実
用性に乏しい。
【0019】次いで、炭化珪素基材にアルミニウムもし
くはその合金薄膜を挟持した状態で、真空または不活性
雰囲気中で700〜1000℃に加熱し、溶融したアル
ミニウムあるいはその合金と酸化珪素を反応させ、アル
ミナとアルミニウムあるいはその合金の複合相を形成さ
せることにより、炭化珪素基材を接合する。かかる接合
の際、溶融したアルミニウムもしくはその合金と酸化珪
素との濡れ性が良好であるため、特に加圧しなくとも自
重のみで十分接合が行われるが、接合の際の位置精度を
要求される場合には、炭化珪素基材を固定するために加
圧しても差し支えない。
【0020】本発明においては用いるアルミニウムは高
純度であることが望ましく、また、アルミニウム合金と
しては、アルミニウムを20%以上含有し、Si、C
u、やMgなどとの合金であって、その融点が1000
℃以下のものが望ましい。いずれにしても、得られる炭
化珪素接合体を半導体製造プロセスにおいて用いる際に
製造装置内部において不純物汚染を引き起こさないため
に、高純度のものを用いた方がよい。
【0021】以上に詳述したように、本発明では、融点
の低いアルミニウムまたはその合金を用いているため、
1000℃以下の低い温度で液相接合が可能にすること
ができる。これは、接合部材の大型化に伴い、接合熱処
理時やその後の冷却時に発生する熱応力の増大化を抑制
することに繋がり、大型部材を容易に接合する方法とし
て重要である。また、上記接合工程において、アルミニ
ウムもしくはその合金は液相になっているので、被接合
物間に多少の間隙があっても、毛細管現象によって均一
に広がることになり、また、表面に酸化珪素膜が存在す
ることによって炭化珪素基材とアルミニウムの濡れ性が
向上していることと相まって、接合面の密着性を向上す
ることができる。従って、接合面の全面でアルミニウム
またはその合金と酸化珪素が接触することができ、未接
合部を残さないようにできるので接合強度が向上する。
本接合体の製造方法によって作製された接合部の曲げ強
さは、180MPa以上であり極めて高強度の炭化珪素
接合体が得られる。
【0022】また、こうして得られた接合体は、不純物
により汚染される恐れは極めて低く、接合体の不純物レ
ベルは接合工程を経ていない炭化珪素基材とほぼ同程度
であり、純度的に優れている。従って、半導体製造プロ
セスに使用される炭化珪素部材としては最適である。
【0023】以上に記載したように、本発明は半導体製
造用部材に適した材料を実現できるが、本発明方法によ
って得られた材料は充分な接合強度が得られるので、半
導体製造プロセス以外にも適用可能である。また、大面
積の炭化珪素板材の接着にも本発明方法は適用可能であ
る。
【0024】
【実施例】(実施例1)本発明における炭化珪素基材の
表面粗さの影響について検討するために、3x4x10
mmの試験片4組を準備した。そして、試料の4mm幅
の面を所定の平均粗さに仕上げ、炭化珪素基材の表面粗
さを変化させて、接合した時の接合強度への影響を調べ
た。すなわち、4組の試料の表面粗さ(平均粗さ:R
a)を、0.5、0.9、1.5、3.2μmとした。
これを図1に示すように、4mm幅の面を長さ5mm分
だけ重ねて接合面とした。接合面の酸化珪素膜厚さを、
3.5μmとした。次いで、15μm厚さのアルミニウ
ム薄膜を挟み込み、900℃でArガス雰囲気中で1時
間加熱して接合した。得られた接合体について、図2に
示すように、接合試験片に荷重をかけて、接合部のせん
断破壊荷重を求めた。その結果を表1に示す。表の結果
から明らかなように、平均粗さ1.5μm(基材間の最
大空隙にして3μmに相当する)までは比較的高い接合
強度が得られたが、それよりも粗くなると接合強度は急
激に低下することが判明した。
【0025】
【表1】
【0026】(実施例2)次いで、酸化珪素膜厚と接合
強度との関係を調べるために、表面粗さ(Ra)が0.
9μmの試験片4組を作製し実施例1と同様の条件で接
合を行った。接合後の接合強度測定用試料作成は、接合
面が試験片の長手方向の中央部に垂直に入るように切り
出して行い、接合強度の試験は、試験片の3点曲げ強さ
を測定して行った。
【0027】得られた接合強度の結果を、酸化膜厚と共
に表2に示す。表2の結果から明らかなように、酸化膜
厚が0.9〜4.3μmの範囲では曲げ強さはほぼ一定
であり、ばらつきも同程度であった。一方、酸化珪素膜
の膜厚がこれよりも厚い6.2μmの試験片では、曲げ
強さのばらつきが大きくなり、接合強度の平均値では上
記試験片の結果と比較して半減した。この結果から、酸
化膜厚が厚くなりすぎると接合強度のばらつきが大きく
なり、かつ、その平均値が小さくなることが明らかとな
った。
【0028】
【表2】
【0029】上記表2において、酸化膜厚が6.2μm
の時の曲げ強さはばたつきが大きく、しかも、低い値に
偏っていたために、平均値が分布の中央値よりも小さく
なった。他の場合は平均値と中央値がほぼ一致してい
た。
【0030】(実施例3)次に、各種接合方法により得
られる接合体の半導体への汚染の程度について調査する
ために、メタライズ法、ガラスペースト法、および本発
明方法で接合した試験片を用いて、高温でのシリコンウ
エハへの汚染の程度を比較測定した。不純物成分として
Na、Ti、Feを測定した。その結果を表3に示す。
メタライズ法では、接合に用いたTiによる汚染が顕著
であった。ガラスペースト法では、添加物として含まれ
ていたと思われるNa、Tiによる汚染が顕著であっ
た。一方、本発明の方法では、炭化珪素基材のみの場合
と同レベルの軽微な汚染がNaとFeで検出された。従
って、添加物を用いない本発明方法が純度的に優れてい
ることが示された。
【0031】
【表3】
【0032】表中、‘−’は当該不純物が検知されない
ことを意味し、‘+’は多いほど多量に検出されたこと
を意味する。
【0033】(実施例4)次に、本発明において、酸化
珪素膜の有無と炭化珪素基材とアルミニウムとの反応の
接合に及ぼす影響を調べるために、酸化珪素膜の膜厚を
変化させた試料を2組作成して、水中煮沸処理による接
合強度の変化を測定した。アルミニウムと炭化珪素との
反応によって生成されるアルミニウム炭化物(Al
)は水との反応性が高い。この反応によって接合体の
強化が劣化することが知られている。その結果を評価す
るために実施例2で用いたと同様の曲げ試験片(酸化珪
素膜厚:0.9μmと4.3μm)を1週間の水中煮沸
処理による加速試験を行った。結果を表4に示す。酸化
珪素膜厚が0.9μmと薄い試験片では3点曲げ強さが
処理前の210〜330MPaから110〜180MP
aへと明らかに強度が劣化した。一方、酸化珪素膜厚が
4.3μmと厚い試験片では3点曲げ強さは処理前の2
20〜370MPaから処理後の190〜350MPa
へと強度の低下はわずかであった。強度劣化があった酸
化珪素膜厚が0.9μmと薄い試験片の断面のEPMA
観察においても、接合界面にAlは検出できなか
った。したがって、Al相は反応して強度を劣化
させる程度には形成されているが、EPMAで検出でき
るほどの厚さではないと考えられる。
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】本発明によって得られた炭化珪素接合体
は、半導体製造プロセスで用いるのに十分な純度を有
し、かつその接合強度も極めて高いため、十分実用性の
ある炭化珪素接合体を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】接合強度の測定を行うための接合試験片を示す
斜視図である。
【図2】接合強度の測定方法を示す概念図である。
【符号の説明】
1・・・炭化珪素基材 2・・・接合界面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 設楽 広明 神奈川県秦野市曽屋30 東芝セラミックス 株式会社内 (72)発明者 市島 雅彦 神奈川県秦野市曽屋30 東芝セラミックス 株式会社内 Fターム(参考) 4G001 BB22 BB63 BC71 BD38 BE32 4G026 BA14 BB14 BC01 BD08 BD12 BF33 BF42 BG04 BG23 BG26 BH06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化珪素基材の接合界面にアルミナとアル
    ミニウムまたはアルミニウム合金からなる複合相が形成
    されていることを特徴とする炭化珪素接合体。
  2. 【請求項2】上記アルミナとアルミニウムまたはアルミ
    ニウム合金からなる複合相の厚さが5〜35μmである
    ことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素接合体。
  3. 【請求項3】炭化珪素基材表面に酸化珪素膜を形成した
    後、2つの被接合炭化珪素基材間にアルミニウムまたは
    アルミニウム合金薄膜を挟持させ、該金属薄膜と該炭化
    珪素基材表面に形成された酸化珪素膜とを反応させて接
    合することを特徴とする炭化珪素接合体の製造方法。
  4. 【請求項4】上記炭化珪素基材表面に形成される上記酸
    化珪素膜の膜厚が2〜5μmであることを特徴とする請
    求項3に記載の炭化珪素接合体の製造方法。
  5. 【請求項5】上記酸化珪素膜の形成が、上記炭化珪素基
    材表面に熱処理によって酸化珪素に転換できる物質から
    なる膜を形成した後、熱処理によって酸化珪素膜とする
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の炭化
    珪素接合体の製造方法。
  6. 【請求項6】上記接合は、真空または不活性雰囲気で、
    700〜1000℃の温度範囲に加熱して行うことを特
    徴とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の炭
    化珪素接合体の製造方法。
  7. 【請求項7】上記アルミニウムまたはアルミニウム合金
    薄膜の膜厚が、10〜25μmであることを特徴とする
    請求項3ないし請求項6に記載の炭化珪素接合体の製造
    方法。
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