JP2001009966A - 溶接可能な黒色金属板 - Google Patents

溶接可能な黒色金属板

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岳史 渡瀬
Tadashige Nakamoto
忠繁 中元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膜を溶接可能な程度に薄膜厚にしたとして
も、黒色外観に優れた溶接可能黒色金属板を提供する。 【解決手段】 原板に黒色皮膜が被覆されると共に溶接
可能であり、該原板として、JIS Z8729により
測定されるL値が56以下の金属板を用いることにより
黒色外観が高められた溶接可能黒色金属板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接可能な黒色金
属板に関する。詳細には、本発明の黒色金属板は、原板
である金属板自身の色調をうまく利用するものであり、
これにより、溶接性付与を目的として金属板に0.4〜
3μmの薄塗膜を被覆したとしても良好な黒色度を発揮
し得る、溶接性と黒色性を兼ね備えた溶接可能黒色金属
板が得られる点で極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】家電製品や自動車等の分野では、溶接性
と黒色性の双方に優れる溶接可能黒色金属板へのニーズ
が高まっている。この様なニーズに応えるべく、主に亜
鉛系めっき鋼板のめっき層を反応または電解処理するこ
とにより黒色皮膜を形成したり、めっき鋼板の表面にカ
ーボンブラック等の黒色無機顔料や黒色染料を含む黒色
樹脂皮膜を塗布する等の方法が採用されている。
【0003】しかしながら、上記方法では、所望の黒色
度を付与する為、皮膜厚はどうしても厚くならざるを得
ず、皮膜厚が厚くなると所望の溶接性が得られないとい
う悪循環に陥ってしまう。例えばカーボンブラック等の
黒色顔料は隠蔽効果が小さいため、所望の黒色色調を得
る為には塗膜厚を10μm以上に厚くする必要があり、
溶接可能な薄膜厚(一般に5μm以下)では、黒色度が
不充分であるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであり、その目的は、皮膜を溶接可
能な程度に薄膜厚にしたとしても、黒色外観に優れた溶
接可能黒色金属板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明に係る溶接可能な黒色金属板は、原板に黒色皮膜が
被覆されると共に溶接可能であり、該原板として、JI
S Z8729により測定されるL値が56以下の金属
板を用いることにより黒色外観が高められたものである
ところに要旨を有するものである。かかる金属板として
は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の使用が推奨され、なか
でも鋼板中のFe含有率が8重量%以上である合金化溶
融亜鉛めっき鋼板は、所望の黒色度を得るうえで一層好
ましい態様である。
【0006】また、本発明における黒色皮膜は、原板色
調の隠蔽を目的とした顔料を含有せず、顔料として、実
質的にカーボンブラックのみを含有するものであるとこ
ろに特徴を有する。ここで、上記黒色皮膜の厚さは0.
4〜3μmであることが好ましく、これにより、溶接性
と黒色性を兼ね備えた金属板が得られる。また、上記黒
色皮膜に、更にクリヤー皮膜を施したものは、上記特性
に加え、耐疵付き性も高められるので、極めて有用であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者らは、溶接可能で、しか
も黒色外観に優れた金属板を提供すべく検討してきた。
特に、従来の溶接可能黒色金属板は、金属板表面に形成
される黒色樹脂皮膜の組成を調整したりめっき皮膜を黒
色化したりする等、皮膜側に着目したものが殆どであっ
たという実情に鑑み、本発明者らは視点を変え、皮膜で
はなく、従来あまり重要視されていなかった原板に着目
し、所望の特性を発揮し得る原板特性を特定すべく検討
を重ねた。その結果、本発明における溶接性と黒色性の
両特性を具備させるには、原板の色調が極めて重要であ
ることを突き止めた。
【0008】溶接可能黒色金属板において用いられる金
属板(原板)は特に限定されておらず、一般に、電気亜
鉛めっき鋼板(EG)、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)等の種々のめっき鋼
板が無作為に使用されているのが実状である。ところ
が、本発明者らが原板について詳細に検討したところ、
一般に白色系のEGやGIを用いた場合、溶接性向上の
ため皮膜を薄塗膜すると、所望の黒色度が得られないの
に対し、一般に色調がグレーであるGAを用いると、皮
膜を薄塗膜したとしても原板自体がグレーの色調である
ため、原板の色調が有効に活かされ、所望の黒色度が容
易に得られることが分かった。即ち、本発明では、所望
の黒色度付与に当たり、原板の色調(グレー系色調)を
うまく利用したところに最重要ポイントがあり、「原板
の色調を活かしつつ、溶接可能黒色金属板を得る」とい
う技術的思想は本発明によって始めて開示されたもので
ある。
【0009】尚、本発明の如く「黒色金属板」ではない
が「落ち着いたグレー色を呈する着色潤滑処理亜鉛系め
っき鋼板」の提供を目的とし、且つ、本発明と同様、
「原板」に着目したものとして、特許第2743777
号が挙げられる。同公報は、GAのめっき鋼板の上にク
ロメート被膜を形成し、その上にワックスとシリカ粒子
を含有し、顔料を含まない樹脂皮膜を形成したものであ
り、「上層の樹脂皮膜は、顔料を含有しないクリアータ
イプのものであるにもかかわらず、樹脂皮膜での被覆に
より外観の色調が暗色化し、GAにあった金属光沢が消
えて好ましいグレーの色調に変化する」旨記載されてい
る。そして、この様に色調が変化する理由として、「表
面が比較的平滑なEGやGIに対し、GAはめっき皮膜
の表面粗さが大きいため、該めっき表面の凹凸で光が乱
反射し、樹脂中での光路長が長くなることによって、光
が樹脂中で吸収される割合が多くなるため、母材GAの
めっき被膜を直接見たときよりも暗く見える」と推察し
ている。この様に上記公報は、GAのめっき皮膜の表面
粗さに着目したもので、「GAのめっき皮膜の表面粗さ
によって色調が変化する」作用を巧みに利用したもので
あり、「GAにあった金属光沢を消して所望のグレー系
色調に変化させる」ものである点で、「GAに代表され
る、原板のグレー系色調をそっくりそのまま利用して、
所望の黒色度を得る」本発明とは、技術的思想を異にす
るものである。また、両者は得られる外観色調も相違
し、上記公報は「落ち着いたグレー系色調」であるのに
対し、本発明は黒色色調と、色調を異にするものであ
る。
【0010】従って、本発明によれば、前述したカーボ
ンブラック使用による問題点に関し、何ら特別の技術を
必要とすることなく、単に原板としてグレー系金属板を
用意するだけで、薄塗膜化による溶接可能黒色鋼板が得
られるというメリットがある。従来より、「黒色顔料で
あるカーボンブラックは所望の黒色度を得るには有効で
あるものの、隠蔽能が低いため、溶接可能な薄膜化に対
応するには使用が困難である」という理由により、その
単独使用を避け、例えばカーボンブラックを黒色染料と
特定の配合比で配合する等の工夫がなされていた(特開
平7−186322号)。しかしながら、本発明によれ
ば、原板としてグレー系色調の金属板を用いるため、カ
ーボンブラックを単独で使用したとしても、溶接性に悪
影響を及ぼすことなく、即ち、薄膜下のままでも所望の
黒色度が得られることが分かった。
【0011】この様に本発明では、原板として、溶接可
能な黒色金属板の提供に当たり、グレー系色調の金属板
をうまく利用したところに技術的思想を有するものであ
り、例えば特開昭63−128935号公報に代表され
る如く、原板の色調を隠蔽して所望の黒色度を付与する
という思想は全くなく、原板の色調を積極的に利用し、
活用するものである。よって、本発明では、皮膜中に、
原板色調の隠蔽を目的とした顔料(TiO2等)を含有
せず、顔料としては、実質的にカーボンブラックのみを
含有するだけで、溶接可能な薄膜厚の範囲で所望の黒色
度が得られるというメリットがある。
【0012】以下、本発明を構成する各要件について説
明する。
【0013】まず、本発明の溶接可能黒色金属板は、原
板として、JIS Z8729により測定されるL値が
56以下の金属板を用いることが必要である。前述した
通り、本発明は原板の色調をうまく利用したものである
ところに最重要ポイントがあり、これにより、溶接可能
な膜厚の範囲で黒色外観が高められるため、原板の色調
は極めて重要である。
【0014】この様な色調を有する金属板としては、一
般にGAが代表的に挙げられる。通常、EGやGIは白
色系色調を有するのに対し、GAはグレー系色調を有す
るからである。また、GAを用いる場合、鋼板中のFe
含有率は8重量%以上であることが好ましい。8重量%
未満では、所望の黒色外観を得ることが困難だからであ
る。より好ましくは9重量%以上である。尚、その上限
は特に限定されないが、加工時のめっき剥離等を考慮す
れば14重量%以下(より好ましくは13重量%以下)
とすることが推奨される。
【0015】勿論、本発明では原板をGAに限定する趣
旨では決してなく、要するにL値が上記範囲を満足する
金属板を使用すれば良いのである。従って、本発明に用
いられる金属板としては、上記色調を満足するものであ
る限り、軟鋼やステンレス鋼板を始めとする各種合金鋼
板の他、Al・Al合金板、Cu・Cu合金板、Ti・
TI合金板、或いはこれらの金属板に対してZn・Zn
合金めっき、Al・Al合金めっき、Cu系めっき、N
i系めっき、Cr系めっきなどを施した各種めっき金属
板や、リン酸塩処理、クロメート処理などの化成処理を
施した金属板などを採用することができる。
【0016】次に、上記金属板に被覆される黒色皮膜に
ついて説明する。本発明は黒色外観に加え、溶接性付与
を目的とするものであるから、皮膜の厚さは溶接可能
な、0.4〜3μmの範囲とすることが推奨される。
0.4μm未満では所望の色調が得られない。より好ま
しくは0.8μm以上である。一方、3μmを超えると
所望の溶接特性が得られない。より好ましくは2.5μ
m未満である。
【0017】上記黒色皮膜に関し、最も重要なポイント
は、顔料として、実質的にカーボンブラックのみを含有
し、原板色調の隠蔽を目的とした顔料は含有しない、と
いう点である。従来の溶接可能黒色金属板では、所望の
黒色度を得るために、一般に、カーボンブラック等の着
色顔料に加え、原板色調の隠蔽を目的とした顔料(例え
ばTiO2,CaCO3,BaSO4等)を添加してい
た。これは、溶接可能な程度に皮膜を薄膜化しようとす
ると、必然的にカーボンブラックの添加量を少なくしな
ければならないため、所望の黒色度を得るには、カーボ
ンブラックの低減量に対応し、原板の色調を隠蔽し得る
顔料を別途添加しなければならなかったためである。こ
れに対し、本発明では、従来の如く原板の色調を隠蔽し
ようという思想は全くなく、それとは逆の、原板の色調
を積極的に利用しようというものであるから、上記顔料
の添加は本発明では排除されるべきである。実際のとこ
ろ、この様な顔料を皮膜中に添加すると、当該顔料を添
加しない場合に比べ、黒色度が低下することが明らかに
なった(後記する実施例を参照)。
【0018】従って、本発明は、原板のみならず皮膜成
分においても、従来のものとは著しく相違するものであ
る。
【0019】但し、本発明では、原板色調の隠蔽を目的
としない、他の顔料の添加を排除するものではなく、例
えば防錆顔料,シリカ等の顔料については、本発明の作
用を損なわない範囲で、積極的に添加することが推奨さ
れる。
【0020】尚、カーボンブラックの添加量は3〜20
重量%とすることが好ましい。3重量%未満では所望の
黒色度が得られず、一方、20重量%を超えると、液の
安定性や塗装性に悪影響を及ぼす様になるからである。
より好ましくは6重量%以上、18重量%以下である。
【0021】また、上記皮膜には、カーボンブラックの
他、架橋剤を添加することができる。本発明に用いられ
る架橋剤としては、例えばメラミン系化合物やイソシア
ネート系化合物等が挙げられ、これらを1種または2種
以上、0.5〜10重量%の範囲で添加することが推奨
される。
【0022】尚、皮膜中に添加される樹脂は特に限定さ
れず、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコ
ン系樹脂、およびそれらの混合または変性した樹脂等を
適宜使用することができる。
【0023】本発明金属板の基本構成は上述した通りで
あるが、更に耐疵付き性の付与を目指して、上記皮膜
に、更にクリヤー皮膜を施した二層皮膜構成とすること
が推奨される。これは、たとえ黒色皮膜に疵が付いたと
しても、クリヤー皮膜を施すことにより当該疵を目立た
なくしようとするものであり、クリヤー皮膜形成による
作用を有効に発揮させる為には、クリヤー皮膜の厚さを
0.2〜2μmの範囲に調整することが好ましい。より
好ましくは0.3μm以上、1.5μm以下である。
【0024】また、上記クリヤー皮膜を構成する樹脂と
しては特に限定されず、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ
素系樹脂、シリコン系樹脂等の樹脂、及びこれら樹脂の
混合物または変性した樹脂等が挙げられる。更にクリヤ
ー皮膜中には、本発明の作用を損なわない範囲で、架橋
剤、ワックス、艶消し剤、顔料等を添加しても良い。
【0025】次に本発明の金属板を製造する方法につい
て説明する。本発明の金属板は、上記成分を含む塗料
を、公知の塗装方法で原板の表面に塗布し、乾燥させて
製造することができる。塗装方法は特に限定されない
が、例えば表面を清浄化して、必要に応じて塗装前処理
(例えばリン酸塩処理、クロメート処理など)を施した
長尺金属帯表面に、ロールコーター法、スプレー法、カ
ーテンフローコーター法などを用いて塗料を塗工し、熱
風乾燥炉を通過させて乾燥させる方法などが挙げられ
る。皮膜厚さの均一性や処理コスト、塗装効率などを総
合的に勘案して実用上好ましいのは、ロールコーター法
である。
【0026】尚、樹脂塗装を施す金属板には、樹脂皮膜
との密着性または耐食性の向上目的で、塗装前処理とし
てリン酸塩処理またはクロメート処理を施しても構わな
い。但し、クロメート処理材については、樹脂塗装金属
板使用中のクロム溶出性の観点から、クロメート処理時
のCr付着量を35mg/m2以下に抑制することが好
ましい。この範囲であれば、本発明の表面処理金属板
は、下地クロメート処理層からのクロム溶出を抑えるこ
とが可能である。また、従来のクロメート処理材は必要
に応じて設けられる上塗り塗装の耐水密着性が、6価ク
ロムの溶出に伴って、湿潤環境下において低下する傾向
にあるが、本発明の表面処理金属板では溶出が抑制され
るため、上塗り皮膜の耐水密着性が悪化することはな
い。
【0027】以下実施例によって本発明をさらに詳述す
るが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本
発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することはすべ
て本願発明に含まれる。
【0028】
【実施例】実施例1 本実施例は、原板の色調が、黒色度及び溶接性に及ぼす
影響について調べたものである。
【0029】まず、表1に示す種々の原板にクロメート
処理(Cr付着量20mg/m2)を行った。このクロ
メート処理鋼板の表面に、ポリエステル樹脂を、付着量
を種々変化させて塗布すると共に、カーボンブラック
(15重量%)、及び必要に応じて隠蔽を目的とした無
機顔料を塗布した後、焼付け、乾燥して各供試材を作製
した。得られた黒色皮膜の膜厚及び無機顔料の添加の有
無を表1に併記する。
【0030】上記各供試材について、以下の試験を実施
した。
【0031】(1)黒色度 スガ試験機株式会社製の多光源分光光度計(形式MS
C)を用い、JIS Z8729に規定されている方法
に則り、黒色皮膜のL値を測定した。その評価基準以下
の通りである。 ◎:L≦40 ○:40<L≦45 ×:L>45
【0032】(2)溶接性試験 下記条件でスポット溶接を行い、連続打点数を測定し
た。 電 極:Cr−Cu、D型 電 極 径:6mmφ 溶接電流 :10kA 通電加圧力:200kg 通電時間 :12サイクル/60Hz 得られた連続打点数に応じ、下記基準により評価した。 ◎:300打点以上 ○:100打点以上300打点未満 ×:100打点未満
【0033】これらの結果を表1に併記する。尚、表
中、EGは電気亜鉛めっき鋼板、GIは溶融亜鉛めっき
鋼板、GAは合金化溶融亜鉛めっき鋼板を夫々意味し、
EG及びGIは、本発明で特定する色調範囲を満足しな
いが、GAは本発明の範囲を満足する色調を有するもの
である。
【0034】
【表1】
【0035】No.1〜20は、原板として色調が本発
明の要件を満足するGAを用いた例であり、原板色調の
隠蔽を目的とした無機顔料(以下、単に無機顔料と略記
する)を添加せず、顔料としてカーボンブラックのみを
添加するだけで、黒色度及び溶接性の双方に優れた鋼板
が得られた。尚、無機顔料としてCaCO3を添加した
No.18、TiO2を添加したNo.19、BaSO4
を添加したNo.20は、無機顔料を添加しないNo.
3に比べ、黒色度及び溶接性が若干低下した。
【0036】尚、No.21は黒色皮膜の膜厚が薄く、
カーボンブラックの添加量が不足するため、所望の黒色
度が得られない例;一方、No.22は、黒色皮膜の膜
厚が厚く、黒色度は良好であるが溶接性が低下する例で
ある。
【0037】また、No.23及びNo.24は、原板
の色調が本発明の要件を満足しないEG及びGIを使用
した例であり、溶接可能な範囲に皮膜厚が調整されてい
るため、溶接性は良好であるものの、原板の色調が白色
系であるため、充分な黒色度が得られなかった。
【0038】実施例2 本実施例は、黒色皮膜の上に施したクリヤー皮膜によ
る、耐疵付き性向上効果を調べたものである。
【0039】原板として、表2に示すGAを用い、実施
例1と同様にして黒色皮膜を形成した後、更にロールコ
ーター法により、皮膜厚さの種々異なるクリヤー皮膜
(ポリエステル樹脂を使用)を被覆した。
【0040】この様にして得られた供試材について、実
施例1と同様にして黒色度および溶接性を評価すると共
に、以下の要領で耐疵付き性を測定し、下記基準で評価
した。
【0041】(3)耐疵付き性試験 試験サンプル表面に、10円硬貨を45°に傾けた状態
で荷重200gで押付け、10cm/sの速度でサンプ
ル表面を擦った後の皮膜外観変化を下記基準で評価し
た。 評価基準 ◎:異常なし ○:僅かに痕跡あり これらの結果を表2に併記する。
【0042】
【表2】
【0043】表2より、クリヤー皮膜を本発明の好まし
い範囲に制御したNo.25〜32は、クリヤー皮膜を
施さないNo.34に比べ、耐疵付き性が向上すること
が分かる。
【0044】尚、クリヤー皮膜の膜厚が本発明の好まし
い範囲を下回るNo.33は、耐疵付き性向上作用に乏
しい。また、クリヤー皮膜の膜厚が本発明の好ましい範
囲を超えるNo.35は、耐疵付き性向上作用に乏しい
のみならず、溶接性も低下した。
【0045】
【発明の効果】本発明の溶接可能金属板は以上の様に構
成されているので、皮膜を溶接可能な程度に薄膜厚に調
整したとしても、黒色外観に優れた溶接可能黒色金属板
を容易に提供することができた。本発明によれば、原板
のグレー系色調を積極的に利用し、活用するものである
ため、皮膜中には、従来、単独使用が困難であったカー
ボンブラックのみを実質的に用い、原板色調の隠蔽を目
的とした無機顔料を添加しなくとも、黒色度に優れた溶
接可能金属板が得られる点で非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA02H AA07H AA08H AA21H AA22 AA37B AA37H AB01A AB03A AB18A AK41 BA02 BA03 BA07 CA13B CC00B CC00C EH71A EJ69 GB32 GB48 HB00B JK09C JK16C JL00 JL10B JN01C JN30A YY00A YY00B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原板に黒色皮膜が被覆されると共に溶接
    可能であり、 該原板として、JIS Z8729により測定されるL
    値が56以下の金属板を用いることにより黒色外観が高
    められたものであることを特徴とする溶接可能な黒色金
    属板。
  2. 【請求項2】 前記皮膜には、顔料として、実質的にカ
    ーボンブラックのみを含有するものである請求項1に記
    載の黒色金属板。
  3. 【請求項3】 前記金属板は、合金化溶融亜鉛めっき鋼
    板である請求項1または2に記載の黒色金属板。
  4. 【請求項4】 前記鋼板中のFe含有率は8重量%以上
    である請求項3に記載の黒色金属板。
  5. 【請求項5】 前記皮膜の厚さは0.4〜3μmである
    請求項1〜4のいずれかに記載の黒色金属板。
  6. 【請求項6】 前記皮膜に、更にクリヤー皮膜を施すこ
    とにより耐疵付き性が高められたものである請求項1〜
    5のいずれかに記載の黒色金属板。
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