JP2000516219A - ケラチノサイト増殖を抑制する方法と組成物 - Google Patents
ケラチノサイト増殖を抑制する方法と組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
中性ガリウム錯体の局所投与によって哺乳動物の皮膚細胞増殖、特にヒトのケラチノサイト増殖を抑制するための方法が開示される。
Description
【発明の詳細な説明】
ケラチノサイト増殖を抑制する方法と組成物
発明の背景
発明の分野
本発明は、一つには哺乳動物の皮膚細胞の増殖を、特にヒトのケラチノサイト
増殖を抑制するための方法を導く。本発明の方法において、中性のガリウム錯体
の局部投与が、上記を一定の濃度で使用する場合、ケラチノサイト増殖を有意に
抑制することが見出されている。
本発明はまた、一つにはケラチノサイトの過剰な増殖によって特徴付けられる
、乾癬のような疾患状態の治療または防止のための方法をも導く。
さらにまた本発明は、一つには、特有な中性のガリウム錯体を備える組成物で
ある局所適用のために好適な製薬組成物をも導く。
参考文献
以下の公知文献、特許及び特許出願は上付数字として本出願中に引用される:
1 Warrell,Jr.ら,米国特許第4,529,593号の"Use of Gallium Salts to Treat
Disorders of Calcium Homeostasis",1985年7月16日発行
2 Warrell,Jr.ら,"Gallium in the Treatment of Hypercalcemia and Bone M
etastasis",in"Important Advances in Oncology 1989",DeVita,Jr.,Edi
tor,J.P.LippincottCompany,Philadelphia,PA
3 Bockman,ら,米国特許第4,704,277号の”Methods for Treating Bone Diso
rders",1987年11月3日発行
4 Collery,米国特許第4,596,710号の"Gallium Chloride as a New Anti-Cance
r Drug",1986年6月24日発行
5 Aamson,ら,"Studies on the Antiturmor Activity of Gallium Nitrate(NS
C-15200)and Other Group IIIa Metal Salts",Chemotherapy Reports,Part
1,59:599-610(1975)
6 Bockman,ら,国際特許出願公開No.WO 91/10437,"Methods of Enhancing Woun
d Healing and Tissue Repair",1991年7月25日公開
7 Whitacre,ら,"Suppression of Experimental Autoimmune Encephalomyelit
is by Gallium Nitrate",J.Neuroimmnuno.,39:175-182(1992)
8 Matkovic,ら,米国特許第5,175,006号の"Method of Treating Arthritis Usi
ng Gallium Compounds",1992年12月29日発行
9 Matkovic,ら,"Gallium Prevents Adjuvant Arthritis in Rats and Interfe
res with Macrophage/T-Cell Function in the Immune Response",Current
Therap.Res.,20(2):255-267(1991)
10 Bernstein,米国特許第5,258,376号(1993)の"Pharmaceutical Compositions
of Gallium Complexes of 3-Hydroxy-4-Pyrones",1993年11月2日発行
11 Wilkinson,ら,"Nerve Growth Factor Increases the Mitogenicity of Cert
ain Growth Factors for Cultured Human Keratinocytes:A Comparison wit
h Epidermal Growth Factor"Exper.Dermatol.,3:239-245(1994)
12 Landegren,"Measurement of Cell Numbers by Means of the Endogenous En
zyme Hexosaminidase.Applicants to Detection of Lymphokines and Cell
Surface Antigens",J.Immunol.Methods,67:379-388(1984)
上記公知文献、特許及び特許出願の全ては、もしそれぞれの公知文献、特許及
び特許出願がその全部を参照によって併合することを明確に且つ個別に示される
ものとしてそれらの同じ範囲の全てが参考によりここに併合される。
技術の記述
ガリウム塩は、高カルシウム血症、ガン及び骨粗しょう症とパジェット病のよ
うなある種の変質または代謝の骨の疾患を含む、多くのヒト及び哺乳動物の疾患
の治療において当該分野で有用とされることが開示される1-5。ガリウムはまた
、低濃度での皮膚中のケラチノサイトの成長の刺激を含む、トランスホーミング
成
長因子βの分子作用とよく似ることも開示され、それによって外傷治癒と組織再
生を促進することにおける有用性が見出されている6。ガリウムの使用の他の報
告は、実験的な自己免疫脳脊髄炎の抑制7;慢性関節リウマチの防止8;及び免疫
応答におけるマクロファージ/T細胞機能の妨害9、を含む。
そのような治療において、ガリウムそれ自身が活性剤であるように見える;投
与されたガリウムの形(例えば、硝酸塩、硫酸塩又は塩化物として)は、その活性
に影響を及ぼすとは思われない2,5,6。
ガリウム塩の経口投与は、ガリウムの必要な血中レベルを有効とするためにガ
リウム塩の高い投薬量が要求されるとして当該分野において開示される1,3。バ
ーンスタイン(Bernstein)10は、しかしながら、中性ガリウム3-ヒドロキシ-4-
ピロン錯体が経口投与される場合にガリウムの増大された生物学的利用能を提供
することを開示する。
上記したにもかかわらず、ある種の哺乳動物疾患の臨床的な基礎は、ケラチノ
サイトの過剰な増殖である。通常の皮膚において、表皮層の継続した再生化は、
ケラチノサイトの制限された生産によって制御され、これらケラチノサイトの部
分は分化し且つ皮膚の頂部に移動し、それらは角化し且つ死滅する。これらの死
滅細胞は皮膚から結局は剥離し且つ全体のプロセスはほぼ28から30日の期間
にわたり起こる。
しかしながら、乾癬は、細胞分化の減少に一致する表皮ケラチノサイトの過剰
な増殖によって特徴付けされる。その細胞は典型的には、ほんの約3から6日で
皮膚の頂部に移動する。これらの過剰な皮膚細胞は積み重ねられ、乾癬の特徴的
な高められた赤い鱗状の病変を形成し、普通は死滅した皮膚細胞の白色鱗状の小
片で覆われる。この状態の全般的な結果は、胴、肘などの上に位置した身体の広
く行き渡った、醜く外観を損なれる、鱗状の、時々かゆみのあるエリアである、
しかし皮膚のいずれかのエリアに出現可能であり、且つ幾つかのケースにおいて
身体の大きな部分を覆うことが可能である。
本発明は、中性ガリウムキレートが、十分に高い濃度で、ケラチノサイトの増
殖を抑制すること、及びそれによって皮膚細胞の過増殖に結び付けられる疾患状
態、特にケラチノサイトの過増殖に結び付けられるそれら疾患状態を治療または
防止することにおいて有用であることの知見に基づいている。ここでの特に重要
なケラチノサイトの過増殖に結び付けられるそのような疾患状態は、乾癬、アト
ピー性皮膚炎、接触皮膚炎、湿疹様の皮膚炎、脂漏性皮膚炎、及び扁平苔癬であ
る。本発明の局所製薬組成物はまた、例えば:角質増殖症、紅斑角皮症、魚鱗癬
、光線角化症、ざ瘡、基底細胞癌、又は扁平上皮癌を含むケラチノサイトの過増
殖に結び付けられる他の皮膚状態を予防又は治療することにおいても有用である
。例えば、マスト細胞、メラノサイト、線維芽細胞、ランゲルハンス細胞、内皮
細胞、上皮細胞、神経細胞、及びメルケル細胞のような他の細胞系の過増殖に結
び付けられる疾患もまた、本発明を通して治療され得る。
乾癬条件に関し、幾つかのケースにおいて、乾癬が自己免疫疾患であることを
証拠は示唆し、且つ、従って、研究者らはT-リンパ球及びマクロファージへの
免疫調節剤の投与のような治療が有益であろうことを示唆している。これに関し
て、硝酸ガリウムのようなガリウム塩は、実験的な自己免疫脳脊髄炎の抑制にお
いて7、及び慢性関節リウマチの防止において8、有効であることが開示されてい
る。しかしながら、免疫調節活性とケラチノサイト増殖の抑制との間の相互関係
を認めるものはない。さらに、ここに提示したデータは、T-リンパ球、マクロ
ファージ、及び免疫システムのそうした他の細胞の不在において中性ガリウムキ
レートによってケラチノサイト増殖の抑制を実証するものである。
発明の開示
本発明は、ある中性ガリウムキレートが十分な濃度で使用された場合、ケラチ
ノサイトの増殖を阻害することの発見に関する。従って、そのようなキレートは
、乾癬のようなケラチノサイトの過剰な増殖によって特徴付けられる疾患状態を
治療するために使用可能である。
意外にも、いずれかの理論によって限定されていない一方で、後述のデータは
、活性の部分が、ガリウム元素の及び/又は非結合キレート剤よりむしろキレー
ト化したガリウム錯体であることを示唆する。後述のデータはさらに、中性ガリ
ウムキレートがケラチノサイト増殖の抑制化が可能である一方で、硝酸ガリウム
のような他のガリウム化合物はできないことを示唆する。
上記に鑑みて、その方法の態様の一つにおいて、本発明は、
(a)哺乳動物の皮膚においてケラチノサイトの過剰な増殖の位置を同
定すること;及び
(b)ケラチノサイトの増殖を抑制するために、局所の適用のために適
当な製薬用に許容される賦形剤と、式1:
(式中、各Rは、水素と1から6炭素原子までのアルキルからなる群から独立
して選択される)
によって表される3-ヒドロキシ-4-ピロンの中性ガリウムキレートの有効な量
とを含んだ局所製薬組成物を、上記(a)において同定した皮膚の位置に適用す
ること、を備える哺乳動物におけるケラチノサイトの増殖を抑制するための方法
が導かれる。
加えて、本発明の中性ガリウムキレートは、予防薬的に使用することができる
。そのような方法において、ケラチノサイトの過増殖に結び付けられる状態にな
りやすい皮膚は、特有の個人において、そのような病変になりやすいことが知ら
れるエリアにおいて、病変を何らかで視覚するよりも前に処理される。そのよう
に利用する場合、本発明の方法は:
(a)明白な病変がないが、しかしケラチノサイトの過増殖に結び付け
られる病変化しやすい皮膚の位置を同定すること;及び
(b)局所の適用のために許容される製薬用の賦形剤と、上記と同じ式
1の3-ヒドロキシ-4-ピロンの有効な量とを含んだ局所製薬組成物を、上記(
a)において同定した皮膚の位置に適用すること、
を備える。
その組成物の態様の一つにおいて、本発明は、局所適用のために好適な製薬用
に許容される賦形剤と、式1:(式中、各Rは、水素と1から6炭素原子までのアルキルからなる群から独立し
て選択される)
の3-ヒドロキシ-4-ピロンの有効な量とを含む局所製薬組成物に関する。
好ましくは、上記式1の化合物において、各Rは、独立して水素又は1から2
炭素原子までのアルキルであり、より好ましくは、各Rは独立して水素又はメチ
ルである。
意外にも、後述するデータは、高い濃度で、上記式1の中性ガリウム化合物は
、ケラチノサイト分化及びアポトーシスを促進することも明示する。そうした特
性はさらに、乾癬の、及び皮膚細胞の過剰な増殖に結び付けられる他の疾患、特
にケラチノサイトの過剰な増殖に結び付けられるそれらの治療において、そのよ
うな中性のガリウム錯体の使用を教示する。
図面の簡単な説明
図1は、細胞成長を測定するためにクリスタルバイオレット法を用いるガリウ
ムマルトールの異なる濃度の存在においてケラチノサイト成長についての効果を
示す。
図2は、細胞成長を測定するためにヘキソサミニダーゼ法を用いるガリウムマ
ルトールの異なる濃度の存在においてケラチノサイト成長についての効果を示す
。
図3は、1x10-4Mのガリウムマルトール(GaM)と硝酸ガリウム(Ga)
と3x10-4Mのマルトール(M)の濃度によってケラチノサイト増殖についての
効果を示す。
図4は、ガリウムマルトール(5x10-5M)の存在中で成長した培養物におい
て、増殖の発生(白色棒)、鱗状の細胞内の構造(陰影棒)明確な鱗状(黒色棒)のケ
ラチノサイトのパーセンテージを示す。値は各ケースにおいて3フラスコの平均
値±標準偏差である。
図5は、ガリウムマルトールの異なる濃度;CAMの異なる濃度;1x10-4
Mの濃度のATA;1x10-4Mの濃度のATAプラス1x10-5M又は1x1
0-6MでのCAM;及び1x10-4Mの濃度のATAプラス1x10-4M又は2
.5x10-4Mのガリウムマルトール、にさらすより前の3日間培養したケラチ
ノサイト中のアポトーシスの範囲を示す。
図6は、その細胞が6日間培養されたことを除き、図5におけると同じくケラ
チノサイトのアポトーシスの範囲を示す。
図7は、ガリウムマルトール、硝酸ガリウム又はマルトールの存在中、ケラチ
ノサイトにおけるアポトーシスの範囲を比較する。
発明の詳細な説明
先に記した通り、本発明は一つには、上記式1の中性ガリウム錯体の局所投与
によって哺乳動物のケラチノサイト増殖、特にヒトのケラチノサイト増殖を抑制
するための方法に関する。しかしながら、本発明をさらに詳細に論じる前に、以
下の用語がまず定義されるであろう:
・定義
ここで用いるように、以下の用語は下記の定義を有している:
用語「ケラチノサイト」は、例えば、基底細胞、有棘細胞、棘状細胞、及び顆
粒細胞として知られる、同様に、同じ細胞の分化の劣る及びより分化した変異体
、通常及び異常の両方の細胞を含む、ケラチンを生産する能力を有する皮膚細胞
に関係する。
用語「3-ヒドロキシ-4-ピロンの中性3:1ガリウム錯体」は、式[Ga+3(
py-1)3](式中、py-1は後に定義される3-ヒドロキシ-4-ピロンのアニオン
形を表す)によって表される錯体である、Ga3+と3-ヒドロキシ-4-ピロンの
アニオン形の3当量との静電学的に中性な錯体に関する。そうした錯体は、約5
から約9までのpHで維持された水性組成物においていずれかの重要な範囲から
分離す
ることができないことから、これらの錯体は、そのような組成物において優先的
に静電学的な中性を保持する。
この関係において、それらが錯体中の陽性の及び陰性の荷電と等しい数であり
、そのアニオン性の及びカチオン性の成分に直ちに分離するものでないことから
、これらの錯体は「静電学的に中性」であると思われる。
また、3-ヒドロキシ-4-ピロンのアニオン形はガリウムにキレート化剤とし
て作用し且つその錯体は「3-ヒドロキシ-4-ピロンの中性ガリウムキレート」
として時折ここに関係する。この後者の用語は、用語「3-ヒドロキシ-4-ピロ
ンの中性3:1ガリウム錯体」と同義語である。
用語「3-ヒドロキシ-4-ピロン」は、式2の化合物に関する:
式中の環状炭素原子に付着した水素のゼロから3つは、1から6までの炭化水素
基によって置換される。
用語「製薬用に許容される賦形剤」は、製薬組成物中に使用するために許容さ
れる1又はそれ以上の賦形剤を含む。
用語「3-ヒドロキシ-4-ピロン」により包含される特有な化合物は、下記の
式3−6によって表される:
式中、各Rは独立して1から6炭素原子までの炭化水素である。
3-ヒドロキシ-4-ピロンの非置換形(式3、ピロメコン酸とも称される)は、
環状炭素原子にのみ結合した3つの水素原子を含む。上記した通り、これら3つ
の水素原子のいずれかの組合せは、炭化水素基によって置換することができ、そ
のような置換基の組合せの可能性の全てが本発明の中に包含される。幾つかの可
能な置換基の配置は、式4−6、式中Rが炭化水素基(メチル、エチル、イソプ
ロピルを含む)である、において表される。その炭化水素基は、好ましくは非環
式であり、且つ好ましくは非分枝である。6又はより少数の炭素原子を含む基、
特に1から3炭素原子までの、特にメチル又はエチルが好適である。単一の置換
が好ましく;6-位又は特に2-位のいずれかでの置換が好適である。本発明によ
り構成される組成物において使用され得るガリウム錯体である特異的な化合物の
幾つかの実施例は:3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ピロン(式4、R=-CH3--時
折マルトール又はラリキシン酸として関係する)及び3-ヒドロキシ-2-エチル-
4-ピロン(式4、R=-C2H5--時折エチルマルトール又はエチルピロメコン酸
として関係する)、本発明において使用するために好適である両者、特に3-ヒド
ロキシ-2-メチル-4-ピロンである。他の好適な化合物は、3-ヒドロキシ-4-
ピロン(式3--時折ピロメコン酸として関係する);及び3-ヒドロキシ-6-メチ
ル-4-ピロン(式5、R=-CH3)を含む。
用語「3-ヒドロキシ-4-ピロンのアニオン」は、上記式3−6において定義
された、式中のヒドロキシルブロトンがこれら化合物のアニオン性荷電形を提供
するために除去されている化合物に関する。
用語「ガリウムマルトール」は、マルトールの中性3:1ガリウム錯体に関す
る。
用語「ケラチノサイトの増殖抑制」は、コントロールとの比較として、クリス
タルバイオレット着色プロトコールによって分析した場合に、後述の実施例2の
インビトロのアッセイにおいて少なくとも20%減じられるケラチノサイトの増
殖を意味する。好ましくは、そのケラチノサイトの増殖が、コントロールとの比
較として少なくとも35%、より好ましくは少なくとも50%減じられる。
合成及び方法論
3-ヒドロキシ-4-ピロン(環状炭素原子に付着した水素の1から3までが1か
ら6炭素原子までを含む炭化水素によって置換された)の中性3:1ガリウム錯
体の作製方法は、バーンステイン(Bernstein10)中に記載される。そのような方
法は、ガリウムイオンとそのようなヒドロキシピロンとを反応させること及び少
なくとも部分的に、結果として得られた錯体を分離することを備える。
特に、3-ヒドロキシ-4-ピロンの中性3:1ガリウム錯体は、溶液中でガリ
ウムイオンと3-ヒドロキシ-4-ピロンの反応によって作製される。ガリウムイ
オンは、ハロゲン化ガリウム、特に塩化ガリウム、又はガリウム硝酸塩化合物、
特に水和した硝酸ガリウムのようなガリウム塩から誘導することができる。ガリ
ウム硝酸塩化合物は、高度に刺激化でき且つ水を含む多くの溶媒と激しく反応し
得る、ハロゲン化ガリウムよりもそれらが作業することが容易であるとしてしば
しば好適である。適切な保護手段を用い、各種のガリウム塩が使用可能である。
その反応は、それに限定されないが、水、エタノール、メタノール、及びクロロ
ホルムを含めた混合物を含む、相互溶媒中で好都合の結果となる。純粋な水は、
もしそれを使用するとガリウムヒドロキシピロン錯体の純化が困難となるであろ
うといえども、多くのケースにおいて使用され得る。もしそれが、硝酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウム、及び炭酸ナトリウムのような反応副産物の少なくとも主要
部を分離することが望ましいのであれば、好適な方法は、痕跡の水と共にエタノ
ールとクロロホルムの概略等量部を含む混合液を用いることである。上記した反
応副産物は、この混合液中に非常に低い溶解性を有し且つ濾過によって容易に除
去され得る。
好ましい中性3:1ヒドロキシピロン:ガリウム錯体を作製するために、その
ヒドロキシピロンとガリウムイオンは3:1のモル比で、好ましくは3:1錯体
に対して非常に優勢である2:1及び1:1錯体を保証するために僅かに過量の
ヒドロキシピロンと共に混合される。形成された特有の錯体の割合は、溶液のp
Hに基づく。ハロゲン化物または硝酸塩のようなガリウム塩が溶解される場合、
得られた溶液は一般に低いpHを有するであろう。好ましい中性3:1錯体を優
勢な形にするため、5から9まで、好ましくは6から7のpHが用いられる。も
し、より酸性な溶液が使用されるなら、中性3:1錯体は、たとえ大過量のヒド
ロキシピロンが存在していても、安定物とはなり得ない。高い塩基性条件の下で
は、溶解性の劣る水酸化ガリウムが沈澱するであろう。望ましくない、且つその
pHがこの沈澱によって低レベルで実際に緩衝化され得る、溶解性の劣った水酸
化ガリウムの沈澱の原因となり得るそのような水酸化物の使用と同じく、水酸化
ナトリウムのような水酸化物以外の材料でpHを調節することが好ましい。炭酸
塩、特に炭酸ナトリウムの使用がpHを調節するために好適である。エタノール
とクロロホルムを含む溶媒混合物における炭酸ナトリウムの使用は、例えばこの
混合液中に非常に僅かに溶解する硝酸ナトリウムの沈澱とすることができ、及び
望ましい製薬用の組成物を含む溶液の純化を助けることが望まれるのであれば、
濾過し去ることができる。
溶液中でヒドロキシピロンを形成するための反応は、約20℃で約5分以内に
一般的に完結する。溶液の穏和な撹拌又は他の混和は、均一で急速な反応を促進
する。より長い反応時間は、もし必要性を見出すのであれば使用され得る。望む
のであれば、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び炭酸ナトリウムのような反応
副産物(使用した溶媒と反応物に基づく)の分離に続いて、その反応混合物は空気
中でゆっくりと、又は、より急速に、実施例として、ロータリーエバポレーター
の使用を通して又は凍結乾燥によって、濃縮され得る。乾燥の後、そのガリウム
錯体は、固体状で保持されるだろう。再結晶は、もし望むのならば、限定されな
いがクロロホルム、エタノールとメタノールのようなアルコール、エーテル、水
、アセトン及びそのような溶媒を含む混合液を包含する適当な溶媒を用いて達成
可能である。適当な溶媒は、存在する特にガリウム錯体と不純物に、その分離す
る
べき不純物に、且つ温度と他の物理的条件とに基づいて決定されるであろう。
ヒドロキシピロンによりヒドロキシピロンとガリウム錯体を製造することがで
きる、且つ当業者において予想されるであろう各種の代替的な方法を使用してよ
いことから、上記の方法が唯一のものでないことに注目される。従って、3-ヒ
ドロキシ-4-ピロンとガリウムの中性3:1錯体の調製において、単一の3-ヒ
ドロキシ-4-ピロン又は3-ヒドロキシ-4-ピロンの混合物を使用することがで
きる。しかしながら、好ましくは単一の3-ヒドロキシ-4-ピロンが利用される
。
3-ヒドロキシ-4-ピロンとガリウムの中性3:1錯体の調製における出発材
料として使用される3-ヒドロキシ-4-ピロンの調製に関して、これらのある種
の化合物は、天然に生起し及び天然ソースからの抽出によって得られる。例えば
、マルトールは、若いカラマツ(Larix decidua Mill.)のバルク中、及び松葉、
チコリ、木タールとオイル、及びローストしたモルト中に見出される12。ある種
の3-ヒドロキシ-4-ピロンは、マルトールとエチルマルトールを含め、市販品
を利用し得る。他のものは、メコン酸の脱炭酸から誘導することができる、出発
材料としてのピロメコン酸から作製することができる。そうした他の3-ヒドロ
キシ-4-ピロンを調製するための方法は、当該分野においては良く知られる。従
って、マルトールとエチルマルトールが、食品用の調味料及び香り増強剤として
広く使用されていること、及び経口的に摂取した場合に非常に低い毒性を有して
いることに注目される。
製剤形態
3-ヒドロキシ-4-ピロンの中性ガリウム錯体は、当該分野において周知であ
る通常の方法によって局所製薬組成物に製剤化される。そのような局所用組成物
は、非経口製薬組成物、経口移送製薬組成物および類似のもののような他の移送
手段に対するような皮膚の上に適用のためのみに意図される組成物を備える。好
適な局所製薬組成物は、実施例として、局所適用用に好適な1又はそれ以上の製
薬用に許容される賦形剤と、上記式1の3-ヒドロキシ-4-ピロンの有効な量と
を含む。好適な組成物は、実施例として、粉末、ゲル、ローション、クリーム、
軟膏、親水性調剤、シャンプー、などを含む。
粉末は、かゆみ止めであり、冷却効果を有する。多くの粉末製品に見出される
、タルクは最も滑りがよいが、しかし非吸着性である。コーンスターチは滑性に
劣るが吸着性である。
ローションは、乾燥保護性と冷却効果を提供する、水中粉末の懸濁物である。
水の蒸発により、乾燥と冷却が起こり、且つ粉末の皮膜が生じる。ローションは
、毛髪用及び皮膚のエリアにおいて特に有用である。エモリエントは、なめらか
に且つ荒れた皮膚を落ち着かせる、脂質と油脂を含むローションである。
クリームは水中油型のエマルジョンである。クリームは水洗可能であり、且つ
皮膚に完全に吸収される。水の量が減じられ且つ水の量が増加されるように、そ
の基質はより粘着性となり且つ軟膏として分類される(すなわち、水中油型エマ
ルジョン)。3つのタイプの軟膏は、水溶性、乳化可能な、及び撥水剤である。
軟膏は、ベース又は滑剤として使用してよい。軟膏は水中油型クリームよりもよ
り有効な滑剤である。しかしながら、軟膏は閉塞性であり且つ滲出性又は感染し
たエリアのためには推奨できない。ローションとクリームは、滲出性病変のため
に適当であり、軟膏は乾燥した病変用に適当である。
親水性調剤は、実施例として、吸収水と、実施例として、EucerinTM(Beiersdo
rf,Inc.,Norwalk,Connecticut,USA),AquaphorTM(Beiersdorf,Inc.,Norwalk,Co
nnecticut,USA),LubridermTM(Warner Lambert Company,Morris Plains,NJ)
及び無水ラノリンのような市販品として役立ち得る製品を含む調剤である。
シャンプーは、1又はそれ以上の脂肪酸塩(石けん)と、香料、医薬などのよう
な他の任意の添加剤を含む水性組成物である。
何れの場合でも、その製薬組成物に混合される中性ガリウム錯体の量は、ケラ
チノサイトの増殖を抑制するために十分な量である。好ましくは、以下に示す通
り、皮膚における中性ガリウム錯体が少なくとも5x10-5Mの濃度の溶液が、
ケラチノサイト増殖の抑制を提供するために十分である。好ましくは、その製薬
組成物は、皮膚に対し中性ガリウム錯体の少なくとも5x10-5Mの濃度を提供
する。局所製薬処方において中性ガリウム錯体の要求された濃度を表かにするた
めの一つの手段は、治療すべき皮膚の容積を最初に評価するために皮膚の内部の
そのような濃度を達成することが必要とされる。例えば、表皮と乳頭皮膚の厚さ
はヒトにおいて典型的に約0.04cmである(まぶたについて約0.01cm
から足の裏において約0.1cmまで)。治療エリアにおける皮膚の容量は、局
所製薬組成物を受容するための皮膚の表面エリアと評価した厚みとを掛け合わせ
ることによって容易に計算される。治療すべき皮膚の容積のためのこの値を用い
て、中性ガリウム錯体のいずれかの望ましい濃度を移送するために要求される局
所製薬組成物中の中性ガリウム錯体の濃度が直ぐに計算される。例えば、75c
m2の表面エリアと0.04cmの厚さを有する皮膚(かくて、3cm3の容積)の
パッチに、10-4Mの濃度の中性ガリウム錯体ガリウムマルトール(GaM)を
移送するためには、約0.13mg(モル重量445.03)が必要とされる(ほぼ445.0
3mg/cm3/モルx10-4モルx3cm3)。もし0.13mgGaMが局所製薬組成物の
1g中に存在すれば、GaMの濃度は約0.013重量パーセント(w/w)である。好ま
しくは、中性ガリウムキレートは、組成物の全重量を基準として局所製薬組成物
の約0.0001から約5重量パーセント、より好ましくは約0.005から約0.5重量パー
セントまで含有されるであろう。
効果
本発明の局所製薬組成物は、皮膚細胞の過剰な増殖を介する疾患状態、特にケ
ラチノサイトの過増殖に結び付けられるそれらの疾患を治療するために有用であ
る。ここでの特に重要なケラチノサイトの過増殖に結び付けられるそのような疾
患は、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、湿疹様皮膚炎、脂漏性皮膚炎、及
び扁平苔癬である。
本発明の局所製薬組成物はまた、実施例として:角質増殖症、紅斑角皮症、魚
鱗癬、光線角化症、ざ瘡、基底細胞癌、又は扁平土皮癌を含む、ケラチノサイト
の過増殖に結び付けられる他の皮膚症状の予防又は治療することにおいても有用
である。例えば、マスト細胞、メラノサイト、線維芽細胞、ランゲルハンス細胞
、内皮細胞、上皮細胞、神経細胞、及びメルケル細胞のような他の細胞系からの
細胞の過増殖に結び付けられる疾患もまた、本発明を通して治療することができ
る。
そうした利用の際、該製薬組成物の有効な量が、罹患エリアに少なくとも一日
一度、好ましくは一日当たり1から3回、適用される。利用される特有な投薬量
は、治療されている特有な状態によって、同様に、幾つもの条件、患者の年齢と
全般的なコンディション及びその類に基づいて看護する臨床医の判断によって調
節される。好適な実施態様において、乾癬の治療は、少なくとも約5x10-5M
の濃度の溶液を提供するに十分な製薬組成物において3-ヒドロキシ-4-ピロン
の中性ガリウムキレートの濃度を利用する。
後述する実施例において記載したように、本発明の組成物中の中性ガリウムキ
レートの相対的に高い濃度は、この組成物による細胞に対するアポトーシスを与
え、且つケラチノサイトの場合においては細胞分化を助長する。両方の特性は、
乾癬の、及び皮膚細胞の過剰な増殖と結び付けられる他の疾患、特にケラチノサ
イトの過剰な増殖に結ひ付けられるそれらの疾患の治療におけるそのような組成
物の有益な使用を説明する。
実施例
以下の実施例は、特許請求した発明を例示するものであり、それらを限定する
ものとして狭めるものではない。
特に述べなければ、温度はすべて摂氏温度である。また、これらの実施例にお
いて、下記で定義するもの以外は、用いられる略語は一般に認められている意味
を有する:
Å=オングストローム
ATA=オーリントリカルボン酸
CAM=カンプトテセイン(camptothecein)
cm=センチメートル
DTT=ジチオレイトール(dithioreitol)
HKGS=ヒトケラチノサイト成長補助剤(supplement)
(Cascade Biologies,Portland,Oregon,USAから入手可能)
M=モル
mg=ミリグラム
mL=ミリリットル
mM=ミリモル
PBS=リン酸緩衝塩水
SDS=ドデシル硫酸ナトリウム
μl=マイクロリットル
μm=マイクロメートル
v/v=容量に対する容量
w/v=容量に対する重量
w/w=重量に対する重量
以下の実施例では、培養媒質154は、
正常なヒト表皮ケラチノサイトの成長のための完全培養環境の1つの成分として
用いられる培地を指し、たとえば、Cascade Biologies,Portland,Oregon,USA
から、カタログ番号M-154-100として商業的に入手可能である。
実施例1:ガリウムマルトール(gallium maltol)の調製
マルトールをクロロホルムに溶解して0.75M溶液を作製し、硝酸ガリウム一水
和物をエタノールに溶解して0.5M溶液を作製する。0.75Mマルトール溶液20m
Lに、連続的に攪拌しながら、10mLの0.5M硝酸ガリウム一水和物溶液を徐々
に添加した。得られた溶液は、23℃で5分間攪拌した。約5.5g(大過剰)の
粉末状Na2CO3を添加するとともに、攪拌してpHを7近くに上げた。炭酸ナ
トリウムを添加したとき、反応を促進するのに少量の水が必要とされることがあ
り、それは幾分の泡立ちによって明らかになる。次いで、攪拌をさらに10分間
続ける。次に、混合物を濾過してすべての固体を除去し、濾過物をロータリーエ
バポレーターで濃縮した。残った結晶性固体は、3:1のマルトール:ガリウム
組成であった。この組成は、粉末X線回折を用いて分析し、単位セルの寸法が、
およそa=18.53Å、b=16.96(1)Å、c=12.05(1)Åである直交異方性(orthot
hrombic)結晶からなることがわかった。他の溶媒から、または他の条件下での結
晶化は他の結晶構造を生ずる。また、本発明の方法及び組成物では、アモルファ
ス構造も使用できると考えられる。
いくつかの条件下では、構造中に水も導入されると考えられる。この組成物の
溶解性は、23℃における蒸留脱イオン水に約24ミリモルであると測定された。
この錯体は、純度を上昇させるために、エタノールまたは他の溶媒から再結晶さ
せた。
この実施例のガリウムマルトール錯体は、完全にキレートされた構造であり、
ガリウム上の電荷が3つのマルトール基でシールドされているため、中性キレー
トと呼ばれることがある。
実施例2:培養されたケラチノサイトの成長のガリウムマルトールによる阻害
プールされたドナー皮膚からの成人ケラチノサイトは、商業的供給元(Cascad
e Biologies,Portland,Oregon,USA)から得て、HKGS(約1%)を添加し
た培養媒質154を用いて底面積150cm2の培養フラスコ内に配置した。
実験の最初に、必要とされるケラチノサイトのバイアルを溶かし、ケラチノサ
イトを上記と同じ培養媒質を用いて、24ウェルプレートに約2、500細胞/cm2
で配置した。24時間(接着させた)後に、媒質を、HKGS(約1%)及びガ
リウムマルトールを添加した新鮮な154に換えた。特に、新鮮な媒質は、十分
な量のストック溶液を加えることにより、最終ガリウム濃度が10-4M、10-5M、
10-6M、10-8M、10-10M及び10-12Mとなる6つの異なる組成物を提供するよう
に調製した。ストック溶液は、50mLの154媒質に、22.25mgのガリウムマ
ルトールを添加し、次いでその溶液を0.2μmフィルターに通し、4℃で保存す
ることにより調製した。
媒質は、2から3日ごとに交換した。コントロールセルは如何なるガリウムマ
ルトールも受け入れていない。
コントロールセルは、約40%集密的(一般的に培養4−5日)であり、すべて
の媒質は吸引で除去し、ケラチノサイト成長は、Wilkinson等11に記載されてい
るように、クリスタルバイオレット染色及び細胞数への換算によって検定した。
詳細には、細胞層をPBSで洗浄し、それも吸引で除去し、各ウェルに4滴のク
リスタルバイオレット溶液を添加した。クリスタルバイオレット溶液は、クリス
タルバイオレット(Fisher Scientific)をPBS:ホルムアルデヒド:エタノ
ール(67:3:30%)に溶解して調製し、0.5w/v溶液を得た。ブランクの24ウ
ェ
ルプレートも同様に処理した。
細胞数は、Landegren12に記載されているようなヘキソサミニダーゼ活性によ
る別の確認実験でも検定した。詳細には、細胞を成長させて上記のようにガリウ
ムマルトールで処理し、次いで、クリスタルバイオレットに換えてヘキソサミニ
ダーゼを用いて上記のプロセスを続けた。
ガリウムマルトールの存在下でのケラチノサイトの成長は、図1(クリスタル
バイオレット)及び図2(ヘキソサミニダーゼ)に図示した。それらの結果は、
ガリウムマルトールが高濃度においてケラチノサイト成長のみを阻害し、10-4M
濃度のガリウムマルトールではケラチノサイト成長はコントロールに比較して6
0から90パーセント低下した。低濃度では、図2のデータは、ガリウムマルト
ールが実際はわずかにケラチノサイト成長を促進しうることを示唆している。
実施例3:ガリウムマルトール及び硝酸ガリウムによるケラチノサイト成長阻害
の比較
ケラチノサイトは、実施例2で記載した方法により、24ウェルプレートで9
日間培養した。培養の最初の24時間後に、媒質154を、如何なる添加剤も含
まない(コントロール”C”)あるいは1×10-4Mのガリウムマルトール(Ga
M)または1×10-4Mの硝酸ガリウム(Ga)または3×10-4Mのマルトール(M
)を添加した高Ca+2媒質(1M Ca+2)に換えた。
細胞は、次いで培養され、引き続き上述の方法でケラチノサイト増殖の阻害が
評価された。この評価の結果を図3に示すが、硝酸ガリウムまたはマルトールは
ケラチノサイト増殖に何の効果も持たないが、ガリウムマルトールはそのような
増殖を94%阻害することを示している。これらのデータは、同じ濃度のガリウム
及びマルトールがガリウムマルトール錯体として見いだされるにもかかわらず、
ガリウムまたはマルトール自体のみは、ケラチノサイト増殖の抑制に有効ではな
いことを示している。
実施例4:ガリウムマルトール
培養フラスコ(底面積75cm2)に、上記のようにcm2当たり約2,500細胞で
ケ
ラチノサイトを播種した。24時間後、3つ(3)のフラスコにおける媒質を、
カルシウム含有量を通常の0.2mMから1.0mM(”高カルシウム”)に増加させ
、以下の濃度:1×10-5M、5×10-5M、及び1×10-4Mのガリウムマルトールを
加えた媒質(154)に換えた。培養を7日間続けたところ、コントロール(G
aM無し)における細胞は約75%の集密度となった。上記のように添加された媒
質は、2日ごとに置換した。最後に、媒質を吸引し、細胞をPBSでリンスした
後にトリプシン(0.025%)/EDTA(0.01%)に露出させた。除去に当たっ
て、それらを遠心分離管に回収し、フラスコはPBS:トリプシン中性化溶液(
Clonetics,San Diego,California,USA;1:1 v/v)でリンスし、細胞懸濁液
に添加した。懸濁液全容量は、約8から10mLであった。これらの懸濁液のアリ
コットを、
(1)小さな、明るいまたは暗いケラチノサイト、”増殖中”と呼ばれる;
(2)より大きな、鱗状ケラチノサイト、細胞内構造因子を持つ;及び
(3)構造因子を持たない透明な(clear)鱗状細胞
に分けて血球計で数えた。
数えた後、各懸濁液を速心分離し、上清を捨て、細胞ペレットを0.5から1.0m
Lの1%SDS:2.5mMのDTT中に再懸濁した。37℃で15分後、これらの
懸濁液のアリコットを、コロニー形成した(cornified)エンベロープについて数
えた。容量を記した。
続く実験において、ケラチノサイトのフラスコは、ガリウムマルトールを含ま
ない(コントロール)、あるいは、5×10-5、1×10-5、及び1×10-6Mの最終濃
度でガリウムマルトールを含む高カルシウム媒質に置換する前に、154媒質中
で播種後4日間成長させた。これらは、各群について2から3のフラスコとした
。培養をさらに3日間続け、ケラチノサイトを収穫し、前記のように数えた。
この実験の結果を図4に与えたが、増殖性、鱗状及び透明な鱗状の細胞の相対
的発生を示している。この図に見られるデータは、5×10-5Mガリウムマルトー
ルを含む培地について、コントロールに比較して、増殖性細胞の比率の中程度の
減少、鱗状細胞の数の増加、及びコロニー形成エンベロープ数の10倍増加を示
している。また、この培地における細胞の合計数は約90%減少した。
これらの結果は、1×10-5Mより高いガリウムマルトール濃度が、ケラチノサ
イ
トの細胞分化を有利に促進することを示している。また、これらの結果は、1×1
0-5Mより高い、好ましくは少なくとも5×10-5Mの濃度において、ケラチノサイ
ト増殖の阻害が達成されることも示している。
それに反して、1×10-5Mのガリウムマルトールを含む培地における、増殖性
、鱗状、及びコロニー形成した細胞の数は、すべての意図及び目的について、コ
ントロールに比較して変化がなかった。下記の表Iは、1×10-5Mにおけるこれ
らの結果を示す。
1×10-4Mの濃度において、ガリウムマルトールの抗−増殖性効果は、細胞数
を正確に数えるには少な過ぎるくらいにするほど強力である。
5×10-5M、1×10-5M、及び1×10-5Mの濃度でガリウムマルトールを添加す
る前に、ケラチノサイトが培地中で4日間成長し、次いで培養がさらに3日間続
けられる実験においては、細胞の比率で測定したところ、有意な相違は見られな
かった。これらの結果は、下記の表IIに示す。N/D=検出されない
これらの結果から見ると、1×10-6Mの濃度のガリウムマルトールで処理され
た細胞は数えられない。
実施例5:ガリウムマルトールによるアポトーシス誘発
アポトーシスの誘発は、癌、乾癬、等の疾病状態に関連するプログラムされた
細胞死における重要な特徴であり、ケラチノサイト等の”不朽化”細胞の制御さ
れてない増殖は、これらの疾病の原因となる特徴である。この実施例は、ガリウ
ムマルトールのアポトーシスを誘発する能力を、負のコントロール(ガリウムマ
ルトール無し)及び正のコントロール(CAM:アポトーシスを強く誘発するこ
とが知られた試薬)に対して比較する。アポトーシスに影響するガリウムマルト
ールの能力も、ATAの阻害効果によって測定した。
詳細には、ケラチノサイト細胞は、上述したような2,500細胞/cm2で播種し
た24ウェルプレートにおいて媒質154を用いて成長させた。培養は、細胞が
各々約20から60%の集密度になるまで、3から6日間続けた。これら2つが現れ
たとき、3または4ウェルの群から媒質を吸引し、補足剤無しあるいは以下の補
足剤のいずれか1つを含む高Ca+2媒質で置換した:
1.最終濃度が:(a)5×10-4M、(b)1×10-4M、(c)5×10-5M、(
d)1×10-5M、及び(e)1×10-6Mの1つとなるガリウムマルトール;
2.1×10-5または1×10-6MのCAM;
3.1×10-4のATA;
4.(3)に、1×10-5または1×10-6MのCAMを加えたもの;及び、
5.(3)に、1×10-4または2.5×10-4Mのガリウムマルトールを加えたもの
。
培養は、さらに24時間継続した。この時点で、媒質を取り出して捨て、細胞
を、細胞死検出キットELISAプラス(Cell Death Detection Kit ELISA Plus
)(Boehringer Mannheim Biochemicals,Indianapolis,Indiana,USA,カタロ
グ番号1774425)で供給された溶液200μL/ウェルで溶解した。2または3ウェ
ル各々からの溶解物のアリコット(20μL)を、キットの説明書に従ってヌクレ
オソーム富化について検定した。
種々の条件下での処理に先立って3日間培養したケラチノサイトにおけるアポ
トーシス発生の割合を図5に示した。この図におけるバーは、以下のものを含む
媒質で上記のように処理した細胞の細胞死検定における基質反応混合物の405
nmにおける吸収(492nmでの吸収減少)を示す。
a)コントロール、添加剤無し
b)5×10-4Mの濃度のガリウムマルトール
c)1×10-4Mの濃度のガリウムマルトール
d)5×10-5Mの濃度のガリウムマルトール
e)1×10-5Mの濃度のガリウムマルトール
f)1×10-6Mの濃度のガリウムマルトール
g)1×10-4MのATA
h)1×10-4MのATA+1×10-4Mの濃度のガリウムマルトール
i)1×10-5MのCAM
j)1×10-5MのCAM+1×10-4Mの濃度のATA。
図5において、値は平均値±標準偏差(N=2)である。405nmにおける
吸収と492nmにおける吸収との間の吸収差が大きくなることは、アポトーシ
スが増加していることに該当する。
図5の結果は、ガリウムマルトールを5×10-4Mの濃度で用いたとき、アポト
ー
シスがコントロールに比較して約7倍増加したことを示すが、より低い濃度のガ
リウムマルトールの使用では、アポトーシスのそのような有意な増加は起こらな
いことを示す。さらに図5は、1×10-5MのCAMがアポトーシスを強く誘発す
るが、1×10-4MのATAによって半分に抑制されることも示している。
種々の条件下での処理に先立って6日間培養したケラチノサイトにおけるアポ
トーシス発生の割合を図6に示した。この長い培養時間は、より多くの数の細胞
を成長させるために採用された。この図におけるバーは、以下のものを含む媒質
で上記のように処理した細胞の細胞死検定における基質反応混合物の405nm
における吸収(492nmでの吸収減少)を示す。
a)コントロール、添加剤無し
b)5×10-4Mの濃度のガリウムマルトール
c)2.5×10-4Mの濃度のガリウムマルトール
d)1×10-4Mの濃度のガリウムマルトール
e)5×10-5Mの濃度のガリウムマルトール
f)2.5×10-4Mの濃度のガリウムマルトール+1×10-4MのATA
g)1×10-6MのCAM
h)1×10-6MのCAM+1×10-4MのATA。
図6において、値は平均値±標準偏差(N=3)である。405nmにおける
吸収と492nmにおける吸収との間の吸収差が大きくなることは、アポトーシ
スが増加していることに該当する。
図6の結果は、ガリウムマルトールを5×10-4Mの濃度で用いたとき、アポト
ーシスがコントロールに比較して約7倍増加したことを示すが、より低い濃度の
ガリウムマルトールでは、その増加が少なくなることを示す。さらに図6は、1
×10-6MのCAMがアポトーシスを強く誘発するが、1×10-4MのATAによっ
て半分に抑制されることも示している。
実施例6:ガリウムマルトール、硝酸ガリウム、及びマルトールによるケラチノ
サイトのアポトーシスの比較
ケラチノサイトのアポトーシスの評価が、ガリウムマルトール、硝酸ガリウム
及びマルトールによって達成されるアポトーシスに対する相対的影響を測定する
ことで行われた。詳細には、ケラチノサイト細胞は、媒質154を用いて12ウ
ェルプレートに播種された。培養は4日間続けられ、次いで媒質を、補足剤を含
まない、あるいは以下の補足剤の1つを含む、1.2mMのCa+2を含有する媒質
154に置換した:
1.最終濃度5×10-4Mのガリウムマルトール;
2.最終濃度5×10-4Mの硝酸マルトール;
3.15×10-4Mの濃度のマルトール;及び
4.1×10-5Mの濃度のCAM。
各群について3つ(3)のウェルを用いた。各ウェルにおける媒質の最終量は
300μLであった。培養は2日間続けた。この時点で、上記のようにしてアポト
ーシスの量を測定し、結果を図7に示した。バーは、405nmの吸収から49
2nmの吸収を差し引いたものを示す。図7の結果は、ガリウムマルトールを5
×10-4Mの濃度で用いたとき、アポトーシスがコントロールに比較して約19倍
増加したことを示すが、硝酸ガリウムまたはマルトールのいずれかの使用では、
アポトーシスに有意な影響を与えないことを示す。これらの結果は、有利にアポ
トーシスを起こすのはキレートした中性ガリウムマルトールであり、ガリウムま
たはキレート剤マルトール単体ではないという結論に一致する。
実施例7:ガリウムマルトールを含有する局所用製薬組成物の調製
以下の実施例は、ガリウムマルトールを含有し、局所適用用に適した親水性製
薬組成物の調製に用いられる一つの方法を例示するものである。この実施例にお
いて、市販されているAquaphor(商品名)(Beiersdorf,Inc.,Norwalk,Conneti
cut,USA)がベース製剤として用いられる。この製剤に、最終組成物が、組成物
全重量に対して、0.05重量パーセントのガリウム及び7.5重量パーセントの添加水を含むの
に十分な量のガリウムマルトール水溶液を加える。組成物は、次いで、均一にな
るまで攪拌する。
以上の発明は、明瞭化及び理解を目的とした例示及び実施例によってかなり詳
細に説明してきたが、添付の請求の範囲内において、ある種の変更及び修正を行
ってもよいことは明らかである。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F
I,GB,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
US,UZ,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. (a)哺乳動物の皮膚においてケラチノサイトの過剰な増殖の位置を同 定すること;及び (b)ケラチノサイトの増殖を抑制するために、局所の適用のために許 容される製薬用の賦形剤と、式1: (式中、各Rは、水素と1から6炭素原子までのアルキルからなる群から独立し て選択される) によって表される3-ヒドロキシ-4-ピロンの中性ガリウムキレートの有効な量 とを含んだ局所製薬組成物を、上記(a)において同定した皮膚の位置に適用す ること、を備える哺乳動物におけるケラチノサイトの増殖を抑制するための方法 。 2. 各Rが、独立して水素又は1から3炭素原子までの非分枝アルキルである 請求項1記載の方法。 3. 各Rが、独立して水素、メチル又はエチルである請求項2記載の方法。 4. 式1の上記3-ヒドロキシ-4-ピロンが、それの2又は6位のいずれかで 単一のアルキル置換基を有する請求項2記載の方法。 5. 式1の上記3-ヒドロキシ-4-ピロンが、3-ヒドロキシ-4-ピロン、3- ヒドロキシ-2-メチル-4-ピロン、3-ヒドロキシ-2-エチル-4-ピロン、及び 3-ヒドロキシ-2-エチル-4-ピロンからなる群から選択される請求項1記載の 方法。 6. 式1の上記3-ヒドロキシ-4-ピロンが、3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ピ ロンである請求項5記載の方法。 7. 式1の上記3-ヒドロキシ-4-ピロンが、3-ヒドロキシ-2-エチル-4-ピ ロンである請求項5記載の方法。 8. 上記3-ヒドロキシ-4-ピロンのガリウムキレートが、少なくとも5x1 0-5Mの濃度において該製薬組成物中に存在させる、請求項1記載の方法。 9. 上記3-ヒドロキシ-4-ピロンのガリウムキレートが、皮膚における上記 ガリウムキレートが少なくとも5x10-5Mの濃度に達するために十分な量にお いて該製薬組成物中に存在させる、請求項1記載の方法。 10. 哺乳動物の皮膚のケラチノサイトの過剰な増殖位置が、乾癬に結び付け られる請求項1記載の方法。 11. 哺乳動物の皮膚のケラチノサイトの過剰な増殖位置が、アトピー性皮膚 炎、接触皮膚炎、湿疹様の皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、角質増殖症、紅斑 角皮症、魚鱗癬、光線角化症、ざ瘡、基底細胞癌、又は扁平上皮癌に結び付けら れる請求項1記載の方法。 12. (a)哺乳動物の皮膚においてケラチノサイトの過剰な増殖の位置を同 定すること;及び (b)ケラチノサイトの増殖を抑制するために、局所の適用のために許 容される製薬用の賦形剤と、ガリウムマルトールの有効な量とを含んだ局所製薬 組成物を、上記(a)において同定した皮膚の位置に適用すること、 を備える哺乳動物におけるケラチノサイトの増殖を抑制するための方法。 13. 上記ガリウムマルトールが、少なくとも5x10-5Mの濃度において該 製薬組成物中に存在させる、請求項12記載の方法。 14. 上記3-ヒドロキシ-4-ピロンのガリウムキレートが、皮膚における上 記ガリウムキレートが少なくとも5x10-5Mの濃度に達するために十分な量に おいて該製薬組成物中に存在させる、請求項12記載の方法。 15. 哺乳動物の皮膚のケラチノサイトの過剰な増殖位置が、乾癬に結び付け られる請求項12記載の方法。 16. 局所の皮膚への適用のために許容される製薬用の賦形剤と、式1:(式中、各Rは、水素と1から6炭素原子までのアルキルからなる群から独立し て選択される) の化合物の有効な量とを含む局所製薬組成物。 17. 各Rが、独立して水素又は1から3炭素原子までの非分枝アルキルであ る請求項16記載の製薬組成物。 18. 各Rが、独立して水素、メチル又はエチルである請求項16記載の製薬 組成物。 19. 式1の上記3-ヒドロキシ-4-ピロンが、それの2又は6位のいずれか で単一のアルキル置換基を有する請求項16記載の製薬組成物。 20. 式1の上記3-ヒドロキシ-4-ピロンが、3-ヒドロキシ-4-ピロン、3 -ヒドロキシ-2-メチル-4-ピロン、3-ヒドロキシ-2-エチル-4-ピロン、及び 3-ヒドロキシ-2-エチル-4-ピロンからなる群から選択される請求項16記載 の製薬組成物。 21. 式1の上記3-ヒドロキシ-4-ピロンが、3-ヒドロキシ-2-メチル-4- ピロンである請求項20記載の製薬組成物。 22. 式1の上記3-ヒドロキシ-4-ピロンが、3-ヒドロキシ-2-エチル-4- ピロンである請求項20記載の製薬組成物。 23. 上記組成物が、該組成物の全重量を基にして約0.0001から約5重 量パーセントまで含有する請求項16記載の製薬組成物。 24. 上記組成物が、該組成物の全重量を基にして約0.0005から約0. 5重量パーセントまで含有する請求項16記載の製薬組成物。 25. 病変しやすいことが知られる皮膚のエリア上の過増殖に結び付けられる 明白な病変の発生の前に哺乳動物におけるケラチノサイトの過増殖を抑制するた めの方法であり: (a)明白な病変がないが、しかしケラチノサイトの過増殖に結び付け られる病変化しやすい皮膚の位置を同定すること;及び (b)局所の適用のために許容される製薬用の賦形剤と、上記と同じ式 1の3-ヒドロキシ-4-ピロンの有効な量とを含んだ局所製薬組成物を、上記( a)において同定した皮膚の位置に適用すること、 を備える方法。 26. マスト細胞、メラノサイト、線維芽細胞、ランゲルハンス細胞、内皮細 胞、上皮細胞、神経細胞、及びメルケル細胞からなる群から選択される哺乳動物 細胞の望ましくない増殖を抑制するための方法であり: (a)哺乳動物中の上記細胞の過剰な増殖の位置を同定すること;及び (b)製薬用に許容される賦形剤と、式1: (式中、各Rは、水素と1から6炭素原子までのアルキルからなる群から独立し て選択される) により表される3-ヒドロキシ-4-ピロンの中性ガリウムキレートの有効な量と を含んだ製薬組成物を、上記(a)において同定した位置に投与すること、 を備える方法。
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