JPH09507851A - 医薬学的組成物 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
癌または異常に増進した細胞増殖により生じる病気の治療に有用な医薬学的組成物は、芳香族アルデヒド類のアシル誘導体、特には下記一般式(I)のアリーリデンジエステル類およびα−アルコキシアリーリデンエステル類を含有する。
Description
【発明の詳細な説明】
医薬学的組成物
本発明は、癌、特に癌腫、または増進した細胞増殖により生じる病気の治療に
おいて使用され得る医薬学的組成物に関する。本発明による組成物において活性
な化合物は芳香族アルデヒド類のアシル誘導体、特にアリーリデンジエステル類
およびα−アルコキシアリーリデンエステル類である。
技術分野:
芳香族アルデヒド類およびそれらの誘導体が抗癌効果を有することは、種々の
特許文献(EP215395、J63264411、J88009490、J55069510、およびEP0283139)に
より知られている。これらの化合物は細胞の蛋白質合成に対して阻害作用を発揮
する。
固形腫瘍において、この減少された蛋白質合成は、細胞死をもたらす生体蛋白
質の欠乏という結果を生じ得る。正常細胞においては、固形腫瘍の多くの癌細胞
におけるよりも高い蛋白質合成の潜在能力がある。このことは、しばしば10時
間未満である正常幹細胞における細胞周期期間と、典型的には30〜150時間
である固形腫瘍の多くの癌細胞の細胞周期期間との比較によって示されている(T
he Cell Cycle and Cancer.Ed.:Baserga,Marcel Dekker Inc.,N.Y.1971の第
99頁に記載のガボストとピレリ(Gavosto and Pileri)の文献参照)。平均的
には細胞はその蛋白質を1細胞周期の間に倍加するので、上記細胞周期期間の違
いは、癌の多くの細胞においてよりも生長刺激された正常細胞において、蛋白質
集積がより高いことを意味している。
正常細胞と癌細胞のこの違いと共に、同様に重要なもう一つの違いが存在し、
正常細胞は生長調節刺激に反応するが、癌細胞はそのような反応を僅かしか有し
ないかあるいは全く有しない。従って、通常の生長条件下において正常細胞は予
備生長潜在能力を有するが、癌細胞はそのような予備力を僅かしか有しないかあ
るいは全く有しない。従って、正常細胞および癌細胞において蛋白質合成阻害が
長期間に亘って連続的に課されたときに、2種類の異なるタイプの細胞は異なる
反応を示すであろう。即ち、正常組織はその予備生長潜在能力の幾らかの使用を
始め、それにより正常な細胞産生を維持することができる。しかし、癌組織はそ
のような予備力を僅かしか有しないかあるいは全く有しない。同時に、多くの癌
細胞における蛋白質集積速度はかなり低下する(即ち、蛋白質合成が蛋白質分解
よりも僅かだけ多い)。従って、蛋白質合成阻害は、蛋白質集積に関して腫瘍組
織のバランスを崩すに全く充分なものであり、その結果としてある種の蛋白質に
関して負のバランスを与え得る。数日間の連続処理の間に、このことは腫瘍組織
において細胞の不活性化および壊死という結果を生じさせるが、正常組織は傷害
されない。
現時点までのところ、可逆的蛋白質合成阻害を誘導し且つ抗癌活性を示す化合
物の内で最も試験されている化合物は、ジラスコーブ(2H)[zilasorb(2H); 5,
6-ベンジリデン-d1-アスコルビン酸]である。この従来技術化合物の蛋白質合
成阻害活性は、ペーターソンらの文献(Petterson et al.,Anticancer Res.,1
1: 1077-1082,1991)および欧州特許文献(EP0283139)に詳細に記載されてい
る。ジラスコーブ(2H)は、ヌードマウス内のヒト腫瘍異種移植片に、生体内で
腫瘍壊死を誘導する(Petterson et al.,Br.J.Cancer,67: 650-656,1993)。
そしてこの化合物は現在、フェーズIおよびフェーズII臨床試験を受けている。
ジラスコーブ(2H)が芳香族アルデヒドの誘導体であることから、本発明に記載
される新規化合物の活性は、後記においてジラスコーブ(2H)の活性と比較され
る。
英国特許出願第9026080.3号明細書により、抗癌剤として従来知られ
ているベンズアルデヒド化合物が、異常に増進した細胞増殖の結果生じる疾患と
戦うために使用され得ることが知られている。また、そのような化合物は、異常
に増進した細胞増殖速度を有する細胞に対する効果も有しており、従ってそれら
の化合物は、乾癬、炎症性疾患、リウマチ病およびアレルギー性皮膚科学的反応
等の疾患の治療に使用されることができる。
乾癬のような皮膚科学的異常は、しばしば表皮の急速な代謝回転により特徴付
けられる。正常な皮膚は約27,000細胞からなる皮膚の1cm2当たりおよそ
1250新細胞/日を生産するが、乾癬性皮膚は52,000細胞からなる皮膚1
cm2当たり35,000新細胞/日を生産する。しかし、これらの疾患に包含さ
れる細胞は細胞分裂により急速にかつ繰り返し再生産する「正常」細胞である。
正常皮膚細胞の更新には約311時間かかるが、この過程は乾癬性皮膚では増進
されて約10〜36時間かかる。
芳香族アルデヒドおよびそれらのある種のアセタール誘導体が、ヒト細胞に対
して本質的に可逆的な生長阻害効果を有していることが知られている。これらの
化合物により誘導される生長阻害は、根本的には細胞による蛋白質合成の減少に
起因している(Petterson et al.,Eur.J.Clin.Oncol.19,935-940,1983お
よびCancer Res.45,2085-2091,1985)。蛋白質合成の阻害はこれらの薬剤が細
胞微小環境内に存在する間だけ有効である。例えば、細胞性蛋白質の合成は薬剤
が細胞から離脱した時点から1時間以内に正常なレベルに急速に復帰する。
このことは、上記化合物を用いた治療の後に正常細胞は何の障害も受けないと
いう効果をもたらす。さらに、得られた蛋白質合成阻害は延長された細胞周期期
間を誘導するので、治療の間、細胞産生の減少および蛋白質合成の減少が達成さ
れる。
上記組成物により治療され得る疾患の例は、リュウマチ様関節炎、乾癬性関節
炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状エリテマトーデス(DLE)、アク
ネ、ベヒテレス関節炎、進行性全身性硬化症(PSS)および脂漏症である。
特定の芳香族アルデヒド誘導体類、例えばアリールデンジエステル類およびα
-アルコキシアリールデンエステル類が、公知且つ検定済みの化合物よりも非常
に強い蛋白質合成阻害効果を発揮することが今般判明した。
詳細な記述
従って、本発明の医薬学的化合物は、下記一般式(I):
[式中、LはHまたはDであり;
Arはフェニルであるか、あるいは異原子がO、NまたはSである複素5員環
または複素6員環であり;
該芳香環は部分的または完全にジュウテリウム置換されることも、あるいはさ
らに置換されることができ、それらの置換基は同一であるか異なっており、該置
換基は、1〜20炭素原子を有する分岐または直鎖アルキル、フルオロアルキル
、2〜20炭素原子を有する(分岐または直鎖)アルケニル、2〜20炭素原子
を有する(分岐または直鎖)アルキニル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン
、ニトロ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ(この
とき、アルキル基は同一であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素原子
を有することができる)であることができ;
該芳香環は、さらに、
OR(式中、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであること
ができ)、
CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭素
原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、
COA(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができ
る)、
COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで
きる)、
CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもでき、かつ
H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により置換され
ることができ;
式(I)中のYはH、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキル、2〜20
炭素原子および1〜6二重結合を有するアルケニル、2〜20炭素原子および1
〜6三重結合を有するアルキニルであることができ、このときこれらのアルキル
、アルケニルまたはアルキニル基は、アルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハ
ロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ
(このときアルキル基は同一であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素
原子を有することができる)によりさらに置換されることができ;
式(I)中のYは、さらに、
OR(式中、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであること
ができる)、
CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭素
原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、
COA(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができ
る)、
COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで
きる)、
CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもでき、かつ
H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)であることがで
き;
式(I)中のZは、YまたはCOYであることができ、該置換基は同一である
ことも異なることもでき;
式(I)中の配列Z-O-C(Ar)L-O-CO-Yもまた5員環または6員環を
形成することができ、このとき、YおよびZは、1または2箇所で置換されるこ
とができる1または2炭素原子の一般的なアルキル鎖からなり(該置換基は同一
または異なっており、且つ同一または異なる炭素原子上に位置される、1〜20
炭素原子を有するアルキル、2〜20炭素原子および1〜6二重結合を有する
アルケニル、2〜20炭素原子および1〜6三重結合を有するアルキニルである
ことができる)、このときこれらのアルキル、アルケニルまたはアルキニル基は
、さらに、アルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、
アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ(このときアルキル基は同
一であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素原子を有することができる
)、OR(式中、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであるこ
とができる)、CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてR
は1〜20炭素原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、CO
A(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、
COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで
きる)、CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもで
き、かつH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により
置換されることができ;
前記Y−Z結合体はまた縮合芳香環も含むことができ、そして該芳香環は、ア
ルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、モノ
アルキルアミノまたはジアルキルアミノ(このときアルキル基は同一であること
も異なることもでき、かつ1〜20炭素原子を有することができる)、OR(式中
、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであることができる)
、CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭
素原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、COA(式中、Aは
H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、COOR(式中
、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、CON
R1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもでき、かつH、D
または1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により置換されること
ができる。]で表される化合物、および式(I)の医薬学的に許容され得る塩を
含有する。
本発明の医薬学的組成物中に存在する好ましい化合物は、下記一般式(II):
[式中、全ての置換基は上記の意味を有する。]および下記一般式(III):
[式中、アルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ア
ミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ(このときアルキル基は同一
であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素原子を有することができる)
、OR(式中、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであるこ
とができる)、CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてR
は1〜20炭素原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、CO
A(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、
COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで
きる)、CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもで
き、かつH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により
さらに置換されており、残りの全ての置換基は上記の意味を有する。]により表
される次のサブグループの幾つかに分類されることができる。
本発明による組成物の特に好ましいサブグループは次の通りである。
A.YがCH3であり、かつZがCOCH3である式(I)の化合物を含有する医
薬学的組成物。
B.Arが1または2置換されたフェニルであり、1つの置換基または同一であ
ることも異なることもできる複数の置換基が、CH3、CF3、F、NO2、CN
、CO2、CH3、CH(OCOCH3)2、CD(OCOCH3)2である式(I)の化
合物を含有する医薬学的組成物。
C.Arがニトロフラニルである式(I)の化合物を含有する医薬学的組成物。
D.Arがフェニルである式(I)の化合物を含有する医薬学的組成物。
E.Lがジュウテリウムである式(I)の化合物を含有する医薬学的組成物。
特に好ましい組成物は次の通りである。
製造
無水酢酸の存在下におけるトルエンの酸化によるベンジリデンジアセテートの
合成は古くから知られている。実際、この経路は、生成およびそれに引き続くジ
アセテート中間体の加水分解による、過剰な酸化から保護されるベンズアルデヒ
ドの大規模生産に使用されている。当然、ベンジリデンジアセテートも、無水酢
酸を直接的にベンズアルデヒドに作用させることにより合成される。
また、置換ベンズアルデヒドからのアリール置換されたベンジリデンジアセテ
ートの合成も、化学文献により良く知られている。この分野は幾つかの標準的な
有機化学の教科書に非常に詳しく記載されている。クラウゼナーらの文献(Klau
sener,A.et al.,Houben-Weyl,Methoden der Organischen Chemie,E14a/l,
711-,Thieme,Stuttgart 1991)は最近の概説を呈示し、そして多くの資料を引
用している。下記資料は幾つかの重要な文献を紹介している。それは、ノエベナ
ゲルの文献(Knoevenagel,E.,Justus Liebigs Ann.Chem.402(1914),111)、
フリーマンとカラチェフスキーの文献(Freeman,F.and Karachefski,E.M.,J
.Chem.Eng.Data 22(1977),355)、オラーとメーロトラの文献(Olah,G.A.an
d Mehrotra,A.K.,Synthesis(1982),962)、コチャーらの文献(Kochar,K.S.,
et al.,J.Org.Chem.,48(1983),1765)、コテルとコトーの文献(Cotelle,P
.and Cotteau,J.P.,Tetrahedron Lett.33(1992),3855)およびバルマらの
文献(Varma,R.S.et al.,Tetrahedron Lett.,34(1993),3207)である。
異なる種類の酸性触媒の使用にも幾らかの注意が払われている。従来の鉱酸の
代わりに樹脂に支持された超酸を使用することにより方法が改善されているが、
これは水性の汚れ(aqueous work-up)が排除され得るからである(Olah,G.A.a
nd Mehrotra,A.K.,Synthesis(1982),962)。
無水酢酸を別の無水カルボン酸で置き換えることにより、他のベンジリデンジ
エステル類も同様に生成され得る。ベンジリデンジエステル類は、構造的に類似
したアセタール類に対する言語上の類推から、一般的にアシラール類と呼ばれて
いる。
ベンジリデンジベンゾエートはウエシェイダーとスパト(Wegscheider,R and
Spat,E.,Monatsh.Chem.,30(1909),825)により既に合成されている。ベン
ジリデンジブタノエートの合成はマクシック(McKusick,B.C.,J.Am.Chem.S
oc.,70(1948),1982)およびマンら(Man,E.H.et al.,J.Am.Chem.Soc.,72
(1950),847)により記述されている。
また、文献により幾つかの複素環式ジアセテートが知られている。フルフラー
ルまたはチオフェン-2-カルボキシアルデヒドからのジアセテート類およびそれ
らの5-ニトロ相当品が、次の著者らにより言及されている。それは、ハーマン(
Herman,E.C.,米国特許第2,680,117号明細書(1954年6月1日)
;Chem.Abstr.,1955,49,6313b)、パトリックとエマーソン(Patric,T.M.an
d Emerson,W.S.,J.Am.Chem.Soc.,74(1952),1356)、フリーマン(Freeman
,D.et al.,Aust.J.Chem.,29(1976),327)およびチマーマン-クレイグと
ウイリス(Cymerman-Craig,J.and Willis,D.,J.Chem.Soc.,(1954),1071
)である。
2つの異なるエステル部分を有するアシラールの合成も可能であり、クラウゼ
ナーらの文献(Klausener,A.et al.,Houben-Weyl,Methoden der Organishen
Chemie,E14a/l,698,Thieme,Stuttgart 1991)によれば、この目的を達する
最良の方法は2段階法を採用することである。第一段階でアリーリデン-α-ハロ
エステルが調製され、そして続いて、この中間体が塩基性条件下にカルボン酸と
反応させられる。
環式ジエステル類(アシラール類)を得るためのアルデヒドとジカルボン酸の
縮合、ならびに環式アルコキシ-エステル類(アシル-アセタール類)を得るため
のヒドロキシカルボン酸の縮合も、クラウゼナーらの文献(Klausener,A.et a
l.,Houben-Weyl,Methoden der Organishen Chemie,E14a/l,716-,Thieme,S
tuttgart 1991)に包括的に記載されている。しかし、脂肪族アルデヒドを取り
扱った引用資料は数多いが、相当するベンジリデン誘導体は僅かに記載されてい
るだけである。それにもかかわらず、文献によって、何種類かのベンジリデンジ
オキソラノンおよびベンジリデンジオキサノンの合成が知られている。幾つかの
文献(Seebach,D.et al.,Tetrahedron 40(1984),1313; Farines,M.and
Souliers,J.Bull.Soc.Chim.Fr.(1970),332;およびMashraqui,S.W.et a
l.,J.Org.Chem.49(1984),2513)は、これらの種類の構造を例示している。
反応は、通常炭化水素媒質中で実施され、そして縮合の間に形成された水は、好
ましくは溶媒との共沸混合物として留去される。
シーバッハとその共同研究者らは、その他の幾らか合成の難しいジオキサン類
の別の合成経路を示している。最初に、ヒドロキシカルボン酸がビストリメチル
シリル誘導体として活性化され、次いでこの中間体が、触媒としてのトリメチル
シリルトリフレート(flate)の存在下にアルデヒドと反応させられる(Seebach
,D.et al.,Helv.Chim.Acta 70(1987),449)。
上記記載から明らかなことは、本特許出願に包含される物質の幾つかは先行化
学文献により公知であり、当業者により容易に製造され得るということである。
実際に、多くのアシラール類、特にベンジリデンジアセテートタイプのものは既
に合成されている。しかしながら、本発明者の知る限り、これらの物質が、増進
した細胞増殖により生じる疾患、特に癌の治療のための医薬学的薬剤として提案
されたことは全くない。
本発明による非環式誘導体は、酸性触媒の存在下に、相当する芳香族アルデヒ
ドまたは複素環式アルデヒドと無水カルボン酸とを反応させることにより製造さ
れ得る。触媒は、硫酸のような鉱酸、p-トルエンスルホン酸のような有機酸あ
るいはナフィオンNR50(Nafion NR50)のように樹脂に支持された超酸であ
ることができる。
本発明の環式誘導体は、適当な触媒の存在下に、相当するアルデヒドとヒドロ
キシカルボン酸またはトリメチルシリル活性ヒドロキシカルボン酸とを縮合させ
ることにより製造され得る。
この反応は、四塩化炭素、ジクロロメタン、ペンタン、トルエン等の不活性な
溶媒中で、あるいは過剰の無水物の存在下に他の溶媒を用いずに、都合良く実施
されることができる。
個々の場合それぞれにおいて、使用される溶媒および触媒といった具体的反応
条件は、反応物の溶解性および反応性ならびに製造物の特性に依存する。
Lがジュウテリウムである式(I)の化合物は上記の如くして製造され得るが
、
ホルミル部分でジュウテリウム置換した芳香族アルデヒドまたは複素環式アルデ
ヒドを用いて反応を開始する。
下記実施例は、本発明の化合物がどのようにして製造され得るかを説明するも
のである。
実施例1.ベンジリデンジアセテート
過剰の無水酢酸(50ml)に溶解したベンズアルデヒド(5.0g、0.04
7モル)の溶液を氷/水にて冷却し、これに濃硫酸[5滴(5dr.)]を添加した
。0.5時間後、水浴を取り除き、反応混合物をその後2時間に亘って室温下に
攪拌した。ついで、過剰な無水物を蒸発させ、無色の油状残留物を蒸留した(1
40〜145℃/15mmHg)。蒸留物を放置して固化させた。融点は44.5
〜47.5℃であった。収量は5.2gで理論量の53%であった。
NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.68(s,1H,CH(OAc)2),7.52 & 7.42(m,2+3H,Ar-H),2.15(s,6H,CH 3)
実施例2.ベンジリデン-d1ジアセテート
ベンズアルデヒド-d1(10.0g、0.093モル)と無水酢酸(9.5g、
0.093モル)を0℃で四塩化炭素(10ml)に溶解した。ナフィオンNR
50(280mg)を添加して、反応混合物を0.5時間攪拌した。氷/水浴を取
り除き、室温で反応を続行させた。5時間後にさらに0.95g量の無水物と3
00mg量の触媒を添加した。24時間後に触媒を濾別し(エーテルで洗浄し)、
そして濾液を留去することにより反応を止めた。残留物を蒸留(沸点135〜1
36℃/15mmHg)して、融点44.5〜47.5℃の白色固体を得た。収量
は13.9gで理論量の71%であった。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.53 & 7.43(m,2+3H,Ar-H),2.14(s,6H,CH 3);
168.743(C=O),135.337,129.726,128.561 & 126.627(Ar),約89(CD(OAc)2
),20.826(CH3)
実施例3.3-メチルベンジリデンジアセテート
3-メチルベンズアルデヒド(4.57g、0.038モル)を過剰の無水酢酸
(10ml)に溶解し、攪拌しながら4滴の濃硫酸を添加した。得られた混合物
を室温下に1.5時間反応させた。次いで、ヘキサン(30ml)を添加し、得
られた2つの相を10%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)を用いて2回洗
浄した。有機相を(無水硫酸マグネシウムで)乾燥させ、そして蒸発させた。粗
製造物を減圧下に蒸留(78℃/0.12mbar)して無色油を得た。収量は3
.6gで理論量の43%であった。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.66(s,1H,CH(OAc)2),7.36-7.20(m,5H,Ar-H),2.38(s,3H,Ar-CH 3),
2.12(s,6H,COCH 3);
168.695(C=O),138.304,135.288,130.434,128.443,127.180 & 123.621(Ar
),89.690(CH(OAc)2),21.270(Ar-CH3),20.778(COCH3)
実施例4.4-メチルベンジリデンジアセテート
4-メチルベンズアルデヒド(4.01g、0.033モル)を過剰の無水酢酸
(10ml)に溶解し、攪拌しながら5滴の濃硫酸を添加した。得られた混合物
を室温下に1.5時間反応させ、そして過剰の無水物を蒸発により除去した。残
留物を70%エタノール(20ml)を用いて洗浄した後、アセトンに溶解させ
、そしてシリカゲルのベッドを通して濾過した。溶媒を蒸発させて白色結晶を得
た。収量は2.56gで理論量の35%であった。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.66(s,1H,CH(OAc)2),7.43 & 7.23(q,2+2H,Ar-H),2.38(s,3H,Ar-CH 3
),2.12(s,6H,COCH 3);
168.703(C=O),139.693,132.519,129.165 & 126.519(Ar),89.684(CH(OAc
)2),21.194(Ar-CH3),20.775(COCH3)
実施例5.3-ニトロベンジリデンジアセテート
3-ニトロベンズアルデヒド(20.0g、0.132モル)と無水酢酸を四塩
化炭素(50ml)に溶解した。ナフィオンNR50(600mg)を添加し、
反応混合物を窒素雰囲気下に35℃で一晩攪拌した。さらに3.0g量の無水物
を添加し、反応混合物を再度一晩放置した。触媒を濾別し、濾液を蒸発させた。
残留物は幾らかの結晶沈殿物を伴う黄色油であったが、これらの沈殿結晶を濾別
した(そして冷ヘキサンを用いて洗浄した)。濾液を再度蒸発させ、残留物をヘキ
サン(900ml)から再結晶させた。製造物は僅かに黄色がかった結晶であり
、その融点は67〜70℃であった。収量は21.1gで理論量の63%であっ
た。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
8.45-7.61(m,3x1H,Ar-H),7.79(s,1H,Ar-CH(OAc)2),2.19(s,6H,CH 3)
;
168.583(C=O),148.344,137.496,122.956,129.742,124.578,121.881(A r
),88.337(CH(OAc)2),20.758(CH3)
実施例6.4-ニトロベンジリデンジアセテート
4-ニトロベンズアルデヒド(10.0g、0.066モル)と無水酢酸(7.4
g、0.073モル)を四塩化炭素(25ml)中で混合した。ナフィオンNR
50(300mg)を添加し、反応混合物を窒素雰囲気下に35℃で数日間攪拌
した。触媒を濾別し(四塩化炭素を用いて洗浄して)、僅かに黄色がかった沈殿
が形成されるまで濾液を濃縮した。結晶を濾別し、エーテルを用いて洗浄して、
さらなる精製を行うことなく使用した。融点は124〜126℃であった。収量
は4.6gで理論量の27%であった。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
8.27 & 7.71(q,2+2H,Ar-H),7.74ppm(S,1H,CH(OAc)2),2.19(s,6H,CH 3
);
168.464(C=O),148.466,141.819,127.754 & 123.696(Ar),88.171(CH(OAc
)2),20.599(CH3)
実施例7.4-シアノベンジリデンジアセテート
4-シアノベンズアルデヒド(10.0g、0.076モル)と無水酢酸(7.8
g、0.076モル)を四塩化炭素(15ml)に溶解した。ナフィオンNR5
0(300mg)を添加し、反応混合物を窒素雰囲気下に室温で攪拌した。5時
間後、さらに4.0g量の無水物を添加し、そして反応混合物を数日間放置した
。触媒を濾別し、濾液を蒸発させた。残留物をクロロホルム(230ml)中に
取り、ヘキサン(100ml)を添加することにより未反応出発材料を沈殿させ
てから濾別した。濾液を蒸発させ、溶解/沈殿手順を繰り返した。最終的に粗製
造物をエーテルから再結晶させて、融点104〜107℃の白色結晶を得た。収
量は5.9gで理論量の34%であった。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.72 & 7.63(q,2+2H,Ar-H),7.69(s,1H,CH(OAc)2),2.17(s,6H,CH 3);
168.554(C=O),140.103,132.442,127.512,118.166,113.616(Ar & C=N)
,88.513(CH(OAc)2),20.737(CH3)
実施例8.4-フルオロベンジリデンジアセテート
4-フルオロベンズアルデヒド(10.0g、0.081モル)と無水酢酸(8.
23g、0.081モル)を四塩化炭素(10ml)に溶解した。ナフィオンN
R50(300mg)を添加し、反応混合物を窒素雰囲気下に室温で21時間攪
拌した。触媒を濾別し、濾液を蒸発させて無色油を得た。これを放置して固化さ
せた。この粗製造物を短路(熱水凝縮器)を通して蒸留(沸点:68.5〜71.
5℃/0.1mbar)した。製造物は白色固体であり、その融点は52〜53.
5℃であった。収量は14.9gで理論量の82%であった。1
NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.67(s,1H,CH(OAc)2),7.52 & 7.11(q,2+2H,Ar-H),2.11(s,6H,CH 3)
実施例9.4-カルボメトキシベンジリデンジアセテート
メチル-4-ホルミルベンゾエート(10.0g、0.061モル)と無水酢酸(
50ml)の混合物を氷/水にて冷却し、これに濃硫酸(5滴)を添加した。反
応混合物が再び0℃に達したときに、水浴を取り除いた。2時間後、反応混合
物を蒸発させ、そして残留物をヘキサンから結晶化させた。残留物の一部が、許
容され得る純度のふわふわした白色結晶を形成した。残りをローバーC(Lobar
C)シリカカラム上でさらに精製したが、このとき、まずエチルアセテート/ヘキ
サンを1:10の割合として、次いで1:1の割合で用いて溶出させた。(融点
は64〜67℃であった。)最終的な(結晶化およびクロマトグラフィーによる
)収量は4.85gで理論量の30%であった。1
NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
8.09 & 7.60(q,2+2H,Ar-H),7.22(s,1H,CH(OAc)2),2.14(s,1H,CH 3)
実施例10.4-ナトリウムカルボキシベンジリデンジアセテート
4-カルボキシベンズアルデヒド(10.0g、0.067モル)と無水酢酸(
35ml)を窒素雰囲気下に混合した。ナフィオンNR50(300mg)を添
加し、そして反応混合物を室温で2日間攪拌した。触媒を濾別し、反応混合物も
濾過してエーテルで洗浄した。濾液を蒸発させ、5%炭酸水素ナトリウム溶液(
100ml)と共に攪拌した。溶解しなかった固体の塊を取り除いた。水相を凍
結乾燥させ、そしてローバーC RP-8逆相カラム上で精製し、10%メタノー
ル水溶液で溶出させた。数回の操作により得られた製造物を凍結乾燥させ、そし
て一緒にして純粋な白色のふわふわした粉末(1.0g)を得た。1
H NMR(D2O),d(ppm)rel.to TMSP:
7.93 & 7.63(q,2+2H,Ar-H),7.68(s,1H,CH(OAc)2),2.19(s,6H,CH 3)
実施例11.3-ジアセトキシメチルベンジリデンジアセテート
イソフタルアルデヒド(10.0g、0.075モル)と無水酢酸(16.7g
、0.164モル)を窒素雰囲気下に四塩化炭素(25ml)中で混合した。ナ
フィオンNR50を添加し、そして反応混合物を30℃で数日間攪拌した。この
期間の間に、さらに触媒(100mg)と溶媒(5ml)を添加した。触媒を濾
別し、また反応混合物も濾過してエーテルで洗浄した。粗固体をシクロヘキサン
(540ml)から結晶化させて、融点110〜113℃の白色結晶を得た。収
量は10.3gで理論量の41%であった。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.72(s,1H,CH(OAc)2),7.70-7.42(m,1+2+1H,Ar-H),2.13(s,6H,CH 3);
168.591(C=O),135.908,128.885,128.047 & 124.879(Ar),89.072(CH(OAc
)2),20.717(CH3)
実施例12.3-アセトキシ-5-エトキシ-ベンジリデンジアセテート
3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(4.26g、0.025モル)
を過剰の無水酢酸(10ml)と混合した。濃硫酸(3滴)を添加することによ
り、混合物の色がオレンジ色から暗赤色に変化した。得られた溶液を室温下に3
時間攪拌した。次いで、反応混合物を塩化メチレンに溶解した後、炭酸水素ナト
リウム水溶液で洗浄した。有機相を(無水硫酸マグネシウムで)乾燥させ、そし
て蒸発させた。粗製造物を繰り返しクロロホルムから再結晶させ、最終的に、ペ
ンタンの添加によりクロロホルムから白色結晶固体を沈殿させた。核磁気共鳴分
光分析法は、この製造物が、アルデヒドのアセチル化および4-ヒドロキシ基の
予期しない転位により形成されると考えられている3-アセトキシ-5-エトキシ-
ベンジリデン-ジアセテートであることを示した。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.61 & 7.25(s+s,1+1H,Ar-H),7.12(s,2H,Ar-H+CH(OAc)2),4.11(q,2H
,CH3CH 2O),2.25(s,3H,Ar-OCOCH 3),2.10(s,6H,CH(OCOCH 3)2),1.35(t,3H
,OCH2CH 3);
169.230(CH(OCOCH3)2),168.870(Ar-OCOCH3),151.619,142.068,135.418
,123.697,119.540 & 112.749(Ar),89.838(CH(OAc)2),65.075(OCH2),20.669
(CH(OCOCH3)2),20.389(Ar-OCOCH3),14.888(OCH 2CH3)
実施例13.ベンジリデン-d1ジブタノエート
ベンズアルデヒド-d1(10.0g、0.093モル)と無水酪酸(15.0g
、0.095モル)を窒素雰囲気下に四塩化炭素に溶解した。ナフィオンNR5
0を添加し、そして反応混合物を室温で3日間攪拌した。触媒を濾別し、濾液を
蒸発させた。残留物を蒸留して沸点157〜163℃/5mbarの無色油を得
た。
収量は17.7gで理論量の75%であった。1
H NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.53 & 7.42(m,2+3H,Ar-H),2.38(tt,4H,COCH 2),1.69(m,4H,CH 2CH2C
H3),0.97(t,6H,CH3)
実施例14.4-ナトリウムカルボキシベンジリデンジブタノエート
4-カルボキシベンズアルデヒド(8.6g、0.057モル)と無水酪酸(4
5ml)を窒素雰囲気下に混合した。ナフィオンNR50(300mg)を添加
し、そして反応混合物を30℃で数日間攪拌した。この期間の間に、さらに触媒
(150mg)を添加した。触媒を濾別し、そして反応混合物も濾過した(そし
てヘキサンで洗浄した)。濾液を蒸発させ、残留物を5%炭酸水素ナトリウム溶
液(200ml)と混合した。不溶性画分を溶液からデキャンティングして除去
した。水相を凍結乾燥させ、そしてローバーC RP-8逆相カラム上で精製し、
メタノール/水1:1を用いて溶出させた。数回の操作により得られた製造物を
凍結乾燥させて一緒にし、白色粉末(3.1g)を得た。1
H NMR(D2O),d(ppm)rel.to TMSP:
7.95 & 7.63(q,2+2H,Ar-H),7.73(s,1H,CH(OCOC3H7)2),2.43(t,4H,C
OCH 2),1.62(m,4H,CH2CH 2CH3),0.90(t,6H,CH 3)13
C NMR(D2O/ジオキサン)d(ppm)rel.to TMSP:
174.117(CO2Na),173.434(COCH3H7),137.970,137.048,129.352 & 126.14
6(Ar),88.499(CH(OCOC3H7)2),35.476(COCH2),17.810(CH 2CH2CH3),12.779(CH3
)
実施例15.ベンジリデンジヘキサノエート
ベンズアルデヒド(26.3g、0.25モル)と無水ヘキサン酸(53.3g
、0.25モル)を窒素雰囲気下に四塩化炭素(200ml)に溶解した。触媒
量の硫酸を添加し、そして反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を一
晩かけて蒸発させ、残留物をヘキサンに溶解し、そして溶液をシリカベッドを通
して濾過した。濾液をシリカカラム上で精製し、ヘキサンで溶出させた。溶出液
を
蒸発させて無色油を得た。収量は14.0gで、理論量の18%であった。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.72(s,1H,CH(OC5H11)2),7.58-7.39(m,5H,Ar-H),2.37(tt,4H,COCH 2
),1.64(m,4H,COCH2CH 2),1.30(m,4H,CH2CH 2CH3),0.88(t,6H,CH3);
171.524(C=O),135.688,129.523,128.466 & 126.547(Ar),89.398(CH(OC5
H11)2),33.965,31.030,24.235 & 22.179(CH2),13.777(CH3)
実施例16.2-フルフリリデンジアセテート
フラン-2-カルボキシアルデヒド(4.85g、0.050モル)を過剰の無水
酢酸(10ml)に溶解した。濃硫酸を2滴添加することにより、溶液が黒色と
なった。得られた混合物を室温で5時間攪拌した。次いで、混合物をクロロホル
ムで希釈した後、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を(無水硫酸マ
グネシウムで)乾燥させ、そして蒸発させた。黒色粗製造物をジエチルエーテル
に溶解し、活性炭で処理した。液体を蒸発させ、残留物をヘキサンに溶解した。
不溶性不純物を除去し、そしてヘキサンを蒸発させて白色または淡桃色の結晶を
得た。収量は2.12gで理論量の21%であった。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.73(s,1H,CH(OAc)2),7.48,6.55 & 6.41(m,3x1H,Ar-H),2.14(s,6H
,CH 3);
168.308(C=O),147.751,143.562,110.276 & 109.639(Ar),83.328(CH(OAc
)2),20.564(CH3)
実施例17.5-ニトロ-2-フルフリリデンジアセテート
この物質はフラカ社(FLUKA)からの商業的試料であり、さらに精製する
こと無く使用した。NMR分析により物質の確認を行った。
実施例18.チオフェン-2-カルボキシアルデヒドジアセテート
チオフェン-2-カルボキシアルデヒド(5.66g、0.050モル)を過剰の
無水酢酸(10ml)に溶解し、攪拌しながら濃硫酸を3滴添加した。得られた
緑色混合物を室温で2.5時間反応させた。次いで、反応混合物をクロロホルム
(25ml)で希釈した後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した。
有機相を(無水硫酸マグネシウムで)乾燥させ、そして蒸発させた。粗製造物を
ヘキサンに溶解し、不溶性不純物を除去した。次いで、ヘキサン溶液を活性炭で
処理して無色液体を得た。溶媒を蒸発させて白色または淡桃色の結晶を得た。収
量は3.8gで理論量の35%であった。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.93(s,1H,CH(OAc)2),7.49,7.27 & 7.02(m,3x1H,Ar-H),2.12(s,6H
,CH 3);
168.386,137.867,127.179,126.917 & 126.599(Ar),86.227(CH(OAc)2),
20.663(CH3)
実施例19.ピリジン-3-カルボキシアルデヒドジアセテート
ピペリジン-3-カルボキシアルデヒド(5.45g、0.051モル)を過剰の
無水酢酸(10ml)に溶解し、攪拌しながら濃硫酸を4滴添加した。得られた
赤色混合物を70〜75℃で7日間反応させた。冷却した黒色反応混合物をクロ
ロホルムで希釈し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した後、ブライ
ンで数回洗浄した。有機相を(無水硫酸マグネシウムで)乾燥させ、そして蒸発
させた。黒色粗製造物をクロロホルムに溶解し、ペンタンを添加して不純物を沈
殿させた。この沈殿を除去した。溶液を蒸発させ、そして残留製造物を減圧(1
40℃/0.2mbar)下に蒸留(クーゲルローハー:Kugelrohr)して無色油
を得た。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
8.80,8.68,7.83 & 7.37(m,4x1H,Ar-H),7.73(s,1H,CH(OAc)2),2.14(
s,6H,CH 3);
168.443(C=O),150.778,148.154,134.303,131.172 & 123.253(Ar),87.9
88(CH(OAc)2),20.587(CH3)
実施例20.(2R,S)-フェニル-1,3-ジオキソラン-4-オン
グリコール酸(7.6g、0.100モル)をジクロロメタン(200ml)に
懸濁した懸濁液に0〜5℃でトリエチルアミン(31.2g、0.22モル)を添
加した。同じ温度にて、トリメチルクロロシラン(28.8ml、0.22モル)
を添加した。この白色懸濁液を20時間攪拌し、濾過し、そして蒸発させて塩化
メチレンを除去した。ペンタン(150ml)を残留物に添加してEt3NHC
lを沈殿させた。懸濁液を5μmミリポアフィルターを通して濾過し、そして蒸
発させた。粗製造物を減圧(28℃/1.0mbar)下に分別蒸留して、許容さ
れ得る純度の無色液体を得た。収量は15.7gで理論量の71%であった。こ
のようにして生成されたビス-(トリメチルシリル)-グリコール酸を、NMR分光
分析法により同定し、確認した。
触媒量のトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(0.4ml)を
、ジクロロメタン(70ml)中にビス-(トリメチルシリル)-グリコール酸(8
.0g、36ミリモル)とベンズアルデヒド(2.6g、24ミリモル)を含有す
る溶液に−75℃で添加した。溶液をこの温度で20時間攪拌した。ピリジン(
0.2g、2.5ミリモル)を添加し、温度を室温まで上昇させた。(シリカ/塩化
メチレン)クロマトグラフィーによる分離後、残留不純物を20℃で減圧(0.5
トリチュウリ≒0.5mmHg)下に16時間蒸発させて除去した。収量は2.5
gで理論量の42%であった。1
H-および13C NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.55-7.41(m,5H,Ar-H),6.51(s,1H,Ar-CH),4.45(q,2H,CH 2);
171.122(C=O),134.521,130.495,128.669 & 126.328(Ar),64.137(CH2)
実施例21.(2R,S;5S)-2-フェニル-5-メチル-1,3-ジオキソラン-4-
オン
ディーン-スターク(Dean-Stark)ウオータートラップを備えた1リットル容
三首フラスコ内のトルエン(600ml)中でベンズアルデヒド(88.5g、
0.834モル)とL(+)-乳酸とを混合した。触媒量のp-トルエンスルホン酸
を添加し、そして反応混合物を攪拌しながら一晩還流させた。反応混合物を冷却
し、分液漏斗内で10%炭酸水素ナトリウム溶液(600ml)を用いて洗浄し
た。有機相を(無水硫酸マグネシウムで)乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた
。粗製造物をエーテルに溶解し、溶液が曇るまでペンタンを添加した。アセトン
/ドライアイス浴中で冷却することにより、僅かに黄色がかった沈殿を生成した
。この沈殿を単離し(融点50〜53℃)、標記化合物のシス/トランス異性体混
合物(シス:トランス=4:1)であることを確認した。収量は12.4gで理
論量の42%であった。1
H-および13C NMR(アセトン-d6),d(ppm)rel.to TMS:
7.65-7.46(m,5H,Ar-H),6.71 & 6.51(s+s,1H,Ar-CH),4.69(q,1H,OCH
CH3),1.52(d,3H,CH 3);
174.167(C=O),136.248,131.322,130.984,129.473,127.836,& 127.293
(Ar),103.585(Ar-CH),72.519(OCHCH3),16.544 & 15.983(CH3)
実施例22.ベンジリデンジ-(α-クロロアセテート)
ベンズアルデヒド(10.0g、0.094モル)と無水クロロ酢酸(16.1
g、0.094モル)を窒素雰囲気下に四塩化炭素(50ml)に溶解させた。
ナフィオンNR50(240mg)を添加し、そして反応混合物を35℃で一晩
攪拌した。さらにベンズアルデヒド(5.0g)と触媒(120mg)を添加し
、反応を数日間続けさせた。触媒を濾別し、濾液を蒸発させた。残留物を減圧下
に蒸留(沸点123〜125℃/0.1mbar)して僅かに黄色がかった油を得
た。この油を放置して固化させた。収量は7.9gで理論量の30%であった。1
H NMR(CDCl3),d(ppm)rel.to TMS:
7.75(s,1H,CH(OCO-)2),7.57-7.41(m,2+3H,Ar-H),4.14(s,1H,CH(OAc
)2),2.14(d,4H,CH 2Cl)
生物学的実験
下記の生体外実験において、蛋白質合成速度を、従来例化合物であるジュウテ
リウム置換したナトリウム5,6-O-ベンジリデン-d1-L-アスコルビン酸(ジ
ラスコーブ(2H))および本発明による14の化合物について測定した。
細胞培養技法
原位置の子宮頸癌由来の確立された系統であるNHIK3025のヒト細胞(
Nordbye,K.and Oftebro,R.,Exp.Cell Res.,58:458,1969; Oftebro,R.an
d Nordbye,K.,Exp.Cell Res.,58;459-460,1969)を、(研究室にて調製した
)20%ヒト血清と10%ウマ血清(GIBCO)とを補給したE2a培地(Puck et
al.,J.Exp.Med.,106:145-165,1957)中で培養した。
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Co
llection)からA549ヒト肺ガン細胞系(ATCC CCL 185)を購入した。この細
胞を、熱不活性化した10%ウシ胎児血清(GIBCO)を補給したイーグル最小基
本培地のダルベッコ改良培地(D-MEM)中で培養した。
V79379-A細胞(Ford and Yerganian,J.Natl.Cancer Inst.,21:393
-425,1958)が、1976年にレベツ博士(Dr.Revesz,Karolinska Institute
,Stockholm,Sweden)から提供された。これらの細胞を10%ウシ新生児血清
を補給したイーグル最小基本培地(MEM)中で培養した。
T-47Dヒト乳ガン細胞(Keydar et al.,Europ.J.Cancer,15:659-670,
1979)を10%ウシ胎児血清を補給したRPMI 1640培地中で培養した。
全ての細胞は組織培養フラスコ内で単層状に通常通り生長させた。細胞を頻繁
に、即ち2〜3日毎に継代培養して連続的に対数増殖の状態に保った。継代培養
の間および実験の間、細胞を37℃の(単独型またはウオークイン型の)インキ
ュベータ内に保った。
貯蔵培養物をトリプシン処理し、トリプシン溶液を遠心分離(250×g)に
より除去し、そして12mlの培地を含有する25cm2プラスティック組織培
養フラスコ(NUNC,Denmark)に約100,000細胞を播種することにより、球
状コロニーの生長を開始させた(Wibe et al.,Cell Tissue Kinet.,14:639-651
,1981)。次いで、このフラスコを37℃の室内において傾斜台上で24時間
振盪した(1分間当たり30周期、Rotary Mixer,Labinco,The Netherland)。
不断の動きがフラスコ底部への細胞の接着を防ぎ、細胞は各々10〜100細胞
からなる凝集体を形成した。24時間のかき回しの後、予め1%滅菌寒天(Bact
oagar,Difco,U.S.A.)の薄膜(25cm2当たり1ml)で被覆した75cm2
プラスティック組織培養フラスコに凝集体を移植した。寒天被覆がフラスコ底部
への凝集体の接着を防いだ。生長期の間、培地(フラスコ当たり50ml)を週
に3回交換した。1週間生長させた後、パスツールピペットを用いてフラスコ当
たり200個の類似したサイズの球状コロニーを選び出した。球状コロニーの量
的生長を、プラスティック組織培養マルチディッシュ(Falcon,Oxnard,U.S.A.
)の寒天被覆した(0.15ml)ウエル(直径16mm)内に、ウエル当たり
1つの球状コロニーをそれぞれ移植して計測した。培地は毎日交換した。球状コ
ロニーの直交する2つの直径を、位相差倒立顕微鏡内の較正接眼マイクロメータ
ーを用いて計測した。平均体積は、式(p/6)X直径3を用いて、48球状コロ
ニーの平均値として算出した。処理直後の体積を1と設定して全ての体積値を標
準化した。
抗癌効果は、胃への挿管法による試験化合物溶液の経口投与を毎日行うことに
より生体内で試験した。雌の無胸腺マウス(BALB/C/nu/BOM)を使用した。A5
49ヒト肺癌またはSK-OVヒト卵巣癌のいずれかの腫瘍を、9週齢マウスそ
れぞれの後側腹部の皮下に移植したが、このときこれらの被験動物の平均体重は
25.5±0.3gであった。薬剤投与は約4週間後、腫瘍の直径が3〜6mmの
時点で開始した。薬剤は0.9%食塩水に溶解した。
蛋白質合成
蛋白質合成の速度既述の通り算出した(RΦnning et al.,J.Cell Physiol.,
107:47-57,1981)。簡潔には、2〜4日間の予備インキュベーションの間に定常
比放射能(0.5Ci/モル)の[14C]バリンで飽和させて、細胞性蛋白質を実
験に先立って標識した。これは、高濃度のバリンを用いて細胞内バリンおよび蛋
白質分解により生じるバリンによる[14C]バリンの希釈を無くし(RΦnning
et al.,Exp.Cell Res.,123:63-72,1979)それにより比放射能を一定レベル
に保つことにより達成された。蛋白質合成の速度は定常的な比活性の[3H]バ
リンの取り込みから算出した。取り込まれた[3H]の計測はそれぞれの計測期
間の開始時点における[14C]放射能の総量と関係しており、時間当たりの百分
率として表された。
結果
ジラスコーブ(2H)および本発明の14の化合物により誘導される蛋白質合
成阻害を幾つかの哺乳類細胞系で検定した。それぞれの化合物について幾つかの
濃度を検定し、各濃度毎に3〜4反復の試料を用いた。
図1において、蛋白質合成の速度が(対照速度の%として)、ヒトNHIK 3
025頸癌細胞における2種類のニトロベンジリデンジアセテート(化合物5お
よび6)と1種類のニトロフラン(化合物17)の濃度と関連して示されている
。処理期間は1時間であり、この間、細胞培養培地は試験化合物に加えて[3H
]バリンも含有していた。従来技術化合物ジラスコーブ(2H)の効果と比較し
て、蛋白質合成は3種類の化合物全てによって非常に強く阻害され、なかでも化
合物17は最も強い蛋白質合成の阻害を誘導した。
図2において、蛋白質合成の速度が(対照速度の%として)、生体外で培養され
たヒトT-47D乳癌細胞の処理に用いられたニトロベンジリデンジアセテート
である化合物5の濃度と関連して示されている。処理条件は図1に関して述べた
通りであった。ニトロベンジリデンジアセテートである化合物5は従来技術化合
物ジラスコーブ(2H)よりも強い蛋白質合成阻害を誘導した。
図3において、蛋白質合成の速度が(対照速度の%として)、生体外で培養され
たヒトA549肺癌細胞の処理に用いられた14種類の異なる化合物の濃度と関
連して示されている。処理期間は1時間であり、この間、細胞培養培地は試験化
合物に加えて[3H]バリンも含有していた。パネルAにおいて、従来技術化合
物であるジラスコーブ(2H)の効果と比較して、ベンジリデン-d1-ジアセテー
ト(化合物2)または2種類のニトロベンジリデンジアセテートである化合物
5および6のどちらかによる処理によって、蛋白質合成の速度が非常に強く阻害
されることが示されている。
図3のパネルBにおいて、ヒトA549肺癌細胞における蛋白質合成の速度が
、従来技術化合物であるジラスコーブ(2H)の効果と比較して、幾つかの置換
ベンジリデンジアセテート(化合物3、4、8および9)を用いた処理により強
く阻害されることが示されている。
図3のパネルCにおいて、A549肺癌細胞における蛋白質合成の速度が、従
来技術化合物ジラスコーブ(2H)の効果と比較して、ジオキサン誘導体である
化合物20および21を用いた処理により強く阻害されることが示されている。
さらに、アセトキシベンジリデン化合物である化合物11および12も、従来技
術化合物ジラスコーブ(2H)よりも強く蛋白質合成を阻害し、なかでも化合物
11が最も活性な化合物である。
図3のパネルDにおいて、複素環式アセトキシ化合物を用いた処理の、ヒトA
549肺癌細胞の蛋白合成における効果が示されている。ピリジン化合物である
化合物19は従来技術化合物ジラスコーブ(2H)よりも強い蛋白質合成阻害を
誘導した。
図4において、生体外で生長した多細胞性腫瘍球状コロニーの生長に対する、
ニトロベンジリデンジアセテートである化合物5の効果が示されている。この図
から、化合物5が、V79チャイニーズハムスター肺癌細胞、NHIK 302
5ヒト頸癌細胞およびT-47Dヒト乳癌細胞から形成された球状コロニーの生
長を阻害することが判る。3種類の細胞タイプ全てからの球状コロニーの生長は
、投薬量に依存して阻害され、中でもT-47Dの球状コロニーが化合物5に対
して最も鋭敏であった。
ベンジリデン-d1-ジアセテート(化合物2)の毎日の投与による生体内での
腫瘍生長の阻害が、図6に示されている。パネルAのデータは、SK-OVヒト
卵巣癌異種外植片を移植された無胸腺マウスに対する8.5mg/Kgのベンジリ
デン-d1-ジアセテート(化合物2)の毎日の経口投与が、200mg/kgで経
口的に投与された従来技術化合物ジラスコーブ(2H)よりも遥かに良く腫瘍生
長を減少させたことを明示している。試験された別のヒト腫瘍はA549肺癌
(パネルB)であった。毎日経口的に10mg/kgの化合物2を投与するマウ
スの治療は、この腫瘍タイプにおいてはあまり効果のない従来技術化合物ジラス
コーブ(2H)よりも遥かに強く腫瘍生長を阻害した。
投与
本発明による医薬学的組成物は、抗癌治療または異常に増進した細胞増殖に起
因して生じる疾患の治療において投与されることができる。
この目的で、式(I)の化合物は単独で、あるいは適切な医薬学的担体または
補助物質との混合物として、患者に投与するためのあらゆる適切な方法で製剤さ
れることができる。
全身治療のための製剤は経口薬または非経口薬のいずれかとして調製されるこ
とが最も好ましい。
適切な経腸剤型は、錠剤、軟または硬ゼラチンカプセル剤等のカプセル剤、粒
剤、顆粒剤または粉末剤、シロップ剤、懸濁剤、水剤あるいは座剤である。その
ような製剤は、本技術分野において公知の通り、1またはそれ以上の種類の式(
I)の化合物を非毒性かつ不活性な固体または液体の担体と混合することにより
調製することができる。
式(I)の化合物の適切な非経口剤型は注入剤または輸液剤である。
局所的な投与時には、式(I)の化合物は、局所製剤に通常用いられる非毒性
かつ不活性な固体または液体の担体との混合物中に式(I)の化合物を含有した
ローション剤、軟膏剤、乳剤、ジェル剤、チンキ剤、スプレイ剤、あるいはその
他の剤型として調剤されることができる。有効成分を空気、水およびその他のも
のから保護する剤型を使用することが特に適切である。
製剤は、不活性であるかまたは薬力学的に活性な添加剤を含有することができ
る。錠剤または粒剤は、例えば、一連の結着剤、充填材料、担体物質および/ま
たは希釈剤を含有することができる。液体製剤は、例えば、滅菌溶液の形態であ
ってもよい。カプセル剤は、有効成分に加えて、充填材料または糊料を含有する
ことができる。さらに、風味を改良する添加剤;保護剤、安定化剤、水分保持剤
お
よび乳化剤として通常用いられる物質;浸透圧を改変する塩;緩衝剤;ならびに
その他の添加剤も製剤内に存在させることができる。
製剤が投与される投薬量は、適応、使用形態、投与経路および患者の必要量に
より変化し得る。一般的には、抗癌治療を必要とする平均的な成人患者の全身治
療のための一日投薬量は約0.1〜500mg/kg体重/日であり、2〜200
mg/kg体重/日であることが好ましい。
増進した細胞増殖の治療を必要とする平均的な成人患者の全身治療のための一
日投薬量は、約0.1〜50mg/kg体重/日であり、1〜15mg/kg体重/
日であることが好ましい。局所投与のためには、適切な軟膏剤または外用薬は医
薬学的製剤の重量の0.1〜50%、好ましくは1〜20%を含有することがで
きる。
所望であれば、式(I)の化合物の医薬学的製剤は、例えばトコフェロール、
N-メチル-トコフェルアミン、ブチル化ヒドロキシアニソール、アスコルビン酸
またはブチル化ヒドロキシトルエン等の抗酸化剤を含有することができる。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年2月1日
【補正内容】
補正書の翻訳文
従って、本発明の医薬学的化合物は、下記一般式(I):
[式中、LはHまたはDであり;
Arはフェニルであるか、あるいは異原子がO、NまたはSである複素5員環
または複素6員環であり;
該芳香環は部分的または完全にジュウテリウム置換されることも、あるいはさ
らに置換されることができ、それらの置換基は同一であるか異なっており、該置
換基は、1〜20炭素原子を有する分岐または直鎖アルキル、フルオロアルキル
、2〜20炭素原子を有する(分岐または直鎖)アルケニル、2〜20炭素原子
を有する(分岐または直鎖)アルキニル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン
、ニトロ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ(この
とき、アルキル基は同一であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素原子
を有することができる)であることができ;
該芳香環は、さらに、
OR(式中、Rは、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであることがで
き)、
CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭
素原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、
COA(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができ
る)、
COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで
きる)、
CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもでき、かつ
H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により置換され
ることができるが、
式(I)が非環式アシラールであるとき、即ちYとZが結合して環を形成してい
ないときには、Arは非置換フェニル環ではなく;
式(I)中のYはH、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキル、2〜20
炭素原子および1〜6二重結合を有するアルケニル、2〜20炭素原子および1
〜6三重結合を有するアルキニルであることができ、このときこれらのアルキル
、アルケニルまたはアルキニル基は、アルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハ
ロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ
(このときアルキル基は同一であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素
原子を有することができる)によりさらに置換されることができ;
式(I)中のYは、さらに、
OR(式中、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであること
ができる)、
CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭素
原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、
COA(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができ
る)、
COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで
きる)、
CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもでき、かつ
H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)であることがで
き;
式(I)中のZは、YまたはCOYであることができ、該置換基は同一である
ことも異なることもでき;
式(I)中の配列Z-O-C(Ar)L-O-CO-Yもまた5員環または6員環を
形成することができ、このとき、YおよびZは、1または2箇所で置換されるこ
とができる1または2炭素原子の一般的なアルキル鎖からなり(該置換基は同一
または異なっており、且つ同一または異なる炭素原子上に位置される、1〜20
炭素原子を有するアルキル、2〜20炭素原子および1〜6二重結合を有するア
ルケニル、2〜20炭素原子および1〜6三重結合を有するアルキニルであるこ
とができる)、このときこれらのアルキル、アルケニルまたはアルキニル基は、
さらに、アルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ア
ミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ(このときアルキル基は同一
であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素原子を有することができる)
、OR(式中、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであるこ
とができる)、CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてR
は1〜20炭素原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、CO
A(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、
COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで
きる)、CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもで
き、かつH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により
置換されることができ;
前記Y−Z結合体はまた縮合芳香環も含むことができ、そして該芳香環は、ア
ルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、モノ
アルキルアミノまたはジアルキルアミノ(このときアルキル基は同一であること
も異なることもでき、かつ1〜20炭素原子を有することができる)、OR(式中
、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであることができる)
、CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭
素原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、COA(式中、Aは
H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、COOR(式中
、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで
きる)、CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもで
き、かつH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により
置換されることができる。]で表される化合物、および式(I)の医薬学的に許
容され得る塩を含有する。
請求の範囲(補正)
1. 下記一般式(I):
[式中、LはHまたはDであり;
Arはフェニルであるか、あるいは異原子がO、NまたはSである複素5員環
または複素6員環であり;
該芳香環は部分的または完全にジュウテリウム置換されることも、あるいはさ
らに置換されることができ、それらの置換基は同一であるか異なっており、該置
換基は、1〜20炭素原子を有する分岐または直鎖アルキル、フルオロアルキル
、2〜20炭素原子を有する(分岐または直鎖)アルケニル、2〜20炭素原子
を有する(分岐または直鎖)アルキニル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン
、ニトロ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ(この
とき、アルキル基は同一であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素原子
を有することができる)であることができ;
該芳香環は、さらに、
OR(式中、Rは、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであることがで
き)、
CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭素
原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、
COA(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができ
る)、
COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで
きる)、
CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもでき、かつ
H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により置換され
ることができ
式(I)が非環式アシラールであるとき、即ちYとZが結合して環を形成してい
ないときには、Arは非置換フェニル環ではなく;
式(I)中のYはH、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキル、2〜20
炭素原子および1〜6二重結合を有するアルケニル、2〜20炭素原子および1
〜6三重結合を有するアルキニルであることができ、このときこれらのアルキル
、アルケニルまたはアルキニル基は、アルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハ
ロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ
(このときアルキル基は同一であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素
原子を有することができる)によりさらに置換されることができ;
式(I)中のYは、さらに、
OR(式中、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであること
ができる)、
CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭素
原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、
COA(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができ
る)、
COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで
きる)、
CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもでき、かつ
H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)であることがで
き;
式(I)中のZは、YまたはCOYであることができ、該置換基は同一である
ことも異なることもでき;
式(I)中の配列Z-O-C(Ar)L-O-CO-Yもまた5員環または6員環を
形成することができ、このとき、YおよびZは、1または2箇所で置換されるこ
とができる1または2炭素原子の一般的なアルキル鎖からなり(該置換基は同一
または異なっており、且つ同一または異なる炭素原子上に位置される、1〜20
炭素原子を有するアルキル、2〜20炭素原子および1〜6二重結合を有するア
ルケニル、2〜20炭素原子および1〜6三重結合を有するアルキニルであるこ
とができる)、このときこれらのアルキル、アルケニルまたはアルキニル基は、
さらに、アルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ア
ミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ(このときアルキル基は同一
であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素原子を有することができる)
、OR(式中、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであるこ
とができる)、CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてR
は1〜20炭素原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、CO
A(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、
COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで
きる)、CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもで
き、かつH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により
置換されることができ;
前記Y−Z結合体はまた縮合芳香環も含むことができ、そして該芳香環は、ア
ルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、モノ
アルキルアミノまたはジアルキルアミノ(このときアルキル基は同一であること
も異なることもでき、かつ1〜20炭素原子を有することができる)、OR(式中
、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであることができる)
、CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭
素原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、COA(式中、Aは
H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、COOR(式中
、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、CON
R1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもでき、かつH、D
または1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により
置換されることができる。]で表される化合物、および式(I)の医薬学的に許
容され得る塩を含有する医薬学的組成物。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/38 9454−4C A61K 31/38
31/44 9454−4C 31/44
// C07C 205/42 9450−4H C07C 205/42
255/55 8927−4H 255/55
C07D 213/30 9164−4C C07D 213/30
307/46 7822−4C 307/46
307/71 7822−4C 307/71
317/34 9454−4C 317/34
333/16 9455−4C 333/16
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE
,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,
LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M
X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD
,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,
VN
(72)発明者 ビョレッツェン、ベルント
ノルウェー国、3940 ヘイスタッド、グラ
ンリア 3
(72)発明者 オフテブロ、レイダー
ノルウェー国、1364 ヴァルスタッド、ヨ
ース・ハートマンスヴェイ 65
(72)発明者 ラムダール、トーマス
ノルウェー国、1343 エイクスマルカ、リ
ヨルドヴェイエン 15
(72)発明者 モーエン、ヴィダル
ノルウェー国、3727 スキエン、メイエル
コーレン 33
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 下記一般式(I): [式中、LはHまたはDであり; Arはフェニルであるか、あるいは異原子がO、NまたはSである複素5員環 または複素6員環であり; 該芳香環は部分的または完全にジュウテリウム置換されることも、あるいはさ らに置換されることができ、それらの置換基は同一であるか異なっており、該置 換基は、1〜20炭素原子を有する分岐または直鎖アルキル、フルオロアルキル 、2〜20炭素原子を有する(分岐または直鎖)アルケニル、2〜20炭素原子 を有する(分岐または直鎖)アルキニル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン 、ニトロ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ(この とき、アルキル基は同一であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素原子 を有することができる)であることができ; 該芳香環は、さらに、 OR(式中、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであること ができ)、 CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭 素原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、 COA(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができ る)、 COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで きる)、 CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもでき、かつ H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により置換され ることができ; 式(I)中のYはH、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキル、2〜20 炭素原子および1〜6二重結合を有するアルケニル、2〜20炭素原子および1 〜6三重結合を有するアルキニルであることができ、このときこれらのアルキル 、アルケニルまたはアルキニル基は、アルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハ ロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ (このときアルキル基は同一であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素 原子を有することができる)によりさらに置換されることができ; 式(I)中のYは、さらに、 OR(式中、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであること ができる)、 CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭素 原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、 COA(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができ る)、 COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで きる)、 CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもでき、かつ H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)であることがで き; 式(I)中のZは、YまたはCOYであることができ、該置換基は同一である ことも異なることもでき; 式(I)中の配列Z-O-C(Ar)L-O-CO-Yもまた5員環または6員環を 形成することができ、このとき、YおよびZは、1または2箇所で置換されるこ とができる1または2炭素原子の一般的なアルキル鎖からなり(該置換基は同一 または異なっており、且つ同一または異なる炭素原子上に位置される、1〜20 炭素原子を有するアルキル、2〜20炭素原子および1〜6二重結合を有するア ルケニル、2〜20炭素原子および1〜6三重結合を有するアルキニルであるこ とができる)、このときこれらのアルキル、アルケニルまたはアルキニル基は、 さらに、アルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ア ミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ(このときアルキル基は同一 であることも異なることもでき、かつ1〜20炭素原子を有することができる) 、OR(式中、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであるこ とができる)、CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてR は1〜20炭素原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、CO A(式中、AはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、 COOR(式中、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることがで きる)、CONR1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもで き、かつH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により 置換されることができ; 前記Y−Z結合体はまた縮合芳香環も含むことができ、そして該芳香環は、ア ルキル、フェニル、ニトロフェニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、モノ アルキルアミノまたはジアルキルアミノ(このときアルキル基は同一であること も異なることもでき、かつ1〜20炭素原子を有することができる)、OR(式中 、Rは、H、Dまたは1〜20炭素原子を有するアルキルであることができる) 、CA(OR)2(式中、AはHまたはDであることができ、そしてRは1〜20炭 素原子を有するアルキルまたはアシルであることができる)、COA(式中、Aは H、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、COOR(式中 、RはH、Dまたは1〜20炭素原子のアルキルであることができる)、CON R1R2(式中、R1およびR2は同一であることも異なることもでき、かつH、D または1〜20炭素原子のアルキルであることもできる)により 置換されることができる。]で表される化合物、および式(I)の医薬学的に許 容され得る塩を含有する医薬学的組成物。 2. YがCH3であり、かつZがCOCH3である式(I)の化合物を含有する 医薬学的組成物。 3. Arが1または2置換されたフェニルであり、該1つの置換基または同一 であることも異なることもできる該複数の置換基が、CH3、CF3、F、NO2 、CN、CO2、CH3、CH(OCOCH3)2、CD(OCOCH3)2である式(I )の化合物を含有する医薬学的組成物。 4. Arがニトロフラニルである式(I)の化合物を含有する医薬学的組成物 。 5. Arがフェニルである式(I)の化合物を含有する医薬学的組成物。 6. Lがジュウテリウムである式(I)の化合物を含有する医薬学的組成物。 7. 癌の治療のための治療薬の製造のための式(I)の化合物の使用。 8. 異常に増進した細胞増殖により生じる疾患の治療のための治療薬の製造の ための式(I)の化合物の使用。 9. 請求項1に記載の式(I)の化合物を治療上有効な量患者に投与すること を含む、癌に罹患した患者の治療方法。 10. 請求項1に記載の式(I)の化合物を治療上有効な量患者に投与するこ とを含む、異常に増進した細胞増殖により生じる疾患に罹患した患者の治療方法 。
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