JP2003267966A - フラバン誘導体、皮膚線維芽細胞増殖抑制剤および皮膚外用剤 - Google Patents

フラバン誘導体、皮膚線維芽細胞増殖抑制剤および皮膚外用剤

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JP2003267966A
JP2003267966A JP2002068301A JP2002068301A JP2003267966A JP 2003267966 A JP2003267966 A JP 2003267966A JP 2002068301 A JP2002068301 A JP 2002068301A JP 2002068301 A JP2002068301 A JP 2002068301A JP 2003267966 A JP2003267966 A JP 2003267966A
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Mitsuo Kawai
充夫 河合
Akihiro Tada
明弘 多田
Takayuki Katagiri
崇行 片桐
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Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚の修復の際に生じる肥厚性瘢痕の形成を
抑制する手段を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表される構造を有す
る化合物またはその塩を皮膚外用剤に含有させる。 【化1】 一般式(I) (式中R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立に炭素
数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1
〜4のアシル基又は糖残基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規フラバン誘導
体、該フラバン誘導体を有効成分とする皮膚線維芽細胞
増殖抑制剤及び該フラバン誘導体を含有する皮膚外用剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚は損傷などのダメージを受けた場
合、その損傷部位を補修する為に線維芽細胞などの増殖
を促進することが知られている。このような増殖が秩序
をもって行われる場合には損傷部位の修復が為される
が、増殖が過剰に行われると肥厚した異常な形態を形成
する。これが肥厚性瘢痕と言われるものであり、時とし
て傷跡となって残ることが少なくない。又、損傷のみな
らず、手術の切開跡としても度々出現し、手術後の形成
学的見地からもこの肥厚性瘢痕の対策が望まれている。
【0003】肥厚性瘢痕の形成には組織的成長因子(T
GF)−βの関与が指摘されており、TGF−β阻害剤
であるリン酸化マンノースが肥厚性瘢痕の形成抑制剤の
候補物質として挙げられているが、その実効は未だ確か
められていない。即ち、肥厚性瘢痕に対して有効な薬剤
は未だ見つかっていないのが現状である。
【0004】又、イヌラボシン(2’−ヒドロキシ−
2,4,4,7,4’−ペンタメチルフラバン;ラセミ
体)は優れたメラニン産生を有し、美白の目的で皮膚外
用剤に含有させることは既に知られているが、これらを
光学異性体同士で分割することは行われておらず、従っ
て、光学活性体の物性や効能などについては全く知られ
ていなかった。また、上記光学活性体を皮膚外用剤など
に含有させることも全く知られていなかった。更に、イ
ヌラボシン或いはイヌラボシンを構成する2種の光学活
性体について、線維芽細胞への作用は全く知られていな
かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況下為されたものであり、皮膚の修復の際に生じる肥厚
性瘢痕の形成を抑制する手段を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この様な状況に鑑みて、
本発明者らは皮膚の修復の際生じる肥厚性瘢痕の形成を
抑制する手段を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、下記
一般式(I)で表される構造を有する化合物やその塩が
皮膚線維芽細胞の増殖を抑制する作用に優れていること
を見出した。また、本発明者らはこのような物質を含む
皮膚外用剤を、肥厚性瘢痕などの線維芽細胞が異常に増
殖している皮膚に投与することにより、線維芽細胞の異
常増殖を抑制し、肥厚性瘢痕など皮膚異常増殖に起因す
る疾患を予防、改善できることを見出し、発明を完成さ
せるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関す
るものである。
【0007】(1)下記一般式(I)で表される構造を
有する化合物またはその塩。
【0008】
【化3】 一般式(I) (式中R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立に炭素
数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1
〜4のアシル基又は糖残基を表す。) (2)(−)の旋光性を有することを特徴とする(1)
の化合物またはその塩。
【0009】(3)(1)または(2)の化合物および
/またはその塩を有効成分とする皮膚線維芽細胞増殖抑
制剤。
【0010】(4)(3)の皮膚線維芽細胞増殖抑制剤
を含有する皮膚外用剤。
【0011】(5)皮膚構成細胞の異常増殖を抑制する
ための皮膚外用剤であることを特徴とする(4)の皮膚
外用剤。
【0012】(6)前記皮膚構成細胞の異常増殖が肥厚
性瘢痕によるものであることを特徴とする(5)の皮膚
外用剤。
【0013】(7)下記一般式(I)で表される構造を
有する化合物および/またはその塩を含有する皮膚外用
剤。
【0014】
【化4】 一般式(I) (式中R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立に炭素
数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1
〜4のアシル基又は糖残基を表す。) (8)皮膚構成細胞の異常増殖を抑制するための皮膚外
用剤であることを特徴とする(7)の皮膚外用剤。
【0015】(9)前記皮膚構成細胞の異常増殖が肥厚
性瘢痕によるものであることを特徴とする(8)の皮膚
外用剤。
【0016】(10)化粧料であることを特徴とする
(7)〜(9)のいずれかの皮膚外用剤。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。
【0018】(1)本発明の化合物 本発明の化合物は、下記一般式(I)で示される構造を
有するものである。
【0019】
【化5】 (但し、式中R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立
に炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭
素数1〜4のアシル基又は糖残基を表す。) 一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5はそ
れぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。かか
るアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピ
ル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル
基などを好ましく例示できる。これらの内、特に好まし
いものはメチル基である。特に好ましい形態は、R1
2、R3、R4及びR5の全てがメチル基のペンタメチル
体である。
【0020】又、式中Rは炭素数1〜4のアシル基又は
糖残基を表す。アシル基としては、アセチル基、プロピ
オニル基、ブタノイル基などを好ましく例示でき、糖残
基としては、グルコース残基、ラムノース残基、アラビ
ノース残基を好ましく例示できる。これらの中ではアセ
チル基とグルコシル基が特に好ましい。
【0021】本発明の化合物は、何れも光学活性体であ
って(−)の旋光性を有することを特徴とする。一般式
(I)に示される化合物及びその光学異性体となる化合
物に於いて、(−)の旋光性を示す場合には、上記一般
式(I)で表される立体配座を有することが知られてい
る。すなわち、本発明の化合物が有する構造は、この
(−)の旋光性から推定されるものである。本発明の化
合物の立体特性を規定する物性値としては、旋光性が優
先される。
【0022】上記一般式(I)で表される構造を有する
化合物のうち、特に好ましい化合物としては、(−)−
2’−ヒドロキシ−2,4,4,7,4’−ペンタメチ
ルフラバン(化合物1)、(−)−2’−アセトキシ−
2,4,4,7,4’−ペンタメチルフラバン(化合物
2)及び(−)−2’−グルコシルオキシ−2,4,
4,7,4’−ペンタメチルフラバン(化合物3)を例
示できる。
【0023】また、本発明は、上記一般式(I)で表さ
れる化合物の塩をも含む。このような塩としては、Rで
表される基が水素原子の場合に於いて、ナトリウム塩や
カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、バリ
ウム塩或いはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属
塩;アンモニウム塩、トリエチルアミン塩やトリエタノ
ールアミン塩などの有機アミン塩;リジン塩やアルギニ
ン塩などの塩基性アミノ酸塩を好ましく例示できる。
【0024】本発明の化合物は既に知られているイヌラ
ボシン(ラセミ体)を製造し、これをキラルカラムを用
いて光学分割することにより製造することができる。ラ
セミ体の製造法としては、SvadkvskayaらのKhim. Geter
otsik. Soedin., Sb. (1970), 191-5に記載された方法
に従って行えば良く、具体的には、m−クレゾールとア
セトンとを熱縮合させることによって製造することがで
きる。
【0025】上記式(1)で表される構造を有する化合
物またはその塩は1H−NMR(核磁気共鳴スペクト
ル)と旋光度によって特定される。
【0026】(2)本発明の皮膚線維芽細胞増殖抑制剤 本発明の皮膚線維芽細胞増殖抑制剤は、上記一般式
(I)で表される構造を有する本発明の化合物および/
またはその塩を有効成分とすることを特徴とする。上記
一般式(I)で表される構造を有する化合物およびその
塩は皮膚線維芽細胞に対して増殖を抑制する作用を有
し、損傷を受けたり切開された皮膚において肥厚性瘢痕
などの皮膚構成細胞の異常増殖に起因する疾患を予防し
たり、改善する作用を有する。このような作用は、一般
式(I)においてR4で表される基と置換基を有するフ
ェニル基とが結合した2位の炭素の不斉構造が逆の
(+)体や(+)体と(−)体の等量混合物であるラセ
ミ体には認められない。
【0027】上記作用は10-8M程度の濃度で特に顕著
に発揮されるので、皮膚細胞に作用する濃度がこの程度
となるように製剤設計することが好ましい。
【0028】(3)本発明の皮膚外用剤 本発明の皮膚外用剤は、上記一般式(I)で表される構
造を有する本発明の化合物及び/又はその塩を含有する
ことを特徴とする。本発明の皮膚外用剤に含有される、
一般式(I)で表される構造を有する化合物及び/又は
その塩は唯一種であってもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いるものであってもよい。
【0029】本発明の皮膚外用剤において、一般式
(I)で表される構造を有する化合物及び/又はその塩
の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、総量で
0.01〜10質量%であり、更に好ましくは0.05
〜5質量%である。これは少なすぎると効果を発揮しな
い場合があり、多すぎると効果が頭打ちになる場合があ
り、いたずらに処方の自由度を制限する場合があるから
である。
【0030】本発明の皮膚外用剤は、皮膚に外用で投与
されるものであれば特段の限定無く使用することがで
き、化粧料や皮膚外用医薬組成物などの使用形態が好ま
しく例示できる。特に好ましい形態は、本発明の化合物
の皮膚線維芽細胞増殖抑制作用という特質から、化粧料
に適用することである。
【0031】本発明の皮膚外用剤の剤形としては、化粧
料や皮膚外用医薬で通常知られているものであれば特段
の限定は無く、例えば化粧水、ローション、乳液、クリ
ーム、パック料、洗顔料などの基礎化粧料、アンダーメ
ークアップ、コントロールカラーなどのメークアップ化
粧料、日焼け止め化粧料、軟膏剤等が好ましく例示でき
る。
【0032】上記剤形化を行うには、本発明の一般式
(I)で表される構造を有する化合物及び/又はその塩
を、製剤化の為の任意成分とともに常法に従って処理す
れば良い。任意成分としては、例えば、ワセリンやマイ
クロクリスタリンワックス等の炭化水素類;ホホバ油や
セチルイソオクタネート等のエステル類;オリーブ油等
のトリグリセライド類;オクタデシルアルコールやオレ
イルアルコール等の高級アルコール類;グリセリンや
1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、
イソプレングリコール、ジプロピレングリコール等の多
価アルコール類;非イオン界面活性剤;アニオン界面活
性剤;カチオン界面活性剤;両性界面活性剤;エタノー
ル、カーボポール等の増粘剤;防腐剤;紫外線吸収剤;
抗酸化剤類等が例示できる。
【0033】このようにして得られた本発明の皮膚外用
剤の典型的な作用は皮膚細胞の異常増殖を抑制すること
であるが、これに限定されるものではない。また、本発
明の皮膚外用剤は、皮膚細胞の異常増殖の抑制作用に優
れるので、肥厚性瘢痕の改善又は予防用の化粧料として
好適である。特に、手術後に切開部位などに塗布する
と、傷跡が形成するのを防ぐことができる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明について更に
詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限
定されないことは言うまでもない。
【0035】<実施例1>次の方法に従って、本発明の
化合物である、(−)−2’−ヒドロキシ−2,4,
4,7,4’−ペンタメチルフラバン(化合物1)を製
造した。即ち、12gのm−クレゾールを100mlの
良く脱水したアセトンに溶かし、冷却下飽和するまで塩
化水素ガスをバブリングした。これを24時間静置し、
室温に戻して反応を止めた。得られた混合物を再び冷却
し、それに少量のエーテルを加え、その後20%水酸化
ナトリウム水溶液を少量加えて溶かし、一晩攪拌した。
反応混合物を希塩酸で中和し、エーテル抽出を行い、エ
ーテル層を得た。エーテル層は濃縮した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し2’−ヒドロキシ−
2,4,4,7,4’−ペンタメチルフラバン(ラセミ
体)を2.9g得た。このラセミ体をダイセル株式会社
製キラルカラム(CHIRALCEL OJ 20mm
×50cm、移動相;n−ヘキサン:2−プロパノール
=7:3)で精製し、化合物1を0.9g得た。示性値
としては旋光度−297.5度が確認された。分取され
た化合物1の残滓をダイセル株式会社製キラルカラム
(CHIRALCEL OJ 4.6×150mm、移
動相;n−ヘキサン:2−プロパノール=7:3)で分
析したところ、シングルピークであり、光学分割された
ことが裏付けられた。
【0036】<実施例2>実施例1で得られた化合物1
を0.5g秤取り、6mlのピリジンと4mlの無水酢
酸の混液を加え、24時間攪拌した。反応物を氷水に注
ぎ、エーテル抽出した後、カラムクロマトグラフィーで
精製し、エタノールから再結晶して化合物2を0.1g
得た。この化合物2は赤外吸収スペクトルにおいて17
50cm-1に吸収を確認するとともに、1H−NMRに
て2.22にアセチル基の吸収を認めた。
【0037】<実施例3>ヒト皮膚線維芽細胞を用いて
化合物1の皮膚線維芽細胞増殖抑制作用を調べた。ヒト
皮膚線維芽細胞を48穴のプレートに1.5×104
/ウェルの濃度で10%FBS加DMEM培地に播種し
24時間前培養を行った。次に培地を0.3%FBS加
DMEM培地に置換し48時間培養を行った。
【0038】各種濃度の検体をジメチルスルホキサイド
に溶解させて加えた。ジメチルスルホキサイドの最終濃
度は0.1%とした。コントロール群はジメチルスルホ
キサイドのみを加えた。検体としては化合物1を用い、
比較として2’−ヒドロキシ−2,4,4,7,4’−
ペンタメチルフラバン(ラセミ体)を用いた。この条件
下で24時間培養を行った。トリチウムでラベルしたチ
ミジンを2μCi/ml加え、5時間培養した。その後
培養液を捨てて、リン酸緩衝生理食塩水で2回洗った
後、細胞を溶解させて放射活性を測定し、チミジンの取
り込み量を求めた。各検体のチミジン取り込み量をコン
トロールのチミジン取り込み量で除して100を乗し増
殖抑制率とした。
【0039】結果を表1に示す。本発明の化合物である
化合物1は優れた皮膚線維芽細胞増殖抑制作用を有して
いることが判る。
【0040】
【表1】 <実施例4>化合物2についても実施例3と同様の検討
を行ったところ、10-8Mの濃度で96%の増殖抑制を
観察した。
【0041】<実施例5>下記処方に従って、本発明の
皮膚外用剤である化粧料(乳液)を作製した。即ち、
イ、ロ、ハの成分を秤取り、イを良く混合して一様に分
散させ、これを攪拌して成分を溶かしたロに加えて良く
攪拌し、これに攪拌下ハを徐々に加えて中和して、本発
明のゲル状の化粧料1を得た。
【0042】得られた化粧料1について、ハートレー系
白色種モルモット(雄性300〜350g)1群20匹
を用いて、皮膚線維芽細胞の異常増殖の結果生ずる傷跡
のケロイド生成抑制を調べた。即ち、フロイントの完全
アジュバントと生理食塩水の等量混合乳化液0.1mL
を、剃毛した背部皮膚に皮内注射し、注射後3日後より
化粧料を0.05ml/日ずつ注射部位に連日30日経
皮投与した。経皮投与終了から14日目にケロイドの生
成状況を次の指標により評価した。
【0043】対照例1はフロイントの完全アジュバント
と生理食塩水の等量混合乳化液の代わりに生理食塩水の
みを投与し、化粧料は何も経皮投与しないものを用い、
対照例2はフロイントの完全アジュバントと生理食塩水
の等量混合乳化液を皮内投与し、化粧料の経皮投与を行
わないものを用いた。対照例1の平均的なケロイドの生
成状況をスコア1、対照例2の平均的なケロイド生成状
況をスコア5として、これを指標に各動物のケロイド形
成スコアを判定した。結果を出現例数として表2に示
す。 (イ) カルボキシビニルポリマー(シンタレンK) 0.5質量部 グリセリン 30 質量部 キサンタンガム 0.1質量部 1,3−ブタンジオール 10 質量部 POE(60)硬化ヒマシ油 0.1質量部 メチルパラベン 0.2質量部 化合物1 0.1質量部 (ロ) 水 28.5質量部 (ハ) 水酸化カリウム 0.5質量部 水 30 質量部 <比較例1>実施例5において、化合物1をラセミ体に
変えた以外は上記実施例5と同様の処方により比較化粧
料1を作製した。得られた比較化粧料1について、実施
例5と同様の方法を用いてケロイド生成抑制を調べた。
結果を表2に示す。
【0044】実施例1および比較例1より本発明の化粧
料はケロイドなどの皮膚線維芽細胞の増殖抑制作用を示
すことが判る。
【0045】
【表2】 <実施例6>次に示す処方に従って、本発明の皮膚外用
剤であるクリームを製造した。即ち、イの成分を良く混
練りし、ロの成分を加えて希釈し、70℃に加熱した。
これに予め70℃に加温しておいたハを徐々に加え乳化
し、攪拌冷却して本発明の皮膚外用剤であるクリーム1
を得た。このクリーム1について、実施例5と同じデザ
インのケロイド生成スコアの判定を行った。その結果、
スコア3が8匹、スコア2が11匹、スコア1が1匹で
あり、優れた線維芽細胞の異常増殖抑制作用が確認され
た。 (イ) 1,3−ブタンジオール 7 質量部 グリセリン 5 質量部 マルチトール 5 質量部 1,2−ペンタンジオール 3 質量部 ブチルパラベン 0.1質量部 トリグリセリンジイソステアレート 5 質量部 化合物1 0.5質量部 (ロ) 軽質イソパラフィン 10 質量部 シクロメチコン 20 質量部 (ハ) 水 44.4質量部 <実施例7>次に示す処方に従って、本発明の皮膚外用
剤であるクリームを製造した。即ち、イの成分を良く混
練りし、ロの成分を加えて希釈し、70℃に加熱した。
これに予め70℃に加温して於いたハを徐々に加え乳化
し、攪拌冷却して本発明の皮膚外用剤であるクリーム2
を得た。このクリーム2について、実施例5と同じデザ
インのケロイド生成スコアの判定を行った。その結果、
スコア3が8匹、スコア2が8匹、スコア1が4匹であ
り、優れた皮膚線維芽細胞の増殖抑制作用が確認され
た。 (イ) 1,3−ブタンジオール 7 質量部 グリセリン 5 質量部 マルチトール 5 質量部 1,2−ペンタンジオール 3 質量部 ブチルパラベン 0.1質量部 トリグリセリンジイソステアレート 5 質量部 化合物2 0.5質量部 (ロ) 軽質イソパラフィン 10 質量部 シクロメチコン 20 質量部 (ハ) 水 44.4質量部
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、皮膚の修復の際生じる
肥厚性瘢痕を抑制する手段を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/00 A61P 17/00 // C07M 7:00 C07M 7:00 (72)発明者 片桐 崇行 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560番地 ポ ーラ化成工業株式会社戸塚研究所内 Fターム(参考) 4C062 FF03 FF43 FF57 4C083 AB032 AC022 AC112 AC122 AC132 AC392 AC432 AC482 AC841 AC842 AD092 AD172 AD352 CC02 CC05 DD31 EE10 EE12 EE13 4C086 AA01 AA02 AA03 BA08 GA16 MA01 MA04 MA28 MA63 NA14 ZA89

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される構造を有す
    る化合物またはその塩。 【化1】 一般式(I) (式中R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立に炭素
    数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1
    〜4のアシル基又は糖残基を表す。)
  2. 【請求項2】 (−)の旋光性を有することを特徴とす
    る請求項1記載の化合物またはその塩。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の化合物および/
    またはその塩を有効成分とする皮膚線維芽細胞増殖抑制
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の皮膚線維芽細胞増殖抑制
    剤を含有する皮膚外用剤。
  5. 【請求項5】 皮膚構成細胞の異常増殖を抑制するため
    の皮膚外用剤であることを特徴とする請求項4記載の皮
    膚外用剤。
  6. 【請求項6】 前記皮膚構成細胞の異常増殖が肥厚性瘢
    痕によるものであることを特徴とする請求項5記載の皮
    膚外用剤。
  7. 【請求項7】 下記一般式(I)で表される構造を有す
    る化合物および/またはその塩を含有する皮膚外用剤。 【化2】 一般式(I) (式中R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立に炭素
    数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1
    〜4のアシル基又は糖残基を表す。)
  8. 【請求項8】 皮膚構成細胞の異常増殖を抑制するため
    の皮膚外用剤であることを特徴とする請求項7記載の皮
    膚外用剤。
  9. 【請求項9】 前記皮膚構成細胞の異常増殖が肥厚性瘢
    痕によるものであることを特徴とする請求項8記載の皮
    膚外用剤。
  10. 【請求項10】 化粧料であることを特徴とする請求項
    7〜9のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
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