JP2000515024A - ホトラブダス由来殺虫性タンパク質毒素 - Google Patents

ホトラブダス由来殺虫性タンパク質毒素

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Abstract

(57)【要約】 昆虫に暴露すると毒性があるホトラブダス属のタンパク。ホトラブダス・ルミネセンス(旧ゼノラブダス・ルミネセンス)は哺乳動物の臨床サンプルにおいて、ヘテラブディティス属の食虫性線虫の細菌共生生物として発見されている。これらタンパク質毒素は昆虫防御のために昆虫の幼虫の餌および植物に適用または遺伝的に操作することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 ホトラブダス由来殺虫性タンパク質毒素 発明の分野 本発明は、細菌から分離された毒素および殺虫剤としての当該毒素の使用に関 する。 発明の背景 自家所有者、ピクニックにでかける人々、ガーデニングをする人々、農業従事 者、および作物への昆虫被害の結果によりその農作物における投資がしばしば壊 滅または減少させられるその他の人々にとって、多くの昆虫は広く害虫と見做さ れる。特に成育期間が短い地域では、栽培者にとって顕著な昆虫被害は全ての利 益の喪失と作物収量の劇的な減少を意味する。特定の農産物の供給不足は、食品 加工業者、続いて食用植物およびこれらの植物に由来する製品の最終消費者にと って常に高コストをもたらす。 作物および花卉への昆虫の被害の防止および厄介な害虫の排除は、典型的には 強力な有機害虫駆除剤および広範な毒性を有する殺虫剤に依存する。これらの合 成生成物は環境に対して、さらにそのような薬剤に曝される者に対してあまりに 過酷であるということで公衆の攻撃を受けることとなった。非農業的状況におい ても同様に、自家所有者は、昆虫を自宅に寄せつけないことに、また戸外での食 事に昆虫を殺す必要がないことに満足を覚えるであろう。 化学殺虫剤の広範囲な使用は、農業従事者、当該殺虫剤を製造する企業、政府 機関、関心公衆団体および一般大衆に環境と健康上の懸念を惹起した。より侵襲 性の少ない害虫制御方法は、社会の環境に対する懸念と、昆虫制御機構を解明す る生物学的手段の進歩の両方によって促進された。生物学的制御剤は化学殺虫剤 に対して有望な選択肢を提供する。 それぞれの進化発達段階で生物は、自分自身の存続と生存を強化する多様な手 段を獲得してきた。防御と攻撃の手段として生物学的分子を使用することは動物 界および植物界を通して知られている。さらに、遺伝子工学の比較的新しい手段 によって生物学的殺虫剤の改変が可能になり、特定の問題に対して特定の解決が 得られる。 そのような薬剤の1つ、Bacillus thuringiensis(Bt)は効果的な殺虫性薬剤で あり、広く産業的に用いられている。実際、Bt細菌殺虫剤は限定された毒性を 有するタンパク質であり、収穫する日に人間の食用作物として用いることができ る。目標とされていない生物に対しては、このBt毒素は消化可能な非毒素タン パク質である。 また別の既に知られている生物学的昆虫制御剤の類は、殺虫性細菌共生者の媒 介動物として知られているある種の線虫類である。殺虫性細菌を含む線虫は昆虫 の幼虫に侵入する。続いて細菌は幼虫を殺し線虫は幼虫の死体の中で増殖する。 続いて線虫の子どもは体内から死体を食べる。このようにして生産された細菌含 有線虫の子どもは続いて新たな別の幼虫に侵入することができる。 これまでにSteinernemaおよびHeterorhabditis属の殺虫性線虫が昆虫制御剤と して用いられた。明らかに、線虫の各属は特定の細菌の宿主となる。Heterorhab ditis属の線虫では共生細菌はPhotorhabdus luminescensである。 これらの線虫は効果的な昆虫制御剤であるが、それは現時点では高価でさらに 製造し、維持し、昆虫制御のために線虫を散布させることが困難である。 当技術分野では、ホトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens) から殺虫性毒素を分離できることが知られている。この毒素は、鱗翅目および鞘 翅目昆虫の幼虫に注入されたときにのみ活性を有する。このことが、線虫または その共生細菌の殺虫性特性の効果的な開発を不可能にしている。大切なことは、 散布後もその生物学的特性を保持する殺虫性毒素のより実際的で、非労働集約型 の薬剤デリバリー方法であろう。経口活性を有するPhotorhabdus属が産生する毒 素を見つけることが強く所望される。これらの毒素の分離と使用は有効であると いう理由から所望される。出願人らが発見するまで、これらの毒素は分離された ことがなく、また性状を調べられたこともなかった。 発明の概要 天然の毒素は、ホトラブダス(Photorhabdus)属の増殖細菌細胞が産生し分泌 するタンパク複合体で、特に興味のあるものはPhotorhabdus luminescens種が産 生するタンパク質である。約1000kDaの分子量サイズをもつタンパク複合 体を、SDS-PAGEゲル分析で多数の成分タンパク質に分離させることができる。こ の毒素はヘモリジン、リパーゼ、C型ホスホリパーゼまたはヌクレアーゼ活性を 含まない。この毒素は、多数の昆虫に曝露投与したとき顕著な毒性を示す。 本発明は、投与が容易な殺虫性タンパク質とともに異種系における毒素の発現 を提供する。 本発明はまた、多くの昆虫目に対して機能する活性をもちさらに効果的な殺虫 性毒素の薬剤デリバリー方法を提供する。 本発明の目的、利点および特徴は以下の明細書から明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の毒素の配列遺伝子の一部として用いたクローン化DNA単離物 の対合を示す。 図2は、配列決定ステップで用いた3つのプラスミドのマップである。 図3は、幾つかの部分DNAフラグメント間の関係を示すマップである。 図4は、TcbAiiおよびTcaBiiタンパク質のタンパク配列間のホモロジー分析を 示す。 図5は、Photorhabdus株のフェノグラムである。Photorhabdus株の関係はrep- PCRで規定された。図5の上部の軸は、rep-PCRのスコアに基づく株間の%類似性 を示す(すなわち、0.0(類似性なし)から1.0(100%類似性))。右軸の数 字と文字は調べた種々の株を示す。すなわち、14=W-14、Hm=Hm、H9=H9、7=WX-7 、1=WX-1、2=WX-2、88=HP88、NC-1=NC-1、4=WX-4、9=WX-9、8=WX-8、10=WX-10、 WIR=WIR、3=WX-3、11=WX-11、5=WX-5、6=WX-6、12=WX-12、x14=WX14、15=WX-15 、Hb=Hb、B2=B2、48から52=ATCC43948からATCC43952。水平線を分けている垂直 の線は水平線を基準にした株または株群の間の関係の度合い(例えば株W-14は株H 9およびHmと約60%類似である)を示している(これは上部の軸と垂直線との外挿交 点から読む)。 図6は、W-14株のゲノムマップである。 図6Aはtcaおよびtcb遺伝子座および1次遺伝子産物の図解である。 図7はrep-PCRで定義されたPhotorhabdus株のフェノグラムである。図7の上 部の軸はrep-PCR産物のスコアに基づいた株間の%類似性を示す(0.0(類似性な し)から1.0(100%類似性))。右軸においては、数字と文字は調べた種々の株 を示す。水平線を分けている垂直線は、水平線に基づく株またはグループ間の関 連性の程度(上部軸と外挿した垂直線の交点から読む)(例えば、インディカス 株はMP1株およびHBオスウェゴとおよそ30%の類似性である)。フェノグラム上 のPhotorhabdus株以下のとおりである:14=W-14、Hm=Hm、H9=H9、7=WX-7、1=WX- 1、2=WX-2、88=HP88、NC-1=NC-1、4=WX-4、9=WX-9、8=WX-8、10=WX-10、30=W30 、WIR=WIR、3=WX-3、11=WX-11、5=WX-5、6=WX-6、12=WX-12、15=WX15、X14=WX-1 4、Hb=Hb、B2=B2、48=ATCC43948、49=ATCC43949、50=ATCC43950、51=ATCC43951 、52=ATCC43952。 発明の詳細な説明 本発明は、昆虫に対して経口毒性を有するPhotorhabdus属由来の極めて稀な殺 虫性毒素類の発見を目的とする。Photorhabdusの固有の特性はその生物発光であ る。Photorhabdusは種々の起源から分離することができる。そのような起源の1 つは線虫、より具体的にはHeterorhabditis属の線虫である。また別の起源は人 間の創傷から得られる臨床サンプル由来である(Farmerら、J.Clin.Microbiol .27:1594-1600(1998)を例えば参照)。これらの死物寄生株はアメリカンタイプ カルチャーコレクション(American Type Culture Collection)(ロックビル、メ リーランド)に、ATCC#43948、43949、43950、43951および43952として寄託され ており、この文献は参照により本明細書に含まれる。他のものも殺虫性毒素を産 生するPhotorhabdus細菌を含む可能性があるだろう。環境中のそのような起源は 陸性または水性由来のいずれでも可能であろう。 Photorhabdus属は、分類学的にはエンテロバクターの菌と定義されるが、この 科に関しては非定型的なある種の特徴を有する。例えば、この属の株は硝酸塩還 元陰性、黄色および赤色色素産生性、並びに生物発光性である。この後者の特徴 はエンテロバクターでは知られてない。Photorhabdusは最近になってXenorhabdu sとは別の属として記載された(Boemareら、Int.J.Syst.Bacteriol.43:249-2 55(1993))。この相違は、DNA−DNAハイブリダイゼーション実験、表現型の相違 (例えばカタラーゼおよび生物学的発光の有無(有(Photorhabdus)無(Xenorhab dus))、線虫宿主の種類(Xenorhabdus;(Steinernematidae)、Photorhabdus;(Het erorhabditidae))を基にしている。細胞脂肪酸の比較分析(Janseら、Lett.App l.Microbiol.10:131−135(1990);Suzukiら、J.Gen.Appl.Microbiol.36:39 3-401(1990))は、PhotorhabdusのXenorhabdusからの分離を支持する。 本明細書で開示する株収集がPhotorhabdusを含むことを確認するために、phot orhabdusと特定し、さらに他のエンテロバクターおよびXenorhabdus種と区別す るために認知されている特徴に基づいてこれらの株の性状を調べた(Farmer,Be rgy's Manual of Systemic Bacteriology,1巻、510-511;Akhurst & Boemare,J .Gen.Microbiol.134:1835-1845(1988);Boemareら、Int.J.Syst.Bacteriol .43:249-255(1993)、これらの文献は参照により本明細書に含まれる)。調べた 特徴は以下のとおりであった:グラム染色陰性桿菌、微生物のサイズ、コロニー 色素沈着、封入体、カタラーゼの存在、硝酸塩還元能、生物学的発光、色素取り 込み、ゼラチン水解、選択培地での増殖、増殖温度、嫌気性条件下での生存およ び運動性。脂肪酸分析は、本明細書の株は全て単一のPhotorhabdus属に属するこ とを確認するために用いた。 現在のところ、Photorhabdus属細菌は単一の限定された種、Photorhabdus lum inescence(ATCC標準株#29999、Poinarら、Nematologica 23:97-102(1977))を 含む。種々の関連株が文献に記載された(Akhurstら、J.Gen.Microbiol.134:1 835−1845(1988);Boemareら、Int.J.Sys.Bacteriol.43:249-255(1993);Putz ら、Appl.Environ.Microbiol.56:181-186(1990))。本明細書では多数の株の 性状を調べた。現在のところPhotorhabdus属に規定されるのはただ1つの種(lu minescence)のみであるので、luminescence種の特徴を本明細書の株の特徴づけ に用いた。図5で分かるように、これらの株は極めて多様である。luminescence 種の特徴の幾つかを有し、しかも現在のところPhotorhabdus luminescenceの特 徴として認識されていないいくつかの異なる特質を有する他のPhotorhabdus種が 将来出現することは予期せぬことではない。しかしながら、本発明の範囲は、そ れらの特徴および性状にもかかわらず、昆虫制御剤としての機能的活性を有する タンパク質を産生する一切のPhotorhabdus種または株を含む。 さらにまた、本明細書で具現するように、Photorhabdus属の細菌は、本明細書 で規定するように機能的な活性を有するタンパク質を産生する。特に興味深いも のは、Photorhabdus luminescence種によって産生されるタンパク質である。本 明細書の発明はここに開示する株に全く限定されるべきではない。これらの株は 、Photorhabdusの多様な分離株によって産生されるタンパク質は昆虫をこれに曝 したとき有毒であることを初めて例証する。したがって、本発明に含まれるもの は、本明細書で明らかにする特徴をもつ株およびその全ての変異株とともに、本 明細書で開示する機能的活性を有するPhotorhabdus属の一切の株または種である 。 特定の意味を有し本明細書で用いられるいくつかの用語があるが、それらは以 下のとおりである。 本明細書では「機能的な活性」とは、該タンパク質毒素が、経口的に活性であ るか、または毒性効果を有しているか、または摂食を妨害させるか停止させて( 昆虫の死を引き起こすか否かにかかわらない)、昆虫制御剤として機能すること を意味する。昆虫が遺伝子導入植物の発現、製剤化タンパク質組成物、噴霧可能 タンパク質組成物、ベイトマトリックスまたは他の薬剤デリバリー系によっても たらされた有効量の毒素と接触するとき、典型的にはその結果は昆虫の死である か、または昆虫は毒素を昆虫に利用させる元となる餌を食べることができない。 本明細書では「遺伝物質」の語は、全ての遺伝子、核酸、DNAおよびRNAを含む べく意図される。 「ホモログ」とは、対照のW-14毒素ポリペプチドアミノ酸配列に対してホモロ ジー(homology)を有するとして定義されたアミノ酸配列を意味する。 「ホモロジー」とは、対照のW-14毒素ポリペプチドアミノ酸配列に対して、B1 0sum 62タンパク質スコアマトリックス(WinsconsinパッケージVer.9.0,Geneti cs Computer Group(GCG),Madison,WI)を用いてGAPアルゴリズムによるスコア で少なくとも33%の類似性インデックス(similarity index)および/または少な くとも26%の同一性インデックス(identity index)を有するアミノ酸配列を意味 する。 「同一性」とは、GAPアルゴリズムにより対照W-14毒素ポリペプチドアミノ酸 配列と整列させると任意の位置で同一の残基を有するアミノ酸配列を意味する。 本明細書で考察されるタンパク質毒素は典型的には「殺虫剤」と呼ばれる。 本明細書では「殺虫剤」とは、本明細書でさらに定義するように、タンパク質が 「機能的な活性」を有し、昆虫制御剤として用いられることを意味する。 「オリゴヌクレオチド」という用語は、RNAまたはDNAのいずれかの短い鎖から 成る巨大分子を意味する。そのような鎖の長さは少なくとも1個のヌクレオチド であるが、典型的には約10から12ヌクレオチドの範囲である。オリゴヌクレ オチドの長さの決定は当技術分野で周知で、本明細書で限定すべきものではない 。したがって、オリゴヌクレオチドは10未満でもよく、12より大きくてもよ い。「Photorhabdus毒素」という用語を用いるとき、当該用語はPhotorhabdus微 生物株によって産生される、昆虫に対して機能的な活性を有する一切のタンパク 質を指すが、この場合、Photorhabdus毒素は噴霧可能な組成物として製剤化され るか、遺伝子導入植物によって発現されるか、ベイトマトリックスとして製剤化 されるか、バキュロウイルスを介して分布させられるか、または他の利用可能な 一切の宿主もしくは薬剤デリバリー系を用いて分布させられる。 本明細書で用いられるように、「有毒」または「毒性」という用語は、Photor habdusによって産生される毒素が、本明細書で定義するように「機能的な活性」 を有することを意味する。 本明細書において、「トランケートペプチド」とは機能活性が見られるペプチ ドの断片である、一切のペプチドを含むことを意図している。 「実質的な配列ホモロジー」とは、類似の生化学的特性を有するタンパク質を 生産するのに十分なほど他のDNA断片に類似したヌクレオチド配列を有するDNA断 片か、または、類似の生化学特性を示すに十分なほど他のポリペプチドに類似す るアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。 表20で報告する選択株の醗酵ブロスを用いて、Photorhabdus属による殺虫性毒 素産生の幅、これら毒素の殺虫スペクトルを決定し、さらに毒素複合体の精製の ための出発材料が提供される。本明細書で性状を調べた株は昆虫の多様な目に対 して経口毒性を有することが示された。そのような昆虫目には、Coleoptera、Ho moptera、Lepidoptera、Diptera、Acarina、HymenopteraおよびDictyopteraが含 まれるが、これらに限定されるものではない。 他の細菌毒素に関しては、この細菌の集団内の変異率は、現存の配列と僅かに 異なる多くの関連毒素を生じる。本明細書で興味のある毒素は、本明細書で開示 するように暴露に際して多様な昆虫に毒性を有するタンパク複合体を産生するも のである。好ましくは、この毒素はLepidoptera、Coleoptera、Homoptera、Dipt era、Hymenoptera、DictyopteraおよびAcarinaに対して活性を有する。本発明は 、本明細書の株およびその一切の誘導株によって産生されるタンパク質毒素とと もに、Photorhabdusによって産生される全てのタンパク質毒素と同種のタンパク 質毒素を包含することを意図する。これらの同種タンパク質は配列が異なるかも しれないが、本明細書で述べるこれらの毒素とは機能が異なることはない。同種 毒素は300kDaから2000kDaの間のタンパク複合体を含み、さらに少 なくとも2つのサブユニットを含むことが意図される。この場合、1つのサブユ ニットは他のサブユニットと同じでも異なっていてもよいペプチドである。種々 のタンパク質サブユニットが同定され、本明細書の実施例で開示される。典型的 には、該タンパク質サブユニットは約18kDaから約230kDa、約160 kDaから約230kDa、約100kDaから160kDa、約80kDaか ら約100kDa、および約50kDaから約80kDaである。 上記で考察したように、いくつかのPhotorhabdus株が線虫から分離された。幾 つかの線虫(線虫門の細長い筒状の寄生虫)は、好ましい増殖環境として昆虫の 幼虫を利用する能力を進化させた。昆虫の幼虫は、成長する線虫のために摂食源 および増殖のための環境を提供する。ある種の線虫による幼虫の侵入に続く劇的 な作用の1つは幼虫の死である。幼虫の死は、ある種の線虫では殺虫性毒素を産 生する細菌の存在によって生じる。この毒素は幼虫の増殖を拘束し、摂食能力を 抑制する。 興味深いことには、昆虫寄生線虫は、当該線虫との共生増殖のために固有の適 応を示す特定の細菌種の宿主であるらしい。この研究を開始して暫くの間、細菌 のXenorhabdusの呼称はXenorhabdusおよびPhotorhabdusに再分類された。Photor habdus属の細菌はHeterorhabditus線虫の共生細菌であるという性状を有し、一 方、Xenorhabdus種はSteinernema種の共生細菌である。命名法に於けるこの変化 は本明細書にも反映されているが、命名法におけるこの変化は、本明細書に開示 する本発明の範囲に全く影響を与えない。 本明細書に開示するペプチドおよび遺伝子は、J.Bacteriology誌の「著者へ の指示(Instructions to Authors)」(i-xiiページ、1996年、1月)(この文献は 参照により本明細書に含まれる)に最近発表されたガイドラインにしたがって名 称を付与した。以下のペプチドおよび遺伝子がPhotorhabdus株W-14から分離され た。 a括弧内の配列番号はペプチドN-末端;b 括弧内の数字は内部のペプチドトリプシン断片のN-末端;c 遺伝子配列から推定;d 内部遺伝子断片 上記に挙げた配列はゲノム領域でグループ分けされている。より詳しくは、ホ トラブダス・ルミネセンスバクテリア(W-14)は少なくとも、4つの別々のゲノ ム領域、tca、tcb、tccおよびtcd領域を有する。表1からわかるように、ペプチ ド産物はこれらの別々のゲノム領域から産生される。さらに実施例、具体的には 実施例15および21に説明したように、3つのゲノム領域から産生される個々の遺 伝子産物は昆虫活性と関連していた。これら4つのゲノム領域間にもかなりのホ モロジーがある。 実施例中でさらに説明したように、tcbA遺伝子は大腸菌中で2つの生化学的に 活性でありうるタンパク質断片(TcbAおよびTcbAii/iii)として発現された。tc dA遺伝子も大腸菌中で発現された。実施例16に説明したように、天然のプロセッ シングされないTcbA毒素を内在性メタロプロテアーゼまたはプロテアーゼを含む 昆 虫の腸管内容物で処理すると、TcbAタンパク質毒素は天然のペプチドのサイズよ りも小さなサブユニットにプロセシングされ、サザン・コーン・ルートワーム活 性が増大した。小さな毒素ペプチドは毒素複合体の一部としてなお関連性があっ た。ある状況下ではタンパク質分解性プロセシングにより、またはトランケート ペプチドを用いて毒素活性を増大させることが望ましいかもしれない。従って、 ある適用においては、すなわち、商業的トランスジェニック植物への適用の場合 には、トランケートペプチドを使用することがより好ましいことがある。 W-14株に加えて、異なる機能活性を有するホトラブダス属の他の種が存在して いる(詳しくは表20および36を参照せよ)。異なる活性があるにもかかわらず、 いくつかのケースではアミノ酸配列はかなりの配列ホモロジーを有している。さ らに、分子プローブはこれらの菌株に含まれるいくつかの遺伝子はW-14株に含ま れる遺伝子とホモロジーがあることを示す。実際、本明細書に記載した菌株の全 てがW-14毒素遺伝子の1以上のホモログを有している。実施例26の抗体データお よび実施例25のN-末端配列データは(アミノ酸配列に基づく)ホモロジーおよ び同一性がこれらの菌株によって産生されるタンパク質毒素間にあるという結論 をさらに支持するものである。分子レベルでは、W-14遺伝子プローブはW-14遺伝 子自体またはそのホモログ(表37、38、39)がホトラブダス属にわたって分散し ていることを示す。さらに、W-14と相同でないが全体的なタンパク質の属性を残 している新たな毒素遺伝子が他の菌株に存在することはあり得ることである(詳 しくは実施例14および25を見よ)。 ホトラブダス株によってつくられる毒素遺伝子間にホモロジーまたは同一性が あるものの、株自体は非常に多様である。実施例22でさらに論じるポリメラーゼ 連鎖反応技術を用いると、本明細書で説明する株の大部分は十分に区別できるも のである。例えば図5に見ることができるように、HP88とNC-1のように、いくつ かの菌株の相対的類似パーセンテージは約0.8であり、このことはこれらの株が 類似であることを示すが、一方HP88とHbは約0.1であり、このことは本質的に相 違していることを示すものである。従って、これらn昆虫毒素遺伝子またはこれ らの菌株が産生する遺伝子産物は同じまたは類似であるものの、株自体は多様で ある。 さらに実施例で開示されているデータおよび本明細書の議論を見ると、新規な 、かつ、独特の昆虫殺虫性タンパク質毒素ファミリーが発見されたことは明らか である。本明細書において、これらの毒素がホトラブダス属のバクテリア株に広 く存在していることは詳しく述べられている。これらの毒素遺伝子がエンテロバ クターファミリーに広く存在していることもあるかもしれない。実施例21に記載 したように調製した抗体または実施例25に記載したように調製した遺伝子プロー ブは、機能活性を有するホモロジーのある毒素を産生するエンテロバクターファ ミリーのバクテリア株をスクリーニングするために更に用いられることもある。 ホトラブダス属またはエンテロバクターファミリーの新規な遺伝子の同定を容易 にすることができるかもしれない特異的プライマーセットが存在することもある かもしれない。 上述したように、これらの抗体は、実施例26に記載したように、ホトラブダス 属またはエンテロバクターファミリのバクテリアをホモロジーのある毒素産物に 関して迅速にスクリーニングするために用いられることがある。当業者は解析ツ ールまたはスクリーニングツールとしての抗体の使用について熟知している(米 国特許第5,430,137号を参照せよ。この特許は本明細書に含まれるものとする。 )。さらに、抗体はポリペプチドの露出した表面をしめる傾向のある6から20ア ミノ酸残基に対して生じることは文献的に一般に理解されているところである(C urrent Protocols in Immunology,Coliganら、National Institutes of Health ,John Wiley & SOns,Inc.)。通常このアミノ酸は連続したアミノ酸残基を構 成するが、ある場合には、これらが、特定のコンホメーションによって束縛され ている、非連続的なアミノ酸によって形成されることがある。抗体によって認識 されるアミノ酸セグメントは非常に特異的であり、通常エピトープと称される。 このアミノ酸断片は天然タンパク質の化学的および/または酵素的切断、自動化 された固相ペプチド合成機、または遺伝子操作された生物による産生によって作 製することができる。ポリペプチド断片は、この技術分野で知られた種々のHPLC およびFPLCクロマトグラフィーおよび/またはその組み合わせによって単離する ことができる。ポリペプチド断片の選択は、タンパク質の表面にもっとも露出し そうな配列を予測するアルゴリズムの使用により、例えばKyteとDoolittle、198 2、J ournal of Molecular Biology 157:105-132およびChouとFasman、1974,Biochem istry 13:222-245を用いることによって補助することができる。注目しているポ リペプチド断片を含む免疫原を調製するために、一般にはポリペプチドは化学反 応を用いてキーホールリンペットヘモシアニン(keyhole limpet mehocyanin)の ようなキャリアータンパク質に、遊離の、アミノ基(リジン)、スルフィドリル 基(システイン)、フェノール基(チロシン)、またはカルボキシル基(アスパ ラギン酸またはグルタミン酸)を介して共有結合的に結合される。免疫原はアジ ュバントと共に、免疫原に対する免疫応答を引き起こすべく、マウスまたはウサ ギまたはニワトリのような動物に注射される。注射した動物のポリペプチドに対 する抗体の力価はELISAおよびウェスタンブロットのような種々の免疫学的方法 によって測定することができる。また、モノクローナル抗体は、腫瘍細胞と融合 させて単一の抗体種を産生する不死ハイブリドーマ細胞を作製するために、注射 した動物の脾臓細胞を用いることにより調製することができる。ハイブリドーマ 細胞はスクリーニングされ、免疫学的方法でスクリーニングされ注目しているポ リペプチド断片に対する特異的抗体を産生する細胞株が選抜される。種々の供給 源からの抗体の精製は、種々の抗原アフィニティーカラムまたは抗体アフィニテ ィーカラム、または他のHPLC若しくはFPLCクロマトグラフィー法によって行うこ とができる。 本明細書で開示する毒素は、当該毒素が機能的な活性(これが昆虫制御戦略の 開発の鍵であるが)を有するという点において極めて特異的である。昆虫制御戦 略の開発では、生物の消化管を避けて当該生物に直接タンパク質を注射してタン パク分解過程を遅らせまたは妨害することが可能である。そのような場合には、 該生物に投与されるタンパク質は、変性、非特異的分解または高等生物の免疫系 による排除までその機能を保持するであろう。殺虫性毒素の昆虫への注射は実験 室でのみ応用が可能で、さらに容易に注射できる大型の昆虫について可能である 。本明細書で開示する殺虫性タンパク質毒素は、経口消化または毒素との接触後 にその毒性活性を表すという観察は、該タンパク質毒素を昆虫の餌に取り込ませ ることの可能性を専らあてにする昆虫制御計画の開発を可能にする。そのような 計画の結果は昆虫のベイト(insect bait)であろう。 Photorhabdusの毒素は昆虫に精製形で投与してもよい。この毒素はまた約1か ら約100mg/リットルブロスの量で薬剤分布させてもよい。これは、調製物 の条件、接種源の条件、毒素分離技術などにしたがって変動するであろう。この 毒素は異種原核細胞または真核細胞宿主で初めに発現された滲出分泌物または細 胞タンパク質として投与してもよい。細菌は、典型的には当該タンパク質が発現 される宿主である。真核細胞宿主には植物、昆虫および酵母が含まれるが、これ らに限られるものではない。また別にはこの毒素は、細菌により、または野外で 遺伝子導入植物により、またはバキュロウイルスベクターにより昆虫で産生させ てもよい。典型的にはこの毒素は、昆虫の餌に1種または2種以上の毒素を混ぜ ることによって昆虫に導入されるであろう。 摂食昆虫に対する完全致死率は有用であるが、有意義な毒性を達成するために は要求されない。もし昆虫が毒素を避けるかまたは摂食を中止するならば、たと え毒素の効果が致死量以下であったとしてもこの回避行動は幾つかの応用例で有 用であろう。例えば、昆虫耐性遺伝子導入作物植物を所望する場合、昆虫が当該 植物を接触するのをためらうことは該昆虫に対する致死的毒性と同様に有用であ る。なぜならば、究極の目的は該植物の保護であって当該昆虫を死滅させること ではないからである。 毒素を昆虫の餌に混ぜるために他の多くの方法がある。一例として、本明細書 に開示したようにタンパク質溶液を噴霧して当該毒素タンパク質を幼虫の摂食源 に混ぜることが可能である。また別には、精製タンパク質を無害な細菌に遺伝子 工学によって導入し、続いてこれを培養して増殖させ、さらに摂食源に用いるか または該昆虫を撲滅しようとする地域の土壌に定着させる。また、該タンパク質 を昆虫の摂食源に遺伝子工学的に直接導入することもできる。例えば、多くの昆 虫の幼虫の主要な摂食源は植物成分である。 Photorhabdus毒素の殺虫特性をコードする遺伝物質を、特定の害虫が摂食する 植物のゲノムに組み込むことによって、該摂食用植物を食べた後で成虫または幼 虫は死滅するであろう。単子葉および双子葉に属する多くの植物が形質転換され た。遺伝子導入農作物は果物および野菜とともに商業的に重要である。そのよう な作物にはトウモロコシ、コメ、ダイズ、カノラ(canola)、ヒマワリ、アルフ アルファ、モロコシ、コムギ、綿花、ピーナツ、トマト、ジャガイモなどが含ま れるが、これらに限られるものではない。外来遺伝物質を植物細胞に導入し、さ らに該導入遺伝子を安定的に維持し発現させるためにはいくつかの技術がある。 そのような技術には、微粒子上に被覆された遺伝物質の加速による直接細胞導入 が含まれる(米国特許4945050号(Cornell)および同5141131号(Do wElanco))。植物はアグロバクテリウム関連技術を用いて形質転換できる(米国 特許5177010号(University of Tpledo)、同5104310号(Texas A &M)、欧州特許出願公開公報第0131624B1号、欧州特許出願公開公報第 120516号、同159418B1号および同176112号(Schilperoot) 、米国特許5149645号、同5469976号、同5464763号および 同4940838号、並びに同4693976号(Schilperoot)、欧州特許出願 第116718号、290799号、320500号(全てMaxPlanck)、欧州特 許出願第604662号および627752号(Jaapan Tobacco)、欧州特許出願 第0267159号および0292435号並びに米国特許5231019号( 全てCiba Geigy)、米国特許5463174号および4762785号(ともにC aigene)、米国特許5004863号および5159135号(ともにAgracetus) を参照のこと)。他の形質転換技術にはウィスカー(Whiskers)の技術(米国特許 5302523号および5464765号(ともにZeneca)を参照のこと)が含 まれる。エレクトロポレーション技術(Electroporation technology)もまた植 物の形質転換に用いられた(WO87/06614号(Boyce Thompson Institu te)、同5472869号および5384253号(ともにDekalb)、WO92 09695号およびWO9321335号(ともにPGS)を参照のこと)。これら の形質転換に関する特許および刊行物は参照により本明細書に含まれる。植物を 形質転換させる多くの技術だけでなく、外来遺伝子と接触する組織の種類も同様 に変化をもたせることができる。そのような組織には肺組織、カルス組織I型お よびII型、胚軸、分裂組織などが含まれるが、これらに限定されるものではな い。ほとんど全ての植物組織は、当技術分野の適切な技術を用いて分化中に形質 転換させることができる。 また別の変動因子は、選択マーカーの選択である。具体的マーカーとして何を 選択するかは当業者の自由裁量であるが、以下の選択マーカーのいずれも使用す ることができ、さらに、本明細書に挙げられていない選択マーカーとして機能し える他の何れの遺伝子も用いることができる。そのような選択マーカーには、ト ランスポゾンTn5(AphII)のアミノグリコシドホスホトランスフェラー ゼ遺伝子(これは、抗生物質(カナマイシン、ネオマイシンおよびG418)に 対する耐性をコードする)とともに、グリホセート;ハイグロマイシン;メトト レキセート;ホスフィノスリシン(ビアロホス);イミダゾリノン、スルホニル ウレアおよびトリアゾロピリミジン除草剤(例えばクロロスルフロン);ブロモ キシニル、ダラポンなどに対する抵抗性または耐性をコードする遺伝子が含まれ るが、これらに限定されるものではない。 選択マーカーの他に、レポーター遺伝子を用いることが望ましい。いくつかの 例では選択マーカーを使用しないでレポーター遺伝子を用いることができる。レ ポーター遺伝子は、受容生物または組織には典型的には存在しないかまたは発現 されない遺伝子である。レポーター遺伝子は典型的には、何らかの表現型の変化 または酵素特性を提供するタンパク質をコードする。そのような遺伝子の例は文 献に記載されている(K.Weisingら、Ann.Rev.Genetics 22:421(1988)、この 文献は参照により本明細書に含まれる)。好ましいレポーター遺伝子はグルクロ ニダーゼ(GUS)遺伝子である。 形質転換技術に関係なく、植物プロモーターをベクターに包含させることによ って植物細胞でPhotorhabdus毒素を発現できるように適応させた遺伝子導入ベク ターに好ましくは当該遺伝子を取り込ませる。植物プロモーターの他に、種々の 起源のプロモーターが、外来遺伝子を発現させるために植物細胞で有効に用いら れる。例えば、細菌由来のプロモーター(例えばオクトピンシンセターゼプロモ ーター、ノパリンシンセターゼプロモーター、マンノピンシンセターゼプロモー ター)、ウイルス由来プロモーター(例えばカリフラワーモザイクウイルス(35 Sおよび19S))、35Tとして知られる再操作された35S(PCT/US96/16582、WO97 /13402、1997年4月17日公開を参照せよ。なお、これは本明細書に含まれること とする)などを用いることができる。植物プロモーターには、リブロース1,6 −ビスホスフェート(RUBP)カルボキシラーゼ小サブユニット(ssu)、 ベータ−コングリシニンプロモーター、ファゼオリンプロモーター、ADHプロ モーター、熱ショックプロモーターおよび組織特異的プロモーターが含まれるが 、これらに限られるものではない。プロモーターはまた、転写効率を改良するこ とができるある種のエンハンサー配列成分を含むことができる。典型的なエンハ ンサーにはAdh−イントロン1およびAdh−イントロン6が含まれるが、こ れらに限定されない。構成的プロモーターも用いることができる。構成的プロモ ーターは、全ての細胞型で常に連続的な遺伝子発現を誘導する(例えばアクチン 、ユビキチン、CaMV35S)。組織特異的プロモーターも例えば葉または種 子のような特定の細胞または組織型での遺伝子発現をもたらし(例えばゼイン、 オレオシン、ナピン、ACP)、これらのプロモーターもまた使用できる。プロ モーターは、植物組織および器官で活性を有するのと同様に植物の発育時の一定 段階でもまた活性を有する。そのようなプロモーターの例には花粉特異的、胎児 特異的、トウモロコシの穂の毛特異的、綿花繊維特異的、根特異的、種子エンド スパーム(endosperm)特異的プロモーターなどが含まれるが、これらに限定され るものではない。 ある種の環境下では、誘導可能なプロモーターを用いることが望ましいであろ う。誘導可能なプロモーターは、特異的シグナル(例えば生理的シグナル(熱シ ョック遺伝子)、光(RUBPカルボキシラーゼ)、ホルモン(Em)、代謝物 およびストレス)に反応して遺伝子の発現をもたらす。植物で機能する他の望ま しい転写および翻訳エレメントも用いることができる。植物特異的な多くの遺伝 子導入ベクターが当技術分野で知られている。 さらに、植物で細菌遺伝子の高い発現を得るためには、細菌遺伝子が植物の細 胞質でより効果的に発現するようにそれらを再操作することが好ましいことが知 られている。トウモロコシは、形質転換の前に細菌遺伝子を再操作して植物での 毒素の発現レベルを高めることが好ましい植物の1つである。再操作の理由の1 つは、天然の細菌遺伝子のG+C含有量が極めて低い(A+T含有量が高いとい う結果になる)ということである。このことにより、A+Tが極めて豊富である ことが知られている植物遺伝子制御配列を模倣するまたは複製する配列が作り出 されることになる。植物内に導入される遺伝子のDNA内にA+Tに富むいくつか の配列(例えば遺伝子プロモーターに通常見出されるTATAボックス領域)が 存在するということは、遺伝子の異常な転写をもたらす可能性がある。他方、転 写mRNAに存在する他の調節配列(例えばポリアデニル化シグナル配列(AAU AAA)または前駆体mRNAのスプライシングに必要な低分子核RNA)の存在はRNA の不安定性につながるかもしれない。したがって、再操作した細菌遺伝子デザイ ンより好ましくは植物最適化遺伝子と称される)の目標の1つはより高いG+C 含有量をもつDNA配列、および好ましくは代謝酵素をコードする植物遺伝子のそ れに近いものを作製することである。植物最適化遺伝子のデザインのまた別の目 標は、G+C含有量が高いというだけでなく、その配列変化を修飾(変更)する ことによって翻訳を妨げないDNA配列を作製することである。 高G+C含有量を有する植物の例はトウモロコシである。下記の表は、G+C 含有量がトウモロコシでいかにに高いかを示している。トウモロコシの場合のよ うに、他の植物のG+C含有量もまた高いと考えられる。 a 遺伝子クラスの数は括弧内に示す。 b 標準偏差は括弧内に示す。 c 統合群の平均は全体の平均の計算では無視した。 表2のデータについては、遺伝子のコード領域はGenBank(レリース71)の登録 から抽出し、塩基組成はマックベクターTMプログラム(MacVectorTM,IBI,New H aven,コネチカット)を用いて計算した。イントロン配列は計算では無視した。 I群およびII群の貯蔵タンパク遺伝子配列はそれらの塩基組成における顕著な 相違で区別した。 遺伝暗号の縮退性(すなわちいくつかのアミノ酸は1つ以上のコドンによって 特定される)によって許容される柔軟性のゆえに、異なる生物または異なる種類 のゲノムの進化は縮退コドンの異なる用い方をもたらした。この「コドンの偏り 」はタンパクコード領域の平均塩基組成に現れる。例えば、比較的低いG+C含 有 量をもつ生物は縮退コドンの第三位にAまたはTを有するコドンを利用し、一方 、高いG+C含有量をもつものは第三位にGまたはCを有するコドンを利用する 。遺伝子のmRNA内に「マイナー」コドンが存在することによって、特に該マイ ナーコドンに対応する稼働tRNAの相対的なゆとりが低い場合は当該mRNAの絶対 翻訳率が低下すると考えられる。これを拡大すれば、個々のマイナーコドンによ る翻訳率の低下は、多数のマイナーコドンについて少なくとも累積的であるとい うことである。したがって、マイナーコドンの含有量が比較的高いmRNAはそれ に対応して翻訳率が低いであろう。この翻訳率は、該当コードタンパク質の低レ ベルの合成によって体現される。 細菌遺伝子の再操作のために植物のコドンの偏りを決定する。コドンの偏りは 、植物がそのタンパク質をコードするために用いる統計的コドン分布である。こ の偏りを求めた後で対象遺伝子のコドンの%頻度を求める。植物が好んで用いる 主要コドンが、第二および第三の好ましいコドンとともに求められるべきであろ う。対象タンパク質のアミノ酸配列を逆に翻訳し、その結果、生じた核酸配列が 天然の細菌遺伝子と同じタンパク質をコードするが、生じた核酸配列は所望の植 物の第一の好ましいコドンに対応するようにした。新規な配列は、変更によって つくり出された制限酵素部位に関して分析される。さらに第二または第三の好ま しい選択コドンで当該コドンを置換することによって、この特定した部位を変更 する。対象遺伝子の転写または翻訳に影響を与える配列内のその他の部位は、エ クソン:イントロン5’または3’結合部、ポリA付加シグナル、またはRNAポ リメラーゼ終結シグナルである。さらにこの配列を分析し、TAまたはGC対の 頻度を減少させるために修飾する。これらの対の他に、約4つ以上の同じ残基を 有するGまたはC配列ブロックも当該配列の転写に影響を与える。したがって、 これらのブロックもまた第一または第二の選択コドンなどをその次に好ましい選 択コドンで置換することによって変更される。好ましくは、この植物最適化遺伝 子は、約63%の第一の選択コドンを、約22%から約37%の第二の選択コド ンを、さらに15%から0%の第三の選択コドンを含み、ここで百分率の合計は 100%である。最も好ましくは、植物最適化遺伝子は、約63%の第一の選択 コドンを、少なくとも約22%の第二の選択コドンを、約7.5%の第三の選択 コド ンを、さらに約7.5%の第四の選択コドンを含み、ここで百分率の合計は10 0%である。上記に述べた方法は、当業者が、特定の植物にとって外来性である 遺伝子を修飾し、その結果該遺伝子を植物内で最適に発現させることを可能にす る。本方法は、PCT/US96/16582、WO 97/13402(1997年4月17日公開)でさらに詳 述されている。 したがって、植物最適化遺伝子をデザインするために、形質転換される特定の 植物についての遺伝子DNA配列に関して編集したコドンの偏り表から確定した非 縮退性遺伝暗号を用いて、該毒素のアミノ酸配列をDNAに逆翻訳する。得られたD NA配列(これはコドンの用い方においては完全に均質である)をさらに修飾して、 より高いコドンの多様性を有するという他に、計画的な制限酵素部位の配置、所 望の塩基組成および遺伝子の転写または生成mRNAの翻訳に干渉するおそれのあ る配列の除去を図る。 細菌遺伝子がプラスチドで発現される場合には該細菌遺伝子はもっと容易に植 物で発現されるであろうという学説がある。したがって、遺伝子を植物発現に最 適にすることなく細菌遺伝子を植物で発現させ、タンパク質の高発現を得ること は可能かもしれない(例えば米国特許4762785号、5451513号およ び5545817号を参照のこと、これらの文献は参照により本明細書に含まれ る)。 商品として遺伝子導入植物を開発するための課題の1つは耐性の管理である。 これはBacillus thuringiensis毒素に関して特にいえる。商業的にBacillus thu ringiensisを開発している企業は多く、耐性Bt毒素に関してはこれまで懸念が 多かった。昆虫の耐性に関する管理についてのこれまでの戦略はPhotorhabdusに よって産生される毒素を例えばBtのような草食性昆虫タンパク質毒素(CibaGei gy)または他の毒素と混ぜることであろう。噴霧可能なようにこの組み合わせを 製剤化するか、または分子として組み合わせることができるであろう。植物は、 昆虫毒素を産生するPhotorhabdus遺伝子および他の昆虫毒素遺伝子(例えばBt) で形質転換できるであろう。 欧州特許出願公開公報第0400246A1は、2種のBt(この2種の遺伝 子は何でもよい)による1つの植物の形質転換を開示する。1種以上の昆虫耐性 遺伝子を含む遺伝子導入植物を製造するまた別の方法は、各植物が1つの昆虫耐 性遺伝子を含む2種の植物を製造することである。これらの植物を慣習的な交配 技術を用いて戻し交配し、1種以上の昆虫耐性遺伝子を含む植物を製造する。 植物最適化遺伝子を含む形質転換植物の製造に加えて、細菌遺伝子の再操作に とって望ましいと思われる他の薬剤デリバリー系が存在する。同じように摂食源 として昆虫誘因性をもつ分子と毒素の殺虫活性とを融合させた、遺伝学的に操作 して容易に分離可能なタンパク質毒素を作出し、標準的で周知の技術を用いて細 菌または真核細胞で発現させることができる。研究室で精製した後、「組込み」 毒餌を含むそのような毒素薬剤は標準的な昆虫補足用ハウジングに梱包できる。 別の薬剤デリバリー系はバキュロウイルスベクターに毒素の遺伝物質を取り込 ませることである。バキュロウイルスは、特定の昆虫宿主(Photorhabdus毒素の 好ましい標的である昆虫を含む)に感染する。Photorhabdus毒素の発現構築物を 含む感染性バキュロウイルスを昆虫被害地域に導入し、それによって感染昆虫を 毒で汚染させる。 殺虫特性の導入には、タンパク質発現ベクターに組み込まれたPhotorhabdus毒 素のアミノ酸配列をコードする核酸配列が必要である。当該ベクターはそれが生 存する宿主にとって適切なものでなければならない。殺虫特性を有するタンパク 質をコードする核酸配列を得る方法の1つは、毒素のアミノ酸配列(その大部分 は下記で詳述する)から推定される情報を用いて、Photorhabdusから該毒素を産 生する天然の遺伝物質を分離することである。下記で説明するように、毒素活性 をもたらすタンパク質を精製する方法もまた開示する。 下記に述べるようにN−末端アミノ酸情報を用いて、当該毒素の最初のアミノ 酸をコードするDNA塩基の全て(または部分)に対して相補的なオリゴヌクレオ チドを構築することができる。これらのオリゴヌクレオチドを放射能標識して、 Photorhabdus株から分離した遺伝物質から構築したゲノム遺伝子ライブラリーか ら当該遺伝物質を分離するために分子プローブとして用いることができる。この 遺伝子ライブラリーは、プラスミド、コスミド、ファージまたはファージミドベ クターでクローニングできる。このライブラリーで大腸菌を形質転換し、毒素に 対して作製した抗体または昆虫毒素のための直接アッセイを用いて、形質転換細 胞による毒素産生についてスクリーニングすることができるであろう。 このアプローチはオリゴヌクレオチド−式の産生を必要とする。なぜならば、 縮退遺伝暗号のために、1つのアミノ酸は数個の3ヌクレオチドの組み合わせに よってコードされえるからである。例えば、アミノ酸のアルギニンは核酸トリプ レット、CGA、CGC、CGG、CGT、AGAおよびGGによってコードさ れえる。どのトリプレットが毒素遺伝子のその位置で用いられるかを予想するこ とはできないので、可能性のあるトリプレットの各々を用いてオリゴヌクレオチ ドを調製する必要がある。経口毒素を完成させるために必要なタンパク質サブユ ニットの全てを回収するためには、1つのタンパク質サブユニットに対応する1 つ以上のDNA分子が、充分な数のオリゴヌクレオチドプローブを構築するために 必要であろう。 精製タンパク質のアミノ酸配列から、毒素の生産に必要な遺伝物質は容易に分 離することができ、さらに分子生物学の技術分野で習熟した者にとって周知のい くつかの技術の何れかを用いて発現ベクターに全体または部分をクローニングす ることができる。典型的な発現ベクターはDNAプラスミドであるが、コスミド、 ファージミドおよびファージを含む(ただしこれらに限定されない)他の伝達手 段もまた用いることができる。プラスミドの複製のために必要なまたは望ましい 特性(例えば複製起点および抗生物質耐性または他の形態の選択マーカー(例えば Streptomyces hygroscopicusまたはviridochromogenesのbar遺伝子))に加え て、タンパク発現ベクターは通常発現カセットを必要とする。これは、対象の遺 伝子の転写および翻訳に必要なcis−作動性配列を含んでいる。原核細胞での 発現に必要なcis−作動性配列は、真核細胞および植物で必要とされるものと は異なっている。 真核細胞発現カセットは、対象の遺伝子に対して上流(5’)に転写プロモー ター、転写終結領域(例えばポリA付加部位)および対象の遺伝子の最初のコド ンの上流にリボソーム結合部位を必要とする。細菌細胞の場合にベクターに含む ことができる有用な転写プロモーターは、T7RNAポリメラーゼ結合プロモータ ーである。本明細書で先に述べたように、プロモーターはmRNAの転写を効果的 に促進することが知られている。また対象の遺伝子から上流に、該ベクターはシ グナル配列をコードするヌクレオチド配列を含むことができるが、これは、宿主 細胞の特定の部分(例えば細胞表面)に共有結合によって連結されたタンパク質 を誘導することが分かっている。 昆虫ウイルスすなわちバキュロウイルスは、ある種の昆虫に感染または悪い影 響を与えることが知られている。昆虫に対するウイルスのこの影響は緩徐で、ウ イルスは昆虫の摂食を停止させない。したがって、ウイルスは害虫制御剤として 有用なようには見えない。Photorhabdus毒素遺伝子をバキュロウイルスベクター に結合させることによって、ウイルスの致死性を高めながら当該毒素を伝達する 有効な方法が提供される。さらに、異なるバキュロウイルスは異なる昆虫に対し て特異性を有するので、特定の毒素を用いて特定の害虫を選択的に標的とするこ とが可能である。該毒素遺伝子に対して特に有用なベクターは核多角体病ウイル スである。このウイルスを用いる伝達ベクターは既に記載され、外来遺伝子を昆 虫に導入するために選択されるベクターとなっている。ウイルス−毒素遺伝子リ コンビナントは、経口的に伝達可能な形態として構築できる。通常、バキュロウ イルスは中腸の腸管粘液を介して昆虫に感染する。強力なウイルスのコートタン パク質プロモーターの後ろに挿入された毒素遺伝子は発現されて迅速に感染昆虫 を殺すであろう。 昆虫ウイルスすなわちバキュロウイルスまたは本発明のタンパク質毒素のため の遺伝子導入植物による薬剤デリバリー系の他に、このタンパク質は、例えば米 国特許4695455号、4695462号、4861595号(ただしこれら に限定されない)(これらの文献は参照により本明細書に含まれる)のBacillus thuringiensis被包化技術を用いて被包化できる。本発明のタンパク質毒素の また別の薬剤デリバリー系はベイトマトリックスへの該タンパク質の製剤化であ る。この製剤は続いて地上または地下昆虫ベイトステーションで用いることがで きる。そのような技術の例にはPCT特許出願WO93/23998号(この文 献は参照により本明細書に含まれる)が含まれるが、ただしこれに限定されない 。 上記で述べたように、当該タンパク質を本来の宿主ではない宿主で発現させる 場合は、該タンパク質をコードする配列を変更することが必要となるかもしれな い。なぜならば、他の宿主で好んで使用されるコドンはPhotorhabdusの場合と異 なる可能性があるからである。そのような場合には、該コード配列に対して埋め 合わせとなる変更が行われないかぎり、新しい宿主での翻訳は極めて効率が悪い であろう。さらに、新しい宿主のタンパク質との抑制性交差反応を避けるために 、または新しい宿主での該タンパク質の殺虫特性を高めるために、アミノ酸配列 に対する変更が望ましいかもしれない。遺伝子的に修飾された毒素遺伝子は、例 えば毒性強化もしくは低下、昆虫の耐性発達の変化、安定性の変化または標的種 特異性の変化を示す毒素をコードするかもしれない。 該毒素をコードするPhotorhabdus遺伝子の他に、本発明は該毒素タンパク質と 相同なアミノ酸バイオポリマーをコードし、さらに経口消化の後で昆虫種におい てPhotorhabdusタンパク質の毒性効果を保持する関連核酸配列を含むことを意図 する。 例えば、本発明で用いられる毒素は結果として死がもたらされる前に先ず幼虫 の摂食を抑制するように思える。Photorhabdus毒素の核酸配列またはその制御配 列を操作することによって、毒素遺伝子を植物に配置した遺伝子工学技術者は、 例えば摂食抑制活性を保ち、その一方で幼虫に対する絶対的な毒性を取り除くた めに当該タンパク質の能力またはその作用態様を調節することができるであろう 。この変化によって、全ての標的昆虫を根絶させるという環境系に対する不必要 で劇的な影響を与えることなく、形質転換植物が収穫まで残存することが可能と なろう。該毒素をコードする遺伝子のそのような変更の全て、または該遺伝子に よってコードされるタンパク質のそのような変更の全てが本発明の範囲内に包含 される。 包含される他の核酸の変更には該毒素の有効性を改善するために昆虫の幼虫の 特定の部分に毒素を誘導するために照準用配列を付加することが含まれる。 W-14、ATCC55397、43948、43949、43950、43951、43952株はアメリカンタイプ カルチャーセンター(12301,Parklawn Drive,Rockville,MD 20852 USA)に寄託 されている。W-14天然毒素(ATCC55397)のアミノ酸および核酸配列データは下記 に提示する。毒素のゲノムDNAの細菌宿主からの分離は本明細書で例証する。本 明細書で同定された他の株は米国農業省、1815,North University Drive,Peor ia,IL 61604に寄託されている。 標準的技術および分子生物的技術を用い、さらにそれらは本明細書で開示され る。更なる情報は、分子クローニング:実験室マニュアル(コールドスプリング ハーバー研究所出版部(J.Sambrook,E.F.Fritsch & T.Maniatis(1989))で見 出される(この文献は参照により本明細書に含まれる)。 以下の略語は実施例を通して用いられる:Tris=トリス(ヒドロキシメチ ル)アミノメタン;SDS=ドデシル硫酸ナトリウム;EDTA=エチレンジア ミンテトラ酢酸;IPTG=イソプロピルチオ−β−ガラクトシド;X−gal =5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイル−β−D−ガラクトシド;CTAB =臭化セチルトリメチルアンモニウム;kbp=キロ塩基対;dATP、dCT P、dGTP、dTTP、I=それぞれアデニン、シトシン、グアニン、チミン およびイノシンの2’−デオキシヌクレオシド5’−三燐酸塩;ATP=アデノ シン5’三燐酸塩。 実施例1 Photorhabdus .luminescens由来毒素の精製と精製毒素の経口的薬剤デリバリー 後の毒性体現 本発明の殺虫性タンパク質毒素は、Phtorhabudus.luminescensW-14株(ATCC アクセッション番号55397)から精製された。Photorhabdus.luminescensのスト ック培養を1.5%寒天に2%プロテオースペプトン#3(すなわちPP3、Di fco Laboratories,デトロイト、ミシガン)を含むペトリ皿で25℃で保温し毎 週継代して維持した。細菌の一次形成コロニーを1リットルフラスコ中の0.5% のポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(トゥイーン60、Sigma Ch emical Company,セントルイス、ミズーリ)補充200mlのPP3ブロスに摂 取した。回転シェーカーで30℃で72時間ブロス培養を増殖させた。毒素タン パク質をトゥイーンの非存在下または存在下で増殖させた培養から回収すること ができる。しかしながらトゥイーンの非存在下では増殖細菌の形態および該細菌 によって産生されるタンパクプロフィールは影響を受ける。トゥイーンの非存在 下では、種々のシフトが生じ、少なくとも特定された1つの毒素サブユニットの 分子量に関するかぎり約200kDaから約185kDaへとシフトする。 この72時間培養物を10000×gで30分遠心して細胞と残屑を除去した 。殺虫活性を含む上清分画を傾けて流し出し、適切な容量の1.0MのK2HPO4 を添加して50mMK2HPO4とする。水酸化カリウムを添加してpHを8.6 に調整した。続いてこの上清分画を、50mMK2HPO4で平衡化したDEAE −セファセル(Pharmacia LKB Biotechnology)と混合した。この毒性活性をDE AE樹脂に吸着させた。続いてこの混合物を2.6×40cmカラムに注入し、 50mMK2HPO4で室温で流速30ml/時間で洗浄して、溶出液を安定した 280nmUV吸収基準ラインに到達させた。続いて溶出液が再び安定した28 0nm基準ラインに達するまでカラムを150mMKClで洗浄した。最後にカ ラムを300mMKClで洗浄し、分画を採集した。 毒素を含む分画を集め、0.2ミクロン孔の膜フィルターを用いて濾過滅菌し た。続いて毒素を濃縮し、さらに分子量カットオフが100kDaの限外濾過膜 (Centriprep 100,Amicon Division-W.R.Grace and Company)を用いて4℃で 100mM KPO4(pH6.9)に平衡化した。毒素濃縮物の3mlを2.6 ×95cmのセフクリルS−400HRゲル濾過カラム(Pharmacia LKB Biotech nology)の上部に積載した。溶離液は100mMKPO4(pH6.9)で、こ れを17ml/時間の流速で4℃で流した。溶出液を280nmでモニターした 。 分画を集め毒素活性について調べた。クロマトグラフィーの分画の毒性をMand uca sextaの幼虫を用いて生物学的アッセイで調べた。分画を直接昆虫の食餌(マ イマイガ用コムギ麦芽餌、ICN Biochemicals Division−ICN Biomedicals,Inc.) に適用するか、または第4もしくは第5齢幼虫の第一前肢から5μlのサンプル を30ゲージ注射針を用いて血体腔注射(intrahemocelic injection)によって投 与した。処置群の各幼虫の体重は24時間間隔で記録した。昆虫が摂食を停止し 、処置した昆虫餌を消費し数日以内に死んだ場合、または分画を注射して24時 間以内に死んだ場合に毒性があったと推定した。 毒性分画を集め、Centriprep-100を用いて濃縮し、続いて7.5mm×60c mのTSK−GELG−4000SWゲル透過カラムを用い100mM燐酸カリ ウム(pH6.9)溶離液を0.4ml/分で流しながらHPLCで分析した。 この分析によって、毒素タンパク質は約33.6分の保持時間でカラムから溶出 する単一のシャープなピークに含まれることが明らかにされた。この保持時間は 概算分子量1000kDaに相当する。ピーク分画を更なる精製のために集め、 一方このタンパク質を含まない分画は廃棄した。HPLCから溶出したピークは 218および280nmでUV光を吸収したが405nmでは吸収しなかった。 405nmの吸収は、ゼノラブジン(xenorhabdin)抗生物質化合物の属性である ことが示された。 集めたピーク分画の非変性アガロースゲル(Metaphor Agarose,FMC BioProduc ts)での電気泳動によって、2つのタンパク複合体が当該ピークに存在すること が示された。このピーク材料(50mMトリス−HCl(pH7.0)で緩衝) を、1.5%アガロースのスタッキングゲル(100mMトリス−HCl(pH 7.0)で緩衝)および1.9%アガロースの分離ゲル(200mMトリスーホ ウ酸塩(pH8.3)で緩衝)で標準的バッファー条件(陽極バッファー1Mト リス−HCl(pH8.3);陰極バッファー0.025Mトリス、0.192 Mグリシン)下で分離した。フェノールレッドの追跡用色素がゲル端に達するま で、ゲルに13mAの定電流を15℃で流した。クマシーブリリアントブルー染 色を用いて2本のタンパク質バンドをアガロースゲルで可視化させた。 より遅く移動するバンドを「タンパク質バンド1」と呼び、より速く移動する バンドを「タンパク質バンド2」と呼んだ。2本のタンパク質バンドはほぼ等量 で存在した。クマシー染色アガロースゲルは、ゲルの未染色部分から2本のタン パク質バンドを正確に切り出すためのガイドとして用いた。タンパク質バンドを 含む切り出した細片をふやかし、少量の滅菌水を加えた。コントロールとして、 タンパク質を含まないゲルの一部分もまた切り出し、タンパク質を含むゲルと同 じ態様で処理した。100mMトリス−ホウ酸塩(pH8.3)に100ボルト (定常電圧)で2時間電気泳動してゲル片からタンパク質を回収した。また別に、 タンパク質は、等容量の50mMトリス−HCl(pH7.0)をゲル片に加え、 続いて30℃で16時間保温することによってゲル片から受動的に溶出させた。 これによってタンパク質はバッファー中に拡散させられ続いてこのタンパク質を 採集した。 HPLC精製毒素(33.6分ピーク)およびアガロースゲル精製毒素を用い た昆虫毒素テストの結果は抽出物の毒性を明示した。1.5μgのHPLC精製 タンパク質の注射は24時間以内の死亡をもたらした。アガロースから受動的溶 出または電気泳動溶出で回収したタンパク質バンド1および2は両方とも注射で は致死的であった。これらのサンプルについての概算タンパク質濃度は50ng /幼虫未満であった。タンパク質バンド1または2を注射された幼虫群間での体 重増加と死亡率の比較によって、タンパク質バンド1は注射によるデリバリーで はより毒性が強いことが示された。 HPLC精製毒素を幼虫の餌に7.5μg/幼虫の濃度で適用したとき、幼虫 の体重増加の停止をもたらした(調べた24匹の幼虫で)。幼虫は摂食を始めた が、毒素処理餌の極めて少しの部分を消費した後、幼虫は毒素によって誘発され た病理兆候を示し始め、摂食を停止した。昆虫の糞粒は変色し、大半の幼虫は下 痢の症状を示した。7−10日間にわたって餌にそれぞれ5μg毒素を適用した とき有意の死亡率が得られた。 アガロース分離タンパク質バンド1は、200ng/幼虫の投与量で顕著に幼 虫の体重増加を抑制した。同様な濃度のタンパク質バンド2を与えた幼虫では抑 制されず、コントロールの幼虫と同じ率で体重は増加した。12匹の幼虫には溶 出タンパク質を与え、45匹の幼虫にはタンパク質含有アガロース片を与えた。 これら2組のデータは、タンパク質バンド1はManduca sextaに対して経口的に 毒性を有することを示した。この実験ではタンパク質バンド2はManduca sexta には毒性をもたないようであった。 変性条件下でのSDS-PAGEによるタンパク質バンド1および2の更なる分析によ って、各バンドはいくつかのより小さなタンパク質サブユニットを含むことが示 された。タンパク質をクマシーブリリアントブルー染色で可視化し、その後最大 の感度を達成するために銀染色を施した。 2本のバンドのタンパク質サブユニットは非常に類似していた。タンパク質バ ンド1は8個のタンパク質サブユニット(25.1、56.2、60.8、65 .6、166、171、184および208kDa)を含む。タンパク質バンド 2は25.1、60.8および65.6kDaタンパク質が存在しないという点 を除いて同一のプロフィールを有していた。56.2、60.8、65.6およ び1 84kDaタンパク質がタンパク質バンド1の複合体中にほぼ等しい濃度で存在 し、当該複合体の全タンパク質含有量の80%またはそれ以上を占めていた。 天然のHPLC精製毒素をさらに以下のように性状を調べた。毒素は非耐熱性 で、60℃で15分加熱した後、M.sextaの幼虫に注射または餌として与えたと き死亡させまたは体重増加を抑制させるその能力を失った。リパーゼ、C型ホス ホリパーゼ、ヌクレアーゼ、または赤血球細胞溶血活性を検出するためにアッセ イをデザインし、精製毒素を用いて実施した。これらの活性のいずれも存在しな かった。抗生物質ゾーン抑制アッセイもまた実施した。精製毒素はグラム陰性も しくは陽性細菌、酵母または糸状菌の増殖を抑制することができなかった。この ことはこの毒性はゼノラブジン抗生物質ではないことを示唆している。 天然のHPLC精製毒素を、M.sexta以外の昆虫を殺す能力について調べた。 表3では、この実験でHPLC精製Photorhabdus.luminescens毒素によって殺 される昆虫が列挙されている。 高分子毒素複合体のさらなる特徴づけ さらなる解析において、W-14増殖培地からの毒素タンパク質複合体をさらに特 性解析にかけた。培地条件およびS-400 HRカラムによる最初の精製ステップは上 述したものと同一である。S-400 HRカラム画分からの高分子毒素タンパク質複合 体の単離後、毒素画分を10mM Tris-HCl、pH8.6で平衡化し、セントリプラス100 (Amicon)濃縮機で濃縮した。次にタンパク質毒素複合体を弱陰イオン交換(WAX) カラム、Vydac301VPH575(Hesparia,CA)に流速0.5ml/分でかけた。タンパク質を 、10mM Tris-HCl pH8.6、0〜250mM KClで50分間の塩化カリウムの直線勾配で溶 出した。8つのタンパク質ピークが280nmの吸収で検出された。 新生サザン・コーン・ロートワーム(ディアブロチカ・ウンデシムパンクター タ・ホワルディ(Diabrotica undecimpuncatata howardi、SCR)幼虫およびタ バコ・ホーン・ワーム(タバコスズメガ(Manduca sexta,THW)を用いたバイオア ッセイをHPLCカラムから溶出されたすべての画分についておこなった。THWはマ イマイガ(Gypsy Moth)コムギ胚芽飼料(ICN)で25℃、16時間明期8時間暗期 の周期で育てた。SCRはサザン・コーン・ルートワーム幼虫用昆虫飼料(Southern Corn Rootwaorm Larval Insecta-Diet)(BioServ)で25℃、16時間明期/8時間暗 期周期で育てた。 SCRおよびTHW幼虫に対する最も高い致死性はピーク6に観察され、これは約1 12mM〜132mM KClで溶出されたものである。ピーク6についてのSDS-PAGE解析は1 70kDa、66kDa、53kDa、59.5kDaおよび31kDaのペプチドが支配的であることを示 した。ウェスタンブロット解析をTCaAii-syn、TcaAiii-syn、TcaBii-syn、TcaC- syn、およびTcbAii-synペプチドに対して作製されたポリクローナル抗体(実施 例21に記載)とTcbAiiiペプチドに対するモノクローナル抗体C5F2の混合物でピ ーク6タンパク質画分について行なった。ピーク6は170kDa、90kDa、66kDa、59 .5kDaおよび31kDaの免疫反応性のバンドを含んでいた。これらは、それぞれ、Tc aC(166kDa)、TCaAii+TcaAiii(92kDa)、TCaAiii(66kDa)、TcaBii(60kDa)およびT caAii(25kDa)について予測される大きさと非常に接近している。ピーク6を未変 性アガロースゲル電気泳動でさらに解析すると、本明細書に記載したように、バ ンド1と同様な泳動度の単一バンドとして移動した。 精製したピーク6毒素タンパク質のタンパク質濃度はBCA試薬(Pierce)を用 いて測定した。タンパク質の希釈は10mM Tirs、pH8.6でおこない食餌バイオアッ セイに適用した。450ngかそれ以上のピーク6タンパク質画分を与えられた、食 餌バイオアッセイにかけられた新生幼虫は240時間後に全て死んだ。同じ画分を9 0ng与えられた幼虫群の死亡率は40%であった。90ngから20ngのピーク6タンパ ク質画分を与えられて生き残ったものは、それぞれ対照の体重の10%〜70%であ った。 実施例2 殺虫剤の効用 Photorhabdus luminescensの効用及び毒性を更に特徴づけた。Photorhabdus l uminescens(菌株W-14)培養ブロスは、下記に従って調製した。生産培地は、ミ リ-Q(登録商標)脱イオン水を溶媒とする、2%バクトプロテオースペプトン(登 録商標)#3(PP3、ディフコラボラトリー社、デトロイト、ミシガン)であった 。播種培養フラスコは、デロング(Delong)首を備えた500mlのトリバッフル(trib affle)フラスコ中の培地175mlからなり、カプット(Kaput)で覆い、温度121℃(25 0°F)で、20分間高圧滅菌した。生産フラスコは、デロング首を備えた2.8Lトリ バッフルフラスコ中の500mlからなり、シンエツ(Shin-etsu)シリコーンフォーム クロージャーで覆った。これらは、温度121°(250°F)で、45分間高圧滅菌した 。播種培養は、振幅5.08cm(2インチ)で旋回振盪しているインキュベーターに おいて、28℃、150rpmでインキュベートした。16時間増殖した後、この播種培地 の1%を、該生産フラスコ中に入れ、収穫前に24時間増殖した。毒素の産生は、 対数増殖期に明らかであった。この微生物のブロスを、1リットルの遠心管に移 し、かつ細胞バイオマスをペレットとした(4℃)2500rpmで、30分間[R.C.F.= 〜1600]、HG-4LローターRC3、ソルバル(Sorval)遠心機、ヂュポン社、ウィルミ ントン、デラウェア)。最初のブロスを、4℃で、8〜16時間冷却し、少なくと も2時間再度遠心分離し(前述の条件)、放置時に沈殿したムコ多糖類と推定さ れるものを除去することによって、更にブロスを透明にした。(別の加工法は、 両方のステップを組合わせ、かつ前述と同じ条件で、16時間の透明化遠心分離を 使用した。)。その後、このブロスを、バイオアッセイ又はろ過の前に、4℃で 貯蔵した。 このブロスから精製されたPhotorhabdus培養ブロス及びタンパク質の毒素(複 数)は、多くの昆虫に対して活性(死亡及び/又は成長阻害、羽化の低下)を示 した。更に詳細に述べると、昆虫目のコレオプテラ(Coleoptera)の一員である、 ハムシモドキ(幼虫及び成虫)、コロラドジャガイモハムシ、及び芝の地虫(tur f grubs)に対する活性が認められた。コレオプテラ目の他の一員は、コメツキム シ、花粉の甲虫(pollen beetle)、トビハムシ、種子の甲虫(seed beetle)、及び ゾウムシを含んだ。同様にホモプテラ(Homoptera)目の一員である、アスターヨ コバイに対する活性も認められた。ホモプテラ目の他の一員は、多くの宿主に特 異的なアブラムシ種に加え、プラントヨコバイ(planthopper)、ヨーロッパナシ キジラミ、リンゴサッカ(apple sucker)、カイガラムシ、コナジラミ及びアワフ キを含んだ。前述のブロス及び精製された分画も、レピドプテラ目の一員である 、シロイチモンジヨウトウガ、イラクサキンウワバ、黒色ネキリムシ、タバコの 芽食虫(budworm)、ヨーロッパアワノメイガ、オオタバコガ及びヒメハマキ(codl ing moth)に対して活性を示した。この目の他の典型的一員は、イガ、インディ アンミールモス(Indian mealmoth)、ハマキムシ、アオムシ、ワタキロバガ(cott on bollworm)、ミノムシ、東部テンマクケムシ、芝のガ(sod webworm)、及び シロナガヤであった。活性は、ジプテラ(Diptera)目の一員であるショウジョウ バエ及びカの幼虫に対しても認められた。ジプテラ目の他の一員は、エンドウの ユスリカ、ニンジンのハエ、キャベツ根のハエ、キスジノハムシ、タマネギのハ エ、ガガンボ、イエバエ及び各種の力種である。同じくフシアリ、オデロウスイ エアリ(oderous houseant)、及び小クロアリ(little black ant)を含む目の一員 である、オオアリ及びアルゼンチンアリ(Argentine ant)に対する活性も認めれ らた。 前述のブロス/分画は、昆虫の個体数を減少するために有用であり、かつ昆虫 の個体数を阻害する方法において使用した。この方法は、前述の活性物を、昆虫 を不活性化するのに十分な量、昆虫の場所(locus)に塗布することを含むことが できる。結果を表4に示した。 ハムシモドキ幼虫に対する活性を、下記の方法で試験した。Photorhabdus培養 ブロス(ろ過滅菌し、細胞を含まない)又は精製したHPLC分画を、それぞれ、対 照培地又は10mMリン酸ナトリウムバッファー、pH7.0に希釈した後の30μlアリ コートを、人工飼料0.25mlの表面(約1.5cm2)に、直接塗布した。この飼料プレ ートを、滅菌フローフード中で風乾し、かつこれらのウェルには、無菌卵からふ 化した一匹の新生虫ディアブロチカ・ウンデシムパンクタータ・ホワルディ(dia brotica undecimpunctata howardi)(南部ハムシモドキ、SCR)、人工飼料で成 長した第2齢のSCR、又はメトロミックス(登録商標)中で生育したトウモロコ シ苗木で飼育した第2齢のディアブロチカ・ビルジフェラ・ビルジフェラ(Diabr otica virgifera virugifera)(西部ハムシモドキ、WCR)を群らがらせた。第2 齢の幼虫は、飼料投与前に秤量した。これらのプレートに封をし、湿らせた生育 用チャンバーに置き、適当な期間27℃に保った(SCR新生虫及び成虫については4 日間、WCR幼虫については2〜5日間、第2齢のSCRについては7〜14日間)。死 亡率及び測定体重をしめしたようにスコア化した。一般に、全ての試験において 、1処置について16匹の虫を使用した。対照の死亡率は、下記のものである:新 生幼虫については<5%、甲虫成虫については5%。 コロラドジャガイモハムシに対する活性を、下記の方法で試験した。Photorha bdus培養ブロス又は対照培地を、24ウェルの組織培養プレートのウェル中に保持 された、標準人工飼料1.5mlの表面(約2.0cm2)に塗布した。各ウェルに、50μl の処置を行い、かつ風乾した。次に、個々の第2齢のコロラドジャガイモハムシ (レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decelineata)、CPB)幼虫を 、この飼料の上に置き、かつ4日後の死亡率をスコア化した。全ての試験につい て、1処置につき10匹の幼虫を用いた。対照の死亡率は3.3%であった。 マメコガネの地虫(Japanese beetle grub)及び甲虫に対する活性は、下記の方 法で試験した。芝の地虫(ポピィア・ジャポニカ(Popillia japonica)、第2〜 3齢)を、群生した芝から採取し、実験室内で、土壌/ピート混合物で、追加食 餌としてニンジンのスライスを与え、養った。芝の甲虫は、付近でフェロモンで 捕獲し(pheromone-trapped)、かつ実験室内では、プラスティックの容器で、食 餌としてカエデの葉を与えて養った。未希釈のPhotorhabdus培養ブロス又は対照 培地を、ハムシモドキの人工飼料(30μl/1.54cm2、甲虫)又はニンジンのスラ イス(幼虫)に塗布した後、両ステージを飼料ウェル中に単独で配置し、死亡率 及び摂食を観察した。両方とも、摂食(及び糞排泄)量の明らかな減少が認めら れた。 カの幼虫に対する活性は、下記の方法で試験した。このアッセイは、96個のウ ェルのマイクロタイタープレートで行った。各ウェルは、水溶液(Photorhabdus 培養ブロス、対照培地又は水)200μl、及び約20匹の、1日齢の幼虫(アエデ ス・アエギプチ(Aedes aegypti))を含んだ。1処置につき6個のウェルを実施 した。結果を、群生の2時間後に調べ、かつ3日間の観察期間にわたり変化しな かった。対照の死亡は見られなかった。 ショウジョウバエに対する活性を、下記の方法で調べた。購入したドロソフィ ラ・メラノガスター(Drosophila meganogaster)培地を、乾燥培地50%、及び水 、対照培地又はPhotorhabdus培養ブロスのいずれかの液体50%を用いて調製した 。これは、1処置につき3個の飼育バイアルの各々の中に、乾燥培地8.0mlを入 れ、及び適当な液体8.0mlを加えることによって達成した。その後、10日後期(la te)齢のドロソフィラ・メラノガスターのうじを、各バイアルに加えた。これら のバイアルは、室温で、天井に蛍光灯のついた実験用ベンチの中に置いた。さな ぎ又は成虫の数を、暴露の3,7及び10日後に測定した。ショウジョウバエさな ぎ用飼料へのPhotorhabdus培養ブロスの混合物では、10日目の羽化が、水又は対 照培地(3%減少)と比べ、わずか(17%)であるが有意の減少を示した。 アスターヨコバイに対する活性を、下記の方法で試験した。アスターヨコバイ (マクロステレス・セベリニ(Macrosteles severini))に関する摂取アッセイは 、外部と接触せずに、この活性物を摂取することができるようにデザインした。 この活性物/「食品」溶液の容器は、35×10mmのペトリ皿の底面の中央に2個の 穴があるように製造した。5cm(2インチ)四方のパラフィルムM(登録商標)を 、この皿の表面を覆うように置き、かつ「O」リングでしっかり締めた。次に、 28.3g(loz.)のプラスティックカップに、約7匹のヨコバイを群がらせ、この カップの頂上に前述の容器を配置し、パラフィルムをはずした。その後試験溶液 を、穴を通じてこの容器に入れた。未希釈のPhotorhabdus培養ブロスを使用する 試験においては、このブロス及び対照培地を、水に対して透析し、対照の死亡率 を低 下した。死亡率は、対照死亡率が26.5%であった2日目について報告した。精製 した分画(200mgタンパク質/ml)を使用する試験において、ショ糖の5%の最終 濃度を、全ての処置において用い、アスターヨコバイの生存率を高めた。このア ッセイは、照射間隔が16/8である、28℃で、相対湿度が70%のふ化器において行 った。このアッセイは、72時間後の死亡率について等級付けした。対照の死亡率 は、5.5%であった。 アルゼンチンアリに対する活性を、下記の方法で試験した。100%Photorhabdu s培養ブロス、対照培地又は水の1.5mlアリコートを、2.0mlの透明なガラスバイ アルにピペットで移した。これらのバイアルを、適当な処置で湿らせた歯科用綿 芯で栓をした。各バイアルを、8〜12匹のアルゼンチンアリ(リネピセマ・フミ レ(Linepithema humile))の成虫を入れた、個別の60×16mmのペトリ皿に置いた 。1処置について3個を試験した。バイオアッセイプレートを、室温で、天井に 蛍光灯がついた実験用ベンチに置いた。死亡率は、暴露の5日後に読み取った。 対照の死亡率は、24%であった。 オオアリに対する活性は、下記の方法で試験した。黒色オオアリの働きアリ( カンポノタス・ペンシルバニカス(Camponotus pennsylvanicus))を、インディア ナポリス(IN)のダウエランコ(DowElanco)農場の木から採取した。Photorhabdus 培養ブロスによる試験は、下記の方法で実施した。プラスティックのバイオアッ セイ容器(18.1cm×7.6cm(7 1/8「×3」))の各々に、15匹の働きアリ、紙製 隠れ家、及びプラスティックの一口用グラスに入れたブロス又は対照10mlを置い た。一口用グラスのふたに開けた穴を通して、綿芯を伝って、アリに処置が届く ようにした。全ての処置は、5%ショ糖を含んだ。バイオアッセイは、暗所、室 温で行い、かつ19日目に等級付けした。対照の死亡率は、9%であった。アリの 人工飼料に利用したアッセイ用にデリバリーする精製した分画は、前述の処置( 精製した分画又は対照溶液)と、プラスティック試験管の中で、処置0.2ml/飼料 2.0gの割合で混合した。精製された分画の最終的なタンパク質濃度は、10μg/ 飼料g未満であった。1処置につきアリ10匹、水、隠れ家及び処理した飼料を、 封をしたプラスティック容器に入れ、かつ加湿したふ化器の中で、暗所、27℃で 養った。10日目に、死亡率をスコア化した。対照の死亡は見られなかった。 様々な鱗翅類の幼虫に対する活性を、下記の方法で試験した。Photorhabdus培 養ブロス又は精製した分画は、標準の人工飼料0.25mlの表面(約1.5cm2)に、そ れぞれ対照培地又は10mMリン酸ナトリウムバッファーpH7.0のいずれかに希釈し た後の30μlアリコートで、直接塗布した。これらの飼料プレートは、滅菌した フローフード中で風乾し、かつこれらのウェルに、1匹の新生幼虫を群がらせた 。ヨーロッパアワノメイガ(オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)) 及びオオタバコガ(ヘリコベルパ・ゼア(Helicoverpa zea))の卵は、商業的供 給源から入手し、かつ社内でふ化したが、シロイチモンジョウトウガ(スポドプ テラ・エキシグア(Spodoptera exigua))、イラクサキンウワバ(トリコプルシア ・ニ(Trichoplusia ni))、タバコの芽食虫(ヘリオチス・ビレセンス(Heliothisv irescens))、ヒメハマキ(ラスペイレシア・ポモネラ(Laspeyresia pomonella)) 及び黒色ネキリムシ(アグロチス・イプシロン(Agrotis ipsilo n))の幼虫は、 社内で調達した。幼虫を群がらせた後、飼料プレートに封をし、加湿した生育用 チャンバーの中に置き、暗所、27℃で、適当な期間養った。死亡率及び体重測定 は、Photorhabdus培養ブロスについては5〜7日目に、及び精製した分画につい ては4〜7日目に、スコア化した。一般に、全実験において、1処置につき昆虫 16匹を使用した。対照培地に関する対照死亡率は、4〜12.5%の範囲であり、か つPhotorhabdusバッファーに関しては10%未満であった。Mort=死亡率、G.I.=成長阻害、na=適用できず、nt=試験せず、a.f.=摂食阻 害 実施例3 土壌への適用に関する殺虫剤の効用 Photorhabdus luminescens(菌株W-14)培養ブロスを、土壌又は土壌混合物 (メトロミックス(登録商標))に直接適用した場合の、ハムシモドキに対する 活性を示した。メトロミックス(登録商標)中の新生SCR及びWCRに対する活性を 、下記の方法で試験した(表5)。試験は、6日間、光をあてた、湿ったフィル ターペーパー上で発芽した、トウモロコシの苗木(ユナイティッドアグリシード 銘柄のCL614)を用いて行った。根が約3〜6cmに伸びた後、1個の穀粒/苗木 を、乾燥メトロミックス(登録商標)50gを入れた、591mlの透明なプラスティッ クカップに、植えた。その後、20匹の新生SCR又はWCRを、この苗木の根に直接置 き、かつメトロミックス(登録商標)で覆った。群生する間に、この苗木に、希 釈したブロス溶液全量50mlを散布(drench)した。散布した後、このカップに封を して、かつ明所、室温で、7日間放置した。その後、この苗木を洗浄し、メトロ ミックス(登録商標)を完全に除去し、根を切断して、秤量した。対照の根に対 するトウモロコシ根の残存率、及び摂食によって引き起こされた葉の損傷につい て、活性を等級付けした。葉の損傷は、目で見てスコア化し、かつ−、+、++ 、又は+++のいずれかに等級付けし、損傷のないものを−、及び重度の損傷を +++で表した。土壌中の新生SCRに対する活性を、下記の方法で試験した(表 6)。この試験は、6日間、光をあてた、湿ったフィルターペーパー上で発芽し た、トウモロコシの苗木(ユナイティッドアグリシード銘柄のCL614)を用いて 行った。根が約3〜6cmに伸びた後、1個の穀粒/苗木を、レバノン(IN)の前 年トウモロコシを栽培した畑から採取した土壌150gを入れた、591mlの透明なプ ラスティックカップに、植えた。この土壌は、それまで殺虫剤処理を行っていな い。20匹の新生SCRを、この苗木の根に直接置き、かつ土壌で覆った。群生後に 、この苗木に、希釈したブロス溶液全量50mlを散布した。散布した後、封をしな いカップを、相対湿度が高い(80%)チャンバーで、25℃(78°F)でインキュ ベートした。その後、この苗木を洗浄し、土壌を完全に除去し、根を切断して、 秤量した。対照の根に対するトウモロコシ根の残存率、及び摂食によって引き起 こされた葉の損傷について、活性を等級付けした。葉の損傷は、目で見てスコア 化し、かつ−、+、++、又は+++に等級付けし、損傷のないものを−、及び 重度の損傷を+++で表した。 Photorhabdus luminescens(菌株W-14)培養ブロスの、メトロミックス(登録 商標)中の第2齢の芝の地虫に対する活性を、下記の方法で行った試験で観察し た(表6)。591mlの透明なプラスティックカップに、乾燥メトロミックス(登 録商標)約50gを入れた。その後このメトロミックス(登録商標)に、50容量% 希釈したPhotorhabdusブロス溶液全量50mlを散布した。粗ブロスの希釈は、水で 行い、50%ブロスは、粗ブロス25mlに、水25mlを加えて、総量50mlとした。通常 の培地濃度を50%希釈したものである、プロテオースペプトン#3(PP3)の1重量 /容量%溶液を、ブロス対照として使用した。散布した後、5匹の第2齢の芝地 虫を、湿らせたメトロミックス(登録商標)の表面に置いた。元気な芝地虫の幼 虫は、メトロミックス(登録商標)の中に、即座に穴を掘って潜り込んだ。1時 間以内に穴を掘って潜らなかった幼虫は、除外し、新たな幼虫と交換した。この カップに封をして、かつ暗所、28℃のふ化器に入れた。7日後、メトロミックス (登録商標)から幼虫を取り出し、死亡率をスコア化した。活性は、対照に対す る死亡率の割合で示した。 *は、幼虫の死亡/生存の比を示す。 実施例4 葉への適用に関する殺虫剤の効用 Photorhabdusブロスのヨーロッパアワノメイガに対する活性を、ブロスをトウ モロコシの葉の表面に直接塗布した場合について調べた(表8)。このアッセイ において、Photorhabdusブロスを、培養培地で100倍希釈し、かつ切り採ったト ウモロコシの葉の表面に、葉表面の〜6.0μl/cm2の割合で、手で塗布した。こ れらの葉を、風乾し、等しい大きさの細片(約5×5cm(約2×2インチ))に 切断した。これらの葉を丸め、ペーパークリップで固定し、底面に2%寒天を0. 63cm(0.25インチ)入れた、28g(1oz)の一口用プラスチックグラスの中に置き、 湿らせた。その後、新生ヨーロッパアワノメイガ12匹を、前述の丸めた葉の上に 置き、カップに封をした。5日間、暗所、27℃でインキュベートした後、これら の試料を、摂食による損傷及び回収された幼虫について、スコア化した。 新生タバコの芽食虫(ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens))に対 する前述の培養ブロスの活性を、葉の浸漬法を用いて明らかにした。新鮮な綿の 葉を、植物から切り採り、かつ葉のディスクを、18.5mmのコルクの穴あけ器で切 断した。このディスクを、対照培地(PP3)、又は10kDaフィルターを備えたアミコ ン社(ビバリー、MA)のプロフラックスM12接線方向のろ過システムを用いて、 約10倍に濃縮したPhotorhabdus luminescens(菌株W-14)培養ブロスに、個々に 浸漬した。過剰な液体を取り除き、かつ真っ直ぐにしたペーパークリップで、該 ディスクの中心を貫通させた。その後、このペーパークリップを、1%寒天を2. 0ml含む28g(1oz)の一口用プラスチツクグラスの中に、打ち込んだ。これは、葉 が寒天の上方に吊り下げられた状態にした。この葉ディスクを乾燥した後、1匹 の新生タバコのハマキガの幼虫を、該ディスクの上に置き、カップに蓋をした。 その後このカップを、ポリ袋内に入れ封をし、かつ暗所、27℃のふ化器に、5日 間放置した。この時点で、残っている幼虫及び葉材料を秤量し、葉の損傷を測定 した(表9)。*は、適用なし、**は、生存幼虫が認められない。 実施例5、パートA 毒素ペプチド成分の特徴 引き続き行われた分析において、実施例1で単離されたバンドの毒素タンパク 質のサブユニットを、30:0.8の比(アクリルアミド:BIS-アクリルアミド)の7 %SDSポリアクリルアミド電気泳動ゲル上で分離した。このケルマトリックスは 、比較的大きいタンパク質の分離をより容易にする。実施例1において、バンド 1及びバンド2のサブユニットの分子量を推定するのに用いたゲルシステムは、 38:0.18の比(アクリルアミド:BIS-アクリルアミド)の18%ゲルであり、これ は、広範な領域で大きさによる分離ができるが、高分子量成分については、分解 能が低い。 この分析においては、8個ではなく10個のタンパク質バンドに分離された。表 10は、10個の分離されたバンドの計算上の分子量を示し、かつこれらの条件下で 推定された分子量を、先の実施例の分子量と直接比較している。追加のバンドが 、本実施例で使用された異なる分離条件下で検出されたことは、驚くべきことで はない。前述の分子量推定値及び新たな推定値の間の変動も、分離条件の差異に よってもたらされたと予想される。本実施例の分析において、改善された分解能 の結果、比較的大きい分子量の推定値は、実施例1よりもより正確であると考え られる。しかしながら、これらは、SDS-PAGE分析を基に推定され、この方法は典 型的には分析としては正確ではなく、かつペプチドの推定値をもたらし、かつこ れ は、翻訳後修飾又は翻訳時修飾のために、更に代わり得る。 アミノ酸配列は、10個の分離されたペプチド中の5個のN-末端について決定し た。表10は、これらのタンパク質の分子量及び同定された配列を、相互に関連付 けている。配列番号2において、ある分析は、5位のプロリン残基は、アスパラ ギン(asn)でありうることを示した。配列番号3において、ある分析は、13及 び14位のアミノ酸残基は、いずれもアルギニン(arg)であることを示した。配 列番号4において、ある分析は、6位のアミノ酸残基は、アラニン(ala)又は セリン(ser)のいずれかであることを示した。配列番号5において、ある分析 は、3位のアミノ酸残基は、アスパラギン酸(asp)であることを示した。 *新たな椎定値は、SDS-PAGEを基にしたもので、遺伝子配列を基にしたものでは ない。SDS-PAGEは、分析としては正確ではない。 実施例5、パートB 毒素ペプチド成分の特徴 新たなN-末端配列である配列番号15、Ala Gln Asp Gly Asn Gln Asp Thr Phe Phe Ser Gly Asn Thrは、前記実施例5パートAにおいて説明された天然のHPLC で精製された毒素から単離されたペプチドを更にN-末端配列決定することによっ て得られた。TcaAiiと称されるこのペプチドは、254位に始まり、かつTcaAiiペ プチドが始まる(配列番号4)491位に至る。遺伝子配列を基にして推定された このペプチドの大きさは、25,240Daである。実施例6 毒素ペプチド成分の特徴 更に別の分析において、この毒素タンパク質複合体は、Photorhabdus lumines censの増殖培地(Tweenを含まずに培養した後)から、10〜80%の硫酸アンモニ ウムにより沈殿させ、その後のイオン交換クロマトグラフィーステップ(MonoQ) 及び2種の分子サイジングクロマトグラフィーステップにより、再び単離した。 これらの条件は、実施例1で使用したものと類似していた。最初の分子サイジン グステップにおいて、第二の生物学的活性のピークは、約100±10kDaに認められ た。タンパク質測定を基に、この分画は、約860±100kDa(天然)の、より大き い、又は第一の活性ピークよりも、20〜50倍活性が低かった。この単離実験の間 に、出発時の生物学的活性のかなりの部分を保持した約325±50kDaの、より小さ い活性ピークも、分離された。この325kDaのピークは、前述の860kDaのピークに 、関連、もしくは由来したと考えられた。 この分析においては、56kDaタンパク質が分離された。このタンパク質のN-末 端配列を、配列番号6に示した。注目すべきは、このタンパク質が、配列番号5 のN-末端と、著しい同一性及び保存性を共有することであり、これは、これら2 種が、ある遺伝子ファミリーの別個の一員によってコードされ得ること、及び各 遺伝子によって産生されたタンパク質が、この殺虫性毒素複合体において両方を 操作することができるように十分類似していることを示唆している。 二番目に顕著な185kDaタンパク質は、表10のタンパク質3と同等の量、一貫し て存在するので、これは同じタンパク質又はタンパク質断片であろう。この185k Daタンパク質のN-末端は、配列番号7に示した。 追加のN-末端アミノ酸配列のデータが、同じく単離されたタンパク質から得ら れた。決定されたN-末端配列はいずれも、表10で同定されたタンパク質とは一致 しなかった。他のタンパク質が、単離された調製物中に存在した。このようなタ ンパク質の1種は、推定分子量が108kDaであり、かつ配列番号8に示したN-末端 配列を有した。二番目のこのようなタンパク質は、推定分子量が80kDaであり、 かつ配列番号9に示したN-末端配列を有した。 ほぼ325kDaに活性ピークを伴うこのタンパク質物質を、大きさで分析すると、 ほぼ51、31、28及び22kDaのバンドが認められた。いずれも分子量を電気泳動の 移動度で決定したので、これらの分子量は、バッファーのイオン強度の差、電気 泳動の電位差などに起因した誤差作用を受けた。当業者は、明確な分子量値は、 これらの標準的方法を用いては決定することができないこと、及び各々が変動を うけやすいことを、理解するであろう。このような大きさのタンパク質は、より 大きい最初の毒素複合体において認められた、より大きいタンパク質種(約200k Daの大きさ)の分解産物であると仮定された。 最後に、いくつかの調製物は、配列番号10に示されたN-末端配列を有するタン パク質を含んでいた。この配列は、巨大なタンパク質複合体のアッセンブリ機能 が知られている補助(accessory)タンパク質である、公知のシャペロニンタンパ ク質との相同性が強かった。本出願人は、このようなアッセンブリ機能が配列番 号10に同定されたタンパク質に起因するとすることはできないが、これは、その 構造形成にシャペロンタンパク質が関連しているような、説明された毒素タンパ ク質複合体の存在と矛盾しない。更に、このようなタンパク質は、毒性を有する ことが直接示唆されることはないが、このタンパク質にとって、タンパク質毒素 全体の構造的性質を決定することは重要であり、その結果、経口的デリバリー後 のin vivoにおける、該複合体の毒性又は耐用度に貢献するであろう。 引き続きプロテイナーゼKに対する該タンパク質毒素複合体の安定性の分析を 行った。該複合体を、プロテイナーゼKが10倍モル過剰量存在する条件で、24時 間インキュベートした後、活性はほとんど失活した(経口投与の死亡率は、約5 %に低下した。)ことが結論づけられた。これらのデータは、前述の毒素がタン パク質性であることを裏付けている。 この毒性は、更に透析膜によっても保持され、天然の毒素複合体の大きさが大 きいことが再度裏付けられた。実施例7 Photorhabdus 毒素の単離、特徴づけ及び部分的アミノ酸配列シーケンシング 単離及びN-末端アミノ酸配列シーケンシング 実施例5及び6に平行して行われた1組の実験において、典型的には2〜3リ ットルのPhotorhabdusブロスに、最終濃度が10又は20%のいずれかになるように 結晶硫酸アンモニウムをゆっくり添加し調節することによって、Photorhabdusタ ンパク質の硫酸アンモニウム沈殿を行った。4℃で1時間攪拌した後、この材料 を12,000×gで、30分間遠心分離した。上清を80%硫酸アンモニウムで調節し、 4℃で1時間攪拌し、かつ12,000×gで、60分間遠心分離した。このペレットを 、その容量の1/10量の10mM Na2PO4、pH7.0中で再懸濁し、同じリン酸バッファー で、4℃で一晩透析した。透析された材料を、12,000×gで1時間遠心分離し、 イオン交換クロマトグラフィーにかけた。 HR 16/50Qセファロース(ファルマシア社)陰イオン交換カラムを、10mM Na2P O4、pH7.0で平衡にした。遠心分離し、透析した硫酸アンモニウムペレットを、 このQセファロースカラムに、1.5ml/分の速度で加え、かつ光学濃度(O.D.280)が 0.100未満に達するまで、平衡化バッファーを、3.0ml/分で大量に流し洗浄した 。次に、60分間かけて、0から0.5MまでのNaCl勾配を3ml/分で、もしくは60分間 にわたり、0.1M、0.4M及び最後は1.0MのNaClを用いる一連の溶出ステップのいず れかを、各々該カラムに流した。分画を収集し、セントリプレップ(Centriprep) 100を用いて濃縮した。あるいは、タンパク質を0.1M NaClで溶出せずに、単一の 0.4M NaCl洗浄液で溶出することができる。 濃縮したQセファロースの2mlアリコート試料を、10mM Na2PO4、pH7.0で平衡に したHR 16/50スペロース12(ファルマシア社)ゲルろ過カラム上に、0.5ml/分で 加えた。このカラムを、同じバッファーで、240分間、0.5ml/分で洗浄し、かつ 2分間ずつ試料を収集した。ヴォイド容量の物質を収集し、かつセントリプレッ プ100を用いて濃縮した。濃縮したスペロース12の試料の2mlのアリコートを、10 mM Na2PO4、pH7.0で平衡にしたHR16/50セファロース4B-CL(ファルマシア社)ゲ ルろ過カラム上に、0.5ml/分で加えた。このカラムを、同じバッファーで、0.5m l/分で、240分間洗浄し、2分間ずつ試料を収集した。 溶出されたタンパク質のピークを、セファロースCL-4B樹脂を使用したゲルろ 過カラムに適用することによって、2回目の分画を施し、約30kDaから1000kDaの 範囲のタンパク質を分離した。この分画は、2つのピークに分離し;小さいピー クがヴォイド容量(>1000kDa)で、及び大きいピークが、見かけの分子量約860 kDaで溶出した。1週間以上、連続的に試料をゲルろ過に晒したところ、前述の 大きいピークから生じるように見え、おそらく限定的タンパク質分解によると思 われる、第三のピーク(約325kDa)の段階的出現が認められた。これらの3種の ピークに関して行ったバイオッセイは、このヴォイドピークは活性を持たないが 、860kDaの毒素複合体が高い活性を有し、かつ325kDaのピークは、かなり活性が あるが、より活性が少ないことを示した。異なる発酵生成物に由来するセファロ ースCL-4Bの毒素複合体のピークのSDS-PAGE分析は、「P」及び「S」と称される 、2種の異なるペプチドパターンを明らかにした。これら2種のパターンは、分 子量、及びそれらの分画中のペプチド成分濃度の差が際立っていた。「S」パタ ーンは、最も頻繁に産生され、4つの高分子量ペプチド(>150kDa)を有する一 方で、「P」パターンは、3つの高分子量ペプチドを有した。これに加え、「S」 ペプチド分画は、ヨーロッパアワノメイガに対して、2〜3倍強い活性が認めら れた。この変動は、接種の虫齢及び/又は年数を経た培養(aged culture)の増殖 因子を基にした他の因子に起因した、タンパク質発現の変動に関連するであろう 。 「P」及び「S」ペプチドパターンと定義されたピーク毒素複合体分画のミリグ ラム量に、調製用SDS-PAGEを施し、かつトリス−グリシン(セプラバフ(登録商 標))で、PVDF膜(プロブロット(登録商標)、アプライドバイオシステム社) に、3〜4時間かけて、ブロットを写し取った。ブロットは、アミノ酸分析及び N-末端アミノ酸配列決定のために、それぞれ、ハーバードマイクロケム社及びケ ンブリッジプロケム社に送った。「S」パターン中の3種のペプチドは、前述の 例において同定された配列と比較して、独特のN-末端アミノ酸配列を有した。下 記配列番号13に記載した201kDa(TcdA ii)ペプチドは、配列番号1(TcbAii)と、3 3%のアミノ酸同一性及び50%の類似性を共有した(表10において縦の線は、アミ ノ酸の同一性を示し、かつ点線はアミノ酸の同類置換を意味した。)。配列番号1 4の197kDaの第二のペプチド(TcdB)は、配列番2(TcaC)と42%の同一性及び58% の相同性を有した。更に、第三のペプチド205kDaは、TcdAiiを意味した。さらに 、少なくとも235kDaのペプチドの部分的なN-末端アミノ酸配列である配列番号16 (TcbA)は、配列番号1(TcbAii)に相当する推定されたアミノ酸配列を有するクロ ーン化された配列番号11の遺伝子(tcbA)から推定された、配列番号12のアミノ酸 配列と同一である。これは、より大きい235+kDaペプチドが、発酵時にタンパク 質分解的に、201kDaペプチド(TcbAii)(配列番号1)へと処理され、おそらく該分 子の活性化を生じることを示している。更に別の配列において、前述の実施例5 で報告された配列番号5(TcaBii)として最初に報告された配列は、3位に、グリ シン(Gly)ではなくアスパラギン酸残基(Asp)を、並びに8及び9位に、それぞれ 、2個の追加のアミノ酸Gly及びAspを含むことがわかった。更に別の2種の配列 、配列番号2(TcaC)及び配列番号3(TcaBi)においては、追加のアミノ酸配列が 得られた。N-末端分析に送られた「S」調製物と同一である試料を用いて、デン シトメーターによる定量を行った。この分析は、201kDa及び197kDaペプチドが、 それぞれ、「S」パターン中のクマーシーブリリアントブルーで染色されたタン パク質全体の7.0%及び7.2%であり、かつ他の豊富なペプチドに匹敵する量で存 在することを示した。これらのペプチドが、他の細菌性毒素、例えば様々なCryI Bt毒素などに見られた状況と同様に、タンパクホモログを表すことが推測され た。これらのタンパク質は、そのN-末端アミノ酸配列で、40〜90%相同性が変動 し、これは毒性断片を包含している。内部アミノ酸配列シーケンシング 毒素ペプチド遺伝子のクローニングを促進するために、選択されたペプチドの 内部アミノ酸配列を、下記の方法で得た。「P」又は「S」ペプチドパターンであ ると決定されたピーク2A分画のミリグラム量を調製用SDS-PAGEにかけ、かつトリ ステム社)に、3〜4時間かけて、ブロッティングした。ブロットは、アミノ酸 分析及びN-末端アミノ酸配列決定のために、それぞれ、ハーバードマイクロケム 社及びケンブリッジプロケム社に送った。TCbAii(配列番号1を含む)、TcdAii 及びTcaBi(配列番号3を含む)と称される3種のペプチドに、ハーバードマ イクロケム社でトリプシン消化を施し、その後HPCLクロマトグラフィーで、個々 のペプチドを分離した。N-末端アミノ酸分析は、選択されたトリプシンペプチド 断片について行った。ペプチドTcaAi(205kDaペプチド)について配列決定され た、2個の内部ペプチドは、TcaAi-PT111(配列番号17)及びTcaAi-PT79(配列 番号18)と称される。ペプチドTcaBi(68kDaペプチド)について配列決定された 、2種の内部ペプチドは、TcaBi-PT158(配列番号19)及びTcaBi-PT108(配列番 号20)と称される。ペプチドTcbAii(201kDaペプチド)について配列決定された 、4種の内部ペプチドは、TcbAii-PT103(配列番号21)、TcbAii-PT56(配列番 号22)、TcbAii-PT81(a)(配列番号23)、及びTcbAii-PT81(b)(配列番号24)と 称される。 実施例8 Photorhabdus luminescens W-14 ゲノムDNAのコスミドライブラリーの作製、 及び毒毒素タンパク質調製物を含むペプチドをコードしている遺伝子を 単離するためのスクリーニング 異種宿主における、Photorhabdusの昆虫毒素タンパク質の生成、及び他の使用 のための必須条件として、これらのペプチドをコードしている遺伝子を単離し、 かつ特徴づけることが必要である。この目的は、並行して追求される。ひとつの 方法では、後述するように、その後発現ライブラリーからのクローンの単離に使 用されるような、精製された毒素に対して生じた、モノクローナル及びポリクロ ーナル抗体の使用を基にしている。別の方法は、本実施例において説明したよう に、PCR増幅に使用するための縮重オリゴヌクレオチドを設計するための、N-末 端及び内部のアミノ酸配列データの使用を基にしている。いずれの方法も、各遺 伝子の単離、及びそれらのDNA塩基配列の決定を可能にするために、該ペプチド をコードしている遺伝子を含むDNAクローンの同定に使用することができる。ゲノムDNAの単離 Photorhabdus luminescensの菌株W-14(ATCC寄託番号55397)を2%プロテオー スペプトン#3寒天(ディフコラボラトリー社、デトロイト、MI)上で増殖し、か つ殺虫性毒素の受容能(competence)を、前記実施例1の方法を用いて、通過後に 反復されたバイオアッセイにより維持した。振盪培養物50mlを、2%プロテオー スペプトン#3培地を含む、175mlの仕切り付きフラスコ中で作製し、28℃かつ150 rpmで、約24時間増殖した。この培養物15mlをペレット化し、かつDNA単離のため に解凍するまで、その培地中で、-20℃で凍結した。この解凍した培養物を、遠 心分離し(700×g、30分間)、かつ浮遊しているオレンジ色のムコ多糖物質を除 去した。残りの細胞物質を遠心分離し(25,000×g、15分間)、細菌細胞をペレ ット化し、かつこの培地を取り除いた。 分子生物学における最近のプロトコール(Ausbelらの編集、ジョン・ウィリー ソン社(1994))の2.4.1節に記載されたCTAB法を適用して、ゲノムDNAを単離した (塩ショック(salt shock)を含み、及び全ての容量を10倍に増量した点を変更し た。)。ペレット化した細菌細胞を、TFバッファー(10mMトリス-HCl、1mM EDTA 、pH8.0)中で再懸濁し、最終容量を10mlにし、その後5M NaClを12ml添加し;こ の混合物を、15,000×gで、20分間遠心分離した。得られたペレットを、TE 5.7m l中で再懸濁し、かつこの懸濁液に、10%SDS 300ml及び20mg/mlプロテイナーゼK 60ml(ギブコBRTプロダクツ社、グランド・アイランド、NY;滅菌蒸留水 を溶媒とする)を添加した。この混合物を、37℃で1時間インキュベートし;そ の後、リゾチーム10mg(ウォーシングトン・バイオケミカル社、フリーホールド 、NJ)を添加した。添加の45分後に、5M NaCl 1ml及びCTAB/NaCl溶液800ml(10重 量/容量%CATB及び0.7M NaCl)を添加した。この調製物を、65℃で10分間イン キュベートし、次に緩やかに攪拌し、更にインキュベートし、かつ約20分間攪拌 し、細胞物質が透明化するのを補助した。クロロホルム/イソアミルアルコール 溶液(24:1、容量/容量)を等量添加し、緩徐に混合し、かつ遠心分離した。1M トリス-HCl、pH8.0で平衡にした等量のPCI(フェノール/クロロホルム/イソア ミルアルコール、50:49:1、容量/容量/容量;インターマウンティンサイエン ティフィック社、カイスビル、UT)で2回抽出した後、このDNAをイソプロパノ ール0.6容量で沈殿した。このDNA沈殿物を、ガラス棒で静かに取り出し、70%エ タノールで2回洗浄し、乾燥し、かつ2ml STE(10mMトリス-HCl、pH8.0、10mM N aCl、1mM EDTA)に溶解した。この調製物は、260nmで光学濃度を測定したところ (すなわちOD260)、DNAを2.5mg/ml含有していた。 この単離されたゲノムDNAの分子の大きさの範囲は、ライブラリーの作製に適 すると評価した。CHEFゲル分析を、パルスウェーブ760変換器を備えたバイラドC HEF-DR II装置(バイオラッドラボラトリー社、リッチモンド、CA)上で、0.5× TBEバッファー(44.5mMトリス-HCl、pH8.0、44.5mM H3BO3、1mM EDTA)を用い、 1.5%アガロース(シーケム(登録商標)LE、FMCバイオプロダクツ社、ロックラ ンド、ME)ゲル中で行った。この泳動パラメーターは:初期A時間、3秒;最終A 時間、12秒;200ボルト;泳動温度、4〜18℃;泳動時間、16.5時間であった。 臭化エチジウムで染色し、紫外線下でこのゲルを検査し、このDNAの大きさが30 〜250kbpの範囲であることが示された。ライブラリーの構築 このPhotorhabdusゲノムDNA調製物を、部分的Sau3A 1消化した。この方法は 、Ausbel(前掲)の3.1.3節に基づいた。ほとんど最適の結果が得られるまで様 々な条件下で、より小さい規模で反応を実行することで適合させた。様々な条件 で、規模拡大したいくつかの大量反応を行い、結果を、CHEFゲル上で分析し、か つ最 良の大規模調製物のみについて、先に進めた。最適な場合、Photorhabdusゲノム DNA200μlを、Sau3A 1(ニューイングランド・バイオラボ社、「NEB」、ビバリ ー、MA)1.5ユニットと共に、全量2mlの1X NEB 4バッファー(該製造業者から10 ×で供給)中で、37℃で、15分間、インキュベートした。この反応をPCI 2mlを 添加することによって停止し、かつ8000×gで10分間、遠心分離した。上清に、5 M NaClを200μlと、氷冷したエタノール6mlを添加した。この調製物を、-20℃ で30分間冷却し、その後12,000×gで15分間遠心分離した。上清を除去し、沈殿 を40℃の真空炉で乾燥し、その後STE 400μlに再懸濁した。分光光度学的アッ セイは、投入したDNAの約40%を回収したことを示した。消化されたDNAは、CPMB の5.3.2節(前掲)に従い、ショ糖密度勾配上で大きさで分画した。10%〜40% (重量/容量)の直線状のショ糖密度勾配を、ウルトラ−クリアーチューブ(ベ ックマンインスツルメンツ社、パロアルト、CA)中で、勾配作製器を用いて調製 し、かつ該DNA試料を、最上部に乗せた。遠心分離(26,000rpm、17時間、ベック マンSW41ローター、20℃)後、分画(約750μl)を、この勾配の最上部から採 取し、かつCHEFゲル電気泳動(前述)で分析した。大きさが20〜40kbpのSau3A 1 断片を含有する分画を選択し、かつAusbel(前掲)の5.3.3節の方法を変更して (全ての溶液の量を、約6.3倍に増量)、DNAを沈殿した。一晩沈殿した後、DNA を遠心分離(17,000×g、15分間)により収集し、乾燥し、TEに再度溶解し、最 終容積80μlとし、かつ3M酢酸ナトリウム8μl及びエタノール220μlを添加し て、再沈殿した。前述の遠心分離により収集されたペレットを、TE 12μl中で 再懸濁した。DNA濃度を、ホウファーTKO100蛍光光度計(ホウファーサイエンテ ィフィックインスツルメンツ社、サンフランシスコ、CA)を用いて、ヘキスト33 258染料(ポリサイエンス社、ワーリントン、PA)蛍光定量法で測定した。大き さで分画されたDNAの約2.5μlが、回収された。 コスミドpWE15 DNA(ストラータジーン社、ラホラ、CA)30μgを、制限酵素B amH 1(NEB)100ユニットで、製造業者のバッファー(最終容量が200μl、37℃、 1時間)を溶媒として、完全に消化した。この反応物を、PCI 100μlで抽出し 、かつDNAを、3M酢酸ナトリウム及び-20℃の無水エタノール550μlを添加する ことによって、水相から沈殿させた。-70℃で20分間放置した後、このDNAを遠心 分離(1 7,000×g、15分間)により収集し、真空で乾燥し、かつ10mMトリス-HCl、pH8.0、 180μlに溶解した。これに、10×CIPバッファー(100mMトリス-HCl、pH8.3;10 mM ZnCl2;10mM MgCl2)20μlを添加し、かつ1:4に希釈した仔ウシの腸のアル カリホスファターゼ(ベーリンガーマンハイム社、インディアナポリス、IN)1 μl(0.25ユニット)を添加した。37℃で30分放置後、下記を添加し:0.5M EDT A pH8.0を2μl;10%SDSを10μl;20mg/mlプロテイナーゼK(前述)を0.5μ l、引き続き55℃で30分間インキュベートした。PCI 100μl及びフェノール( インターマウンティンサイエンティフィック社、1Mトリス-HClで平衡化、pH8.0 )100μlで連続抽出した後、脱リン酸したDNAを、7.5M酢酸アンモニウム72μl 及び-20℃のエタノール550μlの添加により沈殿させ、氷上で30分間インキュベ ートし、前述のように遠心分離した。沈殿したDNAを、-20℃の70%エタノール50 0μlで1回洗浄し、真空で乾燥し、かつTEバッファー20μlに溶解した。 大きさで分画したSau3A 1断片の、BamH 1で消化しかつリン酸化したpWE15ベク ターへのライゲーションを、Ausbelの3.3節のプロトコールを変更(すなわち、 製造業者によって供給された、予備混合した10×ライゲーションバッファーを使 用)して、T4リガーゼ(NEB)を用いて達成した。ライゲーションは、総量20μl について、15℃で一晩行い、引き続き-20℃で貯蔵した。 DNA約1μgを含有する、コスミドDNAライゲーション反応物4μlを、市販の パッケージングエクストラクト(ギガパック(登録商標)IIIゴールドパッケー ジングエクストラクト、ストラータジーン社)を用いて、製造業者の指示に従っ て、λバクテリオファージにパッケージした。パッケージした調製物は、使用時 まで4℃で貯蔵した。下記のギガパック(登録商標)IIIゴールドプロトコール (コスミドライブラリーのタイタリング(titering))に従い、このパッケージし たコスミド調製物を、大腸菌XL1ブルー皿細胞(ストラータジーン社)への導入 に使用した。XL1ブルーMR細胞を、0.2重量/容量%マルトースと10mM MgSO4を含 有する、LB培地(g/L:バクト−トリプトンが10;バクト酵母抽出物が5;バクト 寒天が15;NaClが5(ディフコラボラトリー社、デトロイト、MI))中で、37℃ で増殖した。5時間増殖した後、細胞を、700×g(15分間)でペレット化し、10 mM MgSO46ml中に再懸濁した。培養物の濃度を、10mM MgSO4で、OD600=0.5に調節 した。パッケージしたコスミドライブラリーを、滅菌したSM培地(0.1M NaCl、10 mM MgSO4、50mMトリス-HCl、pH7.5、0.01重量/容量%ゼラチン)で1:10又は1:2 0に希釈し、かつ希釈した調製物25μlを、希釈したXL1ブルーMR細胞25μlと混 合した。この混合物を、25℃で30分間インキュベートし(振盪せず)、その後LB ブロス200μlを添加し、かつインキュベーションを、時々ゆるやかに攪拌しな がら、約1時間継続した。この培養物のアリコート(20〜40μl)を、アンピシ リンを100mg/l含む、LB寒天プレート(すなわちLB-Amp100)上に播種し、37℃で 一晩インキュベートした。増幅せずにこのライブラリーを保存するために、単一 のクローンを採取し、かつ滅菌した96ウェルのマイクロウェルプレートの個々の ウェルに接種し;各ウェルには、テリフィックブロス(TB培地:バクトトリプト ンが12g/l、バクト酵母抽出物が24g/l、0.4容量%グリセロール、17mM KH2PO4、 72mM K2HPO4)75μlと、アンピシリン100mg/l(すなわちTB-Amp100)を入れ、 かつ一晩、37℃でインキュベートした(振盪せず)。96ウェルプレートを、コピ ープレートに複写した後、フィルター滅菌したTB:グリセロール(1:1、容量/容 量、アンピシリン100mg/l有又は無)を75μl/ウェルずつ、このプレートに添 加し、これを手短に100rpm、37℃で振盪し、その後パラフィルム(登録商標)( アメリカンナショナル社、グリニッジ、CT)で封をし、-70℃のフリーザーに静 置貯蔵した。コピープレートを、マスタープレートと同じように増殖処理した。 全部で40個のこのようなマスタープレート(及びそれらのコピー)を、調製した 。放射標識したDNAプローブによるライブラリースクリーニング 放射性標識したプローブでプロービングするためのコロニーフィルターを調製 するために、前述のライブラリーの96ウェルプレート10個を、25℃で解凍した( ベンチ表面は室温)。96の先が尖った部分を備えたレプリカプレーティング器具 を用いて、TB-Amp100を75μl/ウェル含む、新たな96ウェルコピープレートに 接種した。このコピープレートを、37℃で一晩増殖し(静置)、その後100rpm、 37℃で、約30分間振盪した。増殖しなかったものを分離するために、全部で800 のコロニーを、このコピープレート上に出現させた。前記レプリカ器具を用いて 、バイオアッセイプラスチックディッシュ(Nunc、243×243×18mm;カーティン マテ ィソンサイエンティフィック社、ウッドデールIL)中の、固形LB-Amp100(100ml /ディッシュ)上に配置した、マグナNT(MSI社、ウェストボロ、MA)ナイロン 膜(0.45μm、220×250mm)の上に、この96ウェルアレーのデュプリケートの痕 跡(impression)を接種した。これらのコロニーを、前述の膜の上で、37℃で、約 3時間増殖した。 陽性対照コロニー(GZ4配列インサートを含む細菌クローン、下記参照)を、 クロラムフェニコール35mg/lを補充したLB培地(すなわちLB-Cam35)について、 セパレートのマグナNT膜(Nunc.、0.45μm、82mmの円形)上で増殖し、かつこ のライブラリーコロニー膜に沿って処理した。膜上の細菌コロニーを溶菌し、か つGenius(登録商標)システムユーザーガイド2.0版(ベーリンガーマンハイム 、インディアナポリス、IN)のプロトコールに従って、DNAを、変性かつ中和し た。0.5N NaOHと1.5M NaClに15分間浸漬したフィルターペーパー上に、膜をコロ ニー側が上になるように置いて、変性し、かつ1Mトリス-HCl、pH8.0、1.5M NaCl に15分間浸漬したフィルターペーパー上で中和した。ストラータジーン社のUVス トラタリンカーを自動架橋(auto crosslink)に設定して用いて、UV架橋した後、 この膜を、乾燥状態25℃で、使用時まで保存した。膜を、単一の96ウェル・プレ ートのデュプリケートの痕跡を含む細片に切り揃え、その後CPMB(前掲)6.4.1 節の方法で、広く洗浄した:3×SSC、0.1重量/容量%SDS中で、25℃で3時間洗 浄した後、同じ溶液で、65℃で1時間洗浄し、次にハイブリダイゼーションステ ップ(20×SSC=3M NaCl、0.3Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)のための調製物中 の、2×SSCで洗い流した。TcaC 遺伝子の特異的ゲノム断片の増幅 精製したTacCペプチド分画に関して決定されたN-末端アミノ酸配列(ここで は配列番号2として示す)を基に、縮重オリゴヌクレオチドのプール(プールS4 Psh)を、アプライドバイオシステムABI394 DNA/RNAシンセサイザー(パーキン エルマー社、フォスターシティー、CA)で、標準的βシアノエチル化学により合 成した。これらのオリゴヌクレオチドを、8時間、55℃で脱保護し、水に溶解し 、分光光度計による測定で定量し、かつ使用するために希釈した。このプールは 、 TacCペプチドのN-末端の決定されたアミノ酸配列に対応する。決定されたアミ ノ酸配列及び対応する縮重したDNA配列を、下記に示し、ここでA、C、G及びTは 、標準のDNA塩基であり、Iはイノシンを表す: 縮重オリゴヌクレオチドの別のセットを合成し(プールP2.3.5R)、配列番号1 7の決定されたアミノ酸配列に関するコード鎖の相補鎖に相当する: これらのオリゴヌクレオチドは、Photorhabdus菌株W-14(前記参照)から調製 されたゲノムDNA由来の特異的DNA断片を増幅するために、ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR(登録商標)、ロッシュモレキュラーシステム社、ブランチュバーグ、NJ )のプライマーとして使用した。典型的な反応物(50μl)は、各プライマープ ールP2Psh及びP2.3.5Rを125pmol、ゲノム鋳型DNAを253ng、dATP、dCTP、dGTP及 びdTTPを各々10nmol、1×ジーンアンプ(登録商標)PCRバフッファー、並びに アムプリタック(登録商標)DNAポリメラーゼを2.5ユニット(両方ともロシュモ レキュラーシステム社から入手;10×GeneAmp(登録商標)バッファーは、100mM トリス-HCl、pH8.3、500mM KCl、0.01重量/容量%ゼラチン)を含有した。 増幅は、94℃(1.0分間)、55℃(2.0分間)、72℃(3.0分間)を35サイクル、 その後7.0分間72℃の伸長期間を用い、パーキンエルマーセタスDNAサーマルサイ クラー(パーキンエルマー社、フォスターシティー、CA)中で行った。増幅生成 物は、TEAバッファー(40mMトリス-酢酸、2mM EDTA、pH8.0)中で、2重量/容 量%ニューシーブ(登録商標)3:1アガロース(FMCバイオプロダクツ社)を通す 電気泳動で分析した。このゲルを臭化エチジウム(0.5μg/ml)で染色し、紫 外線下で検出することにより、大きさが250bpと推定される特異的生成物が多く の他の増幅生成物中に認められた。 およそ250bp生成物を含有しているゲルの部分を切り、小さいプラグ(直径0.5 mm)を切り出し、PCR増幅(40サイクル)用の鋳型の供給に使用した。この反応 物(50μl)は、ゲノム鋳型DNAを除いて、前述と同じ内容物を含有した。増幅 後、1ユニットのT4 DNAポリメラーゼ(NEB)、1nmol ATP、及び2.15ユニットのT4 キナーゼ(ファルマシアバイオテク社、ピスケートウェイ、NJ)と共に、25℃で 20分間、インキュベートすることによって、この断片の末端を平滑にし、リン酸 化した。 DNA断片は、TEAを溶媒とする1重量/容量%GTG(登録商標)アガロース(FMC)を 通す電気泳動により、残留するプライマーから分離した。見かけの大きさ250bp の断片を有するゲル切片を切り取り、かつそのDNAを、キアエックスキット(キ アゲン社、チャストウォース、CA)を用いて抽出した。 この抽出されたDNA断片を、制限酵素Sma 1で完全に消化したプラスミドベクタ ーpBC KS(+)(ストラータジーン社)にライゲートし、かつ前述のpWE15 DNAに関 して説明したのと同様の方法で抽出した。典型的なライゲーション反応物(16.3 μl)は、1×ライゲーションバッファー(50mMトリス-HCl、pH7.4;10mM MgCl2 ;10mMジチオスレイトール;1mMスペルミジン;1mM ATP;100mg/mlウシ血清アル ブミン)を溶媒として、消化されたpBC KS(+)DNAを100ng、250bp DNA断片を70ng 、1nmol[Co(NH3)6]Cl、及びT4 DNAリガーゼを3.9Weissユニット(コラボラチブ バイオメディカルプロダクト社、ペッドフォード、MA)を含有した。14℃で一晩 インキュベートした後、供給者の指示に従って、ライゲーションした生成物を、 凍結したコンピテント大腸菌DH5α(ギブコBRL)に形質転換し、IPTS(119μg/ ml)及びX-gal(50μg/ml)を含有する、LB-Cam35プレート上に配置した。独立 した白色コロニーを採取し、かつプラスミドDNAを、変更されたアルカリ溶解/P EG沈殿法(PRISM(登録商標)簡易反応ダイデオキシ(登録商標)ターミネーター サイクル配列決定キットのプロトコール;ABI/パーキンエルマー社)により、調 製した。このインサートDNAの両方の鎖のヌクレオチド配列を、T7プライマー[pB C KS(+)塩基601-623:TAAAACGACGGCCAGTGAGCGCG]及びLacZプライマー[pBC KS(+) 塩基792-816:ATGACCATGATTACGCCAAGCGCGC]、及びPRISM(登録商標)配列決定キ ット(ABI/パーキンエルマー社)のプロトコールを用いて決定された。組込ま れていない染色したターミネーターであるジデオキシリボヌクレオチドは、セン トリ−セップ100カラム(プリンストンセパレーション社、アデルフィア、NJ)を 、製造業者の指示に従って通すことによって、除去した。このDNA配列は、ABIモ デル373A DNAシークエンサー(ABI/パーキネルマー社)を用いて、これらの試 料を分析することによって得られた。2種の単離体GZ4及びHB14のDNA配列は、図 1に詳細に説明したものが認められた。 この配列は、下記の特徴を持つ:i)塩基1-20は、S4Psh縮重オリゴヌクレオチ ドの64の可能性のある配列のひとつを表す、ii)アミノ酸1-3及び6-12の配列は 、TacCのN-末端について決定されたもの(配列番号2)と正確に一致する、iii )コードされた4番目のアミノ酸は、セリン残基ではなく、システイン残基であ り、この差異は、セリンコドンの縮重内でコードされている(前記参照)、iv) コードされた5番目のアミノ酸は、プロリンであり、配列番号2で示されたTcaC N-末端配列に対応している、v)塩基257-276は、縮重プールにデザインされた1 92の可能性のある配列のひとつをコードしている、vi)塩基268-270に導入され たTGA終結コドンは、対応する位置で該オリゴヌクレオチドプールに組込まれた 縮重に対する相補性の結果であり、かつ対応する遺伝子の短い読み枠を示すもの ではない。TcaC ペプチド遺伝子特異性プローブの標識 夫々100pモルのP2Pshプライマー及びP2.3.5Rプライマー、鋳型としてのプラス ミドGZ4またはHE14 10ng、夫々20nモルのdATP、dCTP、dGTP、及びdTTP、AmpliTA q DNAポリメラーゼ5単位、1X濃度のGeneAmpバッファーを上記と同じ温度レジメ のもとに使用して、上記276塩基に相当するDNAフラグメントを100μlの反応 容積でPCRにより増幅した(35サイクル)。増幅産物をQiaexキットにより1%GTG アガロースゲルから抽出し、フルオロメトリーにより定量した。 プラスミドHB14鋳型から抽出された増幅産物(約400ng)を5つのアリコートに 分け、製造業者の指示に従ってハイ・プライム・ラベリング・ミックス(ベーリ ンガー・マンハイム)を使用して32P-dCTPで標識した。とり込まれなかった放射 性同位元素を供給業者の指示に従ってNucTrapプローブ精製カラム(Stratagene )中の通過により除去した。標識されたDNA産物の比活性をシンチレーションカ ウントにより測定したところ、3.11 x 108dpm/μgであった。この標識されたDN Aを使用してゲノムライブラリーの800の構成メンバーから調製された膜を探査し た。TcaC ペプチド遺伝子特異性プローブによるスクリーニング 放射能標識されHB14プローブを約10分間沸騰させ、次いで「最小hyb」溶液に 添加した[注:「最小hyb」方法をCERESプロトコル;「制限酵素断片長多型研究 マニュアルバージョン4.0」,節4-40及び4-47;CERES/NPI,Salt Lake City,UTか ら採用する。NPIは現存していないが、その継承者がLinkage Geneticsとして運 用している]。「最小hyb」溶液は10%w/vのPEG(ポリエチレングリコール、M.W. 約8000)、7%w/vのSDS、0.6XのSSC、10mMのリン酸ナトリウムバッファー(95g/ lのNaH2PO4・1H2O及び84.5g/lのNa2HPO4・7H2Oを含む1Mの原液から)、5mMのED TA、及び100mg/mlの変性サケ精子DNAを含む。膜を素早く乾燥ブロットし、次い で、プレハイブリダイゼーションを用いないで、膜の5ストリップを、「最小hy b」75ml及び2.6ng/mlの放射能標識されたHB14プローブを含む二つのプラスチッ クボックスの夫々に入れた。これらを60℃で徐々に振とうしながら一夜インキュ ベートした。フィルターを夫々約10分間にわたって25℃で「最小hyb洗浄液」(0. 25XのSSC、0.2%のSDS)中で3回洗浄し、続いて同溶液中で60℃で徐々に振とう しながら2回の30分間の洗浄を行った。フィルターをライト−タイト・オートラ ジオグラフィーカセット中でサランラップ(ダウ・ブランド、Indianapolis,IN )で覆われた紙の上に置き、4時間にわたって-70℃で2種のデュポン・クロネ ックス・ライトニング・エンハンサー+C1エンハンサー(シグマ・ケミカル社,S t.Lois,MO)を用いてX-OmatX線フィルム(コダック,Roche-ster,NY)に露出 した。現像(通常の写真操作)後に、より弱く、より不規則なシグナルの高いバ ックグラウンドの中で両方の反復試験で有意なシグナルが明らかであった。再度 、フィルターを約4時間にわたって68℃で「最小hyb洗浄液」中で洗浄し、次い で再度カセットに入れ、フィルムを-70℃で一夜露出した。12の可能な陽性 を重複する96ウェル・コロニー跡ついて両方にある強いシグナルにより同定した 。シグナルは陰性の対照膜(pWE15を含むXL1ブルーMR細胞のコロニー)では見ら れず、非常に強いシグナルが実験サンプルで同時に処理された陽性の対照膜(PC R産物のGZ4単離物を含むDH5α細胞)で見られた。 12のハイブリダイゼーション−陽性と推定されるコロニーを凍結された96ウェ ルライブラリープレートから回収し、固体LB-Amp100培地で37℃で一夜増殖させ た。次いでそれらを固体LB-Amp100にパッチした(3/プレート、+3種の陰性 対照:pWE15ベクターを含むXL1ブルーMR細胞)。膜(マグナNTナイロン、0.45ミ クロン)の二つの組をハイブリダイゼーションのために調製した。フィルターを パッチプレートのコロニーの上に直接置き、次いでそれを付着バクテリア細胞と ともに取り外し、以下のようにして処理することにより第一組を調製した。第二 組のフィルターをLB-Amp100培地を含むプレートに入れ、次いで細胞をパッチプ レートからフィルターに移すことにより接種した。37℃で一夜増殖後に、フィル ターをプレートから除去し、処理した。 フィルターのバクテリア細胞を溶解し、夫々のフィルターをプラスチックプレ ート中の0.5NのNaOHのプール(1.0ml)に3分間にわたってコロニー面を上にして 置くことによりDNAを変性した。フィルターをペーパータオルで乾燥ブロットし 、次いでそのプロセスを新しい0.5NのNaOHで繰り返した。乾燥ブロッティング後 に、フィルターを夫々1Mのトリス-HCl、pH7.5の1.0mlのプールに3分間入れるこ とにより中和し、乾燥ブロットし、新しいバッファーで再度中和した。これに続 いて0.5Mのトリス-HCl、pH7.5+1.5MのNaClのプールで2回の同様のソーキング (夫々5分間)を行った。乾燥ブロッティング後に、そのDNAをフィルター(上 記のとおり)にUV架橋し、フィルターを3X SSC約100ml+0.1%(w/v)のSDS中で洗 浄した(25℃、100rpm)(4回、夫々の洗浄について夫々新しい溶液で30分間)。次 いでそれらを2時間にわたって65℃、50rpmで最小容積のプレハイブリダイゼー ション溶液[6X SSC+夫々1%w/vのフィコール400(ファーマシア)、ポリビニル ピロリドン(平均M.W.360,000;シグマ)及びウシ血清アルブミンフラクション V;(シグマ)]に入れた。プレハイブリダイゼーション溶液を除去し、ライブ ラリー膜の先のハイブリダイゼーションから保存されており、95℃で5分間 変性されHB1432P標識プローブで置換した。50rpmで振とうしながらハイブリダイ ゼーションを60℃で16時間行った。 標識プローブ溶液の除去後に、膜を25℃(50rpm、15分間)で3X SSC(夫々約150 mlの洗浄液)中で3回洗浄した。次いでそれらを0.25X SSC+0.2%のSDS(最小hy b洗浄液)中で68℃で3時間洗浄し(50rpm)、1.5時間にわたって25℃で上記のX線 フィルムに露光した(増感スクリーンなし)。この露光はコスミド単離物22G12 、25A10、26A5、及び26B10について非常に強いハイブリダイゼーションシグナル を明らかにし、またコスミド単離物8B10では非常に弱いシグナルを明らかにした 。シグナルは陰性対照(pWE15)コロニーでは見られず、非常に強いシグナルが実 験サンプルで同時に処理された陽性対照膜(PCR産物のGZ4単離物を含むDH5α細 胞)で見られた。TcaB 遺伝子の特定のゲノムフラグメントの増幅 精製されたTcaBiペプチドフラクションについて決定されたN-末端アミノ酸配 列(本明細書中配列番号3として開示される)に基いて、縮重オリゴヌクレオチ ドのプール(プールP8F)をペプチドTcaCについて記載されたようにして合成した 。決定されたアミノ酸配列及び相当する縮重DNA配列を以下に示しす。A、C、 G及びTは通常のDNA塩基であり、Iはイノシンを表す。 縮重オリゴヌクレオチドの別の組を合成した(プールP8.108.3R)。これはTcaBi -PT108内部ペプチドの決定されたアミノ酸配列(本明細書中配列番号20として開 示される)についてコードストランドの相補鎖に相当する。 ホットスタート50チューブTM(モレキュラー・パイオープロダクツ社,San Di ego,CA)を使用してこれらのオリゴヌクレオチドをPCRのプライマーとして使用 してホトラブダス(Photorhabdus)株W-14(上記を参照のこと)から調製されたゲ ノムDNAから特定のDNAフラグメントを増幅した。典型的な反応液(50μl)は1XGe neAmp PCRバッファー中に夫々2nモルのdATP、dCTP、dGTP、及びdTTPとともに夫 々 バッファー中にゲノム鋳型DNA2 30ng、夫々8nモルのdATP、dCTP、dGTP、及びdT aCペプチドについて記載されたようにして35サイクルにより行った。増幅産物を より分析した。推定サイズ1600bpの特定産物を観察した。 4種のこのような反応液をプールし、増幅されたDNAをTcaCペプチドについて 記載されたようにしてQiaexキットにより1.0%のシーケムLEゲルから抽出した。 P8Fプライマープール及びP8.108.3Rプライマープールを使用して、抽出されたD 反応液は鋳型DNA約100ng及び25pモルの一種のプライマープールを含み、TcaCペ プチドについて記載されたようにして通常のプロトコルに従って処理した。P8F プライマーの延長から誘導された配列の分析は短いDNA配列(及びコードされた アミノ酸配列)を明らかにした。 これは配列番号3(TcaBi)として開示されたN-末端ペプチド配列の一部に相当 する。TcaBi ペプチド遺伝子特異性プローブの標識 ゲル精製されたTcaBi DNAフラグメント約50ngを上記のようにして32P-dCTPで 標 識し、とり込まれなかった放射性同位元素をNICKカラム(ファーマシア)中の通 過により除去した。標識されたDNAの比活性を測定したところ、6 x 109dpm/μg であった。この標識されたDNAを使用してTcaC-ペプチド特異性プローブにハイブ リッドを形成したゲノムライブラリーの員から調製されたコロニー膜を探査した 。 TcaC-プローブライブラリースクリーン(上記を参照のこと)で同定された12 のコロニーを含む膜を毎回約30分間で1リットルの0.1X SSC+0.1%のSDS中で2 回沸騰することにより放射性TcaC-特異性標識からストリッピングした。放射性 標識の除去を6時間のフィルム露出でチェックした。次いでストリッピングされ た膜を先に調製したTcaBiペプチド特異性プローブとともにインキュベートした 。標識DNAを10分間の沸騰により変性し、次いで60℃で「最小hyb」溶液100ml中 で1時間インキュベートされたフィルターに添加した。この温度で一夜のハイブ リダイゼーション後に、プローブ溶液を除去し、フィルターを以下のようにして 洗浄した(全て、0.3X SSC+0.1%のSDS中)。25℃で5分間にわたって1回、新 しい溶液中で60℃で1時間にわたって1回、そして新しい溶液中で63℃で1時間 にわたって1回。通常の操作によるX線フィルムへの1.5時間の露出後に、4つ の強くハイブリッドを形成するコロニーを観察した。これらは、TcaC-特異性プ ローブによれば、単離物22G12、25A10、26A5、及び26B10であった。 同TcaBiプローブ溶液を等容積(約100ml)の「最小hyb」溶液で希釈し、次いで ゲノムライブラリーの800の員を含む膜をスクリーニングするのに使用した。上 記のようなハイブリダイゼーション、洗浄、そしてX線フィルムへの露出後に、 4種のコスミドクローン22G12、25A10、26A5、及び26B10のみがこのプローブに 強くハイブリッドを形成することがわかった。TcaC ペプチド及びTcaBiペプチドをコードする遺伝子を含むサブクローンの単離 、及びそのDNA塩基配列の決定 株XL1ブルーMR中の3種のハイブリダイゼーション陽性コスミドを30℃でTB-Am p100中で一夜振とう(200rpm)しながら増殖させた。細胞を遠心分離により回収し た後、製造業者のプロトコルに従って市販のキット(BIGprepTM、5プライム3プ ライム社,Boulder,CO)を使用してコスミドDNAを調製した。一種のコスミド、 26A5のみをこの操作により成功裏に単離した。制限酵素EcoR I(NEB)で消化し、 ゲル電気泳動により分析した時、およそのサイズ14、10、8(ベクター)、5、3. 3、2.9、及び1.5kbpのフラグメントを検出した。3種の同株からコスミドDNAを 単離しようとする第二の試み(8mlの培養;TB-Amp100、30℃)は沸騰ミニプレ プ方法(EvansG.及びG.Wahl.,1987,“Cosmid vectors for genomicwalking and rapid restri-ction mapping”,Guide to Molecular Cloning Techniques.Met h.Enzymology,152巻,S.Berger及びA.Kimmel編集,604-610頁)を利用した。一 種のコスミド、25A10のみをこの方法により成功裏に単離した。制限酵素EcoR I( NEB)で消化し、ゲル電気泳動により分析した時、このコスミドはコスミド26A5で 先に見られたのと同じ断片化パターンを示した。 26A5コスミドDNA 0.15μgのサンプルを供給業者のプロトコルにより大腸菌DH 5α細胞(ギブコBRL)50mlを形質転換するのに使用した。その株の単一コロニー単 離物をTB-Amp100 4mlに接種し、37℃で8時間増殖させた。クロラムフェニコー ルを225μg/mlの最終濃度で添加し、インキュベーションを更に24時間続け、次 いで細胞を遠心分離により回収し、-20℃で凍結した。26A5コスミドDNAの単離は 全ての容積を50%増加し、夫々のステップでボルテックスではなく攪拌または軽 い混合を用いることにより改良された通常のアルカリ溶解ミニプレプ(Maniatis らの上記引用文献、382頁)によるものであった。DNAペレットを70%のエタノー ル中で洗浄した後、それを25μg/mlのリボヌクレアーゼA(ベーリンガー・マン ハイム)を含むTEに溶解した。GZ4 誘導プローブ及びTcaBiプローブにハイブリッドを形成するEcoR Iフラグメン トの同定 コスミド25A10(XL1ブルーMR細胞から)約0.4μg及びコスミド26A5(クロラム フェニコール増幅されたDH5 α細胞から)約0.5μgを約15単位のEcoR I(NEB)で 85分間にわたって夫々消化し、一夜凍結し、次いで65℃で5分間加熱し、0.7% のアガロースゲル中で電気泳動にかけた(シーケムLE、1X TEA)80ボルト、90分 間)。そのDNAを上記のようにして臭化エチジウムで染色し、紫外線のもとに写 真撮影した。コスミド25A10のEcoR I消化産物は完全消化であったが、コスミド2 6A5のサンプルはこれらの条件下で部分消化されたにすぎなかった。DNAフラグメ ントを含むアガロースゲルを脱プリンし(depurination)、変性及び中和にかけ、 続いて全てAusubelら(CPMB、上記引用文献)の節2.9に記載されたようにして高塩 (20X SSC)プロトコルを使用してマグナNTナイロン膜にサザンブロッティングし た。次いで移入されたDNAを前記のようにしてナイロン膜にUV架橋した。 プラスミド単離物GZ4のインサートに相当するTcaCペプチド特異性DNAフラグメ ントを上記のようにして100mlの反応容積でPCRにより増幅した。3種のこのよう な反応からの増幅産物をプールし、上記のようにしてQiaexキットにより1%のG TGアガロースゲルから抽出し、フルオロメトリーにより定量した。上記のように してハイ・プライム・ラベリング・ミックス(ベーリンガー・マンハイム)を使 用して、ゲル精製されたDNA(100ng)を6.34 x 108dpm/μgの比活性に32P-dCTPで 標識した。 32P標識されたGZ4プローブを10分間沸騰し、次いで「最小hyb」バッファーに 添加し(1ng/mlで)、消化されたコスミドDNAフラグメントを含むサザンブロッ ト膜を添加し、50rpmで穏やかに振とうしながら60℃で4時間インキュベートし た。次いで膜を夫々約5分間で25℃で3回洗浄し(最小hyb洗浄液)、続いて夫 々30分間にわたって60℃で2回洗浄した。ブロットを約30分間にわたって-70℃ でフィルム(エンハンサースクリーンを使用)に露出した。GZ4プローブはこれ らの2種のコスミド、26A5及び25A10の両方の5.0kbp(見掛サイズ)EcoRIフラグメ ントに強くハイブリッドを形成した。 膜を0.1X SSC+0.1%のSDS中で約30分間沸騰することにより放射能をストリッ ピングし、放射性標識の不在をフィルムへの露出によりチェックした。次いでそ れをコロニー膜(上記)をスクリーニングするのに先に使用された「最小hyb」 バッファー中で60℃で3.5時間にわたって(変性)TcaBiプローブとハイブリッド を形成し、前記のようにして洗浄し、二つのエンハンサースクリーンを使用して -70℃で40分間にわたってフィルムに露出した。両方のコスミドでは、TcaBiプロ ーブが約5.0kbpのEcoR Iフラグメントと軽くハイブリッドを形成し、約2.9kbpの フラグメントと強くハイブリッドを形成した。 前記のコスミド26A5 DNA(DH5 α細胞から)のサンプルをDNAの起源(これか ら関係するバンドをサブクローン化する)として使用した。このDNA(2.5μg)を 30μlの合計容積で1.5時間にわたって約3単位のEcoRI 1(NEB)で消化して、ゲ ル電気泳動により確認して部分消化産物を得た。pBC KS(+)DNA(Stratagene)10μ gを20μlの合計容積で1.5時間にわたって20単位のEcoRI 1で消化して、電気泳 動により確認して完全消化をもたらした。両方のEcoRI 1切断DNA調製物を水で50 μlに希釈し、夫々に等容積のPCIを添加し、その懸濁液を穏やかに混合し、小 型遠心分離機中で回転させ、水性上澄みを回収した。DNAをエタノール150μlに より沈殿させ、その混合物を-20℃で一夜置いた。遠心分離及び乾燥後に、EcoR I消化したpBC KS(+)をTE 100μlに溶解した。部分消化された26A5をTE20μlに 溶解した。DNA回収をフルオロメトリーによりチェックした。 別々の反応において、EcoR I消化したpBC KS(+)DNA約60ngを部分消化されたコ スミド26A5 DNA約180ngまたは270ngとつないだ。T4リガーゼ及びニュー・イング ランド・バイオラブズからのバッファーを使用して、結合を20μlの容積で15℃ で5時間行った。滅菌TEで100μlに希釈された結合混合物を供給業者の指示に 従って凍結したコンピテントDH5 α細胞(ギブコBRL)を形質転換するのに使用し た。種々の量(25〜200μl)の形質転換された細胞を、1mMのIPTG及び50mg/lのX -galを含む新たに調製した固体LB-Cam35培地に塗布した。プレートを37℃で約20 時間インキュベートし、次いで約3時間にわたって暗所で冷却して挿入選択のた めに着色を強化した。白色のコロニーを同組成のパッチプレートに取り、37℃で 一夜インキュベートした。 選択されたパッチプレートの夫々の2種のコロニーリフトを以下のようにして 調製した。白色のコロニーを新しいプレートに取った後、円形のマグナNTナイロ ン膜をパッチプレートに押しつけ、膜を取り上げ、ライブラリーコロニー膜につ いて上記されたようにして変性、中和及びUV架橋にかけた。過剰の細胞デブリを ティッシュで軽くふき取ることを含み、架橋されたコロニーリフトを激しく洗浄 した。「最小hyb」プロトコルに従って、一つの組を前記GZ4(TcaC)プローブ溶液 とハイブリッドを形成し、他の組を前記TcaBiプローブ溶液とハイブリッドを形 成し、続いてライブラリーコロニー膜について記載されたようにして洗浄し、フ ィルムに露出した。GZ4プローブのみ、GZ4プローブ及びTcaBiプローブの両方、 またはTcaBiプローブのみとハイブリダイゼーションシグナルを示すコロニーを 更なる研究のために選択し、細胞を前記のIPTG及びX-galを含むLB-Cam35培地に 単一コロニー単離のためにストリークした。16種の異なる単離物からの約35の単 一コロニーを液体LB-Cam35培地に取り、37℃で一夜増殖させた。細胞を遠心分離 により回収し、プラスミドDNAをManiatisら(上記引用文献、368頁)に従って通 常のアルカリ溶解ミニプレプにより単離した。DNAペレットをTE+25μg/mlのリ ボヌクレアーゼAに溶解し、DNA濃度をフルオロメトリーにより測定した。EcoR I消化パターンをゲル電気泳動により分析した。下記の単離物を有益なものとし て採取した。単離物A17.2は再度つながれたpBC KS(+)のみを含み、(陰性)対照 に使用した。単離物D38.3及びC44.1は夫々pBC KS(+)に挿入された2.9kbpのTcaBi とハイブリッドを形成するEcoR Iフラグメントのみを含む。pDAB2000及びpDAB20 01と称されるこれらのプラスミドが夫々図2に示される。 単離物A35.3はpBC KS(+)に挿入された約5kbpのGZ4とハイブリッドを形成する EcoR Iフラグメントのみを含む。このプラスミドをpDAB2002と称した(また、図 2に示される)。これらの単離物はDNA配列決定の鋳型を与えた。 BIGprepTMキットを使用して、プラスミドpDAB2000及びpDAB2001を調製した。 培養物(30ml)をTB-Cam35中で2のOD600まで一夜増殖し、次いでプラスミドを製 造業者の指示に従って単離した。DNAペレットを夫々100μlのTEに再度溶解し、 サンプル保全性をEcoR I消化及びゲル電気泳動分析によりチェックした。 シーケンシング反応を二重反復試験で実験し、一つの反復試験は鋳型としてpD AB2000 DNAを使用し、他の反復試験は鋳型としてpDAB2001 DNAを使用した。GZ4/ HB14 DNAの配列決定について上記されたように、ジデオキシ色素ターミネーター サイクル配列決定方法を使用して、反応を行った。初期配列決定実験はプライマ ーとして上記LacZプライマー及びT7プライマー、+TcaBi PCR増幅産物の決定さ れた配列をベースとするプライマー(TH1=ATTGCAGACTGCCAATCGCTTCGG、TH12=GAGA GTATCCAGACCGCGGATGATCTG)を使用した。 夫々の配列決定アウトプットの整列及び編集後に、夫々をパーキン・エルマー ・アプライド・バイオシステムズ部門SeqEd 675ソフトウェアにより解読される ようなクロマトグラフィーデータの積分に応じて250〜350塩基にトランケートし た。新規プライマーに適した配列を選択することにより、その後の配列決定「ス テップ」を行った。二三の例外があるが、プライマー(上記のようにして合成し た)は50% G+C組成を有し、長さが24塩基であった。この方法による配列決定を 約2.9kbpのEcoR Iフラグメントの両方のストランドについて行った。 DNA配列決定の鋳型として更に利用するために、単離物pDAB2002からのプラス ミドDNAをBIGprepTMキットにより調製した。上記のようにしてシーケンシング反 応を行い、分析した。初期に、T3プライマー(pBS SK(+)塩基774-796:CGCGCAATTA ACCCTCACTAAAG)及びT7プライマー(pBS SK(+)塩基621-643:GCGCGTAATACGACTCACTA TAG)を使用して隣接ベクター配列からインサートDNAまで読み取る配列決定反応 を開始した。プライマーの別の組(GZ4F:GTATCGATTACAACGCTGTCACTTCCC;TH13:GGG AAGTGACAGCGTTGTAATCGATAC;TH14:ATGTTGGGTGCGTCGGCTAATGGACATAAC及びLW1-204: GGGAAGTGACAGCGTTGTAATCGATAC)をつくって内部配列から開始し、これらをサブク ローン化TcaC-ペプチドPCR産物の縮重オリゴヌクレオチド媒介配列決定により前 もって決定した。配列決定の初期ラウンド中に生じたデータから、プライマーの 新規な組を設計し、約5kbpのフラグメントの完全長をウォーク(walk)するのに使 用した。合計55オリゴプライマーを使用して、連続配列の合計4832bpの同定を可 能にした。 pDAB2002のEcoR IフラグメントインサートのDNA配列をpDAB2000/pDAB2001単離 物の決定された配列の一部と組み合わせる場合、合計6005bpの連続配列を生じた (本明細書中、配列番号25として開示される)。長いオープンリーディングフレ ームを相当するアミノ酸に翻訳した場合、その配列はメチオニン残基(翻訳の開 始)の直後に塩基68-124によりコードされたTcaBiN-末端ペプチ(配列番号3と して開示される)を明らかに示す。上流に潜在的リボソーム結合部位(塩基51-58 )があり、下流に、TcaBi-PT158内部ペプチド(本明細書中、配列番号19として開 示される)が塩基215-277にコードされる。更に下流に、同オープンリーディン グフレーム中に、塩基1787-1822に、TcaBi-PT108内部ペプチドをコードする配列 (本明細書中、配列番号20として開示される)が存在する。また、同オープンリ ーディングフレーム中に、塩基1946-1972に、TcaBii N-末端ペプチド(本明細 書中、配列番号5として開示される)がコードされ、オープンリーディング フレームがヌクレオチド3632-3634にある翻訳終止コドンまで中断されないで存 続する。 TcaBi-PT108をコードする配列の末端とTcaBiiコード領域の開始の間のイン− フレーム(in-frame)終止コドンの欠如、及びTcaBiiコード領域の直ぐ上流の認識 できるリボソーム結合部位の欠如は、ペプチドTcaBii及びTcaBiが、配列番号25 中の塩基対65で開始する3567bpの単一オープンリーディングフレームによりコー ドされ、おそらく後翻訳開裂により1189アミノ酸(131,586ダルトン;本明細書中 、配列番号26として開示される)の単一の一次遺伝子産物から誘導されることを 示す。TcaBii N-末端ペプチドに直ぐに先行するアミノ酸がペプチドTcaBiのC末 端アミノ酸に相当する場合、TcaBii(627アミノ酸)の予想質量はSDS-PAGEにより 観察されたサイズ(68kDa)より若干高く、70,814ダルトンである(本明細書中、 配列番号28として開示される)。このペプチドは1881塩基対の連続ストレッチ( 本明細書中、配列番号27として開示される)によりコードされるであろう。TcaBi の天然C末端はTcaBi-PT108のC末端に若干近くにあるものと考えられる。PT10 8の分子量[3.438kDa;このペプチドのN-末端アミノ酸配列分析中に測定]は30ア ミノ酸のサイズを予測する。TcaBiコード領域のC末端[配列番号28の位置604に あるGlu]を指定するのにこのペプチドのサイズを使用すると、導き出されるTca Biのサイズは、更に実験上の観察と一致して、604アミノ酸すなわち68,463ダル トンであることが測定される。 1686塩基対のTcaBiiペプチドコード領域(本明細書中、配列番号29として開示 される)の翻訳は60,789ダルトンの予想質量を有する562アミノ酸(本明細書中、 配列番号30として開示される)のタンパク質を生じ、これは観察された61kDaと 良く一致する。 潜在的リボソーム結合部位(塩基3682-3687)はtcaBオープンリーディングフレ ームの終止コドンの48bp下流に見られる。塩基3694-3762に、ペプチドTcaCのN- 末端をコードする配列(配列番号2として開示される)が見られる。このN-末 端ペプチドにより開始されるオープンリーディングフレームは塩基6005まで中断 されないで存続する(2361塩基対、本明細書中、配列番号31の最初の2361塩基対 として開示される)。完全TcaCペプチド(見掛サイズ約165kDa;約1500アミノ酸 ) をコードする遺伝子(tcaC)は約4500bpを含むであろう。 また、コスミド26A5のクローン化EcoR Iフラグメントを含む別の単離物、E20. 6を前記GZ4プローブ及びTcaBiプローブに対するその相同性により同定した。こ の株により宿されたプラスミド(pDAB2004、図2)のDNAのEcoR I消化産物のアガ ロースゲル分析は推定サイズ2.9、5、及び3.3kbpのインサートフラグメントを 明らかにした。プラスミドpDAB2002の配列から指示されたプライマーから開始さ れたDNA配列分析は、pDAB2004の3.3kbpのEcoR IフラグメントがpDAB2002に示さ れる5 kbpのEcoR Iフラグメントに隣接して存在することを明らかにした。pDAB 2002中に発見された2361塩基対オープンリーディングフレームはpDAB2004中の別 の2094塩基(本明細書中、配列番号31の塩基対2362〜4458として開示される)につ いて中断されないで存続する。親コスミド26A5 DNAを鋳型として使用するDNA配 列分析がそのオープンリーディングフレームの連続性を確認した。要するに、そ のオープンリーディングフレーム(tcaC配列番号31)は4455塩基対を含み、かつ14 85アミノ酸[本明細書中、配列番号32として開示される]のタンパク質(TcaC)を コードする。166,214ダルトンの計算分子サイズはTcaCペプチドの推定サイズ(16 5kDa)と一致し、誘導アミノ酸配列はTcaC N-末端配列[配列番号2]について 開示されたものと正確に適合する。 発見された配列中の縮重オリゴヌクレオチドプライマープールを設計するのに 使用された配列番号17に相当するアミノ酸配列の欠如は、単離物GZ4及びHB14(こ れらは初期ライブラリースクリーンにおいてプローブとして使用された)中に見 ンドプライミングにより偶発的に生じたことを示す。更に、誘導タンパク質配列 は本明細書中配列番号18として開示された内部フラグメントを含まない。これら の配列は、プラスミドpDAB2004がTcaCペプチドの完全コード領域を含むことを明 らかにする。 配列番号25について更に解析すると、オープンリーディングフレームの末端( 塩基1-43)が明らかとなり、これはTcaAiiiペプチドの最後の13アミノ酸をコード しており、これを本明細書中で配列番号35として記載した。わずか24塩基がTcaAiii コード領域末端とTcaBiコード領域の開始とを隔てるのみである。この24塩基 の 中にはリボゾーム結合部位として働くかもしれない配列を含んでいる。ホトラブ ダス造伝子プロモーターがこの短い領域にコードされているということは、可能 性はあるものの起こりそうもないことである。3つの長いオープンリーディング フレーム[tcaA(配列番号33)、tcaB(配列番号25、塩基番号65-36334)、およ びtcaBの末端からわずか59塩基しか離れていないtcaC(配列番号31)]はひとつ のオペロンとして制御されており、転写はtcaA遺伝子(配列番号33)の開始点の 上流からはじまり、ポリシストロンmRNAを生ずることを提唱する。 実施例9 TcbAii ペプチドをコードする遺伝子のホトラブダス ゲノムライブラリーのスク リーニング この実施例はTcbAiiペプチドをコードする遺伝子を含むDNAクローンを同定す るのに使用した方法、その遺伝子の単離、及びその部分DNA塩基配列の決定を記 載する。プライマー及びPCR反応 昆虫活性調製物のTobAiiポリペプチドは約206kDaである。このペプチドのN- 末端のアミノ酸配列が配列番号1として開示される。このアミノ酸配列の一部を コードするために、縮重オリゴヌクレオチドプライマーの4種のプール(“フォ ワード(Forward)プライマー”:TH-4、TH-5、TH-6、及びTH-7)を実施例8に 記載されたようにして合成し、以下に示す。 加えて、内部ペプチド調製物(TcbAii-PT81)の一次配列(“a”)及び二次配 列(“b”)を決定し、夫々、本明細書中、配列番号23及び配列番号24として聞 示する。以下に示されるように、配列番号23のペプチドの一部をコードする配列 の逆補体をコードするために、縮重オリゴヌクレオチドの4種のプール(“リバ ース(Re-verse)プライマー”:TH-8、TH-9、TH-10及びTH-11)を同様に設計し、 合成した。 これらのプライマーの組をPCR反応に使用して、実施例6で調製されたホトラ ブダス・ルミネセンスW-14ゲノムDNAからTcbAiiをコードする遺伝子フラグメン トを増幅した。AmpliWaxTMゲム(gems)並びにその他のパーキンエルマー試薬及び プロトコルを使用して、全てのPCR反応を「ホットスタート」技術を用いて行っ た。典型的には、MgCl2、dNTP、10X GeneAmp PCRバッファーII、及びプライマー の混合物(全容積11μl)を、単一ワックスビーズを含むチューブに添加した[ 10X GeneA-mp PCRバッファーIIは100mMのトリス-HCl、pH8.3、及び500mMのKClを 含む]。チューブを2分間にわたって80℃に加熱し、冷却した。ワックスシール の上に、10X GeneA-mp PCRバッファーII、DNA鋳型、及びAmpliTAq DNAポリメラ ーゼを含む溶液を添加した。ワックスシールの融解及び熱サイクルに よる成分の混合後に、最終反応条件(50μlの容積)は、10mMのトリス-HCl、pH 8.3、50mMのKCl、2.5mMのMgCl2、夫々200μMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP、1.25m Mの単一フォワードプライマープール、1.25μMの単一リバースプライマープー ル、1.25単位のAmpliTAq DNAポリメラーゼ、及び170ngの鋳型DNAであった。 反応液をサーモサイクラー(実施例8と同様)に入れ、下記のプログラムで実 験した。 縮重プライマープールを使用して、一連の増幅を三つの異なるアニーリング温 度(55℃、60℃、65℃)で行った。65℃におけるアニーリングによる反応はアガ ロース電気泳動後に目視できる増幅産物を有していなかった。60℃のアニーリン グレジメを有し、プライマーTH-5+TH-10を含む反応は、2.9kbpに相当する移動度 を有する増幅産物を生じた。更に少ない量の2.9kbpの産物はプライマーTH-7+TH- 10を用いるこれらの条件下で生じた。反応を55℃でアニールした場合、これらの プライマー対は更に多くの2.9kbpの産物を生じ、またこの産物をプライマー対TH -5+TH-8及びTH-5+TH-11により生じた。付加的な非常に不鮮明な2.9kbpのバンド がプライマー対TH-7+TH-8、TH-9、TH-10、またはTH-11からの増幅産物を含むレ ーン中で見られた。 クローニング及びDNA配列決定に充分なPCR増幅産物を得るために、プライマ ーTH-5+TH-10を使用して10の別々のPCR反応を設定し、55℃のアニーリング温度 で上記条件を使用して行った。全ての反応液をプールし、2.9kbpの産物を上記の ようにしてアガロースゲルからQiaex抽出により精製した。 TcbAii内部ペプチドについて決定された付加的な配列が本明細書中配列番号21 及び配列番号22として開示される。前記のように、これらのペプチドのアミノ酸 配列の一部をコードする配列の相補鎖に相当する縮重オリゴヌクレオチド(リバ ースプライマーTH-17及びTH-18)をつくった。 縮重オリゴヌクレオチドTH-18及びTH-17を、鋳型としてのホトラブダス・ルミ ネセンスW-14 DNA及び5'-(フォワード)プライマーとしてTH-4、TH-5、TH-6、ま たはTH-7を用いる増幅実験に使用した。これらの反応は夫々約4kbp及び4.5kbpの 産物を増幅した。これらのDNAをアガロースゲルからナイロン膜に移し、TH-5+TH -10プライマー対により増幅された2.9kbpの産物から調製された32P-標識プロー ブ(上記のとおり)とハイブリッドを形成した。4kbp及び4.5kbpの増幅産物の両 方が2.9kbpのプローブに強くハイブリッドを形成した。これらの結果を使用して 図3に示されたようなTcbAii内部ペプチド配列を規定する地図をつくった。プラ イマー間のおよその距離を図3にヌクレオチド数で示す。2.9kbp のTcbAiiをコードするフラグメントのDNA配列 精製した2.9kbpのフラグメント(先に調製した)約200ngをエタノールで沈殿 させ、水17mlに溶解した。25pモルのTH-5プールをプライマーとして用いて、こ の半分を配列決定鋳型として使用し、別の半分をTH-10プライミングの鋳型とし て使用した。配列決定反応は実施例8に示されたとおりであった。TH-10プライ マープールを使用して、信頼できる配列を生じなかった。しかしながら、TH-5プ ライマープールとの反応は、以下に開示された配列を生じた。 この配列に基いて、塩基120-139に相補的なシーケンシングプライマー(TH-21 、5'-CCGGGCGACGTTTATCTAGG-3')を設計し、ゲル精製した2.9kbpのTcbAiiをコー ドするPCRフラグメントの5'末端(即ち、TH-5末端)に向かって重合を開始した 。 決定された配列を以下に示し、TcbAii配列番号1の生化学的に決定されたN-末 端ペプチド配列と比較する。TcbAii2.9kbp PCR フラグメント配列確認 [下線を施したアミノ酸=縮重オリゴヌクレオチドによりコードされる] 生化学的に決定されたアミノ酸配列に対する誘導アミノ酸配列の相同性から、 2.9kbp PCRフラグメントがTcbAコード領域に相当することが明らかである。次 いでこの2.9kbpフラグメントをハイブリダイゼーションプローブとして使用して TcbAiiをコードする遺伝子を含むコスミドについて実施例8で調製されたホトラ ブダスW-14ゲノムライブラリーをスクリーニングした。Photorhabdus コスミドライブラリーのスクリーニング 実施例8に記載されたようなベーリンガー・マンハイムのハイ・プライム標識 キットを使用して、2.9kbpのゲル精製したPCRフラグメントを32Pで標識した。コ スミドライブラリーからの約800のコロニーのレムナント(remnant)を含むフィル ターを前記(実施例8)のようにしてスクリーニングし、単離コロニーを得るた め陽性クローンをストリークし、再度スクリーニングした。3種のクローン(8A 11、25G8、及び26D1)は幾つかのスクリーニングステップ及び結合ステップによ り陽性結果を生じた。TcbAii特異性プローブのハイブリダイゼーションが実施例 8で同定された4種のコスミド(これらはtcaB遺伝子及びtcaC遺伝子を含む)の いずれでも観察されなかった。コスミド8A11、25G8、及び26D1からのDNAを制限 酵素BgIII、EcoRIまたはHindIII(単独または互いの組み合わせ)で消化し、フ ラグメントをアガロースゲルで分離し、実施例8に記載されたようにしてナイロ ン膜に移した。膜を4.5kbpフラグメント(プライマーTH-5+TH-17によるPhotorha bdusゲノムDNAの増幅により生成した)から調製された32P標識プローブとハイブ リッドを形成した。コスミドDNA 8A11及び26D1から生じたパターンは同膜につい て同様に切断されたゲノムDNAで生じたパターンと同一であった。コスミド8A11 及び26D1はゲノムTcbAiiをコードする遺伝子座の正確な代表であることが結論さ れる。しかしながら、コスミド25G8はゲノムDNAよりわずかに大きい単一BgIIIフ ラグメントを有する。これはベクター内のインサートの位置決めに由来し得る。tcbA をコードする遺伝子のDNA配列 コスミド26D1の膜ハイブリダイゼーション分析は、4.5kbpプローブが単一の大 きいEcoR Iフラグメント(9kbpより大きい)にハイブリッドを形成することを明 らかにした。このフラグメントをゲル精製し、実施例8に記載されたようにして pBC KS(+)のEcoR I部位につないでプラスミドpBC-S1/R1を生成した。実施例8に 記載された操作を使用して、このプラスミドのインサートDNAの部分DNA配列を隣 接ベクター配列からの「プライマーウォーキング」により決定した。更に別の配 列を先に決定された配列から設計された新規なオリゴヌクレオチドからの伸長に より生じた。別法により同定されたtcbA遺伝子について決定されたDNA配列(下 記の実施例12に記載されたように本明細書中配列番号11として開示される)と比 較した時に、完全相同性がヌクレオチド1-272、319-826、2578-3036、及び3068- 3540(合計塩基=1712)について見られた。両方のアプローチがTcbAiiペプチドを コードするDNAフラグメントを同定するのに使用し得ることが結論された。tcbA 遺伝子から誘導されるアミノ酸配列の分析 配列番号11として同定されたDNAフラグメントの配列は、誘導アミノ酸配列が 本明細書中配列番号12として開示されるタンパク質をコードする。幾つかの特徴 がTcbAiiタンパク質をコードする配列としてのその遺伝子の同定を証明する。Tc bAiiN-末端ペプチド(配列番号1:Phe Ile Gln Gly Tyr Ser Asp Leu Phe Gly Asn Arg Ala)はアミノ酸88-100としてコードされる。TcbAii内部ペプチドTcbAii -PT81(a)(配列番号23)はアミノ酸1065-1077としてコードされ、TcbAii-PT81(b )(配列番号24)はアミノ酸1571-1592としてコードされる。更に、内部ペプチド TcbAii-PT 56(配列番号22)はアミノ酸1474-1488としてコードされ、内部ペプ チドTcbAii-PT103(配列番号21)はアミノ酸1614-1639としてコードされる。この 遺伝子はPhotorhabdus luminescen株W-14の殺虫剤タンパク質調製物として単離 されるTcbAiiペプチドをコードする真正クローンであることが自明である。 ペプチドTcbAiiとして単離されたタンパク質は、更に長いペプチドの開裂から 誘導される。この証拠は、TcbAii N-末端ペプチド配列番号1をコードするヌク レオチドが更に長いオープンリーディングフレームの261塩基(配列番号11)(87 N-末端近位アミノ酸をコードする)により先行されるという事実により与えら れる。このオープンリーディングフレームは大きいペプチドTcbAのN-末端配列 に相当し、かつ本明細書中配列番号16として開示されるアミノ酸配列Met Gln As n Ser Leuをコードするヌクレオチドで開始する。TcbAはTcbAiiの前駆体タンパ ク質であると考えられる。tcbA 遺伝子、tcaB遺伝子及びtcaC遺伝子の関係 tcaB遺伝子及びtcaC遺伝子は近接してリンクしており、単一mRNAとして転写 し得る(実施例8)。tcbA遺伝子は、tcaBクラスター及びtcaCクラスターを宿し ているコスミドと明らかに重ならないコスミドで得られる。何となれば、夫々の ゲノムライブラリースクリーンが異なるコスミドを同定したからである。しかし ながら、tcbA遺伝子とのtcaB遺伝子及びtcaC遺伝子によりコードされたアミノ酸 配列の比較はかなりの相同性を明らかにする。アミノ酸保存(マックベクターTM 配列分析ソフトウェアのタンパク質アラインメントモード、スコアリングマトリ ックスpam250、ハッシュ値=2;Oxford Molecular Group,Campbell,CA)が図4 は相同性または保存アミノ酸変化を示し、また下カラット(v)は非相同性を示 す。 この分析は、残基1739から1894までのTcbAペプチドのアミノ酸配列がTcaBiペ プチドのアミノ酸441-603(TcaBの全627アミノ酸の162;配列番号28)に高度に相同 であることを示す。加えて、TcbAアミノ酸1932-2459の配列はペプチドTcaBiiの アミノ酸12-531(全562アミノ酸の520;配列番号30)に高度に相同である。TcbA ペプチド(配列番号12)が2505アミノ酸を含むことを考慮すると、それのC近位 末端にある合計684アミノ酸(27%)はTcaBiペプチドまたはTcaBiiペプチドに相同 であり、その相同性が椎定TcaBプレプロテイン(配列番号26)の配置に共直線状 に配置される。TcbA相同性中のサイザブル(sizeable)ギャップはTcaBプレプロテ インのTcaBi部分とTcaBii部分の間の結合と一致する。明らかに、TcbA遺伝子産 物及びTcaB遺伝子産物は進化的に関連し、それらがPhotorhabdus中で或る種の共 通の機能を共有することが提案される。実施例10 Photorhabdus ブロス中の亜鉛−メタロプロテアーゼの特性決定: プロテアーゼ抑制、分類、及び精製 プロテアーゼ抑制アッセイ及び分類アッセイ:基質として水に溶解したFITC- カゼイン(0.08%最終アッセイ濃度)を使用して、プロテアーゼアッセイを行っ た。タンパク質分解反応をPhotorhabdusブロス25μlを含む適当なバッファー中 で25℃で1時間行った(合計反応容積150μl)。また、サンプルをジチオスレイ トールの存在下及び不在下で分析した。インキュベーション後、等容積の12%の トリクロロ酢酸を添加して未消化のタンパク質を沈殿させた。0.5時間の沈殿及 びその後の遠心分離後に、上澄み100μlを96ウェル・マイクロタイタプレート に入れ、その溶液のpHを等容積の4NのNaOHの添加により調節した。次いで夫々48 5nm及び538nmの励起波長及び発光波長でフルオロスキャンIIフルオロメトリー・ プレートリーダーを使用してタンパク質分解を定量した。プロテアーゼ活性をpH 5.0-10.0の範囲で0.5単位の増分で試験した。下記のバッファーを50mMの最終濃 度で使用した:酢酸ナトリウム(pH5.0-6.5);トリス-HCl(pH7.0-8.0);及びビス− トリスプロパン(pH8.5-10.0)。観察された一種以上のプロテアーゼのクラスを 同定するために、粗ブロスを種々のプロテアーゼインヒビター(最終濃度0.5μg /μl)で処理し、次いで上記基質を使用してpH8.0でプロテアーゼ活性について 試験した。使用したプロテアーゼインヒビターはE-64(L−トランス−エポキシ サクシニルロイシルアミノ[4−,−グアニジノ]−ブタン)、3,4−ジクロ ロイソクマリン、ロイペプチン、ペプスタチン、アマスタチン、エチレンジアミ ンテトラ酢酸(EDTA)及び1,10フェナントロリンを含んでいた。 pH範囲にわたって行われたプロテアーゼアッセイは、実際に約8.0のpHで最大 活性を示す一種以上のプロテアーゼが存在することを明らかにした(表17)。DTT の添加はプロテアーゼ活性に影響しなかった。次いで粗ブロスを種々のプロテア ーゼインヒビターで処理した(表18)。上記インヒビターによる粗ブロスの処理 は1,10フェナントロリンが50μgの最終濃度で添加された時に全プロテアーゼ 活性の完全な抑制を生じることを明らかにした。IC50は2mg/mlの粗ブロス溶液1 00μl中5μgであった。これらのデータは、Photorhabdusブロス中に見られる 最も多い一種以上のプロテアーゼが酵素の亜鉛−メタロプロテアーゼクラスから のものであることを示す。 a Flu.単位=蛍光単位(最大=約28,000;バックグラウンド=約2200) b %はpH8.0における最大に対する活性である。a.修正Flu.単位=蛍光単位−バックグラウンド(2200 flu.単位) b.抑制%はpH8.0におけるプロテアーゼ活性に対するものである c.インヒビターをメタノールに溶解した。 d.インヒビターをDMSOに溶解した。 Photorhabdus毒素について実施例5に記載されたようにして透析された10-80 %の硫酸アンモニウムを50mMのNa2PO4、pH7.0で平衡にされたQセファロースカ ラムに適用することにより、亜鉛−メタロプロテアーゼの単離を行った。徹底的 な洗浄後に、0〜0.5MのNaCl勾配を使用して毒素タンパク質を溶離した。生物活 性及びタンパク質の大半を0.15〜0.45MのNaClで溶離した。しかしながら、タン パク質分解活性の大半が0.25-0.35MのNaClフラクション中に存在し、若干の活性 が0.15-0.35MのNaClフラクション中に存在することが観察された。0.25-0.35Mの NaClフラクションのSDS PAGE分析は約60kDaの主要ペプチドバンドを示した。0.1 5-0.25MのNaClフラクションは同様の60kDaのバンドを含んでいたが、低い相対タ ンパク質濃度であった。スペロース12HR 16/50カラムを使用するこのフラクショ ンのその後のゲル濾過はSDS PAGE分析により主として(合計の染色タンパク質の 90%より大)58.5kDaバンドを含む57.5kDaで移動する主要ピークを生じた。 上記の種々のプロテアーゼインヒビターを使用するこのフラクションの付加的な 分析により、プロテアーゼが亜鉛−メタロプロテアーゼであることが決定された 。醗酵1日目のPhotorhabdusブロス中に存在するプロテアーゼ活性の殆ど全てが 約58kDaの亜鉛−メタロプロテアーゼに相当した。 一種以上の亜鉛−メタロプロテアーゼの第二の単離において、3日間にわたっ て増殖されたW-14Photorhabdusブロスを採取し、Schmidt,T.M.,Bleakley,B.及 びNealson,K.M.1988に記載されたようにしてゼラチンと組み合わされたドデシ ル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を使用してプロ テアーゼ活性を視覚化した。SDSランニングゲル(5.5 x 8 cm)を、0.1%のゼラチ ン最終濃度(バイオラッドEIA銘柄試薬;RichmondCA)を水に溶解後に混入した12.5 %のポリアクリルアミド(アクリルアミド/ビス−アクリルアミドの40%原液; シグマ・ケミカル社,St.Louis,MO)でつくった。SDS-スタッキングゲル(1.0 x 8 cm)を0.1%のゼラチンとまた組み合わされた5%のポリアクリルアミドでつ くった。典型的には、試験すべきタンパク質2.5μgをジチオスレイトール(DTT )を含まないSDS-PAGE装填バッファー0.03ml中で希釈し、ゲルに装填した。タン パク質をSDSランニングバッファー(Laemmli,U.K.1970,Nature 227,680)中で0 ℃で8mAで電気泳動にかけた。電気泳動が完結した後、ゲルを2時間にわたって 2.5%(v/v)のトリトンX-100中で洗浄した。次いでゲルを1時間にわたって37℃ で0.1Mのグリシン(pH8.0)中でインキュベートした。インキュベーション後、ゲ ルを固定し、メタノール−酢酸−水(30:10:60、vol./vol./vol.;シグマ・ケミカ ル社)中0.1%のアミドブラックで一夜にわたって染色した。タンパク質分解及び その後の含ませておいたゼラチンの拡散による、暗色のアミドブラック染色され たバックグラウンドに対する明るい領域としてプロテアーゼ活性を視覚化した。 58kDa、41kDa、及び38kDaのタンパク質分解活性により生じた少なくとも三つの 異なるバンドが観察された。 W-14の3日培養ブロス中の異なるプロテアーゼの活性アッセイを、基質として の水に溶解されたFITC-カゼイン(0.02%の最終アッセイ濃度)を使用して行った 。タンパク質分解実験を37℃で0〜0.5時間にわたって0.1Mのトリス-HCl(pH8.0 )中で0.15mlの全容積中の種々のタンパク質フラクションで行った。反応を水に 溶 解された12%のトリクロロ酢酸(TCA)の等容積の添加により停止した。室温で0.2 5時間のインキュベーション後に、サンプルを10,000xgで0.25時間にわたって 遠心分離し、アリコート0.10mlを除去し、96ウェル・マイクロタイタプレートに 入れた。次いでその溶液を等容積の2Nの水酸化ナトリウムの添加により中和し、 続いて夫々485nm及び538nmの励起波長及び発光波長でフルオロスキャンIIフルオ ロメトリープレートリーダーを使用して定量した。FITC-カゼインを異なるプロ テアーゼ濃度で37℃で0〜10分間使用して、活性測定を行った。活性の単位を10 00の蛍光単位/分を生じるのに必要とされる酵素の量と任意に定義し、また比活 性をプロテアーゼ1mg当たりの単位と定義した。 2種の亜鉛−メタロプロテアーゼインヒビター;1,10フェナントロリン及び N−(a−ラムノピラノシルオキシヒドロキシホスフィニル)−Leu-Trp(ホス ホルアミドン)を使用して抑制研究を行い、夫々100%のエタノール及び水に溶 解したインヒビターの原液を使用した。原液濃度は典型的には1,10フェナント ロリン及びホスホルアミドンの夫々について10mg/ml及び5mg/mlであり、インヒ ビターの最終濃度は反応当たり0.5-1.0mg/mlであった。全ての亜鉛メタロプロテ アーゼのインヒビターである1,10フェナントロリンによる3日目のW-14粗ブロ スの処理は全てのプロテアーゼ活性の完全な排除をもたらし、一方、サーモリシ ン様プロテアーゼ(Weaver,L.H.,Kester,W.R.,及びMatthews,B.W.1977.J.Mol. Biol.114,119-132)のインヒビターであるホスホルアミドンによる処理はプロ テアーゼ活性の約56%低下をもたらした。残留タンパク質分解活性を追加のホス ホルアミドンで更に低下することができなかった。 3日目のW-14Photorhabdusブロスのプロテアーゼを以下のようにして精製した 。アミコンM-12濾過装置に取り付けられたアミコンらせん形限外濾過カートリッ ジ型S1Y100を使用して、ブロス4.0リットルを濃縮した。アミコンM-12濾過装置 に取り付けられたアミコンらせん形限外濾過カートリッジ型S1Y100を使用して、 サイズ100kDa未満の天然タンパク質を有するフロースルー物質(3.8L)を0.375Lに 濃縮した。濃縮物質は10-100kDaのサイズの範囲のタンパク質を含んでいた。こ の物質を、10mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)中で平衡にされたパーセ プチブ・バイオシステム(Framington,MA)ポロス50HQ強陰イオン交換パッキング を 詰め込まれたファーマシアHR16/10カラムにアプライした。タンパク質を5ml/分 の流量でカラムにアプライし、続いてA280=0.00まで未結合タンパク質を洗浄し た。その後、40分で0-1.0MのNaClのNaCl勾配を使用して7.5ml/分の流量でタンパ ク質を溶離した。フラクションを上記のようにしてプロテアーゼ活性について分 析し、活性フラクションをプールした。タンパク質分解活性フラクションを50% (v/v)の10mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)で希釈し、10mMのリン酸ナト リウムで平衡にされたファーマシアHR10/10 MonoQカラムにアプライした。カラ ムをA280=0.00までバッファーで洗浄した後、1時間にわたって0-0.5MのNaClのN aCl勾配を使用して2.0ml/分の流量でタンパク質を溶離した。フラクションをプ ロテアーゼ活性について分析した。最大量のホスホルアミドン感受性プロテアー ゼ活性を有するフラクションをプールした(ホスホルアミドン感受性活性は下記 のように41/38kDaのプロテアーゼのためである)。これらのフラクションは0.15- 0.25MのNaClの範囲で溶離することがわかった。また、優性のホスホルアミドン 非感受性プロテアーゼ活性を含むフラクション、58kDaのプロテアーゼをプール した。これらのフラクションは0.25-0.35MのNaClの範囲で溶離することがわかっ た。次いでホスホルアミドン感受性プロテアーゼフラクションを、ミリポア・ウ ルトラフリー-15遠心分離フィルター装置バイオマックス-5K NMWL膜を使用して0 .75mlの最終容積に濃縮した。この物質を、10mMのリン酸ナトリウムバッファー( pH7.0)/0.1MのNaCl中で平衡にされたファーマシア・セファデックスG-50で詰め 込まれたファーマシアHR10/30カラムに0.5ml/分の流量で適用した。次いで最高 のホスホルアミドン感受性プロテアーゼ活性を有するフラクションをプールし、 ミリポア・ウルトラフリー-15遠心分離フィルター装置バイオマックス-50KNMWL 膜で遠心分離した。上記のタンパク質分解活性分析は、この物質がホスホルアミ ドン感受性プロテアーゼ活性のみを有することを示した。ホスホルアミドン非感 受性プロテアーゼ、58kDaのタンパク質をプールし、続いてミリポア・ウルトラ フリー-15遠心分離フィルター装置バイオマックス-50K NMWL膜中で濃縮し、ファ ーマシア・スーパーデックス-75カラムで更に分離した。プロテアーゼを含むフ ラクションをプールした。 精製された58kDa及び41/38kDaの精製されたプロテアーゼの分析は、両方の 型のプロテアーゼが1,10フェナントロリンで完全に抑制されるが、41/38kDaの プロテアーゼのみがホスホルアミドンで抑制されることを明らかにした。粗ブロ スの更なる分析は、1日目のW-14ブロスのプロテアーゼ活性が41/38kDaのプロテ アーゼのために全プロテアーゼ活性の23%を有し、3日目のW-14ブロスで44%に 増大することを示した。 タンパク質純度を試験し、アミノ末端配列を得るための通常のSDS-PAGE分析を 、インテグレーテッド・セパレーション・システムズ(Natick,MA)から購入した 4-20%の勾配ミニプラス・セプラゲルズを使用して行った。アミノ末端配列決定 すべきタンパク質を下記の精製後にPVDF膜にブロットし(プロブロットTM膜;アプ ライド・バイオシステムズ,Foster City,CA)、0.1%のアミドブラックで視覚 化し、切除し、配列決定のためにケンブリッジ・プロケム(Cambridge,MA)に送 った。 3日経過したW-14ブロスからの58kDa(配列番号45)及び41/38kDa(配列番号44 )のプロテアーゼの推定アミノ末端配列は夫々DV-GSEKANEKLK(配列番号45)及 びDSGDDDKVTNTDIHR(配列番号44)であった。 41/38kDaのプロテアーゼの配列決定は幾つかのアミノ末端を明らかにし、夫々 の末端がタンパク質分解により除去される付加的なアミノ酸を有する。38kDa及 び41kDaのポリペプチドに関する一次配列、二次配列、三次配列及び四次配列を 検査すると先に示された配列を結論づけることができ、これらの2種のプロテア ーゼが相同であることを明らかにした。 実施例11、パートATcbA ペプチドをコードする遺伝子に関する抗体の使用によるPhotorhabdusゲノム ライブラリーのスクリーニング 上記配列決定と平行して、好適な探査及び配列決定をTcbAiiペプチド(配列番 号1)に基いて行った。上記実施例1及び2に記載されたようにしてバクテリア 培養ブロスを調製し、その毒素を精製することにより、この配列決定を行った。 ゲノムDNAをグレースの昆虫組織培地中で増殖したPhotorhabdus luminescens 株W-14から単離した。バクテリアを250mlの三角フラスコ中で28℃で250rpmで約2 4時間にわたって培地5ml中で増殖した。培地100mlからのバクテリア細胞を5000 xgで10分間にわたってペレットにした。上澄みを捨て、次いで細胞ペレットをゲ ノムDNA単離に使用した。 Ausubel(上記文献)の節2.4.3に記載されたCTAB方法の改良を使用して、ゲノム DNAを単離した。ステップ6中に「バクテリアゲノムDNAの大規模CsCl prep」と 題する節に従った。この時点で、付加的なクロロホルム/イソアミルアルコール (24:1)抽出を行い、続いてフェノール/クロロホルム/イソアミル(25:24:1)抽 出ステップ及び最後のクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)抽出を行った 。DNAを0.6容積のイソプロパノールの添加により沈殿させた。沈殿したDNAをフ ッキングし、曲げたガラス棒の端部のわまりに巻付け、最終洗浄液としての70% のエタノールに素早く浸漬し、TEバッファー3mlに溶解した。 280/260nmにおける光学密度により推定したDNA濃度は約2mg/mlであった。 このゲノムDNAを使用して、ライブラリーを調製した。ゲノムDNA約50μgをSa u3A1で部分消化した。次いでNaCl密度勾配遠心分離を使用して部分消化されたDN Aフラグメントをサイズ分別した。アガロースゲル電気泳動により測定して12kb 以上の平均サイズを有するDNAフラグメントを含むフラクションをプラスミドBlu Script(Stratagene,La Jolla,California)につなぎ、大脳菌DH5αまたはDHB10 株に形質転換した。 別に、そのタンパク質の精製アリコートをタンパク質に対するモノクローナル 抗体の産生のためにウィスコンシン大学(Madison)にあるバイオテクノロジーハ イブリドーマセンターに送った。送られた物質は65℃で変性された天然バンド1 及び2を含むHLPC精製フラクションであり、その20μgを4匹のマウスの夫々に 注射した。未免疫マウスからの脾臓細胞を安定なミエローマ細胞系と融合した後 、安定なモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞系を回収した。モノクロー ナル抗体をハイブリドーマから回収した。 別に、天然アガロースゲル精製バンド1(実施例1を参照のこと)を採取する ことによりポリクローナル抗体を生じ、次いでそのタンパク質を使用してニュー ジーランド白ウサギを免疫した。バンドを非変性アガロースゲルから切除し、ゲ ル片を65℃に素早く加熱してアガロースを融解し、アジュバントで直ちに乳化す ることによりタンパク質を調製した。フロイント完全アジュバントを一次免疫化 に使用し、フロイント不完全を1ケ月間隔で3回の追加の注射に使用した。夫々 の注射について、タンパク質50〜100マイクログラムを含む乳化バンド1約0.2ml を多皮下注射によりウサギの背中に送出した。最初の注射の10日後に血清を得、 追加の採血を3週間にわたって毎週行った。血清補体を56℃で15分間加熱するこ とにより不活化し、次いで-20℃で貯蔵した。 次いでモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を使用して、エピトープに より検出し得る抗原の発現についてゲノムライブラリーをスクリーニングした。 陽性クローンをニトロセルロースフィルターコロニーリフトで検出した。陽性ク ローンのイムノブロット分析を試みた。 イムノブロット及びサザン分析の両方により特定されたクローンの分析により クローンの4つのゲノム領域が仮定的に同定された。 第1の領域は、ここでTcbAiiと称されるペプチドをコードする遺伝子であった 。この遺伝子の完全DNA配列(TcbA)を得た。それが配列番号11として示される。 その配列が配列番号1の内部配列をコードするという確認は、配列番号11のオー プンリーディングフレームにより生じた推定アミノ酸配列からアミノ酸番号88に ある配列番号1の存在により実証される。これは配列番号12を参照することによ り確認でき、これは配列番号11により生じた推定アミノ酸配列である。 毒素ペプチドの第二の漁期TcaBi、TcaBii及びTcaCと上記されたセグメントを 含む。ポリクローナル抗血清によるライブラリーのスクリーニング後に、毒素遺 伝子のこの第二領域を異なるサイズのタンパク質を産生する幾つかのクローンに より同定し、これらの全てがイムノブロットでポリクローナル抗体と交差反応し 、またサザンブロットでDNA相同性を共有することがわかった。配列比較は、そ れらが上記TcaB及びTcaCと称される遺伝子複合体に属することを明らかにした。 また、抗体毒素クローンのその他の領域をポリクローナルスクリーンで単離し た。これらの領域はポリクローナル抗体と交差反応するタンパク質を産生し、ま たサザンブロッティングにより測定されるようにこれらの領域とDNA相同性を共 有した。このように、Photorhabdus luminescens細胞外タンパク質遺伝子は進化 的に関連している遺伝子のファミリーを表すようにみえる。 この生物中に含まれる毒素ペプチドに進化的に関連する変化があり得るという 概念を更に押し進めるために、二つのアプローチを試みて関連タンパク質の存在 についてPhotorhabdus.luminescensのその他の株を試験した。これをゲノムDNA のPCR増幅並びにポリクローナル抗体及び及びモノクローナル抗体を使用するイ ムノブロット分析の両方により行った。 結果は、関連タンパク質がPhotorhabdus luminescens株WX-2、WX-3、WX-4、WX -5、WX-6、WX-7、WX-8、WX-11、WX-12、WX-15及びW-14により産生されることを 示す。 実施例11、パートB tcc 毒素クローンの配列及び分析 更なるDNA配列決定を実施例11、パートAに記載され大腸菌クローンの第3領 域のヌクレオチド配列により、このゲノム遺伝子座における3つの密接にリンク したオープンリーディングフレームであることが示された。この遺伝子座をtcc と称し、tccA配列番号56、tccB配列番号58及びtccC配列番号60と称する3つのオ ープンリーディングフレームを含んでいる。これらのオープンリーディングフレ ーム間の密接なリンケージは配列番号56(93塩基がtccAの停止コドンとtccbの開 始コドン(配列番号56の塩基番号2992-2994)を隔てている)を調べることによ り、および、配列番号58(131塩基がtccBの停止コドンとtccC(配列番号58の塩 基番号4930-4932)を隔てている)を調べることによって明らかになる。物理マ ップを図6Bに示した。 tccAオープンリーディングフレームからの推定アミノ酸は、その遺伝子が105 ,459Daのタンパク質をコードすることを示す。このタンパク質をTccAと称した 。このタンパク質の最初の12アミノ酸は、毒素複合体の一部として先に同定され た、108kDaのタンパク質から得られたN-末端配列、配列番号8と適合する。 tccBオープンリーディングフレームからの推定アミノ酸は、この遺伝子が175 ,716Daのタンパク質をコードすることを示す。このタンパク質をTccBと名付け た(配列番号59)。このタンパク質の最初の11アミノ酸は、185kDaの推定分子量 を有するタンパク質から得られたN-末端配列、配列番号7と適合する。類似性 解 析により、TccBタンパク質は以下のタンパク質と関連することが明らかになった ;TcbA配列番号12として同定されたタンパク質;類似性37%、同一性28%、TcdA 配列番号47;類似性35%、同一性28%、およびTcaB配列番号26;類似性32%、同 一性26%である(GAPアルゴリズム、WinsconsinパッケージVer.9.0、Genetics C omputer Group(GCG)Madiosn Wisconsinを使用)。 tccCの推定アミノ酸配列は、このオープンリーディングフレームが111,694Da のタンパク質をコードすることを示し、そのタンパク質産物をTccCと名付けた( 配列番号61)。 実施例12 Photorhabdus 株の特性決定 本明細書に記載されたコレクションがPhotorhabdus株を含むことを証明するた めに、これらの株をPhotorhabdusの特徴であり、かつそれをその他のエンテロバ クター及びゼノラブダス(Xenorhabdus)spp.(Farmer,J.J.1984.Bergey's Manual of Systemic Bacteriology,1巻,510-511頁(Kreig N.R.及びHolt,J.G.編集) .Williams&Wilkins,Baltimore.;Akhurst及びBoemare,1988,Boemareら,1993 )から区別すると認識されている微生物学的形質に関して評価した。これらの特 徴的な形質は以下のとおりである。グラム染色陰性ロッド、幅0.5-2μm及び長 さ2-10μmの生物サイズ、赤色/黄色のコロニー着色、結晶性封入体の存在、カ タラーゼの存在、硝酸塩を還元できないこと、生物発光の存在、成長培地から色 素を吸収できること、プロテアーゼ産生について陽性、37℃未満の成長温度範囲 、嫌気性条件下の生存及び積極的な運動(表20)。基準の大腸菌株、ゼノラブダ ス株及びPhotorhabdus株を比較のために全ての試験に入れた。総合的な結果は、 全ての株がエンテロバクター及びPhotorhabdus属の一部であることと合致する。 ルミノメーターを使用して夫々の株の生物発光を証明し、発色の定量的かつ相 対的測定を得た。相対的な発光単位の測定について、夫々の株からのブロス(細 胞及び培地)を培養液中の接種後の三つの時間間隔(6、12、及び24時間)で測 定し、バックグラウンド発光(未接種の培地及び水)と比較した。種々のブロス からの発光の測定の前に、シパー(sipper)セルを使用するギルフォード・システ ムズ(Ob-erlin,OH)スペクトロメーター中で吸光度(560nM)を測定することによ り細胞密度を確かめた。次いで発光を測定する前に適当な希釈を行った(光学密 度を1.0単位に基準化するため)。次いで希釈したブロスのアリコートをキュベ ット(夫々300μl)に入れ、バイオーオービット1251ルミノメーター(Bio-Orbit Oy,Twiku,Finland)中で読み取った。夫々のサンプルに関する組込み時間は45 秒であった。読み取り中、サンプルを常に撹拌(じゃま板付きキュベット中で回 転させた)し、酸素を供給した。陽性試験結果をバックグラウンドルミネセンス の5倍以上(約5−10単位)であると決めた。加えて、コロニー発光を写真フィ ルムオーバーレイで検出し、暗室中の適合後に目視で検出した。夫々の株のグラ ム染色特性を、グラム染色コントロールスライド(フィッシャー・サイエンティ フィック,pitts-burgh,PA)と一緒に使用した市販のグラム染色キット(BBL,Co ckeysville,MD)で確かめた。次いでツァイス顕微鏡(Carl Zeiss,Germany)100X オイル浸漬対物レンズ(10X接眼倍率及び2X本体倍率)を使用して顕微鏡評価を行 った。生物サイズ、細胞の記載及び封入体(対数期増殖後の封入体)に関する個 々の株の顕微鏡試験を、オイル浸漬による湿潤取付けスライド(10X接眼倍率、2 X本体倍率及び40X対物倍率)及びマイクロメーターを含む位相差顕微鏡(Akhurst ,R.J.及びBoemare,N.E. 1990.Entomopathogenic Nematodes in Biological Co ntrol (Gaugler,R.及びKaya,H.編集).75-90頁.CRC Press,Boca Raton,USA .;Baghdi-guian S.,Boyer-GiglioM.H.,Thaler,J.O.,Bonnot G.,Boemare,N .1993.Biol.Cell 79,177-185)を使用して行った。コロニー着色をラベル指 示により調製されたバクト栄養寒天(Difco Laboratories,Detroit,MI)に接種 後に観察した。インキュベーションを28℃で行ない、5−7日後に輪郭を生じた 。酵素カタラーゼの存在について試験するために、試験生物のコロニーを栄養寒 天プレートから小さいプラグで除去し、ガラス試験管の底部に入れた。家庭用過 酸化水素溶液1mlを管の側面に沿って穏やかに添加した。気泡(推定上、酸素) が直ちにまたは5秒以内に現れた時に陽性として記録した。また、未接種栄養寒 天及び過酸化水素溶液の対照を試験した。硝酸塩還元について試験するために、 夫々の培養物をバクトニトレートブロス[Difco Laboratories,Detroit,MI]1 0mlに接種した。28℃で24時間のインキュベーション後に、亜硝酸塩生成を 2滴のスルファニル酸試薬及び2滴のα−ナフチルアミン試薬の添加により試験 した(ジフコ・マニアル、第10編、Difco Laboratories,Detroit,MI,1984を 参照のこと)。明瞭なピンク色または赤色の発生が硝酸塩からの亜硝酸塩の生成 を示す。成長培地から色素を吸収する夫々の株の能力を色素ニュートラル・レッ ドを含むバクト・マッコンキィ寒天;色素ブロモチモール・ブルーを含むバクト ・タージトール−7寒天及び色素エオシン−Yを含むバクトEMB寒天(Difco Lab oratories,Detroit,MIからの寒天、全てをラベル指示に従って調製した)で試 験した。これらの培地への接種後に、色素吸収を28℃で5日のインキュベーショ ン後に記録した。これらの後者の培地における成長がエンテロバクターのメンバ ーに特徴的である。夫々の株の運動性を、ラベル指示に従って調製されたバクト 運動性試験培地(Difco Laboratories,Detroit,MI)の溶液を使用して試験し た。バット−スタブ(butt-Stab)接種を夫々の株を用いて行い、運動性を接種物 のラインから広がる成長の拡散ゾーンにより巨視的に判断した。多くの場合、運 動性をまた湿潤取付けスライドのもとに培養液から顕微鏡で観察した。夫々の株 に関する生化学的栄養評価を、BBLエンテロチューブII(ベントン、ディキンソ ン、ドイツ)を使用して行った。インキュベーションを28℃で5日おこなった以 外は製品指示に従った。結果はPhotorhabdusに関する先の引用論文と一致した。 プロテアーゼの産生を、ラベル指示に従ってつくられたバクトゼラチン(Difco Laboratories,Detroit,MI)プレートを使用してゼラチンの加水分解を観察する ことにより試験した。培養物を接種し、プレートを28℃で5日間インキュベート した。異なる温度における成長を評価するために、寒天プレート[脱イオン水中 2%のバクト寒天(ジフコ、Detroit,MI)を含む2%のプロテオースペプトン #3]を接種物の共通の源からストリークした。プレートをネスコ・フィルムで シールし、3週間までにわたって20℃、28℃及び37℃でインキュベートした。37 ℃で成長を示さないプレートは28℃のインキュベーターに1週間移した後に生存 細胞を示さなかった。Photorhabdus株に関する酸素要求を下記の方法で試験した 。流動チオグリコレートブロス培地(ジフコ、Detroit,MI)へのバット−スタブ 接種を行った。チューブを室温で1週間インキュベートし、次いで培養物を成長 の型及び程度について試験した。指示薬レサズリンは培地酸化のレベルまた は好気生活ゾーンを示す(ジフコ・マニュアル、第10編、Difco Laboratories,D etroit,MI)。試験したPhotorhabdus株について得られた成長ゾーン結果は条件 的嫌気性微生物の結果と一致した。 *-A=グラム染色、B=結晶性封入体、C=生物luminescens、D=細胞形態、 E=運動性、F=硝酸塩還元、G=カタラーゼの存在、H=ゼラチン加水分解、 I=色素取り込み、J=着色、K=EMB寒天における成長、L=マッコンキィ寒 天における成長、M=タージトール−7寒天における成長、N=条件的嫌気性、 O=20℃における成長、P=28℃における成長、Q=37℃における成長、†−+/ -=特性について陽性または陰性、rd=桿状、S=属デスクリプタ内のサイズ、RO= 赤色−オレンジ、LR=明るい赤色、R=赤色、O=オレンジ、Y=黄色、T=褐色、LY=明 るい黄色、YT=黄褐色、及びLO=明るいオレンジ 細胞脂肪酸分析は属レベル及び種レベルでバクテリア特性決定について認めら れた手段であり(Tornabene,T.G.1985.Lipid Analysis and the Relationship to Chemotaxonomy in Methods in Microbiology ,18巻,209-234.;Goodfellow ,M.及び0’Donnell,A.G.1993.Roots of Bacterial Systematics in Handbook of New Bacterial Systematics (Goodfellow,M.及び0’Donnell,A.G.編集)3 -54頁London:Academic Press Ltd.)(これらの文献が参考として本明細書に含ま れる)、これらを使用して本発明者らのコレクションが属レベルで関連すること を確かめた。培養物を、微生物ID(MIDI,Newark,DE,USA)微生物同定系(MIS)を 使用する脂肪酸メチルエステル分析(FAME)のために外部の契約研究所に輸送した 。MIS系は25mm x 0.2mmの5%のメチルフェニルシリコーン石英シリカキャピラ リーカラムを備えたヒューレット・パッカードHP5890Aガスクロマトグラフから なる。水素をキャリヤーガスとして使用し、炎イオン化検出器が自動サンプラー 、インテグレーター及びコンピューターと協力して機能する。コンピューターは サンプル脂肪酸メチルエステルを微生物脂肪酸ライブラリー及び既知脂肪酸の較 正 混合物と比較する。契約研究所により選択されたように、株を分析の前にトリプ チカーゼ大豆寒天で28℃で24時間増殖した。サンプルの抽出を通常のFAME方法に 従って契約研究所により行った。Photorhabdus以外のluminescensバクテリアグ ループについて株の直接の同定がなかった。クラスター分析(これは単離物のグ ループの脂肪酸プロフィールを比較する)を行った時、株脂肪酸プロフィールが 属レベルで関連していた。 本発明者らのコレクション中のPhotorhabdus株の進化上の多様性を、夫々の株 からのゲノムDNAを使用してPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)媒介ゲノムフィンガー プリンティングの分析により測定した。この技術は種々のバクテリア種のゲノム 中に存在する反復DNA配列のファミリーに基いている(Versalovic,J.,Schneider ,M.,DE Bruijn,F.J.及びLupski,J.R.1994.Methods Mol.Cell.Biol.,5,25- 40に概説されている)。これらの三つ、反復遺伝子外パリンドーム配列(REP)、 腸内細菌の反復遺伝子内コンセンサス(ERIC)及びBOX要素がバクテリアゲノムの 編成に重要な役割を果たすものと考えられる。ゲノム編成は選択により形成され るものと考えられ、密接に関連するバクテリア株のゲノム内のこれらの要素の差 別的な分散がこれらの株を区別するのに使用し得る(例えば、Louws,F.J.,Fulb right,D.W.,Stephens,C.T.及びDE Bruijn,F.J.1994.Appl.Environ.Micro.6 0,2286-2295.)。Rep-PCRはこれらの反復配列に相補性のオリゴヌクレオチドプ ライマーを使用してそれらの間にある可変サイズのDNAフラグメントを増幅する 。得られた産物を電気泳動により分離して夫々の株についてDNA「フィンガープ リント」を確立する。 本発明者らの株からゲノムDNAを単離するために、細胞ぺレットをTEバッファ ー(10mMのトリス-HCl、1mMのEDTA、pH8.0)中で最終容積10mlに再度懸濁させ、次 いで5MのNaCl 12mlを添加した。この混合物を15,000xgで20分間遠心分離した 。得られるぺレットをTE5.7ml中で再度懸濁させ、10%のSDS 300μl及び20mg/m lのプロテイナーゼK(ギブコBRLプロダクツ,Grand Island,NY)60μlを添加し た。この混合物を37℃で1時間インキュベートし、次いでリゾチーム約10mgを添 加し、その混合物を更に45分間インキュベートした。次いで5MのNaCl1ml及びCT AB/NaCl溶液(10% w/vのCTAB、0.7MのNaCl)800μlを添加し、その混合物を 65℃で10分間にわたって穏やかに攪拌してインキュベートし、次いで更に20分間 にわたってインキュベートし、攪拌して細胞物質の透明化を助けた。等容積のク ロロホルム/イソアミルアルコール溶液(24:1、v/v)を添加し、穏やかに混合し 、次いで遠心分離した。次いで2回の抽出を等容積のフェノール/クロロホルム /イソアミルアルコール(50:49:1)を用いて行った。ゲノムDNAを0.6容積のイソ プロパノールで沈殿させた。沈殿したDNAをガラス棒で除去し、70%のエタノー ルで2回洗浄し、乾燥させ、STE(10mMのトリス-HCl、pH8.0、10mMのNaCl、1mMの EDTA)2mlに溶解した。次いでDNAを260nmにおける光学密度により定量した。Phot orhabdusゲノムDNAのrep-PCR分析を行うために、下記のプライマーを使用した。 REP1R-I;5’-IIIICGICGICATCIGGC-3’及びREP2-I;5’-ICGICTTATCIGGCCTAC-3 ’。下記の25μlの反応液を使用してPCRを行った。7.75μlのH2O、2.5μlの1 0X LAバッファー(パンベラ・コーポレーション,Madison,WI)、16μlのdNTP 混合物(夫々2.5mM)、1μlの夫々のプライマー(50pM/μl)、1μlのDMSO、1. 5μlのゲノムDNA(0.075-0.480μg/μlの範囲の濃度)及び0.25μlのタカラE X Taq(パンベラ・コーポレーション,Madison,WI)。下記の条件を使用してPCR 増幅をパーキン・エルマーDNAサーマル・サイクラー(Norwalk,CT)中で行った。 95℃/7分、次いで94℃/1分、44℃/1分、65℃/8分を35サイクル、続いて 65℃で15分。サイクル後に、反応液25μlを6Xゲル装填バッファー(H2O中0.25 %のブロモフェノールブルー、40%w/vの蔗糖)5μlに添加した。次いで15x20 cmの1%アガロースゲルを、夫々の反応液8μlを使用してTBEバッファー(0.09 Mのトリスーボレート、0.002MのEDTA)中で実験した。ゲルを45vで約16時間実験 した。次いでゲルを20μg/mlの臭化エチジウム中で1時間にわたって染色し、T BEバッファー中で約3時間にわたって脱色した。次いでゲルのポラロイド写真を UV照明下で撮影した。 夫々の株に関する特定サイズのバンドの存在または不在を写真からスコアに付 け、数値分類学ソフトウェアプログラム、NTSYS-pc(エクセター・ソフトウェア 、Setauket,NY)に類似性マトリックスとして入力した。同時に評価した大腸菌 株HB101及びキサントモナス・オリザエpv.オリザエ(Xanthomonas oryzae pv.o- ryzae)の対照は公表された論文(Versalovic,J.,Koeuth,T.及びLupski,J.R.1991 . Nucleic Acids Res.19,6823-6831;Vera Cruz,C.M.,Halda-Alija,L.,Louws, F.,Skinner,D.Z.,George,M.L.,Nelson,R.J.,DE Bruijn,F.J.,Rice,C.及び Leach,J.E.1995.Int.Rice Res.Notes,20,23-24;Vera Cruz,C.M.,Ardales,E .Y.,Skinner,D.Z.,Talag,J.,Nelson,R.J.,Louws,F.J.,Leung,H.,Mew,T.W. 及びLeach,J.E.1996.Phytopathology(夫々、印刷中))に一致するPCR「フィン ガープリント」を生じた。次いでPhotorhabdus株からのデータをNTSYS-pc内の一 連のプログラム;SIMQUAL(定性データに関する類似性)で分析して類似性係数( ジャカード係数を使用する)及びSAHN(連続的、集団的、階層的かつ入れ子(Nest ed))クラスタリング[UPGMA(算術平均による非加重ペア−グループ方法)方法を 使用する]のマトリックス(これは関連株をグルーピングし、フェノグラム(図 5)として表し得る)を生じた。COPH(コフェネチック(cophenetic)値)プログ ラム及びMXCOMP(マトリックス比較)プログラムを使用してコフェネチック値マ トリックスを生じ、これとクラスタリングが基いている元のマトリックスの間の 相関関係を比較した。この結果正規化マンテル統計値(r)が得られ、これはクラ スター分析の適合度の目安である(r=0.8-0.9は非常に良好な適合を表す)。本発 明者らの場合、rは0.919である。それ故、本発明者らのコレクションはPhotorh abdus属の代表的な容易に区別できる株の多様なグループを含む。 実施例13 種々のPhotorhabdus株により産生された毒素の殺虫性効用 種々のPhotorhabdus株の初期の「種」培養物を、カプット(Kaput)で覆われた デロング(Delong)口を有する500mlリバッフルフラスコ(tribaffled flask)中 2%のプロテオースペプト・ン#3(PPS)(Difco Laboratories、Detroit,MI)液 体培地175mlに種々の初代サブクローンを接種することにより作製した。夫々の 種培養の接種物はオイル−オーバーレイ寒天スラント培養物またはプレート培養 物に由来した。接種後に、これらのフラスコをロータリー・シェーカーで16時間 にわたって28℃で150rpmでインキュベートした。次いでこれらの種培養物を夫々 の株の所定の醗酵のための一様な接種源として使用した。更に、後対数期の種培 養物を無菌ミネラルオイルでオーバーレイし、さらに再懸濁するために無菌 マグネチック攪拌棒を加え、培養物を暗所で室温で貯蔵して、毒素応答状態で接 種物の長期保存を得た。生産ブロスを、新しい2%のPP3培地に1%の活発に成 長している種培養物(例えば、新しい培地175ml当たり1.75ml)を添加することに より接種した。ブロスの生産は500mlのトリバッフルフラスコ(上記を参照のこ と)、またはシリコンフォームクロージャーで覆われた2800mlの凸形底部のバッ フルフラスコ(体積500ml)中で行なった。生産フラスコを上記条件下で24〜48時 間インキュベートした。インキュベーション後に、ブロスを無菌の1Lのポリエ チレンびんに分配し、10℃で1時間にわたって2600x gで回転させ、細胞及びデ ブリペレットからデカントした。次いで液体ブロスをワッマンGF/D(2.7μMリテ ンション)及びGF/B(1.0μMリテンション)ガラスフィルターにより真空濾過 してデブリを除去した。更なるブロス浄化を、0.5μMのオープン−チャンネル フィルターを使用して接線方向の流れの微量濾過装置(Pall Filtron、Northboro -ugh,MA)で得た。必要な場合、付加的な浄化を、ブロスを(4℃に)冷却し、 数時間にわたって2600x gで遠心分離することにより得ることができた。これら の操作後に、0.2μMのニトロセルロース膜フィルターを使用してブロスをフィ ルター滅菌した。次いで無菌ブロスを生物学的アッセイ、生化学的分析に直接使 用し、または10,000MWカット−オフのM12限外濾過装置(アミコン,Beverly MA) または10,000MW細孔サイズを有する遠心分離濃縮機(ミリポア,Bedford,MA及び ポール・フィルトロン、Northborough,MA)を使用して(15倍まで)濃縮した。 遠心分離濃縮機の場合、ブロスを約2時間にわたって2000x gで回転させた。10, 000MWの透過物を対応する濃縮物に添加して10,000MWより大きい成分の所望の濃 縮を得た。処理されたブロスサンプルの熱不活化を、サンプルを10分間にわたっ て砂充填加熱ブロック中で100℃で加熱することにより得た。 種々のPhotorhabdus株からの一種以上のブロス及び一種以上の毒素複合体は昆 虫の個体数を減少するのに有益であり、昆虫の居場所に昆虫不活化に有効な量の 記載された活性物質を適用することを含む昆虫個体数の抑制方法に使用された。 上記のようにして醗酵されたPhotorhabdus株の選択されたグループのブロスから 観察された殺虫活性の幅の実証が表20に示される。更なる殺虫活性はブロスの増 大された濃度により、または異なる醗酵方法を使用することによりこれらの株で 検出し得ることが可能である。タンパク質と関連する活性と一致して、試験した 全ての株の殺虫活性は熱不安定であった(上記を参照のこと)。 種々のPhotorhabdus株からの一種以上の培養ブロスは多数の昆虫に対し異なる 殺虫活性(死亡率及び/または成長抑制、減少された成体発生)を示す。更に詳 しくは、その活性はコーン・ルートワーム(corn rootworm)幼虫及びワタミゾウ ムシ(boll weevil)幼虫(これらは昆虫目コレオプテラ(Coleoptera)のメンバー である)に対して見られる。コレオプテラのその他のメンバーとして、コメツキ ムシ幼虫、花粉甲虫、ノミハムシ、種子甲虫及びコロラド・ジャガイモ・甲虫が 挙げられる。また、活性がアスター・リーフホッパー(aster leafhopper)及びコ ーン・プラント・ホッパー(corn plant hopper)に対し観察され、これらはホモ プテラ(Homoptera)目のメンバーである。ホモプテラのその他のメンバーとして 、プラントホッパー(planthopper)、ピア・プシラ(pear psylla)、アップル・サ ッカー(apple sucker)、カイガラムシ、コナジラミ、スピトル・バグ(spittlebu gs)並びに多数の宿主特異性アリマキ種が挙げられる。また、ブロス及び精製毒 素複合体はタバコハマキガ(tabacco budworm)、タバコ・ホーンワーム(hornwor m)及びアワノメイガ(European corn bo-rer)(これらはレピドプテラ(Lepidopter a)目のメンバーである)に対し活性である。この目のその他の典型的な員はシロ イチモンジヨトウガの幼虫(beet armyworm)、イラクサキンウワバ(cabbageloope r)、タマナヤガ(black cutworm)、オオタバコガの幼虫(corn earworm)、シンク イガ(codling moth)、イガ、インディアン・ミールモス(Indian mealmoth)、ハ マキムシ、アオムシ、ワタオオタバコガの幼虫(cotton bollworm)、ミノムシ、 イースタン・テント・キャタピラー(Eastern tent caterpillar)、ソッド・ウェ ブワーム(sod webworm)及びアメリカ産行列毛虫(fall armyworm)である。また 、活性がショウジョウバエ幼虫及び蚊幼虫(これらはジプテラ目の一員である) に対して見られる。ジプテラ目のその他のメンバーはピー・ミッジ(pea midge) 、キャロット・フライ(carrot fly)、キャベツ・ルート・フライ(cabbage root fly)、カブ・ルート・フライ(turnip root fly)、タマネギ・フライ(onion fly) 、ガガンボ及びイエバエ並びに種々の蚊種である。また、一種以上のブロス及び 一種以上の毒素複合体による活性が2斑点クモダニに対して見られ、これはアカ リ ナ(Acarina)目の一員であり、これはストロベリークモダニ、ブロードマイト(br oad mites)、ミカンハダニ(Citrus red mite)、リンゴハダニ(European red mit e)、ピアー・ラスト・マイト(pear rust mite)及びトマト・ラセット・マイト(t omato russet mite)を含む。 コーン・ルートワーム幼虫に対する活性を以下のようにして試験した。一種以 上のPhotorhabdus培養ブロス(0-15倍に濃縮、フィルター滅菌)、2%のプロテ オースペプトン#3、一種以上の精製毒素複合体[0.23mg/ml]または10mMのリン 酸ナトリウムバッファー、pH7.0を40μlのアリコート中の人工餌(Rose,R.I.及 びMcCabe,J.M.(1973).J.Econ.Entomol.66,(398-400))の表面(約1.5cm2)に直 接適用した。毒素複合体を10mMのリン酸ナトリウムバッファー、pH7.0中で希釈 した。餌プレートを無菌フロー−フード中で空気乾燥させ、ウェルに表面滅菌卵 から卿化された単一の新生ジアブロチカ・ウンデシムパンクタータ・ホワルデイ (Diabrotica undecimpunctata howardi)(サザン・コーン・ルートワーム(Sout-h ern corn rootworm,SCR))を発生させた。プレートをシールし、保湿成長チャン バーに入れ、適当な期間(3〜5日)にわたって27℃に保った。次いで死亡率及 び幼虫重量測定をスコアにつけた。一般に、処理当たり16匹の昆虫を全ての研究 に使用した。対照死亡率は一般に5%末満であった。 ワタミゾウムシ(アントモナス・グランジス(Anthomonas grandis))に対する 活性を以下のようにして試験した。濃縮(1〜10倍)Photorhabdusブロス、対照 培地(2%のプロテオースペプトン#3)、一種以上の精製毒素複合体[0.23mg /ml]または10mMのリン酸ナトリウムバッファー、pH7.0を60μlのアリコート中 で人工餌(ストーンビル・イエロー・レピドプテラン(Stoneville Yellowlepido pteran)食)0.35gの表面に適用し、乾燥させた。単一の12〜24時間のワタミゾウ ムシ幼虫を食事に入れ、ウェルをシールし、25℃で50%RHで5日間保った。次い で死亡率及び幼虫重量を評価した。対照死亡率は0〜13%の範囲であった。 蚊幼虫に対する活性を以下のようにして試験した。そのアッセイを96ウェル・ ミクロタイタプレート中で行った。夫々のウェルは200μlの水溶液(10倍濃縮 した一種以上のPhotorhabdus培養ブロス、対照培地(2%のプロテオースペプト ン#3)、10mMのリン酸ナトリウムバッファー、一種以上の毒素複合体0.23mg/m l またはH2O)及び約20匹の生後1日の幼虫(アエデス・アエギプチ(Aedes aegy-p ti))を含んでいた。処理当たり6のウェルがあった。結果を発生後3〜4日に 読み取った。対照死亡率は0〜20%であった。 ショウジョウバエ(fruitfly)に対する活性を以下のようにして試験した。50% の乾燥培地及び50%の水、対照培地(2%のプロテオースペプトン#3)、10倍 に濃縮した一種以上のPhotorhabdus培養ブロス、一種以上の精製毒素複合体[0. 23mg/ml]または10mMのリン酸ナトリウムバッファー、pH7.0を使用して、購入し たドロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melanogaster)培地を調製した。 乾燥培地4.0mlを処理当たり3個の育成バイアルの夫々に入れ、適当な液体4.0ml を添加することによりこれを行った。次いで10匹の後期虫齢のドロソフィラ・メ ラノガスターうじを夫々25mlのバイアルに加えた。バイアルを蛍光天井ライトの もとに室温で実験ベンチで保持した。さなぎまたは成体カウントを露出の15日後 に行った。成体発生を水及び対照培地と比較した(0〜16%の減少)。 アスター・リーフホッパー成体(マクロステルス・セベリニ(Macrosteles se- verini))及びコーン・プラントホッパー若虫(ペレグリヌス・マイジス(Peregr- inus maidis))に対する活性を、その他の外部接触なしに活性物質の摂取を可能 にするように設計した摂取アッセイで試験した。活性物質/「飼料」溶液の溜を 35X10mmのペトリ皿の底部の中央に2つの孔をつくることによりつくる。2イン チのパラフィルムM正方形を皿の上部を横切って置き、「O」リングで固定する 。次いで1オンスのプラスチックカップに約7匹のホッパーを発生させ、溜をカ ップの上にパラフィルムを下にして置く。次いで試験液を孔を通って溜に添加す る。10倍濃縮した一種以上のPhotorhabdus培養ブロスを使用する試験において、 ブロス及び対照培地(2%のプロテオースペプトン#3)を10mMのリン酸ナトリ ウムバッファー、pH7.0に対して透析し、蔗糖(5%まで)を得られる溶液に添 加して対照死亡率を低下させた。また、一種以上の精製毒素複合体[0.23mg/ml ]または10mMのリン酸ナトリウムバッファー、pH7.0も試験した。死亡率を3日 目に報告する。アッセイを16/8光期間で28℃、70%RHでインキュベーター中に保 った。アッセイを72時間で死亡率について等級付けした。対照死亡率は6%未満 であった。 レピドプテラン幼虫に対する活性を以下のようにして試験した。一種以上の濃 縮(10倍)Photorhabdus培養ブロス、対照培地(2%のプロテオースペプトン#3 )、一種以上の精製毒素複合体[0.23mg/ml]または10mMのリン酸ナトリウムバ ッファー、pH7.0を40μlのアリコート中で通常の人工レピドプテラン飼料(ス トーンビル・イエロー飼料)の表面(約1.5cm2)に直接適用した。餌プレートを 無菌フロー−フード中で空気乾燥させ、単一の新生幼虫を発生させた。アワノメ イガ(オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis))及びタバコ・ホーンワ ーム(マンジュカ・セクスタ(Manduca sexta))を市販源から入手し、ハウス内で 孵化し、一方、タバコハマキガ(ヘリオジス・ビレセンス(Heliothis virescens ))幼虫を内部で供給した。幼虫を発生させた後、飼料プレートをシールし、保 湿成長チャンバーに入れ、適当な期間にわたって27℃で暗所に保った。死亡率及 び体重測定を5日目にスコアにつけた。一般に、処理当たり16匹の昆虫を全ての 研究に使用した。対照死亡率は対照培地について一般に4〜12.5%の範囲であり 、リン酸バッファーについて10%未満であった。 2斑点クモダニ(テトラニカス・ウルチカエ(Tetranychus urticae))に対する 活性を以下のようにして試験した。若いカボチャ植物を単一子葉にトリミングし 、一種以上の10倍濃縮ブロス、対照培地(2%のプロテオースペプトン#3)、 一種以上の精製毒素複合体、10mMのリン酸ナトリウムバッファー、pH7.0で噴霧 して流下させた。乾燥後、植物にクモダニの混合集団を発生させ、72時間にわた って実験温度及び湿度に保った。次いで生存ダニをカウントして防除のレベルを 測定した。 * =対照に対し25%以上の死亡率及び/または成長抑制 **=1;タバコハマキガ、2;アワノメイガ、3;タバコ・ホーンワーム、4; サザン・コーン・ルートワーム、5;ワタミゾウムシ、6;蚊、7;ショウジョ ウバエ、8;アスター・リーフホッパー、9;コーン・プラントホッパー、10; 2斑点クモダニ 実施例14 非W-14Photorhabdus株: 精製、特性決定及び活性スペクトル 精製 以下のプロトコルはW-14の精製について開発されたものと同様であり、バイオ アッセイ(実施例13を参照のこと)で測定してサザン・コーン・ルートワーム(S CR)に対し最も活性を有するフラクションを精製することに基いて確立された。 典型的には、実施例13に記載されたようにして濾過されたブロス4〜20Lを受け 取り、アミコンM-12濾過装置に取り付けられたアミコンらせん形限外濾過カート リッジ型S1Y100を使用して濃縮した。濃縮液は100kDaより大きい分子サイズから なる天然タンパク質を含み、一方、フロースルー物質は100kDa未満のサイズの天 然タンパク質を含んでいた。SCRに対する活性の大半が100kDa濃縮物中に含まれ ていた。次いで濃縮物を、濾液がA280<0.100に達するまで10mMのリン酸ナトリウ ム(pH=7.0)で連続的に透析濾過した。特にことわらない限り、この時点からの全 ての操作を10mMのリン酸ナトリウム(pH7.0)で特定されるようなバッファー 中で行った。次いで濃縮物を約0.20Lの最終容積まで濃縮し、0.45mmのナルゲンT M フィルターウェア無菌濾過ユニットを使用して濾過した。濾過された物質をパ ーセプチブ・バイオシステム・スプリントHPLC系を使用してバッファー中で平衡 にされたパーセプチブ・バイオシステム・ポロス50HQ強陰イオン交換マトリック スで詰め込まれたファーマシアHR16/10カラムに7.5ml/分でアプライした。アプ ライ後、A280<0.100に達するまでカラムをバッファーで洗浄した。次いでタンパ ク質を50mlの全容積について20分間にわたって0.4MのNaClを含むバッファーを使 用して2.5ml/分でカラムから溶離した。1.0MのNaClを含むバッファーを使用して カラムを同流量で更に20分間にわたって洗浄した(最終容積=50ml)。0.4M及び1. 0MのNaClで溶離したタンパク質を別々の透析バッグ(スペクトラ/ポー膜MWCO:2, 000)に入れ、12Lのバッファー中で4℃で一夜透析した。SCRに対する活性の大半 が0.4Mのフラクション中に含まれていた。0.4Mのフラクションを、0.75ml/分の 流量を使用してセファロースCL4B(ファーマシア)で予め詰め込まれたファーマ シアXK 26/100カラムへの20mlの適用により更に精製した。フラクションをA280 ピークプロフィールに基いてプールし、ミリポア・ウルトラフリー15遠心分離フ ィルター装置バイオマックス-50K NMWL膜を使用して0.75mlの最終容積まで濃縮 した。標準物質としてウシγグロブリンを用いるバイオラッドタンパク質アッセ イキットを使用してタンパク質濃度を測定した。特性決定 SCR毒素複合体の天然分子量を、バッファー中でセファロースCL4Bで予め詰め 込まれたファーマシアHR 16/50を使用して測定した。次いで既知分子サイズのタ ンパク質を使用してカラムを較正し、それにより毒素のおよその天然分子サイズ の計算を可能にした。表21に示されるように、毒素複合体の分子サイズは株Hbの 777kDaから株WX-14の1,900kDaまでの範囲であった。また、毒素複合体の収率は0 .8mg/Lを産生する株WX-12から7.0mg/Lを産生する株Hbまで変化した。 毒素複合体に見られるタンパク質を、SDS-PAGE分析を使用して個々のポリペプ チドサイズについて試験した。典型的には、夫々の株からの毒素複合体のタンパ ク質20mgを2〜15%のポリアクリルアミドゲル(インテグレーテッド・セパレー ション・システムズ)に装填し、バイオラッドSDS-PAGEバッファー中で20mAで電 気泳動にかけた。電気泳動の完結後に、ゲルをバイオラッド・クマシーブルーR- 250(メタノール:酢酸:水;40:10:40v/v/v)中0.2%)中で一夜染色した。続 いて、ゲルをメタノール:酢酸:水;40:10:40(v/v/v)中で脱色した。次いでゲ ルを15分間にわたって水ですすぎ、モレキュラー・ダイナミクス・パーソナル・ レーザー・デンシトメーターを使用してスキャンした。レーンを定量し、分子サ イズをバイオラッド高分子量標準物質と比較して計算し、これは200-45kDaの範 囲であった。 夫々の株からのSCR毒素複合体を含む個々のポリペプチドのサイズを表22にリ ストする。個々のポリペプチドのサイズは株WX-1の230kDaから株WX-7で見られる ような16kDaのサイズまでの範囲であった。株Hbを除く夫々の株は160-230kDa範 囲、100-160kDa範囲、及び50-80kDa範囲である毒素複合体を含むポリペプチドを 有していた。これらのデータは、毒素複合体が株によりペプチド組成及び成分を 変化し得るが、全ての場合に、毒素特性は大きいオリゴマータンパク質複合体か らなるようにみえることを示す。aセファロースCL4Bを詰め込んだファーマシアHR 16/50カラムを使用して測定さ れた天然分子量 b培養ブロスから回収された毒素複合体の量活性スペクトル 表21に示されるように、株Hm及びH9から精製された毒素複合体を、比較のため の株W-14からの毒素複合体と共に種々の昆虫に対する活性について試験した。ア ッセイを実施例13に記載されたようにして行った。全ての3種の株からの毒素複 合体はタバコハマキガ、アワノメイガ、サザン・コーン・ルートワーム、及びア スター・リーフホッパーに対し活性を示した。更に、株Hm及びW-14からの毒素複 合体はまた2斑点クモダニに対しても活性を示した。加えて、W-14からの毒素複 合体は蚊幼虫に対し活性を示した。これらのデータは、毒素複合体が、昆虫の或 る種の目の間に活性の類似性を有するとともに、昆虫のその他の目に対し異なる 活性を示し得ることを示す。 実施例15 Photorhabdus タンパク質毒素複合体の細分画 Photorhabdusタンパク質毒素複合体を実施例14に記載されたようにして単離し た。次に、毒素約10mgを1ml/分の流量で20mMのトリス-HCl、pH7.0で平衡にさ れたMonoQ5/5カラムに適用した。280nmにおける光学密度が基準線吸光度に戻る まで、カラムを20mMのトリス-HCl、pH7.0で洗浄した。カラムに結合したタンパ ク質を1ml/分で30分間にわたって20mMのトリス-HCl、pH7.0中0〜1.0MのNaCl の直線勾配で溶離した。フラクション1mlを集め、サザン・コーン・ルートワー ム(SCR)バイオアッセイ(実施例13を参照のこと)にかけた。活性のピークをSCR バイオアッセイで夫々のフラクションの一連の希釈液により測定した。SCRに対 する二つの活性ピークを観察し、A(約0.2〜0.3MのNaClで溶離した)及びB(0 .3〜0.4MのNaClで溶離した)と称した。活性ピークA及びBを別々にプールし、 下記の3ステップ操作を使用して両方のピークを更に精製した。 固体(NH4)2SO4を上記タンパク質フラクションに1.7Mの最終濃度まで添加した 。次いでタンパク質を1ml/分で50mMのリン酸カリウムバッファー、pH7中1.7M の(NH4)2SO4で平衡にされたフェニル−スペロース5/5カラムに適用した。カラム に結合したタンパク質を0.5ml/分で1.7Mの(NH4)2SO4、0%のエチレングリコー ル、50mMのリン酸カリウム、pH7.0から25%のエチレングリコール、25mMのリン 酸カ リウム、pH7.0((NH4)2SO4なし)の直線勾配で溶離した。フラクションを10mMのリ ン酸ナトリウムバッファー、pH7.0に対し一夜透析した。SCRに対する夫々のフラ クション中の活性をバイオアッセイにより測定した。 最高の活性を有するフラクションをプールし、1ml/分で20mMのトリス-HCl、 pH7.0で平衡にされたMonoQ5/5カラムに適用した。カラムに結合したタンパク質 を20mMのトリス-HCl、pH7.0中0〜1MのNaClの直線勾配により1ml/分で溶離し た。 精製の最終ステップについて、上記の最も活性なフラクション(SCRバイオアッ セイにより測定した)をプールし、第二のフェニル−スペロース5/5カラムにかけ た。固体(NH4)2SO4を1.7Mの最終濃度まで添加した。次いでその溶液を1ml/分 で50mMのリン酸カリウムバッファー、pH7中1.7Mの(NH4)2SO4で平衡にされたそ のカラムにアプライした。カラムに結合したタンパク質を1.7Mの(NH4)2SO4、50m Mのリン酸カリウム、pH7.0から10mMのリン酸カリウム、pH7.0の直線勾配で0.5ml /分で溶離した。フラクションを10mMのリン酸ナトリウムバッファー、pH7.0に 対し一夜透析した。SCRに対する夫々のフラクション中の活性をバイオアッセイ により測定した。ピークAからの上記の3ステップ操作による最終精製タンパク 質を毒素Aと称し、ピークBからの最終精製タンパク質を毒素Bと称した。毒素A及び毒素Bの特性決定及びアミノ酸配列決定 SDS-PAGEにおいて、毒素A及び毒素Bの両方は2種の主要(全クマシー染色タ ンパク質の90%より大)ペプチド:192kDa(夫々A1及びB1と称する)及び58kDa(夫々 A2及びB2と称する)を含んでいた。毒素A及び毒素Bの両方は天然PAGE中に唯一 の主要バンドを明らかにし、A1及びA2が一種のタンパク質複合体のサブユニット であり、かつB1及びB2が一種のタンパク質複合体のサブユニットであることを示 した。更に、毒素A及び毒素Bの両方の天然分子量はゲル濾過クロマトグラフィ ーにより860kDaであることが測定された。A1対A2の相対モル濃度はSDS-PAGEゲル のデンシトメトリー分析により測定して1対1の当量であると判断された。同様 に、B1ペプチド及びB2ペプチドは同じモル濃度で存在した。 毒素A及び毒素Bを10%のSDS-PAGE中で電気泳動にかけ、PVDF膜にトランスブ ロットした。ブロットを夫々ハーバード・ミクロケム及びケンブリッジ・プロケ ムにアミノ酸分析及びN-末端アミノ酸配列決定のために送った。B1のN-末端ア ミノ酸配列は配列番号1、tcbA遺伝子のTcbAii領域(配列番号12、位置87-99)と 同一であることが決定された。特異なN-末端配列をペプチドB2について得た(配 列番号40)。ペプチドB2のN-末端アミノ酸配列はtcbA遺伝子由来のアミノ酸配列 のTcbAiii領域(配列番号12、位置1935-1945)と同一であった。それ故、B毒素は 主として2種のペプチド、TcbAii及びTcbAiiiを含み、これらが同じ遺伝子産物 、TcbAに由来することが観察された。 A2のN-末端配列(配列番号41)はTcbAiiiペプチド及びその他のペプチドと比 較して特異であった。A2ペプチドをTcdAiiiと称した(実施例17を参照のこと) 。配列番号6はアミノ酸配列配列番号40及び配列番号41の混合物であることが決 定された。 更に、ペプチドA1及びA2を内部アミノ酸配列決定にかけた。内部アミノ酸配列 決定について、毒素A10μgを10%のSDS-PAGE中で電気泳動にかけ、PVDF膜にト ランスブロットした。ブロットをアミドブラックで染色した後、夫々TcdAii及び TcdAiiiと称されるペプチドA1及びA2をブロットから切除し、ハーバード・ミク ロケム及びケンブリッジ・プロケムに送った。ペプチドをトリプシン消化、続い てHPLCクロマトグラフィーにかけて個々のペプチドを分離した。N-末端アミノ 酸分析を選択されたトリプシン分解ヘプチドフラグメントについて行った。ペプ チドA1の二つの内部アミノ酸配列(TcdAii-PK71、配列番号38及びTcdAii-PK44、 配列番号39)はtcbA遺伝子のTcbAii領域の推定アミノ酸配列(配列番号12)と有 意な相同性を有することがわかった。同様に、ペプチドA2のN-末端配列(配列 番号41)及び二つの内部配列(TcdAiii-PK57、配列番号42及びTcdAiii-PK20、配 列番号43)はまたtcbA遺伝子のTcbAiii領域の推定アミノ酸配列(配列番号12) と有意な相同性を示した。 上記結果を要約すると、毒素複合体はSCRに対し少なくとも二つの活性タンパ ク質毒素複合体、毒素A及び毒素Bを有する。毒素A及び毒素Bはそれらの天然 分子量及びサブユニット分子量が同様であるが、それらのペプチド組成が異なる 。毒素Aは主要ペプチドとしてTcdAii及びTcdAiiiを含み、また毒素Bは主要ペ プチ ドとしてTcbAii及びTcbAiiiを含む。毒素C、Tcaペプチドの精製と特性決定 Photrohabdusタンパク質毒素複合体を上述のように単離した。次に、約50mgの 毒素を20mM Tirs-HCl、pH7.0で平衡化したMonoQ 10/10カラムに流速2ml/分でア プライした。このカラムを280nmの光学的密度がベースラインレベルに戻るまで2 0mM Tris-HCl、pH7.0で洗浄した。カラムに結合したタンパク質を20mM Tris-HCl 、pH7.0中の0から1M NaCl直線勾配で、2ml/分、60分間かけて溶出した。2mlの 画分を集め、pAb TcaBii-syn抗体(実施例21を参照せよ)を1次抗体として用い てウェスタン解析にかけた。pAb TcaBii-syn抗体に反応した画分を一緒にまとめ 、固体(NH4)2SO4を最終濃度1.7Mで加えた。次にタンパク質を50mMリン酸カリウ ムバッファーpH7中の1.7M(NH4)2SO4で平衡化したフェニル−スペロース10/10カ ラムに1ml/分でアプライした。カラムに結合したタンパク質を1.7M(NH4)2SO4、 50mMリン酸カリウムpH7.0から10mMリン酸カリウムpH7.0の直線勾配で、1ml/分、 120分間かけて溶出した。2ml画分を集め、10mMリン酸ナトリウムバッファーpH7. 0に対して一晩透析し、pAb TcaBii-syn抗体を1次抗体としてウェスタンブロッ トによって解析した。 抗体と交差反応した画分をプールし、20mM Tris-HCl、pH7.0で平衡化したMono Q 5/5カラムに1ml/分でアプライした。カラムに結合したタンパク質を20mM Tri s-HCl、pH7.0中の0〜1MのNaClの直線勾配により30分間溶出した。 pAb TcaBii-syn抗体と反応した上記画分をプールし、フェニル−スペロース5/ 5カラムにかけた。固体(NH4)2SO4を最終濃度1.7Mで加えた。次にタンパク質を50 mMリン酸カリウムバッファーpH7中の1.7M(NH4)2SO4で平衡化したフェニル−スペ ロース10/10カラムに1ml/分でアプライした。カラムに結合したタンパク質を1. 7M(NH4)2SO4、50mMリン酸カリウムpH7.0から10mMリン酸カリウムpH7.0の直線勾 配、0.5ml/分で60分間溶出した。画分を10mMリン酸ナトリウムバッファーpH7.0 に対して一晩透析した。 最終精製ステップとして、ウェスタン解析により上記で決定したpAb TcaBii-s yn抗体と反応した画分を一緒にし、20mM Tris-HCl、NpH7.0で平衡化したMono Q 5 /5に1ml/分でアプライした。カラムに結合したタンパク質を20mM Tris-HCl、pH 7.0中の0〜1M NaClの直線勾配で溶出した。 最終精製タンパク質画分はSDS-PAGEで調べたところによれば6種の主要なペプ チドを含んでいた:165kDa、90kDa、64kDa、62kDa、58kDaおよび22kDa。精製さ れたこの画分の殺虫活性のLD50は、SCRおよびECBに対して、それぞれ100ngおよ び500ngであると測定された。 上記のペプチドをPVDFメンブレンにブロットし、そのブロットをアミノ酸分析 および5アミノ酸長N-末端シーケンシングのためにそれぞれHarvard MicroChem およびCambridge ProChemに送った。165kDaペプチドのN-末端アミノ酸配列はTc aCペプチドと同一であると決定された(配列番号2、位置1〜5)。90kDaペプ チドのN-末端アミノ酸配列はtcaA遺伝子に由来するアミノ酸配列のTcaAii領域 であると決定された(配列番号33、位置254〜258)。64kDaペプチドのN-末端配 列は、TcaBiペプチドと同一であると決定された(配列番号3、位置1〜5)。6 2kDaペプチドのN-末端アミノ酸配列はtcaA遺伝子に由来するアミノ酸配列のTca Aii領域であると決定された(配列番号33、位置489〜493)。58kDaペプチドのN -末端アミノ酸配列はTcaBiiペプチドと同一であると決定された(配列番号5、 位置1〜5)。22kDaペプチドのN-末端アミノ酸配列は、TcaAivと表記される、 tcaA遺伝子に由来するアミノ酸配列のTcaAi領域であると決定された(配列番号3 4、位置98〜102)。tcaA、tcaB、およびtcaC遺伝子がすべて同じtcaオペロン中 に位置することは述べた(図6A)。 5μgの精製Tca画分、精製毒素A、および精製毒素Bを、以下の抗体を別々 に1次抗体として用いてウェスタンブロットによって解析した:pAbTcaBii-syn抗 体、mAb CF52抗体、pAb TcdAii-syn抗体、およびpAb TcdAiii-syn抗体(実施例2 1)。pAb TcaBii-syn抗体とはTcaペプチド画分だけが反応したが、毒素Aあるい は毒素Bは反応しなかった。mAb CF52抗体とは、毒素Bのみが反応したが、Tca ペプチド画分あるいは毒素Aは反応しなかった。pAb TcdAii-syn抗体またはpAb Tcdiii-syn抗体のいずれとも毒素Aは反応したが、Tcaペプチド画分または毒素 Bは反応しなかった。このことは、精製Tcaペプチド画分の観察された殺虫活性 は毒素Aおよび毒素Bとは独立であることを示す。精製したTcaペプチド画分は 、毒素 Cと表記される、3つめの固有の毒素である。 実施例16 TcbA ペプチドの開裂及び活性化 毒素B複合体において、ペプチドTcbAii及びTcbAiiiは単一遺伝子産物TcbAに 由来する(実施例15)。TcbAペプチドからTcbAii及びTcbAiiiへのプロセシング はおそらく一種以上のPhotorhabdusプロテアーゼ、そしておそらく実施例10に記 載されたメタロプロテアーゼの作用によるものである。或る場合には、Photorha bdus W-14ブロスをプロセシングした時、TcbAペプチドが、ペプチドTcbAii及びT cbAiiiに加えて主要成分として毒素B複合体中に存在することが注目された。毒 素B複合体の精製について記載された(実施例15)のと同じ操作を使用してW-14 ブロスの毒素複合体フラクションからペプチドTcbAを濃縮した。最終精製物質を 4-20%の勾配のSDS-PAGE中で分析し、主要ペプチドをデンシトメトリーにより 定量した。TcbA、TcbAii及びTcbAiiiは全タンパク質の夫々58%、36%、及び6 %を構成することが測定された。これらのペプチドの同定をSDS-PAGE及びモノ特 異性抗体を使用するウェスタンブロット分析でそれらの夫々の分子サイズにより 確認した。このフラクションの天然分子量を測定したところ、860kDaであった。 上記精製物質を精製された38kDa及び58kDaのW-14Photorhabdusメタロプロテア ーゼ(実施例10)、及び対照酵素としてのトリプシン(シグマ,MO)で処理するこ とにより、TcbAの開裂を評価した。標準反応液は100μlの合計容積中に上記精 製フラクション17.5μg、1.5単位のプロテアーゼ、及び0.1Mのトリスバッファ ー、pH8.0からなっていた。対照反応について、プロテアーゼを省いた。その反 応混合物を37℃で90分間インキュベートした。反応の終了時に、20μlを採取し 、4-20%の勾配SDS-PAGE中の電気泳動分析のために直ちにSDS-PAGEサンプルバッ ファーとともに沸騰させた。SDS-PAGEから、38kDa及び58kDaのプロテアーゼ処理 の両方において、ペプチドTcbAii及びTcbAiiiの量が約3倍増加し、一方、TcbA ペプチドの量が比例して減少したことが測定された(表24)。選択されたペプチド の相対減少及び増強をウェスタンブロット分析により確かめた。更に、開裂され た物質のゲル濾過は、複合体の天然分子量が同じままであったことを明らかにし た。 トリプシン処理すると、ペプチドTcbA及びTcbAiiは小さいペプチドに非特異的に 消化された。これは、38kDa及び58kDaのPhotorhabdusプロテアーゼがペプチドTc bAをペプチドTcbAii及びTcbAiiiに特異的にプロセシングし得ることを示した。 残りの80μlの反応混合物のプロテアーゼ処理対照及び未処理対照を10mMのリン 酸ナトリウムバッファー、pH7.0で連続希釈し、SCRバイオアッセイにより分析し た。幾つかの希釈液中の活性を比較することにより、38kDaのプロテアーゼ処理 はSCR殺虫活性を約3〜4倍に増加することが測定された。プロテアーゼ処理に おける残存昆虫の成長抑制はまた対照よりも激しかった(表24)。 *:本アッセイにおける給餌の5日後に生存昆虫の平均体重を測定することによ る成長抑制の指標SCR 腸管プロテアーゼによる毒素Bの活性化及びプロッセシング さらにタンパク質分解性活性化の2番めの証明において、W−14毒素が昆虫 によってプロセッシングされるかどうかを調べた。Photorhabdus W-14ブロスか ら精製した毒素B(実施例15を参照せよ)はSDS-PAGEおよびモノクローナル抗体 を用いたウエスタンブロットで判断するとインタクトなTcbAペプチドから主とし てなっていた。SCRに対するこの画分のLD50はおよそ700ngと決定された。 SCR幼虫はそれらが第4齢(各昆虫の総重量が約100〜125mg)に達するまでコレ オプテラ用飼料で育てた。SCR腸管内容物は以下のように集めた:腸管を解剖用 ハサミと鉗子を用いて取り出した。腸管の裏側を覆う過剰な脂肪物質を取り除い た後、約40個の腸管を100μlの滅菌水を含む微量遠心チューブ中でホモゲナイ ズした。このチューブを次に14,000rpmで10分間遠心し、ペレットを捨てた。使 用するまで上清を-70℃で保存した。 昆虫の腸管による毒素Bのプロセッシングを上述の精製毒素Bを集めたSCR腸 管内容物で処理することによって評価した。反応は40μgの毒素B(1mg/ml)、5 0μlのSCR腸管内容物、および0.1M Trisバッファー、pH8.0を総量100μlで構 成した。対照反応用には、SCR腸管内容物を省略した。反応混合物を一晩37℃で インキュベーションした。反応の終わりに10μlを取り出し、SDS-PAGE解析のた めに等量の2xのSDS-PAGEサンプルバッファーと煮沸した。残りの90μlの反応混 合物を10mMリン酸ナトリウムバッファーpH7.0で系列希釈し、SCRバイオアッセイ によって解析した。SDS-PAGE解析は、SCR腸管内容物処理においては、TcbAペプ チドが小さなペプチドに完全に消化されていることを示した。未変性毒素画分の 解析は、大きなペプチドが断片化されていても、未変性のサイズ、約860kDaが同 じサイズで残っていることを示した。SCRバイオアッセイにおいて、SCR腸管処理 毒素BのLD50は約70ngであることが分かった;これは10倍の増加に相当する。別 の実験において、プロテアーゼK処理は毒素活性を完全に消滅させた。 実施例17 TcdAii ペプチドをコードする遺伝子についてライブラリーのスクリーニング 配列番号17(内部ペプチドTcdAii-PT111 N末端配列)及び配列番号18(内部 ペプチドTcdAii-PT79 N末端配列)として記載されたTcdAiiペプチドをコードす る遺伝子のクローニング及び特性決定を完結した。配列番号17(表25)及び配列 番号18(表26)のアミノ酸配列をコードするするように設計された縮重オリゴヌ クレオチド並びにこれらの配列の相補物の2種のプールを実施例8に記載された ようにして合成した。オリゴヌクレオチドのDNA配列を以下に示す。 *ヌクレオチドに関するIUPAC-IUBコードに従って、Y=CまたはT、H=A、C またはT、N=A、C、GまたはT、K=GまたはT、R=AまたはG、および 、M=AまたはC 全てのフォワード/リバース組み合わせにおいて、フォワードプライマーとし てP2.3.6.CBまたはP2.3.5を使用し、リバースプライマーとしてP2.79.R.1または P2.79R.CBを使用し、鋳型としてPhotorhabdusW-14ゲノムDNAを使用して、実質的 に実施例8に記載されたようにしてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行った。反応 の別の組において、全てのフォワード/リバース組み合わせにおいて、プライマ ーP2.79.2またはP2.79.3をフォワードプライマーとして使用し、またP2.3.5R、P 2.3.5RI、及びP2.3R.CBをリバースプライマーとして使用した。リバースプライ マーとしてのP2.79.R.1またはP2.79R.CBと組み合わせたフォワードプライマーと してのP2.3.6.CBを含む反応のみにおいて、2500塩基対の椎定サイズ(アガロー スゲルにおける移動度)の非人工増幅産物が見られた。この増幅産物を得るのに 使用したプライマーの順序は、ペプチドフラグメントTcdAii-PT111がペプチドフ ラグメントTcdAii-PT79にアミノ近位にあることを示す。 2500bp PCR産物を供給業者の指示に従ってプラスミドベクターpCRTMII(イン ビトロゲン,San Diego,CA)につなぎ、2種の単離物(HS24及びHS27)のインサ ートフラグメントの末端を横切るDNA配列を供給業者の推奨したプライマー及び 前記配列決定方法を使用して測定した。両方の単離物の配列は同じであった。新 規プライマーを決定された配列に基いて合成し、付加的な配列決定反応を開始す るのに使用してインサート[配列番号36]の合計2557塩基を得た。配列番号36に よりコードされた部分ペプチドの翻訳が配列番号37として開示された845アミノ 酸配列を生じる。TcdAiiペプチドフラグメントのこの部分のタンパク質相同性分 析はタンパク質TcbA[配列番号12]の残基542-1390に対するかなりなアミノ酸相 同性(WinsconsinパツケージVer.8.0、Genetics Computer Group(GCG),Madison ,WIを使用して68%の類似性、および53%の同一性)または残基567-1389に対す るかなりのアミノ酸相同性(WinsconsinパッケージVer.8.0、Genetics Computer Group(GCG),Madison,WIを使用して60%の類似性、および54%の同一性)を明 らかにする。それ故、配列番号36により一部表される遺伝子が同様のタンパク質 を産生するが、TcbAと同一のアミノ酸配列を産生しないことが明らかであり、そ れはおそらくTcbAタンパク質と同様であるが、同一ではない生物活性を有する。 更に別の場合、配列番号39(内部ペプチドTcdAii-PK44配列)、及び配列番号4 1(TcdAiii58kDa N末端ペプチド配列)として記載されたペプチドTcdAii-PK44 及びTcdAiii58kDa N-末端ペプチドをコードする遺伝子を単離した。配列番号39 (表28)及び配列番号41(表27)をコードするように設計された縮重オリゴヌクレ オチド、並びにこれらの配列の相補物の2種のプールを実施例8、及びそれらの DNA配列に記載されたようにして合成した。 全てのフォワード/リバース組み合わせにおいて、フォワードプライマーとし てA1.44.1またはA1.44.2を使用し、リバースプライマーとしてA2.3RまたはA2.4R を使用し、鋳型としてPhotorhabdus W-14ゲノムDNAを使用して、実質的に実施例 8に記載されたようにしてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行った。反応の別の組 においては、全てのフォワード/リバース組み合わせにおいて、プライマーA2.1 またはA2.2をフォワードプライマーとして使用し、またA1.44.1R及びA1.44.2Rを リバースプライマーとして使用した。リバースプライマーとしてA2.3Rと組み合 わせてフォワードプライマーとしてA1.44.1またはA1.44.2を含む反応のみにおい て、1400塩基対の推定サイズ(アガロースゲルにおける移動度)の非人工増幅産 物が見られた。この増幅産物を得るのに使用したプライマーの順序は、ペプチド フラグメントTcdAii-PK44がTcdAiiiの58kDaペプチドフラグメントにアミノ近位 にあることを示す。 1400bp PCR産物を供給業者の指示に従ってプラスミドベクターpCRTMIIにつな いだ。4種の単離物のインサートフラグメントの末端を横切るDNA配列を、供給 業者の推奨したプライマーと配列の似ているプライマーを使用し、また前記配列 決定方法を使用して測定した。全ての単離物の核酸配列は縮重プライマー配列に 相当する領域において予想されたように異なっていたが、これらのデータから推 定されたアミノ酸配列は先に決定されたペプチドに関する実際のアミノ酸配列( 配列番号41及び配列番号39)と同じであった。 先に調製したDNA(配列番号36)を含む放射能標識プローブによる実施例8に 記載されたW-14ゲノムコスミドライブラリーのスクリーニングは5種のハイブリ ッド形成性コスミド単離物、即ち、17D9、20B10、21D2、27B10、及び26D1を同定 した。これらのコスミドは配列番号11または配列番号25として記載された遺伝子 に相当するプローブで先に同定されたものとは異なった。制限酵素分析及びDNA ブロットハイブリダイゼーションは、配列番号36のDNAを含む領域をスパンする およそのサイズ3.7、3.7、及び1.1kbpの3種のEcoR Iフラグメントを同定した。 この実施例で調製された放射能標識された1.4kbpnoDNAフラグメントをプローブ として使用するW-14ゲノムコスミドライブラリーのスクリーニングは同じ5種の コスミド(17D9、20B10、21D2、27B10、及び26D1)を同定した。また、EcoR I消 化コスミドDNAに関するDNAブロットハイブリダイゼーションは2.5kbpのTcdAii遺 伝子プローブで見られたのと同じEcoR Iフラグメントのサブセットに関するハイ ブリダイゼーションを示し、両方のフラグメントがゲノムDNAでコードされるこ とを示した。 クローン化EcoR IフラグメントのDNA配列決定は2516アミノ酸(配列番号47) の282.9kDaタンパク質をコードする7551塩基対(配列番号46)の中断されないオ ープンリーディングフレームを明らかにした。このタンパク質のアミノ酸配列の 分析はペプチドTcdAiiの全ての予想された内部フラグメント(配列番号17、18、 37、38及び39)及びTcdAiiiペプチドN-末端(配列番号41)並びに全てのTcdAii i 内部ペプチド(配列番号42及び43)を明らかにした。TcdAii及びTcdAiiiとして 単離され、同定されたペプチドは、配列番号46として開示されたtcdAと称される オープンリーディングフレームの夫々の産物である。更に、配列番号47は、位置 89において開始する、配列番号13として開示された約201kDaのサイズのペプチド のN-末端配列を示し、このことは配列番号46から生じた初期タンパク質が配列 番号12について先に開示されたタンパク質と同様の方法でプロセシングされるこ を示す。加えて、そのタンパク質は更に開裂されて、配列番号48によりコードさ れ、配列番号49(TcdAiiペプチド)として開示されたサイズ209.2kDaの産物、及 び配列番号50によりコードされ、配列番号51(TcdAiiiペプチド)として開示さ れたサイズ63.6kDaの産物を生じる。こうして、配列番号46の産物から誘導され た毒素A(実施例15)として同定された殺虫活性は、配列番号47として開示され た282.9kDaの完全長タンパク質により例示されるように、プロセシングされて配 列番号49及び51として開示されたペプチドを生じるものと考えられる。毒素B( 実施例15)として同定された殺虫活性は、配列番号12として開示された280.6kDa のタンパク質により例示されるように、配列番号11の産物に由来するものと考え られる。このタンパク質はタンパク質分解処理されて配列番号53として開示され た207.6kDaのタンパク質(これは配列番号52によりコードされる)、及び配列番 号40として開示され、更に配列番号55として開示されたN-末端配列を有する62. 9kDaのペプチド(これは配列番号54によりコードされる)を生じる。 配列番号12及び配列番号47として開示されたタンパク質のアミノ酸配列比較は 、WinsconsinパッケージVer.8.0、Genetics Computer Group(GCG),Madison,WI を用いてそれらが69%の類似性及び54%の同一性を有すること、あるいは、この プログラムのVer.9.0を用いて60%の類似性および54%の同一性を有することを 明らかにする。進化的関係のこの高い程度はこれらのペプチドの全アミノ酸配列 中で一様ではなく、タンパク質のカルボキシ末端に向かって高い。なぜならば、 配列番号51(配列番号47から誘導された)及び配列番号55(配列番号12から誘導 された)として開示されたペプチドはWinsconsinパッケージVer.8.0、Genetics Computer Group(GCG),Madison,WIを用いて76%の類似性及び64%の同一性を有 すること、またはこのプログラムのVer.9.0を用いて71%類似性および64%の同 一性を有するからである。 実施例18 Photorhabdus( 株W-14)ブロスの噴霧適用によるトウモロコシ植物に関するアワ ノメイガ誘発葉損傷の防除 昆虫幼虫により生じる植物損傷を軽減する一種以上のPhotorhabdus毒素の能力 を、Photorhabdusブロスで処理されたトウモロコシ植物に発生されるアワノメイ ガ(オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis))により生じる葉損傷を測 定することにより実証した。Photorhabdus株 W-14からの醗酵ブロスを生産して 、実施例13に記載されたようにして限外濾過(10,000MW細孔サイズ)を使用して約 10倍に濃縮した。次いで得られる濃縮ブロスを0.2ミクロンのニトロセルロース 膜フィルターを使用してフィルター滅菌した。未接種の2%プロテオースペプト ン#3の同様に調製したサンプルを対照目的で使用した。トウモロコシ植物(同 系繁殖系)を温室(日中27℃;夜間22℃、約50%RH、14時間の日の長さ、必要に より散水/施肥)中で無土壌混合物を含むポット中で種子から栄養成長期7また は8まで育成した。試験植物を日中約22℃;夜間18℃の温度で、人工光を使用し ないで、部分遮蔽し、約50%のRHで必要により散水/施肥して温室中で完全乱塊 法(randomized complete block design)(3レプ/処理、6植物/処理)で配置 した。処理(未接種培地及び濃縮Photorhabdusブロス)をシリンジスプレーで適 用し、2.0mlを輪生体に直接(約6インチ)適用し、追加の2.0mlを輪生体の上約 1フィートから円形運動で適用した。加えて、植物の1グループは処理を受けな かった。処理が乾燥した後(約30分間)、12の新生アワノメイガ幼虫(市販源か ら卵を入手し、室内で購化させた)を輪生体に直接適用した。1週間後、改良ガ スリースケール(Guthrie Scale)(Koziel,M.G.,Beland,G.L.,Bowman,C.,Caroz zi,N.B.,Crenshaw,R.,Crossland,L.,Dawson,J.,Desai,N.,Hill.,M.,Kadw ell,S.,Launis,K.,Lewis,K.,Maddox,D.,McPherson,K.,Meghji,M.Z.,Merli n,E.,Rhodes,R.,Warren,G.W.,Wright,M.及びEvola,S.V.1993)Bio/Technolo gy,11,194-195)を使用して、植物を葉への損傷についてスコアをつけ、スコア を統計上比較した[T検定(LSD)p<0.05及びチューキーのスチューデント化レン ジ(Tukey's Studentized Range)(HSD)テストp<0.1]。結果を表29に示す。参考 として、1のスコアは損傷なしを表し、2のスコアはピンホール侵入のない巻か れていない葉に対する「窓ガラス(window pane)」損傷を表し、また5のスコア は三枚よりも多い葉について明らかな細長い病変及び/または中脈侵食(feeding )を有する葉侵入(病変<1インチ)を表す。これらのデータは、フラクション を含むブロスまたはその他のタンパク質が噴霧可能な配合でデリバリーされた時 ま たはタンパク質もしくはその部分をコードする遺伝子またはその誘導体がトラン スジェニック植物または微生物を介して送出される時に特定の昆虫ペストに対す る保護を与え得ることを示す。 異なる文字を有する平均は統計的に相違する(p<0.05またはp<0.1) 実施例19 大腸菌における発現のための遺伝子操作 構築の要約 一連のプラスミドを構築して大腸菌中でPhotorhabdusW-14のtcbA遺伝子を発現 した。プラスミドのリストを表30に示す。夫々の構築並びに得られた大腸菌発現 データの要約を以下に簡単に記載する。略号:Kan=カナマイシン、Chl=クロラムフェニコール、Amp=アンピシリンpDAB2025 の構築 実施例9に、TcbAiiプローブにハイブリッドを形成する大きいEcoR Iフラグメ ントを記載した。このフラグメントをpBC(Stratagene,La Jolla CA)にサブクロ ーン化してpDAB2025を作製した。配列分析は、このフラグメントが8816塩基対で あることを示す。そのフラグメントは位置571に開始ATGを有し、位置8086に終止 TAAを有するtcbA遺伝子をコードする。それ故、そのフラグメントはATGの上流に Photorhabdus DNAの570塩基対を有し、TAAの下流に730塩基対を有する。プラスミドpDAB2026の構築 下記のプライマーを使用してtcbA遺伝子をプラスミドpDAB2025からPCR増幅し た。5'プライマー(S1Ac 51)5’TTT AAA CCA TGG GAA ACT CAT TAT CAA GCA CTA TC 3'及び3'プライマー(S1Ac31)5’TTT AAA GCG GCC GCT TAA CGG ATG GTA TAA CGA ATA TG 3'。下記の反応でパンベラ(Madison,WI)からのタカラLA PCRキット を使用して、PCRを行った。57.5μlの水、10μlの10X LAバッファー、16μl のdNTP(夫々2.5mMの原液)、20μlの夫々のプライマー(10pモル/ml)、300ngの w-14 tcbA遺伝子を含むプラスミドpDAB2025及び1μlのタカラLA Taqポリメラ ーゼ。サイクル条件は98℃/20秒、68℃/5分、72℃/10分、30サイクルであっ た。予想される約7526bpのPCR産物をTBE(100mMのトリス、90mMのホウ酸、1mMの EDTA)バッファー中0.8%のアガロースゲル中で単離し、キアゲン(Chatsworth,C alifornia)のQiaex IIキットを使用して精製した。精製tcbA遺伝子をNco I及びN ot Iで消化し、バキュロウイルス移入ベクターpAcGP67B(ファーミンゲン(San Di ego,California))につなぎ、DH5α大腸菌に形質転換した。得られた組換え体を pDAB2026と名付けた。次いでtcbA遺伝子をpDAB2026から切りだし、pET27bに移入 してプラスミドpDAB2027をつくった。tcbA遺伝子中のミスセンス突然変異はpDAB 2027中で修復されている。 修復されたtcbA遺伝子は配列番号11に示された配列からの二つの変化;アスパ ラギン71をセリン71に変化させる212におけるA>G及びアラニン77をスレオニン77 に変化させる229におけるG>Aを含む。これらの変化は両方とも提案されたTcb AiiN-末端の上流である。pDAB2028 の構築 pDAB2027のtcbAコード領域をベクターpET15bに移入した。ショットガンライゲ ーションを使用してこれを行い、DNAを制限酵素Nco I及びXho Iで切断した。得 られた組換え体をpDAB2028と名付けた。プラスミドpDAB2028からの大腸菌におけるTcbAの発現 大腸菌中のtcbAの発現を、Studierら(Studier,F.W.,Rosenberg,A.,Dunn,J. ,及びDuben-dorff,J.,(1990)クローン化遺伝子の発現を誘導するためのT7 RNA ポリメラーゼの使用Methods Enzymol.,185:60-89)により既に記載された方法 の改良により得た。コンピテント大腸菌細胞株BL21(DE3)をプラスミドpDAB2028 で形質転換し、100μg/mlのアンピシリン及び40mMのグルコースを含むLB寒天に 塗布した。形質転換細胞を数百の分離コロニー/プレートの密度になるよう塗布 した。37℃一夜のインキュベーション後に、細胞をプレートからかきとり、100 μg/mlのアンピシリンを含むLBブロス中で懸濁させた。典型的な培養容積は200 -500mlであった。0時間に、培養密度(OD600)は実験に応じて0.05-0.15であった 。0.15-0.5の密度が得られるまで、培養物を三つの温度(22℃、30℃または37℃ )の一つで振とうし、その時点でそれらを1mMのイソプロピルチオ−β−ガラク トシド(IPTG)で誘導した。培養物を指定温度で4〜5時間インキュベートし、次 いで処理するまで4℃に移した(17〜72時間)。プラスミドpDAB2028により大腸菌中で発現されたTcbAの精製及び特性決定 TcbAペプチドを発現する大腸菌培養物を以下のようにして処理した。細胞を17 ,000x Gで遠心分離により回収し、培地をデカントし、別の容器中で保存した。M 12(アミコン,Beverly MA)濾過系及び100kD分子量カット−オフフィルターを使 用して、培地を約8倍に濃縮した。濃縮培地を陰イオン交換カラムにアプライし 、結合したタンパク質を1.0MのNaClで溶離した。1.0MのNaCl溶離ピークはサザン ・コーン・ルートワーム(SCR)幼虫を死亡させることがわかった(表30)。1. 0MのNaClフラクションを10mMのリン酸ナトリウムバッファーpH7.0に対し透析し 、濃縮し、セファロースCL-4B(ファーマシア,Piscataway,New Jersey)による ゲル濾過にかけた。天然W-14毒素複合体としての計算分子量(約900kDa)に相当す るCL-4B溶離プロフィールの領域を回収し、濃縮し、幼虫に対しバイオアッセイ を行った。回収した900kDaのフラクションは殺虫活性を有することがわかり(表3 1を参照のこと)、総合的症状(symptomology)が天然W-14毒素複合体により生じた 総合的症状と同様であった。このフラクションをプロテイナーゼK及び熱処理に かけ、両方の場合の活性を排除または低下し、その活性が性質上タンパク様であ るという証拠を得た。加えて、試験した活性フラクションは、抗TcbAiiiモノク ローナル抗体で試験するとイムノブロット解析でTcbAペプチド及びTcbAiiiペプ チドについて免疫学的に陽性であった(表31)。 PK=プロテイナーゼK処理2時間;熱処理=100℃で10分間;ND=検出されず; NT=試験せず。対照サンプルと比較した死亡率及び成長抑制に関するスコアリン グ系;5-24%=“+”、25-49%=“++”、50-100%=“+++” 細胞ペレットを10mMのリン酸ナトリウムバッファー、pH=7.0に再度懸濁させ、 バイオ−ネブTM細胞ネブライザー(グラス−コル社,Terra Haute,IN)中の通過 により溶解した。ペレットをDNaseで処理してDNAを除去し、17,000x gで遠心分 離して細胞ペレットを細胞上澄みから分離した。上澄みフラクションをデカント し、0.2ミクロンのフィルターで濾過して大きい粒子を除去し、陰イオン交換ク ロマトグラフィーにかけた。結合したタンパク質を1.0MのNaClで溶離し、透析し 、50,000ダルトンの分子量カット−オフでバイオマックスTM(ミリポア・コーポ レーシヨン,Bedford,MA)濃縮装置を使用して濃縮した。濃縮フラクションを、 セファロースCL-4Bビーズマトリックスを使用してゲル濾過クロマトグラフィー にかけた。このようにして調製した物質に関するバイオアッセイを表30に示し、 「TcbA細胞Sup」と記載した。 多量の物質を取り扱う別法において、細胞ペレットを10mMのリン酸ナトリウム バッファーpH=7.0に再度懸濁させ、コンテス・グラス社(Vineland,NJ)の40mlの 組織粉砕機を使用することにより充分にホモゲナイズした。細胞デブリを25,000 x gで遠心分離によりペレット化し、細胞上澄みをデカントし、0.2ミクロンのフ ィルターに通し、ポロスHQ50ビーズを詰めたファーマシア10/10カラムを使用し て陰イオン交換クロマトグラフィーにかけた。0.0〜1.0MのNaCl勾配を行うこと により結合したタンパク質を溶離した。TcbAタンパク質を含むフラクションを合 わせ、50kDa濃縮装置を使用して濃縮し、ファーマシアCL-4Bビーズマトリックス を使用してゲル濾過クロマトグラフィーにかけた。約900kDaの分子量のTcbAオリ ゴマーを含むフラクションを回収し、20mMのトリスバッファーpH=7.3で平衡にし たファーマシアMonoQ10/10カラムを使用して陰イオン交換クロマトグラフィーに かけた。0.0〜1.0MのNaClの勾配を使用して組換えTcbAタンパク質を溶離した。 組換えTcbAは約0.3-0.4MのNaClの塩濃度でカラムから溶離され、これは天然TcbA オリゴマーがMonoQ10/10カラムから溶離されるモル濃度と同じであった。組換え TcbAオリゴマーは表31中の実験と同様のバイオアッセイ実験でSCRを死亡させる ことがわかった。 発現構築物の第2のセットを調製してTcbAタンパク質毒素の発現についてテス トした。pDAB2030 の構築:tcbAコード領域のための発現プラスミド プラスミドpDAB2028(本明細書を参照せよ)はtcbAコード領域を商業的なベク ターpET15(Novagen,Madison,WI)中に含んでアンピシリン選択マーカをコード している。プラスミドpDAB2030はtcbAコード領域を発現させるためにカナマイシ ン選択マーカーをコードするプラスミドから作製した。これはカナマイシン選択 用プラスミドpET27(Novagen,Madison,WI)とpDAB2028をXbaIおよびXhoIで切断す ることによって行なった。これによりtcbAコード領域を含むマルチクローニング 部位全体がプラスミドpDAB2028から放出される。切断された2つのプラスミドを 混合し連結した。組換えプラスミドをカナマイシンで選択しpDAB2028断片を含む プラスミドを制限解析で同定した。この新しい組換えプラスミドをpDAB2030と呼 ぶ。プラスミドpDAB2031の構築:tcbAi中の変異の修正 実施例19に示したtcbAコード領域のN-末端における2つの変異(配列番号 11;アスパラギン71をセリン71に変える位置212のA>G;アラニン77をスレ オニン77に変える位置229のG>A)を以下のように修正した:プライマーTH50 (5'ACC GTC TTC TTT ACG ATC AGT G 3')およびS1Ac51(5'TTT AAA CCA TGG GAA ACT CAT TAT CAA GCA CTA TC3')およびテンプレートとしてPDAB2025を用いてPC R産物を生成し、1778bpの産物を作り出した。このPCR産物をプラスミドpCR2.1(I nvitrogen,San Diego,CA)にクローニングし、クローンを単離してシーケンシ ングした。クローンをNco IとPin AIで消化して1670bpの断片を1%アガロース ゲルから精製した。変異したtcbAコード領域を含むプラスミド(pDAB2030)をNc o IとNot Iで消化し、0.8%アガロースゲル中で1670bp断片からQiaex II(Qiage n、Chatsworth、CA)で精製した。修正されたNco I/Pin AI断片を次にpDAB2030 に連結した。連結したDNAをDH5α大腸菌中に形質転換した。クローンを単離し、 シーケンシングして修正されたことがわかった。修正されたtcbAコード領域を含 むこのプラスミドをpDAB2031と呼ぶ。pDAB2033 およびpDAB2034の構築:tcbAのための発現プラスミド 発現プラスミドpDAB2025およびpDAB2027-2031は全てバクテリオファージT7発 現系に依存している。tcbA遺伝子およびその誘導体のバクテリアでの発現のため に更なるベクターを使用した。発現ベクターTrc99a(Pharmacia Biotech,Piscat away,NJ)は、pDAB2030および2031のtcbAコード領域と和合性(compatible)のあ る5'Nco I部位をもつマルチクローニング部位の上流に強いtrcプロモーターを含 んでいる。しかしながら、このプラスミドは和合性のある3'部位を持たない。従 って、Trc99aのHind III部位を切断しT4 DNAポリメラーゼ(Boehringer Mannheim ,Indianapolis,IN)で処理することによって平滑にした。このベクタープラス ミドを次にNco Iで切断し続いてアルカリホスファターゼで処理した。プラスミ ドpDAB2030およびpDAB2031をそれぞれXho I(tcbAコード領域の3'端で切断する )で切断し、続いてT4 DNAポリメラーゼで処理して平滑末端とした。このプラ スミドを次にNco Iで切断し、このDNAをフェノールで抽出し、エタノール沈殿し てバッファーに再懸濁した。Trc99aおよびpDAB2030およびpDAB2031プラスミドを 別々に混合し、連結してDH5α細胞へ形質転換してアンピシリンと50mMグルコー スを含むLB培地にプレーティングした。制限切断によって組換えプラスミドを同 定した。この新しいプラスミドをPDAB2033(tcbAiの2つの変異を有するtcbAコ ード領域を含む)およびpDAB2034(pDAB2031由来の修正されたtcbAを含む)と呼 ぶ。プラスミドpDAB2032の構築:tcbAiiAiiiのための発現プラスミド TcbAのTcbAiiAiii部分をコードするプラスミドをプラスミドpDAB2031と同様な 方法で作製した。PCR産物をTH42(5'TAG GTC TCC ATG GCT TTT ATA CAA GGT TAT AGT GAT CTG 3')およびTH50(5'ACC GTC TTC TTT ACG ATC AGT G 3')プライ マーおよびテンプレートとしてpDAB2025を用いて作製した。これによりtcbAiiの コード領域の初めにある開始コドンを有する1521bpの産物が作られる。このPCR 産物を1%アガロースケルで単離して精製した。精製した産物を上のようにpCR2 .1へクローニングし、正しいクローンをDNAシーケンシング解析により同定した 。このクローンをNco IとPin AIで消化し、1414bpの断片を1%アガロースゲル で単離してプラスミドpDAB2030のNco IおよびPin AI部位に連結してDH5α大腸菌 へ形質転換した。大腸菌でTcbAiiAiiiを発現すべく設計されたこの新しいプラス ミドをpDAB2032と呼ぶ。プラスミドpDAB2030、pDAB2031およびpDAB2032からのtcbAiiAiiiの発現 プラスミドpDAB2030、pDAB2031およびpDAB2032からのtcbAの発現はここに記載 したとおりであるが、tcbAiiAiiiの発現は大腸菌株HMS174(DE3)(Novagen,Madis on,WI)で行なった。プラスミドpDAB2033からのtcbAの発現 プラスミドpDAB2033をBL21細胞(Novagen,Madison,WI)へ形質転換し100μg/ mlのアンピシリンと50mMグルコースを含むLBにプレーティングした。各プレート 上で数百のコロニーがよく分離されて存在するようにプレーティングを広げ、30 ℃か、あるいは37℃で一晩インキュベーションした。コロニーをプレートからか きとり、100μg/mlのアンピシリンを含むがグルコースを含まないLBに懸濁した 。典型的には培養容量は、1個の1Lバッフル底フラスコ中に250mLとした。培養 物がOD600nm 0.3〜0.6の密度に達したときに培養物に誘導をかけた。もっとも多 くは、この密度はプレートからの細胞懸濁直後に得られ、液体培地での増殖期間 は必要ではなかった。2種類の誘導方法を用いた。方法1:細胞を1mMのIPTGで3 7℃にて誘導した。培養液をプラットホームシェーカー上200rpmで5時間振盪して 集めた。方法2:培養物を25マイクロモルのIPTGで30℃にて誘導し、20℃または 30℃にて15時間200rpmで振盪した。培養物は精製に使用するまで4℃にて保存し た。大腸菌からのTcbAの精製 TcbAおよびTcbAiiAiiiの精製、バイオアッセイおよびイムノブロット解析はこ こに記載したとおりである。大腸菌発現実験の代表的な数例を表32に示した。表 32に示した全ての材料は培養物の培地画分から精製した。予想される未変性の分 子量は本明細書に記載したとおりおよそ900kDである。サンプルの純度、夾雑タ ンパク質に対するTcbAの量、は各調製で異なっていた。対照サンプルに比較したサザンコーン・ルートワームに対する致死および成長阻 害のスコアシステム;5〜24%=“+”、25〜49%=“++”、50〜100%=“ +++” 実施例20マトリックスアシステッドレーザー脱離イオン化飛行時間質量分光法(Matrix-as sisted Laser Desorption Ionization Time-of-Flight Mass Spectroscopy)によ る毒素タンパク質の特性決定 W-14から単離した毒素を実施例15に記載したように精製した。いくつかのケ ースでは、TcaBタンパク質毒素は前に記載したように(実施例15)W-14ブロス から単離しておいたプロテアーゼで前処理した(実施例16)。タンパク質の分子 質量はDELAYED EXTRACTION技術を備えたVOYAGER BIOSPECTROMETRYワークステー ション(PerSeptive Biosystems,Framingham,MA)で、マトリックスアシステッド レーザー脱離イオン化飛行時間質量分光法(以後MALDI-TOFという)を用いて決 定した。典型的には注目しているタンパク質(5μl中に100〜500pmol)を1μ lのアセトニトリルと混合し0.025μMの孔サイズをもつミリポアVSフィルター( Millipore Corp.Bedford,MA)で0.5〜1h透析した。透析はこのフィルターを水 の上に(光沢のある面を上に)浮かべ、続いてタンパク質-アセトニトリル混合 物をフィルター上に液滴として加えることによって行った。透析後、透析したタ ンパク質をピペットでとり、業者の説明書に従い、シナピン酸とトリフルオロ酢 酸からなるマトリックスと混合した。タンパク質とマトリックスを約3cm2の金 メッキサンプル板(PerSeptive Corp)上に共結晶化させた。結晶の励起と続く質 量分析は以下の条件を用いて行った:レーザー設定3050;圧力4.55e-07;低質量 ゲート1500.0;マイナスイオン オフ;加速電圧25,000;グリッド電圧90.0%; ガイド線電圧0.010%;直線モード;および、パルス遅延時間350ns。 タンパク質質量分析データは表33に示した。MALDI-TOFから得られたデータを 遺伝子情報から得られ、かつ、SDS-PAGEで前に測定した仮設データと比較した。 ^データ 正規化TcbA、TcbAi/iiでは複数の断片が観察された 実施例21 ペプチド特異的ポリクローナル抗体の作製 W-14毒素複合体の9つの構成ペプチド、すなわちTcaA、TcaAiii、TcaBi、TcaBi i 、TcaC、TcbAii、TcbAiii、TcdAiiおよびTcdAiiiを標的として選び、これに対 する抗体を作製した。これらのペプチドに関する総合的なDNAおよび推定アミノ 酸配列データはこれらのペプチドのいくつかの間の配列ホモロジーがかなりのも のであることを示した。抗体産生を誘導するためにペプチド全体を免疫原として 使用するならば、得られる抗体は毒素調製物中の多数のペプチドに結合するかも しれない。この問題を避けるために、注目している各々のペプチドの固有の領域 に特異的に結合するように抗体を作製した。各標的ペプチドの固有領域(サブペ プチド)は以下の解析に基づいて選択した。 それぞれのペプチド全体の配列をMacVectorTMタンパク質解析ツール(IBI Sequ ence Analysis Software,International Biotechnologies,Inc.,P.O.Box 955 8,New Haven,CT06535)を使用して解析し、その抗原性インデックスを決定した 。このプログラムは可能な表面局在アミノ酸配列、すなわち、抗原部位かもしれ ない領域の位置を定めるために設計されたものである。この方法は、タンパク質 の表面性状の複合的予測するために、親水性、表面確率(surface probability) 、2次構造予測による骨格のフレキシビリティ予測から得られる情報をつなぎ合 わせるものである。それぞれの解析のスコアを-1.0〜1.0の値に正規化した(Mac VectorTMマニュアル)。抗原性インデックス値を標的ペプチドの配列全体に対し て得た。各ペプチドから元の配列の高い抗原性インデックスを示す19またはそれ 以上のアミノ酸をカバーする領域を再解析して側方領域を持たないサブペプチド の抗原性インデックスを決定した。ペプチドの抗原性インデックスは側方のアミ ノ酸残基によって影響を受け得るのでこの再解析は必要である。単離したサブペ プチドが高い抗原性インデックスを維持しないときは、新たな領域を選び解析を 繰り返した。 選択した各サブペプチドを整列させ、MacVectorTM整列プログラムを用いて7 つの全ての標的配列に比較した。選択したサブペプチド配列が他の標的ペプチド に同一性(20%より大)を示したときは、新たな19またはそれ以上のアミノ酸領 域を単離して再解析した。すべての標的ペプチドから、高い抗原性インデックス を示す19またはそれ以上のアミノ酸をカバーする単一のサブペプチド配列を選択 した。 7種のサブペプチドの配列をGenemed Biotechynology社に送った。各サブペプ チドの最後のアミノ酸残基は抗原性インデックスに明確な影響を与えなかったの で除去した。各サブペプチド配列のN-末端にシステイン残基を付加したが、内部 システイン残基を有するTcaBi-synは別とした。システイン残基の存在はキャリ アータンパク質(KLH)の結合を容易とする。適切な毒素タンパク質ペプチドに対 応する最終的なペプチド産物と配列番号を表34に示した。 コンジュゲートさせた各ペプチドを2匹のウサギにGenemed加速プログラムに 従って注射した。免疫前、および免疫後の血清は1か月後にテスト用に利用でき た。 各ウサギからの免疫前および免疫後の両方の血清の予備テストはGenemed Biot echnologies社が行なった。Genemed社はELISAおよびウエスタンブロッティング 技術の両方を使用して、免疫後の血清と各々の合成ペプチドとの反応を検出した ことを報告した。続いて、この血清を標的ペプチドの全体とウエスタンブロッテ ィング解析によってテストした。Photorhabdus株W-14の部分精製毒素複合体の2 つのバッチを抗原として使用した。この2つのサンプルはサザン・コーン・ルー トワームに対して活性を示していたものである。それらのSDS-PAGEゲル上のペプ チドパターンは少し異なっていた。 プレキャストの4〜20%グラディエントSDS-ポリアクリルアミドゲル(Integra ted Separation Systems,Natick,MA 01760)を使用した。各ゲルのウェルに1 〜8μgのタンパク質をのせた。電気泳動を行ない、タンパク質をHybond-ECLTM ニトロセルロースメンブレン(Amersham International)上に電気ブロットした。 このメンブレンをTBST(25mM Tris HCl pH7.4,136mM NaCl,2.7mM KCl,0.1% T ween 20)中の10%ミルクで1時間室温にてブロックした。各ウサギ血清を10% ミルク/TBSTで1:500に希釈した。その他、1:50〜1:1000の希釈も使用した 。血清をメンブレンに加え少なくとも1時間、プラットホーム振盪台(platform rocker)上に置いた。このメンブレンをブロッキング液またはTBSTでよく洗浄し た。10%ミルク/TBST中1:2000に希釈した2次抗体(ホースラディッシュ・ペル オキシダーゼに結合したヤギ抗マウスIgG;BioRad Laboratories)をプラットホ ーム振盪台上に置いたメンブレンに少なくとも1時間作用させた。続いてメンブ レンを過剰量のTBSTで洗浄した。タンパク質の検出はECL(増感化学蛍光)(Enh anced Chemiluminescence)検出キット(Amersham International)を用いて行な った。 各抗-合成ペプチド抗体の結合特異性を明らかにするためにウエスタンブロッ トを行なった。全ての合成ポリクローナル抗体はPhotorhabdus培養ブロスからの タンパク質画分のプロセスされた、または適用できる場合は、プロセスされない 標的ペプチドに対して特異性を示した。種々の抗体が、バクテリアまたはバキュ ロウイルス発現系をもちいた昆虫細胞のような異種発現系による、プロセッシン グされない、またはプロセッシングされた組換えタンパク質を認識することが示 された。ひとつのケースでは、抗-TcbAiii-syn抗体は抗-TcdAiiiペプチドに対し て交差反応性を示した。2番目のケースでは、抗-TcaC-syn抗体はW-14毒素複合 体画分中の未同定の190kDaペプチドを認識した。 実施例22 Photorhabdus 株の特性 本明細書に記載したコレクションがPhotorhabdus株からなることを明確にする ために、本明細書の菌株を、Photorhabdus属バクテリアに特徴的であり、他のエ ンテロバクターおよびゼノラブダス(Xenorhabdus)sppと異なる、知られている微 生物的特性の点から評価した(Farmer,J.J.1984.Bergey's Manual of System ic Bacteriology,第1巻、pp.510-511.(KreigN.R.とHolt,J.G.編集),Willi ams & Wilkins,Baltimore.;AkhurstとBoemare,1988,J.Gen.Microbiol.134 ,1835-1845;ForstとNealson,1996.Microbiol.Rev.60,21-43)。これらの特 徴とは以下の通りである:グラム染色陰性桿状体、生物体サイズは幅0.3〜2μ mで長さ2〜10μm(ときどきフィラメント(15〜50μm)およびスフェロプラ スト)、栄養培地状で黄色〜オレンジ/赤色着色コロニー、結晶封入体の存在、 カタラーゼの存在、硝酸塩還元能の欠如、生物発光の存在、増殖培地からの色素 の取り込み能、プロテアーゼ産生陽性、37℃より低い温度での増殖、嫌気的条件 下での生存と明確な運動性(表33)。テスト方法は、大腸菌、ゼノラブダス、お よびPhotorhabdus対照株を用いてチェックした。全体的な結果は、全ての菌株が エンテロバクターファミリーの一員であり、ホトラブダス属の一員であることと 一致した。DEP1、DEP2およびDEP3はアメリカンタイプカルチャーコレクション(1 2301 Parklawn Drive,Rockville,MD 20852USA)から入手したPhotorhabdus株で ある(各々、#29304、29999および51583)。 これらのPhotorhabdus株と関連した生物発光を明らかにするために光度計を使 用した。相対光放射単位が存在するまたは存在しないことを測定するために、各 菌株のブロス(細胞および培地)を液体培地に接種後間隔を置いて3回(24、48 、72時間)測定しバックグラウンド(未接種の培地)の発光と比較した。いくつ かのゼノラブダス株を発光に対する負対照としてテストした。種々のブロスから の発光を測定する前に、シッパーセル(sipper cell)を用いてGilford Systems(O berlin,OH)分光光度計により吸光度(560nm)を測定することによって細胞密度 を確定した。これで得られた発光ユニットを細胞密度に関して正規化できた。ブ ロスの一定量を96-ウェルマイクロタイタープレートにいれ(各100μl)、Pack ard LumicountTM光度計(Packard Instrument Co.,Meriden,CT)で読み取った。 各サンプルの測定時間は0.1〜1.0秒とした。読み取りの前にサンプルを光度計中 で10秒間撹拌した。バックグラウンド発光の約5倍(約1〜15相対光量ユニット) を陽性のテスト結果として決定した。さらに、コロニー発光の程度を写真フイル ムを重ね、暗室で目が慣れた後、肉眼で確かめた。各菌株のグラム染色特性は商 業的グラム染色キット(BBL,Cockeysville,MD)をグラム染色対照スライド(Fish er Scientific,Pittsburgh,PA)と共に使用して確認した。顕微鏡評価をツァイ ス顕微鏡(Carl Zeiss,Germany)100x油浸レンズを(接眼倍率10x、本体倍率2x) 用いて行なった。生物体サイズ、細胞輪郭および封入体に関する個々の菌株の顕 微鏡検査(後の2つの観察は対数増殖の後)を湿式スライド(wet mound slide) (接眼倍率10x、本体倍率2x、対物倍率40x)とマイクロメーターのついた位相 差顕微鏡を用いて行なった(Akhurst,R.J.とBoemare,N.E.1990,Entomopatho genic Nematodes in Biological Control(Gaugler,R.とKaya,H.編集),pp.75-9 0,CRC Press,Boca Raton,USA.;Baghdiguian S.,Boyer-Giglio M.H.,Thaler ,J.O.,Bonnot G.,Boemare N.1993.Biol.Cell 79,177-185)。コロニー色 素沈着はラベルの説明に従って調製したバクト寒天培地(Difco Laboratories,D etroit,MI)に接種した後に観察した。インキュベーションを28℃で行ない、輪 郭が5日後に現れた。酵素カタラーゼの存在をテストするため、テスト生物のコ ロニーを寒天培地プレートから小さなプラグで取り出し、ガラス試験管の底に入 れた。1mlの過酸化水素溶液を静かに管壁から加えた。ガス(酸素と推定される )の気泡が直ちに、または5分以内に現れれば陽性の反応と記録した。対照であ る未接種の培地寒天と過酸化水素溶液も調べた。硝酸塩還元をテストするため、 各培養物を10mlのバクト硝酸塩ブロス(Bacto Nitrate Broth)(Difco Laborato ries,Detroit,MI)に接種した。28℃にてゆっくり振盪しながら24時間インキュ ベーション後、2滴のスルファニル酸試薬と2滴のα-ナフチルアミン試薬を加え ることにより亜硝酸塩の生成をテストした(Difcoのマニュアル、第10版を参照 せよ、Difco Laboratories,Detroit,Mi,1984)。はっきりしたピンクまたは 赤色の発生は硝酸塩からの亜硝酸塩の形成を示すが、色形成のないことはその菌 株が硝酸塩還元陰性であることを示す。後者の場合は、非還元硝酸塩の存在をさ らに確かめるために微粉亜鉛を加えた;亜硝酸塩の形成とその結果の赤色によっ て確かめられた。各菌株の増殖培地からの色素取り込み能を色素ニュートラルレ ッドを含むバクトマコンキー寒天(Bacto MacConkey agar)でテストした;色素ブ ロ モチモールブルーを含むBacto Tergitol-7寒天および色素エオジン−Yを含むBa cto EMB寒天(Difco Laboratories社、Detroit,MIによる調合済み寒天、ラベル の説明に従って調製)。これらの培地上に接種した後、28℃にて5時間インキュ ベーション後に色素取り込みを記録した。これらの後者の培地上での増殖はエン テロバクターファミリーの一員に特徴的である。各菌株の運動性はラベルの説明 に従って調製したBacto Motility Test培地(DIfco Laboratories,Detroit,MI) を用いてテストした。各菌株でバットスタッビング(butt-stab)接種を行ない、 接種線からの増殖拡大の拡散領域により巨視的に判断した。プロテアーゼの産生 はラベルの説明書に従って作製したBactoゼラチン(Difco Laboratories,Detroi t,MI)を用いてゼラチンの加水分解を観察することによってテストした。培養物 を接種し、試験管またはプレートを28℃にて5日間インキュベーションした。ゼ ラチン加水分解は室温、すなわち22℃より低い温度でチェックした。種々の温度 における成長を評価するため、寒天プレート[脱イオン水中、2%バクト寒天( Bacto-Agar)と2%プロテオースペプトン#3(Difco,Detroit,MI)]に共通の 接種物源からストリークした。プレートを20℃、28℃および37℃にて3週間に至 るまでインキュベーションした。インキュベーター温度は種々の温度設定を保証 するため電子熱電対とメーターでチェックした。Photorhabdus株の酸素要求性は 以下の方法でテストした。流動チオグリコレート培養培地(Difco,Detroit,MI) 中へバットスタッビング接種を行なった。このチューブを室温で1週間インキュ ベーションし、培養物をそのタイプと増殖の程度について検査した。指示薬レサ ズリンは培地の酸素化または好気生活帯(aerobiosis zone)(Difcoマニュアル、 第10版、Difco Laboratories,Detroit,MI)が存在することを明らかにした。テ ストしたPhotorhabdus株から得られた増殖帯の結果は条件的嫌気性微生物の増殖 帯と一致するものである。不明確な結果の場合には、流動チオグリコレート培地 の最終寒天濃度を0.75%にあげて増殖特性を再チェックした。 *:A=グラム染色、B=結晶封入体、C=生物発光、D=細胞形状、E=運動性、F =硝酸塩還元、G=カタラーゼの存在、H=ゼラチン加水分解、I=色素取り込み 、J=寒天培地上の色素沈着(5日後にいくらか色変化)、K=EMB寒天上での増 殖、L=マッコンキー寒天上での増殖、M=Tergitol-7寒天上での増殖、N=条件 的嫌気性、0=20℃での増殖、P=28℃での増殖、Q=37℃での増殖 †:+=特性について陽性、−=特性に関して陰性;rd=桿状、S=属記述の範 囲内サイズ §:W=白色、CR=クリーム色、Y=黄、YT=黄褐色、T=褐色、PO=薄オレンジ 、O=オレンジ色、PR=薄赤色、R=赤色 我々のコレクションのPhotorhabdus株の進化的多様性を各菌株のゲノムDNAを 用いたPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)媒介ゲノムフィンガープリント解析によっ て測った。この技術は、多様なバクテリア種のゲノムを通じて存在する反復DNA ファミリーに基づくものである(Versalovic,J.,Schneider,M.,DE Bruijn,F. J.および、Lupski,J.R.による総説1994.Methods Mol.Cell.Biol.,5,25-4 0)。このうちの3つ、遺伝子外反復パリンドローム配列(repetitive extragenic palindromic sequence)(REP)、エンテロバクテリア反復遺伝子内保存(enteroba cterial repetitive intergenic consensus)(ERIC)およびボックス要素(BOX ele ment)がバクテリアゲノムの構成に重要な役割を果たすと考えられている。ゲノ ム構成は選択によって形成されると考えられており、密接に関連するバクテリア 株内でのこれらの差異の広がりはこれらの菌株を区別するのに用いることができ る(例えばLouws,F.J.,Fulbright,D.W.,Stephens,C.T.およびDE Bruijn, F.J.1994,Appl.Environ.Micro.60,2286-2295)。Rep-PCRはこれらの反復配 列に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーを使用してそれらの間にある種々の サイズのDNA断片を増幅する。得られた産物を電気泳動で分離して各菌株につい てDNA「フィンガープリント」を確定する。 各菌株からゲノムDNAを単離するため、細胞ペレットをTEバッファー(10mM Tri s-HCl,1mM EDTA,pH8.0)に最終体積10mlに再懸濁し、12mlの5M NaClを加えた。 この混合物を15,000xgで20分間遠心した。生じたペレットを5.7mlのTEに再懸 濁し、300μlの10%SDSおよび60μlの20mg/mlプロテイナーゼK(Gibco BRL P roducts,Grand Island,NY)を加えた。この混合物を37℃にて1時間インキュ ベーションし、約10mgのリゾチームを加え、この混合物を更に45分間インキュベ ーションした。1mlの5M NaClおよび800μlのCTAB/Nacl溶液(10% W/V CTAB、0 .7M NaCl)を次に加え、この混合物を65℃にてゆるやかに撹拌しながら10分間イ ンキユベーションし、更に細胞性物質が澄むのを助けるため20分間インンキュベ ーションおよび撹拌した。等容量のクロロホルム/イソアミルアルコール溶液(2 4:1、v/v)を加え、ゆるやかに混合して遠心した。等容量のフェノール/クロロ ホルム/イソアミルアルコール(50:49:1)で2回抽出を行なった。ゲノムDNAを 0.6容積のイソプロパノールで沈殿させた。沈殿したDNAをガラス棒で取り出し、 70% エタノールで2回洗浄し、乾燥させ、2mlのSTE(10mM Tris-HCl pH8.0,10mM NaCl ,1mM EDTA)に溶解した。DNAは次に260nmの光学濃度で定量した。Photorhabdus ゲノムDNAのrep-PCR解析を行なうため、以下のプライマーを使用した。すなわち 、REP1R-I;5'-111ICGICGICATCIGGC-3'およびREP2-I;5'-CGICTTATCIGGCCTAC-3' である。PCRは以下の25μl反応液を用いて行なった:7.75μlH2O、2.5μl 10 x LAバッファー(Panvera Corp.,Madison,WI)、16μl dNTPミックス(各2.5mM) 、50pM/μlの各プライマー1μl、1μl DMSO、1.5μlゲノムDNA(濃度範囲 0.075〜0.480μg/μl)および0.25μlTakara EX Taq(PanVera Corp.,Madiso n,WI)。PCR増幅はパーキンエルマーDNAサーマルサイクラー(Norwalk,CT)により 以下の条件を用いて行なった:95℃/7分間、次に、94℃/1分間、44℃/1分間 、65℃/8分間を35サイクル、続いて65℃15分間。サイクルの後、25μlの反応 物を5μlの6xゲルローディングバッファー(0.25%ブロモフェノールブルー 、40% w/vスクロース水溶液)に加えた。8μlの各反応物を用いて15x20cmの 1%-アガロースゲルをTBEバッファー(0.09M Tris-ホウ酸、0.002M EDTA)中で泳 動した。ゲルは45Vで約16時間泳動した。次にゲルを20μg/mlエチジウムブロミ ドで1時間染 照射下で撮った。 各菌株について特異的なサイズのバンドが存在、あるいは存在しないことを写 真からスコアをつけ、数値分類学ソフトウエアプログラム、NTSYS-pc(Exeter So ftware,Setauket,NY)に類似度マトリックスとして入力した。同じ条件下でア ッセイした、対照である大腸菌株HB101およびザントモナス・オリザエ(Xanthomo nas oryzae)pv.オリザエは発表されている報告(Versalovic,J.,Koeuth,T.とL upski,J.R.1991.Nucleic Acids Res.19,6823-6831;Vera Cruz,C.M.,Hald a-Alija,L.,Louws,F.,Skineer,D.Z.,George,M.L.,Nelson,R.J.,DEBru ijn,F.J.,Rice,C.およびLeach,J.E.1995.Int.Rice Res.Notes,20,23-2 4.;Vera Cruz,C.M.,Ardales,E.Y.,Skinner,D.Z.,Talag,J.,Nelson,R.J .,Louws,F.J.,Leung,H.,Mew,T.W.およびLeach,J.E.1996.Phytopat hol ogy 86,1352-1359)に一致するPCRフィンガープリントを作り出した。Photorhab dus株のデータを次にNTSYS-pcの中の一連のプログラムで解析した;相似係数 マトリックスを(Jaccard係数を用いて)生成するためのSIMQUAL(定性的データ 類似性(Similarity for Qualitative data))および関連する系統株をグループ 化してフェノグラムとして表示できる(図7)SAHN(連続的、集団的,階層的か つ入れ子(Sequential,Agglomerative,Heirarchical and Nested))クラスタリ ング[UPGMA(算術平均による非加重ペアグループ法(Unweigthed Pair-Group Met hod with Arithmetic Averages method))法を用いる]。COPH(コフェネティッ ク値)およびMXCOMP(マトリックス比較)プログラムをコフェネティック値マト リックスの生成、およびクラスタリングの基礎となった元のマトリックスとこれ との相関係数を比較するために使用した。この結果正規化マンテル統計値(r) が生成されたが、これはクラスター分析のフィット性の良さを測るものである( r=0.8〜0.9は非常に良好なフィット性を表す)。我々のケースではr=0.924 であった。従って、このコレクションはホトラブダス属を代表する、容易に区別 できる系統株の多様なグループからなるものである。 実施例23 種々のPhotorhabdus株により産生される毒素の殺虫剤有用性 種々のPhotorhabdus株の初期の「保存」培養物を、2%のプロテオースペプト ン#3(PPS)(Difco Laboratories、Detroit,MI)液体培地175mlにカプット(Kapu t)で覆われたデロング(Delong)口を有する500mlトリバッフル(tribaffled flask )フラスコ中で種々の初代コロニーを接種することにより作製した。接種後この フラスコを28℃にてロータリーシェーカー上150rpmで定常状態に達するまで24〜 72時間インキュベーションした。この培養物を滅菌したマグネティックスターラ ーバーの入った滅菌したビンに移し、この培養物にミネラルオイルを上層し、空 気への露出を最小限にした。保存培養物は室温で暗所に保存した。この培養物は 次に各菌株の発酵のための接種源として使用した。 「種」フラスコ、すなわち培養物は、Kaput栓のついた500mlのトリバッフルフ ラスコ中の175mlの滅菌培地にオイルを上層した2mlの保存培養物を接種すること により、または種々の初代コロニーを移すことによって作製した(他の接種源を 使用することも可能である)。典型的には、ロータリーシェーカーで16時間にわ たって28℃で150rpmでインキュベーション後、この種培養物を生産フラスコに移 した。たいていは、約1%の元気よく増殖している種培養物を滅菌した2%PP3 培地に加えることによって(例えば、175ml滅菌培地あたり2.0ml)生産フラスコ に接種した。ブロスの生産はKaputで覆われた500mlトリバッフルフラスコで行な った。生産フラスコをロータリーシェーカーで150rpmで28℃にて振盪した。生産 発酵は24〜72時間後に停止させたが、好結果を与える発酵はこの時間に限定され るものではない。適当なインキュベーションの後、このブロスを滅菌した1.0Lの ポリエチレン瓶に分け、2600xgで10℃にて1時間スピンし、細胞および残渣ペ レットからデカンテーションした。更なるブロース浄化を、0.5μMのオープン −チャンネルポリエーテルスルホン(PES)メンブレンフィルターを使用して接 線方向の流れの微量濾過装置(Pall Filtron、Northboro-ugh,MA)で得た。得ら れたブロスを次に10,000または100,000MWカットオフメンブレン、M12限外濾過装 置(Amicon、Beverly MA)を用いて、または10,000または100,000MWの孔サイズ の遠心濃縮装置(Millipore,Bedford,MAおよびPall Filtron,Northborough,MA )を用いて(10倍にまで)濃縮した。遠心濃縮装置の場合はブロスは2000xgで およそ2時間スピンした。使用する孔サイズより大きい成分の望みの濃縮を達成 するために対応する濃縮物に膜透過液を加えた。この手順の後、ブロスを生化学 分析のために使用、または0.2μM硝酸セルロースメンブレンフィルターを用い た生物学的評価のために膜滅菌した。処理したブロスの熱処理はサンプルを砂充 填加熱ブロック中で10分間100℃で加熱することによって行った。 種々のPhotorhabdus株のブロスおよび毒素タンパク質は昆虫の個体数を減少さ せるために有用であり、昆虫不活性化に有効な量の記載した活性物質を昆虫の居 場所に作用させることを含む昆虫個体数を抑制する方法に使用した。上述のよう に発酵させたPhotorhabdus株の選択したグループのブロスから観察された殺虫活 性の広さの証明を表36に示した。ブロスの濃縮度を上げることによりまたは異な る発酵方法を採用することにより、改良された、または更なる殺虫活性が検出さ れる可能性がある。活性がタンパク質と関連することと矛盾なく、テストした全 ての菌株の殺虫活性は非耐熱性であった。 種々のPhotorhabdus株の培養ブロスは多数の昆虫に対して異なった殺虫活性 (死滅率および/または成長抑制)を示す。さらに詳しくは、昆虫コレオプテラ 目の一因であるコーン・ルートワームに対して活性がみられる。Coleopteraの他 のメンバーには、ワタミゾウムシ(boll weevil)、ネキリムシ(wireworm)、花粉 甲虫(pollen beetle)、トビハムシ(flea beetle)、種子甲虫(seed beetle)、コ ロラド・ジャガイモ・甲虫が含まれる。ブロスおよび精製毒素複合体はまたレピ ドプテラ目のメンバーであるタバコ・ハマキガ、タバコ・ホーンワームおよびア ワノメイガに対しても活性がある。この目の典型的な他のメンバーは、シロイチ モンジヨトウガの幼虫、イラクサキンウワバ、タマナヤガ、オオタバコガの幼虫 、シンクイガ、インディアン・ミールモス、ハマキムシ、アオムシ、ワタオオタ バコガの幼虫、ミノムシ、イースタン・テント・キャタピラ、ソッド・ウェブワ ーム、および、アメリカ産行列毛虫である。活性はまた、ジクチオプテラ(また はブラットデア)目の一員であるチャバネゴキブリに対しても観察される。この 目の他のメンバーはコバネゴキブリおよびアメリカゴキブリである。 コーン・ルートワーム幼虫に対する活性を以下のようにして試験した。Photor habdus培養ブロス(10倍に濃縮、フィルター滅菌)、2%のプロテオースペプト ン#3(10倍濃縮)、精製毒素複合体、10mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0 を40μlアリコートで人工餌(Rose,R.I.及びMcCabe,J.M.1973.J.Econ.Entom ol.66,398-400)の表面(約1.5cm2)に直接適用した。毒素複合体を10mMのリン 酸ナトリウム緩衝液、pH7.0中で希釈した。餌プレートを無菌フロー−フード中 で空気乾燥させ、ウェルに表面滅菌卵から孵化された単一の新生ジアブロチカ・ ウンデシムパンクタータ・ホワルディ(Diabrotica undecimpunctata howardi)( サザン・コーン・ルートワーム(Southern corn rootworm,SCR))を発生させた。 プレートをシールし、保湿成長チャンバーに入れ、適当な期間(3〜5日)にわ たって27℃に保った。次いで死亡率及び幼虫重量測定をスコアにつけた。一般に 、処理当たり16匹の昆虫を全ての研究に使用した。対照死亡率は一般に5%未満 であった。 レピドプテラン幼虫に対する活性を以下のようにして試験した。濃縮(10倍)Ph otorhabdus培養ブロス、対照培地(2%のプロテオースペプトン#3)、精製毒 素複合体、10mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0を40μlのアリコート中で 通常の人工レピドプテラン飼料(ストーンビル・イエロー飼料)の表面(約1.5c m2)に直接適用した。餌プレートを無菌フロー−フード中で空気乾燥させ、各ウ ェルに単一の新生幼虫を発生させた。アワノメイガ(オストリニア・ヌビラリス (Ostrinia nubilalis))及びタバコ・ホーンワーム(マンジュカ・セクスタ(Mand uca sexta))を市販源から入手し、ハウス内で孵化させ、一方、タバコハマキガ( ヘリオジス・ビレセンス(Heliothis virescens))幼虫を内部供給した。幼虫を発 生させた後、飼料プレートをシールし、保湿成長チャンバーに入れ、適当な期間 にわたって27℃で暗所に保った。死亡率及び体重測定を5日目にスコアにつけた 。一般に、処理当たり16匹の昆虫を全ての研究に使用した。対照死亡率は対照培 地について一般に約0〜約12.5%の範囲であり、リン酸緩衝液について10%未満 であった。 ゴキブリに対する活性を以下のようにして試験した。濃縮(10倍)Photorhabdus 培養ブロス、対照培地(2%のプロテオースペプトン#3)、精製毒素複合体、 を40μlのアリコート中で通常の人工レピドプテラン飼料(ストーンビル・イエ ロー飼料)の表面(約1.5cm2)に直接適用した。飼料プレートを無菌フロー−フ ード中で空気乾燥させ、各ウェルに単一のCO2麻酔した初齢幼虫チャバネゴキブ リ(ブラテラ・ジャーマニカ(Blatella germanica))をたからせた。その後、飼 料プレートをシールし、保湿成長チャンバーに入れ、適当な期間にわたって27℃ で暗所に保った。死亡率及び体重測定を5日目にスコアした。対照死亡率は10% 未満であった。* =25%死亡率および/または成長抑制(対コントロール) **=1;タバコハマキガ、2;アワノメイガ、3;タバコ・ホーンワーム、 4;サザン・コーン・ルートワーム、5;チャバネゴキブリ実施例24 W-14 造伝子プローブを用いた非W-14Photrohabdus株のサザン解析 Photorhabdus株を2%プロテオースペプトン#3寒天(Difco Laboratories,Det roit,MI)上で増殖させ、殺虫性毒素の能力を継代後の反復バイオアッセイにより 維持した。50mlの振盪培養物を175mlバッフルフラスコで2%プロテオースペプ トン#3培地中、28℃にて150rpm、およそ24時間で増殖させて作った。この 培養物の15mlを遠心し(700xg、30分間)、その培地中で-20℃にて凍結しDNA 単離のために(氷水中でゆっくりと)溶解するまで凍結しておいた。溶解したW −14培養物を遠心し(900xg、15分間、4℃)浮遊しているオレンジ色のムコ多 糖を除去した。残った細胞物質を遠心して(25,000xg、4℃)バクテリアをペ レット化し、培地を除去してデカンテーションした。 全DNAをAusbelら(1994)の2.4.1節に記載されているCTAB法を適合させて単離し た。変更には高塩濃度ショックが含まれ、全ての体積は椎奨されている「ミニプ レップ」体積の10倍に増加させた。遠心は全て、特定しなければ4℃で行なった 。ペレット化したバクテリア細胞をTEバッファー(10mM Tris-HCl、1mM EDTA、pH 8)に再懸濁し、最終体積を10mlとし、次に12ml 15M NaClを加えた;この混合物 を20分間、15,000gで遠心した。このペレットを5.7mlのTEに再懸濁し、300μl の10%SDSと60μlの20mg/mlプロテイナーゼK(蒸留水中、Gibco BRL Products ,Grand Island,NY)を懸濁液に加えた。この混合物を37℃にて1時間インキュ ベーションした;次におよそ10mgのリゾチーム(Worthington Biochemical Corp. ,Freehold,NJ)を加えた。更に45分間インキュベーション後、1mlの5M NaClと8 00μlのCTAB/NaCl溶液(10% w/v CTAB、0.7M NaCl)を加えた。この調製物を6 5℃にて10分間インキュベーションし、次に緩やかに撹拌して、更にインキュベ ーションし、およそ20分間撹拌して細胞性物質が澄むのを助けた。等容量のクロ ロホルム/イソアミルアルコール溶液(24:1、v:v)を加え、緩やかに混合 し、12,000xg15分間の遠心で相分離させた。上相(水相)を広口径のピペット で静かに取り出し、等容量のPCI(フェノール/クロロホルム/イソアミルアル コール;50:49:1、v:v:v;1M Tris-HCl pH.8.0,Intermountain Scientif ic Corporation,Kaysville,UT,で平衡化)で上記のように2回抽出した。0.6容 積のイソ プロパノールで沈殿させたDNAをガラス棒で静かに取り出し、70%エタノールで2 回洗浄し、乾燥させ、2mlのSTE(10mM Tris-HCl、10mMNaCl、1mM EDTA、pH8)に 溶解した。この調製物は260nmの光学的密度による測定では、2.5mg/mlのDNAを含 んでいた。tc 遺伝子特異的プローブにハイブリダイズするBglII/HindIII断片の同定 およそ10μgのゲノムDNAをそれぞれ30ユニットのBglIIとHIndIII(NEB)で180 分間完全に消化し、一晩凍結し、65℃にて5分間加熱し、0.8%アガロースゲル(S ea エチジウムブロミド(50μg/ml)で染色し、UV灯下で写真撮影した。アガロー スゲル中のDNA断片を脱プリンし(0.2M HCl中5分間)、変性させ(0.5M NaOH、1 .5M NaCl中15分間)、中和した(0.5M Tris-HCl pH8.0、1.5M NaCl)。各ステッ プの間は蒸留水で3回洗浄した。Ausubelら(CPMB、op.cit.)の2.9節に記載され ているように、DNAをサザンブロッティングによりゲルからNYTRANナイロンメン ブレン(Amersham,Arlington Heights,IL)に高塩濃度(20xSSC)プロト コルを用いて移した。転写したDNAをストラタジーンUV Stratalinkerセットの自 動架橋でナイロンメンブレンにUV-架橋した。メンブレンは使用するまで25℃に て乾燥状態で保存した。 ハイブリダイゼーションは、ECLTM直接ラベル(Amersham,Arlington Heights ,IL)および検出システムを用いて業者が提供するプロトコルに従って行なった 。簡単に言えば、プローブは変性DNAを酵素ホースラディッシュ・ペルオキシダ ーゼに共有結合させることによって調製した。ラベルして、このプローブを酵素 活性を維持するハイブリダイゼーション条件下で使用した。未ハイブリダイズの プローブは、それぞれ20分間2回、0.5xSSC、0.4%SDSおよび6M尿素中42℃に て緩やかに洗浄して除去した。この後、2xSSC中室温で5分間、2回洗浄し た。業者の指示するように、ECLTM試薬をハイブリダイズしているDNAバンド を検出するために使用した。種々のPhotorhabdus株間およびW-14の遺伝子関連 性を検出する能力に影響を与えるいくつかの要因がある。第1に、これらのハイ ブリダイゼーションにおいては高ストリンジェント条件が使用されてこなかった 。ハイ ブリダイゼーションのストリンジェンシーおよび洗浄条件を変えることはハイブ リダイズするバンドのパターンと強度に影響を与えることはこの分野で知られた ことである。第2に、ブロットのバリエーションに関してサザンブロットのブロ ットはハイブリダイズしているバンドの移動度と分子量評価に影響を与える。従 って、W−14を全てのサザンブロットに標準として含めた。 W−14毒素遺伝子由来の遺伝子特異的プローブをこれらのハイブリダイゼーシ ョンに用いた。以下はこのプローブが対応する各遺伝子配列中の特異的座標を示 したリストである。tcaBi/Biiに特異的なプローブ:配列番号25の1174から3642 、tcaCに特異的なプローブ:配列番号25の3637から6005、tcbAに特異的なプロー ブ:配列番号11の2097から4964、およびtcdAに特異的なプローブ:配列番号46の 1660から4191。以下の表はPhotorhabdus株のサザンブロット解析を要約したもの である。プローブのハイブリダイゼーションが起こる場合には、ハイブリダイズ した断片をW−14株について観察されたパターンと同一か、または異なるとして 記載した。ND=未決定;−=検出可能なハイブリダイゼーション産物なし; I=断片パターン同一;D=断片パターン異なるND=未決定;-=検出可能なハイブリダイゼーション産物なし; I=断片パターン同一;D=断片パターン異なる +=ハイブリダイゼーション断片パターン未決定 ND=未決定;-=検出可能なハイブリダイゼーション産物なし; I=断片パターン同一;D=断片パターン異なる +=ハイブリダイゼーション断片パターン未決定 これらの解析から、W−14と他の株間の遺伝子断片サイズの相違に示されるよ うに、W−14遺伝子のホモログがこれらの多様なPhotorhabudus株にわたって分 散していることが明らかである。 実施例25 種々のPhotorhabdus株の毒素複合体ペプチドのN-末端アミノ酸配列 実施例14に記載したような種々のPhotorhabdus株から単離したペプチドの関 係をN-末端アミノ酸シーケンシングにかけた。いくつかの株の毒素ペプチドの N-末端アミノ酸配列をW−14毒素ペプチドと比較した。表40にはこれまで に比較した毒素ペプチドの比較結果を示したが、全ての株に同一またはホモロジ ーのある(少なくとも40%、W14遺伝子/ペプチドに類似)毒素ペプチドが存 在することが示されている。例えば、TcaC配列番号2のN-末端アミノ酸配列はH P88の160kDaペプチドのそれと同一であることが分かったが、WIR、H9、Hb、WX-1 およびHm株にもホモログが存在していた。W−14ペプチドまたはホモログのいく つかは他の株には観察されなかった。しかしながら、N-末端ブロックまたは量 が少なかったために、他の株のすべてについては毒素複合体についてシーケンシ ングしなかった。さらに、W−14からのペプチドに類似性を有しない、他の株か らの毒素複合体ペプチドについて多くのN-末端アミノ酸配列(配列番号82から8 8)が得られており、いくつかの場合にはそれらは互いに同一であった。例えば 、同一のアミノ酸配列、配列番号82がHP88およびHb株の両方に存在している64kD aペプチドについて、および、NC-1株の70kDaペプチド(配列番号83)について相 同な配列として得られている。 実施例26 Photorhabdus 株の免疫学的解析 Photorhabdus株のブロスをCentriprep-10限外濾過装置(Amicon,Inc.,Beverl y,MA 01915)を用いて10〜15倍に濃縮した。タンパク質の濃度は1mlあたり0.3 から3.0mgの範囲であった。4−20%プレキャストポリアクリルアミドゲル(Inte grated Separation Systems,Natick,MA 01760)の各ウェルに全タンパク質10〜 20μgを載せた。ゲルあたり25mAの定電流セットを用いて1.25時間ゲル電気泳動 を行なった。ゲルをHybond-ECLTMニトロセルロースメンブレン(Amersham Corpor ation,Arlington Hts,I1 600005)にセミドライ電気ブロット装置(Pharmacia B iotech Inc.,Piscataway,NJ 08854)を用いて電気ブロットした。 cmあたり0.75mAの定電流を2.5時間かけた。メンブレンをTBST(25mM Tris-H Cl pH7.4、136mM NaCl、2.7mM KCl、0.1%Tween20)中の10%ミルクで1時間室 温にてブロッキングした。各1次抗体を10%ミルク/TBSTで1:500に希釈した。 その他の1:50から1:1000までの希釈も用いた。メンブレンを1次抗体中で少な くとも1時間インキュベーションした。次にブロッキング溶液またはTBSTでメン ブレンをよく洗浄した。10%ミルク/TBST中の1:2000希釈の2次抗体(ホースラ ディッシュペルオキシダーゼに結合したヤギ抗-マウスIgGまたはヤギ抗ウサギIg G;BioRad Laboratories,Hercules,CA 94547)をメンブレンに作用させ、プラ ットホーム振盪台上に1時間おいた。次にメンブレンを過剰量のTBSTで洗浄した 。タンパク質の検出はECL(増感化学発光)検出キット(Amersham Internationa l)を用いて行なった。 W-14ペプチドに対して作製された一群のペプチド特異的抗体を、9種の非-W-14 Photorhabdus株からのブロス中のタンパク質成分の特性をウエスタンブロット解 析を用いて明らかにするために使用した。さらに、W-14-由来毒素複合体中のTcb Aiiiタンパク質を認識するモノクローナル抗体(MAb-C5F2)を使用した。結果( 表39)は、これらのブロス中のいつかのタンパク質に対して抗体が交差認識をす ることを示すものであった。いくつかのケースでは、これらの抗体に認識される タンパク質はW−14標的ペプチドと同じ大きさであった。他のケースでは、これ らの抗体に認識されるタンパク質はW−14標的ペプチドよりも大きさが小さかっ た。 このデータは非W-14Photorhabdus株のいくつかはW-14と類似のタンパク質を生産 しているかもしれないことを示唆する。違いは欠失またはタンパク質プロセッシ ングまたは分解過程によるものであり得る。いくつかの株は、いくつかの抗体に 認識されるタンパク質を有していなかったが、しかし、W-14ペプチドについて観 察される濃度よりもかなり濃度が低い可能性がある。種々の毒素ペプチドホモロ グと比較すると、これらの結果はPhotorhabdus株間のペプチド多様性を示すもの である。 +:陽性反応;-:陰性反応;NT:テストせず 更に他の非-W-14Photorhabdus株を、培養ブロスおよび/または部分精製タン パク質画分を抗原として用いてウェスタンブロット解析によって特性付けを行な った。これら一群の抗体には、MAb-C5F2、MAb-DE1(TcdAiiを認識)、PAb-DE2( TcaBを認識)、PAb-TcbAii-syn、PAb-TcaC-syn、PAb-TcaBii-syn、PAb-TcbAiii- syn、pAb-TcaBi-synが含まれる。これらの抗体は非-W-14株のブロスおよび部分 精製画分中のタンパク質と交差反応性を示した。 このデータは、部分精製タンパク質画分だけでなくブロス中のタンパク質を同 定するために利用できることを示している。-:陰性反応;+:陽性反応;NT:テストせず実施例27 tcdA コード配列のバクテリアでの発現 バクテリアでの発現のためのtcdA遺伝子操作 tcdAコード領域(配列番号46)の5'および3'端を修飾して、この断片を異種発 現ベクターに挿入するために利用できるクローニング部位を付加した。末端をポ リメラーゼ連鎖反応(PCR)において固有プライマーを用いて、本質的に実施例 8に記載したように行なった。以下に記載するプライマーセットをコスミド21D2 .4をテンプレートとしてして用い適当な修飾末端を有する生成物を作製した。 第1のプライマーセットは遺伝子の5'端を修飾するために用い、正方向プライ マーA0F1(5’GAT CGA TCG ATC CAT GGC CAA CGA GTC TGT AAA AGA GAT ACC TGA TG TAT TAA AAA GCC AGT GTG 3')を用いて開始コドンに唯一のNcoI部位を挿入し 、逆方向プライマーA0R1(5’GAT CGA TCG TAC GCG GCC GCT CGA TCG ATC GTC G AC CCA TTG ATT TGA GAT CTG GGC GGC GGG TAT CCA GAT AAT AAA CGG AGT CAC 3 ')を用いて唯一のBglII、SalIおよびNotI部位を挿入して遺伝子の残りの部分の 挿入を容易とした。 別のPCR反応を計画し、遺伝子の3'端に追加の停止コドンを付け加えクローニ ングのための便利な制限部位を付加した。正方向プライマーA0F2(5’ACT GGC TG C GTG GTC GAC TGG CGG CGA TTT ACT 3')を遺伝子中の唯一のSalI部位にまたが って増幅するために使用し、後には修飾3'端をクローニングするために使用した 。逆方向プライマーA0R2(5’CGA TGC ATG CTG CGG CCG CAG GCC TTC CTC GAG TC A TTA TTT AAT GGT GTA GCG AAT ATG CAA AAT 3')を使用して、第2の停止コドン (TGA)およびクローニング部位、XhoI、StuI、NotIを挿入した。バクテリア発現 ベクターpET27b(Novagen,Madison,WI)を修飾して標準的な分子生物学的技術に 従って位置446のBglII部位を欠失させた。 遺伝子の5'端を修飾するための第1の増幅反応(A0F1+A0R1)による497bpのPCR産 物を供給者の説明に従って修飾pET27bベクターに連結した。3つの単離物の増幅 部分のDNA配列を供給者が椎奨するプライマーと前述したシーケンシング法を用 いて決定した。全ての単離物の配列は同じであった。 一つの単離物をクローニングベクターとして使用し、tcdA遺伝子の中央部分を 6341bpのBglII−SalI断片に挿入した。得られたクローンはMC4と呼び、3'を除く 大部分のtcdAコーディング配列を含んでいた。最後に、完全長コード領域を完成 させるために、第2のPCR増幅(A0F2+A0R2)による832bpのPCR産物を、遺伝子の3 'を修飾するために、標準的な分子生物学的技法により、単離したMC4のSalIから NotIの断片に連結した。tcdAコード領域をシーケンシングし、完全であることが 分かったので、得られたプラスミドをpDAB2035と呼ぶ。tcdA のバクテリア発現のためのプラスミドpDAB2036、pDAB2037およびpDAB2038の 構築 tcdAコード領域をプラスミドpDAB2035から制限酵素NcoIおよびXhoIから切り出 し、ゲル精製した。この断片を発現ベクターpET15のNcoIおよびXhoI部位中に連 結し、プラスミドpDAB2036を作製した。さらにpDAB2035をNcoIとNotIで切断して tcdAコード領域を切り出し、発現ベクターpET28bのNcoIとNotI部位に連結してプ ラスミドpDAB2037を作製した。最後にプラスミドpDAB2035をNcoIとStuIで切断し てtcdAコード領域を放出させた。この断片をHindIIIで切断してT4 DNAポリメラ ーゼで処理して末端を平滑にしておいた発現ベクターTrc99aに連結した。このベ クターを次にNcoIで切断し、NcoI/StuI切断したtcdA断片と連結した。得られた プラスミドをpDAB2038と呼ぶ。プラスミドpDAB2038からのtcdAの発現 プラスミドpDAB2038をBL21細胞中へ形質転換し、実施例19においてプラスミド pDAB2033について上述したように発現させた。大腸菌からのtcdAの精製 発現培養物を10,300gで30分間遠心し、上清を集めた。2体積のH2Oで希釈し、 10mMリン酸ナトリウムバッファーpH7.0(バッファーA)で平衡化させた、ポロ ス50HQ(Perspective Systems,MA)カラム(1.6cmx10cm)に、流速7.5ml/分でア プライした。このカラムをバッファーAで280nmでの光学的密度がベースライ ンレベルにもどるまで洗浄した。次にカラムに結合したタンパク質をバッファー A中1M NaClで溶出した。 画分を20mlアリコートでゲル濾過カラム、バッファーAで平衡化しておいたセ ファロースCL-4B(2.6x100cm)に載せた。タンパク質をバッファーAで流速0.75 ・L/分で溶出した。リテンションタイムが260分と460分の間の画分をプールし、 20mM Tris-HCl、pH7.0(バッファーB)で平衡化しておいたMonoQ 5/5カラムに1 mL/分でアプライした。このカラムをバッファーBで280nmでの光学的密度がベー スラインレベルにもどるまで洗浄した。次にカラムに結合したタンパク質をバッ ファーB中0〜1M NaCl直線勾配、1mL/分、30分間で溶出した。1mlの画分を集め 、系列希釈し、SCRバイオアッセイにかけた。0.1〜0.3M NaClで溶出された画分 が最も高い殺虫活性を有していることが分かった。pAb TCdAii-syn抗体およびpA bTcdiii-syn抗体を用いた活性画分のウェスタン解析により、ペプチドTcdAiiお よびTcdAiiiが存在することが示された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 C12P 21/02 C 15/02 21/08 C12P 21/02 C12Q 1/68 A 21/08 C12N 5/00 B C12Q 1/68 C //(C12P 21/02 15/00 C C12R 1:01) (31)優先権主張番号 PCT/US96/18003 (32)優先日 平成8年11月6日(1996.11.6) (33)優先権主張国 世界知的所有権機関(WO) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AL,AM,AT,AU,A Z,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU, IL,IS,JP,KE,KG,KR,KZ,LK,L R,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN ,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,T T,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 エンシグ ジェラルド シー アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53705 マディソン キャメロット ドラ イヴ 1810 (72)発明者 ボーウェン ディヴィッド ジェイ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53575 オレゴン ハイウェイ エイ 5668 (72)発明者 ピーテル ジェームズ アメリカ合衆国 インディアナ州 46077 ザイアンスヴィル ハンターズ グレン 1427 (72)発明者 ファティグ レイモンド アメリカ合衆国 インディアナ州 46077 ザイアンスヴィル クレイ コート 30 (72)発明者 シューノヴァー スー アメリカ合衆国 インディアナ州 46112 ブラウンズバーグ マーステラ 7142 (72)発明者 フレンチ コンスタント リチャード エ イチ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53705 マディソン ユニヴァーシティー ベイ ドライヴ 1006 (72)発明者 ローシェロー トーマス エイ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53704 マディソン ブエナ ヴィスタ ストリート 3100 (72)発明者 ブラックバーン マイケル ビー アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53713 マディソン ルアン レーン 2127 (72)発明者 ヘイ ティモシー ディー アメリカ合衆国 インディアナ州 46077 ザイアンスヴィル カタリーナ ウェイ 1653 (72)発明者 メアロー ドナルド ジェイ アメリカ合衆国 インディアナ州 46032 カーメル ダービン ドライヴ 11845 (72)発明者 オー グレゴリー エル アメリカ合衆国 インディアナ州 46280 インディアナポリス サラトガ サーク ル 1028 (72)発明者 ロバーツ ジーン エル アメリカ合衆国 インディアナ州 46030 アーケイディア ステイト ロード 19 ―26035 (72)発明者 ストリックランド ジェームズ エイ アメリカ合衆国 インディアナ州 46052 レバノン マウント ザイアン ロード 780 (72)発明者 グオ リーニング アメリカ合衆国 インディアナ州 46112 ブラウンズバーグ ネルソン サークル 7 (72)発明者 チーチェ トッド エイ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53705 マディソン チャドボーン アベ ニュー 1609 (72)発明者 スカピンダ キティスリ アメリカ合衆国 インディアナ州 46077 ザイアンスヴィル アッシュウッド コ ート 4787

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.昆虫に対し機能活性を有するホトラブダスタンパク質毒素の有効量を含む組 成物。 2.ホトラブダス毒素がホトラブダスの精製培養物、トランスジェニック植物、 バキュロウイルス、または異種微生物宿主により産生される請求の範囲第1項に 記載の組成物。 3.ホトラブダス毒素がホトラブダス・ルミネセンスの精製培養物により産生さ れる請求の範囲第2項に記載の組成物。 4. 毒素がATCC 55397と指定されたホトラブダス・ルミネセンス株の精製培養 物から産生される請求の範囲第2項に記載の組成物。 5.毒素がW-14と称されるホトラブダス・ルミネセンス株の精製培養物により産 生される請求の範囲第2項に記載の組成物。 6.毒素がWX-1、WX-2、WX-3、WX-4、WX-5、WX-6、WX-7、WX-8、WX-9、WX-10、W X-11、WX-12、WX-14、WX-15、H9、Hb、Hm、HP88、NC-1、W30、WIR、B2、ATCC#43 948、ATCC#43949、ATCC#43950、ATCC#43951、ATCC#43952、DEP1、DEP2、DEP3、 P.ゼアランドリカ、P.ヘピアルス、HB-Arg、HBオスウェゴ、HBレウィストン 、K-122、HMDG、インディカス、GD、PWH-5、メギディス、HF-85、A.カウス、MP 1、MP2、MP3、MP4、MP5、GL98、GL101、GL138、GL55、GL217またはGL257と称さ れるホトラブダス株の精製培養物により産生される請求の範囲第1項に記載の組 成物。 7.毒素がWX-1、WX-2、WX-3、WX-4、WX-5、WX-6、WX-7、WX-8、WX-9、WX-10、W X-11、WX-12、WX-14、WX-15、H9、Hb、Hm、HP88、NC-1、W30、WIR、B2、ATCC#43 948、ATCC#43949、ATCC#43950、ATCC#43951、ATCC#43952、DEP1、DEP2、DEP3、 P.ゼアランドリカ、P.ヘピアルス、HB-Arg、HBオスウェゴ、HBレウィストン 、K-122、HMDG、インディカス、GD、PWH-5、メギディス、HF-85、A.カウス、MP 1、MP2、MP3、MP4、MP5、GL98、GL101、GL138、GL55、GL217またはGL257と称さ れるホトラブダス・ルミネセンス株の精製培養物により産生される請求の範囲第 2項に記載の組成物。 8.毒素がアミノ酸配列の配列番号12により表される請求の範囲第1項に記載の 組成物。 9.組成物がホトラブダスの精製培養物から産生される一種以上の毒素の混合物 である請求の範囲第6項に記載の組成物。 10.昆虫がレピドプテラ目、コレオプテラ目、ヒメノプテラ目、ジプテラ目、ジ クチオプテラ目、アカリナ目またはホモプテラ目の昆虫である請求の範囲第1項 または第6項に記載の組成物。 11.昆虫種がコレオプテラ目からの種であり、サザン・コーン・ルートワーム、 ウェスタン・コーン・ルートワーム、コロラド・ジャガイモ・甲虫、コナムシ、 ミゾウムシまたはターフ・グラブである請求の範囲第1項または第6項に記載の 組成物。 12.昆虫種がレピドプテラ目からの種であり、シロイチモンジヨトウガの幼虫、 タマナヤガ、イラクサキンウワバ、シンクイガ、オオタバコガの幼虫、アワノメ イガ、タバコ・ホーンワームまたはタバコ・バドワームである請求の範囲第1項 または第6項に記載の組成物。 13.毒素が噴霧可能な殺虫剤として製剤化される請求の範囲第1項または第6項 に記載の組成物。 14.毒素がベイトマトリックスとして製剤化され、地上または地下のベイトステ ーションに送出される請求の範囲第1項または第6項に記載の組成物。 15.昆虫に対し機能活性を有する有効量のタンパク質毒素を昆虫に経口的にデリ バリーすることを含む昆虫の防除方法であって、そのタンパク質がホトラブダス 属の精製バクテリア培養物により産生されることを特徴とする前記方法。 16.バクテリアがホトラブダス・ルミネセンスの精製培養物である請求の範囲第 15項に記載の方法。 17.毒素がATCC 55397として特定されるホトラブダス・ルミネセンス株の精製培 養物から産生される請求の範囲第15項に記載の方法。 18.毒素がW-14として特定されるホトラブダス・ルミネセンス株の精製培養物か ら産生される請求の範囲第16項に記載の方法。 19.毒素がWX-1、WX-2、WX-3、WX-4、WX-5、WX-6、WX-7、WX-8、WX-9、WX-10、 WX-11、WX-12、WX-14、WX-15、H9、Hb、Hm、HP88、NC-1、W30、WIR、B2、 ATCC#43948、ATCC#43949、ATCC#43950、ATCC#43951、ATCC#43952、DEP1、DEP2、 DEP3、P.ゼアランドリカ、P.ヘピアルス、HB-Arg、HBオスウェゴ、HBレウィ ストン、K-122、HMDG、インディカス、GD、PWH-5、メギディス、HF-85、A.カウ ス、MP1、MP2、MP3、MP4、MP5、GL98、GL101、GL138、GL55、GL217またはGL257 と称されるホトラブダス株の精製培養物から産生される請求の範囲第15項に記載 の方法。 20.毒素がWX-1、WX-2、WX-3、WX-4、WX-5、WX-6、WX-7、WX-8、WX-9、WX-10、 WX-11、WX-12、WX-14、WX-15、H9、Hb、Hm、HP88、NC-1、W30、WIR、B2、ATCC#4 3948、ATCC#43949、ATCC#43950、ATCC#43951、ATCC#43952、DEP1、DEP2、DEP3、 P.ゼアランドリカ、P.ヘピアルス、HB-Arg、HBオスウェゴ、HBレウィストン 、K-122、HMDG、インディカス、GD、PWH-5、メギディス、HF-85、A.カウス、MP 1、MP2、MP3、MP4、MP5、GL98、GL101、GL138、GL55、GL217またはGL257と称さ れるホトラブダス・ルミネセンス株の精製培養物から産生される請求の範囲第15 項に記載の方法。 21.一種以上の毒素の混合物がホトラブダスの精製培養物から産生され、かつ前 記毒素が昆虫に経口的にデリバリーされる請求の範囲第19項に記載の方法。 22.毒素が毒素をコードする遺伝子で形質転換された原核生物宿主により産生さ れる請求の範囲第15項に記載の方法。 23.毒素が毒素をコードする遺伝子で形質転換された真核生物性宿主により産生 される請求の範囲第15項に記載の方法。 24.真核生物性宿主がバキュロウイルスである請求の範囲第23項に記載の方法。 25.昆虫がレピドプテラ目、コレオプテラ目、ヒメノプテラ目、ジプテラ目、ジ クチオプテラ目、アカリナ目またはホモプテラ目の昆虫である請求の範囲第15項 または第19項に記載の方法。 26.昆虫種がコレオプテラ目からの種であり、サザン・コーン・ルートワーム、 ウェスタン・コーン・ルートワーム、コロラド・ジャガイモ・甲虫、コナムシ、 ワタミゾウムシまたはターフ・グラブである請求の範囲第15項または第19項に記 載の方法。 27.昆虫種がレピドプテラ目からの種であり、シロイチモンジヨトウガの幼虫、 タマナヤガ、イラクサキンウワバ、シンクイガ、オオタバコガの幼虫、アワノメ イガ、タバコ・ホーンワーム、またはタバコ・バドワームである請求の範囲第15 項または第19項に記載の方法。 28.毒素が噴霧可能な殺虫剤として製剤化される請求の範囲第15項または第19項 に記載の方法。 29.毒素がベイトマトリックスとして製剤化され、地上または地下のベイトステ ーションにデリバリーされる請求の範囲第15項または第19項に記載の方法。 30.配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号 6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号13、配列番号 14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号 20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号36,配列番号 37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号 43、配列番号62、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号 76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号 82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、および、 配列番号88からなる群から選ばれたアミノ酸配列のDNAコード領域の少なくと も一部に相当する少なくとも一種のRNAまたはDNAオリゴヌクレオチド分子 を構築するステップを含み、前記ヌクレオチド分子をホトラブダスまたはホトラ ブダス・ルミネセンスから遺伝子物質を単離するのに使用することを特徴とする タンパク質サブユニットをコードする遺伝子の単離方法。 31.タンパク質が昆虫に対し機能活性を有するような有効量で原核生物宿主また は真核生物宿主中でホトラブダス属の精製バクテリア培養物により産生されるタ ンパク質を発現する方法であって、その方法が5'から3'にプロモーター、タンパ ク質をコードするDNA配列、転写ターミネーターを有するキメラDNA構築物 を構築し、次いで前記キメラDNA構築物を宿主に移入することを特徴とする発 現方法。 32.タンパク質がコレオプテラ目、レピドプテラ目、ジプテラ目、ホモプテラ目 、ヒメノプテラ目、ジクチオプテラ目、及びアカリナ目からなる群から選ばれた 昆虫に対し機能活性を有する請求の範囲第31項に記載の方法。 33.DNA配列によりコードされたタンパク質が配列番号1、配列番号2、配列 番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列 番号9、配列番号10、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列 番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列 番号23、配列番号24、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列 番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号62、配列番号72、配列 番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列 番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列 番号85、配列番号86、配列番号87、および、配列番号88からなる群から選ばれた N末端アミノ酸配列を有する請求の範囲第31項に記載の方法。 34.DNA配列によりコードされたタンパク質が配列番号12、配列番号26、配列 番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号35、配列番号47、配列 番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59及び配 列番号61からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む請求の範囲第31項に記載の 方法。 35.5'から3'に宿主中で活性な転写プロモーター、昆虫に対し機能活性を有する ホトラブダスタンパク質をコードするDNA配列、及び転写ターミネーターを含 むことを特徴とする原核生物宿主または真核生物宿主中の発現に適したキメラD NA構築物。 36.DNA配列によりコードされたタンパク質が配列番号1、配列番号2、配列 番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列 番号9、配列番号10、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列 番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列 番号23、配列番号24、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列 番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号62、配列番号72、配列 番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列 番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列 番号85、配列番号86、配列番号87、および、配列番号88からなる群から選ばれた N末端アミノ酸配列を有する請求の範囲第35項に記載のキメラDNA構築物。 37.DNA配列によりコードされたタンパク質が配列番号12、配列番号26、配列 番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号35、配列番号47、配列 番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、及び 配列番号61からなる群から選ばれたアミノ酸配列を有する請求の範囲第35項に記 載のキメラDNA構築物。 38.ホトラブダス・ルミネセンスタンパク質をコードするDNA配列が配列番号 11、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号 46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号 58、及び配列番号60からなる群から選ばれる請求の範囲第35項に記載のキメラD NA構築物。 39.宿主がバキュロウイルスまたは植物細胞である請求の範囲第35項に記載のキ メラDNA構築物。 40.ホトラブダス属のバクテリアにより産生され、かつ昆虫に対し機能活性を有 する有効量のタンパク質をコードすることができるDNA分子を含むことを特徴 とする単離され、かつ実質的に精製された調製物。 41.バクテリアがホトラブダス・ルミネセンスである請求の範囲第40項に記載の 調製物。 42.配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号 6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号13、配列番号 14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号 20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号36、配列番号 37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号 43、配列番号62、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号 76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号 82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、および、 配列番号88からなる群から選ばれたN末端アミノ酸配列を有するホトラブダスま たはホトラブダス・ルミネセンスにより産生されるタンパク質を含むことを特徴 とする精製調製物。 43.配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号 6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号13、配列番号 14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号 20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号38、配列番号 39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、、配列番号43、配列番号62、配列番 号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番 号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番 号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、および、配列番号88からなる群か ら選ばれたN末端アミノ酸配列を有するタンパク質を含むことを特徴とする精製 タンパク質調製物。 44.配列番号12、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号 34、配列番号35、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号 55、配列番号57、配列番号59及び配列番号61からなる群から選ばれたタンパク質 を含むことを特徴とする精製タンパク質調製物。 45.配列番号11、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号 33、配列番号46、配列番号48、配列番号5O、配列番号52、配列番号54、配列番号 56、配列番号58、及び配列番号60からなる群から選ばれたDNA配列を含み、そ のDNA配列がその天然宿主から単離されることを特徴とする精製DNA調製物 。 46.18kDa〜約230kDa、約160kDa〜約230kDa、100kDa〜160kDa、約80kDa〜約100kD a、または約50kDa〜約80kDaのおよその分子量を有する少なくとも一種のサブユ ニットを含むホトラブダス・ルミネセンスタンパク質を含むことを特徴とする精 製タンパク質調製物。 47.約280kDaのおよその分子量を有する少なくとも一種のサブユニットを含むホ トラブダス・ルミネセンスタンパク質を含むことを特徴とする精製タンパク質調 製物。 48.ATCC 55397を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 49.培養物が昆虫に対し機能活性を有するタンパク質毒素を産生するATCC 55397 由来である請求の範囲第48項に記載の培養物。 50.昆虫に対し機能活性を有する有効量のホトラブダスタンパク質を発現する能 力を植物に付与するキメラ人工遺伝子構築物をゲノム中に含むことを特徴とする トランスジェニック植物。 51.植物が、微粒子に被覆された遺伝子物質の加速による細胞への直接導入、ア グロバクテリア、ウィスカー、またはエレクトロポレーション技術を使用して形 質転換される請求の範囲第50項に記載のトランスジェニック植物。 52.選択可能なマーカーがカナマイシン、ネオマイシン、グリホセート、ハイグ ロマイシン、メトトレキセート、ホスフィノトリシン(ビアロフォス)、クロロ スルフロン、ブロモキシニル、ダラポン等からなる群から選ばれる請求の範囲第 50項に記載のトランスジェニック植物。 53.プロモーターがオクトピンシンターゼ、ノパリンシンターゼ、マンノピンシ ンターゼ、35S、19S、35T、リブロース1,6-ビスホスフェート(RUBP)カルボキシ ラーゼ小サブユニット(ssu)、β−コングリシニン、ファゼオリン、アルコール デヒドロケナーゼ(ADH)、ヒート−ショック、ユビキチン、ゼイン、オレオシン 、ナピン、またはアシルキャリアータンパク質(ACP)からなる群から選ばれる請 求の範囲第50項に記載のトランスジェニック植物。 54.胚組織、I型またはII型カルス組織型、胚軸、分裂組織、または脱分化中の 植物組織がトランスジェニック植物を調製するのに使用される請求の範囲第50項 に記載のトランスジェニック植物。 55.キメラ遺伝子が昆虫に対し機能活性を有するホトラブダスタンパク質をコー ドするDNA配列であり、かつコドンが植物に好ましいコドンであるように遺伝 子の少なくとも一つのコドンが改変されている請求の範囲第50項に記載のトラン スジェニック植物。 56.有効量のタンパク質毒素を昆虫に経口デリバリーし、前記タンパク質が前記 昆虫が餌とするトランスジェニック植物により産生されることを特徴とする昆虫 の防除方法。 57.ホトラブダス属からの精製バクテリア培養物からの精製DNA配列を含む物 質組成物。 58.H9を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 59.Hbを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 60.Hmを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 61.HP88を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 62.NC-1を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 63.W30を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 64.WIRを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 65.B2を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 66.P.ゼアランドリカを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 67.P.ヘピアルスを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 68.HB-Argを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 69.HBオスウェゴを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 70.HBレウィストンを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 71.K-122を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 72.HMGDを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 73.インディカスを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 74.GDを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 75.PWH-5を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 76.メギディスを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 77.HF-85を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 78.A.カウスを含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 79.MP1を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 80.MP2を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 81.MP3を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 82.MP4を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 83,MP5を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 84.GL98を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 85.GL155を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 86.GL101を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 87.GL138を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 88.GL217を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 89.GL257を含むことを特徴とする実質的に純粋な微生物培養物。 90.機能活性を有するタンパク質の一部であるタンパク質断片に対する抗体を作 製する方法であって、前記タンパク質がエンテロバクター属ファミリーのバクテ リアによって産生される方法において、 (a)タンパク質断片の単離するステップであって、そのタンパク質断片が少 なくとも6つのアミノ酸であるステップ; (b)前記タンパク質断片で哺乳動物を免疫するステップ;および (c)前記哺乳動物の脾臓から抗体を含む血清または抗体を収集するステップ であって、前記収集された抗体が機能活性を有するタンパク質断片に対する抗体 であるステップ、 を含む前記方法。 91.タンパク質断片が、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配 列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70および配列番号71からなる群よ り選ばれる、請求の範囲第1項に記載の方法。 92.バクテリアがホトラブダス属からのものである、請求の範囲第90項に記載の 方法。 93.バクテリアがホトラブダス・ルミネセンス属のものである、請求の範囲第90 項に記載の方法。 94.機能活性のあるタンパク質の一部をコードするDNA断片を選択する方法で あって、前記タンパク質がエンテロバクター属ファミリーのバクテリアから産生 される方法において、 (a)少なくとも30ヌクレオチドを有するDNA配列断片を単離するステップ ; (b)放射活性または化学的試薬でDNA断片をタギングするステップ; (c)前記DNA断片をDNAライブラリーにハイブリダイズさせるステップ であって、前記DNAライブラリーがエンテロバクターcDNAまたはエンテロ バクター属ゲノムライブラリーであるステップ;および (d)前記DNAにハイブリダイズする、ライブラリー中の機能活性を有する タンパク質をコードする断片を選択するステップ、 を含む前記方法。 95.バクテリアがホトラブダス属のものである、請求の範囲第94項に記載の方法 。 96.バクテリアがホトラブダス・ルミネセンス属のものである、請求の範囲第95 項に記載の方法。 97.機能活性のあるタンパク質の一部をコードするDNA断片を選択する方法で あって、前記タンパク質がエンテロバクター属ファミリーのバクテリアから産生 される方法において、 (a)少なくとも2種のプライマーを単離するステップであって、前記プライ マーが少なくとも12ヌクレオチドを有するDNA断片であるステップ; (b)ステップ(a)のプライマーを使用し、エンテロバクター属からのDN A断片をプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応で増幅し、前記DNA断片を 精製するステップ; (c)前記精製DNAに放射活性または化学的試薬でタギングするステップ; (d)前記精製DNA断片をDNAライブラリーにハイブリダイズさせるステ ップであって、前期DNAライブラリーがエンテロバクター属cDNAまたはエ ンテロバクター属ゲノムライブラリーであるステップ;および (e)前記精製DNA断片と等しいまたは、それより大きいサイズのDNA断 片をライブラリーから選択するステップであって、前記選択されたDNA断片ま たはその一部が機能活性を有しているタンパク質をコードするものであるステッ プ、 を含む前記方法。 98.バクテリアがホトラブダス属のものである、請求の範囲第97項に記載の方法 。 99.バクテリアがホトラブダス・ルミネセンス属のものである、請求の範囲第98 項に記載の方法。
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