JP2000506843A - セルロース系ろ過助剤を使用する血漿混合物のろ過 - Google Patents

セルロース系ろ過助剤を使用する血漿混合物のろ過

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JP2000506843A JP9531258A JP53125897A JP2000506843A JP 2000506843 A JP2000506843 A JP 2000506843A JP 9531258 A JP9531258 A JP 9531258A JP 53125897 A JP53125897 A JP 53125897A JP 2000506843 A JP2000506843 A JP 2000506843A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はタンパク混合物から一つ以上の成分を分離する方法に一般に関係する。より具体的には、本発明はセルロース系ろ過助剤を用いるろ過工程を一つ以上含んで成る血漿の一つ以上の成分を分離する方法に関する。本発明は治療剤、殊にヒトに使用するための血漿系の治療剤の調製に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 セルロース系ろ過助剤を使用する血漿混合物のろ過 本発明は一般にタンパク混合物から一つ以上の成分を分離する方法に関する。 より具体的には、本発明はセルロース系ろ過助剤を使用するろ過工程を一つ以上 含んで成る、血漿の一つ以上の成分を分離する方法に関する。本発明は治療剤、 特にヒトに使用するための血漿系治療剤の調製に有用である。 本明細書を通じて、論旨から別の意味に解する必要があるときを除き、「comp rilse(含む)」、または「comprises」や「comprising」などのその変形は述べ られた実体または実体群を含むことを意味するが他の実体または実体群を排除す ることを意味するものではないものと理解すべきである。 本明細書で著者によって参照した文献の書誌的詳細は明細書の末尾に集めてあ る。 多様な血液障害に関連のある血漿タンパクの機能およびその欠失についての理 解における最近の進歩は、ヒト血液の主要なタンパク成分の貯蔵技術の改善と相 まって、ヒトの血液の全血よりもむしろ、特に細胞性成分(赤血球、栓球および 白血球)および血漿タンパク画分(アルブミン、フィブリノーゲンおよび真性グ ロブリン、プソイドグロブリン、α−グロブリン、β−グロブリンおよびγ−グ ロブリンを含むグロブリン)の特異的サブフラクションを治療目的 に利用する機会を増大させる結果を引き起こした。 ヒト血液の血漿タンパク画分は、中でも、繊維素形成障害、繊維素溶解障害お よび凝固障害並びに免疫欠損、例えば血友病、フォンウィルブラント病およびフ ィブリノーゲン欠損を処置するための治療剤の生産において製薬産業にとって特 に巨大な価値がある。主な治療用の画分は、数段階の純度のアルブミン、正常な ものおよび特異的なものの両方を含む免疫血清グロブリン、抗血友病因子すなわ ち第VIII因子、そして第II因子、第VII因子、第IX因子および第X因子を含むプ ロトロンビン複合体、およびフィブリノーゲンすなわち第I因子である。治療上 活性な血漿画分を使用すると、多血症の危険が無くなりそしてタンパクが汚染す る危険性が最小になる。凝固障害を患う患者に対する適切な置換治療は凝固因子 濃縮物の使用によってのみ可能となる。予防または治療用の十分に高い力価の抗 体は免疫血清グロブリン濃縮物の使用によってのみ取得することができる。 血漿の成分の多くは、殊に凝固因子VおよびVIIおよび免疫血清グロブリンは 不安定であり、最大治療薬効を得るためそして血液産物の使用と関連する危険性 を最小にするためには迅速にかつ注意深く調製しなければならない。例えば、最 適とは言えない分画手順による免疫血清グロブリンの部分変性物は受容者に毒性 があったり高い免疫原性があったりする産物を生ずる可能性がある。こうして、 血漿分画産業においては、より迅速で、より高収率で、より変性が少なく、そし てそれから誘導される血漿画分への望ましくない汚染物をほとんど混入させない 、改善された分画法に対する必要性があ る。 低温沈澱は、血漿画分の大量生産に今日使用されている大部分の方法の最初の 工程である。新鮮な凍結血漿を集め、5℃より低温で融解し、そして沈澱物を連 続流動遠心分離で集める(グソーリーンおよびファルケ,1977、エーブリー,19 72)。当分野の熟練者には「低温上清(cryosupernatant)」として知られるこの 上清画分が、一般に使用のため保有される。 低温上清は、フィブリノーゲン、アンチトロンビンIII、凝固因子(II、VII、I XおよびX)を含むプロトロンビン複合体、アルブミンおよび免疫グロブリンを含 む多数の血漿画分の供給源として使用することもできる。 低温上清の次のプロセスは、硫酸アンモニウム、エタノール、アセトン、およ びポリエチレングリコールなどの有機沈澱剤を用いる沈澱工程を一般に含む。例 えば、エタノール、零下の温度、pH、イオン強度およびタンパク濃度の独特の 組み合わせで、血漿タンパク画分の選択的沈澱が生ずる。これらの原理は、アル ブミン精製のために開発されたコーン分画法(コーンら,1946)に基づいている 。 多くの有機沈澱剤、特に冷エタノールを用いると、アンチトロンビンIIIおよ びフィブリノーゲンは一般に沈澱する最初の血漿タンパクである。アルブミン、 真性グロブリンおよびリポタンパクは一般に冷エタノールを用いて分画される最 後のタンパクである。 血漿から免疫グロブリンを精製するため、コーン分画法の変法がオンクリーら (1949)により開発された。オンクリー法は出発材料としてコーン第II画分およ び第III画分を用い、コーンら(1946)が記述したものと異なる冷エタノール、p H、温度およびタンパク濃度の組み合わせを用いて、活性免疫グロブリン血清画 分を与えた。今日、オンクレー法は免疫血清グロブリンの生産のために使用され る古典的方法である。 コーン画分をさらに精製するため、エタノール沈澱または等電点沈澱を用いる たんぱくの選択的分離法も利用された。特に、カーリング(1980)は血漿から誘導 されるアルブミン濃縮画分から真性グロブリンタンパクを除去するため等電点沈 澱を使用した。 上記のものの代わりに、あるいはそれらに加えて、コーン画分は固相に結合し たリポタンパクを除去するためさらに精製することができる。固相中にリポタン パクを分配する方法は当分野の熟練者には良く知られており、例えば、エアロシ ル(Aerosil)TMまたは類似のシリケート物質へのリポタンパクの吸着がとりわけ 挙げられる。 血漿タンパクを分画するために使用される沈澱工程のすべてにおいて、固相と 液相とは分離されなければならない。通常、大量の沈澱物は遠心分離によりペレ ットとなる。このタンパク沈殿物あるいはペーストは、遠心分離容器から取り出 され、再懸濁され、さらに処理されて他の画分に分けられ、また上清は集められ 、直接処理さ れる。しかしながら、適当な遠心分離の組み合わせは、厳格な衛生上の要求、血 漿分画特に不安定なタンパク(例えば、第VIII因子)の分画のために要求される 低温度での処理のため制限される。不幸にも、遠心分離機からの熱発散が大きく 、ジャケットに対し大きな冷却能力を要求することになる。遠心分離機は機械に 対する負荷を減少させるため零下の温度に保持される処理室に設置しておく必要 があろう。遠心分離機の大量処理のための固相保持容量はしばしば不十分であり 、処理すべき血漿タンパクの各バッチについて数回も遠心分離容器の交換を必要 とすることがある。経験上、実質的な不稼働期間、高い維持費および修理期間の 能力の喪失などに至る遠心分離機の維持のための必要条件は高いことが示されて いる。さらに、供給混合液から由来する母液の大量が遠心分離後のペースト中に 保持されることになり、これは上清画分からの貴重なタンパクの収率を減少させ 、そしてペーストの洗浄が行われないときは、ペーストから誘導される生産物の 中に高レベルの不純物を存在させることになり得る。 遠心分離の代替として、あるいは遠心分離と組み合わせて使用される手順は、 沈澱物を除去するための血漿タンパクの大規模ろ過である。多くのタイプのフィ ルターが血漿画分をろ過するために使用することができる。平板な枠フィルター (plate and frame filter)は最も容易に使用でき、最低の面積当たりの液量比 を有し、従ってヒール容積(heel volume)は最小であり、そしてケーク洗浄は極 めて効果的である。管状フィルターは垂直を向いており、水洗浄などの固相含量 が低いときに主として使用される。回転葉フィルター(rotating leaf filters) は垂直室容器または水平室容器の中の複 数の水平葉または垂直葉から構築されている。水平葉は固相負荷が低くかつサイ クル時間が長いところでポリッシングフィルターとして断続的な操作で使用され る。垂直葉はケーク除去を容易にするように設計され、固相負荷が高いときに使 用される。 フィルターは、ろ過プロセスの間の流れを容易にするためろ過助剤と組み合わ せて使用することができる。フィルターのメッシュ/支持体(support)の隙間が なくなる/詰まるのを防止しそして流れのために開かれた水路を提供することに よりろ過の間の効率を増大させるため、固相−液相混合物にろ過助剤を添加する 。最適なろ過助剤はしばしば最速の流れにおいて最良の透明度を与えるものであ る。本質的に、ろ過助剤は高度に透過性で、良好な狭い粒子/繊維サイズ分布を 有し、化学的に不活性でかつ物理的に頑丈でなければならない。 ろ過助剤は、石炭液化(ジョーンズら,1994、シャウら,1980)、廃水処理( ルデンコ,1981、マーチンら,1993)、食品および飲料の精製(オルセンら,19 79、ヘルミアおよびブロッケトン,1994)および石油産業(グリケンコおよびエ ルシン,1980)ソロカ,1975)などの様々な応用のため処理産業において広範に 使用されている。 セルロースろ過助剤は醸造産業、醗酵産業および冶金産業におけるなどの珪藻 類ろ過助剤由来の可溶性シリカが有害である場合に植物をろ過するのに広く使用 されている(ディカライトTMTechnical Bulletin,レッテンメールおよびゾーン 、アルボセルTMTechnical Bulletin,レッテンメールおよびゾーンを参照のこと)。医薬生産物、特に血液 生産物の分画に対するセルロースろ過助剤の有用性については未だ明らかにされ ていない。 血漿の分画産業では、ろ過は珪藻土ろ過助剤の使用に限られてきた。スイス赤 十字血液輸血サービスのフリードリーと共同研究者は血漿部分画によるアルブミ ンおよびガンマグロブリン生産において珪藻土ろ過助剤(パーライトTMJ-100、 セライトTM545およびハイフロースーパー−セルTM)を用いるろ過を開発した。彼 らは初期の研究で、粗画分のろ過は有望な結果を示すが、珪藻土ろ過助剤の吸着 効果はより高純度の画分の分離の場合に容認し難いタンパクの損失を引き起すと 結論した(フリードリーら,1976)。ドイツ国の赤十字血液輸血サービス(ボル ター,1977)は、アルブミンの単離のため珪藻土ろ過助剤であるハイフロースー パー−セルTMで予め被覆した垂直軸(a vertical shank)ZHF−Sフィルター を試みた。ニューヨーク血液センターのハオ(1985)も第IV-4画分のろ過にろ過 助剤としてハイフロースーパー−セルTMを用いて研究し、そして事実アルブミン の損失が起こったことを見いだした。デヨングら(1993)はコーン沈殿物、第I画 分、第I+III画分、第III画分、第IV画分および第V画分をろ過するための珪藻 土ろ過助剤であるセライトTMの使用について報告した。 最終生産物の高品質が本質的必要条件である製薬産業において珪藻土ろ過助剤 を使用することに関連して幾つかの問題がある。特に、珪藻土ろ過助剤は土地か ら抽出され、ほとんど前処理を受けていない。その品質はその供給源により本来 的に変動し、そして製薬産 業で使用するときは重金属およびアルミニウムを除くために酸で洗浄しなければ ならない。それらはポンプや電気で磨かれた表面を磨耗する。 さらに、高い品質と不溶性が重要な血漿ろ過産業に関しては特に、珪藻土ろ過 助剤は接触活性化系を活性化して、臨床上有害な結果を惹起し得るプレカリクレ イン活性化因子(PKA)およびPKA複合体を発生させる。 本発明に到達するまでの研究において、本発明者らはろ過という技術を用いて タンパク混合物、例えば、血漿タンパク混合物を分画するための新規なかつより 優れた方法を開発しようと努力した。特に、血漿分画産業にとって新規なろ過助 剤の使用が、コーン画分、アルブミン、リポタンパクおよび真性グロブリンなど の血漿タンパク画分の生産のための、改善された一群の方法を開発するための手 段を提供した。 従って、本発明の一つの側面は生体分子の混合物から固相物質を分離する方法 であって、該混合物をセルロース系ろ過助剤と接触させてスラリーを作りだす工 程および該スラリーをフィルター容器を通過させるあるいはポンプを用いて通過 させる工程を含んで成る方法を提供する。 別の態様では、本発明は生体分子の混合物から固相物質を分離する方法であっ て、下記の工程、 (i)セルロース系ろ過助剤でフィルターメッシュを予め被覆する 工程、および (ii)該生体分子混合物を予め被覆されたフィルターメッシュを通過させるまた はポンプを用いて通過させる工程、 を含んで成る方法を提供する。 フィルターメッシュを予め被覆させるためにセルロース系ろ過助剤を使用する ことに加えて、さらなるろ過助剤を生体分子混合物に添加することもできる。従 って、本発明のさらに別の態様では、さらなるセルロース系ろ過助剤を生体分子 の混合物に添加してスラリーを形成させ、このスラリーを予め被覆されたフィル ターメッシュを通過させまたはポンプを用いて通過させる。 前記の態様に従って、こうして得られたろ液は十分に透明になるまで、必要に 応じて供給装置内へまたはフィルター容器内へ戻し再循環させることができる。 ついで、ろ液を集める。 本明細書に記述されたプロセスのどの態様で使用される流速も当分野の熟練者 により容易に決定することができる。 その中に捕捉されている残存母液を除去する目的で得られた固相またはフィル ターケークを洗浄するため、適当な溶剤または水性緩衝液を用いて1回以上のフ ィルター洗浄(washes or flushings)を行うことが好ましい。これにより、収率 を増加しそして分離プロセスを改善することができる。フィルター洗浄はそれぞ れフィルター容器内の流体を置換し、それによってろ液内の目的生産物の収率を 増加させる。 フィルター洗浄のそれぞれで使用する緩衝液の容量は当分野の熟練者により容 易に決定されうる。 この目的に適する洗浄溶液および洗浄条件は生体分子混合物の性質および目的 の最終生産物の安定性によりかなり変動する。このような条件は過度の実験をす ることなく、当分野の技術者により容易に決定され得る。 本発明は特に、少なくとも一つの血漿タンパクを含む生体分子混合物から固相 物質を分離する方法にまで拡大する。 セルロース系ろ過助剤は、フィルターメッシュまたはフィルター支持体の詰ま りを防止するように働き、またはその代わりにあるいはそれに加えて、ろ過プロ セスの間の流れを促進し、化学的に不活性であり、物理的に安定で摩耗性がなく 、好ましくはアルミニウムを浸出しない活性成分としてセルロースを含むろ過助 剤であれば何でもよい。 本発明者らは特定のろ過プロセスに適するセルロース系ろ過助剤の最適タイプ および最適量がろ過されるべき出発物質および目的の最終生産物に依存して変動 することを発見した。一般に、特定のろ過に対する最適ろ過助剤はろ過の間最高 の流速を与え、準最適ろ過助剤よりもより透明なろ液を生ずる。しかしながら、 本明細書で記述する発明の最良の成果を得るためには、フィルターに負担を掛け 過ぎないことが重要である。なぜなら、負担の掛け過ぎは、中でも 、ろ液の濁りの増加、フィルターメッシュの突破そして終にはメッシュの捩れ、 フィルターの損傷、およびフィルターメッシュの間のフィルターケークの橋渡し を含む有害な影響の一つ以上を結果として生じ得るからである。 従って、本発明の特に好ましい態様では、本発明は約2.0%(w/v)セル ロース系ろ過助剤(すなわち、溶液1リットル当たり20グラムのセルロース系 ろ過助剤)または約2.0%(w/w)セルロース系ろ過助剤(すなわち、血漿 1kg当たり20グラムのセルロース系ろ過助剤)の最大濃度を用いて行われる 。セルロース系ろ過助剤が約0.5%(w/v)から約2.0%(w/v)の濃 度で、または約0.5%(w/w)から約2.0%(w/w)の濃度で使用され るのがさらに一層好ましい。 この好ましい態様により、本発明者らはろ過に先立って供給混合液に約0.5 %(w/v)から約2.0%(w/v)の濃度範囲のろ過助剤を添加すると、流 れを促進する固い多孔性のベッドを作るのに役立つことを見出した。ろ過助剤の 濃度が本明細書に記述したよりも低いときは、フィルターメッシュを覆うには不 十分で、それにより固相物質がフィルターメッシュを通過するのを許すことにな るか、またはその代わりに少孔性ベッドを生じ、そのため高い圧力低下を発生し 、ろ過され得る供給混合液の量を減少させるかのいずれかの傾向が現れる。本明 細書で具体的に述べたものよりも高い濃度のセルロース系ろ過助剤は高い多孔性 ベッドを生じ、フィルターベッドを流れ抜ける供給混合液中の固相物質の量が過 大となり、それによってろ液の透明度を減少させ、その上、上で確認した問題を 生ずる。 生体分子の混合物が血漿供給源に由来する少なくとも一つの血漿タンパクを含 みそして目的の最終生産物が真性グロブリンまたはリポタンパクの豊富な画分で ある場合には、中でも、例えば、ディアセルTM150、ディアセルTM200、アルボセ ルTM200またはビタセルTM200を含む多数のセルロース系ろ過助剤が適当である。 例えば、第I画分(FractionI)にエアロシルTMを添加することにより、フュー ムドシリカ(fumed silica)に結合して真性グロブリンまたはリポタンパクが固 相物質中に封鎖されるから、供給混合物中に存在するフュームドシリカの重量に 関するパーセントとして表わした、ろ過プロセスで使用されるセルロース系ろ過 助剤の濃度も、最良の成果を得るためには最適化されなければならない。 生体分子の混合物が血漿供給源に由来する少なくとも一つの血漿タンパクを含 みそして目的とする最終生産物が免疫グロブリンの豊富な画分である場合は、ろ 過助剤は、細粒級の(fine-grade)セルロース、例えば、中でもディアセルTM15 0が好ましい。 生体分子の混合物が、コーンら(1946)の手順またはその変法を用いて得られ る第II+IIIW画分または第III画分と実質的に同一である場合は、ろ過助剤は細 粒級のセルロース、例えば、中でもディアセルTM150が好ましい。 セルロース系ろ過助剤は適当な緩衝液または培地、好ましくは生体分子の混合 物と同じ浸透圧、同じpHである緩衝液または培地の 中で予め膨潤させておくことができる。また、セルロース系ろ過助剤は生体分子 の混合物に直接添加し、そしてこの混合物をフィルターメッシュまたはフィルタ ー容器を通過させるかまたはポンプを用いて通過させる工程の前に、ろ過助剤が 膨潤するのに十分な時間と条件の下でインキュベートしてもよい。 セルロース系ろ過助剤の膨潤時間およびそれを膨潤させるのに適した条件は関 連分野の熟練者に知られており、平均粒子径、温度親水性、または膨潤が行われ る溶液のイオン強度に依存して変動する。 本発明は血漿タンパクの混合物などの生体分子混合物をろ過するのに適するど のようなフィルター容器にも適合させることができる。例えば、中でも、平板な 枠フィルター、管フィルターまたは回転葉フィルターである。平板な枠フィルタ ーは使用が最も容易であり、面積当たりの液容量が最低であり、従ってヒール容 量が最小であり、かつ、ケーク洗浄が極めて効果的である。平板な枠フィルター は本明細書で先に明らかにしたフィルターメッシュの前被覆法かまたは再循環法 のいずれかを含むろ過になじみ易い。管フィルターは垂直に向けられており、主 に水の精製などの固相含量が低い場合に用いられる。回転葉フィルターは垂直室 容器または水平室容器中の水平葉または垂直葉で構成されている。水平葉は、固 相の負荷が低くサイクル時間が長い所でフィルターをこするような中間的操作で 用いられる。垂直葉はケーク除去が容易なように設計され、固相負荷が高い場合 に用いられる。本発明者らは血漿タンパク混合物のろ過ではろ過の再循環法が好 ましいことを見出した。 本発明のろ過法は複雑なまたは単純な生体分子混合物、特に血漿タンパク成分 の複雑なまたは単純な混合物の分離にとりわけ有用である。 「生体分子」という用語は、本明細書で用いられるとき、アミノ酸、ヌクレオ チド、ヌクレオシド、糖類、脂肪およびこれらを含んで成る核酸、タンパク、ペ プチド、ポリ多糖類、脂質およびリポタンパクなどのポリマーを含む天然に生ず る分子または天然に誘導される分子のすべてを指すものと解すべきである。 従って、「生体分子の混合物」という用語は、本明細書で使用するとき、生物 起源に由来するタンパク質、核酸、タンパク質、ペプチド、多糖類、脂質、リポ タンパク、アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖化合物または脂肪化合物 の一つ以上を含むすべての混合物を包含する。この論旨では、「生体分子混合物 」という用語は、細胞培養、細胞または亜細胞成分または細胞抽出物、とりわけ 血液および血漿や血漿由来の画分などの血液由来の産物の溶液、にまで及ぶ。 本明細書で用いられる「固相物質」という用語は、固体の形をしている化合物 、巨大分子または生体分子のすべてを意味し、該化合物、該巨大分子または該生 体分子を固体化するために使用する手段には無関係である。例えば、血漿分画産 業に関連する本発明の適用の論旨では、「固相物質」という用語は、中でも、分 画されなかったまたは分画された血漿または血液から由来する、生産された血漿 タンパク沈澱物と固相に結合したリポタンパクの両方を含むものと解すべきであ る。 本発明は本明細書でこれまでに明らかにしたような固相物質を作りだすために 使用する方法または手段に限定されるものと解すべきでない。ただし、該方法ま たは手段が本明細書で述べたセルロース系ろ過助剤を分解するものでないことを 条件とする。 固相物質は、中でも、アルブミン、免疫グロブリン、リポタンパク、真性グロ ブリン、第VIII因子、プロトロンビン複合体、アンチトロンビンIIIまたは血液 の他の成分を含むリストから選択される血漿タンパクなどの生体分子であること が好ましい。 本発明の論旨では、「血漿タンパク」という用語は、新鮮凍結血漿、非新鮮凍 結血漿またはコーンら(1946)またはオンクリーら(1949)の分画スキームまたは その変法を用いて製造された中間的画分または他の血漿画分などのそれらの画分 を含むがこれらに限定されない血漿供給源に由来するタンパク、ポリペプチドま たはペプチド断片を意味する。従って、「血漿タンパク」という用語はエタノー ル沈殿法を用いて誘導される血漿画分に限定されるものと解すべきでない。 「に由来する」という用語は、本明細書で用いられるとき、特定の実体または 実体群が本明細書で規定されたような特定の供給源を起源として持つが、必ずし もその供給源から直接得られるものとは限らないことを示すものと解すべきであ る。例えば、血漿タンパク は分画されていない血液、粗血漿またはそれらの画分から直接誘導することがで きる。 本発明の第2の側面は、セルロース系ろ過助剤を用いるろ過工程を少なくとも 一つ含んで成る生体分子混合物の分離法に関する。 別の態様では、本発明はセルロース系ろ過助剤を用いるろ過工程を少なくとも 一つ含んで成る生体分子混合物の分離法であって、該生体分子混合物が少なくと も一つのタンパク分子を含むものである分離法を提供する。 特に好ましい態様では、本発明はセルロース系ろ過助剤を用いるろ過工程を少 なくとも一つ含んで成る生体分子混合物の分離法であって、該生体分子混合物が 、とりわけ低温上清、再懸濁された血漿タンパク沈殿物またはコーンまたはオン クリーの分画スキームと関連する中間画分などの、ただしこれらに限定されない 血漿またはその誘導体である分離法を提供する。 より一層好ましい態様では、該血漿誘導体画分は免疫グロブリン濃縮画分、真 性グロブリン濃縮画分またはリポタンパク濃縮画分である。 本発明のこの態様によれば、免疫グロブリン濃縮画分、真性グロブリン濃縮画 分またはリポタンパク濃縮画分は、コーンら(1946)またはオンクリーら(1949)ま たはそれらの変法または当分野の熟練者に知られた他のプロセスの分画スキーム と関連する低温上清または 中間画分を含む、新鮮凍結血漿または他の血漿供給源またはそれらの誘導体から 誘導される。 当分野の熟練した者は、免疫グロブリン、真性グロブリンまたはリポタンパク の供給源を作り出しそうなコーンら(1946)およびオンクリーら(1949)の分画スキ ームおよびそれらの現存するまたは適当な変法に気付くであろう。 本明細書で用いるとき、「低温上清」という用語が、約5℃より低い温度で融 解し、固相または低温沈殿物を除去するための遠心分離の後に、新鮮凍結血漿か ら得られる上清画分を指すことは、当分野の熟練者の知るところである。 さらに別の態様では、本発明はそこで生じる固相と液相がセルロース系ろ過助 剤を用いるろ過工程を少なくとも1回用いて分画されるエタノール/酢酸沈殿工 程を少なくとも1回、好ましくは2回、より好ましくは3回そしてさらに一層好 ましくは4回含んで成る生体分子混合物の分離法を提供する。 特に好ましい態様では、該生体分子混合物は少なくとも一つの血漿タンパク、 例えば、とりわけリポタンパク、真性グロブリン、免疫グロブリン、第VIII因子 タンパク、プロトロンビン複合体、アンチトロンビンIII、またはアルブミンを 含む。 従って、本発明のこの態様は血漿分画スキーム、例えばコーン分画スキーム( コーンら,1946)またはオンクリー分画スキーム(オ ンクリー,1949)およびそれらの変法、と関連するエタノール/酢酸沈殿混合物 の固相と液相の分離に有用である。 本明細書で述べられた方法は、臨床的障害の治療または予防のための治療剤と しての使用に適する単離された生体分子、とりわけ血漿に由来するタンパク、の 製造に有用である。 本発明のさらなる側面は、生体分子の単離工程の少なくとも1工程が、好まし くは2工程がそしてより好ましくは少なくとも3工程が生体分子の単純または複 雑混合物中の他の生体分子から該生体分子を分離するためセルロース系ろ過助剤 の使用を含むものである該単離された生体分子を提供する。 該生体分子はタンパクであることが好ましく、より好ましくは治療活性のある タンパクであり、さらにより好ましくは治療活性のあるヒトタンパクであり、そ してさらに一層好ましくは血漿に由来する治療活性のあるヒトタンパク、例えば 、とりわけリポタンパク、真性グロブリン、免疫グロブリン、第VIII因子、プロ トロンビン複合体、アンチトロンビンIII、またはアルブミンである。 最も好ましい態様では、本発明は単離された治療活性のある血漿タンパクを提 供し、そこでは、該タンパクの単離工程において少なくとも1工程、好ましくは 少なくとも2工程、そしてより好ましくは少なくとも3工程がセルロース系ろ過 助剤の使用を含んでおり、該タンパクがアルブミン、リポタンパク、免疫グロブ リンまたは真性グロブリンを含むリストから選択される。 本発明の方法により生産される生産物は有害な汚染物を実質的に含まない。例 えば、本明細書に記述されたプロセスにより単離される血漿タンパク、とりわけ 免疫グロブリンやアルブミンはアルミニウムやPKAの低レベルを有することが 特に好ましい。アルミニウムおよびPKAの許容され得る最低レベルは英国薬局 方(BP)、ヨーロッパ薬局方(EP)および/または米国薬局方(USP)基 準などの世界的な薬局方基準により定められている。 本発明のプロセスを用いてアルブミンを生産するとき、低アルミニウムおよび 低PKAに加えて、該単離されたタンパク中のリポタンパクのレベルが3.0%(w/ w)未満、より好ましくは2.0%(w/w)未満、さらにより好ましくは1.0%(w/w)未満 、より一層好ましくは0.5%(w/w)未満そしてさらに一層好ましくは0.3%(w/w)未 満であることがとりわけ好ましい。 本発明は以下の非限定的な図面および実施例でさらに説明する。。以下に例示 される態様は決して本発明を制限するものと受け取ってはならない。図面の説明 図1は、珪藻土ろ過助剤セライトTM(黒三角▲)と比較した場合の、セルロー ス系ろ過助剤ディアセルTM200(黒丸●)、ディアセルTM150(黒四角■)およびビタ セルTM(白ダイヤ◇)を用いたときの血漿タンパク第I画分に由来するろ液の改 善された透明度を示すグ ラフである。 図2は、珪藻土ろ過助剤セライトTM(黒三角▲)と比較した場合の、セルロー ス系ろ過助剤ディアセルTM200(黒丸●)、ディアセルTM150(黒四角■)およびビタ セルTM(白ダイヤ◇)を用いたときの血漿タンパク第II+IIIW画分混合物に由来 するろ液の改善された透明度を示すグラフである。 実施例1 異なるろ過助剤を用いる第I画分の分離 バッチサイズ200リットルの新鮮凍結血漿または低温上清の4種の異なるプー ルを用いて、表面積2m2のパイロットスケールの葉フィルターを用いて4回の独 立した実験を行った。出発原料を1℃以下に冷却し、注射用水で希釈してタンパ ク濃度を4%から6%w/vとした。ついで、十分なエタノールと酢酸緩衝液とを 添加して、8%v/vのエタノールおよび最終pH6.6から7.4という沈殿条件を満 足させた。これらの条件の下で、かつ−2℃で、フィブリノーゲンは沈殿し、免 疫グロブリンとアルブミンが溶液中に残る。セルロース系ろ過助剤(ディアセルTM 200、ディアセルTM150またはビタセルTM)を第I画分混合物に、混合物1リッ トル当たり5グラムの割合で添加し、膨潤させた。ついで、このスラリーをポン プでフィルター容器を通過させ、透明度が得られるまで、ろ液を供給源に戻し再 循環させた。供給源が無くなるまでろ液を集めた。フィルターの洗浄は8%エタ ノールで行い、ついで0.14M NaClをフィルターに加えフィルターケークを洗浄し 、そしてフィルターケーク中に捕捉 されていた供給混合物に由来する残存母液を除去した。ついで、フィルターのヒ ール容量を冷却した空気または窒素を用いて吹き飛ばし、最後に、容器の中に捕 捉された残存液体を排出させた。次いで、ケークを冷却した空気または窒素を用 いて風乾した。フィルターを広げ、ケークをフィルターメッシュからはぎ取り、 廃棄した。 種々のろ過助剤のろ液透明度プロフィルを図1に示す。珪藻ろ過助剤を用いて 得られるろ液透明度も対照として測定した。より細かい粒度のディアセルTMは最 も鋭いプロフィルおよび最も速い処理速度を示した。 表1は第I画分のろ過における種々のろ過助剤の数回の実施の結果についての 比較である。この表には現在パークビルで稼働しているプロセス遠心分離の結果 も含めてある。一般に、ろ過分離の効率は遠心分離の効率よりも優れていた。こ れはろ液のより高い透明度(低濁度)とより低いフィブリノーゲン含量により示 された。タンパクの収率はデッドボリューム中の無視できないロスのために遠心 分離での実施の場合よりもろ過での実施の場合の方が低かった。 テストされたセルロース系ろ過助剤はすべて、82NTUから196NTUの範囲 の透明度を有し、同等に良好に機能するように見えた。ディアセルTM150の再循 環時間は最少であった。このことは固体がフィルターベッド中に効率的にかつ迅 速に捕捉され、こうしてベッドの多孔性が迅速に減少したことを示す。しかしな がら、このろ過助剤は、この微細なろ過助剤から予想されるように、最大の圧力 低下をももたらした。表1 第I画分混合物のろ過による第I画分ろ液の生成の結果 実施例2 異なるろ過助剤を用いる第II+IIIW画分の分離 第II+III画分ケークのバッチサイズ15〜18kgを用い、2m2葉フィルターを用い てパイロットスケールの実験を行った。以前の分画工程から得られたろ過助剤を 含む凍結画分II+IIIケークを注射用水(0℃)中に懸濁し、タンパク濃度を1%w/v とした。ついで、エタノール20%v/vそして最終pH6.65という沈殿条件を得る ために十分な量のエタノールと酢酸緩衝液とを添加した。これらの条件の下で、 かつ、-5℃で、免疫グロブリンが沈殿し、溶液中に残りのアルブ ミンと一部のリポタンパクが残った。このスラリーを徹底的に混合して第II+III W画分混合物の均一性を確保した。この混合物にはこれ以上のろ過助剤は添加し なかった。ついで、このスラリーをポンプを用いてフィルター容器を通過させ、 ろ液は透明度が得られるまで供給源まで戻し再循環させた。供給源が空になるま でろ液を集めた。ついで、20%エタノールからなるフィルター洗浄液をフィルタ ーに加え、フィルターケークを洗浄し、フィルターケーク中に捕捉された残存母 液を除去した。ついで、フィルターのヒールボリュームを予め冷却した空気また は窒素で吹き飛ばし、最後に容器中に捕捉された残存液を排出させた。このケー クをフィルターメッシュから剥がし、そして精製免疫グロブリンへとさらに処理 するまで冷凍して保存した。 この混合物のろ過はより微細なグレードのろ過助剤、セライトTM580およびデ ィアセルTM150を用いた場合のみ達成された。ディアセルTM150では素晴らしいろ 過が得られ、ろ液の透明度は一般に5分以内に達成された。セライトTM580を用 いて行った実験では、最初は成功し、最初の5分後にろ液は51NTUに達した。し かしながら、一旦圧力が掛かると、微細繊維はフィルターベッドを無理やり通り 抜けそしてろ液中に洩れ、988NTUというろ液プールの高濁度に貢献することにな った。ビタセルTMLC200およびディアセルTM200はこの第II+IIIW画分混合物をろ 過するのに十分な程目の詰んだフィルターベッドを作ることはできなかった。表2 第II+IIIW画分混合物についての結果 実施例3 種々の割合のセルロース系ろ過助剤を用いた場合の パイロットスケールでのろ過の成績 典型的な分離の場合のセルロース系ろ過助剤の適当量を決定するため、出発原 料として第II+III画分混合物の250kgから500kgを2m2葉フィルターを用いてろ過 し、ろ液中のアルブミンと沈殿物中の免疫グロブリンを分離するためのパイロッ トスケールの実験を行った。 上記混合物にディアセルTM150を量を変えて添加し、膨潤させ、ついで、実施 例1で概述したのと同じ手順を用いてろ過した。ただし、20%エタノール/NaCl フィルター洗浄液を使用し、免疫グロブリン濃縮沈殿物とアルブミン濃縮ろ液の 両方を採取した点を除く。 ろ過時間、ろ液の透明度およびフィルター通過の圧力低下は表3に示してある 。表3に示すように、セルロース系ろ過助剤の量が増加すると得られるろ液の透 明度が減少(すなわち、濁度が上昇)する結果となる。試みたろ過助剤の最高の パーセンテージでは、圧力低下は最低であり、これらの条件の下ではベッドフィ ルターがより一層流れ易くなることをさらに示している。テストしたろ過助剤の 量のそれぞれに対するろ過時間にはほとんど変化がないように見える。しかしな がら、テストしたろ過助剤の最高のパーセンテージでは、メッシュ間のフィルタ ーケークの橋渡しが観察された。このような橋渡しから、ろ過助剤のパーセンテ ージを1.8%(w/v)を越えて増加させれば、フィルターの過剰負荷およびフィルタ ーメッシュの捩れが生ずることが明らかである。 表3 種々の濃度におけるディアセルTM150のろ過成績の比較 実施例4 アルブミン濃縮血漿画分から リポタンパクおよび真性グロブリンの除去 約80リットルのアルブミン濃縮血漿画分のpHを5.2に調整して真性グロブリ ンを沈殿させ、ついでフュームドシリカで処理してリポタンパクを吸収させた。 ついでろ過助剤ディアセルTM200を、フュームドシリカ1グラム当たりろ過助剤 2グラムの割合でこの混合物に添加し、少なくとも30分間膨潤させた。ついで、 混合物を、フィルターパッドで適合させディアセルTM200で予め被覆した平板枠 フィルターをポンプで通過させた。ろ液を集め、フィルターケークを洗浄緩衝液 、5mM酢酸ナトリウム、pH5.2で洗浄した。ついでプレス(press)を取り除き、 そしてケークを廃棄した。 同様な実験を、パイロットスケールの葉フィルター、2m2、バッチサイズ160リ ットルを用いて行った。このケースではフィルターの予め被覆は行わなかった。 その理由は、フィルター上で得られる高い流れがフィルターメッシュ上における ろ過助剤ディアセルTM200の均一な分布を保証するからである。ろ液は透明にな るまで再循環させた後収集した。ついで、ケークを洗浄用緩衝液で洗浄し、ヒー ルボリュームを集め、そしてフィルターケークを取り除き廃棄した。 表4はこの二つのフィルターの成績の比較である。表4 真性グロブリン/リポタンパク除去工程における ディアセルTM200のろ過成績 ディアセルTM200のろ過成績は両方のフィルターで同等に良く機能し、実験は ろ液の高い透明度(低い濁度)および同等なタンパク回収(沈殿はタンパクの一 部を除去するから100%の回収は期待できない)を示した。両方の実験で、リポ タンパクの減少は、平板枠フィルターと葉フィルターの両方の成績を勘案して少 なくとも10倍である。第2回目の実験のろ過時間は、バッチサイズを2倍にした ことを反映して第1回目の実験よりも遥かに長い。実施例5 製造スケールにおける第III画分の分離についての 遠心分離とろ過の比較 製造スケールの葉フィルター(18m2)を使用して第I画分から第III画分までの ろ過の有効性を立証した。ここに報告した結果は第 III画分混合物の最終ろ過の3回の実施から得たデータを要約している。各実施 は次のように行った。 前のコーン画分工程から得たディアセルTM150を含む400kgバッチの第II+ IIIW画分ケークを0℃の注射用水に再懸濁して約1%w/vのタンパク含量とした 。ついで、17%v/vのエタノールおよびpH5.35という沈澱条件を得るの に十分な量のエタノールと酢酸緩衝液を添加した。これらの条件の下でそして− 5℃で、免疫グロブリンM、免疫グロブリンAおよび幾つかのリピドタンパクが 沈澱として残り、一方免疫グロブリンGは再び溶解した。ついで、この混合物を ポンプでフィルター容器に通しそしてそのろ液を透明になるまで供給源に戻し再 循環させた。供給源が空になるまでろ液を回収した。ついで、17%v/vのエタノ ール、0.015Mの酢酸ナトリウムからなるフィルター洗浄液をフィルターに加えて フィルターケークを洗浄し、フィルターケーク中に捕捉された残存母液を除去し た。ついで、フィルターのヒールボリュームを冷却した空気または窒素で吹き飛 ばし、最後に容器中に捕捉された残存液体を排出させた。ついで、このケークを 予め冷却した空気または窒素で風乾した。フィルターを広げ、ケークをフィルタ ーメッシュから剥がし、廃棄した。第III画分ろ液の試料を採取し、分析した。 ついで、このろ液をpH4.0に調整し、7%v/wタンパクまで濃縮し、ついで 注射用水に対してダイアフィルトレーションを行った後、マルトース中に処方し た。最終生産物の試料も他の血漿タンパクの微量レベルを検出するため分析した 。表5はこれらの3回の実施から得られたろ液および最終生産物の特性および製 造スケール遠心分離かから得られたデータとの比較を要約したものである。表5 第III画分のろ液および最終生産物の特性 表5はフィルターからのろ液の方が遠心分離からの上清よりも透明性が高く、 低いNTU値を持つことを示している。遠心分離から得られた上清IIIは続いて平板 枠フィルターを通過させてさらにろ過すると同レベルの透明度に到達する。最終 産物中のIgM、IgAおよびプラスミノーゲン(これらの血漿タンパクはコー ン分画スキームのこの工程で沈澱した状態に留まる)のレベルを比較すると、ろ 過はこの第III画分混合物の遠心分離とは対照的に、疑われるような生産物品質 を持っていないことが明らかである。 実施例6 生産スケールでの種々の割合のセルロース系ろ過助剤における ろ過の成績 実施例1に概述したものと同じ手順に従い、生産スケールのフィルター(18m2 )2枚を用いて第II+III画分混合物をろ過した。ただし、20%エタノール/NaCl フィルター洗浄液を用いたことおよび免疫グロプリン濃縮沈澱物とアルブミン濃 縮ろ液の両方を採集したこ とを除く。ろ過助剤の量(%w/v)は、フィルターそれぞれの中の利用可能なスペ ースを最大にするため、次第に減少させた。 その結果を表6に示す。表6に示すデータは2500kgおよび5000kgの血漿から誘 導された二つの異なるバッチサイズの第II+III画分から得られるものである。 表6に示すように、使用したろ過助剤のパーセンテージが大きい程、ろ過時間 は速くなる(すなわち、流速が速くなる)。テストした生産スケールでは、ろ液 の透明度はパイロットスケールの場合よりも一層注意深く制御される、その結果 、ろ液の透明度は低下するように見える。ろ過助剤の量が多い程、採取される沈 澱物の量は多くなり、これは混合物の同容量に対するフィルターそれぞれの有効 容量を減少させることになる。 表6 種々の濃度のセルロース系ろ過助剤における 生産スケールでのろ過成績の比較(n=3) * 2枚のフィルターを用い、総量の半分を各フィルターを通してパラレルに処理 した。 実施例7 生産スケールのろ過プロセスから得られる免疫グロブリンの収率 免疫グロブリンの製造において、生産スケールのフィルターを使用してコーン 沈澱混合物をろ過した。各段階で、第I画分混合物、第II+III画分混合物、第II +IIIW画分混合物または第III画分混合物をろ過し、1.5または2.0×フィルター 容器容量(7500kgまたは10,000kg)のフィルター洗浄液を用いて容器からろ液を 回収した。 表7に示すデータは、1.5または2.0×フィルター容器容量のフィルター洗浄液 を使用した場合の3回の異なるバッチサイズでの免疫グロブリンGの収率を比較 している。このデータは、テストした高生産スケールの両者の収率が、より高い フィルター洗浄液容量を用いた場合、顕著に高くなることを示す。表7 異なるバッチサイズおよび異なるフィルター洗浄液容量 を用いた場合の生産設備で得られた収率の比較 実施例8 生産物品質の評価 本明細書に記述されたようにセルロース系ろ過助剤を用いて製造された免疫グ ロブリン画分およびアルブミン画分について、アルミニウムとPKAのレベルを 測定した。結果を表8および表9に示す。表8では、データはこれらのアルブミ ンの品質がセルロース系ろ過助剤と接触することにより品質が疑われるものでは ないこと、そして本明細書に記述したようなセルロース系ろ過助剤を用いて製造 された生産物はPKAおよびPKA複合体の含量が低く、アルミニウムのレベル も低いことを示している。表9のデータからは、本発明により製造された免疫グ ロブリン調製物のアルミニウム含量、カリクレイン含量およびPKA含量がすべ て低いことから測られるように、セルロース系ろ過助剤を用いるろ過は最終生産 物の特性に対し有害な効果を全く有していないことが示される。表8 アルブミン(生産スケール)の特性 表9 遠心分離工程を用いて得られるIgGと比較した場合の セルロース系ろ過助剤を用いるろ過から得られるIgGの特性 (生産スケール) 当分野の熟練者は、本明細書に記述された発明は具体的に記述されたもの以外 への変更および修正を受け得るものであることを認めるであろう。本発明はその ような変更および修正のすべてを包含すると理解すべきである。本発明は本明細 書で言及したすべての工程 、特徴、組成物および化合物を個別的にも集合的にも包含し、そしてこれらの工 程または特徴の2以上の組み合わせのすべてをも包含するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61K 37/02 B01D 37/02 37/465 37/553 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU (72)発明者 ピーター ジェイムス ターナー オーストラリア国、ビクトリア 3096、ロ ウアー プレンティ、リンウッド クレセ ント 19番地 (72)発明者 ブレントン ジョン ウイルキー オーストラリア国、ビクトリア 3438、ニ ュー ギスボーン、バリンゴ ロード 27 番地

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 生体分子の混合物から固相物質を分離する方法であって、該混合物をセル ロース系ろ過助剤と接触させてスラリーを作り出す工程、および該スラリーをフ ィルター容器またはフィルターメッシュに通しまたはポンプを用いて通過させて ろ液とフィルターケークを取得する工程を含んで成る方法。 2. 生体分子の混合物から固相物質を分離する方法であって、 (i) フィルターメッシュをセルロース系ろ過助剤で予め被覆する工程、およ び (ii) 該生体分子の混合物を予め被覆されたフィルターメッシュに通すまたは ポンプを用いて通し、ろ液とフィルターケークを取得する工程、 を含んで成る方法。 3. 生体分子混合物を予め被覆されたフィルターメッシュに通すまたはポンプ を用いて通す工程に先立って、該生体分子混合物にさらにセルロース系ろ過助剤 を添加する、請求項2記載の方法。 4. 供給源またはフィルター容器に1回以上ろ液を循環させる工程をさらに含 んで成る、請求項1〜請求項3いずれか1項に記載の方法。 5. フィルターケークを適当な溶剤または水性緩衝液で洗浄(washing and flu shing)して供給混合物由来の残存母液を除去する工程 をさらに含んで成る、請求項1〜請求項4いずれか1項に記載の方法。 6. フィルターケークを洗浄する工程がフィルター容器容量の3倍までの溶剤 または水性緩衝液を用いるものである、請求項5記載の方法。 7. セルロース系ろ過助剤の濃度が約2.0%(供給混合物の単位容量当たり の重量、または供給混合物の単位重量当たりの重量)までである、請求項1〜請 求項6いずれか1項に記載の方法。 8. セルロース系ろ過助剤の濃度が約0.5%から約2.0%(供給混合物の 単位容量当たりの重量、または供給混合物の単位重量当たりの重量)の範囲にあ るものである、請求項7記載の方法。 9. 生体分子の混合物が血液、新鮮凍結血漿、非新鮮凍結血漿、低温上清また はコーン中間画分またはオンクリー画分などのこれらから誘導される血漿画分、 または他の血漿画分を含むリストから選択されるものである、請求項1〜請求項 8いずれか1項に記載の方法。 10. 固相物質が、沈澱した形、複合体化した形または凝集した形またはフュ ームドシリカなどの、これに限定されないが、不溶性担体に結合した形での、中 でも、アルブミン、免疫グロブリン、リポタンパク、真性グロブリン、第VIII因 子、プロトロンビン複合体、アンチトロンビンIIIまたは血液の他の成分を含む リストから選 択される血漿タンパクである、請求項9記載の方法。 11. セルロース系ろ過助剤が、特性 (i) ろ過プロセスの間にフィルターメッシュを通過する供給混合物の流れを 促進する、 (iii) 血漿に由来する生産物のPKAレベルがBP、EPまたはUSP基準 を越えるレベルとすることはない、 (iv) BP、EPまたはUSP基準を越えるレベルのアルミニウムを血漿由来 の生産物中にリーチさせない、 の一つ以上を有するものである、請求項10記載の方法。 12. セルロース系ろ過助剤が、中でも、ディアセルTM150、ディアセルTM200 、アルボセルTM200またはビタセルTM200を含むリストから選択されるものである 、請求項11記載の方法。 13. 血液、新鮮凍結血漿、非新鮮凍結血漿、低温上清またはコーン中間画分 またはオンクリー画分などのこれらから誘導される血漿画分、または他の血漿画 分から固相物質を分離する方法であって、該固相物質を回収するためのろ過工程 を少なくとも一つ含む方法であって、該ろ過工程がセルロース系ろ過助剤の使用 を採用するものである方法。 14. 固相物質が、沈澱した形、複合体化した形または凝集した形またはフュ ームドシリカなどの、これに限定されないが、不溶性担体に結合した形での、中 でも、アルブミン、免疫グロブリン、リポタンパク、真性グロブリン、第VIII因 子、プロトロンビン複合体 、アンチトロンビンIIIまたは血液の他の成分を含むリストから選択される血漿 タンパクである、請求項13記載の方法。 15. 固相物質を作りだすため、エタノール/酢酸沈澱またはフュームドシリ カでの処理の少なくとも一つを先行させるものである、請求項13または請求項 14記載の方法。 16. 請求項1〜請求項15いずれか1項に記載の方法に従って生産される単 離された生体分子。 17. ヒトまたは哺乳類の治療または予防的処理のためのタンパクとしてさら に特徴付けられる、請求項16記載の単離された生体分子。 18. 血液、新鮮凍結血漿、非新鮮凍結血漿、低温上清またはコーン中間画分 またはオンクリー画分などのこれらから誘導される血漿画分、または他の血漿画 分に由来する、請求項16または請求項17記載の単離された生体分子。 19. とりわけ、リポタンパク、真性グロブリン、免疫グロブリン、第VIII因 子、プロトロンビン複合体、アンチトロンビンIIIまたはアルブミンを含むリス トから選択される、請求項18記載の単離された生体分子。 20. アルブミン、リポタンパク、免疫グロブリンまたは真性グロブリンを含 むリストから選択される、請求項19記載の単離され た生体分子。 21. アルブミンを含む、請求項20記載の単離された生体分子。 22. その中のリポタンパクのレベルが重量対重量(アルブミン/リポタンパ ク)ベースで約3.0%以下である、請求項21記載の単離された生体分子。 23. 該生体分子の調製物のPKAおよび/またはアルミニウムが低レベルで ある、請求項16〜請求項22いずれか1項に記載の単離された生体分子。 24. 該生体分子の調製物のPKAおよび/またはPKA−C1エステラーゼ および/またはカリクレインおよび/またはアルミニウムがBP、EPまたはU SPの最低基準よりも低いレベルである、請求項23記載の単離された生体分子 。 25. 免疫グロブリン調製物のアルミニウムのレベルが約50μg/リットル より低いものである、請求項24記載の単離された生体分子。 26. アルブミン調製物のアルミニウムのレベルが約10μg/リットルより 低いものである、請求項24記載の単離された生体分子。 27. アルブミンのPKAのレベルが約5IU/mlより低いものである、請 求項24記載の単離された生体分子。 28. アルブミン調製物のPKA−C1エステラーゼのレベルが約10IU/ mlより低いものである、請求項24記載の単離された生体分子。
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