JP3662020B2 - コラゲナーゼを精製する方法 - Google Patents

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Description

1.発明の背景
本発明は、一般的に、精製された酵素及び、精製された酵素を生成する改良された方法に関する。より特定すると、本発明は、蛋白質分解酵素、コラゲナーゼ及び、より迅速で、より高収率の精製酵素を提供し、そしてもとのコラゲナーゼ異性体分布を保持するコラゲナーゼ精製法に向けられている。
2.関連技術の記載
蛋白質分解酵素は種々の実験室用及び治療用の用途に広範に用いられている。典型的には、それらの用途は、細胞解離及び、結合組織網状組織を加水分解により分解するか又はゆるめる蛋白質分解酵素の能力により利益が得られる関連する治療法に関与する。例えば、クロストリジウム・ヒストリチカム(Clostridium histolyticum)から誘導される細菌由来のコラゲナーゼは、実験室における組織培養用途において細胞を分散させるのに用いられている。その他に、コラゲナーゼは、ランゲルハンス島及び種々の分散された腫瘍細胞を単離することに関連するもののような細胞単離法に用途が示されてきた。コラゲナーゼに関する他の用途は、コラゲナーゼ組成物をやけど又は潰瘍の治療及び創傷治療に用いる治療用途における局所使用に関与する。コラゲナーゼは、ペイロニ病の治療及び、保持された寒冷腐肉(retained cryoslough)の除去のための寒冷前立線切除の補助として、椎間板溶解及び眼の手術における使用が含まれる。
最近、クロストリジウム・ヒストリチカムから誘導された細菌由来のコラゲナーゼには脂肪組織に埋め込まれた微小血管細胞の解離及び単離に関与する方法における用途が見出だされた。それらの方法は、一般的に、吸脂(liposuctioned)脂肪のような微小血管を埋め込んでいる脂肪組織を、コラゲナーゼに結合組織を崩壊させそして消化させる条件下でコラゲナーゼと化合させることに関与する。一般的に、その崩壊法は、吸脂された組織において微小血管細胞の膜を傷付けたりせず、消化された組織から細胞を注意深く分離することにより、生存能力のある微小血管細胞を回収する。
それらの生存能力のある完全な微小血管細胞には特に、血管に取って変わるためにヒト及び動物に埋め込まれた合成の小直径の血管移植片の内部における被覆としての用途が見出だされた。同様に、微小血管細胞は、生物医学的イショク組織片手段に改良された生物的適合性を与える、移植組織片手段の表面における沈積物として一般的にに有用である。明らかに、微小血管細胞は、外部物質が血管及び組織に接触して置かれるときに起こることが知られている、移植組織における蛋白質沈積物及び関連細胞沈積物の防止に寄与するようである。血管移植片の場合に、それらの沈積物は迅速に血管を閉塞させ、移植片の機能不全をもたらす。
結合組織を消化するための粗コラゲナーゼの市販の供給源の使用に関連する1つの問題は、前記組織が消化又は加水分解する程度が予測できないことである。さらに、組織消化中に及び粗コラゲナーゼを用いる単離操作中に単離される細胞は、質において劣っており、そして生存度及び効力は低い。生存能力のある細胞がうまく単離されたとしても、収率及び生存度は予測できない。
その操作の予測不可能な特性は、粗コラゲナーゼの市販の供給源に固有なロットの変動による。天然の細菌から誘導されたコラゲナーゼは、そのコラーゲンに特異的な加水分解活性そして他のプロテアーゼ及び毒素を含む不純物の量及び性質において広範に異なる。ほとんどの市販のコラゲナーゼは、クロスチリジウムヒストリティカム(Clostridium hitolyticum)から誘導され、その粗形態は、加水分解活性及び純度において広範に異なっている。制御できない量の、粗コラゲナーゼにおいて見出だされる不純物には、汚染細菌物質、顔料、クロストリパイン、トリプシン及びカゼイナーゼを含むプロテアーゼ及びペプチダーゼが含まれる。
望ましくないことに、プロテアーゼ不純物は、一般的に蛋白質で活性であり、コラゲナーゼと反応し、粗コラゲナーゼに触媒劣化をもたらしてしまう。さらに、粗コラゲナーゼに関連する毒素不純物は、生体内及び試験管内用途の両方に関与する操作に深刻な問題となり得る。その他に、種々の量の細菌性DNAが存在し得て、単離した細胞又は組織消化法が生体内用途に関与する場合にその細菌性DNAは潜在的に免疫原性又は腫瘍形成の問題を生じ得る。粗コラゲナーゼに見出だされる蛋白質不純物は、患者に投与した場合にアナフィラキシーショックをもたらし得る感作抗原として作用し得る。
従って、毒素と同様に、蛋白質分解活性及び非反応性化合物のホストを含有する粗コラゲナーゼ組成物の種々の予測できない性質を考慮すると、粗コラゲナーゼを用いる治療的組織消化法及び細胞解離技術は信頼しえない。従って、効率よく、有効にコラゲナーゼを単離し精製する操作が開発され、不純物がほとんどない又は制御された量の不純物しか有しない活性なコラゲナーゼを予測できる程度に供給してきた。ほとんどのコラゲナーゼ精製法は、粗コラゲナーゼの汚染プロテアーゼ及び非反応性成分のクロマトグラフィーによる分離に関与している。
1つのコラゲナーゼ精製法では、特に、それにより提供される高純度のコラゲナーゼに対する認識を得ている。この方法は、ボンド(Bond)らによる“Purification and Separation of Indivisual Collagenases of Clostridium histolyticum Using Red Dye Ligand Chromatography”、23巻、13号、3077-3091頁(1984年)に記載されており、その方法は、種々のタイプの吸収剤及びゲルによるクロマトグラフィー分離に関し、顔料及び汚染プロテアーゼを除去する。この方法に関連する重要な欠点は、時間がかかる工程及びグラジエント溶離操作である。特にグラジエント溶離操作は、多量の溶媒を必要とし、各精製操作を再現することが困難である。加えて、その方法は、時間を消費する再充填操作を頻繁に必要とし、価値を有する作用物質の損失を招く、亀裂の入ったクロマトグラフィーカラム充填物質に煩わされる。結局、従来技術の方法では、細菌性汚染物質及び、生体内に痕跡量ほどの粗コラゲナーゼが投与されたとしてもアナフィラキシーショックを起こす多くの関連感作抗原及び毒素を有効に除去できない。
従って、本発明の目的は、再現可能なそして予測可能な方法で結合組織を消化することができる純粋なコラゲナーゼを再現可能性を有して供給する、粗コラゲナーゼを精製する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、低減された量の溶離溶媒を用い、低減された時間で純粋な酵素を提供する、コラゲナーゼ精製法を提供することである。
本発明の他の目的は、クロマトグラフィーカラム充填物質に亀裂が入るのを防ぐ、コラゲナーゼ精製法を提供し、頻繁なる再充填の必要性を減らすことである。
又、本発明の他の目的は、細菌性汚染物質及び細菌性汚染物質に関連する毒素を除去するコラゲナーゼ精製法を提供することである。
発明の概要
本発明は、実質的に溶離溶媒の消費量を低減させて、純粋なコラゲナーゼを高収率で、再現可能に生成する改良された効率により特徴付けられるクロマトグラフィー精製法を提供することにより上記の目的を達成する。得られた純粋なコラゲナーゼは、種々の治療的及び実験室の用途において、再現性及び信頼性を有して組織消化及び埋め込まれた細胞の単離に寄与する。本発明により精製されたコラゲナーゼは、毒素及び公知でない非反応性の蛋白質性成分含まず、従って、その精製されたコラゲナーゼは生体内使用に安全である。本発明の方法は有効に、コラゲナーゼを劣化してしまう、非コラーゲンに活性なプロテアーゼを除去するので、得られた純粋なコラゲナーゼは、触媒劣化特性がかなり低減される。その結果、精製されたコラゲナーゼは改良された長期安定性を有し、溶液中で保存されたときでさえ、高レベルの酵素活性を保持する。
費用がかかり、時間を消費し、困難な溶媒グラジエント溶離技術に依存する従来技術法とは異なり、本発明の方法は、単一のイオン強度の溶離溶液を用いて回分工程で粗コラゲナーゼ調製物質をクロマトグラフィー分離することに関する。加えて、本発明は、充填物質の物理的結合性及び機能的寿命を安定にし増大するクロマトグラフィー溶離溶液を用いる。従って、本発明の実施により、本質的に純粋なコラゲナーゼを高収率で、かなり低減された時間と低減された物質コストで、より再現性がある方法で提供する。
より特定すると、本発明の例示的な方法には、コラゲナーゼ、顔料、毒素、細菌性物質及び、クロストリパイン及びトリプシンを含む蛋白質分解酵素不純物を含有する、安定化粗コラゲナーゼを供給する工程、安定化粗コラゲナーゼ溶液をヒドロキシアパタイト充填物質を含有するカラムに入れ、約0.05モル乃至約0.3モルの燐酸カリウム及び非イオン性界面活性剤を含む第一の溶液でカラムから顔料を溶離する工程が含まれる。顔料の実質的部分がヒドロキシアパタイト充填物質から溶離されるまで、溶離を続ける。次に、約0.35モル乃至約0.5モルの燐酸塩緩衝液及び非イオン性界面活性剤を含む第二の溶液でヒドロキシアパタイト充填物質からコラゲナーゼ及び蛋白質分解酵素不純物を溶離し、コラゲナーゼと蛋白質分解酵素不純物を含む第一の回収された溶液を供給する。
次に、その第一回収溶液を、ゲル濾過充填物質を含有するカラムに入れそのカラムを、N-[トリス(ヒドロキシメチル]-メチル]グリシン(トリシン)、CaCl2及びNaClを含み、pH7.5に緩衝された第三の溶液で溶離し、クロストリパインとコラゲナーゼを含む第二の回収溶液を供給する。
次に第二の回収された溶液を、リアクティブ・レッド・120-アガロース(Reactive Red 120-Agarose)充填物質を含有するカラムに入れ、トリシン、CaCl2及びNaClを含み、pH7.5に緩衝された第四の溶液で溶離し、精製されたコラゲナーゼを本質的に含む、第三の回収溶液を提供する。
本発明により、各々の溶離工程は、カラムクロマトグラフィー技術及び装置を用いて行われる。従って、各溶離工程で用いられた充填物質は、クロマトグラフィーカラム中に供給され、各クロマトグラフィー分離工程に関するクロマトグラフィー技術は、クロマトグラフィーカラムで混合物の成分を分離するための技術において公知の一般的な方法を用いて行われる。典型的には、その技術は、クロマトグラフィーカラムを選ばれた充填物質で充填し、そのカラムを溶離溶液で平衡にし、試料をクロマトグラフィー分離に付し、選ばれた溶離溶液で溶離し、その溶離液を回収し、分析することに関する。
第三の回収溶液におけるコラゲナーゼの純度は、各々の汚染成分に関する検定の結果により示される。従って、本発明により精製されたコラゲナーゼは、純粋な蛋白質又は酵素は410nmの波長において吸光度を全く示さないので、410nmにおいて吸光度がないことにより示されるときに顔料成分を含まない。同様に、280nmにおける吸光度に対する260nmにおける吸光度の低減された割合により、汚染プロテアーゼ酵素に関連する酵素活性は無視できるほどであることが証明されるとき、核酸物質がない。
本発明の精製されたコラゲナーゼは、本質的に顔料、DNA及び非コラゲナーゼ活性プロテアーゼを含まないので、そのコラゲナーゼは、予測できるコラーゲン劣化特性を示す。加えて、本発明の精製されたコラゲナーゼでは、毒素が有効に除去されているので、後で行う生体内治療的用途のために細胞を単離するのに用いられる酵素組成物において特に有用である。
さらに、図面と組みあわせて例示的態様の詳細な記載を考慮することによって、本発明の目的、特徴及び利点は、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
図1(Fig.1)は、本発明による例示的方法を示すフローチャートである。
図2(Fig.2)は、本発明によるその他の例示的方法を示すフローチャートである。
例示的態様の詳細な説明
本発明は、工程時間及び物質の実質的低減をさせ、高度の再現性を有して純粋なコラゲナーゼを高収率で生成する、改良されたクロマトグラフィー酵素精製法を提供する。本発明により精製されたコラゲナーゼは、再現性を有し、信頼性を有して、種々の治療的及び実験室での用途における組織消化及び組織に埋め込まれた細胞の単離に寄与する。有利なことに、本発明の方法は、多量の溶離溶液の消費及び、従来技術のグラジエント溶離技術に関連する再現性問題の煩わしさを回避する。さらに、本発明の方法は、クロマトグラフィーカラムを再充填する危険及び煩わされる充填物質の亀裂を本質的になくすことによって精製操作中の試料の損失を回避する。
さらに、本発明の方法は、粗コラゲナーゼ中に見出だされる細菌性汚染物質に関連するデオキリボ核酸及び毒素を消化し、除去するための方法を提供するものである。本発明により精製されたコラゲナーゼは、それらの細菌性不純物を含まないので、アナフィラキシー反応又は関連免疫性合併症の恐れが重要である生体内用途において有用である。特に、本発明の精製されたコラゲナーゼは、移植組織片の性能を改良するために生物医療的移植組織片の表面を被覆させるために、脂肪組織に埋め込ませた微小血管細胞を単離するのに有用である。
本発明により精製されたコラゲナーゼは、非コラーゲン特異的蛋白質分解酵素を本質的に含まず、従って、自触媒劣化特性をかなり低減させた。このことは、精製されたコラゲナーゼは、溶液中で保存された場合でさえ、改良された長期安定性を有し、高レベルの触媒活性を維持することを意味する。
本発明は、単一のイオン強度の溶離溶液を用いて回分式工程で、粗コラゲナーゼ調製物質をクロマトグラフィー分離することにより、従来の、時間を消費する、多量の溶媒を必要とするグラジエント溶媒溶離方法を回避する発見に基づいている。さらに、特定の安定化添加剤及び界面活性剤を溶離溶液中に添加することにより、クロマトグラフィー充填物質は、改良された物理的結合性及びより長い機能寿命が備えられる。従って、本発明の実施により、時間をかなり減らし、その操作に関連する原料コストを低減させる一方、本質的に純粋なコラゲナーゼを高収率で提供する。
より特定すると、本発明は、コラゲナーゼ、顔料、クロストリパイン及びトリプシンを含む蛋白質分解酵素不純物及びその他の細菌性物質のコラゲナーゼ組成物を精製するのに有用な酵素精製法を提供する。図1の流れ図に例示されているように、本発明の例示的方法は、コラゲナーゼ、顔料、細菌性毒素物質及び蛋白質分解酵素不純物を含み得る安定化粗コラゲナーゼ溶液を供給する工程、その安定化粗コラゲナーゼ溶液をヒドロキシアパタイトカラムにおいて、約0.05モル乃至約0.3モルの燐酸カリウム及び非イオン性界面活性剤を含む第一の溶液で溶離する工程を広範に含む。顔料の実質的部分がヒドロキシアパタイトカラムから溶離されるまで、溶離を続ける。次に、コラゲナーゼ及び蛋白質分解酵素不純物を、ヒドロキシアパタイト充填物質において0.35モル以上の燐酸塩緩衝液及び非イオン性界面活性剤を含む第二の溶液で溶離し、コラゲナーゼと蛋白質分解酵素不純物の第一の回収された溶液を供給する。
本発明の開示の目的のために、燐酸カリウムは、本技術分野で公知の方法により所望のモル濃度(イオン強度)及び溶液pHを備えるように調製された量で存在する一塩基性燐酸カリウムと二塩基性燐酸カリウムをいう。好ましい態様では、第一及び第二の溶離溶液は、約6.7の溶液pHを有する。しかし、他のpHも同様に用いられる。
次の工程は、第一の回収溶液を、ゲル濾過充填物質において、N-[トリス(ヒドロキシメチル]-メチル]グリシン(トリシン)、CaCl2及びNaClを含み、適する酸の又は塩基の溶液でpH7.5に調整された第三の溶液で溶離し、クロストリパインとコラゲナーゼの第二の回収溶液を供給することを含む。
最後に第二の回収された溶液を、リアクティブ・レッド・120-アガロース(Reactive Red 120-Agarose)充填物質において、トリシン、CaCl2及びNaClを含み、約7.5のpHに調整された第四の溶液で溶離し、精製されたコラゲナーゼの第三の回収溶液を供給することを含む。
当業者には、本発明の上記の溶離工程は、クロマトグラフィーカラムで混合物成分を分離するための技術において公知の液体カラムクロマトグラフィー法を用いて行わせることが好ましいことがわかるであろう。典型的には、それらの技術は、選ばれた充填物質でクロマトグラフィーカラムを充填し、そのカラムを溶離溶液で平衡にし、クロマトグラフィー分離するための試料を入れ、その試料を選ばれた溶離溶液で溶離し、溶離液を回収し、分析することに関する。
下記のように、本発明において用いられる充填物質と溶離溶液との組み合わせは、精製されたコラゲナーゼを提供するのに主要なことである。好ましいヒドロキシアパタイト、ゲル濾過充填物質及びリアクティブ・レッド・120-アガロース充填物質は、カラムクロマトグラフィー操作に適する活性、純度及び粒度を有する。従って、適する充填物質で適当に充填されたなら、充填されたカラムは適する溶離溶液で平衡にされ得て、次に、本発明により粗コラゲナーゼ成分の分離をさせるのに用いられる。
本発明の実施において有用であることが公知のヒドロキシアパタイト充填物質は、バイオ・ラッド(Bio-Rad)を含むいくつかの商業的供給先から入手できる。ゲル濾過充填物質に関して、成分の大きさ又は分子量により溶液の成分を分離させる、いずれの充填物質も適している。本発明の目的のために、好ましいゲル濾過充填物質は、セファクリル(Sephacryl)系であり、特に、ファーマシア・LKB・バイオテクノロジー(Pharmacia LKB Biotechnology)から入手可能なセファクリルs-200HRである。好ましいリアクティブ・レッド・120-アガロースゲルは、クロマトグラフィー級のリアクティブ・レッド・120-アガロースゲル、タイプ3000CL、であり、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)から市販されている。
本発明の特徴として、安定化粗コラゲナーゼ溶液には、CaCl2及びアルギニンを含有する水性緩衝液中に粗コラゲナーゼを含有する。CaCl2とアルギニンの組み合わせは、コラゲナーゼを安定化させ、トリプシン不純物の蛋白質分解活性を抑制する。このことは、溶液中で迅速にコラゲナーゼを加水分解することができるトリプシンによる蛋白質分解性加水分解によりコラゲナーゼ活性の損失の低減に寄与する。好ましくは安定化コラゲナーゼ溶液には、約1mMのCaCl2、約5mMのアルギニン及び、pH6.7の.15Mの燐酸カリウム緩衝液のような適する緩衝液を含む。本発明の開示の目的のために、特定のpHを有する燐酸カリウム溶液に対するすべての言及は、一般に、一塩基性及び二塩基性燐酸カリウムを、特定のpHを与える組み合わせで含む燐酸カリウム塩をいう。
本発明によれば、安定化粗コラゲナーゼ溶液から、細菌性のDNAと毒素を除去するためのヒドロキシアパタイトカラムの能力を増大させるために、安定化粗コラゲナーゼ溶液をヒドロキシアパタイトにおいて溶離する前に、安定化粗コラゲナーゼにデオキシリボヌクレアーゼ(DNアーゼ)を添加することができる。より特定すると、デオキシリボヌクレアーゼを約40u/mlのデオキシリボヌクレアーゼ活性を与えるのに十分な量、安定化粗コラゲナーゼ溶液に加えることにより、粗溶液中に存在する大きな分子量の核酸が消化される[1クニッツ(Kunitzs)単位は、pH4.6、25℃で0.001/分/mlの△A260を生成する]。この工程により核酸の分子量分布が低減され、そして同時に粗コラゲナーゼ溶液の粘度が低減され、それによってクロマトグラフィーカラムの分画が促進される。
本発明の他の特徴として、安定化粗コラゲナーゼ溶液及び、第一及び第二溶離溶媒に非イオン性界面活性剤を加えることによって、ヒドロキシアパタイト充填物質は、亀裂が入る又はカラム中の容量を変化させる傾向を減ずる。このことは、高濃度の有機物質を用いて使用された場合、ヒドロキシアパタイトカラムに関連する通常の問題である。一端、カラムに亀裂が入ると、カラムは役に立たなくなり、全工程を再開始させなければならないので特に厄介な問題である。さらに、この亀裂が入る問題は、高価な物質及び回収できない作用物質の頻繁な損失をもたらす。非イオン性界面活性剤は、湿った充填物質を維持させるのに役立ち、すべての充填物質を均質に通過する溶離溶媒を維持するようである。コラゲナーゼと相溶性であるどの水溶性非イオン性界面活性剤も本発明における使用に適している。シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Co.)から入手可能なツイーン20製品、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを含むポリソルベート非イオン性界面活性剤は特に適している。
本発明による安定化粗コラゲナーゼ溶液の溶離は、安定化粗コラゲナーゼをヒドロキシアパタイトを充填した液体クロマトグラフィーの上部に入れ、第一溶液をヒドロキシアパタイトに連続的に流動させることに関与する。この溶離工程は、280nmにおける吸光度が10%未満に落ちるまで続ける。当業者は、通常の実験の評価により、連続的に流動させる第一溶液を、安定化粗コラゲナーゼ溶液の残存する成分から顔料の効率のよい分離をさせるような速度で流動させるように調整することを認識するであろう。本発明の目的のためには、適する溶離溶液流動速度は約0.5cm/時間乃至約5cm/時間である。
ヒドロキシアパタイトにおいて粗コラゲナーゼ溶液を分離するためにグラジエント溶離技術を用いる技術を用いる従来技術のコラゲナーゼ精製法とは異なり、本発明の方法は、充填されたヒドロキシアパタイトカラムにおいて2つの工程の溶離技術を含む。さらに特定すると、上記のように、ヒドロキシアパタイトにおいて、約0.05モル乃至約0.3モルの燐酸カリウム濃度を有する第一溶液で安定化粗コラゲナーゼ溶液を溶離する。好ましくは、第一溶離溶液は、6.7のpHを有する0.15モルの燐酸カリウムである。その他に、連続的にヒドロキシアパタイト充填物質に界面活性剤を供給するために、好ましい第一溶離溶液はさらに0.01重量%の非イオン性界面活性剤を含有する。0.15モルの燐酸カリウム溶液により与えられた溶液イオン強度は、安定化粗コラゲナーゼ中に見出だされる他の成分を維持しつつ安定化粗コラゲナーゼ溶液における顔料不純物を溶離するのに十分に強い。
2工程ヒドロキシアパタイトカラム溶離法の二番目の工程では、0.15Mの燐酸カリウム溶液で顔料を溶離した後に、二番目の溶液は、ヒドロキシアパタイト上に残存するそのコラゲナーゼと蛋白質分解酵素不純物質を溶離する。第二の溶液は、0.35モル以上の燐酸カリウム濃度を有し、好ましくは、pH6.7を与える燐酸カリウム塩を用いて0.4モルの燐酸カリウム濃度を有する。上記と同じ理由のために、好ましくは第二の溶液も0.01重量%の非イオン性界面活性剤を含む。0.15モルよりもずっと低いイオン強度を有することが好ましい第一溶液と異なり、第二溶液に関する、より高いイオン強度がコラゲナーゼ及び、トリプシン及びクロストリパインを含む蛋白質分解酵素不純物をヒドロキシアパタイトから迅速に溶離し、第一回収溶液を供給する。有利なことには、従来技術の煩わしいグラジエント溶離法とは異なる2工程溶離法を用いることにより、ずっと少ない時間でずっと少ない溶離溶液を用いて、粗コラゲナーゼ溶液から存在する顔料を有効に分離させる。このことは、より少ない費用とより迅速な操作をもたらす。
一般的に、コラゲナーゼ及び蛋白質分解酵素不純物の第一回収溶液は、画分溶液のプールされた回収であることを当業者は又、認識するであろう。より特定すると、コラゲナーゼ及び蛋白質分解酵素不純物をヒドロキシアパタイトカラムにおいて溶離することは典型的には、画分の形態で別の少量の溶離液(eluant)を回収し、コラゲナーゼ、トリプシン及びクロストリパイン活性について各回収画分を本技術分野で公知の検定方法により検定することに関する。酵素活性を有するそれらの画分をプールし、ゲル濾過充填物質において溶離するための第一回収溶液を形成させる。この技術は、望ましくない不純物が第一回収溶液に入っていく可能性を最小にし、第一回収溶液における溶離溶媒の量を低減させる。
ゲル濾過カラムにおける第一回収溶液を溶離することは、第一の回収溶液を、セファクリルs-200HRのようなゲル濾過カラムにかけ、好ましくは、pH7.5に調整された、約1.5MのNaCl、約5mMのCaCl2及び約5mMのトリシンを含む溶液である第三溶液で溶離することにより達成される。この溶離工程は、コラゲナーゼ及びクロストリパイン活性を有する酵素は溶離され、第二回収溶液を生成するが、トリプシンをより長くカラムに残存させる。ヒドロキシアパタイトにおいて粗コラゲナーゼ溶液を溶離することに関する、好ましい方法は、ゲル濾過溶離離剤の画分を回収し、コラゲナーゼ、トリプシン及びクロストリパイン活性に対してその画分を分析し、かなりのコラゲナーゼ活性及びクロストリパインの低活性しかし、トリプシン非活性を有する画分をプールし、第二回収溶液を生成する。
本発明の精製法における最終溶離工程は、第二回収溶液を、リアクティブ・レッド・120-アガロースゲルにおいて溶離し、存在し得るクロストリパインからコラゲナーゼを分離し、精製コラゲナーゼを提供する。より特定するとこの工程は、第二の回収溶液をリアクティブ・レッド・120-アガロースゲルで充填させたクロマトグラフィーカラムにかけ、そのカラムを、好ましくは、約1.5MのNaCl、約5mMのCaCl2及び約5mMのトリシンを含み、約7.5のpHに調整された溶液である第四の溶液で溶離することにより行われる。有利なことに、第四溶離溶液のイオン強度は、コラゲナーゼがリアクティブ・レッド・120-アガロースゲルに結合しないような強度であり、それによって、コラゲナーゼを塩グラジエントでの長い溶離なしに、迅速に溶離させる。又、除去のために約2MのNaCl及び5Mの尿素のような非常に高度のイオン強度溶液を必要とするので、第二回収溶液中に残るクロストリパイン又は痕跡量の顔料はリアクティブ・レッド・120-アガロースゲルに強く結合する。
当業者は、液体クロマトグラフィーに通常に関連する操作は一般的にクロマトグラフィー充填物質を調製すること及び、その使用の後にクロマトグラフィー充填物質の再生に向けられる工程に関与することをさらに認識するであろう。従って、本発明の好ましい方法には、好ましいヒドロキシアパタイトカラム、セファクリルゲル濾過カラム及びリアクティブ・レッド・120-アガロースゲルカラムを調製する方法が含まれる。例えば、カラムを調製することは、1MのNaCl及び約0.01重量%のツイーン20を含む溶液中にヒドロキシアパタイトカラム充填物質を懸濁することによって、カラムを調製することを達成し、0.15Mの燐酸カリウム及び約0.01重量%のツイーン20を含み、6.7のpHに調整された溶液中で懸濁充填物質を洗浄することにより達成され、クロマトグラフィーカラムに充填するのに適するヒドロキシアパタイトを提供する。本技術分野において公知の方法によりクロマトグラフィーカラムを充填した後の次の工程には、0.15Mの燐酸カリウム及び約0.01重量%のツイーン20を含み、6.7のpHに調整した溶液を充填物質中に流動させることによりヒドロキシアパタイト充填カラムを平衡させる。
同様な懸濁及び平衡方法を用いてゲル濾過充填物質及びリアクティプ・レッド・120-アガロース充填物質を調製する。例えば、1.5MのNaCl、約5mMのトリシン、5mMのCaCl2を含み、7.5のpHに緩衝された溶液中にセファクリルs-200HR又はリアクティブ・レッド・120-アガロース充填物質を懸濁し、そのカラムを充填し、水性懸濁溶液に類似の平衡水性溶液でカラムを平衡させることにより、第一回収溶液を溶離するための適当に調製されたセファクリルs-200HR充填カラムを提供する。図2(Fig.2)の詳細な流れ図に例示されているように、上記の溶液を懸濁し、平衡にすることを、第二回収溶液を溶離するのにリアクティブ・レッド・120-アガロース充填物質を調製するのに用いられる。
カラム充填物質を再生するのに向けられる方法は、充填物質が十分に長く使用され、使用カラムで溶離する溶液の成分を分離するための有効性が低減したときに一般的に行われる。本発明の目的のために、例えば、各精製工程の後に、効力がなくなったヒドロキシアパタイト充填物質を再生する。好ましいヒドロキシアパタイト再生法は、1Mの水酸化ナトリウムを含む溶液をヒドロキシアパタイト中に流動させ、次に0.15Mの燐酸カリウム及び約0.01重量%のツイーン20を含み、pH6.7に調整された溶液を効力がなくなったヒドロキシアパタイトに流動させることに関する。その2工程の後に、充填物質を上記の方法により平衡させる準備ができる。
本発明において用いられるゲル濾過充填物質を再生することは、ヒドロキシアパタイト充填物質を再生するのに用いられるものと同様な水性再生溶液を用いて達成される。より特定すると、0.2Mの水酸化ナトリウムを含む溶液を効力がなくなったセファクリルs-200HR充填物質に流動させ、次に1.5MのNaCl、5mMのトリシン及び5mMのCaCl2を含み、7.5のpHに調整された溶液を流動させることによって、充填物質は、上記の平衡法により平衡させる準備ができる。
最終的に、本発明によりリアクティブ・レッド・120-アガロースゲルを再生することは、まず逐次的に、2MのNaClを含む溶液そしてその次に5Mの尿素を含む溶液を効力をなくしたリアクティブ・レッド・安定化ゲルに流動させ、それによって、クロイトリパイン及び顔料不純物をカラムから除去する。次に1.5MのNaCl、5mMのトリシン及び5mMのCaCl2を含み、pH7.5に調整された溶液をもたらすことによって、リアクティブ・レッド・120-アガロースゲルは、平衡になり、付加的な第二回収溶液を溶離するのに準備ができる。
本発明の好ましい例示的態様は、粗コラゲナーゼ溶液及び第一回収溶液を各々の次の溶離工程のために調製することに関する付加的な方法を加える。例えば、高分子量物質及び固体成分を除去することが企図される添加された方法工程が用いられる。従って、より詳細な図2の流れ図において例示されているように、安定化粗コラゲナーゼ溶液を溶離する前にそして、核酸をデオキシリボヌクレアーゼ(DNアーゼ)で消化するのに続いて、好ましくは、粗コラゲナーゼ溶液を消化したDNアーゼを50,000の分子量遮断(molecular cutoff)を有する透析管を用いて透析する。その透析溶液は、好ましくは、0.15Mの燐酸カリウム、5mMのアルギニン及び1mMのCaCl2を含む安定化溶液であり、透析は、その技術分野で公知の方法により行う。次に、得られた透析物を遠心分離することにより透析したそして安定化した粗コラゲナーゼ溶液の上清が提供される。ヒドロキシアパタイトにおいて溶離するためにこの溶液を調製するために、0.15Mの燐酸カリウム、5mMのアルギニン及び1mMのCaCl2の上清溶液を適する非イオン性界面活性剤で調製し、約0..01重量%の界面活性剤濃度にする。
本発明の好ましい方法にはさらに、セファクリルs-200HR充填物質において溶離するための第一の回収された溶液を調製することに関する、同様の透析及び遠心分離工程が含まれる。ヒドロキシアパタイトから溶離された、分析された酵素画分をプールする工程に続いて、濃縮技術又はその技術分野で公知の同様の方法を用いて、得られた第一回収溶液を濃縮する。その濃縮された第一回収溶液を次に約5mMのアルギニン及び約1mMのCaCl2を含む溶液に対して、好ましくは50,000分子量遮断を有する透析管を用いて透析する。この工程に続き、第一回収溶液を再び他の溶液で透析する。その好ましい透析溶液は、約1.5MのNaCl、約5mMのトリシン、約5mMのCaCl2及び約5mMのアルギニンを含み、pH7.5に緩衝された溶液である。第二透析工程から得られた透析液を次に遠心分離し、0.45ミクロンのフィルターを通して濾過し、得られた、透析し、遠心分離し濾過した第一回収溶液を溶離する。
本発明では、精製したコラゲナーゼ溶液を提供することに関して、安定化粗コラゲナーゼ溶液及び第一回収溶液を調製することに関するものと同様の濃縮、透析及び遠心分離を行う。従って、リアクティブ・レッド・120-アガロースゲルで第二回収溶液を溶離し、分析された酵素画分をプールし、精製コラゲナーゼを生成するのに続いて、好ましい方法にはさらに、公知の濃縮法及び標準細胞濃縮器のような装備を用いることにより、コラゲナーゼ濃縮物を生成することが含まれる。次にコラゲナーゼ濃縮物を、50,000分子量遮断を有する透析管を用いて、プラスマライト(Plasmalite)A(商標名)、バクスターIVシステムス(Baxter-IV Systems)から入手可能な、1mMのCaCl2、を含有し、pH7.4の電解質溶液に対して透析を行う。最後に、その透析物を0.20ミクロンのフィルターにより濾過し、その濾液を遠心分離することにより、遠心分離された、実質的に顔料及び蛋白質分解酵素不純物を含まない精製されたコラゲナーゼの上清を提供する。
当業者は、濃縮、透析及び遠心分離工程と同様に各溶離工程により、コラゲナーゼの純度が増大され得ることを認識するであろう。従って、本発明の上記の精製方法を行った後に、得られる精製されたコラゲナーゼには、痕跡量の残存するトリプシン及びクロストリパイン活性のみしか含まれない。実際、それらの痕跡量は、精製されたコラゲナーゼの総蛋白質の1%未満しか構成しない。SDS−ゲル電気泳動研究により本発明により精製された高純度のコラゲナーゼが示される。さらに、等電点電気泳動分析により、粗コラゲナーゼ溶液中に見出だされるコラゲナーゼの異性体形は精製コラゲナーゼ中に維持されることが確認される。このことは、精製されたコラゲナーゼは、全範囲のコラーゲン蛋白質を加水分解する能力を維持することを保証する。
当業者は、又、安定化粗コラゲナーゼ溶液をヒドロキシアパタイトにおいて溶離することに関する2工程グラジエント法は、第一回収溶液を提供するために必要とする第一及び第二溶離溶液の量をかなり低減させることを認識するであろう。さらに、第一及び第二溶液中の非イオン性界面活性剤の存在により、亀裂が入ることなしに又はそうでなければヒドロキシアパタイトカラムを役に立たなくする事なく、安定化粗コラゲナーゼ溶液の無駄のないそして迅速な溶離を確保する。安定化CaCl2及びアルギニンを溶離溶液及び粗コラゲナーゼに加えることにより、コラゲナーゼの自触媒作用損失が避けられそして高収率の精製されたコラゲナーゼが維持される。
上記のように、本発明の精製されたコラゲナーゼは、結合組織を加水分解することに関する広範囲の用途を有する。それらの用途には、結合組織から細胞を単離し、生体内治療的処置のために単離された細胞を移植することが含まれる。有利に、トリプシン及びクロストリパインのような非コラーゲン特異的酵素活性を除去することにより、本発明により、コラゲナーゼを劣化し得るプロテアーゼを実質的に含まないコラゲナーゼを提供し、従って、粗コラゲナーゼの特徴である自触媒的劣化特性をなくす。さらに、本発明の方法は、感作抗原及びその他の毒素をなくすので、本発明の精製されたコラゲナーゼは、生体内において移植された又は消化された細胞中又は組織中にもし存在する場合に、アナフィラキシーショック又は関連する免疫反応を生じさせない。
下記の非限定実施例は、本発明の例示的酵素精製法を例示し、さらに本発明に関する異性体形の維持及び高収率を示すデーターを出す。
実施例
例示的コラゲナーゼ精製法
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーカラムを調製し、粗コラゲナーゼの溶液を安定化し、下記のようにカラムにおいてクロマトグラフにかけた。製品番号130-0151としてバイオ・ラッド(Bio Rad)から購入したヒドロキシアパタイトバイオ(Bio)ゲルHT充填物質3lを、1.0MNaCl及び0.01重量%のツイーン20を含有する溶液中で懸濁し、次に少なくとも1時間沈降させた。上清を除去し、懸濁工程を繰り返した。第二の上清を除去した後に、ヒドロキシアパタイトを0.15Mの燐酸カリウム及び0.01重量%ツイーン20を含み、pH6.7に調整した溶液中で再懸濁させた。
懸濁されたヒドロキシアパタイト充填物質を10cmの直径そして50cmの長さのガラスクロマトグラフィーカラムに充填した。ベーリンガーマンハイムから入手した粗コラゲナーゼの20g部分を、0.15Mの燐酸カリウムと5mMの塩化マグネシウムを含有し、pH6.7に調整した溶液400mlに溶解させた。その溶液1ml部分を希釈し、その溶液の光学濃度を260nm、280nm及び410nmで測定した。
次に、16000ユニット(40ユニット/ml)のデオキシリボヌクレアーゼ(DNアーゼ)を粗コラゲナーゼ溶液に添加し、得られた溶液を40分間静かに混合し、その溶液中のデオキシリボース核酸を消化させた。消化の後に、消化された溶液1ml部分を希釈し、その溶液の光学濃度を260nm、280nm及び410nmで測定した。
次に、粗コラゲナーゼ溶液を消化したDNアーゼを、0.15Mの燐酸カリウム、5mMのアルギニン及び1mMのCaCl2を含有し、pH6.7に調整された溶液4000mlに対して一晩、透析を行った、次に、透析された試料を4℃において20,000rpmで20分間、遠心分離し、上清を回収し、0.01重量%のツイーン20濃度に調整した。
蠕動ポンプを用いて1.3cm/時間の流量で、安定化粗コラゲナーゼの回収された試料をヒドロキシアパタイトで充填したクロマトグラフィーカラムの上部に入れた。ヒドロキシアパタイトカラムの回収末端を、17mlの画分を回収するための画分回収器及び、カラムから溶離した物質を特定の波長において検出するためのUV検出器に取り付けた。その回収試料を、0.15Mの燐酸カリウム及び0.01重量%のツイーン20を含有する溶液で1.3cm/時間の流量で溶離した。280nmでの(最初のピーク)UV吸光度を示す画分のコラゲナーゼ活性をFALGPA(フリルアクリロイルLeu-Gly-Pro-Ala)検定を用いてモニターした。カラムクロマトグラフィーを通常に実施するときに、第一ピークにコラゲナーゼ活性は見出だされるはずはない。
280nmにおける吸光度が、全規模の10%に落ちたら、溶離溶液を、0.4Mの燐酸カリウム、0.01重量%のツイーン20及び1mMのCaCl2を含み、pH6.7に調整した第二溶液に変えた。この第二溶離溶液を用いて回収し、280nm(第二ピーク)でのUV吸光度を示す画分を、100mMのアルギニンの溶液で調整し、5mMのアルギニン濃度を有する回収された画分を提供する。その画分を、UV吸光度(第二ピーク)が検出されなくなるまで、コラゲナーゼ、トリプシン及びクロストリパイン活性について検定した。
各々の酵素を試験する前に、回収した画分を、トリプシン及びコラゲナーゼ検定のために5倍に希釈し、クロストリパイン検定のために32倍に希釈した。それは、燐酸塩濃度を十分に希釈し、検定緩衝液におけるCaCl2での沈殿を排除し、検定との干渉を防いだ。
クロストリパイン活性は、通常ピークの尾末端に現れる。吸光度が低減し、クロストリパイン活性が増大したときに、クロストリパイン活性(BAEE、ベンゾイルL−アルギニンエチルエステル基質を用いて測定した)のコラゲナーゼ活性(FALGPA基質)に対する割合を決定した。0.25以下の割合を有し、15μkat/l(pH7.5で37℃における秒当りの加水分解されたFALGPA基質のマイクロモル)より大きいコラゲナーゼ活性を有するすべての画分をプールした。第一回収溶液を提供するためにすべての画分をプールした後に、1mlの第一回収溶液を希釈し、260nm、280nm及び410nmでの吸光度を測定した。260nmの280nmに対する吸光度の割合が0.5未満であることは、核酸物質の除去が成功していることを示しており、410nmの280nmに対する割合が0.05未満であることは、顔料の除去が成功したことを示す。
プールされた画分の第一回収試料をアミコン攪拌細胞濃縮器(Amicon stir cell concentrator)及び、5.0重量%のホルムアルデヒド及び25%のエタノールで安定化したPM10膜を用いて60mlに濃縮した。次に濃縮した試料60mlを、5mMのアルギニン及び1mMのCaCl2を含有する溶液6000mlに対して一晩透析した。その透析溶液を1.5MのNaCl、5mMのトリシンン、5mMのCaCl2及び5mMのアルギニンを含有し、pH7.5に調整した溶液に変え、とせソノさらに2時間続けた。次にその透析試料を回収し、4℃で20,000rpmで20分間遠心分離し、得られた上清を回収し、0.45ミクロンのフィルターで濾過した。
濾過した溶液を他の蛋白質分解酵素からコラゲナーゼをさらに分離するためにゲル濾過カラムでクロマトグラフにかけた。このゲル濾過分離操作は、最初に、セファクリルs-200HRを、1.5MのNaCl、5mMのCaCl2及び5mMのトリシンを含有し、pH7.5に調整した溶液中に懸濁し、その懸濁液を、その底面(bases)で直列に連絡しており、5cm×100cmの大きさである2つのガラスカラムに注ぐことにより、2つのクロマトグラフィーカラムに、セファクリルs-200HRを充填することに関与する。第二カラムの出口は、画分回収器及び、第二カラムから溶離された溶液のUV吸光度を検出するためのUV検出器に連絡していた。蠕動ポンプを用いて、第一及び第二のカラムに、1.5MのNaCl、5mMのトリシン及び5mMのCaCl2を含有し、pH7.5に調整された溶液約8lを約4cm/時間の流量で通すことにより充填したカラムを平衡にした。
次に、ヒドロキシアパタイトカラムから得られた濾過した試料を第一カラムの上部に入れ、1.5MのNaCl、5mMのトリシン及び5mMのCaCl2を含有し、pH7.5に調整された溶液を用いて両方のカラムで溶離した。回収された物質の各々の画分を、コラゲナーゼ、トリプシン及びクロストリパイン活性について検定した。1.240μkat/lより大きいコラゲナーゼ活性を有する画分をプールした。1.240μkat/l未満のコラゲナーゼ活性を有しない画分では、クロストリパイン活性のコラゲナーゼ活性に対する割合を決定し、2.0未満の割合を有し、BAPNA(ベンゾイルL−アルギニンp−ニトロアニリンド)基質を用いて測定した1.170μkat/l未満のトリプシン活性を有する画分をプールした。次に、プールした画分から得られた試料を0.45ミクロンのフィルターに通した。
500mlのリアクティブ・レッド・120-アガロースゲル、タイプ3000Clを、1.5MのNaCl、5mMのトリシン及び5mMのCaCl2を含有し、pH7.5に調整した溶液中に懸濁し、その懸濁液を5cm×25cmのガラスカラムに注ぐことにより、クロマトグラフィーカラムをリアクティブ・レッド・120-アガロース、タイプ3000Clで充填した。そのがラスカラムの出口を画分回収器及び、そのカラムから溶離した物質のUV吸光度を検出するためのUV検出器に取り付けた。
約2lの平衡溶液を蠕動ポンプを用いて2.1cm/時間で充填物質に通すことにより、そのカラムを平衡にした。次に、ゲル濾過カラムから出たプールされた画分から得られた濾過試料を、リアクティブ・レッド・120-アガロース充填カラムの上部に入れ、1.5MのNaCl、5mMのトリシン及び5mMのCaCl2を含有し、pH7.5に調整された溶液で溶離した。280nmにおけるUV吸光度を有する回収された画分を、コラゲナーゼ及びクロストリパイン活性について検定した。1.240μkat/lより大きいコラゲナーゼ活性を有するすべての画分をプールした。次に、そのプールした画分を、アミコン攪拌細胞濃縮器及びPM10膜を用いて900μkat/lのコラゲナーゼ活性に濃縮した。
濃縮した溶液を次に、1mMのCaCl2を含有するプラスマライトA電解質溶液に対して一晩透析を行い、20,000rpmで20分間遠心分離した。その上清を回収し、コラゲナーゼ及びクロストリパイン活性について分析し、最後に、長期保存のために凍結乾燥した。
表Iは、上記精製法の各工程の前にコラゲナーゼ溶液のUV吸光度における変化により示される、DNA不純物含量、コラゲナーゼ、トリプシン及びクロストリパイン活性に関連するデーターを提供するものである。
Figure 0003662020
表Iにより示されるように、各溶液のコラゲナーゼ活性は、粗コラゲナーゼにおける33nkat/mgの蛋白質から42.7nkat/mgの蛋白質の最終活性まで非常に増大した。一方、トリプシン及びクロストリパイン活性は、それぞれ7.7及び85.5nkat/mgの蛋白質から、0.2及び3.8nkat/mg蛋白質の最終濃度まで非常に低減した。さらに、DNA含量は、11.4μg/mgの蛋白質から0.8μg/mgの蛋白質に低下した。顔料含量も、410nmにおける溶液吸光度により示されたように非常に低下した。
このように本発明の例示的態様を記載したが、当業者は、開示は、例示的のみであり、種々の他の代替、応用および改変が本発明の範囲内で成し得ることを注意すべきである。従って、本発明は、本明細書に例示された特定の態様に限定されず、下記の請求の範囲のみに限定される。

Claims (15)

  1. コラゲナーゼ、顔料、毒素、細菌性物質、ならびにクロストリパイン、トリプシン及びカゼイナーゼ(caseinase)を含む蛋白質分解酵素不純物を含有する粗コラゲナーゼ組成物を精製する方法であり、
    安定化粗コラゲナーゼ溶液を、ヒドロキシアパタイト充填物質を含有するカラムに入れる工程、
    約6のpH乃至約8のpHに緩衝された、約0.05M乃至約0.3Mの燐酸塩及び非イオン性界面活性剤を含み、第一溶液で該ヒドロキシアパタイト充填物質から顔料及びカゼイナーゼを溶離する工程、
    約6のpH乃至約8のpHに緩衝された、約0.35M乃至約0.5Mの燐酸塩及び非イオン性界面活性剤を含む第二溶液で、コラゲナーゼ、クロストリパイン及びトリプシンを溶離し、第一回収溶液を提供する工程、
    該第一回収溶液をゲル濾過充填物質を含有するカラムに入れる工程、
    中性のpHの緩衝液を含む第三溶液でコラゲナーゼ及びクロストリパインを溶離し、第二回収溶液を提供する工程、
    該第二回収溶液を、リアクティブ・レッド・120−アガロース充填物質を含むカラムに入れる工程及び
    中性のpHの緩衝液を含む第四溶液でコラゲナーゼを溶離し、精製コラゲナーゼを含む溶液を提供する工程
    を含む、方法であって、
    デオキシリボヌクレアーゼを、約40u/mlのデオキシリボヌクレアーゼ活性を与えるのに十分な量、前記安定化粗コラゲナーゼ溶液に添加する工程をさらに含む、方法。
  2. 前記安定化粗コラゲナーゼ溶液が、コラゲナーゼ、CaCl2及びアルギニンを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 約0.15Mの燐酸カリウム、約5mMのアルギニン及び約1mMのCaCl2を含み、約6.7のpHに緩衝された溶液に対して前記安定化粗コラゲナーゼ溶液を透析し、第一透析物を提供する工程及び
    該第一透析物を遠心分離し、透析した安定化粗コラゲナーゼ溶液を含む上清を提供する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第一回収溶液を濃縮する工程、
    濃縮された第一回収溶液を、NaCl、トリシン、CaCl2及びアルギニンを含み、約7.5のpHに緩衝された溶液で透析し、第二透析物を提供する工程及び
    該第二透析物を遠心分離し、透析された第一回収溶液を含む上清を提供する工程
    をさらに含む、請求項に記載の方法。
  5. 前記第一溶液が、約0.15Mの燐酸カリウム、約0.01重量%の非イオン性界面活性剤及び約1mMのCaCl2を含み、約6.7のpHに緩衝されている、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第二溶液が、約0.4Mの燐酸カリウム、約0.01重量%の非イオン性界面活性剤及び約1mMのCaCl2を含み、約6.7のpHに緩衝されている、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第三溶液が、約1.5MのNaCl、約5mMのCaCl2及び約5mMのトリシンを含み、約7.5のpHに緩衝されている、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第四溶液が、約1.5MのNaCl、約5mMのCaCl2及び約5mMのトリシンを含み、約7.5のpHに緩衝されている、請求項1に記載の方法。
  9. コラゲナーゼ、顔料、毒素、細菌性物質、ならびにクロストリパイン、トリプシン及びカゼイナーゼ(caseinase)を含む蛋白質分解酵素不純物を含有する粗コラゲナーゼ溶液を、塩化マグネシウム、燐酸カリウム及びデオキシリボヌクレアーゼを含む溶液中で消化させる工程、
    約0.15Mの燐酸カリウム、約5mMのアルギニン及び約1mMのCaCl2を含み、約6.7のpHに緩衝された溶液に対して、消化された粗コラゲナーゼ溶液を、透析し、透析物を提供する工程、
    該透析物を遠心分離し、上清を提供する工程、
    該上清をヒドロキシアパタイト充填クロマトグラフィーカラムに入れる工程、
    約0.15Mの燐酸カリウム、約0.01重量%の非イオン性界面活性剤及び約1mMのCaCl2を含み、約6.7のpHに緩衝された第一溶液で顔料を溶離する工程、
    約0.4Mの燐酸カリウム、約0.01重量%の非イオン性界面活性剤及び約1mMのCaCl2を含み、約6.7のpHに緩衝された第二溶液で、蛋白質分解酵素不純物及びコラゲナーゼを溶離し、第一回収溶液を提供する工程、
    ゲル濾過充填クロマトグラフィーカラムに該第一回収溶液を入れる工程、
    約1.5MのNaCl、約5mMのCaCl2及び約5mMのトリシンを含み、約7.5のpHに緩衝された第三溶液でコラゲナーゼ及びクロストリパインを溶離し、第二回収溶液を提供する工程、
    該第二回収溶液を、リアクティブ・レッド・120−アガロースを充填したクロマトグラフィーカラムに入れる工程、及び
    約1.5MのNaCl、約5mMのCaCl2及び約5mMのトリシンを含み、約7.5のpHに緩衝された第四溶液で精製コラゲナーゼを溶離する工程
    を含む、コラゲナーゼ組成物を精製する方法。
  10. 前記ヒドロキシアパタイト充填物質を水酸化ナトリウムで再生させる工程をさらに含む請求項9に記載の方法。
  11. 前記ゲル濾過充填物質を水酸化ナトリウムで再生させる工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記リアクティブ・レッド・120−アガロース充填物質を最初に塩化ナトリウムで次に尿素で再生させる工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  13. ヒドロキシアパタイトから溶離された画分を回収する工程、
    該画分を、コラゲナーゼ、トリプシン及びクロストリパイン活性について検定する工程及び
    15μkat/lより大きいコラゲナーゼ活性及び0.25以下の、クロストリパイン活性のコラゲナーゼ活性に対する割合を有する回収画分をプールし、前記第一回収溶液を提供する工程
    をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  14. ゲル濾過充填物質から溶離された画分を回収する工程、
    該画分をコラゲナーゼ、トリプシン及びクロストリパイン活性について検定する工程及び
    1.240μkat/lより大きいコラゲナーゼ活性又は、2.0以下の、クロストリパイン活性のコラゲナーゼ活性に対する割合及び1.170μkat/l未満のトリプシン活性を有する回収画分をプールし、前記第二回収溶液を提供する工程
    をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  15. リアクティブ・レッド・120−アガロース充填物質から溶離された画分を回収する工程、
    該画分を、コラゲナーゼ、トリプシン及びクロストリパイン活性について、検定する工程及び
    1.24μkat/lより大きいコラゲナーゼ活性を有する回収された画分をプールする工程
    をさらに含む、請求項9に記載の方法。
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