JPS63132898A - 蛋白質の分離精製方法 - Google Patents

蛋白質の分離精製方法

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JPS63132898A
JPS63132898A JP27956686A JP27956686A JPS63132898A JP S63132898 A JPS63132898 A JP S63132898A JP 27956686 A JP27956686 A JP 27956686A JP 27956686 A JP27956686 A JP 27956686A JP S63132898 A JPS63132898 A JP S63132898A
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protein
clay mineral
proteins
elution
clay
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JP27956686A
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English (en)
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Sumitaka Kokusho
国生 純孝
Akira Tsunoda
昭 角田
Haruo Machida
晴夫 町田
Shinjiro Iwasaki
岩崎 慎二郎
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Meito Sangyo KK
Original Assignee
Meito Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、粘土鉱物質に可吸着性の蛋白質、とくには酵
素蛋白質や生体生理活性蛋白質などの如き8!能性蛋白
質を、その機能性に関与する高次−構造を損うおそれな
しに、安価且つ入手容易な溶出溶媒を用い、吸着−溶出
手法を利用して、温和な条件で且つ容易な操作で工業的
規楔をもって高純度に分離精製でき、斯くて、従来大量
精製の容易でない医薬、酵素、食品、その他の多くの分
野における機能性蛋白質の効果的な大量分離精製を可能
とする蛋白質の分離精製方法に関する。
更に詳しくは、本発明は、粘土鉱物質に再吸着性の蛋白
質を含有する粗蛋白質水性溶液を、粘土鉱物質と接触さ
せて該蛋白質を該粘土鉱物質に固定し、該固定された蛋
白質を溶出溶媒で溶出処理することから成る蛋白質の分
離精製方法に於て;ポリエチレングリフール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロ
ックポリマー及びこれらの非イオン性誘導体よりなる群
からえらばれた高分子化合物の水性溶液を溶出溶媒とし
て溶出処理することを特徴とする蛋白質の分離精製方法
に関する。
従来、粗蛋白質水性溶液のような蛋白質混在溶液から特
定の蛋白質を分離、精製するためには、両性電解質であ
る蛋白質の性質を利用したイオン交換法による分離、精
製手段を利用するか、又は、分子篩効果によるゲル濾過
法による分離、精製手段を利用するのが最も普通で且つ
常用されてきた手法である。
しかしながら、これら従来手法によって粗蛋白質の分離
、精製を行なうためには、予じめ試料の説塩処理、濃縮
処理などの予備処理を必要とするため、大量の粗蛋白質
溶液を処理する工業的規模での実施に際して、なお多く
の技術的課題及びコスト上の課題をかかえており、大容
量の試料より特定の蛋白質を簡単且つ安価な手段で効率
よく分離、精製できる工業的実施に適した方法の開発が
望まれてきた。
蛋白質、とくには酵゛素蛋白質や生体生理活性蛋白質な
どの如きその機能性に関与する固有の高次構造を有する
蛋白質は、その特有の機能との関連において、分離、精
製に際して出来るだけ該蛋白質の固有の高次構造に不可
逆的変化を伴わない化学的及び/又は物理的手段を選ぶ
ように考慮されなければならないが、満足すべき工業的
手法は未だ提供できないのが実情である。
従来、蛋白質の中には粘土鉱物質に特異的に吸着される
蛋白質があることは、古くから知られている。しかしな
がら、粘土鉱物質に一旦吸着固定された蛋白質は一般に
溶出することが極めて困難で、殆んどの場合、不可逆的
吸着であるため蛋白質の分離、Malに広く利用するこ
とができないのが普通であった。更に又、一旦吸着固定
された蛋白質を、その固有の高次構造に変化を生ずるお
それのあるpH変化やイオン強度変・化を伴うことなし
に溶出することは困難であり、又更に、そのような不都
合な変化を伴うことなしに、安価且つ入手容易な溶出溶
媒で、簡単に且つ効率よく溶出処理して分離、精製する
ことができない技術的隘路があり、工業的規模でも実施
には不向きであるなどのトラブルがあった。
このような粘土鉱物質を利用した酵素蛋白質の処理に関
して、従来、いくつかの提案が知られている。
例えば、特公昭49−25358号には、小文麩、生か
んしょより水抽出しなβ−アミラーゼ粗酵素液を、カオ
リンまたは活性白土を用いpH5゜0以下で処理してβ
−アミラーゼを吸着させた後、吸着剤を分離し、イオン
強度μ=0.5以上、pH5,0以上の液にて溶出する
ことをvf徴とするアミラーゼの精製法が提案されてい
る。この提案においては、pH、イオン強度を変化させ
る不都合な手法によってはじめて溶出できることが示さ
れているにすぎない。
他の提案として、特開昭51−70873号には、β−
アミラーゼ((2−1,4−グルカンフルトヒドロラー
ゼ)およびff−116−グルコンダーゼを生産するバ
チルス属細菌のβ−アミラーゼを50°〜65℃の温度
で加熱処理された殿粉に吸着させることを特徴とするバ
チルス属β−アミラーゼの吸着方法、更に、該バチルス
属細菌のβ−アミラーゼとα−1,6−グルコシダーゼ
を50゜〜65℃の温度に加熱処理された殿粉とケイン
9土の混合物に吸着させることを特徴とするバチルス属
β−アミラーゼとff−116−グルコシダーゼの吸着
方法が開示されている。この提案においでは、前者の態
様で該殿粉からβ−アミラーゼを溶出するには、1〜1
0%、通常5〜10%のマルトース溶液又は水飴のよう
なデキストリフ溶液などの殿粉の部分分解物の溶液で溶
出でき、又、後者の態様では、両酵素の溶出は食塩5〜
10%を含むマルトースなど殿粉部分分解物溶!(糖濃
度1〜10%、通常5〜10%)でおこなわれることが
記載されている。
更に、特開昭51−70874号には、バチルス属細菌
の生産するa −1* 6−グルコシダーゼを粘土また
はケイソウ土に吸着させることを特徴とするバチルス属
α−1,6−グルコシダーゼの回収及び不溶化方法が記
載されている。この提案には、吸着されたff−116
−グルコシダーゼは5〜10%濃度の食塩水に懸濁し、
pH7〜9に調製することにより溶出できることが記載
されているだけである。又、特開昭51−70875号
には、β−アミラーゼとff−196’−グルコシダー
ゼを同時に生産するバチルス属細菌のβ−アミラーゼお
よびff−116−グルコシダーゼを殿粉または派生物
の存在下で活性炭に吸着させることを特徴とするバチル
ス属β−アミラーゼとa−1゜6−グルコシダーゼの吸
着方法が記載され、不溶化酵素が得られることが記載さ
れているが、その溶出については、何等、言及されてい
ない。更に又、特公昭56−36号には、バチルス属の
a−1,6−グルコシダーゼとβ−アミラーゼの少な(
とも一種を粘土類の焼成物に吸着固定化することを特徴
とするα−1,6−グルコシダーゼお上りβ−アミラー
ゼの固定化と回収方法が提案されている。この提案にお
いては、粘土類の焼成物に吸着固定化されたα−1,6
−グルコシダーゼは、5〜10%の塩化ナトリウムなど
の塩類溶液で、モしてβ−アミラーゼは5〜10%のマ
ルトソースまたはデキストリン溶液で抽出、回収される
と記載されている。
本発明者らは、粘土鉱物質に可吸着性の蛋白質を含有す
る粗蛋白質水性溶液を、粘土鉱物質と接触させて該蛋白
質を該粘土鉱物質に固定し、該固定された蛋白質を溶出
溶媒で溶出処理することから成る蛋白質の分離精製に際
して、一旦吸着固定された蛋白質を、その固有の高次構
造に変化の生ずるおそれのあるpH変化やイオン強度変
化を伴なう手法を回避でき且つ工業的規模での大量処理
をも簡単且つ安価な手段で、優れた分離精製効率をもっ
て実施できる蛋白質の分離精製法を開発すべく研究を行
ってきた。
その結果、従来、前述したような粗蛋白質水性溶液の粘
土鉱物質による吸着固定−溶出処理において、全(提案
されたことも示唆されたこともない溶出溶媒としての合
成高分子化合物、とくにポリエチレングリフール、ポリ
プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリオキシエチレンオキシプロピレン
ブロツクボリマー及びこれらの非イオン性誘導体よりな
る群からえらばれた高分子化合物の水性溶液を利用する
ことによって、粘土鉱物質に可吸着性の蛋白質、とくに
は酵素蛋白質や生体生理活性蛋白質などの如き機能性蛋
白質をも、その機能性に関与する高次構造を損うおそれ
なしに、安価且つ入手容易な溶出溶媒を用いて、温和な
条件で且つ簡単な捏作で工業的規模をもって高純度に分
離精製できることを発見した。
更に、本発明者らの研究によれば、8!能性に関与する
高次構造に変化を引きおこすおそれのあるような、a′
aなpH変化やイ・オン強度変化を与えることなしに、
非イオン性の合成高分子化合物水性溶液で好都合に溶出
処理することができて、特に不安定な高次構造を有する
蛋白質の分離、精製にも有効な手段となるだけではなく
、蛋白質の高次構造に不都合な変化を生じない範囲にお
いて例えば酸、アルカリ、塩などを用いて溶解させた粗
蛋白質水性溶液の@着固定−溶出処理に際しても、吸着
固定処理した粘土鉱物質を予め脱イオン水で洗浄処理し
てから本発明の高分子化合物水性溶液を溶出溶媒として
溶出処理するだけで、脱イオン状態の精製蛋白質を溶出
回収することが可能となる利点があり、斯くて、溶出蛋
白質を透析処理する従来法を必要とすることなしに、容
易に且つ効率よく脱イオン状態のM5!蛋白質を溶出回
収できることを発見した。
更に又、本発明者らの研究によれば、本発明方法1こよ
って、目的とする蛋白質を一旦、粘土鉱物質上に濃縮吸
着させ、該目的蛋白質を少量の溶出液をもって溶出する
ことが可能である為、溶出液はそのまま、又は若干の濃
縮処理を加えるだけで、必要に応じてデルろ過に効率よ
くつなげて行くことが出来るといった利益も達成できる
ことがわかった。
従って、本発明の目的は蛋白質の改善された分離精製方
法を提供するにある。
本発明の上記目的及び更に多くの他の目的ならびに利点
は、以下の記載から−J−明らかとなるであろう。
本発明方法によれば、粘土鉱物質に再吸着性の蛋白質を
含有する粗蛋白質水性溶液を、粘土鉱物質と接触させて
該再吸着性蛋白質を該粘土鉱物質に吸着固定させる。次
いで、該固定された蛋白質を溶出溶媒で溶出処理するに
際して、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン
、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマ
ー及びこれらの非イオン性誘導体よりなる群からえらば
れた高分子化合物の水性溶液を溶出溶媒として溶出処理
する。
上記原料粗蛋白質水性溶液としては、粘土鉱物質に再吸
着性の蛋白質であって且つ上記高分子化合物水性溶液で
溶出可能な蛋白質を含有する任意の粗蛋白質水性溶液が
利用でき、必要ならば、予め実験的に容易に選択するこ
とができる。例えば、動物の細胞や体液などの粘土鉱物
質に再吸着性の蛋白質を含有する粗蛋白質、例えば、植
物の細胞や種子などの粘土鉱物質に再吸着性の蛋白質を
含有する粗蛋白質、例えば、微生物細胞の粘土鉱物質に
再吸着性の蛋白質を含有する粗蛋白質、微生物による発
酵生産に基づく粘土鉱物質に再吸着性の粗蛋白質、微生
物を包含して動物及び植物源由来の酵素蛋白質の如き粘
土鉱物質に再吸着性の粗蛋白質等の各種の粗蛋白質を含
有する水性溶液を例示することがでさる。
二のような粘土鉱物質に再吸着性の蛋白質の具体例とし
ては、たとえば、血清アルブミン、ヘモグロビン、フィ
ブリノーゲン、などの如き血液蛋白質;たとえば、ラク
トアルブミン、ラクトグロブリンなどの如き乳蛋白質;
たとえば、卵グロブリンなどの如き卵蛋白質;たとえば
、大豆グロブリンなどの如き大豆蛋白質;たとえば、小
麦グロブリン、小麦アルブミンなどの如き小麦蛋白質;
たとえば、リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼなどの
類t−微生物蛋白質;たとえば、リゾチーム、ウロキナ
ーゼ、アスパラギナーゼ、などの如き酵素蛋白質;等を
例示することができる。その他、例示の如き粘土鉱物質
に再吸着性の蛋白質は、粘土鉱物質への吸着固定及び本
発明に特定されている高分子化合物の水性溶液による溶
出試験を、予め実験的に行なうことにより、あらかじめ
容易に選択設定しておくことができる6 本発明方法は、従来広においてはその機能性に関与する
高次構造を損うおそれのあった酵素蛋白質や生体生理活
性蛋白質などの如き機能性蛋白質を、それらを含有する
粗蛋白質水性溶液から分離精製するのに適用するのにと
くに適しており、そのような蛋白質の例としては、すで
に例示したものを包含して、たとえば、リゾチーム、ア
スパラギナーゼ、ウロキナーゼ、インシュリン、チトク
ロームの如き機能性蛋白質を例示することができる。
更に、本発明方法の実施に際して、原料粗蛋白質水性溶
液は、その含有する粘土鉱物質に再吸着性の蛋白質を溶
解する目的において、必要に応じて、酸、アルカリ、塩
類などが添加されていてもよいが、その種類及V量は該
可Iyi着性蛋白質の高次構造に不可逆的変化を生じな
い種類及び蛍の範囲内にとどめる必要がある。そのよう
な量は、該添加剤の種類及び該再吸着性蛋白質のm類に
よっても変わるので、一義的には例示できないが、予め
実験的に容易に選択設定しておくことができる。
このような添加剤の例としては、たとえば、塩酸、ホウ
酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸グリノン、
苛性ソーダ、苛性加里、ドリスアミノメタン、食塩、酢
酸ソーダー、などの如き酸、アルカリ、塩類を例示する
ことができる。
又更に、本発明方法の実施に際して、原料粗蛋白質水性
溶液に不溶性物質が含まれている場合には、吸着固定処
理にさき立って、適当な固液分離手段たとえば濾過、遠
心分離などの手段によって、そのような固形分を予め除
去して処理に供することが望ましい。
本発明方法において、利用する粘土鉱物質の例としては
、それ自体公知の粘土鉱物質が利用でき、例えば、ベン
トナイト、酸性白土、活性白土、カオリン、モンモリロ
ナイト、ハイドロタルサイト及びそれらの焼成物よりな
る群からえらばれた粘土鉱物質を挙げることができる。
これらは単独でも複数種併用してでも利用することがで
きる。このような粘土鉱物質及びそれらの焼成物は市場
でも入手でき、本発明において適宜に選択利用すること
ができる。
更に、本発明方法において、利用する溶出!B媒はポリ
エチレングリコ−7し、ポリプロピレングリコール、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキ
シエチレンオキシプロピレンブロックポリマー及びこれ
らの非イオン性誘導体よりなる群からえらばれた高分子
化合物の水性溶液である。このような高分子化合物それ
自体はよく知られており、市場でも入手でき、本発明に
おいて適宜に選択利用することがでさる。これらは単独
でも複数種併用してでも利用することができる。
このような高分子化合物の具体例としては、たとえば、
分子量が約1000以上、たとえば、約1000〜約1
00,000のものが好ましく、たとえば、ポリエチレ
ングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(
PPG)、ポリビニルアルコール(P V A )、ポ
リビニルピロリドン、ポリオキシエチレンオキシプロピ
レンブロックポリマー[たとえばEωu1gen  P
 P ]、メトキシポリエチレングリコール、トリメチ
ルアミノポリエチレングリコール及びポリエチレングリ
コールスルホネートできる。
本発明方法によれば、前述の如き粗蛋白質水性溶液を前
述の如き粘土鉱物質に接触させて可吸着性蛋白質を該粘
土鉱物質に吸着固定させ、該固定された蛋白質を上述し
た高分子化合物の水性溶液を溶出溶媒として溶出処理す
る.固定−溶出手法それ自体は当業者によく知られてお
り、本発明方法で利用できる。例えば、前記例示の如き
粘土鉱物質を充填したカラム中を、原料粗蛋白質水性溶
液を流下させてrpi着固足固定処理次いで高分子化合
物の水性溶液を流下させて溶出処理を行なう手法を利用
できる。又、例えば、該粘土鉱物質と粗蛋白質水性溶液
を、所望により攪拌条件下で混合接触させ、しかる後、
適当な固液分離手段たとえば濾過、傾斜、遠心分離など
の手段で粘土鉱物質を分離採取し、得られた粘土鉱物質
と高分子化合物の水性溶液とを、上記同様にして混合接
触させて溶出処理し、しかる後、上記同様な分離手段で
液相を採取する手法を利用できる。
本発明方法の実施に際して、粘土鉱物質の形状及び使用
量は適宜に選択変更できる。たとえば、粉状、粒状、顆
粒状、塊状などの形状を例示でき、又、使用量としては
、吸着固定された蛋白質重量の約1〜約100倍、好ま
しくは約5〜約30倍の如き使用量を例示することがで
きる.粘土鉱物質に可rpi着性の蛋白質の粘土鉱物質
への吸着固定は、該蛋白質を含有する原料零に蛋白質水
性溶液に、吸着剤としての粘土鉱物質を例えば約0.1
−20、0%の濃度で添加し、たとえば数分−数時間攪
拌混合することによって行なうことができる。
吸着後の粘土鉱物質は沈降法又はろ過や遠心により分離
し、必要に応じて水又は緩衝液で洗浄を数回繰返し残余
の非吸着物を除去した後、前記高分子化合物の水性溶液
によって吸着蛋白質を溶出することができる。粘土鉱物
質への吸着固定処理及び固定された蛋白質の溶出処理は
、室温で行なうことができ、とくに冷却もしくは加熱の
必要はないが、例えば約り℃〜約60℃の如き処理温度
を例示することができる。
本発明方法によれば、既述のように、粘土鉱物質に一旦
吸着固定された蛋白質に不都合な変化を伴うおそれのあ
るpH変化やイオン強度変化を伴う溶出手法によっても
なお、はとんど溶出されない蛋白質でも、高い溶出率を
もって溶離することが可能となる。この点に関して、以
下に実験例を示して更に詳しく説明する。
(実験例−1) 粘土鉱物質に吸着固定させた酵素蛋白の溶離方法と溶出
率について実験した。蛋白質としてアルカリ性リパーゼ
を用いた。その方法はアルカリゲネス(A Icali
genes)属に属する8糖PL−679)(m工研薗
寄第3783号)の生産するリパーゼ(特公昭60−1
5312広報)をA grie、 B iol、 Ch
em、 、46.1743(1982)に示す方法と同
様に培養し、培養液を10,0OOGXIO齢in遠心
分離し遠心上清を得た。
この上清10mjl当り後掲第1表及び第2表に示した
粘土鉱物質0.3gを加え攪拌した後、上記と同様に遠
心し粘土鉱物質を回収した。この処理によってリパーゼ
活性の約95%以上が粘土鉱PIS1表 各種合成高分
子による粘土鉱物からの酵物質に吸着した。粘土鉱物質
を更に10倍の水で洗浄後再び同様に遠心回収した。尚
、この間に活性の溶出はなかった。犬に、後掲第1表及
び第2表に示した各溶出剤5mj2を加え室温で30m
1n攪件した後、同様に遠心分離し上清を得た。この上
清のリパーゼ活性と蛋白質を測定し溶出率と比活性を求
めその結果を第1表に又、比較例を第2表に示した。尚
リパーゼ活性の測定は国生らの方法(Agric、 B
iol、 Chew、 v46,1159(1982)
)によって行なった。又蛋白質はOD280nmの吸収
から又はローリ−法により牛血清アルブミン(BSA)
を標準蛋白質として求めた。但し使用した上記遠心上清
のリパーゼ活性は490単位/ll1g蛋白である。
ttl、1夫に示す如(婉出剖シi−で大器8目力体【
ゆ舷AA 4X、 b−/J%)甜\附山川こしL +
M ”/I jJ r51−↑rて各種粘土鉱物質より
極めて効率よく酵素蛋白が溶出され精製度も上昇した。
これに対して溶出剤として緩衝液を用いた比較例(第2
表)の場合は、tzHの変化やイオン強度の変化によっ
ても酵素蛋白はほとんど溶出されていない。
第2表 比較例(pH,イオン強度による粘土鉱物から
の酵素蛋白の溶出) (実験−2) 40+*gのBSA(生化学工業社11)を20mAの
蒸留水に溶解し、ベントナイ)1.Og添加4℃。
500 rpmにて2時間攪拌し、1100Ox*15
m1n遠心分離しBSA99%を吸着したベントナイト
を得た。この吸着固定処理したベントナイトに1.2.
5M濃度のNaC1を各々20m1添加し、2時間50
0 rpmにて攪拌したがBSAの溶出は全くなかった
。上記NaClを添加したベントナイトに、更にHCI
、NaClを用いてpHを3.0.7.0.11.0に
調整しツツ、500rpm  2時間攪拌したが蛋白質
の溶出はいずれの条件下でも全くなかった。これに対し
10%(W/V)PEG4000の水溶液20m1を加
え同様に処理した時の上清液には約90%のBSAが溶
出された。
尚、蛋白質はローリ−法により比色定量し算出した。
本発明方法に従って合成高分子化合物を蛋白溶出剤とし
て用いる際の濃度としては、粘土鉱物質に固定された蛋
白質を溶出でさる適宜な濃度が採用でき、使用する粘土
鉱物質、原料粗蛋白質水溶液、高分子化合物などの組み
合わせに応じて、予め実験的に容易に選択設定できるが
、その−例を実験例−3に示す。この例においては、0
.1〜20%、好ましくは0.5〜5.0%の範囲で使
用すればよい。
(実験例−3) 実験例−1と同様の方法によりリパーゼ酵素蛋白をベン
トナイトに吸着させた後、濃度の異なるPEG−200
0溶液5.OaAを加え、室温で30+ain攪拌した
後、遠心分離し、その上清のリパーゼ活性を洞定して酵
素蛋白の溶出率を求め表−3に示した。
第3表 PEG−2000の濃度と溶出率の関係蛋白質
の溶出捏作は、蛋白質を吸着した粘土に本発明における
高分子化合物溶液を加え、たとえば数分−散時間攪件す
ることによりて溶出させる事が出来る。これら一連の操
作はたとえば10〜35℃付近の温度で行うことが出来
る。溶出した蛋白質溶液はこの分野に公知の手法たとえ
ばイオン交換法、ゲルろ過法、限外ろ過法などで更に処
理する事ができ、液中に含まれる合成高分子化合物と目
的とする蛋白質とに容易に分離する事が出来る。当然な
がらこの処理によって更に蛋白質の精製度を高める事が
できる。
上述のようにして、本発明方法により分離精製された蛋
白質溶液は、所望により、限外ろ過膜や等の手段を利用
して粉末として回収することも出来る。
本発明方法によれば;従来法では大容量精製処理の困難
であった蛋白質、特に機能性蛋白質の分離、精製法の分
野において、粘土鉱物質と安価且つ入手容易な非イオン
性の合成高分子化合物を用いて蛋白質の大容量精製、分
離を可能とする極めて簡便で有効な道を開くことができ
る。更に、本発明によれば、従来イオン交換法、ゲルろ
過法で大量の粗蛋白質溶液を処理する上で技術的にも、
経済的にも障害となっていた“脱塩”と“濃縮”に就い
ても一挙に解決され、従来法との組合わせにおいても工
業的規模での蛋白質の分離、精製を一層容易且つ効果的
に可能とした点で極めて有用である。本発明方法によっ
て分離、精製される蛋白質は温和な条件下に処理される
結果、蛋白の生理機能に関与する高次構造を損うおそれ
がないので、特に酵素蛋白や生体生理活性を有する各種
蛋白質の分離、精製方法として好適である。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが
本発明は本実施例に限定されない。
(実施例−1) アルカリ土類金属に属する8糖PL−679号株の生産
するリパーゼを特公昭60−15312に示した方法と
同様に培養し、10 to 00gX 10鶴in遠心
分離してその上清11iterを得た。これに和光純薬
社製ベントナイ)30gを加え500r。
p、a+、10 min攪件した後、遠心分離し蛋白吸
着ベントナイトを回収した0回収したベントナイトを0
、51iterの水に懸濁し再び同様に遠心分離した後
、蛋白溶出剤として0. 51iterの和光純薬社#
J11%PEG2000水溶液を加え室温で30w1n
攪袢した後、遠心分離して上清を得た。上清のりパーゼ
活性と蛋白質を測定し、その結果を第4表に示した。
”;[ 第4表 リパーゼ蛋白の精製結果 第4表に示す如くベントナイト吸着溶出処理により蛋白
質当りのリパーゼの比活性は処理前の約3倍に精製され
た。
(実施例−2) 粗製パンクレアチン(和光純薬社 すい臓リパーゼ)1
gを100111.i!の水に溶解し、遠心後、その上
清に5gのベントナイトを加え30nin攪拌した。次
に1000gX10分遠心分離して回収したベントナイ
トに水100a+j!を加えて懸濁し再び遠心分離し回
収した。これに蛋白溶出剤として50+aiの1%PE
G2000を加え30m1n攪拌した後遠心してその上
清を得た。上清のリパーゼ活性と蛋白質を測定しその結
果をtJIJ5表に示した。
第5表 酵素蛋白の精製結果 第5表に示す如くベントナイト吸着溶出処理により蛋白
質当りのパンクレアチンのリパーゼ活性は処理前の約4
倍に精製された。
(実施例−3) シュウトモナス、7ラギーの生産するリパーゼ(サラポ
ロビール社)粗粉末1gを水に溶解した後、以下実施例
2と同様に処理して酵素蛋白精製上清液を得た。この上
清のリパーゼ活性と蛋白質を測定しその結果を第6表に
示した。
第6表 シュウトモナス、フラギーリパーゼ蛋白の精製
結果 f:JJ6表の結果に示す如くベントナイト吸着溶出処
理により蛋白当りのリパーゼの比活性は処理前の約3倍
に精製された。
(実施例−4) リパーゼPL−6797七トン粉末10gを11ite
rの水に溶解した後50gの活性白土又は、酸性白土(
いずれも和光純薬社製)を加え15a+in攪拌した。
次に1000gX10分遠心分離して回収した活性白土
又は、酸性白土に水11iterを加えて懸濁し再び遠
心分離し回収した。これに蛋白溶出剤として500mN
の1%PEG2000を加え、30m1n攪件した後遠
心してその上清を得た。この上清のリパーゼ活性と蛋白
質を測定しその結果を第7表に示した。
第7表 酵素蛋白の精製結果 第7表に示す如く粘土鉱物吸着溶出処理により蛋白当り
の酵素の比活性は処理前の約5倍に精製された。この精
製酵素を公知手段により更にDEAEイオン交換処理し
た時の蛋白当りの比活性は更に約3.5倍にまで精製さ
れた。
(実施例−5) 生化学工業社製の牛血清アルブミン(BSA)2Ovg
と和光紬薬社製の牛血清グロブリン 7ラクシヨンII
(以下BGと略)2016gを20蒙Mのす/酸すlJ
7ム緩衝QpH4,0,20wj!に溶解し、和光紬薬
製のベントナイ)1.0gを添加し、4℃、500 r
pm+にて2時間攪拌して蛋白質をベントナイトに吸着
させた後、1000FIX15分、4C遠心分離し上清
液(A)及びベントナイトの沈殿を得た。このベントナ
イトに和光紬薬社製のPEG4000,10%水溶液2
0mAを加え、4℃、500 rpmにて2時間攪拌し
ベントナイトから蛋白質を溶出し、4℃、1000gの
遠心により上清液(B)を得た。得られた上清液(A)
、(B)についてローリ−法により蛋白量を測定し回収
率を求めた。又上清液(A)、(B)についてドデシル
硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドデル(デル濃度1
0%)電気泳動法により含有蛋白質を分離し、(25〜
50マイクo g  protein、 100 v、
 5 hr)0 。
02%コーマノーブリリアントフル−R250゜メタノ
ール:酢酸:水(5:1:5)溶液で30分染色後、メ
タノール:酢酸:水(S:1:5)溶液で脱色後、デン
シトメーター(島律製クロマトスキャナー)を用いて波
長550nmの吸光度により蛋白組成を分析した。
又、B5A20mgとシグマ−社製卵アルブミン(以下
OVAと略)20mgを2011INのリン酸緩衝液に
溶解、上記したと同様の処理孫作と分析を行い全ての結
果を第8表に纏めて示した。
第8表 各種蛋白質の精製結果 第8表に示す如(BSAとBG、、BSAとOVA、の
様2種混合蛋白質を極めて効率良く分離精製する手段に
成る事が分る。
(実施例−6) OVA20mgとB5A20mgと802011gを2
0m1のリン酸緩衝液に溶解し、以下実施例5と同様の
処理操作と分析を行いその結果を第9表に示した。
fIS9表 第9表に示す如くベントナイトの様な粘土鉱物に対する
吸脱着性の異なる蛋白質をうまく利用すれば容易に分離
精製が出来る事がわかる。
外1名

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、粘土鉱物質に可吸着性の蛋白質を含有する粗蛋白質
    水性溶液を、粘土鉱物質と接触させて該蛋白質を該粘土
    鉱物質に固定し、該固定された蛋白質を溶出溶媒で溶出
    処理することから成る蛋白質の分離精製方法に於て;ポ
    リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
    リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキ
    シエチレンオキシプロピレンブロックポリマー及びこれ
    らの非イオン性誘導体よりなる群からえらばれた高分子
    化合物の水性溶液を溶出溶媒として溶出処理することを
    特徴とする蛋白質の分離精製方法。 2、該高分子化合物が分子量が約1000以上のポリエ
    チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビ
    ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエ
    チレンオキシプロピレンブロックポリマー、メトキシポ
    リエチレングリコール、トリメチルアミノポリエチレン
    グリコール及びポリエチレングリコールスルホネートよ
    り成る群からえらばれた高分子化合物である特許請求の
    範囲第1項記載の方法。 3、該粘土鉱物質に可吸着性の蛋白質が、酵素蛋白質及
    び生体生理活性蛋白質よりなる群からえらばれた蛋白質
    である特許請求の範囲第1項もしくは第2項記載の方法
    。 4、該粘土鉱物質が、ベントナイト、酸性白土、活性白
    土、カオリン、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト
    及びそれらの焼成物よりなる群からえらばれた粘土鉱物
    質である特許請求の範囲第1項、第2項又は第3項記載
    の方法。
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