【発明の詳細な説明】
二酸化チタン粒子、その合成プロセス
並びに化粧品、ニス及び透明被覆におけるその使用法
この発明は特に、化粧品調合物、ニス及び透明被覆に用いられ得る紫外線防止
性能を示す、新しいアナターゼ二酸化チタン粒子に関する。
二酸化チタンを多数の用途、特に化粧品、ペンキ、プラスチック、などの用途
に、紫外線吸収剤として用いることは公知である。これらの用途において、二酸
化チタンは100nm以下の粒径を有する粒子の形態で、水の又は有機の相内の分散
物として、一般に提供される。二酸化チタン粒子のこれらの分散物の使用から生
じる問題は、それがたびたび不安定であるという事実から起こる。それらの安定
性を制御するために、一般に有機のポリマーである分散剤をそれらに加えること
がよく知られている。しかし、これらの分散剤の添加は欠点のない解決方法では
ない。その理由は、化粧品、ペンキ、プラスチックの調合物を作るために二酸化
チタン分散物を他の製品と混合する場合に、この試薬が塗布(安定性、集塊性、
毒性、など)に不適であるか又は又は調合物の他の成分と相容性ではないからで
ある。
これらの用途において、分散剤の添加なしで安定な二酸化チタン粒子の分散物
が入手可能であることへの要望がある。この発明の1つの目的は、したがって、
安定であって分散剤を含まない二酸化チタン粒子の分散物を提供することである
。
この目的のために、本発明は少なくとも部分的に、少なくとも一つのセリウム
及び/又は鉄の化合物の第1層、及び少なくとも一つの金属酸化物、水酸化物又
は水酸化物酸化物の第2層で被覆されており、BET比表面積が少なくとも7Om2/g
であり比重が2.5程度である二酸化チタン粒子に関する。
この目的のために、本発明はまた以下の段階が用いられるこれらの粒子の合成
のためのプロセスに関する:
− 少なく一つのセリウム及び/又は鉄の化合物を、BET比表面積が少なくとも
200m2/gであり比重が2.5程度であって、多くとも100nmの粒径を有するア
ナターゼ二酸化チタン粒子の表面に沈殿させ、
−次に、このようにして得られた粒子表面に、少なくとも一つの金属酸化物、
水酸化物又は水酸化物酸化物を沈殿させる。
最後に本発明はまた、化粧品、ペンキ、ニス又は透明被覆調合物並びにプラス
チックにおける紫外線吸収剤としてのこれらの粒子の使用法に関する。特に本発
明は耐紫外線化粧品組成物及び耐紫外線透明被覆組成物に関する。
更に、本発明の粒子分散物は分散剤の添加のなしに広いpH範囲に渡って安定で
あるという利点を有する。それらは安定であって低粘度(特に1000mPa.s以下)
を示す一方で、高い固形分示す。さらに、それらが調合物(例えば化粧品調合物
)の複数の成分と混合しても、これらの分散物が同じ分散度を保持することが観
察される。
本発明の他の特徴、詳細及び効果は、あとに続く説明及び実施例により更に明
らかになるであろう。
本発明はまず少なくとも部分的に、少なくとも一つのセリウム及び/又は鉄の
化合物の第1層、及び少なくとも一つの金属酸化物、水酸化物又は水酸化物酸化
物の第2層で被覆されており、BET比表面積が少なくとも70m2/gであり比重が2.5
程度である二酸化チタン粒子に関する。
本発明の粒子は、主にアナターゼ結晶性構造である二酸化チタンに基づいてい
る。ここで”主に”とはコーティングの二酸化チタン粒子内のアナターゼのレベ
ルが50重量%より大きいことを意味する。コーティングの粒子のアナターゼのレ
ベルは80%以上であることが好ましい。結晶化度及び結晶相の性質はx線回折に
よって測定される。
これらの粒子の平均直径は、100nm以下、好ましくは25nm以上、より好ましく
は50〜70nmである。この直径は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定される。
本発明の粒子は、少なくとも70m2/g、好ましくは少なくとも100m2/gのBET比表
面積を示す。
BET比表面積は、定期刊行の"The Journal of the American[lacuna]Society",
60,309(1938)に記載されているBrunauer-Emmett-Teller方法から引用された
ASTM標準のD3663-78の窒素吸収によって決定される比表面積を意味する。本発
明の粒子の比表面積を測定するために、それらが分散物の形態で提供される場合
は、分散物から液相を除去する段階、及び次に粒子を真空下において150℃で少
なくとも4時間乾燥する段階から成る、その測定原案に従うことが重要である。
本発明の粒子はまた2.5程度の比重を示す。ここで“程度”とは、その比重が2
.5+/−0.2であることを意味する。この比重はアナターゼ二酸化チタンの一般的
な比重(3.8)に比べると低い。この比重はピクノメトリーによって測定される。
本発明の粒子は、少なくともーつのセリウム及び/又は鉄の化合物に基づく第
1無機層で少なくとも部分的に覆われている。これらの化合物は、酸化セリウム
又は酸化鉄に熱的に分解され得る、セリウム又はセリウムから成る前駆体である
。それらは一般にセリウム又は鉄の塩であり得る。
本発明によれば、セリウム化合物でおおわれている粒子が好ましい。分散性に
関し最高の結果は、二酸化チタンに対するセリウム化合物(CeO2として)の重量
比が6%以下である粒子により得られる。
この比は粒子の粒径の関数として最適化され得る。25nmの直径を有する粒子に
ついては二酸化チタンに対するセリウム化合物(CeO2として)の最適重量比は5.
5%であり、45nmの直径を有する粒子については同重量比は4.5%であり、60nmの
直径を有する粒子については同重量比は3%であり、80nmの直径を有する粒子に
ついては同重量比は2%であることが観測されている。
これらの粒子は、また、少なくとも一つの金属酸化物、水酸化物又は水酸化物
酸化物に基づく第2層で少なくとも部分的に覆われている。この酸化物は一般に
SiO2であり、金属水酸化物又は水酸化物酸化物については特に単一又は混合され
た形態のアルミニウム、亜鉛、チタン又は錫の水酸化物又は水酸化物酸化物から
選択され得る。ここで“混合”とは、上記の成分のうちの少なくとも2つに基づ
く金属化合物(アルミノケイ酸ナトリウム等)を意味する。
一般に、二酸化チタンに対する金属酸化物、水酸化物又は水酸化物酸化物の重
量比は60%以下である。この比はその粒子が目的とする用途に依存する。この粒
子が化粧品用途において用いられる場合、この比率は、25%以下であることが好
ましく、20%以下であることがより好ましい。金属化合物、酸化物、水酸化物又
は水酸化物酸化物の量は、分散させられた粒子についてX線螢光により測定され
る。
本発明の好ましい形態によれば、この粒子は、セリウム化合物の第1層並びに
単一若しくは混合形態のシリカ及び/又はアルミニウムの水酸化物若しくは水酸
化物酸化物に基づいた第2層により少なくとも部分的に覆われている。
好ましい第一の代替形態によれば、この粒子は、シリカ及びアルミニウム水酸
化物若しくは水酸化物酸化物に基づく、二酸化チタンに対してSiO2が15重量%及
びAl2O3が5重量%含まれている第2層で覆われている。
より好ましい第二の代替形態によれば、この粒子は、シリカのみに基づく、Si
O2が30重量%含まれている第2層で覆われている。
本発明の好ましい形態によればこの粒子は分散物の形態で提供される。この分
散物の懸濁された固体の割合(固形分)は10〜60重量%、好ましくは少なくとも
35重量%、より好ましくは少なくとも40重量%であってもよい。
この分散物は、一般に0.5以下の液相の粒子の分散度を示す。この分散度は下
式によって決定される:
(式中、Φ84は粒子の84%がΦ84以下の直径を有する粒子の直径であり、Φ16は
16%がΦ16以下の直径を有する粒子の直径であり、Φ50はこの粒子の平均直径で
ある。)
分散度の判定に用いる直径は、Brookhaven型XDC装置を用いてX線によって監
視される分散物の粒子の遠心堆積によって測定される。
この分散度は粒子のよい分散性を反映する。水の分散物の場合、この分散度は
5.5〜10の広いpH範囲に渡って得られる。この分散物は安定しており、分散剤の
不存在にもかかわらず、長時間に渡ってこの分散度を保持する。
第1の形態によれば、この分散物は水相である。この水性分散物は一般に3ミ
リジーメンス以下の伝導率を示す。固形分が少なくとも35%である本発明の粒子
の分散物は、わずかに粘性であるという利点を有し、従ってその粘性は一般に10
00mPa.s以下である。
第2の形態によれば、この分散物は有機相である。後者は、粒子の水の分散物
から得て有機相に転送することにより得られる。例えば、この転送は、水性分散
物中の粒子の表面に疎水性鎖(例えばトリアルコキシシラン)をグラフトするこ
とによって行うことができる。粒子を有機相に移動させるためには、相溶化させ
られた粒子の分散物を引き続き有機媒体と混合する。
また有機分散物を、二酸化チタン粒子の水性分散物を所望の有機溶媒と接触さ
せる段階及び、次に水を蒸留によって除去するために加熱する段階により、得る
ことができる。用いる有機溶媒が水より高い沸点を有し、水に可溶な場合にのみ
、後者のプロセスを用いることができる。
もう一つのプロセスは、四級アミン又は四級アンモニウム塩から選ぶことが可
能であるような陽イオン転送剤から成る有機媒体と水性分散物とを混合すること
から成り、このプロセスは特許GB-A-988,330に開示されている。
最後に、本発明の粒子はまた凝集されることが可能であり粉末の形状で提供さ
れることができる。この凝集物のサイズは、TEMで測定した場合、1〜40μmであ
ってもよい。
有機処理の後で、この粉末は有機媒体中でよい再分散性を示すことができる。
この有機処理は、例えば、脂肪酸(例えばステアリン酸)又は脂肪酸の金属塩の
存在下で微粒化することにより行うことができる。
本発明はまた、
−少なく一つのセリウム及び/又は鉄の化合物を、BET比表面積が少なくとも2
00m2/gであり比重が2.5程度であって、多くとも100nmの粒径を有するアナターゼ
二酸化チタン粒子の表面に沈殿させる段階、及び
−次に、このようにして得られた粒子表面に、少なくとも一つの金属酸化物、
水酸化物又は水酸化物酸化物を沈殿させる段階から成るこれらの粒子の合成のた
めのプロセスに関する。
この沈澱は、一般に水性塩溶液の形態のセリウム及び/若しくは鉄の化合物の
前駆体、金属酸化物、水酸化物又は水酸化物酸化物を、先に定義した特徴を有す
る二酸化チタン粒子の分散物に加える段階、次に、二酸化チタン粒子上にこれら
の化合物、酸化物、水酸化物又は水酸化物酸化物の沈澱を得るためにpHを調整
する段階、によって行うことができる。この沈澱は、少なくとも50℃で一般に行
われる。
本発明の粒子の重要な特徴はそれらがか焼されないということであり、即ち、
それらは酸化セリウム及び/又は酸化鉄で被覆されない。このセリウム及び/又
は鉄の化合物は一般にセリウム若しくは鉄の塩又は水酸化物である。セリウムに
ついては、それらは酢酸セリウム、硫酸セリウム又は塩化セリウムから選ばれる
セリウム塩であってもよい。同様に、鉄の沈澱については、それらは塩化鉄、硫
酸鉄又は酢酸鉄であってもよい。
好ましい形態によれば、この層は酢酸セリウム及び/又は塩化鉄の沈澱によっ
て得られる。硝酸セリウムの又は硝酸鉄の使用は高度に勧められない。その理由
はその処理が、二酸化チタン分散物が用いられる調合物のフォトブルー効果とい
う結果をもたらす傾向があるからである。セリウム及び/又は鉄の化合物の沈澱
は一般に4〜10pHで得られる。この段階の間、粒子の分散物を熱することができ
る。
シリカの沈殿及びアルミニウム水酸化物又は水酸化物酸化物の沈殿の場合、こ
の沈殿を酸性又は塩基性のpHで行うことができる。酸(例えば硫酸)を添加する
こと又は、同時及び/若しくは交互に、シリコンのアルカリ化合物及びアルミニ
ウムの酸性化合物を加えることにより、pHは制御される。この場合、pHは8〜10
であることが好ましい。
シリカは、シリコン塩(例えば、アルカリ金属のケイ酸塩)から沈殿させるこ
とができる。アルミニウム水酸化物又は水酸化物酸化物は、アルミニウム塩(例
えば、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、塩基性塩化アルミニウム又は
二酢酸アルミニウム水酸化物)から沈殿させることができる。
沈殿の後、それらを再分散する前に、処理に続いて得られた粒子を回収して洗
うことが可能である。この段階は、遠心分離機又は洗浄によって、好ましくは限
外濾過によって行うことができる。有利には、水性洗液のpHは5.5程度である。
次に二酸化チタン粒子の分散物を得るために、粒子は他の液体媒体に再分散され
る。この液体媒体は酸性又は塩基性であってもよく、8-9程度のpHを示す塩基性
溶液であることが好ましい。
本発明の粒子の粉末を得るために、一般に110℃以下で、このプロセスから得
た分散物を乾燥する。出発アナターゼ二酸化チタン粒子は、100nm以下の粒径、2
00m2/g以上のBET比表面積及び2.5程度の比重を有さなければならない。出発粒子
は、上記の定義のように主にアナターゼ結晶性構造を有する二酸化チタンに基く
。これらの粒子の平均直径は、25nm以上、好ましくは100nm以下、より好ましく
は50〜70nmである。この直径は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定される
。
出発粒子のBET比表面積は、少なくとも200m2/g、好ましくは少なくとも250m2/
gである。このBET比表面積は上記の定義と同様の方法で測定される。出発粒子は
また2.5程度の比重を示す。ここで“程度”とは、その比重が2.5+/−0.2である
ことを意味する。この比重は下式で与えられる:
(式中、ρはアナターゼの比重(即ち、3.8)である。Viは粒子内の孔による容
積であり、BJH方法によって測定される。BJH方法によって測定される容積とは、
Techniques de l'Ingenieur[Techniques of the Engineer]の"Texture dessolid
es poreux ou divises"[Texture of porous or divided solids],p.3645-1 to 3
645-13に記載されているBarrett-Joyner-Helenda方法により測定された容積を意
味する。)
本発明の粒子の粒子内の孔による容積を測定するためには、それが分散物の形
態で提供される場合には、分散物から液相を除去し、粒子を真空下において150
℃で少なくとも4時間乾燥することから成る、測定原案に従うことが重要である
。
このような粒子は、以下から選ばれる少なくとも一つの化合物Bの存在下にお
いて、少なくとも一つのチタン化合物Aの加水分解により得ることができる:
(i)−カルボキシル基並びに少なくとも2つの水酸基及び/又はアミン基、又
は、
−少なくとも2つのカルボキシル基並びに少なくとも一つの水酸基及び/又はア
ミン基、を有する酸、
(ii)下式のいずれかで表される有機リン酸:
又は
又は
(式中、n及びmは1〜6の整数、pは0〜5の整数、R1、R2及びR3は、同じか又は
異なってもよく、水酸基、アミノ基、アラルキル基、アリール基若しくはアルキ
ル基又は水素を表す。)
(iii)酸性媒体中の硫酸塩イオンを解離することができる化合物、
(iv)上記の酸の塩、
及び、この加水分解は、ラクナ[lacuna]中に存在し粒径が8nm以下のアナターゼ
二酸化チタン種の存在下で行われ、加水分解媒体に種を加える前に存在するチタ
ン(TiO2として)に対する、種に存在する二酸化チタン(TiO2)重量比が0.01%
〜3%である。
加水分解されることを目的とする出発溶液は完全に水性であることが好ましい
。用いたチタン化合物A及び化合物Bが化合物がこの混合物に実質的に可溶であ
るという条件下で、任意に、例えばアルコールのような他の溶剤を加えてもよい
。
チタン化合物Aに関しては、使用したものは一般にチタンのハロゲン化物、オ
キシハライド又はアルコキシド(硫酸塩及び特に合成硫酸塩)から選ばれる化合
物から形成される。合成硫酸塩とは、純粋な塩化チタン溶液からイオン交換によ
り又は硫酸をチタンアルコキシドと反応させることにより合成される硫酸チタン
を意味する。
この合成は、チタンハロゲン化物又はオキシハライド型のチタン化合物を用い
て行われることが好ましい。特に本発明で用いられるチタンハロゲン化物又はオ
キシハライドは、チタンフッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物又はオキシフッ
化物、オキシ塩化物、オキシ臭化物及びオキシヨウ化物である。特に好ましい形
態によれば、このチタン化合物はチタンオキシ塩化物TiOCl2である。
加水分解される溶液中に存在するチタン化合物Aの量は決定的なものではない
。
最初の溶液は更に上記に定義された少なくとも一つの化合物Bを含む。この発
明の範囲の化合物Bの例は以下のようなものであるが、これに限定されるもので
はない。
−ヒドロキシポリカルボン酸、特にクエン酸及びマレイン酸のようなヒド
ロキシジカルボン酸又はヒドロキシトリカルボン酸、
−グルコヘプトン酸及びグルコン酸のような(ポリヒドロキシ)モノカル
ボン酸
−酒石酸のようなポリ(ヒドロキシカルボン)酸、
−アスパラギン酸、アスパラギン及びグルタミン酸のようなジカルボンモ
ノ酸及びそれらに対応するアミド、
−リジン、セリン及びトレオニンのようなヒドロキシル化された又はヒド
ロキシル化されていないモノカルボンアミノ酸、
−アミノトリ(メチレンホスホネート)、エチレンジアミノテトラ(メチレ
ンホスホネート)、トリエチレンテトラアミノヘキサ(メチレンホスホネート)、
テトラエチレンペンタアミノヘプタ(メチレンホスホネート)又はペンタエチレ
ンヘキサアミノオクタ(メチレンホスホネート)、
−メチレンジホスホネート、1,1'−エチレンジホスホネート、1,2−エチ
レンジホスホネート、1,1'−プロピレンジホスホネート、1,3−プロピレンジホ
スホネート、1,6−ヘキサメチレンジホスホネート、2,4−ジヒドロキシペンタメ
チレン−2,4−ジホスホネート、2,5−ジヒドロキシヘキサメチレン−2,5−ジホ
スホネート、2,3−ジヒドロキシブチレン−2,3−ジホスホネート、1−ヒドロキ
シベン
ジル−1,1'−ジホスホネート、1−アミノエチルレン−1,1'−ジホスホネート、
ヒドロキシメチレンジホスホネート、1−ヒドロキシエチレン−1,1'−ジホスホ
ネート、1−ヒドロキシプロピレン−1,1'−ジホスホネート、1−ヒドロキシブ
チレン−1,1'−ジホスホネート又は1−ヒドロキシヘキサメチレン−1,1'−ジホ
スホネート。
既に示したように、化合物Bとして、上記の酸の全ての塩を用いることができ
る。特に、これらの塩はアルカリ金属塩(特にナトリウム塩)又はアンモニウム
塩である。
また、これらの化合物を硫酸、硫酸アンモニウム及び硫酸カリウム等から選択
してもよい。
上記に定義した化合物Bは脂肪族型炭化水素含有化合物であることが好ましい
。この場合、炭化水素含有主鎖の長さは、15個の炭素原子、より好ましくは10個
の炭素原子以下であることが好ましい。好ましい化合物Bはクエン酸である。
化合物Bの量は決定的なものではない。チタン化合物Aに対する化合物Bのモ
ル濃度は0.2〜10%、好ましくは1〜5%である。
最後に、出発溶液は特定の方法で用いられる二酸化チタン種を含む。
従って、本発明で用いられる二酸化チタン種はまず、X線回折により測定した
場合に、8nm以下の粒径でなければならない。3〜5nmの粒径の二酸化チタン種を
用いることが好ましい。
種を加える前の加水分解媒体に存在するチタン(このチタンはチタン化合物A
によるものであり、TiO2に換算する。)に対する種に存在する二酸化チタン(TiO2
)の重量比は0.01〜3%である。この比は好ましくは0.05〜1.5%である。これら
種に関する2つの条件(粒径及び重量比)を結合して、上記のプロセスと組み合
わせると、二酸化チタン粒子の最終の粒径(粒子粒径に関連する種のレベル)を
正確に制御することが可能になる。こうすることによって、直径が25〜100nmの
粒子を得ることが可能である。
アナターゼ形態の二酸化チタンの沈澱を促進するために、アナターゼ形態の二
酸化チタン種を用いる。一般に、それらの粒径は小さいので、これらの種は結晶
化不十分のアナターゼ形態で存在する。この種は二酸化チタンを含む水性懸濁液
の形態で一般に提供される。それらは一般にチタン塩を塩基で中和する公知のプ
ロセスによって得られる。
以下に続く段階は当業者に公知の手段によりこの出発溶液を加水分解すること
、一般に加熱することである。後者の場合、この加水分解は70℃以上で行われる
ことが好ましい。また、まず媒体の沸点以下で作動し、次に加水分解媒体を沸点
に維持することも可能である。
一旦加水分解を行うと、液体媒体中の酸化チタン分散物を得るために再分散す
る前に、母液から沈殿固体を分離することにより生成粒子を回収する。この液体
媒体は、酸性又は塩基性であってもよいが、塩基性溶液(例えば水性苛性ソーダ
溶液)が好ましい。金属酸化物、水酸化物又は水酸化物酸化物の沈澱段階が行わ
れるのは、この分散物からである。
この代替形態によれば、再分散の前であって、加水分解に引き続き得られた粒
子を回収した後で、その粒子を中和し、少なくとも一回洗浄する。例えば加水分
解で生じる溶液を遠心分離機にかけることによって、粒子を回収することができ
る。その粒子を引き続いて塩基(例えば苛性ソーダ又は水性アンモニア溶液)で
中和し、次に水性溶液にその粒子を分散して洗浄し、最後にその粒子を水性洗浄
相から分離する。任意に一以上の同じタイプの他の洗浄操作を行った後、その粒
子を酸性又は塩基性の溶液に再分散する。
これらの粒子は一般に高純度であり、化粧品用途に用いられ得る。
最後に、本発明は上記の粒子の耐紫外線試薬としての使用法に関する。それら
を、特に化粧品調合物又はニス、ペンキ若しくは透明被覆のようなコーティング
調合物及びプラスチックにおける耐紫外線試薬として用いることができる。
化粧品調合物に加えられた場合、これらの二酸化チタン分散物又は粉末は、少
なくとも20SPF(日光防護因子)を得ることを可能にする。
更に、得られる調合物は光安定性であって、即ち、それらは実施例で定義され
るテストに従って紫外線に曝した後でブルーイング(青変)を示さない。
それらは特に貯蔵に対して安定であって、二酸化チタン粒子が調合物中でその
分散度を保つことが観察されるであろう。
本発明は、その組成物中の二酸化チタンの含量が少なくとも1重量%、好まし
くは25重量%以下、より好ましくは2〜10重量%となるような量で上記の粒子を
含む耐紫外線化粧品組成物に関する。異なる粒子粒径を有する多種の粒子を化粧
品組成物に加えることも可能である。
本発明の主題を形成する組成物を、ゲル、化粧水、油又はクリーム型の耐日光
製品、より一般にメーキャップ製品、自己なめし剤、ケア製品、髪、唇のための
すべての塊、及び同じタイプの多数の他の組成物のような、多種類の製品として
調合することも可能である。
ここで「化粧品組成物」又は「化粧品調合物」という用語は、化粧品のディレ
クティブとしてよく知られている1976年7月27日付のヨーロッパディレクティブ
No.76/768/EECの補遺I「化粧品製品に分類される例証リスト」)に記載されてい
るもののような、全ての化粧品製品又は合成物をすべて含む。
本発明の主題を形成している化粧品組成物は、希釈剤、分散剤又は組成物の他
の構成成分のための支持体として機能する、ビヒクル又は複数のビヒクルの混合
物を含んでもよく、この組成物は肌や髪に延ばした場合にその分布が良好である
。
水以外のビヒクルは、液体又は固体皮膚軟化薬、溶剤、湿潤剤、シックナ又は
粉末であってもよい。
例えば、以下の種類のビヒクルを、単独又は混合物として用いることができる
:
−皮膚軟化薬(例えばステアリルアルコール、リシノール酸グリセリン、
オレイルアルコール、セチルアルコール、イソプロピルイソステアレート、パル
ミチン酸イソブチル、イソセチルステアレート、イソプロピルラウレート、ヘキ
シルラウレート、デシルオレエート、オクタデカン-2-オル、イソセチルアルコ
ール、エイコサニルアルコール、ベヘニルアルコール、セチルパルミタート、ジ
メチルポリシロキサンのようなシリコーン油、ジ-n-ブチルセバケート、イソプ
ロピルミリステート、イソプロピルパルミタート、イソプロピルステアレート、
ブチルステアレート、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオバター、綿実
油、オリーブ油、パーム油、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、アボガド油、アーモ
ンドの油、胡麻油、ココナッツ油、落花生類油、キャスタ油、鉱油、ブチル基ミ
リステート、イソステアリン酸、パルミチン酸、イソプロピルリノレエート、ラ
ウリルラクタート、デシルオレアート又はピリスチルミリステート);
−推進剤(例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、
二酸化炭素又は二酸化窒素);
−溶剤(例えばエタノール、塩化メチレン、イソプロピルアルコール、ア
セトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフラン);
−粉末(例えば、チョーク、タルク、カオリン、澱粉、ガム、コロイド状
シリカ、ポリ(ナトリウムアクリレート)、テトラアルキル及び/又はトリアルキ
ルアリールアンモニウムスメクタイト、化学変成アルミノケイ酸マグメシウム、
有機変成モンモリロナイト、水和ケイ酸アルミニウム、熱分解法シリカ、ポリカ
ルボキシビニル、ナトリウムカルボキシメチルセルロース又はエチレングリコー
ルモノステアレート)
本発明の組成物は一般的に少なくとも一つの上記のビヒクルを10〜99重量%含
む。本発明の組成物は、親水性/脂肪親和性比(HLB)によって水中の油又は油中
の水の形態のエマルジョンを形成するために、その油性の成分が乳化剤と共に存
在する、エマルジョン形態であることが好ましい。
従って、本発明の組成物は、一以上の油成分又は油の性質を有する成分を含ん
でもよい。それは、上記の皮膚軟化薬のリストに挙げられたもののような植物油
又は鉱油でもよい。揮発性又は不揮発性のシリコーン油(例えば、ポリジメチル
シロキサン)を用いてもよい。
これらの油性の成分は組成物に対して90容積%以下、好ましくは10〜80容積%
であってもよい。
本発明の組成物はまた一以上の乳化剤を含んでもよい。組成物は、これらの乳
化剤の性質に従って、水中の油又は油中の水のエマルジョン形態で提供される。
油中の水型のエマルジョンの合成のためには、選択された乳化剤又は複数の乳
化剤は1〜6の平均HLBを示さなければならない。水中の油型のエマルジョンの合
成のためには、選択された乳化剤又は複数の乳化剤は6以上の平均HLBを示さな
ければならない。本発明の組成物中の乳化剤の量は1〜50重量%、好ましくは2〜
20重量%である。
これらの化粧品組成物は、また、皮膚軟化薬又は湿潤剤のために用いられる種
々の化合物を分散、乳化、溶解又は安定させるのに役立つ界面活性剤を含んでも
よい。これらの界面活性剤は、これらの組成物中に0.05〜50重量%の濃度で用い
られる。以下のような、アニオン、非イオン性、陽イオン性、両性イオン又は両
性の界面活性剤又はこれらの混合物が用いられる。
−アニオン界面活性剤:
・式R-CH(SO3M)-COOR′で表されるアルキルエステルスルホネート(式中
、RはC8〜C20、好ましくはC10〜C16アルキル基であり、R'はC1〜C6、好ましく
はC1〜C3アルキル基であり、Mはアルカリ金属陽イオン(ナトリウム、カリウム
又はリチウム)、置換又は非置換のアンモニウム(メチル−、ジメチル−、トリ
メチル−又はテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム等)又はアル
カノールアミンの誘導体(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等)を表す。)特にRがC14〜C16であるメチルエステルスルホネ
ートが好ましい。;
・式ROSO3Mのアルキルスルフェート(式中、Rは、C10〜C24、好ましくは
C12〜C20、特にC12〜C18アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、Mは水素
又は上記と同定義の陽イオンを表す。)及び平均0.5〜6、好ましくは0.5〜3のEO
及び/又はPO単位を有するそれらのエトキシ化(EO)及び/又はプロポキシ化(P
O)誘導体;
・式RCONHR′OSO3Mのアルキルアミドスルフェート(式中、RはC2〜C22、
好ましくはC6〜C20アルキル基を表し、R'はC2〜C3アルキル基を表し、Mは水素
又は上記と同定義の陽イオンを表す。)及び平均0.5〜60のEO及び/又はPO単位を
有するそれらのエトキシ化(EO)及び/又はプロポキシ化(PO)誘導体;
・飽和又は不飽和のC8〜C24、好ましくはC14〜C20脂肪酸の塩、C9〜C20
アルキルベンゼンスルホネート、一級又は二級のC8〜C22アルキルスルホネート
、アルキルグリセリンスルホネート、GB-A-1,082,179に記載のスルホン化ポリカ
ルボン酸、パラフィンスルホネート、N-アシル-N-アルキルタウレート、アルキ
ルホスフェート、アルキルイセチオネート、アルキルスクシネート、アルキルス
ルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル又はジエステル、N-アシ
ルサルコシネート、アルキルグルコシドのスルフェート又はポリエトキシカルボ
キシレート、このカチオンはアルカリ金属(ナトリウム、カリウム又はリチウム)
、置換又は非置換のアンモニウム残基(メチル−、ジメチル−、トリメチル−又
はテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム等)又はアルカノールア
ミンの誘導体(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン等)である。;
−非イオン性界面活性剤:
・ポリオキシアルキレン化(ポリエトキシエチレン化、ポリオキシプロピ
レン化又はポリオキシブチレン化)アルキルフェノール(このアルキル置換基は5
〜25のオキシアルキレン単位を含み、C6-C12である。)。例えば、Rohm & HaasCy
の販売するTriton X-45,Triton X-114,Triton X-100又はTriton X-102;
・グルコサミド又はグルカミド;
・N-アルキルアミンから誘導されたグリセロールアミド(US-A-5223179及
びFR-A-1585966);
・1〜25のオキシアルキレン(オキシエチレン又はオキシプロピレン)単
位を含むポリオキシアルキレン化C8〜C22脂肪族アルコール。例えば、Union Car
bide Corpの販売するTergitol 15-S-9若しくはTergitol 24-L-6 NMW,Shell Che
mlcal Cyの販売するNeodol 45-9,Neodol 23-65,Neodol 45-7若しくはNeodol 45-
4又はProcter & Gamble Cyの販売するKyro EOB;
・プロピレングリコールとプロピレンオキシドの縮合から得られる疎水性
化合物とエチレンオキシドとの縮合から得られる生成物。BASFの販売するPluron
ic;
・アミンオキシド、例えば(C10〜C18アルキル)ジメチルアミンオキシド
又は(C8〜C22アルコキシ)エチルジヒドロキシエチレンアミンオキシド;
・US-A-4,565,647に記載のアルキルポリグリコシド及びそのポリオキシア
ルキレン化ラクナ(lacuna);
・C8〜C20脂肪酸のアミド;
・エトキシ化脂肪酸;
・エトキシ化アミド、アミン又はアミドアミン;
−両性及び両性イオン界面活性剤:
・アルキルトリメチルスルホベタイン、脂肪酸とタンパク質水解物との縮
合生成物、アルキル両性プロピオネート若しくはジプロピオネート、アルキルス
ルテイン、又はアルキルポリアミンの両性誘導体(例えば、Rhone Poulencの販
る刺激を減少させるために用いられる。
また以下のリストから選択される乳化剤を使用してもよい: この発明の組成物は80容積%以下、好ましくは5〜80容積%の水分を含んでも
よい。
本発明の組成物は、上述の乳化剤の代わりに用いられる乳化剤であり得る高分
子量シリコーン界面活性剤を更に含んでもよい。この試薬は、10,000〜50,000の
分子量のポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ下
記の構造を有する高分子量ジメチルポリシロキサンであってもよい:
(式中、R及びR'はH、C1−C18アルキル及び[CH2CH2O]a[CH2CH(CH3)O]bHから選
択され、R及びR'の一方はラウリル基であってもよく、他方の分子量は1,000〜5,
000であり、aは9〜115、好ましくは10〜114であり、bは0〜50、好まし
くは0〜49であり、xは133〜673、好ましくは388〜402であり、yは0.25〜25、
好ましくは0.75〜15である。)
このジメチルポリシロキサンを揮発性シロキサンに分散した形態(この分散物
は1〜20容積%のジメチルポリシロキサンを含む。)で使用することができる。
このジメチルポリシロキサンは、Dow CorningのDC 3225Cのようなシクロメチコ
ン及びジメチコンコポリオール(例えば又はDow CorningのDC Q2-5200のような
ラウリルメチコンから選択してもよい。それはまたRhone-PoulencのMirasil DMC
OやGoldschmidt AGのセチルジメチコンコポリオールAbil AM9Oであってもよい。
本発明の組成物はこのような界面活性剤を25重量%以下含んでもよい。
本発明の組成物はまた以下のような有機日焼け止め剤を含んでもよい:
またヨーロッパディレクティブNo.76/768/EEC及びその補遺において認可され
ているいかなる化合物をも日焼け止め剤として用いることができる。
本発明の組成物はまた平均粒径が1〜300nmの粒子形状の酸化亜鉛、平均粒径が
1〜300nmの粒子形状の酸化鉄及び平均粒径が1〜100nmの粒子形状のシリカ等の無
機の日焼け止め剤を含んでもよい。
この組成物はまた以下のような添加物を含んでもよい:
−防腐剤(例えば、パラヒドロキシベンゾエートエステル);
−酸化防止剤(例えば、ブチルヒドロキシトルエン);
−湿潤剤(例えば、グリセリン、ソルビトール、フタル酸ジブチル、ゼラ
チン又はPEG200〜600);
−緩衝液(例えば、乳酸と水酸化ナトリウム又はトリエタノールアミンと
の混合物);
−ワックス類(例えば、ビーズワックス又はパラフィンワックス);
−植物抽出物;
−防腐剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピル及
びブチルエステル、安息香酸ナトリウム、Germaben(商標)又はバクテリア若し
くはかびの増殖を防ぎ化粧品組成物に従来用いられるいかなる化学試薬等であり
、これらは0.01〜3重量%の割合でその組成物に加えられる。これらの生成物の
量は一般に化粧品組成物内のバクテリア、かび又は酵母のいかなる増殖をも防ぐ
ように調節される。これらの化学試薬の代替物として、水の活性を変化させ浸透
圧を大幅に増加させる試薬(例えば、炭水化物又は塩)を用いることも可能であ
る)など。
本発明の主題を形成する化粧品組成物はまた定着剤樹脂を含んでもよい。これ
らの定着剤樹脂は一般に0.01〜10%、好ましくは0.5〜5%の濃度でもちいる。本
発明の主題を形成する化粧品組成物に含まれる定着剤樹脂は以下の樹脂から選択
されることが好ましい:即ち、アクリレート/アクリルアミド共重合体、ポリ(
ビニルメチルエーテル)/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重
合体、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレー
ト
共重合体、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン及びメタクリル
酸メチルの共重合体、ポリビニルピロリドン及び酢酸ビニル(VA)の共重合体、
ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール)の及びクロトン酸の共重合
体、ポリ(ビニルアルコール)及び無水マレイン酸の共重合体、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアー、ポリスチレンスルホン酸ナトリウ
ム、ポリビニルピロリドン/エチルメタクリレート/メタクリル酸ターポリマー、
ポリ(メチルビニルエーテル−マレイン酸)のモノエチルエーテル、ポリ(エチ
レングリコールテレフタル)/ポリ(エチレングリコール)共重合体、ポリ(エチ
レングリコールテレフタレート)/ポリ(エチレングリコール)/ポリ(スルホイ
ソフタル酸ナトリウム)共重合体及びそれらの混合物。この定着剤樹脂はまた、
特許WO 95/06079に記載されているように、グラフト化機能化ポリ有機シロキサ
ン単位を含んでもよい。
この定着剤樹脂は以下のタイプであることが好ましい:ポリビニルピロリドン
(PVP)、ポリビニルピロリドン及びメタクリル酸メチルの共重合体、ポリビニル
ピロリドン及び酢酸ビニル(VA)の共重合体、ポリ(エチレングリコールテレフ
タル)/ポリ(エチレングリコール)共重合体、ポリ(エチレングリコールテレ
フタレート)/ポリ(エチレングリコール)/ポリ(スルホイソフタル酸ナトリウ
ム)重合体及びそれらの混合物。
これらの定着剤樹脂は選択されたビヒクルに分散又は溶解することが好ましい
。
本発明の主題を形成する化粧品組成物はまた保護機能を発揮する高分子誘導体
を含んでもよい。
この高分子誘導体は以下のような試薬であって、0.01〜10重量%、好ましくは
約0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜3重量%程度で存在してもよい:
・セルロース誘導体(例えば、セルロースヒドロキシエーテル、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒドロ
キシブチルメチルセルロース)、
・ポリアルキレン骨格にグラフトされたポリ(ビニルエステル)(例えば
、ポリオキシエチレン骨格にグラフトされたポリ(ビニル酢酸)(EP-A-219048))
・ポリ(ビニルアルコール)、
・エチレンテレフタレート及び/又はプロピレンテレフタレート並びにポ
リオキシエチレンテレフタレート単位に基づくポリエステル共重合体であって、
エチレンテレフタレート及び/又はプロピレンテレフタレート(単位数)/ポリオ
キシエチレンテレフタレート(単位数)のモル比が1/10〜10/1程度、好ましくは
1/1〜9/1程度であり、前記ポリオキシエチレンテレフタレート単位の分子量が30
0〜5000程度、好ましくは600〜5000程度であるポリエステル共重合体
(US-A-3,959,230、US-A-3,893,929、US-A-4,116,896、US-A-4,702,857及びUSA-4
,770,666)、
・エトキシ化アリルアルコール、ジメチルテレフタレート及び1〜4のスル
ホン化基示す1,2-プロピレンジオールから誘導されるオリゴマーのスルホン化に
よって得られるスルホン化ポリエステルオリゴマー(US-A-4,968,451)、
・プロピレンテレフタレート及びポリオキシエチレンテレフタレート単位
に基づき末端がエチル又はメチル単位であるポリエステル共重合体(US-A-
4,711,730)、又は末端がアルキルポリエトキシ基(US-A-4,702,857)又はアニオ
ンスルホポリエトキシ(US-A-4,721,580)若しくはアニオンスルホアロイル(US
-A-4,877,896)基であるポリエステルオリゴマー、
・アジピン酸及び/又はテレフタル酸及び/又はスルホイソフタル酸並び
に分子量が300以下のジオールから得たポリエステルと、600〜4000の分子量を有
するポリオキシエチレングリコールとジイソシアネートから得られる末端イソシ
アネート基を含むプレポリマーとの反応により得られ、300〜4000の数[ラクーナ
]分子量を有するポリエステルポリウレタン(FR-A-2,334,698)、
・エトキシ化モノアミン若しくはポリアミン又はエトキシ化アミンのポリ
マー(US-A-4,597,898及びEP-A-11,984)、
・イソフタル酸、ジメチルスクシネート及びジエチレングリコールの縮合
によって得られるポリエステルオリゴマー(FR-A-2,236,926)。
本発明の主題を形成する化粧品組成物の性能はまた可塑剤を使用することによ
り改良され得る。この可塑剤は調合物中に0.1〜20%、好ましくは1〜15%使用で
きる。特に有用な可塑剤の中で、アジピン酸エステル、フタル酸エステル、イソ
フタル酸エステル、アゼライン酸エステル、ステアリン酸エステル、シリコーン
コポリオール、グリコール、キャスタ油又はそれらの混合物が好ましい。
これらの組成物に、金属イオン封鎖剤、特にイオン封鎖カルシウム(例えば、
クエン酸塩イオン)又は皮膚軟化薬(例えば、シリコーン若しくは油又は化粧品
産業界のこの分野で用いられる脂肪物質(鉱油、脂肪酸エステル、トリグリセリ
ド、シリコーン等))を加えることもまた有利である。
また、動物又は植物タンパク質(例えば、小麦タンパク質水解沈積物)のコラ
ーゲン又は一定の非アレルギー誘導体、天然のヒドロコロイド(グアーゴム、イ
ナゴ豆ガム、タラガム等)又は発酵プロセスから生じるヒドロコロイド(キサン
タンガム)及びポリカーボヒドレート(例えば、変成セルロース(例えば、ヒド
ロキシエチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース)又はグアー若しくは
イナゴ豆誘導体(例えば、それらの陽イオン性誘導体又は非イオン性誘導体(ヒ
ドロキシプロピルグアー)又はアニオン誘導体(カルボキシメチルグアー及びカ
ルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー))のような水溶性又は水分散性ポリマ
ーを加えることもまた可能である。
炭酸カルシウム、粉末形態又はコロイド形態(1μm程度以下、しばしば0.1nm
程度の粒径の粒子)の無機酸化物、シリカ、発汗抑制剤として一般に用いられる
アルミニウム塩、カオリン、タルク、クレイ及びそれらの誘導体等のような無機
粉末又は粒子を組み合わせてこれらの化合物に加えることもできる。
化粧品のディレクティブとしてよく知られている1976年7月27日付のヨーロッ
パディレクティブNo.76/768/EECの補遺IV「化粧品製品に使用される着色剤のリス
ト」)に記載されている製品の中の一以上の芳香剤、着色剤及び/又は顔料のよう
な乳白剤を、消費者がこの組成物を使用する際の魅力を増すために、これらの成
分に加えることも可能である。
最後に、この組成物はまた、増粘又はゲル化ポリマーを含んでもよい。例えば
、架橋ポリアクリレート(Goodrichの販売するCarbopol)、セルロース誘導体(例
えば、ヒドロキシプロピルセルロース又はカルボキシメチルセルロース)、グア
ー及びその誘導体、イナゴ豆、タラ若しくは桂皮ガム、キサン、アルギン、カラ
ゲーニン又はキチン質誘導体(例えば、キトサン)を、単独若しくは組み合わせ
て、一般に特許WO 92/16187に記載されているように共役結合でポリマー骨格に
結
合する疎水性基で変成された水溶性ポリマーの形態で、及び/又は調合物の構成
要素の合計を100%にするために水を加えても良い。
本発明の主題を形成する化粧品組成物はまた、カルシウム及びマグネシウム硬
度を制御するために、以下のような高分子分散剤を0.1〜7重量%程度含んでもよ
い:
・エチレン系不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、マレイン酸若しく
はその無水物、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン
酸又はメチレンマロン酸)の重合又は共重合によって得られた2,000〜100,000程
度の分子量を有するポリカルボン酸の水溶性塩、特に2,000〜10,000程度の分子
量を有するポリアクリレート(US-A-3,308,067)又は5,000〜75,000程度の分子
量を有するアリール酸(arylic acid)と無水マレイン酸との共重合体(EP-A-66,91
5)、
・1,000〜50,000程度の分子量を有するポリエチレングリコール。
この発明はまた本発明の粒子及び少なくとも一つのバインダーを含むコーティ
ング組成物に関する。このコーティング組成物は、例えば透明被覆又はニス組成
物のように、透明であることが好ましい。透明なコーティングとは、処理された
基体を透かして見ることができるコーティングを意味する。それは着色でも無着
色でもよい。
このコーティング組成物は水性又は有機溶媒に基づいていてもよい。溶剤が有
機の場合それは以下から選択されることができる:
・脂肪族炭化水素(石油蒸留物タイプ)、芳香族炭化水素(キシレンタイプ
)又はテルピン炭化水素(テレビン油タイプ)、
・アセテート(ブチル基アセテートタイプ)、
・ケトン(アセトンタイプ)、
・アルコール(ブタノールタイプ)
又はこれらの溶剤の混合物。
分散物又は粉末の二酸化チタン粒子は既に記した特徴を示す。
バインダーは、水溶性ポリマー、アルキド樹脂のラテックス、アミノ樹脂、ア
クリル若しくはスチレン/アクリル、ビニル、セルロース、ポリウレタン又はエ
ポ
キシタイプ等から選択され得る。これらのバインダーは有機相と同様に水相のコ
ーティング組成物にも適している。
ラテックスのような、小さい粒径(即ち、100nm以下)のアクリルラテックスを
特に透明被覆に用いてもよい。
この組成物はまた界面活性剤を含んでもよい。この界面活性剤は、非イオン界
面活性剤、例えば3〜12のエトキシ化数を有するエトキシ化された非イオン性界
面活性剤、例えばプロポキシ化(PC)された界面活性剤であることが好ましい。
この界面活性剤の量は、乾燥条件下で、二酸化チタンに対して1〜120重量%であ
ってもよい。
この組成物は、シックナ、殺生性試薬、紫外線吸収剤(HALS又は有機吸収剤)、
着色剤顔料又は合体試薬のような、コーティング用途において従来用いられてい
るいかなるタイプの試薬を含んでもよい。
前記組成物中の二酸化チタン粒子の含量は一般に、この組成物から得られる乾
燥コーティング中の二酸化チタンの量が、10重量%以下、好ましくは1〜8重量%
であるようにする量である。
この組成物はいかなる透明なコーティングに用いることが可能であり、特に透
明被覆又はニスに用いることができる。
それらは特に貯蔵に対して安定であり、二酸化チタン粒子が調合物中でその分
散度を保持することが観察されるであろう。
以下の実施例は本発明を例証するが、発明の範囲を制限するものではない。実施例
実施例1−CeO2及びSiO2に基づく処理を行った本発明の分散物1の作成段階1−加水分解
394.7gの1.9モル/kgチタンオキシ塩化物溶液に以下の成分を連続的に加える:
−36%塩酸を42.02g、
−クエン酸を4.73g、
−精製水を547.1g、
−5〜6nmの粒径を示すアナターゼ種を11.36g(0.2%/TiO2)。
この混合物を沸点まで加熱し、3時間その温度を維持する。段階2−粒子の回収と再分散
その後溶液をろ過し、塩化物が完全に除去されるまで得られた粒子を水で洗浄
する。その後それらをpH9(水酸化ナトリウムの添加により制御される。)で再
分散する。固形分は20重量%であった。
得られた分散物は安定であった。TEMにより測定した粒子の粒径は45nmであっ
た。X線回折分析によればこの粒子はアナターゼ形態のみの二酸化チタンに基づ
くものであった。それらの比重は2.5であった(Vi=0.14cc/g)。150℃の脱気温度
で乾燥された分散物の粒子についてBET法により測定した比表面積は300m2/gであ
った。段階3−セリウム化合物による粒子の処理
CeO2を3.3重量%含む酢酸セリウム水溶液である溶液1を用いる。段階2で得
られた分散物2822gを撹拌器を備えた反応容器に加える。次に精製水5000gを加え
る。水酸化ナトリウムを添加して分散物のpHを9.1に調節する。温度を25℃に維
持する。続いて456gの溶液1を9.5g/分の流速で連続的に加える。10%水酸化ナ
トリウム水溶液を同時に添加してそのpHを9に調節する。その後攪拌しながら15
分間熟成する。段階4−シリコン化合物による粒子の処理
SiO2を26.2重量%含むケイ酸ナトリウム水溶液である溶液2を用いる。段階3
で得られた反応混合物を90℃に加熱して(1.5時間にわたって昇温する。)、pHを
8に調節する。381gの溶液2を6.3g/分の流速で加え、その後加熱を終了し、室
温まで冷却する。125mlの3MH2SO4を加えるとpHは5.5であった。得られた分散物
を限外濾過により洗浄する。結果
この分散物の固形分は25重量%であった。TEMによって測定したこの粒子の粒
径は45nmであった。X線螢光によって測定したセリウムのレベルはCeO2として4.
5重量%であり、X線螢光によって測定したTiO2に対するSiO2のレベル
は30重量%であった。真空下で150℃に4時間乾燥した分散物の粒子についてBET
法で測定した比表面積は100m2/gであった。比重は2.48であった。粘性は400mPa.
sであった。分散度は0.4であった。この分散物は特に安定であった。即ち、1ヵ
月以後分散度を測定すると0.4のままであった。
実施例2−Ce02、SiO2及びAl2o3に基づく表面処理を行った本発明の分散物2の
作成段階1−加水分解
394.7gの1.9モル/kgチタンオキシ塩化物溶液に以下の成分を連続的に加える:
−36%塩酸を42.02g、
−クエン酸を4.73g、
−精製水を547.1g、
−5〜6nmの粒径を示すアナターゼ種を5.68g(0.1%/TiO2)。
この混合物を沸点まで加熱し、3時間その温度を維持する。段階2−粒子の回収と再分散
その後溶液をろ過し、塩化物が完全に除去されるまで得られた粒子を水で洗浄
する。その後それらをpH9(水酸化ナトリウムの添加により制御される。)で再
分散する。固形分は20重量%であった。
得られた分散物は安定であった。TEMにより測定した粒子の粒径は60nmであっ
た。X線回折分析によればこの粒子はアナターゼ形態のみの二酸化チタンに基づ
くものであった。それらの比重は2.52であった(Vi=0.14cc/g)。150℃の脱気温度
で乾燥された分散物の粒子についてBET法により測定した比表面積は300m2/gであ
った。段階3−セリウム化合物による粒子の処理
13.56gの酢酸セリウムを750gの水に溶解させた酢酸セリウム水溶液である溶液
4を用いる。段階2で得られた分散物1159gを撹拌器を備えた3リットルの反応
容器に加える。次に精製水240gを加える。水酸化ナトリウムを添加して分散物の
pHを9に調節する。温度を25℃に維持する。続いて溶液4を500ml/時間の流速で
連続的に加える。5M水酸化ナトリウム水溶液及び1Mリン酸水溶液を
同時に添加してそのpHを9に調節する。その後攪拌したまま25℃で1時間熟成す
る。段階4−シリカ及びアルミナによる粒子の処理
以下の溶液を用いる:
−溶液2:100gの水に108.78gのケイ酸ナトリウムを溶解させて得られる
ケイ酸セリウム水溶液(ケイ酸ナトリウムは355g/リットルのSiO2を含み、SiO2/
Na2Oのモル比は3.3である。)
−溶液3:40gの水に39.28gのアルミン酸ナトリウムを溶解させて得られ
るアルミン酸セリウム水溶液(アルミン酸ナトリウムは24%のAl2O3及び19%のN
a2Oを含む。)
その後反応混合物を90℃に加熱して(35分間にわたって昇温する。)、溶液2を
2ml/分の流速で加える。3MH2SO4を加えてpHを9に調節し、90℃で1時間熟成す
る。90℃及びpH9のままの溶液3を2ml/分の流速で加え、1時間熟成する。続い
てこの反応混合物を室温に冷却する。結果
得た分散物を遠心分離機にかける。得たケーキを精製水で洗浄し、次にこのケ
ーキをpH9の水性媒体に再分散する。この分散物の固形分は25重量%であった。
TEMによって測定したこの粒子の粒径は60nmであった。セリウムのレベルはCeO2
として5重量%であり、TiO2に対するSiO2のレベルは15重量%であり、
Al2O3のレベルは5重量%であった。真空下で150℃に4時間乾燥した分散物の粒
子についてBET法で測定した比表面積は120m2/gであった。比重は2.50であった。
粘性は500mPa.sであった。分散度は0.4であった。この分散物は特に安定であっ
た。即ち、1ヵ月以後分散度を測定すると0.4のままであった。
実施例3−CeO2、Si02及びAl2O3に基づく処理を行った本発明の分散物3の作成
実施例1の段階1及び2を繰り返す。段階3−セリウム化合物による粒子の処理
13.56gの酢酸セリウムを750gの水に溶解させた酢酸セリウム水溶液である溶液
1を用いる。段階2で得られた分散物1159gを撹拌器を備えた3リットルの反応
容器に加える。次に精製水240gを加える。水酸化ナトリウムを添加して分散
物のpHを9に調節する。温度を25℃に維持する。続いて溶液1を2ml/分の流速で
連続的に加える。5M水酸化ナトリウム水溶液及び1Mリン酸水溶液を同時に添加し
てそのpHを9に調節する。その後攪拌したまま25℃で1時間熟成する。段階4−シリコン及びアルミニウム化合物による粒子の処理
以下の溶液を用いる:
−溶液2:100gの水に108.78gのケイ酸ナトリウムを溶解させて得られる
ケイ酸セリウム水溶液(ケイ酸ナトリウムは355g/リットルのSiO2を含み、SiO2/
Na2Oのモル比は3.3である。)
−溶液3:40gの水に39.28gのアルミン酸ナトリウムを溶解させて得られ
るアルミン酸セリウム水溶液(アルミン酸ナトリウムは24重量%のAl2O3及び19
重量%のNa2Oを含む。)
段階3で得られた反応混合物を90℃に加熱して(35分間にわたって昇温する。)
、溶液2を2ml/分の流速で加える。3MH2SO4を加えてpHを9に調節し、90℃で1
時間熟成する。90℃及びpH9のままの溶液3を2ml/分の流速で加え、1時間熟成
する。続いてこの反応混合物を室温に冷却する。結果
得た分散物を遠心分離機にかける。得たケーキを精製水で洗浄し、次にこのケ
ーキをpH9の水性媒体に再分散する。この分散物の固形分は25重量%であった。
TEMによって測定したこの粒子の粒径は45nmであった。TiO2に対するセリウムの
レベルはCeO2として5重量%であり、TiO2に対するSiO2のレベルは15.75重量%
であり、Al2O3のレベルは5.25重量%であった。真空下で150℃に4時間乾燥した
分散物の粒子についてBET法で測定した比表面積は100m2/gであった。比重は2.48
であった。粘性は200mPa.sであった。分散度は0.4であった。この分散物は特に
安定であった。即ち、1ヵ月以後分散度を測定すると0.4のままであった。
実施例4−耐紫外線化粧品の作成
本発明の耐紫外線化粧品組成物は実施例3の二酸化チタン分散物及び以下の処
方により製造される:
光安定性テスト
テストされるべき化粧品組成物を石英セルを介してHeraeus Sun試験装置へ入
れ、30℃の温度Tで500W/m2のエネルギーEを1時間照射する。調合物の着色を
目視することにより光安定性を観察する。視覚的に青変は観察されなかった。試験管内のSPF(日光防護因子)値の測定
この値は"Cosmetics & Toiletries",Vol.107,No.10,p.119に記載されている方
法に従ったSPF290検眼装置を用いて測定された。2mg/cm2に対するSPF値は20+/−
2であった。調合物のチタン[ラクーナ]粒子の分散度の測定
この調合物の分散度は0.45であり、調合前の二酸化チタン粒子の分散物の分散
度と同じであった。
実施例5−透明被覆の性能の評価二酸化チタン粒子の分散物から透明被覆の作成
以下の成分を混合する:
−プロピレングリコール(合体試薬)を20g、
−Rhone-Poulencの販売するDS 913(スチレン/アクリルラテックス)を523g
、
−30%NaOHを3.4g。
この混合はRayneri撹拌器を用いて行い、テストされるべき分散物55.06gをそ
れに加える。透明度の測定
100μmの湿潤厚さの透明被覆のフィルムをLenetaボール紙(白黒背景)の上
に塗布し、20μmの厚さの乾燥フィルムを形成する。包囲スペキュラーモードの
明被覆で処理された黒色背景のLと無処理の黒色背景のLとの差)で表される。
Lは色度座標(L,a及びb)によって定量化された固有呈色の反射(明/暗の
陰)の測定値であり、この色度座標はthe Commission Internationale dclairag
e[International Commission on Illumination]で定義され、Recueil des Norme
s Francaises(AFNOR),colorimetric colour No.X08-12(1983)に掲載されている
CIE 1976 system(L,a,b)である。耐紫外線活性の測定
3層の透明被覆を複数の木板(海岸松、15x18x1cm3))上に300g/m2の割合で塗
布する。これらの板は、Q-Panel社の販売するQUVB促進老化試験機(60℃で作動
)内で紫外線にさらされる。耐紫外線保護は上記の反射因子Lの変化による比色
測定及び視覚評価の両方で評価され得る。促進老化の間、Lの低下が大きいほど
この木材は劣化しているのである。結果は、その木材の出発時のL及び促
であることが観察された。光触媒活性の測定
光触媒活性を粉末形状の二酸化チタン粒子について評価する。このために二酸
化チタン分散物をオーブンの中で120℃で乾燥する。
この試験は、Irick G.,Strickland T.H.and Zanucci J.S.によるPermanence o
f Organic Coatings,ASTM STP 781,1982,p.35-42に記載された原則による試験
法に従って、二酸化チタンによる気相イソプロピルアルコールの光酸化の速度を
測定するから成る。
イソプロピルアルコール3ml及びテストされるべき二酸化チタン1.5gをパイレ
ックス管に入れる。二酸化チタンをペレット状に金属支持体上で不動化する。紫
外線にさらされる二酸化チタン表面は10cm2である。この管をその後封止する。
この試験装置は300〜400nmで最大放射数を示す約3つの低圧UVAランプを回転さ
せるターンテーブルから成る。サンプルを含む管をターンテーブルに置く。その
支持体の表面はUVA放射の方へ向いている評価されるべき二酸化チタンを含んで
いる。このターンテーブルを60℃のオーブンの中に置く。二酸化チタンが受信け
るUVAの発光強度は約30W/m2である。イソプロピルアルコール蒸気は二酸化チタ
ンに吸着され、酸素と反応してアセトンを形成する。イソプロピルアルコールの
光分解の進行は、管内に残留するO2の量をガスクロマトグラフを用いて監視す
ることによって、24時間にわたって定期的に定量される。この進行はO2の消滅
速度によりミリモル/時間/m2単位で表される。この試験で測定した光酸
化の速度が速いほど、透明被覆の劣化は大きい。この試験結果は、上記の促進老
化試験200サイクル後の透明被覆の外観の目視評価によって確認された。その光
触媒活性により、多少のチョーキングが観察されるかもしれない。
分散物3及び25重量%の固形分を示すルチル二酸化チタン粒子の分散物である
従来技術の分散物4を試験した。この分散物4の粒子の平均粒径は80nmであり、
シリカに基づく110重量%の表面処理がなされた。結果 セリウムで処理された二酸化チタン粒子の分散物は低光触媒活性を示すことが
観察された。このことは、耐紫外線保護を提供する一方でこの透明被覆の最初の
外観を保持するために、透明被覆のチョーキングを避けることを可能にする。更
にこれらの透明被覆はよい透明度を示す。
【手続補正書】
【提出日】1999年6月18日(1999.6.18)
【補正内容】
1.請求の範囲を別紙の通りに訂正する。
2.明細書26ページ2行目の「-5〜6nmの粒径を示すアナターゼ種を11.36g(0.2
%/TiO2)。」を「−5〜6nmの粒径を示すアナターゼ種の分散物(分散物1Kg中 にアナターゼ種を10g含む。)
を11.36g(0.2%/TiO2)。」に訂正する。
3.明細書27ページ13行目の「−5〜6nmの粒径を示すアナターゼ種を5.68g(
0.1%/TiO2)。」を「−5〜6nmの粒径を示すアナターゼ種の分散物(分散物1K g中にアナターゼ種を10g含む。)
を5.68g(0.1%/TiO2)。」に訂正する。
4.明細書8ページ下から9〜8行目の「加水分解媒体に種を加える前に存在す
るチタン(TiO2として)に対する、種に存在する二酸化チタン(TiO2)重量比」
を「加水分解媒体に種を加える前に存在するチタン(TiO2として)に対する、種
に存在する二酸化チタン(TiO2)の重量比」に訂正する。
5.明細書29ページ27〜28行目の「本発明の耐紫外線化粧品組成物は実施
例3の二酸化チタン分散物及び以下の処方により製造される:」を「本発明の耐
紫外線化粧品組成物は実施例2の二酸化チタン分散物及び以下の処方により製造
される:」に訂正する。
6.明細書3ページ6行目及び明細書7ページ10行目の「2.5+/−0.2」をそれ
ぞれ「2.5±0.2」に訂正し、明細書31ページ3行目の「20+/−2」を「20±2」
に訂正する。
請求の範囲
1.少なくとも一つのセリウム及び/又は鉄の化合物の第1層、及び少なくとも
一つの金属酸化物、水酸化物又は水酸化物酸化物の第2層で部分的に被覆されて
おり、BET比表面積が少なくとも70m2/gであり比重が2.5程度(±0.2)であって
粒径が100nm以下である二酸化チタン粒子。
2.前記第1層が、前記二酸化チタンに対する前記セリウム化合物(CeO2として)
の重量比が6%以下であるような量の、少なくとも一つのセリウム化合物に基づ
く請求項1に記載の粒子。
3.前記第2層が、単一又は混合された形態のシリカ及び/又はアルミニウムの
水酸化物若しくは水酸化物酸化物に基づく請求項1又は2に記載の粒子。
4.前記第2層が、二酸化チタンに対するSiO2の量が30重量%であるシリカ層に
基づく請求項3に記載の粒子。
5.前記粒子が分散物の形態である請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子。
6.前記粒子の液相中の分散度が0.5以下である請求項5に記載の粒子。
7.前記分散物の液相が水である請求項5又は6に記載の粒子。
8.前記分散物の伝導率が3ミリジーメンス以下である請求項7に記載の粒子。
9.前記分散物の固形分が少なくとも35%であり、その粘性が1000mPa.s以下で
ある請求項7又は8に記載の粒子。
10.前記分散物の液相が有機物である請求項5又は6に記載の粒子。
11.前記有機分散物を、請求項7〜9のいずれか1項に記載の水性分散物と四
級アミン又は四級アンモニウム塩から選択される転送剤から成る有機媒体とを混
合することにより得る請求項10に記載の粒子。
12.前記粒子が凝集し粉末の形状である請求項1〜5のいずれか1項に記載の
粒子。
13.少なく一つのセリウム及び/又は鉄の化合物を、BET比表面積が少なくと
も200m2/gであり比重が2.5程度(±0.2)であって、100nm以下の粒径を有するア
ナターゼ二酸化チタン粒子の表面に沈殿させる段階、及び、次にこのようにして
得られた粒子表面に、少なくとも一つの金属酸化物、水酸化物又は水酸化物
酸化物を沈殿させる段階から成る請求項1〜12のいずれか1項に記載の粒子の
製造方法。
14.(i)カルボキシル基並びに少なくとも2つの水酸基及び/又はアミン基、
又は、少なくとも2つのカルボキシル基並びに少なくとも一つの水酸基及び/又
はアミン基、を有する酸、
(ii)下式のいずれかで表される有機リン酸:又は
又は
(式中、n及びmは1〜6の整数、pは0〜5の整数、Rl、R2及びR3は、同じか又は
異なってもよく、水酸基、アミノ基、アラルキル基、アリール基若しくはアルキ
ル基又は水素を表す。)
(iii)酸性媒体中の硫酸塩イオンを解離することができる化合物、
(iv)上記の酸の塩、
から選ばれる少なくとも一つの化合物Bの存在下において、少なくとも一つのチ
タン化合物Aの加水分解により出発二酸化チタン粒子を得る請求項13に記載の
製造方法であって、前記加水分解が、ラクナ[acuna]中に存在し粒径が8nm以下
の二酸化チタン種の存在下で行われ、加水分解媒体に種を加える前に存在するチ
タン(TiO2として)に対する、種に存在する二酸化チタン(TiO2)の重量比が0.
01%〜3%である製造方法。
15.前記チタン化合物Aがチタンオキシ塩化物である請求項14に記載の方法
。
16.前記化合物Bがクエン酸である請求項14又は15に記載の方法。
17.請求項1〜12のいずれか1項に記載の粒子を耐紫外線試薬として使用す
る方法。
18.化粧品調合物、被覆調合物又はプラスチックに請求項17に記載の粒子を
使用する方法。
19.請求項1〜12のいずれか1項に記載の二酸化チタン粒子を含む耐紫外線
化粧品組成物であって、前記組成物中の二酸化チタン含量が1〜25重量%である
組成物。
20.少なくとも一つのバインダー及び請求項1〜12のいずれか1項に記載の
二酸化チタン粒子を含む耐紫外線化粧品組成物であって、前記組成物中の二酸化
チタン含量が10重量%以下である組成物。
21.3〜12のエトキシ化数を有するエトキシ化された非イオン性界面活性剤か
ら選択される界面活性剤を含む請求項20に記載耐紫外線化粧品組成物。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C08K 9/02 C08K 9/02
C09C 1/36 C09C 1/36
C09D 7/12 C09D 7/12 Z
201/00 201/00
C09K 3/00 104 C09K 3/00 104Z
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),UA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP
,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,
MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,
VN
(72)発明者 パコー,ベルナール
フランス国 エフ78100 サン ジェルマ
ン アン レー,リュ マリー ステュア
ル,32