【発明の詳細な説明】
ピペラジノンフェニルオキサゾリジノン誘導体およびその抗菌剤としての使用
本発明は抗生物質化合物に関し、そして特にピペラジノン及びオキサゾリジノ
ン環を含む抗生物質に関する。この発明はさらにこれらの調製プロセス、その調
製時に有用な中間体、その治療薬としての利用、およびそれらを含む薬学的組成
物に関する。
微生物をとりまく国際社会は、現在入手可能な抗生物質が有効でない耐性菌の
出現により深刻な悩みを抱え続けている。一般に、細菌病原体はグラム陽性また
はグラム陰性病原体に分類される。グラム陽性およびグラム陰性病原体に有効な
活性を有する抗生物質化合物は一般に活性の広いスペクトルを有するものとみな
されている。本発明の化合物は主としてグラム陽性病原体に有効とみなされる。
というのは、そのような病原体に対して特に良い活性を示すからである。
グラム陽性病原体は、例えば、Staphylococci、Enterococci、Streptococciお
よびマイコバクテリアなどがあるが、これらは耐性菌が発生すると治療が困難で
一度病院環境に定着すると撲滅も困難であるため、特に重要である。そのような
種の例として、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性コアグ
ラーゼ陰性黄色ブドウ球菌(MRCNS)、ペニシリン耐性Streptococcus pnemoniae
および多剤耐性Enterococcus faeciumがある。
このような耐性グラム陽性病原体の臨床での処置に主に効果的な抗生物質はバ
ンコマイシン(vancomycin)である。バンコマイシンは糖ペプチドであり、腎毒
性と耳毒性が報告されている。さらに、非常に重要なことに、バンコマイシンや
他の糖ペプチドに抗生物質耐性の細菌も出現しつつある。この耐性は徐々に増加
しつつあり、それに伴いグラム陽性病原体の処置の際にこれらの薬剤が徐々に効
果を無くしつつある。
本発明者らは、オキサゾリジノン環を含む抗生物質の一種を見いだしたが、そ
の作用はMRSAおよびMRCNSを含有するグラム陽性病原体、特にバンコマイシンに
耐性を示す種々の細菌種、およびアミノグリコシドおよび臨床上使用されるβラ
クタムの両方に耐性なE.faeciumに有効な作用を有する。
我々は当該分野では示唆されない狭い範囲の化合物を発見したが、これは最も
一般的に使用される抗生物質に耐性であることが知られている生物を含むグラム
陽性病原体の広い範囲に対して良い活性を有する。当該分野に記載された化合物
と比較すると(例えば、Walter A.Gregory ら、J.Med.Chem.1990,33,2569
-2578およびChung-Ho Parkら、J.Med.Chem.1992,35,1156-1165)、本化合物は
また、好ましい毒性学的性質も有している。
従って、本発明は、式(I)の化合物およびその薬学的に受容可能な塩を提供
する:
ここで:
R1は、式-NHC(=O)(1-4)アルキル、-NHS(O)n(1-4C)アルキル(ここで、nは0、
1または2)であるか、あるいはR1はヒドロキシであり;
R2およびR3は独立して水素またはフッ素であり;
R4は水素、メチル、エチルまたはオキソであり;
R5は水素、(1-6C)アルキル、(2-6C)アルケニル、(2-6C)アルキニル、または式R6
(CH2)m-(ここで、mは1から4でありかつR6はトリフルオロメチル、ジフルオ
ロメチル、フルオロメチル、(1-4C)アルコキシ、(1-4C)アルキルS(O)pであり(
ここでpは0、1または2である)、(1-6C)アルカノイルオキシ、ジ-(N-(1-4C)
アルキル)アミノ、N-((1-4C)アルキル)(1-4C)アルカノイルアミノ、シアノ、カ
ルボキシ、(1-4C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N-(1-4C)アルキルカル
バモイル、ジ-(N-(1-4C)アルキル)カルバモイル、N-((1-4C)アルキル)(1-4C)ア
ルカンスルホンアミド、N1-((1-4C)アルキル)ウレイド、N1-((1-4C)アルキル))-
N3-((1-4C)アルキル)ウレイド、N1-((1-4C)アルキル))-ジ-(N3-(1-4C)アルキル)
ウレイド、または式-OC(=O)NR7(R8)(ここでR7およびR8は独立して水素また
は(1-4C)アルキル)であるか、あるいは式-N(R9)SO2NR7(R8)である(ここでR7お
よびR8は本明細書中で定義されたものであり、そしてR9は(1-4C)アルキルである
);
あるいはmが2〜4でありかつR6がヒドロキシ、(1-4C)アルカノイルアミノ、ア
ミノ、(1-4C)アルキルアミノ、(1-4C)アルカンスルホンアミド、ウレイド、N3-(
(1-4C)アルキル)ウレイド、ジ-(N3-(1-4C)アルキル)ウレイド、または式-NHSO2
NR7(R8)である(ここでR7およびR8は本明細書中上記で定義されたものである)
。
この明細書中では用語「アルキル」は、直鎖および分岐鎖構造(例えばプロピ
ル、イソプロピル、tert-ブチルを含有する(1-6C)アルキル)を含む。しかしな
がら、「プロピル」などの個々のアルキル基に対する参照事項は直鎖バージョン
に限られ、「イソプロピル」などの個々の分岐鎖アルキル基は側鎖バージョンの
みに限られる。同様のことは他のジェネリックな用語にも適用する。
(1-4C)アルキルおよび(1-6C)アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピルおよびtert-ブチルを包含する;N-(1-4C)アルキルカルバモイルの例
は、メチルカルバモイルおよびエチルカルバモイルを包含する;ジ(N-(1-4C)ア
ルキル)カルバモイルの例は、ジ(メチル)カルバモイルおよびジ(エチル)カ
ルバモイルを包含する;(1-6C)アルキルS(O)p-の例は、メチルチオ、エチルチオ
、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メチルスルフォニル、およびエチ
ルスルフォニルを包含する;(2-6C)アルケニルの例は、アリルおよびビニルを包
含する;(2-6C)アルキニルの例は、エチニルおよび2-プロピニルを包含する;(1
-4C)アルコキシの例は、メトキシ、エトキシおよびプロポキシを包含する;(1-6
C)アルカノイルアミノの例は、アセトアミドおよびプロピオニルアミノを包含す
る。N-((1-4C)アルキル)(1-4C)アルカノイルアミノの例は、N-メチルアセトアミ
ド、N-メチルプロピオニルアミノ、およびN-エチルアセトアミドを包含する;(1
-6C)アルカンスルホンアミドの例は、メタンスルホンアミドおよびエタンスルホ
ンアミドを包含する;N-((1-4C)アルキル)-(1-4C)アルカンスルホンアミドの例
は、N-(メチル)-メタンスルホンアミド、N-(メチル)-エタンスルホンアミド
、およびN-(エチル)エタンスルホンアミドを包含する;(1-4C)アルカノイル
オキシの例は、アセチルオキシおよびプロピオニルオキシを包含する;N-(1-4C)
アルキルアミノの例は、メチルアミノおよびエチルアミノを包含する;ジ-(N-(1
-4C)アルキル)アミノの例は、ジ-N-メチルアミノ、ジ-(N-エチル)アミノおよびN
-エチル-N-メチルアミノを包含する;(1-4C)アルコキシカルボニルの例は、メト
キシカルボニルおよびエトキシカルボニルを包含する;N1-((1-4C)アルキル)ウ
レイドの例は、N1-メチルウレイドおよびN1-エチルウレイドを包含する;N1-((1
-4C)アルキル)-N3-((1-4C)アルキル)ウレイドの例は、N1-メチル-N3-メチルウレ
イド、N1-エチル-N3-メチルウレイド、およびN1-エチル-N3-エチルウレイドを包
含する;N1-((1-4C)アルキル)-ジ-(N3-(1-4C)アルキル)ウレイドの例は、N1-メ
チル-ジ-(N3-メチル)ウレイド、N1-エチル-ジ-(N3-メチル)ウレイドおよびN1-
メチル-N3-エチル-N3-メチルウレイドを包含する;N3-((1-4C)アルキル)ウレイ
ドはN3-メチルウレイドおよびN3-エチルウレイドを包含する;そして、ジ-(N3-(
1-4C)アルキル)ウレイドの例は、ジ-(N3-メチル)ウレイド、N3-エチル-N3-メ
チルウレイドおよびジ-(N3-エチル)ウレイドを包含する。
本発明の化合物はC5位にキラル中心を有する。薬学的に活性なエナンチオマ
ーは式(IA)のものである:
本発明は純粋なエナンチオマーまたは上記のジアステレオアイソマーおよび5
(R)および5(S)エナンチオマーまたはジアステレオアイソマーの混合物、
例えばラセミ混合物またはジアステレオアイソマーの等量混合物を含有する。5
(R)および5(S)が使用される場合、薬学的に活性なエナンチオマーが同量
で発揮する効果を達成するには、より多くの量が必要となる(この量はエナンチ
オマーまたはジアステレオアイソマーの比による)。
さらに、式(I)の化合物のいくつかは他のキラル中心を有し得る。
式Iの特定の化合物は、溶媒和形態および非溶媒和形態(例えば水和物)で存
在し得ることが理解されるべきである。本発明は抗菌活性を有するすべてのこの
ような溶媒和形態を包含することを理解されるべきである。
薬学的に受容可能な塩類は酸添加塩、例えば塩化水素塩、臭化水素塩、クエン
酸塩、マレイン酸塩メタンスルホン酸塩、フマル酸塩およびリン酸および硫酸と
形成された塩を包含する。別の局面では適した塩は塩基塩、例えばナトリウム、
アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム、アンモニウムまた
はテトラ-(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム塩、有機アミド。例えばトリエチ
ルアミン、モルフォリン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、プロカイ
ン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルエチルアミンまたはリジンなどのアミノ
酸を包含する。薬学的に適応できる好ましい塩はナトリウム塩である。
しかし、調製過程で塩の単離を実施するためには薬学的に受容可能か否かに関
わらず選択された溶媒にはより少なく溶ける溶媒が好ましいことがあり得る。
式(I)の化合物はプロドラッグの形で投与され得る。これはヒトまたは動物
の体内で分解されて式(I)の化合物を生じる。プロドラッグの例は、式(I)
の化合物のインビボで加水分解可能なエステルを包含する。
カルボキシまたはヒドロキシ基を含む式(I)の化合物のインビボで加水分解
可能なエステル、例えば、ヒトまたは動物の体内で加水分解されて親(parent)
の酸またはアルコールを生成する薬学的に受容可能なエステルがある。カルボキ
シ基に適した薬学的に受容可能なエステルは例えばメトキシメチルなどの(1-6C)
アルコキシメチルエステル;例えばピバロイルオキシメチルなどの(1-6C)アルカ
ノイルオキシメチルエステル;フタリジルエステル;例えば1-シクロヘキシルカ
ルボニルオキシエチルなどの(3-8C)シクロアルキルカルボニルオキシ-(1-6C)ア
ルキルエステル;例えば5-メチル-1,3-ジオキソレン-2-オニルメチルなどの1,3-
ジオキソレン-2-オニルメチルエステル;および、例えば1-メトキシカルボニル
オキシエチルエステルなどの(1-6C)アルコキシカルボニルオキシエチルエステル
を包含し、そしてエステルは本発明の化合物においてどのカルボキシ基において
も形成され得る。
ヒドロキシ基を含む式(I)の化合物のインビボで加水分解可能なエステルは
、例えば、薬学的に受容可能なエステルであって、ヒトまたは動物生体内で加水
分解されて、親アルコールを生成するエステルである。この用語はリン酸エステ
ルおよびα-アシルオキシアルキルエーテルなどの無機エステルを包含し、イン
ビボでのエステルの加水分解の結果、親ヒドロキシ基を生じるような化合物に関
する。α-アシルオキシアルキルエーテルの例は、アセトキシメトキシおよび2,2
-ジメチルプロピオニルオキシメトキシを包含する。ヒドロキシのための基を生
成する、インビボで加水分解可能なエステルの選択肢は、アルカノイル、ベンゾ
イル、フェニルアセチルおよび置換ベンゾイル、およびフェニルアセチル、アル
コキシカルボニル(アルキルカルボネートエステルを得るため)、ジアルキルカ
ルバモイルおよびN-(ジアルキルアミノエチル)-N-アルキルカルバモイル(カル
バミン酸を得るため)、ジアルキルアミノアセチル、およびカルボキシアセチル
を包含する。
本発明の好ましい化合物は式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩
を包含し、R1からR9は、本明細書中上記で開示される価を有するか、あるいは、
以下の価のいずれかを有する:
a) 好ましくはR1は式-NHC(=O)(1-4C)アルキルである。
b) 最も好ましくはR1はアセトアミドである。
c) 別の局面ではR1はヒドロキシである。
d) 好ましくはR2およびR3の一方が水素であり、他方がフルオロである。
e) 好ましくはR4は水素、メチルまたはオキソである。
f) より好ましくはR4は水素またはオキソである。
g) 最も好ましくはR4は水素である。
h) 好ましくは、R5は(1-6C)アルキルまたは式R6(CH2)m-のもの、(ここで、m
は1または2のいずれかであり、そしてR6はトリフルオロメチル、(1-4C)ア
ルコキシ、(1-4C)アルキルS(O)p-(ここでpは0、1、または2である)、(
1-4C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、N-(1-4C)アルキルカルバモイ
ルまたはジ-(N-(1-4C)アルキル)カルバモイル、あるいは、mが2または3
であり、かつR6がヒドロキシまたは(1-4C)アルカノイルアミノである)であ
る。
i) より好ましくは、R5はメチル、エチル,2,2,2-トリフルオロエチル、2-メト
キシエチル、メチルチオメチル、メトキシカルボニルメチル、カルバモイル
メチル、ジ-(N-メチル)カルバモイルメチル、2-ヒドロキシエチル、または2
-(アセトアミド)エチルである。
j) 最も好ましくは、R5は2-フルオロエチルである。
したがって、本発明の別の局面では、本発明の好ましい化合物は式(I)の化
合物を包含し、ここで:
a) R1は、式-NHC(=O)(1-4C)アルキルであり;
R2およびR13の一方が水素であり、かつもう一方がフルオロであり;
R4は水素、メチル、またはオキソであり;
R5は(1-6C)アルキルまたは式R6(CH2)m-(ここで、mは1または2のいずれかで
あり、かつR6はトリフルオロメチル、(1-4C)アルコキシ、(1-4C)アルキルS(O)p-
(ここでpは0、1、または2である)、(1-4C)アルコキシカルボニル、カルバ
モイル、N-(1-4C)アルキルカルバモイルまたはジ-(N-(1-4C)アルキル)カルバモ
イルであるか、あるいは、mが2または3であり、かつR6がヒドロキシまたは(1
-4C)アルカノイルアミノである)である。
b) R1は、式-NHC(=O)(1-4C)アルキルであり;
R2およびR13の一方が水素であり、かつもう一方がフルオロであり;
R4は水素、メチル、またはオキソであり;
R5は(1-6C)アルキルまたは式R6(CH2)m-(ここで、mは1または2のいずれかで
あり、かつR6はトリフルオロメチル、フルオロメチル、(1-4C)アルコキシ、(1-4
C)アルキルS(O)p-(ここでpは0、1、または2である)、(1-4C)アルコキシカル
ボニル、カルバモイル、N-(1-4C)アルキルカルバモイルまたはジ-(N-(1-4C)アル
キル)カルバモイルであるか、あるいは、mが2または3であり、かつR6がヒド
ロキシまたは(1-4C)アルカノイルアミノである)である。
c) R1はアセトアミドであり;
R2およびR13の一方が水素であり、かつもう一方がフルオロであり;
R4は水素、メチル、またはオキソであり;
R5は(1-6C)アルキルまたは式R6(CH2)m-(ここで、mは1または2のいずれかで
あり、かつR6はトリフルオロメチル、(1-4C)アルコキシ、(1-4C)アルキルS(O)p-
(ここでpは0、1、または2である)、(1-4C)アルコキシカルボニル、カルバ
モイル、N-(1-4C)アルキルカルバモイルまたはジ-(N-(1-4C)アルキル)カルバモ
イルであるか、あるいは、mが2または3であり、かつR6がヒドロキシまたは(1
-4C)アルカノイルアミノである)である。
d) R1はアセトアミドであり;
R2およびR3の一方が水素であり、かつもう一方がフルオロであり;
R4は水素、メチル、またはオキソであり;
R5は(1-6C)アルキルまたは式R6(CH2)m-(ここで、mは1または2のいずれかで
あり、かつR6はトリフルオロメチル、フルオロメチル、(1-4C)アルコキシ、(1-4
C)アルキルS(O)p-(ここでpは0、1、または2である)、(1-4C)アルコキシカル
ボニル、カルバモイル、N-(1-4C)アルキルカルバモイルまたはジ-(N-(1-4C)アル
キル)カルバモイルであるか、あるいは、mが2または3であり、かつR6がヒド
ロキシまたは(1-4C)アルカノイルアミノである)である。
e) R1はヒドロキシであり;
R2およびR3の一方が水素であり、かつもう一方がフルオロであり;
R4は水素、メチル、またはオキソであり;
R5は(1-6C)アルキルまたは式R6(CH2)m-(ここで、mは1または2のいずれかで
あり、かつR6はトリフルオロメチル、(1-4C)アルコキシ、(1-4C)アルキルS(O)p-
(ここでpは0、1、または2である)、(1-4C)アルコキシカルボニル、カルバ
モイル、N-(1-4C)アルキルカルバモイルまたはジ-(N-(1-4C)アルキル)カルバモ
イルであるか、あるいは、mが2または3であり、かつR6がヒドロキシまたは(1
-4C)アルカノイルアミノである)である。
f) R1はヒドロキシであり;
R2およびR3の一方が水素であり、かつもう一方がフルオロであり;
R4は水素、メチル、またはオキソであり;
R5は(1-6C)アルキルまたは式R6(CH2)m-(ここで、mは1または2のいずれかで
あり、かつR6はトリフルオロメチル、フルオロメチル、(1-4C)アルコキシ、(1-4
C)アルキルS(O)p-(ここでpは0、1、または2である)、(1-4C)アルコキシカル
ボニル、カルバモイル、N-(1-4C)アルキルカルバモイルまたはジ-(N-(1-4C)アル
キル)カルバモイルであるか、あるいは、mが2または3であり、かつR6がヒド
ロキシまたは(1-4C)アルカノイルアミノである)である。
g) R1はアセトアミドであり;
R2およびR3の一方が水素であり、かつもう一方がフルオロであり;
R4は水素、またはオキソであり;
R5は(1-6C)アルキルまたは式R6(CH2)m-(ここで、mは1または2のいずれかで
あり、かつR6はトリフルオロメチル、(1-4C)アルコキシ、(1-4C)アルキルS(O)p-
(ここでpは0、1、または2である)、(1-4C)アルコキシカルボニル、カルバ
モイル、N-(1-4C)アルキルカルバモイルまたはジ-(N-(1-4C)アルキル)カルバモ
イルであるか、あるいは、mが2または3であり、かつR6がヒドロキシまたは(1
-4C)アルカノイルアミノである)である。
h) R1はアセトアミドであり;
R2およびR3の一方が水素であり、かつもう一方がフルオロであり;
R4は水素、またはオキソであり;
R5は(1-6C)アルキルまたは式R6(CH2)m-(ここで、mは1または2のいずれかで
あり、かつR6はトリフルオロメチル、フルオロメチル、(1-4C)アルコキシ、(1-4
C)アルキルS(O)p-(ここでpは0、1、または2である)、(1-4C)アルコキシカル
ボニル、カルバモイル、N-(1-4C)アルキルカルバモイルまたはジ-(N-(1-4C)アル
キル)カルバモイルであるか、あるいは、mが2または3であり、かつR6がヒド
ロキシまたは(1-4C)アルカノイルアミノである)である。
i) R1はアセトアミドであり;
R2およびR3の一方が水素であり、かつもう一方がフルオロであり;
R4は水素であり;
R5は(1-6C)アルキルまたは式R6(CH2)m-(ここで、mは1または2のいずれかで
あり、かつR6はトリフルオロメチル、(1-4C)アルコキシ、(1-4C)アルキルS(O)p-
(ここでpは0、1、または2である)、(1-4C)アルコキシカルボニル、カルバ
モイル、N-(1-4C)アルキルカルバモイルまたはジ-(N-(1-4C)アルキル)カルバモ
イルであるか、あるいは、mが2または3であり、かつR6がヒドロキシまたは(1
-4C)アルカノイルアミノである)である。
j) R1はアセトアミドであり;
R2およびR3の一方が水素であり、かつもう一方がフルオロであり;
R4は水素であり;
R5は(1-6C)アルキルまたは式R6(CH2)m-(ここで、mは1または2のいずれかで
あり、かつR6はトリフルオロメチル、フルオロメチル、(1-4C)アルコキシ、(1-4
C)アルキルS(O)p-(ここでpは0、1、または2である)、(1-4C)アルコキシカル
ボニル、カルバモイル、N-(1-4C)アルキルカルバモイルまたはジ-(N-(1-4C)アル
キル)カルバモイルであるか、あるいは、mが2または3であり、かつR6がヒド
ロキシまたは(1-4C)アルカノイルアミノである)である。
k) R1はアセトアミドであり;
R2およびR3の一方は水素でありmかつもう一方はフルオロであり;
R4は水素であり;
R5はメチル、エチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-メトキシエチル、メチルチ
オメチル、メトキシカルボニルメチル、カルバモイルメチル、ジ-(N-メチル)カ
ルバモイルメチル、2-ヒドロキシエチル、または2-(アセトアミド)エチルである
。
l) R1はアセトアミドであり;
R2およびR3の一方は水素であり、かつもう一方はフルオロであり;
R4は水素であり;
R5はメチル、エチル,2,2,2-トリフルオロエチル、2-フルオロエチル、2-メトキ
シエチル、メチルチオメチル、メトキシカルボニルメチル、カルバモイルメチル
、ジ-(N-メチル)カルバモイルメチル、2-ヒドロキシエチル、または2-(アセトア
ミド)エチルである。
本発明の特定の化合物は、以下の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩
である:
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)フェニル)-2-
オキソオキサゾリジン-5-イル)-メチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル)フェニル)-2-
オキソオキサゾリジン-5-イルメチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-オキソピペラジン
-1-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イルメチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-(2-フルオロエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル)
フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イルメチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-(2-ヒドロキシエチル)-3-オキソピペラジン-1-イ
ル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イルメチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-(2-メトキシエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル)
フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イルメチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-メチルチオメチル-3-オキソピペラジン-1-イル)フ
ェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イルメチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-メトキシカルボニルメチル-3-オキソピペラジン-1
-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イルメチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-カルバモイルメチル-3-オキソピペラジン-1-イル)
フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イルメチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-N,N-ジメチルカルバモイルメチル-3-オキソピペラ
ジン-1-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イルメチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-(2-アセトアミドエチル)-3-オキソピペラジン-1-
イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イルメチル)アセトアミド。
本発明の特に好ましい化合物は、以下の化合物またはそれらの薬学的に受容可
能な塩である:
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)フェニル)-2-
オキソオキサゾリジン-5-イル)-メチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル)フェニル)-2-
オキソオキサゾリジン-5-イルメチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-(2-フルオロエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル)
フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)-メチル)アセトアミド;
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-(2-メトキシエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル)
フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)-メチル)アセトアミド。
本発明で特に好ましい化合物は:
N-((5S)-3-(3-フルオロ-4-(4-(2-フルオロエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル)
フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル-メチル)アセトアミド;またはその
薬学的に受容可能な塩である。
なおさらなる局面によれば、本発明は式(I)の化合物またはその薬学的に受
容可能な塩の調製方法を提供する。式(I)の化合物は式(II)の化合物を脱保
護することにより調製され得る:
ここで、R2-R4は本明細書中上記で定義されたものであり、R10はR1であるかまた
は保護されたR1であり、そしてR11はR5または保護されたR5であり、その後、必
要であれば、薬学的に受容可能な塩を生成する。
保護基は文献に掲載されているかまたは問題の保護基の除去に適切であること
が熟練した化学者に既知である任意の従来の方法によって除去され得、そのよう
な方法は分子中の他の基への妨害を最小限に抑えながら保護基を除去するように
選択される。
保護基の特殊な例を、便宜のために以下に掲載する。ここで、「低級」とは1
-4個の炭素原子が好ましく適応される基を意味する。これらの例は、全てを網
羅するものではないことが理解されるべきである。保護基の除去方法の特定の例
が以下挙げられるが、これらも同様に全てを網羅しているわけではない。保護基
の使用および脱保護の方法は、もちろん、本発明の範囲内では具体的には言及し
ない。
カルボキシ保護基はエステル形成脂肪族またはアリール脂肪族(araliphatic
)アルコールを残基として有するか、またはエステル形成シラノール(前記アル
コールまたはシラノールは、好ましくは1〜20個の炭素原子を有する)。
カルボキシ保護基の例は、直鎖または分岐鎖の(1-12C)アルキル基(例:イソ
プロピル、tert-ブチル);低級アルコキシ低級アルキル基(例、メトキシメチ
ル、エトキシメチル、イソブトキシメチル);低級脂肪酸アシルオキシ低級アル
キル基(例、アセトキシメチル、プロピオニルメチル、ブチリルオキシメチル、
ピバロイルオキシメチル);低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基(
例、1-メトキシカルボニルオキシエチル、1-エトキシカルボニルオキシエチル)
;アリール低級アルキル基(例、p-メトキシベンジル、o-ニトロベンジル、p-ニ
トロベンジル、ベンズヒドリルおよびフタリジル);トリ(低級アルキル)シリ
ル基(例、トリメチルシリルおよびtert-ブチルジメチルシリル);トリ(低級
アルキル)シリル低級アルキル基(例、トリメチルシリルエチル);および(2-6
C)アルケニル基(例、アリルおよびビニルエチル)
カルボキシ保護基の除去に特に適した方法は、例えば酸、金属または酵素によ
り触媒される加水分解が包含される。
ヒドロキシ保護基の例は、低級アルケニル基(例、アリル);低級アルカノイ
ル基(例、アセチル);低級アルコキシカルボニル基(例、tert-ブトキシカル
ボニル);低級アルケニルオキシカルボニル基(例、アリルオキシカルボニル)
;アリール低級アルコキシカルボニル基(例、ベンゾイルオキシカルボニル、p-
メトキシベンジルオキシカルボニル、o-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-ニ
トロベンジルオキシカルボニル);トリ低級アルキル/アリールシリル基(例、
トリメチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル
);アリール低級アルキル基(例、ベンジル)基;および、トリアリール低級ア
ルキル基(例、トリフェニルメチル)を包含する。
アミノ保護基の例は、ホルミル、アラルキル(aralkyl)基(例、ベンジルお
よび置換ベンジル、例えばp-メトキシベンジル、ニトロベンジルおよび2,4-ジメ
トキシベンジル、およびトリフェニルメチル));ジ-p-アニシルメチルおよび
フリルメトキシ基;低級アルコキシカルボニル(例、tert-ブトキシカルボニル
);低級アルケニルオキシカルボニル(例、アリルオキシカルボニル);アリー
ル低級アルコキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベ
ンジルオキシカルボニル、o-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジ
ルオキシカルボニル;トリアルキルシリル(例、トリメチルシリルおよびtert-
ブチルジメチルシリル);アルキリデン(例、メチリデン);ベンジリデンおよ
び置換ベンジリデン基を包含する。
ヒドロキシおよびアミノ保護基の適切な除去方法は、例えば、o-ニトロベンジ
ルオキシカルボニルなどの基に対しては酸、金属、または酵素により触媒される
加水分解を包含し、光分解、ならびにシリル基などの基に対してはフッ素を包含
する。
アミド基の保護基の例は、アラルコキシメチル(例、ベンジルオキシメチルお
よび置換ベンジルオキシメチル);アルコキシメチル(例、メトキシメチルおよ
びトリメチルシリルエトキシメチル);トリアルキル/アリールシリル(例、ト
リメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル);
トリアルキル/アリールシリルオキシメチル(例、tert-ブチルジメチルシリル
オキシメチル、tert-ブチルジフェニルシリルオキシメチル);4-アルコキシフ
ェニル(例、4-メトキシフェニル);2,4-ジ(アルコキシ)フェニル(例、2,4
-ジメトキシフェニル);4-アルコキシベンジル(例、4-メトキシベンジル);2
,4-ジ(アルコキシ)ベンジル(例、2,4-ジ(メトキシ)ベンジル);およびア
ルク-1-エニル(例、アリル、ブト−1-エニルおよび置換ビニル(例えば2-フェ
ニルビニル))を包含する。
アラルコキシメチル基は、後者の基と適切な塩化アラルコキシメチルとを反応
させ、そして、触媒水素化により除去することによりアミド基に導入され得る。
アルコキシメチル、トリアルキル/アリールシリルおよびトリアルキル/シリル
基は、アミドと適切な塩化物を反応させ、そして酸を用いるか、あるいはシリル
を含んだ基の場合はフッ化物イオンを用いて除去させることにより導入され得る
。アルコキシフェニル基およびアルコキシベンジル基は適切なハロゲン化物を用
いたアリール化またはアルキル化によりそして硝酸セリウムアンモニウムを用い
る酸化により除去することにより簡便に導入される。最後に、アルク-1-エニル
基は、アミドを適切なアルデヒドと反応させ、酸で除去することにより、導入さ
れ得る。
保護基についてさらなる例については、多くのこの主題についての一般的な教
科書の一冊を参照する。例えば、Theodora Greenの「Protective Groups in Org
anic Synthesis」(John Wiley & Sons発行)がある。
本発明の別の局面では、式(I)および(II)の化合物およびこれらの薬学的
に受容可能な塩が以下の工程により調製され得る:
a) 式(I)の別の化合物の置換基を修飾するか、または置換基を導入する工程
b) R1が式-NHS(O)n(1-4C)アルキルの場合(ここで、nは1または2である)、
式(I)の化合物(ここで、nは0である)を酸化する工程、あるいは、nが2
の場合、式(I)の化合物(ここでnは1である)を酸化する工程;
c) R1が-NHC(=O)(1-4C)アルキルまたは-NHC(O)n(1-4C)の場合、式(III)の化
合物を式(IV)の化合物と反応させる工程:
L1-R12
(IV)
d) R1がヒドロキシの場合、式(V)の化合物を式(VI)の化合物と反応させる工
程e) R1またはR10が式-NHC(=O)(1-4C)アルキルの場合、式(I)または(II)の
化合物(ここで、R1またはR10はヒドロキシである)を式(VII)のアミドと反応
させる工程:
ここであって:、R2-R4、R10およびR11は本明細書中上記で定義された通りであ
り、
R12は式-C(=O)(1-4C)アルキルまたは-S(O)n(1-4C)アルキルであり、
R13は(1-6C)アルキルまたはベンジルであり、R14は(1-6C)アルキルでありかつL1
は脱離基であり;
そしてその後必要ならば:i)任意の保護基を除去する工程;ii)薬学的に受容可
能な塩を形成する工程。
置換基を別の置換基に変換する方法は当該分野で公知である。例えば、アルキ
ルチオ基はアルキルスルフィニル基またはアルキルスルフォニル基に酸化され得
、シアノ基はアミノ基に還元され、ニトロ基はアミノ基に還元され、ヒドロキシ
基はメトキシ基にアルキル化され、あるいはブロモ基はアルキルチオ基に変換さ
れる。
R1またはR10が-NHS(O)n(1-4C)アルキル基である式(I)または(II)の化合物は
当業者によって、酸化によってチオ基をスルフィニルまたはスルフォニル基へ酸
化するための標準的な試薬を用いて式(I)または(II)の化合物を酸化するこ
とによって調製され得る。例えば、チオ基はm-クロロペルオキシ安息香酸などの
ような過酸との反応によりスルフィニル基へと酸化され得、そして過マンガン酸
カリウムのような酸化剤は、チオ基をスルフォニル基に変換する。R1またはR10
が-NHS(1-4C)アルキルである式(I)または(II)の化合物は式(III)の化合
物を(1-4C)アルキルSClなどのような試薬と反応させることにより調製され得る
。
式(III)の化合物におけるアミン基をアセチル化するため、またはスルホン
アミド基へ変換する標準反応条件は当業者に公知である。例えば、アミノ基はSc
hotten-Baumann法;式(III)の化合物を水酸化ナトリウムとTHFとの水溶液中の
無水酢酸と反応させて、0℃から60の範囲の温度(0℃から室温が好ましい)で
反応させる工程を用いてアセチル化され、アセトアミド基を得ることができる。
好ましくは、アシル化は式(IIIA)(下)の化合物の触媒水素化(無水酢酸存在下
で水素化を実施する)を行ったのちインサイチュで実行する。
式(III)の化合物は、例えば、式(III)の化合物と塩化スルフォニルとを反
応させることにより、R1またはR10が(1-4C)SO2NH-である式(I)または(II)
の化合物へと変換し得る。例えば、式(III)の化合物と塩化メシルをピリジン
な
どの穏和な塩基中で反応させる。
あるいは、R1またはR10が(1-4C)アルキルSO2NH-または(1-4C)アルキルSONH-で
ある式(I)または(II)の化合物は、式(III)の化合物と、L1がフタルイミ
ド基、または好ましくはハロ(例えばクロロ基)である式(IV)の化合物とを反
応させることにより調製され得る。
L1がフタルイミドである式(IV)の化合物は、式(IVA)の化合物を酸化するこ
とにより調製され得る:このとき、チオ基をスルフィニル基またはスルフォニル基に変換することが既知
である標準酸化剤を用いる。
式(III)の化合物は式(IIIA)の化合物を還元することにより調製され得る:
ここで : R2-R4およびR11は本明細書中で定義されたものである。
適切な還元剤はトリエチルアミン/硫化水素、トリフェニルホスフィンまたは
亜リン酸エステルまたは触媒存在下の水素を包含する。より詳細には、式(IIIA)
の化合物は、1,2-ジメトキシエタンなどの非プロトン性の溶媒中でP(OMe)3存在
下で加熱し、次いで6規定の塩酸水溶液中で加熱するか、あるいはDMFまたは酢酸
エチルのような非プロトン性の溶媒中でパラジウム(炭素担持)の存在下水素と
反応することにより式(III)の化合物に変換され得る。アジドからアミンへの
還元についての更なる詳細については米国特許第4,705,799号を参照のこと。式(
IIIA)の化合物はDMF中無水酢酸をインサイチュで使用することにより還元されて
式(I)および(II)の化合物に変換され得る。
式(IIIA)の化合物は式(IIIB)の化合物を反応させることにより調製され得る:ここで、R15はメシルオキシまたはトシルオキシである。例えば、(IIIB)とアジ
化ナトリウムをDMFなどの不活性溶媒中で室温から100℃の間の温度の範囲におい
て、普通は75℃から85℃の領域で反応させる。式(IIIB)の化合物は、R1またはR1 0
がヒドロキシである式(I)または式(II)の化合物中のヒドロキシ基を、当
業者に公知の標準法でトシルオキシ基またはメシルオキシ基に変換することによ
り調製し得る。例えば、式(I)または(II)のヒドロキシ化合物と塩化トシル
、または塩化メシルをトリエチルアミンなどの穏和な塩基存在下で反応させる。
あるいは、式(III)の化合物は本明細書中上記の工程、および下記の式(I
)および式(II)の化合物の調製に類似した工程を使用して調製され得る。式(
V)および式(VI)の化合物は、ブチルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジ
ド、リチウムtert-ブトキシド、またはリチウムジイソプロピルアミドのような
強塩基の存在下で互いに簡便に反応する。この反応はテトラヒドロフラン(THF
)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N1-ジメチルプロピレン尿素(DMPU)また
はN-メチルピロリドンのような不活性溶媒中で、−78℃から-50℃の温度範囲内
で脱プロトン化や環化のために簡便に実行される。R13に適した基(value)はエ
チルおよびベンジルであり、R14に適した基はエチルおよびn-プロピルであり、
好ましくはn-プロピルである。
式(V)の化合物は、式(ClCOOR13)のクロロホルメートと式(VA)の化合物との
反応により簡便に調製される:ここで:R2-R4およびR11は本明細書中上記で定義された通りである。この反応は
無機塩基または重炭酸ナトリウムのような有機塩基、またはジメチルアニリンの
ようなアミン塩基の存在下で簡便に実行される。前者はアセトン/水のような溶
媒、後者はTHF、トルエン、DMFまたはアセトニトリルのような有機溶媒を使用す
る。
式(VA)の化合物は式(VB)の化合物を還元することによって調製され得る。
ここで、R2-R4およびR11は本明細書中で定義されたものである。
ニトロ基をアミノ基に変換するのに適した多くの還元反応は、例えば、触媒的
水素化および金属還元のように当業者の既知とするところである。触媒的水素化
に適した触媒にはRaneyニッケル、白金金属およびその酸化物、ロジウム、パラ
ジウムコートした木炭およびWilkinsonの触媒RhCl(Ph3P)3などを包含する。触媒
的水素化は0℃から150℃の範囲で簡便に実行されるが、室温で常圧より若干高
めの圧力で行うことが好ましい。
式(VB)の化合物は式(VC)および式(VD)の化合物の両者を反応して容易に調製さ
れる:ここで、R2-R4およびR11は本明細書中上記で定義された通りであり、L2は脱離基
であり、好ましくはハロおよび特にフルオロである。
式(VC)の化合物と式(VD)の化合物との反応は重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
またはジイソプロピルエチルアミンのようなアミン塩基のような有機塩基または
無機塩基存在下、アセトニトリル、DMF、DMPUまたはN-メチルピロリドンのよう
な不活性触媒中、50℃から150℃の範囲内で実行される。
式(VD)の化合物は式(VE)の化合物(ただし、R16は保護基である)にR11を導入
し、次いでR16を除去(脱保護)することによって調製され得る:
好ましくはR16はtert-ブトキシカルボニルである。
例えば、R11が置換または非置換アルキル基である場合、式(VE)の化合物を強
塩基存在下R11-L3と反応させ得る。ここで、L3は脱離基であり、特にトシレート
またはハロである。適切な塩基には、水酸化ナトリウム、リチウムジイソプロピ
ルアミド、ブチルリチウムおよびカリウムブトキシドを包含する。この反応は普
通はTHFまたはDMFのような不活性溶媒中で0℃から100℃の間の温度範囲で実施
される。
あるいは、R11が電気陰性基(electronegative group)で置換されたアルキル
の場合、R11は、関連したアルケンと式(VE)の化合物とを反応させることによ
りVEに導入され得る。R11が2-ヒドロキシエチルである式(VD)の化合物は式(VE)
の化合物をエチレンオキシドと共に40℃から100℃の温度範囲において加熱する
ことにより調製され得る。
式(VD)の化合物のいくつかを調製することは式(VE)の化合物中の置換されてい
ない環の窒素に置換基を導入することにより、合成的にはより容易であり得る。
ここでVEはついで希望するR11に変換される。例えば、2-シアノエチルは環の窒
素上に導入され、還元されて自動的にアルキル化を受けてアルキルアミノとなる
アミノ基となり得る。
R1またはR10が式(VII)のアミドを有するヒドロキシである、式(I)または
式(II)の化合物の反応は、簡便には、THFのような有機溶媒中でトリn-ブチル
ホスフィンおよび1,1'-(アゾジカルボニル)ジピペリジンの存在下、0℃から6
0℃の範囲、好ましくは室温で実行される。Mitsunobu反応の類似反応の詳細はTs
unodaら、Tet.Letts.,34,1639,(1993)に記載されている。式(VII)のアミドは
通常の熟練した有機化学者の範囲内にある有機化学の標準的手順で調製され得る
。
式(I)の光学的に活性な化合物の形態が必要な場合、光学的に活性な出発物
質を使用して上記の手順の一つを実行するか、標準的手順を使用して該化合物ま
たは中間体のラセミ体を分離することにより、得ることが出来る。
本発明の更なる特徴によれば、療法によりヒトまたは動物の身体を処置する方
法において用いるための式(I)の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩が
提供される。
本発明のさらなる特徴によれば、有効量の本発明の化合物またはその薬学的に
受容可能な塩を動物に投与することを包含するような治療が必要な場合、ヒトの
ような温血動物中で抗菌効果を生じさせる方法が提供される。
本発明はヒトのような温血動物中において抗菌効果を発生するのに使用するた
めの新規の医薬品の製造において、本発明の化合物、またはその薬学的に受容可
能な塩の使用も提供する。
式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩をヒトを含む哺乳動物、特
に感染の処置において使用するために、薬学的組成物として標準的な薬学的プラ
クティスに従って通常処方される。
したがって、本発明の別の局面では、式(I)の化合物またはその薬学的に受
容可能な塩および薬学的に受容可能なキャリアを包含する、薬学的組成物が提供
される。
本発明の薬学的組成物は標準的な様式で、例えば経口、直腸投与、または非経
口投与などが望まれる疾病条件において投与される。この目的のため、本発明の
化合物は当業者に公知の方法、例えば、錠剤、カプセル、水溶性または油性溶液
または懸濁液、(脂質エマルジョン、分散性粉末、坐剤、軟膏、クリーム、点眼
剤、点鼻剤および無菌の接種可能な水溶性または油性の溶液または懸濁液の形で
、処方され得る。
本発明の化合物に加えて、本発明の薬学的組成物はまた、臨床上有用な他の抗
菌剤(例えばβラクタムまたはアミノグリコシド)から選択された1つ以上の公
知の薬物を含むか同時に投与することが出来る。これらは、治療有効性を高める
ためのオキサシリンまたはフルクロキサシリンのようなペニシリンおよびメロペ
ネムまたはイミペネムのようなカルバペネムを包含する。本発明の化合物はまた
、グラム陰性細菌および抗微生物剤に耐性の細菌に対する活性を改善するため、
薬学的に受容可能な殺菌/透過性拡大蛋白質(BPI)または排出ポンプインヒビ
ターを含むか同時に投与し得る。
本発明の適切な薬学的組成物は、単回投与形態における経口投与に適した形で
あって、例えば、本発明の化合物を100mgから1gの間の量で含有する錠剤または
カプセルがある。
別の局面では、本発明の薬学的組成物は、静脈注射、皮下注射または筋肉注射
に適した成分である。
各々の患者は、例えば、毎日静脈注射、皮下注射、または筋肉注射の投与量が
5mgkg-1から20mgkg-1の本発明の化合物を毎日受容し得、組成物は一日あたり1
回〜4回投与される。静脈注射、皮下注射、および筋肉注射の投与量は大量瞬間
投与によっても与えられ得る。あるいは、静脈注射の投与量はある期間にわたる
連続注入によっても与えられ得る。あるいは、患者は非経口投与量にほぼ匹敵す
る経口投与量を受容し、組成物は一日あたり1回〜4回投与される。抗細菌活性
本発明の薬学的に受容可能な化合物は、標準的なグラム陽性生物に対するイン
ビトロの活性が良好なスペクトルを有する有用な抗菌剤であり、これらは細菌病
原体に対する活性をスクリーニングするのに使用される。特に、本発明の薬学的
に受容可能な化合物は腸球菌、肺炎菌および黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性株
およびコアグラーゼ欠損ブドウ球菌に対して活性を示す。抗菌性スペクトルおよ
びある特定の化合物の性能は標準試験システムで決定され得る。
本発明の化合物の抗菌特性は、インビボにおいて従来の試験方法で示され得る
。式(I)の化合物をそのように試験した場合、明白な毒性または他の都合の悪
い効果は観察されなかった。
以下の結果は標準のインビトロ試験システムで得られる。活性は、104CFU/ス
ポットの種菌サイズを用いた寒天希釈技術により決定した最少阻害濃度(MIC)
という用語で記述される。
ブドウ球菌は104CFU/スポットの種菌を用いた寒天上で、37℃の温度で、24時
間インキュベートすること(メチシリン耐性を発現するための標準的な試験条件
)により試験した。
連鎖球菌および腸菌は5%脱線維ウマ血液を添加の寒天上で104CFU/スポット
の種菌サイズを用い、5%二酸化炭素雰囲気下37℃の温度で、48時間インキュベ
ートすること(ウマ血はいくつかの試験の細菌の生育に必要とされる)により試
験した。生物 MIC (μg/ml) 例1
Staphylococcus aureus:
Oxford 1
Novb.Res 2
MRQS 2
MRQR 4
Coagulase Negative Staphylococci
MS 0.5
MR 1
Streptococcus pyogenes
C203 1
Enterococcus faecalis 2
Bacillus subtilis 1
Novb.Res = ノボビオシン耐性
MRQS = メチシリン耐性キノロン感受性
MRQR = メチシリン耐性キノロン耐性
MR = メチシリン耐性
本発明をここで例示するが、他に述べない限り、以下の実施例により制限され
ない。
i) エバポレーションは、真空下ロータリーエバポレーションで実行した、そし
て後処理(work-up)手順は、濾過により残留する固形物を取り除いた後実行し
た。
ii) 操作は室温、つまり18℃〜26℃の範囲で、そして特に記述がない限りまた
は当業者が非活性大気中で働く場合を除いて空気中で行われた。
iii) カラムクロマトグラフィー(瞬間手順による)はMerck Kieselgel silica
(Art.9385)で実施した。
iv) 収率は例示のみのために示され、必ずしも到達可能な最高値ではない;
v) 式Iの最終生成物の構造はNMRおよび質量スペクトル技術を用いて確認した。
[プロトン磁気共鳴スペクトルを、D6-DMSO中において、特に指示がない限り、30
0 MHzの磁場強度でVarian Gemini 2000分光計を用いて、または250 MHzの磁場強
度でBrucker AM250分光計を用いて決定した;化学シフトは、CDCl3を使用した場
合テトラメチルシランを内部標準として用いたが、D6-DMSOを使用したときは内
部シグナルを内部標準として用い、低磁場ppmあたりで(δスケール)で表した
;そして、ピーク多重度は以下のように示した:s,シングレット;d,ダブレット
;dd,ダブレットのダブレット;ddd,ダブルダブレットのダブレット;t,トリプ
レット;q,カルテット;dq,カルテットのダブレット;m,マルチプレット;br,ブ
ロード;高速原子衝撃(FAB)質量スペクトルデータは、Platform分光計(Micro
mass供給)を用い、エレクトロスプレー中稼働させ、陽イオンデータまたは陰イ
オンデータを適宜収集することにより、得られた];
vi) 中間体は全般的には完全には特徴付けられなかった。そして純度は通常薄
層クロマトグラフィー、赤外線(IR)、マススペクトル(MS)またはNMR分析で
評価した;
そして
vii) 以下の略称を用いた:
DMF N,N-ジメチルホルムアミド;
THF テトラヒドロフラン;
TFA トリフルオロ酢酸;
DMSO ジメチルスルホキシド;
CDCl3 重水素化クロロホルム;
CI 化学イオン化;
DMPU 1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン
(N,N-ジメチルプロピレン尿素)
実施例1
(5R)-5-アジドメチル-3-(3-フルオロ-4-{4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル}
フェニル)オキサゾリジン-2-オン(820mg)を乾性DMF(20ml)に溶解し、そして
その溶液をアルゴンでパージする。パラジウム(炭素上10%、164 mg)を加え、
そしてその混合物を室温で風船の中に拘束した水素下で2時間撹拌した。ピリジ
ン(0.38ml)および無水酢酸(0.44ml)を加え、そしてその混合物を室温で16時
間撹拌した。混合物をエバポレーションして乾燥させ、ジクロロメタン中のメタ
ノール(0〜5%)極性増加の勾配を溶離液としてもちいてクロマトグラフ分離
(シリカ上)した。関連のある画分を合わせ、そしてエバポレートすることによ
りN-(5S)-[3-(3-フルオロ-4-{4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)-
2-オキソオキサゾリジン-5-イルメチル]アセトアミド(350mg)を得た。
出発物質として使用された(5R)-5-アジドメチル-3-(3-フルオロ-4-{4-メチル-3-
オキソピペラジン-1-イル}フェニル)オキサゾリジン-2-オンは以下のようにして
得た:
1-tert-ブトキシカルボニル-3-オキソピペラジン(Tetrahydron Lett.(1980),21
(32),3019−20を合成の概要として参照、5g)を乾性DMF(75ml)中に溶解し、
カリウムtert-ブトキシド(3.08g)を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌し
、そしてヨードメタン(3.9g)を加え、そして同じ温度で2.5時間撹拌を続けた
。溶媒をエバポレートし、そして残渣を、イソヘキサン中の酢酸エチル(0〜10
0%)の極性増加の勾配を溶離液として用いることによりクロマトグラフィー分
離(シリカ上)した。関連のある画分を合わせ、エバポレーションすることによ
り1-tert-ブトキシカルボニル-4-メチル-3-オキソピペラジン(3.92g)を得た。
1-tert-ブトキシカルボニル-4-メチル-3-オキソピペラジン(3.87g)をトリフル
オロ酢酸(80 ml)に溶解し、混合物を室温で2時間撹拌する。溶媒をエバポレ
ートして1-メチル-2-オキソピペラジンをいくらかの過剰量のトリフルオロ酢酸
を含むトリフルオロ酢酸塩として得られた。
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(11.5ml)および1-メチル-2-オキソピペラジ
ン(4.12g)を3,4-ジフルオロニトロベンゼン(1.82ml)のアセトニトリル(100
ml)溶液に加え、この混合物を還流させながら16時間加熱した。溶媒をエバポ
レートし、残渣をイソヘキサン中の酢酸エチル(0〜100%)の極性の増加の勾
配を溶離液として用いることによりクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。
関連する画分を合わせ、そしてエバポレートして3-フルオロ-4-(4-メチル-3-オ
キソピペラジン-1-イル)ニトロベンゼン(3.37g)を得た。
3-フルオロ-4-(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)ニトロベンゼン(3.33g)
をDMF(40ml)とメタノール(10ml)との混合物に溶解させ、アルゴンでフラッ
シュした。蟻酸アンモニウム(4.15g)を加え、そして混合物を5℃に冷却した
。パラジウム(炭素上10%、104 mg)を加え、混合物をアルゴン存在下2時間撹
拌しながら、温度を室温まで上昇させた。溶媒をエバポレートして、空気に敏感
な生成物、5-アミノ-2-(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)フルオロベンゼ
ンを得、これをこの次の段階で使用した。
5-アミノ-2-(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)フルオロベンゼン(2.94g)
をアルゴン存在下乾性DMF(40ml)に溶解し、溶液を-20℃に冷却した。N,N-ジメ
チルアニリン(2.1ml)を加え、次いでベンジルクロロホルメート(2.07ml)を添加
し、そして混合物を-20℃で10分間撹拌した。温度を16時間にわたって室温まで
上昇させた。混合物を酢酸エチルで希釈し水で2回洗浄した後、ブラインで洗浄
した。乾燥(MgSO4)後、溶媒をエバポレートして、残渣をジクロロメタン中の
メタノール濃度(0〜5%)の極性の増加の勾配を溶離液として用いることによ
りクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。関連する画分を合わせ、そしてエ
バポレートすることにより、5-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(4-メチル-3
-オキソピペラジン-1-イル)フルオロベンゼン(4.6g)を得た。
5-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)
フルオロベンゼン(4.5g)をアルゴン存在下乾燥THF(100ml)に溶解し、
溶液を−78℃にまで冷却した。温度を−60℃に保ちながら、n-ブチルリチウム(
8.67 ml,1.6 Mヘキサン溶液)溶液をこれに加える。混合物を5分間撹拌し、(R)
-グリシジルブチレート(1.86 ml)を加えた。撹拌を−78℃で30分間継続し、溶
液の温度を16時間にわたって室温まで上昇させた。混合物を乾燥状態にまでエ
バポレートし、次いでジクロロメタンで処理した。混合物を濾過し、(5R)-3-(3-
フルオロ-4-{4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)-5-ヒドロキシメ
チルオキサゾリジン-2-オン(409mg)を得た。残りの有機溶液を水で二回洗浄し
その後ブラインで洗浄した。乾燥(MgSO4)後、そして溶媒を、エバポレートし
、残渣をジクロロメタン中のメタノール(0〜6%)の極性の増加の勾配を溶離
液として用いることによりクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。関連する
画分を合わせ、そしてエバポレートし、(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-メチル-3-オ
キソピペラジン-1-イル}フェニル)-5-ヒドロキシメチルオキサゾリジン-2-オ生
成物(535mg)をさらに得た。(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)-5-ヒ
ドロキシメチルオキサゾリジン-2-オン(900mg)をピリジン(20ml)中に溶解し
、0℃に冷却する。トリエチルアミン(0.5ml)および塩化メタンスルホニル(0
.24 ml)を加え、そして撹拌を5℃で2時間継続する。溶媒をエバポレートし、
そして残渣を、ジクロロメタン中のメタノール(0〜3%)の極性の増加の勾配
を溶離液として用いることによりクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。
関連する画分を合わせ、そしてエバポレートして(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-メチ
ル-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)-5-(メタンスルホニルオキシメチル)
オキサゾリジン-2-オン(990mg)を得た。
アジ化ナトリウム(924mg)を、(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-メチル-3-オキソピペ
ラジン-1-イル}フェニル)-5-(メタンスルホニルオキシメチル)オキサゾリジン-2
-オン(950mg)乾燥DMF溶液に加え、そしてこの混合物を75℃で2時間加熱する
。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で3回分洗浄する。次いで水層を酢酸エチル
で2回逆抽出し、そして合わせた有機層抽出物をMgSO4で乾燥させた。エバポレ
ーションにより(5R)-5-アジドメチル-3-(3-フルオロ-4-{4-メチル-3-オキソピペ
ラジン-1-イル}フェニル)オキサゾリジン-2-オン生成物を得、これをさらなる精
製なしに次の段階で使用した。 実施例2
(5R)-5-アジドメチル-3-(3-フルオロ-4-{4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル}
フェニル)オキサゾリジン-2-オン(750mg)をDMF(5ml)および酢酸エチル(10m
l)の混合物中に溶解し、そして溶液をアルゴンでパージした。パラジウム(炭
素上10%、150 mg)を加え、続いて無水酢酸(0.4ml)を加え、そしてその混合物
を室温で風船の中に拘束した水素下で2時間撹拌した。混合物をセライトを通し
て濾過し、エバポレートして乾燥させ、そしてジクロロメタン中のメタノール(
0〜10%)の極性の増加の勾配を溶離液として用いることによりクロマトグ
ラフィー分離(シリカ上)した。関連する画分を合わせ、そしてエバポレートし
、そして残渣をアセトニトリルから結晶化することにより精製し、N-(5S)-[3-(3
-フルオロ-4-{4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)-2-オキソオキサ
ゾリジン-5-イルメチル]アセトアミド(145mg)を得た。
出発物質として使用された(5R)-5-アジドメチル-3-(3-フルオロ-4-{4-エチル-3-
オキソピペラジン-1-イル}フェニル)オキサゾリジン-2-オンは以下のように調製
した:
1-tert-ブトキシカルボニル-3-オキソピペラジン(7.5g)を乾DMF(250ml)に溶解
させ、そしてカリウムtert-ブトキシド(8.4g)を加えた。混合物を室温で30分
間撹拌し、そしてヨードエタン(3.3ml)を加え、同じ温度で24時間撹拌を続け
た。さらに等量のヨードエタンを加え、24時間撹拌を続けた。溶媒をエバポレー
トし、そして残渣を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層を水で洗浄しエバ
ポレートし、そしてイソヘキサン中のイソプロパノール(0〜25%)の極性の増
加の勾配として用いて、クロマトグラフィー(シリカ上)で精製した。関連する
画分を合わせ、そしてエバポレートして1-tert-ブトキシカルボニル-4-エチル-3
-オキソピペラジン(6.0g)を得た。
1-tert-ブトキシカルボニル-4-エチル-3-オキソピペラジン(5.9g)をジクロロメ
タン(100ml)に溶解し、氷浴で冷却し、トリフルオロ酢酸(145 ml)を加えた。
混合物を同温で2時間撹拌した。溶媒をエバポレートし1-エチル-2-オキソピペ
ラジン生成物を3モルのトリフルオロ酢酸との塩として得た。
1-エチル-2-オキソピペラジン(3TFA塩、10.5g)をアセトニトリル(200ml)に
溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(19.5ml)、次いで3,4-ジフルオロニ
トロベンゼン(2.25ml)を加えた。混合物を還流下で18時間加熱した。溶媒をエ
バポレートし、残渣をジクロロメタン中のメタノール(0〜4%)の極性の増加
の勾配を溶離液として用いることによりクロマトグラフィー分離(シリカ上)し
た。関連する画分を混合し、そしてエバポレートしてN,N-ジイソプロピルエチル
アミントリフルオロ酢酸を若干含む固体を得た。この固体を酢酸エチルに溶解し
、水でよく洗浄することにより精製した。有機層をエバポレートし、3-フルオロ
-4-(4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル)ニトロベンゼンを固体として得た。3-フルオロ-4-(4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル)ニトロベンゼン(3.4g)を
酢酸エチル(200ml)に溶解し、溶液をアルゴンでフラッシュした。パラジウム
(炭素上10%、180 mg)を加え、そしてその混合物を室温で水素化した。ガスの
取り込みが終わった後、混合物をセライトを通して濾過し、溶媒をエバポレート
し5-アミノ-2-(4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル)フルオロベンゼンを得、
これをさらなる精製をすることなく使用した。
5-アミノ-2-(4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル)フルオロベンゼン(2.95g)を
アルゴン下で乾性ジクロロメタン(50ml)に溶解した。ピリジン(1.26ml)を加え、
混合物を−20℃に冷却した。ベンジルクロロホルメート(1.95ml)を加え、混合物
を−20℃で10分間撹拌し、その後温度を1.5時間にわたって室温まで上昇させた
。溶媒をエバポレートし、残渣をジクロロメタンに溶解しそして重炭酸ナトリウ
ム溶液で洗浄した。乾燥(MgSO4)後、溶媒をエバポレートし、残渣をジクロロメ
タン中のメタノール(0〜4%)の極性の増加の勾配を溶離液として用いること
によりクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。関連する画分を合わせ、そし
てエバポレートして5-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(4-エチル-3-オキソ
ピペラジン-1-イル)フルオロベンゼン(3.3g)を得た。
5-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル)
フルオロベンゼン(3.25g)を、アルゴン下で乾性THF(100ml)に溶解した。溶液を
−78℃に冷却し、そして溶液の温度を−60℃以下に保ちながらn-ブチルリチウム
溶液(ヘキサン中1.6M、6.02ml)で処理した。撹拌を促進させるために、得られ
た混合物に1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミドン(DMPU,10ml)
を加え、(R)-グリシジルブチレート(1.29ml)を加えた。撹拌を−78℃で30分間継
続し、その後16時間にわたって室温まで上昇させた。重炭酸ナトリウム溶液(50m
l)を加え、続いて酢酸エチルを2層を形成するために充分な量で加えた。有機層
を分離し、水で2回洗浄した後、乾燥(MgSO4)し、そしてエバポレートした。残
渣をジクロロメタン中のメタノール(0〜6%)の極性の増加の勾配を溶離液と
して用いることによりクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。関連する画分
を合わせ、そしてエバポレートして(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-エチル-3-オキソ
ピペラジン-1-イル}フェニル)-5-ヒドロキシメチルオキサゾリジン-2-オン(990m
g)を得た。
(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)-5-ヒ
ドロキシメチルオキサゾリジン-2-オン(830mg)をピリジン(20ml)中に溶解させ、
0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.41ml)および塩化メタンスルフォニル(0.2
1ml)を加え、そして2時間室温で撹拌した。溶媒をエバポレートし残渣を酢酸エ
チルに溶解した。得られた溶液を水で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、エバポレート
し(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)-5-(
メタンスルホニルオキシメチル)オキサゾリジン-2-オン(1.0g)を得、これをさら
なる精製することなく使用した。(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-エチル-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)-5-(メ
タンスルホニルオキシメチル)オキサゾリジン-2-オン(950mg)を乾性DMF(30ml)中
に溶解させ、アジ化ナトリウム(893mg)を加えた。混合物を80℃で5時間加熱し
、そしてエバポレートして乾燥させた。残渣を酢酸エチルに溶解した。得られた
溶液を水で洗浄し、乾燥(MgSO4)させた。こうして得られた粗生成物をジクロロ
メタン中のメタノール(0〜6%)の極性の増加の勾配を溶離液として用いるこ
とによりクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。関連する画分を合わせ、そ
してエバポレートして(5R)-5-アジドメチル-3-(3-フルオロ-4-{4-エチル-3-オキ
ソピペラジン-1-イル}フェニル)オキサゾリジン-2-オン(777mg)を得た。
実施例3
(5R)-5-アジドメチル-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-メトキシエチル)-3-オキソピペラ
ジン-1-イル}フェニル)オキサゾリジン-2-オン(750mg)を酢酸エチル(15ml)に溶
解し、溶液にアルゴンでパージした。パラジウム(炭素上10%、150 mg)を加え
、無水酢酸(0.36ml)を加え、その混合物を室温にて、風船の中に拘束した水素下
で2時間撹拌した。混合物をセライトを通して濾過し、エバポレートして乾燥さ
せ、そしてジクロロメタン中のメタノール(0〜5%)の極性の増加の勾配を溶
離液として用いることによりクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。関連す
る画分を合わせ、そしてエバポレートしてN-(5S)-[3-(3-フルオロ-4-{4-(2-メト
キシエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5
-イルメチル]アセトアミド(228mg)を得た。
出発物質として用いられた(5R)-5-アジドメチル-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-メトキ
シエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)オキサゾリジン-2-オンは以下
のようにして調製した:
1-tert-ブトキシカルボニル-3-オキソピペラジン(7.5g)を乾性DMF(250ml)中に溶
解し、カリウムtert-ブトキシド(8.4g)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し
、次いで1-ブロモ-2-メトキシエタン(3.9ml)を加え、同温で24時間撹拌を継続し
た。さらに等量の1-ブロモ-2-メトキシエタンを加え、撹拌を24時間継続した。
溶媒をエバポレートし残渣を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層を水で洗
浄しエバポレートして、1-tert-ブトキシカルボニル-4-(2-メトキシエチル)-3-
オキソピペラジン(6.7g)を得、これをさらなる精製をすることなく使用した。
1-tert-ブトキシカルボニル-4-(2-メトキシエチル)-3-オキソピペラジン(6.6g)
をジクロロメタン(100ml)に溶解し、得られた溶液を氷浴中で冷却し、そしてト
リフルオロ酢酸(145ml)を加えた。混合物を同温で2時間撹拌した。溶媒をエバ
ポレートし1-(2-メトキシエチル)-2-オキソピペラジンの生成物を4モルトリフ
ルオロ酢酸との塩として得た。1-(2-メトキシエチル)-2-オキソピペラジン(4TFA塩,13.5g)をアセトニトリル(20
0ml)中に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(22.6ml)、次いで3,4-
ジフルオロニトロベンゼン(2.2ml)を加えた。混合物を還流させて18時間加熱
した。溶媒をエバポレートし、残渣をジクロロメタン中のメタノール(0〜4%
)の極性の増加の勾配を溶離液として用いることによりクロマトグラフィー分離
(シリカ上)した。関連する画分を混合し、そしてエバポレートしてN,N-ジイソ
プロピルエチルアミントリフルオロ酢酸を若干含む固体を得た。この固体を酢酸
エチル中に溶解して精製し、そして水でよく洗浄した。有機層をエバポレートし
て3-フルオロ-4-(4-{2-メトキシエチル}-3-オキソピペラジン-1-イル)ニトロベ
ンゼン(4.07g)を固体として得た。
3-フルオロ-4-(4-{2-メトキシエチル}-3-オキソピペラジン-1-イル)ニトロベン
ゼン(4g)を酢酸エチル(200ml)とDMF(5ml)との混合液に溶解しそして溶液をアル
ゴンでパージした。パラジウム(炭素上10%、200 mg)を加え、そしてその混合
物を室温で水素化した。ガス取り込みが終了した後、混合物をセライトを通して
濾過し、溶媒をエバポレートし、5-アミノ-2-(4-{2-メトキシエチル}-3-オキソ
ピペラジン-1-イル)フルオロベンゼンを得、これをさらなる精製をせずに使用し
た。5-アミノ-2-(4-{2-メトキシエチル}-3-オキソピペラジン-1-イル)フルオロベン
ゼン(3.5g)を、アルゴン下で乾性ジクロロメタン(50ml)に溶解した。ピリジン(1
.
33ml)を加え、混合物を−20℃に冷却した。ベンジルクロロホルメート(2.06ml)
を加え、混合物を−20℃で10分間撹拌し、温度を1.5時間にわたって室温まで上
昇させた。溶媒をエバポレートし、残渣をジクロロメタンに溶解し、重炭酸ナト
リウム溶液で洗浄した。乾燥(MgSO4)および溶媒のエバポレート後、残渣をジク
ロロメタン中のメタノール(0〜4%)の極性の増加の勾配を溶離液として用い
ることによりクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。関連する画分を混合し
、そしてエバポレートして5-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(4-{2-メトキ
シエチル}-3-オキソピペラジン-1-イル)フルオロベンゼン(3.28g)を得た。
5-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(4-{2-メトキシエチル}-3-オキソピペラ
ジン-1-イル)フルオロベンゼン(3.2g)を、アルゴン下で乾性THF(100ml)中に溶解
し、−78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、5.5ml)溶液で処置し
、温度を−60℃未満に保った。撹拌を促進するため1,3-ジメチル-3,4,5,6-テト
ラヒドロ-2(1H)-ピリミドン(DMPU,10ml)を反応混合物に加え、(R)-グリシジルブ
チレート(0.93ml)を加えた。混合物を−78℃で30分間撹拌し、その後16時間にわ
たって温度を室温まで上昇させた。重炭酸ナトリウム(50ml)を加え、全体をエバ
ポレートして乾燥させた。有機物質をジクロロメタンを使用して残渣から溶解し
、ジクロロメタン中のメタノール(0〜10%)の極性の増加の勾配を溶離液とし
て用いることによりクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。関連する画分を
合わせ、そしてエバポレートして(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-メトキシエチル)
-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)-5-ヒドロキシ-メチルオキサゾリン-2-
オン(1.14g)を得た。
(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-メトキシエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル}フ
ェニル)-5-ヒドロキシ-メチルオキサゾリン-2-オン(1.0g)をピリジン(25ml)に溶
解し、そして0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.46ml)および塩化メタンスル
フォニル(0.23ml)を加え、そして室温で2時間撹拌を続けた。溶媒をエバポレー
トし、残渣を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄し、乾燥(MgSO4)およびエバポレー
トして(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-メトキシエチル)-3-オキソピペラジン-1-イ
ル}フェニル)-5-(メタンスルフォニル-オキシメチル)オキサゾリジン-2-オン(1.
01g)を得、これをさらなる精製をすることなく使用した。
(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-メトキシエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル}フ
ェニル)-5-(メタンスルフォニル-オキシメチル)オキサゾリジン-2-オン(990mg)
を乾性DMF(30ml)に溶解し、アジ化ナトリウム(868mg)を加え、混合物を80℃で4
時間加熱した。混合物をエバポレートして乾燥させ、残渣を酢酸エチルに溶解し
て水で3回洗浄した。水層を酢酸エチルで2回逆抽出し、そして有機抽出物と合
わせてMgSO4で乾燥した。エバポレートして(5R)-5-アジドメチル-3-(3-フルオロ
-4-{4-(2-メトキシエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)オキサゾリン
-2-オン(770mg)を得、これをさらなる精製をすることなく使用した。
実施例4
(5R)-5-アジドメチル-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-フルオロエチル)-3-オキソピペラ
ジン-1-イル}フェニル)オキサゾリジン-2-オン(360mg)を乾性DMF(20ml)に溶解し
、溶液をアルゴンでパージした。パラジウム(炭素上10%、72 mg)を加え、続い
て無水酢酸(0.17ml)を加え、そしてその混合物を室温で風船の中に拘束した水素
下で3時間撹拌した。混合物をセライトを通して濾過した後、エバポレートして
乾燥し、酢酸エチルと水との間に分配した。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾
燥(MgSO4)し、エバポレートした。残渣をジクロロメタン中のメタノール(0〜2
.5%)の極性の増加の勾配を溶離液として用いることによりクロマトグラフィー
分離(シリカ上)した。関連する画分を合わせ、そしてエバポレートしてN-(5S)
-[3-(3-フルオロ-4-{4-(2-フルオロエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニ
ル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イルメチル]アセトアミド(166mg)を得た。
出発物質として使用した(5R)-5-アジドメチル-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-フルオロ
エチル)-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)オキサゾリジン-2-オンは以下の
ように精製した:
1-tert-ブトキシカルボニル-3-オキソピペラジン(21.6g)を乾性DMF(500ml)に溶
解し、カリウムtert-ブトキシド(24.2g)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し
、次いで、1-(4-メトキシフェニルスルフォニルオキシ)-2-フルオロエタン(合成
の概要についてはJ .Med.Chem.(1980),23(9),985-90参照、25.9g)を加え、同
温で24時間撹拌する。溶媒をエバポレートし、残渣を酢酸エチルと水との間に分
配した。有機層を水で洗浄しエバポレートした。残渣をイソプロパノールに溶解
し、そしてイソヘキサンで希釈し、未変化のピペラジノン出発物質を沈澱させ、
これを濾過により除去した。溶液を、イソヘキサン中のイソプロパノール(0〜
50%)の極性の増加の勾配を溶離液として用いることによりクロマトグラフィー
分離(シリカ上)した。関連する画分を合わせ、そしてエバポレートして1-tert
-ブトキシカルボニル-4-(2-フルオロエチル)-3-オキソピペラジン(6.74g)を得た
。
1-t-ブトキシカルボニル-4-(2-フルオロエチル)-3-オキソピペラジン(6.65g)を
ジクロロメタン(500ml)に溶解し、氷浴中で冷却し、そしてトリフルオロ酢酸(15
0ml)を加えた。混合物を同温で2時間撹拌した。溶媒をエバポレートして粗生成
物を得、これを最少量の酢酸エチルに溶解した。ジエチルエーテルをゆっくり加
えると1-(2-フルオロエチル)-3-オキソピペラジンのモノトリフルオロ酢酸塩(6.
19g)の沈澱が得られた。
1-(2-フルオロエチル)-2-オキソピペラジンのトリフルオロ酢酸塩(6.1g)をアセ
トニトリル(100ml)中に溶解した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(13ml)を混
合物に加え、続いて3,4-ジフルオロニトロベンゼン(3.39g)を加え、そして混合
物を還流下で18時間加熱した。溶媒をエバポレートし、残渣をジクロロメタン中
のメタノール(0〜4%)の極性の増加の勾配を溶離液として用いることにより
クロマトグラフィー分離(シリカ上)した。関連する画分を合わせ、そしてエバ
ポレートして3-フルオロ-4-(4-{2-フルオロエチル}-3-オキソピペラジン-1-イル
)ニトロベンゼン(4.4g)を固体として得た。
3-フルオロ-4-(4-{2-フルオロエチル}-3-オキソピペラジン-1-イル)ニトロベン
ゼン(4.35g)を酢酸エチル(250ml)およびDMF(5ml)の混合液に溶解し、そして、溶
液をアルゴンでフラッシュした。パラジウム(炭素上10%、200 mg)を加え、そ
してその混合物を室温で水素化した。ガス取り込みが終了後、混合物をセライト
を通して濾過し、そして溶媒をエバポレートした。残渣を酢酸エチル中に取り込
み、水で2回洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そしてエバポレートして5-アミノ-2-(4-{
2-フルオロエチル}-3-オキソピペラジン-1-イル)フルオロベンゼン生成物を得、
これをさらなる精製をすることなく使用した。
5-アミノ-2-(4-{2-フルオロエチル}-3-オキソピペラジン-1-イル)フルオロベン
ゼン(2.6g)をアルゴン下で乾性ジクロロメタン(50ml)に溶解した。ピリジン(1.0
3ml)を加え、混合物を−20℃に冷却した。ベンジルクロロホルメート(1.6ml)を
加え、混合物を−20℃で10分間撹拌し、その後温度を1.5時間にわたって室温ま
で上昇させた。溶媒をエバポレートし、残渣をジクロロメタンに溶解し、そして
重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。乾燥(MgSO4)後、溶媒をエバポレートし、残
渣をジクロロメタン中のメタノール(0〜5%)の極性の増加の勾配を溶離液と
して用いることによりクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。関連する画分
を合わせ、そしてエバポレートして5-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(4-{2
-フルオロエチル}-3-オキソピペラジン-1-イル)フルオロベンゼン(3.43g)を得た
。
n−ブチルリチウムを、撹拌されているtert-ブタノール(0.43g)の無水THF溶液(
10ml)にアルゴン下-10℃でリチウムtert-ブトキシドの溶液を加えることにより
調製した。-70℃に冷却した後、5-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(4-{2-フ
ルオロエチル}-3-オキソピペラジン-1-イル)フルオロベンゼン(1.5g)の乾性THF(
15ml)溶液に加えた。10分後、(R)-グリシジルブチレート(0.67g)の乾性THF溶液(
15ml)を得られた混合物に加え、-70℃で15分間撹拌を続けた後、温度を16時間に
わたって室温まで上昇させた。メタノール(10ml)を加え、続いて飽和重炭酸ナト
リウム溶液(20ml)および、水(10ml)を加えた。有機層を酢酸エチル(25mlで3回)
で抽出し、ブラインで洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。溶媒をエバポレートし
、そして残渣をジクロロメタン中のメタノール(0〜3%)の極性の増加の勾配
を溶離液として用いることによりクロマトグラフィー分離(シリカ上)した。関
連する画分を合わせ、そしてエバポレートして(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-フ
ルオロエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル}フェニル)-5-ヒドロキシメチルオキ
サゾリジン-2-オン(1.07g)を得た。
(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-フルオロエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル}フ
ェニル)-5-ヒドロキシメチルオキサゾリン-2-オン(0.8g)をピリジン(15ml)に溶
解し、混合物を0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.38ml)およびメタンスル
ホニルクロリド(0.19ml)を混合し、添加し、そして室温で2時間撹拌した。溶
媒をエバポレートし残渣をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄し、ブラインで洗
浄し、乾燥(MgSO4)し、そしてエバポレートした。ジエチルエーテルで残渣を
粉末化(triturate)し、(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-フルオロエチル)-3-オキ
ソピペラジン-1-イル}フェニル)-5-(メタンスルホニルオキシメチル)-オキサゾ
リン-2-オン(0.76g)を得、これをさらなる精製をすることなく使用した。
(5R)-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-フルオロエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル}フ
ェニル)-5-(メタンスルホニルオキシメチル)-オキサゾリジン-2-オン(719mg)を
乾性DMF(15ml)に溶解し、アジ化ナトリウム(647mg)を混合物に加えた。混合物を
80℃で6時間加熱し、次いでエバポレートし乾燥した。得られた残渣を酢酸エチ
ルに溶解し、水で2回洗浄し、そして乾燥(MgSO4)した。エバポレートして(5R)-
5-アジドメチル-3-(3-フルオロ-4-{4-(2-フルオロエチル)-3-オキソピペラジン-
1-イル}フェニル)オキサゾリジン-2-オン(413mg)を得、これをさらなる精製をす
ることなく使用した。
実施例5
以下は、ヒトにおいて治療的または予防的利用のための、式Iの化合物またはそ
の薬学的に受容可能な塩(以下化合物Xとする)を含む代表的薬学投与形式図式化
する。
緩衝液、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロールま
たはエタノールのような薬学的に受容可能な共溶媒、あるいはヒドロキシプロピ
ルβシクロデキストリンのような複合剤は処方を助けるために使われ得る。
注
上記の処方物は薬学当業者において周知である従来からの手順で得られ得る。錠
剤(a)〜(c)は例えば酢酸セルロースフタレートのコーティングを提供するために
、従来の手段により腸管コーティングされ得る。
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