JP2000503453A - 電気化学セルにおける、またはそれに関する改良 - Google Patents

電気化学セルにおける、またはそれに関する改良

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Abstract

(57)【要約】 電気化学セル内で使用するための新規な積層材料、ならびに、その積層材料を生成するための方法、およびその積層材料を正電極として有するセルを提供する。この材料はQqMnyz2の形であり、ここでQおよびMは各々、いずれかの元素であり、yは0より大きい数であり、qおよびzはそれぞれ0に等しいかまたはそれより大きい数であり、その材料は積層構造を有する。酸化マンガン材料を調整するための方法が提供される。これは、イオン交換反応またはイオン除去反応を使用する。この材料を電気化学セルに使用する例を示す。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称:電気化学セルにおける、またはそれに関する改良 発明の分野 この発明は電気化学セルに関し、電気化学セルにおいて使用するための新規な 積層材料、積層材料を生成するための方法、および、正電極として積層材料を有 するセルに関する。発明の背景 電気化学セルは通常、負電極、正電極、および両電極の間に配された電解質を 有する。電解質は、2つの電極の間でイオンが伝導されるよう、かつしたがって 電流が発生するように選択される。電気化学セルの一例は、充電式電池である。 そのような充電式電池において正電極として酸化リチウムコバルトLiCoO2 等の積層材料を使用することは広く行き渡っている。積層材料LiCoO2は互 いに積重ねられた酸素イオンのシートからなる。酸素の第1の層と第2の層との 間にはコバルトイオンが配され、酸素の第2の層と第3の層との間にはリチウム イオンが配される。充電式電池においてLiCoO2を使用することにより、ニ ッケル−カドミウム等の従来の充電式電池で可能であったよりも単位重量および 単位容積当りより大量のエネルギを蓄積することが可能になる。しかし、LiC oO2は、いくぶん有害でありそのエネルギ蓄積容量は限られており、それを生 成するためのコバルトを含む材料が高価でありかつ希であるという欠点を有する 。 LiNiO2およびLiFeO2等の、LiCoO2 と同様の積層構造を有する 他の化合物を使用する試みがなされてきている。EP 0 017 400号は 、α−NaCrO2の構造の層を有する化合物の範囲を開示している。しかし、 この発明に従った材料の製法は教示されておらず達成することは不可能であった 。例として、E.Rossen,C.D.W.Jones,および J.R.Dahn による“Structure a ndelectrochemistry of LixMnyNi1-yO2”,Solid State Ionics,57(1992)311 -318を参照されたい。 この発明の1つの目的は、電気化学セル内で使用することが可能な、新規な積 層された酸化マンガン材料を提供することである。発明の概要 この発明の1局面に従って、酸化マンガン材料が提供される。この材料はQq Mnyz2の形であり、ここでQおよびMは各々いずれかの元素であり、yは 0より大きい数であり、qおよびzは各々、0に等しいかまたはそれより大きい 数であり、この材料は積層構造を有する。 積層構造とは、イオンが互いに積重ねられた一連のほぼ平らな層またはシート 内に配されている構造である。一般に、各層は特定の1元素のイオンを含むが、 Mnイオンの層は、もしあれば、Mイオンを含む場合もある。したがって、zが 0に等しくかつqが0よりも大きい場合には、その層状物はQイオンの層とMn イオンの層とによって交互に隔てられた酸化イオンのシートからなる。すなわち 、層は、酸化イオンの層、Mnイオンの層、酸化イオンの層、Qイオンの層、お よび酸化イオンの層の順であり、これが構造全体を通じて繰返される。 zが0に等しくない場合、y+zが1に等しく選ばれることが好ましい。この ような材料において、MイオンはMnの層におけるサイトを占有する。 Qは好ましくは、I族の元素、すなわちK、Li、Rbから選ばれる。 zが0に等しくない場合、元素Mは典型的に、II族の元素、遷移元素から、 または、III族の元素から選ばれる。好適な元素には、Be,Mg,Ca,Sc ,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Ga,Pが含まれる 。 したがって、この発明に従った特に好ましい材料においては、QはRb、K、 またはLi等のアルカリ金属イオンであり、Mは遷移金属イオンである。 好ましくはQはLiとして選択され、それにより、その材料はLiwMnyz 2の形となる。ここで、wは0より大きい数である。 この積層構造は、好ましくは、菱面体晶よりも低い結晶対称を有する。この積 層構造のための好ましい対称は単斜晶である。単斜晶構造は1つの二回回転軸お よび/または1つの対称面を有する。その単位セルは3つの不等軸を有し、1つ の軸が斜角βをなす他の2つの軸に垂直である。このような構造において、Mn イオンは、最も近傍のすべての酸化イオン、すなわち、隣接する上方層における 3つの酸化イオンおよび隣接する下方層における3つの酸化イオンと等しく間隔 をおかれているのではなく、等間隔から歪められて、Mn−Oの結合距離がばら つくようにされている。これに等価であるのが、たとえばリチウムイオン等の他 のイオンの層で隔てられたMnO6多面体の層を含む積層構造である。 好ましくはこの材料は積層された単斜晶構造を有する、LiMnO2である。 簡単な代替例として、この材料はMny2の形であってもよい。ここで、層は 酸化イオンの層およびMnイオンの層の順であり、これが構造全体を通じて繰返 される。この材料の積層構造は菱面体晶であり、ここで、Mnイオンは最も近傍 のすべての酸化イオン、すなわち、隣接する上方層内の3つの酸化イオンおよび 隣接する下方層内の3つの酸化イオンとは等しい間隔をおかれている。これによ り、Mn−Oの結合距離は一定となる。これに等価なのが、MnO6八面体の連 続する層を含む積層構造である。 この発明のさらに別の局面に従って、この発明の酸化マンガン材料を調整する ための方法が提供される。この方法は、中間材料XxMnyz2(ここでXはリ チウム以外のI族の元素であり、Mはいずれかの元素、xおよびyはそれぞれ0 よりも大きい数、zは0に等しいかまたはそれより大きい数である)を、リチウ ムイオンを含む反応物でイオン交換反応によって処理し、それにより、Xをリチ ウムで置換してLiwMnyz2 の形の材料を生成するステップを含む。ここ でwは0より大きい数であり、この材料は積層構造を有する。 好ましくはXとしてNaが選ばれ、それにより、その中間材料はNaxMnyz2の形となる。 より好ましくは、yは1に等しくかつzは0に等しい。それにより、中間材料 はNaMnO2 の形となる。このような中間材料を使用することによって、上述 のような積層された単斜晶構造を有する、LiMnO2 の形の積層材料が生成さ れる。 上記反応物は、LiBrまたはLiCl等のいかなる好適なリチウム塩であっ てもよい。好ましくは、イオン交換反応は、反応物と中間材料を還流の下で加熱 することによって達成される。典型的に、n−ペンタノール、n−ヘキサノール またはn−オクタノールが還流剤として使用され、ここで還流期間は6〜8時間 である。 この発明のさらに別の局面に従って、この発明の酸化マンガン材料を調整する ための方法が提供される。この方法は、前駆体材料QqMnyz2(ここでQお よびMは各々いずれかの元素、qおよびyは各々、0より大きい数、ならびに、 zは0に等しいかまたはそれより大きい数である)を、イオン除去反応を行なう ことによって処理し、それにより、Qを取除いて、積層構造を有するMnyz2 の形の材料を生成するステップを含む。 イオン除去は、電気化学セルの作用電極として前駆体材料を使用して、電気化 学抽出によって有利に達成される。これは、Mny2の形の材料を調整するのに 特に有利である。これらの材料を調整するために、Qは好ましくはNa、K、R b等のI族の元素から選ばれる。Mny2はその後、リチウムを挿入してLiw Mny2を生成するよう処理されてもよい。 この発明の別の局面に従って、電気化学セルが提供される。このセルにおいて 、正電極はLiqMnyz2の形であり、ここで、Mはいずれかの元素、yは0 より大きい数であり、qおよびzは各々、0に等しいかまたはそれより大きい数 である。電極にマンガンを使用することで、コバルトまたはニッケルを使用する 必要がなくなる。これは、マンガンがコバルトやニッケルに比べて有害ではなく 、より豊富でありかつより安価であるために有利である。 好ましくはyおよびqは1に等しく、かつzは0に等しい。これにより、好ま しい電極材料はLiMnO2となる。 充電式電池は、この発明を使用することができる電気化学セルの一例である。 次に、この発明について、添付の図面を参照して例示することにより説明する 。 図中: 図1は、この発明に従った方法から得られた材料の、観察された回折データ、 および、積層単斜晶モデルを仮定した場合の、理論的な回折パターンの適合を示 す。 図2は、この発明に従った方法から得られた材料の観察された回折データ、お よび、正方晶スピネルモデルを仮定した場合の、理論的回折パターンの適合を示 す。 図3は、単斜晶積層モデルを仮定した、LiMnO2の表現を示す。 図4は、正方晶スピネルモデルを仮定した、LiMnO2の表現を示す。 図5は、Li1-xMnO2を使用する電気化学セルの、1−xの変化に伴う電圧 応答を示す。 図6は、セルの連続する放電サイクルにおける当初の放電容量のパーセンテー ジを示す。詳細な説明 例1 この発明の好ましい実施例である材料LiMnO2について、例示により以下 に説明する。材料LiMnO2の調整、および、電気化学セルのための電極とし てのその材料の構造および特性の実験による証明について記載する。LiMnO2の調整 LiMnO2の調整には以下の2段階が必要であった: 1) 中間材料、すなわち酸化ナトリウムマンガンNaMnO2の調整、およ び 2) イオン交換反応。 段階1)は、概して文献より知られている。Fuchs and Kemmler-Sack,SolidS tate Ionics 68,279,1994を参照。炭酸ナトリウムNa2CO3および酸化マン ガン(III)Mn23の化学量論的な量を計り、完全に混ぜ、アセトンの下でめ のう乳鉢および乳棒ですり潰して、均質な混合物を得る。その後アセトンを蒸発 させ、混合物をるつぼに移して、環状炉内で流体アルゴンの下、700〜730 ℃で18〜72時間加熱する。結果として得られる材料が確実に最良の密度およ び均一性を得られるようにするのに最適な加熱時間は48時間である。 加熱後、サンプルを炉内で冷却し、その後、炉から取出す。結果として得られ たNaMnO2の相の純度は、粉末X線回折によって確認した。NaMnyz2 の形の材料(ここで、M=Be,Mg,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Fe,C o,Ni,Cu,Zn,Al,Ga,P等)は、Mn23のいくつかを適切な酸 化物を使用して置換することにより調整することが可能である。 段階2)において、10から15倍の過剰の塩化リチウムLiCl、この場合 5g、または、臭化リチウムLiBr、この場合10gを、n−ペンタノール、 n−ヘキサノール、またはn−オクタノールのいずれか100mlを含む丸底フ ラスコに加える。先に調整したNaMnO2を1g、このフラスコ内の混合物に 加え、コンデンサを取付けて、混合物を6〜8時間の間、還流の下で加熱する。 還流温度は、n−ペンタノールについては約130℃、n−ヘキサノールでは1 45〜150℃であり、n−オクタノールでは180〜185℃である。室温に 冷却した後に、この生成物を吸引下で濾過し、その後まず適切なアルコールで、 次にエタノールで洗浄して、最終的に乾燥させる。結果として得られた生成物材 料の相の純度は、粉末X線回折によって確認した。 この方法に従って生成された生成物の構造を、その後、中性子回折によって判 定した。この方法による構造の判定には生成物の代表的なサンプルから観察され た回折データが必要であり、そのデータを種々の構造モデルに関する理論的回折 データと比較せねばならない。正しい構造モデルは、理論データと観察されたデ ータの間に最良の適合を示す。典型的に、実験モデルは、よく似た分類の化合物 の構造を調べることによって、または、その生成物を形成した化合物の構造から 選択される。 上述の方法から形成された材料の構造を分析するために、2つのモデルの試験 を行なった。第1のモデルは、親であるNaMnO2の積層された単斜晶構造が イオン交換反応後にも保持されると仮定した。第2のモデルは、正方晶スピネル 構造が、すなわち、上述のコバルトまたはニッケル化合物のような積層構造では なく完全に異なる三次元構造がLi2Mn24によって採用されたものと仮定し た。過去にもLiMnO2の組成を有する他の化合物が調整されていたが、それ らは完全に異なる構造を有したことを理解されたい。斜方晶系LiMnO2、低 温「斜方晶系」LiMnO2、および正方晶スピネルLi2Mn24を製造するこ とが可能であることは公知である。 飛行時間型粉末中性子回折データが、Rutherford Appleton Laboratory にお いて、ISISパルスソースで、POLARISの強度が高く中程度の解像度の 回折計によって集められた。構造分析のためには、検出器の最も高い解像度の後 方散乱バンクよりのデータを使用した。 観察された回折データを、2つのモデルのそれぞれについて、理論的データと 比較した。単斜晶積層構造に関する実際のデータおよび理論的データの適合を、 図1に示す。図3は、このモデルがLiMnO2に関連すると考えた場合のこの モデルの表現を示し、MnO6の多面体が示され、Liイオンが円で示されてい る。図3に示した構造は、上述のように、積層されておりかつLiCoO2の構 造に関連している。しかしながら、ヤーン−テラーの活性イオンMn3+の存在に より、この構造はLiCoO2の構造から歪められている。主要な差は、この結 晶対称が菱面体晶(LiCoO2)から単斜晶(LiMnO2)に低められている ことである。MnO6多面体は、CoO6多面体よりも低い対称を有するが、これ は、MnO6多面体がCoO6の多面体と比較して相当に歪められているためであ る。CoO6多面体は八面体である。下の表1は、単斜晶構造を使用した場合の 、この材料内の原子の相対サイト占有および位置を示す。 正方晶(Li2Mn24スピネル)構造の場合の実際のデータおよび理論的デ ータの適合を、図2に示す。図4は、LiMnO2に適用されるこのモデルの表 現を示す。MnO6多面体が示され、Liイオンは明るい円で、Mnイオンは暗 い点で示される。下の表2は、このモデルが適用された場合の原子の相対サイト 占有および位置を示す。 表1および表2に提示した分析ならびに図1および図2から理解されるように 、最良の適合、すなわちχ2値およびR値を参照して最もエラーが少ない適合は 、単斜晶構造について得られる。この発明に従った方法は、したがって、単斜晶 の積層されたLiMnO2を生成している。 次に、電気化学セル内の単斜晶LiMnO2の性能を観察した。LiMnO2の 特性に関する観察は、リチウム金属カウンタおよび基準電極を含む3つの電極セ ルを使用して行なった。作用電極、すなわち正電極は、粉末LiMnO2(80 %)、カーボンブラック(13.3%)およびPTFE(6.7%)を金属グリ ッド上に圧縮することによって製造した。電解質は、プロピレンカーボネイト内 で溶解されたLiClO4であった。LiClO4は、真空の下、150℃で加熱 することによって厳密に乾燥され、溶媒は、Fischer HMS 500C蒸留装 置を使用して90理論段で蒸留された。プロピレンカーボネイト内に1M Li ClO4の電解液を有するセルは、10μAcm-2の電流で充電にかけられた。 リチウム含量の関数としてのこのセルの結果としての電圧を、図5に示す。電 圧プラトーが2つ見られる。すなわち、Li+(1M)/Liに対して、3.4 Vにおいて1つ、および4Vにおいて今1つのプラトーが見られる。1−x=0 、すなわちMnO2に対して、最大電圧4.1Vが得られる。このヤルは、電位 限界3.4Vと4.3Vとの間で0.5mAcm-2の定電流で循環されて、充電 式電池の動作がシミュレートされた。このサイクルデータを図6に示す。ここで 、連続する各サイクルについて当初の放電容量のパーセンテージを示す。図から 、サイクルの経過につれて容量が低下することがわかる。しかし、この電圧範囲 は 最適化されておらず、2つのプラトーを含む。図6は、リチウムがLiMnO2 から化学的にまたは電気化学的に抽出することができかつこの化合物内に再び挿 入することができること、すなわち、それが挿入(intercalation/insertion)電 極であることを示している。 上述のLiMnO2の調整において説明したように、NaMnO2内のナトリウ ムをリチウムにイオン交換することが可能である。この変種として、このNaM nO2からナトリウムを電気化学的または化学的に抽出することによって、積層 構造を有しかつ式MnO2を有する材料を産出することが可能である。典型的に これは、NaMnO2が作用電極であってセルを通じて一定の電流を通過させる 、電気化学セルを含む。このようなセルは、LiMnO2に関して上に述べたよ うなセルであってもよいが、ただし、ナトリウムカウンタおよび基準電極、なら びに、プロピレンカーボネイト内のNaClO4の溶液を使用するものである。 この電極材料はしたがって酸化され、ナトリウムが取除かれてMn3+はMn4+に 変換されて、MnO2が生成される。その後、MnO2内にリチウムを挿入するこ とによって、LiMnO2の別の合成を行なうことが可能である。 例2 NaMn1-xx2の合成 NaMn1-xx2の形の化合物を調整するのに、2つの方法を使用した。第 1の調整では、炭酸ナトリウム(Na2CO3)(またはわずかに過剰のNa2C o3)と、酸化マンガン(III)(Mn23)と、適切な他の金属酸化物、たとえ ば酸化コバルト(Co34)、酸化ニッケル(II)(NiO)、酸化鉄(III) (Fe23)等の化学量論的な量を計り、完全に混ぜ、アセトンの下でめのう乳 鉢および乳棒ですり潰すことによって、均質な混合物を得た。アセトンが蒸発し た後に、この混合物をるつぼに移して、炉内で650〜750℃で10〜72時 間、大気中で加熱した。このサンプルは200℃を下回るよう冷却された後に炉 から取出された。相の純度は、粉末X線回折によって確認された。 第2の調整では、酢酸マンガン(II)(Mn(CH3COO)2.4H2O)お よび、たとえばコバルト(II)アセタート(Co(CH3COO)2.4H2O) また はニッケル(II)アセタート(Ni(CH3COO)2.4H2O)等の他の金属 塩の適切な量を計り、それらを蒸留水に溶解した。炭酸ナトリウム(Na2CO3 )の化学量論的な量、またはわずかに過剰なNa2CO3を別々の容器に計り入れ 、蒸留水で溶解した。これら2つの溶液をその後混合して攪拌し、その後水を回 転式蒸発装置によって取除いた。結果として得られた固体はるつぼに移されて、 炉内で180〜300℃で2〜24時間、大気中で加熱された。このサンプルが 100℃を下回るまで冷却され、その後炉から取出された。これはその後めのう 乳鉢および乳棒ですり潰され、蓋付きのるつぼに移されて、炉内で500〜85 0℃で1〜60時間、大気中で加熱された。サンプルは、この温度でまたは冷却 後に炉から取除かれた。相の純度は粉末X線回折によって確認された。 いずれの調整においてもその後の処理は、上に例1で示したものと同様であっ た。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1998年3月2日(1998.3.2) 【補正内容】 明細書 発明の名称:電気化学セルにおける、またはそれに関する改良 発明の分野 この発明は電気化学セルに関し、電気化学セルにおいて使用するための新規な 積層材料、積層材料を生成するための方法、および、正電極として積層材料を有 するセルに関する。発明の背景 電気化学セルは通常、負電極、正電極、および両電極の間に配された電解質を 有する。電解質は、2つの電極の間でイオンが伝導されるよう、かつしたがって 電流が発生するように選択される。電気化学セルの一例は、充電式電池である。 補助電池において積層されていないLiMnO2を使用することは、JP 60 36799号において提案されている。そのような充電式電池において正電極と して酸化リチウムコバルトLiCoO2等の積層材料を使用することは広く行き 渡っている。積層材料LiCoO2は互いに積重ねられた酸素イオンのシートか らなる。酸素の第1の層と第2の層との間にはコバルトイオンが配され、酸素の 第2の層と第3の層との間にはリチウムイオンが配される。充電式電池において LiCoO2を使用することにより、ニッケル−カドミウム等の従来の充電式電 池で可能であったよりも単位重量および単位容積当りより大量のエネルギを蓄積 することが可能になる。しかし、LiCoO2は、いくぶん有害でありそのエネ ルギ蓄積容量は限られており、それを生成するためのコバルトを含む材料が高価 でありかつ希であるという欠点を有する。 LiNiO2およびLiFeO2等の、LiCoO2と同様の積層構造を有する 他の化合物を使用する試みがなされてきている。EP 0 017 400号は 、α−NaCrO2の構造の層を有する化合物の範囲を開示しており、GB 2 242898号は、ABO2構造およびスピネル型構造A(B2)O4の層の中間 に層を有する化合物の範囲を開示している。しかし、この発明に従った材料の製 法 は教示されておらず達成することは不可能であった。例として、E.Rossen,C.D.W .Jones,およびJ.R.Dahn による“Structure and electrochemistry ofLixMny Ni1-yO2”,Solid State Ionics,57(1992)311-318を参照されたい。 この発明の1つの目的は、電気化学セル内で使用することが可能な、新規な積 層された酸化マンガン材料を提供することである。発明の概要 この発明の1局面に従って、酸化マンガン材料が提供される。この材料はQq Mnyz2の形であり、ここでQはI族の元素、すなわちK、Li、Rb、の いずれかであり、Mはいずれかの元素であり、yは0より大きい数であり、qお よびzは各々、0に等しいかまたはそれより大きい数であり、この材料は積層構 造を有する。 積層構造とは、イオンが互いに積重ねられた一連のほぼ平らな層またはシート 内に配されている構造である。一般に、各層は特定の1元素のイオンを含むが、 Mnイオンの層は、もしあれば、Mイオンを含む場合もある。したがって、zが 0に等しくかつqが0よりも大きい場合には、その層状物はQイオンの層とMn イオンの層とによって交互に隔てられた酸化イオンのシートからなる。すなわち 、層は、酸化イオンの層、Mnイオンの層、酸化イオンの層、Qイオンの層、お よび酸化イオンの層の順であり、これが構造全体を通じて繰返される。 zが0に等しくない場合、y+zが1に等しく選ばれることが好ましい。この ような材料において、MイオンはMnの層におけるサイトを占有する。 zが0に等しくない場合、元素Mは典型的に、II族の元素、遷移元素から、ま たは、III族の元素から選ばれる。好適な元素には、Be,Mg,Ca,Sc, Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Ga,Pが含まれる。 したがって、この発明に従った特に好ましい材料においては、QはRb、K、 またはLi等のアルカリ金属イオンであり、Mは遷移金属イオンである。 好ましくはQはLiとして選択され、それにより、その材料はLiwMnyz2の形となる。ここで、wは0より大きい数である。 この積層構造は、好ましくは、菱面体晶よりも低い結晶対称を有する。この積 層構造のための好ましい対称は単斜晶である。単斜晶構造は1つの二回回転軸お よび/または1つの対称面を有する。その単位セルは3つの不等軸を有し、1つ の軸が斜角βをなす他の2つの軸に垂直である。このような構造において、Mn イオンは、最も近傍のすべての酸化イオン、すなわち、隣接する上方層における 3つの酸化イオンおよび隣接する下方層における3つの酸化イオンと等しく間隔 をおかれているのではなく、等間隔から歪められて、Mn−Oの結合距離がばら つくようにされている。これに等価であるのが、たとえばリチウムイオン等の他 のイオンの層で隔てられたMnO6多面体の層を含む積層構造である。 好ましくはこの材料は積層された単斜品構造を有する、LiMnO2である。 簡単な代替例として、この材料はMny2の形であってもよい。ここで、層は 酸化イオンの層およびMnイオンの層の順であり、これが構造全体を通じて繰返 される。この材料の積層構造は菱面体晶であり、ここで、Mnイオンは最も近傍 のすべての酸化イオン、すなわち、隣接する上方層内の3つの酸化イオンおよび 隣接する下方層内の3つの酸化イオンとは等しい間隔をおかれている。これによ り、Mn−Oの結合距離は一定となる。これに等価なのが、MnO6八面体の連 続する層を含む積層構造である。 この発明のさらに別の局面に従って、この発明の酸化マンガン材料を調整する ための方法が提供される。この方法は、中間材料XxMnyz2(ここでXはリ チウム以外のI族の元素であり、Mはいずれかの元素、xおよびyはそれぞれ0 よりも大きい数、zは0に等しいかまたはそれより大きい数である)を、リチウ ムイオンを含む反応物でイオン交換反応によって処理し、それにより、Xをリチ ウムで置換してLiwMnyz2の形の材料を生成するステップを含む。ここで wは0より大きい数であり、この材料は積層構造を有する。 好ましくはXとしてNaが選ばれ、それにより、その中間材料はNaxMnyz2の形となる。 より好ましくは、yは1に等しくかつzはOに等しい。それにより、中間材料 はNaMnO2の形となる。このような中間材料を使用することによって、上述 のような積層された単斜品構造を有する、LiMnO2の形の積層材料が生成さ れる。 上記反応物は、LiBrまたはLiCl等のいかなる好適なリチウム塩であっ てもよい。好ましくは、イオン交換反応は、反応物と中間材料を還流の下で加熱 することによって達成される。典型的に、n−ペンタノール、n−ヘキサノール請求の範囲 1.酸化マンガン材料であって、前記材料はQqMnyz2の形であり、QはI 族の元素のいずれかであり、Mはいずれかの元素、yは0より大きい数、qおよ びzは各々、0に等しいかまたはそれより大きい数であり、前記材料は積層構造 である、酸化マンガン材料。 2.y+zが1に等しくなるよう選ばれる、請求項1に記載の酸化マンガン材料 。 3.Qはアルカリ金属イオンでありかつMは遷移金属イオンである、前掲の請求 項のいずれかに記載の酸化マンガン材料。 4.QとしてLiが選ばれ、それにより、前記材料はLiwMnyz2の形であ り、ここで、wは0より大きい数である、前掲の請求項のいずれかに記載の酸化 マンガン材料。 5.前記積層構造は、菱面体晶よりも低い結晶対称を有する、前掲の請求項のい ずれかに記載の酸化マンガン材料。 6.前記材料は積層された単斜晶構造を有する、前掲の請求項のいずれかに記載 の酸化マンガン材料。 7.前記材料は積層された単斜晶構造を有するLiMnO2である、前掲の請求 項のいずれかに記載の酸化マンガン材料。 8.前記材料はMny2の形である、請求項1に記載の酸化マンガン材料。 9.酸化マンガン材料を調整するための方法であって、前記方法は、Xがリチウ ム以外のI族の元素であり、Mがいずれかの元素、xおよびyが各々、0より大 きい数、zが0と等しいかまたはそれより大きい数である、中間材料XxMnyz2を、リチウムイオンを含む反応物でイオン交換反応によって処理することに より、Xをリチウムと置換してLiwMnyz2の形の材料を生成するステップ を含み、ここで、Wは0より大きい数であり前記材料は積層構造を有する、方法 。 10.XとしてNaが選ばれて、前記中問材料はNaxMnyz2の形である、 請求項9に記載の方法。 11.yが1に等しくかつzが0に等しいために前記中間材料はNaMnO2の 形である、請求項9または請求項10のいずれかに記載の方法。 12.前記反応物はリチウム塩である、請求項9から請求項11のいずれかに記 載の方法。 13.前記イオン交換反応は前記反応物および中間材料を還流の下で加熱するこ とによって達成される、請求項9から請求項12のいずれかに記載の方法。 14.酸化マンガン材料を調整するための方法であって、前記方法は、QがI族 の元素のいずれかであり、Mがいずれかの元素であり、xおよびyが各々0より も大きい数であり、zが0に等しいかまたはそれより大きい数である、前駆体材 料QqMnyz2を、イオン除去反応を行なうことによって処理し、それにより 、Qを取除いて積層構造を有するMnyz2の形の材料を生成するステップを 含む、方法。 15.前記イオン除去反応は電気化学セルにおける作用電極として前駆体材料を 使用することによって達成される、請求項14に記載の方法。 16.前記材料はMny2の形である、請求項14または請求項15のいずれか に記載の方法。 17.電気化学セルであって、正電極はLiqMnyz2の形であり、ここでM はいずれかの元素、yは0より大きい数、qおよびzは各々、0に等しいかまた はそれより大きい数であり、前記材料は積層構造を有する、電気化学セル。 18.yおよびqが1に等しくかつzが0に等しいためLiMnO2である電極 材料を有する、請求項17に記載の電気化学セル。 19.請求項17または請求項18に記載の電気化学セルを含む、充電式電池。 20.請求項1から請求項8のいずれかに記載の酸化マンガン材料の電極を有す る、電気化学セル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/50 H01M 4/50 10/40 10/40 Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN (72)発明者 アームストロング,アンソニー・ロバート イギリス、ケイ・ワイ・16 9・ワイ・エ イ ファイフ、セント・アンドリューズ、 ジェームズ・ストリート、5

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.酸化マンガン材料であって、前記材料はQqMnyz2の形であり、Qおよ びMは各々いずれかの元素、yは0より大きい数、qおよびzは各々、0に等し いかまたはそれより大きい数であり、前記材料は積層構造である、酸化マンガン 材料。 2.y+zが1に等しくなるよう選ばれる、請求項1に記載の酸化マンガン材料 。 3.QはI族の元素から選ばれる、請求項1または請求項2のいずれかに記載の 酸化マンガン材料。 4.Qはアルカリ金属イオンでありかつMは遷移金属イオンである、前掲の請求 項のいずれかに記載の酸化マンガン材料。 5.QとしてLiが選ばれ、それにより、前記材料はLiwMnyz2の形であ り、ここで、wは0より大きい数である、前掲の請求項のいずれかに記載の酸化 マンガン材料。 6.前記積層構造は、菱面体晶よりも低い結晶対称を有する、前掲の請求項のい ずれかに記載の酸化マンガン材料。 7.前記材料は積層された単斜晶構造を有する、前掲の請求項のいずれかに記載 の酸化マンガン材料。 8.前記材料は積層された単斜晶構造を有するLiMnO2 である、前掲の請求 項のいずれかに記載の酸化マンガン材料。 9.前記材料はMny2の形である、請求項1に記載の酸化マンガン材料。 10.酸化マンガン材料を調整するための方法であって、前記方法は、Xがリチ ウム以外のI族の元素であり、Mがいずれかの元素、xおよびyが各々、0より 大きい数、zが0と等しいかまたはそれより大きい数である、中間材料XxMny z2を、リチウムイオンを含む反応物でイオン交換反応によって処理すること により、Xをリチウムと置換してLiwMnyz2の形の材料を生成するステッ プを含み、ここで、wは0より大きい数であり前記材料は積層構造を有する、方 法。 11.XとしてNaが選ばれて、前記中間材料はNaxMnyz2の形である、 請求項10に記載の方法。 12.yが1に等しくかつzが0に等しいために前記中間材料はNaMnO2の 形である、請求項10または請求項11のいずれかに記載の方法。 13.前記反応物はリチウム塩である、請求項10から請求項12のいずれかに 記載の方法。 14.前記イオン交換反応は前記反応物および中間材料を還流の下で加熱するこ とによって達成される、請求項10から請求項13のいずれかに記載の方法。 15.酸化マンガン材料を調整するための方法であって、前記方法は、Qおよび Mが各々いずれかの元素であり、xおよびyが各々0よりも大きい数であり、z が0に等しいかまたはそれより大きい数である、前駆体材料QqMnyz2を、 イオン除去反応を行なうことによって処理し、それにより、Xを取除いて積層構 造を有するMnyz2の形の材料を生成するステップを含む、方法。 16.前記イオン除去反応は電気化学セルにおける作用電極として前駆体材料を 使用することによって達成される、請求項15に記載の方法。 17.前記材料はMny2の形である、請求項15または請求項16のいずれか に記載の方法。 18.電気化学セルであって、正電極はLiqMnyz2の形であり、ここでM はいずれかの元素、yは0より大きい数、qおよびzは各々、0に等しいかまた はそれより大きい数である、電気化学セル。 19.yおよびqが1に等しくかつzが0に等しいためLiMnO2である電極 材料を有する、請求項18に記載の電気化学セル。 20.請求項18または請求項19に記載の電気化学セルを含む、充電式電池。 21.酸化マンガン材料を調整するための方法、および、実質的にここに開示し た電気化学セルのための酸化マンガン材料。 22.実質的にここに開示した酸化マンガン材料の電極を有する、電気化学セル 。
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