JP2000349245A - 誘電体キャパシタおよびメモリならびにそれらの製造方法 - Google Patents

誘電体キャパシタおよびメモリならびにそれらの製造方法

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JP2000349245A
JP2000349245A JP11155391A JP15539199A JP2000349245A JP 2000349245 A JP2000349245 A JP 2000349245A JP 11155391 A JP11155391 A JP 11155391A JP 15539199 A JP15539199 A JP 15539199A JP 2000349245 A JP2000349245 A JP 2000349245A
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layer
oxygen
dielectric
metal element
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Kenji Katori
健二 香取
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細加工が容易な誘電体キャパシタおよびメ
モリならびにそれらの製造方法を提供する。 【解決手段】 下地部11の上に下部電極12,誘電体
膜13および上部電極14を順次備える。下部電極12
は下地部11の側から順にIrHfを含む密着層12
c,Irを含む貴金属層12d,IrHfOを含む酸素
含有層12a,Irを含む貴金属層12bを有する。上
部電極14は誘電体膜13の側から順にIrを含む貴金
属層14b,IrHfOを含む酸素含有層14aを有す
る。上部電極14,下部電極12に白金を用いていない
ので微細加工が容易となっている。また、誘電体膜13
の結晶化あるいは結晶成長を行う前に上部電極14につ
いて成膜を行い、エッチング加工で成形することができ
る。よって、表面が滑らかな状態で加工することもで
き、微細加工がより容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下地部により支持
されると共に、下地部の側から第1の電極,誘電体膜お
よび第2の電極が順に形成された誘電体キャパシタおよ
びメモリならびにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電体メモリは強誘電体膜の高速な分
極反転とその残留分極を利用する高速書き換えが可能な
不揮発メモリである。従来、この強誘電体メモリとして
は、例えば、誘電体キャパシタとトランジスタとが基板
面方向に対して平行に配列されたものが知られている。
例えば、このような強誘電体メモリにおいて誘電体キャ
パシタは、基板の上に絶縁膜を介して、チタン(Ti)
よりなる密着層,白金(Pt)よりなる下部電極層,ビ
スマス(Bi)含有層状構造酸化物またはPbTiO3
とPbZrO3 との固溶体であるPZTよりなる強誘電
体膜および白金よりなる上部電極層が順次積層された構
造を有している。
【0003】また、情報記録密度を増加させる場合に
は、トランジスタと強誘電体キャパシタとが基板上に積
層して配置されるいわゆるスタック型キャパシタが知ら
れている。この強誘電体メモリでは、例えば、トランジ
スタと強誘電体キャパシタの下部電極とがシリコン(S
i)よりなるプラグ層により電気的に接続されると共
に、強誘電体キャパシタの下部電極に元素の拡散を防止
する拡散防止層が設けられる。この拡散防止層というの
は、強誘電体膜を形成する際に行われる600℃〜80
0℃程度の高温での熱処理により、プラグ層からシリコ
ンが下部電極に拡散してその上層部において酸化され下
部電極の導電性が失われたり、更にシリコンが強誘電体
膜に拡散してキャパシタ特性が著しく劣化してしまうこ
とを防止するためのものである。例えば、このような強
誘電体メモリとしては、従来、イリジウム(Ir)とハ
フニウム(Hf)と酸素(O)とを含む拡散防止層を下
部電極に形成したものが報告されている(特開平10−
242409号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
強誘電体キャパシタでは電極材料に白金が用いられてい
たので、微細加工が難しいという問題があった。そこ
で、加工の容易な他の電極材料を用いることが求められ
るが、特に上部電極は、基板の上に下部電極、強誘電体
膜、上部電極と積層して形成するので、製造工程上、下
部電極および誘電体膜に与える影響が大きく、それらと
の関係から電極材料についても求められる条件があり、
従来の材料では不十分であった。
【0005】例えば、下部電極に拡散防止層を含め白金
または金(Au)以外の貴金属を用いる場合には、トラ
ンジスタの機能を回復させるための水素熱処理(フォー
ミングガスアニール)により強誘電体膜の特性が劣化し
てしまうが、これは強誘電体膜を形成する際に生じた貴
金属酸化物が水素熱処理により還元されることが影響し
ていると考えられ、そのような劣化を防止するには、強
誘電体膜の形成の際に生じた貴金属酸化物を水素熱処理
の前に還元することが有効であると考えられる。そのた
め、上部電極を構成する材料としても、不活性ガス雰囲
気中における熱処理により良好な特性が得られるものが
望ましい。
【0006】また、従来は、強誘電体膜の結晶を十分に
成長させてから上部電極を成膜し、エッチングにより成
形して強誘電体キャパシタを形成しているが、上部電極
も強誘電体膜も純粋な反応性イオンエッチング(Reacti
ve Ion Etching;RIE)法が不可能な場合が多く、エ
ッチング加工にはスパッタエッチングの要素も導入され
ることになる。その場合、表面粗さが大きいと下地にま
でその表面粗さが転写されてしまうので、エッチングは
強誘電体膜の結晶を成長させる前の表面状態が良好な段
階で行うことが望ましく、上部電極の材料としては、強
誘電体膜の結晶を成長させる前に上部電極を成膜して結
晶を成長させても良好な特性が得られるものが求められ
る。なお、従来の電極材料のなかでは白金のみが強誘電
体膜の結晶化度の低い状態で上部電極を成膜し結晶成長
させることができるが、この方法で製造した強誘電体キ
ャパシタは、トランジスタの機能を回復させるための水
素熱処理により完全にショートしてしまうので実際への
応用は難しい。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、容易に微細加工をすることができる
誘電体キャパシタおよびメモリならびにそれらの製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による誘電体キャ
パシタは、下地部により支持されると共に、下地部の側
から第1の電極,誘電体膜および第2の電極が順に形成
されたものであって、第2の電極は、白金,イリジウ
ム,ルテニウム,ロジウムおよびパラジウムからなる貴
金属元素群のうちの少なくとも1種と、ハフニウム,タ
ンタル,ジルコニウム,ニオブ,バナジウム,モリブデ
ン,タングステンおよび希土類元素からなる遷移金属元
素群のうちの少なくとも1種と、酸素とからなる酸素含
有材料を含む第2電極酸素含有層を備えると共に、この
酸素含有材料の組成式は貴金属元素群の元素をMI とし
遷移金属元素群の元素をMIIとするとMIaIIb c
表され、その組成範囲は原子%で90≧a≧4,15≧
b≧2,c≧4,a+b+c=100であるものであ
る。
【0009】本発明によるメモリは、下地部により支持
され、かつ下地部の側から第1の電極,誘電体膜および
第2の電極が順に形成された誘電体キャパシタを有する
ものであって、第2の電極は、白金,イリジウム,ルテ
ニウム,ロジウムおよびパラジウムからなる貴金属元素
群のうちの少なくとも1種と、ハフニウム,タンタル,
ジルコニウム,ニオブ,バナジウム,モリブデン,タン
グステンおよび希土類元素からなる遷移金属元素群のう
ちの少なくとも1種と、酸素とからなる酸素含有材料を
含む第2電極酸素含有層を備えると共に、この酸素含有
材料の組成式は貴金属元素群の元素をMI とし遷移金属
元素群の元素をMIIとするとMIaIIbc で表され、
その組成範囲は原子%で90≧a≧4,15≧b≧2,
c≧4,a+b+c=100であるものである。
【0010】本発明による誘電体キャパシタの製造方法
は、下地部により支持されると共に、下地部の側から第
1の電極,誘電体膜および第2の電極が順に形成された
誘電体キャパシタを製造するものであって、第2の電極
を形成する工程として、白金,イリジウム,ルテニウ
ム,ロジウムおよびパラジウムからなる貴金属元素群の
うちの少なくとも1種と、ハフニウム,タンタル,ジル
コニウム,ニオブ,バナジウム,モリブデン,タングス
テンおよび希土類元素からなる遷移金属元素群のうちの
少なくとも1種と、酸素とからなり、組成式が貴金属元
素群の元素をMIとし遷移金属元素群の元素をMIIとす
るとMIaIIb c で表され、その組成範囲は原子%で
90≧a≧4,15≧b≧2,c≧4,a+b+c=1
00である酸素含有材料を用いて第2電極用の第1層を
成膜する工程を含むものである。
【0011】本発明によるメモリの製造方法は、下地部
により支持され、かつ下地部の側から第1の電極,誘電
体膜および第2の電極が順に形成された誘電体キャパシ
タを有するメモリを製造するものであって、第2の電極
を形成する工程として、白金,イリジウム,ルテニウ
ム,ロジウムおよびパラジウムからなる貴金属元素群の
うちの少なくとも1種と、ハフニウム,タンタル,ジル
コニウム,ニオブ,バナジウム,モリブデン,タングス
テンおよび希土類元素からなる遷移金属元素群のうちの
少なくとも1種と、酸素とからなり、組成式が貴金属元
素群の元素をMIとし遷移金属元素群の元素をMIIとす
るとMIaIIb c で表され、その組成範囲は原子%で
90≧a≧4,15≧b≧2,c≧4,a+b+c=1
00である酸素含有材料を用いて第2電極用の第1層を
成膜する工程を含むものである。
【0012】本発明による誘電体キャパシタでは、第2
の電極の構成材料として酸素含有材料MIaIIb c
用いているので、精密加工が容易となっている。
【0013】本発明によるメモリは、本発明の誘電体キ
ャパシタを備えたものである。
【0014】本発明による誘電体キャパシタの製造方法
では、第2の電極を形成する工程において、酸素含有材
料MIaIIb c を用いて第2電極用の第1層が形成さ
れる。
【0015】本発明によるメモリの製造方法は、本発明
の誘電体キャパシタの製造方法を含むものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0017】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態に係る誘電体キャパシタ10の構成を表す
ものである。この誘電体キャパシタ10は、例えば、シ
リコンよりなるまたは二酸化ケイ素(SiO2 )などの
絶縁材料よりなる下地部11の一面に、第1の電極であ
る下部電極12と、誘電体膜13と、第2の電極である
上部電極14とが下地部11の側からこの順に積層され
た構造を有している。すなわち、この誘電体キャパシタ
10は、下地部11により支持されており、誘電体膜1
3に下部電極12と上部電極14とがそれぞれ接続され
たものである。
【0018】下部電極12は、例えば、厚さ200nm
の貴金属層12aと、この貴金属層12aと下地部11
との間に設けられた厚さ20nmの密着層12bとを有
している。貴金属層12aは、例えば、白金,イリジウ
ム,ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh)およびパラ
ジウム(Pd)からなる貴金属元素群のうちの少なくと
も1種を主として含んでいる。なお、これら貴金属元素
群に含まれる元素を表1に元素記号で示す。
【0019】
【表1】
【0020】密着層12bは、下地部11との密着性を
高めるためのものであり、例えば、チタン,ジルコニウ
ム,ハフニウム,タンタル,ニオブ,クロム(Cr),
モリブデンおよびタングステンからなる密着層構成元素
群のうちの少なくとも1種を主として含んでいる。
【0021】誘電体膜13は、例えば、厚さが約170
nmであり、ビスマスを含有する層状構造酸化物を主と
して含む強誘電体により構成されている。層状構造酸化
物の含有率は85体積%以上であることが好ましい。こ
れよりも含有率が低いと良好な強誘電体特性を得ること
ができないからである。この層状構造酸化物としては、
例えば、ビスマスと、第1の元素としてのストロンチウ
ム(Sr),カルシウム(Ca)およびバリウム(B
a)からなる群のうちの少なくとも1種と、第2の元素
としてのタンタル(Ta)およびニオブ(Nb)からな
る群のうち少なくとも1種と、酸素とからなり、化1に
示した組成式で表されるものが好ましい。また、その組
成範囲はモル比で2.50≧x≧1.70,1.20≧
y≧0.60,−1.00≧z≧1.00であることが
好ましい。
【0022】
【化1】Bix (Sr,Ca,Ba)y (Ta,Nb)
2 9+z
【0023】このような層状構造酸化物について、良好
な強誘電体特性を得ることができるからである。なお、
この層状構造酸化物の結晶構造は、化学量論的な組成に
おいて説明すると、[Bi2 2+に該当する層
と、[(Sr,Ca,Ba)1 (Ta,Nb)2 7
2-に該当する層とが交互に積層されたペロブスカイト型
となっている。
【0024】上部電極14は、例えば、第2電極酸素含
有層である厚さ約200nmの酸素含有層14aと、こ
の酸素含有層14aと誘電体膜13との間に設けられた
第2電極貴金属層である厚さ約20nmの貴金属層14
bとを有している。酸素含有層14aは、例えば、表1
に示した貴金属元素群のうちの少なくとも1種と、ハフ
ニウム,タンタル,ジルコニウム(Zr),ニオブ,バ
ナジウム(V),モリブデン(Mo),タングステン
(W)および希土類元素からなる遷移金属元素群のうち
の少なくとも1種と、酸素とからなる酸素含有材料を主
として含んでいる。なお、遷移金属元素群に含まれる元
素を元素記号で表1に合わせて示す。
【0025】この酸素含有材料の組成式は、貴金属元素
群の元素をMI とし遷移金属元素群の元素をMIIとする
と化2に示したように表され、その組成範囲は、原子%
で90≧a≧4,15≧b≧2,c≧4,a+b+c=
100であることが好ましい。この範囲よりも貴金属元
素MI が多い場合には安定な微結晶状態を得ることがで
きず、少ない場合には電気抵抗が大きくなり、しかも結
晶状態が不安定となるからである。また、遷移金属元素
IIおよび酸素の組成がこの範囲の場合において安定な
微結晶状態が得られるからである。
【0026】
【化2】MIaIIb cI ;貴金属元素群の元素 MII;遷移金属元素群の元素
【0027】貴金属層14bは、例えば、表1に示した
貴金属元素群のうちの少なくとも1種を主として含んで
いる。なお、この貴金属層14bは必須の構成要素では
ないが、この貴金属層14bを備えることにより更に安
定した特性を得ることができるので、備えていた方が好
ましい。また、この貴金属層14bは、貴金属元素群の
うち酸素含有層14aと異なる貴金属元素を含んでいて
もよいが、酸素含有層14aと同一の貴金属元素を含む
ように構成されることが好ましい。製造装置を簡素化す
ることができ、生産性を向上させることができるからで
ある。
【0028】この誘電体キャパシタ10は、次のように
して製造することができる。
【0029】図2はその製造工程を表すものである。ま
ず、下地部11の上に、例えば、第1の電極を形成する
工程として、スパッタリング法により、上述した密着層
構成元素群のうちの少なくとも1種を用いて下部電極用
の第1層を約20nmの厚さで成膜し、この第1層の上
に、上述した貴金属元素群のうちの少なくとも1種を用
いて下部電極用の第2層を約200nmの厚さで成膜す
る(ステップS101)。なお、これら第1層は密着層
12bを構成することとなるものであり、第2層は貴金
属層12aを構成することとなるものである。
【0030】次いで、下部電極用の第2層の上に、誘電
体膜13を形成する工程として、例えば、ゾル・ゲル法
により、上述した層状構造酸化物を含む非晶質状あるい
は微結晶状の誘電体前駆体膜を成膜する(ステップS1
02)。具体的には、例えば、ビスマスと上述した第1
の元素および第2の元素とを含むゾルゲル溶液をスピン
コート法により第2の層の上に塗布したのち、酸素含有
雰囲気において急速熱処理(RTA;Rapid Thermal An
nealing )を行う。続いて、同じく誘電体膜13を形成
する工程として、例えば、酸素含有雰囲気中において7
50℃程度の温度で加熱処理を行い誘電体前駆体膜を結
晶化あるいは結晶成長させる(ステップS103)。
【0031】誘電体前駆体膜を結晶化あるいは結晶成長
させたのち、その上に、例えば、スパッタリング法によ
り、上述した貴金属元素群のうちの少なくとも1種を用
いて上部電極用の第2層を約20nmの厚さで成膜し、
この第1層の上に、上述した酸素含有材料MIaIIb
c を用いて酸素を含む上部電極用の第1層を約200n
mの厚さで成膜する(ステップS104)。なお、これ
ら第2層は貴金属層14bを構成することとなるもので
あり、第1層は酸素含有層14aを構成することとなる
ものである。
【0032】上部電極用の第2層および第1層をそれぞ
れ成膜したのち、不活性ガス雰囲気中において熱処理を
行う(ステップS105)。不活性ガスとしては、窒素
ガス(N2 )、またはアルゴン(Ar)ガスあるいはヘ
リウム(He)ガスなどの希ガス、またはそれらのうち
の2種以上を混合した混合ガスのいずれを用いてもよ
い。そののち、上部電極用の第1層,第2層、誘電体前
駆体膜および下部電極用の第2層,第1層をエッチング
によりそれぞれ所定の形状に成形する(ステップS10
6)。なお、ここでは、上部電極用の第1層を酸素含有
材料MIaIIb c により形成しているので、微細加工
が容易となっている。これにより、図1に示した誘電体
キャパシタ10が形成される。
【0033】この誘電体キャパシタ10は、また、次の
ようにしても製造することができる。
【0034】図3は他の製造工程を表すものである。ま
ず、例えば、先の製造方法と同様にして、下地部11の
上に下部電極用の第1の層および第2の層を順次積層し
て成膜したのち(ステップS101)、その上に非晶質
状あるいは微結晶状の誘電体前駆体膜を成膜する(ステ
ップS102)。
【0035】次いで、例えば、誘電体前駆体膜の上に、
先の製造方法と同様にして、上部電極用の第2層および
第1層を順次積層して成膜する(ステップS111)。
そののち、例えば、上部電極用の第1層,第2層、誘電
体前駆体膜および下部電極用の第2層,第1層をエッチ
ングによりそれぞれ所定の形状に成形する(ステップS
112)。エッチングにより成形したのち、例えば、先
の製造方法と同様にして、誘電体前駆体膜を結晶化ある
いは結晶成長させる(ステップS113)。これによ
り、図1に示した誘電体キャパシタ10が形成される。
【0036】すなわち、誘電体前駆体膜を結晶化あるい
は結晶成長させる前に、上部電極用の第2層および第1
層をそれぞれ成膜し、エッチングして成形するようにし
てもよい。これにより、誘電体前駆体膜を結晶化あるい
は結晶成長させてからエッチングする場合に比べて、上
部電極用の第1層の表面が滑らかな状態となり、エッチ
ングにより露出される下地部11の表面も良好な状態と
なる。
【0037】この誘電体キャパシタ10は次のように作
用する。
【0038】この誘電体キャパシタ10では、上部電極
14と下部電極12との間に電圧が印加されると、誘電
体膜13において分極が起こる。ここでは、上部電極1
4が酸素含有材料MIaIIb c を用いて構成されてい
るので、上部電極用の第2層および第1層をそれぞれ成
膜したのちに不活性ガス雰囲気中において熱処理を行っ
ても、良好な特性を示す。また、誘電体前駆体膜を結晶
化あるいは結晶成長させる前に上部電極用の第2層およ
び第1層を成膜しても、良好な特性を示す。
【0039】このように本実施の形態によれば、酸素含
有材料MIaIIb c を用いて上部電極14を形成する
ようにしたので、上部電極14の微細加工が容易とな
り、素子の微細化を図ることができる。また、誘電体前
駆体膜を結晶化あるいは結晶成長させる前に上部電極用
の第1層を成膜するようにしても、良好な特性を得るこ
とができる。よって、成形時のエッチングで露出させる
下地部11の表面を滑らかにすることができ、微細加工
が容易となる。
【0040】また、酸素含有層14aと誘電体膜13と
の間に貴金属層14bを設けるようにすれば、ばらつき
の少ない安定した特性を得ることができる。
【0041】なお、この誘電体キャパシタ10は、例え
ば、メモリの一部として次のようにして用いられる。
【0042】図4は誘電体キャパシタを用いたメモリの
一例を表したものである。このメモリは、本実施の形態
に係る誘電体キャパシタ10と、スイッチング用のトラ
ンジスタ20とから構成されている。トランジスタ20
は、例えばp型シリコンよりなる基板21の表面に間隔
を開けて形成されたn+ 層よりなるソース領域22とn
+ 層よりなるドレイン領域23とを有している。ソース
領域22とドレイン領域23との間の基板21の表面に
は、間隔を開けて形成されたn- 層よりなるLDD領域
24,25がソース領域22およびドレイン領域23に
それぞれ隣接されて形成されている。ソース領域22と
ドレイン領域23との間の基板11の表面上には、ゲー
ト絶縁膜26を介してワード線としてのゲート電極27
が形成されている。ゲート電極27の側面部には絶縁材
料よりなるゲート側壁28が形成されている。なお、ト
ランジスタ20の周りには、基板21の表面に素子分離
用のフィールド酸化膜31が形成されている。
【0043】トランジスタ20の上には、層間絶縁膜3
2を介して誘電体キャパシタ10が形成されている。す
なわち、層間絶縁膜32を介して下部電極12,誘電体
膜13および上部電極14が順次積層されている。トラ
ンジスタ20のソース領域22と誘電体キャパシタ10
の下部電極12(具体的には密着層12c)とは、層間
絶縁膜32に設けられたコンタクトホール32aを介し
て電気的に接続されている。コンタクトホール32aに
は、多結晶シリコンまたはタングステンなどよりなるプ
ラグ層33が埋め込まれている。すなわち、ここでは、
層間絶縁膜32およびプラグ層33が下地部11に該当
している。なお、誘電体キャパシタ10の上には、絶縁
膜34が形成されている。
【0044】このメモリは、次のようにして製造するこ
とができる。
【0045】まず、基板21の表面に適宜な方法により
トランジスタ20を形成したのち、その上に、CVD
(Chemical Vapor Deposition )法などにより層間絶縁
膜32を形成する。次いで、この層間絶縁膜32を選択
的にエッチングしてコンタクトホール32aを形成し、
トランジスタ20のソース領域22を露出させる。続い
て、このコンタクトホール32aにプラグ層33を埋め
込み、プラグ層33をソース領域21に接続させる。そ
ののち、プラグ層33の上に、誘電体キャパシタ10を
上述したようにして形成し、下部電極12をプラグ層3
3に接続させる。誘電体キャパシタ10を形成したの
ち、水素含有雰囲気中において水素熱処理(フォーミン
グガスアニール)を行い、トランジスタ20の機能を回
復させる。ここでは、上述したように、上部電極14を
酸素含有材料MIaIIb c を用いて形成しているの
で、上部電極用の第1層を成膜してから誘電体前駆体膜
を結晶化あるいは結晶成長させるようにしても、この水
素熱処理により誘電体キャパシタ10の機能が失われる
ことはない。そののち、表面に、CVD法などにより絶
縁膜34を形成する。これにより、図4に示したメモリ
が形成される。
【0046】このメモリは、次のように作用する。
【0047】このメモリでは、トランジスタ20のゲー
ト電極27に電圧が加えられると、例えば、トランジス
タ20のスイッチが“オン”となり、ソース領域22と
ドレイン領域23との間に電流が流れる。これにより、
プラグ層33を介して誘電体キャパシタ10に電流が流
れ、上部電極14と下部電極12との間に電圧が加えら
れる。誘電体キャパシタ10では、電圧が印加されると
誘電体膜13において分極がおこる。これにより“1”
または“0”のデータの記憶あるいは読み出しが行われ
る。
【0048】このようにこのメモリおよびその製造方法
によれば、本実施の形態に係る誘電体キャパシタ10を
用いるようにしたので、良好な特性を得ることができる
と共に、微細加工が容易となり、素子の微細化を図るこ
とができる。
【0049】(第2の実施の形態)図5は本実施の形態
に係る誘電体キャパシタ40の構成を表すものである。
この誘電体キャパシタ40は、下部電極42の構成が異
なることを除き、第1の実施の形態と同一の構成を有し
ている。よって、ここでは、同一の構成要素には同一の
符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0050】下部電極42は、例えば、下地部11と誘
電体膜13との間に設けられた厚さ約100nmの第1
電極酸素含有層である酸素含有層42aと、この酸素含
有層42aと下地部11との間に設けられた厚さ約20
nmの第1電極貴金属層である貴金属層42bと、この
貴金属層42bと下地部11との間に設けられた厚さ約
20nmの密着層42cとを有している。また、この下
部電極42は、例えば、酸素含有層42aと誘電体膜1
3との間に設けられた厚さ約20nmの他の第1電極貴
金属層である貴金属層42dを有している。
【0051】酸素含有層42aは、下地部11または誘
電体膜13との間において元素が拡散するのを防止する
機能を備えており、例えば、表1に示した貴金属元素群
のうちの少なくとも1種と、表1に示した遷移金属元素
群のうちの少なくとも1種と、酸素とからなる酸素含有
材料を主として含んでいる。この酸素含有材料の組成式
は、貴金属元素群の元素をMIII とし遷移金属元素群の
元素をMIVとすると化3に示したように表され、その組
成範囲は、上部電極14の酸素含有層14aと同様に、
原子%で90≧d≧4,15≧e≧2,f≧4,d+e
+f=100であることが好ましい。なお、この組成
は、酸素含有層14aと同一であってもよいが、異なっ
ていてもよい。
【0052】
【化3】MIIIdIVe fIII ;貴金属元素群の元素 MIV ;遷移金属元素群の元素
【0053】貴金属層42bは、密着層42cの変質を
防止して密着性を確保する機能を備えており、例えば、
表1に示した貴金属元素群のうちの少なくとも1種を主
として含んでいる。なお、この貴金属層42bは、貴金
属元素群のうち酸素含有層42aと異なる貴金属元素を
含んでいてもよいが、酸素含有層42aと同一の貴金属
元素を含むように構成されることが好ましい。製造装置
を簡素化することができ、生産性を向上させることがで
きるからである。
【0054】密着層42cは、例えば、第1の実施の形
態において説明した密着層構成元素群のうちの少なくと
も1種を主として含んでいてもよいが、表1に示した貴
金属元素群のうちの少なくとも1種と、表1に示した遷
移金属元素群のうちの少なくとも1種とからなる合金を
主として含むように構成されていてもよい。このような
合金を主として含むように構成するようにすれば、下部
電極42の他の層と構成元素に共通性を持たせることが
できるので、生産性を向上させることができるからであ
る。
【0055】この合金の組成式は、貴金属元素群の元素
をMV とし遷移金属元素群の元素をMVIとすると化4に
示したように表され、その組成範囲は、原子%で97≧
g≧90,10≧h≧3,g+h=100であることが
好ましい。この範囲よりも貴金属元素MV が多い場合に
は十分な密着性を得ることができず、遷移金属元素MVI
が多い場合には遷移金属元素MVIの選択酸化により表面
性の劣化および密着性の低下が見られるからである。
【0056】
【化4】MVgVIhV ;貴金属元素群の元素 MVI;遷移金属元素群の元素
【0057】また、この合金の更に好ましい組成範囲
は、原子%で95≧d≧91,9≧e≧5,d+e=1
00であり、この範囲において更に良好な表面性および
密着性を得ることができる。なお、この合金は結晶質と
なっている。ちなみに、この合金は、酸素含有層42a
または貴金属層42bと異なる貴金属元素MV を含んで
いてもよく、酸素含有層42aと異なる遷移金属元素M
VIを含んでいてもよいが、上述したように、生産性の面
からはそれらと同一の元素を含むように構成されること
が好ましい。
【0058】貴金属層42dは、例えば、表1に示した
貴金属元素群のうちの少なくとも1種を主として含んで
いる。この貴金属層42dは、酸素含有層42aよりも
元素の拡散が起こりやすくなっており、誘電体膜13を
形成する際に結晶が良好に成長するように補助する機能
を備えている。なお、この貴金属層42dは備えていな
くてもよいが、備えていた方が誘電体膜13の結晶状態
を良好とすることができ、特性を向上させることができ
るので好ましい。ちなみに、この貴金属層42dは、貴
金属元素群のうち酸素含有層42a,貴金属層42bお
よび密着層42cと異なる貴金属元素を含んでいてもよ
いが、生産性の面からはそれらと同一の貴金属元素を含
むように構成されることが好ましい。
【0059】このような構成を有する誘電体キャパシタ
40は、次のようにして製造することができる。
【0060】図6はその製造工程を表すものである。ま
ず、下地部11の上に、例えば、第1の電極を形成する
工程として、スパッタリング法により、上述した合金M
VgVIh を用いて下部電極用の第1層を約20nmの厚
さで成膜し、この第1層の上に、上述した貴金属元素群
のうちの少なくとも1種を用いて下部電極用の第2層を
約20nmの厚さで成膜し、この第2層の上に、上述し
た酸素含有材料MIIIdIVe f を用いて酸素を含む下
部電極用の第3層を約100nmの厚さで成膜し、この
第3層の上に、上述した貴金属元素群のうちの少なくと
も1種を用いて下部電極用の第4層を約20nmの厚さ
で成膜する(ステップS201)。なお、下部電極用の
第1層は密着層42cを構成することとなるものであ
り、下部電極用の第2層は貴金属層42bを構成するこ
ととなるものであり、下部電極用の第3層は酸素含有層
42aを構成することとなるものであり、下部電極用の
第4層は貴金属層42dを構成することとなるものであ
る。
【0061】次いで、第4層の上に、誘電体膜13を形
成する工程として、第1の実施の形態と同様にして、非
晶質状あるいは微結晶状の誘電体前駆体膜を成膜する
(ステップS202)。すなわち、第4層の上にゾルゲ
ル溶液を塗布し、酸素含有雰囲気において急速熱処理を
行う。なお、この酸素熱処理により、下部電極用の第1
層,第2層,第3層および第4層のうちの一部が酸化さ
れる。
【0062】続いて、同じく誘電体膜13を形成する工
程として、例えば、不活性ガス雰囲気中において加熱処
理を行い誘電体前駆体膜を結晶化あるいは結晶成長させ
る(ステップS203)。これにより、この工程の後で
水素熱処理を行っても誘電体膜13の特性劣化は防止さ
れる。ステップS202の酸素熱処理において下部電極
用の第1層,第2層,第3層および第4層のうちの一部
に生成した酸化物がこの不活性ガス熱処理により還元さ
れ、水素熱処理では還元されないと考えられるからであ
る。なお、誘電体膜13の特性劣化を十分に防止するに
は、不活性ガス熱処理をステップS202における酸素
熱処理時以上の温度で行うことが好ましい。また、ここ
では、第1層と第3層との間に上述した貴金属元素群の
うちの少なくとも1種を用いた第2層を形成しているの
で、この不活性ガス熱処理を行っても第1層の変質が防
止され密着性が確保される。
【0063】不活性ガス熱処理を行ったのち、誘電体前
駆体膜の上に、例えば、第1の実施の形態と同様にし
て、上部電極用の第2層および第1層を順次積層して成
膜し(ステップS204)、不活性ガス雰囲気中におい
て熱処理を行う(ステップS205)。そののち、第1
の実施の形態と同様にして、上部電極用の第1層,第2
層、誘電体前駆体膜および下部電極用の第4層,第3
層,第2層,第1層をエッチングによりそれぞれ所定の
形状に成形する(ステップS206)。なお、ここで
は、上部電極用の第1層に加えて下部電極用の第3層も
酸素含有材料MIIId IVe f により形成しているの
で、微細加工が更に容易となっている。これにより、図
5に示した誘電体キャパシタ40が形成される。
【0064】この誘電体キャパシタ10は、また、次の
ようにしても製造することができる。
【0065】図7は他の製造工程を表すものである。ま
ず、例えば、先の製造方法と同様にして、下地部11の
上に下部電極用の第1層,第2層,第3層および第4層
を順次積層して成膜する(ステップS201)。次い
で、この第4層の上に、誘電体膜13を形成する工程と
して、先の製造方法と同様にして誘電体前駆体膜を成膜
する(ステップS202)。その際の酸素熱処理によ
り、下部電極用の第1層,第2層,第3層および第4層
のうちの一部が酸化される。
【0066】続いて、同じく誘電体膜13を形成する工
程として、例えば、水素ガス(H2),一酸化炭素ガス
(CO)またはメタンガス(CH4 )などを含む還元性
ガス雰囲気中において還元熱処理を行う(ステップS2
11)。これにより、ステップS202の酸素熱処理に
おいて下部電極用の第1層,第2層,第3層および第4
層のうちの一部に生成した酸化物が還元され、この工程
の後で水素熱処理を行っても誘電体膜13の特性劣化が
防止される。なお、この還元熱処理は、先の製造方法に
おける不活性ガス熱処理(ステップS203)よりも低
温で行うことができるので、先の製造方法よりも安定し
た特性が得られ、生産性も向上する。
【0067】還元熱処理を行ったのち、同じく誘電体膜
13を形成する工程として、必要に応じ、還元熱処理に
おいて還元された物質が酸化を起こす温度よりも低い温
度で酸素含有雰囲気中により他の酸素熱処理を行う(ス
テップS212)。これにより、誘電体前駆体膜に酸素
が補充され、誘電体膜13の特性が改善される。なお、
この酸素熱処理は行わなくてもよい。
【0068】必要に応じて酸素熱処理を行ったのち、同
じく誘電体膜13を形成する工程として、例えば、不活
性ガス雰囲気中において加熱処理を行い誘電体前駆体膜
を結晶化あるいは結晶成長させる(ステップS21
3)。この熱処理を酸素含有雰囲気中ではなく不活性ガ
ス雰囲気中において行うのは、この工程において下部電
極用の第1層,第2層,第3層および第4層のうちの一
部が再び酸化されないようにするためである。なお、不
活性ガス熱処理の温度は、先の製造方法と異なり、ステ
ップS202における酸素熱処理時以上の温度で行う必
要はない。下部電極用の第1層,第2層,第3層および
第4層のうちの一部に生成した酸化物はステップS21
3の還元熱処理により既に還元されているからである。
【0069】また、ここでも、下部電極用の第1層と第
3層との間に上述した貴金属元素群のうちの少なくとも
1種により第2層を形成しているので、還元熱処理およ
び不活性ガス熱処理を行っても第1層の変質が防止され
密着性が確保される。
【0070】不活性ガス熱処理を行ったのち、先の製造
方法と同様に、誘電体前駆体膜の上に上部電極用の第2
層および第1層を順次積層して成膜し(ステップS20
4)、不活性ガス雰囲気中において熱処理を行う(ステ
ップS205)。そののち、先の製造方法と同様に、上
部電極用の第1層,第2層、誘電体前駆体膜および下部
電極用の第4層,第3層,第2層,第1層をエッチング
によりそれぞれ所定の形状に成形する(ステップS20
6)。これにより、図5に示した誘電体キャパシタ40
が形成される。
【0071】なお、本実施の形態においても第1の実施
の形態と同様に、誘電体前駆体膜を結晶化あるいは結晶
成長させる前に、上部電極用の第2層および第1層をそ
れぞれ成膜し、エッチングして成形するようにしてもよ
い。
【0072】図8はその製造工程を表すものである。す
なわち、まず、先の製造方法と同様にして下地部11の
上に下部電極用の第1層,第2層,第3層および第4層
を順次積層して成膜し(ステップS201)、その上に
非晶質状あるいは微結晶状の誘電体前駆体膜を成膜する
(ステップS202)。次いで、この誘電体前駆体膜の
上に、例えば、先の製造方法と同様にして上部電極用の
第2層および第1層を順次積層して成膜し(ステップS
221)、上部電極用の第1層,第2層、誘電体前駆体
膜および下部電極用の第4層,第3層,第2層,第1層
をエッチングによりそれぞれ所定の形状に成形する(ス
テップS222)。続いて、例えば、酸素熱処理時以上
の温度で不活性ガス雰囲気中において不活性ガス熱処理
を行い、誘電体前駆体膜を結晶化あるいは結晶成長させ
る(ステップS223)。これにより、図5に示した誘
電体キャパシタ40が形成される。
【0073】また、図9はその他の製造工程を表すもの
である。すなわち、まず、先の製造方法と同様にして下
地部11の上に下部電極用の第1層,第2層,第3層お
よび第4層を順次積層して成膜し(ステップS20
1)、その上に非晶質状あるいは微結晶状の誘電体前駆
体膜を成膜したのち(ステップS202)、例えば、必
要に応じて還元性ガス雰囲気中において還元熱処理を行
う(ステップS231)。なお、この還元熱処理は、誘
電体前駆体膜を複数層に分けて成膜する場合には、1層
を成膜する度に行うようにしてもよい。これは、非晶質
状の誘電体前駆体膜を成膜する場合において特に有効で
ある。
【0074】次いで、必要に応じて酸素含有雰囲気中に
おいて酸素熱処理を行い、誘電体前駆体膜に酸素を補充
する(ステップS232)。続いて、誘電体前駆体膜の
上に、例えば、先の製造方法と同様にして上部電極用の
第2層および第1層を順次積層して成膜し(ステップS
233)、上部電極用の第1層,第2層、誘電体前駆体
膜および下部電極用の第4層,第3層,第2層,第1層
をエッチングによりそれぞれ所定の形状に成形する(ス
テップS234)。そののち、例えば、不活性ガス雰囲
気中において予備熱処理を行い、誘電体前駆体膜を少し
結晶化させ、あるいは少し結晶成長させる(ステップS
235)。これは、後続の還元熱処理を誘電体前駆体膜
の結晶化がある程度進んだ状態で行う方が好ましいから
である。予備熱処理を行ったのち、例えば、先の製造方
法と同様にして、還元熱処理を行い(ステップS23
6)、不活性ガス熱処理を行って誘電体前駆体膜を結晶
化あるいは結晶成長させる(ステップS237)。これ
により、図5に示した誘電体キャパシタ40が形成され
る。
【0075】このような誘電体キャパシタ40は、第1
の実施の形態と同様に作用し、第1の実施の形態と同様
にしてメモリに用いられる。
【0076】このように本実施の形態によれば、酸素含
有材料MIaIIb c を用いて上部電極14を形成する
ようにしたので、上第1の実施の形態において説明した
効果に加えて、上部電極用の第2層および第1層をそれ
ぞれ成膜したのちに、不活性ガス雰囲気中において熱処
理を行うようにしても、良好な特性を得ることができ
る。よって、誘電体前駆体膜を成膜したのちに不活性ガ
ス熱処理または還元熱処理を行い、トランジスタの機能
を回復するための水素熱処理による特性の劣化を防止す
ることができる。
【0077】また、酸素含有材料MIIIdIVe f を用
いて下部電極42を形成するようにしたので、下地部1
1および誘電体膜13との間における元素の拡散を防止
することができ、特性を改善することができると共に、
下部電極42の微細加工も容易とすることができる。更
に、酸素含有層42aと密着層42cとの間に貴金属層
42bを設けるようにしたので、水素熱処理による特性
の劣化を防止するための不活性ガス熱処理または還元熱
処理を行っても、下部電極42の密着性を確保すること
ができる。加えて、密着層42cが合金MVgVIh を含
むようにすれば、酸素含有層42aおよび貴金属層42
b,42dと構成元素に共通性を持たせることができ、
生産性を向上させることができる。更にまた、酸素含有
層42aと誘電体膜13との間に貴金属層42dを設け
るようにすれば、誘電体膜13の特性を向上させること
ができる。
【0078】
【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について図1
乃至図9を参照して詳細に説明する。
【0079】(第1の実施例)まず、下地部11をシリ
コンの基板の上に形成された厚さ30nmの二酸化ケイ
素膜とし、その上に、スパッタリング法により、チタン
を用いた厚さ20nmの下部電極用の第1層と、白金を
用いた厚さ200nmの下部電極用の第2層とを順次積
層して成膜した(ステップS101;図2参照)。
【0080】次いで、ストロンチウムとビスマスとタン
タルとをSr:Bi:Ta=0.8:2.2:2.0の
モル比で含むゾルゲル溶液を用意し、このゾルゲル溶液
を下部電極用の第2層の上にスピンコート法により塗布
したのち、大気中において250℃で7分間の加熱を行
い有機溶媒成分を除去し、下記の条件でRTAを行っ
た。
【0081】これにより、ストロンチウムとビスマスと
タンタルとを含有する層状構造酸化物(以下、SBTと
言う)が得られた。このSBTは微結晶状であった。そ
ののち、このゾルゲル溶液の塗布からRTAを3回繰り
返して行い、SBTを主として含む厚さ170nmの誘
電体前駆体膜を成膜した(ステップS102;図2参
照)。
【0082】続いて、酸素雰囲気中において750℃で
1時間の酸素熱処理を行った(ステップS103;図2
参照)。この酸素熱処理を行ったのち、誘電体前駆体膜
の上に、スパッタリング法により、Ira Hfb c
用いて厚さ200nmの上部電極用の第1層を成膜し
(ステップS104;図2参照)、窒素雰囲気中におい
て750℃で30分間の熱処理を行った(ステップS1
05;図2参照)。そののち、エッチングにより成形を
行い(ステップS106;図2参照)、誘電体キャパシ
タ10を得た。
【0083】作製した誘電体キャパシタ10について強
誘電体特性を測定した。誘電体キャパシタ10の製造条
件および測定結果を表2にそれぞれ示す。このように、
誘電分極値2Prは19μC/cm2 、抗電圧2Vcは
1.8VとSBTを用いた誘電体キャパシタとしては良
好な値が得られた。すなわち、Ira Hfb c を用い
て上部電極を形成すれば、成膜後の熱処理を不活性ガス
雰囲気中において行っても良好な特性が得られることが
分かった。
【0084】
【表2】
【0085】(第2の実施例)上部電極用の第1層を成
膜する前に、誘電体前駆体膜の上に、スパッタリング法
により、イリジウムを用いて厚さ20nmの上部電極用
の第2層を成膜し、この第2層の上に上部電極用の第1
層を成膜した(ステップS104;図2参照)ことを除
き、第1の実施例と同一の条件で誘電体キャパシタ10
を作製した。この誘電体キャパシタ10についても、第
1の実施例と同様にしてその強誘電体特性を調べた。誘
電体キャパシタ10の製造条件および測定結果を表2に
それぞれ示す。このように、誘電分極値2Prは19μ
C/cm2 、抗電圧2Vcは1.8Vと良好な値が得ら
れた。なお、本実施例の方が第1の実施例に比べて特性
のばらつきが少なかった。すなわち、上部電極14の酸
素含有層14aと誘電体膜13との間に貴金属層14b
を設けることにより、特性のばらつきを改善できること
が分かった。
【0086】(第3の実施例)まず、下地部11として
シリコンの基板と、シリコンの基板の上に形成した厚さ
300nmの二酸化ケイ素膜との2種類を用意し、それ
ぞれの上に、スパッタリング法により、Ir92Hf
8 (原子%)を用いた厚さ20nmの下部電極用の第1
層と、イリジウムを用いた厚さ20nmの下部電極用の
第2層と、Ird Hfe f を用いた厚さ100nmの
下部電極用の第3層と、イリジウムを用いた厚さ20n
mの下部電極用の第4層とを順次積層して成膜した(ス
テップS201;図7参照)。
【0087】次いで、ストロンチウムとビスマスとタン
タルとニオブとをSr:Bi:Ta:Nb=0.8:
2.2:1.75:0.25のモル比で含むゾルゲル溶
液を用意し、第1の実施例と同様にして、ストロンチウ
ムとビスマスとタンタルとニオブとを含有する層状構造
酸化物(以下、SBTNと言う)を主として含む厚さ1
70nmの誘電体前駆体膜をそれぞれ成膜した(ステッ
プS202;図7参照)。なお、RTAは下記の条件で
行った。
【0088】続いて、下記の条件で還元熱処理をそれぞ
れ行った(ステップS211;図7参照)。
【0089】還元熱処理を行ったのち、窒素雰囲気中に
おいて750℃で1時間の不活性ガス熱処理をそれぞれ
行った(ステップS213;図7参照)。不活性ガス熱
処理を行ったのち、スパッタリング法により、イリジウ
ムを用いた厚さ20nmの上部電極用の第2層と、Ir
a Hfb c を用いた厚さ200nmの上部電極用の第
1層とを順次積層してそれぞれ成膜した(ステップS2
04;図7参照)。そののち、第1の実施例と同様にし
て、それぞれ窒素雰囲気中において熱処理を行い(ステ
ップS205;図7参照)、エッチングにより成形した
(ステップS206;図7参照)。これにより、誘電体
キャパシタ40をそれぞれ得た。
【0090】これらの誘電体キャパシタ40について
も、第1の実施例と同様にしてその強誘電体特性をそれ
ぞれ調べた。誘電体キャパシタ40の製造条件および測
定結果を表2にそれぞれ示す。下地部11をシリコンの
基板とした場合も、二酸化ケイ素膜とした場合も共に、
誘電分極値2Prが18μC/cm2 、抗電圧2Vcが
2.0VとSBTNを用いた誘電体キャパシタとしては
良好な値が得られた。
【0091】また、これらの誘電体キャパシタ40につ
いて下記の条件で水素熱処理をそれぞれ行い、更に、窒
素雰囲気中において450℃で30分間の回復熱処理を
それぞれ行った。
【0092】そののち、水素熱処理を行った誘電体キャ
パシタ40について強誘電体特性の測定をそれぞれ行っ
た。それらの結果を同じく表2に示す。下地部11をシ
リコンの基板とした場合も、二酸化ケイ素膜とした場合
も共に、誘電分極値2Prが18μC/cm2 、抗電圧
2Vcが2.0Vと水素熱処理前と同一の値が得られ、
水素熱処理を行っても特性が劣化しないことが分かっ
た。すなわち、Ira Hfb c を用いて上部電極を形
成すれば、トランジスタの機能を回復するための水素熱
処理を行っても特性の劣化しない誘電体キャパシタを得
られることが分かった。
【0093】(第4の実施例)まず、下地部11として
シリコンの基板と、シリコンの基板の上に形成した厚さ
300nmの二酸化ケイ素膜との2種類を用意し、それ
ぞれの上に、スパッタリング法により、チタンを用いた
厚さ20nmの下部電極用の第1層と、イリジウムを用
いた厚さ20nmの下部電極用の第2層と、Ird Hf
e f を用いた厚さ100nmの下部電極用の第3層
と、イリジウムを用いた厚さ20nmの下部電極用の第
4層とを順次積層して成膜した(ステップS201;図
9参照)。
【0094】次いで、ストロンチウムとビスマスとタン
タルとニオブとをSr:Bi:Ta:Nb=0.8:
2.2:1.75:0.25のモル比で含むゾルゲル溶
液を用意し、第1の実施例と同様にして、SBTNを主
として含む誘電体前駆体膜をそれぞれ成膜した(ステッ
プS202;図9参照)。なお、RTAは下記の条件で
行った。
【0095】ここで、誘電体前駆体膜の表面状態を走査
電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)
により観察したところ、粒径が約20nmの細かい結晶
粒の集まりが見られ、表面性は良好であった。また、X
線回折により同定分析を行ったところ、酸化イリジウム
(IrO2 )の存在が認められた。すなわち、下部電極
用の第2層,第3層および第4層のうちの一部は酸素熱
処理により酸化されていた。
【0096】続いて、この誘電体前駆体膜の上に、スパ
ッタリング法によりIra Hfb c を用いた厚さ20
0nmの上部電極用の第1層をそれぞれ成膜した(ステ
ップS233;図9参照)。そののち、窒素雰囲気中に
おいて750℃で30分間の予備熱処理をそれぞれ行い
(ステップS235;図9参照)、下記の条件で還元熱
処理をそれぞれ行った(ステップS236;図9参
照)。ここで再びX線回折により同定分析を行ったとこ
ろ、酸化イリジウムの存在は認められなかった。すなわ
ち、酸素熱処理において下部電極用の第2層,第3層お
よび第4層のうちの一部に生成した酸化物は還元熱処理
により還元されていた。
【0097】還元熱処理を行ったのち、窒素雰囲気中に
おいて750℃で1時間の不活性ガス熱処理をそれぞれ
行った(ステップS237;図9参照)。ここで再びS
EMによる観察を行ったところ、誘電体前駆体膜の結晶
粒は粒径が100nm程度まで成長していた。そのの
ち、エッチングによりそれぞれ成形して誘電体キャパシ
タ40をそれぞれ得た。
【0098】これらの誘電体キャパシタ40について
も、第1の実施例と同様にして、強誘電体特性の測定を
それぞれ行った。また、第3の実施例と同様に、水素熱
処理後の強誘電体特性についてもそれぞれ測定した。誘
電体キャパシタ40の製造条件およびそれらの測定結果
を表2にそれぞれ示す。下地部11をシリコンの基板と
した場合も、二酸化ケイ素膜とした場合も共に、水素熱
処理前の誘電分極値2Prが17μC/cm2 、抗電圧
2Vcが2.0Vであり、水素熱処理後の誘電分極値2
Prが16μC/cm2 、抗電圧2Vcが2.0Vと良
好な値が得られ、ほとんど水素熱処理による劣化は見ら
れなかった。なお、水素熱処理と回復熱処理を数回繰り
返すことにより、劣化の改善が見られた。
【0099】また、第4の実施例に対する比較例(比較
例1)として、イリジウムを用いて上部電極を形成した
ことを除き、第4の実施例と同一の条件で誘電体キャパ
シタを作製した。この誘電体キャパシタについても、同
様にして強誘電体特性の測定を行った。誘電体キャパシ
タの製造条件および測定結果を表3にそれぞれ示す。こ
の誘電体キャパシタは、水素熱処理後には完全にショー
トしており、特性を測定することができなかった。
【0100】
【表3】
【0101】これにより、Ira Hfb c を用いて上
部電極を形成すれば、誘電体前駆体膜の結晶を成長させ
る前に上部電極用の第1層を成膜しても、良好な誘電体
キャパシタを得られることが分かった。
【0102】(第5の実施例)上部電極用の第1層を成
膜する前に、誘電体前駆体膜の上に、スパッタリング法
により、イリジウムを用いて厚さ20nmの上部電極用
の第2層を成膜し、この第2層の上に上部電極用の第1
層を成膜した(ステップS233;図9参照)ことを除
き、第4の実施例と同一の条件で誘電体キャパシタ40
をそれぞれ作製した。これらの誘電体キャパシタ40に
ついても、同様にして強誘電体特性をそれぞれ調べた。
誘電体キャパシタ40の製造条件およびそれらの測定結
果を表2にそれぞれ示す。このように、下地部11をシ
リコンの基板とした場合も、二酸化ケイ素膜とした場合
も共に、水素熱処理前も後も誘電分極値2Prが18μ
C/cm2 、抗電圧2Vcが2.0Vと良好な値が得ら
れ、水素熱処理による劣化は認められなかった。
【0103】(第6の実施例)まず、下地部11として
シリコンの基板を用意し、その上に、スパッタリング法
により、Ir92Hf8 (原子%)を用いた厚さ20nm
の下部電極用の第1層と、イリジウムを用いた厚さ20
nmの下部電極用の第2層と、Ird Hfe f を用い
た厚さ100nmの下部電極用の第3層と、イリジウム
を用いた厚さ20nmの下部電極用の第4層とを順次積
層して成膜した(ステップS201;図9参照)。
【0104】次いで、第1の実施例と同様にして、SB
Tを主として含む誘電体前駆体膜を成膜した(ステップ
S202;図9参照)。なお、RTAは下記の条件で行
った。
【0105】また、ここでは、RTA後毎に下記の条件
で還元熱処理をそれぞれ行い、酸素熱処理により下部電
極用の第1層,第2層,第3層および第4層のうちの一
部に生成していると思われる酸化物を還元するようにし
た(ステップS232;図9参照)。このようにして誘
電体前駆体膜を成膜したのち、その表面状態をSEMに
より観察したところ、誘電体前駆体膜は非晶質状であ
り、表面性は良好であった。更に、X線回折により同定
分析を行ったところ、酸化イリジウム(IrO2)の存
在は認められなかった。
【0106】続いて、酸素雰囲気中において450℃で
30分間の酸素熱処理を行い、誘電体前駆体膜に酸素を
補充した(ステップS232;図9参照)。この酸素熱
処理を行ったのち、誘電体前駆体膜の上に、スパッタリ
ング法により、イリジウムを用いた厚さ20nmの上部
電極用の第2層と、Ira Hfb c を用いた厚さ20
0nmの上部電極用の第1層とを積層して成膜した(ス
テップS233;図9参照)。
【0107】そののち、窒素雰囲気中において750℃
で30分間の予備熱処理を行い(ステップS235;図
9参照)、更に、先の還元熱処理と同一の条件で再度還
元熱処理を行った(ステップS236;図9参照)。還
元熱処理を行ったのち、窒素雰囲気中において750℃
で1時間の不活性ガス熱処理を行った(ステップS23
7;図9参照)。ここで再びSEMによる観察を行った
ところ、誘電体前駆体膜の結晶粒は粒径が100nm程
度まで成長していた。そののち、エッチングにより成形
して誘電体キャパシタ40を得た。
【0108】この誘電体キャパシタ40についても、第
1の実施例と同様にして、強誘電体特性の測定を行っ
た。また、第3の実施例と同様に、水素熱処理後の強誘
電体特性についても測定した。誘電体キャパシタ40の
製造条件およびそれらの測定結果を表2にそれぞれ示
す。水素熱処理前も後も誘電分極値2Prが18μC/
cm2 、抗電圧2Vcが2.0Vと良好な値が得られ、
水素熱処理による劣化は認められなかった。
【0109】なお、第5の実施例に対する比較例(比較
例2)として、白金を用いて上部電極を形成したことを
除き、第5の実施例と同一の条件で誘電体キャパシタを
作製した。しかし、白金を用いて上部電極用の層を成膜
したのち予備熱処理を行い還元熱処理を行った段階で、
白金の層の表面に気泡およびふくれが生じてしまい、良
好な誘電体キャパシタを得ることができなかった。
【0110】(第7の実施例)上部電極用の第2層およ
び第1層をそれぞれ成膜したのち、予備熱処理を行う前
にエッチングにより成形を行った(ステップS234;
図9参照)ことを除き、第6の実施の形態と同一の条件
で誘電体キャパシタ40を作製した。その結果、第6の
実施の形態と同様の良好な誘電体キャパシタ40が得ら
れた。
【0111】なお、以上の実施例では具体的に例を挙げ
て説明したが、本発明の誘電体キャパシタ10,40で
あれば上記実施例と同様の結果を得ることができる。例
えば、上部電極14を酸素含有材料MIaIIb c を用
いて形成するようにすれば、成膜後の熱処理を不活性ガ
ス雰囲気中としても良好な特性を得ることができ、水素
熱処理により特性が劣化しない誘電体キャパシタを得る
ことができると共に、誘電体前駆体膜を結晶化あるいは
結晶成長させる前に成膜してエッチングによる成形をす
ることができ、微細加工が可能となる。
【0112】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態および
実施例に限定されるものではなく、種々変形可能であ
る。例えば、上記実施の形態および実施例においては、
上部電極14を酸素含有層14aにより、または酸素含
有層14aと貴金属層14bとにより構成するようにし
たが、他の層を含んでいてもよい。
【0113】また、上記実施の形態および実施例におい
ては、下部電極12,42の構成について具体的に例を
挙げて説明したが、本発明は、下部電極が他の構成を有
する場合についても適用される。
【0114】更に、上記実施の形態および実施例におい
ては、誘電体膜13をビスマスを含有する層状構造酸化
物を含む強誘電体により構成する場合について説明した
が、本発明は、PZTなどを含む他の強誘電体により誘
電体膜を構成する場合についても同様に適用され、同様
の効果を得ることができる。
【0115】加えて、高誘電体により誘電体膜を構成す
る場合についても同様に適用され、同様の効果を得るこ
とができる。高誘電体としては、例えば、IIa族元素
のマグネシウム(Mg),カルシウム,ストロンチウム
およびバリウムと、IVa族元素のチタンおよびジルコ
ニウムと、Va族元素のニオブおよびタンタルと、IV
b族元素の鉛(Pb)およびスズ(Sn)と、Vb族元
素のビスマスとからなる群より選ばれた2以上の元素
と、酸素とからなる酸化物を含むものがある。特に、こ
の酸化物では、IIa族元素のマグネシウム,カルシウ
ム,ストロンチウムおよびバリウムとIVb族元素の鉛
とからなる群より選ばれた少なくとも1種の第1の元素
Aと、IVa族元素のチタンおよびジルコニウムとIV
b族元素の錫とからなる群より選ばれた少なくとも1種
の第2の元素Bと、酸素とからなり、組成式がABO3
により表されるものが優れた特性を得ることができ好ま
しい。
【0116】更にまた、上記実施の形態および実施例に
おいては、誘電体膜をゾルゲル法により形成するように
したが、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor D
eposition )法,レーザーアブレーション法,MOD
(Metal Organic Decomposition )法やあるいはパッタ
リング法などの他の方法により形成するようにしてもよ
い。
【0117】加えてまた、上記実施の形態および実施例
においては、誘電体膜13の形成に際し、酸素熱処理を
行ったのちこの酸素熱処理時以上の温度で不活性ガス熱
処理を行い誘電体膜13の特性を改善する場合に、不活
性ガス熱処理により誘電体前駆体膜の結晶も成長させる
ようにしたが、この不活性ガス熱処理は結晶成長のため
の熱処理である必要はない。また、酸素熱処理を行った
のち還元熱処理を行い誘電体膜13の特性を改善する場
合に、還元熱処理を誘電体前駆体膜の結晶成長の前に行
うようにしたが、結晶を成長させた後に行うようにして
もよい。
【0118】更にまた、上記実施の形態においては、基
板21に対して垂直方向に誘電体キャパシタ10,40
とトランジスタ20とが形成されているメモリについて
説明したが、本発明は、基板21に対して平行方向に誘
電体キャパシタ10,40とトランジスタ20とが並べ
て形成されるメモリについても適用することができる。
【0119】加えてまた、上記実施の形態においては、
誘電体キャパシタ10,40を1つのメモリに用いた場
合について説明したが、本発明は、複数のメモリを集積
したLSI(Large Scale Integrated Circuit)メモリ
についても同様に適用することができる。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように請求項1乃至請求項
10のいずれか1に記載の誘電体キャパシタによれば、
第2の電極に酸素含有材料MIaIIb c を含む第2電
極酸素含有層を備えるようにしたので、第2の電極の微
細加工が容易となり、素子の微細化を図ることができる
という効果を奏する。また、第2の電極を形成する際に
不活性ガス雰囲気中において熱処理を行うようにして
も、良好な特性を得ることができる。よって、不活性ガ
ス熱処理または還元熱処理を行うことにより、トランジ
スタの機能を回復するための水素熱処理による特性の劣
化を防止することができるという効果も奏する。更に、
誘電体膜について結晶化あるいは結晶成長させる前に第
2の電極を成膜しても、良好な特性を得ることができ
る。よって、成形時のエッチングについて微細加工が容
易となるという効果も奏する。
【0121】特に、請求項2記載の誘電体キャパシタに
よれば、第2電極酸素含有層と誘電体膜との間に第2電
極貴金属層を備えるようにしたので、ばらつきの少ない
安定した特性を得ることができるという効果を奏する。
【0122】また、請求項3乃至請求項7のいずれか1
に記載の誘電体キャパシタによれば、第1の電極に酸素
含有材料MIIIdIVe f を含む第1電極酸素含有層を
備えるようにしたので、下地部および誘電体膜との間に
おける元素の拡散を防止することができ、特性を改善す
ることができると共に、第1の電極の微細加工も容易と
することができるという効果を奏する。
【0123】更に、請求項4乃至請求項6のいずれか1
に記載の誘電体キャパシタによれば、第1電極酸素含有
層と密着層との間に第1電極貴金属層を備えるようにし
たので、誘電体膜の特性を改善するために不活性ガス熱
処理または還元熱処理を行っても、第1の電極の密着性
を確保することができるという効果を奏する。
【0124】加えて、請求項5記載の誘電体キャパシタ
によれば、密着層が合金MVgVIhを含むようにしたの
で、第1電極酸素含有層および第1電極貴金属層と構成
元素に共通性を持たせることができ、生産性を向上させ
ることができるという効果を奏する。
【0125】更にまた、請求項7記載の誘電体キャパシ
タによれば、第1電極酸素含有層と誘電体膜との間に他
の第1電極貴金属層を備えるようにしたので、誘電体膜
の特性を向上させることができるという効果を奏する。
【0126】加えてまた、請求項11または請求項12
に記載のメモリによれば、請求項1乃至請求項10のい
ずれか1に記載の誘電体キャパシタを備えるようにした
ので、良好な特性を得ることができると共に、微細加工
が容易となり、素子の微細化を図ることができるという
効果を奏する。
【0127】更にまた、請求項13乃至請求項21のい
ずれか1に記載の誘電体キャパシタの製造方法によれ
ば、酸素含有材料MIaIIb c を用いて第2電極用の
第1層を成膜するようにしたので、第2の電極の微細加
工が容易となり、素子の微細化を図ることができるとい
う効果を奏する。
【0128】特に、請求項16乃至請求項19記載の誘
電体キャパシタの製造方法によれば、誘電体膜を形成す
るに際し、酸素熱処理を行ったのち、この酸素熱処理時
以上の温度で不活性ガス熱処理を行うようにしたので、
またはこの酸素熱処理において第1電極用の第1の層,
第2の層および第3の層のうちの一部に生成した酸化物
を還元するようにしたので、水素熱処理による誘電体膜
の特性劣化を防止することができるという効果を奏す
る。
【0129】また、請求項20または請求項21記載の
誘電体キャパシタの製造方法によれば、誘電体前駆体膜
を成膜したのち、誘電体前駆体膜を結晶化あるいは結晶
成長させる前に、第2電極用の第1層を成膜するように
したので、表面が滑らかな状態で第2電極用の第1層を
成膜することができ、第2電極用の第1層および誘電体
前駆体膜をエッチングにより成形することができる。よ
って、微細加工が更に容易となるという効果を奏する。
【0130】更に、請求項22乃至請求項25のいずれ
か1に記載のメモリの製造方法によれば、本発明の誘電
体キャパシタの製造方法を含んでいるので、微細加工が
容易となり、素子の微細化を図ることができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る誘電体キャパ
シタの構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した誘電体キャパシタの製造方法を表
す流れ図である。
【図3】図1に示した誘電体キャパシタの他の製造方法
を表す流れ図である。
【図4】図1に示した誘電体キャパシタを用いたメモリ
の構成を表す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る誘電体キャパ
シタの構成を表す断面図である。
【図6】図5に示した誘電体キャパシタの製造方法を表
す流れ図である。
【図7】図5に示した誘電体キャパシタの他の製造方法
を表す流れ図である。
【図8】図5に示した誘電体キャパシタの更に他の製造
方法を表す流れ図である。
【図9】図5に示した誘電体キャパシタの更に他の製造
方法を表す流れ図である。
【符号の説明】
10,40…誘電体キャパシタ、11…下地部、12,
42…下部電極(第1の電極)、12a…貴金属層、1
2b,42c…密着層、13…誘電体膜、14…上部電
極(第2の電極)、14a…酸素含有層(第2電極酸素
含有層)、14b…貴金属層(第2電極貴金属層)、2
0…トランジスタ、21…基板、22…ソース領域、2
3…ドレイン領域、24,25…LDD領域、26…ゲ
ート酸化膜、27…ゲート電極、28…ゲート側壁、3
1…フィールド酸化膜、32…層間絶縁膜、32a…コ
ンタクトホール、33…プラグ層、34…絶縁膜、42
a…酸素含有層(第1電極酸素含有層)、42b,42
d…貴金属層(第1電極貴金属層)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/8247 29/788 29/792

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地部により支持されると共に、下地部
    の側から第1の電極,誘電体膜および第2の電極が順に
    形成された誘電体キャパシタであって、 前記第2の電極は、白金(Pt),イリジウム(I
    r),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh)およびパ
    ラジウム(Pd)からなる貴金属元素群のうちの少なく
    とも1種と、ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),
    ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),バナジウム
    (V),モリブデン(Mo),タングステン(W)およ
    び希土類元素からなる遷移金属元素群のうちの少なくと
    も1種と、酸素(O)とからなる酸素含有材料を含む第
    2電極酸素含有層を備えると共に、この酸素含有材料の
    組成式は前記貴金属元素群の元素をMI とし前記遷移金
    属元素群の元素をMIIとするとMIaIIb c で表さ
    れ、その組成範囲は原子%で90≧a≧4,15≧b≧
    2,c≧4,a+b+c=100であることを特徴とす
    る誘電体キャパシタ。
  2. 【請求項2】 前記第2の電極は、更に、前記第2電極
    酸素含有層と前記誘電体膜との間に設けられ、前記貴金
    属元素群のうちの少なくとも1種を含む第2電極貴金属
    層を備えたことを特徴とする請求項1記載の誘電体キャ
    パシタ。
  3. 【請求項3】 前記第1の電極は、前記貴金属元素群の
    うちの少なくとも1種と、前記遷移金属元素群のうちの
    少なくとも1種と、酸素とからなる酸素含有材料を含む
    第1電極酸素含有層を備えると共に、この酸素含有材料
    の組成式は前記貴金属元素群の元素をMIII とし前記遷
    移金属元素群の元素をMIVとするとMIIIdIVe f
    表され、その組成範囲は原子%で90≧d≧4,15≧
    e≧2,f≧4,d+e+f=100であることを特徴
    とする請求項1記載の誘電体キャパシタ。
  4. 【請求項4】 前記第1の電極は、更に、 前記第1電極酸素含有層と前記下地部との間に設けら
    れ、前記貴金属元素群のうちの少なくとも1種を含む第
    1電極貴金属層とこの第1電極貴金属層と前記下地部と
    の間に設けられた密着層とを備えたことを特徴とする請
    求項3記載の誘電体キャパシタ。
  5. 【請求項5】 前記密着層は、前記貴金属元素群のうち
    の少なくとも1種と、前記遷移金属元素群のうちの少な
    くとも1種とからなる合金を含むと共に、この合金の組
    成式は前記貴金属元素群の元素をMV とし前記遷移金属
    元素群の元素をMVIとするとMVgVIh で表され、その
    組成範囲は原子%で97≧g≧90,10≧h≧3,g
    +h=100であることを特徴とする請求項4記載の誘
    電体キャパシタ。
  6. 【請求項6】 前記密着層は、チタン(Ti),ジルコ
    ニウム,ハフニウム,タンタル,ニオブ,クロム(C
    r),モリブデンおよびタングステンからなる群のうち
    の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項4記載
    の誘電体キャパシタ。
  7. 【請求項7】 前記第1の電極は、更に、前記誘電体膜
    と前記第1電極酸素含有層との間に設けられ、前記貴金
    属元素群のうちの少なくとも1種を含む他の第1電極貴
    金属層を備えたことを特徴とする請求項3記載の誘電体
    キャパシタ。
  8. 【請求項8】 前記誘電体膜は、ビスマス(Bi)を含
    有する層状構造酸化物を含む強誘電体よりなることを特
    徴とする請求項1記載の誘電体キャパシタ。
  9. 【請求項9】 前記誘電体膜は、ビスマスと、ストロン
    チウム(Sr),カルシウム(Ca)およびバリウム
    (Ba)からなる群のうちの少なくとも1種と、タンタ
    ルおよびニオブからなる群のうちの少なくとも1種と、
    酸素とからなる層状構造酸化物を含むと共に、この層状
    構造酸化物の組成式はBix (Sr,Ca,Ba)
    y (Ta,Nb)2 9+z で表され、その組成範囲はモ
    ル比で2.50≧x≧1.70,1.20≧y≧0.6
    0,−1.00≧z≧1.00であることを特徴とする
    請求項1記載の誘電体キャパシタ。
  10. 【請求項10】 前記層状構造酸化物は、Bix Sry
    Ta2 9+z の組成式で表され、その組成範囲がモル比
    で2.50≧x≧1.70,1.20≧y≧0.60,
    −1.00≧z≧1.00であることを特徴とする請求
    項9記載の誘電体キャパシタ。
  11. 【請求項11】 下地部により支持され、かつ下地部の
    側から第1の電極,誘電体膜および第2の電極が順に形
    成された誘電体キャパシタを有するメモリであって、 前記第2の電極は、白金(Pt),イリジウム(I
    r),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh)およびパ
    ラジウム(Pd)からなる貴金属元素群のうちの少なく
    とも1種と、ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),
    ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),バナジウム
    (V),モリブデン(Mo),タングステン(W)およ
    び希土類元素からなる遷移金属元素群のうちの少なくと
    も1種と、酸素(O)とからなる酸素含有材料を含む第
    2電極酸素含有層を備えると共に、この酸素含有材料の
    組成式は前記貴金属元素群の元素をMI とし前記遷移金
    属元素群の元素をMIIとするとMIaIIb c で表さ
    れ、その組成範囲は原子%で90≧a≧4,15≧b≧
    2,c≧4,a+b+c=100であることを特徴とす
    るメモリ。
  12. 【請求項12】 更に、前記下地部の少なくとも一部を
    構成するプラグ層を介して前記第1の電極に接続された
    トランジスタを備えたことを特徴とする請求項11記載
    のメモリ。
  13. 【請求項13】 下地部により支持されると共に、下地
    部の側から第1の電極,誘電体膜および第2の電極が順
    に形成された誘電体キャパシタの製造方法であって、第
    2の電極を形成する工程として、 白金(Pt),イリジウム(Ir),ルテニウム(R
    u),ロジウム(Rh)およびパラジウム(Pd)から
    なる貴金属元素群のうちの少なくとも1種と、ハフニウ
    ム(Hf),タンタル(Ta),ジルコニウム(Z
    r),ニオブ(Nb),バナジウム(V),モリブデン
    (Mo),タングステン(W)および希土類元素からな
    る遷移金属元素群のうちの少なくとも1種と、酸素
    (O)とからなり、組成式が前記貴金属元素群の元素を
    I とし前記遷移金属元素群の元素をMIIとするとMIa
    IIb c で表され、その組成範囲は原子%で90≧a
    ≧4,15≧b≧2,c≧4,a+b+c=100であ
    る酸素含有材料を用いて第2電極用の第1層を成膜する
    工程を含むことを特徴とする誘電体キャパシタの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 第2の電極を形成する工程として、更
    に、前記第2電極用の第1層を成膜する前に、前記貴金
    属元素群のうちの少なくとも1種を用いて第2電極用の
    第2層を成膜する工程を含み、この第2電極用の第2層
    の上に第2電極用の第1層を成膜することを特徴とする
    請求項13記載の誘電体キャパシタの製造方法。
  15. 【請求項15】 第1の電極に密着層を含む誘電体キャ
    パシタの製造方法であって、第1の電極を形成する工程
    として、 下地部の上に、密着層を構成することとなる第1電極用
    の第1層を成膜する工程と、 この第1電極用の第1層の上に、前記貴金属元素群のう
    ちの少なくとも1種を用いて第1電極用の第2層を成膜
    する工程と、 この第1電極用の第2層の上に、前記貴金属元素群のう
    ちの少なくとも1種と、前記遷移金属元素群のうちの少
    なくとも1種と、酸素とからなり、組成式が前記貴金属
    元素群の元素をMIII とし前記遷移金属元素群の元素を
    IVとするとMIIIdIVe f で表され、その組成範囲
    は原子%で90≧d≧4,15≧e≧2,f≧4,d+
    e+f=100である酸素含有材料を用いて第1電極用
    の第3層を成膜する工程とを含むことを特徴とする請求
    項13記載の誘電体膜の製造方法。
  16. 【請求項16】 誘電体膜を形成する工程として、 酸素含有雰囲気中において酸素熱処理を行う工程と、 この酸素熱処理を行ったのち、不活性ガス雰囲気中にお
    いて前記酸素熱処理時以上の温度で不活性ガス熱処理を
    行う工程とを含むことを特徴とする請求項15記載の誘
    電体キャパシタの製造方法。
  17. 【請求項17】 誘電体膜を形成する工程として、 酸素含有雰囲気中において酸素熱処理を行う工程と、 この酸素熱処理を行ったのち、前記酸素熱処理において
    第1電極用の第1層,第2層および第3層のうちの一部
    に生成した酸化物を還元する工程とを含むことを特徴と
    する請求項15記載の誘電体キャパシタの製造方法。
  18. 【請求項18】 誘電体膜を形成工程として、更に、前
    記還元を行ったのち、不活性ガス雰囲気中において不活
    性ガス熱処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項
    17記載の誘電体キャパシタの製造方法。
  19. 【請求項19】 誘電体膜を形成する工程として、更
    に、前記還元を行ったのち、前記不活性ガス熱処理を行
    う前に、前記還元工程において還元された物質が酸化を
    起こす温度よりも低い温度で酸素含有雰囲気中により他
    の酸素熱処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項
    18記載の誘電体キャパシタの製造方法。
  20. 【請求項20】 誘電体膜を形成する工程として、非晶
    質状あるいは微結晶状の誘電体前駆体膜を成膜したの
    ち、誘電体前駆体膜を結晶化あるいは結晶成長させる工
    程を含むと共に、誘電体前駆体膜を成膜したのち、誘電
    体前駆体膜を結晶化あるいは結晶成長させる前に、第2
    電極用の第1層を誘電体前駆体膜の上に成膜することを
    特徴とする請求項13記載の誘電体キャパシタの製造方
    法。
  21. 【請求項21】 第2電極用の第1層を成膜したのち、
    誘電体前駆体膜を結晶化あるいは結晶成長させる前に、
    第2電極用の第1層および誘電体前駆体膜をエッチング
    により成形することを特徴とする請求項20記載の誘電
    体キャパシタの製造方法。
  22. 【請求項22】 下地部により支持され、かつ下地部の
    側から第1の電極,誘電体膜および第2の電極が順に形
    成された誘電体キャパシタを有するメモリの製造方法で
    あって、第2の電極を形成する工程として、 白金(Pt),イリジウム(Ir),ルテニウム(R
    u),ロジウム(Rh)およびパラジウム(Pd)から
    なる貴金属元素群のうちの少なくとも1種と、ハフニウ
    ム(Hf),タンタル(Ta),ジルコニウム(Z
    r),ニオブ(Nb),バナジウム(V),モリブデン
    (Mo),タングステン(W)および希土類元素からな
    る遷移金属元素群のうちの少なくとも1種と、酸素
    (O)とからなり、組成式が前記貴金属元素群の元素を
    I とし前記遷移金属元素群の元素をMIIとするとMIa
    IIb c で表され、その組成範囲は原子%で90≧a
    ≧4,15≧b≧2,c≧4,a+b+c=100であ
    る酸素含有材料を用いて第2電極用の第1層を成膜する
    工程を含むことを特徴とするメモリの製造方法。
  23. 【請求項23】 第1の電極に密着層を含むと共に、下
    地部の少なくとも一部を構成するプラグ層を介して誘電
    体キャパシタにトランジスタが接続されたメモリの製造
    方法であって、 第1の電極を形成する工程として、下地部の上に密着層
    を構成することとなる第1電極用の第1層を成膜し、こ
    の第1電極用の第1層の上に前記貴金属元素群のうちの
    少なくとも1種を用いて第1電極用の第2層を成膜し、
    この第1電極用の第2層の上に、前記貴金属元素群のう
    ちの少なくとも1種と、前記遷移金属元素群のうちの少
    なくとも1種と、酸素とからなり、組成式が前記貴金属
    元素群の元素をMIII とし前記遷移金属元素群の元素を
    IVとするとMIIIdIVe f で表され、その組成範囲
    は原子%で90≧d≧4,15≧e≧2,f≧4,d+
    e+f=100である酸素含有材料を用いて第1電極用
    の第3層を成膜する工程と、 誘電体膜を形成する工程として、酸素含有雰囲気中にお
    いて酸素熱処理を行ったのち、不活性ガス雰囲気中にお
    いて前記酸素熱処理時以上の温度で不活性ガス熱処理を
    行う工程と、 この不活性ガス熱処理を行ったのち、トランジスタの機
    能を回復するための水素含有雰囲気中における水素熱処
    理を行う工程とを含むことを特徴とする請求項22記載
    のメモリの製造方法。
  24. 【請求項24】 第1の電極に密着層を含むと共に、下
    地部の少なくとも一部を構成するプラグ層を介して誘電
    体キャパシタにトランジスタが接続されたメモリの製造
    方法であって、 第1の電極を形成する工程として、下地部の上に密着層
    を構成することとなる第1電極用の第1層を成膜し、こ
    の第1電極用の第1層の上に前記貴金属元素群のうちの
    少なくとも1種を用いて第1電極用の第2層を成膜し、
    この第1電極用の第2層の上に、前記貴金属元素群のう
    ちの少なくとも1種と、前記遷移金属元素群のうちの少
    なくとも1種と、酸素とからなり、組成式が前記貴金属
    元素群の元素をMIII とし前記遷移金属元素群の元素を
    IVとするとMIIIdIVe f で表され、その組成範囲
    は原子%で90≧d≧4,15≧e≧2,f≧4,d+
    e+f=100である酸素含有材料を用いて第1電極用
    の第3層を成膜する工程と、 誘電体膜を形成する工程として、酸素含有雰囲気中にお
    いて酸素熱処理を行ったのち、前記酸素熱処理において
    第1電極用の第1層,第2層および第3層のうちの一部
    に生成した酸化物を還元する工程と、 この還元を行ったのち、トランジスタの機能を回復する
    ための水素含有雰囲気中における水素熱処理を行う工程
    とを含むことを特徴とする請求項22記載のメモリの製
    造方法。
  25. 【請求項25】 誘電体膜を形成する工程として、非晶
    質状あるいは微結晶状の誘電体前駆体膜を形成したの
    ち、熱処理を行って誘電体前駆体膜を結晶化あるいは結
    晶成長させる工程を含むと共に、誘電体前駆体膜を成膜
    したのち、誘電体前駆体膜を結晶化あるいは結晶成長さ
    せる前に、第2電極用の第1層を誘電体前駆体膜の上に
    成膜することを特徴とする請求項22記載のメモリの製
    造方法。
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