JP2000348593A - マイクロリレー - Google Patents

マイクロリレー

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佳宏 上野
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    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
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    • H01H59/0009Electrostatic relays; Electro-adhesion relays making use of micromechanics

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触安定性の高いマイクロリレーを提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 固定基板10の上面のうち、固定接点1
3,14の間に、前記固定接点13,14の対向する先
端縁部がはみ出す凹部11aを形成する。一方、前記可
動接点27の接触面にテーパ面27a,27bを形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロリレー、特
に、ダブルブレイク接点構造を有する静電マイクロリレ
ーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロリレーとしては、図9に
示す静電マイクロリレーがある(特開平2─10022
4号公報参照)。すなわち、この静電マイクロリレーで
は、固定基板1の上面両側縁部に配置した2本の棒状の
スペーサ手段2,2を介して可動基板3を組み付けたも
のである。そして、前記固定基板1に設けた固定電極4
a,4bに、静電引力で、前記可動基板3の可動電極5
a,5bを交互にそれぞれ吸着させることにより、枢支
部6を支点に可動電極5a,5bを回動させる。そし
て、前記可動電極5a,5bの下面先端縁部に設けた可
動接点7aおよび7bを、前記固定基板1に設けた2対
の固定接点8a,8bおよび9a,9bに交互に接触さ
せ、開閉していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記静
電マイクロリレーでは、例えば、可動接点7aが固定接
点8a,8bに接触する場合に、可動接点7aが一方の
固定接点8aだけに片当たりし、接触状態が安定しない
という問題点があった。これは、接点の膜厚を均一に形
成することが容易でなく、膜厚にバラツキが生じるため
である。さらに、固定基板1においては、プロセス中の
温度変化、金属を付着させることによる内部応力の発生
によって反りが生じるからである。
【0004】そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、接
触安定性の高い静電マイクロリレーを提供することを課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマイクロリ
レーは、前記課題を解決するための手段として、固定基
板の上面に並設した一対の固定接点に、可動基板に設け
た可動接点を接離させて開閉するダブルブレーク接点構
造を有するマイクロリレーにおいて、前記固定基板の上
面のうち、前記固定接点の間に、前記固定接点の対向す
る先端縁部がはみ出す凹部を形成する一方、前記可動接
点の接触面に傾斜面を形成した構成としてある。
【0006】また、固定基板の上面に並設した一対の固
定接点に、可動基板に設けた可動接点を接離させて開閉
するダブルブレーク接点構造を有するマイクロリレーに
おいて、前記固定基板の上面のうち、前記固定接点の間
に、前記固定接点の対向する先端縁部がはみ出す凹部を
形成するとともに、前記固定接点の少なくともいずれか
一方の接触面に傾斜面を形成した構成であってもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を添
付図面に従って説明する。第1実施形態に係る静電マイ
クロリレーは、図1ないし図6に示すように、固定基板
10の上面に可動基板20を積み重ねたものである。
【0008】前記固定基板10には、単結晶シリコン基
板11の上面に絶縁膜15を介して固定電極12および
固定接点13,14が形成されている。また、前記固定
電極12および固定接点13,14は、プリント配線1
6aおよび17a,18aを介して接続パッド16およ
び17,18にそれぞれ接続されている。そして、前記
固定電極12およびプリント配線16a,17a,18
aの表面が絶縁膜15で被覆されている。また、前記固
定基板の略中央に凹部11aが形成され、この凹部11
aに前記固定接点13,14の対向する先端縁部が迫り
出している(図3(a))。
【0009】前記可動基板20は、前記ベース10の上
面に立設した4本の支持部21の上面縁部から側方にそ
れぞれ延在する第1梁部22で、可動電極23を均等に
支持したものである。そして、前記支持部21の1本
は、前記固定基板10の上面に設けたプリント配線19
aを介して接続パッド19に接続されている。一方、前
記可動電極23には、その中央に一対のスリット24,
24を設けることにより、第2梁部25が形成されてい
る。第2梁部25の下面中央には絶縁膜26を介して可
動接点27が設けられている。この可動接点27は前記
固定接点13,14に接離可能に対向するテーパ面27
a,27bを有している。
【0010】次に、前述の構成からなる静電マイクロリ
レーの製造方法を説明する。まず、図4(a)のシリコ
ン基板11に図4(b)に示すように絶縁膜15を介し
て固定電極12および固定接点13,14を形成する。
これと同時に、接続パッド16,17,18,19、お
よび、プリント配線16a,17a,18a,19aを
それぞれ形成する。そして、固定電極12およびプリン
ト配線16a,17a,18aを絶縁膜15で被覆す
る。さらに、前記固定接点13,14の間に凹部11a
を形成することにより、固定接点13,14の対向する
先端縁部が凹部11a内に迫り出し、固定基板10が完
成する(図4(c))。
【0011】なお、前記絶縁膜15として比誘電率3〜
4のシリコン酸化膜あるいは比誘電率7〜8のシリコン
窒化膜を用いれば、大きな静電引力が得られ、接触荷重
を増加させることができる。
【0012】一方、図5(a)に示すように、上面側か
らシリコン層31,酸化シリコン層32およびシリコン
層33からなるSOIウエハ30の下面に、接点間ギャ
ップを形成するため、ウェットエッチングを行う。ウェ
ットエッチングとしては、例えば、シリコン酸化膜をマ
スクとするTMAHによる方法がある。この結果、図5
(b)に示すように、下方側に突出する支持部21を形
成できる。そして、図5(c)に示すように、絶縁膜2
6を設けた後、可動接点27を形成し、ついで、不要な
絶縁膜26を除去する(図5(d))。
【0013】次に、図6(a)に示すように、前記ベー
ス10に前記SOIウエハ30を所定の位置に接合一体
化する。そして、図6(b)に示すように、SOIウエ
ハ30の上面をTMAH,KOH等のアルカリエッチン
グ液で酸化シリコン層32までエッチングし、薄くす
る。さらに、フッ素系エッチング液で前記酸化シリコン
層32を除去し、図6(b)に示すようにシリコン層3
3、すなわち可動電極25を露出させる。そして、RI
E等を用いたドライエッチングで型抜きエッチングを行
い、切欠部およびスリット24,24を形成することに
より、第1,第2梁部23,25を切り出し、可動基板
20が完成する。
【0014】なお、ベース10は単結晶シリコン基板1
1に限らず、ガラス基板で形成してもよい。
【0015】次に、前記構成からなる静電マイクロリレ
ーの動作について説明する。両電極12,23間に電圧
を印加せず、静電引力を発生させていない状態では、図
1(b),(c)に示すように、第1梁部22は弾性変
形せず、支持部21から水平に延びた状態を維持する。
このため、可動基板20は固定基板10と所定間隔で対
向し、可動接点27は両固定接点13,14から開離し
ている。
【0016】ここで、両電極12,23間に電圧を印加
して静電引力を発生させると、第1梁部22が弾性変形
し、可動電極23が固定電極12に接近する。前記静電
引力は、電極間距離が小さくなるに従って増加する傾向
にある。そして、可動基板10が固定基板20に当接直
前まで接近すると、両電極12,23間に作用する静電
引力は急激に増大し、可動接点27のテーパ面27a,
27bが固定接点13,14の先端縁部にそれぞれ接触
する。そして、可動電極23が固定電極12に絶縁膜1
5を介して吸着される。このため、可動接点27が第2
梁部25を介して固定接点13,14に押し付けられ
る。このとき、可動接点27の表面はテーパ面27a,
27bを有している。一方、固定接点13,14の対向
する先端縁部が凹部11a内に迫り出している。このた
め、可動接点27が固定接点13,14に接触した後
も、固定接点13,14を凹部11a内に押し込む。こ
の結果、固定接点13,14の膜厚にバラツキがあって
も、可動接点27が固定接点13,14に確実に接触
し、安定した接触状態を確保できる。
【0017】その後、両電極12,23間の印加電圧を
除去すると、第1,第2梁部22,25の弾性力が接点
開離力として作用する。このため、可動電極23が固定
電極12から開離し、可動接点27が固定接点13,1
4から開離し、元の状態に復帰する。
【0018】また、本実施形態では、可動基板20全体
をシリコンウェハ単体で形成すると共に、点対称,断面
線対称となるように形成してある。このため、可動電極
25に反りや捩りが生じにくい。したがって、動作不能
および動作特性のバラツキを効果的に防止でき、円滑な
動作特性を確保できる。
【0019】本発明に係る静電マイクロリレーの第2実
施形態は、図7に示すように、固定接点13,14の表
面にテーパ面13a,14aをそれぞれ形成する一方、
可動接点27の下面を平滑とした場合である。この静電
マイクロリレーによれば、可動接点27が下降して固定
接点13,14に接触すると、可動接点27はテーパ面
13a,14aの対向する先端縁部に接触する。つい
で、固定接点13,14は弾性変形し、凹11a内に押
し込まれる(図7(b))。このため、可動接点27ま
たは固定接点13,14の膜厚にバラツキがあっても、
可動接点27が固定接点13,14に確実に接触し、接
触信頼性が高いという利点がある。他は前述の第1実施
形態と同様であるので、説明を省略する。
【0020】第3実施形態は、図8に示すように、一対
の固定接点13,14のうち、一方の固定接点13の上
面を平滑にする一方、残る固定接点14の上面にテーパ
面14aを形成した場合である。この静電マイクロリレ
ーによれば、可動接点27が下降して固定接点13,1
4に接触すると、可動接点27はテーパ面14aの先端
縁部に接触する。ついで、固定接点14を弾性変形させ
ながら、可動接点27が固定接点13に接触する(図8
(b))。このため、第2実施形態と同様、可動接点2
7が固定接点13,14に確実に接触する。
【0021】なお、前記実施形態では、可動基板を4本
の第1梁部22で支持するようにしたが、3本あるいは
2本の第1梁部22で支持するようにしてもよい。これ
により、面積効率の良い静電マイクロリレーを得ること
が可能となる。また、前記可動接点および固定接点の接
触面に形成するのは、テーパ面に限らず、円弧面であっ
てもよい。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1に記載の静電マイクロリレーによれば、可動
接点の傾斜面が固定接点の対向する先端縁部に当接した
後、固定接点を弾性変形させつつ、固定基板の凹部に嵌
合する。このため、可動接点が固定接点に確実に接触
し、接触信頼性の高いマイクロリレーが得られる。
【0023】請求項2によれば、一対の固定接点のう
ち、少なくともいずれか一方の固定接点に傾斜面を形成
してある。このため、可動接点が固定接点に設けた傾斜
面の先端縁部に当接した後、その固定接点を弾性変形さ
せて凹部内に押し込む。このため、可動接点と固定接点
との接触が確実になり、接触信頼性が向上するという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る静電マイクロリ
レーの平面図(a)、および、その断面図(b),
(c)である。
【図2】 図1の固定基板の平面図(a)、および、そ
の可動基板の底面図(b)である。
【図3】 図1にかかる可動接点の動作前後を示す拡大
断面図(a),(b)である。
【図4】 図1にかかる固定基板のプロセス工程を示す
断面図である。
【図5】 図1にかかる可動基板のプロセス工程を示す
断面図である。
【図6】 図1にかかる固定基板および可動基板の接合
後のプロセス工程を示す断面図である。
【図7】 本発明の第1実施形態に係る静電マイクロリ
レーの可動接点の動作前後を示す拡大断面図(a),
(b)である。
【図8】 本発明の第2実施形態に係る静電マイクロリ
レーの可動接点の動作前後を示す拡大断面図(a),
(b)である。
【図9】 従来例に係る静電マイクロリレーの分解斜視
図(a)、および、断面図(b)である。
【符号の説明】
10…固定基板、11…シリコン基板、11a…凹部、
12…固定電極、13,14…固定接点、13a,14
a…テーパ面、15…絶縁膜。20…可動基板、21…
支持部、22…第1梁部、23…可動電極、24…スリ
ット、25…第2梁部、26…絶縁膜、27…可動接
点、27a,27b…テーパ面。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定基板の上面に並設した一対の固定接
    点に、可動基板に設けた可動接点を接離させて開閉する
    ダブルブレーク接点構造を有するマイクロリレーにおい
    て、 前記固定基板の上面のうち、前記固定接点の間に、前記
    固定接点の対向する先端縁部がはみ出す凹部を形成する
    一方、前記可動接点の接触面に傾斜面を形成したことを
    特徴とするマイクロリレー。
  2. 【請求項2】 固定基板の上面に並設した一対の固定接
    点に、可動基板に設けた可動接点を接離させて開閉する
    ダブルブレーク接点構造を有するマイクロリレーにおい
    て、 前記固定基板の上面のうち、前記固定接点の間に、前記
    固定接点の対向する先端縁部がはみ出す凹部を形成する
    とともに、前記固定接点の少なくともいずれか一方の接
    触面に傾斜面を形成したことを特徴とするマイクロリレ
    ー。
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