JPH11176307A - 静電マイクロリレー - Google Patents

静電マイクロリレー

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JPH11176307A
JPH11176307A JP9337000A JP33700097A JPH11176307A JP H11176307 A JPH11176307 A JP H11176307A JP 9337000 A JP9337000 A JP 9337000A JP 33700097 A JP33700097 A JP 33700097A JP H11176307 A JPH11176307 A JP H11176307A
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JP
Japan
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movable
actuator
electrostatic
thin plate
electrode
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JP9337000A
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English (en)
Inventor
Tomonori Seki
知範 積
Minoru Sakata
稔 坂田
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Publication of JPH11176307A publication Critical patent/JPH11176307A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H1/00Contacts
    • H01H1/50Means for increasing contact pressure, preventing vibration of contacts, holding contacts together after engagement, or biasing contacts to the open position
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H59/00Electrostatic relays; Electro-adhesion relays
    • H01H59/0009Electrostatic relays; Electro-adhesion relays making use of micromechanics

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  • Weting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐電圧および接点圧が高い小型の静電マイク
ロリレーを提供することにある。 【解決手段】 アクチュエータ20の両端支持された薄
板可動片22の上面に可動接点26を設ける。さらに、
前記薄板可動片22の両端から駆動部23a,23bを
下方側に突設し、この駆動部23a,23bの可動接点
26側の側面に可動電極25a,25bをそれぞれ設け
る。一方、ベース10に、前記可動電極25a,25b
に吸着可能に対向する固定電極14a,14bをそれぞ
れ設ける。そして、前記電極14a,25aおよび電極
14b,25b間に生じる静電引力で前記薄板可動片2
2に圧縮力を負荷して座屈させ、前記可動接点26を前
記固定接点33,34に接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電マイクロリレ
ー、特に、両端を支持された可動片の座屈によって接点
を開閉する静電マイクロリレーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静電マイクロリレーとしては、例
えば、特開平6−12962号公報に記載のものがあ
る。すなわち、対向する固定電極および可動電極間に電
圧を印加し、両者間に生じた静電力で可動電極を固定電
極に吸引し、これらによって可動接点を固定接点に接触
させて電気回路を閉成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
静電マイクロリレーは、固定電極の吸引方向と可動接点
の往復移動方向とが同一であり、固定接点に対する可動
接点の負荷荷重(接点圧)が小さい。このため、所望の
接点圧を得ようとすると、静電引力を大きくする必要が
あり、電極の対向面積を大きくする必要があるので、静
電マイクロリレーの床面積を小さくすることが困難であ
る。一方、静電引力を大きくするため、固定電極と可動
電極との間隙を狭めることも考えられるが、所望の絶縁
特性が得られず、耐電圧が低くなるという問題点があ
る。
【0004】本発明は、前記問題点に鑑み、耐電圧およ
び接点圧が高い小型の静電マイクロリレーを提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる静電マイ
クロリレーは、前記目的を達成するため、ベースに設け
た固定電極と、このベースの上方に配したアクチュエー
タの可動電極との間に電圧を印加して生じる静電引力で
前記アクチュエータを駆動し、アクチュエータに設けた
可動接点を固定接点に接離する静電マイクロリレーにお
いて、前記アクチュエータの両端支持された薄板可動片
の上面に可動接点を設けるとともに、前記薄板可動片の
少なくとも一端から駆動部を下方側に突設し、この駆動
部の可動接点側の側面に可動電極を設ける一方、前記ベ
ースに、前記可動電極に吸着可能に対向し、かつ、この
可動電極との間に生じる静電引力で前記薄板可動片に圧
縮力を負荷できる固定電極を、設けた構成としてある。
【0006】前記アクチュエータは、薄板可動片の上面
中央に可動接点を設けるとともに、薄板可動片の下面両
端から駆動部を下方側にそれぞれ突設し、かつ、この駆
動部の内向面に可動電極をそれぞれ設ける一方、前記ベ
ースは、前記駆動部の可動電極に吸着可能にそれぞれ対
向する固定電極を設けたものであってもよい。また、前
記アクチュエータの薄板可動片は、平面略十文字形状で
あってもよく、さらに、前記アクチュエータは、薄板可
動片の両端からクランク状支持部を延在したものであっ
てもよい。
【0007】前記アクチュエータは、薄板可動片の上面
中央に可動接点を設けるとともに、薄板可動片の下面の
一端から駆動部を下方側に突設し、かつ、この駆動部の
可動接点側の側面に可動電極を設ける一方、前記ベース
が、前記駆動部の可動電極に対向する固定電極を設けた
ものであってもよい。また、前記アクチュエータは、前
記薄板可動片の駆動部を突設した端部から、クランク状
支持部を延在したものであってもよい。
【0008】さらに、前記アクチュエータの駆動部は、
薄板可動片よりも巾広であってもよい。
【0009】そして、本発明にかかる静電マイクロリレ
ーは、前記ベースに設けた固定電極と、このベースの上
方に配したアクチュエータの可動電極との間に電圧を印
加して生じる静電引力で前記アクチュエータを駆動し、
アクチュエータに設けた可動接点を固定接点に接離する
静電マイクロリレーにおいて、前記アクチュエータがダ
イヤフラム形状の膜状可動片からなり、その上面中央に
可動接点を配置するとともに、その下面周辺縁部に駆動
部を突設し、その内向面に可動電極を設ける一方、前記
ベースの上面に突設した突部の外側面に、前記可動電極
が吸着可能な固定電極を設けた構成であってもよい。ま
た、環状に突設した前記駆動部の内向面に、環状に連続
する可動電極を形成する一方、前記ベースに設けた突部
の外側面に、環状に連続する固定電極を形成したもので
あってもよい。
【0010】前記アクチュエータが単結晶シリコンウエ
ハからなり、その表裏面が絶縁膜で被覆されていてもよ
い。また、前記アクチュエータの表裏面に形成される絶
縁膜の厚さは異なっていてもよい。さらに、前記可動電
極および固定電極の少なくともいずれか一方は、不純物
を注入,拡散した高濃度層からなるものであってもよ
い。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる実施形態を
図1ないし図7の添付図面に従って説明する。第1実施
形態にかかる静電マイクロリレーは、図1ないし図5に
示すように、ベース10、アクチュエーター20、カバ
ー30を順次積み重ねて構成したものである。
【0012】前記ベース10は、シリコンウエハ11の
上面に一対の断面略台形の溝12a,12bを並設する
ことにより、断面台形の突条13を形成したものであ
る。そして、この突条13の背中合わせの外向き傾斜面
に、固定電極14a,14bがそれぞれ形成されてい
る。さらに、前記ベース10の下面には電界を印加する
ための高濃度層15および絶縁膜11bが順次形成され
ている。
【0013】前記アクチュエータ20は、シリコンウエ
ハ21から形成したものであり、薄板可動片22の両端
に断面略三角形の駆動部23a,23bが設けられてい
る。この駆動部23a,23bは、薄板可動片22より
も巾広であり、同一軸心上に延在したクランク状の支持
部24a,24bを介して方形の枠体20aに接続され
ている。そして、前記駆動部23a,23bの対向する
傾斜面には可動電極25a,25bが形成されている。
一方、前記薄板可動片22の上面中央には絶縁膜21a
を介して可動接点26が設けられているとともに、支持
部24aの先端に位置する枠体20aには接続パッド2
7が設けられている。さらに、前記アクチュエータ20
は、その下面全面が絶縁膜21bで被覆されている。そ
して、前記ベース10の上面縁部に、前記アクチュエー
タ20の枠体20aを接合一体化することにより、可動
電極25a,25bが固定電極14a,14bに絶縁膜
11a,21bを介してそれぞれ接離可能に対向する。
【0014】前記カバー30は、ガラスウエハ31から
なるものであり、下面に設けた凹所32の天井面に一対
の固定接点33,34を設けてある。そして、この固定
接点33,34から延在するプリント配線33a,34
aが接続孔35a,35bまで延在している。そして、
アクチュエータ20の上面縁部に、前記カバー30を接
合一体化することにより、前記可動接点26が固定接点
33,34に接離可能に対向する。
【0015】なお、前記絶縁膜11a,11b,21
a,21bは、酸化膜に限らず、例えば、窒化膜でもよ
いことは勿論である。
【0016】次に、前述の構成を有する静電マイクロリ
レーの製造方法を図2ないし図5の添付図面に従って説
明する。まず、図2(a)に示す結晶面方位(100)
のシリコンウエハ11の下面にアライメントマーク用の
溝11cをエッチングで形成する(図2(b))。そし
て、シリコンウエハ11の上面にTMAH/KOHなど
を利用してアルカリウェットエッチングで異方性エッチ
ングを行い、一対の断面台形の溝12a,12bを設け
て突条13を形成する。そして、突条13の背中合わせ
の外向き傾斜面に不純物をそれぞれ注入,拡散し、固定
電極14a,14bをそれぞれ形成する(図2
(c))。さらに、前記シリコンウエハ11を熱酸化
し、絶縁膜11aを形成する。ついで、裏面に位置する
酸化膜を除去し(図2(d))、不純物を注入,拡散す
ることにより、固定電極14a,14bに電圧を印加す
るための高濃度層15を形成する(図2(e))。
【0017】次に、図3(a)に示す結晶面方位(10
0)のシリコンウエハ21の接合面にTMAH/KOH
などを利用してアルカリウェットエッチングで異方性エ
ッチングを行い、3本の断面台形の浅溝21cを並設
し、一対の断面三角形の突条である駆動部23a,23
bを形成する(図3(b))。そして、対向する傾斜面
に不純物を注入,拡散することにより、高濃度の可動電
極25a,25bを形成する(図3(c))。ついで、
熱酸化を行うことにより、絶縁膜21bを形成する(図
3(d))。なお、ベース10の接合面に絶縁膜が形成
されている場合は、必ずしも前記絶縁膜21bを形成す
る必要はない。
【0018】そして、図4(a)に示すように、前記ベ
ース10にアクチュエータ20となるシリコンウエハ2
1を接合一体化する。本実施形態では、絶縁膜11a,
21bを介して接合一体化するので、温度450℃程度
の接合温度で接合できる。このため、可動接点25,固
定接点33,34には低融点で導電率の高い金属、例え
ば、金,銀,パラジウム,プラチナ等の貴金属を使用で
きるという利点がある。
【0019】そして、図4(b)に示すように、シリコ
ン基板をCMP(化学機械研磨)法で所望の厚さまでシ
ンニングする(図4(b))。さらに、可動電極25
a,25bと後述する可動接点26との電気的絶縁を図
るため、絶縁膜21aを形成するとともに、高濃度層1
5の裏面に絶縁膜11bを形成する。なお、可動電極2
5a,25bが高濃度層で形成されている場合には、熱
酸化膜を形成して絶縁を図ってもよい。ついで、可動電
極25a,25bに電圧を印加するため、接続パッド2
7を設ける部分に位置する絶縁膜21aの一部を除去す
る(図4(c))。一方、高濃度層15を外部電源に接
続するため、絶縁膜11bの図示しない一部を除去す
る。そして、オーミック抵抗を得るため、絶縁膜を除去
した部分に不純物を注入,拡散し、高濃度層27aを形
成する。さらに、導電材で可動接点26および接続パッ
ド27を形成する(図4(d))。ついで、薄板可動片
22、駆動部23a,23bおよび支持部24a,24
bを形成するため、前記酸化膜21a,シリコンウエハ
21および酸化膜21bをエッチングで除去する。
【0020】ついで、図5(a)に示すガラスウエハ3
1の裏面をエッチングして凹所32を形成し、凹所32
の天井面に一対の固定接点33,34およびプリント線
33a.34aをそれぞれ形成する。そして、前記ベー
ス10に接合したアクチュエータ20の上面に、前記カ
バー30を接合一体化する。ついで、型抜きエッチング
で接続孔35a,35bを形成するとともに、前記接続
パッド27の上方に位置するガラスウエハ31の一部を
除去することにより、静電マイクロリレーが完成する。
【0021】次に、前述の構成を有する静電マイクロリ
レーの動作を説明する。図1(b)に示すように、固定
電極14a,14bおよび可動電極25a,25bに電
圧を印加していない場合、固定電極14a,14bと可
動電極25a,25bとは平行状態を保持し、可動接点
26が固定接点33,34から開離している。
【0022】そして、固定電極14a,14bおよび可
動電極25a,25bに電圧を印加すると、電極14
a,25a間および電極14a,25a間に生じた静電
引力により、駆動部23a,23bがそれぞれ内方に吸
引される。このため、支持部24a,24bのバネ力に
抗し、可動電極25a,25bが固定電極14a,14
bにそれぞれ接近し、薄板可動片22に、その軸心方向
に沿って圧縮力および上弦引っ張りの曲げモーメントが
作用する。この結果、薄板可動片22が上方に盛り上が
るように座屈し、可動接点26が固定接点33,34に
接触した後、可動電極25a,25bが絶縁膜11a,
21bを介して固定電極14a,14bにそれぞれ接触
する。
【0023】ついで、前述の電圧の印加を停止すると、
薄板可動片22および支持部24a,24bのバネ力に
より、可動電極25a,25bが固定電極14a,14
bから開離した後、可動接点26が固定接点33,34
から開離し、元の状態に復帰する。なお、本実施形態は
ダブルブレーク接点となっているので、絶縁距離が長
く、絶縁性が高いという利点がある。
【0024】第2実施形態は、図6に示すように、前述
の第1実施形態と同様、図6に示すように、ベース1
0、アクチュエーター20、カバー30を順次積み重ね
て構成してある。そして、一組の固定電極14および固
定電極25だけで可動接点26を固定接点33に接離す
る構成となっている。
【0025】すなわち、前記ベース10は、シリコン基
板11の上面に1本の断面略台形の溝12を設けてあ
る。そして、溝12の片側の傾斜面に固定電極14が形
成されている。さらに、前記ベース11の裏面には電界
を印加するための高濃度層15および絶縁膜11bが順
次形成されている。なお、前記ベース10は、その上面
全面が絶縁膜11aで被覆されている。また、前記絶縁
膜11bの一部(図示せず)は、高濃度層15を外部電
源に接続するために除去されている。
【0026】前記アクチュエータ20は、シリコンウエ
ハ21から形成したものであり、薄板可動片22の下面
一端に断面略三角形の駆動部23が設けられている。こ
の駆動部23は、薄板可動片22よりも巾広であり、こ
れから延在するクランク状の支持部24を介して方形の
枠体20aに接続されている。一方、前記薄板可動片2
2の他端は前記枠体20aに接続されている。さらに、
前記固定電極14に対向する前記駆動部23の傾斜面に
は可動電極25が形成されている一方、前記薄板可動片
22の上面中央には絶縁膜21aを介して可動接点26
が設けられている。さらに、可動接点26はプリント配
線28を介して枠体20aの縁部まで引き出されてい
る。また、前記アクチュエータ20は、その下面全面が
絶縁膜21bで被覆されている。そして、前記ベース1
0の上面に、前記アクチュエータ20の枠体20aをそ
れぞれ接合一体化することにより、可動電極25が固定
電極14に絶縁膜11a,21bを介して吸着可能に対
向する。
【0027】前記カバー30は、ガラスウエハ31から
なるものであり、下面に設けた凹所32の天井面に固定
接点33を設けてある。この固定接点33は、一端を接
続孔35まで延在するプリント配線33aに電気接続さ
れている。そして、前記カバー30は、第1実施形態と
同様、アクチュエータ20の上面縁部に接合一体化され
ている。
【0028】前述の構造を有する静電マイクロリレーの
製造方法は、前述の第1実施形態とほぼ同様であるの
で、説明を省略する。
【0029】次に、前述の構成を有する静電マイクロリ
レーの動作を説明する。固定電極14および可動電極2
5に電圧を印加していない場合、固定電極14と可動電
極25とは平行状態を保持し、可動接点26が固定接点
33から開離している(図1(b))。
【0030】そして、固定電極14および可動電極25
に電圧を印加すると、電極14,25間に生じた静電引
力によって駆動部23が吸引される。このため、支持部
24のバネ力に抗し、可動電極25が固定電極14に接
近し、薄板可動片22に、その軸心方向に沿って圧縮力
および上弦引っ張りの曲げモーメントが作用する。この
結果、薄板可動片22が上方に盛り上がるように座屈
し、可動接点26が固定接点33に接触した後、可動電
極25が絶縁膜21b,11aを介して固定電極14に
接触する。
【0031】ついで、前述の電圧の印加を停止すると、
薄板可動片22および支持部24のバネ力により、可動
電極25が固定電極14から開離した後、可動接点26
が固定接点33から開離し、元の状態に復帰する。
【0032】第3実施形態は、図7に示すように、前述
の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点はベース1
0に接合一体化するアクチュエータ20をダイヤフラム
形状とした点である。
【0033】すなわち、ベース10は、シリコンウエハ
11の上面に断面台形の環状溝12を形成することによ
り、円錐台の突部13aを形成してある。そして、この
突部13a外周面に、環状の固定電極14が形成されて
いる。さらに、前記ベース10の表面は絶縁膜11aで
被覆されている一方、その裏面には電界を印加するため
の高濃度層15および絶縁膜11bが順次形成されてい
る。
【0034】アクチュエータ20は円形の膜状可動片2
2aおよび膜状支持部24cからなり、その裏面に断面
三角形の突条を環状に突設して駆動部23を形成してあ
る。この駆動部23の内側の傾斜面には可動電極25が
形成されている。また、アクチュエータ20は、その上
面中央に絶縁膜21aを介して可動接点26が形成され
ているとともに、その上面縁部に接続パッド27が形成
されている。さらに、前記アクチュエータ20の下面全
面は、絶縁膜21bで被覆されている。他の構成および
製造方法は、前述の第1実施形態とほぼ同様であるの
で、説明を省略する。なお、前記膜状可動片は平面円形
である必要はなく、平面方形であってもよいことは勿論
である。
【0035】次に、前述の構成を有する静電マイクロリ
レーの動作を説明する。固定電極14および可動電極2
5に電圧を印加していない場合、固定電極14と可動電
極25とは平行状態を保持し、可動接点26が固定接点
33,34から開離している(図7(b))。
【0036】そして、固定電極14および可動電極25
に電圧を印加すると、固定電極14と可動電極25との
間に生じた静電引力によって駆動部23が内方に吸引さ
れる。このため、膜状可動片22aの周辺に設けた膜状
支持部24cのバネ力に抗し、可動電極25が固定電極
14に接近し、膜状可動片22aの中心に向かって圧縮
力および下面圧縮の曲げモーメントが作用する。この結
果、膜状可動片22aが上方に盛り上がり、可動接点2
6が固定接点33,34に接触した後、可動電極25が
絶縁膜21b,11aを介して固定電極14に接触す
る。
【0037】ついで、前述の電圧の印加を停止すると、
膜状可動片22aおよび膜状支持部24cのバネ力によ
り、可動電極25が固定電極14から開離した後、可動
接点26が固定接点33,34から開離し、元の状態に
復帰する。
【0038】本実施形態によれば、アクチュエータ20
がダイヤフラム形状であり、ベース10の上面全面を被
覆するので、シール性の高い静電マイクロリレーが得ら
れるという利点がある。
【0039】なお、前記駆動部23、固定電極14ある
いは可動電極25は必ずしも連続した環状のものである
必要はなく、例えば、所定ピッチで不連続に形成したも
のであってもよく、必要に応じて選択できる。また、前
記駆動部は、その断面が傾斜面を有する必要はなく、例
えば、垂直な側面を有する断面であってもよい。さら
に、前述の実施形態によれば、1組の電極、2組の電極
または環状の対向する電極を有する場合について説明し
たが、必ずしもこれらに限らない。例えば、薄板可動片
を平面略十文字形状とすることにより、4組の対向する
電極を利用して薄板可動片を厚さ方向に駆動し、接点を
開閉してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1に記載の静電マイクロリレーによれば、固定
電極および可動電極間に生じる静電引力によって薄板可
動片に圧縮力が負荷されるので、薄板可動片が座屈し、
薄板可動片に設けた可動接点が固定接点に接触する。こ
のため、薄板可動片の座屈によって可動接点の変位が大
きく、かつ、高い負荷荷重が得られる。この結果、耐電
圧および接点圧が大きく、床面積の小さい静電マイクロ
リレーが得られる。請求項2および3によれば、請求項
1と同様な作用効果を有する静電マイクロリレーが得ら
れる。請求項4によれば、支持部がクランク状であり、
弾性変形しやすい。このため、静電引力の大部分を薄板
可動片の変形に利用できるので、薄板可動片がより一層
座屈しやすくなる。このため、駆動電圧を低くでき、節
電タイプの静電マイクロリレーが得られる。
【0041】請求項5によれば、一組の電極を設けるだ
けであるので、前述の効果に加え、より一層床面積の小
さい静電マイクロリレーが得られる。請求項6によれ
ば、支持部がクランク状であり、弾性変形しやすい。こ
のため、静電引力の大部分を薄板可動片の変形に利用で
きるので、薄板可動片がより一層座屈しやすくなる。こ
のため、駆動電圧を低くでき、節電タイプの静電マイク
ロリレーが得られる。請求項7によれば、駆動片が薄板
梁部より巾広であり、可動電極および固定電極の対向面
積を大きくできるので、より一層接点圧の高い静電マイ
クロリレーが得られる。
【0042】請求項8によれば、請求項1の効果に加
え、シール性の高い静電マイクロリレーが得られる。請
求項9によれば、固定電極および可動電極が環状である
ので、膜状可動片の全周縁部から圧縮力が均一に負荷さ
れ、大きな接点圧を有する静電マイクロリレーが得られ
る。
【0043】請求項10によれば、単結晶シリコンウエ
ハを使用するので、プロセス処理でアクチュエータを容
易に製造できる。請求項11によれば、絶縁膜の厚さを
異ならしめることにより、可動接点の変位量および接点
圧を調整できる。請求項12によれば、シリコンウエハ
に不純物を注入,拡散して高濃度層を形成する。このた
め、所望の位置に所望の電極を容易に製造でき、生産性
の高い静電マイクロリレーが得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる静電マイクロリレーの第1実
施形態を示し、図(a)は平面図、図(b)は断面図で
ある。
【図2】 図1に示したベースとなるシリコンウエハの
製造方法を説明するためのプロセス図である。
【図3】 図1に示したアクチュエータとなるシリコン
ウエハの製造方法を説明するためのプロセス図である。
【図4】 図2および図3で示したシリコンウエハの接
合一体化を示すプロセス図である。
【図5】 図4で接合したシリコンウエハに、別体のガ
ラスウエハを接合一体化することを示すプロセス図であ
る。
【図6】 本発明にかかる静電マイクロリレーの第2実
施形態を示し、図(a)は平面図、図(b)は断面図で
ある。
【図7】 本発明にかかる静電マイクロリレーの第3実
施形態を示し、図(a)は平面図、図(b)は断面図で
ある。
【符号の説明】
10…ベース、11…シリコンウエハ、14a,14b
…固定電極、20…アクチュエータ、21…シリコンウ
エハ、22…薄板可動片、23a,23b…駆動部、2
4a,24b…支持部、25a,25b…可動電極、2
6…可動接点、30…カバー、31…ガラスウエハ、3
3,34…固定接点。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースに設けた固定電極と、このベース
    の上方に配したアクチュエータの可動電極との間に電圧
    を印加して生じる静電引力で前記アクチュエータを駆動
    し、アクチュエータに設けた可動接点を固定接点に接離
    する静電マイクロリレーにおいて、 前記アクチュエータの両端支持された薄板可動片の上面
    に可動接点を設けるとともに、前記薄板可動片の少なく
    とも一端から駆動部を下方側に突設し、この駆動部の可
    動接点側の側面に可動電極を設ける一方、前記ベース
    に、前記可動電極に吸着可能に対向し、かつ、この可動
    電極との間に生じる静電引力で前記薄板可動片に圧縮力
    を負荷できる固定電極を、設けたことを特徴とする静電
    マイクロリレー。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータが、薄板可動片の上
    面中央に可動接点を設けるとともに、薄板可動片の下面
    両端から駆動部を下方側にそれぞれ突設し、かつ、この
    駆動部の内向面に可動電極をそれぞれ設ける一方、前記
    ベースが、前記駆動部の可動電極に吸着可能にそれぞれ
    対向する固定電極を設けたことを特徴とする請求項1に
    記載の静電マイクロリレー。
  3. 【請求項3】 前記アクチュエータの薄板可動片が、平
    面略十文字形状であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の静電マイクロリレー。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータが、薄板可動片の両
    端からクランク状支持部を延在したことを特徴とする請
    求項2または3に記載の静電マイクロリレー。
  5. 【請求項5】 前記アクチュエータが、薄板可動片の上
    面中央に可動接点を設けるとともに、薄板可動片の下面
    の一端から駆動部を下方側に突設し、かつ、この駆動部
    の可動接点側の側面に可動電極を設ける一方、前記ベー
    スが、前記駆動部の可動電極に対向する固定電極を設け
    たことを特徴とする請求項1に記載の静電マイクロリレ
    ー。
  6. 【請求項6】 前記アクチュエータが、前記薄板可動片
    の駆動部を突設した端部から、クランク状支持部を延在
    したことを特徴とする請求項5に記載の静電マイクロリ
    レー。
  7. 【請求項7】 前記アクチュエータの駆動部が、薄板可
    動片よりも巾広であることを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれか1項に記載の静電マイクロリレー。
  8. 【請求項8】 前記ベースに設けた固定電極と、このベ
    ースの上方に配したアクチュエータの可動電極との間に
    電圧を印加して生じる静電引力で前記アクチュエータを
    駆動し、アクチュエータに設けた可動接点を固定接点に
    接離する静電マイクロリレーにおいて、 前記アクチュエータがダイヤフラム形状の膜状可動片か
    らなり、その上面中央に可動接点を配置するとともに、
    その下面周辺縁部に駆動部を突設し、その内向面に可動
    電極を設ける一方、前記ベースの上面に突設した突部の
    外側面に、前記可動電極が吸着可能な固定電極を設けた
    ことを特徴とする静電マイクロリレー。
  9. 【請求項9】 環状に突設した前記駆動部の内向面に、
    環状に連続する可動電極を形成する一方、前記ベースに
    設けた突部の外側面に、環状に連続する固定電極を形成
    したことを特徴とする請求項8に記載の静電マイクロリ
    レー。
  10. 【請求項10】 前記アクチュエータが単結晶シリコン
    ウエハからなり、その表裏面が絶縁膜で被覆されている
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載の静電マイクロリレー。
  11. 【請求項11】 前記アクチュエータの表裏面に形成さ
    れる絶縁膜の厚さが異なることを特徴とする請求項10
    に記載の静電マイクロリレー。
  12. 【請求項12】 前記可動電極および固定電極の少なく
    ともいずれか一方が、不純物を注入,拡散した高濃度層
    からなることを特徴とする請求項1ないし11のいずれ
    か1項に記載の静電マイクロリレー。
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