JP3493974B2 - 静電マイクロリレー - Google Patents

静電マイクロリレー

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JP3493974B2 JP26859197A JP26859197A JP3493974B2 JP 3493974 B2 JP3493974 B2 JP 3493974B2 JP 26859197 A JP26859197 A JP 26859197A JP 26859197 A JP26859197 A JP 26859197A JP 3493974 B2 JP3493974 B2 JP 3493974B2
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H59/00Electrostatic relays; Electro-adhesion relays
    • H01H59/0009Electrostatic relays; Electro-adhesion relays making use of micromechanics
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H1/00Contacts
    • H01H1/50Means for increasing contact pressure, preventing vibration of contacts, holding contacts together after engagement, or biasing contacts to the open position

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  • Micromachines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電引力によって駆
動される静電マイクロリレーに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、静
電マイクロリレーとしては、例えば、平坦な固定電極
に、絶縁膜を介し、湾曲させた可動電極の一端を接触さ
せたものがある(特開平8−255546号)。そし
て、電極間に電圧を印加して生じる静電引力で可動電極
を駆動することにより、前記可動電極の他端近傍に設け
た可動接点が前記固定電極に設けた固定接点に接触す
る。この駆動方式によれば、可動電極の一部が固定電極
に予め接触しているので、初期駆動力が大きい。さら
に、可動電極の一端が固定電極に接触しているととも
に、可動接点を可動電極の他端近傍に設けてある。この
ため、可動電極に静電引力が生じて曲げモーメントが作
用しても、てこの原理により、固定接点に対する可動接
点の荷重は小さい。このため、前述の電圧の印加を停止
した場合に、可動電極が自己のバネ力で元の位置に容易
に復帰し、前記可動接点が前記固定接点から開離する。
このため、復帰動作の速い静電マイクロリレーが得られ
る。
【0003】しかしながら、前述の駆動方式では、固定
接点に対する可動接点の荷重が小さい。このため、可動
接点が固定接点に接触しても、大きな接点圧が得られ
ず、振動等による誤動作が生じやすいという問題点があ
る。
【0004】一方、平坦な固定電極に真直な薄板状可動
電極を平行に対向させた静電マイクロリレーがある。そ
して、電極間に電圧を印加して生じる静電引力で前記可
動電極を厚さ方向に平行に駆動すると、前記可動電極の
略中央に配置した可動接点が、前記固定電極に設けた固
定接点に接触した後、可動電極が固定電極に吸着する。
この駆動方式の静電マイクロリレーによれば、静電引力
に基づく曲げモーメントが可動電極に作用すると、可動
接点が可動電極自身の略中央に位置するので、すべての
静電引力が可動接点に接点荷重として作用する。このた
め、接点圧の大きい静電マイクロリレーが得られる。
【0005】しかしながら、静電引力は距離の2乗に反
比例する。このため、前述の駆動方式によれば、動作初
期時における静電引力が小さく、所望の動作速度を得よ
うとすると、高い駆動電圧を必要とする。さらに、一
旦、可動接点が固定接点に接触した後、電圧の印加を停
止して静電引力を解消しても、てこの原理を利用でき
ず、可動電極自身の復帰力だけで可動接点を引き上げる
ので、復帰動作が遅いという問題点がある。
【0006】本発明は、前記問題点に鑑み、初期動作,
復帰動作において所望の動作速度を有し、所望の接点圧
を確保できる駆動電圧の低い静電マイクロリレーを提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる静電マイ
クロリレーは、前記目的を達成するため、第1の発明
が、ベースに設けた固定電極と、このベースの上面に固
定したアクチュエータの可動電極との間に電圧を印加し
て生じる静電引力で前記可動電極を駆動し、前記ベース
に設けた固定接点に前記アクチュエータに設けた可動接
点を接離させて電気回路を開閉する静電マイクロリレー
において、前記アクチュエータが、前記ベースに立設し
たアンカと、このアンカの上面縁部から側方に延在する
第1薄板梁部と、この第1薄板梁部の自由端から両側へ
同一軸心上に延在する一対の第2薄板梁部と、この第2
薄板梁部に回動可能に連結された可動電極とからなり、
前記第1薄板梁部の自由端下面に可動接点を設けた構成
としてある。
【0008】第2の発明は、前記第1薄板梁部のうち、
前記可動接点近傍のアンカ側にスリットを設けて第3薄
板梁部を形成したことを特徴とする静電マイクロリレー
にある。
【0009】第3の発明は、ベースに設けた固定電極
と、このベースの上面に固定したアクチュエータの可動
電極との間に電圧を印加して生じる静電引力で前記可動
電極を駆動し、前記ベースに設けた固定接点に前記アク
チュエータに設けた可動接点を接離させて電気回路を開
閉する静電マイクロリレーにおいて、前記アクチュエー
タが、前記ベースに突設した一対のアンカと、このアン
カの上面縁部に架け渡した第1薄板梁部と、この第1薄
板梁部の略中央から側方へ直交方向に延在した第2薄板
梁部と、この第2薄板梁部の自由端から側方へ同一軸心
上に延在した可動電極とからなり、前記第1薄板梁部の
略中央下面に可動接点を設けたことを特徴とする静電マ
イクロリレーにある。
【0010】第の発明は、ベースに設けた固定電極
と、このベースの上面に固定したアクチュエータの可動
電極との間に電圧を印加して生じる静電引力で前記可動
電極を駆動し、前記ベースに設けた固定接点に前記アク
チュエータに設けた可動接点を接離させて電気回路を開
閉する静電マイクロリレーにおいて、前記アクチュエー
タが、前記ベースに並設した一対のアンカと、このアン
カの上面縁部から相互に平行となるように側方に延在し
た一対の第1薄板梁部と、この第1薄板梁部の自由端か
ら側方へ同一軸心上に延在した一対の第2薄板梁部と、
この前記第2薄板梁部に片側縁部を回動可能に連結した
可動電極とからなり、一対の前記第2薄板梁部の中間に
位置する前記可動電極の下面に可動接点を設けたことを
特徴とする静電マイクロリレーにある。
【0011】第の発明は、ベースに設けた固定電極
と、このベースの上面に固定したアクチュエータの可動
電極との間に電圧を印加して生じる静電引力で前記可動
電極を駆動し、前記ベースに設けた固定接点に前記アク
チュエータに設けた可動接点を接離させて電気回路を開
閉する静電マイクロリレーにおいて、前記アクチュエー
タが、前記ベースに立設したアンカと、このアンカの上
面両端縁部から相互に平行となるように側方に延在した
一対の第1薄板梁部と、この第1薄板梁部の自由端から
側方へ同一軸心上に延在した一対の第2薄板梁部と、こ
の第2薄板梁部に片側縁部を回動可能に連結された可動
電極とからなり、一対の前記第2薄板梁部の中間に位置
する前記可動電極の下面に可動接点を設けたことを特徴
とする静電マイクロリレーにある。
【0012】第の発明は、前記可動電極の前記可動接
点近傍の自由端側にスリットを設けて第3薄板梁部を形
成したことを特徴とする静電マイクロリレーにある。
【0013】また、前記アクチュエータが、単結晶シリ
コン基板単体からなることを特徴とする静電マイクロリ
レーであってもよい。
【0014】さらに、前記ベースがガラス基板単体から
なることを特徴とする静電マイクロリレーであってもよ
い。
【0015】そして、前記ベースが少なくとも上面を絶
縁膜で被覆された単結晶シリコン基板からなることを特
徴とする静電マイクロリレーであってもよい。
【0016】ついで、前記可動電極の縦断面は、反りを
生じないように線対称であってもよい。
【0017】第の発明は、前記可動電極の上面中央に
凹所を設けて上面周辺縁部にリブを形成したことを特徴
とする静電マイクロリレーにある。
【0018】また、前記固定電極と前記可動電極との対
向面のうち、少なくともいずれか一方の対向面に、シリ
コン酸化膜,シリコン窒化膜等の高誘電率の絶縁膜を形
成しておいてもよい。
【0019】さらに、前記可動電極を、前記第1薄板梁
部および第2薄板梁部よりも厚肉としてもよい。
【0020】第の発明は、前記アクチュエータの可動
電極を、前記ベース側に予め傾斜させたことを特徴とす
る静電マイクロリレーにある。
【0021】また、前記可動電極の自由端縁部を、前記
ベース上面のうち、固定電極を設けていない部分に最初
に当接させてもよい。
【0022】さらに、前記可動電極下面の自由端縁部に
突設した突部を、前記ベース上面のうち、固定電極を設
けていない部分に最初に当接させてもよい。
【0023】そして、前記可動電極の自由端縁部を、前
記ベース上面のうち、固定電極を設けていない部分に突
設した突部に最初に当接させてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる実施形態を
図1ないし図26の添付図面に従って説明する。
【0025】第1実施形態にかかる静電マイクロリレー
は、図1ないし図5に示すように、ガラス基板11aか
らなるベース10の上面にアクチュエータ20を一体化
したものである。
【0026】前記ベース10は、ガラス基板11aの上
面に固定電極12および固定接点13,14を設けてあ
る。そして、前記固定電極12の表面は絶縁膜15で被
覆されている。さらに、前記固定電極12および固定接
点13,14は、プリント配線16a,17aおよび1
8aを介して接続パッド16および17,18にそれぞ
れ接続されている。
【0027】また、前記アクチュエータ20は、前記ベ
ース10の上面に立設したアンカ21の上面縁部から側
方に延在する第1,第2,第3薄板梁部22,23,2
4を介して可動電極25を支持したものである。前記ア
ンカ21は、ベース10の上面に設けたプリント配線1
9aを介して接続パッド19に接続されている。前記第
1薄板梁部22は、シリコン基板の片側縁部に設けた一
対の切り欠き部26a,26aの間に形成されている。
第2薄板梁部23,23は、シリコンウエハに設けた一
対の前記切り欠き部26a,26aとスリット26bと
の間にそれぞれ形成されている。さらに、第3薄板梁部
24は、第1薄板梁部22に設けたスリット26cと前
記スリット26bとの間に形成されている。そして、前
記第3薄板梁部24の下面中央には絶縁膜27を介して
可動接点28が設けられている。この可動接点28は前
記固定接点13,14に接離可能に対向している。
【0028】次に、前述の構成からなる静電マイクロリ
レーの製造方法を図2ないし図4の添付図面に従って説
明する。まず、図2(a)に示すように、パイレックス
等のガラス基板11aに固定電極12、固定接点13,
14を形成する。さらに、これと同時に、前記固定電極
12,固定接点13,14に連続するプリント配線16
a,17a,18a,19a、および、接続用パッド1
6,17,18をそれぞれ形成する(図2(b))。そ
して、前記固定電極12に絶縁膜15を形成することに
より、ベース10が完成する(図2(c))。なお、前
記絶縁膜15として比誘電率3〜4のシリコン酸化膜あ
るいは比誘電率7〜8のシリコン窒化膜を用いれば、大
きな静電引力が得られ、接触荷重を増加させることがで
きる。
【0029】一方、図3(a)に示すSOIウエハ30
の下面に、接点間ギャップおよびインターコネクション
部を形成するため、例えば、シリコン酸化膜をマスクと
するTMAHによるウェットエッチングを行い、アンカ
21および段部31を形成する(図3(b))。つい
で、インターコネクション部となる前記段部31にシリ
コンウエハのドーピングタイプと同一タイプの不純物を
イオンインプラで注入し、アニールして電気的活性化を
図り、導電性を高める(図3(c))。そして、絶縁膜
27を介して可動接点28を形成するとともに、インタ
ーコネクション用接続パッド32を設ける(図3
(d))。
【0030】ついで、前記ベース10にSOIウエハ3
0を陽極接合で接合一体化する(図4(a))。そし
て、SOIウエハ30の上面をTMAH,KOH等のア
ルカリエッチング液で酸化膜33までエッチングして薄
くする。さらに、フッ素系エッチング液で前記酸化膜3
3を除去して可動電極25を露出させる(図4
(b))。そして、RIE等を用いたドライエッチング
で型抜きエッチングを行い、切り欠き部26aおよびス
リット26b,26cを形成して第1,第2,第3薄板
梁部を切り出し(図4(c))、アクチュエータ20が
完成する。
【0031】本実施形態によれば、アクチュエータ20
全体をシリコンウェハ単体で形成するとともに、左右対
称,断面対称に形成してある。このため、可動電極25
に反りや捩りが生じにくい。この結果、動作不能,動作
特性のバラツキを効果的に防止できるとともに、円滑な
動作特性を確保できるという利点がある。
【0032】次に、前述の構成からなる静電マイクロリ
レーの動作を図5(a)ないし図5(d)を参照して説
明する。 まず、固定電極12および可動電極25間に
電圧を印加していない場合、固定電極12と可動電極2
5とは平行を保持し、可動接点28が固定接点13,1
4から開離している(図5(a))。
【0033】次に、可動電極12および固定電極25間
に電圧が印加されると、電極12,25間に生じた静電
引力によって可動電極25が固定電極12に吸引され
る。このため、第2薄板23,23に捩れが生じ、可動
電極25の自由端が固定電極12側に接近する。この結
果、間隙が狭まり、より一層強い静電引力が生じる。最
終的には、可動電極25の自由端が固定電極12上の絶
縁膜15に接触する(図5(b))。接触後は固定電極
12とアンカ21とに可動電極25の両端が2点支持さ
れた状態で曲げモーメントが作用し、第1薄板梁部22
にたわみが生じる。このため、可動電極25が固定電極
12に吸引され、可動接点28が固定接点13,14に
当接する(図5(c))
【0034】可動接点28が固定接点13,14に当接
した後、第3薄板梁部24が撓み、可動電極25全域が
固定電極12を被覆する絶縁膜15に吸着する。
【0035】前述の電圧の印加を停止すると、第3薄板
梁部24および第1薄板梁部22のバネ力により、可動
電極25が、その自由端縁部を除き、固定電極12から
離れた後、可動接点28が固定接点13,14から開離
する。その後、第2薄板梁部23,23の捩りモーメン
トにより、可動電極25が元の状態に復帰する。
【0036】以上の説明から明らかなように、低電圧に
よる駆動および大きな接点圧を確保するためには、可動
電極25の剛性を大きくするとともに、第2薄板23の
捩り剛性、第1薄板梁部22および第3薄板梁部24の
曲げ剛性を順次大きくすることが必要である。
【0037】第2実施形態にかかる静電マイクロリレー
は、図6に示すように、前記可動電極25の上面に凹所
25aを形成して薄肉とし、環状リブを形成した点にお
いて前述の第1実施形態と異なる。本実施形態によれ
ば、所望の剛性を確保しつつ、薄肉にして軽量化してあ
るので、動作速度,復帰速度がより一層向上するという
利点がある。他は前述の実施形態と同様であるので、説
明を省略する。
【0038】第3実施形態にかかる静電マイクロリレー
は、図7に示すように、可動電極25が固定電極12よ
りも長くなり、固定電極12の先端縁部が可動電極25
の自由端よりも内側に位置している場合である。そし
て、可動電極25の自由端が、ベース10の上面縁部に
突設した突条10aに当接可能となっている。このた
め、可動電極25の自由端が絶縁膜15に直接接触する
ことがなく、衝撃荷重による機械的あるいは電気的な絶
縁破壊を防止できるという利点がある。他は前述の実施
形態と同様であるので、説明を省略する。
【0039】第4実施形態にかかる静電マイクロリレー
は、図8ないし図13に示すように、シリコン基板11
bからなるベース10に、アクチュエータ20を設けた
場合である。前記ベース10は、シリコン基板11bの
上面に絶縁膜10bを介して固定電極12および固定接
点13,14を設けてある。前記固定電極12および固
定接点13,14はプリント配線16aおよび17a,
18aを介して接続パッド16および17,18にそれ
ぞれ接続されている。
【0040】アクチュエータ20は、部分的な絶縁膜2
1aを介してアンカ21を前記ベース10に立設したも
のである。そして、このアンカ21の上端縁部から側方
に延在する第1薄板梁部22および一対の第2薄板梁部
23,23を介して可動電極25を支持してある。前記
アンカ21は、前記ベース10の所定の位置に設けた導
電パッド19bに立設し、かつ、プリント配線19aを
介して接続パッド19に接続されている。前記第1薄板
梁部22は、シリコン基板の縁部に設けた一対の略L字
形の切り欠き部26a,26a間に形成されている。ま
た、第2薄板梁部23は、前記切り欠き部26aとスリ
ット26bとの間に形成されている。そして、前記第1
薄板梁部22の先端下面中央に絶縁膜27を介して可動
接点28が設けられている。この可動接点28は、前記
ベース10に設けた固定接点13,14に接離可能に対
向している。
【0041】第4実施形態にかかる静電マイクロリレー
の製造方法について説明する。まず、図9(a)で示す
シリコン基板11bにドライ酸化によって2000Åの
熱酸化膜10bを形成する(図9(b))。ついで、ス
パッタリングによって1000ÅのCr薄膜、3000
0ÅのAu薄膜を順次形成した後、フォトリソグラフィ
でメタルエッチングすることにより、固定電極12、固
定接点13,14、接続パッド16ないし19、導電パ
ッド19bおよびプリント配線16aないし19aを形
成する(図9(c))。
【0042】一方、図10(a)に示すシリコン基板3
2に1000Åの熱酸化膜を形成し、フォトリソグラフ
ィで酸化膜をエッチングして酸化膜パターンを形成す
る。ついで、この酸化膜パターンをマスクとして温度7
0℃のTMAHで異方性エッチングを行い、深さ5.0
μmのキャビティを形成し(図10(b))、アンカ2
1を形成する。そして、前記熱酸化膜をフッ酸で全面除
去する。さらに、ドライ酸化で所定の部分に2000Å
の熱酸化膜27を形成した後、フォトリソグラフィおよ
び酸化膜エッチングにより、所定の位置に酸化膜を残存
させる(図10(c))。ついで、スパッタリングによ
り、1000ÅのCr薄膜、30000ÅのAu薄膜を
順次形成し、可動接点28を形成する(図10
(d))。
【0043】そして、図11(a)に示すように、前記
ベース10にアクチュエータとなるシリコン基板32を
温度400℃の加熱で30分の金共晶接合を行う。つい
で、アクチュエータ20となるシリコン基板32に研
磨、ポリシッング、KOHによるシリコンエッチングで
厚さ20μmまで薄くする。さらに、薄くしたシリコン
基板にフォトリソグラフィでレジストをパターンニング
した後、ドライエッチングで切り欠き部26aおよびス
リット26bを形成するとともに、接続パッド16ない
し18の上方に位置するシリコン基板の一部を除去す
る。これにより、可動電極25、第1薄板梁部22およ
び第2薄板梁部23,23を型抜きできる(図12)。
そして、マスクとしたレジストを酸素アッシングで除去
することにより、静電マイクロリレーが完成する(図1
1(c))。
【0044】次に、第4実施形態にかかる静電マイクロ
リレーの動作を図13(a)ないし図13(d)の添付
図面にしたがって説明する。まず、固定電極12および
可動電極25間に電圧が印加されていない場合、固定電
極12と可動電極25とが平行状態で対向している(図
13(a))。
【0045】電極12,25間に電圧を印加すると、静
電引力が発生して可動電極25が吸引される。このた
め、第2薄板梁部23,23に捩れが生じ、可動電極2
5が傾き、その自由端縁部が固定電極12に接近する。
この結果、より強い静電引力で可動電極25が吸引され
る。そして、可動電極25の自由端縁部が固定電極12
に接触する(図13(b))。このとき、静電引力の一
部が接触抵抗力として失われる。しかし、この失われた
損失分よりも静電引力の増加分が大きいので、可動電極
25がより一層強く吸引される。
【0046】可動電極25の自由端縁部が固定電極12
に接触することにより、可動電極25が2点支持され、
曲げモーメントが作用する。このため、第1薄板梁部2
2の一端に静電引力に基づく荷重が負荷され、第1薄板
梁部22が撓み、可動電極25全体が固定電極12によ
り一層接近する。この結果、より強い静電引力によって
可動電極25が吸引され、可動接点28が固定接点1
3,14に接触する(図13(c))。
【0047】可動接点28が固定接点14に接触した
後、可動電極25を被覆する絶縁膜27全体が固定電極
12に吸着し、絶縁膜27の厚さ寸法まで接近する(図
13(d))。このため、静電引力が最大となり、所望
の接点荷重で可動接点28が固定接点14に接触する。
【0048】前述の駆動電圧の印加を停止すると、第1
薄板梁部22のバネ力により、可動接点28が固定接点
14から開離する。ついで、第2薄板梁部23,23の
捩り力によって可動電極25が元の状態に復帰する。
【0049】第5実施形態にかかる静電マイクロリレー
は、図14に示すように、第4実施形態にかかる可動電
極25の絶縁膜27に、第2可動電極29および絶縁膜
29aを順次積層一体化した場合である。本実施形態に
よれば、第2可動電極29を可動電極25よりも高誘電
率とすることにより、より一層大きな静電引力を有する
静電マイクロリレーが得られる。
【0050】第6実施形態は、図15に示すように、可
動電極25の表裏面を露出させる一方、固定電極12の
表面を絶縁膜15で被覆する場合である。本実施形態に
よれば、シリコンに酸化膜等を形成する必要がない。こ
のため、可動電極25の反りによる静電引力のバラツ
キ,減少を防止し、動作初期時における静電引力の安定
化を図ることができる。さらに、可動電極25を軽量化
できるという利点がある。
【0051】第7実施形態にかかる静電マイクロリレー
は、図16に示すように、可動電極25を厚くした場合
である。本実施形態によれば、可動電極25を厚くする
ことにより、可動電極25の剛性が大きくなる。このた
め、可動電極25の自由端縁部が絶縁膜15に接触した
後、静電引力のすべてが第1薄板梁部22の曲げ荷重と
なるので、静電引力を効率良く第1薄板梁部22の変形
に利用できるという利点がある。
【0052】第8実施形態にかかる静電マイクロリレー
は、図17に示すように、可動電極の上面に凹所25a
を形成した場合である。本実施形態によれば、可動電極
25の周辺縁部だけを残して薄くし、リブを形成してあ
る。このため、可動電極25の剛性を著しく低下させず
に軽量化でき、応答速度を高め、耐衝撃特性,耐振動特
性の向上を図ることができるという利点がある。
【0053】第9実施形態にかかる静電マイクロリレー
は、図18に示すように、可動電極25を固定電極12
に予め傾斜させておく場合である。可動電極25を傾斜
させる方法としては、第1薄板梁部22および/または
第2薄板梁部23に薄膜を形成したり、あるいは、不純
物を注入して反らせておく方法がある。本実施形態によ
れば、動作初期時における静電引力がより一層大きくな
り、動作特性が向上するという利点がある。
【0054】また、図19に示す第10実施形態である
静電マイクロリレーのように、可動電極25の下面自由
端縁部に突起25bを設け、動作初期時における静電引
力をより一層大きくなるようにしてもよい。
【0055】第11実施形態にかかる静電マイクロリレ
ーは、図20に示すように、第1薄板梁部22の両端を
アンカ21,21に架け渡して固定支持したものであ
る。そして、第1薄板梁部22は、その中央から側方に
延在する第2薄板梁部23を介して可動電極25を支持
している。さらに、前記第1薄板梁部22の下面中央に
可動接点28を設けてある。本実施形態によれば、アク
チュエータ20全体の形状が簡単になり、製造が容易と
なる。さらに、第1薄板梁部22の両端を固定支持して
あるので、可動電極25の反り等の変形が少ない安定な
静電マイクロリレーを得られるという利点がある。
【0056】第12実施形態は、図21に示すように、
第1薄板梁部22、第2薄板梁部23および可動電極2
5を同一巾寸法とし、かつ、同一直線上に配置した場合
である。本実施形態によれば、前述の実施形態よりも形
状が簡単になり、製造が容易で反り等の変形が少ないと
いう利点がある。
【0057】第13実施形態は、図22(a)および図
22(b)に示すように、ガラス基板11aからなるベ
ース10に、アクチュエータ20を設けた場合である。
前記ベース10は、ガラス基板11aの上面に前述の第
1実施形態と同様、絶縁膜15で被覆された固定電極1
2、固定接点13,14および接続パッド16ないし1
9を形成してある。そして、固定電極12および固定接
点13,14は、プリント配線16aおよび17a,1
8aを介し、接続パッド16および17,18にそれぞ
れ接続されている。
【0058】アクチュエータ20は、前記ベース10の
上面に立設した一対の平面略L字形アンカ21,21の
上面縁部に、一対の第1薄板梁部22,22、一対の第
2薄板梁部23,23および第3薄板梁部24を介して
可動電極25を支持したものである。すなわち、アンカ
21,21は、その一端の上面縁部から第1薄板梁部2
2,22を相互に平行となるように延在している。さら
に、この第1薄板梁部22,22は、その一端から第2
薄板梁部23,23を直角方向へ同一軸心上に延在して
可動電極25を支持している。そして、この可動電極2
5の片側縁部近傍にスリット26cを形成することによ
り、第3薄板梁部24が形成されている。さらに、この
第3薄板梁部24の下面中央には絶縁膜27を介して可
動接点28が形成されている。また、前記アンカ21の
一方は、ベース10の上面に設けたプリント配線19a
を介して接続パッド19に接続されている。なお、製造
方法は前述の実施形態とほぼ同様であるので、説明を省
略する。
【0059】次に、第13実施形態にかかる静電マイク
ロリレーの動作について説明する。まず、電極12,2
5間に電圧が印加されていない場合、固定電極12と可
動電極25との間に静電引力が発生しない。このため、
可動電極25は固定電極12と平行に対向し、可動接点
28は固定接点13,14から開離している。
【0060】電極12,25間に電圧を印加して静電引
力が発生すると、第2薄板梁部23が捩れて可動電極2
3が傾斜し、その自由端部が固定電極12を被覆する絶
縁膜25に接触する。このため、静電引力がより大きく
なり、吸引力が増大する。この結果、第1薄板梁部22
が撓んで可動電極25全体が固定電極12により一層接
近し、可動接点28が固定接点14に接触する。さら
に、可動電極25全体が絶縁膜15に吸着すると、第3
薄板梁部24が弾性変形して可動接点28が所定の接点
圧で接触する。
【0061】そして、前述の電圧の印加を解除すると、
静電引力がなくなり、第3,第1薄板梁部のバネ力で可
動接点28が固定接点14から開離し、第1薄板梁部の
バネ力によって可動電極25が元の状態に復帰する。
【0062】第14実施形態は、図23および図24に
示すように、1本のアンカ21の両端から延在した一対
の第1薄板梁部22,22および一対の第2薄板梁部2
3,23を介して可動電極25を支持した場合である。
そして、前記可動電極25の片側縁部近傍にスリット2
6bを形成することにより、第3薄板梁部を形成してあ
る。さらに、この第3薄板梁部の下面中央には絶縁膜2
7を介して可動接点28が形成されている。他の構成お
よび製造方法は前述の実施形態とほぼ同様であるので、
説明を省略する。
【0063】次に、第14実施形態にかかる静電マイク
ロリレーの動作を、図24を参照しつつ、説明する。ま
ず、電極12,25間に電圧が印加されていない場合、
固定電極12および可動電極25の間に静電引力が発生
しない。このため、可動電極25は固定電極12と平行
に対向し、可動接点28は固定接点14から開離してい
る。
【0064】電極12,25間に電圧を印加して静電引
力が発生すると、第2薄板梁部23,23が捩れて可動
電極25が傾斜し、その自由端縁部が固定電極12を被
覆する絶縁膜15に接触する。このため、静電引力がよ
り一層大きくなり、固定電極12の吸引力が増大する。
この結果、第1薄板梁部22が撓んで可動電極25全体
が固定電極12により一層接近し、可動接点28が固定
接点14に接触する。さらに、可動電極28全体が絶縁
膜15に吸着すると、第3薄板梁部24が弾性変形し、
可動接点28が固定接点14に所定の接点圧で接触す
る。
【0065】そして、前述の電圧の印加を解除すると、
静電引力がなくなり、第3,第1,薄板梁部24,22
のバネ力で可動接点28が固定接点14から開離する。
ついで、第2薄板梁部23のバネ力によって可動電極2
5が元の状態に復帰する。
【0066】
【実施例】(実施例) 前述の第1実施形態について5Vの駆動電圧を印加した
場合における駆動電極間ギャップと可動電極の駆動力と
の関係を計算によって求めた。計算結果を図25のグラ
フ図に示す。また、3.5Vの駆動電圧を印加した場合
における駆動電極間ギャップと可動電極の駆動力との関
係を計算によって求めた。計算結果を図26のグラフ図
に示す。
【0067】(従来例) 平坦な固定電極に薄板状可動電極を平行に配置して対向
させた従来例について、前述と同様に5Vの駆動電圧を
印加した場合における駆動電極間ギャップと可動電極の
駆動力との関係を計算によって求めた。計算結果を図2
5のグラフ図に示す。また、実施例と同一梁反力とした
場合における5Vの駆動電圧を印加したときの駆動電極
間ギャップと可動電極の駆動力との関係を計算によって
求めた。計算結果を図26のグラフ図に示す。
【0068】図25から明らかなように、駆動電圧が同
一であれば、本発明の駆動力は常に従来例の駆動力より
も大きいことが判った。なお、本発明にかかるグラフ図
が不連続であるのは、可動電極の自由端部が固定電極に
接触すると、可動電極が2点支持となり、曲げモーメン
トが作用するからである。
【0069】また、図26から明らかなように、従来例
の駆動電圧が5Vであるのに対し、本発明の駆動電圧が
3.5Vであるにもかかわらず、本発明の駆動力は従来
の駆動力とほぼ同等であることが判った。したがって、
低い駆動電圧で駆動できる静電マイクロリレーを得られ
ることが判った。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかる請求項1の静電マイクロリレーによれば、対向
する固定電極と可動電極との間に電圧を印加すると、静
電引力が生じる。そして、最初に剛性の小さい第2薄板
梁部を中心に可動電極が回動し、可動電極の自由端部が
固定電極に接近する。このため、静電引力がより一層大
きくなり、固定電極が可動電極を吸引する。この結果、
第2薄板梁部のばね力に抗して可動電極が変位し、可動
接点が固定接点に接触した後、可動電極が固定電極に吸
着する。したがって、低い駆動電圧で可動電極を駆動で
き、電極間隔を大きくできるだけでなく、初期動作にお
ける応答速度が速い静電マイクロリレーが得られる。ま
た、固定接点に接触する可動接点が可動電極よりもアン
カ側に位置する。このため、可動電極が固定接点に吸着
した場合に、てこの原理により、可動接点が固定接点に
大きな荷重で接触し、所望の接点圧を確保できる。さら
に、電圧の印加を停止して静電引力を解消すると、ま
ず、剛性の大きい第1薄板梁部のばね力で可動電極が固
定電極から開離し、可動接点が固定接点から開離する。
このため、所望の接点開離力が得られ、復帰動作の速い
静電マイクロリレーが得られる。請求項2によれば、ス
リットを設けることにより、第2薄板梁部よりも大きな
剛性を有する第3薄板梁部を形成できる。このため、可
動電極に対する負荷特性の調整がより一層容易になり、
設計の自由度が広がる。
【0071】請求項3によれば、第1薄板梁部の両端が
アンカに支持されているので、前述の効果に加え、安定
した動作特性を有する静電マイクロリレーが得られる。
【0072】請求項,請求項によれば、請求項1同
様、低い駆動電圧で可動電極を駆動でき、電極間隔を大
きくできるだけでなく、初期動作における応答速度が速
い静電マイクロリレーが得られる。また、実質的にアン
カから可動接点までの距離は、アンカから可動電極まで
の距離もよりも短い。このため、可動電極が固定電極に
吸着した場合に、てこの原理により、可動接点が固定接
点に大きな力で接触し、所望の接点圧を確保できる。さ
らに、電圧の印加を停止して静電引力を解消すると、ま
ず、剛性の大きい第1薄板梁部のばね力で可動電極が固
定電極から開離し、可動接点が固定接点から開離する。
このため、所望の接点開離力が得られ、復帰動作の速い
静電マイクロリレーが得られる。特に、請求項によれ
ば、一つのアンカから一対の第1薄板梁部を平行に延在
してあるので、第1薄板梁部の位置決め精度,寸法精度
が高くなり、動作特性にバラツキが生じない静電マイク
ロリレーが得られる。請求項によれば、スリットを設
けることにより、第2薄板梁部よりも大きな剛性を有す
る第3薄板梁部を形成できる。このため、可動電極に対
する負荷特性の調整がより一層容易になり、設計の自由
度が広がる。
【0073】また、アクチュエータを単結晶シリコン基
板単体から形成すれば、すべての生産工程を半導体プロ
セス工程で処理でき、寸法精度にバラツキのないアクチ
ュエータが得られる。さらに、ベースをガラス基板単体
で製造すれば、単位結晶シリコン基板からなるアクチュ
エータを陽極接合で一体化でき、組み付け作業が容易な
小型の静電マイクロリレーが得られる。さらに、高周波
特性が向上し、機械寿命が伸びる。そして、ベースを、
絶縁膜で被覆した単結晶シリコン基板で形成すれば、単
結晶シリコン基板からなるアクチュエータをベースに低
い温度で接合一体化できる。このため、低融点の接点材
料を使用でき、接点材料の選択範囲が広がる。
【0074】また、前記可動電極の縦断面を反りが生じ
ないように線対称とすれば、固定電極と可動電極との距
離にバラツキが生じず、動作不能を防止でき、動作特性
が均一な静電マイクロリレーが得られる。請求項によ
れば、可動電極の上面中央に凹所を設けて上面周辺縁部
にリブを形成してある。このため、所望の剛性を確保し
つつ、軽量な可動電極が得られ、動作特性がより一層向
上する。また、固定電極と可動電極との対向面のうち、
少なくともいずれか一方の対向面に絶縁膜を形成してお
けば、固定電極と可動電極とが直接接触することがな
い。このため、両者は絶縁膜の厚さを残して大きな静電
引力で吸着するので、所望の接触荷重が得られる。さら
に、第1,第2薄板梁部を可動電極よりも薄肉とすれ
ば、第1,第2薄板梁部よりも可動電極の剛性が大き
い。このため、固定電極に可動電極が静電引力で吸引さ
れても、可動電極は反りを生じることなく、真直なまま
で固定電極に接近して吸着する。この結果、動作速度の
速い静電マイクロリレーが得られる。請求項によれ
ば、アクチュエータの可動電極をベース側に予め傾斜さ
せてある。このため、駆動初期時に、より大きな静電引
力が得られ、駆動電圧をより一層低減できる。
【0075】また、可動電極の自由端縁部を、ベース上
面のうち、固定電極を設けていない部分に当接させてお
けば、可動電極の自由端縁部が固定電極を被覆する絶縁
膜に最初に当接することがなく、衝撃荷重による絶縁膜
の破損が生じず、短絡が生じない。さらに、可動電極が
固定電極に当接する前に、可動電極の突条をベースの上
面に直接当接するようにすれば、固定電極に最初に当接
することがない。このため、衝撃荷重による絶縁膜の破
損がなく、短絡が生じない。そして、可動電極の自由端
縁部をベースの上面に突設した突条に当接するようにす
れば、固定電極を被覆する絶縁膜に最初に当接すること
がない。このため、衝撃荷重による絶縁膜の破損がな
く、短絡が生じない静電マイクロリレーを得られるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかる第1実施形態を示し、図
(a)は平面図、図(b)は図1(a)の1B−1B線
断面図である。
【図2】 図1で示したベースの製造工程を示す断面図
である。
【図3】 図1で示したアクチュエータの製造工程を示
す断面図である。
【図4】 図2,図3で示したベースおよびアクチュエ
ータの接続工程を示す図1の4−4線で切断した断面図
である。
【図5】 図1で示した静電マイクロリレーの動作を示
す断面図である。
【図6】 本願発明にかかる第2実施形態を示し、図
(a)は平面図、図(b)は図6(a)の6B−6B線
断面図である。
【図7】 本願発明にかかる第3実施形態を示し、図
(a)は平面図、図(b)は図7(a)の7B−7B線
断面図である。
【図8】 本願発明にかかる第4実施形態を示し、図
(a)は図8(b)の8A−8A線で切断した断面図、
図(b)は平面図、図(c)は図8(b)から可動接点
だけを残してアクチュエータを除いた状態を示す平面図
である。
【図9】 図8(a)で示したベースの製造工程を示す
断面図である。
【図10】 図8(a)で示したアクチュエータの製造
工程を示す断面図である。
【図11】 図9,図10で示したベースおよびアクチ
ュエータの接続工程を示す断面図である。
【図12】 図8(a)で示すアクチュエータの底面図
である。
【図13】 図8(a)示したアクチュエータの動作を
示す断面図である。
【図14】 第5実施形態にかかる静電マイクロリレー
の断面図である。
【図15】 第6実施形態にかかる静電マイクロリレー
の断面図である。
【図16】 第7実施形態にかかる静電マイクロリレー
の断面図である。
【図17】 第8実施形態にかかる静電マイクロリレー
の断面図である。
【図18】 第9実施形態にかかる静電マイクロリレー
の断面図である。
【図19】 第10実施形態にかかる静電マイクロリレ
ーの断面図である。
【図20】 第11実施形態にかかる静電マイクロリレ
ーのアクチュエータを示す平面図である。
【図21】 第12実施形態にかかる静電マイクロリレ
ーを示し、図(a)は平面図、図(b)は断面図であ
る。
【図22】 本願発明にかかる第13実施形態を示し、
図(a)は平面図、図(b)は図22(a)の22B−
22B線断面図である。
【図23】 本願発明にかかる第13実施形態のアクチ
ュエータを示す底面図である。
【図24】 図23に示した静電マイクロリレーの動作
を説明するための断面図である。
【図25】 同一の駆動電圧を印加した場合における駆
動力を示すグラフ図である。
【図26】 同一の梁反力とした場合における駆動力を
示すグラフ図である。
【符号の説明】
10…ベース、10a…突条、10b…絶縁膜、11a
…ガラス基板、11b…シリコン基板、12…固定電
極、13,14…固定接点、15…絶縁膜、16,1
7,18,19…接続パッド、16a,17a,18
a,19a…プリント配線、20…アクチュエータ、2
1…アンカ、22…第1薄板梁部、23…第2薄板梁
部、24…第3薄板梁部、25…可動電極、25a…凹
所、25b…突条、26a…切り欠き部、26b,26
c…スリット、27…絶縁膜、28…可動接点、29…
第2可動電極、29a…絶縁膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−213191(JP,A) 特開 平6−224449(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 59/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースに設けた固定電極と、このベース
    の上面に固定したアクチュエータの可動電極との間に電
    圧を印加して生じる静電引力で前記可動電極を駆動し、
    前記ベースに設けた固定接点に前記アクチュエータに設
    けた可動接点を接離させて電気回路を開閉する静電マイ
    クロリレーにおいて、 前記アクチュエータが、前記ベースに立設したアンカ
    と、このアンカの上面縁部から側方に延在する第1薄板
    梁部と、この第1薄板梁部の自由端から両側へ同一軸心
    上に延在する一対の第2薄板梁部と、この第2薄板梁部
    に回動可能に連結された可動電極とからなり、前記第1
    薄板梁部の自由端下面に可動接点を設けたことを特徴と
    する静電マイクロリレー。
  2. 【請求項2】 前記第1薄板梁部のうち、前記可動接点
    近傍のアンカ側にスリットを設けて第3薄板梁部を形成
    したことを特徴とする請求項1に記載の静電マイクロリ
    レー。
  3. 【請求項3】 ベースに設けた固定電極と、このベース
    の上面に固定したアクチュエータの可動電極との間に電
    圧を印加して生じる静電引力で前記可動電極を駆動し、
    前記ベースに設けた固定接点に前記アクチュエータに設
    けた可動接点を接離させて電気回路を開閉する静電マイ
    クロリレーにおいて、 前記アクチュエータが、前記ベースに突設した一対のア
    ンカと、このアンカの上面縁部に架け渡した第1薄板梁
    部と、この第1薄板梁部の略中央から側方へ直交方向に
    延在した第2薄板梁部と、この第2薄板梁部の自由端か
    ら側方へ同一軸心上に延在した可動電極とからなり、前
    記第1薄板梁部の略中央下面に可動接点を設けたことを
    特徴とする静電マイクロリレー。
  4. 【請求項4】 ベースに設けた固定電極と、このベース
    の上面に固定したアクチュエータの可動電極との間に電
    圧を印加して生じる静電引力で前記可動電極を駆動し、
    前記ベースに設けた固定接点に前記アクチュエータに設
    けた可動接点を接離させて電気回路を開閉する静電マイ
    クロリレーにおいて、 前記アクチュエータが、前記ベースに並設した一対のア
    ンカと、このアンカの上面縁部から相互に平行となるよ
    うに側方に延在した一対の第1薄板梁部と、この第1薄
    板梁部の自由端から側方へ同一軸心上に延在した一対の
    第2薄板梁部と、この前記第2薄板梁部に片側縁部を回
    動可能に連結した可動電極とからなり、一対の前記第2
    薄板梁部の中間に位置する前記可動電極の下面に可動接
    点を設けたことを特徴とする静電マイクロリレー。
  5. 【請求項5】 ベースに設けた固定電極と、このベース
    の上面に固定したアクチュエータの可動電極との間に電
    圧を印加して生じる静電引力で前記可動電極を駆動し、
    前記ベースに設けた固定接点に前記アクチュエータに設
    けた可動接点を接離させて電気回路を開閉する静電マイ
    クロリレーにおいて、 前記アクチュエータが、前記ベースに立設したアンカ
    と、このアンカの上面両端縁部から相互に平行となるよ
    うに側方に延在した一対の第1薄板梁部と、この第1薄
    板梁部の自由端から側方へ同一軸心上に延在した一対の
    第2薄板梁部と、この第2薄板梁部に片側縁部を回動可
    能に連結された可動電極とからなり、一対の前記第2薄
    板梁部の中間に位置する前記可動電極の下面に可動接点
    を設けたことを特徴とする静電マイクロリレー。
  6. 【請求項6】 前記可動電極の前記可動接点近傍の自由
    端側にスリットを設けて第3薄板梁部を形成したことを
    特徴とする請求項またはに記載の静電マイクロリレ
    ー。
  7. 【請求項7】 前記可動電極の上面中央に凹所を設けて
    上面周辺縁部にリブを形成したことを特徴とする請求項
    1ないしのいずれか1項に記載の静電マイクロリレ
    ー。
  8. 【請求項8】 前記アクチュエータの可動電極を、前記
    ベース側に予め傾斜させたことを特徴とする請求項1な
    いしのいずれか1項に記載の静電マイクロリレー。
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