JP2000348542A - 防鼠性電線ケーブル - Google Patents

防鼠性電線ケーブル

Info

Publication number
JP2000348542A
JP2000348542A JP11155869A JP15586999A JP2000348542A JP 2000348542 A JP2000348542 A JP 2000348542A JP 11155869 A JP11155869 A JP 11155869A JP 15586999 A JP15586999 A JP 15586999A JP 2000348542 A JP2000348542 A JP 2000348542A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microencapsulated
rat
weight
capsaicin
cycloheximide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11155869A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Honda
正幸 本多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP11155869A priority Critical patent/JP2000348542A/ja
Publication of JP2000348542A publication Critical patent/JP2000348542A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シース層に防鼠剤を少なく配合しても防鼠剤
の防鼠性を従来より向上し、ケーブルの径を細する。 【解決手段】 導体の上にポリ塩化ビニル樹脂又はオレ
フィン系樹脂からなる絶縁体を被覆してなる絶縁導体を
2本合わせた上に、又は該絶縁導体を複数本撚り合わせ
介在物を介在して成形した上に、オレフィン系樹脂にマ
イクロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプセル
化したシクロヘキシミドを7:3〜3:7の割合で配合
してなるシースを被覆して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系樹脂から
なる絶縁体を被覆してなる絶縁導体を2本合わせた上
に、又は該絶縁導体を複数本撚り合わせ介在物を介在さ
せて成型し最外層としてシースを被覆してなる電線ケー
ブルに係り、特にシース層の防鼠性を向上することがで
きたり、シース層の防鼠性を向上すると共に外観を良好
にすることのできる防鼠性電線ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、優れた合成樹脂が安価に作られる
ようになり、成形のし易さ、耐久性の良さ等の面で、台
所用品等の日用雑貨品のあらゆる製品に用いられるに至
っている。特に、この合成樹脂は、コストが低く、電気
的性質にすぐれ誘電率が小さく誘電損が少なく、しかも
施工時の端末処理作業がやり易いところから、主として
塩化ビニル系樹脂組成物が用いられている。そして、こ
の塩化ビニル系樹脂組成物としては、機械的にもかなり
強く難燃性で、耐薬品性・電気特性が良く、着色も自由
で機械加工も良いところから軟質ポリ塩化ビニルが用い
られている。
【0003】このような塩化ビニル樹脂組成物によって
被覆された絶縁電線、ケーブル等は、屋内外に布設さ
れ、常時外界と接した状態となっている。このため、塩
化ビニル樹脂組成物の被覆された絶縁電線、ケーブル等
のシースは、合成樹脂等を齧る鼠によって噛み傷を受け
る場合がある。特に、絶縁電線、ケーブル等における導
体を被覆している塩化ビニル樹脂組成物は、導体間の絶
縁、大地との絶縁を図り地絡の防止をするために重要な
ものであり、鼠による絶縁電線・ケーブル等の絶縁体や
シースへの損傷は、絶縁電線・ケーブル等に重大な影響
を与えている。
【0004】そこで、従来より絶縁電線・ケーブル等の
最外部被覆層に防鼠剤を添加する防鼠絶縁電線・防鼠ケ
ーブル等が考えられている。この防鼠剤としては、従来
より鼠が忌避する臭気及び味を呈する抗生物質の一種で
あるシクロヘキシミドが使用されている。この防鼠絶縁
電線・防鼠ケーブル等としては従来は、例えば特開昭5
9−169003号公報に示す如きものがある。
【0005】このようなシクロヘキシミドを使用した塩
化ビニル樹脂組成物は、防鼠性の持続性を考慮し、塩化
ビニル樹脂にマイクロカプセル化されたシクロヘキシミ
ドを練り込んで形成されている。このマイクロカプセル
は、ゼラチンとアラビアゴムの溶液に忌避剤を投入し、
撹拌しながら単一の液体膜カプセルが20〜100ミク
ロンの径を有する集合体を形成して一群となるまで酸を
添加していって製造されるもののほか、モマーあるいは
低分子量のプレポリマー等の反応材料を使用して形成さ
れる高分子材料からなるカプセル壁を使用する。例え
ば、メラミン樹脂、ポリアミド、ポリエステル等で形成
される。このマイクロカプセル内に封入される忌避剤に
は、一般的なシクロヘキシミドの他に、ブチル錫化合
物、メルカプタン誘導体、クレオソート系油、ナフタリ
ン、アミノ系化合物等があるが、ここでは、シクロヘキ
シミドを用いている。また、このマイクロカプセルは、
その球径が、20〜100ミクロンの径の大きさで、実
際には視認することはできないものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように構成される
従来の塩化ビニル樹脂組成物にあっては、火災などの災
害時に、ハロゲンを含む樹脂組成物が分解して、腐食性
で有害なハロゲン化水素を発生させるという問題点を有
している。また、焼却処分に当たっては、内分泌撹乱物
質(環境ホルモン)が発生する可能性が指摘されてい
る。
【0007】本発明の1つの目的は、シース層に防鼠剤
を少なく配合しても防鼠剤の防鼠性を従来より向上する
ことができ、ケーブルの径を細くしようということにあ
る。本発明の他の1つの目的は、シース層に防鼠剤を少
なく配合しても防鼠剤の防鼠性を従来より向上すること
ができ、ケーブルの径を細くすると共に外観を良好にす
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の防鼠性電線ケーブルは、導体の上
にポリ塩化ビニル樹脂又はオレフィン系樹脂からなる絶
縁体を被覆してなる絶縁導体を2本合わせた上に、又は
該絶縁導体を複数本撚り合わせ介在物を介在して成形し
た上に、オレフィン系樹脂にマイクロカプセル化したカ
プサイシンとマイクロカプセル化したシクロヘキシミド
を7:3〜3:7の割合で配合してなるシースを被覆し
て構成するものである。カプサイシンを包み込むマイク
ロカプセル及びシクロヘキシミドを包み込むマイクロカ
プセルは、ゼラチンとアラビアゴムの溶液に忌避剤を投
入し、撹拌しながら単一の液体膜カプセルが20〜10
0ミクロンの径を有する集合体を形成して一群となるま
で酸を添加していって製造されるもののほか、モマーあ
るいは低分子量のプレポリマー等の反応材料を使用して
形成される高分子材料からなるカプセル壁を使用するも
のである。このカプセル壁は、例えば、メラミン樹脂、
ポリアミド、ポリエステル等で形成され、その球径は、
20〜100ミクロンの径の大きさで、実際には視認す
ることはできないものである。請求項1に記載の発明に
おいては、オレフィン系樹脂にマイクロカプセル化した
カプサイシンとマイクロカプセル化したシクロヘキシミ
ドを7:3〜3:7の割合で配合している。このように
オレフィン系樹脂にマイクロカプセル化したカプサイシ
ンとマイクロカプセル化したシクロヘキシミドとの配合
比率を7:3〜3:7としたのは、マイクロカプセル化
カプサイシンとマイクロカプセル化シクロヘキシミドと
の配合比率が7:3以下でも、マイクロカプセル化カプ
サイシンとマイクロカプセル化シクロヘキシミドとの配
合比率が3:7以上でもマイクロカプセル化カプサイシ
ンとマイクロカプセル化シクロヘキシミドの両者の相乗
効果が十分に得られず、全体としての防鼠剤の配合量を
減少させる効果が得られないからである。このように請
求項1に記載の発明では、マイクロカプセル化したカプ
サイシンとマイクロカプセル化したシクロヘキシミドを
配合することにより、雨水等によるシース層に配合され
た防鼠剤の流出を防止すると共に熱によるシース層に配
合された防鼠剤の効力の低下を防止して、防鼠効果の持
続性を高め、長期間に渡って鼠からの被害を防いでい
る。このように構成することにより請求項1に記載の発
明によれば、シース層に防鼠剤を少なく配合しても防鼠
剤の防鼠性を従来より向上することができる。
【0009】上記目的を達成するために、請求項2に記
載の防鼠性電線ケーブルは、シース層に配合するマイク
ロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプセル化し
たシクロヘキシミドの合計の配合量を、オレフィン系樹
脂100重量部に対して、0.3〜10.0重量部にし
たものである。このマイクロカプセル化したカプサイシ
ンとマイクロカプセル化したシクロヘキシミドの合計の
配合量をオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.
3〜10.0重量部配合したのは、マイクロカプセル化
したカプサイシンとマイクロカプセル化したシクロヘキ
シミドの合計の配合量が0.3重量部を下回ると、防鼠
性電線ケーブルが鼠によって試しかじり傷を受けるから
であり、マイクロカプセル化したカプサイシンとマイク
ロカプセル化したシクロヘキシミドの合計の配合量が1
0.0重量部を超えて配合しても、防鼠効果に変化はな
く、返って外観の状態が悪くなるからである。このよう
に構成することにより請求項2に記載の発明によれば、
外観を損なうことなく、シース層に防鼠剤を少なく配合
しても防鼠剤の防鼠性を従来より向上することができ
る。
【0010】上記目的を達成するために、請求項3に記
載の防鼠性電線ケーブルは、導体の上にポリ塩化ビニル
樹脂又はオレフィン系樹脂からなる絶縁体を被覆してな
る絶縁導体を2本合わせた上に、又は該絶縁導体を複数
本撚り合わせ介在物を介在して成形した上に、オレフィ
ン系樹脂を主成分とするシース層を形成してなる電線ケ
ーブルにおいて、前記シース層を内層・外層の2層に形
成し、内層にはマイクロカプセル化したカプサイシンと
マイクロカプセル化したシクロヘキシミドを7:3〜
3:7の割合で配合し、外層にはマイクロカプセル化し
たカプサイシンとマイクロカプセル化したシクロヘキシ
ミドを9:1〜2:8の割合で配合して構成したもので
ある。すなわち、請求項3に記載の発明は、シース層を
内層・外層の2層に形成し、内層にはマイクロカプセル
化したカプサイシンとマイクロカプセル化したシクロヘ
キシミドを7:3〜3:7の割合で配合してあり、外層
にはマイクロカプセル化したカプサイシンとマイクロカ
プセル化したシクロヘキシミドを9:1〜2:8の割合
で配合してある。このようにシース層の内層をオレフィ
ン系樹脂にマイクロカプセル化したカプサイシンとマイ
クロカプセル化したシクロヘキシミドとの配合比率を
7:3〜3:7としたのは、マイクロカプセル化カプサ
イシンとマイクロカプセル化シクロヘキシミドとの配合
比率が7:3以下でも、マイクロカプセル化カプサイシ
ンとマイクロカプセル化シクロヘキシミドとの配合比率
が3:7以上でもマイクロカプセル化カプサイシンとマ
イクロカプセル化シクロヘキシミドの両者の相乗効果が
十分に得られず、全体としての防鼠剤の配合量を減少さ
せる効果が得られないからである。また、シース層の外
層をオレフィン系樹脂にマイクロカプセル化したカプサ
イシンとマイクロカプセル化したシクロヘキシミドとの
配合比率を9:1〜2:8としたのは、マイクロカプセ
ル化カプサイシンとマイクロカプセル化シクロヘキシミ
ドとの配合比率が9:1以下では、防鼠効果が全く得ら
れないからであり、マイクロカプセル化カプサイシンと
マイクロカプセル化シクロヘキシミドとの配合比率が
2:8以上だと防鼠性電線ケーブルの外観の平滑性が得
られず、外観にやや難点を生じるからである。
【0011】このように請求項3に記載の防鼠性電線ケ
ーブルは、内層にマイクロカプセル化したカプサイシン
に対するマイクロカプセル化したシクロヘキシミドの配
合比率を高くして配合してあるオレフィン系樹脂を被覆
して防鼠効果を向上させ、外層にマイクロカプセル化し
たカプサイシンに対するマイクロカプセル化したシクロ
ヘキシミドの配合比率を低くして配合してあるオレフィ
ン系樹脂を被覆して雨水等による内層に配合された防鼠
剤の流出を防止すると共に熱による内層に配合された防
鼠剤の効力の低下を防止して、防鼠効果の持続性を高
め、長期間に渡って鼠からの被害を防いでおり、かつ、
マイクロカプセル化したカプサイシンに対するマイクロ
カプセル化したシクロヘキシミドの配合比率を低くして
外観を良好にしてシース表面の平滑性を確保し、外観上
の見てくれを良くして商品価値を高めている。
【0012】上記目的を達成するために、請求項4に記
載の防鼠性電線ケーブルは、シース層の内層に配合され
るマイクロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプ
セル化したシクロヘキシミドの合計の配合量を、オレフ
ィン系樹脂100重量部に対して、0.3〜10.0重
量部にしたものである。このシース層の内層に配合され
る防鼠剤の配合量を、オレフィン系樹脂100重量部に
対して、0.3〜10.0重量部配合したのは、防鼠剤
の配合量が0.3重量部を下回ると、防鼠性電線ケーブ
ルのシース層が鼠によって試しかじり傷を受けない程度
の効果が得られないからであり、防鼠剤の配合量が1
0.0重量部を超えて配合しても、防鼠効果に変化はな
く、返って外観の状態が悪くなるからである。このよう
に構成することにより、請求項4に記載の発明によれ
ば、シース内層に防鼠剤を従来より少なく配合しても防
鼠剤の防鼠性を従来より向上することができ、ケーブル
の径を細くすることができる。
【0013】上記目的を達成するために、請求項5に記
載の防鼠性電線ケーブルは、シース層の外層に配合され
るマイクロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプ
セル化したシクロヘキシミドの合計の配合量を、オレフ
ィン系樹脂100重量部に対して、0.3〜0.5重量
部にしたものである。
【0014】このシース層の外層に配合される防鼠剤
(マイクロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプ
セル化したシクロヘキシミドを混合したもの)の配合量
を、オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.3〜
0.5重量部配合したのは、防鼠剤の配合量が0.3重
量部を下回ると、防鼠性電線ケーブルのシース外層が鼠
によって試しかじり傷を受けるからであり、防鼠剤を
0.5重量部を超えて配合すると、シース表面の平滑性
を確保できず、外観上の見てくれを良くすることができ
ないからである。このように構成することにより、請求
項5に記載の発明によれば、シース表面の平滑性を確保
でき、外観上の見てくれを良くすることができる。
【0015】上記目的を達成するために、請求項6に記
載の防鼠性電線ケーブルは、シース層を、少なくともオ
レフィン系樹脂に難燃剤を配合すると共に、その他必要
に応じて加工助剤、酸化防止剤を配合して構成したもの
である。上記目的を達成するために、請求項7に記載の
防鼠性電線ケーブルは、オレフィン系樹脂を、直鎖状低
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸
ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレ
ンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重
合体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、メタロセ
ン系直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン超低密度ポ
リエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ブタジエ
ンアクリロニトリルゴムのいずれか1種または2種以上
の混合物構成したものである。上記目的を達成するため
に、請求項8に記載の防鼠性電線ケーブルは、難燃剤
を、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )、水酸化ア
ルミニウム(Al(OH)3 )、水酸化カルシウム(C
a(OH)2 )のいずれか1種又は2種以上で構成した
ものである。上記目的を達成するために、請求項9に記
載の防鼠性電線ケーブルは、加工助剤を、ポリメタクリ
ル酸メチル、ステアリン酸、ポリエチレンワックスのい
ずれか1種または2種以上の混合物で構成したものであ
る。上記目的を達成するために、請求項10に記載の防
鼠性電線ケーブルは、酸化防止剤を、ヒンダートフェノ
ール系酸化防止剤又はチオビスフェノール系酸化防止剤
で構成したものである。
【0016】金属水酸化物は、オレフィン系樹脂に用い
られる無機系難燃剤で、水酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、水酸化カルシウム等が用いられる。この金
属水酸化物をオレフィン系樹脂に配合することによって
オレフィン系樹脂組成物が燃焼した時、配合されている
金属水和物に含まれる結晶水が噴出して消火作用を行う
ためオレフィン系樹脂が燃焼し難くなり、燃焼した際に
も燃え殻を炭化させ保形性を持たせる作用を有してい
る。このように構成することにより、請求項5、6、7
に記載の発明によれば、シース内層に防鼠剤を従来より
少なく配合しても防鼠剤の防鼠性を従来より向上するこ
とができ、ケーブルの径を細くすることができる。ま
た、請求項8に記載の発明によれば、ハロゲン化物を含
まず、基準とする難燃性を確保することができる。さら
に、このように構成することにより、請求項9、10に
記載の発明によれば、防鼠性電線ケーブルを加工し易く
でき、劣化を防止することができる。
【0017】上記目的を達成するために、請求項11に
記載の防鼠性電線ケーブルは、内層・外層の2層のシー
ス層を、二層同時押し出しによって形成したものであ
る。このように構成することにより、防鼠性電線ケーブ
ルのシース層の形成を一度に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る塗料の実施の
形態について説明する。図1には、本発明に係る防鼠性
電線ケーブルの第1の実施の形態が示されている。
【0019】図1において、1は軟銅線によって構成さ
れる導体で、この導体1の上にはポリ塩化ビニル樹脂又
は架橋ポリエチレンによって構成される絶縁体2が被覆
されており、絶縁導体3が構成されている。この絶縁導
体3を2本合わせ、この上にシース層4が形成され防鼠
性電線ケーブル10(例えば、VVFケーブル)が構成
されている。このシース層4は、オレフィン系樹脂にマ
イクロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプセル
化したシクロヘキシミドを7:3〜3:7の割合で配合
して構成されている。すなわち、このシース層4は、少
なくともオレフィン系樹脂に難燃剤、その他必要に応じ
て加工助剤、酸化防止剤が配合されている。さらに、こ
のシース層4を構成するオレフィン系樹脂に配合される
防鼠剤(マイクロカプセル化したカプサイシンとマイク
ロカプセル化したシクロヘキシミドを混合したもの)
は、オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.3〜
10.0重量部配合されている。そして、シース層4の
主成分であるオレフィン系樹脂は、直鎖状低密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−メチルメタクリレート共重合体、エチレンーアクリ
ル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、高密
度ポリエチレン、ポリプロピレン、メタロセン系直鎖状
低密度ポリエチレン、メタロセン超低密度ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、ブタジエンアクリ
ロニトリルゴムのいずれか1種または2種以上の混合物
によって構成されている。さらに、オレフィン系樹脂に
配合する難燃剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、水酸化カルシウムのいずれか1種又は2種以上
の混合物が用いられる。そして、オレフィン系樹脂に配
合する加工助剤は、ポリメタクリル酸メチル、ステアリ
ン酸、ポリエチレンワックスのいずれか1種または2種
以上の混合物が用いられる。さらにまた、酸化防止剤
は、ヒンダートフェノール系酸化防止剤又はチオビスフ
ェノール系酸化防止剤を用いている。
【0020】また、図2には、本発明に係る防鼠性電線
ケーブルの第2の実施の形態が示されている。図2にお
いて、図1に図示の第1の実施の形態と異なる点は、図
1に図示の第1の実施の形態がシース層を一層に形成し
てあるのに対し、シース層が二層に形成してある点であ
る。すなわち、シース層11は、図2に示す如く、内層
12と外層13の2層に形成されている。そして、この
2層に形成されるシース層11は、内層12、外層13
共に、少なくともオレフィン系樹脂に難燃剤、その他必
要に応じて加工助剤、酸化防止剤が配合されている。こ
のシース層11を構成する内層12と外層13のオレフ
ィン系樹脂、このオレフィン系樹脂に配合する難燃剤、
加工助剤、酸化防止剤については、図1に図示の実施の
形態と同様である。
【0021】このシース層11の内層12は、マイクロ
カプセル化したカプサイシンとマイクロカプセル化した
シクロヘキシミドが7:3〜3:7の割合で配合してあ
る。そして、シース層11の内層12に配合される防鼠
剤(マイクロカプセル化したカプサイシンとマイクロカ
プセル化したシクロヘキシミドを混合したもの)は、オ
レフィン系樹脂100重量部に対して、0.3〜10.
0重量部配合してある。
【0022】また、シース層11の外層13は、マイク
ロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプセル化し
たシクロヘキシミドを9:1〜2:8の割合で配合して
ある。そして、シース層11の外層13に配合される防
鼠剤(マイクロカプセル化したカプサイシンとマイクロ
カプセル化したシクロヘキシミドを混合したもの)は、
オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.3〜0.
5重量部配合してある。また、内層12と外層13の2
層のシース層11は、二層同時押し出しによって形成さ
れる。
【0023】図3には、本発明に係る防鼠性電線ケーブ
ルの第3の実施の形態が示されている。図3において、
1は軟銅線によって構成される導体で、この導体1の上
にはポリ塩化ビニル樹脂又は架橋ポリエチレンによって
構成される絶縁体2が被覆されており、絶縁導体3が構
成されている。この絶縁導体3を複数本(図3では、3
本)撚り合わせ、介在6を介在させて丸形に成形し、押
え巻きテープ7を巻き付け、この押え巻きテープ7の上
にシース層14が被覆されて防鼠性電線ケーブル15
(例えば、VVRケーブル)が構成されている。このシ
ース層14は、オレフィン系樹脂にマイクロカプセル化
したカプサイシンとマイクロカプセル化したシクロヘキ
シミドを7:3〜3:7の割合で配合して構成されてい
る。すなわち、このシース層14は、少なくともオレフ
ィン系樹脂に難燃剤、その他必要に応じて加工助剤、酸
化防止剤が配合されている。さらに、このシース層14
を構成するオレフィン系樹脂に配合される防鼠剤(マイ
クロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプセル化
したシクロヘキシミドを混合したもの)は、オレフィン
系樹脂100重量部に対して、0.3〜10.0重量部
配合されている。このシース層14のオレフィン系樹
脂、このオレフィン系樹脂に配合する難燃剤、加工助
剤、酸化防止剤については、図1に図示の実施の形態と
同様である。
【0024】また、図4には、本発明に係る防鼠性電線
ケーブルの第4の実施の形態が示されている。図4にお
いて、図3に図示の第3の実施の形態と異なる点は、図
3に図示の第3の実施の形態がシース層を一層に形成し
てあるのに対し、シース層が二層に形成してある点であ
る。すなわち、シース層15は、図4に示す如く、内層
16と外層17の2層に形成されている。そして、この
2層に形成されるシース層15は、内層16、外層17
共に、少なくともオレフィン系樹脂に難燃剤、その他必
要に応じて加工助剤、酸化防止剤が配合されている。こ
のシース層15を構成する内層16と外層17のオレフ
ィン系樹脂、このオレフィン系樹脂に配合する難燃剤、
加工助剤、酸化防止剤については、図2に図示の実施の
形態と同様である。
【0025】このシース層15の内層16は、マイクロ
カプセル化したカプサイシンとマイクロカプセル化した
シクロヘキシミドが7:3〜3:7の割合で配合してあ
る。そして、シース層15の内層16に配合される防鼠
剤(マイクロカプセル化したカプサイシンとマイクロカ
プセル化したシクロヘキシミドを混合したもの)は、オ
レフィン系樹脂100重量部に対して、0.3〜10.
0重量部配合してある。
【0026】また、シース層15の外層17は、マイク
ロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプセル化し
たシクロヘキシミドを9:1〜2:8の割合で配合して
ある。そして、シース層15の外層17に配合される防
鼠剤(マイクロカプセル化したカプサイシンとマイクロ
カプセル化したシクロヘキシミドを混合したもの)は、
オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.3〜0.
5重量部配合してある。また、内層16と外層17の2
層のシース層11は、二層同時押し出しによって形成さ
れる。
【0027】
【実施例】以下、本発明に係る防鼠性電線ケーブルのシ
ース層を構成する防鼠シースの具体的実施例について従
来例と比較して説明する。
【0028】実施例1 実施例1は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)とマイクロカプセル化シクロヘキシミド
(具体的には、田辺製薬株式会社製 ナラマイシンNM
−MCU−80)を5:5の割合で、合計0.3重量部
配合したものである。
【0029】実施例2 実施例2は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)とマイクロカプセル化シクロヘキシミド
(具体的には、田辺製薬株式会社製 ナラマイシンNM
−MCU−80)を5:5の割合で、合計0.5重量部
配合したものである。
【0030】実施例3 実施例3は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)とマイクロカプセル化シクロヘキシミド
(具体的には、田辺製薬株式会社製 ナラマイシンNM
−MCU−80)を5:5の割合で、合計1.0重量部
配合したものである。
【0031】実施例4 実施例4は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)とマイクロカプセル化シクロヘキシミド
(具体的には、田辺製薬株式会社製 ナラマイシンNM
−MCU−80)を5:5の割合で、合計3.0重量部
配合したものである。
【0032】実施例5 実施例5は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)とマイクロカプセル化シクロヘキシミド
(具体的には、田辺製薬株式会社製 ナラマイシンNM
−MCU−80)を5:5の割合で、合計5.0重量部
配合したものである。
【0033】実施例6 実施例6は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)とマイクロカプセル化シクロヘキシミド
(具体的には、田辺製薬株式会社製 ナラマイシンNM
−MCU−80)を5:5の割合で、合計7.0重量部
配合したものである。
【0034】実施例7 実施例7は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)とマイクロカプセル化シクロヘキシミド
(具体的には、田辺製薬株式会社製 ナラマイシンNM
−MCU−80)を5:5の割合で、合計10.0重量
部配合したものである。
【0035】実施例8 実施例8は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
ラットデンMB−PE40(R−731を40%含有
のポリエチレンマスターバッチ))とマイクロカプセル
化シクロヘキシミド(具体的には、田辺製薬株式会社製
ナラマイシンNM−MCU−80)を5:5の割合
で、合計0.3重量部配合したものである。
【0036】実施例9 実施例9は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
ラットデンMB−PE40(R−731を40%含有
のポリエチレンマスターバッチ))とマイクロカプセル
化シクロヘキシミド(具体的には、田辺製薬株式会社製
ナラマイシンNM−MCU−80)を5:5の割合
で、合計0.5重量部配合したものである。
【0037】実施例10 実施例10は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部
興産株式会社製 UBEC530)100重量部に対
し、唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサ
イシン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会
社製 ラットデンMB−PE40(R−731を40%
含有のポリエチレンマスターバッチ))とマイクロカプ
セル化シクロヘキシミド(具体的には、田辺製薬株式会
社製 ナラマイシンNM−MCU−80)を5:5の割
合で、合計1.0重量部配合したものである。
【0038】実施例11 実施例11は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部
興産株式会社製 UBEC530)100重量部に対
し、唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサ
イシン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会
社製 ラットデンMB−PE40(R−731を40%
含有のポリエチレンマスターバッチ))とマイクロカプ
セル化シクロヘキシミド(具体的には、田辺製薬株式会
社製 ナラマイシンNM−MCU−80)を5:5の割
合で、合計3.0重量部配合したものである。
【0039】実施例12 実施例12は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部
興産株式会社製 UBEC530)100重量部に対
し、唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサ
イシン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会
社製 ラットデンMB−PE40(R−731を40%
含有のポリエチレンマスターバッチ))とマイクロカプ
セル化シクロヘキシミド(具体的には、田辺製薬株式会
社製 ナラマイシンNM−MCU−80)を5:5の割
合で、合計5.0重量部配合したものである。
【0040】実施例13 実施例13は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部
興産株式会社製 UBEC530)100重量部に対
し、唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサ
イシン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会
社製 ラットデンMB−PE40(R−731を40%
含有のポリエチレンマスターバッチ))とマイクロカプ
セル化シクロヘキシミド(具体的には、田辺製薬株式会
社製 ナラマイシンNM−MCU−80)を5:5の割
合で、合計7.0重量部配合したものである。
【0041】実施例14 実施例14は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部
興産株式会社製 UBEC530)100重量部に対
し、唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサ
イシン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会
社製 ラットデンMB−PE40(R−731を40%
含有のポリエチレンマスターバッチ))とマイクロカプ
セル化シクロヘキシミド(具体的には、田辺製薬株式会
社製 ナラマイシンNM−MCU−80)を5:5の割
合で、合計10.0重量部配合したものである。
【0042】比較例1 比較例1は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)とマイクロカプセル化シクロヘキシミド
(具体的には、田辺製薬株式会社製 ナラマイシンNM
−MCU−80)を5:5の割合で、合計0.1重量部
配合したものである。
【0043】比較例2 比較例2は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)とマイクロカプセル化シクロヘキシミド
(具体的には、田辺製薬株式会社製 ナラマイシンNM
−MCU−80)を5:5の割合で、合計0.2重量部
配合したものである。
【0044】比較例3 比較例3は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)とマイクロカプセル化シクロヘキシミド
(具体的には、田辺製薬株式会社製 ナラマイシンNM
−MCU−80)を5:5の割合で、合計11.0重量
部配合したものである。
【0045】比較例4 比較例4は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
ラットデンMB−PE40(R−731を40%含有
のポリエチレンマスターバッチ))とマイクロカプセル
化シクロヘキシミド(具体的には、田辺製薬株式会社製
ナラマイシンNM−MCU−80)を5:5の割合
で、合計0.1重量部配合したものである。
【0046】比較例5 比較例5は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
ラットデンMB−PE40(R−731を40%含有
のポリエチレンマスターバッチ))とマイクロカプセル
化シクロヘキシミド(具体的には、田辺製薬株式会社製
ナラマイシンNM−MCU−80)を5:5の割合
で、合計0.2重量部配合したものである。
【0047】比較例6 比較例6は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
ラットデンMB−PE40(R−731を40%含有
のポリエチレンマスターバッチ))とマイクロカプセル
化シクロヘキシミド(具体的には、田辺製薬株式会社製
ナラマイシンNM−MCU−80)を5:5の割合
で、合計11.0重量部配合したものである。
【0048】従来例1 従来例1は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)を0.1重量部配合し架橋したものであ
る。
【0049】従来例2 従来例2は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)を0.2重量部配合し架橋したものであ
る。
【0050】従来例3 従来例3は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)を0.3重量部配合し架橋したものであ
る。
【0051】従来例4 従来例4は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)を0.5重量部配合し架橋したものであ
る。
【0052】従来例5 従来例5は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)を1.0重量部配合し架橋したものであ
る。
【0053】従来例6 従来例6は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)を2.0重量部配合し架橋したものであ
る。
【0054】従来例7 従来例7は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)を3.0重量部配合し架橋したものであ
る。
【0055】従来例8 従来例8は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)を5.0重量部配合し架橋したものであ
る。
【0056】従来例9 従来例9は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部興
産株式会社製 UBEC530)100重量部に対し、
唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシ
ン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製
R−731)を10.0重量部配合し架橋したもので
ある。
【0057】従来例10 従来例10は、ポリエチレン(PE,具体的には、宇部
興産株式会社製 UBEC530)100重量部に対
し、唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル化カプサ
イシン(C1828NO3 、具体的には、日本化薬株式会
社製 R−731)を15.0重量部配合し架橋したも
のである。
【0058】これらの実施例1〜実施例14に基づくオ
レフィン系樹脂組成物、比較例1〜6に基づくオレフィ
ン系樹脂組成物、従来例1〜10に基づくオレフィン系
樹脂組成物のそれぞれについて厚さ1.0mmのシート
を作成し、このシートの鼠による食害の程度と、シート
外観の状態(平滑性)を観察する。
【0059】その比較結果が表1、表2、表3、表4に
示されている。
【0060】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 この表1、表2、表3、表4中の鼠による食害(忌避試
験)については、これらの実施例1〜実施例14に基づ
くオレフィン系樹脂組成物、比較例1〜6に基づくオレ
フィン系樹脂組成物、従来例1〜10に基づくオレフィ
ン系樹脂組成物のそれぞれについて、厚さ1.0mmの
シートを作成し、この作成した各シートでラット用固形
飼料を包み周辺をホチキスで止めて試験試料を作成す
る。この試験試料を24Hr絶食させたウィスター系ラッ
ト(体重400g〜500g)を3匹入れたケージ内に
入れ、一夜放置して、試験試料に対する鼠の齧り程度
(食害の程度)を観察したものである。食害評価につい
ては、(○)は良で、試験試料に全く齧りついた跡がな
く無傷の状態になっているものを、(△)は可で、試験
試料に試し齧り傷がある状態のものを、(×)は不可
で、試験試料が齧りつかれて一部食害があるものをそれ
ぞれ示している。また、外観状態は、それぞれのオレフ
ィン系樹脂組成物によって成形したものの外観の良否を
観察したもので、(○)が表面にザラツキ等が無く全く
問題がなく良好な状態を示しているものを、(△)が表
面に多少ザラツキ等があり若干悪い状態のものである
が、商品として不良といえないような状態を、(×)が
表面に凸凹が多く外観の状態が悪く商品として出荷でき
ないような状態をそれぞれ示している。
【0061】表3における比較例1,4はマイクロカプ
セル化カプサイシンとマイクロカプセル化シクロヘキシ
ミドを5:5の割合で混合した防鼠剤の配合量が0.1
重量部のもので、外観は(○)であるが咬害試験が、比
較例1の方が(×)、比較例4の方が(△)で食害を受
けている。これは全体としての防鼠剤の配合が少ないこ
とによるものである。この比較例1,4の防鼠剤の配合
量と同じ配合量(0.1重量部)の防鼠剤(カプサイシ
ン)を配合した表4における従来例1は、比較例1同様
に外観は(○)で咬害試験が(×)である。
【0062】また、表3における比較例2,5はマイク
ロカプセル化カプサイシンとマイクロカプセル化シクロ
ヘキシミドを5:5の割合で混合した防鼠剤の配合量が
0.2重量部のもので、外観は(○)であるが咬害試験
が、比較例1の方が(×)、比較例4の方が(△)で食
害を受けている。これは全体としての防鼠剤の配合が少
ないことによるものである。この比較例2,5の防鼠剤
の配合量と同じ配合量(0.2重量部)の防鼠剤(カプ
サイシン)を配合した表4における従来例2は、外観に
ついては比較例2,5同様に(○)と良好であるが、防
鼠性については(△)で食害を受ける結果になってい
る。
【0063】表1,2における実施例1,8(防鼠剤の
配合量が0.3重量部)は、外観が(○)で良好である
が、咬害試験も(○)で、試験試料に齧りついた跡がな
く無傷の状態になっており、防鼠剤の忌避効果が完全な
ものとなっている。表4における従来例3は、この実施
例1,8の防鼠剤の配合量と同じ配合量(0.3重量
部)の防鼠剤(カプサイシン)を配合してあるが、実施
例1,8同様に外観は(○)と良好になっているが、咬
害試験が(△)で試験試料に試し齧り傷がある状態とな
っている。このことから、従来、防鼠効果がない配合量
である0.3重量部配合する場合であっても、マイクロ
カプセル化カプサイシンとマイクロカプセル化シクロヘ
キシミドを混合した防鼠剤を配合すると、防鼠効果がよ
り得られることが判る。また、マイクロカプセル化カプ
サイシンとマイクロカプセル化シクロヘキシミドを5:
5の割合で混合した防鼠剤の配合量が0.2重量部配合
する比較例2,5との比較からも、マイクロカプセル化
カプサイシンとマイクロカプセル化シクロヘキシミドを
5:5の割合で混合した場合の防鼠剤の配合量は、0.
3重量部以上あることが必要であることが判る。
【0064】表1,2における実施例2,9(防鼠剤の
配合量が.0.5重量部)、実施例3,10(防鼠剤の
配合量が1.0重量部)、実施例4,11(防鼠剤の配
合量が3.0重量部)、実施例5,12(防鼠剤の配合
量が5.0重量部)、実施例6,13(防鼠剤の配合量
が7.0重量部)、実施例7,14(防鼠剤の配合量が
10.0重量部)は、咬害試験がいずれも(○)良で、
外観状態は、実施例2〜5,9〜12が(○)で良好
で、実施例6,7,13,14が(△)可で、試験試料
に試し齧り傷がある程度で齧られて一部食害がある程に
はなっていない。これに対し、表4における従来例3
は、実施例2,9の防鼠剤の配合量と同じ配合量(0.
5重量部)の防鼠剤(カプサイシン)を配合してある
が、外観については(○)で良好でとなっているが、咬
害試験では(△)で、試験試料に試し齧り傷があり、防
鼠剤の忌避効果が完全ではない。
【0065】また、表4における従来例5〜9は、実施
例3〜7,10〜14の防鼠剤の配合量と同じ配合量の
防鼠剤(カプサイシン)を配合してあるが、咬害試験に
ついては実施例3〜7,10〜14と同様に(○)で良
好となっている。また、外観については、実施例3〜
5,10〜12と、従来例5〜7は、共に(○)と良好
になっているが、実施例6,7,13,14と従来例
8,9は、いずれも(△)で外観性が悪くなっている。
この実施例6,7,13,14と従来例8,9のデータ
から、従来例では防鼠剤の配合量が5.0重量部以上配
合されると外観性が悪くなり、実施例では防鼠剤の配合
量が7.0重量部以上配合されると外観性が悪くなるこ
とが判る。そして、この外観性の低下は、防鼠剤を配合
することで起こることが明らかで、さらに、外観性の低
下は、防鼠剤の配合量を増加すればする程大きくなるこ
とも明らかである。したがって、外観評価が同じ(△)
となっている実施例6,13(防鼠剤の配合量が7.0
重量部)と実施例7,14(防鼠剤の配合量が10.0
重量部)とを比較すると、実施例6,13の外観よりも
実施例7,14の外観の方が悪いことは明らかである。
また、外観評価が同じ(△)となっている従来例8(防
鼠剤の配合量が5.0重量部)と従来例9(防鼠剤の配
合量が10.0重量部)とを比較すると、従来例8の外
観よりも従来例9の外観の方が悪くなっていると同様の
ことがいえる。
【0066】そして、外観評価が同じ(△)となってい
るが、実施例の外観評価が初めて表面に多少ザラツキ等
があり若干悪い状態のものであるが、商品として不良と
いえないような状態の(△)になった防鼠剤の配合量が
7.0重量部の実施例6,13の外観性と、従来例の外
観評価が初めて表面に多少ザラツキ等があり若干悪い状
態のものであるが、商品として不良といえないような状
態の(△)になった防鼠剤の配合量が5.0重量部の従
来例の外観性とは、同程度と理解される。さらに、同様
に防鼠剤の配合量が同じ10.0重量部の実施例7,1
4と従来例9の外観性は、外観評価が初めて(△)にな
った防鼠剤の配合量が実施例が7.0重量部に対し従来
例が5.0重量部であることから考えて、外観評価が同
じ(△)でも従来例9の方が悪いことが理解される。
【0067】また、表3の比較例3,6に示す如く防鼠
剤の配合量を多くする(11.0重量部)ことにより咬
害試験は(○)と良で、試験試料に試し齧り傷1つな
く、試験試料に全く齧りついた跡がない無傷の状態とな
るが、防鼠剤の配合量を多くすることにより外観が
(×)と表面に凸凹が多く外観の状態が悪いため商品と
して出荷できないような状態になる。このことから商品
として不良とはいえないが表面に多少ザラツキ等があり
若干悪い状態になっている(△)を限界ととすると、マ
イクロカプセル化カプサイシンとマイクロカプセル化シ
クロヘキシミドを5:5の割合で混合した防鼠剤の配合
量の限界が10.0重量部であることが判る。
【0068】マイクロカプセル化したシクロヘキシミド
とマイクロカプセル化したカプサイシンとの配合比率に
ついては、前記実施例1〜14、前記比較例1〜6にお
いては、いずれもマイクロカプセル化したカプサイシン
とマイクロカプセル化したシクロヘキシミドとの配合比
率を5:5のものを用いたが、どの範囲が最適なのかを
マイクロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプセ
ル化したシクロヘキシミドとの配合比率10:0,9:
1,8:2…………2:8,1:9,0:10の11段
階の各試料を作成し、これらに対する鼠の齧り程度(食
害の程度)の観察(咬害テスト)を行った。この配合比
率試験に用いた防鼠シース層を構成するオレフィン系樹
脂組成物は、実施例10のポリエチレン(PE,具体的
には、宇部興産株式会社製 UBEC530)100重
量部に対し、唐辛子の辛味成分であるマイクロカプセル
化カプサイシン(C1828NO3 、具体的には、日本化
薬株式会社製 R−731)を40%含有のポリエチレ
ンマスターバッチとマイクロカプセル化シクロヘキシミ
ド(具体的には、田辺製薬株式会社製 ナラマイシンN
M−MCU−80)を混合し合計で1.0重量部配合し
たものである。
【0069】配合比率試験は、マイクロカプセル化した
カプサイシンとマイクロカプセル化したシクロヘキシミ
ドとの配合比率10:0,9:1,8:2…………2:
8,1:9,0:10の11段階に渡る各試料につい
て、厚さ1.0mmのシートを作成し、この作成した各
シートでラット用固形飼料を包み周辺をホチキスで止め
て試験試料を作成する。この試験試料を24Hr絶食させ
たウィスター系ラット(体重400g〜500g)を3
匹入れたケージ内に入れ、一夜放置して、試験試料に対
する鼠の齧り程度(食害の程度)を観察する(第1回目
の咬害テスト)。
【0070】しかる後、ケージ内からこのラット用固形
飼料を包み周辺をホチキスで止めて作成した試験試料を
取り出し、日を変えて(時間を隔てて)、再度、ケージ
内から取り出した試験試料を24Hr絶食させたウィスタ
ー系ラット(体重400g〜500g)を3匹入れたケ
ージ内に入れ、一夜放置して、試験試料に対する鼠の齧
り程度(食害の程度)を観察する(第2回目の咬害テス
ト)。
【0071】しかる後、ケージ内からこのラット用固形
飼料を包み周辺をホチキスで止めて作成した試験試料を
取り出し、日を変えて(時間を隔てて)、再度、ケージ
内から取り出した試験試料を24Hr絶食させたウィスタ
ー系ラット(体重400g〜500g)を3匹入れたケ
ージ内に入れ、一夜放置して、試験試料に対する鼠の齧
り程度(食害の程度)を観察する(第3回目の咬害テス
ト)。
【0072】このように、同一試料について3回鼠によ
る咬害テストを行った。各試料は、次の通りである。
【0073】試料1 試料1は、マイクロカプセル化カプサイシンとマイクロ
カプセル化シクロヘキシミドの比率を、10:0(=R
−731:U−80)にしたものである。
【0074】試料2 試料2は、マイクロカプセル化カプサイシンとマイクロ
カプセル化シクロヘキシミドの比率を、9:1(=R−
731:U−80)にしたものである。
【0075】試料3 試料3は、マイクロカプセル化カプサイシンとマイクロ
カプセル化シクロヘキシミドの比率を、8:2(=R−
731:U−80)にしたものである。
【0076】試料4 試料4は、マイクロカプセル化カプサイシンとマイクロ
カプセル化シクロヘキシミドの比率を、7:3(=R−
731:U−80)にしたものである。
【0077】試料5 試料5は、マイクロカプセル化カプサイシンとマイクロ
カプセル化シクロヘキシミドの比率を、6:4(=R−
731:U−80)にしたものである。
【0078】試料6 試料6は、マイクロカプセル化カプサイシンとマイクロ
カプセル化シクロヘキシミドの比率を、5:5(=R−
731:U−80)にしたものである。
【0079】試料7 試料7は、マイクロカプセル化カプサイシンとマイクロ
カプセル化シクロヘキシミドの比率を、4:6(=R−
731:U−80)にしたものである。
【0080】試料8 試料8は、マイクロカプセル化カプサイシンとマイクロ
カプセル化シクロヘキシミドの比率を、3:7(=R−
731:U−80)にしたものである。
【0081】試料9 試料9は、マイクロカプセル化カプサイシンとマイクロ
カプセル化シクロヘキシミドの比率を、2:8(=R−
731:U−80)にしたものである。
【0082】試料10 試料10は、マイクロカプセル化カプサイシンとマイク
ロカプセル化シクロヘキシミドの比率を、1:9(=R
−731:U−80)にしたものである。
【0083】試料11 試料11は、マイクロカプセル化カプサイシンとマイク
ロカプセル化シクロヘキシミドの比率を、0:10(=
R−731:U−80)にしたものである。
【0084】これら試料1〜11についての3回の鼠に
よる咬害テストの結果が表5に示されている。
【表5】 これら試料1〜11のそれぞれの咬害テストは同一の条
件で行ったものである。
【0085】表5における試料5,6,7は、3回中3
回が(○)で無傷であり、試料1に示す如きマイクロカ
プセル化カプサイシンだけを配合した従来の組成物、試
料11に示す如きマイクロカプセル化シクロヘキシミド
だけを配合した従来の組成物よりも格段の忌避効果を示
している。また、表5の試料4、8は、3回中1回目が
(△)で試し齧り傷がある程度で、2回目、3回目が無
傷で極めて良好な結果を示している。さらに、3回の繰
り返しテストの中で1回でも(○)の無傷であったもの
を見ると、表5の試料3、9とある。この表5の試料
3、9も試料1,11に示す従来の組成物よりも高い忌
避効果を示している。また、表5の試料2は、3回とも
(△)で試験試料に試し齧り傷がある状態となってお
り、防鼠性に問題がある。
【0086】咬害テストについて3回の繰り返しテスト
の中で1回目だけ(△)の試験試料に試し齧り傷があ
り、2回目以降(○)の無傷であるものについては、防
鼠効果を十分発揮しているものと理解され、防鼠性の効
果が十分と判断できる。したがって、本発明におけるマ
イクロカプセル化カプサイシンとマイクロカプセル化シ
クロヘキシミドとの配合比率は、試料4〜試料8の範囲
内で有効である。すなわち、配合比率は、マイクロカプ
セル化カプサイシンに対してマイクロカプセル化シクロ
ヘキシミド7:3〜3:7の割合で配合するのがよい。
【0087】また、シース層を内層・外層の2層に形成
する場合は、内層にはマイクロカプセル化カプサイシン
とマイクロカプセル化シクロヘキシミドの配合比率を
7:3〜3:7の割合にし、外層は、マイクロカプセル
化カプサイシンとマイクロカプセル化シクロヘキシミド
の配合比率を外観性を重視し、9:1〜2:8の割合に
するのがよい。
【0088】なお、配合比率試験においては、実施例1
0のポリエチレン(PE,具体的には、宇部興産株式会
社製 UBEC530)100重量部に対し、唐辛子の
辛味成分であるマイクロカプセル化カプサイシン(C18
28NO3 、具体的には、日本化薬株式会社製 R−7
31)を40%含有のポリエチレンマスターバッチとマ
イクロカプセル化シクロヘキシミド(具体的には、田辺
製薬株式会社製 ナラマイシンNM−MCU−80)を
混合し合計で1.0重量部配合したものを用いたが、ポ
リエチレン(PE,具体的には、宇部興産株式会社製
UBEC530)100重量部に対し、唐辛子の辛味成
分であるマイクロカプセル化カプサイシン(C1828
3 、具体的には、日本化薬株式会社製 R−731)
とマイクロカプセル化シクロヘキシミド(具体的には、
田辺製薬株式会社製 ナラマイシンNM−MCU−8
0)を混合し合計で1.0重量部配合した実施例3でも
同じ効果を得られる。
【0089】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0090】請求項1に記載の発明によれば、シース層
に防鼠剤を少なく配合しても防鼠剤の防鼠性を従来より
向上することができる。
【0091】請求項2に記載の発明によれば、外観を損
なうことなく、シース層に防鼠剤を少なく配合しても防
鼠剤の防鼠性を従来より向上することができる。
【0092】請求項3に記載の発明によれば、内層を防
鼠効果を向上させ、外層にマイクロカプセル化したカプ
サイシンに対するマイクロカプセル化したシクロヘキシ
ミドの配合比率を低くして配合してあるオレフィン系樹
脂を被覆して雨水等による内層に配合された防鼠剤の流
出を防止すると共に熱による内層に配合された防鼠剤の
効力の低下を防止して、防鼠効果の持続性を高め、長期
間に渡って鼠からの被害を防いでおり、かつ、マイクロ
カプセル化したカプサイシンに対するマイクロカプセル
化したシクロヘキシミドの配合比率を低くして外観を良
好にしてシース表面の平滑性を確保し、外観上の見てく
れを良くして商品価値を高めることができる。
【0093】請求項4に記載の発明によれば、シース内
層に防鼠剤を従来より少なく配合しても防鼠剤の防鼠性
を従来より向上することができ、ケーブルの径を細くす
ることができる。
【0094】請求項5に記載の発明によれば、シース表
面の平滑性を確保でき、外観上の見てくれを良くするこ
とができる。
【0095】請求項5、6、7に記載の発明によれば、
シース内層に防鼠剤を従来より少なく配合しても防鼠剤
の防鼠性を従来より向上することができ、ケーブルの径
を細くすることができる。
【0096】請求項8に記載の発明によれば、ハロゲン
化物を含まず、基準とする難燃性を確保することができ
る。
【0097】請求項9、10に記載の発明によれば、防
鼠性電線ケーブルを加工し易くでき、劣化を防止するこ
とができる。
【0098】請求項11に記載の発明によれば、防鼠性
電線ケーブルのシース層の形成を一度に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2芯の防鼠性電線ケーブルの第1
の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る2芯の防鼠性電線ケーブルの第2
の実施の形態を示す断面図である。
【図3】本発明に係る多芯の防鼠性電線ケーブルの第1
の実施の形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係る多芯の防鼠性電線ケーブルの第2
の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1……………………………………………導体 2……………………………………………絶縁体 3……………………………………………絶縁導体 4,11,14,15……………………シース層 6……………………………………………介在 7……………………………………………押え巻きテープ 10,20…………………………………防鼠性電線ケー
ブル 12,16…………………………………内層 13,17…………………………………外層
フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 BA212 CA071 CB021 CB022 CB051 CB061 CB081 CB101 CD021 CG142 CH032 HA196 HA206 HA216 JA38 JA64 JB09 JB28 JC01 KA02 NA02 NA15 NA21 PA01 PB09 PC02 5G313 EA07 EB03 EB04 EB11 EB12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の上にポリ塩化ビニル樹脂又はオレ
    フィン系樹脂からなる絶縁体を被覆してなる絶縁導体を
    2本合わせた上に、又は該絶縁導体を複数本撚り合わせ
    介在物を介在して成形した上に、オレフィン系樹脂にマ
    イクロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプセル
    化したシクロヘキシミドを7:3〜3:7の割合で配合
    してなるシースを被覆してなる防鼠性電線ケーブル。
  2. 【請求項2】 上記シース層に配合するマイクロカプセ
    ル化したカプサイシンとマイクロカプセル化したシクロ
    ヘキシミドの合計の配合量は、オレフィン系樹脂100
    重量部に対して、0.3〜10.0重量部である請求項
    1に記載の防鼠性電線ケーブル。
  3. 【請求項3】 導体の上にポリ塩化ビニル樹脂又はオレ
    フィン系樹脂からなる絶縁体を被覆してなる絶縁導体を
    2本合わせた上に、又は該絶縁導体を複数本撚り合わせ
    介在物を介在して成形した上に、オレフィン系樹脂を主
    成分とするシース層を形成してなる電線ケーブルにおい
    て、前記シース層を内層・外層の2層に形成し、内層に
    はマイクロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプ
    セル化したシクロヘキシミドを7:3〜3:7の割合で
    配合し、外層にはマイクロカプセル化したカプサイシン
    とマイクロカプセル化したシクロヘキシミドを9:1〜
    2:8の割合で配合してなる防鼠性電線ケーブル。
  4. 【請求項4】 上記シース層の内層に配合されるマイク
    ロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプセル化し
    たシクロヘキシミドの合計の配合量は、オレフィン系樹
    脂100重量部に対して、0.3〜10.0重量部であ
    る請求項3に記載の防鼠性電線ケーブル。
  5. 【請求項5】 上記シース層の外層に配合されるマイク
    ロカプセル化したカプサイシンとマイクロカプセル化し
    たシクロヘキシミドの合計の配合量は、オレフィン系樹
    脂100重量部に対して、0.3〜0.5重量部である
    請求項3又は4に記載の防鼠性電線ケーブル。
  6. 【請求項6】 上記シース層は、少なくともオレフィン
    系樹脂に難燃剤を配合すると共に、その他必要に応じて
    加工助剤、酸化防止剤を配合したものである請求項1、
    2、3、4又は5に記載の防鼠性電線ケーブル。
  7. 【請求項7】 上記オレフィン系樹脂は、直鎖状低密度
    ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニ
    ル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、
    エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレンー
    アクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合
    体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、メタロセン
    系直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン超低密度ポリ
    エチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ブタジエン
    アクリロニトリルゴムのいずれか1種または2種以上の
    混合物である請求項1、2、3、4、5又は6に記載の
    防鼠性電線ケーブル。
  8. 【請求項8】 上記難燃剤は、水酸化マグネシウム、水
    酸化アルミニウム、水酸化カルシウムのいずれか1種又
    は2種以上の混合物である請求項6又は7に記載の防鼠
    性電線ケーブル。
  9. 【請求項9】 上記加工助剤は、ポリメタクリル酸メチ
    ル、ステアリン酸、ポリエチレンワックスのいずれか1
    種または2種以上の混合物である請求項6、7又は8に
    記載の防鼠性電線ケーブル。
  10. 【請求項10】 上記酸化防止剤は、ヒンダートフェノ
    ール系酸化防止剤又はチオビスフェノール系酸化防止剤
    である請求項6、7、8又は9に記載の防鼠性電線ケー
    ブル。
  11. 【請求項11】 上記内層・外層の2層のシース層は、
    二層同時押し出しによって形成したものである3、4、
    5、6、7、8、9又は10に記載の防鼠性電線ケーブ
    ル。
JP11155869A 1999-06-03 1999-06-03 防鼠性電線ケーブル Pending JP2000348542A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11155869A JP2000348542A (ja) 1999-06-03 1999-06-03 防鼠性電線ケーブル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11155869A JP2000348542A (ja) 1999-06-03 1999-06-03 防鼠性電線ケーブル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000348542A true JP2000348542A (ja) 2000-12-15

Family

ID=15615291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11155869A Pending JP2000348542A (ja) 1999-06-03 1999-06-03 防鼠性電線ケーブル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000348542A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010265347A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Yazaki Corp 難燃性樹脂組成物およびそれを用いた難燃性電線
CN102399401A (zh) * 2011-10-18 2012-04-04 池州灵芝化建材料科技有限公司 一种环保型电缆填充料及其制备方法
CN102504436A (zh) * 2011-10-18 2012-06-20 池州灵芝化建材料科技有限公司 一种阻燃电缆填充料及其制备方法
JP2012229426A (ja) * 2012-06-21 2012-11-22 Furukawa Electric Co Ltd:The 難燃性樹脂組成物およびそれを用いた成形物品
JP2013212915A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Nft Giken Kk 防鼠性鶏舎用搬送ベルト及び防鼠性鶏舎用搬送ベルトの製造方法
CN103709585A (zh) * 2013-12-15 2014-04-09 上海悦萌环保科技有限公司 防鼠蚁abs/pc环保塑料
CN104045895A (zh) * 2014-06-06 2014-09-17 桐庐雷泰生物科技有限公司 一种防鼠pe料
JP2016019514A (ja) * 2014-06-18 2016-02-04 未来工業株式会社 防鼠管
CN110335705A (zh) * 2019-08-20 2019-10-15 兰州众邦电线电缆集团有限公司 一种防水、防鼠蚁、双芯可分离型农用地埋线
WO2020051933A1 (zh) * 2018-09-12 2020-03-19 淄博齐鼎立专利信息咨询有限公司 一种耐高温阻燃电缆材料及其制备方法
CN111533977A (zh) * 2020-05-25 2020-08-14 上海方之德新材料有限公司 一种防鼠聚烯烃电缆料
CN114334259A (zh) * 2022-01-25 2022-04-12 安徽鸿海电缆有限公司 一种环保型防鼠蚁钢带铠装阻燃电力电缆
CN116449513A (zh) * 2023-04-18 2023-07-18 宏安集团有限公司 一种分支防鼠蝶缆
CN117736503A (zh) * 2023-12-22 2024-03-22 杭州普天乐电缆有限公司 一种防鼠同轴电缆用橡胶材料及防鼠同轴电缆
CN119230171A (zh) * 2024-12-04 2024-12-31 德信线缆集团有限公司 一种耐霉变防水防鼠咬的pvc电缆及其制备方法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010265347A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Yazaki Corp 難燃性樹脂組成物およびそれを用いた難燃性電線
CN102399401A (zh) * 2011-10-18 2012-04-04 池州灵芝化建材料科技有限公司 一种环保型电缆填充料及其制备方法
CN102504436A (zh) * 2011-10-18 2012-06-20 池州灵芝化建材料科技有限公司 一种阻燃电缆填充料及其制备方法
CN102399401B (zh) * 2011-10-18 2013-08-07 池州灵芝化建材料科技有限公司 一种环保型电缆填充料及其制备方法
JP2013212915A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Nft Giken Kk 防鼠性鶏舎用搬送ベルト及び防鼠性鶏舎用搬送ベルトの製造方法
JP2012229426A (ja) * 2012-06-21 2012-11-22 Furukawa Electric Co Ltd:The 難燃性樹脂組成物およびそれを用いた成形物品
CN103709585A (zh) * 2013-12-15 2014-04-09 上海悦萌环保科技有限公司 防鼠蚁abs/pc环保塑料
CN104045895A (zh) * 2014-06-06 2014-09-17 桐庐雷泰生物科技有限公司 一种防鼠pe料
JP2016019514A (ja) * 2014-06-18 2016-02-04 未来工業株式会社 防鼠管
WO2020051933A1 (zh) * 2018-09-12 2020-03-19 淄博齐鼎立专利信息咨询有限公司 一种耐高温阻燃电缆材料及其制备方法
CN110335705A (zh) * 2019-08-20 2019-10-15 兰州众邦电线电缆集团有限公司 一种防水、防鼠蚁、双芯可分离型农用地埋线
CN111533977A (zh) * 2020-05-25 2020-08-14 上海方之德新材料有限公司 一种防鼠聚烯烃电缆料
CN114334259A (zh) * 2022-01-25 2022-04-12 安徽鸿海电缆有限公司 一种环保型防鼠蚁钢带铠装阻燃电力电缆
CN114334259B (zh) * 2022-01-25 2023-09-19 安徽鸿海电缆有限公司 一种环保型防鼠蚁钢带铠装阻燃电力电缆
CN116449513A (zh) * 2023-04-18 2023-07-18 宏安集团有限公司 一种分支防鼠蝶缆
CN116449513B (zh) * 2023-04-18 2024-01-26 宏安集团有限公司 一种分支防鼠蝶缆
CN117736503A (zh) * 2023-12-22 2024-03-22 杭州普天乐电缆有限公司 一种防鼠同轴电缆用橡胶材料及防鼠同轴电缆
CN119230171A (zh) * 2024-12-04 2024-12-31 德信线缆集团有限公司 一种耐霉变防水防鼠咬的pvc电缆及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000348542A (ja) 防鼠性電線ケーブル
DE69827930T2 (de) Kabel mit einer feuerfesten , feuchtigkeitsbeständigen beschichtung
JP3888431B2 (ja) ワイヤハーネス保護材及びこれを用いたワイヤハーネス
JP3003099B2 (ja) 高防鼠性塩化ビニル樹脂組成物
JP2008117691A (ja) ノンハロゲン絶縁電線
JP2004010840A (ja) 伝送線被覆用樹脂組成物および伝送線
DE2801542A1 (de) Elektrisches kabel
JP3342283B2 (ja) 防蟻・防鼠被覆電線
JP2006324017A (ja) 防蟻ケーブル
JP2611855B2 (ja) 防鼠剤の残存性に優れる塩化ビニル組成物
JP3765524B2 (ja) 防鼠性塩化ビニル樹脂組成物
JP3223801B2 (ja) 保護チューブ
WO1997025372A1 (en) Flame retardant composition
JPH11232931A (ja) 絶縁電線
JP2003157737A (ja) ワイヤハーネス保護材及びこれを用いたワイヤハーネス
JP5287146B2 (ja) 絶縁電線
JP2969508B2 (ja) 防鼠剤の残存性に優れる電線・ケーブル
JPS6140021Y2 (ja)
JPH10223058A (ja) 防鼠ケーブル
CA3221248A1 (en) Polyvinyl chloride having low release of smoke
JPH0682720U (ja) 難燃防鼠ケーブル
JP2000113736A (ja) 防鼠性塩化ビニルシースケーブル
JPH02202938A (ja) 防水混和物
JP2004127791A (ja) 電線群の結束構造
JP2003045243A (ja) 難燃性電線