JPH11232931A - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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JPH11232931A
JPH11232931A JP3022898A JP3022898A JPH11232931A JP H11232931 A JPH11232931 A JP H11232931A JP 3022898 A JP3022898 A JP 3022898A JP 3022898 A JP3022898 A JP 3022898A JP H11232931 A JPH11232931 A JP H11232931A
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JP
Japan
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conductor
adhesive layer
wire
insulator
ethylene
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Withdrawn
Application number
JP3022898A
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English (en)
Inventor
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁電線において、導体と絶縁体との間に安
定した接着力をもたせ、導体の引き抜き力を向上させ、
さらに、防錆効果を有し応力腐食断線を防止したものを
得ることを目的とする。 【解決手段】 導体1上に、絶縁体3を設けた絶縁電線
において、導体1と絶縁体3との間に、これらを接着す
るための接着層2を設ける。また、応力腐食断線防止の
ためには上記接着層2に昇華性防錆剤を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁電線に関する
ものであり、単線導体と絶縁体との接着力を高めたもの
である。
【0002】
【従来の技術】絶縁電線の一種に、単線導体(以下、導
体と略記し、複数の導線を撚り合わせてなる撚線導体と
は区別する。)上に、ポリエチレン(PE)等の樹脂を
押出被覆し、架橋してなる絶縁体が設けられた単線絶縁
電線がある。上記絶縁体には、耐候性を高めるためにカ
ーボンブラック等が添加されている。
【0003】従来、上記単線絶縁電線においては、導体
と絶縁体とが剥離して電線の延線中に鞘抜けした導体が
切断するといったことのないように、両者を接着させ
て、適切な導体引き抜き力を得ている。この接着方法と
しては、導体表面を酸により粗面化し、これに離型剤を
塗布してから絶縁体を形成して、両者の接着力を管理す
る導体処理方法や、シランカップリング剤等の接着剤に
より導体と絶縁体とを化学的に接着させる化学処理方法
等が用いられている。
【0004】しかしながら、これらの接着方法では不十
分であり、導体引き抜き力のバラツキが大きく、導体と
絶縁体との接着は不安定であった。特に、導体引き抜き
力が10kgf以下になる部分においては、電線の延線
中に、導線から絶縁体が剥離して鞘抜け状態となり、導
線が切断するという危険性があった。
【0005】一方、絶縁電線、特に屋外で使用される架
空絶縁電線は風雨にさらされるため、絶縁電線中に水分
が侵入する恐れがある。一般に水分が侵入すると、導体
が腐食し、やがて応力腐食割れ(SCC)現象を起こ
す。この現象は、絶縁電線の製造中に撚り線工程などで
導体が応力を受け構造的な残留歪を有する場合に、その
表面に錆が発生すると、この錆を基点にして導体に亀裂
が生じるものである。このような現象が起こると、特に
単線導体の場合には、複数線の撚り構造のものよりも断
線してしまう危険性が高い。よって、水分が侵入しにく
くするためにも導体と絶縁体との接着力を向上させる必
要性があるとともに、導体の錆を防ぐ必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事情に鑑
みてなされたもので、絶縁電線において、導体と絶縁体
との間に安定した接着力をもたせ、導線引き抜き力を向
上させ、さらに、防錆効果を有し、応力腐食断線を防止
したものを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明の絶縁電線は、単線導線と絶縁層との間
に、両者を接着するための接着層を設けた。このとき、
上記接着層が、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン・エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸変性
高密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性エチレン・酢
酸ビニル共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1
種のポリマーからなることが望ましい。また、上記接着
層に、昇華性防錆剤を添加することによって、応力腐食
防止作用を有する絶縁電線を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の絶縁電線の一例を
示したものである。絶縁電線4は、導体1と絶縁体3と
の間に、これらを接着するための接着層2を設けたもの
である。導体1は、単線導体であり、複数の線を撚り合
わせてなる撚り導体とは区別される。上記接着層2を構
成するものとしては、エチレン・酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体
(EEA)、無水マレイン酸変性高密度ポリエチレン、
無水マレイン酸変性エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
ポリマーが挙げられる。これらは、単独で用いても、複
数を混合して用いてもよい。
【0009】また、導体1の応力腐食断線を防止するた
めに、上記接着層2に昇華性防錆剤を添加することが好
ましい。昇華性防錆剤としては、ベンゾトリアゾール
(BTA)またはその誘導体、3-(N-サリチロイル)
アミノ-1.2.4-トリアゾール、2-(2’ヒドロキ
シ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロ
ベンゾトリアゾール、1-〔N,N-ビス(2-エチルヘ
キシル)アミノメチル〕ベンゾトリアゾール等が適用さ
れる。
【0010】昇華性防錆剤の添加量としては、接着層2
を形成する樹脂中1〜5重量%とすることが望ましい。
1重量%未満であると防錆効果が不十分であり、5重量
%を越えると、昇華性防錆剤がブルーム(析出)し、電
線条件に悪影響を与えることがあり好ましくない。
【0011】また、上記昇華性防錆剤の効果を持続さ
せ、接着層2中のポリマーのpHを中性に保つために、
炭酸カルシウム、タルク等の中和剤を添加することがで
きる。この接着層2には、昇華性防錆剤および中和剤の
ほかに耐候性向上用のためのカーボンブラックや、架橋
剤、酸化劣化防止剤等を適宜添加することができる。
【0012】この接着層2の厚さとしては、0.2〜
0.5mmの範囲が安定した接着力を得ることができ、
導体引き抜き力を向上させることができるので好まし
い。
【0013】接着層2は導線1上に上記樹脂を押出被覆
し、硬化させることによって形成することができる。こ
のとき、絶縁体を形成する樹脂と一括して、同時押出被
覆によって形成することが好ましい。
【0014】絶縁体3は、低密度ポリエチレン(LDP
E)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、EVA、
架橋ポリエチレン(XLPE)等からなる。このとき、
添加剤としてカーボンブラック、架橋剤、昇華性防錆剤
等が添加されていても構わない。また、絶縁体3に用い
られる樹脂の架橋方法としては、DCP架橋、シラン架
橋等のいずれの方法であっても良い。
【0015】絶縁体3は、導体1上に上記樹脂を押出被
覆することによって形成することができる。このとき、
上述のように、接着層2と同時に一括押出被覆すること
が望ましい。
【0016】このように、本発明の絶縁電線4において
は、導体1と絶縁体3との間に、EVA、EEA等の樹
脂からなる接着層2が設けられているので、導体1と絶
縁体3との接着力が向上し、安定した接着力を得ること
ができる。よって、必要な導体引き抜き力を有すること
ができ、導体1と絶縁体3との剥離が起こりにくく、し
たがって、鞘抜け等による導体1の切断が防止される。
また、接着層2に昇華性防錆剤を添加することによっ
て、浸水により導体1が錆びて腐食し、応力腐食割れ
(SCC)現象を防止することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。 [試験番号1〜4までの接着層を形成する樹脂の調製]
表1に示す組成において、試験番号1〜4の樹脂を調製
した。表中の数字の単位は全て重量部である。
【0018】
【表1】
【0019】[実施例1〜4、比較例の絶縁電線の作
製] (実施例1〜4)接着層2に、表2に示す樹脂1〜4を
用い、絶縁体3には、シラン架橋によって得られたカー
ボンブラック配合のXLPEを用いて、銅線からなる外
径が5mmφである導体1上に、接着層2の厚さが0.
3mm、絶縁電線4の外径が11mmφとなるように、
接着層2および絶縁体3を一括押出被覆にて形成して、
実施例1〜4の絶縁電線を得た。
【0020】(比較例1)接着層2を設けず、BTAを
塗布し化学処理を施した導体1上に、シラン架橋によっ
て得られたカーボンブラック配合のXLPEを、絶縁体
4の外径が11mmφとなるように押出被覆して絶縁体
3を形成して、比較例1の絶縁電線4を得た。
【0021】上記実施例1〜4、比較例1の絶縁電線を
用いて以下の試験を実施し、その特性を評価した。結果
を表2に示す。 [導体引抜力試験]まず、実施例1〜4、比較例1の絶
縁電線からサンプルとして長さ40cmを切り出し、こ
のサンプルの片端の導体を口出しし、この導体を固定し
て、接着層および絶縁体を、引き抜き速度200mm/
分で引き抜いた。このときの引き抜き力(kg)を測定
した。
【0022】[耐電圧試験]実施例1〜4、比較例1の
絶縁電線、8〜10mに12kvにおいて1分間電流を
流した後に、この間に絶縁電線に絶縁破壊がなかったも
のを良好であると判断した。
【0023】[導体変色試験]実施例1〜4、比較例1
の絶縁電線の導体部分10cmを、濃度100ppmの
硫酸ナトリウム溶液に120秒間浸漬し、導体の変色状
態を目視により観察した。
【0024】
【表2】
【0025】表2に示す結果より、実施例1〜4の絶縁
電線においては、導体引き抜き力が高いことがわかる。
接着層を設けたことによる絶縁電線の耐電圧特性には影
響はないものとされる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明の絶縁電線に
おいては、導体と絶縁体とを接着する接着層が設けられ
ているので、導体と絶縁体との接着力が向上するので、
絶縁電線の延線時に導体の鞘抜けによる断線等が防止さ
れる。また、接着層に昇華性防錆剤を添加した絶縁電線
においては、導体の応力腐食割れ現象を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の絶縁電線の一例を示した概略断面図
である。
【符号の説明】
1…導体、2…接着層、3…絶縁体、4…絶縁電線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単線導体上に絶縁体を設けた絶縁電線で
    あって、この単線導体と絶縁層との間に、これらを接着
    するための接着層を設けたことを特徴とする絶縁電線。
  2. 【請求項2】 上記接着層が、エチレン・酢酸ビニル共
    重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、無水
    マレイン酸変性高密度ポリエチレン、無水マレイン酸変
    性エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれ
    た少なくとも1種のポリマーからなることを特徴とする
    請求項1記載の絶縁電線。
  3. 【請求項3】 上記接着層に、昇華性防錆剤が添加され
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁
    電線。
JP3022898A 1998-02-12 1998-02-12 絶縁電線 Withdrawn JPH11232931A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100479738B1 (ko) * 2002-03-19 2005-03-30 엘지전선 주식회사 절연재료용 고분자 조성물과 이를 이용한 차량용 전선
WO2006095959A1 (en) * 2005-03-11 2006-09-14 Ls Cable Ltd. Gap-type overhead transmission line and manufacturing method thereof
WO2008066220A1 (en) * 2006-11-29 2008-06-05 Ls Cable, Ltd. Composition for production of low-temperature heat-shrinkable tube and low-temperature heat-shrinkable tube made using the same
JP2008305620A (ja) * 2007-06-06 2008-12-18 Hitachi Cable Ltd 絶縁電線
EP2897177A4 (en) * 2012-07-17 2016-01-27 Dexerials Corp WIRING MATERIAL, SOLAR CELL MODULE AND METHOD FOR PRODUCING THE SOLAR CELL MODULE
DE102017212963A1 (de) * 2017-07-27 2019-01-31 Siemens Aktiengesellschaft Isolatoranordnung

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Effective date: 20050510