JPH11232943A - 屋外用電力ケーブルの製造方法 - Google Patents
屋外用電力ケーブルの製造方法Info
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- JPH11232943A JPH11232943A JP4434298A JP4434298A JPH11232943A JP H11232943 A JPH11232943 A JP H11232943A JP 4434298 A JP4434298 A JP 4434298A JP 4434298 A JP4434298 A JP 4434298A JP H11232943 A JPH11232943 A JP H11232943A
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- Japan
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- conductor
- power cable
- insulator
- electric power
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、導体と絶縁体又は内部半導電層と
の密着性を向上させた屋外用電力ケーブルの製造方法を
提供せんとするものである。 【解決手段】 本発明は、導体に、ベンゾトリアゾール
系材料を溶解させた溶液、又はベンゾトリアゾール系材
料及び有機過酸化物を溶解させたシランカップリング溶
液を塗布した後、乾燥させ、この導体上に絶縁体又は内
部半導電層を押出被覆する屋外用電力ケーブルの製造方
法にあり、これによって、導体と絶縁体との間の密着性
が大きく、導体変色がなく、応力腐食断線のない優れた
屋外用電力ケーブルが得られる。
の密着性を向上させた屋外用電力ケーブルの製造方法を
提供せんとするものである。 【解決手段】 本発明は、導体に、ベンゾトリアゾール
系材料を溶解させた溶液、又はベンゾトリアゾール系材
料及び有機過酸化物を溶解させたシランカップリング溶
液を塗布した後、乾燥させ、この導体上に絶縁体又は内
部半導電層を押出被覆する屋外用電力ケーブルの製造方
法にあり、これによって、導体と絶縁体との間の密着性
が大きく、導体変色がなく、応力腐食断線のない優れた
屋外用電力ケーブルが得られる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、導体と絶縁体又は
内部半導電層との密着性を向上させた屋外用電力ケーブ
ルの製造方法に関するものである。
内部半導電層との密着性を向上させた屋外用電力ケーブ
ルの製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】屋外用電力ケーブルの導体には、複数本
の銅線などを撚り合わせた撚線導体や１本の銅線などか
らなる単線導体が用いられる。いずれにしても、これら
の導体上に絶縁体を直接被覆して所望の電力ケーブルを
得ている。
の銅線などを撚り合わせた撚線導体や１本の銅線などか
らなる単線導体が用いられる。いずれにしても、これら
の導体上に絶縁体を直接被覆して所望の電力ケーブルを
得ている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記単線導
体の場合、撚線導体と異なり、導体表面が平滑で、凹凸
がないため、この単線導体上に絶縁体や内部半導電層を
被覆したとき、十分な密着性（接着性）が確保し難く、
その界面で剥離したり、シュリンクするなどの問題があ
った。
体の場合、撚線導体と異なり、導体表面が平滑で、凹凸
がないため、この単線導体上に絶縁体や内部半導電層を
被覆したとき、十分な密着性（接着性）が確保し難く、
その界面で剥離したり、シュリンクするなどの問題があ
った。
【０００４】一般に、上記絶縁体の被覆前には、導体上
に熱による銅金属などの変色を防止するため、防錆剤を
ケーブル製造ライン中で塗布するわけであるが、従来の
この防錆剤には、導体と絶縁体との密着性を向上させる
機能は特になかった。
に熱による銅金属などの変色を防止するため、防錆剤を
ケーブル製造ライン中で塗布するわけであるが、従来の
この防錆剤には、導体と絶縁体との密着性を向上させる
機能は特になかった。
【０００５】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、絶縁体の被覆前に、導体上に密着向
上機能を有する特定の溶液を塗布して、密着性の向上を
図った屋外用電力ケーブルの製造方法を提供せんとする
ものである。
てなされたもので、絶縁体の被覆前に、導体上に密着向
上機能を有する特定の溶液を塗布して、密着性の向上を
図った屋外用電力ケーブルの製造方法を提供せんとする
ものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】請求項１記載の本発明
は、導体に、ベンゾトリアゾール系材料を溶解させた溶
液を塗布した後、乾燥させ、この導体上に絶縁体を押出
被覆することを特徴とする屋外用電力ケーブルの製造方
法にある。
は、導体に、ベンゾトリアゾール系材料を溶解させた溶
液を塗布した後、乾燥させ、この導体上に絶縁体を押出
被覆することを特徴とする屋外用電力ケーブルの製造方
法にある。
【０００７】請求項２記載の本発明は、導体に、ベンゾ
トリアゾール系材料及び有機過酸化物を溶解させたシラ
ンカップリング溶液を塗布した後、乾燥させ、この導体
上に絶縁体を押出被覆することを特徴とする屋外用電力
ケーブルの製造方法にある。
トリアゾール系材料及び有機過酸化物を溶解させたシラ
ンカップリング溶液を塗布した後、乾燥させ、この導体
上に絶縁体を押出被覆することを特徴とする屋外用電力
ケーブルの製造方法にある。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるベンゾトリア
ゾール系材料としては、１，２，３−ベンゾトリアゾー
ル（ＢＴＡ）などが挙げられる。また、本発明で用いら
れる有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド
（ＤＣＰ）などが挙げられる。さらにまた、上記ベンゾ
トリアゾール系材料と有機過酸化物が溶解されるシラン
カップリング溶液のシランカップリング剤としては、ビ
ニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
ゾール系材料としては、１，２，３−ベンゾトリアゾー
ル（ＢＴＡ）などが挙げられる。また、本発明で用いら
れる有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド
（ＤＣＰ）などが挙げられる。さらにまた、上記ベンゾ
トリアゾール系材料と有機過酸化物が溶解されるシラン
カップリング溶液のシランカップリング剤としては、ビ
ニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【０００９】そして、上記請求項１記載の本発明では、
上記ベンゾトリアゾール系材料をアルコールなどの溶媒
に溶解させて所望の溶液を得る。このとき、溶媒へのベ
ンゾトリアゾール系材料の溶解濃度としては、１％程度
の濃度が好ましい。この溶液を、ケーブル製造ラインに
おいて、単線導体に塗布し、その走行途中に設けたバー
ナなどの加熱手段や温風送出し装置などの乾燥手段によ
って、乾燥させ、この後、単線導体上に絶縁体を押し出
し、目的とする屋外用電力ケーブルを得る。また、押出
被覆後、架橋させることもできる。
上記ベンゾトリアゾール系材料をアルコールなどの溶媒
に溶解させて所望の溶液を得る。このとき、溶媒へのベ
ンゾトリアゾール系材料の溶解濃度としては、１％程度
の濃度が好ましい。この溶液を、ケーブル製造ラインに
おいて、単線導体に塗布し、その走行途中に設けたバー
ナなどの加熱手段や温風送出し装置などの乾燥手段によ
って、乾燥させ、この後、単線導体上に絶縁体を押し出
し、目的とする屋外用電力ケーブルを得る。また、押出
被覆後、架橋させることもできる。
【００１０】一方、上記請求項２記載の本発明では、上
記ベンゾトリアゾール系材料及び有機過酸化物を溶解さ
せたシランカップリング溶液を得る。このとき、この溶
液へのベンゾトリアゾール系材料及び有機過酸化物の各
溶解濃度としては、１％程度の濃度が好ましい。この溶
液も、上記と同様、ケーブル製造ラインにおいて、単線
導体に塗布し、その走行途中に設けたバーナなどの加熱
手段や温風送り出し装置などの乾燥手段によって、乾燥
させ、この後、単線導体上に絶縁体を押し出し、目的と
する屋外用電力ケーブルを得る。また、押出被覆後、架
橋させることもできる。
記ベンゾトリアゾール系材料及び有機過酸化物を溶解さ
せたシランカップリング溶液を得る。このとき、この溶
液へのベンゾトリアゾール系材料及び有機過酸化物の各
溶解濃度としては、１％程度の濃度が好ましい。この溶
液も、上記と同様、ケーブル製造ラインにおいて、単線
導体に塗布し、その走行途中に設けたバーナなどの加熱
手段や温風送り出し装置などの乾燥手段によって、乾燥
させ、この後、単線導体上に絶縁体を押し出し、目的と
する屋外用電力ケーブルを得る。また、押出被覆後、架
橋させることもできる。
【００１１】
【実施例】先ず、表１に示した条件によって、サンプル
の屋外用電力ケーブルを製造した（実施例１〜２、比較
例１）。なお、使用した導体は、２．６ｍｍ直径の硬銅
単線導体で、架橋ポリエチレン（ＰＥ）コンパウンドの
絶縁体を押出被覆した。この各屋外用電力ケーブルにつ
いて、導体の引抜力を測定した。この測定は、各屋外用
電力ケーブルを４０ｃｍの長さで切り揃え、両端の絶縁
体をそれぞれ５ｃｍの長さで除去して口出しし、この状
態で、一方の口出しされた導体を固定すると共に、工具
で絶縁体を挟持しつつ引っ張り、その引き抜き時の引張
り力を求め、これを導体の引抜力とした。この引抜力も
同表１に併記した。また、上記口出しによって、導体の
変色の有無についても調べた。
の屋外用電力ケーブルを製造した（実施例１〜２、比較
例１）。なお、使用した導体は、２．６ｍｍ直径の硬銅
単線導体で、架橋ポリエチレン（ＰＥ）コンパウンドの
絶縁体を押出被覆した。この各屋外用電力ケーブルにつ
いて、導体の引抜力を測定した。この測定は、各屋外用
電力ケーブルを４０ｃｍの長さで切り揃え、両端の絶縁
体をそれぞれ５ｃｍの長さで除去して口出しし、この状
態で、一方の口出しされた導体を固定すると共に、工具
で絶縁体を挟持しつつ引っ張り、その引き抜き時の引張
り力を求め、これを導体の引抜力とした。この引抜力も
同表１に併記した。また、上記口出しによって、導体の
変色の有無についても調べた。
【００１２】
【表１】
【００１３】上記表１から、本発明の製造方法による屋
外用電力ケーブル（実施例１〜２）の場合、大きな導体
の引抜力が得られ、導体と絶縁体との密着性が極めて良
好であることが判る。また、特に防錆剤を塗布しなくと
も、導体変色がないことも判る。これに対して、従来方
法による屋外用電力ケーブル（比較例１）の場合、防錆
剤により導体変色はないものの、導体の引抜力が小さ
く、導体と絶縁体との密着性が不十分であることが判
る。
外用電力ケーブル（実施例１〜２）の場合、大きな導体
の引抜力が得られ、導体と絶縁体との密着性が極めて良
好であることが判る。また、特に防錆剤を塗布しなくと
も、導体変色がないことも判る。これに対して、従来方
法による屋外用電力ケーブル（比較例１）の場合、防錆
剤により導体変色はないものの、導体の引抜力が小さ
く、導体と絶縁体との密着性が不十分であることが判
る。
【００１４】次に、表２に示した条件によって、サンプ
ルの屋外用電力ケーブルを製造した（実施例３〜４、比
較例２）。なお、使用した導体は、５．０ｍｍ直径の硬
銅単線導体で、架橋ポリエチレン（ＰＥ）コンパウンド
の絶縁体と共に、半導電性のコンパウンドからなる内部
及び外部半導電層を同時押出被覆した。この各屋外用電
力ケーブルについて、導体の引抜力を測定した。この測
定は、上記表１の場合と同様にして測定した。この引抜
力も同表２に併記した。また、上記表１の場合と同様に
して導体の変色の有無についても調べた。
ルの屋外用電力ケーブルを製造した（実施例３〜４、比
較例２）。なお、使用した導体は、５．０ｍｍ直径の硬
銅単線導体で、架橋ポリエチレン（ＰＥ）コンパウンド
の絶縁体と共に、半導電性のコンパウンドからなる内部
及び外部半導電層を同時押出被覆した。この各屋外用電
力ケーブルについて、導体の引抜力を測定した。この測
定は、上記表１の場合と同様にして測定した。この引抜
力も同表２に併記した。また、上記表１の場合と同様に
して導体の変色の有無についても調べた。
【００１５】
【表２】
【００１６】上記表２から、本発明の製造方法による屋
外用電力ケーブル（実施例３〜４）の場合、架橋方法の
相違によって、より大きな導体の引抜力が得られ、導体
と絶縁体との密着性が極めて良好であることが判る。ま
た、特に防錆剤を塗布しなくとも、導体変色がないこと
も判る。これに対して、従来方法による屋外用電力ケー
ブル（比較例２）の場合、防錆剤により導体変色はない
ものの、導体の引抜力が小さく、導体と絶縁体との密着
性が不十分であることが判る。
外用電力ケーブル（実施例３〜４）の場合、架橋方法の
相違によって、より大きな導体の引抜力が得られ、導体
と絶縁体との密着性が極めて良好であることが判る。ま
た、特に防錆剤を塗布しなくとも、導体変色がないこと
も判る。これに対して、従来方法による屋外用電力ケー
ブル（比較例２）の場合、防錆剤により導体変色はない
ものの、導体の引抜力が小さく、導体と絶縁体との密着
性が不十分であることが判る。
【００１７】なお、実施例では、本発明の効果が最も発
揮し易い、表面に凹凸がなく滑らかな単線導体の場合で
あったが、本発明は、撚線導体のケーブルについても、
もちろん適用することができる。
揮し易い、表面に凹凸がなく滑らかな単線導体の場合で
あったが、本発明は、撚線導体のケーブルについても、
もちろん適用することができる。
【００１８】
【発明の効果】このように本発明に係る屋外用電力ケー
ブルの製造方法によると、導体、特に単線導体と絶縁体
との間の密着性を大幅に向上させることができ、また、
導体の変色も効果的に防止することができる。したがっ
て、導体から絶縁体が容易に剥離する延線中の事故がな
くなり、また、導体変色が起きて応力腐食断線すること
のない、優れた屋外用電力ケーブルが得られる。
ブルの製造方法によると、導体、特に単線導体と絶縁体
との間の密着性を大幅に向上させることができ、また、
導体の変色も効果的に防止することができる。したがっ
て、導体から絶縁体が容易に剥離する延線中の事故がな
くなり、また、導体変色が起きて応力腐食断線すること
のない、優れた屋外用電力ケーブルが得られる。
Claims (2)
- 【請求項１】 導体に、ベンゾトリアゾール系材料を溶
解させた溶液を塗布した後、乾燥させ、この導体上に絶
縁体を押出被覆することを特徴とする屋外用電力ケーブ
ルの製造方法。 - 【請求項２】 導体に、ベンゾトリアゾール系材料及び
有機過酸化物を溶解させたシランカップリング溶液を塗
布した後、乾燥させ、この導体上に絶縁体を押出被覆す
ることを特徴とする屋外用電力ケーブルの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4434298A JPH11232943A (ja) | 1998-02-10 | 1998-02-10 | 屋外用電力ケーブルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4434298A JPH11232943A (ja) | 1998-02-10 | 1998-02-10 | 屋外用電力ケーブルの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11232943A true JPH11232943A (ja) | 1999-08-27 |
Family
ID=12688851
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4434298A Pending JPH11232943A (ja) | 1998-02-10 | 1998-02-10 | 屋外用電力ケーブルの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11232943A (ja) |
-
1998
- 1998-02-10 JP JP4434298A patent/JPH11232943A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20041116 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070402 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070619 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071016 |