JP2000345144A - 研磨剤及び研磨方法 - Google Patents
研磨剤及び研磨方法Info
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Abstract
ームドシリカおよびヒュームドシリカを除く平均一次粒
子径が40〜600nmの球状シリカを含み、ヒューム
ドシリカと球状シリカとを合わせた全シリカの含有量が
1〜40重量%の範囲である研磨剤、および該研磨剤を
用いて半導体デバイスを研磨する半導体デバイスの研磨
方法。
Description
用いた研磨方法に関する。さらに詳しくは、シリコンウ
ェハ上に形成された層間絶縁膜(SiO2膜)や金属膜
等を化学機械研磨する際に用いる新規な研磨剤およびそ
れを用いた研磨方法を提供するものである。
線技術は益々微細化かつ多層化の方向に進んでいる。配
線の微細化と多層化の進展によって層間の段差は大きく
なり、且つ急峻になるため、その上に形成される配線の
加工精度や信頼性を低下させる傾向にある。
るために、化学機械研磨(以下、CMPと略記する)法
が注目されている。CMP法とは、半導体デバイスの製
造工程中において、シリコン酸化膜等の層間絶縁膜や、
配線層を形成するアルミニウムやタングステン等の金属
膜を研磨によって平坦化する手法のことである。CMP
において使用される研磨剤に関しては、研磨速度が高い
こと、研磨対象に対して汚染の少ないこと、スクラッチ
の少ないこと、選択比が高いことなどが求められてい
る。
原料であるシリカや酸化セリウムといった砥粒成分によ
るところが大きい。例えば、従来良く使われているフュ
ームドシリカを砥粒に用いた研磨剤では、研磨速度が必
ずしも十分とは言えず、さらに研磨速度を向上させるこ
とが望まれていた。特に、半導体製造工程では、研磨速
度はデバイスの生産性に係わるため、研磨速度の向上が
強く望まれていた。
的を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、従来
の水とヒュームドシリカよりなる研磨剤にヒュームドシ
リカを除く平均一次粒子径が40〜600nmの球状シ
リカを配合することによって大幅に研磨速度が向上する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
よびヒュームドシリカを除く平均一次粒子径が40〜6
00nmの球状シリカを含んでなることを特徴とする研
磨剤である。
は特に制限されず、公知のものを用いることができる。
一般には、平均一次粒子径(以下、一次粒子径とも略記
する)が7〜70nm(比表面積が400〜40m2/
g)のヒュームドシリカが入手可能であり、本発明に用
いることができる。特に一次粒子径が9〜60nm(比
表面積が300〜45m2/g)のヒュームドシリカ
は、優れた研磨効果を発現するために好適である。な
お、ここで言う比表面積とはBET法による比表面積を
指し、また一次粒子径とは下記式で換算した粒子径を指
す。
(単位:g/cm3)、SはBET比表面積(単位:m2
/g)である。
タニア、ジルコニア等の他の無機酸化物粒子を用いた場
合には、比較例2に示すように他の無機酸化物粒子と後
述する球状シリカとが凝集し沈殿するため、研磨剤が不
安定となり、また、被研磨物表面にスクラッチが発生す
る恐れがある。
リカを除く平均一次粒子径が40〜600nmの球状シ
リカであれば公知のものを制限なく用いることができ
る。研磨剤の研磨速度の向上効果を勘案すると、球状シ
リカの一次粒子径は60〜300nm、さらに90〜2
00nmであることが好ましい。
微鏡や透過型電子顕微鏡像より求めた平均粒子径を指
す。また、上記電子顕微鏡像を用いて観察することによ
って、球状シリカの粒子形状や粒径分布を求めることが
できる。
が40〜600nmであることと球状であることによ
り、フュームドシリカと併用したときにフュームドシリ
カの研磨速度を向上させることができる。沈殿法シリカ
のような一次粒子径が10〜30nmと小さいシリカ粒
子を用いた場合には、後述する比較例1から明らかなよ
うにフュームドシリカの研磨速度を向上させることがで
きない。また、不定形のシリカ粒子や破砕状のシリカ粒
子などを用いた場合にも、フュームドシリカの研磨速度
を向上させることができず、また、被研磨物の表面にス
クラッチが発生する傾向があり好ましくない。
を用いて観察したときに、粒子に外接する円に対する内
接する円の直径の比が0.6〜1.0であることが好ま
しく、0.7〜1.0であることがより好ましい。
速度の再現性の点から粒度分布がシャープであることが
好ましい。粒度分布は、例えば、高精度の粒度分布計を
用いたり、電子顕微鏡像を画像解析装置を用いて解析す
ることによって測定できる。本発明に用いる球状シリカ
は、上記の装置で測定された一次粒子径の変動係数が4
0%以下であることが好ましく、30%以下であること
がより好ましく、20%以下であることがさらに好まし
い。
平均一次粒子径が40〜600nmであれば特に制限は
ない。代表的な球状シリカを例示すると、火炎中で金属
シリコンやシラン系ガス等を燃焼させて製造される球状
シリカやシリカの微粉末を火炎中で溶融させて製造され
る球状シリカ、或いはアルコキシシランを加水分解する
いわゆるゾル−ゲル法により製造される球状シリカ、珪
酸ソーダを原料にしてオストワルド法で製造される球状
コロイダルシリカなどを挙げることができる。
用いるよりもコロイド状の分散液を用いた方が良い場合
がある。即ち、本発明に用いる球状シリカは液相中で合
成されたものであり、且つ乾燥工程を経ずに製造された
ものであることが望ましい。液相中で合成されたシリカ
粒子は分散性に優れており、且つシリカ粒子中にたくさ
んのシラノール基を有しており、シリカ粒子としては軟
らかく、研磨対象に対して傷を付け難いという特徴があ
る。また、このようなシリカ粒子を用いた方が乾燥粉末
や焼成粉末を用いるよりも研磨速度の向上効果が高い傾
向にある。一方、シリカ粒子を乾燥させたり焼成してし
まうと凝集が強くなり再分散しづらくなり、前述した一
次粒子径の変動係数も低下するという問題もある。
示すると、アルコキシシランを加水分解するいわゆるゾ
ル−ゲル法により製造される球状シリカや、珪酸ソーダ
を原料にしてオストワルド法で製造された球状コロイダ
ルシリカなどを挙げることができる。
0ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ま
しくは1ppm以下、最も好ましくは0.1ppm以下
である。その理由は、不純物、特にNa元素の含有量が
高い研磨剤をデバイスの研磨に使用した場合、研磨後の
洗浄に手間がかかることやデバイスの歩留まりを低下さ
せる恐れがあるためである。研磨剤の純度、特にNa元
素の含有量は、砥粒(ヒュームドシリカと球状シリカ)
の純度によって左右される場合が多い。したがって、高
純度のヒュームドシリカと高純度の球状シリカを用いる
ことが望ましい。ヒュームドシリカに関しては一般に高
純度のものが入手可能である。高純度の球状シリカとし
ては、アルコキシシランを加水分解して製造されるコロ
イダルシリカが代表的である。このような高純度のヒュ
ームドシリカや高純度の球状シリカを用いれば、研磨剤
中のNa元素の含有量を1ppm以下、好ましくは0.
1ppm以下にすることが比較的容易である。
は、酸洗浄やイオン交換等によって不純物イオンを十分
に除去することが望ましい。
ドシリカの平均一次粒子径の比(球状シリカ/ヒューム
ドシリカ)が1〜30、さらに、1.5〜20であるこ
とが、研磨速度の向上効果が大きいため好ましい。
ュームドシリカを除く球状シリカとを合わせた全シリカ
の含有量が、研磨剤の重量を基準にして1〜40重量%
の範囲であることが望ましい。全シリカの含有量が1重
量%未満では研磨速度が低い場合がある。また、40重
量%を超えると研磨剤の粘度が上昇しすぎて取り扱いが
難しくなる場合がある。
に用いるヒュームドシリカの一次粒子径と球状シリカの
一次粒子径との組み合わせによってそれぞれ最適な添加
割合がある。後述する実施例に記載しているように、例
えば、層間絶縁膜(SiO2膜)の研磨においては、9
0m2/g(一次粒子径が30nm)のヒュームドシリ
カと一次粒子径が139nmの球状シリカを配合した場
合、全シリカ中の球状シリカの割合は10〜20重量%
の辺りで最も研磨速度を大きくすることができた。ま
た、50m2/g(一次粒子径が55nm)のヒューム
ドシリカと一次粒子径が139nmの球状シリカを配合
した場合、全シリカ中の球状シリカの割合は20〜30
重量%の辺りで最も研磨速度を大きくすることができ
た。さらに、300m2/g(一次粒子径が9nm)の
ヒュームドシリカと一次粒子径が48nmの球状シリカ
を配合した場合、全シリカ中の球状シリカの割合は50
〜90重量%の辺りで最も研磨速度を大きくすることが
できた。
200m2/g(一次粒子径が14nm)のヒュームド
シリカと一次粒子径が139nmの球状シリカを配合し
た場合、全シリカ中の球状シリカの割合は40〜70重
量%の辺りで最も研磨速度を大きくすることができた。
いては、200m2/g(一次粒子径が14nm)のヒ
ュームドシリカと一次粒子径が139nmの球状シリカ
を配合した場合、全シリカ中の球状シリカの割合は60
〜90重量%の辺りで最も研磨速度を大きくすることが
できた。
は、ヒュームドシリカと球状シリカの一次粒子径の組み
合わせによって、あるいは研磨対象の種類によって、そ
れぞれ好適な添加割合が異なる傾向にある。つまり、層
間絶縁膜の研磨においては、一次粒子径が20〜60n
m(比表面積が136〜45m2/g)のヒュームドシ
リカに対しては、一次粒子径が40〜600nmの球状
シリカを全シリカ中に占める割合で5〜50重量%、さ
らに10〜40重量%の範囲で添加することが好まし
い。また、一次粒子径が9〜20nm(比表面積が30
0〜136m2/g)のヒュームドシリカに対しては、
一次粒子径が40〜600nmの球状シリカを全シリカ
中に占める割合で40〜95重量%、さらに50〜90
重量%の範囲で添加することが好ましい。
の研磨においては、一次粒子径が9〜20nm(比表面
積が300〜136m2/g)のヒュームドシリカに対
しては一次粒子径が40〜600nmの球状シリカを全
シリカ中に占める割合で35〜95重量%、さらに40
〜90重量%の範囲で添加することが好ましい。
はなく、pH1〜12までのどの値でもよく、研磨対象
によって適宜調整することができる。
高いのは、層間絶縁膜(SiO2膜)を研磨する場合で
ある。この場合にはアンモニアやKOH等のアルカリ剤
を用いて研磨剤のpHを10〜11.5の範囲に調整す
ることが好ましい。この場合、研磨剤中の全シリカの濃
度は5〜15重量%の範囲が好適であるが、本発明の研
磨剤は従来の研磨剤に比べて研磨速度が高いため、より
低いシリカ濃度で従来品と同等の研磨速度を達成できる
という特徴を有する。また、20〜40重量%の高濃度
の研磨剤を調製し、2〜8倍に希釈して使用することも
可能なため、本発明は研磨剤のコスト削減、物流費の削
減、研磨後の廃棄物の削減等においても顕著な効果があ
る。
剤、水溶解性の塩類、水溶性高分子、界面活性剤等の添
加剤を目的に応じて自由に添加することができる。例え
ば、層間絶縁膜上に存在するTi、TiN、Ta、Ta
N等のバリア膜やCu、W、Al等の金属膜の研磨に際
しては、本発明の研磨剤に過酸化水素等の酸化剤を0.
1〜10重量%添加することによって効果的にバリア膜
や金属膜を研磨することができる。
く、公知の方法が採用できる。水とヒュームドシリカと
球状シリカを所定量混合した後、比較的強力なせん断力
を有する分散機で分散させることによって製造すること
ができる。なお、このときにアルカリや酸、各種の添加
剤を添加することができる。
リカよりなる研磨剤を用いて半導体デバイスを研磨する
ことを特徴とする研磨方法をも提供する。ここでいう半
導体デバイスとは、主にSiウェハ上に形成された集積
回路を指し、本発明の研磨剤は集積回路を製造する際に
デバイス上に形成した層間絶縁膜(SiO2膜)や金属
膜を研磨し、平坦化する際に使用することができる。そ
の際に、本発明の研磨剤は、従来の研磨剤に比べて研磨
速度を高くすることができるため、生産性良くデバイス
を製造できる。また、特定の研磨対象膜に対する研磨速
度を向上させることも可能なため、選択性の高い研磨を
行うこともできる。
カよりなる研磨剤に特定のシリカ粒子を配合することに
よって研磨速度を向上させることができ、それによっ
て、生産性の高いデバイス研磨を行うことができる。
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何
ら制限されるものではない。 (球状コロイダルシリカの合成例)内容積約4リットル
のジャケット付き反応器にメタノールおよびアンモニア
水(25重量%)をそれぞれ1800gおよび200g
仕込み、よく混合して反応液を調製した。次に、反応液
の温度を20℃に保ちつつ、180rpmの回転数で攪
拌しながらメチルシリケート(Si(OCH3)4)を
2.5g/minの速度で、アンモニア水(12重量
%)を1.4g/minの速度で、それぞれ別々に反応
液中に液中同時滴下した。メチルシリケートの滴下を開
始してから約10分後に徐々に反応液が白濁し始め、シ
リカ粒子が生成していることがわかった。滴下開始から
8時間後に滴下を終了したが、合計でメチルシリケート
を1200g、アンモニア水を660g滴下した。さら
に1時間攪拌を続けた後、系内の懸濁液を取り出した。
取り出した懸濁液は均一な乳白色スラリーで、その重量
は約3800gで、シリカ粒子を約460g含んでい
た。
レーターを用いて溶媒のメタノールとアンモニアを除去
した。純水を加えながらさらに蒸留を続け、スラリーが
沸騰する90℃以上の温度で2時間以上加熱し、シリカ
濃度が15重量%になるように調整した。なお、上記の
シリカスラリーのpHは7.3であった。
装置を用いて解析した結果、平均一次粒子径は139n
m、一次粒子径の変動係数は19%、シリカ粒子の外接
円に対する内接円の直径の比は0.78であった。 (諸物性の測定) 1.粘度 研磨剤の粘度は、B型粘度計(トキメック製、BL型)
を用いて25℃で測定した。 2.比重 研磨剤の比重は、浮き秤比重計を用いて25℃で測定し
た。 3.pH 研磨剤のpHは、pHメーターを用いて25℃で測定し
た。 4.平均粒子径 研磨剤中に含まれる混合粒子の平均粒子径は、ディスク
式高速遠心沈降法の粒度分布計(日機装製、BI−DC
P)を用いて測定した。 5.Na元素の含有量 研磨剤中のNa元素の含有量は、原子吸光法によって測
定した。 (研磨試験)層間絶縁膜(SiO2膜)に対する研磨速
度を調べるために、熱酸化膜付きの4インチのシリコン
ウェハを用いて研磨試験を行った。研磨パッドにはロデ
ール製のIC1000/SUBA400を用い、加工圧
力400g/cm2、定盤回転数40rpm、研磨剤の
滴下速度120ml/minの条件でそれぞれ研磨試験
を行った。
N膜)の付いたウェハを用いて、上記と同様にして研磨
試験を行い、それぞれの膜に対する研磨速度を調べた。 実施例1及び2 比表面積が90m2/g(一次粒子径は30nm)のヒュ
ームドシリカと球状シリカとして上記合成例による球状
コロイダルシリカを所定量混合し、さらにアンモニア
(実施例1)またはKOH(実施例2)を所定量添加し
て、全シリカ量が13重量%になるように純水で希釈し
て原料スラリーを調製した。上記の原料スラリーを高せ
ん断性の分散機(高圧ホモジナイザー;ナノマイザー製
ナノマイザー、LA−31)を用いて研磨剤を調製し
た。上記研磨剤を用いて層間絶縁膜に対する研磨性能を
評価した。
1に、KOH系研磨剤の研磨速度の結果を図2にそれぞ
れ示した。アンモニア系、KOH系共に、ヒュームドシ
リカに対して球状コロイダルシリカの少量添加で研磨速
度が増加する傾向を示し、10〜20重量%のときに研
磨速度は最大値を示すことがわかった。この例ではヒュ
ームドシリカのみの研磨剤に比べて、最大で約20%の
研磨速度向上効果が見られた。
OH系研磨剤の諸物性を表2に示した。pH、比重は球
状コロイダルシリカの添加割合が変わってもあまり変化
しなかった。粘度、平均粒子径は球状コロイダルシリカ
の添加割合にほぼ比例した。また、Na含有量はアンモ
ニア系研磨剤では今回の検出下限である0.1ppm以
下、KOH系研磨剤では0.2〜0.4ppmであっ
た。KOH系研磨剤でNa含有量が高かった理由は、ア
ルカリ剤として添加したKOH中に不純物としてNaが
含まれていたためである。なお、Fe、Cr、Ni、C
u等の重金属の含有量も全て0.1ppm以下であっ
た。
ムドシリカと球状シリカとして上記合成例による球状コ
ロイダルシリカを所定量混合し、さらにアンモニアを所
定量添加して、全シリカ量が13重量%、pH約11の
研磨剤を調製した。上記研磨剤を用いて層間絶縁膜に対
する研磨性能を評価した。
は、ヒュームドシリカのみの研磨速度よりも球状コロイ
ダルシリカのみの研磨速度の方が高かった。両者を混合
したものでは、実施例1とは多少挙動は異なるが、球状
コロイダルシリカの添加量が20〜30重量%のときに
最も研磨速度が高くなることがわかった。この例では、
ヒュームドシリカのみの研磨剤に比べて最大で約70
%、球状コロイダルシリカのみの研磨剤に比べて最大で
約40%もの研磨速度向上効果が見られた。なお、試作
研磨剤中のNa含有量は0.1ppm以下であった。 実施例4 比表面積が300m2/g(一次粒子径は9nm)のヒュ
ームドシリカと球状シリカとして上記合成例の条件を変
えて調製した一次粒子径が48nmの球状コロイダルシ
リカ(シリカ粒子の外接円に対する内接円の直径の比は
0.76、画像解析装置を用いて測定した一次粒子径の
変動係数は17%)を所定量混合し、さらにアンモニア
を所定量添加して、全シリカ量が13重量%、pH約1
1の研磨剤を調製した。上記研磨剤を用いて層間絶縁膜
に対する研磨性能を評価した。
は、ヒュームドシリカのみよりも球状コロイダルシリカ
のみの方が研磨速度が高かった。また、両者を混合した
ものでは、前記実施例の場合とはかなり挙動は異なる
が、球状コロイダルシリカの添加量が50〜90重量%
のときに最も研磨速度が高くなることがわかった。球状
コロイダルシリカのみの研磨剤に比べて、最大で約25
%の研磨速度向上効果が見られた。なお、ここで試作し
た研磨剤中のNa含有量は0.1ppm以下であった。 実施例5 球状シリカとして、下記表3に示した種々の一次粒子径
の球状コロイダルシリカを用いた以外は実施例1と同様
にして研磨剤を調製し、層間絶縁膜に対する研磨性能を
評価した。ここで用いた球状コロイダルシリカは、珪酸
ソーダを原料として製造された市販のコロイダルシリカ
であるが、酸洗浄工程(希塩酸への浸漬と遠心分離、純
水洗浄)を5回繰り返すことによってNa含有量を大幅
に下げたものを使用した。球状コロイダルシリカの添加
量は全シリカ中の10重量%とした。
よりなる研磨剤に対して球状シリカを10重量%添加し
た研磨剤の研磨速度の向上率を図5に示した。この結果
より、添加する球状シリカの一次粒子径が40〜600
nmの範囲で効果があり、特に90〜200nmのもの
は極めて高い効果を示すことがわかった。なお、研磨剤
中のNa含有量は全て65〜90ppmの範囲にあっ
た。 実施例6 球状シリカとして火炎中で製造される球状シリカ
((株)トクヤマ製エクセリカSE-1)を10重量%
添加した以外は実施例1と同様にして研磨剤を調製し、
層間絶縁膜に対する研磨性能を評価した。その結果、ヒ
ュームドシリカのみの研磨剤に比べて球状シリカを10
重量%添加したものは約9%の研磨速度向上効果が認め
られた。なお、ここで試作した研磨剤中のNa含有量は
0.1ppm以下であった。
る内接円の直径の比が0.77、画像解析装置を用いて
測定した一次粒子径は275nm、一次粒子径の変動係
数は48%であった。 実施例7 比表面積が200m2/g(一次粒子径14nm)のヒュ
ームドシリカと球状シリカとして上記合成例による球状
コロイダルシリカを所定量混合し、全シリカ量が4重量
%、pH6〜7の中性の研磨剤を調製した。上記研磨剤
に過酸化水素を1重量%(H2O2として)添加して、金
属膜(Cu膜)、バリア膜(TaN膜)に対する研磨速
度をそれぞれ調べた。方法としては、Cu膜、TaN膜
が製膜されたシリコンウェハを用いた以外は実施例1と
同様にして研磨試験を行った。
は、研磨対象によって挙動が異なることがわかった。即
ち、Cu膜に対しては球状コロイダルシリカが40〜7
0重量%のときに、TaN膜に対しては60〜90重量
%のときに、顕著な研磨速度向上効果を示すことがわか
った。なお、試作研磨剤中のNa含有量は0.1ppm
以下、Fe、Cr、Ni、Cu等の重金属の含有量も全
て0.1ppm以下であった。
剤は、Cu膜あるいはTaN膜を選択的に研磨しようと
する際においても極めて有効であることがわかった。 比較例1 球状シリカの代わりに不定形の沈殿法シリカを用いた。
ソーダの濃度が5%となるように投入した。反応槽の温
度を40℃として、22重量%硫酸を用いて中和反応
(中和率50%まで)を行った後、反応液の温度を95
℃とした。この反応液に中和率が100%になるまで上
記の硫酸を加えた。生成したシリカに濾過、洗浄操作を
繰り返し、脱水ケーク(シリカ含有量15重量%)を得
た。上記の脱水ケーク2kgに、純水500gを加え、
プロペラミキサーで攪拌することにより予備混合を行っ
た。得られたペースト状のシリカスラリーを高圧ホモジ
ナイザー(ナノマイザー製;ナノマイザー、LA−3
1)を用いて処理圧力500kgf/cm2で3回処理
してシリカ分散液を得た。
ろ、一次粒子径が10〜30nmのシリカが数十〜数百
個単位で凝集したものであった。
を用いた以外は実施例1と同様にして研磨剤を調製し
た。研磨剤の研磨速度の結果を図7に示した。球状シリ
カの代わりに沈殿法シリカを用いた場合は、研磨速度の
向上効果は全く見られなかった。 比較例2 ヒュームドシリカの代わりに、チタニア、アルミナ、ジ
ルコニアの各無機酸化物粒子を用いた以外は実施例1と
同様にして研磨剤を調製し、層間絶縁膜に対する研磨性
能を評価した。なお、球状シリカ粒子の添加量は全粒子
中の20重量%とした。結果を表4に示す。
り、どの無機酸化物粒子を用いた場合も、調製した研磨
剤は数時間経過すると容器の底部に沈殿が生成した。即
ち、シリカ以外の無機酸化物粒子と球状シリカの組み合
わせでは、粒子同志が凝集し易いことがわかった。この
ような凝集によって、被研磨面にスクラッチが発生する
恐れがある。
実験を行ったが、どの無機酸化物粒子を用いた場合も、
球状シリカ粒子を混合することによって研磨速度が向上
することはなかった。
中に占める球状シリカの割合と研磨速度との関係を示す
グラフである。
中に占める球状シリカの割合と研磨速度との関係を示す
グラフである。
中に占める球状シリカの割合と研磨速度との関係を示す
グラフである。
中に占める球状シリカの割合と研磨速度との関係を示す
グラフである。
向上率との関係を示すグラフである。
中に占める球状シリカの割合と研磨速度との関係を示す
グラフである。
中に占める沈殿法シリカの割合と研磨速度との関係を示
すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 水、ヒュームドシリカおよびヒュームド
シリカを除く平均一次粒子径が40〜600nmの球状
シリカを含んでなることを特徴とする研磨剤。 - 【請求項2】 請求項1記載の研磨剤を用いて半導体デ
バイスを研磨することを特徴とする半導体デバイスの研
磨方法。
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---|---|---|---|
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JP11-93070 | 1999-03-31 | ||
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