JP2000345092A - 水系印刷インキ - Google Patents

水系印刷インキ

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JP2000345092A
JP2000345092A JP26176999A JP26176999A JP2000345092A JP 2000345092 A JP2000345092 A JP 2000345092A JP 26176999 A JP26176999 A JP 26176999A JP 26176999 A JP26176999 A JP 26176999A JP 2000345092 A JP2000345092 A JP 2000345092A
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剛 森島
Shunsuke Murakami
俊介 村上
Toshiaki Sasahara
俊昭 笹原
Kazuya Sugimoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系基材を含めたあらゆる基材
への密着性、顔料分散性、再溶解性に優れた水系印刷イ
ンキを提供する。 【解決手段】 エチレン性不飽和モノマーとメルカプト
基含有ウレタンプレポリマーとをラジカル重合により結
合した自己乳化性共重合体を樹脂成分として含有する水
系エマルジョンの水系印刷インキである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料分散性、密着
性、再溶解性に優れた水系印刷インキに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷インキは有機溶剤系のものが
多く使用されてきた。しかし、近年、爆発火災等の安全
衛生上の問題や、水質汚濁や大気汚染等の公害問題のた
めに、水系印刷インキの開発が進められている。従来の
水系印刷インキは、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)やナイロン(NY)といった極性基材と、ポリエチ
レン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフ
ィンといった非極性基材の両方に密着するものはなかっ
た。この点を改良するために、特開平6−80930号
公報、特開平10−139839号公報等のようにアク
リルとウレタンのブレンドや共重合が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−80930号公報記載の方法では、ポリウレタンエ
マルジョン中でアクリル樹脂を製造しているため、ポリ
ウレタン樹脂とアクリル樹脂は基本的に混合しているだ
けである。元来、アクリル樹脂とウレタン樹脂は相溶性
が悪いため、水が飛散した後の印刷被膜の密着性が悪く
なりやすい。また、特開平10−139839号公報記
載の方法は、樹脂製造時において連鎖移動剤を用いてな
く、1分子中にエチレン性不飽和二重結合を2個以上有
するポリウレタン系樹脂が生成するため、ビニル系モノ
マーと共重合するとき、ゲル化が起きやすい。
【0004】本発明は、ポリオレフィン系基材を含めた
あらゆる基材への密着性、顔料分散性、再溶解性に優れ
た水系印刷インキを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の(1)〜(8)に示されるものである。 (1) 親水性極性基含有エチレン性不飽和モノマーと
メルカプト基含有ウレタンプレポリマーとをラジカル重
合により結合した自己乳化性共重合体を樹脂成分として
含有する水系エマルジョンからなること、を特徴とする
水系印刷インキ。
【0006】(2) エチレン性不飽和モノマーとメル
カプト基及び親水性極性基含有ウレタンプレポリマーと
をラジカル重合により結合した自己乳化性共重合体を樹
脂成分として含有する水系エマルジョンからなること、
を特徴とする水系印刷インキ。
【0007】(3) エチレン性不飽和モノマーと有機
ポリイソシアネートとメルカプト基及び活性水素基を含
有する化合物と親水性極性基及び活性水素基を含有する
化合物とをウレタン化反応及びラジカル重合により結合
した自己乳化性共重合体を樹脂成分として含有する水系
エマルジョンからなること、を特徴とする水系印刷イン
キ。
【0008】(4) 前記エチレン性不飽和モノマー
が、親水性極性基含有エチレン性不飽和モノマーを少な
くとも含有するエチレン性不飽和モノマーである、前記
(2)又は(3)の水系印刷インキ。
【0009】(5) 前記エチレン性不飽和モノマー
が、ケト基あるいはアルデヒド基含有エチレン性不飽和
モノマーを少なくとも含有するエチレン性不飽和モノマ
ーである、前記(2)又は(3)の水系印刷インキ。
【0010】(6) 前記メルカプト基及び親水性極性
基含有ウレタンプレポリマーが、メルカプト基及び親水
性極性基以外に更にエチレン性不飽和二重結合を含有す
るウレタンプレポリマーである、前記(2)、(4)又
は(5)の水系印刷インキ。
【0011】(7) 前記メルカプト基及び親水性極性
基含有ウレタンプレポリマーが、メルカプト基及び親水
性極性基以外に更にケト基あるいはアルデヒド基を含有
するウレタンプレポリマー、又はメルカプト基、親水性
極性基及びエチレン性不飽和二重結合以外に更にケト基
あるいはアルデヒド基を含有するウレタンプレポリマー
である、前記(2)、(4)又は(5)の水系印刷イン
キ。
【0012】(8) 前記(5)、(6)又は(7)に
記載の水系印刷インキと、多官能ヒドラジド化合物から
なること、を特徴とする水系印刷インキ。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明における自己乳化性共重合体は、アクリルセグメ
ントとウレタンセグメントのいずれか一方あるいは双方
に親水性極性基が導入されている。この自己乳化性共重
合体は、ウレタンプレポリマーあるいはその構成成分の
メルカプト基を連鎖移動剤として、エチレン性不飽和モ
ノマーのエチレン性不飽和二重結合をラジカル重合ある
いはこれと同時にウレタン化反応させた構造のものであ
る。
【0014】本発明における自己乳化性共重合体の構成
成分について説明する。本発明の自己乳化性共重合体に
おけるアクリルセグメントの形成には、親水性極性基含
有エチレン性不飽和モノマー、ケト基又はアルデヒド基
含有エチレン性不飽和モノマー、及びその他のエチレン
性不飽和モノマーが用いられる。これらは単独であるい
は任意の組み合せの混合物として用いることができる
が、親水性極性基含有エチレン性不飽和モノマーを少な
くとも含有するエチレン性不飽和モノマー(混合物)、
あるいはケト基又はアルデヒド基含有エチレン性不飽和
モノマーを少なくとも含有するエチレン性不飽和モノマ
ー(混合物)が好ましく、更にこの場合、その他のエチ
レン性不飽和モノマーを50〜95モル%含有するエチ
レン性不飽和モノマー(混合物)が好ましい。これらの
エチレン性不飽和モノマーとして更に具体的には、水や
ウレタン樹脂との相溶性などの点から、アクリルモノマ
ーが好ましい。本発明においては、得られる共重合体に
自己乳化性を付与させるために、アクリルセグメントと
ウレタンセグメントの両方に親水性極性基を導入するほ
うが、少ない導入量で共重合体に自己乳化性を付与でき
るので好ましいが、いずれか片方のみに親水性極性基を
導入する場合には、ウレタンセグメントに導入するのが
自己乳化性共重合体の製造上有利である。
【0015】この親水性極性基含有エチレン性不飽和モ
ノマーとしては、ポリ(オキシアルキレン)エーテルグ
リコールモノアクリレート、ポリ(オキシアルキレン)
エーテルグリコールモノメタクリレート、ポリ(オキシ
アルキレン)エーテルグリコールモノアルキルエーテル
アクリレート、ポリ(オキシアルキレン)エーテルグリ
コールモノアルキルエーテルメタクリレート、グリシジ
ルアクリレートやグリシジルメタクリレート等のエチレ
ン性不飽和二重結合とエポキシ基を有する化合物にアル
キレンオキサイドを付加させた化合物、式1で示される
化合物等のポリ(オキシエチレン)鎖含有エチレン性不
飽和モノマー類等のオキシエチレン基含有エチレン性不
飽和モノマー、また、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル類、
フマル酸、フマル酸モノエステル類、イタコン酸、イタ
コン酸モノエステル類等のカルボン酸含有エチレン性不
飽和モノマー類、スルホン化スチレン、スルホン化α−
メチルスチレン、以下の式2又は式3で示される化合物
等のスルホン酸含有エチレン性不飽和モノマー類等の酸
含有エチレン性不飽和モノマー、アリルアミン、N,N
−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
メタクリレート、これらにアルキレンオキサイドを付加
させたもの、式4で示される化合物等の一級、二級又は
三級アミノ基含有エチレン性不飽和モノマー類等の塩基
含有エチレン性不飽和モノマー等が挙げられる。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】ケト基又はアルデヒド基含有エチレン性不
飽和モノマーとしては、アクロレイン、ダイアセトンア
クリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、ホルミ
ルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケト
ン、ビニルブチルケトン、ビニルアセトフェノン、ビニ
ルベンゾフェノン、アクリルオキシプロペナール、ダイ
アセトンアクリレート、アセトニトリルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテー
ト、ブタンジオール−1,4−アクリレートアセチルア
セテート、メタクリルオキシプロペナール、ダイアセト
ンメタクリレート、アセトニトリルメタクリレート、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレートアセチルアセテー
ト、ブタンジオール−1,4−メタクリレートアセチル
アセテート等が挙げられる。
【0021】その他のエチレン性不飽和モノマーとして
は、アクリル酸アルキル、アクリル酸シクロアルキル、
アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸
グリシジル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸ア
ルキル、メタクリル酸シクロアルキル、メタクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジ
ル等のメタクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等のビニルエステル系化合物類、ビニルメチ
ルエーテル等のビニルアルキルエーテル、ビニルシクロ
ヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルベ
ンジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等のビニル
エーテル系化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のビニルシアニド系化合物類、スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン等のエチレン性不飽和
二重結合含有芳香族化合物類、塩化ビニル、臭化ビニル
等のハロゲン化ビニル類、塩化ビニリデン、臭化ビニリ
デン等のハロゲン化ビニリデン類、マレイン酸ジアルキ
ル等のマレイン酸ジエステル類、フマル酸ジアルキル等
のフマル酸ジエステル類、イタコン酸ジメチル等のイタ
コン酸ジエステル類、N,N−ジメチルアクリルアミド
等のジアルキルアクリルアミド類、N−ビニルピロリド
ン、2−ビニルピリジン等の複素環ビニル化合物類等、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレ
ート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレートのε−カプロラクトン
付加物、2−ヒドロキシエチルアクリレートのβ−メチ
ル−γ−バレロラクトン付加物、グリセロールモノアク
リレート、グリセロールジアクリレート等のヒドロキシ
ル基含有アクリレート類、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエ
チレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレン
グリコールモノメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレートのε−カプロラクトン付加物、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートのβ−メチル−γ−バレロ
ラクトン付加物、グリセロールモノメタクリレート、グ
リセロールジメタクリレート等のヒドロキシル基含有メ
タクリレート類、アリルアルコール、グリセロールモノ
アリルエーテル、グリセロールジアリルエーテル等のア
リル化合物類等が挙げられる。これらの中で好ましいも
のとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレートのε−カプロラクトン付
加物、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートのε−カプロラクトン付加
物等の活性水素基含有のエチレン性不飽和モノマー類が
挙げられる。
【0022】エチレン性不飽和モノマーのラジカル重合
に使用されるラジカル重合開始剤としては、例えば、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−ア
ゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2′−アゾビ
スイソ酪酸ジメチル、アゾビスシアノ吉草酸、1,1′
−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシ
ルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘ
キシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シク
ロドデカン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパー
オキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−
メンタンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルパーオ
キサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオ
キサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソ
ブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキ
サノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキ
サイド、コハク酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、トルイルベンゾイルパーオキサイド、ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパ
ーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロ
ヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキ
シエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシ
ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−
メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α′
−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベ
ンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,
3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエー
ト、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ
ネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノ
エート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−
ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ
ピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エ
チルヘキシルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−
テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイ
ソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−
ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネー
ト、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネ
ート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネ
ート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノ
カーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−
ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシ
ベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイル
ベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等の有機過
酸化物が挙げられる。
【0023】本発明に用いられるメルカプト基含有ウレ
タンプレポリマーは、例えば、有機ポリイソシアネート
と、メルカプト基及び活性水素基を含有する化合物と、
所望により活性水素基を含有する化合物との反応生成物
である。なお、メルカプト基及び親水性極性基含有ウレ
タンプレポリマーは、前記各原料に親水性極性基及び活
性水素基を含有する化合物を併用し反応させて得ること
ができる。この活性水素基は、イソシアネート基との反
応性がメルカプト基以上の基、すなわち、水酸基、アミ
ノ基、イミノ基、メルカプト基等である。
【0024】この有機ポリイソシアネートとしては、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエン
ジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、
2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、
2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシア
ネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパ
ンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネ
ート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−
フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシ
アネート等の芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサ
メチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジ
イソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−
キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネ
ート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香
脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシ
レンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシ
アネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
また、これら有機ジイソシアネートのアダクト変性体、
ビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウレトン
イミン変性体、ウレトジオン変性体、カルボジイミド変
性体等のいわゆる変性ポリイソシアネートも使用でき
る。更に、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネ
ート、クルードトルエンジイソシアネート等のような、
いわゆるポリメリック体といわれるポリイソシアネート
も使用できる。これらの有機ポリイソシアネートは単独
又は2種以上を混合して使用することができる。これら
の有機ポリイソシアネートのうちで、耐候性等を考慮し
た場合は、脂肪族及び脂環族ポリイソシアネートが好ま
しく、特に、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシア
ネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートが
最も好ましい。
【0025】有機ポリイソシアネートと反応させるメル
カプト基及び活性水素基を含有する化合物としては、ヒ
ドロキシチオールとアミノチオールが好ましい。
【0026】ヒドロキシチオールとしては、2−メルカ
プト−1−ヒドロキシエタン、2−メルカプト−1−ヒ
ドロキシプロパン、1−メルカプト−2−ヒドロキシプ
ロパン、3−メルカプト−1−ヒドロキシプロパン、2
−メルカプト−1−ヒドロキシブタン、3−メルカプト
−1−ヒドロキシブタン、4−メルカプト−1−ヒドロ
キシブタン等のモノメルカプトモノオール化合物、チオ
グリセロール、2,3−ジヒドロキシ−1−メルカプト
ブタン、2,3−ジヒドロキシ−1−メルカプトペンタ
ン、3,4−ジヒドロキシ−1−メルカプトブタン、
3,4−ジヒドロキシ−1−メルカプトペンタン、3,
4−ジヒドロキシ−1−メルカプトヘキサン等のモノメ
ルカプトジオール化合物、2−ヒドロキシ−1,3−ジ
メルカプトプロパン、1−ヒドロキシ−2,3−ジメル
カプトプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメルカプ
トブタン、1−ヒドロキシ−2,3−ジメルカプトブタ
ン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメルカプトペンタン、
2−ヒドロキシ−1,3−ジメルカプトヘキサン、3−
ヒドロキシ−1,4−ジメルカプトブタン、3−ヒドロ
キシ−1,4−ジメルカプトペンタン、3−ヒドロキシ
−1,4−ジメルカプトヘキサン等のジメルカプトモノ
オール化合物等が挙げられる。
【0027】アミノチオールとしては、β−メルカプト
エチルアミン、β−メルカプトプロピルアミン、γ−メ
ルカプトプロピルアミン、2−アミノチオフェノール、
3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール
等が挙げられる。
【0028】これらメルカプト基及び活性水素基を含有
する化合物は単独でも、2種以上を混合して使用しても
よい。なお、本発明に用いられるメルカプト基及び活性
水素基を含有する化合物で好ましいものは、2−メルカ
プト−1−ヒドロキシエタン、チオグリセロール、β−
メルカプトエチルアミンである。
【0029】有機ポリイソシアネートと反応させる(メ
ルカプト基以外の)活性水素基を含有する化合物として
は、ポリウレタン工業で長鎖ポリオールといわれている
ものと、鎖延長剤といわれているものが挙げられる。本
発明では、メルカプト基及び親水性極性基含有ウレタン
プレポリマー中に長鎖ポリオールを50〜90重量%含
有するものが好ましい。
【0030】この長鎖ポリオールとしては、ポリエステ
ルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエー
テルポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系
ポリオール又はこれらのコポリオール等が挙げられる。
これらの長鎖ポリオールは単独で又は2種以上混合して
使用してもよい。
【0031】ポリエステルポリオールとしては、公知の
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサ
ヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリ
メリット酸等のポリカルボン酸、酸エステル、又は酸無
水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プ
ロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、あるいはビスフェノールAのエチレンオキサ
イド又はプロピレンオキサイド付加物、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分
子ポリオール類、ヘキサメチレンジアミン、キシリレン
ジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポリアミン
類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低
分子アミノアルコール類の1種以上との脱水縮合反応で
得られる、ポリエステルポリオール又はポリエステルア
ミドポリオールが挙げられる。
【0032】また、低分子ポリオール、低分子ポリアミ
ン、低分子アミノアルコールを開始剤として、ε−カプ
ロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラ
クトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリ
エステルポリオールが挙げられる。
【0033】ポリカーボネートポリオールとしては、前
述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子
ポリオールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネ
ート等との脱アルコール反応、脱フェノール反応等で得
られるものが挙げられる。
【0034】ポリエーテルポリオールとしては、前述の
ポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオー
ル、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールを開始
剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール等、及びこれらを共重合し
たポリエーテルポリオール、更に、前述のポリエステル
ポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤とし
たポリエステルエーテルポリオールが挙げられる。
【0035】ポリオレフィンポリオールとしては、水酸
基含有ポリブタジエン、水素添加した水酸基含有ポリブ
タジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加した水
酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピ
レン、水酸基含有塩素化ポリエチレン等が挙げられる。
【0036】動植物系ポリオールには、ヒマシ油系ポリ
オール、絹フィブロイン等が挙げられる。
【0037】また、活性水素基を2個以上有するもので
あれば、ダイマー酸系ポリオール、水素添加ダイマー酸
系ポリオールの他に、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ポ
リビニルアルコール等の樹脂類も長鎖ポリオールとして
好適に使用できる。
【0038】これらの長鎖ポリオールの数平均分子量は
500〜10,000、特に1,000〜5,000が
好ましい。本発明においては、水系インキとしての密着
性、耐久性等を考慮すると、ポリエステルポリオール、
ポリカーボネートポリオール、ダイマー酸系ポリオール
のいずれかを長鎖ポリオール中に50〜100重量%含
有するものが更に好ましい。
【0039】鎖延長剤は、数平均分子量500未満の分
子内に2個以上の活性水素基を含有する化合物であり、
具体的には、前述の低分子ポリオール、低分子ポリアミ
ン、低分子アミノアルコール等が挙げられる。
【0040】本発明の水系印刷インキにおいて、自己乳
化性共重合体を製造する際に、有機ポリイソシアネート
と反応する活性水素基及びエチレン性不飽和二重結合を
含有する化合物を用いると、分子量のコントロールが容
易になるので好ましい。この場合、アクリルオリゴマー
とウレタンがグラフトした構造を取ることになり、アク
リルセグメントとウレタンセグメントは、エチレン性不
飽和二重結合のラジカル重合により生成する基により結
合している自己乳化性共重合体を含むことになる。活性
水素基及びエチレン性不飽和二重結合を含有する化合物
としては、前述のその他のエチレン性不飽和モノマーの
うちの活性水素基含有のエチレン性不飽和モノマー類が
挙げられる。これらの中で好ましいものは、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レートのε−カプロラクトン付加物、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートのε−カプロラクトン付加物である。
【0041】有機ポリイソシアネートと反応させる親水
性極性基及び活性水素基を含有する化合物の親水性極性
基は、親水性ノニオン性基、親水性アニオン性基、親水
性カチオン性基、又は親水性両性基である。親水性ノニ
オン性基は、樹脂の主鎖や側鎖に導入されたオキシエチ
レン基の繰り返し単位の部分である。親水性アニオン性
基は、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、
ホスフィン酸、チオスルホン酸等のような酸と、後述す
る塩基性中和剤とからなる。なお、酸成分は自己乳化性
共重合体に直結しているが、中和剤は共重合体に直結し
ていない。親水性カチオン性基は、三級アミノ基等のよ
うな塩基と、後述する酸性中和剤とからなる。なお、塩
基成分は自己乳化性共重合体に直結しているが、中和剤
は共重合体に直結していない。
【0042】具体的に、親水性ノニオン性基及び活性水
素基を含有する化合物としては、活性水素基を1個以上
有するポリ(オキシアルキレン)エーテルポリオール、
活性水素基を1個以上有するポリ(オキシアルキレン)
脂肪酸エステルポリオール等が挙げられる。活性水素基
を1個以上有するポリ(オキシアルキレン)エーテルポ
リオールは、活性水素基を1個以上有する化合物を開始
剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させて得ら
れる。この開始剤としては、メタノール、エタノール、
プロパノール、n−ブタノール、シクロヘキサノール、
フェノール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、アニリン、トリメチロールプロパン、グリセリン、
ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらのうちで
は、エチレングリコールのように分子量がより小さく、
2官能のものが好ましい。アルキレンオキサイドとして
は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙
げられる。なお、アルキレンオキサイドの一部に、スチ
レンオキサイド、エピクロルヒドリン、ブチルグリシジ
ルエーテル等のエポキシ基を有する化合物を用いてもよ
い。また、活性水素基を1個以上有するポリ(オキシア
ルキレン)脂肪酸エステルポリオールの製造に用いられ
る脂肪酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸等が挙げ
られる。なお、前述の原料に存在するポリエーテル鎖に
は、3〜300、特に5〜200個で、かつオキシエチ
レン基が50モル%以上、特に60モル%以上のオキシ
エチレン基を有するものが好ましい。
【0043】親水性アニオン性基形成性基及び活性水素
基を含有する化合物としては、α−ヒドロキシプロピオ
ン酸、ヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシコハク酸、ε
−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、
ヒドロキシ酢酸、α−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシステ
アリン酸、リシノール酸、リシノエライジン酸、リシノ
ステアロール酸、サリチル酸、マンデル酸等、オレイン
酸、リシノール酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸をヒド
ロキシル化したヒドロキシ脂肪酸、グルタミン、アスパ
ラギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、
ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等のジ
アミン型アミノ酸、グリシン、アラニン、グルタミン
酸、タウリン、アミノカプロン酸、アミノ安息香酸、ア
ミノイソフタル酸、スルファミン酸等のモノアミン型ア
ミノ酸、又は、2,2−ジメチロールプロピオン酸、
2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草
酸等のカルボン酸含有ポリオール、イミノジ酢酸とグリ
シドールの1:1(モル比)付加物のようなキレートタ
イプ、5−スルホイソフタル酸骨格を導入したポリエス
テルポリオール、水やカルボキシル基含有アルコールを
開始剤としたポリカプロラクトン、活性水素基含有ポリ
エステルとカルボキシル基含有アルコールとのエステル
交換物、活性水素基含有ポリカーボネートとカルボキシ
ル基含有アルコールとのエステル交換物等が挙げられ
る。また、前述の長鎖ポリオール類や低分子グリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子ポ
リオール類やポリアミン類と、ポリカルボン酸無水物と
を反応させて得られるカルボキシル基を含有するハーフ
エステル混合物やハーフアミド混合物も使用可能であ
る。特に、無水ピロメリット酸等の二無水物にポリオー
ルを付加させた場合、2個のカルボン酸が生成するた
め、ポリエステルポリオールの分子鎖内に親水性アニオ
ン性基を導入できることになる。親水性アニオン性基を
形成するための塩基性中和剤としては、エチルアミン、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピ
ルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、
N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノ
ールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノー
ルアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N
−メチルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プ
ロパノール、ピリジン等の有機アミン類、リチウム、カ
リウム、ナトリウム等のアルカリ金属、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類、アンモニア等
が挙げられる。なお、この中で好ましいものは、有機ア
ミンやアンモニアであり、特に好ましいものは、エチル
アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、アンモ
ニアである。なお、これらの親水性アニオン性基形成性
基及び活性水素基を含有する化合物や塩基性中和剤はそ
れぞれ、単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。
【0044】親水性カチオン性基形成性基及び活性水素
基を含有する化合物としては、N,N−ジメチルエタノ
ールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,
N−ジプロピルエタノールアミン、N,N−ジフェニル
エタノールアミン、N−メチル−N−エチルエタノール
アミン、N−メチル−N−フェニルエタノールアミン、
N,N−ジメチルプロパノールアミン、N−メチル−N
−エチルプロパノールアミン、N−メチルジエタノール
アミン、N−エチルジエタノールアミン、N−メチルジ
プロパノールアミン、N−フェニルジエタノールアミ
ン、N−フェニルジプロパノールアミン、N−ヒドロキ
シエチル−N−ヒドロキシプロピル−メチルアミン、
N,N′−ジヒドロキシエチルピペラジン、トリエタノ
ールアミン、トリスイソプロパノールアミン、N−メチ
ル−ビス(3−アミノプロピル)アミン、N−メチル−
ビス(2−アミノプロピル)アミン等が挙げられる。ま
た、アンモニア、メチルアミンのような第一アミン、ジ
メチルアミンのような第二アミンにアルキレンオキサイ
ドを付加させたものも使用できる。親水性カチオン性基
を形成するための酸性中和剤としては、例えば、塩酸、
酢酸、プロピオン酸、乳酸、シアノ酢酸、リン酸及び硫
酸等の無機及び有機酸が挙げられる。四級化剤として
は、硫酸ジメチル、塩化ベンジル、ブロモアセトアミ
ド、クロロアセトアミド、又は、臭化エチル、臭化プロ
ピル、臭化ブチル等のハロゲン化アルキルが挙げられ
る。また、その他の親水性カチオン性基及び活性水素基
を含有する化合物として、第一級アミン塩、第二級アミ
ン塩、第三級アミン塩、ピリジニウム塩等のカチオン性
化合物が挙げられる。なお、これらの親水性カチオン性
基形成性基及び活性水素基を含有する化合物や酸性中和
剤はそれぞれ、単独あるいは2種以上混合して用いても
よい。
【0045】親水性両性基及び活性水素基を含有する化
合物としては、第三級アミノ基含有ポリオールとスルト
ンとの反応で生成するスルホベタイン基等の両性基を含
有する化合物を例示することができる。
【0046】本発明の自己乳化性共重合体における親水
性極性基の導入量は、次の通りである。親水性ノニオン
性基を導入する場合では、自己乳化性共重合体全体に対
して、親水性ノニオン性基(好適にはエチレンオキサイ
ドユニット)の含有量は、0.1〜40wt%、特に
0.5〜30wt%が好ましい。ノニオン性の親水性極
性基含有量が、この範囲外の場合は、印刷被膜の耐熱性
や耐水性が悪くなりやすい。親水性アニオン性基、親水
性カチオン性基又は親水性両性基を導入する場合では、
自己乳化性共重合体全体に対して0.1〜1.2mmo
l/g、特に0.3〜1.0mmol/gが好ましい。
イオン性の親水性極性基含有量がこの範囲外の場合は、
基材への密着性や水系印刷インキの安定性が悪くなりや
すい。
【0047】本発明で好ましい親水性極性基は、印刷被
膜の耐水性等を考慮すると、親水性アニオン性基であ
り、より好ましくは、3≦pKa<7の弱酸及び7<p
Ka≦12の弱塩基からなる親水性アニオン性基であり
(但し、pKa=−log10Kaであり、Kaは25℃
の希薄水溶液における酸性度定数である。)、特に好ま
しくは、カルボン酸−アンモニア又はカルボン酸−有機
三級アミンである親水性アニオン性基である。この理由
は、次の通りである。すなわち、親水性アニオン性基
は、樹脂に直結した酸とフリー(遊離)の塩基の中和剤
からなる。弱酸−弱塩基の親水性アニオン性基では、酸
−塩基間の親和力が弱く、また、中和剤の分子量が小さ
いため、印刷被膜形成時に中和剤が飛散しやすい。その
結果、中和剤が飛散した樹脂の親水性は、飛散前より低
下する。その結果、印刷被膜の耐水性が向上することに
なると考えられる。以上のことから、本発明では、カル
ボン酸基含有ポリオールを用いることが好ましく、更に
具体的にはジメチロールプロピオン酸及び/又はジメチ
ロールブタン酸を用いることが好ましい。
【0048】本発明における自己乳化性共重合体の数平
均分子量は、5,000〜100,000が好ましく、
10,000〜80,000が更に好ましい。数平均分
子量が5,000未満の場合は、被膜強度が不十分とな
る。100,000を越えると水系エマルジョンの製造
における作業性が悪くなる。なお、本発明における数平
均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィに
より屈折率検出器を用いてポリスチレン換算にて測定し
た値である。また、本発明における共重合体の平均粒径
は、1〜1,000nm、特に3〜900nmであるこ
とが好ましい。なお、本発明において平均粒径は、動的
光散乱法にて測定した値をキュムラント法にて解析した
値である。
【0049】本発明における自己乳化性共重合体には、
ケト基又はアルデヒド基が存在するのが好ましい。これ
は、自己乳化性共重合体の水系エマルジョンに多官能ヒ
ドラジド化合物を添加することにより、1液常温硬化性
を付与することが可能となるからである。
【0050】アクリルセグメントにケト基を導入するた
めに用いられるものとしては、前述のケト基を含有する
エチレン性不飽和モノマーが挙げられる。ウレタンセグ
メントにケト基を導入するために用いられるものとして
は、ヒドロキシメチルエチルケトン、ヒドロキシエチル
メチルケトン、ビス(ヒドロキシメチル)ケトン、ヒド
ロキシメチル−2−ヒドロキシエチルケトン、ビス(2
−ヒドロキシエチル)ケトン、アミノメチルエチルケト
ン、ビス(アミノメチル)ケトン、アミノメチル−2−
アミノエチルケトン、ビス(2−アミノエチル)ケトン
等が挙げられる。
【0051】本発明では、少なくともアクリルセグメン
トにケト基又はアルデヒド基を導入するのが好ましく、
原料の入手の容易さ等を考慮するとアクリルセグメント
のみにケト基又はアルデヒド基を導入するのがより好ま
しい。また、得られる樹脂の原料の毒性等を考慮すると
ケト基を導入した化合物が好ましい。
【0052】更に、本発明の水系印刷インキは、ケト基
又はアルデヒド基を有する自己乳化性共重合体と多官能
ヒドラジド化合物とからなる水系エマルジョンを用いた
ものである。この水系エマルジョンは、前述したように
1液で常温硬化性を有するので、水系印刷インキに適用
すると、2液タイプのように主剤−硬化剤の計量ミスを
生じる要因がなく、また、印刷時の熱エネルギーは、水
を飛散させる以上は必要ないので、生産性に優れてい
る。
【0053】本発明における多官能ヒドラジド化合物と
は、1分子中にヒドラジド基を2個以上有する化合物の
ことであり、具体的には、4,4′−ビスベンゼンジヒ
ドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,4−シ
クロヘキサンジヒドラジド、N,N′−ヘキサメチレン
ビスセミカルバジド等のジヒドラジド化合物、シュウ酸
ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒド
ラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラ
ジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジ
ド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジ
ド、ドデカンジカルボン酸ジヒドラジド、ヘキサデカン
ジカルボン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、
フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、テレ
フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フ
タル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジ
ド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラ
ジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジ
ド等のジカルボン酸ジヒドラジド類、クエン酸トリヒド
ラジド、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリヒド
ラジド、ニトリロトリ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキ
サントリカルボン酸トリヒドラジド、トリメリット酸ト
リヒドラジド等のトリカルボン酸トリヒドラジド類、エ
チレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,
8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、ピロメリット酸テト
ラヒドラジド等のテトラカルボン酸テトラヒドラジド
類、式5で示される炭酸ジヒドラジド類、カルボヒドラ
ジド、チオカルボジヒドラジド、式6で示されるビスセ
ミカルバジド類、式7で示される基を有する酸ヒドラジ
ド系ポリマー類等が挙げられる。
【0054】
【化5】
【0055】
【化6】
【0056】
【化7】
【0057】これらの多官能性ヒドラジド化合物で好ま
しいものは、25℃の水に対する溶解度が3%以上のも
のであり、特に好ましいものは、カルボヒドラジド、マ
ロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル
酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒ
ドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラ
ジドである。
【0058】多官能ヒドラジド化合物の添加量は、自己
乳化性共重合体のケト基又はアルデヒド基に対し、0.
1〜2当量、特に0.3〜1.5当量が好ましい。多官
能ヒドラジド化合物の添加量が0.1当量未満の場合
は、架橋密度が小さすぎるため、印刷被膜強度が不十分
となる。また、2当量を越える場合は、遊離のヒドラジ
ド化合物の量が多くなるため、印刷被膜の外観に悪影響
を及ぼしやすい。
【0059】次に、本発明に使用される自己乳化性共重
合体の水系エマルジョンの製造方法について述べる。本
発明の自己乳化性共重合体の水系エマルジョンの製造方
法は、次の3つの工程の組み合わせからなる。 第1工程(ウレタン化工程):イソシアネート基と活性
水素基を反応させる工程。 第2工程(ラジカル共重合工程):メルカプト基を連鎖
移動剤として用い、エチレン性不飽和二重結合をラジカ
ル重合させる工程。 第3工程(乳化工程):得られた共重合体を水に乳化さ
せる工程。
【0060】第1工程は、メルカプト基を含有するウレ
タンプレポリマーを得る工程である。第1工程は、例え
ば、前述の有機ポリイソシアネートと、メルカプト基及
び活性水素基を含有する化合物及び/又は親水性極性基
及び(メルカプト基を含む)活性水素基を含有する化合
物と、所望により活性水素基を含有する化合物とを、順
次(イ)あるいは同時(ロ)に反応させる工程である。
このときの全イソシアネート基と全活性水素基の最終的
な当量比率は、目標数平均分子量、有機ポリイソシアネ
ートの平均官能基数と活性水素基含有化合物の平均官能
基数等の因子によって、反応時にゲル化しない条件を算
出し、この条件を満たすような条件である。その配合比
率はJ.P.Flory、Khun等が理論的に計算し
ているゲル化理論に従うが、実際は、前記成分に含まれ
る反応基の反応性比を考慮にいれた配合比で反応させる
ことによって、ゲル化することなく製造できる。
【0061】(イ)順次に反応させる場合は、例えば、
有機ポリイソシアネート、メルカプト基及び活性水素基
を含有する化合物及び/又は親水性極性基及び(メルカ
プト基を含む)活性水素基を含有する化合物と、所望に
より活性水素基を含有する化合物をイソシアネート基過
剰の条件で反応させ、次いで、メルカプト基及び活性水
素基を含有する化合物を、メルカプト基を含めた活性水
素基過剰の条件で反応させる等の方法で、メルカプト基
含有ウレタンプレポリマーあるいはメルカプト基及び親
水性極性基含有ウレタンプレポリマーが得られる。 (ロ)同時に反応させる場合は、例えば、有機ポリイソ
シアネート、メルカプト基及び活性水素基を含有する化
合物及び/又は親水性極性基及び(メルカプト基を含
む)活性水素基を含有する化合物、及び所望により活性
水素基を含有する化合物を、メルカプト基を含めた活性
水素基過剰の条件で反応させる等の方法で、メルカプト
基含有ウレタンプレポリマーあるいはメルカプト基及び
親水性極性基含有ウレタンプレポリマーが得られる。い
ずれの場合も、イソシアネート基は、メルカプト基より
反応性の大きい水酸基、アミノ基、イミノ基等と優先的
に反応し、最終的には、イソシアネート基が存在しない
メルカプト基含有ウレタンプレポリマーあるいはメルカ
プト基及び親水性極性基含有ウレタンプレポリマーが得
られることになる。なお、(ロ)同時に反応させる方法
が、製造工程が少なくなるので好ましい。
【0062】ウレタン化反応は、溶融状態、バルク状
態、又は必要に応じてポリウレタン工業において常用の
溶剤、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等
の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル等の
エステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶
剤、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト等のグリコールエーテルエステル系溶剤、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶
剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン等の極性溶剤の1種又は2種以上を
混合して用いることができる。また、ウレタン化反応時
には、必要に応じてウレタン化触媒を用いることができ
る。具体的には、ジブチルチンジラウレート、ジオクチ
ルチンジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレ
ンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩
等が挙げられる。なお、このときの反応温度は、30〜
120℃、更に50〜100℃が好ましい。反応装置と
しては、上記の反応が均一にできるものであれば特に制
限はなく、例えば攪拌装置の付いた反応釜、ニーダー、
一軸又は多軸押し出し反応機等の混合混練装置が挙げら
れる。第2工程や第3工程を考慮すると、反応装置は攪
拌装置の付いた反応釜が好ましい。
【0063】第2工程における原料は、例えば、(1)
第1工程で得られたメルカプト基含有ウレタンプレポリ
マーあるいはメルカプト基及び親水性極性基含有ウレタ
ンプレポリマー、エチレン性不飽和モノマー、ラジカル
重合開始剤、又は(2)有機ポリイソシアネート、メル
カプト基及び活性水素基含有化合物及び/又は親水性極
性基及び(メルカプト基を含む)活性水素基含有化合
物、所望により(その他の)活性水素基含有化合物、エ
チレン性不飽和モノマー、ラジカル重合開始剤、であ
る。すなわち(1)の方法は、第1工程後に第2工程を
進行させる方法であり、(2)の方法は、第1工程と第
2工程を同時に進行させる方法である。第2工程には、
反応熱の除去、攪拌の容易さから、前述の有機溶剤を用
いたほうが好ましい。本発明では、(1)の方法が好ま
しい。
【0064】第2工程おける各原料の具体的な仕込み方
法は、特に制限はなく、全ての原料を一度に仕込んでも
よいし、分割して仕込んでもよい。また、バッチ的にま
とめて仕込んでもよいし、連続的に仕込んでもよい。好
ましい仕込み方法は、少なくともラジカル重合開始剤を
滴下させる等により、後から反応系に仕込むという方法
である。
【0065】なお、(1)の方法ではまず、メルカプト
基含有ウレタンプレポリマーあるいはメルカプト基及び
親水性極性基含有ウレタンプレポリマーが得られる。こ
のウレタンプレポリマーの数平均分子量は1,000〜
50,000、特に3,000〜40,000であるこ
とが好ましい。数平均分子量が小さすぎる場合は、ウレ
タン化反応が不十分であるために、柔軟性に欠けやす
い。また、数平均分子量が50,000を越える場合
は、粘度が大きすぎるため、第2工程、第3工程が困難
になりやすい。
【0066】ラジカル共重合前の状態におけるメルカプ
ト基含有量は、固形分換算で0.01〜1.0mmol
/g、特に0.03〜0.5mmol/gであることが
好ましい。メルカプト基含有量が0.01mmol/g
未満の場合は、目的とする自己乳化性共重合体が得られ
にくい。またメルカプト基含有量が1.0mmol/g
を越える場合は、必要以上に連鎖移動が起こり、共重合
体の分子量が伸びにくくなる。なお、反応系に、活性水
素基及びエチレン性不飽和二重結合含有化合物を用いる
と、得られる自己乳化性共重合体の分子量のコントロー
ルが容易になるので、好ましくなる。この化合物の導入
量は、メルカプト基に対して、80モル%以下が好まし
く、5〜75モル%が更に好ましく、10〜70モル%
となる量が最も好ましい。
【0067】ラジカル共重合における重合開始剤の仕込
量は、反応前に存在する二重結合の全モル数の0.1〜
10モル%、特に0.5〜8モル%が好ましい。ラジカ
ル重合開始剤の仕込量が少なすぎる場合は、共重合がう
まく進行しにくくなり、目的とする共重合体が得られに
くい。また、ラジカル重合開始剤の仕込量が多すぎる場
合は、得られる共重合体の分子量が小さすぎ、強度や耐
久性が不足しやすくなる。
【0068】ラジカル共重合時の反応温度は、30〜1
20℃、特に50〜100℃が好ましい。
【0069】エチレン性不飽和モノマーの合計重量と、
ウレタン系原料の仕込み重量との比は、5/95〜95
/5、特に10/90〜90/10であることが好まし
い。この比率よりエチレン性不飽和モノマーが多い場合
は、水系インキの極性基材への密着性が低下しやすい。
また、少ない場合は、水系インキの再溶解性が悪くなり
やすい。
【0070】第1工程及び第2工程が終了したら、第3
工程に進む。乳化方法は特に制限はなく、従来公知の方
法で行われる。なお、酸や三級アミンが系に存在する場
合は、前述の中和剤や四級化剤を水の仕込み前、又は水
と同時に仕込んだほうが好ましい。また、水乳化後、系
中に有機溶剤が存在していたら、脱溶剤を行うほうが好
ましい。本発明の水系エマルジョンにおける残留溶剤の
含有量は、5%未満が好ましい。なお、除去した有機溶
剤は、回収して前述の第2工程に用いることができる。
【0071】本発明の水系印刷インキは、前述の自己乳
化性共重合体の水系エマルジョンに、必要に応じて、顔
料、染料、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、ポリアミド、ゴム等の他樹脂系の
エマルジョン・サスペンジョン・ディスパージョン・水
溶液、固形分や粘度調整のための水、表面張力調整のた
めのイソプロパノールやN−メチルピロリドンのような
有機溶剤、防腐剤、防カビ剤、抗菌剤、ブロッキング防
止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、消泡剤、増粘剤、造膜助剤、界面活性剤、触媒、滑
剤、帯電防止剤、可塑剤、レベリング剤、ゲル化防止
剤、光安定剤、等を配合し、ボールミル、サンドグライ
ンドミル等を用いて得られる。
【0072】自己乳化型共重合体にケト基又アルデヒド
基が存在し、かつ、水系エマルジョンに多官能ヒドラジ
ド化合物を配合した水系印刷インキでは、印刷後に水が
飛散することで、常温で硬化して実用に耐えうる印刷被
膜を形成する。これ以外の場合では、印刷直前に水系
(ブロック)ポリイソシアネート系硬化剤を添加して、
印刷被膜に架橋構造を持たせることで、実用に耐えうる
被膜を形成する。この場合、(生成する)イソシアネー
ト基と活性水素基との反応を促進させるために加熱する
とよい。具体的な硬化剤としては、日本ポリウレタン工
業製のアクアネート100、200等が挙げられる。水
系(ブロック)ポリイソシアネート系硬化剤を用いる場
合の水系(ブロック)ポリイソシアネートの配合量は、
(生成する)イソシアネート基/活性水素基=10/1
〜1/10(モル比)となる量である。
【0073】
【発明の効果】本発明の水系印刷インキは、自己乳化性
共重合体の水系エマルジョンを用いているため、相分離
を起こさず、長期の経時安定性が良好である。また、あ
らゆる基材に対して印刷可能であり、密着性、顔料分散
性、再溶解性等も良好である。
【0074】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特
に断りのない限り、実施例、比較例中の「部」及び
「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味す
る。
【0075】〔自己乳化性共重合体の水系エマルジョン
の合成〕 実施例1 攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた反応器
に、ポリオールAを400部、DMBAを14.9部、
HEMAを9.1部、MHEを10.1部、MEKを5
6部仕込み、50℃にて溶解させた。次いで、HDIを
67.3部、DBTDLを0.05部仕込んだ後、75
℃にて赤外吸光度分析でイソシアネート基のピークが消
失するまで反応させた。その後、MEKを195部、I
PAを251部仕込み、固形分50.0%のメルカプト
基及び親水性極性基含有ウレタンプレポリマー溶液PA
−1を得た。このPA−1の数平均分子量は5,00
0、ケト基は含有してなく、固形分換算で、メルカプト
基含有量は0.26mmol/g、カルボン酸含有量は
0.20mmol/gであった。攪拌機、温度計、窒素
シール管、冷却器、滴下槽を取り付けた反応器(槽)の
滴下槽に、PA−1を30.0部、MMAを15.0
部、BAを11.6部、Stを3.8部、AAを2.2
部、DAAAを2.5部、AIBNを1.0部、MEK
を25部、IPAを25部仕込み、均一に混合した。一
方、反応槽には、PA−1を30.0部、MMAを1
5.0部、BAを11.5部、Stを3.7部、AAを
2.2部、DAAAを2.5部、MEKを10部、IP
Aを10部仕込み、均一に混合した。次いで、反応槽を
75℃に加温し、滴下槽内の混合液を5時間かけて滴下
させた。その後、更に同温度で4時間反応させた。その
後、TEAを6.8部仕込み、十分中和してから蒸留水
が228部及びADHが2.6部からなるヒドラジド水
を仕込み、乳化させた。その後、60℃×13.3kP
aにて、系中に存在しているMEK及びIPAを除去し
て、固形分30.1%の自己乳化性アクリル−ウレタン
共重合体の水系エマルジョンEA−1を得た。EA−1
の粘度は300mPa・s(25℃)、アクリル−ウレ
タン共重合体の数平均分子量は25,000、平均粒径
は75nm、固形分換算でケト基含有量は0.29mm
ol/g、カルボン酸塩含有量は0.67mmol/g
であった。
【0076】実施例2〜5、8、比較例1〜5 表1及び2に示す原料、仕込み比にて、反応温度等は実
施例1と同様にして自己乳化性アクリル−ウレタン共重
合体の水系エマルジョンEA−2〜5、8を、表3及び
4に示す原料、仕込み比にて、反応温度等は実施例1と
同様にして自己乳化性アクリル−ウレタン共重合体、自
己乳化性アクリル樹脂、自己乳化性ウレタン樹脂の水系
エマルジョンEB−2〜5を得た。なお、EB−1はラ
ジカル重合時にゲル化して得られなかった。実施例2〜
5、8、比較例1〜5における仕込み時の滴下槽、反応
槽の仕込み原料を以下に示す。 実施例2、比較例1: 滴下槽→ウレタンプレポリマー、エチレン性不飽和モノ
マー、ラジカル重合開始剤、溶剤 反応槽→ウレタンプレポリマー、エチレン性不飽和モノ
マー、溶剤 実施例3、4: 滴下槽→エチレン性不飽和モノマー、ラジカル重合開始
剤、溶剤 反応槽→ウレタンプレポリマー 実施例5、8: 滴下槽→ラジカル重合開始剤、溶剤 反応槽→ウレタンプレポリマー、エチレン性不飽和モノ
マー 比較例2: 滴下槽→エチレン性不飽和モノマー、ラジカル重合開始
剤、溶剤 反応槽→ウレタンプレポリマー、エチレン性不飽和モノ
マー、溶剤 比較例3 滴下槽→ラジカル重合開始剤、溶剤 反応槽→エチレン性不飽和モノマー、溶剤 比較例4、5 滴下槽→なし 反応槽→ウレタンプレポリマー
【0077】実施例6 攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた反応器
に、ポリオールEを400部、DMPAを13.4部、
MEKを212部仕込み、50℃にて溶解させた。次い
で、IPDIを88.9部、DBTDLを0.15部仕
込んだ後、75℃にて4時間反応させた。その後、ME
Aを15.4部、MEKを42部、IPAを254部仕
込んだ。その後、TEAを10.1部仕込み、固形分4
9.8%のメルカプト基及び親水性極性基含有ウレタン
プレポリマー溶液PA−5を得た。PA−5の数平均分
子量は5,000、ケト基は含有してなく、固形分換算
でメルカプト基含有量は0.39mmol/g、カルボ
ン酸塩含有量は0.19mmol/gであった。攪拌
機、温度計、窒素シール管、冷却器、滴下槽を取り付け
た反応器(槽)の滴下槽に、MMAを6.5部、BAを
15.0部、AAを2.5部、EHAを1.0部、AN
を10.0部、HEMAを5.0部、DAAAを5.0
部、AIBNを1.0部、MEKを25部、IPAを2
5部仕込み、均一に混合した。一方、反応槽には、PA
−5を20.0部、MMAを6.5部、BAを15.0
部、AAを2.5部、EHAを1.0部、ANを10.
0部、HEMAを5.0部、DAAAを5.0部、ME
Kを20部、IPAを20部仕込み、均一に混合した。
次いで、反応槽を75℃に加温し、滴下槽内の混合液を
5時間かけて滴下させた。その後、更に同温度で4時間
反応させた。その後、DMEAを6.4部仕込み、十分
中和してから蒸留水が235部及びGDHが4.7部か
らなるヒドラジド水を仕込み、乳化させた。その後、6
0℃×13.3kPaにて、系中に存在しているMEK
及びIPAを除去して、固形分29.9%の自己乳化性
アクリル−ウレタン共重合体の水系エマルジョンEA−
6を得た。EA−6の粘度は100mPa・s(25
℃)、アクリル−ウレタン共重合体の数平均分子量は3
0,000、平均粒径は110nm、固形分換算で、ケ
ト基含有量は0.59mmol/g、カルボン酸塩含有
量は0.71mmol/gであった。
【0078】実施例7 攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器、滴下槽を取り
付けた反応器(槽)の滴下槽に、MMAを13.0部、
BAを7.0部、AAを2.5部、DAAAを2.5
部、AIBNを1.0部、MEKを25部、IPAを2
5部仕込み、均一に混合した。一方、反応槽には、ポリ
オールFを37.3部、DMBAを1.4部、MHEを
1.0部、HMKを1.7部、HEMAを0.8部、M
MAを13.0部、BAを7.0部、AAを2.5部、
DAAAを2.5部、MEKを25部、IPAを25部
仕込み、50℃にて溶解させた。次いで、HDIを7.
8部仕込んだ後、75℃に加温し、滴下槽内の混合液を
5時間かけて滴下し、更に同温度で3時間かけて、ウレ
タン化反応とラジカル共重合反応を同時に行った。赤外
吸光度分析でイソシアネート基が存在しないのを確認し
た後、DMEAを6.6部仕込んだ。十分中和してから
蒸留水が235部及びADHが3.0部からなるヒドラ
ジド水を仕込み、乳化させた。その後、60℃×13.
3kPaにて、系中に存在しているMEK及びIPAを
除去して、固形分30.2%の自己乳化性アクリル−ウ
レタン共重合体の水系エマルジョンEA−7を得た。E
A−7の粘度は700mPa・s(25℃)、アクリル
−ウレタン共重合体の数平均分子量は27,000、平
均粒径は40nm、固形分換算で、ケト基含有量は0.
34mmol/g、カルボン酸塩含有量は0.74mm
ol/gであった。
【0079】実施例1〜8、比較例1〜5の合成結果を
表1〜4に示す。なお、表1及び表2の実施例7は、ウ
レタンプレポリマーを製造していないが、便宜上ウレタ
ン成分の仕込み量等をかっこ書きで示した。比較例1
は、ウレタンプレポリマーとエチレン性不飽和モノマー
をラジカル共重合させたところゲル化したため、以後の
工程を省略した。比較例2のEB−2の数平均分子量を
測定したところ、2つの分子量分布が測定されたので、
それぞれの分布の数平均分子量を記載した。これは、反
応系中にメルカプト基がないために、ウレタンプレポリ
マーがほとんど連鎖移動せず、そのため、いわゆるアク
リル樹脂とポリウレタン樹脂のブレンド状態に近くなっ
たためと考えられる。比較例3は、自己乳化性アクリル
エマルジョンを製造した。比較例4、5は、自己乳化性
ウレタンエマルジョンを製造した。なお、表3では、便
宜上、ウレタンプレポリマー溶液と表記した。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】表1〜4において、 ポリオールA:エチレングリコールを開始剤としたポリ
カプロラクトンジオール(数平均分子量2,000) ポリオールB:エチレングリコール/ネオペンチルグリ
コール=8/2(モル比)の混合グリコールと、アジピ
ン酸/イソフタル酸=5/5(モル比)混合ジカルボン
酸から得られるポリエステルジオール(数平均分子量
2,000) ポリオールC:ダイマー酸と1,6−ヘキサンジオール
から得られるダイマー酸系ジオール(数平均分子量2,
000) ポリオールD:3−メチル−1,5−ペンタンジオール
とアジピン酸から得られるポリエステルジオール(数平
均分子量2,000) ポリオールE:1,6−ヘキサンジオール/ネオペンチ
ルグリコール=8/2(モル比)の混合グリコールとア
ジピン酸から得られるポリエステルジオール(数平均分
子量2,000) ポリオールF:1,6−ヘキサンジオールとジエチルカ
ーボネートから得られるポリカーボネートジオール(数
平均分子量2,000)/エチレングリコールを開始剤
としたポリカプロラクトンジオール(数平均分子量2,
000)=8/2(重量比)のエステル交換品(数平均
分子量2,000) DMBA :ジメチロールブタン酸 DMPA :ジメチロールプロピオン酸 MHE :2−メルカプト−1−ヒドロキシエタン TGL :チオグリセロール MEA :β−メルカプトエチルアミン HMK :ビス(ヒドロキシメチル)ケトン HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレート EtOH :エタノール HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート H6 −XDI:水素添加キシリレンジイソシアネート H12−MDI:水素添加ジフェニルメタンジイソシアネ
ート IPDI :イソホロンジイソシアネート DBTDL :ジブチルチンジラウレート TEA :トリエチルアミン DMEA :N,N−ジメチルエチルアミン MEK :メチルエチルケトン IPA :イソプロパノール MMA :メタクリル酸メチル BA :アクリル酸n−ブチル AA :アクリル酸 EHA :2−エチルヘキシルアクリレート AN :アクリロニトリル St :スチレン CHMA :シクロヘキシルメタクリレート DAAA :ダイアセトンアクリルアミド AIBN :2,2′−アゾビスイソブチロニトリル BPO :ベンゾイルパーオキサイド ADH :アジピン酸ジヒドラジド GDH :グルタル酸ジヒドラジド
【0085】〔印刷インキ評価〕 実施例9 EA−1、顔料、及び溶剤を頑丈な容器に以下に示す割
合で配合し、配合量と同量のガラスビーズ(直径1〜
1.5mm)を仕込み、ペイントシェイカーにて3時間
分散させてインキ化し、水系インキを得た。この水系イ
ンキの顔料分散性、再溶解性、密着性、耐アルコール性
を評価した。結果を表5に示す。 インキ配合処方 EA−1(固形分換算) 18.0部 フタロシアニンブルー 12.0部 水 65.0部 IPA 5.0部
【0086】(1)顔料分散性 つぶゲージ(25μm)を用いて、つぶゲージの溝に調
製した水系インキを注ぎ、スクレーパーにて約1秒かけ
てしごぎ、密集したつぶが現れ始めた箇所の目盛りを読
み取って、顔料分散性を評価した。なお、「密集したつ
ぶが現れ始めた箇所」の判定は、JIS K−5400
(1990)の分布図法による分散度の測定方法に従っ
た。 (2)再溶解性 ブリキ板に水系インキをバーコーターNo.4を用いて
印刷し、塗布後、1、2、3、5分後に、インキ塗布面
に洗浄液をかけ、水系インキの再溶解性を評価した。 評価 ◎:塗布後、5分経過してもインキが溶解する。(流れ落ちる) ○:塗布後、5分経過したらインキは溶解しないが、3分経過では溶解 する。 △:塗布後、3分経過したらインキは溶解しないが、2分経過では溶解 する。 ×:塗布後、1分経過したらインキは溶解しない。 (3)密着性 ブリキ板に水系インキをバーコーターNo.4を用い
て、厚さ15μmのコロナ放電処理延伸ポリプロピレン
フィルムの放電処理面、厚さ15μmのコロナ放電処理
ポリエチレンテレフタレートフィルムの放電処理面、厚
さ15μmのコロナ放電処理ナイロンフィルムの放電処
理面に塗布し、1日放置後、印刷面にセロハンテープを
貼り付け、これを急速に剥がした。 評価 ◎:印刷被膜が90%以上残存した。 ○:印刷被膜が70%以上90%未満残存した。 △:印刷被膜が50%以上70%未満残存した。 ×:印刷被膜が50%未満しか残存しなかった。 (4)耐アルコール性 厚さ15μmのコロナ放電処理ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの放電処理面に水系インキをバーコーター
No.4を用いて塗布し、1日放置後、エタノールをし
み込ませた脱脂綿でラビングし、ベースフィルムが露出
するまでのストローク数で評価した。
【0087】実施例10〜16、比較例6〜9 実施例9におけるEA−1をEA−2〜8、EB−2〜
5に置き換えること以外は、実施例9と同様の方法で水
系インキを調製し、同様に評価した。結果を表5に示
す。
【0088】
【表5】
【0089】表5において、 OPP:コロナ放電処理延伸ポリプロピレンフィルム PET:コロナ放電処理ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム NY :コロナ放電処理ナイロンフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹原 俊昭 神奈川県横浜市瀬谷区本郷3−42−16 (72)発明者 杉本 和也 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田4−1−10− 506 Fターム(参考) 4J002 BG071 CH052 CK021 CK031 CK041 CK051 EA016 EA046 EB026 EB046 EC036 ED026 ED036 ED056 ED066 EE016 EE026 EE036 EH076 EH106 EL016 EL026 EL066 EP016 EQ027 ET006 EU026 EU046 EV096 GH00 4J026 AA76 AB02 AB03 AC22 AC23 AC26 AC33 AC35 BA05 BA08 BA09 BA10 BA12 BA14 BA16 BA19 BA20 BA25 BA27 BA29 BA30 BA31 BA32 BA34 BA35 BA36 BA39 BA40 BA50 BB01 BB02 BB09 DB12 DB15 DB26 DB32 EA10 FA04 GA08 GA09 4J034 CA02 CA04 CA05 CA13 CA15 CA22 CA24 CA25 CA32 CB03 CB04 CB05 CB07 CB08 CC03 CC12 CC61 CC65 CD07 CD09 DA01 DA05 DB01 DB03 DB07 DF02 DF11 DF12 DF16 DF17 DF20 DF21 DF22 DF32 DF33 DG02 DG03 DG04 DG06 DG08 DG09 DG14 DG15 DG16 DG22 DG29 DH02 DH06 DH09 DH10 DJ08 DJ09 DK00 DL01 DP17 DP18 EA11 EA12 EA14 EA18 FA01 FA02 FA04 FB01 FB02 FB03 FB04 FC01 FC03 FD01 FD03 FE01 FE02 FE04 FE06 GA05 GA06 GA23 GA33 GA48 GA62 GA74 HA01 HA02 HA06 HA07 HB05 HB06 HB08 HB11 HB12 HC03 HC09 HC12 HC13 HC17 HC22 HC25 HC26 HC34 HC35 HC44 HC46 HC52 HC61 HC63 HC64 HC67 HC70 HC71 HC73 KA01 KB02 KB04 KD06 LA04 LA13 LA16 LA22 LA33 LA36

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性極性基含有エチレン性不飽和モノ
    マーとメルカプト基含有ウレタンプレポリマーとをラジ
    カル重合により結合した自己乳化性共重合体を樹脂成分
    として含有する水系エマルジョンからなること、を特徴
    とする水系印刷インキ。
  2. 【請求項2】 エチレン性不飽和モノマーとメルカプト
    基及び親水性極性基含有ウレタンプレポリマーとをラジ
    カル重合により結合した自己乳化性共重合体を樹脂成分
    として含有する水系エマルジョンからなること、を特徴
    とする水系印刷インキ。
  3. 【請求項3】 エチレン性不飽和モノマーと有機ポリイ
    ソシアネートとメルカプト基及び活性水素基を含有する
    化合物と親水性極性基及び活性水素基を含有する化合物
    とをウレタン化反応及びラジカル重合により結合した自
    己乳化性共重合体を樹脂成分として含有する水系エマル
    ジョンからなること、を特徴とする水系印刷インキ。
  4. 【請求項4】 前記エチレン性不飽和モノマーが、親水
    性極性基含有エチレン性不飽和モノマーを少なくとも含
    有するエチレン性不飽和モノマーである、請求項2又は
    3に記載の水系印刷インキ。
  5. 【請求項5】 前記エチレン性不飽和モノマーが、ケト
    基あるいはアルデヒド基含有エチレン性不飽和モノマー
    を少なくとも含有するエチレン性不飽和モノマーであ
    る、請求項2又は3に記載の水系印刷インキ。
  6. 【請求項6】 前記メルカプト基及び親水性極性基含有
    ウレタンプレポリマーが、メルカプト基及び親水性極性
    基以外に更にエチレン性不飽和二重結合を含有するウレ
    タンプレポリマーである、請求項2、4又は5に記載の
    水系印刷インキ。
  7. 【請求項7】 前記メルカプト基及び親水性極性基含有
    ウレタンプレポリマーが、メルカプト基及び親水性極性
    基以外に更にケト基あるいはアルデヒド基を含有するウ
    レタンプレポリマー、又は、メルカプト基、親水性極性
    基及びエチレン性不飽和二重結合以外に更にケト基ある
    いはアルデヒド基を含有するウレタンプレポリマーであ
    る、請求項2、4又は5に記載の水系印刷インキ。
  8. 【請求項8】 請求項5、6又は7に記載の水系印刷イ
    ンキと、多官能ヒドラジド化合物からなること、を特徴
    とする水系印刷インキ。
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