JP2000344811A - 不飽和基含有カルボン酸樹脂、樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

不飽和基含有カルボン酸樹脂、樹脂組成物及びその硬化物

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JP2000344811A
JP2000344811A JP11154133A JP15413399A JP2000344811A JP 2000344811 A JP2000344811 A JP 2000344811A JP 11154133 A JP11154133 A JP 11154133A JP 15413399 A JP15413399 A JP 15413399A JP 2000344811 A JP2000344811 A JP 2000344811A
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meth
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epoxy resin
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Takao Koyanagi
敬夫 小柳
Satoru Mori
哲 森
Yuichiro Matsuo
雄一朗 松尾
Minoru Yokoshima
実 横島
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】希アルカリ水溶液で現像が可能で、得られた硬
化物は、無電解金メッキ耐性、難燃性に優れ、密着性、
半田耐熱性も十分に満足する樹脂組成物を提供し得る新
規樹脂の開発。 【解決手段】1分子中に少なくとも1個の水酸基と少な
くとも1個の不飽和基を有する化合物(a)とジヒドロ
−3−〔(6−オキシド−6H−ジベンツ〔c,e〕
〔1,2〕オキサフォスフォリン−6−イル)メチル〕
−2,5−フランジオン(b)と任意成分として(b)
成分以外の多塩基酸無水物(b’)との反応物である不
飽和基含有カルボン酸樹脂(A)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希アルカリ水溶液
での現像が可能で、密着性、半田耐熱性、無電解金メッ
キ耐性及び難燃性等に優れた硬化物を与える、プリント
配線板製造の際のソルダーレジストや無電解メッキレジ
スト等に使用できる、樹脂組成物及びその硬化物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省資源、省エネルギー、作業性向
上、生産性向上などの理由により各種分野において紫外
線硬化型組成物が多用されてきている。プリント配線板
加工分野においても同様の理由によりソルダーレジスト
インキ、マーキングインキなど種々のインキが従来の熱
硬化型組成物から紫外線硬化型組成物へと移行した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】プリント配線基板のレ
ジストパターン形成法には、スクリーン印刷法が多く用
いられてきたが、かかるスクリーン印刷によるときに、
多くの場合、印刷時のブリード、にじみ、或いは、ダレ
といった現像が発生し、これがために最近のプリント配
線板の高密度化、部品の表面実装化に対応しきれなくな
っている。
【0004】こうした課題を解決するために、ドライフ
ィルム型のフォトレジストや液状フォトソルダーレジス
トが開発されている。ドライフィルム型のフォトレジス
トの場合、熱圧着の際に気泡を生じ易く、耐熱性や密着
性にも不安があり、また高価格であるなどの問題があ
る。一方、液状フォトソルダーレジストとしては、例え
ば、特開昭60−208337号公報、特開昭61−5
9477号公報には、ノボラック型エポキシ樹脂のアク
リル酸との部分反応物を主体とするソルダーレジストイ
ンキ組成物が提案されている。しかしながら、これらの
インキ組成物は、いずれも、現像時に1,1,1−トリ
クロロエタン、トリクロルエチレン、トルエン、シクロ
ヘキサノン等の有機溶剤を使用しなければならないた
め、作業環境や経済性の点で問題があった。又、これら
有機溶剤による問題を解決するために希アルカリ水溶液
で現像できるものが提案されている。例えば特公平1−
54390号公報にはノボラック型エポキシ樹脂とアル
カリ酸の反応物と多塩基酸無水物の反応生成物を主体と
するレジストインキ組成物が開示されている。しかしな
がら、このレジストキインキ組成物は、その硬化物の無
電解金メッキ耐性が不十分であり、又難燃性への対応が
なされていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究した結果、特定の不飽和基含
有カルボン酸樹脂を使用することにより、希アルカリ水
溶液での現像性に優れ、その硬化皮膜の密着性、半田耐
熱性、無電解金メッキ耐性及び難燃性にも優れたプリン
ト配線基板のレジストに好適に用いることができる樹脂
組成物及びその硬化物を提供することに成功した。即
ち、本発明は、
【0006】1.1分子中に少なくとも1個の水酸基と
少なくとも1個の不飽和基を有する化合物(a)とジヒ
ドロ−3−〔(6−オキシド−6H−ジベンツ〔c,
e〕〔1,2〕オキサフォスフォリン−6−イル)メチ
ル〕−2,5−フランジオン(b)と任意成分として
(b)成分以外の多塩基酸無水物(b’)との反応物で
ある不飽和基含有カルボン酸樹脂(A)、 2.1項記載の化合物(a)がエポキシ化合物(a−
1)と不飽和基含有モノカルボン酸(a−2)の反応物
(I)である1項記載の不飽和基含有カルボン酸樹脂
(A)、 3.2項記載のエポキシ化合物(a−1)がビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ
樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂から選択
された1種又は2種以上のエポキシ樹脂である1項また
は2項記載の不飽和基含有カルボン酸樹脂(A)、 4.1項ないし3項のいずれか1項に記載の不飽和基含
有カルボン酸樹脂(A)を含有することを特徴とする樹
脂組成物、 5.光重合開始剤(B)、希釈剤(C)及び硬化成分
(D)を含有する4項記載の樹脂組成物、 6.4項または5項記載の樹脂組成物の硬化物、に関す
る。
【0007】本発明の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂
(A)は、1分子中に少なくとも1個の水酸基と少なく
とも1個の不飽和基を有する化合物(a)とジヒドロ−
3−〔(6−オキシド−6H−ジベンツ〔c,e〕
〔1,2〕オキサフォスフォリン−6−イル)メチル〕
−2,5−フランジオン(b)と任意成分として(b)
成分以外の多塩基酸無水物(b’)を反応させたもので
ある。
【0008】1分子中に少なくとも1個の水酸基と少な
くとも1個の不飽和基を有する化合物(a)としては、
例えば多価アルコールと(メタ)アクリル酸の反応物、
エポキシ化合物(a−1)と不飽和基含有モノカルボン
酸(a−2)の反応物(I)等があげられる。
【0009】多価アルコールと(メタ)アクリル酸の反
応物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノ(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートのε−カプロラクトン反応物、トリメチロール
プロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート等があげられる。
【0010】反応物(I)の合成に使用するエポキシ化
合物(a−1)としては、例えば1官能性エポキシ化合
物(a−1−)、多官能性脂肪族系エポキシ化合物
(a−1−)、多官能性芳香族系エポキシ化合物(a
−1−)、該多官能性芳香族系エポキシ化合物(a−
1−)と1分子中に少なくとも2個以上の水酸基とエ
ポキシ基と反応する水酸基以外の1個の反応基(例えば
カルボン酸基、2級アミノ基等)を有する化合物との反
応物であるエポキシ化合物(a−1−’)等があげら
れる。1分子中に少なくとも2個以上の水酸基とエポキ
シ基と反応する水酸基以外の1個の反応基を有する化合
物としては、例えばジメチロールプロピオン酸、ジメチ
ロール酢酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、
ジメチロールカプロン酸等のポリヒドロキシ含有モノカ
ルボン酸類、ジエタノールアミン、ジイソプロパノール
アミン等のジアルカノールアミン類等があげられる。
【0011】1官能性エポキシ化合物(a−1−)と
しては、例えばフェニルグリシジルエーテル、p−メチ
ルフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジル
エーテル、グリシドール等があげられる。
【0012】多官能性脂肪族系エポキシ化合物(a−1
−)としては、例えばグリセリンジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメ
チロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノ
ールAポリプロポキシレートジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等があ
げられる。
【0013】多官能性芳香族系エポキシ化合物(a−1
−)としては、例えばビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタ
ン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェ
ニル骨格とフェノール骨格を有する多官能性エポキシ樹
脂等があげられる。
【0014】ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、
例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェ
ノールSおよびテトラブロムビスフェノールAなどのビ
スフェノール類とエピクロルヒドリンおよび/またはメ
チルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるもの
や、ビスフェノールAやビスフェノールFのジグリシジ
ルエーテルと前記、ビスフェノール類の縮合物とエピク
ロルヒドリンおよび/またはメチルピクロルヒドリンと
を反応させ得られるもの等があげられ、市販品として
は、例えば油化シエルエポキシ(株)製、エピコート1
001、エピコート1002、エピコート1004;東
都化成(株)製、エポトートYD−011、エポトート
YD−012、エポトートYDF−2001、エポトー
トYDF−2004等があげられる。
【0015】ノボラック型エポキシ樹脂としては、例え
ばフェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール及び
アルキルフェノールなどのフェノール類とホルムアルデ
ヒドとを酸性触媒下で反応して得られるノボラック類と
エピクロルヒドリンおよび/またはメチルエピクロルヒ
ドリンとを反応させて得られるもの等があげられ、市販
品としては、例えば日本化薬(株)製、EOCN−10
3S、EOCN−104S、EOCN−1020、EO
CN−1027、EPPN−201、BREN−S:大
日本インキ化学工業(株)製、N−730、N−77
0、N−865、N−665、N−673、VH−41
50等があげられる。
【0016】トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂と
しては、例えばトリスフェノールメタン、トリスクレゾ
ールメタン等とエピクロルヒドリンおよび/またはメチ
ルエピクロルヒドリンを反応させて得られるもの等があ
げられ、市販品としては、例えば日本化薬(株)製、E
PPN−501、EPPN−502等があげられる。
【0017】ビフェニル型エポキシ樹脂としては、例え
ばビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチルビ
フェノール等とエピクロルヒドリンおよび/またはメチ
ルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるもの等が
あげられ、市販品としては、例えば油化シエルエポキシ
(株)製、YX−4000等があげられる。
【0018】ビフェニル骨格とフェノール骨格を有する
多官能性エポキシ樹脂としては、例えば日本化薬(株)
製、NC−3000P等があげられる。
【0019】反応物(I)の合成に使用する不飽和基含
有モノカルボン酸(a−2)としては、例えばアクリル
酸、アクリル酸の2量体、メタクリル酸、β−スチリル
アクリル酸、β−フルフリルアクリル酸,クロトン酸、
α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、および飽和又は不飽和二塩
基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)
アクリレート類との等モル反応物である半エステル類、
飽和または不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジ
ル化合物との反応物である半エステル類、飽和または不
飽和二塩基酸と不飽和基含有エポキシ化合物とを等モル
比で反応させて得られる半エステル類等があげられる。
【0020】飽和又は不飽和二塩基酸無水物としては、
例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、メチルエンドメチ
レンテトラヒドロ無水フタル酸、ジヒドロ−3−〔(6
−オキシド−6H−ジベンツ〔c,e〕〔1,2〕オキ
サフォスフォリン−6−イル)メチル〕−2,5−フラ
ンジオン等があげられる。
【0021】1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)
アクリレート類としては、例えばヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グ
リセリンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−フェニルプロピル(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等
があげられる。
【0022】飽和または不飽和二塩基酸としては、例え
ばコハク酸、アジピン酸、イソフタル酸、イタコン酸等
があげられる。
【0023】不飽和基含有エポキシ化合物としては、例
えばグリシジル(メタ)アクリレート、下記式で表され
るエポキシ化合物等の(メタ)アクリレート基を有する
エポキシ基化合物があげられる。
【0024】
【化1】
【0025】特に好ましいエポキシ化合物(a−1)と
しては、例えばビスフェノールAの誘導体であるビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFの誘導体
であるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型
エポキシ樹脂、フェノールの誘導体であるフェノール・
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールの誘導体である
クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノ
ールメタン型エポキシ樹脂等があげられ、特に好ましい
不飽和基含有モノカルボン酸(a−2)としては、例え
ばアクリル酸等があげられる。〕
【0026】反応物(I)の合成反応は、エポキシ化合
物(a−1)のエポキシ1当量に対して、不飽和基含有
モノカルボン酸(a−2)を0.4〜1.1モルとなる
比で反応させるのが好ましく、特に好ましくは、約0.
9〜1.05モルとなる比で反応させる。
【0027】反応時に希釈剤として、エチルメチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン類、トルエン、キシ
レン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、
ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテ
ル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセ
テート、カルビトールアセテートなどのエステル類、オ
クタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、
石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの
石油系溶剤等の有機溶剤類、又はカルビトール(メタ)
アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト等の反応性単量体類を使用するのが好ましい。
【0028】更に、反応を促進させるためる触媒を使用
するのが好ましい。触媒としては、例えばトリエチルア
ミン、ベンジルジメチルアミン、メチルトリエチルアン
モニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウム
ブロマイド、トリフェニルフォスフィン、トリフェニル
スチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム
等があげられる。該触媒の使用量は、反応原料混合物に
対して好ましくは0.1〜10重量%である。また、反
応中の重合を防止するために、重合防止剤を使用するの
が好ましい。重合防止剤としては、例えばハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチル
エーテル、カテコール、ピロガロール等があげられる。
その使用量は、反応原料混合物に対して、好ましくは
0.01〜1重量%である。反応温度は、好ましくは6
0〜150℃である。又、反応時間は、好ましくは5〜
60時間である。
【0029】次に、反応物(I)とジヒドロ−3−
〔(6−オキシド−6H−ジベンツ〔c,e〕〔1,
2〕オキサフォスフォリン−6−イル)メチル〕−2,
5−ブランジオン(b)と任意成分として(b)成分以
外の多塩基酸無水物(b’)を反応させる。この反応
は、前記反応物(I)中の水酸基に対して、水酸基1当
量あたり前記の(b)+(b’)成分の総量の無水物基
を0.1〜1.0当量反応させるのが好ましい。反応温
度は60〜150℃が好ましい。反応時間は、1〜10
時間が好ましい。(b)及び(b’)の使用割合は
(b)+(b’)成分の総量を1当量とした場合、
(b)成分は、0.1〜1.0当量が好ましく、
(b’)成分は0〜0.9当量が好ましい。
【0030】ここで使用するジヒドロ−3−〔(6−オ
キシド−6H−ジベンツ〔c,e〕〔1,2〕オキサフ
ォスフォリン−6−イル)メチル〕−2,5−ブランジ
オン(b)は、例えば(株)三光開発科学研究所より、
品名 M−Acid−AHとして市販されている。その
構造式は下記の通りである。
【0031】
【化2】
【0032】ここで使用する(b)成分以外の多塩基酸
無水物(b’)としては、例えば無水マレイン酸、無水
コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレ
ンテトラヒドロ無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸等があげられる。
【0033】このようにして得られた不飽和基含有カル
ボン酸樹脂(A)の酸価(mgKOH/g)は30〜1
10が好ましく、特に好ましくは、60〜100であ
る。
【0034】本発明の組成物に含まれる不飽和基含有カ
ルボン酸樹脂(A)の量は組成物中10〜80重量%が
好ましく、特に15〜60重量%が好ましい。
【0035】次に、光重合開始剤(B)としては、例え
ばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
イソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノ
ン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4
−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロ
パン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノ
ン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、
2−t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、
2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサ
ントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチ
オキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベ
ンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノ
ン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4
−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等
のベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニルホスフィンオキサイド等があげられ、単独
あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
【0036】組み合わせて使用する場合、好ましい組合
せはとしては、例えば2−メチル−1−〔4−(メチル
チオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−
オン(チバ・スペシャリティ−ケミカル社製、イルガキ
ュアー907)と2,4−ジエチルチオキサントン(日
本化薬(株)製、カヤキュアーDETX)や2−イソプ
ロピルチオキサントン、4−ベンゾイル−4’−メチル
ジフェニルサルファイドとの組合せ等である。
【0037】さらに、係る光重合開始剤(B)には、
N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,
N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペン
チル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルア
ミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類の様な光
増感剤を単独あるいは2種以上を組合せて用いることが
できる。
【0038】光重合開始剤(B)使用割合は、本発明の
組成物中、0.5〜20重量%が好ましく、特に好まし
くは1〜10重量%である。
【0039】希釈剤(C)としては、例えば有機溶剤お
よび/または光重合性モノマーが使用できる。有機溶剤
の代表的なものとしては、例えばエチルメチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、
テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブ
チルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、
ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテ
ル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセ
テート、カルビトールアセテート等のエステル類、エタ
ノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコールなどのアルコール類、オクタン、デカンな
どの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添
石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げ
ることがてきる。
【0040】一方、光重合性モノマーの代表的なものと
しては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、エチレ
ングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール等のグリコールのモノ又はジ(メ
タ)アクリレート類、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)
アクリレート類、ヘキサンジオール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロ
パン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエ
チルイソシアヌレート等の多価アルコール、又はこれら
のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付
加物の多価アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)
アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メ
タ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキサイ
ドあるいはプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アク
リレート類、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメ
チロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシ
ジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの(メ
タ)アクリレート類、及びメラミン(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル基を有するモノマーを挙げるこ
とができる。
【0041】前記の希釈剤(C)は、単独または2種以
上の混合物として用いられ、本発明の組成物に含まれる
希釈剤(C)の量は組成物中、5〜80重量%が好まし
く、特に好ましくは10〜70重量%である。
【0042】前記、希釈剤(C)の使用目的は、光重合
性モノマーの場合は、(A)成分を希釈し、塗布しやす
い状態にすると共に、光重合性を増強するものであり、
有機溶剤の場合は、(A)成分を溶解し希釈せしめ、そ
れによって液状として塗布し、次いで乾燥させることに
より造膜せしめるためである。従って、本発明の樹脂組
成物をレジストインキ組成物として用いる場合、用いる
希釈剤に応じてフォトマスクを塗膜に接触させる接触方
式あるいは非接触方式のいずれかの露光方式が用いられ
る。
【0043】本発明の樹脂組成物では硬化成分(D)を
使用する。その使用目的は、本発明の樹脂組成物をレジ
ストインキ組成物として用いる場合、密着性、耐熱性、
耐メッキ性等のソルダーレジストとしての諸特性を向上
させるためである。硬化成分(D)としては、不飽和二
重合結合を有しないものでそれ自身が熱や紫外線等によ
って硬化するものや、本発明の組成物中の主成分である
(A)成分の水酸基やカルボキシル基等と熱や紫外線等
で反応するものでも良い。
【0044】具体的には、例えばヘキサメトキシメラミ
ン、ヘキサブトキシ化メラミン、縮合ヘキサメトキシメ
ラミン等のメラミン誘導体、ジメチロール尿素等の尿素
化合物、テトラメチロール・ビスフェノールA等のビス
フェノールA系化合物、オキサゾリン化合物、1分子中
に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物等を挙
げることができる。
【0045】1分子中に1個以上のエポキシ基を有する
エポキシ化合物としては、例えば油化シェルエポキシ
(株)製のエピコート1001、1002、1004、
1009、大日本インキ化学工業(株)製のエピクロン
N−3050、N−7050等のビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、東都化成(株)製のST−2004、ST
−2007等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
東都化成(株)製のYDF−2004、YDF−200
7等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、日本化薬
(株)製のEPPN−201、EOCN−102S、E
OCN−103S、EOCN−1020、BREN等の
ノボラック型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業
(株)製のエピクロンN−880等のビスフェノールA
のノボラック型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ
(株)製のYL−931、YL−933等のアミノ基含
有エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製のTS
R−601等のゴム変性エポキシ樹脂、日本化薬(株)
製のEBPS−200、大日本インキ化学工業(株)製
のエピクロンEXA−1514等のビスフェノールS型
エポキシ樹脂、日本油脂(株)製のブレンマーDGT等
のジグリシジルテレフタレート、日産化学(株)製のT
EPIC等のトリグリシジルイソシアヌレート、油化シ
ェルエポキシ(株)製のYX−4000等のビキシレノ
ール型エポキシ樹脂、油化シエルエポキシ(株)製のY
L−6056等のビフェノール型エポキシ樹脂、ダイセ
ル化学工業(株)製のセロキサイド2021等の脂環式
エポキシ樹脂等があげられる。
【0046】前記の硬化成分(D)は、単独または2種
以上の混合物として用いられ、その使用割合は、組成物
中、1〜50重量%が好ましく、特に好ましくは3〜4
5重量%である。
【0047】前記硬化成分(D)の中でエポキシ化合物
を使用する場合には、密着性、耐薬品、耐熱性等の特性
をより一層向上するためにエポキシ樹脂硬化剤を併用す
ることが好ましい。エポキシ樹脂硬化剤の使用量は、前
記エポキシ化合物100重量部に対して、0.01〜2
5重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜15重量
部である。
【0048】エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、四
国化成工業(株)製、2MZ、2E4MZ、C11 Z、
17Z、2PZ、1B2MZ、2MZ−CN、2E4M
Z−CN、C11Z−CN、2PZ−CN、2PHZ−C
N、2MZ−CNS、2E4MZ−CNS、2PZ−C
NS、2MZ−AZ1NE、2E4MZ−A、Z1N
E、C11 Z−AZ1NE、2MA−OK、2P4MH
Z、2PHZ、2P4BHZ等のイミダゾール誘導体:
アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン
類:ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミ
ン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフ
ォン、ジシアンジアミド、尿素、メラミン、多塩基ヒド
ラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩および/ま
たはエポキシアダクト:三フッ化ホウ素のアミン錯体:
エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−
S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S
−トリアジン等のトリアジン誘導体類:トリメチルアミ
ン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチル
アミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−
メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テ
トラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等の三級
アミン類:ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノー
ル臭素化物、フェノール・ノボラック、アルキルフェノ
ールノボラック等のポリフェノール類:トリブチルホス
フィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノ
エチルホスフィン等の有機ホスフィン類:トリ−n−ブ
チル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブ
ロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロラ
イド等のホスホニウム塩類:ベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムク
ロライド等の4級アンモニウム塩類:前記多塩基酸無水
物:ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネー
ト、旭電化(株)製、オプトマーSP−170等の光カ
チオン重合触媒等の硬化剤類あるいは硬化促進剤類を単
独または2種以上混合して用いる。
【0049】本発明の組成物は、密着性、硬度などの特
性を向上する目的で、更に必要に応じて、硫酸バリウ
ム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸ケイ
素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸アルミニ
ウム、雲母粉等の無機充填剤が使用できる。その使用量
は、本発明の組成物中の0〜60重量%が好ましく、特
に好ましくは5〜40重量%である。
【0050】更に、必要に応じて、フタロシアニン・ブ
ルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリー
ン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化
チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの
着色剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノ
チアジン等の公知慣用の重合禁止剤、オルベン、ベント
ン、モンモリロナイト等の増粘剤、シリコーン系、フッ
素系、高分子系等の消泡剤および/または、レベリング
剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、
シランカップリング剤等の密着性付与剤のような添加剤
類を用いることができる。
【0051】又、アクリル酸エステル類などのエチレン
性不飽和化合物の共重合体類や、多価アルコール類と多
塩基酸化合物から合成されるポリエステル樹脂等の公知
慣用のバインダー樹脂およびポリエステル(メタ)アク
リレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキ
シ(メタ)アクリレート等の光重合性(メタ)アクリレ
ートオリゴマー類もソルダーレジストとしての諸特性に
影響を及ぼさない範囲で用いることができる。
【0052】又、本発明の組成物の引火性の低下のため
に水を添加することもできる。水を添加する場合には、
(A)成分のカルボキシル基をトリメチルアミン、トリ
エチルアミン等のアミン類、N,N−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イ
ソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールア
クリルアミド等の3級アミノ基を有する(メタ)アクリ
レート化合物で造塩することにより(A)成分を水に溶
解するようにすることが好ましい。
【0053】本発明の組成物は、配合成分を好ましくは
前記の割合で配合し、ロールミル等で均一に混合するこ
とにより得られる。
【0054】本発明の樹脂組成物は、例えば、レジスト
インキ組成物として用いる場合、次のようにして硬化
し、硬化物を得る。即ち、プリント配線板に、スクリー
ン印刷法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法、
カーテンコート法等の方法により10〜160μmの膜
厚で本発明の組成物を塗布し、塗膜を60℃〜110℃
で乾燥させた後、ネガフィルムを塗膜に直接に接触させ
(又は、接触しない状態で塗膜の上に置く。)、次いで
紫外線を照射し、未露光部分を希アルカリ水溶液(例え
ば、0.5〜2%炭酸ソーダ水溶液等)で溶解除去(現
像)した後、更に諸物性の向上のために、紫外線の照射
および/または加熱(例えば、100〜200℃で、
0.5〜1.0時間)によって十分な硬化を行い硬化皮
膜を得る。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例により更に具体的に説
明する。なお、実施例中の部は重量部である。
【0056】合成実施例1(不飽和基含有カルボン酸樹
脂(A)の合成実施例) クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
(株)製、EOCN−104S、軟化点92℃、エポキ
シ当量220)2200部(10当量)、アクリル酸7
20部(10モル)、メチルハイドロキノン2.2部、
エチル−3−エトキシプロピオネート1581部を仕込
み、90℃で加熱し攪拌し、混合物を溶解した。次いで
60℃まで冷却し、トリフェニルフォスフィン13.5
部を仕込み、100℃に加熱し,約32時間反応し、酸
価が0.5mgKOH/gの反応物(水酸基10当量)
を得た。次に、これにジヒドロ−3−〔(6−オキシド
−6H−ジベンツ〔c,e〕〔1,2〕オキサフォスフ
ォリン−6−イル)メチル〕−2.5−フランジオン2
900部(8.8モル)、テトラヒドロ無水フタル酸1
76部(1.16モル)及びエチル−3−エトキシプロ
ピオネート1656.3部を仕込み、95℃に加熱し、
約6時間反応し、冷却し、固形分の酸価が93mgKO
H/gの固形分の濃度65%の不飽和基含有カルボン酸
樹脂(A−1)を得た。
【0057】比較例のための合成例1 合成実施例1中のジヒドロ−3−〔(6−オキシド−6
H−ジベンツ〔c,e〕〔1,2〕オキサフォスフォリ
ン−6−イル)メチル〕−2,5−フランジオン290
0部の所をテトラヒドロ無水フタル酸1149部(7.
56モル)に変更し、エチル−3−エトキシプロピオネ
ート1656.3部を713.5部に変更した以外は、
合成実施例1と同様にして、固形分の酸価が93mgK
OH/gの固形分の濃度65%比較例のための不飽和基
含有カルボン酸樹脂を得た。
【0058】応用実施例1、比較例1 表1に示す配合組成(イ)及び(ロ)(数値は重量部で
ある)に従って各成分をそれぞれ別々に配合し、3本ロ
ールミルでそれぞれ別々に混練し、組成物(イ)250
gと(ロ)70gを調製し、次いで両者を均一に混合し
た。これをスクリーン印刷法により、100メッシュの
ポリエステルスクリーンを用いて20〜30μmの厚さ
になるように、パターン形成されている銅スルホールプ
リント配線基板に全面塗布し塗膜を85℃の熱風乾燥器
で60分間乾燥し、レジストパターンを有するネガフィ
ルムを塗膜に密着さて紫外線露光装置((株)オーク製
作所、型式HMW−680GW)を用いて、紫外線を照
射した(露光量350mJ/cm2)。次いで1%の炭
酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cm2
スプレー圧で現像し、未露光部分を溶解除去した。得ら
れたものの(現像性)について、後述のとおり評価を行
った。
【0059】その後、150℃の熱風乾燥器で40分加
熱硬化を行い、得られた硬化膜を有する試験片につい
て、後述のとおり密着性、半田耐熱性、無電解金メッキ
耐性及び燃焼性の試験を行った。但し燃焼性については
テスロンシートの上に前記と同様に調製した組成物を塗
布し、前記と同様にして得られた硬化膜をテフロンシー
トから剥離した硬化膜を用いた。それらの結果を表2を
示す。
【0060】 表1 (イ) (A)成分: 合成実施例1で得られた不飽和基含有カルボン酸樹脂(A−1)又は 比較例のための合成例1で得られた不飽和基含有カルボン酸樹脂 154部 (B)成分:イルガキュアー907 12部 カヤキュアーDETX−S 0.5部 (C)成分:カルビトールアセテート 5部 ソルベッソ150 5部 KAYARAD DPHA 10部 その他: フューズレックス 54.7部 アエロジル380 5部 フタロシアニングリーン(着色顔料) 1.8部 ジシアンジアミド(エポキシ硬化剤) 1.0部 −−−−−−−− 合計 250部 (ロ) (C)成分:KAYARAD DPHA 10部 カルビトールアセテート 10部 ソルベッソ150 5部 (D)成分:EOCN−104S 5部 TEPIC 20部 その他: 硫酸バリウム 20部 −−−−−−− 合計 70部
【0061】注) イルガキュアー907:チバ・ガイギー社製、光重合開
始剤、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニ
ル〕−2−モルホリノープロパン−1−オン カヤキュアーDETX−S:日本化薬(株)製、光重合
開始剤、2,4−ジエチルチオキサントン。 ソルベッソ150:エクソン化学工業(株)製、ソルベ
ントロフサ。 KAYARAD DPHA:日本化薬(株)製、ジペン
タエリスリトールヘキサ及びペンタアクリレート混合
物。 フューズレックス:龍森(株)製、溶融シリカ。 アエロジル380:日本アエロジル(株)製、無水シリ
カ。 EOCN−104S:日本化薬(株)製、o−クレゾー
ル・ノボラック型エポキシ樹脂。 TEPIC:日産化学(株)製、トリグリシジルエーテ
ルイソシアネート。
【0062】 表2 実施例1 比較例1 現像性 ○ ○ 密着性 ◎ ◎ 半田耐熱性 ポストフラックス耐性 ○ ○ レベラー用フラックス耐性 ○ ○ 無電解金メッキ耐性 ○ × 燃焼性 ○ ×
【0063】なお、試験方法及び評価方法は次のとおり
である。 (現像性):拡大鏡にて目視判定した。 ○・・・・現像時、完全にインキが除去され、現像でき
た。 ×・・・・現像時、少しでも残渣が残っており、現像さ
れない部分がある。 (密着性):JIS D 0202の試験方法に従って
硬化膜に碁盤目状にクロスカットを入れ、次いでセロハ
ンテープによるピーリングテスト後の剥がれの状態を目
視判定した。 ◎・・・・100/100で全く剥れのないもの ○・・・・100/100でクロスカット部が少し剥れ
たもの △・・・・ 50/100〜99/100 ×・・・・ 0/100〜49/100
【0064】(ポストフラックス耐性):JIS C
6481の試験方法に従って、260℃の半田浴への試
験片の10秒浸漬を3回行い、外観の変化を評価した。 ○・・・・外観変化なし △・・・・硬化膜の変色が認められるもの ×・・・・硬化膜の浮き、剥れ、半田潜りあり 注)使用したホストフラックス(ロジン系):JIS
C 6481に従ったフラックスを使用。 (レベラー用フラックス耐性):JIS C 6481
の試験方法に従って、260℃の半田浴への試験片の1
0秒浸漬を2回行い、煮沸水に10分浸漬後、外観の変
化を評価した。 ○・・・・外観変化なし △・・・・硬化膜の変色が認められるもの ×・・・・硬化膜の浮き、剥れ、半田潜りあり 注)使用したレベラー用フラックス:(株)メック製、
W−121
【0065】(無電解金メッキ耐性):パターン形成さ
れている銅スルホールプリント配線基板の銅面を表面処
理(表面研摩(石井表記(株)製、砥粒No.270を
使用してジェットスクラブ研摩)し、水洗、乾燥したも
の。)し、前記と同様にして、塗布→乾燥→露光→現像
→加熱し試験片を得た。この試験片を用いて下記の工程
のように無電解金メッキを行い、その試験片について外
観の変化およびセロテープを用いてピーリング試験を行
ないレジストの剥離状態を判定した。 ○・・・・外観変化もなく、レジストの剥離も全くな
い。 △・・・・外観の変化はないが、レジストにわずかに剥
れがある。 ×・・・・レジストの浮きが見られ、メッキ潜りが認め
られ、ピーリング試験でレジストの剥れが大きい。
【0066】無電解金メッキ工程は、下記の順序で行
う。 脱脂・水洗:試験片を30℃の酸性脱脂液((株)日
本マクダーミッド製、Metex L−5Bの20%V
ol水溶液に3分間、浸漬、その後流水中に試験片を浸
漬、3分間。 ソフトエッチ・水洗:14.3%wt、過硫酸アンモ
ン水溶液に室温で試験片を3分間、浸漬、その後流水中
に試験片を浸漬、3分間。 酸浸漬・水洗:10%Vol.硫酸水溶液に室温で試
験片を1分間、浸漬、その後流水中に試験片を浸漬、3
0秒〜1分間。 触媒付与・水洗:試験片を30℃の触媒液((株)メ
ルテックス製、メタルプレートアクチベーター350の
10%Vol.水溶液)に7分間、浸漬、その後流水中
に試験片を浸漬、3分間。 無電解ニッケルメッキ:試験片を85℃、pH4.6
のニッケルメッキ液((株)メルテックス製、メルプレ
ートNI−865M、20%VoI.水溶液)に20分
間、浸漬。 酸浸漬・水洗:10%Vol.硫酸水溶液に室温で試
験片を1分間、浸漬、その後流水中に試験片を浸漬、3
0秒〜1分間。 無電解金メッキ・水洗:試験片95℃、pH=6の金
メッキ液((株)メルテックス製、オウロレクトロレス
UP15%VoI.シアン化金カリウム3%VoI.水
溶液)に10分間、浸漬、その後流水中に試験片を浸
漬、3分間。 。湯洗・乾燥:60℃の温水に試験片を浸漬、3分
間、その後十分に水洗し、水を良くきり乾燥し無電解金
メッキした試験片を得る。
【0067】(燃焼性):前記、方法により得られた硬
化膜をライターを用いて燃焼させる。 ○・・・・燃焼しない又は、すぐに火が消える。 ×・・・・燃焼する。
【0068】表2の評価結果から明らかなように、本発
明の組成物及びその硬化物は、希アルカリ水溶液での現
像性が良好で、その硬化物は無電解金メッキ耐性に優
れ、難燃性に優れていることは明らかである。
【0069】
【発明の効果】本発明の新規な不飽和基含有カルボン酸
樹脂を用いた樹脂組成物は、パターンを形成したフィル
ムを通して紫外線を照射後未露光部分を現像する際の現
像性が良好で、得られた硬化物が無電解金メッキ耐性、
難燃性に優れ、さらに密着性、半田耐熱性等も十分に満
足するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 501 G03F 7/004 501 5E343 7/027 502 7/027 502 515 515 7/028 7/028 H05K 3/18 H05K 3/18 D 3/28 3/28 C Fターム(参考) 2H025 AA00 AA10 AA14 AB15 AC01 AD01 BC13 BC32 BC42 BC74 BC85 CA01 CA35 CC03 CC20 FA03 FA17 4J011 QA03 QA06 QA12 QA17 QA23 QB20 QB22 SA02 SA05 SA12 SA16 SA17 SA20 SA25 SA29 SA31 SA34 SA54 SA61 SA63 SA64 SA84 UA01 UA08 VA01 WA01 4J027 AB06 AB08 AB10 AB23 AB25 AE02 AE03 AE04 AE06 AE07 AJ08 BA02 BA06 BA08 BA13 BA14 BA19 BA20 BA23 BA24 BA26 BA29 CA14 CA16 CA18 CA22 CA29 CA34 CB03 CB10 CC02 CC04 CD10 4J036 AA01 AA02 AA04 AD01 AD07 AD08 AF01 AF03 AF06 AF08 CA19 CA21 CA22 HA02 JA08 JA09 JA10 5E314 AA27 AA32 CC01 FF01 GG10 GG11 GG14 GG26 5E343 AA07 BB23 BB24 BB44 CC63 DD33 EE33 ER12 GG01 GG18 GG20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1分子中に少なくとも1個の水酸基と少な
    くとも1個の不飽和基を有する化合物(a)とジヒドロ
    −3−〔(6−オキシド−6H−ジベンツ〔c,e〕
    〔1,2〕オキサフォスフォリン−6−イル)メチル〕
    −2,5−フランジオン(b)と任意成分として(b)
    成分以外の多塩基酸無水物(b’)との反応物である不
    飽和基含有カルボン酸樹脂(A)。
  2. 【請求項2】請求項1記載の化合物(a)がエポキシ化
    合物(a−1)と不飽和基含有モノカルボン酸(a−
    2)との反応物(I)である請求項1記載の不飽和基含
    有カルボン酸樹脂(A)。
  3. 【請求項3】請求項2記載のエポキシ化合物(a−1)
    がビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF
    型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノー
    ル・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラッ
    ク型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ
    樹脂から選択された1種又は2種以上のエポキシ樹脂で
    ある請求項1または2記載の不飽和基含有カルボン酸樹
    脂(A)。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    不飽和基含有カルボン酸樹脂(A)を含有することを特
    徴とする樹脂組成物。
  5. 【請求項5】光重合開始剤(B)、希釈剤(C)及び硬
    化成分(D)を含有する請求項4記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の樹脂組成物の硬化
    物。
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