JP2000344585A - セラミックス多孔体の製造方法 - Google Patents

セラミックス多孔体の製造方法

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JP2000344585A
JP2000344585A JP15552999A JP15552999A JP2000344585A JP 2000344585 A JP2000344585 A JP 2000344585A JP 15552999 A JP15552999 A JP 15552999A JP 15552999 A JP15552999 A JP 15552999A JP 2000344585 A JP2000344585 A JP 2000344585A
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slurry
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porous body
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Naomichi Miyagawa
直通 宮川
Nobuhiro Shinohara
伸広 篠原
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一方向に配向して直線的に貫通し、互いに接触
することなく独立した貫通気孔を有するセラミックス多
孔体を提供する。 【解決手段】静磁場中に置かれた基材上に、表面に金属
磁性層を被覆した炭素繊維とセラミックス多孔体原料粉
末とを分散させたスラリーを流し込み、スラリー中の該
炭素繊維を配向させながら成形体を作成し、該成形体を
乾燥後、加熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方向に配向して
直線的に貫通し、径の均一な貫通気孔を有するセラミッ
クス多孔体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス多孔体はフィルタ、断熱材
または触媒担体など産業上幅広く利用されている。しか
し、従来のセラミックス多孔体の製造法としては、ウレ
タン等の有機成分を気孔付与剤として添加し焼結中に気
孔付与剤を燃焼除去し多孔体を得る方法や、粒径を制御
したセラミックス粉末を使用して気孔径や気孔率を制御
する方法があった。これら従来技術で得られるセラミッ
クス多孔体中の気孔は、3次元に無秩序に形成されてい
る。
【0003】一方、実用的な観点からは、気孔が特定の
方向に配向して形成された多孔体が所望されている。例
えば、フィルタ用途では、濾過方向に対して同方向に配
した気孔は必要であるが、濾過方向に対して垂直方向に
配した気孔はフィルタの濾過機能の発現に必ずしも必要
なく、むしろ多孔体の強度低下の原因になるため好まし
くない。したがって濾過方向に平行な気孔のみを有する
多孔体は濾過性能の高いフィルタとして期待される。
【0004】濾過方向に平行な気孔を有する多孔体の製
造方法としては、例えば特公平6−37290、特公平
6−37291に、微細な気孔が貫通しているアルミナ
質膜をアルミニウム板または箔の陽極酸化法によって得
る方法が記載されている。また、特開平6−56554
には、磁性体粉末と複合化して長さ方向に磁気極性を有
した有機高分子繊維と導電性粉末、溶剤等とを含む原料
に静磁場を印加し、有機高分子繊維の配向を素材の厚み
方向にそろえた後、グリーンシートを成形し、焼成する
ことによって高分子繊維を除去し、開気孔がシートの厚
み方向に配向した電極材料を製造する方法が記載されて
いる。
【0005】しかし、特公平6−37290や特公平6
−37291に記載された方法ではアルミニウム板また
は箔の陽極酸化法によって直線的な貫通気孔を得るた
め、多孔体の素材がアルミナに限定されることと、得ら
れる多孔体の板厚が20μm程度に制約される等の欠点
がある。
【0006】また、特開平6−56554に記載された
方法では、開気孔がシートの板厚方向に略配向した素材
を得るために磁気極性を有した有機高分子を準備する必
要があり、有機材料同士の間隔の制御が困難で形成され
た開気孔同士が接触するなど均一な気孔径とならない問
題もある。
【0007】また、特開平10−139563には、金
属繊維を磁場中で配向させる方法を利用して1方向に貫
通した気孔を有する多孔体の作成方法が記載されてい
る。しかし、この方法では、金属繊維を除去する工程が
必要であり、しかも、その除去に時間を要することや、
金属繊維の直径が20μm以下になると成形体中で湾曲
しやすくなり、20μm以下の1方向に貫通した気孔径
を有する多孔体の作成が困難になる等の問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、気孔径が2
0μm以下でも湾曲せずに1方向に直線的に貫通した気
孔が形成され、しかも各々の気孔が独立して互いに接触
することなく存在するセラミックス多孔体の製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を達
成すべくなされたものであり、(1)炭素繊維の表面に
金属磁性材料を被覆して気孔形成材とする工程と、
(2)該炭素繊維とセラミックス多孔体原料粉末を混合
したスラリーを作成する工程と、(3)磁場中にある基
材上に該スラリーを被着させ、該炭素繊維を磁場方向に
配向させる工程と、(4)該スラリーを乾燥せしめて該
炭素繊維が磁場方向に配向したセラミックス成形体を得
る工程と、(5)該セラミックス成形体を基材から分離
する工程と、(6)該セラミックス成形体を加熱処理す
る工程と、を備えたことを特徴とするセラミックス多孔
体の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明によるセラミックス
多孔体の製造方法(以下、本製造法という)の第1段階
は、炭素繊維が磁場に対し追従できるように金属磁性材
料を被覆する工程である。金属磁性材料を被覆する方法
は、メッキやスパッタリングなどが採用される。
【0011】金属磁性材料としては、汎用性や磁気特性
の面から、鉄、ニッケルおよびコバルトからなる群から
選ばれる1種以上が好ましい。被覆される金属磁性材料
層(以下、金属磁性層という)の層厚は、なるべく薄い
ほどよいが、0.1μm未満であると、金属磁性層がま
だら模様となって炭素繊維の表面を均一に覆うことがで
きない。一方、層厚が2μmを超えると金属磁性層の存
在が無視できなくなるため、除去工程が必要となる。よ
って金属磁性層の層厚としては、0.1〜2μmである
ことが好ましい。
【0012】本発明に用いられる炭素繊維は、直径が1
〜100μmのものが好ましい。炭素繊維の直径が1μ
m未満になると、熱処理過程で炭素繊維の消失後、形成
された気孔周辺にあるセラミックスの緻密化が進行し
て、貫通孔が形成されず閉気孔となるおそれがある。一
方、炭素繊維の直径が100μmを超えると、鋳込み成
形段階で作成するセラミックス粉末をスラリーと均質に
混合、分散することができないため好ましくない。ま
た、炭素繊維のヤング率が0.6×10kg/mm
未満であると、形成される気孔が湾曲しやすくなること
から、炭素繊維のヤング率が0.6×10kg/mm
以上であることが好ましい。できれば金属磁性層と炭
素繊維とが強固に固着している方がさらに好ましい。な
お、使用する炭素繊維の直径は、単一である必要はな
く、直径が異なる炭素繊維を併用してもよい。
【0013】また、該金属磁性層の表面上にさらにセラ
ミックス多孔体と同種の粉末あるいは熱処理後セラミッ
クス多孔体と同化するものを被覆してもよい。スラリー
中での、該金属磁性層を被覆した炭素繊維の分散が悪い
と、成形体中の該炭素繊維同士が接触して粗大な気孔を
形成するおそれがある。そこで該金属磁性層の表面に、
セラミックス多孔体と同種の粉末あるいは熱処理後セラ
ミックス多孔体と同化するものでさらに被覆層を形成す
ると該炭素繊維の接触を回避しやすいため好ましい。な
お、同化するとは2種類以上の物質が反応し、セラミッ
クス多孔体を構成する物質となることを意味する。例え
ば、コージェライト多孔体の場合、同種の物質となる被
覆物質としては同じ材料であるコージェライト粉末があ
り、同化する被覆物質としては、熱処理後にコージェラ
イトとなるタルク、アルミナ、カオリンの混合粉末があ
る。この場合の被覆方法としては、適当な粉末を分散さ
せたスラリーにディップする方法などがある。
【0014】なお、該金属磁性層表面にセラミックス多
孔体とは異種の粉末を被覆することは最終工程の熱処理
段階においてセラミックス多孔体と反応し、他の化合物
を生成するため好ましくない。
【0015】本製造法の第2段階は、第1段階で作成し
た、金属磁性材料を被覆した炭素繊維とセラミックス多
孔体原料粉末を混合したスラリーを作成する工程であ
る。イオン交換水に該炭素繊維と該セラミックス多孔体
原料粉末を所定の濃度になるように添加し、超音波振動
子等で分散させながらスラリーを作成する。スラリー中
にトリポリリン酸ナトリウム、ポリカルボン酸アンモニ
ウム塩などの分散剤を添加すると分散性が向上するため
好ましい。
【0016】なお、作成したスラリーのpHを、該金属
磁性材料の表面が該スラリー中で酸化して生成する酸化
物の等電位点と、セラミックス多孔体原料の等電位点
と、の間に制御することが好ましい。pHを該等電位点
の間に制御すると、該金属磁性材料の酸化物の帯電状態
が該セラミックス多孔体原料の帯電状態と異符号の関係
になり、両者の間に静電引力が働き強固に固着する。該
金属磁性材料の等電位点ではなく、該金属磁性材料の表
面が該スラリー中で酸化して生成する酸化物の等電位点
とするのは、該スラリー中では炭素繊維に被覆された金
属磁性材料の表面が酸化して酸化物として存在するため
である。またpHを上記のように制御すると該炭素繊維
が接触、凝集せずに分散するため、該多孔体中の気孔が
各々接触することなく独立した気孔となるため好まし
い。
【0017】例えば、炭素繊維に被覆する金属磁性材料
がニッケルの場合、スラリー中では表面が酸化し、酸化
ニッケルとなる。酸化ニッケルの場合、等電位点は約p
H10であり、スラリーのpHが10未満では該酸化ニ
ッケル表面はプラスに帯電し、逆にpHが11を超える
と該酸化ニッケル表面はマイナスに帯電する。
【0018】セラミックス多孔体原料がアルミナの場
合、等電位点は約pH7付近であり、同様にスラリーの
pHが7未満では該アルミナ表面はプラスに帯電し、逆
にpHが7を超える場合には該アルミナ表面はマイナス
に帯電する。ここで該スラリーのpHをアルミナの等電
位点であるpH7と酸化ニッケルの等電位点であるpH
10の間、例えばpH9に制御するとアルミナ表面はマ
イナスに帯電し、酸化ニッケルはプラスに帯電する。こ
の状態では表面が酸化ニッケルである炭素繊維は凝集す
ることなく分散し、該炭素繊維に1本1本にアルミナが
静電引力により強固に固着することになる。
【0019】なお、該スラリーに水溶性高分子から選ば
れる1種以上を主成分とする有機物を添加すると、該炭
素繊維と該セラミックス多孔体原料粉末の結合がより強
固になり好ましい。水溶性高分子としては、ポリビニル
アルコール、メチルセルロースやエチルセルロースなど
のセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニルお
よびポリビニルブチラールなどが適宜使用される。
【0020】第3段階は、該スラリー中の炭素繊維を配
向させる工程である。静磁場に置かれた基材容器内に第
2段階で調製したスラリーを流し込むと、該金属磁性材
料(酸化されて金属酸化物となった表面も含めて)が磁
場方向に磁化されるため、該スラリー中の該炭素繊維は
同一方向に配向する。なお、基材容器としては、平坦な
底面を有する、石膏製容器や多孔質アルミナ製容器が適
宜使用される。基材としては、緻密な焼結体も使用でき
るが、乾燥性などの点から多孔質体の方が好ましい。
【0021】第4段階は、流し込まれたスラリーの水分
を乾燥せしめて該炭素繊維が磁場方向に配向したセラミ
ックス成形体を得る工程である。乾燥は、基材中にある
微細気孔の毛管力によって、スラリー中の水分が多孔質
基材に吸引され半分程度固化した固形層を形成する。さ
らに固形層表面からの水分の蒸発によって、磁場方向に
配向した炭素繊維を含む成形体が得られる。
【0022】第5段階は、該セラミックス成形体を該基
材から分離する工程である。なお、第5段階を第6段階
の後で行ってもよい。
【0023】第6段階は、該セラミックス成形体を加熱
処理する工程で、気孔形成材である該炭素繊維を除去
し、さらに該セラミックス成形体を焼結する工程であ
る。加熱処理する雰囲気としては、セラミックス多孔体
の原料がアルミナ、ムライト、ジルコニア、コージェラ
イト等の酸化物である場合は大気中で、該原料が窒化ケ
イ素等の窒化物の場合は窒素中で、また該原料が炭化ケ
イ素等の炭化物の場合はアルゴン中で、それぞれ焼結す
ることが好ましい。最高温度は、該原料の緻密化が進行
するような温度とすることが、得られる多孔体の強度の
点から好ましい。成形体内部には主として炭素繊維から
なる炭素成分が多く存在するが、600〜1000℃の
温度領域においては昇温速度を遅くすることにより加熱
中に生成する一酸化炭素、二酸化炭素ガスで該成形体が
破損するのを防止できるので好ましい。
【0024】なお、最終的に得られる多孔体の気孔率
は、セラミックス多孔体原料がアルミナのような焼結で
緻密体となる場合には、スラリー中に存在する炭素繊維
などの加熱処理する過程で消失するものの総量を、該総
量とセラミックス多孔体原料の合計で除したもので近似
される。気孔率が5%未満の多孔体も作成可能ではある
が、濾過機能等を有する多孔体としての気孔率として充
分ではなく、また、気孔率が40%を超えると、炭素繊
維同士が絡み合うことなく分散させることが困難となる
ためである。したがって、セラミックス多孔体の気孔率
としては、5〜40%が好ましい。またセラミックス多
孔体の原料粉末としては、平均粒径10μm以下の粉末
が、加熱処理後のセラミックス多孔体の強度の点から好
ましい。さらには、平均粒径3μm以下のセラミックス
粉末がより好ましい。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例(例1〜例6)と比較
例(例7)を示す。
【0026】[例1]ニッケルターゲットを使用して、
直径10μmの炭素繊維表面に、層厚1μmのニッケル
層を被覆した。ニッケル層を被覆した炭素繊維を約1m
mの長さに切断し、その内から5gを秤量して貫通孔形
成材料とした。つぎに、平均粒径0.6μmのアルミナ
粉末20gとイオン交換水80gを用意し、イオン交換
水を超音波撹拌機によって撹拌させながら、該アルミナ
粉末と該炭素繊維を分散させたスラリーを調製した。さ
らに該スラリーをアンモニア水で、アルミナの等電位点
であるpH7と酸化ニッケルの等電位点であるpH10
の間である、pH9に制御した。調製したスラリーをネ
オジウム磁石上にセットされた石膏製容器に流し込み、
スラリー中の該炭素繊維を配向させながら、2cm×2
cm×1mmの成形体を作成した。作成した成形体を乾
燥後、大気中で600℃までは150℃/時間の昇温速
度で、600〜1000℃は50℃/時間の昇温速度
で、1000〜1600℃までは300℃/時間の昇温
速度で、それぞれ加熱し、1600℃で2時間温度を保
持して焼結した。得られたアルミナ多孔体を評価したと
ころ、気孔率が22%で、気孔直径は8μmであった。
さらに気孔の状態を走査型電子顕微鏡(以下、SEMと
いう)で観察したところ、直線的な貫通孔が互いに接触
もせずに形成されていることが確認された。ただし、数
箇所で貫通孔の間隔が狭く接触しそうな状態にあった。
【0027】[例2]例1においてスラリーにポリカル
ボン酸アンモニウム塩を0.02重量%添加すること以
外は、同一の手順でアルミナ多孔体を作成したが、得ら
れた多孔体は、例1で得られたものと変化がなかった。
なお、スラリーの分散性を評価するため例1と例2のス
ラリーを試験管に採取し、試験管立てに立てた状態で1
週間静置し、生成する沈降層高さを比べたところ例2の
沈降層高さが低いことが確認された。
【0028】[例3]ニッケルターゲットを使用して直
径10μmの炭素繊維の表面に、層厚1μmのニッケル
層を被覆した。ニッケル層を被覆した炭素繊維を約1m
mの長さに切断し、その内から5gを秤量して貫通孔形
成材料とした。次に、平均粒径0.5μmのイットリア
を3mol%固溶した部分安定化ジルコニア(等電位点
は約pH4)粉末20gとイオン交換水80gを用意
し、超音波撹拌機でイオン交換水を撹拌させながら、該
ジルコニア粉末と該炭素繊維を分散させたスラリーを調
製した。さらにアンモニア水で該スラリーをpH9に制
御した。pH9に制御したスラリーをネオジウム磁石上
にセットされた石膏製容器に流し込み、スラリー中の該
炭素繊維を配向させながら、2cm×2cm×1mmの
成形体を作成した。作成した成形体を乾燥後、大気中で
1000℃までは150℃/時間の昇温速度で加熱し、
1000℃で5時間保持して炭素成分を除去した。さら
に、1500℃まで300℃/時間の昇温速度で加熱
し、1500℃で4時間保持して焼結した。得られたジ
ルコニア多孔体を評価したところ、気孔率が30%で、
気孔直径は8μmであった。さらに気孔の状態をSEM
で観察したところ、直線的な貫通孔が互いに接触もせず
に形成されていることが確認された。
【0029】[例4]電解メッキで直径20μmの炭素
繊維の表面に、層厚4μmのニッケル層を被覆した。ニ
ッケル層を被覆した炭素繊維を約2mmの長さに切断
し、その内から10gを秤量して貫通孔形成材料とし
た。次に、平均粒径0.5μmのアルミナ粉末25gと
イオン交換水75gを用意し、イオン交換水を超音波撹
拌機で撹拌させながら、該アルミナ粉末と該炭素繊維を
分散させたスラリーを調製した。さらに該スラリーをア
ンモニア水でpH8に制御した。また、成形体に強度を
付与させるため、ポリビニールアルコール系バインダー
を粉末総重量%に対して1重量%添加した。調製したス
ラリーをネオジウム磁石上にセットした石膏製容器に流
し込み、スラリー中の該炭素繊維を配向させながら、2
cm×2cm×2mmの成形体を作成した。作成した成
形体を乾燥後、大気中で、1000℃までは150℃/
時間の昇温速度で加熱し、1000℃で5時間保持して
炭素成分を除去後、1600℃まで300℃/時間の昇
温速度で加熱し、最後に1600℃で4時間保持して焼
結した。得られたアルミナ多孔体を評価したところ、気
孔率が28%で、気孔直径は15μmであった。さらに
気孔の状態をSEMで観察したところ、直線的な貫通孔
が互いに接触もせずに形成されていることが確認され
た。
【0030】[例5]例1において、スラリーを硝酸で
pH5に制御すること以外は、同一の手順でアルミナ多
孔体を作成した。またSEMで孔内部を観察したとこ
ろ、直線的な貫通孔が形成されていたが、一部に貫通孔
同士が接触しているのが観察された。
【0031】[例6]例1においてニッケル層を被覆し
た炭素繊維を、ワックス系エマルジョンバインダー(三
井東圧化学社製、商品名WA320)0.5wt%と平
均粒径0.6μmのアルミナ粉末15wt%を分散させ
たスラリーに20分間浸漬させた後、乾燥させた。乾燥
させたものは、ニッケル層の上にアルミナ層(層厚が約
10μm)が被覆されており、しかもバインダー処理に
より表面が非水溶性に変化していた。この炭素繊維を約
1mmの長さに切断し、その内から5gを秤量して貫通
孔形成材料とした。以後、例1と同様な工程でアルミナ
多孔体を作成した。得られたアルミナ多孔体を評価した
ところ、気孔率が20%で、気孔直径は8μmであっ
た。さらに形成された貫通孔の状態をSEMで観察した
ところ、例1のアルミナ多孔体に比べ貫通孔同士の間隔
が広くなっていること、直線的な貫通孔が互いに接触も
せず、また接触しそうなものもないことが確認された。
【0032】[例7]直径20μmのナイロン繊維の表
面に無電解メッキにより前処理用の金属層を形成後、さ
らにその表面に電解メッキにより層厚3μmのニッケル
金属層を被覆した。得られたニッケル層を被覆したナイ
ロン繊維を約2mmの長さに切断し、その内から5gを
秤量して貫通孔形成材料とした。次に平均粒径0.6μ
mのアルミナ粉末15gとイオン交換水85gを用意
し、イオン交換水を超音波撹拌機で撹拌させながら、該
アルミナ粉末と該ナイロン繊維を分散させたスラリーを
調製した。さらに該スラリーをアンモニア水でpH9に
制御した。また、成形体に強度を持たせるため、アクリ
ル系バインダーを粉末総重量に対して1重量%添加し
た。調製したスラリーをネオジウム磁石上にセットされ
た石膏製容器に流し込み、スラリー中の該ナイロン繊維
を配向させながら、成形体を作成した。作成した成形体
を乾燥後、大気中で600℃までは150℃/時間の昇
温速度で、600〜1000℃までは300℃/時間の
昇温速度で、それぞれ加熱し、最後に1600℃で2時
間保持して焼結した。得られたアルミナ多孔体を評価し
たところ、気孔率が15%で、気孔直径は18μmであ
った。さらに気孔の形成状況をSEMで観察したとこ
ろ、貫通孔は湾曲しており、貫通孔同士が接触している
ことが確認された。
【0033】
【発明の効果】本発明により、湾曲することなく直線的
に貫通し、しかも貫通孔同士が互いに接触することもな
く、一方向に配向した、独立した貫通孔を有する多孔体
を製造できる。このようなセラミックス多孔体では、形
成した気孔がすべて有効に働くことから、分離、濾過性
能が向上した、しかも充分な強度を有する高性能フィル
タを提供できる。また、本製造法では、使用できるセラ
ミックス材料に特に制限もない。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)炭素繊維の表面に金属磁性材料を
    被覆して気孔形成材とする工程と、(2)該炭素繊維と
    セラミックス多孔体原料粉末を混合したスラリーを作成
    する工程と、(3)磁場中にある基材上に該スラリーを
    被着させ、該炭素繊維を磁場方向に配向させる工程と、
    (4)該スラリーを乾燥せしめて該炭素繊維が磁場方向
    に配向したセラミックス成形体を得る工程と、(5)該
    セラミックス成形体を基材から分離する工程と、(6)
    該セラミックス成形体を加熱処理する工程と、を備えた
    ことを特徴とするセラミックス多孔体の製造方法。
  2. 【請求項2】 該スラリーのpHを、該金属磁性材料の
    表面が該スラリー中で酸化して生成する酸化物の等電位
    点と、セラミックス多孔体原料の等電位点と、の間に制
    御することを特徴とする請求項1に記載のセラミックス
    多孔体の製造方法。
  3. 【請求項3】 該炭素繊維表面に、セラミックス多孔体
    と同種の粉末または熱処理後セラミックス多孔体と同化
    するものをさらに被覆させることを特徴とする請求項1
    または2に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
  4. 【請求項4】 該スラリーに水溶性高分子から選ばれる
    1種以上を主成分とする有機物を添加することを特徴と
    する請求項1、2または3に記載のセラミックス多孔体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属磁性材料が鉄、ニッケルおよびコバ
    ルトからなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜
    4のいずれか1に記載のセラミックス多孔体の製造方
    法。
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