JP2000341989A - 誘導電動機の瞬時停電時の制御方法及び装置 - Google Patents

誘導電動機の瞬時停電時の制御方法及び装置

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JP2000341989A
JP2000341989A JP11149288A JP14928899A JP2000341989A JP 2000341989 A JP2000341989 A JP 2000341989A JP 11149288 A JP11149288 A JP 11149288A JP 14928899 A JP14928899 A JP 14928899A JP 2000341989 A JP2000341989 A JP 2000341989A
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voltage
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phase
control
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JP11149288A
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Yasuyuki Sugiura
康之 杉浦
Kojiro Yamashita
孝二郎 山下
Takaaki Miyabe
隆明 宮部
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動機が瞬時停電回復後の再始動時でも、過
大な電流を発生させることなく、安定した運転を可能に
することにある。 【解決手段】 誘導電動機の制御部7に指令部9、加減
速制御部10、フィードバック電流選択回路13、電流
角速度制御部14、切換器16、17、出力角速度1
8、電流制御判別回路22、角速度位相回路37、基準
角速度38を設けると共に、角速度位相回路は、電圧α
β変換部30−2、電圧dq変換部31、零指令部3
2、比例積分演算部34を具備し、瞬時停電時は瞬時停
電前の出力角速度の値を基準角速度に記憶し、加減速制
御を停止し、角速度位相制御を動作させて逆変換器の出
力角速度と電動機の誘起電圧の角速度及び位相を一致さ
せ、瞬時停電回復時は電動機の誘起電圧が規定値以下に
なったことを確認して角速度位相制御を停止し、電動機
に同期した出力角速度から加減速制御を再始動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変電圧、可変周
波数の交流電圧を出力して誘導電動機を可変速駆動する
誘導電動機の瞬時停電時の制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】逆変換器により誘導電動機を駆動する場
合、電動機に印加する交流電圧の電圧と周波数の比(V
/F)を一定にして可変速駆動するV/F一定制御方式
は、簡単な構成になるため、広く使用されている。ま
た、誘導電動機の運転中に発生した電源瞬時停電後に逆
変換器を再起動する場合、電動機回転中の誘起電圧等か
ら周波数を予測して再始動を行っている。例えば、一例
として特開平7−274588号公報には、瞬時停電時
に誘導電動機が電源から切り離された状態で誘起電圧等
から電動機の回転周波数を予測し、再起動する電動機の
制御技術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、dq軸上で主に励磁電流idと一次インダ
クタンスL1と角速度からq軸電圧Vqを与えてV/F
一定制御を行う方式において、周波数を検出して再始動
する場合、再始動するタイミングで逆変換器の出力する
電圧及び位相と誘導電動機の誘起電圧及び位相が一致し
ないため、電動機の電流が過大になり、正常な運転がで
きなくなる、という問題が発生する。
【0004】本発明の課題は、上記従来技術の問題点を
解決し、電動機が瞬時停電回復後の再始動時でも、過大
な電流を発生させることなく、安定した運転を可能にす
る誘導電動機の瞬時停電時の制御方法及び装置を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、瞬時停電発生時には、逆変換器をサプレスして停止
状態にすると共に、電動機の電圧と逆変換器の出力角速
度から両者の角速度と位相を一致させるように角速度位
相制御を行う。瞬時停電復帰時には、電動機の誘起電圧
により過大電流が発生しないように、誘起電圧が規定値
以下に達した後、角速度位相制御を停止し、逆変換器を
誘導電動機に一致した角速度と位相から再始動する。こ
こで、瞬時停電時には、瞬時停電前の出力角速度の値を
基準角速度に記憶し、電動機の三相電圧を二相のαβ電
圧に変換し、αβ電圧を出力角速度から得た位相でdq
変換し、d軸電圧を零にするための比例積分演算を行
い、比例積分演算結果の出力と基準角速度を加算した値
を出力角速度に記憶させて、逆変換器の出力角速度と電
動機の角速度及び位相を一致させる角速度位相制御を行
う。ここで、角速度位相制御においてd軸電圧が規定値
以下になったことを確認して、(1)出力角速度が電動
機の角速度及び位相に一致して同期したと判断するこ
と、(2)電動機の誘起電圧が規定値以下になったこと
を確認すること、(3)瞬時停電回復して逆変換器を駆
動することが可能であることを確認することの3条件が
満たされてから電動機を再始動する。また、電動機がフ
リーラン状態で回転している電動機を再始動する場合、
誘起電圧が残っている状態のときは、角速度位相制御を
行って同期後再始動する。一方、誘起電圧が無い状態の
ときは、定格励磁電流の数10%の励磁電流で一定時間
再始動した後に一旦停止し、角速度位相制御を行って再
始動する。フリーラン状態の電動機を再始動する際、電
動機誘起電圧が小さく、角速度位相回路の伝達関数のゲ
インが低下して制御特性が悪くなる場合は、電動機検出
電圧に倍率係数を乗じて所定値を保つようにして得た補
正電圧に基づいて補正電圧αβ変換、補正電圧dq変換
を行い、角速度位相演算を行う。また、電動機電圧の把
握は、電動機の電圧(Vmt2)をα軸電圧の二乗(V
Mα2)+β軸の二乗(VMβ2)で演算し、第二の制御
部の双方向メモリに記憶し、第二の制御部のCPUで前
記メモリに記憶した値の二乗の平方根を演算して電動機
の電圧(Vmt)を表示器に表示する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す。
図1において、交流電源1に接続される順変換器2は交
流電圧を直流電圧に変換する。順変換器2の直流出力側
には平滑コンデンサ3が並列に接続される。逆変換器4
は、平滑コンデンサ3に接続され、直流電圧を可変電
圧、可変周波数の3相交流電圧に変換する。誘導電動機
5は逆変換器4の出力側に接続される。ここで、電流変
流器(CT)6は電動機の電流を検出する。制御部7は
電動機を制御する。サンプリングタイマ8は一定時間T
s毎に演算させるための信号を発生し、制御部7の演算
の間隔はTsに依存する。また、電源1の瞬時停電時及
び復電を検出する瞬時停電検出回路27、PWM発生の
パルスをサプレス及び解除するゲートサプレス解除回路
28を有する。
【0007】制御部7は、指令部9、加減速制御部1
0、電流A/D変換器11、電流変換器12、フィード
バック電流選択回路13、電流角速度制御部14、電流
制御減算器15、加減速電流制御切換器16、位相検出
切換器17、出力角速度部18、積算回路19、指令部
9の励磁電流指令部9−3の設定値の初期値及び遅れを
制御する励磁電流遅延回路20、過負荷電流設定部9−
4の設定値の初期値及び遅れを制御する設定電流遅延回
路21、フィードバック電流が設定電流以上になったか
を判別する電流制御判別回路22、電動機定数回路2
3、ベクトル演算部24、PWM発生回路25からな
る。また、運転中及び電源1の瞬時停電時の誘導電動機
5の電圧を検出する電圧検出回路26、電圧A/D変換
器30−1、三相電圧を二相電圧に変換する電圧αβ変
換器30−2、二相電圧をd軸とq軸の回転軸に変換す
る電圧dq変換器31、このd軸出力電圧Vdfを零にす
るための零値基準指令部32、零値とVdfの減算を行う
減算器33、減算器の出力偏差から比例積分(PI)す
るPI回路34、電圧αβ変換器30−2の出力Vα、
Vβから電動機の電圧の大きさを換算する電圧変換器3
5、同期判定回路36は電圧dq変換31から出力角速
度と電動機の角速度と位相が一致したかを判定する機能
と電圧変換器35の出力から電動機の誘起電圧が規定値
の範囲に入ったかを判定する機能を有する。該30−1
から36で構成された機能を角速度位相回路37とす
る。瞬時停電検出回路27で瞬時停電を検出すると、瞬
時停電指令部29は、基準角速度38に瞬時停電直前の
出力角速度の値を記憶させると共に、位相検出切換器1
7の接点をb接点に切換える。加算器39は基準角速度
とPI演算の出力を加算して、位相検出切換器17の接
点bを介して出力角速度に記録されるように設定する。
その結果、積算回路18の位相θはサンプリングTs毎
により電動機の角速度に近づいた位相を出力し、電圧d
q変換31の正弦値、余弦値として与えることで角速度
位相制御ループが構成される。
【0008】指令部9は、電動機5の運転周波数を指令
する周波数指令部、加速レート減速レートを指令する加
減速指令部、電動機の起動停止を指令する起動停止指令
部9−1と、正転/逆転指令部9−2、定格励磁電流を
指令する励磁電流指令部9−3、過負荷電流値を設定す
る設定電流指令部9−4からなる。加減速制御部10
は、周波数指令9−1、正転/逆転指令9−2を受けて
電動機が始動時から定格周波数に到達するまでの角速度
を加速レートに基づいて加速角速度を加算し、停止命令
時には減速レートに基づいて減速角速度を減算する。そ
して、加減速電流制御切換器16のa接点を介して出力
角速度18に与える。出力角速度18は角速度指令ωou
tを出力する。電流A/D変換器11は、電動機の交流
電流iu,iv,iwのアナログ瞬時値をサンプリングT
s毎にディジタル値Iu,Iv,Iwに変換する。電流変
換器12は、3相の相電流を2相のα−β軸に変換し、
さらに回転座標のd−q軸に変換する。その結果、トル
ク電流成分Iqfと励磁電流成分Idfを出力する。電流角
速度制御部14は、負荷等が増加し、トルク電流成分I
qfが設定電流遅延回路21より大きくなったときときに
動作する。運転時において、電流選択回路13は、電流
変換器12で得たトルク電流成分Iqfまたは励磁電流成
分Idfの大きい方を選んでフィードバック電流として出
力する。電流制御判別回路22は、選択されたフィード
バック電流が設定電流遅延回路21の出力IESTAより大
きくなったことを判別し、加減速電流切換器16のb接
点と接続する。また、逆変換器4が駆動しているとき、
位相検出切換器17はa接点と接続しているので、出力
角速度ωoutは電流角速度制御14の出力を減算器15
で減算した結果を出力角速度18に出力する。その結
果、出力角速度ωoutは低下して電動機5の回転数を下
げて負荷を軽減させる。このためフィードバック電流成
分を低下する。そして、フィードバック電流成分が設定
電流遅延回路21より小さくなったことを電流制御判別
回路22により検出したとき、加減速電流制御切換器1
6は再びa接点を選択し、加減速制御を行い、加速す
る。このように加減速制御10と電流角速度制御14は
トルク電流成分Iqfの大きさが設定電流値9−4を境に
切換られるため、過負荷のときに出力角速度ωoutは定
格角速度より小さい値で運転されることになる。積算回
路19は、出力角速度ωoutをサンプリング時間Ts毎に
積算し、位相θを得る。励磁電流指令部9−3は、電動
機の励磁電流指令値Idを出力する。励磁電流遅延回路
20は、励磁電流指令値Idを最終値とし、励磁電流指
令値Idより小さい初期値から任意の一次遅れ定数値を
与えることにより、ソフトスタートを実現できる。この
励磁電流遅延回路20は始動時と瞬時停電再始動時に瞬
時停電指令部29から初期値と遅れ定数を設定する。
【0009】電動機定数回路23は、出力角速度18ω
outと励磁電流遅延回路20の出力Idnと電動機トル
ク電流Iqfを入力とし、電動機の1次換算推定抵抗値
r1、1次換算もれインダクタンスLσ、一次リアクタ
ンスL1からq軸トルク電圧成分V1qとd軸励磁電圧成
分V1dを得る。ベクトル演算部24は、q軸トルク電圧
成分V1q、d軸励磁電圧成分V1dからベクトル演算し、
電動機交流電圧指令の大きさVu、Vv、Vwを得る。
PWM発生回路25は、電動機交流電圧指令Vu,V
v,Vwと三角波等の搬送波と比較し、PWMパルスT
u,Tx,Tv,Ty,Tw,Tzを作る。このPWMパルス
を逆変換器4の半導体素子のゲートに印加し、所望の周
波数及び交流電圧を電動機に加えて駆動する。
【0010】次に、本実施形態を詳細に説明する。図3
に、定格周波数Fdefと正弦波発生原理を示す。(a)
はサンプリング時間Ts毎に角速度ωdefを加算する状
態、(b)は正弦波と余弦波を360度分格納する正弦
波、余弦波テーブル、(c)は定格周波数Fdefの時の
定格角速度ωdefと位相θと正弦波、余弦波を示す。い
ま、正弦波と余弦波がそれぞれNtb個のテーブル数が有
るとすると、電動機の定格周波数Fdefの1周期の時間
幅Tdefは、1/Fdefで求まる。1周期のサンプル回数
Nsnpは、(数1)式により演算できる。この時は正弦
波を発生させるための電気角360度を表現するテーブ
ル数Ntbとすると定格角速度ωdefは(数2)式を用い
て演算する。
【数1】
【数2】 ここで、サンプリング時間毎にωdefを積算(数3)す
ると、位相θが求まる。
【数3】 (数2)(数3)式の積算結果を図3の(b)正弦波、
余弦波テーブルのアドレスとして引くと、sinθ、c
osθが求り、θの積算結果がテーブル数Ntbより大き
くなった時、θの値を零にして積算すれば連続的な正弦
波と余弦波が得られる。ここで、正転指令のときは、ω
defを正の値として積算することでsinθ、cosθ
は0から360度の方向に進行する。逆転指令のとき
は、ωdefの値を負とすることでsinθ、cosθは
360から0度の方向に逆進行することで達成される。
【0011】次に、電動機の加速時と減速時に関して説
明する。電動機の始動時、電動機が始動周波数から定格
周波数Fdefまで加速する加速時間Taとする。定格周波
数Fdefまで加速するサンプル回数Nsnaは、サンプリン
グ時間Tsと加速時間Taから(数4)式を用いて求め
る。加速角速度ωaは定格角速度ωdefとサンプル回数N
snaから(数5)式により求める。
【数4】
【数5】 出力角速度ωoutが定格角速度ωrefに到達しない時は、
出力角速度ωoutに(数5)式で得られた加速角速度ωa
を加算する。すなわち、(数6)式に従い加算する。ま
た、出力角速度ωoutが定格角速度ωrefに到達した時
は、出力角速度ωoutに(数5)式で得られた加速角速
度ωaを減算する。すなわち、(数7)式に従い減算す
る。逆転指令の時は、加速角速度ωaを負の値を代入し
て(数6)式、(数7)式に従えば、正転も逆転も図3
(b)に示すテーブルを使用することができる。
【数6】
【数7】 電動機の運転中、停止命令が発生されると、(数8)式
に従い、減速角速度ωdを出力角速度ωoutから減算し
て、出力角速度ωoutが停止角速度以下に達すると、電
動機を停止する。逆転時は、減速角速度ωdを負に選択
することにより、(数8)式はωdを加算することで実
施できる。
【数8】
【0012】図2は、本実施形態の加減速制御部10の
詳細ブロック図を示す。なお、図中、9は指令部、29
は瞬時停電指令部、37は角速度位相回路、38は瞬時
停電時に瞬時停電直前の角速度を記憶する基準角速度、
40は始動時または瞬時停電時に励磁電流と設定電流の
初期値と遅れ定数を設定する初期化回路を表す。まず、
電動機の始動から加速して定格回転数に上昇する状態を
説明する。図2において、始動時には瞬時停電指令部2
9の瞬時停電解除再始動指令29−2により位相検出切
換器17はa接点を選択し、接点acを接続する。ま
た、指令部9の初期角速度9−6は初期角速度ωiniを
出力角速度18に格納する。電動機はこの初期角速度ω
iniで初動回転する。続いて、運転指令定格周波数部9
−1−1から定格周波数Fdefと始動命令を発生する
と、角速度変換器10−1は周波数指令を角速度指令ω
refに変換する。一方、加速指令9−1−2は加速減速
スイッチ10−2のa接点を選択し、接点acを接続す
る。第1の比較器10−3は出力角速度18の値ωout
と角速度指令ωrefを比較し、ωout≦ωrefの時は加速
スイッチ10−5のa接点を選択し、接点acを接続す
る。その結果、加速加算器10−6は出力角速度ωout
と加速角速度10−7のωaを加算し、出力角速度部1
8に格納する。これは前記(数6)式を実施したことに
なる。この動作をサンプリング毎に実施すれば、やがて
Ta秒後にはωout≧ωrefの条件が発生する。この時、
第1の比較器10−3は加速スイッチ10−5のb接点
を選択し、接点cbを接続する。その結果、加速減算器
10−8は出力角速度ωoutから加速角速度ωaを減算
し、出力角速度部18に格納する。これは前記(数7)
式を実施したことになる。この動作をサンプリング毎に
実施すれば、やがてωout≦ωrefの条件が発生する。す
なわち、(数6)式と(数7)式を選択しながら、定常
運転することになる。逆転時は、ωrefとωaとωoutに
負の値が入るので、(数6)式と(数7)式の不等号の
向きが反対となる。
【0013】次に、電動機が停止命令を受け、減速して
停止する状態を説明する。停止指令停止周波数部9−1
−4から停止指令と電動機の停止周波数Fstを発生する
と、角速度指令変換器10−9は停止周波数Fstを停止
角速度ωstに変換する。また、停止命令と共に減速指令
9−1−3は加速減速スイッチ10−2のb接点を選択
し、接点cbを接続する。第2の比較器10−10は出
力角速度部18の値ωoutと停止角速度指令ωstを比較
し、ωout≧ωstの時は減速スイッチ10−11のa接
点を選択し、接点acを接続する。その結果、減速減算
器10−12は出力角速度18の値ωoutから減速角速
度10−13のωdを減算して出力角速度ωoutを減少さ
せる。これは(数8)式を実施したことになる。この動
作をサンプリング毎に実施すれば、やがてωout≦ωst
の条件が成立する。そのとき、第2の比較器10−10
は減速スイッチの接点bを選択し、接点cbを接続し、
ゲートサプレス信号10−14を発生し、図1のPWM
演算回路24からゲート信号を停止し電動機を停止す
る。逆転指令時は、ωout、ωstの符号が負の値になる
ので、不等号式の向きが反対になる。
【0014】図1において、A/D変換器11は、電動
機の交流電流のアナログ値を瞬時電流値としてサンプル
ホールドし、ディジタル値Iu、Iv、Iwに変換す
る。変換されたディジタル値の3相電流を電流変換器1
2において、(数9)式により2相のα−β軸のIα、
Iβに変換し、(数10)を用いて回転子座標であるd
−q軸のIdf、Iqfに変換する。ここで、Idfは
励磁電流のフィードバック値、Iqfはトルク電流のフ
ィードバック値と一致する。
【数9】
【数10】 積算回路19は、(数3)式を原理式とし、出力角速度
ωoutを(数11)式のようにサンプリング毎に積算す
ることにより、位相θを求める。図3に示したように、
電気角で360度分の正弦波のデータをNtbのテーブ
ルに分割して格納する。図3(a)は出力角速度ωout
をサンプリング毎に積算して位相θを求める図である。
図中の○印部はサンプリング毎にωoutを積算する詳細
図を付記する。求められた位相θより図3(b)に示す
正弦波及び余弦波のテーブルをひく。すなわち、位相θ
の値はテーブルのアドレスとなる。アドレスがテーブル
総数Ntbになったとき、θを零にクリアすれば、図3
(a)に示すような鋸歯状が得られる。図3(c)はテ
ーブルから得られた0から360度までの連続した正弦
波及び余弦波である。
【数11】 ここで、ωout(n-1)は前回の出力角速度ωoutの積算値
である。指令部9の励磁電流指令部9−3は、励磁電流
指令Idを出力し、電動機に相当した励磁電流を予め設
定しておく。電動機定数回路23は、1次換算抵抗値r
1、1次換算もれインダクタンスLσ、1次インダクタ
ンスL1の電動機定数と励磁電流Idn、出力角速度ωou
t、電動機のトルク成分Iqfより、(数12)、(数1
3)式を用いてq軸電圧トルク成分V1qとd軸電圧励磁
成分V1dを求める。また、励磁電流指令Idは、正転時
も逆転指令時も正の値を指令し、(数11)式のωout
は正転の時は正、逆転の時は負の値とすることにより、
位相θは正転時は角速度ωoutを加算することになり、
逆転時は角速度ωoutを減算することになる。すなわ
ち、(数12)、(数13)式は符号付演算をすること
で正転から逆転まで連続的に制御可能となる。
【数12】
【数13】 ベクトル演算部24は、V1qとV1dから電動機交流電圧
指令Vu、Vv、Vwを(数14)、(数15)式によ
り求める。
【数14】
【数15】 ここで、sinθ、cosθは図3(b)のテーブルか
ら求めた正弦波値、余弦波値を使用する。PWM演算回
路25は、ベクトル演算で得た電動機交流電圧指令V
u、Vv、Vwを3角波と比較してパルス幅変調して逆
変換器4のゲートパルスを得る。
【0015】次に、電流角速度制御14について説明す
る。図1において、設定電流指令部9−4の出力値は正
の設定値IESTA_Pと負の設定値の値IESTA_Nを持ち、符号
が正負で絶対値は同一値である。いま、正転指令のと
き、電流角速度制御14において負荷が増加してトルク
電流Iqfが正の設定値以上の電流が流れたとき、逆変
換器4に流れる電流を抑制するために、出力角速度ωou
tを減少させることにある。その原理は、電動機の交流
電流を変流器6で検出し、サンプリング毎にA/D変換
器11でアナログ値をディジタル値に変換する。電流変
換器12で(数9)、(数10)式でdq変換する。変
換されたq軸トルク電流Iqfが正のときは正の設定値
IESTA_Pと比較し、Iqf≧IESTA_Pの条件になった時に
(数16)式に示すように正の電流角速度ωiを出力角
速度ωoutから減算してωoutを減少させる。すなわち、
電流角速度制御部14では電流角速度ωiを出力し、出
力角速度18のωoutから減算器15によりωiを減算
する。一方、電流制御判別回路22ではIqf≧IESTA_
Pの条件を確認してスイッチ16の接点bを選択し、接
点bcを接続し、電流角速度制御を行う。そして、減算
した結果を出力角速度18に格納すれば、運転している
出力角速度ωoutを低下させることができる。すなわ
ち、電動機の運転周波数が減少し、q軸トルク電流Iq
fが設定電流9−4から遅延制御21の出力のIESTA_P
の値より小さくなれば、電流制御判別回路22は再びス
イッチ16の接点aを選択し、接点acを接続し、通常
の加速減速制御を行う。その結果、最大負荷電流は設定
電流IESTA_Pの近傍で運転されることになる。
【数16】
【0016】また、逆転指令のときは、励磁電流指令9
−3の値Idは正を設定し、(数3)から(数8)式ま
でのωdef、ωa、ωdは負の値を設定するため、角速度
指令ωoutは負の値となる。このため、電動機の指令電
圧が支配的になる(数12)式のV1qが負の値となる
ので、電流変換器12の出力はq軸トルク電流Iqfが
負の値、d軸トルク電流Idfが正の値となる。電流角
速度制御14において負の方向に負荷が増加してトルク
電流Iqfが負の設定値IESTA_N以下の電流が流れたと
き、逆変換器4に流れる電流を抑制するために、出力角
速度ωoutに電流角速度ωiを加算して出力角速度ωout
の絶対値を減少させる。すなわち、電流変換器12で
(数9)、(数10)式で検出した負のq軸トルク電流
Iqfが負の設定値IESTA_Nと比較し、Iqf≦IESTA_N
の条件になった時、(数16)式を動作させる。このと
き、出力角速度ωoutから負の電流角速度ωiを減算す
ることは出力角速度ωoutの絶対値を減少させることに
なり、(数12)式のV1qを減少させ電動機電流の絶
対値を減少させることになる。すなわち、電流角速度制
御部14では電流角速度ωiを出力し、出力角速度18
のωoutから減算器15により−ωiを減算する(すな
わち、加算する)。一方、電流制御判別回路22ではI
qf≦IESTA_Nの条件を確認してスイッチ16の接点b
を選択し、接点bcを接続する。そして、加算した結果
を出力角速度18に格納すれば、運転している出力角速
度の絶対値を減少させることができる。すなわち、電動
機の運転周波数が減少し、q軸トルク電流Iqfが設定
電流9−4から遅延制御回路21のIESTA_Nの値より大
さくなれば、電流制御判別回路22は再びスイッチ16
の接点aを選択し、接点acを接続し、通常の加速減速
制御を行う。その結果、最大負荷電流は設定電流IESTA_
Nの近傍で運転されることになる。
【0017】ここで、図4に、トルク電流Iqfと設定
電流IESTA_Pの関係、図5に、q軸電流Iqfと設定電流I
ESTA_Pから求めた偏差電流IQDEFに対する比例係数KIDEF
との関係を示す。図4において、正転時を表していてq
軸トルク電流Iqfが正の設定電流IESTA_Pを超えたと
き、(数17)式によりq軸偏差電流IQDEFを得る。こ
のIQDEFと比例係数KIDEFの乗算から電流による角速度ω
iを(数18)式で求める。
【数17】
【数18】 この電流角速度制御系において、偏差電流IQDEFが小さ
い範囲では、比例係数KIDEFを小さく選んで制御系がハ
ンチングしないようにし、偏差電流IQDEFが大きい範囲
では比例係数KIDEFを大きく選んで電流角速度ωiを大
きくして出力角速度ωoutを早く減少させて、逆変換器
4の過電流を保護する必要がある。そこで、本実施形態
では、図5に示すように、偏差電流IQDEFの大きさに従
い、比例係数KIDEFを可変にする特性を実現した。すな
わち、偏差電流IQDEFが零から最小値IQDEF_MINまでの
小さい範囲では、比例係数値KIDEFは最小比例係数KID
EF_MINを選択し、偏差電流IQDEFが偏差電流最小値IQD
EF_MIN以上になったとき、比例係数KIDEFは偏差電流I
QDEFと偏差電流最小値IQDEF_MINの差に比例した係数を
作る。そして、比例係数の最大値KIDEF_MAXを設ける。
これにより、偏差電流IQDEFの大きさに応じて比例係数
KIDEFを自由に選択することが可能になり、偏差電流I
QDEFが小さい範囲では、比例係数KIDEFを小さく選んで
制御系がハンチングしないようにし、偏差電流IQDEFが
大きい範囲では、比例係数KIDEFを大きく選んで逆変換
器4の過電流を保護することができる。(数19)式
は、可変比例係数KIDEF_COEを用いて比例係数KIDEFを
求める式である。
【数19】
【0018】図1において、電動機が運転中に電源の瞬
時停電検出回路27が瞬時停電を検出すると、ゲートサ
プレス解除器28はゲートサプレス信号を出力し、PW
M演算回路の出力パルスを停止すると共に、瞬時停電指
令部29に瞬時停電を入力する。図2において、瞬時停
電一時停止指令29−1は、位相検出切換器17の接点
bを選択すると共に、基準角速度ωintに瞬時停電直前
の出力角速度ωoutを記憶させる。また、励磁電流と設
定電流の初期化回路40に初期値と一次遅れ定数を設定
する。ただし、瞬時停電指令部29から再始動指令があ
るまで動作しない。この準備を整えて、角速度位相回路
37を動作開始する。角速度位相回路37は電動機の端
子電圧を電圧検出器26から受け、AD変換器30−1
でディジタルに変換し、電圧αβ変換30−2し、電圧
dq変換31する。このdq変換するとき、正弦波と余
弦波値は出力角速度ωoutの出力を積算回路19で位相
に変換し、使用する。このとき、定常状態において、出
力角速度18と電動機の角速度と位相が一致していれ
ば、d軸電圧Vdfはほぼ零であり、q軸電圧Vqfは電動
機の瞬時値の最大値に等しい。いま、瞬時停電時を想定
すると、瞬時停電直後は角速度位相回路37において、
基準角速度ωintと出力角速度ωout及び電動機の角速度
は一致している。しかし、角速度位相回路37が動作す
る初期時において、角速度は一致させたが、位相は一致
していない。そこで、角速度位相回路37は過渡状態を
経て位相も一致するように動作する。そして、瞬時停電
から時間が経過すると、電動機はフリーランの状態であ
るので、減速する。このとき、基準角速度ωintは一定
を保つが、電動機の角速度は基準角速度ωintと出力角
速度ωoutからずれていく。そこで、角速度位相回路3
7は電動機から検出した電圧をdq変換するとき、出力
角速度部18から積算回路19を介した位相θをもとに
計算すると、d軸電圧Vdfはある値をもつ。このためV
dfが零32になるようにPI演算34する。すなわち、
PI演算の結果の値が出力角速度ωoutと電動機の角速
度の角速度と位相の偏差値になる。そこで、基準角速度
ωintにこの偏差値を加算して出力角速度部18に格納
することで、出力角速度部18は電動機の角速度と共に
位相も一致させることができる。また、電動機の誘起電
圧が一定のときは、d軸電圧Vdfが或る規定値以下にな
れば、同期と判断できる。一方、誘起電圧は時間と共に
低下するものとすれば、q軸電圧が規定値以下のときは
電圧がないと、判断する必要がある。また、電動機の電
圧を判断する必要があるので、電圧変換35は電圧αβ
変換の出力を得て、(数20)式で演算する。ここで、
電動機端子から電圧検出器26を介して得られた三相交
流電圧Vmtを二相のα軸電圧のVMαとd軸電圧のV
Mβの値から電圧を判断すると、電動機の角速度と位相
に関係ない要素から電動機電圧を検出することができ
る。それは、VMαとVMβの値は位相θの項が無く、
互いに90度の位相差があるので、VMα2+VMβ2
値を演算すると、電動機の相電圧の最大値の関係を知る
ことができる。そこで、制御部7では早い演算を要求さ
れるので、長い時間がかかる平方根の演算を行わずに、
(数20)式に示すVmt2で電動機の電圧を判断す
る。同期判定回路36は、電圧dq変換31のVdfとV
qfの値を受け、電圧変換35のVmt2の値を受ける。
すなわち、d軸電圧の大きさVdfで同期を判断し、V
mt2の値から電動機の誘起電圧が瞬時停電再始動に適
する値かを判断する。それぞれの同期条件が整ったとこ
ろで同期条件満足を瞬時停電指令部29に出力する。ま
た、Vdfが小さくなったとき、Vqfも小さくなって
いれば、電動機に誘起電圧がないので、同期が怪しいと
の判断に使用する。
【数20】 一方、図1において、電源側の瞬時停電が解除すると、
ここでは説明しないが、順変換器2を再始動した後、瞬
時停電検出回路27は瞬時停電指令部29に瞬時停電解
除を入力する。瞬時停電指令部29は瞬時停電解除と同
期条件が揃ったことを確認して、位相検出切換器17の
接点bを接点aに切換ると共に、ゲートサプレス解除を
行い、初期化回路40を再始動させて電動機を駆動す
る。この結果、制御部7は電動機の回転している角速度
と位相で運転が続行できる。
【0019】図6において、誘導電動機5の電圧の角速
度と位相を一致させる方法の原理を説明する。すなわ
ち、誘導電動機5の電圧を電圧検出器26で検出し、A
/D変換器30−1でアナログ値を瞬時電圧値としてサ
ンプルホールドし、ディジタル値VMu、VMv、VMw
に変換する。変換されたディジタル値の3相電圧を電圧
αβ変換器30−2において(数21)式により2相の
α−β軸のVMα、VMβに変換する。このVMα、VMβ
は(数22)を用いて回転子座標であるd−q軸のVd
f、Vqfに変換する。(数21)、(数22)式を演算
するとき、VMu、VMv、VMwは電動機の電圧であ
り、θは出力角速度ωoutから積分回路19により得ら
れた位相角である。いま、電動機の電圧の角速度及び位
相θmと積分回路19により得られた角速度及び位相が
一致すれば、(数22)式から得られたd軸電圧Vdfは
零になり、q軸電圧Vqfは電動機電圧の瞬時値の最大値
を表す。そのため、d軸電圧Vdfを零にするように零指
令32をd軸電圧の指令値として動作する。減算器33
は零指令32とd軸電圧Vdfの偏差εdを求め、偏差ε
dから比例積分(PI)34の演算を行う。この比例積
分結果は出力角速度ωoutと電動機の角速度との偏差角
速度△ωである。加算器39は基準角速度ωintと偏差
角速度△ωを加えて再度、出力角速度18に格納するこ
とでフィードバック系が形成される。
【数21】
【数22】
【0020】図7は、電動機の角速度と出力角速度を一
致させる部分のフィードバック系のブロック図を示す。
d軸電圧指令Vd*は零である。d軸のフィードバック
Vdを求める。(数22)式の行列式を分解すると、
(数23)式になる。積分回路19での積算結果は(数
24)式のように基準角速度ωintから得られた出力角
速度ωoutによる位相θであり、電動機の位相θmと電
動機と出力角速度による位相差△θを加算した値であ
る。(数24)式を(数23)式の一行目に代入して加
法定理で分解して整理すると、(数25)式が求まる。
【数23】
【数24】
【数25】
【数26】 (数25)式の第1項の( )内は(数23)式の一行
目のVdfに一致する。本制御はVdfを零にする制御であ
り、目標値に達すると、Vdf=0になり、第1項目は消
去され、(25式)は第2項目が残る。第2項の( )
内は(数23)式の2行目と等しいので、目標値に達し
たときはq軸電圧のVqfとsin(△θ)の乗算値とな
り、(数26)式となる。この時Vqfは電動機の相電圧
の最大値になる。また、△θ=0のときはsin(△
θ)=0であり、△θ=π/2のときはsin(△θ)
=1となるので、線形化すると、(数27)式となる。
(数27)式を(数26)式に代入すると、d軸電圧V
dと位相差△θの関係式が求まり、Vdと△θの伝達関
数は(数28)式で表される。また、比例積分の伝達関
数は(数29)式で表す。Kpは比例定数、Kiは積分
定数である。その結果、角速度位相制御での一巡伝達関
数F(s)は(数30)式で表すことができる。その結
果、瞬時停電時に基準角速度と出力角速度に瞬時停電直
前の角速度を代入すると、電動機がフリーランで回転数
が落ちても、出力角速度は電動機の角速度に追従する。
【数27】
【数28】
【数29】
【数30】
【0021】また、(数22)式から電動機の電圧Vm
tは(数31)式で表わされる。また、(数23)式を
(数31)式に代入すると、(数32)式が求まる。
(数20)式は(数32)式の両辺を二乗したものであ
る。また、(数31)式はVdfとVqfから電動機の電圧
を求めるもので、(数23)式からわかるように位相θ
の項がある。そのため、電動機がフリーランの状態のと
きは、出力角速度と電動機の角速度が一致していないた
め、位相θの要素が含まれると、電動機の電圧は正確に
求められない。しかし、(数32)式はVMαとVMβか
ら電動機の電圧を求めている。VMαとVMβは(数3
2)式の計算過程からわかるように位相θの項はsin2
θ+cos2θ=1の関係から消去されるので、電動機が
フリーラン状態でも正確に電動機の電圧を計算できる。
また、マイコンでは平方根の演算に時間が掛かり、制御
時間を短縮する上で好ましくないので、(数20)式の
ように二乗の状態で判断するのが応答を向上させるのに
役立つ。
【数31】
【数32】
【0022】図6において、瞬時停電で逆変換器がゲー
トサプレスして誘導電動機5は電源から切り離される
と、すぐに角速度位相演算を行う。基準角速度による位
相と電動機の角速度による位相が一致するのに、電動機
の電圧が一定ならば、(数30)式に示した一巡伝達関
数のゲインが一定のため、おおよそ一次遅れで追従す
る。しかし、角速度位相回路37が動作する初期時は過
渡状態のため、Vdfは収束の時に振動したり、同期に時
間を要する。そこで、Vdfが規定値以下の状態を一定時
間保って同期と判定する必要がある。図6は、そのため
の実施方法である。すなわち、VdfがVd同期リミッタ
値51(Vd_LIM)より小さいことをVd比較器52が判
定して、Vd同期タイマ53をセットしてタイマ値を動
作させる。Vd同期判定器54はVd同期タイマ53が一
定時間可動したことを確認して同期と判定し、同期判定
回路36に出力する。しかし、Vd同期時間判定器54
はVd同期タイマ53が動作中にVdfがVd同期リミッタ
値以上になれば、Vd同期タイマ53をリセットしてVd
同期タイマを停止して同期判定を行わず、VdfがVd同
期リミッタ値以下になるのを待つ動作を繰り返す。電動
機5の誘起電圧が一定ならば、(数28)式で示した位
相電圧変換の伝達関数Ksは保たれるが、時間と共に電
動機の相電圧Vsが降下し、誘起電圧がなくなった状
態、または、電動機が停止状態では(数25)式はVqf
も零近くなるので、同期の条件が怪しくなる。そのた
め、Vqfの値も監視する必要はある。すなわち、Vdfの
同期判定と同様にVqfが一定時間Vqリミッタ値以下の
範囲に保たれたときに、電動機は誘起電圧が無いと判定
する。すなわち、VqfがVqリミッタ値55(Vq_LIM)
より小さいことをVq比較器56が判定して、Vqタイマ
57をセットしてタイマ値を動作させる。Vq時間判定
器58はVqタイマ57が一定時間可動したことを確認
して電動機電圧なしと判定し、同期判定回路36に出力
する。しかし、Vq時間判定器58はVqタイマ57が動
作中にVqfがVqリミッタ値以上になれば、Vqタイマ5
7をリセットしてVqタイマを停止して電動機電圧なし
との判定を行わず、VqfがVqリミッタ値以下になるの
を待つ動作を繰り返す。また、電圧変換器35は(数2
0)式の演算を行い、同期判定回路36に入力する。同
期判定回路では(数20)式の電動機電圧の二乗値Vm
2の値が大きいと、瞬時停電復帰時ゲートサプレス解
除のときに、電動機の誘起電圧による短絡電流が逆変換
器4に流れて過電流に至り、トリップする恐れがあるの
で、電動機の電圧は誘起電圧上限値以下の条件で再始動
する必要がある。また、電動機電圧の二乗値Vmt2
値が小さいと、角速度位相回路37のゲインが得れれ
ず、精度が落ちたり、電動機の誘起電圧なし、または、
電動機が停止している可能性もあるので、誘起電圧下限
値以上の条件を監視する。
【0023】図8は、同期状態に移行する過渡状態図で
ある。時間軸=0で角速度位相制御を開始して、出力角
速度ωoutは基準角速度ωint=819から誘起電圧角速度を
目指して制御し、出力角速度ωout=655に同期する状態
を示したものである。同期条件成立の過程で、角速度位
相制御の初期時はd軸電圧Vdfとq軸電圧Vqfは振動
し、比例積分制御が働いてd軸電圧Vdfが時間軸500で
Vd同期リミッタ以下になり、Vd同期タイマが動作し、
規定時間、d軸電圧VdfがVd同期リミッタ以下に保ち
続けたことを確認すると共に、電動機の誘起電圧が誘起
電圧上限値以下になっているのを確認して、同期条件が
成立している状況図である。ここで、瞬時停電発生と同
時にU相電圧指令Vuは励磁電流を一次遅れで増加さ
せ、制御演算は行っているが、ゲートサプレスされてい
て逆変換器4は停止している。また、電動機の誘起電圧
VMuは電動機の励磁二時時定数に従い低下している。図
8において、時間軸=1000で同期条件が成立したこ
とを確認してゲートサプレス解除され、再始動してい
る。ここで、励磁電流を一次遅れで増加させることで過
電流に成らないように電圧指令している。
【0024】誘導電動機は電源から電力の供給が絶たれ
ると、二次時定数で誘起電圧VMuが低下すると共に、電
動機と負荷の慣性モーメントで回転数が低下するので、
誘起電圧VMuは図8に示すよりさらに早く低下する。図
6、7に示したブロック図で電動機の電圧が一定のとき
は、(数30)式からVsの値が一定となり、一巡伝達
関数のゲインは一定となる。しかし、誘起電圧VMuが時
々刻々と小さくなり、Vsが小さくなると、一巡伝達関
数のゲインが得られず、角速度位相制御の応答が遅くな
ったり、収束しなくなる。しかし、瞬時停電直後から角
速度位相制御を行えば、一巡伝達関数のゲインが高いう
ちに、電動機の角速度と出力角速度を一致させることが
できる。角速度位相制御は一度同期すると、一巡伝達関
数のゲインが小さくなっても同期はずれが起きにくいこ
とから、瞬時停電再始動時はVdfが規定値以下(零値ま
たは零値近傍)の同期条件とVmt2の値が規定値以下
になったことの条件で同期条件満足を決定できる。
【0025】電動機のフリーラン状態が長い時間経過し
ているときは、誘起電圧VMuが極小のため、角速度位相
回路37の一巡伝達関数のゲインが小さく、出力角速度
と電動機の角速度が一致せず、同期に至らなくなる。図
9は、本発明の他の実施形態である。角速度位相回路の
動作と要素は図6と同じである。本実施形態は、電動機
の誘起電圧VMuが小さくなったとき、位相角速度に入力
される電圧の値を或る値になるように倍率変換器59を
設けることに特徴がある。詳細に説明すると、電動機の
電圧をA/D変換器30−1でディジタルに変換し、電
圧αβ変換器30−2で(数21)式を用いて三相を二
相に変換する。電圧変換器35で(数32)式を用いて
Vmtの大きさまたはVmt2から判断してこの値に依
存した倍率定数KMNを決定し、倍率変換器59でA/D
変換器の出力に乗算して補正電動機電圧VMUn,VMVn,V
MWnを求め、新たに補正電圧αβ変換器60で(数2
1)式を用いてαβ変換し、さらに補正電圧変換31で
(数22)式を用いてdq変換して補正電圧Vdfn,Vqf
nを求める。この値をもとに図6で示した角速度位相演
算を実施すれば、角速度位相回路37の一巡伝達ゲイン
は低下することなく、電動機の誘起電圧が低くなるまで
安定して位相を合わせることができる。倍率変換器59
による倍率定数KMNの求め方の一例を示す。電動機の電
圧をA/D変換30−1でデジタルに変換したときの定
格電圧VMNのデータの表す大きさが2のN乗とすると、
(数32)式で求めて検出電圧Vmtの大きさが2のn
乗と判断したとき、倍率定数KMNは(数33)式で求め
る。補正電圧は(数34)式で求める。
【数33】
【数34】
【0026】また、フリーラン時の再始動は瞬時停電再
始動とは別に図1に示す。瞬時停電指令部29のフリー
ラン始動29−3から始動命令を発生する。ゲートサプ
レスを行い、逆変換器4は停止状態で、この時、基準角
速度38は定格角速度を出力角速度に記憶させ、図9と
同じ、電圧補正を行い、角速度位相回路は倍率変換して
駆動する。同期判定回路36で同期条件が整えば、再始
動を行う。また、同期判定回路36でVd同期54、V
q判定58、電圧変換判定35において、誘起電圧なし
と判定したときは、図1において、励磁電流9−3の値
を定格励磁電流の数10%の値、出力角速度を定格角速
度に記憶させ、ゲ−トサプレス解除して逆変換器4を操
作させ、一定時間経過後、ゲ−トサプレスを行い、再
度、基準角速度38は定格角速度を出力角速度に記憶さ
せ、角速度位相回路は倍率変換して駆動する。ここで、
図9と同様、同期判定回路36で同期条件が整えば、励
磁電流指令9−3を定格電流に戻し、初期化回路40を
再始動させて再始動を行う。また、同期判定回路36で
同期条件が整わないときは、初期角速度を出力角速度に
記憶させ、励磁電流指令9−3を定格電流に戻し、初期
化回路40を再始動させて再始動を行う。
【0027】以上、本発明による始動、瞬時停電、演算
方法の概要を図10及び図11のPAD図を用いて説明
する。図10はメインPAD図であり、図11は割り込
みPADである。図11の(b)で一定時間毎(サンプ
リング時間)に計算開始命令があり、計算フラグ=1と
する。図10において、サンプリング時間毎に計算フラ
グが=1になるので、110で計算を開始する。図11
の(a)で起動命令が起こると、始動命令フラグ=1と
する。図10の120はYESであるので、121の瞬
時停電フラグを確認する。NOのため122運転中フラ
グ=1をチェックする。NOであるので、122_1に
行き、運転中フラグ=1,角速度位相計算フラグ=0,
瞬時停電フラグ=0にセットしてゲートサプレス解除し
て電動機は運転状態に入る。運転中は運転中フラグ=1
にセットしてあるので、二度と122_1は通過しな
い。そして130の演算に入る。140で電圧、電流の
取込、加速減速計算、150で電圧の計算、このとき、
電圧条件や電圧値を記憶する。160で角速度位相計算
フラグチェックする。NOであるので、170電流及び
電流角速度の演算、電動機電圧の計算、PWMパルスを
発生させ、計算フラグ=0にセットして100スタート
に戻る。通常運転時はこの状態である。瞬時停電が発生
すると、図11の(c)で300ゲートサプレス、31
0で始動命令フラグ=0、320で瞬時停電フラグ=
1、330で同期フラグ=0、340で角速度位相フラ
グ=1、350でVd同期カウンタ,Vqカウンタを能
動状態にセット、360で同期条件である誘起電圧上
限、下限及びVdf同期時間判定、Vqf時間判定を零
にクリアして370終了する。図10では、120で始
動命令がないので、123のゲートサプレスを経て13
0演算に入る。150で電圧の判定は常時実施する。1
60で角速度位相計算フラグ=1のため、YESで16
1の角速度位相計算を実施する。同期条件の判定と同期
条件が達成すれば、同期フラグ=1を書く。図11の
(d)で瞬時停電解除割り込みで始動フラグ=1をセッ
トする。図10の120でYES。121で瞬時停電フ
ラグ=1でYES。121_1で電圧判定と同期フラグ
=1の同期条件が不満足のときは130演算に飛び、条
件が満足するまで待つ。121_1で同期条件が満足す
れば、122に移行し、最初は運転中フラグ=0である
ので、122_1で運転条件を整え、角速度位相計算を
中止、瞬時停電フラグ=0をセットし、ゲートサプレス
解除して再始動に入る。
【0028】図12は、本発明による電動機電圧表示方
法を示す。電動機は逆変換器から電力を供給されて運転
するときと、逆変換器から切り離されてフリーランで回
転しているときの両方の電圧を測定する必要がある。電
圧検出器26で検出された三相の交流電圧はA/D変換
器でディジタルに変換後、三相二相変換、dq変換によ
り(数31)式または(数32)式で算出することがで
きる。電動機の電圧の演算は(数23)式に示すように
dq軸の電圧VdfとVqfから(数31)によりサンプリ
ング毎に行うことで直流値として得られる。しかし、電
動機がフリーランで回転中の制御部7の出力角速度ωou
tと正弦波及び余弦波位相が無関係になり、電圧の演算
が信頼できなくなる。そこで(数23)式を(数31)
式に代入すると、(数32)式となる。(数23)と
(数32)式からわかるようにVMαとVMβは90度の
位相差があり、VMαとVMβのそれぞれの二乗を加えた
ものは直流成分となり、しかも正弦波及び余弦波成分が
消去された形であるので、制御部7の出力角速度ωout
とは関係なくなり、電動機がフリーランで回転中でも電
動機の電圧を直流分として検出することができる。制御
部7は、逆変換器の制御演算をサンプリングタイマ8で
高速に演算する必要から、(数20)式によりVmt2
の演算にとどめているため、電圧表示ができない。そこ
で、インターフェースのポートA43、ポートB44を
介して第2の制御部41の双方向メモリ(DPRAM)
45にVmt2の値を書き込み、第2のCPU46で
(数32)式の平方根の演算を第2のサンプリングタイ
マ42により演算することによって、表示器47に電圧
値を運転中も瞬時停電時においても表示することができ
る。このとき、第2のサンプリングタイマ42はサンプ
リングタイマ8より長い時間をかけてゆっくり行う。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電源の瞬時停電時に、直ちに逆変換器をサプレスして停
止状態に保つと共に、電動機の電圧と逆変換器の出力角
速度から両者の角速度と位相を一致させるように角速度
位相制御を行うことによって、出力角速度はフリーラン
状態の電動機の誘起電圧の角速度と位相に追従して同期
し、また、瞬時停電復帰時は、電動機の誘起電圧により
過電流が流れないように、誘起電圧が規定値以下に達し
た後、角速度位相制御を停止し、逆変換器を再始動する
ので、出力角速度は電動機の角速度と位相に一致してい
るため、逆変換器には過大な電流を発生させることな
く、安定した再始動を可能にする。また、逆変換器の出
力角速度が電動機の角速度及び位相に一致して同期した
との判定は、d軸電圧が規定値以下の小さい値になった
ことで行い、そして、瞬時停電と同時に角速度位相制御
により逆変換器の出力角速度と電動機の角速度及び位相
を一致させ、瞬時停電回復とともに角速度位相制御を停
止し、記憶された出力角速度から加速減速制御によるV
/F一定制御に移行することにより、安定に再始動する
ことが可能になる。また、電動機のフリーラン状態が長
い時間経過して、電動機の誘起電圧が極めて小さくな
り、制御特性が悪くなったとき、電動機電圧に倍率係数
を乗じて所定値を保つようにして得た補正電圧を求め、
角速度位相演算を実施することにより、電動機の誘起電
圧が低くなるまで安定して位相を合わせることができ
る。また、電動機の運転中の加減速制御を行っていると
きでも、制御装置のサプレス等で電動機に電力の供給が
絶たれたときでも、電動機の電圧を把握する必要がある
ため、早い演算が要求される(数20)式に示す電動機
の電圧(Vmt2)の表示を避け、これを平方根して電
動機の電圧(Vmt)を演算し、表示器にその値を表示
することにより、電動機の運転状況を正確に把握するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態
【図2】本発明の加減速制御部の詳細ブロック図
【図3】本発明の定格角速度と正弦波発生原理の説明図
【図4】本発明のトルク電流と設定電流の関係を示す図
【図5】本発明のトルク偏差電流と比例係数を示す特性
【図6】本発明の角速度位相制御部の詳細ブロック図
【図7】本発明の角速度位相制御部の原理ブロック図
【図8】本発明の角速度位相制御部の特性図
【図9】本発明の角速度位相制御部の他の実施形態
【図10】本発明のメインPAD図
【図11】本発明の割り込みPAD図
【図12】本発明による電動機電圧表示に係る実施形態
【符号の説明】
1…交流電源、2…順変換器、3…平滑コンデンサ、4
…逆変換器、5…誘導電動機、6…電流変流器(C
T)、7…制御部、8…サンプリングタイマ、9…指令
部、9−1…周波数指令部、9−1−1…運転指令定格
周波数部、9−1−2…加速指令、9−1−3…減速指
令、9−1−4…停止指令停止周波数部、9−2…正転
/逆転指令、9−3…励磁電流指令部、9−4…設定電
流指令部、9−5…初期角速度、10…加減速制御部、
10−1…角速度変換器、10−2…加速減速スイッ
チ、10−3…第1の比較器、10−5…加速スイッ
チ、10−6…加速加算器、10−7…加速角速度、1
0−8…加速減算器、10−9…角速度指令変換器、1
0−10…第2の比較器、10−11…減速スイッチ、
10−12…減速減算器、10−13…減速角速度、1
0−14…ゲートサプレス信号、11…電流A/D変換
器、12…電流変換器、13…フィードバック電流選択
回路、14…電流角速度制御部、15…電流制御減算
器、16…加減速電流制御切換器、17…位相検出切換
器、18…出力角速度部、19…積算回路、20…励磁
電流遅延回路、21…設定電流遅延回路、22…電流制
御判別回路、23…電動機定数回路、24…ベクトル演
算部、25…PWM演算回路、26…電圧検出回路、2
7…瞬時停電検出回路、28…ゲートサプレス/解除回
路、29…瞬時停電指令部、30−1…電圧A/D変換
器、30−2…電圧αβ変換器、31…電圧dq変換
器、32…零指令部、33…減算器、34…PI回路、
35…電圧変換器、36…同期判定回路、37…角速度
位相回路、38…基準角速度、39…加算器、40…励
磁電流可変減算器、41…第2の制御部、42…第2の
サンプリングタイマ、43…ポートA、44…ポート
B、45…双方向メモリ(DPRAM)、46…第2の
CPU、47…表示器、50…正弦波、余弦波テーブ
ル、51…Vd同期リミッタ、52…Vd比較器、53
…Vd同期タイマ、54…Vd同期時間判定器、55…V
qリミッタ、56…Vq比較器、57…Vqタイマ、58
…Vq時間判定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮部 隆明 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 Fターム(参考) 5H576 BB07 CC05 DD02 DD04 EE11 GG04 JJ03 JJ22 JJ26 JJ29 KK05 LL22 LL24 MM13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源から順変換器により直流に変換
    して、可変電圧、可変周波数の交流電圧をPWM逆変換
    器により出力して誘導電動機を駆動する制御方法におい
    て、瞬時停電時の逆変換器の出力角速度と電動機の電圧
    から角速度位相演算を行い、逆変換器の出力角速度と電
    動機の角速度及び位相を一致させ、瞬時停電回復ととも
    に、両者の一致した出力角速度から再運転を実行するこ
    とを特徴とする誘導電動機の瞬時停電時の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、瞬時停電時には、瞬
    時停電前の出力角速度の値を基準角速度に記憶し、電動
    機の三相電圧を二相のαβ電圧に変換し、αβ電圧を出
    力角速度から得た位相でdq変換し、d軸電圧を零にす
    るための比例積分演算を行い、比例積分演算結果の出力
    と基準角速度を加算した値を出力角速度に記憶させて、
    逆変換器の出力角速度と電動機の角速度及び位相を一致
    させる角速度位相制御を行うことを特徴とする誘導電動
    機の瞬時停電時の制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、角速度位相制御によ
    ってd軸電圧が規定値以下になったことを確認して、
    (1)逆変換器の出力角速度が電動機の角速度及び位相
    に一致して同期したと判断すること、(2)電動機の誘
    起電圧が規定値以下になったことを確認すること、
    (3)瞬時停電回復して逆変換器を駆動することが可能
    であることを確認することの3条件が満たされてから電
    動機を再始動することを特徴とする誘導電動機の瞬時停
    電時の制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、角速度位相制御の結
    果、d軸電圧が規定値以下に規定時間経過したときに、
    逆変換器の出力角速度と電動機の角速度及び位相が一致
    して同期したと判断することを特徴とする誘導電動機の
    瞬時停電時の制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項2において、電動機電圧が低下
    し、制御の収束性が悪くなったときは、電動機電圧に倍
    率係数を乗じて所定値を保つようにして得た補正電圧に
    基づいて補正電圧αβ変換、補正電圧dq変換を行い、
    角速度位相演算を行うことを特徴とする誘導電動機の瞬
    時停電時の制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、電動機の電圧を2の
    べき乗で表現するとき、電動機の定格電圧(VMN)の値
    が表す大きさが2のN乗とすると、検出電圧(Vmt)
    の大きさが2のn乗と判断したとき、倍率係数(KMN)
    は2の(N−n)乗とすることを特徴とする誘導電動機
    の瞬時停電時の制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項1において、回転中の誘導電動機
    を再始動するとき、基準角速度及び出力角速度に定格角
    速度を記憶させ、逆変換器をゲートサプレスして停止状
    態にして角速度位相制御を行い、q軸電圧が規定値以上
    で、d軸電圧が規定値以下で同期と判断したときは、逆
    変換器のゲートサプレスを解除して再始動し、また、d
    軸電圧が規定値以下であっても、q軸電圧が規定値以下
    であれば、逆変換器のゲートサプレスを解除して定格励
    磁電流の数10%の励磁電流で電動機を一定時間再始動
    した後、再度、逆変換器をゲートサプレスして角速度位
    相制御を行い、このとき、q軸電圧が規定値以上で、d
    軸電圧が規定値以下で同期と判断したときは、逆変換器
    のゲートサプレスを解除して再始動し、または、d軸電
    圧が規定値以下であっても、q軸電圧が規定値以下であ
    れば、初期角速度を出力角速度に記憶させて逆変換器の
    ゲートサプレスを解除して再始動することを特徴とする
    誘導電動機の瞬時停電時の制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項1において、電動機の電圧をα軸
    電圧の二乗+β軸の二乗で演算し、第二の制御部の双方
    向メモリに記憶し、第二の制御部のCPUで前記メモリ
    に記憶した値の二乗の平方根を演算して電動機の電圧を
    表示器に表示することを特徴とする誘導電動機の瞬時停
    電時の制御方法。
  9. 【請求項9】 交流電源から順変換器により直流に変換
    して、可変電圧、可変周波数の交流電圧をPWM逆変換
    器により出力して誘導電動機を駆動する制御装置におい
    て、加減速制御部、電流角速度制御部、フィードバック
    電流選択回路部、基準角速度部、出力角速度部、角速度
    位相制御部を具備し、運転時には、角速度指令と出力角
    速度から前記電動機の加減速を演算し、瞬時停電時は加
    減速の演算を中止して、基準角速度、出力角速度、誘導
    電動機の電圧から角速度位相演算を行い、出力角速度が
    誘導電動機の角速度及び位相と一致する制御を行い、瞬
    時停電回復時には、角速度位相制御を中止して一致した
    出力角速度から加速減速制御を実行することを特徴とす
    る誘導電動機の瞬時停電時の制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、角速度位相制御部
    は、電圧αβ変換部、電圧dq変換部、零指令部、比例
    積分演算部を具備し、瞬時停電時には、瞬時停電前の出
    力角速度の値を基準角速度に記憶させ、加減速演算を中
    止して角速度位相制御を行い、電圧dq変換部のd軸電
    圧が規定値以下に規定時間以上制御され、かつ、電動機
    電圧が規定値以下を確認した上で、瞬時停電回復時に
    は、角速度位相制御を中止して加減速制御を実行するこ
    とを特徴とする誘導電動機の瞬時停電時の制御装置。
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