JP3945324B2 - 交流電動機のpgレスベクトル制御装置 - Google Patents

交流電動機のpgレスベクトル制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータが接続され、電動側だけで用いられる交流電動機又は電動側だけでなく、回生側でも用いられる交流電動機のPGレスベクトル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導電動機の可変速制御として応答性と精度の両方に優れた滑り周波数制御方式が知られており、特に電動機の1次電流を励磁電流とトルク電流とに分けて制御し、2次磁束とトルク電流を常に直交するように制御することで直流電動機と同等の応答性を得ることのできるベクトル制御方式が実施されている。
【0003】
一般に電動機のベクトル制御を行うためには、速度センサを用いて電動機の回転子電気角速度(以下、単に速度と表現する。)を測定することが必要となる。しかし、コスト、信頼性等の観点からは速度センサが無い方が有利であるため、速度センサで電動機の速度を実際に測定せずに電動機の速度を推定し、この推定値を用いてベクトル制御を行うPGレス(速度センサレス)ベクトル制御方式が用いられている。
【0004】
このような従来の誘導電動機のPGレスベクトル制御装置について、図面を用いて説明する。図8は、従来の誘導電動機のPGレスベクトル制御装置の構成を示す図(特許第3257566号)であり、図9は、図8内のスイッチ30および検出回路40の回路図である。
【0005】
この従来のベクトル制御装置は、係数器4と、積分器5と、関数発生器6と、二相/三相変換器7と、d軸成分αとq軸成分βに対する振幅、位相を演算するベクトル演算器8と、ベクトル回転器9と、磁束演算部12と、速度推定部13と、磁束指令発生部14と、除算器151、152と、速度制御器16と、磁束制御器17と、電流制御器181、182、183と、減算器201〜205と、加算器21とからなる。
【0006】
関数発生器6は、位相θ1 *を入力としexp(jθ1 *)、つまり、cosθ1 *+jsinθ1 *を発生する。二相/三相変換器7は、磁束ベクトルの方向(以下、「d軸」と称す。)とそれに直交する方向(以下、「q軸」と称す。)に成分を持つベクトルを、U、V、W相の互いに120度の位相差を持つ方向の成分に変換する。磁束演算部12は、電圧検出器(図示せず)から得られた一次電圧ベクトル、および電流検出器(図示せず)から得られた一次電流ベクトルにより磁束およびトルク電流を検出する。
【0007】
速度推定部13は、磁束演算部12で得られたトルク電流検出値Iτとトルク電流指令値Iτ*より回転子電気角速度を推定する。
速度制御器16は、指令発生器(図示せず)から指令された速度指令ωr *と速度推定値ωr^の偏差を“0”にするために設けられ、PI制御を行う。磁束制御器17は、磁束指令Ψ2 *と検出された磁束Ψ2の磁束偏差ΔΨ2を“0”にするために設けられていて、PI制御を行う。電流制御器181、182、183は、U、V、Wの各相毎に一次電流の指令値と検出値の偏差を“0”にするように設けられ、P制御を行う。
【0008】
トルク電流指令Iτ*は、速度制御器16の出力として求められるトルク指令T*を磁束指令発生部14の出力として求められる磁束指令Ψ2 *で除算することにより求められる。励磁電流指令IΨ*は、磁束制御器17の出力として求められる。
【0009】
図9において、検出回路40は、乗算器41と、絶対値回路42と、比較器431、432と、アンド回路44で構成され、誘導電動機(図示せず)が回生状態、かつ磁束角速度指令ωφ*が基準値以下のときにハイレベルの信号を出力し、スイッチ30の端子303を端子302(接地電位)に接続し、それ以外のときは端子303を端子301に接続させる。
【0010】
図8において、スイッチ30は、検出回路40のオン/オフ動作により、速度推定値ωr^と滑り角速度指令ωs *を加算しないようにして、低速度での回生状態時、滑り角速度指令ωs *が磁束角速度指令ωφ*に含まれないようにする。つまり本来よりも絶対値の大きな磁束角速度指令ωφ*を与えると、誘導電動機の回転速度を上げることになるので、磁束角速度ωφの絶対値が下がらなくなり、安定性の向上したPGレスシステムでのベクトル制御が行われる。
【0011】
図10に示す他の従来の誘導電動機のPGレスベクトル制御装置は、スイッチ30を係数器4の出力側と速度制御器16の入力側の間に設け、誘導電動機が回生状態かつ磁束角度指令ωφ*が基準値以下のときに、検出回路40によりスイッチ30を切換えて、端子303を端子301と接続し、減算器206で角速度指令ωr *から滑り角速度指令ωs *を差し引いたものを新たに角速度指令ωr *としたものである。すなわち、角速度指令ωr *の絶対値を滑り角速度指令ωs *の絶対値分大きく与えると、誘導電動機の回転速度を上げることになるので、磁束角速度ωφの絶対値が下がらなくなり、安定性の向上したPGレスシステムでのベクトル制御が行われる。
【0012】
以上のように、従来技術では、滑り周波数補償分の周波数を補償しないようにしたり、滑り周波数補償分を速度指令に上乗せすることで、誘導電動機の回転速度を上げ、安定性の向上したPGレスシステムでのベクトル制御を実現している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の誘導電動機のPGレスベクトル制御装置では、下記のような問題点があった。
(1)滑り周波数が存在する誘導電動機で、回生時に滑り周波数分を補償しないところまでに限定した制御装置になっているので、滑り周波数が非常に小さい例えば、大容量の誘導電動機では、効果が不十分である。
(2)電動側でのみ動作する用途、例えば巻取り機用途で使用する場合、起動開始時に電動機速度0の状態が長くなったり、機械的な反動で回生状態になったりして制御逸脱状態になるような場合には効果が期待できない。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、第1には滑り周波数が非常に小さい誘導電動機でも、低速、回生時の運転を安定にし、第2には電動状態でのみ動作する用途で、電動機の速度が0になったり、機械的な反動で回生状態になっても運転を安定にする交流電動機のPGレスベクトル制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、インバータが接続され、電動側だけでなく、回生側でも用いられる交流電動機のPGレスベクトル制御装置において、
前記交流電動機が低速度で、かつ速度指令値とトルク電流指令値の符号が互いに異なることを検出する検出手段と、
前記交流電動機が低速度で、かつ速度指令値あるいはトルク電流指令値と速度推定値との符号が互いに異なる場合、速度指令値を指示された速度指令値より所定値だけ絶対値の大きな値にする速度指令変更手段とを有することをを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、上記のような構成になっていることにより、低速かつ回生時に速度指令を自動的に大きくすることによって、運転周波数を上げるようにしているので、滑り周波数の非常に小さな誘導電動機でも、低速、回生時の運転を安定にすることができ、安定性の向上したPGレスシステムでのベクトル制御を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
なお、従来技術で磁束角速度指令ωφ*、滑り角速度指令ωs *、角速度指令ωr *と称していたものを、以下、それぞれ一次周波数指令ω1 *、滑り周波数指令値ωs *、速度指令値ωr *と称すことにする。また、以下説明する符号は、従来技術に付加されているものと異なる。
【0023】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置について説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置の構成を示すブロック図である。図1において、電圧形PWMインバータ1は直流電源36から加えられる直流電圧をPWM制御方式により任意の周波数と電圧の交流に変換する。電圧形PWMインバータ1の各相U、V、Wの交流出力端に交流電動機2が接続されている。交流電動機2の各相に流れる電流は電流検出器241〜243により検出される。
【0025】
ベクトル制御装置3には、交流電動機2の一次電流を検出して座標変換を行ないトルク電流帰還値Iqおよび励磁電流帰還値Idを送出するd−q変換器25が設けられている。さらに、指令発生器34から入力された速度指令値ωr *と速度推定器28からの速度推定値ωr^が一致するように設けられた速度制御器(ASR)31の出力値をトルク電流指令値Iq *とし、このトルク電流指令値Iq *とd−q変換器25が出力するトルク電流帰還値Iqとが一致するように制御するためのトルク電流制御回路(ACRq)271、磁束制御器23からの励磁電流指令値Id *とd−q変換器25からの励磁電流帰還値Idとが一致するように励磁電流方向電圧を制御する励磁電流制御回路(ACRd)272が設けられている。
【0026】
また、交流電動機2で発生した誘起電圧、一次抵抗r1や漏れインダクタンスlによる逆起電力の電圧を補償する回路は省略している。電圧指令演算器26では、トルク電流制御回路271と、励磁電流制御回路272の出力と、各逆起電力の電圧補償値との和を、積分器32の出力の位相θで座標変換し、U、V、W各相毎の電圧指令を演算し、電圧指令
【0027】
【外1】
Figure 0003945324
として電圧形PWMインバータ1に出力している。
【0028】
また、滑り周波数指令演算器35は、磁束指令発生器29から出力された磁束指令値φ*と、速度制御器31から出力されたトルク電流指令値Iq *と設定された二次抵抗r2(図示せず)とから滑り周波数指令値ωs *を算出している。滑り周波数指令演算器35により算出された滑り周波数指令値ωs *は、加算器331において速度推定器28からの速度推定値ωr^と加算され、一次周波数指令値ω1 *として積分器32に入力される。積分器32では、一次周波数指令値ω1 *を積分することにより位相θを算出して出力している。
【0029】
速度推定器28は、上述した電圧指令
【0030】
【外2】
Figure 0003945324
、一次電流
【0031】
【外3】
Figure 0003945324
を基に交流電動機2の磁束φ、速度ωrの推定演算を行っている。
【0032】
速度指令制御回路37は、図2に示すように、速度指令上昇判別器50と、スイッチ51と、積分器55と、リミッタ52と、係数器53と、乗算器54とから構成されている。
【0033】
速度指令上昇判別器50は、トルク電流指令値Iq *、速度指令値ωr *の積の極性から電動状態か回生状態かを判別し、また、一次周波数指令値ω1 *の大きさを第1および第2の所定値と比較し、スイッチ51の端子xの接続をa、b、cのいずれかに切り替える。具体的には、回生状態(Iq *×ωr *<0)、かつ、第1の所定値<ω1 *<第2の所定値のときは端子aと接続することで、積分器55は入力値を0とし、回生状態(Iq *×ωr *<0)、かつ、ω1 *≦第1の所定値のときは端子bと接続することで、積分器55は入力値を+1とし、上記以外では、端子cと接続することで、積分器55は入力値を−1として積分した後、リミッタ52に出力する。
【0034】
つまり、速度指令上昇判別器50は、速度指令値ωr *とトルク電流指令値Iq *の符号が互いに異なる場合、交流電動機2は回生状態であると判定し、さらに一次周波数指令値ω1 *が第1の所定値以下の場合には交流電動機2が低速度であると判定する。そして、速度指令上昇判別器50は、交流電動機2が低速度で、かつ回生状態であると判定した場合、スイッチ51を制御して、端子xを端子bに接続するようにする。
【0035】
リミッタ52は、0から1で値を制限したときは、積分器55の値を制限値に書きかえる。リミッタ52の出力値を係数器53でK(所定値)倍後、トルク電流指令値Iq *と乗算器54で積をとり、加算器332で速度指令値ωr *に加算する。
【0036】
以上の動作により、回生状態で一次周波数指令値ω1 *が第1の所定値より小さい場合は、速度指令値ωr *の最終値は、
ωr *=ωr *+K(所定値)×Iq *
となり、積分器55、リミッタ52の動作により、速度指令値を連続的に切り替えることができる。
【0037】
このように、速度指令上昇判別器50は、交流電動機2が低速度で、かつ回生状態であることを検出するための検出手段として機能する。そして、スイッチ51、積分器55、リミッタ52、係数器53、乗算器54、加算器332は、交流電動機2が低速度で、かつ回生状態の場合、速度制御器31に入力される速度指令値ωr *を、指令発生器34により指示された速度指令値ωr *より所定値だけ絶対値の大きな値にする速度指令変更手段として機能する。
【0038】
本実施形態のベクトル制御装置3によれば、上記で説明したような処理が行われることにより、低速でかつ回生時に自動的に速度指令値ωr *を大きくして運転周波数を上昇させることができる。従って、図3のトルク−速度特性に示されるような制御が不安定になりやすい領域での運転を避けることができ、安定した運転が可能となる。
【0039】
本実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置3は、滑り周波数指令値ωs *を用いずに速度制御器31に入力される速度指令値ωr *の値を大きくしているため、滑り周波数の非常に小さな大容量の誘導電動機に対しても、安定した速度で運転を行うことができるものである。
【0040】
従って、本実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置3によれば、滑り周波数の非常に小さな誘導電動機に対しても、低速でかつ回生時の運転を安定にすることができ、安定性の向上したPGレスベクトル制御を実現することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置について説明する。図4は、本発明第2の実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置63の構成を示すブロック図である。
【0042】
図4に示した本実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置63が、図1に示した第1の実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置3と異なるのは、速度指令制御回路37と加算器332を取り除き、速度推定制御回路38とスイッチ39を付加したことである。図4において、図1中と同じ符号のものの動作は全く同一なので説明は省略する。
【0043】
速度推定制御回路38は、図5に示すフローチャートの動作で切り替え信号を出力し、スイッチ39を切り替えて速度推定値ωr^を0にすることと、速度推定器28の初期化を行なう。速度推定方式により初期化方法は異なるが、速度推定器28は内部に積分器を有するため、初期化とは、例えば、この積分器のリセットを指す。
【0044】
図5は、速度推定制御回路38の動作(速度指令値が正の場合)を説明するためのフローチャートである。
【0045】
先ず、速度指令値ωr *の極性の判定を行い(ステップ101)、速度指令値ωr *の極性が正の場合、速度推定値ωr^の極性の判定を行う(ステップ102)。そして、ステップ102において、速度推定値ωr^が0であれば速度推定器28の初期化を行う(ステップ103)。
【0046】
速度推定値ωr^が負でかつ前回の速度推定値ωr^が正あるいは0の場合(ステップ104)、今回の速度推定値ωr^の極性が変化したものと判定し、速度推定値ωr^を0に上書きし、速度推定器28の初期化を行う(ステップ105)。ステップ102において速度推定値ωr^が正であると判定された場合、ステップ104において前回の速度推定値ωr^が負であると判定された場合等のその他の条件では処理を行わない。
【0047】
なお、ステップ101において速度指令値ωr *の極性が負であると判定された場合、速度指令値ωr *の極性が正の時の処理において、極性判別の正と負を入れ替えた処理を行えばよいので、その詳細は省略する(ステップ106)。
【0048】
本実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置では、速度推定制御回路38が、交流電動機2の速度指令値ωr *と速度推定値ωr^の符号が互いに異なる場合、交流電動機2の速度推定値ωr^をゼロに上書きするとともに交流電動機2の速度推定器28を初期化する速度推定制御手段として機能する。
【0049】
以上説明したような動作が行われることにより、本実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置63によれば、図6に示すように、速度推定値ωr^の符号が変化して回生状態になる条件を見つけて速度推定値ωr^を0とするとともに速度推定器28を初期化することができる。そのため、実際の速度が0に戻ってきた際に正常な運転を継続することができるようになるので、交流電動機2の速度が0になったり、機械的な反動で回生状態になっても運転を安定にすることができ、安定性の向上したPGレスシステムでのベクトル制御を実現することができる。
【0050】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置について説明する。
【0051】
本発明の第3の実施形態が第2の実施形態と異なるところは、速度推定制御回路38において、電動状態か回生状態かの判断を、第2の実施形態では、速度指令値ωr *と速度推定値ωr^の極性で判断していたのを、トルク電流指令値Iq *と速度推定値ωr^との極性により判断するようにしたところのみである。その他はすべて全く同様であるので説明を省略する。
【0052】
図7は、本実施形態における速度推定制御回路38の動作(トルク電流指令値Iq *が正の場合)を説明するためのフローチャートである。
【0053】
先ず、トルク電流指令値Iq *の極性の判定を行い(ステップ201)、トルク電流指令値Iq *の極性が正の場合、速度推定値ωr^の極性の判定を行う(ステップ202)。そして、ステップ202において、速度推定値ωr^が0であれば速度推定器28の初期化を行う(ステップ203)。
【0054】
速度推定値ωr^が負でかつ前回の速度推定値ωr^が正あるいは0の場合(ステップ204)、今回速度推定値ωr^の極性が変化したものと判定し、速度推定値ωr^を0に上書きし、速度推定器28の初期化を行う(ステップ205)。ステップ202において速度推定値ωr^が正であると判定された場合、ステップ204において前回の速度推定値ωr^が負であると判定された場合等のその他の条件では処理を行わない。
【0055】
なお、ステップ201においてトルク電流指令値Iq *の極性が負であると判定された場合、トルク電流指令値Iq *の極性が正の時の処理において、極性判別の正と負を入れ替えた処理を行えばよいので、その詳細は省略する(ステップ206)。
【0056】
以上の動作で図6に示す、速度推定値ωr^の符号が変化して回生になる条件を見つけることができる。
【0057】
また、本実施形態ではトルク指令値を用いずに、トルク電流指令値Iq *を用いた構成にしているが、トルクはトルク電流と磁束の積で、磁束は常に正であるので、電動か回生かの判定では、トルク電流指令値Iq *を用いて構成しても何ら問題はない。
【0058】
上記で説明した第2および第3の実施形態において、電動側のみで使用される機械では、速度指令値ωr *の符号と逆極性に回転した状態では負荷は継続してかからないので、上記のタイミングで速度推定値ωr^を0で上書きしたり、速度推定器28を初期化しても問題とならない。
【0059】
上記のようにして、制御が不安定になる速度0の状態や、機械の反動で低速・回生モードになる場合にも速度推定器28が異常状態になることを防止でき、電動機速度が速度指令値ωr *と同じ符号になると、正常な速度を推定できるので、安定した運転が継続できる。
【0060】
なお、速度推定器28としては、磁束オブザーバ等の手法が知られているが、本発明は速度推定の手法に関係なく実施することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、滑り周波数の非常に小さな誘導電動機でも、低速、回生時に速度指令を自動で大きくすることによって運転周波数を上げることができ、低速、回生時の運転を安定にすることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の速度指令制御回路37の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態1を適用したトルク−速度特性例を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置の動作を説明するための図である。
【図7】本発明の第3実施形態の交流電動機のPGレスベクトル制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】従来の誘導電動機のPGレスベクトル制御装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図9】図8中のスイッチ30および検出回路40の回路図である。
【図10】従来の他の誘導電動機のPGレスベクトル制御装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 電圧形PWMインバータ
2 交流電動機
3 ベクトル制御装置
4 係数器
5 積分器
6 関数発生器
7 二相/三相変換器
8 ベクトル演算器
9 ベクトル回転器
12 磁束演算部
13 速度推定部
14 磁束指令発生部
151、152 除算器
16 速度制御器
17 磁束制御器
181、182、183 電流制御器
201〜206 減算器
21 加算器
23 磁束制御器
241〜243 電流検出器
25 d−q変換器
26 電圧指令演算器
271、272 電流制御器
28 速度推定器
29 磁束指令発生器
30 スイッチ
301、302、303 端子
31 速度制御器
32 積分器
331、332 加算器
34 指令発生器
35 滑り周波数指令演算器
36 直流電源
37 速度指令制御回路
38 速度推定制御回路
39 スイッチ
40 検出回路
41 乗算器
42 絶対値回路
431、432 比較器
44 アンド回路
50 速度指令上昇判別器
51 スイッチ
52 リミッタ
53 係数器
54 乗算器
55 積分器
63 ベクトル制御装置
101〜106 ステップ
201〜206 ステップ

Claims (1)

  1. インバータが接続され、電動側だけでなく、回生側でも用いられる交流電動機のPGレスベクトル制御装置において、
    前記交流電動機が低速度で、かつ速度指令値とトルク電流指令値の符号が互いに異なることを検出する検出手段と、
    前記交流電動機が低速度で、かつ速度指令値とトルク電流指令値の符号が互いに異なる場合、速度指令値を指示された速度指令値より所定値だけ絶対値の大きな値にする速度指令変更手段とを
    有することを特徴とする、交流電動機のPGレスベクトル制御装置。
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