JP2505325B2 - 誘導電動機の抵抗推定起動装置 - Google Patents
誘導電動機の抵抗推定起動装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、三相誘導電動機をイン
バータにより駆動する技術に関するものである。
バータにより駆動する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】三相誘導電動機の制御方式は、速度検出
装置を必要とせず、高速高精度にトルクや速度が制御で
きる、速度センサレスベクトル制御方式が近年脚光を浴
びており、例えば、平成2年電気学会全国大会講演論文
集の第6分冊の第6-43〜6-44頁に記載された論文「瞬時
空間ベクトル理論を応用した速度センサレスベクトル制
御」等にも発表されている。
装置を必要とせず、高速高精度にトルクや速度が制御で
きる、速度センサレスベクトル制御方式が近年脚光を浴
びており、例えば、平成2年電気学会全国大会講演論文
集の第6分冊の第6-43〜6-44頁に記載された論文「瞬時
空間ベクトル理論を応用した速度センサレスベクトル制
御」等にも発表されている。
【0003】図2は、速度センサレスベクトル制御の一
例のブロック図であり、この図によって従来技術を説明
する。
例のブロック図であり、この図によって従来技術を説明
する。
【0004】PWMインバータ1により電力が供給され
る三相誘導電動機2の三相の一次電圧vu , vv ,vw
を電圧検出器3で検出する。また三相一次電流iu ,i
v ,iw を電流検出器4で検出する。状態変数演算器5
では、検出された一次電圧vu , vv ,vw および一次
電流iu ,iv ,iw より、 V1 =√(2/3)[vu −vv /2−vw /2+j√(3)/2(vv −vw )] (1) I1 =√(2/3)[iu −iv /2−iw /2+j√(3)/2(iv −iw )] (2) Ψ2 =∫{L2/M (v1 −R1 I1)−K(Ψ2 −Ψ2i)}dt −(L1 L2 /M−M)I1 (3) Ψ2i=∫(M/L2 I1 −R2/L2 Ψ2i+jωm Ψ2i)dt (4) ω2 =d/dt(tan-1ψ2q/ψ2d) (5) ωs =R2 M/L2(ψ2di1q−ψ2qi1d) / (ψ2d 2 +ψ2q 2) (6) ωm =ω2 −ωs (7) Ψ1 =M/L2 Ψ2i+ (L1 −M2/L2)I1 (8) T=ψ1di1q−ψ1qi1d (9) の演算をする。ここで、 V1 ;一次電圧ベクトル I1 ;一次電流ベクトル Ψ2 ,Ψ2i;二次鎖交磁束ベクトル ω2 ;Ψ2 の回転角周波数 ωs ;Ψ2 に対する回転子のすべり角周波数 ωm ;回転子の回転角周波数 Ψ1 ;一次鎖交磁束ベクトル T ;トルク ψ2d,ψ2q;Ψ2 のd,q軸成分 ψ1d,ψ1q;Ψ1 のd,q軸成分 L1 ,L2 ;一次,二次インダクタンス M ;相互インダクタンス K ;積分ドリフト補償ゲイン R1 ,R2 ;一次,二次抵抗 j ;ベクトルを複素数表現した時の虚数部を意味し、
それはベクトルのq軸に相当する。 である。またd−q軸は静止した座標軸である。そして
以下ωm を速度と称することにする。
る三相誘導電動機2の三相の一次電圧vu , vv ,vw
を電圧検出器3で検出する。また三相一次電流iu ,i
v ,iw を電流検出器4で検出する。状態変数演算器5
では、検出された一次電圧vu , vv ,vw および一次
電流iu ,iv ,iw より、 V1 =√(2/3)[vu −vv /2−vw /2+j√(3)/2(vv −vw )] (1) I1 =√(2/3)[iu −iv /2−iw /2+j√(3)/2(iv −iw )] (2) Ψ2 =∫{L2/M (v1 −R1 I1)−K(Ψ2 −Ψ2i)}dt −(L1 L2 /M−M)I1 (3) Ψ2i=∫(M/L2 I1 −R2/L2 Ψ2i+jωm Ψ2i)dt (4) ω2 =d/dt(tan-1ψ2q/ψ2d) (5) ωs =R2 M/L2(ψ2di1q−ψ2qi1d) / (ψ2d 2 +ψ2q 2) (6) ωm =ω2 −ωs (7) Ψ1 =M/L2 Ψ2i+ (L1 −M2/L2)I1 (8) T=ψ1di1q−ψ1qi1d (9) の演算をする。ここで、 V1 ;一次電圧ベクトル I1 ;一次電流ベクトル Ψ2 ,Ψ2i;二次鎖交磁束ベクトル ω2 ;Ψ2 の回転角周波数 ωs ;Ψ2 に対する回転子のすべり角周波数 ωm ;回転子の回転角周波数 Ψ1 ;一次鎖交磁束ベクトル T ;トルク ψ2d,ψ2q;Ψ2 のd,q軸成分 ψ1d,ψ1q;Ψ1 のd,q軸成分 L1 ,L2 ;一次,二次インダクタンス M ;相互インダクタンス K ;積分ドリフト補償ゲイン R1 ,R2 ;一次,二次抵抗 j ;ベクトルを複素数表現した時の虚数部を意味し、
それはベクトルのq軸に相当する。 である。またd−q軸は静止した座標軸である。そして
以下ωm を速度と称することにする。
【0005】速度ωmとその指令ωm *との誤差は、加
減算器6で演算され、PI増幅器7でトルク指令T*と
なる。トルク指令T*はトルク制限器8を通して最大値
が制限されてT*′となる。T*′と磁束指令Ψ*及び
状態変数演算器5の出力のトルクTと一次鎖交磁束ベク
トルΨ1が、トルク磁束制御器9に入力され、トルクT
が入力されるトルク指令T*′に追従し、且つ一次鎖交
磁束ベクトルの絶対値|Ψ1|が磁束指令Ψ*に追従す
るように、スイッチング信号Su,Sv,Swがこのト
ルク磁束制御器9からPWMインバータ1に出力され
る。磁束指令Ψ*やトルク制限器8のトルク制限値T
LMは、起動モード発生器10から得られる。起動モー
ド発生器10は、起動信号STを入力とし、この起動信
号STが“0”の時は磁束指令Ψ*及びトルク制限値T
LM共に零であり、起動信号STが“0”から“1”に
変化してからt1時間後までに磁束指令Ψ*を50%ま
で増加させるが、トルク制限値TLMはこの時まで零の
ままとする。その後3t1までに磁束指令Ψ*を100
%まで増加させると共に、トルク制限値TLMも0%か
ら150%まで増加させる。
減算器6で演算され、PI増幅器7でトルク指令T*と
なる。トルク指令T*はトルク制限器8を通して最大値
が制限されてT*′となる。T*′と磁束指令Ψ*及び
状態変数演算器5の出力のトルクTと一次鎖交磁束ベク
トルΨ1が、トルク磁束制御器9に入力され、トルクT
が入力されるトルク指令T*′に追従し、且つ一次鎖交
磁束ベクトルの絶対値|Ψ1|が磁束指令Ψ*に追従す
るように、スイッチング信号Su,Sv,Swがこのト
ルク磁束制御器9からPWMインバータ1に出力され
る。磁束指令Ψ*やトルク制限器8のトルク制限値T
LMは、起動モード発生器10から得られる。起動モー
ド発生器10は、起動信号STを入力とし、この起動信
号STが“0”の時は磁束指令Ψ*及びトルク制限値T
LM共に零であり、起動信号STが“0”から“1”に
変化してからt1時間後までに磁束指令Ψ*を50%ま
で増加させるが、トルク制限値TLMはこの時まで零の
ままとする。その後3t1までに磁束指令Ψ*を100
%まで増加させると共に、トルク制限値TLMも0%か
ら150%まで増加させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術において速度
ωm やトルクT、一次鎖交磁束ベクトルΨ1 がそれぞれ
指令値ωm * やT* ′、Ψ* に追従するように制御され
る。そのωm やT、及びΨ1 は一次電圧ベクトルV1 や
一次電流ベクトルI1 より、電動機定数のR1 、R2 、
L1 、L2 、Mを用いて演算されるので、もしそれらの
定数が実際の値と違っていると、演算される速度ωm や
トルクT、一次鎖交磁束ベクトルΨ1 もそれぞれの真の
値と違うようになって、ωm * 、T* ′、Ψ* と実際の
ωm 、T、|Ψ1 |との間に誤差を生じるようになる。
ωm やトルクT、一次鎖交磁束ベクトルΨ1 がそれぞれ
指令値ωm * やT* ′、Ψ* に追従するように制御され
る。そのωm やT、及びΨ1 は一次電圧ベクトルV1 や
一次電流ベクトルI1 より、電動機定数のR1 、R2 、
L1 、L2 、Mを用いて演算されるので、もしそれらの
定数が実際の値と違っていると、演算される速度ωm や
トルクT、一次鎖交磁束ベクトルΨ1 もそれぞれの真の
値と違うようになって、ωm * 、T* ′、Ψ* と実際の
ωm 、T、|Ψ1 |との間に誤差を生じるようになる。
【0007】電動機定数のうちL1 、L2 、Mは運転中
にほとんど変化しないので、最初に正確な値を状態変数
演算器5に設定しておけば、上記の問題は生じない。し
かしながら、電動機定数のうちR1 とR2 とは電動機の
温度によって変動するので、設定したR1 、R2 の値と
実際のR1 、R2 の値との間に誤差を生じるようにな
る。例えば、電動機の温度がR1 、R2 の設定温度より
も高かったならば、起動時に充分な起動トルクを発生で
きず、起動できなかったり速度指令よりも高速で回転し
てしまったりする。本発明はこのような問題点を解決し
ようとするものである。
にほとんど変化しないので、最初に正確な値を状態変数
演算器5に設定しておけば、上記の問題は生じない。し
かしながら、電動機定数のうちR1 とR2 とは電動機の
温度によって変動するので、設定したR1 、R2 の値と
実際のR1 、R2 の値との間に誤差を生じるようにな
る。例えば、電動機の温度がR1 、R2 の設定温度より
も高かったならば、起動時に充分な起動トルクを発生で
きず、起動できなかったり速度指令よりも高速で回転し
てしまったりする。本発明はこのような問題点を解決し
ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の従来技術の問題点
を解決するために、本発明の誘導電動機の抵抗推定起動
装置は、三相誘導電動機の駆動システムにおいて、該電
動機の起動時に、すなわち起動信号ST が零から立ち上
がった直後から磁束指令が50%まで立ち上がるまでの一
定時間、直流電圧または脈流電圧を一時的に印加する直
流または脈流電圧発生手段と、前記の直流または脈流電
圧発生手段より直流または脈流電圧を該電動機に印加し
始めてから磁束指令が50%まで立ち上がるまでの一定時
間後該電動機の1相の電流(以下起動電流と呼ぶ)を検
出する起動電流検出手段と、該電動機の温度が基準温度
状態における該電動機の一次抵抗R1nと二次抵抗R2nお
よび該電動機の温度が基準温度状態における前記起動電
流検出手段の出力の起動電流In を記憶している基準値
記憶手段と、該電動機の温度が規定されていない状態に
おける前記起動電流検出手段の出力の起動電流Iおよび
基準値記憶手段出手段の出力R1n、R2nおよびIn を入
力し、 R1 ={Kr1(In −I)/I+1}R1n R2 ={Kr2(In −I)/I+1}R2n の演算(Kr1,Kr2は補正係数)で該電動機の一次抵抗
R1 と二次抵抗R2 とを推定する抵抗推定手段とから成
り、起動時に電動機の一次抵抗と二次抵抗とを推定する
ことを特徴とする。
を解決するために、本発明の誘導電動機の抵抗推定起動
装置は、三相誘導電動機の駆動システムにおいて、該電
動機の起動時に、すなわち起動信号ST が零から立ち上
がった直後から磁束指令が50%まで立ち上がるまでの一
定時間、直流電圧または脈流電圧を一時的に印加する直
流または脈流電圧発生手段と、前記の直流または脈流電
圧発生手段より直流または脈流電圧を該電動機に印加し
始めてから磁束指令が50%まで立ち上がるまでの一定時
間後該電動機の1相の電流(以下起動電流と呼ぶ)を検
出する起動電流検出手段と、該電動機の温度が基準温度
状態における該電動機の一次抵抗R1nと二次抵抗R2nお
よび該電動機の温度が基準温度状態における前記起動電
流検出手段の出力の起動電流In を記憶している基準値
記憶手段と、該電動機の温度が規定されていない状態に
おける前記起動電流検出手段の出力の起動電流Iおよび
基準値記憶手段出手段の出力R1n、R2nおよびIn を入
力し、 R1 ={Kr1(In −I)/I+1}R1n R2 ={Kr2(In −I)/I+1}R2n の演算(Kr1,Kr2は補正係数)で該電動機の一次抵抗
R1 と二次抵抗R2 とを推定する抵抗推定手段とから成
り、起動時に電動機の一次抵抗と二次抵抗とを推定する
ことを特徴とする。
【0009】
【作用】例えば、直流または脈流電圧発生手段の出力電
圧Eを、標準温度で停止している三相誘導電動機のV−
W相端子を短絡し、U−V相端子間に印加した場合に、
図3に実線で示したようにU相電流iu が流れたとす
る。この時、流し始めてからの時間が充分に長いt2時間
後に流れる電流は、標準温度における抵抗をR1nとする
と2E/3R1nである。起動時の温度が標準温度より高
い場合には抵抗R1 が大きくなりR1 >R1nで示した破
線のように電流が流れる。逆に起動時の温度が標準温度
より低い場合には抵抗R1 は小さくなりR1 <R1nで示
した破線のように電流が流れる。抵抗値R1 と電流の値
とは反比例する。時間t2より相当短い時間t1後の電流に
ついても図3に示したように電流の大小関係は同じであ
って、その値も正確ではないがほぼ反比例の関係にある
とみなすことができる。よって予め標準温度における一
次抵抗R1 及び二次抵抗R2 において前記t1時間後の電
流Iを測定し、これを基準温度における起動電流In と
して、標準温度における一次抵抗R1n及び二次抵抗R2n
と共に、基準値記憶手段内に記憶しておく。かくして、
起動時に予め決められた一定の直流電圧を該誘導電動機
に印加して、予め決められた時間t1後の起動電流Iを起
動電流検出手段で検出し、抵抗推定手段において、基準
値記憶手段の出力である基準温度での起動電流In と一
次抵抗R1n及び二次抵抗R2nとから、 Ar1=Kr1(In −I)/I (10) Ar2=Kr2(In −I)/I (11) R1 =(Ar1+1)R1n (12) R2 =(Ar2+1)R2n (13) の演算をし、一次抵抗R1 と二次抵抗R2 とを推定す
る。ここでAr1とAr2とはそれぞれ一次抵抗と二次抵抗
との補正率であり、Kr1とKr2とは補正率の補正係数で
ある。一次抵抗と二次抵抗との温度がいつでも同じなら
ば、Kr1=Kr2=1でもよいが、実際には温度上昇した
状態においては二次抵抗の温度の方が高いので、Kr1<
1及びKr2>1とする必要がある。
圧Eを、標準温度で停止している三相誘導電動機のV−
W相端子を短絡し、U−V相端子間に印加した場合に、
図3に実線で示したようにU相電流iu が流れたとす
る。この時、流し始めてからの時間が充分に長いt2時間
後に流れる電流は、標準温度における抵抗をR1nとする
と2E/3R1nである。起動時の温度が標準温度より高
い場合には抵抗R1 が大きくなりR1 >R1nで示した破
線のように電流が流れる。逆に起動時の温度が標準温度
より低い場合には抵抗R1 は小さくなりR1 <R1nで示
した破線のように電流が流れる。抵抗値R1 と電流の値
とは反比例する。時間t2より相当短い時間t1後の電流に
ついても図3に示したように電流の大小関係は同じであ
って、その値も正確ではないがほぼ反比例の関係にある
とみなすことができる。よって予め標準温度における一
次抵抗R1 及び二次抵抗R2 において前記t1時間後の電
流Iを測定し、これを基準温度における起動電流In と
して、標準温度における一次抵抗R1n及び二次抵抗R2n
と共に、基準値記憶手段内に記憶しておく。かくして、
起動時に予め決められた一定の直流電圧を該誘導電動機
に印加して、予め決められた時間t1後の起動電流Iを起
動電流検出手段で検出し、抵抗推定手段において、基準
値記憶手段の出力である基準温度での起動電流In と一
次抵抗R1n及び二次抵抗R2nとから、 Ar1=Kr1(In −I)/I (10) Ar2=Kr2(In −I)/I (11) R1 =(Ar1+1)R1n (12) R2 =(Ar2+1)R2n (13) の演算をし、一次抵抗R1 と二次抵抗R2 とを推定す
る。ここでAr1とAr2とはそれぞれ一次抵抗と二次抵抗
との補正率であり、Kr1とKr2とは補正率の補正係数で
ある。一次抵抗と二次抵抗との温度がいつでも同じなら
ば、Kr1=Kr2=1でもよいが、実際には温度上昇した
状態においては二次抵抗の温度の方が高いので、Kr1<
1及びKr2>1とする必要がある。
【0010】このようにして求められた一次抵抗R1 及
び二次抵抗R2 は必ずしも実際の値に一致はしないが、
標準温度における一次抵抗R1n及び二次抵抗R2nよりは
実際に近い値となるので、速度ωm やトルクT、一次鎖
交磁束ベクトルΨ1 の演算誤差が少なくなり、前記の起
動トルク不足等の問題が緩和される。
び二次抵抗R2 は必ずしも実際の値に一致はしないが、
標準温度における一次抵抗R1n及び二次抵抗R2nよりは
実際に近い値となるので、速度ωm やトルクT、一次鎖
交磁束ベクトルΨ1 の演算誤差が少なくなり、前記の起
動トルク不足等の問題が緩和される。
【0011】予め決められた時間t1を、t2のように充分
長くすれば、起動電流Iと一次抵抗R1 との関係は完全
に反比例となり、式(10)のKr1=1とすることによっ
て、正確な一次抵抗R1 得ることができるが、t1が秒単
位となり起動時間がかかり過ぎる不具合が生じる。
長くすれば、起動電流Iと一次抵抗R1 との関係は完全
に反比例となり、式(10)のKr1=1とすることによっ
て、正確な一次抵抗R1 得ることができるが、t1が秒単
位となり起動時間がかかり過ぎる不具合が生じる。
【0012】
【実施例】本発明を図2に示した従来技術による速度セ
ンサレスベクトル制御に適用した一実施例を図1に示
す。図2と同一部分については説明を省略し、図1につ
いて詳細に説明する。
ンサレスベクトル制御に適用した一実施例を図1に示
す。図2と同一部分については説明を省略し、図1につ
いて詳細に説明する。
【0013】図2の起動モード発生器10は、スイッチ12
とスイッチ14とを操作する信号S1 とS2 とを新たに出
力するために、起動モード発生器10′に変更されてい
る。スイッチ12を操作する信号S1 は、起動信号ST が
“0”から“1”に立ち上がってから、磁束指令Ψ* が
50%まで立ち上がるまでの時間t1の間“1”となり、他
は“0”である。また、スイッチ14を操作する信号S2
は、信号S1 が“1”から“0”に立ち下がる瞬間のみ
“1”となる。よって、起動信号ST が“1”になった
直後からt1時間だけスイッチ12は“1”側に切り換わ
り、直流電圧信号発生器11の出力Su ,Sv ,Sw がP
WMインバータ1に入力される。PWMインバータ1は
パルス幅制御で平均的に直流電圧Eを三相誘導電動機2
のU相−V相間に印加する。この時Su =Sw とするこ
とによって、V相−W相間は短絡された状態と同じにな
る。直流電圧Eの値は、時間t1の間に磁束が50%立ち上
がる大きさにする必要がある。電流検出器4のU相の電
流iu は、PWM制御によるリップルを除くために低域
通過フィルタ13を通って平滑化され、スイッチ14を介し
て抵抗推定演算器15へ入力される。破線で取り囲んだよ
うに、この電流検出器4のU相分と低域通過フィルタ13
とスイッチ14とで起動電流検出器17を構成している。ス
イッチ14は起動してからt1時間後の瞬間だけ閉じるの
で、抵抗推定演算器15には起動電流Iが入力されること
になる。抵抗推定演算器15には基準値記憶器16の出力で
ある基準温度での起動電流In と一次抵抗R1n及び二次
抵抗R2nを入力して、式(10),(11),(12),(1
3)により一次抵抗R1 と二次抵抗R2 とを推定し、状
態変数演算器5へ出力される。起動信号ST が“1”に
なってからt1時間後の動作は図2に示した従来技術と同
じであるが、状態変数演算器5で用いる抵抗値がR1nと
R2nの代わりに、抵抗推定演算器15の出力のR1 とR2
とになる点が異なっている。
とスイッチ14とを操作する信号S1 とS2 とを新たに出
力するために、起動モード発生器10′に変更されてい
る。スイッチ12を操作する信号S1 は、起動信号ST が
“0”から“1”に立ち上がってから、磁束指令Ψ* が
50%まで立ち上がるまでの時間t1の間“1”となり、他
は“0”である。また、スイッチ14を操作する信号S2
は、信号S1 が“1”から“0”に立ち下がる瞬間のみ
“1”となる。よって、起動信号ST が“1”になった
直後からt1時間だけスイッチ12は“1”側に切り換わ
り、直流電圧信号発生器11の出力Su ,Sv ,Sw がP
WMインバータ1に入力される。PWMインバータ1は
パルス幅制御で平均的に直流電圧Eを三相誘導電動機2
のU相−V相間に印加する。この時Su =Sw とするこ
とによって、V相−W相間は短絡された状態と同じにな
る。直流電圧Eの値は、時間t1の間に磁束が50%立ち上
がる大きさにする必要がある。電流検出器4のU相の電
流iu は、PWM制御によるリップルを除くために低域
通過フィルタ13を通って平滑化され、スイッチ14を介し
て抵抗推定演算器15へ入力される。破線で取り囲んだよ
うに、この電流検出器4のU相分と低域通過フィルタ13
とスイッチ14とで起動電流検出器17を構成している。ス
イッチ14は起動してからt1時間後の瞬間だけ閉じるの
で、抵抗推定演算器15には起動電流Iが入力されること
になる。抵抗推定演算器15には基準値記憶器16の出力で
ある基準温度での起動電流In と一次抵抗R1n及び二次
抵抗R2nを入力して、式(10),(11),(12),(1
3)により一次抵抗R1 と二次抵抗R2 とを推定し、状
態変数演算器5へ出力される。起動信号ST が“1”に
なってからt1時間後の動作は図2に示した従来技術と同
じであるが、状態変数演算器5で用いる抵抗値がR1nと
R2nの代わりに、抵抗推定演算器15の出力のR1 とR2
とになる点が異なっている。
【0014】
【発明の効果】三相誘導電動機の一次抵抗や二次抵抗は
該電動機の温度によって変動する。よって、従来技術で
は温度が代わる度に人の手によって抵抗値を制御器に入
力する必要があった。それができない場合にはトルクや
速度の制御精度が劣化する。しかし、本発明によると、
起動時の短い時間に直流電圧を印加して流れる電流の変
動を測定することにより、自動的に抵抗変動が推定でき
るので、起動後電動機の温度変動の少ない暫くの間はト
ルクや速度制御精度を高く保つことができる。特に従来
技術における温度変動による起動トルク不足の問題に対
しては、本発明によって完全に解決できる。
該電動機の温度によって変動する。よって、従来技術で
は温度が代わる度に人の手によって抵抗値を制御器に入
力する必要があった。それができない場合にはトルクや
速度の制御精度が劣化する。しかし、本発明によると、
起動時の短い時間に直流電圧を印加して流れる電流の変
動を測定することにより、自動的に抵抗変動が推定でき
るので、起動後電動機の温度変動の少ない暫くの間はト
ルクや速度制御精度を高く保つことができる。特に従来
技術における温度変動による起動トルク不足の問題に対
しては、本発明によって完全に解決できる。
【図1】図1は本発明を速度センサレスベクトル制御に
適用した一例のブロック線図である。
適用した一例のブロック線図である。
【図2】図2は従来の速度センサレスベクトル制御の一
例のブロック線図である。
例のブロック線図である。
【図3】図3は三相誘導電動機のV−W相間を短絡し、
U−V相間に直流電圧を印加した時のU相電流の波形を
示した波形図である。
U−V相間に直流電圧を印加した時のU相電流の波形を
示した波形図である。
1 PWMインバータ 2 三相誘導電動機 3 電圧検出器 4 電流検出器 5 状態変数演算器 6 加減算器 7 PI増幅器 8 トルク制限器 9 トルク磁束制御器 10,10′起動モード発生器 11 直流電圧信号発生器 12 スイッチ 13 低域通過フィルタ 14 スイッチ 15 抵抗推定演算器 16 基準値記憶器 17 起動電流検出器
Claims (1)
- 【請求項1】 三相誘導電動機の駆動システムにおい
て、該電動機の起動時に一定時間直流電圧または脈流電
圧を一時的に印加する直流または脈流電圧発生手段と、
前記の直流または脈流電圧発生手段より直流または脈流
電圧を該電動機に印加し始めてから磁束指令が50%まで
立ち上がるまでの一定時間後、該電動機の1相の電流、
すなわち起動電流を検出する起動電流検出手段と、該電
動機の温度が基準温度状態における該電動機の一次抵抗
R1nと二次抵抗R2nおよび該電動機の温度が基準温度状
態における前記起動電流検出手段の出力の起動電流In
を記憶している基準値記憶手段と、該電動機の温度が規
定されていない状態における前記起動電流検出手段の出
力の起動電流Iおよび基準値記憶手段出手段の出力
R1n、R2nおよびIn を入力し、Kr1,Kr2を補正係数
として R1 ={Kr1(In −I)/I+1}R1n R2 ={Kr2(In −I)/I+1}R2n の演算で該電動機の一次抵抗R1 と二次抵抗R2 とを推
定する抵抗推定手段とから成り、起動時に電動機の一次
抵抗と二次抵抗とを推定する誘導電動機の抵抗推定起動
装置。
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JP3163390A JP2505325B2 (ja) | 1991-06-10 | 1991-06-10 | 誘導電動機の抵抗推定起動装置 |
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1991
- 1991-06-10 JP JP3163390A patent/JP2505325B2/ja not_active Expired - Fee Related
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