JP2000338747A - 帯電装置 - Google Patents

帯電装置

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JP2000338747A
JP2000338747A JP11149694A JP14969499A JP2000338747A JP 2000338747 A JP2000338747 A JP 2000338747A JP 11149694 A JP11149694 A JP 11149694A JP 14969499 A JP14969499 A JP 14969499A JP 2000338747 A JP2000338747 A JP 2000338747A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光体ドラムの非画像領域へのトナー付着を
防止するとともに、画像領域への帯電を安定させる。 【解決手段】 放電体10と感光体ドラム222aとの
間にグリッド11を配置する。感光体ドラム222aの
画像領域Xに対向するグリッド11の領域をメッシュ構
造の規制部Sとし、非画像領域Yに対向する領域には開
口31を形成した非規制部Tとする。放電体10から照
射されるイオン流は規制部Sでは通過が規制されて均一
化され、感光体ドラム222aの画像領域Xを一様に帯
電する。非画像領域Yには、グリッド11に遮られるこ
となくイオン流が到達して、表面電位を大きくしてトナ
ーの付着を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー(現像剤)
によって画像を形成する電子写真方式の画像形成装置に
使用される帯電装置に関し、特にトナー像が形成される
感光体を帯電するための帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、トナーと同一極性に帯電された感光体ドラムを露光
して静電潜像を形成し、この潜像をトナーで現像してト
ナー像を形成する(一般に反転現像方式と呼称される)
電子写真方式の複写機では、露光前の感光体ドラムを一
様に帯電させるための帯電装置、露光装置、現像装置等
が感光体ドラムの周囲に設けられている。さらに、転写
装置、クリーニング装置および除電装置も設けられてい
る。
【0003】この感光体ドラムの表面において各装置に
よる画像形成処理が実行されるが、図11に感光体ドラ
ムAの表面に対する各装置によって施される処理領域の
関係を示す。ここで、帯電領域、露光領域(=画像領
域)、現像領域、転写領域、クリーニング領域および除
電領域のそれぞれの長さを、L1、L2、L3、L4、
L5、L6とすると、 L2<L1 or L3 or L4 (1) L1 or L3 or L4<L5<L6 (2) となる。(1)式のようになっているのは、帯電、露光
によって形成された静電潜像を確実に現像、転写するた
めである。すなわち、帯電領域の端部は帯電電位が不安
定であったり不均一であるので、画像領域に対して所定
の帯電マージンを設けるためであり、現像領域の端部は
現像が不安定であったり不均一であるので、画像領域に
対して所定の現像マージンを設けるためであり、転写領
域の端部は転写電位が不安定であったり不均一であるの
で、画像領域に対して所定の転写マージンを設けるため
である。また、(2)式のようになっているのは、感光
体表面のクリーニングと除電を確実に行えるように、ク
リーニング領域にL1〜L4のうちの最も幅広の領域に
対してクリーニングマージンを設けるためであり、除電
領域にクリーニング領域に対して所定の除電マージンを
設けるためである。なお、L1、L3およびL4の大小
関係は任意である。
【0004】しかしながら、このような複写機では、感
光体ドラムにおける帯電されない領域である帯電領域の
外側の非画像領域では、電荷を保持しないため電位が低
くなって現像処理によってトナーが付着しやすい領域と
なっている。そのため、この領域に付着したトナーによ
って、転写用紙や複写機内の汚染、トナーの浪費が招来
されてしまうという問題があった。
【0005】このような問題を解決するために、実開平
3−125358号公報には、スコロトロン方式の帯電
装置、すなわち感光体ドラムの画像領域における帯電量
の増減や均一化といった帯電量調節のためのグリッドを
備えた帯電装置を有する複写機において、画像領域より
長いグリッドを用いるとともに、画像領域外にある帯電
領域に対応したグリッドの両端部分を感光体ドラム側に
湾曲させることが開示されている。これによって、グリ
ッドを感光体ドラム側に湾曲させない場合に比して、画
像領域外の画像領域の電位の絶対値が現像電位の絶対値
より小さくなる箇所(反転現像方式故、帯電領域の電位
と現像電位は同極性となる)にトナーが付着し、用紙上
に黒筋として転写されるのを防止している。
【0006】なお、スコロトロン方式の帯電装置を図1
2に示す。感光体ドラムに静電荷を与えるための荷電粒
子を発生する放電体1が絶縁性の電極ホルダー2に取り
付けられ、チャージャケース3に内装されている。放電
体1の前方には、放電体1からの粒子流の通過を規制し
て均一化するグリッド4が設けられ、その両端がホルダ
ー5に突設された爪6に係合されて、グリッド4は引っ
張られた状態で保持されている。なお、7は電極であ
る。ここで、このグリッド4のない帯電装置がコロトロ
ン方式とされ、スコロトロン方式は、感光体ドラムにお
ける帯電電位の一様性をより向上できる点においてコロ
トロン方式より優れている。
【0007】しかしながら、上記のようにグリッドを感
光体ドラム側に湾曲させてしまうと、画像領域に対向す
る部分のグリッドの平面性が失われてしまうため、画像
領域における電位の一様性が低下してしまうという問題
が発生する。また、帯電領域外の感光体ドラムの非画像
領域の電位が現像電位よりもその絶対値が小さいため
に、帯電領域外の現像領域と重なる箇所にトナーが付着
して、トナーが不要に消費され、感光体ドラムから回収
される廃棄トナーも増えて、廃棄トナー容器のライフが
短くなるといった問題も生じる。さらに、上述のように
現像領域よりも幅広いクリーニング領域が設けられてい
ても、クリーニングブレードを使用して感光体ドラムか
らトナーを掻き落とす場合、一部のトナーはクリーニン
グブレードのエッジに沿って感光体ドラム端部方向に移
動するため、このように画像領域外に付着して用紙に転
写しないトナーがクリーニングブレードの側端に設けら
れたシール体に余分な負担をかけることになり、シール
性が早期に低下するといった問題を生じる。
【0008】また、上述の問題を解決するため、特開平
4−172379号公報には、コロトロン方式の帯電装
置を備えた複写機において、感光体ドラム表面上の静電
潜像が形成される領域である画像領域および現像領域よ
りも帯電領域を広くすることによって、上記のようなト
ナー付着を防止する技術が開示されている。しかしなが
ら、この方式では、トナー付着の防止を図ることは簡単
に行えるが、グリッドを備えていないので、画像領域の
電位の一様性を高めて高画質を得るには不向きであり、
帯電むらが生じて画像不良の原因になるという問題があ
る。
【0009】さらに、別の問題として以下のものがあ
る。感光体ドラムには、製造作業の簡素化のために、導
電性の感光体基体上に塗布する感光層を基体の縁まで塗
布せず、縁から一定の幅だけ基体が露呈したものがあ
る。また、感光層の塗布後に基体の端部に生じる塗布液
の盛り上がりを除去するために拭き取りを行って製造さ
れるが、これにより感光層が拭き取られない部分に比し
て端部の電気絶縁性が低下する。このような感光体ドラ
ムに対して単にグリッドを配置しただけでは、露呈した
基体端部あるいは拭き取りを行った基体端部といった低
絶縁性部位とグリッドとの距離が接近するので、この間
でリーク放電し、感光層を損なうことがある。これは、
基体のアースをとるために感光体ドラムのフランジに導
電性樹脂等を採用した場合にも問題となる。
【0010】そこで、本発明は、上記に鑑み、画像領域
を均一に帯電しながら非画像領域へのトナー付着の防止
を図れる帯電装置の提供を目的とする。さらに、スコロ
トロン方式の帯電装置において、グリッドから感光体側
へのリーク放電を防止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、スコロトロン方式およびコロトロン方式を組み合
わせることによって、両者の長所を活かして画像領域を
均一に帯電しながら非画像領域へのトナー付着の防止を
図るものであり、感光体表面の画像領域をスコロトロン
方式で帯電して、非画像領域をコロトロン方式で帯電す
るようにしている。
【0012】これを実現するためには、グリッドを画像
領域に対向する規制部と非画像領域に対向する非規制部
とから構成すればよい。なお、非規制部は、非画像領域
全体に対向していなくても、少なくとも画像領域外にあ
る現像領域に対向していればよい。そして、感光体表面
の画像領域に対しては、放電体からの粒子流の通過を所
定の電位により規制することによって、均一な粒子流を
安定的に供給することができる。一方、非規制部によっ
て、少なくとも画像領域外にある現像領域を現像電位以
上の電位となるように放電体からの粒子流の通過を許容
することにより、非画像領域を現像電位以上の電位とす
ることができ、この領域でのトナーの付着を防止する。
【0013】しかも、グリッドの非規制部を感光体から
所定の距離だけ隔てて配置しておくと、所定の電位で感
光体端部の低絶縁性部位に対してリーク放電しないよう
にできる。この場合、グリッドに開口を形成して非規制
部とすると、簡単な構造にできる。また、グリッドを感
光体から遠ざかる方向に引っ張って張架すると、グリッ
ドの平面性が低下することがなくなり、安定した帯電を
行える。これによって、グリッドを感光体に接近させて
配置することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る画像形成装置の実施
形態を図1に基づいて説明する。本画像形成装置である
デジタルカラー複写機では、複写機本体の上面に原稿台
111および操作パネルが設けられ、複写機本体の内部
に画像読み取り部110、画像形成部210および給紙
機構211が設けられて構成される。原稿台111の上
方には、原稿台111に対して開閉可能な状態で支持さ
れ、原稿台111上面に対して所定の位置関係をもって
両面自動原稿送り装置(RADF;Reversing Automati
c Document Feeder)112が装着されており、両面自
動原稿送り装置112を開けると原稿台111上に原稿
を直接載置できる。
【0015】この両面自動原稿送り装置112は、まず
原稿の一方の面が原稿台111の所定位置において画像
読み取り部110に対向するように原稿を搬送し、この
一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他方
の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部
110に対向するよう原稿を反転して原稿台111に向
かって搬送するようになっている。そして、両面自動原
稿送り装置112は、1枚の原稿について両面の画像読
み取りが終了した後にこの原稿を排出し、次の原稿につ
いての両面搬送動作を実行する。この原稿搬送および表
裏反転の動作は、複写機全体の動作に関連して複写機本
体に内蔵された制御装置によって制御されるものであ
る。
【0016】画像読み取り部110は、両面自動原稿送
り装置112により原稿台111上に搬送されてきた原
稿の画像を読み取るために、原稿台111の下方に配置
されている。画像読み取り部110は、原稿台111の
下面に沿って平行に往復移動する第1,第2走査ユニッ
ト113,114と、光学レンズ115と、光電変換素
子であるCCDラインセンサ116とを有している。
【0017】第1走査ユニット113は、原稿画像表面
を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の
方向に向かって偏向する第1ミラーとを備え、原稿台1
11の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査
速度で平行に往復移動するものである。第2走査ユニッ
ト114は、第1走査ユニット113の第1ミラーによ
り偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に
向かって偏向する第2および第3ミラーとを備え、第1
走査ユニット113と一定の速度関係を保って平行に往
復移動するものである。
【0018】光学レンズ115は、第2走査ユニット1
14の第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光像
を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ116
上の所定位置に結像させるものである。
【0019】CCDラインセンサ116は、結像された
光像を順次光電変換して電気信号として出力するもので
ある。CCDラインセンサ116としては、白黒画像あ
るいはカラー画像を読み取り、R(赤)、G(緑)、B
(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力する
ことのできる3ラインのカラーCCDである。このCC
Dラインセンサ116により電気信号に変換された原稿
画像情報は、さらに制御装置内の画像処理部に転送され
て所定の画像データ処理が施される。
【0020】画像読み取り部110の下方には画像形成
部210が配され、画像形成部210の下方には、用紙
トレイ250内に積載収容されている用紙Pを1枚ずつ
分離して画像形成部210に向かって供給する給紙機構
211が設けられている。
【0021】画像形成部210は、図2に示すように、
黒画像を形成するための第1の画像形成ステーションP
a、シアン画像を形成するための第2の画像形成ステー
ションPb、マゼンタ画像を形成するための第3の画像
形成ステーションPc、および黄色画像を形成するため
の第4の画像形成ステーションPdと、各画像形成ステ
ーションPa、Pb、Pc、Pdに対応したレーザービ
ームスキャナユニット(LSU)227a〜227d
と、転写機構213とを備えている。第1の画像形成ス
テーションPa、第2の画像形成ステーションPb、第
3の画像形成ステーションPc、および第4の画像形成
ステーションPdは、転写機構213の上方に近接し
て、用紙搬送方向の上流側から順に並設されている。
【0022】転写機構213は、駆動ローラ214と従
動ローラ215との間に略平行に伸びるように張架され
た搬送ベルト216および吸着用帯電器228、除電器
229を有している。なお、230は搬送ベルト216
上に付着したトナーや紙粉を除去するクリーニング装置
である。
【0023】吸着用帯電器228は、画像形成ステーシ
ョンPaとレジストローラ212との間に設けられたロ
ーラであり、搬送ベルト216と用紙Pとが静電気力で
引き合うようにするためのものである。すなわち、搬送
ベルト216と帯電器228とで用紙Pを挟持している
とき、帯電器228から印加された高電圧により、搬送
ベルト216と用紙Pとが静電気力で引き合って、用紙
Pが搬送ベルト216に静電吸着されることで、搬送中
における用紙Pのずれを防止している。
【0024】除電器229は、第4の画像ステーション
Pdより下流側で駆動ローラ214のほぼ真上に配置さ
れている。この除電器229には、搬送ベルト216の
表面を除電するための交流電流が印加されており、搬送
ベルト216に静電吸着されている用紙Pを搬送べルト
216から分離するためのものである。
【0025】そして、搬送ベルト216は駆動ローラ2
14および従動ローラ215によって図1において矢印
Zで示す方向に摩擦駆動され、吸着用帯電器228によ
り搬送ベルト216を帯電させて、給紙機構211を通
じて給送される用紙Pを静電吸着して用紙Pを画像形成
ステーションPa〜Pdへと順次搬送する。
【0026】搬送べルト216の下流側には、用紙P上
に転写されたトナー像を定着するための定着装置217
が配置されており、この定着装置217の一対の定着ロ
ーラ間におけるニップ部を通過した用紙Pは、複写機本
体の外部に排出される。
【0027】各画像ステーションPa〜Pdは、実質的
に同一の構成を有しており、図1に示す矢印F方向に回
転駆動される感光体ドラム222a〜222dをそれぞ
れ備えている。各感光体ドラム222a〜222dの周
辺には、感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ一
様に帯電する帯電装置223a〜223dと、感光体ド
ラム222a〜222d上に形成された静電潜像をそれ
ぞれ現像する現像装置224a〜224dと、感光体ド
ラム222a〜222d上のトナー像を用紙Pへ転写す
る転写用放電器225a〜225dと、感光体ドラム2
22a〜222d上に残留するトナーを除去するクリー
ニング装置226a〜226dとが感光体ドラム222
a〜222dの回転方向に沿って順次配置されている。
【0028】各感光体ドラム222a〜222dは、光
導電性の感光層が基体表面に形成され端部が塞がれた円
筒体であり、矢印F方向に回転駆動されるように設定さ
れている。なお、ドラム状に限らず無端ベルト状にする
ことも可能である。
【0029】そして、現像装置224aには黒色のトナ
ーが、現像装置224bにはシアン色のトナーが、現像
装置224cにはマゼンタ色のトナーが、現像装置22
4dには黄色のトナーがそれぞれ収容されており、これ
らのトナーによって感光体ドラム222a〜222d上
に生成された静電潜像を現像し、トナー像を生成する機
能を有している。
【0030】帯電装置223a〜223dは、感光体ド
ラム222a〜222dをそれぞれ一様に帯電するため
のスコロトロン方式のコロナ放電器である。転写用放電
器225a〜225dは、感光体ドラム222a〜22
2d上のトナー像を用紙Pヘ転写するためのコロナ放電
器である。なお、図2に示すように、これら転写用放電
器225a〜225dでは、制御装置に従属する制御部
231によって電源V1〜V4が制御されることにより
そのパワー(電位)が設定されるようになっている。さ
らに、クリーニング装置226a〜226dは、用紙P
ヘの転写後に感光体ドラム222a〜222d上に残留
するトナーを除去するものである。
【0031】なお、感光体ドラム222a〜222dに
おける軸方向の長さは、用紙Pの幅よりやや長めに設定
されている。したがって、静電潜像やトナー像(画像)
は、感光体ドラム222a〜222d表面全体ではなく
中央の領域のみに形成される。そこで、以下では、感光
体ドラム222a〜222dにおける画像形成領域を画
像領域Xとするとともに、画像が形成されない両端部の
領域を非画像領域Yとする。
【0032】各感光体ドラム222a〜222dの上方
には、レーザービームスキャナユニット227a〜22
7dがそれぞれ配置されている。レーザービームスキャ
ナユニット227a〜227dは、画像データに応じて
変調されたドット光を発する半導体レーザ素子である半
導体レーザダイオードLD1〜LD4、半導体レーザダ
イオードLD1〜LD4からのレーザービームを主走査
方向に偏向させるためのポリゴンミラー(偏向装置)2
40a〜240dと、ポリゴンミラ−240a〜240
dにより偏向されたレーザビームを感光体ドラム222
a〜222d表面に結像させるためのfθレンズ241
a〜241dやミラー242a〜242d、243a〜
243dなどから構成されている。半導体レーザダイオ
ードLD1〜LD4では、制御装置に従属する制御部2
32によりそのパワーや光発生のタイミングが制御され
る。
【0033】レーザービームスキャナユニット227a
にはカラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号
が、レーザービームスキャナユニット227bにはカラ
ー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が、レ
ーザービームスキャナユニット227cにはカラー原稿
画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が、そして
レーザービームスキャナユニット227dにはカラー原
稿画像の黄色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力
される。これにより色変換された原稿画像情報に対応す
る静電潜像が各感光体ドラム222a〜222d上に形
成される。そして、各現像装置224a〜224dによ
って感光体ドラム222a〜222d上の静電潜像は、
各色のトナーにより現像される。このように、画像形成
部210にて色変換された原稿画像情報が各色のトナー
像として再現される。
【0034】給紙機構211は、画像形成部210にて
生成された各色のトナー像を用紙Pに転写させるため
に、用紙Pを画像形成部210の所定位置に搬送するも
のである。さらに、トナー像が転写されて定着された
後、用紙Pを外部に排出する機能や片面に画像が形成さ
れた用紙Pを画像形成部210の画像形成にタイミング
を合わせて画像形成部210に再供給搬送する機能も有
している。
【0035】すなわち、給紙機構211は、用紙トレイ
250から用紙Pを1枚ずつ取り出す取出しローラ25
1、搬送路S1,S2中で用紙Pを搬送する複数の搬送
ローラ252、レジストローラ212、搬送方向切り換
えゲート218、排紙ローラ219および排紙トレイ2
20を備えている。
【0036】ここで、レジストローラ212は、搬送路
S1を搬送されてきた用紙Pを一時停止させるものであ
り、感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を用
紙Pに良好に転写できるように、各画像形成ステーショ
ンPa〜Pdとタイミングをとって、転写機構213に
送り込む機能を有している。
【0037】すなわち、搬送路S1を搬送される用紙P
が所定の位置を通過したことをレジスト前検知スイッチ
が検出して、このとき出力される検知信号に基づいてレ
ジストローラ212は、感光体ドラム222a〜222
d上のトナー画像の先端が用紙Pにおける印刷範囲の先
端に押し付けられるように、用紙Pを転写機構213に
送り込むように駆動タイミングが設定されている。
【0038】また、切り換えゲート218は、複写機本
体外へ定着後の用紙Pを排出する排出路と、画像形成部
210に向かって用紙Pを再供給する副搬送路S2との
間で選択的に切り換えるものである。切り換えゲート2
18により再び画像形成部210に向かって搬送方向が
切り換えられた用紙Pは、スイッチバック搬送経路22
1を介して表裏反転された後、副搬送路S2を通って画
像形成部210へと再度供給される。
【0039】上記構成のデジタルカラー複写機において
は、制御装置によって画像形成プロセスのタイミングに
合わせて用紙の搬送制御が行われている。用紙Pとして
カットシート状の紙が使用され,この用紙Pは用紙トレ
イ250から送り出されて搬送路S1内に供給される
と、その用紙Pの先端部分がレジスト前検知スイッチに
て検知され、このスイッチから出力される検知信号に基
づいてレジストローラ212により一旦停止される。
【0040】そして、用紙Pは各画像ステーションPa
〜Pdの画像形成とタイミングをとって矢印Z方向に回
転している搬送ベルト216上に送られる。このとき搬
送ベルト216には前述したように吸着用帯電器228
により所定の帯電が施されているので、搬送ベルト21
6上に確実に静電吸着された状態で第1の画像形成ステ
ーションPaから第4の画像形成ステーションPdの間
を位置ずれすることなく安定して搬送される。
【0041】各画像ステーションPa〜Pdにおいて
は、各色のトナー像がそれぞれ感光体ドラム222a〜
222d上に形成され、搬送ベルト216により静電吸
着されて搬送される用紙Pに転写されてその表面上で重
ね合わされる。第4の画像ステーションPdによる画像
の転写が完了すると、用紙Pはその先端部分から順次、
除電器229により搬送べルト216上から剥離され、
定着装置217へと導かれる。この定着装置217の一
対の定着ローラ間におけるニップ部を通過した用紙P
は、搬送方向切り換えゲート218を経て、排出ローラ
219により複写機本体の外壁に取り付けられている排
紙トレイ220上に排出される。
【0042】なお、上記の構成では、レーザービームス
キャナユニット227a〜227dによって、レーザー
ビームを走査して露光することにより、感光体ドラム2
22a〜222dへの光書き込みを行なっている。しか
し、レーザービームスキャナユニットの代わりに、発光
ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込み
光学系(LEDヘッド)を用いてもよい。LEDヘッド
は、レーザービームスキャナユニットに比べサイズも小
さく、また可動部分がなく無音である。よって、複数個
の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のデジ
タルカラー複写機などの画像形成装置では、好適に用い
ることができる。
【0043】ここで、画像形成ステーションPa〜Pd
における画像形成処理について簡単に説明する。なお、
これら画像形成ステーションPa〜Pdは同一の構造で
あるため、以下では画像形成ステーションPaについて
のみ説明する。図3は画像形成ステーションPaにおけ
る感光体ドラム222a近傍を示す説明図であり、図4
に感光体ドラム222aの表面電位を各処理毎に示す。
【0044】これらの図に示すように、トナー像形成の
際、感光体ドラム222aの表面は帯電装置223aに
よって一様にトナーと同極性である−500Vに帯電さ
れ、その後表面の画像領域Xがレーザービームスキャナ
ユニット227aによって露光される。この露光によ
り、感光体ドラム222aにおける画像領域Xの表面
に、黒画像に応じた静電潜像が形成される。
【0045】露光部分からなる静電潜像の電位の大きさ
は、露光の方式によって異なるが、約−100Vから数
10Vであり、例えば図4に示す場合には約−100V
程度であり、図中の斜線部で示すように現像バイアス電
圧である−200Vより小さい。したがって、−200
Vのバイアス電圧が印加されている現像装置224aの
トナーが、感光体ドラム222aにおける画像領域Xの
静電潜像に吸着され、トナー像が生成される。一方、画
像領域Xにおける露光されない部分(非露光部分)で
は、帯電装置223aによって与えられた電位が自発的
に失われてゆくが、現像時には−400V程度の電位を
有している。したがって、現像装置224aのトナー
は、非露光部分には吸着されない。
【0046】また、転写用放電器225aには+1.2
kVの電圧が印加されており、この電力を用いたコロナ
放電により搬送ベルト216上の用紙Pに対してトナー
と逆極性の正電荷を与えるように設定されている。した
がって、感光体ドラム222a上のトナー像が、転写用
放電器225a上で電気的に引き寄せられ、用紙Pに転
写される。
【0047】その後、感光体ドラム222aでは、残留
したトナーがクリーニング装置226aによって排除さ
れた後、除電器233によって除電され、露光部分およ
び非露光部分の表面電位は、ともに0に向かうようにな
っている。
【0048】次に、本実施形態の複写機の特徴的な構成
である帯電装置223a〜223dの詳細な構成につい
て図5、6に基づいて説明する。なお、これら帯電装置
223a〜223dは同一の構造であるため、以下では
画像形成ステーションPaにおける帯電装置223aに
ついてのみ説明する。
【0049】帯電装置223aは、放電体10のコロナ
放電によって感光体ドラム222aに向かって荷電粒子
(コロナイオン)を照射することにより電荷を供給し、
グリッド11によって感光体ドラム222aの表面を一
様に帯電させている。そのため、放電体10、この放電
体10を保持するための電極ホルダー12、グリッド1
1、グリッド11を保持するための前後ホルダー13
a,13b、および放電体10の左右側部を囲むチャー
ジャケース14から構成されている。
【0050】放電体10は、コロナ放電を起こすための
ノコ歯状のステンレス鋼製の電極であり、ポリカーボネ
ート等の絶縁性材料からなる電極ホルダー12に取り付
けられている。電極ホルダー12は、放電体10を保持
するための台であるとともに、帯電装置223aを複写
機本体に固定するための機能も有している。すなわち、
電極ホルダー12の下部に着脱ガイド15が形成されて
おり、この着脱ガイド15を複写機本体におけるレール
状の係合部(図示せず)にはめ込むことによって、帯電
装置223aは複写機本体の所定位置に固定されるよう
になっている。
【0051】そして、放電体10の後側の端部が中継電
極16を介して電極ビス17に接続され、電極ビス17
が後ホルダー13bにねじ止めされている。図7に外部
電源から電極ビス17を介して放電体10に印加される
電圧と放電体10を流れる電流との関係を示す。このグ
ラフに示すように、印加電圧が800〜900Vを超え
ると、放電体10における電流値/電圧値が不連続的に
増大することがわかる。したがって、放電体10では、
800〜900V以上の電圧を印加されたときに、放電
が開始されることになる。
【0052】また、チャージャケース14は、第1ケー
ス14aおよび第2ケース14bからなり、電極ホルダ
ー12を挟んで対向して配置されることにより、放電体
10の対向電極としての機能を有している。各ケース1
4a、14bの両端側にはねじ孔が形成されており、固
定ビス18がホルダー13a、13bに形成された貫通
孔19を通ってねじ孔にねじ止めされることによって、
両ケース14a、14bが互いに結合されて固定され
る。
【0053】グリッド11は、放電体10と感光体ドラ
ム222aとの間に配され、印加されたグリッド電圧に
より放電体10から発生する粒子流であるコロナイオン
流を制御して、感光体ドラム222aに到達するイオン
量を調整するためのものであり、ステンレス鋼あるいは
タングステンにより形成された薄板からなり、エッチン
グ加工によりメッシュ構造とされる。
【0054】このグリッド11の両端部は前後ホルダー
13a,13bに保持される電極部20とされ、外部電
源に接続される。電極部20には係合孔21が形成され
ており、この係合孔21に係合するL字形のグリッド張
架電極22が前ホルダー13aに設けられ、グリッド張
架電極22は固定ビス23によって前ホルダー13aに
固定されている。一方、後ホルダー13bには、係合孔
21に係合するL字形のグリッドテンション電極24が
設けられ、グリッドテンション電極24は後ホルダー1
3bにねじ止めされた電極ビス25に連結されている。
そして、電極ビス25は外部電源に接続され、グリッド
テンション電極24を介してグリッド11の電極部20
に電圧が印加される。
【0055】このようにグリッド11は、両側の電極部
20がそれぞれフック状の電極22,24に係合される
ことにより、感光体ドラム222aから遠ざかる方向に
引っ張られた状態で保持される。そして、グリッドテン
ション電極24はグリッド11の長手方向に移動可能と
され、ユーザーが電極ビス25を締めるかあるいは緩め
ることによってグリッドテンション電極24の位置を移
動させると、両電極22,24間の距離が変化して、グ
リッド11に与えるテンションを調節できるようになっ
ている。したがって、グリッド11の保持とテンション
の調節を簡単な機構で達成でき、しかもテンションの調
節を容易に行えるので、帯電の安定化を容易に図れる。
【0056】ここで、グリッド11の中央は、放電体1
0および感光体ドラム222aに対向しており、感光体
ドラム222aの画像領域Xと対向する領域が規制部S
とされ、非画像領域Yと対向する領域が非規制部Tとさ
れる。
【0057】規制部Sは、メッシュ構造とされ、放電体
10から感光体ドラム222aの画像領域Xに照射され
る粒子流であるイオン流中に位置している。したがっ
て、規制部Sは、通過するイオン流の密度を平均化し、
感光体ドラム222aの画像領域Xに供給されるイオン
量を均一化する機能を有する、いわゆるスコロトロン域
である。
【0058】非規制部Tは、規制部Sの両側に位置し
て、四方を外枠30で囲まれた開口31が形成されてお
り、放電体10から発生するイオンは開口31を通って
感光体ドラム222aの非画像領域Yに直接照射され
る。したがって、感光体ドラム222aの非画像領域Y
には、放電体10からのイオン流が遮られることなく到
達するようになっており、非規制部Tはいわゆるコロト
ロン域である。なお、左右の外枠30は2本形成されて
いるが、開口面積の増大を図るとともにグリッド11の
強度を維持するためであり、しかも外枠30が感光体ド
ラム222aからできるだけ離れる側部に近い位置に形
成されている。
【0059】このように、帯電装置223aでは、感光
体ドラム222aの画像領域Xに対しては規制部Sによ
って制御されたイオン流を照射するようになっており、
非画像領域Yに対しては放電体10から発生したイオン
流が直接到達するようになっている。したがって、非画
像領域Yでは、画像領域Xよりも多くのイオンが到達す
るため、画像領域Xに比して電位変化が大きくなる。
【0060】ここで、本発明の帯電装置223aによっ
て帯電した場合と従来の図12に示した帯電装置によっ
て帯電した場合の感光体ドラム222aの表面電位を比
較する。図8に示した通り、従来の帯電装置を用いた場
合には、図中●で示すように感光体ドラム222aにお
ける端部付近、すなわち非画像領域Yの電圧がほぼ0V
となる。一方、本発明の帯電装置223aを使用した場
合、図中◆で示すように非画像領域Yの電位は、画像領
域Xの電位である−600Vより大きい(絶対値が大き
い)状態となっている。なお、電位の大小の比較は絶対
値で行っており、電位が大きいということは絶対値が大
きいことを意味するものとする。
【0061】したがって、従来の帯電装置を用いた場
合、現像装置224aの現像バイアス電圧である−20
0Vより小さい電位となっている非画像領域Yには、現
像装置224aによる現像処理の際にトナーが付着して
しまい、用紙Pや複写機本体内の汚染、およびトナーの
浪費が招来されてしまう。一方、帯電装置223aを用
いた場合には、非画像領域Yが−200Vより大きい電
位となっているため、非画像領域Yにトナーが付着する
ことはない。そのため、トナーによる汚染やトナーの浪
費を回避することが可能となる。
【0062】このように、感光体ドラム222aの非画
像領域Yにおいてトナーの付着を防止するには、感光体
ドラム222aの表面電位が少なくとも現像バイアス電
圧より大きくなればよい。すなわち、非規制部Tでは、
開口を形成しなくてもメッシュの目を粗くすればよく、
通過できるイオン流を多くして、感光体ドラム222a
の表面電位が現像バイアス電圧より大きくなるように目
の粗さを設定しておく。これによれば、エッチング加工
によってメッシュを形成する場合には、一度の工程で済
ますことができる。
【0063】ところで、グリッド11は、電極部20を
除いて感光体ドラム222aと平行に直線状に設けら
れ、電極部20に係合してグリッド11を張架するため
のフックである各電極22,24が感光体ドラム222
aに向かって突き出すように設けられている。このよう
にグリッド11を張架することによって、チャージャケ
ース側、すなわち帯電装置223aの側部にフックが設
けられている構成に比して、帯電装置223aの幅を小
さくすることが可能となる。
【0064】これにより、感光体ドラム222aの周囲
に設けられている他の部材、例えば現像装置224aや
除電器233等と帯電装置223aとが形状、配置を互
いに制約しあうことがない。また、感光体ドラム222
aが非常に小さく、その周囲の他の部材が帯電装置22
3aに非常に接近している場合でも、帯電装置223a
の着脱のために他の部材を取り外す必要がない。したが
って、グリッド11を有する帯電装置223aであって
も、グリッド11を設けたことによる製造コストおよび
設計コストの上昇を回避できるようになっている。
【0065】なお、感光体ドラム222aは、その製造
工程を簡略化するために、非画像領域Yのある感光体ド
ラム222aの軸方向端部では感光層を形成せずに感光
体ドラム222aのアルミニウム合金や導電性樹脂等か
らなる導電性の基体を露出させていることがある。ま
た、感光体ドラム端部では、製造時に塗布液の盛り上が
りが形成されるのを防止するために感光層を塗布後に拭
き取っており、感光層があっても他の部分よりも電気絶
縁性が低い。このような感光体ドラム222aを用いる
場合、従来のスコロトロン方式の帯電装置によって帯電
を行うと、上記の露呈した基体部分や拭き取り部分であ
る低絶縁性部位に向けてグリッド11からリーク放電
(落雷)が発生し、感光体ドラム222aが破損されて
しまうという問題がある。さらに、感光体ドラム222
aの端部に組付けられる樹脂製フランジは、導電性基体
のアース(電気的接地)を行うために導電性とされるこ
とがあり、グリッド11からのリーク放電が問題とな
る。さらに、感光体ドラム222aの端部に組付けられ
る絶縁性樹脂製フランジがクリーニング装置226aの
開口の軸方向両端部をシールするシール体(サイドシー
ル体)と摩擦して帯電するが、この摩擦帯電によるフラ
ンジの帯電極性がトナーの帯電極性と逆の極性になる
と、フランジの摩擦帯電した部分に現像装置224aの
トナーや感光体ドラム222aの周囲の飛散トナーを吸
着し、シール体に摺擦することになり、シール体を汚損
するといった問題がある。
【0066】しかしながら、非規制部Tを有する帯電装
置223aでは、上記のようなリーク放電を回避するこ
とができる。すなわち、図9に示すように、規制部Sと
感光体ドラム222aとの最短の距離は、規制部Sの中
央から感光体ドラム222aの表面までの距離d1
(0.8〜1.0mm)である。一方、図10に示すよ
うに、非規制部Tと感光体ドラム222aとの最短の距
離は、外枠30から感光体ドラム222aの表面までの
距離d2であり、距離d1より長くなっている。このよ
うに非画像領域Yでは、帯電装置223aと感光体ドラ
ム222aとの距離が長くなるために、上記のような低
絶縁性部位があったとしても、グリッド11からのリー
ク放電が生じることはない。したがって、感光体ドラム
222aや帯電装置223aあるいは周囲の他の部品の
破損を防止することが可能となる。また、感光体ドラム
222aの軸方向端部をトナーと同一極性に帯電するの
で、上記のように絶縁性のフランジにトナーが付着する
ことがなく、クリーニング装置226aのシール体を不
要に汚損することを防止できる。さらに、感光体ドラム
端部の低絶縁性部位へのリーク放電を防止できることか
ら、この低絶縁性部位を感光体ドラム中央側に寄せるこ
とが可能となり、感光体ドラムの軸方向長さを短くで
き、小型化を図れる。
【0067】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることは勿論である。例え
ば、方式の異なる帯電装置を組み合わせて構成してもよ
く、感光体ドラムの画像領域に対向してスコロトロン方
式の第1帯電部を設け、非画像領域に対向してコロトロ
ン方式の第2帯電部を設ける。そして、第2帯電部によ
る帯電では、トナー付着を防止できるように非画像領域
の表面電位が現像バイアス電圧より大きくなればよいの
で、第1帯電部よりも低い電圧を印加すればよく、全体
的な消費電力の低減を図れる。
【0068】また、上記実施形態では、感光体ドラムの
非画像領域全域、すなわち画像領域外の現像領域から感
光体ドラム端部の低絶縁性部位までの領域にグリッドに
設けた開口を対向させて、画像領域外の現像領域へのト
ナーの付着を防止すると共に、感光体ドラム端部の低絶
縁性部位に対するリーク放電を防止するよう構成した
が、画像領域外の現像領域までグリッドの規制部を延長
して対向させ、この現像領域を現像バイアス電位と同極
性で絶対値の大きい電位に帯電することで、この現像領
域へのトナーの付着を防止し、感光体ドラム端部の低絶
縁性部位に対しては開口を対向させるようにしてもよ
い。あるいは、グリッドの規制部を画像領域が安定かつ
均一に帯電できるように画像領域よりも所定長さだけ外
方に延長して帯電マージンをとるようにして、それより
外方にはグリッドをなくしてもよい。すなわち、非画像
領域の一部および感光体ドラム端部の低絶縁性部位まで
グリッドが延長していなくてもよい。
【0069】また、上記実施形態では、グリッドが感光
体ドラムから遠ざかり始める所が、放電体の外方であっ
たが、グリッドの規制部を画像領域が安定かつ均一に帯
電できるように画像領域よりも所定長さだけ外方に延長
して、帯電マージンをとるようにして、そのすぐ外方か
らグリッドを感光体ドラムから遠ざけ始めてもよい。こ
の場合、画像領域外の現像領域やその他の非画像領域に
対して現像バイアス電位と同極性で絶対値の大きい電位
に帯電することは言うまでもない。この場合も画像領域
を安定かつ均一に帯電して、画像を良好にできると共
に、画像領域外の現像領域やその他の非画像領域に対し
て現像バイアス電位と同極性で絶対値の大きい電位に帯
電して、トナーの無駄な消費を減らし、廃棄トナー容器
のライフ短縮化の防止やクリーニング装置のシール体の
シール性の早期低下を防止できる。これに加えて、感光
体ドラム端部の低絶縁性部位へのリーク放電を防止でき
るので、この低絶縁性部位を内側に寄せることが可能と
なり、感光体ドラムの軸方向長さを短くでき、小型化を
図れる。なお、上記の各形態にあっても放電体は非画像
領域全域を帯電できるように設けられていることは言う
までもない。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、感光体の画像領域に対しては放電体から均一に
コロナイオン等の電荷を安定的に供給することができ、
帯電が安定化して良好な画像を形成できる。一方、感光
体の非画像領域に対しては放電体から多量の電荷が供給
され、表面電位を現像電位以上にすることによって、ト
ナーの付着を防止することができる。したがって、スコ
ロトロン方式とコロトロン方式を併用した帯電装置にす
ることによって、高品質な画像が得られる。しかも、ト
ナーの無駄な消費を低減でき、これによって廃棄トナー
容器のライフを延ばすことができる。さらに、付着トナ
ーのクリーニングが必要なくなるので、クリーニング装
置のシール体に余分な負荷がかからず、そのシール性能
を長期間にわたって維持することができる。
【0071】また、グリッドを画像領域に対向する規制
部と非画像領域に対向する非規制部とから構成したと
き、非規制部を感光体から所定の距離だけ隔てて配置す
ることにより、感光体端部にある低絶縁性部位に対する
グリッドの非規制部からのリーク放電を防いで感光体の
感光層の損傷を防止できる。
【0072】また、グリッドを感光体から遠ざかる方向
に引っ張って張架することにより、グリッドの平面性が
低下することはなく、画像領域の帯電電位を均一にで
き、安定した帯電を行える。しかも、グリッドを感光体
表面により一層近接させることが可能となるので、放電
体に印加する電圧を小さくしてもよく、高圧印加用のト
ランス等を小型のものが使用可能となる。さらに、感光
体端部の低絶縁性部位を中央側に寄せてもリーク放電が
生じないようにできるので、感光体の軸方向長さが短縮
可能となり、各装置の小型化を図ることができ、感光体
の周囲の部材の着脱を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の複写機の概略全体構成図
【図2】画像形成部の概略構成図
【図3】画像形成処理を説明するための図
【図4】感光体ドラムの表面電位の変化を示す図
【図5】帯電装置の一部破断斜視図
【図6】帯電装置の断面図
【図7】放電体に対する印加電圧と発生電流との関係を
示す図
【図8】本発明の帯電装置と従来の帯電装置の帯電分布
特性図
【図9】感光体ドラムと帯電装置の規制部の位置関係を
示す図
【図10】感光体ドラムと帯電装置の非規制部の位置関
係を示す図
【図11】従来の感光体ドラムの表面における各装置の
処理領域を示す図
【図12】従来の帯電装置の分解斜視図
【符号の説明】
10 放電体 11 グリッド 31 開口 222a 感光体 S 規制部 T 非規制部 X 画像領域 Y 非画像領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門脇 英明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 原田 直幸 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC01 DD01 EE03 EE08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に供給されたトナーによりトナー像
    を形成する感光体をトナーの極性と同一極性で帯電する
    ための帯電装置であって、前記感光体表面のトナー像が
    形成される画像領域をスコロトロン方式で帯電する第1
    帯電部と、感光体表面の非画像領域をコロトロン方式で
    帯電する第2帯電部とからなることを特徴とする帯電装
    置。
  2. 【請求項2】 表面に供給されたトナーによりトナー像
    を形成する感光体をトナーの極性と同一極性で帯電する
    ための帯電装置であって、前記感光体に静電荷を与える
    ための荷電粒子を発生する放電体と、グリッドとを備
    え、該グリッドは、前記感光体表面のトナー像が形成さ
    れる画像領域に対向して前記放電体から画像領域へ向か
    う粒子流の通過を所定の電位により規制して均一化する
    規制部と、少なくとも前記感光体表面の画像領域外にあ
    る現像領域に対向する非規制部とを有し、該非規制部
    は、前記感光体表面の画像領域外にある現像領域が現像
    電位以上の電位となるように前記放電体から前記現像領
    域へ向かう粒子流の通過を許容すると共に前記所定の電
    位で前記感光体端部の低絶縁性部位に対してリーク放電
    しないような距離だけ前記感光体から隔てられているこ
    とを特徴とする帯電装置。
  3. 【請求項3】 表面に供給されたトナーによりトナー像
    を形成する感光体をトナーの極性と同一極性で帯電する
    ための帯電装置であって、前記感光体に静電荷を与える
    ための荷電粒子を発生する放電体と、グリッドとを備
    え、該グリッドは、前記感光体表面のトナー像が形成さ
    れる画像領域に対向して前記放電体から画像領域へ向か
    う粒子流の通過を所定の電位により規制して均一化する
    規制部と、少なくとも前記感光体表面の画像領域外にあ
    る現像領域に対向する非規制部とを有し、該非規制部
    は、前記感光体表面の画像領域外にある現像領域が現像
    電位以上の電位となるように前記放電体から前記現像領
    域へ向かう粒子流の通過を許容すると共に前記感光体か
    ら遠ざかる方向に引かれて張架されたことを特徴とする
    帯電装置。
  4. 【請求項4】 非規制部に開口を形成したことを特徴と
    する請求項2または3記載の帯電装置。
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