JP2000328463A - カーペット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物及び防虫機能を有するカーペット等の布帛類 - Google Patents

カーペット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物及び防虫機能を有するカーペット等の布帛類

Info

Publication number
JP2000328463A
JP2000328463A JP11136798A JP13679899A JP2000328463A JP 2000328463 A JP2000328463 A JP 2000328463A JP 11136798 A JP11136798 A JP 11136798A JP 13679899 A JP13679899 A JP 13679899A JP 2000328463 A JP2000328463 A JP 2000328463A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insect repellent
backing layer
carpet
composition
alkali
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11136798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4191317B2 (ja
Inventor
Yasutaro Seto
保太郎 瀬戸
Shuichi Motonaka
修一 源中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suminoe Textile Co Ltd
Original Assignee
Suminoe Textile Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suminoe Textile Co Ltd filed Critical Suminoe Textile Co Ltd
Priority to JP13679899A priority Critical patent/JP4191317B2/ja
Publication of JP2000328463A publication Critical patent/JP2000328463A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4191317B2 publication Critical patent/JP4191317B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carpets (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストである上に、優れた風合いを確保で
き、また人体に直接接触することがなく安全性の面で優
れると共に、高い忌避効果を発揮せしめることができ、
かつその忌避効果の持続性に優れた、カーペット等の布
帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物及び防虫機能を有する
カーペット等の布帛類を提供する。 【解決手段】 組成物は、耐アルカリ性虫忌避剤と、可
塑剤、テルペノイド類及びテルペノイド類誘導体からな
る群より選ばれる1種または2種以上のキャリア剤とを
含有する組成物を殻体内に内包したマイクロカプセル体
が、樹脂またはゴムの高分子水性エマルジョン中に分散
状態に含有された構成とする。該組成物を布帛の繊維基
材3の裏面に塗布乾燥することにより裏打ち層2を形成
して布帛1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カーペット等の
布帛類の裏打ち層の構成材として用いられる、ダニ等の
虫の忌避作用及びその持続性に優れた虫忌避剤組成物お
よびこれを用いた防虫機能を有するカーペット等の布帛
類に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、住環境の変化、住環境への関心の
高まり等から、カーペット等の布帛類に多数存在するダ
ニ、カツオブシムシなどの虫を防除することに強い関心
が寄せられている。その代表的なものとしてはダニが挙
げられる。ダニの中には病原菌の媒介をしたり、あるい
は人間の皮膚を刺す等人に直接の害を及ぼすものが存在
することが知られている。また、近年最も大きな問題と
してとり挙げられているのはダニが人に対してそのアレ
ルギー症状の原因になるということである。また、ダニ
に限らず虫がカーペット等の布帛類に存在していると前
記アレルギー症状の原因をはじめとして人体に対して様
々な好ましくない影響を及ぼす。
【0003】このような問題を解決すべく、ダニ等の虫
に対して忌避作用を発揮する虫忌避剤を、カーペット等
の布帛類におけるパイル部等の表層部、あるいは基布に
付与せしめたものが多く提案されている。例えば、虫忌
避剤を練り込んだ防虫繊維をパイル糸として使用して構
成した防虫カーペットや、防虫剤を練り込んだポリオレ
フィン素材からなる防虫織物を基布として使用した防虫
カーペット、等が挙げられる。
【0004】しかしながら、上記のようなカーペット等
の布帛類の表層部または基布に虫忌避剤を付与せしめた
構成では、防虫繊維、防虫織物を製作するのに大きなコ
ストを要し、高価なものになるという問題があった。ま
た、人が直接に接触する表層部または基布に虫忌避剤が
付与されているから安全衛生面から好ましいものではな
かった。また、その忌避効果の持続性においても十分と
言えるものではなかった。更に、パイル部等の表層部に
虫忌避剤を付与せしめたものでは、該布帛類本来の良好
な風合いを損なうという問題もあった。
【0005】そこで、上記従来技術の問題を解決するも
のとして、カーペット等の布帛類の裏打ち層の構成材中
に虫忌避剤を含有せしめた構成とすることが提案されて
いる。裏打ち層の構成材中に虫忌避剤を含有せしめるだ
けであるから、前記表層部または基布に虫忌避剤を付与
せしめた構成と比較して十分に低コスト化を図ることが
できるし、また人体に直接に接触することもなく、かつ
良好な風合いを損なうこともない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記後
者の従来技術では、虫忌避剤が裏打ち層中に埋設された
状態となるために、除放性が確保される一方で、虫忌避
剤が裏打ち層中から外に揮散しにくく、即ちその揮散放
出量が少なく、最も重要な忌避効果が十分に得られない
という問題があった。また、裏打ち層の構成素材の樹脂
ラテックス中において虫忌避剤が分解しやすく、そもそ
もその薬効が十分に発揮される状態にないという問題も
あった。
【0007】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、低コストである上に、優れた風合
いを確保でき、また人体に直接接触することがなく安全
性の面で優れると共に、高い忌避効果を発揮せしめるこ
とができ、かつその忌避効果の持続性に優れた、カーペ
ット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物及び防虫機
能を有するカーペット等の布帛類を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意研究の結果、耐アルカリ性を有する
虫忌避剤と、特定の物質とを内包したマイクロカプセル
体が、樹脂またはゴムの水性エマルジョン中に分散され
た構成の組成物を、カーペット等の布帛類の裏打ち層の
構成材とすることにより、上記所望のカーペット等の布
帛類が得られることを見出すに至り、この発明を完成し
たものである。
【0009】即ち、この発明のカーペット等の布帛類の
裏打ち層用虫忌避剤組成物は、耐アルカリ性を有する虫
忌避剤と、可塑剤、テルペノイド類及びテルペノイド類
誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上のキ
ャリア剤と、を含有してなる組成物を殻体内に内包した
マイクロカプセル体が、樹脂およびゴムからなる群より
選ばれる1種または2種以上の高分子物質を分散質とす
る高分子水性エマルジョン中に分散状態に含有されてい
ることを特徴とするものである。
【0010】虫忌避剤が耐アルカリ性を有するものであ
るから、高分子水性エマルジョン中においても分解され
ることが殆どなく、従ってその薬効が十分に発揮され得
る状態となされる。また、前記虫忌避剤に加えて、上記
の特定化合物から選ばれるキャリア剤が一緒にマイクロ
カプセル体内に内包された構成となされており、このキ
ャリア剤の併存により前記虫忌避剤の裏打ち層表面側へ
の蒸散移行が促進され、ひいては布帛において高い虫忌
避効果が発揮されるものとなる。更に、薬効成分である
虫忌避剤がマイクロカプセル体内に内包されているから
除放性能が付与されることに加えて、上記キャリア剤の
併存によってマイクロカプセル体内における残存虫忌避
剤濃度が相当に低い値になるまで虫忌避剤を誘導蒸散移
行せしめることができるから、その優れた忌避効果が長
期間にわたって持続されて、長期にわたって安定した除
放性が確保される。従って、より少ない忌避剤使用量で
高い忌避効果及びその持続性が得られるので、低コスト
化をも図り得る。
【0011】上記耐アルカリ性を有する虫忌避剤として
はジエチルトルアミドを用いるのが好ましく、このよう
な構成とすることで、一層高い虫忌避効果を得ることが
できるとともに、優れた耐アルカリ性を有するのでその
分解がより効果的に防止される。
【0012】マイクロカプセル体における耐アルカリ性
虫忌避剤/キャリア剤の混合比率は重量比で5/1〜5
/5の範囲であるのが好ましい。このような範囲内に設
定すれば、低コストで一層優れた虫忌避効果を得ること
ができる。
【0013】耐アルカリ性虫忌避剤/高分子物質の混合
比率は重量比で0.01/100〜1.5/100の範
囲であるのが好ましい。このような範囲内に設定すれ
ば、裏打ち層としての機能を低下させることなく、かつ
低コストでより一層優れた虫忌避効果を得ることができ
る。
【0014】マイクロカプセル体の粒径は1〜100μ
mであるのが好ましく、これにより均一な分散性と虫忌
避効果の持続性を十分に得ることができる。
【0015】マイクロカプセル体に内包される組成物の
構成成分として更に共力剤が含有されているのが好まし
い。この共力剤が存在することで、虫忌避剤の裏打ち層
表面側への蒸散移行が一段と促進される。
【0016】上記共力剤としては、虫忌避剤の蒸散移行
の促進効果に特に優れている点で、ピペロニルブトキサ
イドを用いるのが好ましい。
【0017】また、この発明の防虫機能を有するカーペ
ット等の布帛類は、カーペット基材等の繊維基材の裏面
に裏打ち層が設けられたカーペット等の布帛類におい
て、前記裏打ち層が、上記いずれかのカーペット等の布
帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物が塗布乾燥されること
により形成されたものであることを特徴とするものであ
る。
【0018】裏打ち材の構成主材が、樹脂またはゴムを
分散質とする高分子水性エマルジョン(樹脂ラテックス
またはゴムラテックス)が塗布乾燥されて形成されたも
のであり、裏打ち層として空気が通過しやすい構造が形
成されるので、虫忌避剤等の蒸散物が十分に通過し得る
ものとなる。そして、裏打ち層の構成材として上記構成
に係る虫忌避剤組成物が用いられているから、布帛にお
いて高い虫忌避効果が発揮されると共に、その優れた忌
避効果が長期間にわたって持続されて、長期間にわたっ
て安定した除放性を有するものとなる。また、布帛の表
層部(パイル等)や基布に虫忌避剤を付与せしめるもの
ではないから、布帛本来の優れた風合いを確保できると
共に、安全性の面でも優れたものとなし得る。
【0019】上記布帛類において、裏打ち層における耐
アルカリ性虫忌避剤含量が0.1〜15g/m2 の範囲
であるのが好ましく、このような範囲とすれば、裏打ち
層としての機能を低下させることなく、かつ低コストで
一層優れた虫忌避効果を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明のカーペット等の布帛類
の裏打ち層用虫忌避剤組成物は、特定の虫忌避剤と特定
の化合物(キャリア剤)とを含有してなる組成物を殻体
内に内包したマイクロカプセル体が、特定の高分子物質
を分散質とする水性エマルジョン中に分散状態に含有さ
れているものである。
【0021】前記虫忌避剤としては耐アルカリ性を有す
るものを用いる必要がある。後に詳述する高分子物質を
分散質とする水性エマルジョンはアルカリ性であること
から、このようなアルカリ性水性液に対して耐久性、即
ち耐分解性のないものでは、虫忌避剤自体が分解されて
しまいその薬効が十分に発揮されなくなってしまうから
である。このような耐アルカリ性を有する虫忌避剤とし
ては、ジエチルトルアミド、有機リン系防虫剤等が挙げ
られる。中でも、ジエチルトルアミド及び該ジエチルト
ルアミドと同等以上の耐アルカリ性を有する虫忌避剤か
らなる群より選ばれる1種または2種以上の耐アルカリ
性忌避剤を用いるのが好ましい。特に好ましいのはジエ
チルトルアミドであり、これを用いれば一層高い虫忌避
効果を得ることができると共に、優れた耐アルカリ性を
有することからその分解もより効果的に防止できる利点
がある。
【0022】この発明では、マイクロカプセル体の殻体
内に、上記耐アルカリ性虫忌避剤と共に、可塑剤、テル
ペノイド類及びテルペノイド類誘導体からなる群より選
ばれる1種または2種以上のキャリア剤を内包せしめ
る。この可塑剤、テルペノイド類、テルペノイド類誘導
体を、マイクロカプセル体の殻体内に共存せしめること
により、前記虫忌避剤の裏打ち層表面側への蒸散移行を
促進させることができ、ひいてはカーペット等の布帛に
おいて高い虫忌避効果を発揮させることができる。従っ
て、内包される虫忌避剤量を少量にしても十分な虫忌避
効果を得ることができるので、低コスト化を図ることも
可能となる。これに対し、上記キャリア剤を用いない場
合には、即ち虫忌避剤だけである場合には、マイクロカ
プセル体内に内包される量を増大せしめても、カーペッ
ト等の布帛において十分な虫忌避効果を得ることは困難
である。
【0023】前記キャリア剤を共存せしめることによっ
て虫忌避剤の蒸散移行を促進させることができるその作
用機構については定かではないが、これらキャリア剤が
蒸気となってマイクロカプセル体から外に移動する際
に、同じくマイクロカプセル体内にある虫忌避剤を積極
的に伴って外側に誘導蒸散移行せしめているためと推定
される。
【0024】更に、マイクロカプセル体内に前記キャリ
ア剤を共存せしめた構成を採用する場合、その優れた忌
避効果が長期間にわたって持続されて、長期間安定した
除放性を確保できる利点がある。そもそも、虫忌避剤が
マイクロカプセル体内に内包されることで、良好な除放
性が発揮されるわけであるが、虫忌避剤に加えてキャリ
ア剤を共存せしめた系では、キャリア剤を共存させない
系と比較して、マイクロカプセル体内における残存虫忌
避剤濃度が相当に低くなるところまで、虫忌避剤を誘導
蒸散移行せしめることが可能となることに因ると考えら
れる。即ち、キャリア剤を共存させない系では、マイク
ロカプセル体内における残存虫忌避剤濃度が比較的高い
状態で蒸散移行が緩慢となってその効果が発揮され難く
なるのに対し、キャリア剤を共存せしめた系ではマイク
ロカプセル体内における残存虫忌避剤濃度が相当に低い
値になるまで虫忌避剤を誘導蒸散移行せしめることがで
きるためと推定される。従って、従来よりも少ない虫忌
避剤含量で、布帛において高い虫忌避効果が発揮される
と共に、その優れた忌避効果が長期にわたって持続され
るものとなる。このように、薬効効率(添加した虫忌避
剤の全量のうち、蒸散して薬効に関与することができた
ものの比率)の高いものとなすことができるものであ
り、従って低コストで上記優れた諸効果を発揮できる虫
忌避剤組成物を提供することができる。
【0025】前記可塑剤としては、合成樹脂の可塑剤と
して用いられる公知のものを用いることができ、例えば
ジ−n−ブチルアジペート、ジ−n−ドデシルアジペー
ト、クエン酸アセトブチル、ドデカン−2−酸ジメチ
ル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ
ブチルなどが挙げられる。中でも、虫忌避剤の蒸散移行
を一層促進できることから、ジ−n−ブチルアジペー
ト、ジ−n−ドデシルアジペート、クエン酸アセトブチ
ル、ドデカン−2−酸ジメチルを用いるのが好ましい。
【0026】前記テルペノイド類、テルペノイド類誘導
体としては、特に限定されないが、例えばリモネン、安
息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、ケイ皮酸アルコ
ール、サリチル酸ベンジルなどが挙げられる。中でも、
虫忌避剤の蒸散移行を一層促進できることから、リモネ
ン、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、サリチル
酸ベンジルを用いるのが好ましい。
【0027】上記必須成分のマイクロカプセル体内にお
ける混合比率は、耐アルカリ性虫忌避剤/キャリア剤=
5/1〜5/5(重量比)の範囲とするのが好ましい。
キャリア剤の混合比率が上記範囲の下限より小さくなる
と、虫忌避剤の蒸散移行の促進を十分に行わせることが
困難となって、十分な虫忌避効果を得ることができなく
なるので、好ましくない。一方、虫忌避剤の混合比率が
上記範囲の下限より小さくなると、必要以上に薬効成分
以外の量が多くなって虫忌避効果の低下を来たすので、
好ましくない。中でも、耐アルカリ性虫忌避剤/キャリ
ア剤=5/2〜5/4(重量比)の範囲とするのがより
好ましい。
【0028】更に、上記マイクロカプセル体の殻体内
に、必須2成分(耐アルカリ性虫忌避剤、キャリア剤)
に加えて、共力剤が含有されているのが好ましい。ここ
で、共力剤とは、そのもの自体は効力を持たないが防虫
剤と共存させることでその防虫性能を増大させることが
知られている化学物質のことであり、このような共力剤
を前記キャリア剤と共に共存せしめることによって虫忌
避剤の蒸散移行をより一段と促進させることができる利
点がある。この共力剤としては、特に限定されないが、
例えばピペロニルブトキサイド、イソボニルチオシアノ
アセテート等が挙げられる。中でも、ピペロニルブトキ
サイドが特に好適である。この共力剤の混合比率は、キ
ャリア剤100重量部に対して100〜300重量部の
範囲とするのが好ましい。
【0029】これら化合物(虫忌避剤、キャリア剤な
ど)を水に溶解または分散させた組成物をマイクロカプ
セル体の内包物とする。なお、この組成物中には、非イ
オン系界面活性剤などの界面活性剤、増粘剤等の各種添
加剤を含有せしめても良い。
【0030】前記マイクロカプセル体は、上記組成物
(耐アルカリ性虫忌避剤、キャリア剤、必要に応じて共
力剤など)を殻体内に内包してなるものであり、該殻体
の素材は特に限定されないが、通常、合成樹脂等の高分
子材料が用いられる。この殻体を構成する合成樹脂とし
ては、例えばウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド
樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。中でも、ウレタン樹脂
が好適である。
【0031】前記マイクロカプセル体は、例えば次のよ
うにして製造することができる。即ち、例えば、上記組
成物(耐アルカリ性虫忌避剤、キャリア剤、必要に応じ
て共力剤、界面活性剤等)と、2価以上の脂肪族系イソ
シアネートとを十分に混合せしめたものを、増粘剤液に
添加し、ホモジナイザーを用いて乳化させた後、乳化液
を冷却し、該乳化液を、水酸基を2個以上有する化合物
の水溶液に滴下していき、その後加熱攪拌することによ
って製造することができる。具体例としては、耐アルカ
リ性虫忌避剤25重量部、キャリア剤5重量部、共力剤
8重量部、非イオン系界面活性剤3重量部と、ヘキサメ
チレンジイソシアネート7重量部とを十分に混合せしめ
たものを、4%増粘剤(カルボキシメチルセルロース)
液30重量部に添加し、ホモジナイザーを用いて乳化さ
せた後、該乳化液を25〜30℃に冷却し、この乳化液
を、エチレングリコールの2%水溶液22重量部に滴下
して1時間攪拌し、次いで60℃で3時間攪拌すること
によって、耐アルカリ性虫忌避剤、キャリア剤、共力剤
をウレタン樹脂の殻体内に内包したマイクロカプセル体
の分散液を製造することができる。
【0032】前記マイクロカプセル体の粒径は、1〜1
00μmの範囲とするのが好ましい。1μm未満では虫
忌避剤量が少なくなって十分な虫忌避効果が得られ難く
なるので好ましくないし、一方100μmを超えると虫
忌避剤組成物中における虫忌避剤の分散が不均一になり
やすいので好ましくない。中でも、マイクロカプセル体
の粒径は、2〜10μmの範囲とするのがより好まし
い。また、殻体の膜厚は、当該マイクロカプセル体の粒
径の0.05〜0.5倍の範囲とするのが好ましい。
【0033】この発明のカーペット等の布帛類の裏打ち
層用虫忌避剤組成物は、上記構成に係るマイクロカプセ
ル体が、樹脂およびゴムからなる群より選ばれる1種ま
たは2種以上の高分子物質を分散質とする高分子水性エ
マルジョン中に分散状態に含有されているものである。
なお、この発明の虫忌避剤組成物は、通常、上記高分子
水性エマルジョン中にマイクロカプセル体を添加分散し
て製造することができるが、特にこのような方法で得ら
れるものに限定されるものではなく、例えば、マイクロ
カプセル体が分散された水性液を分散媒として用いて、
高分子エマルジョンを形成せしめることによって製造し
たものであっても良い。
【0034】前記高分子水性エマルジョン(高分子ラテ
ックス)を構成する合成樹脂としては、特に限定されな
いが、例えばアクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹
脂、EVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂)
等が挙げられる。また、前記高分子水性エマルジョンを
構成する合成ゴムとしては、特に限定されないが、例え
ばSBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アク
リロニトリル−ブタジエンゴム)、MBR(メチルメタ
クリレート−ブタジエンゴム)等が挙げられる。中で
も、EVA樹脂ラテックス、SBRラテックスを用いる
のが好ましい。
【0035】前記水性エマルジョン中におけるマイクロ
カプセル体(耐アルカリ性忌避剤)と高分子物質の混合
比率は、耐アルカリ性虫忌避剤/高分子物質の混合比率
が重量比で0.01/100〜1.5/100の範囲と
なるように設定するのが望ましい。耐アルカリ性虫忌避
剤の混合比率が上記範囲の下限より小さくなると、形成
される裏打ち層における耐アルカリ性虫忌避剤含量が小
さくなって、十分な虫忌避効果が発揮されなくなるので
好ましくない。一方、耐アルカリ性忌避剤の混合比率が
上記範囲の上限より大きくなっても、虫忌避効果として
は同等であり徒にコストを増大させる上に、裏打ち層と
しての接着強度等の機能を低下させる恐れがあるので、
好ましくない。中でも、耐アルカリ性虫忌避剤/高分子
物質の混合比率が重量比で0.1/100〜1.0/1
00の範囲となるように設定するのがより望ましい。
【0036】なお、上記水性エマルジョン中には、老化
防止剤、抗菌剤、増粘剤等の各種添加剤を配合せしめて
も良い。
【0037】しかして、上記の裏打ち層用虫忌避剤組成
物を、カーペット基材等の繊維基材(3)の裏面に塗布
して乾燥させることによって、この発明の防虫機能を有
するカーペット等の布帛類(1)を得ることができる。
繊維基材(3)の裏面への塗布方法としては、特に限定
されず、例えばローラーコーティング法、転写法、スプ
レー法等が挙げられ、生産性、コストの観点からローラ
ーコーティング法を用いて塗布するのが好ましい。
【0038】図1に、この発明の防虫機能を有するカー
ペット等の布帛類(1)の一実施形態に係る概略断面図
を示す。この実施形態にかかる布帛類は、表面にパイル
層(7)を有するカーペット基材である繊維基材(3)
の裏面に裏打ち層(2)が積層一体化されたカーペット
(1)である。
【0039】この発明の防虫機能を有するカーペット等
の布帛類(1)において、その裏打ち層(2)における
耐アルカリ性虫忌避剤含量は0.1〜15g/m2 の範
囲とするのが好ましい。0.1g/m2 未満では十分な
虫忌避効果が発揮されなくなるので好ましくない。一
方、15g/m2 を超えても虫忌避効果としては同等で
あり徒にコストを増大させることとなる上に、裏打ち層
としての接着強度等の機能を低下させるので好ましくな
い。中でも、裏打ち層(2)における耐アルカリ性虫忌
避剤含量は1〜10g/m2 の範囲とするのがより好ま
しい。
【0040】また、裏打ち層(2)の乾燥重量は、10
0〜10000g/m2 とするのが好ましい。100g
/m2 未満では、パイル糸を保持する抜糸強度が低下す
るので、好ましくない。また10000g/m2 を超え
ると、カーペット等の布帛類の重量が増大する上に、コ
スト高となるので好ましくない。中でも、裏打ち層
(2)の乾燥重量は400〜1500g/m2 とするの
がより好ましい。
【0041】この発明において、カーペット基材等の繊
維基材(3)としては、特に限定されるものではくどの
ようなものでも使用できる。例えば、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維
等の合成繊維、あるいは麻、綿、羊毛等の天然繊維等の
繊維からなる糸を製編織した布地の他、各種の繊維や糸
を、ニードリング等により機械的に接結したり、あるい
は接着剤等により化学的に接結した不織布等を使用でき
る。
【0042】また、カーペット基材等の繊維基材(3)
は、図1に示すような、その表面にパイル層(7)が形
成されたパイル布帛であっても、あるいはパイル層が形
成されない平布地であっても良いが、カーペット等の床
敷き材等として使用される場合には、快適な座り心地、
踏み心地等を得るためにパイル布帛を使用するのが望ま
しい。
【0043】カーペット基材等の繊維基材(3)にパイ
ル層(7)を形成する場合、パイル素材としては、特に
限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ナイロン
繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊
維等の繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他、
麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等を使用でき
る。更にパイル層(7)の形成手段も特に限定されるも
のではなく、例えばモケット等のように経パイル織、緯
パイル織等の製織によりパイル層を形成する手段、タフ
ティングマシン等によりパイル糸を植毛してパイル層を
形成する手段、接着剤を用いてパイル糸を接着してパイ
ル層を形成する手段等を例示することができる。
【0044】なお、この発明の防虫機能を有するカーペ
ット等の布帛類(1)の使用形態は特に限定されるもの
ではなく、例えば、通常のカーペットの他、マットある
いはタイルカーペット等として構成することができる
し、またその他の敷物等として、更には椅子張り用等の
モケット等として構成することもできる。
【0045】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例について説明
する。
【0046】<実施例1>ジエチルトルアミド25重量
部、ジ−n−ブチルアジペート5重量部、非イオン系界
面活性剤3重量部、水60重量部からなる水性液を、ウ
レタン樹脂で被覆してマイクロカプセル体を得た。この
マイクロカプセル体の平均粒径は5μmであった。
【0047】上記マイクロカプセル体5重量部を、SB
Rの水性エマルジョン液(SBRラテックス、SBR含
量50重量%)1000重量部に添加分散させて、裏打
ち層用虫忌避剤組成物を得た。この組成物におけるジエ
チルトルアミド/SBR(固形分)の混合比率は重量比
で0.25/100であった。
【0048】上記裏打ち層用虫忌避剤組成物をプラスチ
ックシャーレに1000g/m2 となるように流し込ん
だ後、室温で十分に乾燥させて試験試料とした。この試
験試料におけるジエチルトルアミド含量は、1.25g
/m2 であった。
【0049】<実施例2〜10>表1〜3に示す材料を
表1〜3に示す割合で用いてマイクロカプセル体を作成
した以外は、実施例1と同様にして裏打ち層用虫忌避剤
組成物を得、また実施例1と同様にして試験試料を得
た。
【0050】なお、実施例9では、マイクロカプセル体
の平均粒径を3μmとすると共に、SBRの水性エマル
ジョン液としてSBR含量が60重量%のものを用いて
裏打ち層用虫忌避剤組成物におけるジエチルトルアミド
/SBR(固形分)の混合比率を重量比で0.21/1
00とし、その結果、試験試料におけるジエチルトルア
ミド含量は、1.26g/m2 であった。
【0051】また、実施例10では、マイクロカプセル
体の平均粒径を10μmとすると共に、SBRの水性エ
マルジョン液としてSBR含量が40重量%のものを用
いて裏打ち層用虫忌避剤組成物におけるジエチルトルア
ミド/SBR(固形分)の混合比率を重量比で0.31
/100とし、その結果、試験試料におけるジエチルト
ルアミド含量は、1.24g/m2 であった。
【0052】<実施例11>ポリプロピレン繊維の織布
(縦密度18本/inch、横密度11本/inch)
からなるベースに、ポリエステル繊維からなるパイル糸
をタフティングマシンによりタフティングして、パイル
目付が400g/m2 カーペット原反を得た。上記カー
ペット原反の裏面に、実施例1で得られた裏打ち層用虫
忌避剤組成物をローラーコーティング法により塗布した
後、150℃で乾燥させて、カーペットを作成した。こ
のカーペットの裏打ち層における虫忌避剤含量は、1.
25g/m2 であった。
【0053】得られたカーペットは、優れた風合いを有
すると共に、十分な抜糸強度を有する等裏打ち層として
十分な特性を具備していた。
【0054】更に、実施例2〜10で得られた各裏打ち
層用虫忌避剤組成物についても、それぞれ上記実施例1
1と同様にして実際にカーペット原反の裏面に塗布形成
してカーペットを作成したところ、いずれも優れた風合
いを有すると共に、十分な抜糸強度を有する等裏打ち層
として十分な特性を具備していた。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】<比較例1>マイクロカプセル体の中にキ
ャリア剤を含有せしめない構成(虫忌避剤+共力剤)と
した以外は、実施例3と同様にして裏打ち層用虫忌避剤
組成物を得、また実施例3と同様にして試験試料を得
た。
【0059】<比較例2>薬効成分としてダイアジノン
(リン系化合物)を用いる構成とした。即ち、ダイアジ
ノン25重量部、非イオン系界面活性剤3重量部、水6
5重量部からなる水性液を、ウレタン樹脂で被覆してマ
イクロカプセル体を得た。このマイクロカプセル体の平
均粒径は5μmであった。以下、実施例1と同様にして
裏打ち層用虫忌避剤組成物を得、また実施例1と同様に
して試験試料を得た。
【0060】<比較例3>マイクロカプセル体の中にキ
ャリア剤を含有せしめない構成とした以外は、実施例1
と同様にして裏打ち層用虫忌避剤組成物を得、また実施
例1と同様にして試験試料を得た。
【0061】<比較例4>ジエチルトルアミド1.25
gをマイクロカプセル体内に内包せずにそのままSBR
の水性エマルジョン液(SBRラテックス、SBR含量
50重量%)1000重量部に添加分散させて、裏打ち
層用虫忌避剤組成物を得た。この組成物におけるジエチ
ルトルアミド/SBR(固形分)の混合比率は重量比で
0.25/100であった。以下、実施例1と同様にし
て試験試料を得た。
【0062】<参照例>薬効成分を全く使用しない構成
とした。すなわち、SBRの水性エマルジョン液(SB
Rラテックス、SBR含量50重量%)をプラスチック
シャーレに1000g/m2 となるように流し込んだ
後、室温で十分に乾燥させて試験試料とした。これは、
後述する「未加工試料区」に相当するものである。
【0063】
【表4】
【0064】上記のようにして得られた各試験試料に対
して、下記試験法に基づき防ダニ性の評価を行った。
【0065】<防ダニ性試験法>本試験法は、防ダニ加
工製品自主基準作成委員会で規定された試験方法で19
99年度中の導入が予定されているものであり、カーペ
ット等がその対象とされている侵入阻止法に準拠したも
のである。
【0066】外径約90mm、高さ約20mmのガラス
シャーレA(21)に生存ダニ数10000匹(ヤケヒ
ョウヒダニ)を含む量のダニ培地(22)を均一に広
げ、該ガラスシャーレA(21)を直径100mm以上
の昆虫用粘着トラップ上に置く。前記ガラスシャーレA
(21)の中央部に外径約45mm、高さ約15mmの
ガラスシャーレB(23)を置く。このガラスシャーレ
B(23)にその内径と同サイズに切り取った試験試料
(24)を敷き込み、その中心に直径約10mmの範囲
内に誘引用のダニ未接種培地(25)0.05gを置
く。これを粘着トラップごと飽和食塩水の入った食品保
存用プラスチック製容器(300mm×240mm×1
00mm、内容量約5L、本体がポリプロピレン、蓋が
ポリエチレン製)に入れ密閉する。
【0067】次に、前記食品保存用プラスチック製容器
を全暗状態の恒温器中に静置し、容器内が25±1℃、
75±5%R.H.を維持している状態で24±1時間
放置の後、誘引ダニ(試験試料、ダニ未接種培地、ガラ
スシャーレBの内壁部分にいるダニを対象とする)の全
生存ダニ数を計数する。
【0068】なお、各試料につきそのサンプル数を5個
とし、即ち各試料につき5回試験を行い、その平均値を
忌避率(%)とした。
【0069】忌避率(%)=(X−Y)÷X×100 X…未加工試料区の全生存ダニ数 Y…防ダニ加工試料区の全生存ダニ数
【0070】
【表5】
【0071】<忌避効果の持続性試験法>試験試料を8
1℃で48時間加熱処理を行った後、同様に前記防ダニ
性試験法に基づいてその忌避率(%)を求めた。その結
果を表5に示す。
【0072】表から明らかなように、この発明の布帛類
の裏打ち層用虫忌避剤組成物で作成した実施例1〜10
の試料においては、高い忌避率が得られており、優れた
虫忌避効果を発揮させることができることを確認し得
た。また、実施例1〜8の試料のいずれもその虫忌避効
果の持続性にも優れていた。
【0073】これに対し、この発明の範囲を逸脱する比
較例1〜4では、十分な忌避率が得られなかった。ま
た、虫忌避効果の持続性も十分ではなかった。
【0074】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る布帛類の
裏打ち層用虫忌避剤組成物は、虫忌避剤が耐アルカリ性
を有するので、高分子水性エマルジョン中でも分解され
ることが殆どなく、その薬効が十分に発揮される状態と
することができる。また、虫忌避剤に加えて上記特定化
合物から選ばれるキャリア剤をマイクロカプセル体内に
併存させているから、虫忌避剤の蒸散移行を促進するこ
とができ、ひいては布帛において高い虫忌避効果を発揮
させることができる。更に、虫忌避剤がマイクロカプセ
ル体内に内包されていることにより除放性が得られるの
であるが、これに加えてキャリア剤の併存によってマイ
クロカプセル体内における残存虫忌避剤濃度が相当に低
い値になるまで虫忌避剤を誘導蒸散移行せしめることが
できるので、その優れた虫忌避効果を長期間にわたって
発揮させることができ、長期にわたって安定した除放性
を確保することができる。このように、より少ない忌避
剤使用量で高い忌避効果及びその持続性を得ることがで
きるので、低コスト化をも図ることができる。
【0075】耐アルカリ性を有する虫忌避剤がジエチル
トルアミドである場合には、より高い虫忌避効果を得る
ことができると共に、忌避剤の分解をより効果的に防止
できる。
【0076】マイクロカプセル体における耐アルカリ性
虫忌避剤/キャリア剤の混合比率が重量比で5/1〜5
/5の範囲である場合には、低コストで一層優れた虫忌
避効果を得ることができる。
【0077】耐アルカリ性虫忌避剤/高分子物質の混合
比率が重量比で0.01/100〜1.5/100の範
囲である場合には、裏打ち層としての機能を低下させる
ことなく、かつ低コストでより一層優れた虫忌避効果を
得ることができる。
【0078】マイクロカプセル体の粒径が1〜100μ
mである場合には、均一な分散性と虫忌避効果の持続性
を十分に得ることができる。
【0079】マイクロカプセル体に内包される組成物の
構成成分として共力剤が含有されている場合には、虫忌
避剤の蒸散移行を一段と促進できるので、一段と優れた
虫忌避効果を得ることができる。
【0080】前記共力剤がピペロニルブトキサイドであ
る場合には、虫忌避剤の蒸散移行をより一段と促進する
ことができる。
【0081】また、この発明の防虫機能を有する布帛類
は、裏打ち層が、樹脂またはゴムの水性エマルジョンが
塗布乾燥されて形成されたものであり、裏打ち層として
虫忌避剤等の蒸散物が十分に通過し得る構造となる。そ
して、裏打ち層の構成材として上記虫忌避剤組成物を用
いているので、布帛において高い虫忌避効果を発揮させ
ることができると共に、その優れた忌避効果を長期間に
わたって持続させることができ、長期間にわたって安定
した除放性を確保することができる。また、このような
高い忌避効果及び優れた持続性を少ない忌避剤使用量で
なし得るから、その分低コストで布帛を提供することが
できる。また、マイクロカプセル体が裏打ち層中に埋設
された態様となるから、布帛使用中において該カプセル
体が脱落等することがなく耐久性にも優れている。更
に、布帛の表層部や基布に虫忌避剤を付与せしめるもの
ではないから、布帛本来の優れた風合いを十分に確保で
きると共に、人体に対する安全性の面でも優れたものと
できる。
【0082】裏打ち層における耐アルカリ性虫忌避剤含
量が0.1〜15g/m2 の範囲である場合には、裏打
ち層としての機能を低下させることなく、かつ低コスト
で一層優れた虫忌避効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかるカーペットを示
す断面図である。
【図2】防ダニ性試験方法を説明するための断面図であ
る。
【符号の説明】
1…カーペット等の布帛類 2…裏打ち層 3…カーペット基材等の繊維基材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐アルカリ性を有する虫忌避剤と、 可塑剤、テルペノイド類及びテルペノイド類誘導体から
    なる群より選ばれる1種または2種以上のキャリア剤
    と、 を含有してなる組成物を殻体内に内包したマイクロカプ
    セル体が、樹脂およびゴムからなる群より選ばれる1種
    または2種以上の高分子物質を分散質とする高分子水性
    エマルジョン中に分散状態に含有されていることを特徴
    とするカーペット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記耐アルカリ性を有する虫忌避剤がジ
    エチルトルアミドである請求項1に記載のカーペット等
    の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記マイクロカプセル体における耐アル
    カリ性虫忌避剤/キャリア剤の混合比率が重量比で5/
    1〜5/5の範囲である請求項1または2に記載のカー
    ペット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物。
  4. 【請求項4】 耐アルカリ性虫忌避剤/高分子物質の混
    合比率が重量比で0.01/100〜1.5/100の
    範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーペ
    ット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物。
  5. 【請求項5】 前記マイクロカプセル体の粒径が1〜1
    00μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載のカ
    ーペット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物。
  6. 【請求項6】 前記マイクロカプセル体に内包される組
    成物の構成成分として共力剤が含有されている請求項1
    〜5のいずれか1項に記載のカーペット等の布帛類の裏
    打ち層用虫忌避剤組成物。
  7. 【請求項7】 前記共力剤がピペロニルブトキサイドで
    ある請求項6に記載のカーペット等の布帛類の裏打ち層
    用虫忌避剤組成物。
  8. 【請求項8】 カーペット基材等の繊維基材の裏面に裏
    打ち層が設けられたカーペット等の布帛類において、 前記裏打ち層が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    カーペット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物が塗
    布乾燥されることにより形成されたものであることを特
    徴とする防虫機能を有するカーペット等の布帛類。
  9. 【請求項9】 前記裏打ち層における耐アルカリ性虫忌
    避剤含量が、0.1〜15g/m2 の範囲である請求項
    8に記載の防虫機能を有するカーペット等の布帛類。
JP13679899A 1999-05-18 1999-05-18 カーペット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物及び防虫機能を有するカーペット等の布帛類 Expired - Lifetime JP4191317B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13679899A JP4191317B2 (ja) 1999-05-18 1999-05-18 カーペット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物及び防虫機能を有するカーペット等の布帛類

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13679899A JP4191317B2 (ja) 1999-05-18 1999-05-18 カーペット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物及び防虫機能を有するカーペット等の布帛類

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000328463A true JP2000328463A (ja) 2000-11-28
JP4191317B2 JP4191317B2 (ja) 2008-12-03

Family

ID=15183775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13679899A Expired - Lifetime JP4191317B2 (ja) 1999-05-18 1999-05-18 カーペット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物及び防虫機能を有するカーペット等の布帛類

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4191317B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030001048A (ko) * 2001-06-28 2003-01-06 주식회사 효성 방충가공법 및 방충성 카페트
KR100419524B1 (ko) * 2001-06-27 2004-02-19 주식회사 효성 천연 테르펜을 캐리어로 사용하는 폴리트리메틸렌 테레프탈레이트 섬유의 염색방법
JP2004300638A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Gunze Ltd 繊維処理用マイクロカプセル及びそれを付着した繊維構造物
WO2007085856A1 (en) * 2006-01-27 2007-08-02 Intelligent Fabric Technologies Plc Insect repellent fabric

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100419524B1 (ko) * 2001-06-27 2004-02-19 주식회사 효성 천연 테르펜을 캐리어로 사용하는 폴리트리메틸렌 테레프탈레이트 섬유의 염색방법
KR20030001048A (ko) * 2001-06-28 2003-01-06 주식회사 효성 방충가공법 및 방충성 카페트
JP2004300638A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Gunze Ltd 繊維処理用マイクロカプセル及びそれを付着した繊維構造物
JP4627970B2 (ja) * 2003-03-31 2011-02-09 グンゼ株式会社 繊維処理用マイクロカプセル及びそれを付着した繊維構造物
WO2007085856A1 (en) * 2006-01-27 2007-08-02 Intelligent Fabric Technologies Plc Insect repellent fabric
US7887826B2 (en) 2006-01-27 2011-02-15 Intelligent Fabic Technologies PLC Insect repellent fabric

Also Published As

Publication number Publication date
JP4191317B2 (ja) 2008-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103649409B (zh) 用于浸渍纺织品的组合物
CN101313107B (zh) 改善的杀昆虫性纺织材料
US20130251773A1 (en) Controlled Release Insect Repellent Materials
TWI702910B (zh) 防蟲纖維以及使用此纖維之防蟲網
KR101599761B1 (ko) 항균 및 방충 기능을 갖는 원단의 제조방법
JP3105540B2 (ja) 殺だに効果を有する床敷物、及び/または壁おおい製品ならびにこれらの製作法
JP4101974B2 (ja) 消臭機能と防虫機能を併有するペット用繊維敷物及びその製造方法
JP4191317B2 (ja) カーペット等の布帛類の裏打ち層用虫忌避剤組成物及び防虫機能を有するカーペット等の布帛類
JP2001207378A (ja) 防虫機能を有するカーペット等の布帛類及びその製造方法
TW200845894A (en) Process and composition for synergistically enhanced insecticidal impregnation of a fabric or netting or other kind of non-living material
JP2016214575A (ja) カ−ペット
JPH08134720A (ja) 機能性コンジュゲート繊維および防虫性敷物
JPH02200602A (ja) 防虫繊維およびその製造方法
JP3576863B2 (ja) 屋内用品のダニ忌避・殺虫液とダニ忌避・殺虫シート
CN105200800A (zh) 一种织物材料
JP6978196B2 (ja) 防虫布帛製品
CN107002349A (zh) 用于地毯的表面处理的组合物和施用方法
JP2016183110A (ja) 繊維構造物及びその製造方法
WO2022220093A1 (ja) ダニ類捕獲製品、及びダニ類捕獲方法
JP2505701Y2 (ja) 害虫忌避材
JP3106678B2 (ja) 防虫繊維
JPH0616524Y2 (ja) 害虫駆除用袋体
JPH03127701A (ja) スプレー用防虫加工剤
JP2007191844A (ja) 有害節足動物防除性繊維とその製造方法及びそれを使用した繊維製品
JP2019077647A (ja) 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080610

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080826

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080918

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 3

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130926

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term